説明

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

【課題】基板背面に形成された各種異物を取り除くためのプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】プラズマ処理装置1は、非反応性ガスが噴射される第1電極30と、第1電極30との離隔を調整可能であり、基板50を支持する基板支持台20と、基板支持台20と離隔配置され、電源70が印加されて反応性ガスが噴射されて、基板支持台20によって支持された基板50との間にプラズマを生成させる第2電極40と、により構成される。基板支持台20は、少なくとも一つのアーム21を備え、基板の安定した搭載を保障する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板支持台と、これを備えるプラズマ処理装置、及びプラズマ処理方法に関し、更に詳しくは、所定の薄膜パターンを持つ素子が形成されるウェーハのような基板を、安定的に支持して基板背面に形成された各種異物を取り除くための基板支持台と、これを備えるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子、及び平板表示装置は、基板上に多数の薄膜蒸着と蝕刻(etching)をすることを通して形成される。つまり、基板の所定領域、主に中央部に薄膜を蒸着して、蝕刻マスクを利用する蝕刻工程を通して、基板中央部の薄膜の一部を取り除いて所定の薄膜パターンを持つ素子を製造する。
【0003】
しかし、薄膜の蒸着時には基板の全面に薄膜を形成して、蝕刻の時には基板中央部の薄膜を蝕刻ターゲットにするので、基板端部には薄膜が除去されないで残るようになり、蝕刻工程を行う時に、基板端部にパーティクルが蓄積される。これと同時に、通常、基板を支持する基板支持台には、静電力、又は真空力によって基板が搭載されるので、前記基板と基板支持台との間の界面は、所定距離が離隔して隙間が発生し、これによって基板の背面全体にもパーティクル、及び薄膜が蓄積される。
【0004】
従って、前記基板に存在するパーティクル、及び蓄積された薄膜を取り除かない状態で、工程を継続して行う場合、基板が曲がったり、基板の整列が難しくなるなどの問題が多く発生される。
【0005】
通常、前記のようなパーティクル、及び蓄積された薄膜を取り除く方法としては、溶剤やリンスに沈積させて表面のパーティクルを取り除く湿式蝕刻と、プラズマで表面を蝕刻して取り除く乾式洗浄が知られている。
【0006】
湿式蝕刻は、基板の表面に塗布されるパーティクルを取り除く方法として効果的に活用されているが、工程管理が難しく、基板背面のみを局所的に取り除くには多くの難点が有り、莫大な化工薬品の使用によるコスト増加問題、廃水処理問題、及び環境問題が有る。また、長期間の処理を要し、その装置が大きくなければならないという問題がある。一方、乾式蝕刻は、プラズマを利用して、基板、及び背面の薄膜、又はパーティクルを取り除く方法であって、上述した湿式蝕刻の問題を解決できる。
【0007】
従って、最近には、このような基板背面を蝕刻するための乾式蝕刻装置の開発が活発である。
【0008】
つまり、前記のようなプラズマを利用して、基板の背面を蝕刻する従来のプラズマ蝕刻装置については、米国特許公報第5213650号(特許文献1)に開示されている。
【0009】
前記の米国特許公報第5213650号(特許文献1)では、真空チャンバを含む装置が開示されている。この装置では、プレートとウェーハ表面との間に定義される空間があり、この空間に反応ガスが噴射される。プラズマはウェーハ後面に生成されて蝕刻を行う。
【0010】
前記のような構成において、ウェーハを支持するために、リフトピン(lift pin)方式で基板を支持する場合は、基板背面の工程領域上にリフトピンが配置されて、工程中にアーク放電が発生する余地があり、これによって工程を妨げたり、基板に損傷を起こす可能性がある。
【0011】
更に、前記のような多数のリフトピンで基板を支持する場合、基板の支持部分、つまり、リフトピンと接触される基板の背面には、蝕刻が行われない。このように蝕刻が行われないまま、次の工程を行うと、最終製品の不良の原因となるので、蝕刻が行われていない部分を別途に蝕刻しなければならないという短所がある。
【0012】
また、下部ピンだけでウェーハを支持する場合は、ウェーハの安定した搭載を保障できない上に、振動などが発生する時には、ウェーハがピンの上から離脱される可能性がある。
【0013】
そして、前記のような構成は、ウェーハとプレートの間に定義される空間に反応ガスが噴射され、ウェーハの後面に生成されるプラズマで蝕刻が行われると同時に、薄膜パターンなどが形成されたウェーハの表面の上に、ウェーハ後面上に生成されたプラズマが流入されるか、或いは、その空間内にガス放電によってプラズマが生成されて蝕刻が行われる恐れがある。
【0014】
従って、ウェーハ表面の蝕刻によって、最終製品の収率が低下して不良率が上昇するか、これを防止するために、ウェーハの表面を蝕刻から保護する別途の手段が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許公報第5213650号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、前述の問題を解決するために案出されたもので、湿式蝕刻に比べて、小型の装置を使って速かに蝕刻を行い、製造コストを節減しながら、有害性廃棄物が発生されないようにする基板支持台、及びこれを備えるプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は従来の乾式蝕刻に比べて、アーク放電の発生可能性を低減させて、工程収率、及び製品安全性を上昇させ、基板の安定した搭載を保障する基板支持台、及びこれを備えるプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明は従来の乾式蝕刻に比べて、基板上の蝕刻が要求されない表面を効率的に保護し、最終製品の収率を上昇させて不良発生を防止するプラズマ処理装置、及びこれを利用したプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明による基板支持台は、基板を搭載させるように構成される少なくとも一つ以上のアーム;及び前記アームから前記基板の搭載位置方向に延設される支持部;を含む。
【0020】
ここで、前記アームは、少なくとも三つ以上設けられて、前記基板の中心を基準に相互等角に形成されることを特徴とする。
【0021】
また、前記支持部は、前記アームを相互連結する支持リングを含み、前記支持リングは開曲線を成すように形成できる。この時、前記支持リングの前記開曲線の開口上に配置可能な補助リング、及び前記補助リングと連結される補助アームを備えられ、前記補助アームは、前記アームと同じ方向、又は異なる方向に形成可能で、前記アームと個別的に駆動できる。
【0022】
更に、前記支持リングは、前記基板搭載方向に延設される多数の支持ピンを有し、前記支持リングは、前記基板方向に傾斜が形成された段差を有し、前記支持ピンは、前記段差の下部に形成されて、前記支持ピンは、前記傾斜が形成された段差の縦断部から1ないし3mmの長さに延設できる。
【0023】
この時、前記支持リングの上部は、前記基板搭載位置の前記基板上部の高さより高く形成可能で、前記支持ピン上には、前記支持ピンの延長方向と直交し、前記基板の背面を向ける突出部が0.5ないし1mmの高さに備えられる。
【0024】
望ましくは、前記突出部は、前記基板の背面と接触する部分を尖鋭に形成する。
【0025】
本発明によるプラズマ処理装置は、第1ガスが噴射される第1電極;前記第1電極と離隔されて基板を支持する基板支持台;及び前記基板支持台と離隔配置され、電源が印加されて第2ガスが噴射されて前記基板支持台に支持された前記基板との間にプラズマを生成させる第2電極;を含む。
【0026】
ここで、前記基板支持台には、前記第1電極との隔離距離を調節するように駆動手段を更に備えられ、前記基板支持台の前記アームは、前記第1電極から延設されるか、或いは、前記第2電極から延設できる。
【0027】
本発明によるプラズマ処理装置は、第1ガスが噴射される第1電極;前記第1電極と離隔されて基板を支持する基板支持台;及び前記基板支持台と離隔配置され、電源が印加されて第2ガスが噴射されて前記基板支持台に支持された前記基板との間にプラズマを生成させながら、前記第2ガスを拘束する第3ガスが噴射される第2電極;を含む。
【0028】
ここで、前記第1ガスは、水素、又は不活性ガスを含む非反応性ガスであってもよいし、前記第2ガスは、フッ素系、又は酸素系ガスを含む反応性ガスであってもよいし、前記第3ガスは、反応性ガス、又は非反応性ガスであってもよい。
【0029】
また、前記第2電極には、前記第2ガスを前記基板方向に噴射させるように多数の噴射孔が形成され、前記第2電極には、前記第3ガスが前記第2電極の外縁部から中心方向斜線に噴射されるように噴射手段が形成される。
【0030】
この時、前記噴射手段には、前記第3ガスが斜線に噴射されるように一定曲率を持って形成してもよいし、前記噴射手段は、前記第1電極方向に前記第2電極から更に延設してもよいし、前記噴射手段の排出端部は漸進的に大きく形成してもよいし、前記噴射手段は前記第2電極の中心方向に勾配形成してもよい。
【0031】
また、前記噴射手段には、前記第2電極の中心方向に多数の噴射口を形成してもよい。
【0032】
ここで、前記噴射手段の外縁部には、前記第2電極の中心方向に非反応性ガスである第4ガスを噴射させる補助噴射口を更に備えられる。
【0033】
更に、前記基板支持台には、前記第2電極方向で非反応ガスである第5ガスが噴射されるように噴射部を備えられる。
【0034】
本発明によるプラズマ処理装置は、第1ガスが噴射される第1電極;前記第1電極と離隔されて基板を支持する基板支持台;及び前記基板支持台と離隔配置され、電源が印加されて第3ガスが噴射されて前記基板支持台に支持された前記基板との間にプラズマを生成させる第2電極;を含む。
【0035】
ここで、前記第3ガスは、フッ素系、又は酸素系ガスを含む反応性ガスであることを特徴とする。
【0036】
また、前記第2電極には、前記第3ガスが前記第2電極の外縁部から中心方向斜線に噴射されるように噴射手段が形成されることが望ましい。
【0037】
本発明によるプラズマ処理装置は、第1ガスが噴射される第1電極;前記第1電極と離隔されて基板を支持する基板支持台;及び前記基板支持台と離隔配置され、電源が印加されて第2ガスが噴射されて前記基板支持台に支持された前記基板との間にプラズマを生成させる第2電極;を含む。
【0038】
ここで、前記第1電極、又は前記基板支持台に、前記第1電極と前記基板支持台との離隔を可変することができる駆動手段を備えられる。
【0039】
また、前記第1ガスは水素、窒素、又は不活性ガスを含む非反応性ガスであってもよい。
【0040】
この時、前記第1電極には、前記第1ガスを前記基板上に噴射させるように多数の噴射孔が形成される。
【0041】
また、前記第1電極には、前記第1ガスを前記基板上の外郭方向に流動させるように噴射孔が備われ、前記噴射孔は、前記第1ガスを前記第1電極で供給する供給孔と連通され、前記供給孔から前記基板上の外郭方向に屈折、又は湾曲型の傾斜を成して形成できる。この時、前記傾斜は7゜以下であってもよい。
【0042】
また、前記第1電極の前記噴射孔は、前記基板上の外郭方向に漸進的に大きく、又は小さく形成可能で、漸進的に大きく、又は小さくする角は7゜以下であってもよい。
【0043】
望ましくは、前記第1電極の前記噴射孔は、複数が前記供給孔から分岐して前記供給孔から等角を成して形成されるか、前記供給孔と同心を成す環形に形成される。
【0044】
そして、前記第1電極の前記噴射孔は、前記供給孔で、前記基板から遠距離の第1分岐点から分岐された第1噴射孔と、前記基板から近距離の第2分岐点から分岐された第2噴射孔と、を含むことができる。
【0045】
この時、前記第1分岐点から分岐された前記第1噴射孔は、前記第2分岐点から分岐された前記第2噴射孔より、更に大きい直径を有することができるし、前記第1分岐点から分岐された前記第1噴射孔は、前記第2分岐点から分岐された前記第2噴射孔より、前記基板の更に外郭方向に前記第1ガスを噴射するように形成可能で、前記第1噴射孔、又は前記第2噴射孔は、複数が前記供給孔から分岐して前記供給孔から等角を成して形成されるか、前記供給孔と同心を成す環形に形成できる。
【0046】
望ましくは、前記供給孔は、前記第1分岐点から前記第2分岐点までの直径が漸進的に小さく形成される。
【0047】
また、前記第1噴射孔、又は前記第2噴射孔は、前記基板の外郭方向に漸進的に大きく、又は小さく形成できる。
【0048】
そして、前記基板支持台は、前記チャンバ上部、又は下部から延長して上昇・下降可能なアームが前記基板を支持するか、或いは、前記チャンバ下部に設けられて上昇・下降可能な多数のピンが前記基板を支持するように形成できる。
【0049】
また、前記第2ガスはフッ素系、又は酸素系を含む反応性ガスであってもよい。
【0050】
ここで、前記第2電極には、高周波電力が印加されて、前記第1電極は接地される構成を有することができる。
【0051】
また、前記第2電極には、前記第2ガスを前記基板方向に噴射させるように多数の噴射孔が形成され、前記第2電極には、前記基板支持台との間隔を調節する上昇・下降手段を備えられる。
【0052】
本発明によるプラズマ処理方法は、プラズマ処理装置内の第1電極と、第2電極との間の基板支持台上に基板を搭載させる段階;前記搭載された基板と前記第1電極との間の間隙を調整する段階;前記固定された基板の第1面上に第1ガスを噴射させ、第2面上に第2ガスを噴射させる段階;及び前記第2電極に電源を印加してプラズマを生成させて前記基板の第2面をプラズマ処理する段階;を含む。
【0053】
ここで、前記間隙は、0.1ないし0.7mmであるのが望ましく、前記ガス噴射段階以前に、前記第2電極を移動して、前記第1電極、又は前記基板支持台上に固定された前記基板との間隔を調整する段階を更に含むことができる。
【0054】
この時、前記基板処理段階でプラズマは、CF4、CHF4、SF6、C2F6、及びC4F8から構成される一つの群から選択される少なくとも一つ以上の反応性ガスであって、酸素系ガスを更に含むことができる。
【0055】
本発明によるプラズマ処理方法は、プラズマ処理装置内の第1電極と、第2電極との間の基板支持台上に基板を搭載させる段階;前記搭載された基板と前記第1電極との間の間隙に第1ガスを噴射して、前記第2電極で前記基板支持台方向に第2ガスを噴射しながら、前記第2電極の中心方向に第3ガスを噴射して、前記第2ガスを前記基板支持台と前記第2電極の間に拘束させる段階;及び前記第2電極に電源を印加して前記第2ガスのプラズマを生成させて前記基板の第2面をプラズマ処理する段階;を含む。
【0056】
ここで、前記第1ガスは、水素、又は不活性ガスを含む非反応性ガスであり、前記第2ガスは、フッ素系、又は酸素系ガスを含む反応性ガスであり、前記第3ガスは、反応性ガス、又は非反応性ガスであることを特徴とする。
【0057】
この時、前記基板周辺において、前記第2ガス、及び前記第3ガスのガス圧は、前記第1ガスのガス圧より弱いか、或いは、同じであることが望ましく、前記第3ガスのガス圧は、前記第2ガスのガス圧と同じであるか、或いは、より強いことが望ましい。
【0058】
また、前記第2電極には、前記第2ガス、及び前記第3ガスが、前記第2電極の外縁部を超えて拡散することを防止するように、第4ガスを更に噴射できる。
【0059】
この時、前記第4ガスは、前記第1電極方向に噴射することが望ましい。
【0060】
更に、前記基板支持台には、前記第2ガス、及び前記第3ガスが、前記第2電極の外縁部を超えて拡散することを防止するように、第5ガスを更に噴射し、前記第5ガスを前記第2電極方向に噴射することが望ましい。
【0061】
ここで、前記第4ガス、又は前記第5ガスは、非反応性ガスであってもよいし、前記第4ガス、又は前記第5ガスのガス圧は、前記第2ガス、及び前記第3ガスのガス圧と同じであるか、或いは、より強いことが望ましい。
【0062】
本発明によるプラズマ処理方法は、プラズマ処理装置内の第1電極と、第2電極との間の基板支持台上に基板を搭載させる段階;前記搭載された基板と前記第1電極との間の間隙に第1ガスを噴射して、前記第2電極の第1外縁部から中心方向に第3ガスを噴射する段階;及び前記第2電極に電源を印加して前記第3ガスのプラズマを生成させて前記基板の第2面をプラズマ処理する段階;を含む。
【0063】
ここで、前記第3ガスは、フッ素系、又は酸素系ガスを含む反応性ガスであることを特徴とし、前記第2電極には、前記第3ガスが前記第2電極の外縁部を超えて拡散することを防止するように、前記第1外縁部より更に外郭の第2外縁部から非反応性の第4ガスを噴射することを特徴とする。
【0064】
本発明によるプラズマ処理方法は、プラズマ処理装置内の第1電極と、第2電極との間の基板支持台上に基板を搭載させる段階;前記基板と前記第1電極との間の間隙を調整する段階;前記基板と前記第2電極との間の間隔を調整する段階;前記基板の第1面上に第1ガスを噴射させて、前記基板の第2面上に第2ガスを噴射させながら、前記第2電極の外縁部から中心方向に傾斜を成して第3ガスを噴射させる段階;及び前記第2電極に電源を印加してプラズマを生成させて前記基板の第2面をプラズマ処理する段階;を含む。
【0065】
ここで、前記間隙は、0.1ないし0.7mmであるのが望ましく、前記間隔は、5ないし40mmであることが望ましい。
【0066】
また、前記プラズマ処理装置内の工程圧力は、0.1ないし3Torrであることが望ましい。
【0067】
この時、前記第2ガスは、CF4、CHF4、SF6、C2F6、NF3、F2、F2N2、及びC4F8などのフッ素系、BCl3、及びCl2などの塩素系、及び酸素系から構成される一つの群から選択される少なくとも一つ以上のガスであってもよいし、前記第1ガスは、18族元素、及び窒素から構成される一つの群から選択される少なくとも一つ以上のガスであってもよい。
【0068】
また、前記第2電極には高周波電力が印加されて、前記第1電極は接地されて、前記高周波電力は13.56nMHz(ここで、nは自然数)の周波数を有することを特徴とする。
【0069】
ここで、前記第3ガスは、反応性ガス、又は非反応性ガスであることを特徴とする。
【0070】
本発明によるプラズマ処理方法は、プラズマ処理装置内に相互離隔された第1電極と、第2電極との間に基板を提供して、前記第1電極と前記基板の間の間隙が非放電領域になって、前記第2電極と前記基板の間の間隔が放電領域になるように少なくとも一つ以上のガスを供給する段階;を含む。
【0071】
ここで、前記間隙は、0.1ないし0.7mmで、前記間隔は、5ないし40mmであり、前記プラズマ処理装置内の工程圧力は、0.1ないし3Torrであることが望ましい。
【0072】
また、前記間隙には、18族元素、及び窒素から構成される一つの群から選択される少なくとも一つ以上の非反応性の第1ガスを噴射して、前記間隔にはCF4、CHF4、SF6、C2F6、NF3、F2、F2N2、及びC4F8から構成される一つの群から選択される少なくとも一つ以上のフッ素系、BCl3、及びCl2から構成される一つの群から選択される少なくとも一つ以上の塩素系、及び酸素系から構成される一つの群から選択される少なくとも一つ以上の反応性の第2ガスを噴射することを特徴とし、前記間隔に前記第2ガスを拘束する反応性、又は非反応性の第3ガスを更に噴射できる。
【0073】
そして、前記第2電極には、13.56nMHz(ここで、nは自然数)の周波数を有する高周波電力が印加されて、前記第1電極は接地されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0074】
前記のような本発明による基板支持台、及びこれを備えるプラズマ処理装置によって、湿式蝕刻に比べて、小型の装置を使って速かに蝕刻を行い、製造コストを節減しながら、有害性廃棄物が発生されないようにすることができる。
【0075】
また、本発明による基板支持台、及びこれを備えるプラズマ処理装置によって、従来の乾式蝕刻に比べて、アーク放電の発生可能性を低減させて工程収率、及び製品安全性を上昇させ、基板の安定した搭載を保障できる。
【0076】
また、本発明によるプラズマ処理装置、及びこれを利用したプラズマ処理方法によって、従来の乾式蝕刻に比べて、基板上の蝕刻が要求されない表面を効率的に保護し、最終製品の収率を上昇させて不良発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】は、本発明の第1実施の形態によるプラズマ処理装置を概略的に表す断面図である。
【図2】は、本発明の第2実施の形態によるプラズマ処理装置を概略的に表す断面図である。
【図3】は、図1の基板支持台と、これに支持される基板の部分斜視図である。
【図4】は、図3の第1変更形態である。
【図5】は、図3の第2変更形態である。
【図6】は、図4の「A」部分を表す拡大図である。
【図7】は、図6の他の形態を表す図面である。
【図8】は、本発明の第1実施の形態による基板支持台の作動を順次に示す図面である。
【図9】は、本発明の第1実施の形態による基板支持台の作動を順次に示す図面である。
【図10】は、本発明の第1実施の形態による基板支持台の作動を順次に示す図面である。
【図11】は、本発明の第2実施の形態によるプラズマ処理装置の作動を表す図面である。
【図12】は、本発明の第2実施の形態によるプラズマ処理装置の作動を表す図面である。
【図13】は、本発明の第2実施の形態によるプラズマ処理装置の作動を表す図面である。
【図14】は、本発明の第2実施の形態によるプラズマ処理装置の作動を表す図面である。
【図15】は、本発明の第3実施の形態によるプラズマ処理装置を概略的に表す断面図である。
【図16】は、本発明の第4実施の形態によるプラズマ処理装置を概略的に表す断面図である。
【図17】は、図15の噴射口の多数の変更形態を表す拡大図である。
【図18】は、図15の噴射口の多数の変更形態を表す拡大図である。
【図19】は、図15の噴射口の多数の変更形態を表す拡大図である。
【図20】は、図15の噴射口の多数の変更形態を表す拡大図である。
【図21】は、図15の噴射口の多数の変更形態を表す拡大図である。
【図22】は、図15の噴射口の多数の変更形態を表す拡大図である。
【図23】は、図15のガスの流れを概略的に表す図面である。
【図24】は、本発明の第5実施の形態によるプラズマ処理装置の作動を表す図面である。
【図25】は、本発明の第5実施の形態によるプラズマ処理装置の作動を表す図面である。
【図26】は、本発明の第5実施の形態によるプラズマ処理装置の作動を表す図面である。
【図27】は、本発明の第5実施の形態によるプラズマ処理装置の作動を表す図面である。
【図28】は、本発明の第6実施の形態によるプラズマ処理装置を概略的に表す断面図である。
【図29】は、本発明の第7実施の形態によるプラズマ処理装置を概略的に表す断面図である。
【図30】は、図29の基板支持台と、これに支持される基板の部分平面図である。
【図31】は、本発明の第8実施の形態によるプラズマ処理装置を概略的に表す断面図である。
【図32】は、図28の第1電極、及び基板を表す部分図である。
【図33】は、図32の「B」部分を表す部分拡大図である。
【図34】は、図33の第1変更形態を表す図面である。
【図35】は、図33の第2変更形態を表す図面である。
【図36】は、図32の第1電極の平面図である。
【図37】は、図36の第1変更形態を表す図面である。
【図38】は、図32の変更形態を表す図面である。
【図39】は、図38の第1電極の平面図である。
【図40】は、図39の他の形態を表す図面である。
【図41】は、本発明のプラズマ処理方法の一例を表す図面である。
【図42】は、本発明のプラズマ処理方法の一例を表す図面である。
【図43】は、本発明のプラズマ処理方法の一例を表す図面である。
【図44】は、本発明のプラズマ処理方法の一例を表す図面である。
【図45】は、本発明のプラズマ処理方法の他の形態を表す図面である。
【図46】は、本発明のプラズマ処理方法の他の形態を表す図面である。
【図47】は、本発明のプラズマ処理方法の他の形態を表す図面である。
【図48】は、本発明のプラズマ処理方法の他の形態を表す図面である。
【図49】は、各工程の段階別の構成要素の駆動を表す図面である。
【図50】は、間隔Dの変化と、蝕刻率、及び均一性と、の相関関係を表すグラフである。
【図51】は、工程の圧力変化と、蝕刻率、及び均一性と、の相関関係を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0078】
以下、本発明の多様な実施の形態による基板支持台と、これを備えるプラズマ処理装置、及びプラズマ処理方法を、添付された図面を参照して詳しく説明する。しかし、本発明は、以下に開示する実施の形態に限定されるものではなく、多様な形態に実現されるものである。本実施の形態は、本発明の開示を完全にし、通常の知識を持った者に発明の範疇を知らせるためのものである。図面上の同一符号は、同じ要素を称する。
【0079】
図1は、本発明の第1実施の形態によるプラズマ処理装置を概略的に表す断面図である。
【0080】
図1を参照すれば、本発明の第1実施の形態によるプラズマ処理装置1は、第1ガスが噴射される第1電極30と、第1電極30との離隔を調整可能であり、基板50を支持する基板支持台20と、基板支持台20と離隔配置され、電源70が印加されて第2ガスが噴射されて、基板支持台20によって支持された基板50との間にプラズマを生成させる第2電極40と、を含む。
【0081】
本発明の第1実施の形態でのプラズマ処理装置1は、所定の薄膜パターンを持つ素子が形成されるウェーハのような基板50の背面52上に蓄積された薄膜、及びパーティクルを蝕刻する蝕刻装置である。
【0082】
プラズマ処理装置1は、ゲートバルブのような開閉手段11を通して開閉可能に形成されたチャンバ10と、このチャンバ10と連通された通常の真空排気系60と、を含む。
【0083】
チャンバ10は、少なくとも一つ以上の開閉手段11を通して外部と連結され、クラスタシステム、又はインラインシステムのような多数のチャンバから構成されるシステムに適用されるチャンバ10であってもよい。また、チャンバ10は、接地されてチャンバ10を通して電流が流れないように構成される。
【0084】
チャンバ10内部の上部には、第1電極30が配置され、この第1電極30は接地できる。また、第1電極30には、非反応性ガスが噴射される噴射孔33が配置され、噴射孔33は、チャンバ10外部から非反応性ガスが供給されるように供給孔31と連通して構成される。
【0085】
望ましくは、第1電極30には、一つの供給孔31を通してチャンバ10外部から供給された非反応性ガスが、第1電極30の非反応性ガスが噴射される表面の全面にかけて均一に噴射されるように、多数の噴射孔33が配置される。多数の噴射孔33は、第1電極30の内部で、それと連通された供給孔31から複数が分岐される。
【0086】
もし、一つの供給孔31から噴射孔33を、近距離、又は遠距離にそれぞれ形成する場合、遠距離に形成する噴射孔33の直径は、近距離に形成する噴射孔33の直径より大きく形成して、非反応性ガスを噴射する際に、ガス移動経路が長くなることを理由にする圧力降下を補償できる。
【0087】
また、第1電極30の内部には、チャンバ10外部に構成された冷却水循環手段37と連結された冷却流路38が設けられる。
【0088】
第1電極30の供給孔31を通して供給されるガスは、水素、窒素、又は不活性ガスであってもよいし、又は非反応性ガス、つまり基板表面51と反応しないガスであってもよい。
【0089】
ここで、基板表面51は、ウェーハのように基板50上の所定の薄膜パターンを持つ素子が形成される表面であってもよいし、又は基板50の蝕刻が要求されない表面であってもよい。
【0090】
基板50は、第1電極30の噴射孔33が配置された面から所定間隔だけ離隔され、その表面51が噴射孔33と対向されるように配置され、基板支持台20によって支持される。
【0091】
基板支持台20は、チャンバ10上部から延長されたアーム21が基板50を支持するように構成され、アーム21は、チャンバ10外部の基板支持台20に備えられる駆動手段(図示せず)によって伸縮可能に構成される。
【0092】
駆動手段によって伸縮可能である基板支持台20を構成するとともに、真空密閉を維持するために、チャンバ1外部に露出される基板支持台20が駆動手段と連結される部分は、伸縮可能なベローズ形に構成することが望ましい。
【0093】
基板支持台20のアーム21は、基板50の外縁部のみを支持することが望ましく、基板背面52の外縁部の一部のみを下部から支持して、基板背面52の露出面を最大にする。
【0094】
アーム21は、駆動手段と連結され、上昇・下降運動、つまり第1電極30に対して近く、又は遠く移動可能であって、これに支持される基板50も第1電極30に対して近く、又は遠く配置されるようにする。
【0095】
ここで、基板背面52は、ウェーハのように基板50上の所定の薄膜パターンを持つ素子が形成される表面の裏面であってもよいし、又は基板50の蝕刻が要求される表面であってもよい。
【0096】
可変である所定の間隙dは、アーム21の上昇・下降運動を通して、基板50の表面51と、非反応性ガスが噴射される第1電極30との間で調節される。また、基板支持台20は、プラズマ処理装置1から電気的にフローティング(floating)して、他の構成物に対して電気的に干渉されないように構成することが望ましい。また、アーム21を含む基板支持台20は、Al2O3のような絶縁物質で構成して、外部電撃(electric shock)による基板支持台20の損傷を防止する。
【0097】
基板支持台20の下部には、基板50の背面52と所定間隔Dに離隔されて第2電極40が配置される。
【0098】
この第2電極40は、電源70が印加されるように構成し、これを通して反応性ガスが噴射されるように噴射孔42を有する。
【0099】
噴射孔42は、第1電極30でのそれと類似するもので、チャンバ1外部からそれと連通された供給孔41を通して、反応性ガス供給手段44から反応性ガスが供給されて、チャンバ1内部に反応性ガスを噴射するように構成され、基板支持台20が支持する基板50の背面52の全面にかけて、均一な反応性ガスを噴射できるように、基板背面52の方向を向けて複数が形成される。
【0100】
第2電極40での噴射孔42でも、供給孔41が形成された部分において、遠距離に形成された噴射孔42の直径が、近距離に形成された噴射孔42の直径より大きく形成されて、反応性ガスを噴射する際に、ガス移動経路が長くなることを理由にする圧力降下を補償することが望ましい。
【0101】
このような構成以外にも、第1電極30、又は第2電極40からのガス噴射の構造は、必要に応じて多様に変えられる。
【0102】
一方、第2電極40の外周縁には、第2電極40上に生成されるプラズマを集中させるための絶縁リング43が設けられる。この絶縁リング43は、Al2O3のような絶縁物質で構成できる。
【0103】
第2電極40の噴射孔42を通して噴射される反応性ガスは、CF4、CHF4、SF6、C2F6、及びC4F8のようなフッ素系、又は酸素系ガスを含んでもよいし、その他には、基板背面52に蓄積された薄膜やパーティクルなどを化学的に蝕刻できる他の元素を含んでもよい。
【0104】
第2電極40は、チャンバ1外部に、別途構成された駆動手段49によって、基板支持台20のそれと類似して上昇・下降運動可能に構成されて、基板支持台20が支持する基板50の背面52から第2電極40までの間隔Dを可変にするように構成される。駆動手段49によって、上昇・下降運動可能である第2電極40を構成するとともに、真空密閉を維持するために、チャンバ1外部に露出される第2電極40が駆動手段49と連結される部分は、伸縮可能なベローズ形に構成することが望ましい。
【0105】
また、第2電極40の内部には、チャンバ10外部に構成された冷却水循環手段47と連結された冷却流路48が設けられる。この時の冷却水循環手段47は、第1電極30に冷却水を循環させる冷却水循環手段37と同じ部材で構成してもよい。
【0106】
第2電極40に連結された電源70は、13.56MHzの定数倍の周波数を有する高周波電力であってもよいし、目的とする工程、又は装置などによって、他の電源を使ってもよい。この時、第2電極40と連結される高周波電源70の構成は、整合機を含む。
【0107】
接地した第1電極30と高周波電源70が連結される第2電極40の構成によって、第1電極30はアノードの役割を、第2電極40はカソードの役割をし、アノードと、カソードの間のガスに13.56MHz、又は13.56MHzの定数倍の交番振幅を与えてプラズマ発生効率を上げる。
【0108】
図2は、本発明の第2実施の形態によるプラズマ処理装置を概略的に表す断面図である。
【0109】
図1での基板支持台20は、チャンバ10上部、つまり第1電極30側で基板50を上部から支持するのに対し、図2での基板支持台280は、チャンバ210下部に設けられて基板250を支持する。
【0110】
図2での基板支持台280も、駆動手段(図示せず)を備え、この駆動手段によって上昇・下降可能なアーム281で基板250を接触支持する。可変である所定の間隙dは、駆動手段によるアーム281の上昇・下降運動を通して、基板250の表面251と、非反応性ガスが噴射される第1電極230との間で調節される。
【0111】
図2に示す基板支持台280の場合、図1に示す基板支持台20の場合と同じく、アーム281が基板250の外縁部を支持して、基板背面252の露出面を最大化させるように構成することが望ましく、同じ主旨の他の構成でもよい。
【0112】
基板支持台280の駆動手段によって、上昇・下降運動可能に構成するとともに、真空密閉を維持するために、基板支持台280でチャンバ210外部に露出される部分を伸縮可能なベローズ形に構成することが望ましい。
【0113】
図3は、図1の基板支持台と、これに支持される基板の部分斜視図である。
【0114】
基板支持台20のアーム21は、それを伸縮運動させる駆動手段(図示せず)と連結され、アーム21は鉛直下部方向に延長される。
【0115】
アーム21の下端部は、アーム21の延長方向である鉛直下部方向と直交する方向に支持部が形成され、この支持部の一例としての支持部材21aは、基板50を支持するように、それぞれのアーム21より定義される内部方向を向けて延設される。
【0116】
本明細書では、支持部というのは、基板支持台20の構成要素として含まれ、基板50と直接接触しながら支持する部材の通称である。
【0117】
一つのアーム21に一つの支持部材21aが形成され、基板50を支持する時には、基板50の露出面が最大化されるが、一つのアーム21に二つ以上の支持部材21aが形成されてもよい。
【0118】
この時、支持部材21aは、基板50の外縁部の一部のみを支持し、それぞれの支持部材21aがお互い水平を維持して、基板50の水平を維持することが望ましい。
【0119】
望ましくは、支持部材21aを有するアーム21は、少なくとも三つ以上備え、更に望ましくは、それぞれのアーム21は、基板50の中心を基準にして等角を成しながら配置する。
【0120】
従来のリフトピンで基板50を支持するのと比べると、基板50の外縁部の背面一部を支持する支持部材21aによって、基板50をプラズマ蝕刻領域にもっと露出できる。更に、プラズマ反応が一番活発な基板50中央部から離隔された基板50外縁部を支持することで、工程の中で発生されるアーク放電現象を防止することができる。また、基板50の搭載領域の外側にアーム21が配置されて、基板50が工程領域から離脱されない安定した搭載を保障することができる。
【0121】
図4は、図3の第1変更形態であり、図5は、図3の第2変更形態である。
【0122】
図4では、それぞれのアーム21は、支持リング22に連結され、支持リング22には、支持ピン23が基板50搭載方向に形成されている。
【0123】
支持リング22は、基板50搭載領域に応じて開曲線に形成され、支持リング22の開き空間には、補助アーム21´、及びここに形成された補助リング22´が配置される。この補助リング22´にも、また支持ピン23´が形成される。勿論、補助リング22´からの支持ピン23´の構成は省略できる。
【0124】
開曲線に形成された支持リング22の開き空間は、基板50が基板支持台20上に搭載、又は離脱される時に、ロボットアームなどの基板50搬送手段(図示せず)との衝突を回避するためのものである。工程時には、基板50が搭載された後に、補助アーム21´が移動して、補助リング22´と支持リング22がほとんど閉曲線を成すように作動する。
【0125】
支持リング22の構成は、図3の構成と比べてみると、蝕刻工程の中でプラズマ発生時に、基板50周辺に形成されるプラズマの均一性を高めるためのものであり、支持リング22の開き空間に位置される補助リング22´も、プラズマの均一性を高めるためのものである。
【0126】
また、支持リング22は、基板50が基板支持台20上に搭載される時に、基板50の搭載位置を確保して、基板50が安定して搭載されるようにするための構成であり、それぞれのアーム21が支持リング22を通して連結されるので、基板50が搭載される時の水平を保障できる。
【0127】
これによって、支持リング22、及び補助リング22´が基板50に対してその外郭方向から環状に囲む形態を成すので、基板50背面上に形成されるプラズマの均一性を維持することができる。
【0128】
補助リング22´が形成された補助アーム21″は、図5に示すように、他のアーム21とは反対の方向に形成してもよいし、他の駆動可能な方向に形成してもよい。
【0129】
勿論、どちらの場合でも補助アーム21´、21″は、アーム21とは別々に作動することが望ましい。
【0130】
図3と同じく、図4、及び図5の構成でも、基板50の外縁部の一部だけが接触支持されていて、プラズマ発生領域から最大に離脱して基板50とアーム21が接触されるので、アーク放電発生を最大に抑制することができる。
【0131】
補助アーム21´は、クラスタシステムのような配置型反応機において、ウェーハなどのような基板50を基板支持台20上に搭載させる時に、ロボットアームによって搬送されるウェーハ基板50を基板支持台20上に搭載させた後、前記ロボットアームを退去させる一連の動きで、前記ロボットアームと基板支持台20との衝突を回避するために構成される。
【0132】
言い換えると、開曲線に形成された支持リング22の開き空間方向にロボットアームによって基板50が搬送され、基板支持台20上に基板50が搭載されてから、ロボットアームが退去された後、補助アーム21´が駆動手段を通して支持リング22の開き空間上に配置されて、支持リング22、及び補助リング22´が一緒に閉曲線を成すようにする。
【0133】
望ましくは、この補助リング22´は、支持リング22が持つ曲率と同じ曲率を持ち、更に望ましくは、支持リング22と補助リング22´は同心曲率を持つ。しかし、これは、基板50がほぼ円形であるウェーハの場合であって、基板50の形によって他の形状も可能である。
【0134】
補助リング22´は、支持リング22に接触され、通常の連結方法、例えば凹凸連結、磁力連結、又は雄雌連結などで連結を成すこともできる。
【0135】
この補助リング22´の配置によって、基板50はもっと安定して搭載できるし、振動などが発生しても、基板支持台20からの基板50の離脱などを防止することができる。
【0136】
支持リング22や補助リング22´などの基板支持台20の付属構成要素は、金属、又はセラミックスなどの硬い固体で構成してもよい。
【0137】
勿論、補助リング22´の構成は、使われる基板50や装置1、又は要求される工程などによって、その構成を省略できる。
【0138】
図6は、図4の「A」部分を表す拡大図である。
【0139】
アーム21の支持リング22には支持ピン23が形成され、この支持ピン23は基板50と、更に詳しくは、基板背面52の外縁部の一部を接触支持する。
【0140】
この場合、支持ピン23は、少なくとも基板50の3地点以上を支持するように形成され、このためにアーム21も三つ以上設けられる。この時、三つ以上設けられるアーム21は、基板50の中心を基準に相互等角を成すのが望ましい。
【0141】
図7は、図6の他の形態を表す図面である。
【0142】
図7に示すように、基板支持台20のアーム21は、傾斜22aが形成されて、所定の段差を有する支持リング22を含み、この支持リング22には支持ピン23が延設されて、支持ピン23は、基板50下部、つまり基板背面52を向けて形成された突出部24を有する。突出部24は、基板背面52と直接接触され、尖鋭に構成されて基板背面52との接触面を最小化することが望ましい。
【0143】
基板支持台20の支持ピン23は、少なくとも基板50の3地点以上を支持するように形成されて、一つの支持ピン23に一つ以上の突出部24を備えて、基板背面52と第2電極40(図2)との間を妨害しないように、つまり基板背面52が第2電極40を向けて最大に露出するように形成される。
【0144】
一つの突出部24を備える支持ピン23は、基板背面52が第2電極40を向けて最大に露出されるように最少数に形成されることが望ましく、2地点、又は3地点を支持するように形成できるが、2地点を支持する時には、基板50の水平支持を維持し難いので、更に望ましくは、3地点以上を支持するように形成される。
【0145】
この時、突出部24を備えた支持ピン23が基板50を支持する地点は、それぞれ等角を成すのが望ましい。
【0146】
支持リング22から延設される支持ピン23、及び支持ピン23に設けられる突出部24は、支持リング22上部の基板50側、つまり傾斜22aが始まる地点と基板50外周縁の間の間隔a、支持ピン23と基板背面52との間隔b、及び支持リング22上部から基板表面51までの垂直高さcを有するように構成される。図6の構成を図7の構成と比べてみると、図6では突出部24がない構成なので、支持ピン23と基板背面52との間隔bは0である。
【0147】
支持リング22は、上部から支持ピン23の基端部まで所定角度の傾斜22aを成して形成され、支持リング22と基板50外周縁の間の間隔aを成して、基板表面51を向けて噴射される第1ガスの流動を基板背面52方向に案内する。
【0148】
支持リング22と基板50外周縁の間の間隔aは、狭すぎる場合、ガス流動が円滑に行われないし、基板支持台20上に基板50を搭載する時に、基板支持台20と基板50の間の物理的干渉が起こり得るので、3mm以上であることが望ましい。
【0149】
支持ピン23は、支持リング22から基板50を向けて延設されて、支持リング22と一体に構成される。
【0150】
支持ピン23は、支持リング22の傾斜22a下端から、おおよそ1mm位の長さに延設されることが望ましい。支持ピン23の長さが短すぎる場合、基板50の安定的な支持が無理になり、支持ピン23の長さが長すぎる場合、基板背面52と第2電極40の間を妨害しすぎるようになって、装置、及びこの装置で行う工程の効率が低下するので、支持ピン23の長さは1ないし3mmであることが望ましい。
【0151】
支持ピン23と基板背面52との間隔bは、支持ピン23の一端部に、第1電極30を向けるように、つまり上方を向けるように設けられる突出部24によって定義される。また、使われる基板50がウェーハなどのようにその厚さが一定である場合、支持リング22上部から基板表面51までの垂直高さcも、突出部24の高さによって定義される。
【0152】
突出部24は、支持ピン23から基板背面52を支持するように形成され、基板背面52の露出面を最大化するために、尖鋭に形成される。突出部24は、支持ピン23から0.5ないし1mmの高さを有するように形成され、この突出部24の高さによって支持ピン23と基板背面52との間隔bも、0.5ないし1mmに定められる。
【0153】
突出部24が0.5mm未満の場合には、基板50と支持ピン23との狭い間隔bによって、ガス流動、特に第2ガスの流動が悪くなる可能性があるし、1mmを超過する場合には、尖鋭な突出部24の構成によって、突出部24が損傷される可能性がある。
【0154】
支持リング22上部から基板表面51までの垂直高さcは、突出部24の高さと基板50の厚さによって定められる数値であって、特に限定されることはないが、垂直高さcが0、つまり支持リング22上部と基板表面51が同じ高度を有するか、又は基板表面51が支持リング22上部より低い高度になるように設定することが望ましい。
【0155】
基板表面51が支持リング22上部より高い高度になると、外部からの振動によって、基板50が基板支持台20の搭載位置から離脱される確率が高くなり、ガス流動にも望ましくない。従って、基板表面51は、支持リング22上部と同じか、より低い高度になることが望ましい。
【0156】
このように工程領域の中心から離れた位置で、基板50との接触を最小化して支持する基板支持台20の構造によって、工程中に発生されるアーク放電のような現象を抑制して、工程安定を図って基板損傷をあらかじめ防止することができる。
【0157】
このような基板支持台20の構造は、図2での基板支持台280、又は図1での基板支持台20にも適用できる。
【0158】
また、図4、又は図5での補助リング22´は、図6、又は図7に示す支持ピン23、又は突出部24の構成を有することができる。
【0159】
図8ないし図10は、本発明の第1実施の形態による基板支持台の作動を順次に示す図面である。第1実施の形態での基板支持台は、図5と同じ構造の基板支持台20であって、第1実施の形態以外の構造の基板支持台でも同じように作動できる。
【0160】
図8を参照すれば、基板支持台20は、あらかじめ設定された位置にアーム21が移動して固定されている。
【0161】
以後、図9に示すように、基板支持台20上に別途の運送手段(図示せず)を通して基板50が移送されて、基板50は支持ピン23上に搭載される。この時の支持ピン23は、図6のような構造の支持ピン23であってもよいし、図7のような突出部24を有する支持ピン23であってもよい。
【0162】
この時、基板50の移送は、運送手段と基板支持台20との衝突を回避するために基板支持台20の開き空間から矢印方向に移送され、運送手段は基板50が搭載された後矢印反対方向に退去される。
【0163】
運送手段が基板支持台20で退去された後、図10に示すように、補助アーム21″が基板支持台20下部から支持リング22が成す開き空間にまで上昇移動して、支持リング22と補助リング22´がほぼ閉空間を成すようにする。この時、支持ピン23、23´は、ともに水平を成すのが望ましい。
【0164】
このような基板支持台20の作動を通して、基板50は基板支持台20上に搭載される。
【0165】
以下では、図11ないし図14を参照して、前記のように作動する基板支持台280が具備されたプラズマ処理装置201の作動を説明する。しかし、図11ないし図14では、図2に示す基板支持台280の作動を説明するが、本明細書上の第2実施の形態以外の基板支持台でも同じように作動できる。
【0166】
図11ないし図14は、本発明の第2実施の形態によるプラズマ処理装置の作動を順次に示す図面であり、特に図14では、基板処理時のガス流動経路を矢印で図示した。
【0167】
本発明の第2実施の形態でのプラズマ処理装置201の作動は、プラズマを発生させて、所定の薄膜パターンを持つ素子が形成されるウェーハのような基板250の背面上に蓄積された薄膜、及びパーティクルを蝕刻する蝕刻方法である。
【0168】
本発明の第2実施の形態によるプラズマ処理装置201の作動は、基板250をプラズマ処理装置201内の第1電極230と第2電極240との間の基板支持台280上に搭載させる基板搭載段階と、搭載された基板250を固定させる基板固定段階と、固定された基板250の第1面251上に第1ガスを噴射させ、第2面252上に第2ガスを噴射させるガス噴射段階と、噴射された第2ガスに電源270を印加してプラズマを生成させ、基板250の第2面252を処理する基板処理段階と、を含む。
【0169】
図11に示すように、基板250は、チャンバ210に別途に備えられる引入口を通して入れられて、基板支持台280上に搭載される。基板支持台280上に支持された基板250は、その表面251が第1電極230の噴射孔233を向けて、背面252が第2電極の噴射孔242を向けるように配置される。
【0170】
この時、基板支持台280は、図1を参照して説明された基板支持台20であってもよい。
【0171】
どちらの場合でも、基板支持台280は、第1電極230に対して、間隙d´を成して後退された位置にあり、第2電極240は、基板の背面252に対して、間隔D″を成して後退された位置にある。
【0172】
以後、図8ないし図10で説明したように、基板支持台280に基板250を搭載させる。
【0173】
図12に示すように、開閉手段211を通してチャンバ210が密閉されて真空が形成されると、基板支持台280は駆動手段(図示せず)によって上昇移動して、基板表面251と第1電極230が間隙d(d<d´)を成すようになる。基板支持台280が上昇して、第1電極230と基板表面251との間隙dが減少することによって、第2電極240と基板背面252との間隔D″は、間隔D´に広くなる。
【0174】
以後、図13に示すように、第2電極240も駆動手段249によって上昇移動して、基板背面252と第2電極240が間隔D(D<D´)を成すようになる。
【0175】
第1電極230と基板250との間隙d、又は基板250と第2電極240との間隔Dは、本発明の多くの実施の形態で説明したように、基板支持台280、及び第2電極240の上昇・下降運動で達成されることだけでなく、第1電極230、基板支持台280、又は第2電極240中で、少なくとも一つ部材の駆動を通して達成してもよい。このために、各部材に別途の駆動手段を備えられる。
【0176】
また、第2電極240と基板背面252との間隔Dは、必ず可変にする必要はなく、間隔D内にプラズマを生成させることができるのであれば、どの間隔D、D´、D″も可能であり、これによって第2電極240を移動しないで、基板支持台280だけを移動して、工程を行うことも可能である。
【0177】
勿論、図面に示した間隔D、D´、D″以外の間隔も可能であり、基板支持台280と第2電極240の間の間隔は、要求される工程、チャンバ、又は基板の大きさによって可変であって、工程中でも変えることができる。
【0178】
以後、図14に示すように、第1電極230を通して非反応性ガスが先に流入された後、第2電極240を通して反応性ガスが流入され、高周波電源270を通して電力が印加されて、反応性ガスのプラズマが生成される。
【0179】
反応性ガスのプラズマはプラズマ生成領域に形成され、プラズマ内のラジカルは基板背面252に蓄積された薄膜、又はパーティクルなどと反応して、これらを基板背面252から除去させて蝕刻工程が行われる。
【0180】
この時、プラズマは、基板背面252と第2電極240の間の間隔Dに形成され、第1電極230と基板表面251との間隙dには、非反応性ガスの流入によって、非プラズマ状態のガス流動だけが存在するようになる。
【0181】
この時、間隙dは0.1ないし0.7mmであることが望ましい。間隙dが0.1mm未満の時には、第1電極230との接触可能性がある。従って、より安定した工程を行うためには、0.1mm以上の間隙dを維持する必要がある。0.7mmを超過する間隙dでは、相対的に非反応性ガスの圧力が低下して、間隔Dで形成されたラジカルが間隙dに流入して、基板表面251を蝕刻することもあり得る。従って、間隙dは0.7mm以下であることが望ましい。また、0.7mmを超過する間隙では、非反応性ガスのプラズマ化が進行する可能性もあり、これによって基板表面251を蝕刻することもあり得る。しかし、0.7mm以下の間隙dでは、通常の蝕刻工程での工程圧力、及び工程電圧によるプラズマが生成されない領域を維持することができる。
【0182】
また、第1電極230から噴射される非反応性ガスは、第2電極240から噴射される反応性ガスより絶縁破壊電圧が更に大きく、第2電極240に印加される電力によってプラズマが生成されないことが望ましい。
【0183】
第2電極240から噴射される反応性ガスは、CF4、CHF4、SF6、C2F6、及びC4F8のようなフッ素系などの反応性の強い7族元素系や酸素が含まれるガスを使うことができるし、使われる基板背面252上に蓄積された薄膜やパーティクルなどの種類によって、これを蝕刻することができる他の元素が含まれた気体であってもよい。
【0184】
このような反応性ガスでプラズマを生成すれば、高い活性の前記元素のラジカルが生成されて、基板背面252上の蝕刻対象元素に応じて蝕刻を行うことができる。
【0185】
プラズマ領域の限定のために、別途の拘束磁界を更に形成してもよい。この拘束磁界は永久磁石、電磁石、又は誘導磁界などで形成できる。場合によって、磁力でプラズマ内のイオンの振動を引き起こして、プラズマ発生効率を更に上げることもできる。この場合、チャンバ210、基板250、第1電極230、又は第2電極240などの構成によって、形成される磁界を変えることができる。
【0186】
また、第2電極240に電力を印加する電源270は、高周波電源以外に直流、交流などを使ってもよいし、単極、又は両極パルス電源を使ってもよい。この場合、使われる電源によって、第1電極230、又は第2電極240の電気的連結を変えることができるし、電力印加のための別途の部材を更に備えることもできる。
【0187】
蝕刻を終了すると、電力供給を中断して反応性ガス、及び非反応性ガスの供給を遮断し、真空排気を通して蝕刻副産物をチャンバ210内から取り除く。この時の蝕刻副産物は、プラズマのラジカルと反応した気体であるので、真空排気だけで十分に除去可能である。
【0188】
蝕刻副産物が除去されると、駆動手段249を通して第2電極240が下降され、基板支持台220の駆動手段を通して、基板250が第1電極230から退去される。
【0189】
以後、真空を破棄して開閉手段211を開けた後、移送手段で基板250を引き出すことで蝕刻工程を完了する。
【0190】
図15は、本発明の第3実施の形態によるプラズマ処理装置を概略的に表す断面図である。
【0191】
図15を参照すれば、本発明の第3実施の形態によるプラズマ処理装置301は、第1ガスが噴射される第1電極330と、第1電極330からの離隔を調整可能であり、基板350の外縁部を支持する基板支持台320と、基板支持台320と離隔配置され、電源370が印加されて第2ガスが噴射され、基板支持台320によって支持された基板350との間にプラズマを生成させる第2電極340と、を含む。
【0192】
本発明の第3実施の形態でのプラズマ処理装置301は、反応性プラズマを発生させて、所定の薄膜パターンを持つ素子が形成されるウェーハのような基板350の背面上に蓄積された薄膜、及びパーティクルを蝕刻する蝕刻装置である。
【0193】
プラズマ処理装置301は、開閉可能に形成されたチャンバ310と、このチャンバ310と連通された通常の真空排気系360と、を含む。
【0194】
チャンバ310の上部には、第1電極330が配置され、この第1電極330は接地構成される。また、第1電極330には、非反応性ガスが噴射される噴射孔333が形成され、噴射孔333は、チャンバ310外部から非反応性ガスが供給されるように供給孔331と連通して構成される。
【0195】
望ましくは、第1電極330には、一つの供給孔331を通してチャンバ310外部から供給された非反応性ガスが、第1電極330の非反応性ガスが噴射される表面の全面にかけて均一に噴射されるように、多数の噴射孔333がいわゆるシャワーヘッド型に形成され、多数の噴射孔333は第1電極330の内部で、それと連通された供給孔331から複数が分岐される。
【0196】
更に望ましくは、第1電極330で、供給孔331が形成された部分において、遠距離に形成された噴射孔333の直径は、近距離に形成された噴射孔333の直径より大きく形成されて、非反応性ガスを噴射する際に、ガス移動経路が長くなることを理由にする圧力降下を補償する。
【0197】
第1電極330の供給孔331を通して供給されるガスは、水素、又は不活性ガスであってもよいし、又は非反応性ガス、つまり基板表面351と反応しないガスであってもよい。
【0198】
ここで、基板表面351は、ウェーハのように基板350上の所定の薄膜パターンを持つ素子が形成される表面であってもよいし、又は基板350の蝕刻が要求されない表面であってもよい。
【0199】
基板350は、第1電極330の噴射孔333が形成される表面から所定間隔だけ離隔され、その表面351を噴射孔333と対向するように配置され、基板支持台320によって支持される。
【0200】
基板支持台320は、チャンバ310上部から延長されたアーム321が基板350を支持するように構成され、アーム321はチャンバ310外部の基板支持台320に備えられる駆動手段(図示せず)によって伸縮可能に構成される。
【0201】
駆動手段によって伸縮可能である基板支持台320を構成するとともに、真空密閉を維持するために、チャンバ310外部に露出される基板支持台320が駆動手段と連結される部分は、伸縮可能なベローズ形に構成することが望ましい。
【0202】
基板支持台320のアーム321は、基板350の外縁部のみを支持するように、更に詳しくは、基板背面352の外縁部のみを下部で支持するように形成され、駆動手段と連結されて、上昇・下降運動、つまり第1電極330に対して近く、又は遠く移動可能であって、これに支持される基板350も第1電極330に対して近く、又は遠く配置できる。
【0203】
従来のリフトピン方式では、リフトピンと電極との接触危険が在ったのに対し、電極と基板支持手段との接触危険がない基板支持台320を使うことで、アーク放電の発生可能性を低減できる。
【0204】
ここで、基板背面352は、ウェーハのように基板350上の所定の薄膜パターンを持つ素子が形成される表面の裏面であってもよいし、又は基板350の蝕刻が要求される表面であってもよい。
【0205】
可変である所定の間隙dは、アーム321の上昇・下降運動を通して、基板350の表面351と、非反応性ガスが噴射される第1電極330との間で調節される。
【0206】
また、基板支持台320は、プラズマ処理装置301から電気的にフローティング(floating)して、他の構成物に対して、電気的に干渉されないように構成することが望ましい。また、アーム321を含む基板支持台320は、Al2O3のような絶縁物質で構成されて、外部電撃(electric shock)による基板支持台320の損傷を防止する。
【0207】
基板支持台320の下部には、基板支持台320と所定間隔だけ離隔されて第2電極340が配置される。
【0208】
この第2電極340は、電源370が印加されるように構成されて、これを通して反応性ガスが噴射されるように噴射孔342、及び噴射口346を有する。
【0209】
噴射孔342は、第1電極330でのそれと類似するもので、チャンバ310外部の供給手段344から、それと連通された供給孔341を通して反応性ガスが供給されて、チャンバ310内部に反応性ガスを噴射するように、いわゆるシャワーヘッド型に構成され、基板支持台320に支持された基板350の背面352の全面にかけて、均一な反応性ガスを噴射できるように、基板背面352の方向を向けて複数が形成される。
【0210】
第2電極340の噴射孔342でも、供給孔341が形成された部分において、遠距離に形成された噴射孔342の直径が、近距離に形成された噴射孔342の直径より大きく形成されて、反応性ガスを噴射する際に、ガス移動経路が長くなることを理由にする圧力降下を補償することが望ましい。
【0211】
このような構成以外にも、第1電極330、又は第2電極340でのガス噴射構造は、必要に応じて多様に変えられる。
【0212】
一方、第2電極340の外周縁には、第2電極340上に生成されるプラズマを集中させるための絶縁リング343が設けられる。この絶縁リング343は、Al2O3のような絶縁物質で構成できる。
【0213】
噴射口346は、別途の供給手段345から供給された反応性ガスが、第2電極340の外縁部から第2電極340の中心軸、又は基板350の中心方向に噴射されるように、いわゆるノズル型に形成される。
【0214】
噴射孔342から噴射される反応性ガスが、第2電極340の平面外縁部を超えて拡散しないように、つまり反応性ガスが第2電極340の平面上にだけ放電を起こして、プラズマ発生効率を上げるように、噴射口346でのガス圧は、噴射孔342でのガス圧と同じであるか、或いは、より強いことが望ましい。
【0215】
第2電極340の噴射孔342、及び噴射口346を通して噴射される反応性ガスは、CF4、CHF4、SF6、C2F6、及びC4F8のようなフッ素系、又は酸素系ガスを含んでもよいし、その他には、基板背面352に蓄積された薄膜やパーティクルなどを化学的に蝕刻できる他の元素を含んでもよい。
【0216】
また、噴射口346では、不活性気体のような非反応性ガスを噴射できる。噴射口346で、反応性ガス、又は非反応性ガスの中からどのガスが噴射されるかは、要求される工程によって変えられ、それによって噴射口346での噴射圧力も変えることができる。
【0217】
噴射口346から反応性ガスが噴射される時には、露出される基板背面352でのプラズマ生成効率を更に上げられ、非反応性ガスが噴射される時には、噴射孔342から噴射される反応性ガスの拘束効率(confining efficiency)を上げることができる。
【0218】
噴射口346から反応性ガスが噴射される場合、噴射孔342ではガスが噴射されないで、噴射口346から噴射される反応性ガスだけを使用することができる。
【0219】
反応性ガスの噴射圧が強すぎる時には、基板背面352から基板350の揺れを引き起こす可能性がある。従って、噴射孔342、及び噴射口346を通して噴射される反応性ガスは、第1電極330の噴射孔333を通して噴射される非反応性ガスの基板350周辺での圧力より弱いように噴射することが望ましい。
【0220】
また、第2電極340は、チャンバ310外部に、別途構成された駆動手段349によって、基板支持台320のそれと類似して上昇・下降運動可能に構成されて、基板支持台320に支持された基板350の背面352から第2電極340までの間隔Dを変えることができる。
【0221】
駆動手段349によって、上昇・下降運動可能である第2電極340を構成するとともに、真空密閉を維持するために、チャンバ310外部に露出される第2電極340が駆動手段349と連結される部分は、伸縮可能なベローズ形に構成することが望ましい。
【0222】
第2電極340に連結された電源370は、13.56MHzの定数倍の周波数を有する高周波電力であってもよいし、目的とする工程、又は装置などによって、他の電源を使ってもよい。この時、第2電極340と連結された高周波電源370の構成は、整合機を含む。
【0223】
接地された第1電極330と高周波電源370が連結された第2電極340の構成によって、第1電極330はアノードの役割を、第2電極340はカソードの役割をするようになり、アノードと、カソードの間のガスに13.56MHz、又は13.56MHzの定数倍の交番振幅を与えて、プラズマ発生効率を上げる。
【0224】
図16は、本発明の第4実施の形態によるプラズマ処理装置を概略的に表す断面図である。
【0225】
図16では、図15と比べて、基板支持台420のアーム421に別途の噴射口423が設けられる。この噴射口423は、第2電極440の噴射口446と同じく反応性ガス、又は非反応性ガスが噴射されて、噴射孔442から噴射される反応性ガスが、第2電極440の平面外縁部を超えて拡散しないように、つまり反応性ガスが第2電極440の平面上にだけ放電を起こして、プラズマ発生効率を上げるようにする。
【0226】
この時、噴射口423は、平面上に第2電極440の噴射口446より外郭に、或いは、内郭に配置できるが、どちらの場合でも噴射孔442よりは外郭に配置されることが望ましい。
【0227】
また、この噴射口423も、第2電極440の噴射口446と同じく、基板450の中心方向に配置できるが、鉛直下方を向けて配置することもできる。
【0228】
図17ないし図22は、第3実施の形態の第2電極340の噴射口346の多くの変更形態を表す拡大図である。
【0229】
先ず、図17を参照すれば、第2電極340の噴射口346は、第2電極340の上部より所定長さだけ長く延長して、第2電極340の内側、つまり第2電極340の中心軸方向を向けるように形成され、第2電極340の噴射孔342から基板350方向に噴射される反応性ガスが、第2電極340外縁部方向に離脱することを防止する。
【0230】
噴射口346が第2電極340自体と成す角度θは、特に限定されることなく、チャンバ310の大きさや第2電極340の大きさ、又は第2電極340と基板350との間隔Dによって変えることができる。
【0231】
噴射口346が第2電極340自体と成す角度θを可変させるために、別途の駆動手段(図示せず)を用意できる。
【0232】
また、噴射口346は、別途のノズルで構成されることなく、第2電極340自体と一体に備えられ、望ましくは第2電極340上部表面と角度θを成す傾斜を有し、更に望ましくは、図18のように、第2電極340自体から噴射方向にガスが流通するように、所定の曲率を持って形成された傾斜を有することができる。
【0233】
即ち、曲率を持ち、噴射口346a一部を閉塞する閉塞部346bに沿って噴射されるガスは、第2電極340の中心方向に噴射できる。
【0234】
同じ主旨で、図19のように、ガス排出端部は、漸進的に大きく形成された噴射口346´を有し、噴射口346´から噴射されるガスを間隔Dの広い領域に拡散させられる。
【0235】
他の形態としては、図20に示すように、第2電極340の噴射孔342が形成された方向と同じ方向に延設される噴射構造体346″に、多数の噴射口346cを第2電極340の中心方向を向けるように形成して、これを通してガスが噴射されるようにすることができる。
【0236】
どちらの場合でも、噴射口346cから噴射されるガスは、反応性ガス、又は非反応性ガスであってもよい。これで、第2電極340と基板背面352の間に形成される反応性ガスのプラズマ集中効率を上げられる。
【0237】
更に、第2電極340と基板背面352の間に形成される反応性ガスのプラズマの集中効率を上げて工程効率を高めるために、図21に示すように、図17に示す第2電極340の噴射口346外部に、別途の噴射ノズル346’’’を更に備えることもできる。
【0238】
噴射ノズル346’’’は、噴射孔342と同じ方向に形成され、更に詳しくは、反応性ガスで形成されるプラズマ領域が、基板背面352の全面で反応されるように構成される。従って、噴射ノズル346’’’は、基板支持台320のアーム321方向、又はその外側方向を向けるように構成される。更に、噴射孔342、及び噴射口346から噴射される反応性ガスが、第2電極340の外縁部、つまり平面に、噴射ノズル346’’’より外側へ拡散することを防止するために、別途のガスを噴射する。この時、噴射されるガスは、非反応性ガスであることが望ましく、噴射孔342、及び噴射口346から噴射される反応性ガスの噴射圧より、噴射ノズル346’’’から噴射される非反応性ガスの噴射圧が強いか、或いは、同じであることが望ましい。
【0239】
噴射ノズル346’’’から噴射される非反応性ガスは、反応性ガスより絶縁破壊電圧が更に大きく、第2電極340に印加される電力によってプラズマが生成されないことが望ましい。
【0240】
噴射ノズル346’’’は、第2電極340の外縁部に複数を多重に設置できるし、この場合、外郭に行くほど、非反応ガスの噴射圧が高くなることが望ましい。
【0241】
また、図22を参照すれば、噴射ノズル346は、図17ないし図21での構造とは違い、絶縁リング343の内側に備えられる。即ち、図22の構造は、絶縁リング343が第2電極340の最外郭に配置される。このような構造が図18ないし図21での噴射ノズルの構造にも適用できる。
【0242】
図23は、噴射孔342、及び噴射口346から噴射されるガスの流れを概略的に表す図面である。
【0243】
図23に示すように、噴射孔342を通して噴射される反応性ガスは、第2電極340と基板350の間にプラズマを生成し、この時に第2電極340の外縁部からプラズマ形成領域方向に噴射されるガスによって、プラズマ領域が第2電極340外縁部方向に拡散しないで、基板背面352に集中できる。
【0244】
勿論、噴射口346によるガスの噴射角は、要求される工程の種類、又は工程進行の程度によって変えることができる。
【0245】
噴射口346から噴射されるガス圧P1は、噴射孔342から噴射される反応性ガスの流れを第2電極340上だけに限定させるのために十分であることが望ましい。
【0246】
また、噴射口346では、不活性気体のような非反応性ガスを噴射させて、工程中に消耗する非反応性ガスを低減させることもできる。
【0247】
以下、本発明の第5実施の形態によるプラズマ処理装置の作動を添付された図面を参照して詳しく説明する。
【0248】
図24ないし図27は、本発明の第5実施の形態によるプラズマ処理装置の作動を順次に示す図面であり、特に図27では、基板処理時のガス流動経路を矢印で表した。
【0249】
本発明の第5実施の形態でのプラズマ処理装置の作動は、プラズマを発生させて、所定の薄膜パターンを持つ素子が形成されるウェーハのような基板550の背面上に蓄積された薄膜、及びパーティクルを蝕刻する蝕刻方法である。
【0250】
図24ないし図27に示した本発明の第5実施の形態によるプラズマ処理装置は、図2を参照して説明された第2実施の形態での基板支持台280と、図8、及び図9を参照して説明された第3、及び第4実施の形態での第2電極340、440と、を結合した形態のプラズマ処理装置であって、図24ないし図27を参照して説明する作動は、第1ないし第4実施の形態でも同じように適用できる。
【0251】
本発明の第5実施の形態によるプラズマ処理装置の作動は、基板550をプラズマ処理装置501内の第1電極530と第2電極540との間の基板支持台580上に搭載させる基板搭載段階;基板550と第1電極530との間の間隙に、第1ガスを噴射する段階;第2電極540の中心方向に第3ガスを噴射する段階;第2電極540から第1電極530方向に第2ガスを噴射する段階;及び第2電極540に電源を印加して第2ガスのプラズマを生成させて前記基板550の第2面552をプラズマ処理する段階;を含む。
【0252】
又は、基板550をプラズマ処理装置501内の第1電極530と第2電極540との間の基板支持台580上に搭載させる基板搭載段階と、搭載された基板550を固定させる基板固定段階と、固定された基板550の第1面551上に第1ガスを噴射させ、第2面552上に第2ガスを噴射させるガス噴射段階と、噴射された第2ガスに電源570を印加してプラズマを生成させ、基板550の第2面552を処理する基板処理段階と、を含む。
【0253】
図24に示すように、基板550は、チャンバ510に別途に備えられる引入口を通して入れられて、基板支持台580上に搭載される。基板支持台580上に支持された基板550は、その表面551が第1電極530の噴射孔533を向けて、背面552が第2電極の噴射孔542を向けるように配置される。
【0254】
図24では、図8、図9、又は図11とは違い、上部から基板550を支持する基板支持台320、420を構成する代わりに、下部から基板550を支持する基板支持台580を構成する。どちらの場合も、本発明の主旨と合っており、他の基板支持台の構成でも、本発明を適用できる。
【0255】
基板支持台580は、第1電極530に対して、間隙d´を成して後退された位置にあり、第2電極540は、基板の背面552に対して、間隔D″を成して後退された位置にある。
【0256】
図25に示すように、開閉手段511を通してチャンバ510が密閉されて真空が形成されると、基板支持台580は駆動手段(図示せず)によって上昇移動して、基板表面551と第1電極530が間隙d(d<d´)を成すようになる。基板支持台580が上昇して第1電極530と基板表面551との間隙dが減少することによって、第2電極540と基板背面552との間隔D″は、間隔D´に広くなる。
【0257】
以後、図26に示すように、第2電極540も駆動手段549によって上昇移動して、基板背面552と第2電極540が間隔D(D<D´)を成すようになる。
【0258】
第1電極530と基板550との間隙d、又は基板の背面552と第2電極540との間隔Dは、本発明の実施の形態で説明したように、基板支持台580、及び第2電極540の上昇・下降運動で調節されることだけでなく、第1電極530、基板支持台580、又は第2電極540中で、少なくとも一つ部材の駆動を通して達成してもよい。このために、各部材に別途の駆動手段を備えられる。
【0259】
また、第2電極540と基板背面552との間隔Dは、必ず可変にする必要はなく、間隔D内にプラズマを生成させることができるのであれば、どの間隔D、D´、D″も可能であり、これによって第2電極540を移動しないで、基板支持台580だけを移動して、工程を行うことも可能である。
【0260】
勿論、図面に示した間隔D、D´、D″以外の間隔も可能であり、基板支持台580と第2電極540の間の間隔は、要求される工程、チャンバ、又は基板の大きさによって可変であって、工程中でも変えることができる。
【0261】
以後、図27に示すように、第1電極530を通して非反応性ガスが先に流入された後、第2電極540を通して反応性ガスが流入され、高周波電源570を通して電力が印加されて、反応性ガスのプラズマが生成される。
【0262】
この時、反応性ガス、は第2電極540の噴射孔542を通して先に噴射され、その以前に非反応性ガスを噴射口546を通して噴射することもできる。
【0263】
もし、噴射孔542と噴射口546がともに反応性ガスを噴射する場合、噴射孔542、又は噴射口546中のどちらからもガス噴射を行うことができる。
【0264】
即ち、例えば、噴射口546だけで反応性ガスの噴射を行って、プラズマを形成することが可能であり、ここに図21に示す噴射ノズル346’’’が更に備われ、噴射ノズル346’’’を通して非反応性ガスを噴射することで、噴射口546から噴射される反応性ガスを拘束させることもできる。
【0265】
また、図21に示す噴射ノズル346’’’を備える場合、噴射ノズル346’’’による非反応性ガスの噴射を、噴射孔342による反応性ガスの噴射より先に行うことが望ましい。
【0266】
即ち、どちらの場合でも第2電極540では、中心から一番遠い外縁部からの噴射を先に行うことができる。
【0267】
反応性ガスのプラズマはプラズマ生成領域に形成されて、プラズマ内のラジカルは基板背面552に蓄積された薄膜、又はパーティクルなどと反応して、これらを基板背面552から除去させて蝕刻工程が行われる。
【0268】
この時、プラズマは基板背面552と第2電極540の間の間隔Dに形成されて、第1電極530と基板表面551との間隙dには、非反応性ガスの流入によって非プラズマ状態のガス流動だけが存在するようになる。
【0269】
この時、間隙dは0.1ないし0.7mmであることが望ましい。間隙dが0.1mm未満の時には、第1電極530との接触可能性がある。従って、より安定した工程を行うためには、0.1mm以上の間隙dを維持する必要がある。0.7mmを超過する間隙dでは、相対的に非反応性ガスの圧力が低下して、間隔Dで形成されたラジカルが間隙dに流入して、基板表面551を蝕刻することもあり得る。従って、間隙dは0.7mm以下であることが望ましい。また、0.7mmを超過する間隙では、非反応性ガスのプラズマ化が進行する可能性もあり、これによって基板表面551を蝕刻することもあり得る。しかし、0.7mm以下の間隙dでは、通常の蝕刻工程での工程圧力、及び工程電圧によるプラズマが生成されない領域を維持することができる。
【0270】
間隔Dで形成されたプラズマが間隔d内に流入されないようにするために、第1電極530から噴射される非反応性ガスの圧力は、第2電極540から噴射される反応性ガスの圧力と同じであるか、或いは、より大きいことが望ましい。
【0271】
また、第1電極530から噴射される非反応性ガスは、第2電極540から噴射される反応性ガスより絶縁破壊電圧が更に大きく、第2電極540に印加される電力によってプラズマが生成されないことが望ましい。
【0272】
第2電極540から噴射される反応性ガスは、CF4、CHF4、SF6、C2F6、及びC4F8のようなフッ素系などの反応性の強い7族元素系や酸素が含まれるガスを使うことができるし、使われる基板背面552上に蓄積された薄膜やパーティクルなどの種類によって、これを蝕刻することができる他の元素が含まれた気体であってもよい。
【0273】
このような反応性ガスでプラズマを生成すれば、高い活性の前記元素のラジカルが生成されて、基板背面552上の蝕刻対象元素に応じて蝕刻を行うことができる。
【0274】
第2電極540の噴射孔542から噴射されるガス圧P2は、第2電極540の噴射口546から噴射されるガス圧P1よりは強くないので、噴射孔542から噴射された反応性ガスのプラズマが第2電極540上に集中される。また、第1電極530から噴射される非反応性ガスのガス圧P3は、噴射孔542から噴射されるガス圧P2、及び第2電極540の噴射口546から噴射されるガス圧P1より弱くないので、反応性ガスが間隙dに流入することを防止して反応性ガスのプラズマの集中を更に確保できる。
【0275】
また、図21に示す噴射ノズル346’’’を使う場合、この噴射ノズル346’’’から噴射されるガスのガス圧は、第2電極340から噴射されるガスのガス圧と同じであるか、或いは、より強いことが望ましい。即ち、噴射ノズル346’’’から噴射される非反応性ガスの圧力は、第2電極340から噴射される反応性ガスの圧力より弱くないので、反応性ガスのプラズマの集中効率を上げることができる。
【0276】
同じ主旨で、図16に示すように、基板支持台420に噴射口423が設けられる場合、この噴射口423から噴射されるガスの圧力は、第2電極440から噴射されるガスのガス圧と同じであるか、或いは、より強いことが望ましい。即ち、噴射口423から噴射される非反応性ガスの圧力は、第2電極440から噴射される反応性ガスの圧力より弱くないので、反応性ガスのプラズマの集中効率を上げることができる。
【0277】
この時、噴射口423は第2電極440を向けて、噴射ノズル346’’’は第1電極330を向けて噴射できる。
【0278】
プラズマ領域の限定のために、別途の拘束磁界を更に形成してもよい。この拘束磁界は永久磁石、電磁石、又は誘導磁界などで形成できる。場合によって、磁力でプラズマ内のイオンの振動を引き起こして、プラズマ発生効率を更に上げることもできる。この場合、チャンバ510、基板550、第1電極530、又は第2電極540などの構成によって、形成される磁界を変えることができる。
【0279】
また、第2電極540に電力を印加する電源570は、高周波電源以外に直流、交流などを使ってもよいし、単極、又は両極パルス電源を使ってもよい。この場合、使われる電源によって、第1電極530、又は第2電極540の電気的連結を変えることができるし、電力印加のための別途の部材を更に備えることもできる。
【0280】
蝕刻を終了すると、電力供給を中断して反応性ガス、及び非反応性ガスの供給を遮断し、真空排気を通して蝕刻副産物をチャンバ510内から取り除く。この時の蝕刻副産物は、プラズマのラジカルと反応した気体であるので、真空排気だけで十分に除去可能である。
【0281】
蝕刻副産物が除去されると、駆動手段549を通して第2電極540が下降され、基板支持台520の駆動手段を通して、基板550が第1電極530から退去される。
【0282】
以後、真空を破棄して開閉手段511を開け、基板550を引き出すことで蝕刻工程を完了する。
【0283】
図28は、本発明の第6実施の形態によるプラズマ処理装置を概略的に表す断面図である。
【0284】
図28を参照すれば、本発明の第6実施の形態によるプラズマ処理装置601は、第1ガスが噴射される第1電極630と、第1電極630との離隔を調整可能であり、基板650を支持する基板支持台620と、基板支持台620と離隔配置されて、電源670が印加されて第2ガスが噴射され、基板支持台620によって支持された基板650との間にプラズマを生成させる第2電極640と、を含む。
【0285】
本発明の第6実施の形態でのプラズマ処理装置601は、プラズマを発生させて、所定の薄膜パターンを持つ素子が形成されるウェーハのような基板650の背面上に蓄積された薄膜、及びパーティクルを蝕刻する蝕刻装置である。
【0286】
プラズマ処理装置601は、ゲートバルブのような開閉手段611を通して開閉可能に形成されたチャンバ610と、このチャンバ610と連通された通常の真空排気系660と、を含む。
【0287】
チャンバ610は、少なくとも一つ以上の開閉手段611を通して外部と連結され、クラスタシステム、又はインラインシステムのような多数のチャンバから構成されるシステムに適用されるチャンバ610であってもよい。また、チャンバ610は、接地されてチャンバ610を通して電流が流れないように構成される。
【0288】
チャンバ610内部の上部には、第1電極630が配置され、この第1電極630は接地できる。また、第1電極630には、非反応性ガスが噴射される噴射孔633が形成され、噴射孔633は、チャンバ610外部から非反応性ガスが供給されるように供給孔631と連通して構成される。
【0289】
望ましくは、第1電極630には、一つの供給孔631を通してチャンバ610外部から供給された非反応性ガスが、第1電極630の非反応性ガスが噴射される表面の全面にかけて均一に噴射されるように、多数の噴射孔633が形成され、多数の噴射孔633は、第1電極630の内部で、それと連通された供給孔631から複数が分岐される。
【0290】
もし、一つの供給孔631から噴射孔633が近距離、又は遠距離にそれぞれ形成された場合、遠距離に形成された噴射孔633の直径は、近距離に形成された噴射孔633の直径より大きく形成されて、非反応性ガスを噴射する際に、ガス移動経路が長くなることを理由にする圧力降下を補償できる。
【0291】
また、第1電極630の内部には、チャンバ610外部に構成された冷却水循環手段637と連結された冷却流路638が設けられる。
【0292】
第1電極630の供給孔631を通して供給されるガスは、水素、窒素、又は不活性ガスであってもよいし、又は非反応性ガス、つまり基板表面651と反応しないガスであってもよい。
【0293】
ここで、基板表面651は、ウェーハのように基板650上の所定の薄膜パターンを持つ素子が形成される表面であってもよいし、又は基板650の蝕刻が要求されない表面であってもよい。
【0294】
基板650は、第1電極630の噴射孔633が形成される表面から所定間隔だけ離隔され、その表面651を噴射孔633と対向するように配置され、基板支持台620によって支持される。
【0295】
基板支持台620は、チャンバ610上部から延長されたアーム621が基板650を支持するように構成され、アーム621は、チャンバ610外部の基板支持台620に備えられる駆動手段(図示せず)によって伸縮可能に構成される。
【0296】
駆動手段によって伸縮可能である基板支持台620を構成するとともに、真空密閉を維持するために、チャンバ610外部に露出される基板支持台620が駆動手段と連結される部分は、伸縮可能なベローズ形に構成することが望ましい。
【0297】
基板支持台620のアーム621は、基板650の外縁部のみを支持することが望ましく、基板背面652の外縁部の一部のみを下部から支持して基板背面652の露出面を最大にする。
【0298】
アーム621は駆動手段と連結され、上昇・下降運動、つまり第1電極630に対して近く、又は遠く移動可能であって、これに支持される基板650も第1電極630に対して近く、又は遠く配置されるようにする。
【0299】
ここで、基板背面652は、ウェーハのように基板650上の所定の薄膜パターンを持つ素子が形成される表面の裏面であってもよいし、又は基板650の蝕刻が要求される表面であってもよい。
【0300】
可変である所定の間隙dは、アーム621の上昇・下降運動を通して、基板650の表面651と、非反応性ガスが噴射される第1電極630との間で調節される。
【0301】
また、基板支持台620は、プラズマ処理装置601から電気的にフローティング(floating)して、他の構成物に対して、電気的に干渉されないように構成することが望ましい。また、アーム621を含む基板支持台620は、Al2O3のような絶縁物質で構成されて、外部電撃(electric shock)による基板支持台620の損傷を防止する。
【0302】
基板支持台620の下部には、基板支持台620と所定間隔Dに離隔されて第2電極640が配置される。
【0303】
この第2電極640は、電源670が印加されるように構成されて、これを通して反応性ガスが噴射されるように噴射孔642を有する。
【0304】
噴射孔642は、第1電極630でのそれと類似するもので、チャンバ610外部からそれと連通された供給孔641を通して、反応性ガス供給手段644から反応性ガスが供給されて、チャンバ610内部に反応性ガスを噴射するように構成されて、基板支持台620に支持された基板650の背面652の全面にかけて、均一な反応性ガスを噴射できるように、基板背面652の方向を向けて複数が形成される。
【0305】
第2電極640での噴射孔642でも、供給孔641が形成された部分において、遠距離に形成された噴射孔642の直径が近距離に形成された噴射孔642の直径より大きく形成されて、反応性ガスを噴射する際に、ガス移動経路が長くなることを理由にする圧力降下を補償することが望ましい。
【0306】
このような構成以外にも、第1電極630、又は第2電極640でのガス噴射構造は、必要に応じて多様に変えられる。
【0307】
一方、第2電極640の外周縁には、第2電極640上に生成されるプラズマを集中させるための絶縁リング643が設けられる。この絶縁リング643は、Al2O3のような絶縁物質で構成できる。
【0308】
第2電極640の噴射孔642を通して噴射される反応性ガスは、CF4、CHF4、SF6、C2F6、及びC4F8のようなフッ素系、又は酸素系ガスを含んでもよいし、その他には、基板背面652に蓄積された薄膜やパーティクルなどを化学的に蝕刻できる他の元素を含んでもよい。
【0309】
第2電極640は、チャンバ610外部に、別途構成された駆動手段649によって、基板支持台620のそれと類似して上昇・下降運動可能に構成されて、基板支持台620に支持された基板650の背面652から第2電極640までの間隔Dを変えることができるように構成される。駆動手段649によって、上昇・下降運動可能である第2電極640を構成するとともに、真空密閉を維持するために、チャンバ610外部に露出される第2電極640が駆動手段649と連結される部分は、伸縮可能なベローズ形に構成することが望ましい。
【0310】
また、第2電極640の内部には、チャンバ610外部に構成された冷却水循環手段647と連結された冷却流路648が設けられる。この時の冷却水循環手段647は、第1電極630に冷却水を循環させる冷却水循環手段637と同じ部材で構成してもよい。
【0311】
第2電極640に連結された電源670は、13.56MHzの定数倍の周波数を有する高周波電力であってもよいし、目的とする工程、又は装置などによって、他の電源を使ってもよい。この時、第2電極640と連結された高周波電源670の構成は、整合機を含む。
【0312】
接地された第1電極630と高周波電源670が連結された第2電極640の構成によって、第1電極630はアノードの役割を、第2電極640はカソードの役割をするようになり、アノードと、カソードの間のガスに13.56MHz、又は13.56MHzの定数倍の交番振幅を与えてプラズマ発生効率を上げる。
【0313】
図29は、本発明の第7実施の形態によるプラズマ処理装置を概略的に表す断面図であり、図30は、図29の基板支持台と、これに支持される基板の部分平面図である。
【0314】
図28での基板支持台620がチャンバ610上部、つまり第1電極630側で基板650を上部から支持するのに対し、図29では、基板支持台780がチャンバ710下部に設けられて基板750を支持する。
【0315】
図29での基板支持台780も駆動手段(図示せず)を備え、この駆動手段によって上昇・下降可能なアーム781で基板750を接触支持する。可変である所定の間隙dは、駆動手段によるアーム781の上昇・下降運動を通して、基板750の表面751と、非反応性ガスが噴射される第1電極730との間で調節される。
【0316】
図29に示す基板支持台780の場合、図28に示す基板支持台620の場合と同じく、図30に示すようにアーム781が基板750の外縁部を支持して、基板背面752の露出面を最大化させるように構成することが望ましく、同じ主旨の他の構成でもよい。
【0317】
基板支持台780の駆動手段によって、上昇・下降運動可能に構成するとともに、真空密閉を維持するために、基板支持台780でチャンバ710外部に露出される部分を伸縮可能なベローズ形に構成することが望ましい。
【0318】
図31は、本発明の第8実施の形態によるプラズマ処理装置を概略的に表す断面図である。
【0319】
図28、及び図29での基板支持台620、780が、アーム621、781を通して基板650、750の外縁部を支持するのに対し、図31では、基板支持台890がチャンバ810下部に設けられて多数のピン891で基板850を支持する。
【0320】
図31での基板支持台890も駆動手段(図示せず)を備えて、この駆動手段で上昇・下降可能なピン891で基板850を接触支持する。このピン891は、基板背面852の露出面を最大化するために、基板背面852との接触部分が尖鋭に構成されて、基板背面852との接触面を最小化することが望ましく、多数のピン891が水平を成す状態で、駆動手段によって一体に上昇・下降されることが望ましい。
【0321】
可変である所定の間隙dは、駆動手段によるアーム891の上昇・下降運動を通して、基板850の表面851と、非反応性ガスが噴射される第1電極830との間で調節される。
【0322】
図28、図29、又は図31中のどちらの場合でも、基板支持台620、780、890は、駆動手段を通して第1電極630、730、830との間隙dを調整することができるし、基板支持台620、780、890が第1電極630、730、830から後退している時には、基板650、750、850がチャンバ610、710、810の開閉手段611、711、811を通して出入り可能になる。
【0323】
図32は、図28の第1電極、及び基板を表す部分図面である。
【0324】
図32に示すように、第1電極630の噴射孔633は、基板650の表面651を向けて複数が形成されて、外部から非反応性ガスが供給される供給孔631の分岐点632で多数に分岐される。
【0325】
供給孔631を通して供給される非反応性ガスは、噴射孔633から噴射されて、基板650と第1電極630の間の間隙dを非反応性ガス雰囲気に維持させる。蝕刻工程中でも、間隙dを非反応性ガス雰囲気に維持させるために、つまり間隙dの外部から流入されるガス、例えば第2電極640(図28)から噴射される反応性ガス、又はこのガスのプラズマを遮断するために、噴射孔833は第1電極830で傾斜を成して形成され、噴射孔833の傾斜は非反応性ガスを基板850の外郭方向に噴射するように構成される。
【0326】
図33ないし図40を参照して、第1電極630の供給孔631、及び噴射孔633と、これの分岐点632の構成を多くの例を挙げて、更に詳しく説明する。
【0327】
図33は、図32の「B」部分を表す部分拡大図である。
【0328】
図33に示すように、供給孔631から分岐された噴射孔633は、屈折して所定の傾斜を形成しながら、基板650(図28)外郭方向に非反応性ガスが噴射されるように構成される。この時、屈折する角度は、チャンバ610(図28)の大きさや基板650の大きさによる。
【0329】
図34は、図33の第1変更形態を表す図面である。
【0330】
図34では、図33に対して分岐点632´から第1電極630の表面に至る噴射孔633´の経路が、湾曲形に形成されている。このような場合に、噴射孔633´を経由する非反応ガスは、図33の屈折形経路に比べて、表面せん断力の抵抗を、より少なく受けるようになり、これによってガス渦流発生や、噴射圧損失を減少させることができる。
【0331】
更に望ましくは、表面せん断力の抵抗を減少させるために、噴射孔633´の湾曲勾配角θ1は、7゜以下であることが望ましい。7゜を超過する角度に湾曲勾配角θ1が形成される時には、表面せん断力による非反応ガスの流速が減少するようになって、これによって噴射圧が低下して、結果的に非反応ガスの噴射効率が落ちるようになる。
【0332】
勿論、分岐点632´は、湾曲形に形成可能で、分岐点632´周辺でのガス渦流は、供給孔631から供給されるガスによって解消できる。
【0333】
一方、噴射孔633´内径が同じである時に、湾曲外側を流動して相対的に基板650外側に噴射される非反応ガスの流れf1は、湾曲内側を流動して相対的に基板650内側に噴射される非反応ガスの流れf2より、もっと長い経路を経由するようになる。その結果、内側のガスの流れf2を通して噴射される非反応ガスは、外側のガスの流れf1を通して噴射される非反応ガスより、もっと高い噴射圧を有するようになる。
【0334】
従って、使われるチャンバ610などによって、分岐点632´から第1電極630の表面に至る噴射孔633´の内径を漸進的に小さくさせて、内側、及び外側のガスの流れを同一に維持させることもできる。
【0335】
図35は、図33の第2変更形態を表す図面である。
【0336】
図35では、図34と比べて、第1電極630表面での噴射孔633″内径が大きくなっている。即ち、噴射孔633″が分岐点632″から第1電極630の表面に行くことにつれて大きく形成される。
【0337】
この時、噴射孔633″の漸進的に大きくする方向は、非反応ガスが噴射される基板650の外郭を向け、漸進的に大きくする部分は湾曲形に形成できる。
【0338】
噴射孔633″の漸進的に大きく、又は小さく形成することの可否は、要求される工程や使われるガスの種類、又はチャンバ610や基板650の大きさによって定められる。
【0339】
この時の漸進的に大きくする角度θ2は、表面せん断力の抵抗を減少させるために、7゜以下であることが望ましい。7゜を超過する角度で漸進的に大きくする勾配角θ2が形成される時には、表面せん断力による非反応ガスの流速が減少するようになって、これによって噴射圧が低下され、結果的に非反応ガスの噴射効率が落ちるようになる。特に、漸進的に大きくする勾配角θ2でのせん断抵抗力は、実際には非反応ガスの排出端部での抵抗であるため、ガス噴射圧に悪影響を及ぼすことができるので、湾曲勾配角θ1でのせん断抵抗力より噴射効率を更に落とすこともあり得る。
【0340】
図36は、図32の第1電極の平面図であり、図37は、図36の第1変更形態を表す図面である。
【0341】
図36に示すように、供給孔631から分岐された噴射孔633は、それぞれ等角を成す多数のチューブを形成することが可能で、図37に示すように、供給孔631´に対して同心を成す環形の帯にも形成できる。
【0342】
本発明の第1電極630には、管状、又は環形の噴射孔633、633´中のどちらも適用可能で、これはチャンバ610、又は基板650の構造や大きさによる。
【0343】
図38は、図32の変更形態を表す図面であり、図39は、図38の第1電極の平面図であり、図40は、図39の他の形態を表す図面である。
【0344】
図38を参照すれば、第1電極630から噴射される非反応性ガスを供給する供給孔631は鉛直方向(図28でも同じである)の上部、つまり基板650から遠距離にある第1分岐点632aから第1噴射孔633aに分岐され、下部、つまり基板650から近距離にある第2分岐点632bから第2噴射孔633bに分岐される構成を有することができる。即ち、非反応ガスの流動経路の観点では、第1分岐点632aから先に分岐された後、第2分岐点632bからもう一度分岐される。
【0345】
この場合、先に分岐された第1噴射孔633aは、後に分岐された第2噴射孔633bより、基板650の更に外郭方向に噴射できる。この時、第1噴射孔633aは、第2噴射孔633bより更に大きい内径を有し、基板650外郭から間隙dでの他のガス流入を効率的に遮断できる。
【0346】
一定流量で供給孔631を通して供給される非反応性ガスは、第1分岐点632aから分岐された後、第2分岐点632bで流動するので、第1分岐点632aから第2分岐点632bまでの非反応ガスの圧力降下の補償、又は単位時間当りの流量確保のために、内径を小さく形成することもできる。この場合、内径を小さくすることは、単一に小さくすることと、又は勾配に小さくすることのどちらも可能である。
【0347】
勿論、図33ないし図35を参照して説明された噴射孔633、633´、633″のように、使われるチャンバ610などによって、第1噴射孔633a、及び第2噴射孔633bから第1電極630の表面に至る噴射孔633a、633bの内径を漸進的に小さくも、大きくも形成できる。漸進的に大きく、又は小さく形成することの可否は、要求される工程や使われるガスの種類、又はチャンバ610や基板650の大きさによって定められる。
【0348】
第1分岐点632a、及び第2分岐点632bを有する第1電極630の噴射孔633a、633bは、単一分岐点632を有する図36、及び図37に示すように、それぞれ等角を成す多数のチューブを形成することが可能で(図39)、供給孔631´に対して同心を成す環形の帯にも形成できる(図40)。
【0349】
勿論、図38ないし図40に示す2個の分岐点632a、632b以外にも、3以上多数の分岐点を構成できる。
【0350】
また、噴射孔633、633a、633a´、633b、633b´の経路上で分岐を行うこともできる。この場合にも、分岐された地点での圧力降下の補償、又は単位時間当りの流量確保などを考慮して、内径を定めることができる。
【0351】
以下、本発明の第1実施の形態によるプラズマ処理方法を添付された図面を参照して詳しく説明する。
【0352】
図41ないし図44は、本発明の第1実施の形態によるプラズマ処理方法を順次に示す図面であり、特に図44では、基板処理時のガス流動経路を矢印で表した。
【0353】
本発明の第1実施の形態でプラズマ処理方法は、プラズマを発生させて、所定の薄膜パターンを持つ素子が形成されるウェーハのような基板750の背面上に蓄積された薄膜、及びパーティクルを蝕刻する蝕刻方法である。
【0354】
本発明の第1実施の形態によるプラズマ処理方法は、基板750をプラズマ処理装置701内の第1電極730と、第2電極740との間の基板支持台780上に搭載させる基板搭載段階と、搭載された基板750を固定させる基板固定段階と、固定された基板750の第1面751上に第1ガスを噴射させ、第2面752上に第2ガスを噴射させるガス噴射段階と、噴射された第2ガスに電源770を印加してプラズマを生成させ、基板750の第2面752を処理する基板処理段階と、を含む。
【0355】
図41に示すように、基板750はチャンバ710に別途に備えられる引入口を通して入れられて、基板支持台780上に搭載される。基板支持台780上に支持された基板750は、その表面751が第1電極730の噴射孔733を向けて、背面752が第2電極の噴射孔742を向けるように配置される。
【0356】
この時、基板支持台780は、図28を参照して説明された基板支持台620であってもよいし、図31を参照して説明された基板支持台890であってもよいし、他の基板支持部材であってもよい。
【0357】
どちらの場合でも、基板支持台780は第1電極730に対して、間隙d´を成して後退された位置にあり、第2電極740は、第1電極730に対して、間隔D″を成して後退された位置にある。
【0358】
図42に示すように、開閉手段711を通してチャンバ710が密閉されて真空が形成されると、基板支持台780は駆動手段(図示せず)によって上昇移動して、基板表面751と第1電極730が間隙d(d<d´)を成すようになる。基板支持台780が上昇して第1電極730と基板表面751との間隙dが減少することによって、第2電極740と基板背面752との間隔D″は、間隔D´に広くなる。
【0359】
以後、図43に示すように、第2電極740も駆動手段749によって上昇移動して、基板背面752と第2電極740が間隔D(D<D´)を成すようになる。
【0360】
第1電極730と基板750との間隙d、又は基板750と第2電極740との間隔Dは、上述した本発明の多くの実施の形態で説明したように、基板支持台780、及び第2電極740の上昇・下降運動で達成されることだけでなく、第1電極730、基板支持台780、又は第2電極740中で、少なくとも一つ部材の駆動を通して達成してもよい。このために、各部材に別途の駆動手段を備えられる。
【0361】
また、第2電極740と基板背面752との間隔Dは、必ず可変にする必要はなく、間隔D内にプラズマを生成させることができるのであれば、どの間隔D、D´、D″も可能であり、これによって第2電極740を移動しないで、基板支持台780だけを移動して、工程を行うことも可能である。
【0362】
勿論、図面に示した間隔D、D´、D″以外の間隔も可能であり、基板支持台780と第2電極740の間の間隔は、要求される工程、チャンバ、又は基板の大きさによって可変であって、工程中でも変えることができる。
【0363】
以後、図44に示すように、第1電極730を通して非反応性ガスが先に流入された後、第2電極740を通して反応性ガスが流入され、高周波電源770を通して電力が印加されて、反応性ガスのプラズマが生成される。
【0364】
反応性ガスのプラズマは、プラズマ生成領域に形成されてプラズマ内のラジカルは基板背面752に蓄積された薄膜、又はパーティクルなどと反応して、これらを基板背面752から除去させて蝕刻工程が行われる。
【0365】
この時、プラズマは基板背面752と第2電極740の間の間隔Dに形成されて、第1電極730と基板表面751との間隙dには、非反応性ガスの流入によって非プラズマ状態のガス流動だけが存在するようになる。
【0366】
この時、間隙dは0.1ないし0.7mmであることが望ましい。間隙dが0.1mm未満の時には、第1電極730との接触可能性がある。従って、より安定した工程を行うためには、0.1mm以上の間隙dを維持する必要がある。0.7mmを超過する間隙dでは、相対的に非反応性ガスの圧力が低下して、間隔Dで形成されたラジカルが間隙dに流入して、基板表面751を蝕刻することもあり得る。従って、間隙dは0.7mm以下であることが望ましい。また、0.7mmを超過する間隙では、非反応性ガスのプラズマ化が進行する可能性もあり、これによって基板表面751を蝕刻することもあり得る。しかし、0.7mm以下の間隙dでは、通常の蝕刻工程での工程圧力、及び工程電圧によるプラズマが生成されない領域を維持することができる。
【0367】
また、第1電極730から噴射される非反応性ガスは、第2電極740から噴射される反応性ガスより絶縁破壊電圧が更に大きく、第2電極740に印加される電力によってプラズマが生成されないことが望ましい。
【0368】
第2電極740から噴射される反応性ガスは、CF4、CHF4、SF6、C2F6、及びC4F8のようなフッ素系などの反応性の強い7族元素系や酸素が含まれるガスを使うことができるし、使われる基板背面752上に蓄積された薄膜やパーティクルなどの種類によって、これを蝕刻することができる他の元素が含まれた気体であってもよい。
【0369】
このような反応性ガスでプラズマを生成すれば、高い活性の前記元素のラジカルが生成されて、基板背面752上の蝕刻対象元素に応じて蝕刻を行うことができる。
【0370】
プラズマ領域の限定のために、別途の拘束磁界を更に形成してもよい。この拘束磁界は永久磁石、電磁石、又は誘導磁界などで形成できる。場合によって、磁力でプラズマ内のイオンの振動を引き起こして、プラズマ発生効率を更に上げることもできる。この場合、チャンバ710、基板750、第1電極730、又は第2電極740などの構成によって、形成される磁界を変えることができる。
【0371】
また、第2電極740に電力を印加する電源770は、高周波電源以外に直流、交流などを使ってもよいし、単極、又は両極パルス電源を使ってもよい。この場合、使われる電源によって、第1電極730、又は第2電極740の電気的連結を変えることができるし、電力印加のための別途の部材を更に備えることもできる。
【0372】
蝕刻を終了すると、電力供給を中断して反応性ガス、及び非反応性ガスの供給を遮断し、真空排気を通して蝕刻副産物をチャンバ710内から取り除く。この時の蝕刻副産物は、プラズマのラジカルと反応した気体であるので、真空排気だけで十分に除去可能である。
【0373】
蝕刻副産物が除去されると、駆動手段749を通して第2電極740が下降され、基板支持台720の駆動手段を通して、基板750が第1電極730から退去される。
【0374】
以後、真空を破棄して開閉手段711を開け、基板750を引き出すことで蝕刻工程を完了する。
【0375】
前述された本発明のプラズマ処理方法の一例は、本発明の第7実施の形態によるプラズマ処理装置を参照して説明したが、本発明の明細書内に説明された多様な実施の形態によるプラズマ処理装置とその他の装置にも適用できる。
【0376】
以下、添付された図面を参照して、本発明のプラズマ処理方法の他の形態を詳しく説明する。
【0377】
図45ないし図48は、本発明のプラズマ処理方法の前述の実施の形態を順次に示す図面であり、特に図48では、基板処理時のガス流動経路を矢印で表した。
【0378】
本発明の前述の実施の形態のプラズマ処理方法は、プラズマを発生させて、所定の薄膜パターンを持つ素子が形成されるウェーハのような基板950の背面上に蓄積された薄膜、及びパーティクルを蝕刻する蝕刻方法である。
【0379】
本発明の前述の実施の形態のプラズマ処理方法は、プラズマ処理装置901内の第1電極930と、第2電極940との間の基板支持台920上に、基板を搭載させる段階;前記搭載された基板950と前記第1電極930との間の間隙dを調整する段階;前記固定された基板950と前記第2電極940との間の間隔Dを調整する段階;前記固定された基板950の第1面951上に、第1ガスを噴射させる段階;前記第2電極940の外縁部から中心方向に傾斜を成して第3ガスを噴射させる段階;前記固定された基板950の第2面952上に、第2ガスを噴射させる段階;及び前記第2電極940に電源を印加してプラズマを生成させて、前記基板950の第2面952をプラズマ処理する段階;を含む。
【0380】
図45に示すように、基板950は、チャンバ910に別途に備えられる引入口を通して入れられて、基板支持台920上に支持される。基板支持台920上に支持された基板950は、その表面951が第1電極930の噴射孔933を向けて、背面952が第2電極の噴射孔942を向けるように配置される。
【0381】
図45ないし図48では、上部から延長して基板950を支持する基板支持台920の構成を採択したが、上部以外の部分から基板950を支持する構成もできる。
【0382】
基板支持台920は、第1電極930に対して、間隙d´を成して後退された位置にあり、第2電極940は、第1電極930に対して、間隔D″を成して後退された位置にある。
【0383】
図46に示すように、開閉手段911を通してチャンバ910が密閉されて真空が形成されると、基板支持台920は駆動手段(図示せず)によって上昇移動して、基板表面951と第1電極930が間隙d(d<d´)を成すようになる。基板支持台920が上昇して第1電極930と基板表面951との間隙dが減少することによって、第2電極940と基板背面952との間隔D″は、間隔D´に広くなる。
【0384】
以後、図47に示すように、第2電極940も駆動手段949によって上昇移動して、基板背面952と第2電極940が間隔D(D<D´)を成すようになる。
【0385】
第1電極930と基板950との間隙d、又は基板950と第2電極940との間隔Dは、本発明の実施の形態で説明したように、基板支持台920、及び第2電極940の上昇・下降運動で達成されることだけでなく、第1電極930、基板支持台920、又は第2電極940中で、少なくとも一つ部材の駆動を通して達成してもよい。このために、各部材に別途の駆動手段を備えられる。
【0386】
また、第2電極940と基板背面952との間隔Dは、必ず可変にする必要はなく、間隔D内にプラズマを生成させることができるのであれば、どの間隔D、D´、D″も可能であり、これによって第2電極940を移動しないで、基板支持台920だけを移動して、工程を行うことも可能である。
【0387】
勿論、図面に示した間隔D、D´、D″以外の間隔も可能であり、基板支持台920と第2電極940の間の間隔は、要求される工程、チャンバ、又は基板の大きさによって可変であって、工程遂行の中にも変えることができる。
【0388】
以後、図48に示すように、第1電極930を通して非反応性ガスが先に流入された後、第2電極940を通して反応性ガスが流入され、高周波電源970を通して電力が印加されて、反応性ガスのプラズマが生成される。
【0389】
この時、反応性ガスは、第2電極940の噴射孔942を通して先に噴射され、その以前に非反応性ガスを噴射口946を通して噴射することもできる。
【0390】
もし、噴射孔942と噴射口946がともに反応性ガスを噴射する場合、噴射孔942、又は噴射口946中のどちらでもガス噴射を行うことができる。
【0391】
即ち、どちらの場合でも第2電極940では、中心から一番遠い外縁部からの噴射を先に行うことができる。
【0392】
反応性ガスのプラズマはプラズマ生成領域に形成されて、プラズマ内のラジカルは基板背面952に蓄積された薄膜、又はパーティクルなどと反応して、これらを基板背面952から除去させて蝕刻工程が行われる。
【0393】
この時、プラズマは、基板背面952と第2電極940の間の間隔Dに形成されて、第1電極930と基板表面951との間隙dには、非反応性ガスの流入によって非プラズマ状態のガス流動だけが存在するようになる。
【0394】
間隙dの変化によって、工程中に発生される現象を下記の表1に示す。
【0395】
【表1】

【0396】
間隙dが0.1mm未満の時には、第1電極930との接触可能性が存在して、機械的な制御が難しい。よって、基板表面951と第1電極930との妨害が起きないような安定した工程を行うためには、0.1mm以上の間隙dを維持する必要がある。0.7mmを超過する間隙dでは、相対的に非反応性ガスの圧力が低下して、間隔Dで形成されたラジカルが間隙dに流入して、基板表面951を蝕刻することもあり得る。従って、間隙dは0.7mm以下であることが望ましい。また、0.7mmを超過する間隙では、非反応性ガスのプラズマ化が進行して、これによって基板表面951を蝕刻することもあり得る。しかし、0.7mm以下の間隙dでは、通常の蝕刻工程での工程圧力、及び工程電圧によるプラズマが生成されない領域を維持することができる。
【0397】
従って、間隙dは、0.1ないし0.7mmであることが望ましい。
【0398】
間隔Dで形成されたプラズマが、間隔d内に流入されないようにするために、第1電極930から噴射される非反応性ガスの圧力は、第2電極940から噴射される反応性ガスの圧力と同じか、或いは、より大きいことが望ましい。
【0399】
また、第1電極930から噴射される非反応性ガスは、第2電極940から噴射される反応性ガスより絶縁破壊電圧が更に大きく、第2電極940に印加される電力によってプラズマが生成されないことが望ましい。
【0400】
第2電極940から噴射される反応性ガスは、CF4、CHF4、SF6、C2F6、NF3、F2、F2N2、及びC4F8のようなフッ素系、又はBCl3、及びCl2のような塩素系を含む反応性の強い7族元素系や酸素が含まれるガスを使うことができるし、使われる基板背面952上に蓄積された薄膜やパーティクルなどの種類によって、これを蝕刻することができる他の元素が含まれた気体であってもよい。
【0401】
このような反応性ガスでプラズマを生成すれば、高い活性の前記元素のラジカルが生成されて、基板背面952上の蝕刻対象元素に応じて蝕刻を行うことができる。
【0402】
第2電極940の噴射孔942から噴射されるガス圧P2は、第2電極940の噴射口946から噴射されるガス圧P1よりは強くないので、噴射孔942から噴射された反応性ガスのプラズマを第2電極940上に集中できる。また、第1電極930から噴射される非反応性ガスのガス圧P3は、噴射孔942から噴射されるガス圧P2、及び第2電極940の噴射口946から噴射されるガス圧P1より弱くないので、反応性ガスが間隙dに流入することを防止して、反応性ガスのプラズマの集中を更に確保できる。
【0403】
このような各工程の段階別の構成要素の駆動を図49に表す。
【0404】
先ず、プラズマ処理装置901は大気状態で、基板支持台920が第1電極930方向の上部に位置している(S1)。以後、ファジィバルブを通してチャンバ910内に空気を入れながら基板支持台920が下降し(S2)、大気圧雰囲気が形成された後開閉手段911を通して基板950が入れられる(S3)。
【0405】
開閉手段911が閉鎖されると、基板支持台920を上昇させて(S4)、真空雰囲気が形成されると、不活性ガスが入れられて(S5)、間隙dの調整が行われ(S6)、間隙dが維持される(S7)。
【0406】
以後、工程ガスが流入して(S8)、要求される工程雰囲気が造成された後(S9)、高周波電力を印加して工程を行う(S10)。
【0407】
工程が終われば、工程ガスと不活性ガスの流入が遮断されて(S11)、維持された間隙dが再調整を通して離隔される(S12)。
【0408】
間隙dの離隔が終われば(S13)、ファジィバルブが開かれて(S14)、チャンバ910は、大気圧雰囲気になって、開閉手段911を通して基板50を引き出した後(S15)、チャンバ910の真空を形成して(S16)基板支持台920を待機位置に上昇させる。
【0409】
図50に、間隔Dの変化による蝕刻率、及び均一性の変化を示す。
【0410】
図50に示すように、間隔Dが10mmである時に、蝕刻率が一番高く、均一性も5%位に保障されることを分かる。
【0411】
しかし、間隔Dが10mmより大きくなるか、或いは、小さくなれば、蝕刻率、及び均一性が低下されることが分かる。
【0412】
本発明の実施の形態では、容認できる蝕刻率を400Å以上、均一性は20%以下にすることが許容される。
【0413】
従って、図50の結果によって、間隔Dの下限値は5mmに、上限値は40mmに定めることが望ましい。間隔Dが5mm未満なら、蝕刻率が400Å未満に低下して、間隔Dが40mmを超過すれば、蝕刻率の低下はもちろん、均一性が急激に低下されるからである。
【0414】
プラズマを生成して蝕刻を行う時、プラズマ処理装置901内の工程圧力と蝕刻率、及び均一性との相関関係が、図51に示されている。
【0415】
図51を参照すれば、工程圧力が高くなるにつれて、蝕刻率は増加され、均一性は1Torr以下で一番良い結果を示し、2Torr以上では、徐々に改善される。この時、間隙d、及び間隔Dは、上述した本発明の限定値に限定される。
【0416】
均一性は2Torrで約13%であり、2Torrの前後で改善される。よって、本発明での工程圧力は、0.1から3Torrであることが適切である。
【0417】
このような全体的な工程圧力を制御するために、別途の圧力調節手段を更に備えることもできる。
【0418】
プラズマ領域の限定のために、別途の拘束磁界を更に形成してもよい。この拘束磁界は、永久磁石、電磁石、又は誘導磁界などで形成できる。場合によって、磁力でプラズマ内のイオンの振動を引き起こして、プラズマ発生効率を更に上げることもできる。この場合、チャンバ910、基板950、第1電極930、又は第2電極940などの構成によって、形成される磁界を変えることができる。
【0419】
また、第2電極940に電力を印加する電源970は、高周波電源以外に直流、交流などを使ってもよいし、単極、又は両極パルス電源を使ってもよい。この場合、使われる電源によって、第1電極30、又は第2電極40の電気的連結を変えることができるし、電力印加のための別途の部材を更に備えることもできる。
【0420】
蝕刻を終了すると、電力供給を中断して反応性ガス、及び非反応性ガスの供給を遮断し、真空排気を通して蝕刻副産物をチャンバ910内から取り除く。この時の蝕刻副産物は、プラズマのラジカルと反応した気体であるので、真空排気だけで十分に除去可能である。
【0421】
蝕刻副産物が除去されると、駆動手段949を通して第2電極940が下降され、基板支持台920の駆動手段を通して、基板950が第1電極930から退去される。
【0422】
以後、真空を破棄して開閉手段911を開けて、基板950を引き出すことで蝕刻工程を完了する。
【0423】
プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を最良の実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述に制限されるのことはない。従って、本発明の技術分野で当業者なら、技術思想の範囲内で、本発明を多様に変形又は修正できるはずである。
【0424】
前記のような本発明による基板支持台、及びこれを備えるプラズマ処理装置によって、湿式蝕刻に比べて、小型の装置を使って速かに蝕刻を行い、製造コストを節減しながら、有害性廃棄物が発生されないようにすることができる。
【0425】
また、本発明による基板支持台、及びこれを備えるプラズマ処理装置によって、従来の乾式蝕刻に比べて、アーク放電の発生可能性を低減させて工程収率、及び製品安全性を上昇させ、基板の安定した搭載を保障できる。
【0426】
また、本発明によるプラズマ処理装置、及びこれを利用したプラズマ処理方法によって、従来の乾式蝕刻に比べて、基板上の蝕刻が要求されない表面を効率的に保護し、最終製品の収率を上昇させて不良発生を防止することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ガスを噴射する第1電極部;
前記第1電極部と離隔されて基板を支持する基板支持台;及び
前記基板支持台と離隔配置され、電源が印加されて第2ガスを噴射して前記基板支持台に支持される前記基板との間にプラズマを生成する第2電極部;
を含むプラズマ処理装置であって、
前記基板支持台は、
基板を搭載させるように構成される少なくとも一つ以上のアーム;及び
前記アームから前記基板の搭載位置方向に延設される支持部;
を含み、
前記支持部は、前記アームを連結して一部に開放部が形成された、前記基板搭載方向に延設される多数の支持ピンを有する支持リング;
を含むことを特徴とするプラズマ処理装置
【請求項2】
前記支持部は、前記支持リングの前記開放部に配置可能な補助具;及び
前記補助具と連結され、個別駆動可能な補助アーム;
を含むことを特徴とする請求項記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記第1ガスは、非反応性ガスで、前記第2ガスは、反応性ガスであることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記第2電極部、又は前記基板支持台には、前記第2ガスを拘束する第3ガスが噴射されることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記第2電極部には、その外縁部で第3ガスを噴射して、前記第2ガスを拘束する噴射手段が形成されることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記第1電極部には、前記第1ガスを前記基板上の外郭方向に流動させるように噴射孔が設けられて、前記噴射孔は、前記基板上の外郭方向に傾斜を成して形成されることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記第1電極部の前記噴射孔は、前記基板上の外郭方向に漸進的に大きく、又は小さく形成されることを特徴とする請求項記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
前記第1電極部の前記噴射孔は、複数が前記噴射孔と連通された供給孔から分岐して、前記供給孔から等角を成して形成されるか、或いは、前記供給孔と同心を成す環形に形成されることを特徴とする請求項記載のプラズマ処理装置。
【請求項9】
プラズマ処理装置内の第1電極部と、第2電極部との間の基板支持台上に、パターン部が上方を向けるように基板を搭載させる段階;
前記搭載された基板と前記第1電極部との間の間隙を調整する段階;
前記第1電極部と対向する前記基板の第1面に第1ガスを噴射させて、前記第2電極部と対向する前記基板の第2面に第2ガスを噴射させる段階;及び
前記第2電極部に電源を印加してプラズマを生成させて、前記基板の第2面をプラズマ処理する段階;
を含むプラズマ処理方法であって、
前記ガス噴射段階以前に、前記第2電極部を移動して、前記第1電極部、又は前記基板支持台上に固定された前記基板との間隔を調整する段階を更に含むことを特徴とするプラズマ処理方法。
【請求項10】
前記第2電極部に電源を印加する以前に、前記第2電極部の外縁部、又は前記基板支持台から第3ガスを噴射させる段階を更に含むことを特徴とする請求項記載のプラズマ処理方法。
【請求項11】
前記基板周辺において、前記第2ガス、及び前記第3ガスのガス圧は、前記第1ガスのガス圧より弱いか、或いは、同じであることを特徴とする請求項10記載のプラズマ処理方法。
【請求項12】
前記第3ガスのガス圧は、前記第2ガスのガス圧より大きいか、或いは、同じであることを特徴とする請求項10記載のプラズマ処理方法。
【請求項13】
前記間隙は、0.1ないし0.7mmであることを特徴とする請求項記載のプラズマ処理方法。
【請求項14】
前記間隔は、5ないし40mmであることを特徴とする請求項記載のプラズマ処理方法。
【請求項15】
プラズマ処理装置内に、相互離隔された第1電極部と、第2電極部との間に基板を提供し、前記第1電極部と前記基板の間の間隙が非放電領域になり、前記第2電極部と前記基板の間の間隔が放電領域になるように少なくとも一つ以上のガスを供給する段階;
を含み、
前記間隔に前記第2ガスを拘束する第3ガスを更に噴射することを特徴とする請求項9記載のプラズマ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【公開番号】特開2012−256895(P2012−256895A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156092(P2012−156092)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【分割の表示】特願2009−553522(P2009−553522)の分割
【原出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(509238007)ソースル シーオー エルティディー (6)
【Fターム(参考)】