説明

プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置

【課題】プラズマ分離型のプラズマ処理装置において、プラズマ点火時、消火時に発生するパーティクルを低減する。
【解決手段】ウエハ20は、支持台31に設置されエッチング装置10による処理が開始される。プラズマの点火時には、制御部85により、ガス輸送部70の開閉バルブ73は閉じられると共に開閉バルブ84は開かれ、ガス流路はバイパス部85側となる。プラズマ発生部60の電源61からのプラズマ源62への高周波電力の印加により、放電管63に活性ガスが発生する。待ち時間が終了しプラズマの点火が完了した場合、制御部85は、ガス輸送部70の開閉バルブ73は開き、バイパス部80の開閉バルブ84を閉じて、ガス流路を真空処理室30側とする。活性ガスが真空処理室30に導入され、活性ガスによるウエハ20の加工処理が開始される。次に処理するウエハ20の交換作業の間は、制御部85はガス流路を再びバイパス部側に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモートプラズマ方式のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リモートプラズマ方式は、エッチング装置やCVD装置のプラズマ処理の一方式として知られている。リモートプラズマ方式とは、被処理物であるウエハをプラズマ源から離れた位置に置き、プラズマからイオン化したガスを抽出してウエハに向けることによって、エッチング、堆積などの反応を起こさせるものである。この方式は、プラズマで発生したイオンのエネルギーがウエハに到達するまでに緩和されるため、ウエハ表面のダメージを抑えることができる。
【0003】
このリモートプラズマ方式を採用したエッチング装置には、ウエハの薄膜を気相中で化学的に削るエッチング部と、前記のプラズマ発生部とを分離し、これらをガス輸送管で接続したケミカルドライエッチング装置(以下、単にエッチング装置という)がある。
【0004】
このエッチング装置について説明する。図4に示す従来のエッチング装置10bは、次の構成を有する。
(1)被処理物であるウエハ20を処理する真空処理室30。
(2)真空処理室30内のガスを排気する排気部40。
(3)ガスを生成するマスフロー部50。
(4)マスフロー部50から供給されたガスでプラズマ活性ガスを発生させるプラズマ発生部60。
(5)プラズマ発生部60から真空処理室30に活性ガスを輸送する輸送管71。
【0005】
真空処理室30は、減圧状態でプラズマ処理を行うために、ウエハ20を設置する支持台31、及びプラズマ化したガス(以下、活性ガスという)をウエハ20に対して均一にあたるようにするガス分散板32を有する。ウエハ20の表面に形成されているPoly−Si、BPSGなどの薄膜が、このガスによりエッチングされる。
【0006】
排気部40は、ドライポンプなどの真空ポンプ41、真空ポンプ41の吸引力を調圧する調圧バルブ42、及び真空処理室30からの排気の開閉をする主要な弁であるメインバルブ43を有する。
【0007】
マスフロー部50は、CF4、O2、N2などのガスの流量制御をするコントローラ51、ガス導入のための開閉をする弁である開閉バルブ52、及びガス供給のための開閉バルブ53を有する。この例では、供給ガスは2系統であるが、これに限定されない。
【0008】
プラズマ発生部60は、プラズマ発生用の高周波電源、例えば2.45GHz、1.0kwである電源61、電源61からの電力をガスに印加するプラズマ源62、及びプラズマ源62からの印加により供給されたガスをプラズマ化させる放電管63を有する。輸送管71は、プラズマ発生部60で発生したガスを、真空処理室30に輸送する流路である。
【0009】
このようなエッチング装置を一例とするプラズマ処理装置において、プラズマ点火時、消火時にパーティクル(微小異物)が発生する。このパーティクルは、マスクとなってエッチング加工を阻害し、また、膜中異物となり所望の均一な膜を得られなくなる。そのため、従来から、パーティクルの発生を低減する技術が提案されている。
【0010】
例えば、特許文献1には、プラズマ点火を最低限度の領域に留め、徐々に段階的にRF出力(電源出力)を増加させる技術が開示されている。特許文献2には、プラズマ点火のためのステップとプラズマ処理のためのステップを設け、このステップ間でプラズマを消失させることなく、連続してステップを切り替えることよりパーティクルの発生を抑制する技術が開示されている。特許文献3には、プラズマの均一性を向上させることによりパーティクルの発生を抑制する方法において、プラズマ点火時とプラズマ処理時でチョークコイルの位置を変更し、点火性の悪化を抑制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2005−116821号公報
【特許文献2】特開2008−60304号公報
【特許文献3】特開2009−212296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1〜3に記載された発明の課題は、プラズマ処理において、点火時、消火時にパーティクルの発生を抑制するということである。しかし、これらの従来技術は、プラズマ分離型のプラズマ処理装置におけるパーティクル発生の直接的な回避策とはなっていない。
【0013】
その上、前記図4に示す従来技術においては、解決すべき次のような課題があった。
【0014】
[第1の課題]
前記のパーティクルは、例えば、プラズマ点火時又は消火時に発生する微小範囲での急激な温度変化により、ウエハ20の表面やエッチング装置表面の微小突起が欠けたり、また、表面に付着した副生成物が剥がれたりするなどで発生する。
【0015】
例えば、次の表は、150mm石英基板用ドライエッチング装置におけるパーティクルの発生状況を測定したものである。
【表1】

【0016】
この表のaとb,cとの比較から、放電させなければパーティクルの発生は極めて少なく、放電行為でパーティクルを発生させていることがわかる。次に、放電時間を3倍に長くしても、発生するパーティクル数が大きく変化していないことから、パーティクルは、放電中に持続して放出されている訳ではなく、着火または消火時に多く発生していることが推察される。しかし、プラズマの着火と消火は、プラズマ処理に避けられない動作であるため、パーティクルの発生を根本的に防止することは難しい。
【0017】
[第2の課題]
プラズマ点火してプラズマ処理を開始するまでには複数の段取りを踏む必要があり、この間もガスは流されているが、プラズマ処理に利用されることはなく無駄に捨てられている。また、この待ち時間のため生産性を低下させている。この点を説明するため、プラズマを点火してプラズマ処理を開始するまでのシーケンスとおおよその時間を下記に示す。
【0018】
(1)一定量のガスを流す。……2秒
(2)調圧バルブ5の開度を調整してチャンバ圧力を調整する。……5秒
(3)高周波電源61の出力をONさせ、インピーダンスを整合する。……3秒
【0019】
上記のように、プラズマを点火してプラズマ処理を開始するまでに約10秒を要する。更に、処理したい条件ではプラズマが発生しにくい場合がしばしば有り、その際には、プラズマが発生しやすい条件下で前記(1)〜(3)のシーケンスでプラズマを発生させた後、放電を維持しながら処理したい条件に変更を行うために、再び前記(1)〜(3)のシーケンスを繰り返すこととなり、約20秒近く要する場合もある。
【0020】
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものである。すなわち、本発明は、リモートプラズマ方式のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置において、プラズマ点火時、消火時に発生するパーティクルを低減することを目的とする。
【0021】
また、本発明は、プラズマの点火時及び消火時においては、プラズマ発生部で発生したガスを真空チャンバに導入することなく、バイパス部を介することにより、プラズマを点火または消火する際の手間や時間を省いて生産性を向上させると共に、使用するガス量の低減を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置は、次のような特徴を有する。
(1)被処理物をプラズマ処理する真空処理部と、プラズマを発生するプラズマ発生部と、前記真空処理部と前記プラズマ発生部とを接続し、プラズマ発生部で発生したプラズマ化されたガスを前記真空処理部に送るガス輸送部と、前記ガス輸送部に設けられた分岐部と、この分岐部の一方の分岐に接続されたバイパス部と、前記プラズマ発生部からのガスを前記真空処理室に流入するか、又は、バイパス部に流入するかを切り替える流路切替部とを有する。
(2)前記流路切替部は、プラズマ発生部においてプラズマを点火するときに、前記ガス流路をバイパス部に切り替え、プラズマ発生部における放電が安定した後に前記ガス流路を真空処理部に切り替え、プラズマ発生部においてプラズマを消火するときに、前記ガス流路をバイパス部に切り替える。
(3)前記流路切替部は、被処理物に対するプラズマ処理が終了したときに、前記ガス流路をバイパス部に切り替え、次の被処理物に対してプラズマ処理を実施するときに、前記ガス流路を真空処理部に切り替える。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、リモートプラズマ方式のプラズマ処理装置において、プラズマ点火時、消火時に発生するパーティクルを低減し、精密な処理により歩留まりの向上が図れ、且つ、プラズマを点火又は消火する際の手間時間を省くことができ生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施形態のエッチング装置を示すブロック図である。
【図2】実施形態のエッチング装置の作用を示すフローチャートである。
【図3】他の実施形態のエッチング装置を示すブロック図である。
【図4】従来のエッチング装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図1〜図3により説明する。なお、従来技術と同一の部分については、同一の符号を付し、説明は省略する。
【0026】
[実施形態の構成]
図1に示す実施形態のエッチング装置10において、ガス輸送部70は、プラズマ発生部60から真空処理室30(請求項の真空処理部に相当する)に活性ガスを輸送する輸送管71、輸送管71に設けられている分岐部72、及び分岐部72より下流側に設けられている開閉バルブ73を有する。バイパス部80がこの分岐部72から分岐され、このバイパス部80の下流側には開閉バルブ84、メインバルブ83、調圧バルブ82、及び真空ポンプ81が設けられている。
【0027】
本発明における流路切替部は、前記開閉バルブ73と開閉バルブ84、及びこれらのバルブの開閉動作を制御する制御部85を備えている。この制御部85には、流路切替の制御情報を送信するために、プラズマ発生部60及び真空処理室30に設けられたセンサ86,87、及び待ち時間を計測するタイマ88から構成されている。この制御部85により、開閉バルブ73が開かれると共に開閉バルブ84が閉じられた状態では、活性ガスはプラズマ発生部60から真空処理室30に流入する。一方、制御部85により、開閉バルブ73が閉じられると共に開閉バルブ84が開かれた状態では、活性ガスはプラズマ発生部60からバイパス部80に流入する。
【0028】
前記プラズマ発生部60に設けられたセンサ86は、プラズマ発生部60におけるプラズマの点火や消火に関する情報を収集し、制御部85に送信する。また、真空処理室30に設けられたセンサ87は、真空処理室30における被処理物の搬入、圧力調整、プラズマ処理の開始や完了、搬出処理、次の被処理物の搬送開始などの情報を収集し、制御部85に送信する。
【0029】
制御部85のタイマ88に設定する待ち時間は、前記第2の課題で説明したプラズマ点火してプラズマ処理を開始するまでの時間で、例えば、ガスが真空処理室30に留まる時間(以下、レジデンスタイム)から求めることができる。発明者の得た知見によると、このレジデンスタイムは、真空ポンプ41が容積5L、平均圧力10Pa、総ガス流量が300sccm(standard cc/min)とすると、約0.1秒である。レジデンスタイムの10〜100倍を待つことで、異物濃度が1/10〜1/100程度になると考えられ、生産性の観点からしても、タイマ88に設定する待ち時間はこの0.1秒の10から100倍である1〜10秒が望ましい。
【0030】
[実施形態の作用]
図2を用いて、図1の実施形態の作用について説明する。ウエハ20が支持台31に設置されエッチング装置10による処理が開始されると、マスフロー部50の開閉バルブ52,53が開き、コントローラ51の制御に基づき処理用のガスがプラズマ発生部60に供給される(ステップS100)。
【0031】
この状態を制御部85に接続されたプラズマ発生部60のセンサ86が検出すると、制御部85の指令によりガス輸送部70の開閉バルブ73は閉じられ、且つ、バイパス部80の開閉バルブ84は開かれる(ステップS110)。その結果、ガス流路はバイパス部80に切り替えられる。
【0032】
プラズマ発生部60の電源61からのプラズマ源62への高周波電力の印加により、放電管63にプラズマが発生することで処理用のガスが励起され、活性ガスが発生する(ステップS120)。この活性ガスは、輸送管71に流入し、分岐部72を通って制御部85によって流路が切り替えられたバイパス部80へ流入し、開閉バルブ84、メインバルブ83、及び調圧バルブ82を経由して、真空ポンプ81で吸引される。
【0033】
制御部85に設けられたタイマ88にあらかじめ設定した待ち時間が終了しない場合は、制御部85は切替指令を出力することがないので、活性ガスはバイパス部80を流路として、真空ポンプ81で吸引される(ステップS130:No)。一方、タイマ88に設定した待ち時間が経過したことを制御部85が検出すると、制御部85はガス流路の切替指令を出力し、ステップS140に進む(ステップS130:Yes)。
【0034】
ステップS140において、制御部85からの指令により、ガス輸送部70の開閉バルブ73は開かれると共にバイパス部80の開閉バルブ84は閉じられるため、活性ガス流路は輸送管71から分岐部72を通って真空処理室30に至るものとなる。このようにして、ガス流路が真空処理室30に切り替えられ、活性ガスが真空処理室30に導入されると、真空処理室30内において活性ガスによるウエハ20の加工処理が開始される(ステップS150)。
【0035】
ウエハ20のこの加工処理が終了したことを真空処理室30に設けられたセンサ87が検出すると、(ステップS160)、センサ87からの信号を受信した制御部85はガス流路の切替指令を出力する。この切替指令により、ガス輸送部70の開閉バルブ73は閉じられ、且つ、バイパス部80の開閉バルブ84は開かれ、ガス流路はバイパス部側に切り替わる(ステップS170)。
【0036】
次に処理をするウエハ20があれば(ステップS180:Yes)、加工済みのウエハ20が真空処理室30から搬出された後、新たに処理されるウエハ20が真空処理室30の支持台31に設置される(ステップS200)。そして、前記ステップS140に進み、制御部85はガス流路を真空処理室30側に切り替えることで、再び活性ガスを真空処理室30に導入し、次のウエハ20の加工処理を行う。
【0037】
一方、処理をする次のウエハ20がなければ(ステップS180:No)、加工済みのウエハ20が真空処理室30から搬出されると共に、プラズマ発生部60は活性ガスの発生を終了する(ステップS190)。この場合、ガス流路はバイパス部80側に切り替えられたままの状態であり、プラズマの消火時のガスが真空処理室30に導入されることはない。
【0038】
[実施形態の効果]
本実施形態によれば、プラズマ発生部60の点火時に活性ガスの流路をバイパス部80にし、処理が終了した時点で再び活性ガスの流路をバイパス部80に切り替えて、電源61の出力を停止して放電管63の放電を消火する。このように、プラズマ着火時又は消火時に発生するパーティクルは、真空処理室30へは到達せず、直接真空ポンプ81へ排気され、ウエハ20に載ることを防止することができる。この結果より、エッチング加工を阻害するという問題が解決され、ウエハ20の歩留まりを向上させることができる。
【0039】
また、本実施形態によれば、ウエハ20に対する加工処理が終了すると、これを検出したセンサ87からの信号で制御部85がガス流路をバイパス部80側に切り替える。その結果、ウエハ20を入れ替えている間にプラズマの点火及び消火を行うことなく、継続してプラズマを発生させているので、点火及び消火に必要な待ち時間が不要となり、プラズマ処理に必要な総時間を短縮して、生産性を向上することができる。
【0040】
[他の実施形態]
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、以下のような他の実施形態も含有する。
【0041】
(1)図1の実施形態のバイパス部80は、真空ポンプ81を有する構成であるが、これに限定されない。例えば、図3に示すエッチング装置10aのような構成でも良い。図3に示すエッチング装置10aにおいて、排気部40aは、調圧バルブ42とメインバルブ43との間に設けられた分岐部44を有している。バイパス部80aは、開閉バルブ84を有しており、このバルブの下流側の端部が分岐部44の一方の分岐に接続している。図3の実施形態では、活性ガスの流路がバイパス部80aの場合に、真空処理室30内のガスを吸引する真空ポンプ41を用いて、バイパス部80aのガスも吸引する。この構成は、ポンプの台数を削減できる効果がある。
【0042】
(2)実施形態のプラズマ発生部60からの活性ガスの流路切替部は、開閉バルブ73と開閉バルブ84とであるが、これに限定されない。例えば、流路切替部は、分岐部72に設けられた分岐バルブであっても良い。
【0043】
(3)プラズマ発生部60からの活性ガスの流路をバイパス部80に切り替える場合は、例えば、プラズマ発生部60のクリーニングやシーズニングを行うときであっても良い。このようにすると、プラズマ発生部60の温度の安定、化学的な安定を維持することができる。
【0044】
(4)プラズマ処理の被処理物としては、ウエハ以外の部材、例えば、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide)電極など幅広く使用可能である。
【0045】
(5)流路切替部により、ガス流路を切り替えるタイミングは、図示の実施形態のようなプラズマ発生部60や真空処理室30にセンサ86,87を設けることなく、予めすべてのタイミングをタイマ88に設定しておくことも可能である。
【0046】
(6)なお、実施例中ではプラズマ点火時に流路をバイパス部へ切り替えるタイミングとしてセンサ86が、処理用のガスがプラズマ発生部60に供給されたことを検出するときとしているが、ガス供給前にバイパス部80の開閉バルブを開き、ガス流路をバイパスに切り替えてもよい。また、センサ86は処理用のガスがプラズマ発生部80へ供給されたことを検出するものの他、プラズマ発生部80や真空処理室30内の圧力やガス流速、濃度、流量を検知するものであってもよい。
【符号の説明】
【0047】
10、10a、10b…エッチング装置、20…ウエハ、30…真空処理室、31…支持台、32…ガス分散板、40、40a…排気部、41…真空ポンプ、42,82…調圧バルブ、43,83…メインバルブ、44…分岐部、50…マスフロー部、51…コントローラ部、52,53,73,84…開閉バルブ、60…プラズマ発生部、61…電源、62…プラズマ源、63…放電管、70…ガス輸送部、71…輸送管、72…分岐部、80,80a…バイパス部、81…真空ポンプ、85…制御部、86,87…センサ、88…タイマ。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物をプラズマ処理する真空処理部と、プラズマを発生するプラズマ発生部と、前記真空処理部と前記プラズマ発生部とを接続し、プラズマ発生部で発生した活性ガスを前記真空処理部またはバイパス部のいずれかに送るガス輸送部を有するプラズマ処理装置を使用して、
(1) 前記プラズマ発生部においてプラズマを点火するときに、前記ガス流路をバイパス部に切り替え、
(2) プラズマ発生部における放電が安定した後に前記ガス流路を真空処理部に切り替え、
(3) プラズマ発生部においてプラズマを消火するときに、前記ガス流路をバイパス部に切り替えることを特徴とするプラズマ処理方法。
【請求項2】
前記プラズマ発生部における放電が安定した後に前記ガス流路を真空処理部に切り替え、プラズマ発生部からガス輸送部を介して真空処理部に導入された活性ガスを利用して、被処理物に対してプラズマ処理を実施することを特徴とした請求項1記載のプラズマ処理方法。
【請求項3】
被処理物に対するプラズマ処理が終了したときに、前記ガス流路をバイパス部に切り替え、次の被処理物に対してプラズマ処理を実施するときに、前記ガス流路を真空処理部に切り替えることを特徴とする請求項1または請求項2記載のプラズマ処理方法。
【請求項4】
被処理物をプラズマ処理する真空処理部と、プラズマを発生するプラズマ発生部と、前記真空処理部と前記プラズマ発生部とを接続し、プラズマ発生部で発生した活性ガスを前記真空処理部に送るガス輸送部と、前記ガス輸送部に設けられた分岐部と、この分岐部の一方の分岐に接続されたバイパス部と、前記プラズマ発生部からのガスを前記真空処理室に流入するか、又は、バイパス部に流入するかを切り替える流路切替部とを有し、
前記流路切替部は、プラズマ発生部においてプラズマを点火するときに、前記ガス流路をバイパス部に切り替え、プラズマ発生部における放電が安定した後に前記ガス流路を真空処理部に切り替え、プラズマ発生部においてプラズマを消火するときに、前記ガス流路をバイパス部に切り替えることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記プラズマ発生部はプラズマ点火と消火を検知するセンサまたはタイマを有し、前記流路切り替え部は前記センサまたは前記タイマの情報に基づいて流路を切り替えることを特徴とする請求項4記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記流路切替部は、被処理物の処理が終了したときに、前記ガス流路をバイパス部に切り替え、次の被処理物を処理するときに、前記ガス流路を真空処理部に切り替えることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のプラズマ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−79877(P2012−79877A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222946(P2010−222946)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】