プラズマ反応装置及びこれを用いたプラズマ反応方法、難分解性ガスのプラズマ反応方法及び吸蔵触媒方式のNOx低減装置
【課題】
本発明は、多様な形態のプラズマ反応装置及びこれを用いたプラズマ反応方法に関し、より詳しくは、回転アークプラズマを発生させ、発生した回転アークを用いて燃料の改質、難分解性ガスの化学処理、吸蔵触媒方式のNOx低減装置等に応用するための装置及びこれを用いた反応方法に関する。
【解決手段】
このために反応原料がスワール(swirl)構造の流入ホールに流入されるようにし、流入される原料が回転流を形成しながら進行するようになり、これによって上記原料が制限された体積のプラズマ反応空間でも充分に反応されると同時に、より速い高温プラズマ反応が可能となり、また、反応炉の上部の幅が拡張されて形成された広域チャンバを介してプラズマ反応ゾーンが排出前に拡張されるようにして、拡張段に電極と一定の間隔で離隔された先端部が形成されるようにして形成されたプラズマが膨脹及び停滞することによって、プラズマ反応ゾーンの不連続性を排除することができる多様なプラズマ反応装置及びこれを用いたプラズマ反応方法、難分解性ガスのプラズマ反応方法及び吸蔵触媒方式のNOx低減装置に関する。
本発明は、多様な形態のプラズマ反応装置及びこれを用いたプラズマ反応方法に関し、より詳しくは、回転アークプラズマを発生させ、発生した回転アークを用いて燃料の改質、難分解性ガスの化学処理、吸蔵触媒方式のNOx低減装置等に応用するための装置及びこれを用いた反応方法に関する。
【解決手段】
このために反応原料がスワール(swirl)構造の流入ホールに流入されるようにし、流入される原料が回転流を形成しながら進行するようになり、これによって上記原料が制限された体積のプラズマ反応空間でも充分に反応されると同時に、より速い高温プラズマ反応が可能となり、また、反応炉の上部の幅が拡張されて形成された広域チャンバを介してプラズマ反応ゾーンが排出前に拡張されるようにして、拡張段に電極と一定の間隔で離隔された先端部が形成されるようにして形成されたプラズマが膨脹及び停滞することによって、プラズマ反応ゾーンの不連続性を排除することができる多様なプラズマ反応装置及びこれを用いたプラズマ反応方法、難分解性ガスのプラズマ反応方法及び吸蔵触媒方式のNOx低減装置に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ反応装置及びこれを用いたプラズマ反応方法に関し、より詳しくは、回転アークプラズマを発生させ、発生した回転アークを用いて燃料の改質及び難分解性ガスの化学処理などに応用するための装置及びこれを用いた反応方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に物質の状態は固体、液体、気体など三種類に分けられ、上記固体にエネルギーを加えると液体になり、かかる液体にまたエネルギーを加えると気体になり、かかる気体により高いエネルギーを加えると電気的極性を有する電子及びイオンで構成された第4の物質状態であるプラズマが発生するが、自然状態では稲妻、オーロラ、大気中のイオン層などに観察され、日常生活で見られる人工的なプラズマ状態としては、蛍光灯、水銀灯、ネオンサインなどがある。
【0003】
かかるプラズマは、超高温で運動エネルギーの大きい気体が互いに衝突することによって原子や分子から負電荷を帯びた電子に分離したもので、負電荷を有する電子と正電荷を帯びたイオンに分離した気体状態をいい、電荷の分離度が相当高いながらも全体的に負と正の電荷数がほぼ同じ密度で分布され、電気的にほぼ中性の状態である。
【0004】
上記のようなプラズマは、アークのように温度が高い高温プラズマと、電子のエネルギーは高いがイオンのエネルギーが低くて実際に感じる温度は常温に近い低温プラズマに分類されるが、直流、超高周波、電子ビームなど電気的方法を加えて生成した後、磁場などを用いてかかる状態を維持するようにして使う。
【0005】
上記プラズマは、如何なる圧力条件で発生させるかによって発生技術及び活用先が大きく異なるが、圧力が低い真空条件ではプラズマを安定的に発生させることができるため、半導体工程、新素材合成工程ではプラズマを発生させて化学反応、蒸着、腐蝕に用い、大気圧状態のプラズマは環境に有害なガスを処理するなど新たな物質を作るのに利用される。
【0006】
かかるプラズマを利用するためのプラズマ反応装置は、早い時間内に反応を起こさせる作動性と、高い耐久性及び反応効率性が求められ、ここにプラズマ反応時の電極及び反応炉の形状、反応のための条件(例えば電圧、添加物)などはプラズマ反応のための決定的因子として作用するところ、上記プラズマ反応装置が求められる性能に合うための好ましい構成が求められ、これと共に反応条件が最適化したプラズマ反応方法の技術が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、原料が制限された体積のプラズマ反応空間でも充分に反応されると同時に、より速く高温プラズマ反応が可能なプラズマ反応装置及びこれを用いたプラズマ反応方法を提供することにあり、プラズマ反応ゾーンが排出前に拡張されるようにして一時停滞させ、これによってプラズマ反応ゾーンの不連続性の排除が可能なプラズマ反応装置及びこれを用いたプラズマ反応方法に対して様々な形態のプラズマ装置を提供することにある。
【0008】
また、これを適用する分野として、反応炉の内部に形成されるプラズマ領域がより高温に維持されるようにして電子の平均衝突工程を増加させ、上記酸化反応で反応性の高いラジカル及びイオンが生成されることによって、難分解性気体の効果的な分解を可能にする難分解性ガスのプラズマ反応方法を提供することにある。
【0009】
その他の応用分野としては、高温の還元雰囲気ガスの供給が別途に備えられたプラズマ反応器によってなされるようにし、エンジンの作動が干渉されないと同時に、プラズマ改質反応の特性である迅速な反応を利用することで、必要時に迅速な雰囲気ガスの供給が可能なプラズマ反応器及びこれを用いた吸蔵触媒方式のNOx低減装置を提供することにある。
【0010】
同時に、本発明のまた他の目的は、上記プラズマ反応器がエンジンに燃料を供給する保存元から燃料が供給されるようにし、装置の簡素化を具現することができ、これに加えて、上記プラズマ反応器に供給される液状燃料及び気体が効果的に混合されるようにし、燃料の改質性能を著しく上昇させることが可能なプラズマ反応器及びこれを用いた吸蔵触媒方式のNOx低減装置を提供することにある。
【発明の効果】
【0011】
以上で考察したように、本発明は、反応炉の内部に難分解性ガスと共に炭化水素系の燃料と酸化剤を部分酸化条件で流入させ、上記燃料の酸化反応で発生する熱によってプラズマ領域がより高温に維持されるようにして電子の平均衝突工程を増加させ、上記酸化反応で反応性の高いラジカル及びイオンが生成されることによって、難分解性気体を効果的に分解させることができる効果がある。
【0012】
これに加えて、本発明は、反応炉の内部に形成された拡張区間と、この始点に形成された先端部によってプラズマ反応時に生成されるプラズマ反応ゾーンが滞留するようにし、連続的なプラズマ反応を具現することができる効果がある。
【0013】
また、原料がスワール(swirl)構造の流入ホールに流入されるようにし、流入される原料が回転流を形成しながら進行するようになり、これによって上記原料が制限された体積のプラズマ反応空間でも充分に反応されると同時に、より速く高温プラズマ反応が可能になる効果がある。
【0014】
また、本発明は、反応炉の上部の幅が拡張されて形成された広域チャンバを介してプラズマ反応ゾーンが排出前に拡張されるようにすることで一時停滞させ、これによってプラズマ反応ゾーンの不連続性を排除することができる効果がある。
【0015】
結局、上記のような本発明の効果は、供給される原料の改質反応や、有害物質などの処理時に反応効率を高めるようにする目標と、反応後の結果物の信頼性を高めて環境に有利な究極的な目標を果たすようにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
かかる特徴を有する本発明は、それによる好ましい多様な実施例を通じてより明確に説明される。以下では、本発明の好ましい多様な実施例を添付の図面に基づき詳しく説明する。
【0017】
図1は本発明の第1の実施例によるプラズマ反応装置を示した縦断面図であり、図2は本発明の第1の実施例によるプラズマ反応装置によってプラズマ反応ゾーンが拡張された状態を示した縦断面図であり、図3は本発明の第1の実施例によるプラズマ反応装置で反応炉に原料流入管が連通された構造を示した横断面図である。
【0018】
上記のような課題を解決するための本発明は、上端にプラズマ反応物を排出させるための排出口が形成された中空の反応炉と、上記反応炉の内部にプラズマ反応のための原料を供給するために上記反応炉の下部に連通され、上記反応炉の内部に位置した入口が上記反応炉の外周面の法線方向と一定の角度をなすように傾斜して形成され、供給される原料が上記反応炉の内部で回転流を 形成しながら進行するようにする原料流入管と、上記反応炉の内部に供給された原料のプラズマ反応のための放電電圧を生成させるために上記反応炉の底面に内設され、上記反応炉の内壁とは一定の間隔で離隔される電極とを含んで構成され、上記反応炉は内部に供給された原料のプラズマ反応時、プラズマ反応ゾーンを拡張させて一時停滞させるための広域チャンバが形成されるように上記電極よりも上側に位置した区間の幅が拡張されることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、プラズマ反応方法において、上端にプラズマ反応物を排出させるための排出口が形成された中空の反応炉に原料流入管を連通させ、上記反応炉の内部にプラズマ反応のための原料を供給させ、上記原料流入管は上記反応炉の内部に位置した入口が上記反応炉の外周面の法線方向と一定の角度をなすように傾斜して形成され、供給される原料が上記反応炉の内部で回転流を 形成しながら進行するようにし、上記反応炉の底面では上記反応炉の内壁と一定の間隔で離隔される電極が内設され、供給される原料が上記反応炉の内壁と電極との間の放電電圧によってプラズマ反応されるようにし、上記反応炉の上記電極よりも上側に位置した区間の幅は拡張させて上記反応炉の内部に広域チャンバが形成されるようにし、上記反応炉の内部に供給された原料のプラズマ反応時に上記広域チャンバでプラズマ反応ゾーンが拡張されて一時停滞するようにすることを特徴とする。
【0020】
かかる特徴を有する本発明は、それによる好ましい実施例を通じてより明確に説明される。以下では、本発明の好ましい実施例を添付の図面に基づき詳しく説明する。
【0021】
図示されたように、本発明によるプラズマ反応装置(50)は反応炉(10)、電極(30)、原料流入管(20)を含む。
【0022】
上記反応炉(10)は、内部にプラズマ反応のための空間が形成されるように中空からなっており、具体的な構造及び形状は後述することとする。
【0023】
上記電極(30)は、上記反応炉(10)の内部に供給された原料のプラズマ反応のための放電電圧を生成させるために上記反応炉(10)の内壁と一定の間隔で離隔される形態で上記反応炉(10)の底面に内設されるものであって、その形状において次のような特徴を有する。
【0024】
上記電極(30)は、上部が円錐の形状を有し、その下部が円柱型に延長された形状を有する。これによって上記電極(30)はほぼ中央部位の幅が他の部位よりも相対的に拡張される。ここで、上記電極(30)の円柱型に延長形成された下部は、上記電極(30)の上部よりもその幅が相対的に狭小となり、上記電極(30)で円錐の頂点と、上記円錐と円柱の連結部位は丸く湾曲する。
【0025】
上記のような電極(30)の特徴的な形状によれば、上記反応炉(10)の内部の電極(30)が位置した区間には後述の原料流入管(20)が連通される原料流入チャンバ(13)と、上記原料流入管(20)から流入された原料がプラズマ反応される反応チャンバ(15)が形成される。すなわち、上記原料流入チャンバ(13)と反応チャンバ(15)は、上記電極(30)の幅が拡張された中央部位(円錐下部が該当する)によって区画されるが、この時、上記原料流入チャンバ(13)は円筒状に狭小して延長形成され、上記電極(30)の幅が拡張された部位と反応炉(10)の内壁の間隔は相対的に細くなることに起因し、流入される原料は上記反応チャンバ(15)に直ちに進行するよりは、上記比較的広い体積を有する原料流入チャンバ(13)で一時停滞して充分に混合された後、上記反応チャンバ(15)に進行する。すなわち、上記のような電極(30)の形状は、反応炉(10)の内部の電極(30)が形成された区間が原料流入チャンバ(13)と反応チャンバ(15)に区画されるようにし、上記原料流入チャンバ(13)が充分な体積を有するようにし、上記原料流入チャンバ(13)からの原料が上記反応チャンバ(15)に制限されて進行することで原料の充分な混合が可能となる。
【0026】
一方、前述の原料流入管(20)は、上記反応炉(10)の内部の原料流入チャンバ(13)にプラズマ反応のための原料を流入するために上記反応炉(10)の下部に連通されるが、その数において限定されないことは勿論である。ここで、上記原料流入管(20)の反応炉の内部に位置した入口(以下、流入ホールという)は、上記反応炉(10)の壁面の方に傾斜した形態、いわゆるスワール(swirl)形態を有する。上記のような流入ホール(21)は、供給される原料が上記反応炉の内部で回転流を形成しながら進行して流入されるようにするが、これは上記原料が反応チャンバ(15)でも回転流を形成しながら進行することを可能にし、これによって上記原料は、上記反応炉(10)の長手方向の上側に直ちに移動するよりは、円周方向に回転しながら上側に移動する。上記のような原料の回転進行は、同一の体積に比べてプラズマ反応効率を高めるようになる。
【0027】
同時に、本発明の実施例によると、好ましい上記反応炉(10)の構造及び形状は以下のとおりである。
【0028】
上記反応炉(10)は中空からなり、外観上ほぼ円筒の形状を有する。また、下部に上記原料流入管(20)が連結されることは前述のとおりである。また、上記反応炉(10)の上端は開口されて排出口(11)が形成される。上記排出口(11)はプラズマ反応した物質を排出するために形成されたものである。ここで、上記反応炉(10)の上部はその幅が拡張し、上記反応炉(10)の内部上側には広域チャンバ(17)が形成される。この時、上記広域チャンバ(17)は上記電極(30)の上部先端よりも上側に位置することが好ましい。すなわち、上記反応炉(10)は上記電極(30)よりも上側に位置した区間の幅が拡張されたものである。上記によると、上記反応炉(10)の内部は下側から上側の順に原料流入チャンバ(13)、反応チャンバ(15)、広域チャンバ(17)が各々形成されるが、上記広域チャンバ(17)は上記反応チャンバ(15)よりも拡張されることに起因して、原料が上記反応チャンバ(15)でプラズマ反応されると、プラズマ反応ゾーンが上記広域チャンバ(17)を介して拡張されて一時停滞し、これは結局プラズマ反応生成物の滞留時間を増加させるようになり、追加的な高温状態の反応を有利にし、プラズマ形成の不連続性を排除させる作用効果が発生するようになる。ここで、上記反応炉(10)の上記広域チャンバ(17)と、反応チャンバ(15)の区画地点、すなわち、上記反応炉(10)の内部の拡張された始点は、丸く湾曲するよりは、先端部(19)が形成されることが好ましいが、このために、上記反応炉(10)の上記電極(30)よりも上側に位置した区間は直角形態に段をなして拡張される。上記のような反応炉(10)の直角形態の拡張構造によると、上記広域チャンバ(17)内でプラズマ反応ゾーンの横方向の拡張性をより高めることができ、形成された先端部(19)にプラズマが付着したまま回転して連続的な反応が可能である。
【0029】
上記広域チャンバ(17)によって停滞プラズマが形成される場合、上記電極(30)の上部先端で上記反応チャンバ(15)と広域チャンバ(17)との間に形成された先端部(19)にかけて回転するプラズマが形成されるが、上記反応チャンバ(15)と広域チャンバ(17)との間に形成された先端部(19)と上記電極(30)の上部先端との距離が形成されたプラズマの熱的特性を決定する要素となる。
【0030】
一方、上記反応炉(10)に上記広域チャンバ(17)に追加的な原料を供給するための補助原料流入管(25)を連通させるようになると、上記広域チャンバ(17)上で追加された原料によって追加反応を起こさせる。
【0031】
また、上記反応炉(10)で上記排出口(11)の直径を上記広域チャンバ(17)の直径よりも小さく形成させる場合、プラズマ反応物質が上記広域チャンバ(17)でより滞留及び停滞するようになることは当然である。
【0032】
同時に、本実施例では上記反応炉の上部が1回拡張されることを説明したが、多段に多数回拡張されることも可能であり、これも本発明の範疇に属することを明らかにしておく。
【0033】
かかる反応器の形状で反応器の後端に拡張領域が形成しながら段をなすようになると、条件によって形成されたプラズマが離脱せず、電極の先端に付着したまま連続放電をして回転するようになる。かかる条件は特に炭化水素系燃料の一部分が酸化条件である時に発生するようになるが、このように停滞したプラズマ状態は、高温条件及び高い反応性物質(電子、イオンなど)濃度によって難分解し、気体の分解及び燃料改質の性能を向上させる効果を有するようになる。
【0034】
図4は本発明の第2の実施例によるプラズマ反応装置を示した縦断面図であり、図5は図4によってプラズマ反応ゾーンが滞留した状態を示した縦断面図であり、図6は図4の横断面図であって、本発明による第2の実施例を詳しく説明すると、次のとおりである。
【0035】
上記のような特徴を有する本発明は、難分解性ガスをプラズマ反応させて分解するための方法において、反応炉と連通される原料流入管を介して上記反応炉の内部に難分解性ガスと共に炭化水素系の燃料と酸化剤が部分酸化条件で流入されるようにし、上記難分解性ガスが上記反応炉に内設された電極と上記反応炉の内壁との間に発生する放電電圧によってプラズマ反応される時、上記燃料の酸化反応で発生する熱によってプラズマ領域がより高温状態になり密度が低くなるようにし、プラズマ反応時に生成されるプラズマ反応ゾーンが上記反応炉の内部の電極よりも上側に位置した区間に幅が上記反応炉の長手方向に直角に段をなして拡張形成される拡張区間で滞留するようにして連続してプラズマ反応が起こるようにし、上記反応炉の壁面には上記原料流入管と上記反応炉の内部との連通のための多数の流入ホールが形成され、上記流入ホールは上記反応炉の内壁の法線方向と一定の角度をなすように傾斜して形成されたことを特徴とする。
【0036】
かかる特徴を有する本発明は、それによる好ましい実施例を通じてより明確に説明される。
【0037】
本発明の好ましい実施例の説明に先立って、本発明は、難分解性ガスをプラズマ反応させて分解するための方法に関し、この時、難分解性ガスとしては、地球温暖化を誘発する代表的な気体であるCF4、C2F6、SF6、NFのうちいずれか一つ、またはこれらの混合体でありえるが、上記で言及されなかったその他の難分解性気体も本発明の範疇に属することを明らかにしておく。
【0038】
以下、本発明の好ましい実施例を添付の図面に基づき詳しく説明する。
【0039】
本発明の第2の実施例によると、難分解性ガスのプラズマ反応のためのプラズマ反応装置(50)の好ましい構成及び構造が提示されるが、これは次のとおりである。
【0040】
まず、中空の反応炉(10)にプラズマ反応対象である難分解性ガス及び炭化水素系の燃料と酸化剤を流入させるための原料流入管(20)が連通される。また、上記反応炉(10)には上記反応炉(10)の内壁と、プラズマ反応のための放電電圧を発生させるように電極(30)が内設される。
【0041】
ここで、上記反応炉(10)と原料流入管(20)が連通された構造を考察すると、上記反応炉(10)の壁面には上記原料流入管(20)と上記反応炉(10)の内部との連通のための多数の流入ホール(21)が形成され、上記流入ホール(21)は上記反応炉(10)の内壁の法線方向と一定の角度をなすように傾斜して形成される。また、上記反応炉(10)の流入ホール(21)と原料流入管(20)との間には流入される気体(難分解性ガス、燃料、酸化剤)が一時留まる空間(21a)が形成される。
【0042】
上記によると、上記原料流入管(20)を介して流入される気体は、上記空間(21a)に一時留まっている間に、多数の流入ホール(21)を介して上記反応炉(10)の内部に均等に噴射される。また、上記流入ホール(21)の傾斜した構成に起因すると、流入される気体は上記反応炉(10)の内部で回転流を形成しながら進行するようになる。
【0043】
また、前述の反応炉(10)の内部には、プラズマ反応時に生成されるプラズマ反応ゾーンを滞留させるための広域チャンバ(17)が形成されるが、上記広域チャンバ(17)は上記反応炉(10)の内部の上記電極(30)よりも上側に位置した区間の幅が拡張されてなる。
【0044】
ここで、上記反応炉(10)の内部の電極(30)よりも上側に位置した区間は、上記反応炉(10)の長手方向に直角に段をなして拡張されるが、これによると、上記反応炉(10)の内部の拡張区間が形成された始点に先端部(19)が形成される。
【0045】
本発明によって上記のような構造を有するプラズマ反応装置(50)に先に原料流入管(20)を介して反応炉(10)の内部に難分解性ガスと炭化水素系の燃料及び酸化剤が部分酸化条件で流入される。本実施例では、上記燃料としてCH4が、酸化剤としてはO2が各々適用される。
【0046】
ここで、上記燃料としてその他の可燃性の気体と、また上記酸化剤として上記燃料の酸化反応を誘導するその他の気体が各々適用されることは勿論である。
【0047】
上記で難分解性ガスと燃料及び酸化剤は互いに順次に、または同時に流入される。
【0048】
すなわち、上記反応炉(10)の内部に燃料と酸化剤を先に流入させた後、難分解性ガスを流入させたり、上記燃料、酸化剤、及び難分解性ガスを同時に流入させることが共に可能である。
【0049】
上記したように、反応炉(10)の内部に難分解性ガスと共に燃料及び酸化剤が流入される場合、上記難分解性ガスが上記反応炉(10)に内設された電極(30)と上記反応炉(10)の内壁との間に発生する放電電圧によってプラズマ反応される時、上記燃料の酸化反応で発生する熱によってプラズマ領域がより高温状態になり密度が低くなる。また、拡張されたプラズマゾーンで電流の増加で電子密度が増加し、電子との衝突及び酸化反応の過程で生成された反応性の高いラジカルが急増することによって、難分解性気体の分解が促進される。また、これと共に上記燃料の酸化反応で反応性の高いラジカル及びイオンが生成されることによって、反応性が向上する作用効果が発生する。
【0050】
結局、上記燃料と酸化剤は難分解性ガスのプラズマ反応効率を高め、上記難分解性ガスの分解性を高める機能を果たすが、これに加えて、本発明によって反応炉(10)の内部に形成される広域チャンバ(17)は上記難分解性ガスの連続的なプラズマ反応を可能にする。
【0051】
すなわち、本発明によると、上記反応炉(10)の内部に形成された広域チャンバ(17)は、反応炉(10)の内部で難分解性ガスのプラズマ反応によって生成されたプラズマ反応ゾーンが拡張されるようにし、上記広域チャンバ(17)の始点に形成される先端部(19)は上記プラズマ反応ゾーンを確保する役割をするようになり、上記プラズマ反応ゾーンは上記反応炉(10)の排出口(37)を介して直ちに排出されるよりは、上記広域チャンバ(17)で滞留する。また、これに加えて、前述のように流入される難分解性ガスが反応炉(10)の内部で回転流を形成することによって、上記プラズマ反応ゾーンは上記広域チャンバ(17)の先端部(19)により粘着する条件が形成される。
【0052】
上記のとおり、プラズマ反応ゾーンが反応炉(10)の内部で滞留する場合、1回生成されたプラズマ反応ゾーンによって後続流入される難分解性ガスが継続してプラズマ反応し、結局、連続的なプラズマ反応が行われるようになり、これによって、周期的に反復生成されるプラズマ反応ゾーンによって行われる非連続的なプラズマ反応で惹起される反応上の損失を防ぐことができる。
【0053】
図7は本発明の第3の実施例によるプラズマ反応装置を示した縦断面図であり、図8は本発明の第3の実施例によるプラズマ反応装置で電極に流入路が形成された構造を示した横断面図であって、本発明の第3の実施例に対して詳しく説明すると、次のとおりである。
【0054】
上記のような課題を解決するための本発明は、プラズマ反応装置において、下部片側にプラズマ反応のための原料が供給されるために原料流入管が連通され、上端にはプラズマ反応物を排出させるための排出口が形成され、内部に供給された原料のプラズマ反応時にプラズマ反応ゾーンを拡張させて一時停滞させるための広域チャンバが形成されるように電極よりも上側に位置した区間の幅は拡張される中空の反応炉と、供給された原料のプラズマ反応のための放電電圧を発生するように上記反応炉の内部に突出し、上記反応炉の壁面とは一定の間隔で離隔するように上記反応炉の底面に内設されて結合される電極と、内部に形成されたチャンバ上に液状原料を流入するための液状原料流入管及び上記チャンバ上に流入された液状原料を反応炉の内部に供給するために片側が反応炉と連通された液状原料供給管と各々連通され、上記液状原料流入管を介して流入された液状原料が上記チャンバ上で熱を吸収するように上記広域チャンバ上に位置する吸熱タンクとを含んで構成されたことを特徴とする。
【0055】
かかる特徴を有する本発明は、それによる好ましい実施例を通じてより明確に説明される。
【0056】
以下では、本発明の好ましい実施例を添付の図面に基づき詳しく説明する。
【0057】
説明に先立って、本発明は、液状または気相の原料をプラズマ反応させて上記原料の改質反応を達成したり、または、廃棄物質、自動車煤煙などの各種有害物質を原料にし、これをプラズマ反応させて処理する装置に関することであり、これによって以下の実施例の説明で言及される原料は化学的組成物と環境に有害な各種有害物質を含むことを明らかにしておく。
【0058】
図示されたように、本発明によるプラズマ反応装置(50)は大きく反応炉(10)、電極(30)、吸熱タンク(93)で構成される。
【0059】
上記反応炉(10)は内部にプラズマ反応のための空間を提供するために中空からなり、ほぼ円筒の形状を有する。かかる反応炉(10)は下部片側にプラズマ反応のための原料が供給されるために原料流入管(91)が連通され、上端にはプラズマ反応物を排出させるための排出口(92)が形成される。
【0060】
ここで、上記反応炉(10)の特徴的構造及び形状をより詳しく説明すると次のとおりである。
【0061】
上記反応炉(10)はその上部、すなわち、電極(30)よりも上側に位置した区間の幅は拡張されて内部に広域チャンバ(17)が形成される。上記のように反応炉(10)の内部に広域チャンバ(17)が形成される場合、原料が上記反応炉(10)の電極(30)が位置した区間でプラズマ反応して形成されるプラズマ反応ゾーンが上記広域チャンバ(17)を介して拡張されて一時停滞し、これは結局プラズマ反応生成物の滞留時間を増加させるようになって追加的な高温状態の反応を有利にし、プラズマ形成の不連続性を排除させることができる作用効果が発生するようになる。また、上記のようにプラズマ反応ゾーンが滞留することに起因して、上記広域チャンバ(17)にはより高温の領域が形成されるが、これは後述の吸熱タンク(93)で液状原料が熱を吸収するのに利点として作用する。同時に、上記反応炉(10)の上部は直角に段をなして折曲されるが、これによって上記反応炉(10)の上側先端に形成された排出口(92)は上記広域チャンバ(17)の垂直延長線上に位置しなくなる。上記のような構造によると、上記広域チャンバ(17)上にプラズマ反応ゾーンがより滞留することが可能であり、ここに派生された作用効果として、上記広域チャンバ(17)上により信頼性ある高温領域を形成することが可能である。
【0062】
上記電極(30)は上記反応炉(10)の内部に供給された原料のプラズマ反応のための放電電圧を発生するように上記反応炉(10)の内部に突出し、上記反応炉(10)の壁面とは一定の間隔で離隔するように上記反応炉(10)の底面に内設されて結合されるものであって、電圧発生のために外部電源(図示しない)と連結されなければならないことは当然である。上記電極(30)はその形状において次のような特徴を有する。
【0063】
上記電極(30)は上部が円錐の形状を有し、その下部が円柱型に延長された形状を有する。これによって、上記電極(30)は円錐の底面に該当するほぼ中央部位の幅が他の部位よりも相対的に拡張される。ここで、上記電極(30)の円柱型に延長形成された下部は、上記電極(30)の上部よりもその幅が相対的に狭小となり、上記電極(30)で円錐の頂点と上記円錐と円柱の連結部位は丸く湾曲する。上記のような構造によると、上記電極(30)と反応炉(10)の内壁のなす間隔は上記電極(30)の高さ方向に沿って差等がつけられるが、すなわち上記電極(30)の中央部位では上記反応炉(10)の内壁となす間隔が狭小となり、上記電極(30)の中央部位を中心に上、下側は上記反応炉(10)の内壁と相対的に広い間隔及び空間を維持するようになる。したがって、上記反応炉(10)の内部の電極(30)の中央部位よりも下側に位置した区間に原料が流入される場合、上記電極(30)の中央部位と反応炉の内壁のなす間隔が狭小となることに起因して、流入される原料が上記電極(30)の上側に直ちに進行するよりは、上記電極(30)の下部で一時停滞して充分に混合された後で進行することが可能である。
【0064】
同時に、上記のような電極(30)には液状の原料を追加で供給するための構造が備えられるが、これを説明すると次のとおりである。
【0065】
上記電極(30)の内部には一定空間の原料流入チャンバ(35)が形成され、上記電極(30)の底面には上記原料流入チャンバ(35)で液状の原料を流入させるための補助液状原料供給管(31)が連通され、また、上記電極(30)の内壁には上記原料流入チャンバ(35)上の原料を上記反応炉(10)の内部(好ましくは上記電極の下部)に供給するための流入路(94)が貫通形成される。これによると、反応炉(10)に別途の管体を連結しなくても、上記反応炉(10)の内部に液状の原料を追加供給することが可能である。
【0066】
また、上記補助液状原料供給管(31)には補助気体供給管(33)が連通されるが、これによると、上記原料流入チャンバ(35)上に液状の原料と共に上記液状原料を微粒化させるための気体を共に流入させることができ、液状の原料が上記原料流入チャンバ(35)及び反応炉(10)の内部で充分に拡散することが可能である。
【0067】
一方、前述の吸熱タンク(93)は上記広域チャンバ(17)上に位置するように上記反応炉(10)に設置されるものであって、外観上ほぼ "球"状を有し、内部には一定空間のチャンバ(55)が形成される。ここで、上記吸熱タンク(93)は上記チャンバ(55)上に液状原料を流入するための液状原料流入管(51)と連通され、また、上記チャンバ(55)上に流入された液状原料を反応炉(10)の内部に供給するために液状原料供給管(57)と連通される。すなわち、上記液状原料供給管(57)は片側が上記反応炉(10)と連通され、他側が上記吸熱タンク(93)と連通され、上記チャンバ(55)上の液状原料が上記反応炉(10)の内部に供給されるようにする。ここで、上記液状原料供給管(57)の片側は上記反応炉(10)の下部、好ましくは電極(30)の中心部位よりも下側に位置した区間に連通され、上記反応炉(10)の外周面に沿って巻回されるように構成され、上記反応炉(10)からの熱を充分に吸収することが好ましい。また、前述の液状原料流入管(51)は上記吸熱タンク(93)の上側に連通され、反応炉(10)の底面とは垂直をなすことが好ましい。かかる構造は上記吸熱タンク(93)のチャンバ(55)上に液状の原料が上側から下側に垂直に供給されるようにするが、これは上記チャンバ(55)上に供給される液状原料が上記吸熱タンク(93)中、上記反応炉(10)の内部でより直接的に高温プラズマ反応ゾーンに接触する底面により容易に達することで熱吸収効率を高めることができる作用効果が発生するようになる。また、上記液状原料流入管(51)は上記反応炉(10)の底面と水平をなすように上記吸熱タンク(93)の側面に連通することもできる。かかる構造は、上記吸熱タンク(93)に多数の液状原料流入管(51)が連通される時、その利点が発揮されえるが、例えば、上記吸熱タンク(93)に複数または多数の液状原料流入管(51)を互いに対向するように連通させる場合、各々の液状原料流入管(51)を介して上記吸熱タンク(93)のチャンバ(55)に供給される液状原料がより効率的に混合される。本実施例では、単一の液状原料流入管(51)が吸熱タンク(93)の上側に反応炉(10)の底面とは垂直に連通されることを例示し、前述の液状原料流入管(51)の水平的連通構造は、当業者が本実施例から容易に応用して実施することができると判断されるところ、別途の図示は省略する。また、本実施例で、上記吸熱タンク(93)に液状原料を供給することにおいて、上記吸熱タンク(93)に液状原料流入管(51)が連通されることを例示したが、噴射器具(図示しない)を上記吸熱タンク(93)に連通してチャンバ(55)上に液状原料を噴出させることが可能であり、これも本発明の範疇に属することは自明である。
【0068】
一方、上記液状原料流入管(51)には気体供給管(53)が連通されるが、これは上記チャンバ(55)上に液状原料と共に上記液状原料を微粒化させるための気体を共に流入させるためである。上記のとおり、気体供給管(53)を介して液状原料と共に上記気体(液状原料を微粒化させるため)をチャンバ上に流入させる場合、上記チャンバ(55)上で液状原料がより拡散または活性化されることは当然である。
【0069】
同時に、上記吸熱タンク(93)には上記チャンバ(55)に流入された液状原料を強制的に加熱するための加熱手段としてヒータ(59)が設置されるが、これは上記反応炉(10)の広域チャンバ(17)に高温雰囲気の組成が不備な始点、すなわち、プラズマ反応装置(50)の初期作動時に、上記チャンバ(55)に流入された液状原料を強制的に加熱及び気化させるためである。
【0070】
この時、上記ヒータ(59)は外部電源(図示しない)と電気的に連結され、上記吸熱タンク(93)のチャンバ(55)上に突出するように上記吸熱タンク(93)に設置される。ここで、上記ヒータ(59)は上記吸熱タンク(93)の壁体の内部に設置することもできるが、前述のようにチャンバ(55)上に突出するように設置したことは、上記チャンバ(55)上でその表面に原料が直接触れて効果的に気化されるようにするためである。また、上記ヒータ(59)の設置において、反応炉(10)の内部で電気ショートを防ぐように電気的連結のための部品及び部位が絶縁物質で被覆されなければならないことは当然である。
【0071】
以上説明した吸熱タンク(93)とこれと連携する構成及び構造によると、上記液状原料流入管を介して流入された液状原料が、上記チャンバ(55)上で熱を吸収して拡散または活性化され、上記液状原料供給管(57)によって反応炉(10)の内部に供給される。これによって、供給された液状原料はその他の原料(例えば、気体原料)とより容易に混合され、電極の全面に拡散してより効率的にプラズマ反応が可能になる。
【0072】
図9は本発明の第4の実施例によるプラズマ反応装置を示した縦断面図であって、本第4の実施例によると、上記反応炉(10)の外壁には混合タンク(70)が形成され、上記原料流入管(91)及び液状原料供給管(57)は上記混合タンク(70)を介して上記反応炉(10)に連通される。また、上記混合タンク(70)の内部には一定体積の混合チャンバ(75)が形成される。これによって、上記原料流入管(91)及び液状原料供給管(57)から各々進行される原料は、上記混合タンク(70)の内部に形成された混合チャンバ(75)上で互いに混合されて反応炉(10)の内部に供給される。すなわち、上記混合タンク(70)は上記原料流入管(91)及び液状原料供給管(57)、そして上記反応炉(10)と連通された構成を有するようになるが、かかる混合タンク(70)の構成によると、上記原料流入管(91)及び液状原料供給管(57)を介して供給される原料の混合性をより向上させることができる。同時に、図示しなかったが上記混合タンク(70)に必要に応じて追加的な加熱装置を設置することができることは当然である。
【0073】
図10は本発明によるNOx低減装置を示した概路図であり、図11は本発明の第5の実施例によるNOx低減装置でプラズマ反応器を示した断面図であり、図12は本発明の第5の実施例によるNOx低減装置のプラズマ反応器で流体の流れを示した断面図であって、これを詳しく説明すると、本発明は、保存元から炭化水素系燃料が供給されて利用するエンジンから排出された排気ガスを吸蔵触媒に移動させ、上記排気ガスのNOxを上記吸蔵触媒に吸着させた後、これを還元させて除去するNOx低減装置において、上記エンジンから吸蔵触媒に移動する排気ガスの移動路上に上記保存元から炭化水素系燃料が一部供給され、これをプラズマ反応によって高温の還元雰囲気ガスに改質させるプラズマ反応器を連結し、上記吸蔵触媒でのNOx還元時に上記プラズマ反応器から生成された還元雰囲気ガスが供給されることを特徴とする。
【0074】
また、本発明は、片側に排出口が形成され、厚さを形成する壁体の内部には気体流入口から流入された気体が移動しながら熱を吸収するように吸熱路が形成された中空の反応炉と、上記反応炉の底面を形成し、その内部には上記吸熱路と連通されると同時に、上記反応炉に形成された流入ホールを介して上記反応炉の内部と連通される混合チャンバが形成されたベースを含む本体と、上記反応炉の内部にプラズマ反応のための放電電圧を形成させるために上記反応炉の内壁と一定の間隔で離隔された形態で上記ベースに固定されて上記反応炉上に突出し、その内部には液状燃料が流入されて上記混合チャンバと連通される吸熱チャンバが形成された電極と、上記電極の吸熱チャンバ上に液状燃料を供給するように上記本体に固定される液状燃料噴射手段とを含んで構成されたことを特徴とする。
【0075】
かかる特徴を有する本発明は、それによる好ましい実施例を通じてより明確に説明される。
【0076】
以下、本発明の好ましい実施例を添付の図面に基づき詳しく説明する。
【0077】
図示されたように、本発明によるNOx低減装置(200)は炭化水素系燃料を保存する保存元である燃料タンク(210)から炭化水素系燃料が供給されて利用するエンジン(220)から排出された排気ガスを吸蔵触媒(30)に移動させて上記排気ガスのNOxを除去する。
【0078】
この時、上記吸蔵触媒(30)はLNT(Lean NOx Trap)触媒ともいい、移動する排気ガス中NOxが吸着されると、これを還元させて除去する機能をする。上記吸蔵触媒(30)の詳細な構成と作用は公知のものであるので、これに関する詳細な説明は省略する。
【0079】
一方、本発明によるNOx低減装置(200)では、上記吸蔵触媒(30)でNOxが還元される時、上記吸蔵触媒(30)に高温の還元雰囲気ガスを噴出して供給するためのプラズマ反応器(50)が備えられるが、ここで、上記プラズマ反応器(50)は上記燃料タンク(210)と連結され、上記燃料タンク(210)から炭化水素系の燃料が一部供給され、これをプラズマ反応によって高温の還元雰囲気ガスに改質させるいわゆる改質器の役目を遂行する。
【0080】
上記でプラズマ反応器(50)からプラズマ反応によって改質されて排出される還元雰囲気ガスを吸蔵触媒(30)に噴出するために上記プラズマ反応器(50)の排出口(62)が吸蔵触媒(30)に向かうように設置してもよく、図面のように、排気ガスが移動する移動管(40)にプラズマ反応器(50)の排出口(62)が単に連通されて構成することができる。
【0081】
以下、上記のように炭化水素系燃料から高温の還元雰囲気ガスを生成するプラズマ反応器の特徴的構成を説明する。
【0082】
本発明によるNOx低減装置(200)で改質器として使用されるプラズマ反応器(50)は、大きく本体(60)、電極(70)、液状燃料噴射手段で構成される。
【0083】
上記本体(60)はまた反応炉(61)とベース(65)で構成される。
【0084】
上記反応炉(61)は中空からなり、ほぼ円筒の形成を有し、片側にはプラズマ反応後に反応した物質を排出するための排出口(62)が形成される。ここで、上記反応炉(61)には内部に気体を流入するための気体流入口(63)が形成され、また、上記反応炉(61)の厚さを形成する壁体の内部には、上記気体流入口(63)から流入された気体が円周方向に沿って移動しながら熱を吸収することができるように吸熱路(64)が形成される。上記吸熱路(64)はほぼコイル形状で上記反応炉(61)の円周方向に沿って形成される。
【0085】
上記ベース(65)は上記反応炉(61)の底面を形成し、その内部には一定体積の混合チャンバ(67)が形成される。上記混合チャンバ(67)は上記反応炉(61)の壁体上に形成された吸熱路(64)と連通され、これと同時に上記反応炉(61)に形成された流入ホール(68)を介して上記反応炉(61)の内部とも連通される。この時、上記流入ホール(68)は上記反応炉(61)の内壁の法線と一定傾斜した形態、すなわち、いわゆるスワール(Swirl)構造で形成されることが好ましい。
【0086】
前述の構成で反応炉(61)とベース(65)は一体形成が可能であり、別途に形成されて互いに結合することもできる。ただし、上記ベース(65)は以下で説明する電極(70)の下端部と反応炉(61)との通電を防ぐようにセラミックスなどの絶縁体(図示しない)を含まなければならない。
【0087】
上記電極(70)は上記反応炉(61)の内部にプラズマ反応のための放電電圧を形成させるためのものであって、このために上記反応炉(61)の内壁と一定の間隔で離隔された形態で上記ベース(65)に固定されて上記反応炉(61)上に突出する。かかる電極(70)はほぼ円錐の形状を有するようになるが、その内部には上記混合チャンバ(67)と連通され、後述の液状燃料噴射手段から供給された液状燃料が流入されて一時滞留する吸熱チャンバ(75)が形成される。
【0088】
上記液状燃料噴射手段は上記電極(70)の吸熱チャンバ(75)上に上記燃料タンクに保存された液状燃料を供給するように上記燃料タンク(210)と連結され、上記本体(60)に固定されるものであるが、この時、上記液状燃料噴射手段では燃料タンク(210)からの液状燃料と共に気体が供給され、供給される気体の移動力で上記液状燃料を吸熱チャンバ(75)上に噴出させる液状燃料噴射器具(80) または、上記電極(70)の吸熱チャンバ(75)上に液状の燃料を直接噴射するインジェクタ(図示しない)を適用することができる。
【0089】
図面では上記液状燃料噴射手段として液状燃料噴射器具(80)が適用された状態を示す。
【0090】
すなわち、上記液状燃料噴射器具(80)は前述の燃料タンク(210)と連通され、液状燃料が供給される液状燃料供給管(81)と、上記液状燃料供給管(81)とは別途に外部気体供給源と連通されて気体が供給される気体供給管(82)とが備えられて液状燃料と気体が同時に流入され、流入された液状燃料と気体が噴出される側が上記電極の吸熱チャンバ(75)に向かうように構成されている。
【0091】
以下、本発明によるNOx低減装置の作用例を説明する。
【0092】
エンジン(220)の作動によって発生する排気ガスは移動管(40)を介して吸蔵触媒(30)に移動する。この時、上記移動管(40)にはプラズマ反応器(50)の排出口(62)側が連通され、上記プラズマ反応器(50)から生成された高温の還元雰囲気ガスが上記吸蔵触媒(30)に移動し、上記吸蔵触媒(230)でのNOx還元作用を促進させるようになる。
【0093】
ここで、上記プラズマ反応器(50)の作用をさらに詳しく考察すると、上記プラズマ反応器(50)は燃料タンク(210)から炭化水素系燃料を液状燃料噴射器具(80)を介して供給されると同時に、供給された液状燃料(炭化水素系燃料)の改質反応時に要求される酸化剤としてO2を含む空気を気体流入口(63)を介して流入する。ここで、流入された空気は吸熱路(64)を介して温度が充分に上昇して活性化された状態で混合チャンバ(67)に移動する。また、液状燃料噴射器具(80)を介して電極(70)の吸熱チャンバ(75)に移動した液状燃料は、上記吸熱チャンバ(75)上で熱を吸収して気化及び活性化された状態で上記混合チャンバ(67)に移動して上記混合チャンバ(67)上で空気と混合された後、流入ホール(68)を介して反応炉(61)の内部に流入される。
【0094】
上記によると、供給される空気と液状燃料は混合チャンバ(67)で充分に混合された以後に反応炉(61)の内部に流入されることが分かる。また、上記吸熱チャンバ(75)から直ちに液状燃料が噴出されること、また液状燃料と電極(70)の外部表面との直接接触が防がれ、液状燃料のウェッティング(Wetting)現象及びコーキング(Coking)現象が防がれる。また、吸熱チャンバ(75)上で熱を吸収した液状燃料は直ちに混合チャンバ(67)で空気と混合され、液状燃料が移動中に液化される現象が根本的に防がれる。
【0095】
一方、上記混合チャンバ(67)から流入ホール(68)を介して反応炉の内部に供給される液状燃料及び空気で構成された混合燃料は、上記流入ホール(68)及び電極(70)の特徴的構造によって体積に比べて相対的に高い効率でプラズマ反応される。すなわち、本発明によると、上記電極(70)が円錐の形状を有し、上記流入ホール(68)がスワール構造で形成されるため、上記流入ホール(68)を介して流入される混合燃料が上記電極(70)の円周方向に沿って連続的にプラズマ反応される。
【0096】
以上で説明したプラズマ反応器(50)で最初に供給される酸化剤である空気と、液状燃料から改質されて生成された還元雰囲気ガスは炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、水素(H2) などがあり、かかる雰囲気ガスが供給される条件でNOxは窒素(N2)気体に還元される。
【0097】
また、図10は本発明によるNOx低減装置を示した概路図に示されたプラズマ反応器(50)は、上記第1の実施例ないし第4の実施例に記載されたプラズマ反応器(50)の構成を採択しても第5の実施例の適用と同一の効果が発生する。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上で考察したように、本発明は、反応炉の内部に難分解性ガスと共に炭化水素系の燃料と酸化剤を部分酸化条件で流入させ、上記燃料の酸化反応で発生する熱によってプラズマ領域がより高温に維持されるようにして電子の平均衝突工程を増加させ、上記酸化反応で反応性の高いラジカル及びイオンが生成されることによって、難分解性気体を効果的に分解させることができる効果がある。
【0099】
これに加えて、本発明は、反応炉の内部に形成された拡張区間と、この始点に形成された先端部によってプラズマ反応時に生成されるプラズマ反応ゾーンが滞留するようにし、連続的なプラズマ反応を具現することができる効果がある。
【0100】
また、原料がスワール構造の流入ホールに流入されるようにし、流入される原料が回転流を形成しながら進行するようになり、これによって上記原料が制限された体積のプラズマ反応空間でも充分に反応されると同時に、より速く高温プラズマ反応が可能になる効果がある。
【0101】
また、本発明は、反応炉の上部の幅が拡張されて形成された広域チャンバを介してプラズマ反応ゾーンが排出前に拡張されるようにすることで一時停滞させ、これによってプラズマ反応ゾーンの不連続性を排除することができる効果がある。
【0102】
結局、上記のような本発明の効果は、供給される原料の改質反応や、有害物質などの処理時に反応効率を高めるようにする目標と、反応後の結果物の信頼性を高めて環境に有利な究極的な目標を果たすようにする。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の第1の実施例によるプラズマ反応装置を示した縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例によるプラズマ反応装置によってプラズマ反応ゾーンが拡張された状態を示した縦断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例によるプラズマ反応装置から反応炉に原料流入管が連通された構造を示した横断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例によるプラズマ反応装置を示した縦断面図である。
【図5】図4によってプラズマ反応ゾーンが滞留した状態を示した縦断面図である。
【図6】図4の横断面図である。
【図7】本発明の第3の実施例によるプラズマ反応装置を示した縦断面図である。
【図8】本発明の第3の実施例によるプラズマ反応装置で電極に流入路が形成された構造を示した横断面図である。
【図9】本発明の第4の実施例によるプラズマ反応装置を示した縦断面図である。
【図10】本発明によるNOx低減装置を示した概路図である。
【図11】本発明の第5の実施例によるNOx低減装置でプラズマ反応器を示した断面図である。
【図12】本発明の第5の実施例によるNOx低減装置のプラズマ反応器で流体の流れを示した断面図である。
【符号の説明】
【0104】
10: 反応炉
11: 排出口
13: 原料流入チャンバ
15: 反応チャンバ
17: 広域チャンバ
19: 先端部
20: 原料流入管
21: 流入ホール
25: 補助原料流入管
30、70: 電極
31: 補助液状原料供給管
33: 補助気体供給管
35: 原料流入チャンバ
37: 排出口
40: 移動管
50: プラズマ反応装置
51: 液状原料流入管
53: 気体供給管
55: チャンバ
57: 液状原料供給管
59: ヒータ
60: 本体
61: 反応炉
62: 排出口
63: 気体流入口
64: 吸熱路
65: ベース
67: 混合チャンバ
68: 流入ホール
75: 吸熱チャンバ
80: 液状燃料噴射器具
81: 液状燃料供給管
82: 気体供給管
91: 原料流入管
92: 排出口
93: 吸熱タンク
94: 流入路
210: 燃料タンク
220: エンジン
230: 吸蔵触媒
200: NOx低減装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ反応装置及びこれを用いたプラズマ反応方法に関し、より詳しくは、回転アークプラズマを発生させ、発生した回転アークを用いて燃料の改質及び難分解性ガスの化学処理などに応用するための装置及びこれを用いた反応方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に物質の状態は固体、液体、気体など三種類に分けられ、上記固体にエネルギーを加えると液体になり、かかる液体にまたエネルギーを加えると気体になり、かかる気体により高いエネルギーを加えると電気的極性を有する電子及びイオンで構成された第4の物質状態であるプラズマが発生するが、自然状態では稲妻、オーロラ、大気中のイオン層などに観察され、日常生活で見られる人工的なプラズマ状態としては、蛍光灯、水銀灯、ネオンサインなどがある。
【0003】
かかるプラズマは、超高温で運動エネルギーの大きい気体が互いに衝突することによって原子や分子から負電荷を帯びた電子に分離したもので、負電荷を有する電子と正電荷を帯びたイオンに分離した気体状態をいい、電荷の分離度が相当高いながらも全体的に負と正の電荷数がほぼ同じ密度で分布され、電気的にほぼ中性の状態である。
【0004】
上記のようなプラズマは、アークのように温度が高い高温プラズマと、電子のエネルギーは高いがイオンのエネルギーが低くて実際に感じる温度は常温に近い低温プラズマに分類されるが、直流、超高周波、電子ビームなど電気的方法を加えて生成した後、磁場などを用いてかかる状態を維持するようにして使う。
【0005】
上記プラズマは、如何なる圧力条件で発生させるかによって発生技術及び活用先が大きく異なるが、圧力が低い真空条件ではプラズマを安定的に発生させることができるため、半導体工程、新素材合成工程ではプラズマを発生させて化学反応、蒸着、腐蝕に用い、大気圧状態のプラズマは環境に有害なガスを処理するなど新たな物質を作るのに利用される。
【0006】
かかるプラズマを利用するためのプラズマ反応装置は、早い時間内に反応を起こさせる作動性と、高い耐久性及び反応効率性が求められ、ここにプラズマ反応時の電極及び反応炉の形状、反応のための条件(例えば電圧、添加物)などはプラズマ反応のための決定的因子として作用するところ、上記プラズマ反応装置が求められる性能に合うための好ましい構成が求められ、これと共に反応条件が最適化したプラズマ反応方法の技術が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、原料が制限された体積のプラズマ反応空間でも充分に反応されると同時に、より速く高温プラズマ反応が可能なプラズマ反応装置及びこれを用いたプラズマ反応方法を提供することにあり、プラズマ反応ゾーンが排出前に拡張されるようにして一時停滞させ、これによってプラズマ反応ゾーンの不連続性の排除が可能なプラズマ反応装置及びこれを用いたプラズマ反応方法に対して様々な形態のプラズマ装置を提供することにある。
【0008】
また、これを適用する分野として、反応炉の内部に形成されるプラズマ領域がより高温に維持されるようにして電子の平均衝突工程を増加させ、上記酸化反応で反応性の高いラジカル及びイオンが生成されることによって、難分解性気体の効果的な分解を可能にする難分解性ガスのプラズマ反応方法を提供することにある。
【0009】
その他の応用分野としては、高温の還元雰囲気ガスの供給が別途に備えられたプラズマ反応器によってなされるようにし、エンジンの作動が干渉されないと同時に、プラズマ改質反応の特性である迅速な反応を利用することで、必要時に迅速な雰囲気ガスの供給が可能なプラズマ反応器及びこれを用いた吸蔵触媒方式のNOx低減装置を提供することにある。
【0010】
同時に、本発明のまた他の目的は、上記プラズマ反応器がエンジンに燃料を供給する保存元から燃料が供給されるようにし、装置の簡素化を具現することができ、これに加えて、上記プラズマ反応器に供給される液状燃料及び気体が効果的に混合されるようにし、燃料の改質性能を著しく上昇させることが可能なプラズマ反応器及びこれを用いた吸蔵触媒方式のNOx低減装置を提供することにある。
【発明の効果】
【0011】
以上で考察したように、本発明は、反応炉の内部に難分解性ガスと共に炭化水素系の燃料と酸化剤を部分酸化条件で流入させ、上記燃料の酸化反応で発生する熱によってプラズマ領域がより高温に維持されるようにして電子の平均衝突工程を増加させ、上記酸化反応で反応性の高いラジカル及びイオンが生成されることによって、難分解性気体を効果的に分解させることができる効果がある。
【0012】
これに加えて、本発明は、反応炉の内部に形成された拡張区間と、この始点に形成された先端部によってプラズマ反応時に生成されるプラズマ反応ゾーンが滞留するようにし、連続的なプラズマ反応を具現することができる効果がある。
【0013】
また、原料がスワール(swirl)構造の流入ホールに流入されるようにし、流入される原料が回転流を形成しながら進行するようになり、これによって上記原料が制限された体積のプラズマ反応空間でも充分に反応されると同時に、より速く高温プラズマ反応が可能になる効果がある。
【0014】
また、本発明は、反応炉の上部の幅が拡張されて形成された広域チャンバを介してプラズマ反応ゾーンが排出前に拡張されるようにすることで一時停滞させ、これによってプラズマ反応ゾーンの不連続性を排除することができる効果がある。
【0015】
結局、上記のような本発明の効果は、供給される原料の改質反応や、有害物質などの処理時に反応効率を高めるようにする目標と、反応後の結果物の信頼性を高めて環境に有利な究極的な目標を果たすようにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
かかる特徴を有する本発明は、それによる好ましい多様な実施例を通じてより明確に説明される。以下では、本発明の好ましい多様な実施例を添付の図面に基づき詳しく説明する。
【0017】
図1は本発明の第1の実施例によるプラズマ反応装置を示した縦断面図であり、図2は本発明の第1の実施例によるプラズマ反応装置によってプラズマ反応ゾーンが拡張された状態を示した縦断面図であり、図3は本発明の第1の実施例によるプラズマ反応装置で反応炉に原料流入管が連通された構造を示した横断面図である。
【0018】
上記のような課題を解決するための本発明は、上端にプラズマ反応物を排出させるための排出口が形成された中空の反応炉と、上記反応炉の内部にプラズマ反応のための原料を供給するために上記反応炉の下部に連通され、上記反応炉の内部に位置した入口が上記反応炉の外周面の法線方向と一定の角度をなすように傾斜して形成され、供給される原料が上記反応炉の内部で回転流を 形成しながら進行するようにする原料流入管と、上記反応炉の内部に供給された原料のプラズマ反応のための放電電圧を生成させるために上記反応炉の底面に内設され、上記反応炉の内壁とは一定の間隔で離隔される電極とを含んで構成され、上記反応炉は内部に供給された原料のプラズマ反応時、プラズマ反応ゾーンを拡張させて一時停滞させるための広域チャンバが形成されるように上記電極よりも上側に位置した区間の幅が拡張されることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、プラズマ反応方法において、上端にプラズマ反応物を排出させるための排出口が形成された中空の反応炉に原料流入管を連通させ、上記反応炉の内部にプラズマ反応のための原料を供給させ、上記原料流入管は上記反応炉の内部に位置した入口が上記反応炉の外周面の法線方向と一定の角度をなすように傾斜して形成され、供給される原料が上記反応炉の内部で回転流を 形成しながら進行するようにし、上記反応炉の底面では上記反応炉の内壁と一定の間隔で離隔される電極が内設され、供給される原料が上記反応炉の内壁と電極との間の放電電圧によってプラズマ反応されるようにし、上記反応炉の上記電極よりも上側に位置した区間の幅は拡張させて上記反応炉の内部に広域チャンバが形成されるようにし、上記反応炉の内部に供給された原料のプラズマ反応時に上記広域チャンバでプラズマ反応ゾーンが拡張されて一時停滞するようにすることを特徴とする。
【0020】
かかる特徴を有する本発明は、それによる好ましい実施例を通じてより明確に説明される。以下では、本発明の好ましい実施例を添付の図面に基づき詳しく説明する。
【0021】
図示されたように、本発明によるプラズマ反応装置(50)は反応炉(10)、電極(30)、原料流入管(20)を含む。
【0022】
上記反応炉(10)は、内部にプラズマ反応のための空間が形成されるように中空からなっており、具体的な構造及び形状は後述することとする。
【0023】
上記電極(30)は、上記反応炉(10)の内部に供給された原料のプラズマ反応のための放電電圧を生成させるために上記反応炉(10)の内壁と一定の間隔で離隔される形態で上記反応炉(10)の底面に内設されるものであって、その形状において次のような特徴を有する。
【0024】
上記電極(30)は、上部が円錐の形状を有し、その下部が円柱型に延長された形状を有する。これによって上記電極(30)はほぼ中央部位の幅が他の部位よりも相対的に拡張される。ここで、上記電極(30)の円柱型に延長形成された下部は、上記電極(30)の上部よりもその幅が相対的に狭小となり、上記電極(30)で円錐の頂点と、上記円錐と円柱の連結部位は丸く湾曲する。
【0025】
上記のような電極(30)の特徴的な形状によれば、上記反応炉(10)の内部の電極(30)が位置した区間には後述の原料流入管(20)が連通される原料流入チャンバ(13)と、上記原料流入管(20)から流入された原料がプラズマ反応される反応チャンバ(15)が形成される。すなわち、上記原料流入チャンバ(13)と反応チャンバ(15)は、上記電極(30)の幅が拡張された中央部位(円錐下部が該当する)によって区画されるが、この時、上記原料流入チャンバ(13)は円筒状に狭小して延長形成され、上記電極(30)の幅が拡張された部位と反応炉(10)の内壁の間隔は相対的に細くなることに起因し、流入される原料は上記反応チャンバ(15)に直ちに進行するよりは、上記比較的広い体積を有する原料流入チャンバ(13)で一時停滞して充分に混合された後、上記反応チャンバ(15)に進行する。すなわち、上記のような電極(30)の形状は、反応炉(10)の内部の電極(30)が形成された区間が原料流入チャンバ(13)と反応チャンバ(15)に区画されるようにし、上記原料流入チャンバ(13)が充分な体積を有するようにし、上記原料流入チャンバ(13)からの原料が上記反応チャンバ(15)に制限されて進行することで原料の充分な混合が可能となる。
【0026】
一方、前述の原料流入管(20)は、上記反応炉(10)の内部の原料流入チャンバ(13)にプラズマ反応のための原料を流入するために上記反応炉(10)の下部に連通されるが、その数において限定されないことは勿論である。ここで、上記原料流入管(20)の反応炉の内部に位置した入口(以下、流入ホールという)は、上記反応炉(10)の壁面の方に傾斜した形態、いわゆるスワール(swirl)形態を有する。上記のような流入ホール(21)は、供給される原料が上記反応炉の内部で回転流を形成しながら進行して流入されるようにするが、これは上記原料が反応チャンバ(15)でも回転流を形成しながら進行することを可能にし、これによって上記原料は、上記反応炉(10)の長手方向の上側に直ちに移動するよりは、円周方向に回転しながら上側に移動する。上記のような原料の回転進行は、同一の体積に比べてプラズマ反応効率を高めるようになる。
【0027】
同時に、本発明の実施例によると、好ましい上記反応炉(10)の構造及び形状は以下のとおりである。
【0028】
上記反応炉(10)は中空からなり、外観上ほぼ円筒の形状を有する。また、下部に上記原料流入管(20)が連結されることは前述のとおりである。また、上記反応炉(10)の上端は開口されて排出口(11)が形成される。上記排出口(11)はプラズマ反応した物質を排出するために形成されたものである。ここで、上記反応炉(10)の上部はその幅が拡張し、上記反応炉(10)の内部上側には広域チャンバ(17)が形成される。この時、上記広域チャンバ(17)は上記電極(30)の上部先端よりも上側に位置することが好ましい。すなわち、上記反応炉(10)は上記電極(30)よりも上側に位置した区間の幅が拡張されたものである。上記によると、上記反応炉(10)の内部は下側から上側の順に原料流入チャンバ(13)、反応チャンバ(15)、広域チャンバ(17)が各々形成されるが、上記広域チャンバ(17)は上記反応チャンバ(15)よりも拡張されることに起因して、原料が上記反応チャンバ(15)でプラズマ反応されると、プラズマ反応ゾーンが上記広域チャンバ(17)を介して拡張されて一時停滞し、これは結局プラズマ反応生成物の滞留時間を増加させるようになり、追加的な高温状態の反応を有利にし、プラズマ形成の不連続性を排除させる作用効果が発生するようになる。ここで、上記反応炉(10)の上記広域チャンバ(17)と、反応チャンバ(15)の区画地点、すなわち、上記反応炉(10)の内部の拡張された始点は、丸く湾曲するよりは、先端部(19)が形成されることが好ましいが、このために、上記反応炉(10)の上記電極(30)よりも上側に位置した区間は直角形態に段をなして拡張される。上記のような反応炉(10)の直角形態の拡張構造によると、上記広域チャンバ(17)内でプラズマ反応ゾーンの横方向の拡張性をより高めることができ、形成された先端部(19)にプラズマが付着したまま回転して連続的な反応が可能である。
【0029】
上記広域チャンバ(17)によって停滞プラズマが形成される場合、上記電極(30)の上部先端で上記反応チャンバ(15)と広域チャンバ(17)との間に形成された先端部(19)にかけて回転するプラズマが形成されるが、上記反応チャンバ(15)と広域チャンバ(17)との間に形成された先端部(19)と上記電極(30)の上部先端との距離が形成されたプラズマの熱的特性を決定する要素となる。
【0030】
一方、上記反応炉(10)に上記広域チャンバ(17)に追加的な原料を供給するための補助原料流入管(25)を連通させるようになると、上記広域チャンバ(17)上で追加された原料によって追加反応を起こさせる。
【0031】
また、上記反応炉(10)で上記排出口(11)の直径を上記広域チャンバ(17)の直径よりも小さく形成させる場合、プラズマ反応物質が上記広域チャンバ(17)でより滞留及び停滞するようになることは当然である。
【0032】
同時に、本実施例では上記反応炉の上部が1回拡張されることを説明したが、多段に多数回拡張されることも可能であり、これも本発明の範疇に属することを明らかにしておく。
【0033】
かかる反応器の形状で反応器の後端に拡張領域が形成しながら段をなすようになると、条件によって形成されたプラズマが離脱せず、電極の先端に付着したまま連続放電をして回転するようになる。かかる条件は特に炭化水素系燃料の一部分が酸化条件である時に発生するようになるが、このように停滞したプラズマ状態は、高温条件及び高い反応性物質(電子、イオンなど)濃度によって難分解し、気体の分解及び燃料改質の性能を向上させる効果を有するようになる。
【0034】
図4は本発明の第2の実施例によるプラズマ反応装置を示した縦断面図であり、図5は図4によってプラズマ反応ゾーンが滞留した状態を示した縦断面図であり、図6は図4の横断面図であって、本発明による第2の実施例を詳しく説明すると、次のとおりである。
【0035】
上記のような特徴を有する本発明は、難分解性ガスをプラズマ反応させて分解するための方法において、反応炉と連通される原料流入管を介して上記反応炉の内部に難分解性ガスと共に炭化水素系の燃料と酸化剤が部分酸化条件で流入されるようにし、上記難分解性ガスが上記反応炉に内設された電極と上記反応炉の内壁との間に発生する放電電圧によってプラズマ反応される時、上記燃料の酸化反応で発生する熱によってプラズマ領域がより高温状態になり密度が低くなるようにし、プラズマ反応時に生成されるプラズマ反応ゾーンが上記反応炉の内部の電極よりも上側に位置した区間に幅が上記反応炉の長手方向に直角に段をなして拡張形成される拡張区間で滞留するようにして連続してプラズマ反応が起こるようにし、上記反応炉の壁面には上記原料流入管と上記反応炉の内部との連通のための多数の流入ホールが形成され、上記流入ホールは上記反応炉の内壁の法線方向と一定の角度をなすように傾斜して形成されたことを特徴とする。
【0036】
かかる特徴を有する本発明は、それによる好ましい実施例を通じてより明確に説明される。
【0037】
本発明の好ましい実施例の説明に先立って、本発明は、難分解性ガスをプラズマ反応させて分解するための方法に関し、この時、難分解性ガスとしては、地球温暖化を誘発する代表的な気体であるCF4、C2F6、SF6、NFのうちいずれか一つ、またはこれらの混合体でありえるが、上記で言及されなかったその他の難分解性気体も本発明の範疇に属することを明らかにしておく。
【0038】
以下、本発明の好ましい実施例を添付の図面に基づき詳しく説明する。
【0039】
本発明の第2の実施例によると、難分解性ガスのプラズマ反応のためのプラズマ反応装置(50)の好ましい構成及び構造が提示されるが、これは次のとおりである。
【0040】
まず、中空の反応炉(10)にプラズマ反応対象である難分解性ガス及び炭化水素系の燃料と酸化剤を流入させるための原料流入管(20)が連通される。また、上記反応炉(10)には上記反応炉(10)の内壁と、プラズマ反応のための放電電圧を発生させるように電極(30)が内設される。
【0041】
ここで、上記反応炉(10)と原料流入管(20)が連通された構造を考察すると、上記反応炉(10)の壁面には上記原料流入管(20)と上記反応炉(10)の内部との連通のための多数の流入ホール(21)が形成され、上記流入ホール(21)は上記反応炉(10)の内壁の法線方向と一定の角度をなすように傾斜して形成される。また、上記反応炉(10)の流入ホール(21)と原料流入管(20)との間には流入される気体(難分解性ガス、燃料、酸化剤)が一時留まる空間(21a)が形成される。
【0042】
上記によると、上記原料流入管(20)を介して流入される気体は、上記空間(21a)に一時留まっている間に、多数の流入ホール(21)を介して上記反応炉(10)の内部に均等に噴射される。また、上記流入ホール(21)の傾斜した構成に起因すると、流入される気体は上記反応炉(10)の内部で回転流を形成しながら進行するようになる。
【0043】
また、前述の反応炉(10)の内部には、プラズマ反応時に生成されるプラズマ反応ゾーンを滞留させるための広域チャンバ(17)が形成されるが、上記広域チャンバ(17)は上記反応炉(10)の内部の上記電極(30)よりも上側に位置した区間の幅が拡張されてなる。
【0044】
ここで、上記反応炉(10)の内部の電極(30)よりも上側に位置した区間は、上記反応炉(10)の長手方向に直角に段をなして拡張されるが、これによると、上記反応炉(10)の内部の拡張区間が形成された始点に先端部(19)が形成される。
【0045】
本発明によって上記のような構造を有するプラズマ反応装置(50)に先に原料流入管(20)を介して反応炉(10)の内部に難分解性ガスと炭化水素系の燃料及び酸化剤が部分酸化条件で流入される。本実施例では、上記燃料としてCH4が、酸化剤としてはO2が各々適用される。
【0046】
ここで、上記燃料としてその他の可燃性の気体と、また上記酸化剤として上記燃料の酸化反応を誘導するその他の気体が各々適用されることは勿論である。
【0047】
上記で難分解性ガスと燃料及び酸化剤は互いに順次に、または同時に流入される。
【0048】
すなわち、上記反応炉(10)の内部に燃料と酸化剤を先に流入させた後、難分解性ガスを流入させたり、上記燃料、酸化剤、及び難分解性ガスを同時に流入させることが共に可能である。
【0049】
上記したように、反応炉(10)の内部に難分解性ガスと共に燃料及び酸化剤が流入される場合、上記難分解性ガスが上記反応炉(10)に内設された電極(30)と上記反応炉(10)の内壁との間に発生する放電電圧によってプラズマ反応される時、上記燃料の酸化反応で発生する熱によってプラズマ領域がより高温状態になり密度が低くなる。また、拡張されたプラズマゾーンで電流の増加で電子密度が増加し、電子との衝突及び酸化反応の過程で生成された反応性の高いラジカルが急増することによって、難分解性気体の分解が促進される。また、これと共に上記燃料の酸化反応で反応性の高いラジカル及びイオンが生成されることによって、反応性が向上する作用効果が発生する。
【0050】
結局、上記燃料と酸化剤は難分解性ガスのプラズマ反応効率を高め、上記難分解性ガスの分解性を高める機能を果たすが、これに加えて、本発明によって反応炉(10)の内部に形成される広域チャンバ(17)は上記難分解性ガスの連続的なプラズマ反応を可能にする。
【0051】
すなわち、本発明によると、上記反応炉(10)の内部に形成された広域チャンバ(17)は、反応炉(10)の内部で難分解性ガスのプラズマ反応によって生成されたプラズマ反応ゾーンが拡張されるようにし、上記広域チャンバ(17)の始点に形成される先端部(19)は上記プラズマ反応ゾーンを確保する役割をするようになり、上記プラズマ反応ゾーンは上記反応炉(10)の排出口(37)を介して直ちに排出されるよりは、上記広域チャンバ(17)で滞留する。また、これに加えて、前述のように流入される難分解性ガスが反応炉(10)の内部で回転流を形成することによって、上記プラズマ反応ゾーンは上記広域チャンバ(17)の先端部(19)により粘着する条件が形成される。
【0052】
上記のとおり、プラズマ反応ゾーンが反応炉(10)の内部で滞留する場合、1回生成されたプラズマ反応ゾーンによって後続流入される難分解性ガスが継続してプラズマ反応し、結局、連続的なプラズマ反応が行われるようになり、これによって、周期的に反復生成されるプラズマ反応ゾーンによって行われる非連続的なプラズマ反応で惹起される反応上の損失を防ぐことができる。
【0053】
図7は本発明の第3の実施例によるプラズマ反応装置を示した縦断面図であり、図8は本発明の第3の実施例によるプラズマ反応装置で電極に流入路が形成された構造を示した横断面図であって、本発明の第3の実施例に対して詳しく説明すると、次のとおりである。
【0054】
上記のような課題を解決するための本発明は、プラズマ反応装置において、下部片側にプラズマ反応のための原料が供給されるために原料流入管が連通され、上端にはプラズマ反応物を排出させるための排出口が形成され、内部に供給された原料のプラズマ反応時にプラズマ反応ゾーンを拡張させて一時停滞させるための広域チャンバが形成されるように電極よりも上側に位置した区間の幅は拡張される中空の反応炉と、供給された原料のプラズマ反応のための放電電圧を発生するように上記反応炉の内部に突出し、上記反応炉の壁面とは一定の間隔で離隔するように上記反応炉の底面に内設されて結合される電極と、内部に形成されたチャンバ上に液状原料を流入するための液状原料流入管及び上記チャンバ上に流入された液状原料を反応炉の内部に供給するために片側が反応炉と連通された液状原料供給管と各々連通され、上記液状原料流入管を介して流入された液状原料が上記チャンバ上で熱を吸収するように上記広域チャンバ上に位置する吸熱タンクとを含んで構成されたことを特徴とする。
【0055】
かかる特徴を有する本発明は、それによる好ましい実施例を通じてより明確に説明される。
【0056】
以下では、本発明の好ましい実施例を添付の図面に基づき詳しく説明する。
【0057】
説明に先立って、本発明は、液状または気相の原料をプラズマ反応させて上記原料の改質反応を達成したり、または、廃棄物質、自動車煤煙などの各種有害物質を原料にし、これをプラズマ反応させて処理する装置に関することであり、これによって以下の実施例の説明で言及される原料は化学的組成物と環境に有害な各種有害物質を含むことを明らかにしておく。
【0058】
図示されたように、本発明によるプラズマ反応装置(50)は大きく反応炉(10)、電極(30)、吸熱タンク(93)で構成される。
【0059】
上記反応炉(10)は内部にプラズマ反応のための空間を提供するために中空からなり、ほぼ円筒の形状を有する。かかる反応炉(10)は下部片側にプラズマ反応のための原料が供給されるために原料流入管(91)が連通され、上端にはプラズマ反応物を排出させるための排出口(92)が形成される。
【0060】
ここで、上記反応炉(10)の特徴的構造及び形状をより詳しく説明すると次のとおりである。
【0061】
上記反応炉(10)はその上部、すなわち、電極(30)よりも上側に位置した区間の幅は拡張されて内部に広域チャンバ(17)が形成される。上記のように反応炉(10)の内部に広域チャンバ(17)が形成される場合、原料が上記反応炉(10)の電極(30)が位置した区間でプラズマ反応して形成されるプラズマ反応ゾーンが上記広域チャンバ(17)を介して拡張されて一時停滞し、これは結局プラズマ反応生成物の滞留時間を増加させるようになって追加的な高温状態の反応を有利にし、プラズマ形成の不連続性を排除させることができる作用効果が発生するようになる。また、上記のようにプラズマ反応ゾーンが滞留することに起因して、上記広域チャンバ(17)にはより高温の領域が形成されるが、これは後述の吸熱タンク(93)で液状原料が熱を吸収するのに利点として作用する。同時に、上記反応炉(10)の上部は直角に段をなして折曲されるが、これによって上記反応炉(10)の上側先端に形成された排出口(92)は上記広域チャンバ(17)の垂直延長線上に位置しなくなる。上記のような構造によると、上記広域チャンバ(17)上にプラズマ反応ゾーンがより滞留することが可能であり、ここに派生された作用効果として、上記広域チャンバ(17)上により信頼性ある高温領域を形成することが可能である。
【0062】
上記電極(30)は上記反応炉(10)の内部に供給された原料のプラズマ反応のための放電電圧を発生するように上記反応炉(10)の内部に突出し、上記反応炉(10)の壁面とは一定の間隔で離隔するように上記反応炉(10)の底面に内設されて結合されるものであって、電圧発生のために外部電源(図示しない)と連結されなければならないことは当然である。上記電極(30)はその形状において次のような特徴を有する。
【0063】
上記電極(30)は上部が円錐の形状を有し、その下部が円柱型に延長された形状を有する。これによって、上記電極(30)は円錐の底面に該当するほぼ中央部位の幅が他の部位よりも相対的に拡張される。ここで、上記電極(30)の円柱型に延長形成された下部は、上記電極(30)の上部よりもその幅が相対的に狭小となり、上記電極(30)で円錐の頂点と上記円錐と円柱の連結部位は丸く湾曲する。上記のような構造によると、上記電極(30)と反応炉(10)の内壁のなす間隔は上記電極(30)の高さ方向に沿って差等がつけられるが、すなわち上記電極(30)の中央部位では上記反応炉(10)の内壁となす間隔が狭小となり、上記電極(30)の中央部位を中心に上、下側は上記反応炉(10)の内壁と相対的に広い間隔及び空間を維持するようになる。したがって、上記反応炉(10)の内部の電極(30)の中央部位よりも下側に位置した区間に原料が流入される場合、上記電極(30)の中央部位と反応炉の内壁のなす間隔が狭小となることに起因して、流入される原料が上記電極(30)の上側に直ちに進行するよりは、上記電極(30)の下部で一時停滞して充分に混合された後で進行することが可能である。
【0064】
同時に、上記のような電極(30)には液状の原料を追加で供給するための構造が備えられるが、これを説明すると次のとおりである。
【0065】
上記電極(30)の内部には一定空間の原料流入チャンバ(35)が形成され、上記電極(30)の底面には上記原料流入チャンバ(35)で液状の原料を流入させるための補助液状原料供給管(31)が連通され、また、上記電極(30)の内壁には上記原料流入チャンバ(35)上の原料を上記反応炉(10)の内部(好ましくは上記電極の下部)に供給するための流入路(94)が貫通形成される。これによると、反応炉(10)に別途の管体を連結しなくても、上記反応炉(10)の内部に液状の原料を追加供給することが可能である。
【0066】
また、上記補助液状原料供給管(31)には補助気体供給管(33)が連通されるが、これによると、上記原料流入チャンバ(35)上に液状の原料と共に上記液状原料を微粒化させるための気体を共に流入させることができ、液状の原料が上記原料流入チャンバ(35)及び反応炉(10)の内部で充分に拡散することが可能である。
【0067】
一方、前述の吸熱タンク(93)は上記広域チャンバ(17)上に位置するように上記反応炉(10)に設置されるものであって、外観上ほぼ "球"状を有し、内部には一定空間のチャンバ(55)が形成される。ここで、上記吸熱タンク(93)は上記チャンバ(55)上に液状原料を流入するための液状原料流入管(51)と連通され、また、上記チャンバ(55)上に流入された液状原料を反応炉(10)の内部に供給するために液状原料供給管(57)と連通される。すなわち、上記液状原料供給管(57)は片側が上記反応炉(10)と連通され、他側が上記吸熱タンク(93)と連通され、上記チャンバ(55)上の液状原料が上記反応炉(10)の内部に供給されるようにする。ここで、上記液状原料供給管(57)の片側は上記反応炉(10)の下部、好ましくは電極(30)の中心部位よりも下側に位置した区間に連通され、上記反応炉(10)の外周面に沿って巻回されるように構成され、上記反応炉(10)からの熱を充分に吸収することが好ましい。また、前述の液状原料流入管(51)は上記吸熱タンク(93)の上側に連通され、反応炉(10)の底面とは垂直をなすことが好ましい。かかる構造は上記吸熱タンク(93)のチャンバ(55)上に液状の原料が上側から下側に垂直に供給されるようにするが、これは上記チャンバ(55)上に供給される液状原料が上記吸熱タンク(93)中、上記反応炉(10)の内部でより直接的に高温プラズマ反応ゾーンに接触する底面により容易に達することで熱吸収効率を高めることができる作用効果が発生するようになる。また、上記液状原料流入管(51)は上記反応炉(10)の底面と水平をなすように上記吸熱タンク(93)の側面に連通することもできる。かかる構造は、上記吸熱タンク(93)に多数の液状原料流入管(51)が連通される時、その利点が発揮されえるが、例えば、上記吸熱タンク(93)に複数または多数の液状原料流入管(51)を互いに対向するように連通させる場合、各々の液状原料流入管(51)を介して上記吸熱タンク(93)のチャンバ(55)に供給される液状原料がより効率的に混合される。本実施例では、単一の液状原料流入管(51)が吸熱タンク(93)の上側に反応炉(10)の底面とは垂直に連通されることを例示し、前述の液状原料流入管(51)の水平的連通構造は、当業者が本実施例から容易に応用して実施することができると判断されるところ、別途の図示は省略する。また、本実施例で、上記吸熱タンク(93)に液状原料を供給することにおいて、上記吸熱タンク(93)に液状原料流入管(51)が連通されることを例示したが、噴射器具(図示しない)を上記吸熱タンク(93)に連通してチャンバ(55)上に液状原料を噴出させることが可能であり、これも本発明の範疇に属することは自明である。
【0068】
一方、上記液状原料流入管(51)には気体供給管(53)が連通されるが、これは上記チャンバ(55)上に液状原料と共に上記液状原料を微粒化させるための気体を共に流入させるためである。上記のとおり、気体供給管(53)を介して液状原料と共に上記気体(液状原料を微粒化させるため)をチャンバ上に流入させる場合、上記チャンバ(55)上で液状原料がより拡散または活性化されることは当然である。
【0069】
同時に、上記吸熱タンク(93)には上記チャンバ(55)に流入された液状原料を強制的に加熱するための加熱手段としてヒータ(59)が設置されるが、これは上記反応炉(10)の広域チャンバ(17)に高温雰囲気の組成が不備な始点、すなわち、プラズマ反応装置(50)の初期作動時に、上記チャンバ(55)に流入された液状原料を強制的に加熱及び気化させるためである。
【0070】
この時、上記ヒータ(59)は外部電源(図示しない)と電気的に連結され、上記吸熱タンク(93)のチャンバ(55)上に突出するように上記吸熱タンク(93)に設置される。ここで、上記ヒータ(59)は上記吸熱タンク(93)の壁体の内部に設置することもできるが、前述のようにチャンバ(55)上に突出するように設置したことは、上記チャンバ(55)上でその表面に原料が直接触れて効果的に気化されるようにするためである。また、上記ヒータ(59)の設置において、反応炉(10)の内部で電気ショートを防ぐように電気的連結のための部品及び部位が絶縁物質で被覆されなければならないことは当然である。
【0071】
以上説明した吸熱タンク(93)とこれと連携する構成及び構造によると、上記液状原料流入管を介して流入された液状原料が、上記チャンバ(55)上で熱を吸収して拡散または活性化され、上記液状原料供給管(57)によって反応炉(10)の内部に供給される。これによって、供給された液状原料はその他の原料(例えば、気体原料)とより容易に混合され、電極の全面に拡散してより効率的にプラズマ反応が可能になる。
【0072】
図9は本発明の第4の実施例によるプラズマ反応装置を示した縦断面図であって、本第4の実施例によると、上記反応炉(10)の外壁には混合タンク(70)が形成され、上記原料流入管(91)及び液状原料供給管(57)は上記混合タンク(70)を介して上記反応炉(10)に連通される。また、上記混合タンク(70)の内部には一定体積の混合チャンバ(75)が形成される。これによって、上記原料流入管(91)及び液状原料供給管(57)から各々進行される原料は、上記混合タンク(70)の内部に形成された混合チャンバ(75)上で互いに混合されて反応炉(10)の内部に供給される。すなわち、上記混合タンク(70)は上記原料流入管(91)及び液状原料供給管(57)、そして上記反応炉(10)と連通された構成を有するようになるが、かかる混合タンク(70)の構成によると、上記原料流入管(91)及び液状原料供給管(57)を介して供給される原料の混合性をより向上させることができる。同時に、図示しなかったが上記混合タンク(70)に必要に応じて追加的な加熱装置を設置することができることは当然である。
【0073】
図10は本発明によるNOx低減装置を示した概路図であり、図11は本発明の第5の実施例によるNOx低減装置でプラズマ反応器を示した断面図であり、図12は本発明の第5の実施例によるNOx低減装置のプラズマ反応器で流体の流れを示した断面図であって、これを詳しく説明すると、本発明は、保存元から炭化水素系燃料が供給されて利用するエンジンから排出された排気ガスを吸蔵触媒に移動させ、上記排気ガスのNOxを上記吸蔵触媒に吸着させた後、これを還元させて除去するNOx低減装置において、上記エンジンから吸蔵触媒に移動する排気ガスの移動路上に上記保存元から炭化水素系燃料が一部供給され、これをプラズマ反応によって高温の還元雰囲気ガスに改質させるプラズマ反応器を連結し、上記吸蔵触媒でのNOx還元時に上記プラズマ反応器から生成された還元雰囲気ガスが供給されることを特徴とする。
【0074】
また、本発明は、片側に排出口が形成され、厚さを形成する壁体の内部には気体流入口から流入された気体が移動しながら熱を吸収するように吸熱路が形成された中空の反応炉と、上記反応炉の底面を形成し、その内部には上記吸熱路と連通されると同時に、上記反応炉に形成された流入ホールを介して上記反応炉の内部と連通される混合チャンバが形成されたベースを含む本体と、上記反応炉の内部にプラズマ反応のための放電電圧を形成させるために上記反応炉の内壁と一定の間隔で離隔された形態で上記ベースに固定されて上記反応炉上に突出し、その内部には液状燃料が流入されて上記混合チャンバと連通される吸熱チャンバが形成された電極と、上記電極の吸熱チャンバ上に液状燃料を供給するように上記本体に固定される液状燃料噴射手段とを含んで構成されたことを特徴とする。
【0075】
かかる特徴を有する本発明は、それによる好ましい実施例を通じてより明確に説明される。
【0076】
以下、本発明の好ましい実施例を添付の図面に基づき詳しく説明する。
【0077】
図示されたように、本発明によるNOx低減装置(200)は炭化水素系燃料を保存する保存元である燃料タンク(210)から炭化水素系燃料が供給されて利用するエンジン(220)から排出された排気ガスを吸蔵触媒(30)に移動させて上記排気ガスのNOxを除去する。
【0078】
この時、上記吸蔵触媒(30)はLNT(Lean NOx Trap)触媒ともいい、移動する排気ガス中NOxが吸着されると、これを還元させて除去する機能をする。上記吸蔵触媒(30)の詳細な構成と作用は公知のものであるので、これに関する詳細な説明は省略する。
【0079】
一方、本発明によるNOx低減装置(200)では、上記吸蔵触媒(30)でNOxが還元される時、上記吸蔵触媒(30)に高温の還元雰囲気ガスを噴出して供給するためのプラズマ反応器(50)が備えられるが、ここで、上記プラズマ反応器(50)は上記燃料タンク(210)と連結され、上記燃料タンク(210)から炭化水素系の燃料が一部供給され、これをプラズマ反応によって高温の還元雰囲気ガスに改質させるいわゆる改質器の役目を遂行する。
【0080】
上記でプラズマ反応器(50)からプラズマ反応によって改質されて排出される還元雰囲気ガスを吸蔵触媒(30)に噴出するために上記プラズマ反応器(50)の排出口(62)が吸蔵触媒(30)に向かうように設置してもよく、図面のように、排気ガスが移動する移動管(40)にプラズマ反応器(50)の排出口(62)が単に連通されて構成することができる。
【0081】
以下、上記のように炭化水素系燃料から高温の還元雰囲気ガスを生成するプラズマ反応器の特徴的構成を説明する。
【0082】
本発明によるNOx低減装置(200)で改質器として使用されるプラズマ反応器(50)は、大きく本体(60)、電極(70)、液状燃料噴射手段で構成される。
【0083】
上記本体(60)はまた反応炉(61)とベース(65)で構成される。
【0084】
上記反応炉(61)は中空からなり、ほぼ円筒の形成を有し、片側にはプラズマ反応後に反応した物質を排出するための排出口(62)が形成される。ここで、上記反応炉(61)には内部に気体を流入するための気体流入口(63)が形成され、また、上記反応炉(61)の厚さを形成する壁体の内部には、上記気体流入口(63)から流入された気体が円周方向に沿って移動しながら熱を吸収することができるように吸熱路(64)が形成される。上記吸熱路(64)はほぼコイル形状で上記反応炉(61)の円周方向に沿って形成される。
【0085】
上記ベース(65)は上記反応炉(61)の底面を形成し、その内部には一定体積の混合チャンバ(67)が形成される。上記混合チャンバ(67)は上記反応炉(61)の壁体上に形成された吸熱路(64)と連通され、これと同時に上記反応炉(61)に形成された流入ホール(68)を介して上記反応炉(61)の内部とも連通される。この時、上記流入ホール(68)は上記反応炉(61)の内壁の法線と一定傾斜した形態、すなわち、いわゆるスワール(Swirl)構造で形成されることが好ましい。
【0086】
前述の構成で反応炉(61)とベース(65)は一体形成が可能であり、別途に形成されて互いに結合することもできる。ただし、上記ベース(65)は以下で説明する電極(70)の下端部と反応炉(61)との通電を防ぐようにセラミックスなどの絶縁体(図示しない)を含まなければならない。
【0087】
上記電極(70)は上記反応炉(61)の内部にプラズマ反応のための放電電圧を形成させるためのものであって、このために上記反応炉(61)の内壁と一定の間隔で離隔された形態で上記ベース(65)に固定されて上記反応炉(61)上に突出する。かかる電極(70)はほぼ円錐の形状を有するようになるが、その内部には上記混合チャンバ(67)と連通され、後述の液状燃料噴射手段から供給された液状燃料が流入されて一時滞留する吸熱チャンバ(75)が形成される。
【0088】
上記液状燃料噴射手段は上記電極(70)の吸熱チャンバ(75)上に上記燃料タンクに保存された液状燃料を供給するように上記燃料タンク(210)と連結され、上記本体(60)に固定されるものであるが、この時、上記液状燃料噴射手段では燃料タンク(210)からの液状燃料と共に気体が供給され、供給される気体の移動力で上記液状燃料を吸熱チャンバ(75)上に噴出させる液状燃料噴射器具(80) または、上記電極(70)の吸熱チャンバ(75)上に液状の燃料を直接噴射するインジェクタ(図示しない)を適用することができる。
【0089】
図面では上記液状燃料噴射手段として液状燃料噴射器具(80)が適用された状態を示す。
【0090】
すなわち、上記液状燃料噴射器具(80)は前述の燃料タンク(210)と連通され、液状燃料が供給される液状燃料供給管(81)と、上記液状燃料供給管(81)とは別途に外部気体供給源と連通されて気体が供給される気体供給管(82)とが備えられて液状燃料と気体が同時に流入され、流入された液状燃料と気体が噴出される側が上記電極の吸熱チャンバ(75)に向かうように構成されている。
【0091】
以下、本発明によるNOx低減装置の作用例を説明する。
【0092】
エンジン(220)の作動によって発生する排気ガスは移動管(40)を介して吸蔵触媒(30)に移動する。この時、上記移動管(40)にはプラズマ反応器(50)の排出口(62)側が連通され、上記プラズマ反応器(50)から生成された高温の還元雰囲気ガスが上記吸蔵触媒(30)に移動し、上記吸蔵触媒(230)でのNOx還元作用を促進させるようになる。
【0093】
ここで、上記プラズマ反応器(50)の作用をさらに詳しく考察すると、上記プラズマ反応器(50)は燃料タンク(210)から炭化水素系燃料を液状燃料噴射器具(80)を介して供給されると同時に、供給された液状燃料(炭化水素系燃料)の改質反応時に要求される酸化剤としてO2を含む空気を気体流入口(63)を介して流入する。ここで、流入された空気は吸熱路(64)を介して温度が充分に上昇して活性化された状態で混合チャンバ(67)に移動する。また、液状燃料噴射器具(80)を介して電極(70)の吸熱チャンバ(75)に移動した液状燃料は、上記吸熱チャンバ(75)上で熱を吸収して気化及び活性化された状態で上記混合チャンバ(67)に移動して上記混合チャンバ(67)上で空気と混合された後、流入ホール(68)を介して反応炉(61)の内部に流入される。
【0094】
上記によると、供給される空気と液状燃料は混合チャンバ(67)で充分に混合された以後に反応炉(61)の内部に流入されることが分かる。また、上記吸熱チャンバ(75)から直ちに液状燃料が噴出されること、また液状燃料と電極(70)の外部表面との直接接触が防がれ、液状燃料のウェッティング(Wetting)現象及びコーキング(Coking)現象が防がれる。また、吸熱チャンバ(75)上で熱を吸収した液状燃料は直ちに混合チャンバ(67)で空気と混合され、液状燃料が移動中に液化される現象が根本的に防がれる。
【0095】
一方、上記混合チャンバ(67)から流入ホール(68)を介して反応炉の内部に供給される液状燃料及び空気で構成された混合燃料は、上記流入ホール(68)及び電極(70)の特徴的構造によって体積に比べて相対的に高い効率でプラズマ反応される。すなわち、本発明によると、上記電極(70)が円錐の形状を有し、上記流入ホール(68)がスワール構造で形成されるため、上記流入ホール(68)を介して流入される混合燃料が上記電極(70)の円周方向に沿って連続的にプラズマ反応される。
【0096】
以上で説明したプラズマ反応器(50)で最初に供給される酸化剤である空気と、液状燃料から改質されて生成された還元雰囲気ガスは炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、水素(H2) などがあり、かかる雰囲気ガスが供給される条件でNOxは窒素(N2)気体に還元される。
【0097】
また、図10は本発明によるNOx低減装置を示した概路図に示されたプラズマ反応器(50)は、上記第1の実施例ないし第4の実施例に記載されたプラズマ反応器(50)の構成を採択しても第5の実施例の適用と同一の効果が発生する。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上で考察したように、本発明は、反応炉の内部に難分解性ガスと共に炭化水素系の燃料と酸化剤を部分酸化条件で流入させ、上記燃料の酸化反応で発生する熱によってプラズマ領域がより高温に維持されるようにして電子の平均衝突工程を増加させ、上記酸化反応で反応性の高いラジカル及びイオンが生成されることによって、難分解性気体を効果的に分解させることができる効果がある。
【0099】
これに加えて、本発明は、反応炉の内部に形成された拡張区間と、この始点に形成された先端部によってプラズマ反応時に生成されるプラズマ反応ゾーンが滞留するようにし、連続的なプラズマ反応を具現することができる効果がある。
【0100】
また、原料がスワール構造の流入ホールに流入されるようにし、流入される原料が回転流を形成しながら進行するようになり、これによって上記原料が制限された体積のプラズマ反応空間でも充分に反応されると同時に、より速く高温プラズマ反応が可能になる効果がある。
【0101】
また、本発明は、反応炉の上部の幅が拡張されて形成された広域チャンバを介してプラズマ反応ゾーンが排出前に拡張されるようにすることで一時停滞させ、これによってプラズマ反応ゾーンの不連続性を排除することができる効果がある。
【0102】
結局、上記のような本発明の効果は、供給される原料の改質反応や、有害物質などの処理時に反応効率を高めるようにする目標と、反応後の結果物の信頼性を高めて環境に有利な究極的な目標を果たすようにする。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の第1の実施例によるプラズマ反応装置を示した縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例によるプラズマ反応装置によってプラズマ反応ゾーンが拡張された状態を示した縦断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例によるプラズマ反応装置から反応炉に原料流入管が連通された構造を示した横断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例によるプラズマ反応装置を示した縦断面図である。
【図5】図4によってプラズマ反応ゾーンが滞留した状態を示した縦断面図である。
【図6】図4の横断面図である。
【図7】本発明の第3の実施例によるプラズマ反応装置を示した縦断面図である。
【図8】本発明の第3の実施例によるプラズマ反応装置で電極に流入路が形成された構造を示した横断面図である。
【図9】本発明の第4の実施例によるプラズマ反応装置を示した縦断面図である。
【図10】本発明によるNOx低減装置を示した概路図である。
【図11】本発明の第5の実施例によるNOx低減装置でプラズマ反応器を示した断面図である。
【図12】本発明の第5の実施例によるNOx低減装置のプラズマ反応器で流体の流れを示した断面図である。
【符号の説明】
【0104】
10: 反応炉
11: 排出口
13: 原料流入チャンバ
15: 反応チャンバ
17: 広域チャンバ
19: 先端部
20: 原料流入管
21: 流入ホール
25: 補助原料流入管
30、70: 電極
31: 補助液状原料供給管
33: 補助気体供給管
35: 原料流入チャンバ
37: 排出口
40: 移動管
50: プラズマ反応装置
51: 液状原料流入管
53: 気体供給管
55: チャンバ
57: 液状原料供給管
59: ヒータ
60: 本体
61: 反応炉
62: 排出口
63: 気体流入口
64: 吸熱路
65: ベース
67: 混合チャンバ
68: 流入ホール
75: 吸熱チャンバ
80: 液状燃料噴射器具
81: 液状燃料供給管
82: 気体供給管
91: 原料流入管
92: 排出口
93: 吸熱タンク
94: 流入路
210: 燃料タンク
220: エンジン
230: 吸蔵触媒
200: NOx低減装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端にプラズマ反応物を排出させるための排出口(11)が形成された中空の反応炉(10)と、
前記反応炉(10)の内部にプラズマ反応のための原料を供給するために前記反応炉(10)の下部に連通され、前記反応炉(10)の内部に位置した入口が前記反応炉(10)の外周面の法線方向と一定の角度をなすように傾斜して形成され、供給される原料が前記反応炉(10)の内部で回転流を形成しながら進行するようにする原料流入管(20)と、
前記反応炉(10)の内部に供給された原料のプラズマ反応のための放電電圧を生成させるために前記反応炉(10)の底面に内設され、前記反応炉(10)の内壁とは一定の間隔で離隔される電極(30)と
を含んで構成され、前記反応炉(10)は内部に供給された原料のプラズマ反応時にプラズマ反応ゾーンを拡張させて一時停滞させるための広域チャンバ(17)が形成されるように前記電極(30)よりも上側に位置した区間の幅が拡張されることを特徴とするプラズマ反応装置。
【請求項2】
前記反応炉(10)の前記電極(30)よりも上側に位置した区間は、前記反応炉(10)の内部が拡張される始点に先端部(19)が形成されるように直角形態に段をなして拡張されたことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ反応装置。
【請求項3】
前記電極(30)は上部が円錐の形状を有し、その下部が円柱型に延長された形状を有し、その中央部位の幅が拡張されたことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ反応装置。
【請求項4】
前記反応炉(10)には前記広域チャンバ(17)に追加的な原料が供給されて反応されるように補助原料流入管(25)が連通されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ反応装置。
【請求項5】
プラズマ反応方法において、
上端にプラズマ反応物を排出させるための排出口(11)が形成された中空の反応炉(10)に原料流入管(20)を連通させ、前記反応炉(10)の内部にプラズマ反応のための原料を供給させ、前記原料流入管(20)は前記反応炉(10)の内部に位置した入口が前記反応炉(10)の外周面の法線方向と一定の角度をなすように傾斜して形成され、供給される原料が前記反応炉(10)の内部で回転流を形成しながら進行するようにし、前記反応炉(10)の底面では前記反応炉(10)の内壁と一定の間隔で離隔される電極(30)が内設され、供給される原料が前記反応炉(10)の内壁と電極(30)との間の放電電圧によってプラズマ反応されるようにし、前記反応炉(10)の前記電極(30)よりも上側に位置した区間の幅は拡張させて前記反応炉(10)の内部に広域チャンバ(17)が形成されるようにし、前記反応炉(10)の内部に供給された原料のプラズマ反応時に前記広域チャンバ(17)でプラズマ反応ゾーンが拡張されて一時停滞するようにすることを特徴とするプラズマ反応装置を用いたプラズマ反応方法。
【請求項6】
前記反応炉(10)の前記電極(30)よりも上側に位置した区間は、前記反応炉(10)の内部が拡張される始点に先端部(19)が形成されるように直角形態に段をなすように拡張させたことを特徴とする請求項5に記載のプラズマ反応装置を用いたプラズマ反応方法。
【請求項7】
前記電極(30)は上部が円錐の形状を有し、その下部が円柱型に延長された形状を有し、その中央部位の幅が拡張されるようにしたことを特徴とする請求項5に記載のプラズマ反応装置を用いたプラズマ反応方法。
【請求項8】
前記反応炉(10)には前記広域チャンバ(17)に追加的な原料の供給のための補助原料流入管(25)を連通させ、前記広域チャンバ(17)上で追加される反応が起こるようにしたことを特徴とする請求項5に記載のプラズマ反応装置を用いたプラズマ反応方法。
【請求項9】
難分解性ガスをプラズマ反応させて分解するための方法において、
反応炉(10)と連通される原料流入管(20)を介して前記反応炉(10)の内部に難分解性ガスと共に炭化水素系の燃料と酸化剤が部分酸化条件で流入されるようにし、前記難分解性ガスが前記反応炉(10)に内設された電極(30)と前記反応炉(10)の内壁との間に発生する放電電圧によってプラズマ反応される時、前記燃料の酸化反応で発生する熱によってプラズマ領域がより高温状態になり密度が低くなるようにし、プラズマ反応時に生成されるプラズマ反応ゾーンが前記反応炉(10)の内部の電極(30)よりも上側に位置した区間に幅が前記反応炉(10)の長手方向に直角に段をなして拡張形成される拡張区間(15)で滞留するようにして連続しるプラズマ反応が起こるようにし、
前記反応炉(10)の壁面には前記原料流入管(20)と前記反応炉(10)の内部との連通のための多数の流入ホール(21)が形成され、前記流入ホール(21)は前記反応炉(10)の内壁の法線方向と一定の角度をなすように傾斜して形成されたことを特徴とする難分解性ガスのプラズマ反応方法。
【請求項10】
前記反応炉(10)の内部に燃料と酸化剤を先に流入させた後、難分解性ガスを流入させることを特徴とする請求項9に記載の難分解性ガスのプラズマ反応方法。
【請求項11】
前記反応炉(10)の内部に燃料、酸化剤、及び難分解性ガスを同時に流入させることを特徴とする請求項9に記載の難分解性ガスのプラズマ反応方法。
【請求項12】
前記燃料は CH4 であることを特徴とする請求項9に記載の難分解性ガスのプラズマ反応方法。
【請求項13】
前記酸化剤はO2であることを特徴とする請求項9に記載の難分解性ガスのプラズマ反応方法。
【請求項14】
前記難分解性ガスは CF4、C2F6、SF6、NF のうちいずれか1つ、またはこれらの混合体であることを特徴とする請求項9に記載の難分解性ガスのプラズマ反応方法。
【請求項15】
プラズマ反応装置において、
下部片側にプラズマ反応のための原料が供給されるために原料流入管(11)が連通され、上端にはプラズマ反応物を排出させるための排出口(17)が形成され、内部に供給された原料のプラズマ反応時にプラズマ反応ゾーンを拡張させて一時停滞させるための広域チャンバ(15)が形成されるように電極(30)よりも上側に位置した区間の幅は拡張される中空の反応炉(10)と、
供給された原料のプラズマ反応のための放電電圧を発生するように前記反応炉(10)の内部に突出し、前記反応炉(10)の壁面とは一定の間隔で離隔するように前記反応炉(10)の底面に内設されて結合される電極(30)と、
内部に形成されたチャンバ(55)上に液状原料を流入するための液状原料流入管(51)及び前記チャンバ(55)上に流入された液状原料を反応炉(10)の内部に供給するために片側が反応炉(10)と連通された液状原料供給管(57)と各々連通され、前記液状原料流入管(51)を介して流入された液状原料が前記チャンバ(55)上で熱を吸収するように前記広域チャンバ(15)上に位置する吸熱タンク(50)と
を含んで構成されたことを特徴とするプラズマ反応装置。
【請求項16】
前記吸熱タンク(50)には前記チャンバ(55)に流入された液状原料を強制的に加熱するための加熱手段が設置されたことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項17】
前記加熱手段は外部電源と電気的に連結され、前記吸熱タンク(50)のチャンバ(55)上に突出するように設置されるヒータ(59)であることを特徴とする請求項16に記載のプラズマ反応装置。
【請求項18】
前記液状原料流入管(51)は前記吸熱タンク(50)の上側に連通され、反応炉(10)の底面とは垂直をなすことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項19】
前記液状原料流入管(51)は前記吸熱タンク(50)の側面に連通され、反応炉(10)の底面とは水平をなすことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項20】
前記液状原料供給管(57)の片側は前記反応炉(10)の下部に連通されたことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項21】
前記液状原料供給管(57)は前記反応炉(10)の外周面に沿って巻回されるように構成されたことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項22】
前記液状原料流入管(51)には前記チャンバ(55)上に液状原料と共に前記液状原料を微粒化させるための気体を共に流入させるように気体供給管(53)が連通されたことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項23】
前記吸熱タンク(50)は "球" 状を有することを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項24】
前記反応炉(10)の上部は前記排出口(17)が前記広域チャンバ(15)の垂直延長線上に位置しないように直角に段をなして折曲されたことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項25】
前記電極(30)は上部が円錐の形状を有し、その下部が円柱型に延長された形状を有し、その中央部位の幅が拡張されたことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項26】
前記電極(30)の内部には一定空間の原料流入チャンバ(35)が形成され、前記電極(30)の底面には前記原料流入チャンバ(35)に液状の原料を流入させるための補助液状原料供給管(31)が連通され、前記電極(30)の内壁には前記原料流入チャンバ(35)上の原料を前記反応炉(10)の内部に供給するための流入路(37)が貫通形成されたことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項27】
前記補助液状原料供給管(31)には前記原料流入チャンバ(35)上に液状の原料と共に前記液状原料を微粒化させるための気体を共に流入させるように補助気体供給管(33)が連通されたことを特徴とする請求項26に記載のプラズマ反応装置。
【請求項28】
前記反応炉(10)の外壁には混合タンク(70)が形成され、前記原料流入管(11)及び液状原料供給管(57)は前記混合タンク(70)を介して前記反応炉(10)に連通され、前記原料流入管(11)及び液状原料供給管(57)から各々進行される原料は、前記混合タンク(70)の内部に形成された混合チャンバ(75)上で互いに混合されて反応炉(10)の内部に供給されるようにしたことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項29】
片側に排出口(62)が形成され、厚さを形成する壁体の内部には気体流入口(63)から流入された気体が移動しながら熱を吸収するように吸熱路(64)が形成された中空の反応炉(61)と、前記反応炉(61)の底面を形成し、その内部には前記吸熱路(64)と連通されると同時に、前記反応炉(61)に形成された流入ホール(68)を介して前記反応炉(61)の内部と連通される混合チャンバ(67)が形成されたベース(65)を含む本体(60)と、
前記反応炉(61)の内部にプラズマ反応のための放電電圧を形成させるために前記反応炉(61)の内壁と一定の間隔で離隔された形態で前記ベース(65)に固定されて前記反応炉(61)上に突出し、その内部には液状燃料が流入されて前記混合チャンバ(67)と連通される吸熱チャンバ(75)が形成された電極(70)と、
前記電極(70)の吸熱チャンバ(75)上に液状燃料を供給するように前記本体(60)に固定される液状燃料噴射手段と
を含んで構成されたことを特徴とするプラズマ反応器。
【請求項30】
前記電極(70)は円錐の形状を有し、
前記流入ホール(68)は前記混合チャンバ(67)上で気体と液状燃料が互いに混合されてなる混合燃料が前記反応炉(61)の内部で回転流を形成して流入され、前記電極(70)の外周面に沿って進行するように前記反応炉(61)の内壁の法線と一定の間隔で傾斜して形成されたことを特徴とする請求項29に記載のプラズマ反応器。
【請求項31】
前記液状燃料噴射手段は液状燃料と共に気体が供給され、供給される気体の移動力で前記液状燃料を吸熱チャンバ(75)上に噴出させる液状燃料噴射器具(80)であることを特徴とする請求項29に記載のプラズマ反応器。
【請求項32】
前記液状燃料噴射手段は前記電極(70)の吸熱チャンバ(75)上に液状の燃料を直接噴射するインジェクタであることを特徴とする請求項29に記載のプラズマ反応器。
【請求項33】
保存元から炭化水素系燃料が供給されて利用するエンジン(20)から排出された排気ガスを吸蔵触媒(30)に移動させ、前記排気ガスのNOxを前記吸蔵触媒(30)に吸着させた後、これを還元させて除去するNOx低減装置において、
前記エンジン(20)から吸蔵触媒(30)に移動する排気ガスの移動路上に前記保存元から炭化水素系燃料が一部供給され、これをプラズマ反応によって高温の還元雰囲気ガスに改質させるプラズマ反応器(50)を連結し、前記吸蔵触媒(30)でのNOx還元時に前記プラズマ反応器(50)から生成された還元雰囲気ガスが供給されるようにしたことを特徴とするプラズマ反応器を用いた吸蔵触媒方式のNOx低減装置。
【請求項34】
前記プラズマ反応器(50)は請求項1ないし請求項4、請求項15ないし請求項28、請求項29ないし請求項32のうち選択されるいずれか一項によるプラズマ反応器を採択して構成されたことを特徴とする請求項33に記載のプラズマ反応器を用いた吸蔵触媒方式のNOx低減装置。
【請求項35】
前記プラズマ反応器(50)は請求項5ないし請求項8、請求項9ないし請求項14のうち選択されるいずれか一項によるプラズマ反応方法を採択して構成されたことを特徴とするプラズマ反応器を用いた請求項33に記載の吸蔵触媒方式のNOx低減装置。
【請求項1】
上端にプラズマ反応物を排出させるための排出口(11)が形成された中空の反応炉(10)と、
前記反応炉(10)の内部にプラズマ反応のための原料を供給するために前記反応炉(10)の下部に連通され、前記反応炉(10)の内部に位置した入口が前記反応炉(10)の外周面の法線方向と一定の角度をなすように傾斜して形成され、供給される原料が前記反応炉(10)の内部で回転流を形成しながら進行するようにする原料流入管(20)と、
前記反応炉(10)の内部に供給された原料のプラズマ反応のための放電電圧を生成させるために前記反応炉(10)の底面に内設され、前記反応炉(10)の内壁とは一定の間隔で離隔される電極(30)と
を含んで構成され、前記反応炉(10)は内部に供給された原料のプラズマ反応時にプラズマ反応ゾーンを拡張させて一時停滞させるための広域チャンバ(17)が形成されるように前記電極(30)よりも上側に位置した区間の幅が拡張されることを特徴とするプラズマ反応装置。
【請求項2】
前記反応炉(10)の前記電極(30)よりも上側に位置した区間は、前記反応炉(10)の内部が拡張される始点に先端部(19)が形成されるように直角形態に段をなして拡張されたことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ反応装置。
【請求項3】
前記電極(30)は上部が円錐の形状を有し、その下部が円柱型に延長された形状を有し、その中央部位の幅が拡張されたことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ反応装置。
【請求項4】
前記反応炉(10)には前記広域チャンバ(17)に追加的な原料が供給されて反応されるように補助原料流入管(25)が連通されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ反応装置。
【請求項5】
プラズマ反応方法において、
上端にプラズマ反応物を排出させるための排出口(11)が形成された中空の反応炉(10)に原料流入管(20)を連通させ、前記反応炉(10)の内部にプラズマ反応のための原料を供給させ、前記原料流入管(20)は前記反応炉(10)の内部に位置した入口が前記反応炉(10)の外周面の法線方向と一定の角度をなすように傾斜して形成され、供給される原料が前記反応炉(10)の内部で回転流を形成しながら進行するようにし、前記反応炉(10)の底面では前記反応炉(10)の内壁と一定の間隔で離隔される電極(30)が内設され、供給される原料が前記反応炉(10)の内壁と電極(30)との間の放電電圧によってプラズマ反応されるようにし、前記反応炉(10)の前記電極(30)よりも上側に位置した区間の幅は拡張させて前記反応炉(10)の内部に広域チャンバ(17)が形成されるようにし、前記反応炉(10)の内部に供給された原料のプラズマ反応時に前記広域チャンバ(17)でプラズマ反応ゾーンが拡張されて一時停滞するようにすることを特徴とするプラズマ反応装置を用いたプラズマ反応方法。
【請求項6】
前記反応炉(10)の前記電極(30)よりも上側に位置した区間は、前記反応炉(10)の内部が拡張される始点に先端部(19)が形成されるように直角形態に段をなすように拡張させたことを特徴とする請求項5に記載のプラズマ反応装置を用いたプラズマ反応方法。
【請求項7】
前記電極(30)は上部が円錐の形状を有し、その下部が円柱型に延長された形状を有し、その中央部位の幅が拡張されるようにしたことを特徴とする請求項5に記載のプラズマ反応装置を用いたプラズマ反応方法。
【請求項8】
前記反応炉(10)には前記広域チャンバ(17)に追加的な原料の供給のための補助原料流入管(25)を連通させ、前記広域チャンバ(17)上で追加される反応が起こるようにしたことを特徴とする請求項5に記載のプラズマ反応装置を用いたプラズマ反応方法。
【請求項9】
難分解性ガスをプラズマ反応させて分解するための方法において、
反応炉(10)と連通される原料流入管(20)を介して前記反応炉(10)の内部に難分解性ガスと共に炭化水素系の燃料と酸化剤が部分酸化条件で流入されるようにし、前記難分解性ガスが前記反応炉(10)に内設された電極(30)と前記反応炉(10)の内壁との間に発生する放電電圧によってプラズマ反応される時、前記燃料の酸化反応で発生する熱によってプラズマ領域がより高温状態になり密度が低くなるようにし、プラズマ反応時に生成されるプラズマ反応ゾーンが前記反応炉(10)の内部の電極(30)よりも上側に位置した区間に幅が前記反応炉(10)の長手方向に直角に段をなして拡張形成される拡張区間(15)で滞留するようにして連続しるプラズマ反応が起こるようにし、
前記反応炉(10)の壁面には前記原料流入管(20)と前記反応炉(10)の内部との連通のための多数の流入ホール(21)が形成され、前記流入ホール(21)は前記反応炉(10)の内壁の法線方向と一定の角度をなすように傾斜して形成されたことを特徴とする難分解性ガスのプラズマ反応方法。
【請求項10】
前記反応炉(10)の内部に燃料と酸化剤を先に流入させた後、難分解性ガスを流入させることを特徴とする請求項9に記載の難分解性ガスのプラズマ反応方法。
【請求項11】
前記反応炉(10)の内部に燃料、酸化剤、及び難分解性ガスを同時に流入させることを特徴とする請求項9に記載の難分解性ガスのプラズマ反応方法。
【請求項12】
前記燃料は CH4 であることを特徴とする請求項9に記載の難分解性ガスのプラズマ反応方法。
【請求項13】
前記酸化剤はO2であることを特徴とする請求項9に記載の難分解性ガスのプラズマ反応方法。
【請求項14】
前記難分解性ガスは CF4、C2F6、SF6、NF のうちいずれか1つ、またはこれらの混合体であることを特徴とする請求項9に記載の難分解性ガスのプラズマ反応方法。
【請求項15】
プラズマ反応装置において、
下部片側にプラズマ反応のための原料が供給されるために原料流入管(11)が連通され、上端にはプラズマ反応物を排出させるための排出口(17)が形成され、内部に供給された原料のプラズマ反応時にプラズマ反応ゾーンを拡張させて一時停滞させるための広域チャンバ(15)が形成されるように電極(30)よりも上側に位置した区間の幅は拡張される中空の反応炉(10)と、
供給された原料のプラズマ反応のための放電電圧を発生するように前記反応炉(10)の内部に突出し、前記反応炉(10)の壁面とは一定の間隔で離隔するように前記反応炉(10)の底面に内設されて結合される電極(30)と、
内部に形成されたチャンバ(55)上に液状原料を流入するための液状原料流入管(51)及び前記チャンバ(55)上に流入された液状原料を反応炉(10)の内部に供給するために片側が反応炉(10)と連通された液状原料供給管(57)と各々連通され、前記液状原料流入管(51)を介して流入された液状原料が前記チャンバ(55)上で熱を吸収するように前記広域チャンバ(15)上に位置する吸熱タンク(50)と
を含んで構成されたことを特徴とするプラズマ反応装置。
【請求項16】
前記吸熱タンク(50)には前記チャンバ(55)に流入された液状原料を強制的に加熱するための加熱手段が設置されたことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項17】
前記加熱手段は外部電源と電気的に連結され、前記吸熱タンク(50)のチャンバ(55)上に突出するように設置されるヒータ(59)であることを特徴とする請求項16に記載のプラズマ反応装置。
【請求項18】
前記液状原料流入管(51)は前記吸熱タンク(50)の上側に連通され、反応炉(10)の底面とは垂直をなすことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項19】
前記液状原料流入管(51)は前記吸熱タンク(50)の側面に連通され、反応炉(10)の底面とは水平をなすことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項20】
前記液状原料供給管(57)の片側は前記反応炉(10)の下部に連通されたことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項21】
前記液状原料供給管(57)は前記反応炉(10)の外周面に沿って巻回されるように構成されたことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項22】
前記液状原料流入管(51)には前記チャンバ(55)上に液状原料と共に前記液状原料を微粒化させるための気体を共に流入させるように気体供給管(53)が連通されたことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項23】
前記吸熱タンク(50)は "球" 状を有することを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項24】
前記反応炉(10)の上部は前記排出口(17)が前記広域チャンバ(15)の垂直延長線上に位置しないように直角に段をなして折曲されたことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項25】
前記電極(30)は上部が円錐の形状を有し、その下部が円柱型に延長された形状を有し、その中央部位の幅が拡張されたことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項26】
前記電極(30)の内部には一定空間の原料流入チャンバ(35)が形成され、前記電極(30)の底面には前記原料流入チャンバ(35)に液状の原料を流入させるための補助液状原料供給管(31)が連通され、前記電極(30)の内壁には前記原料流入チャンバ(35)上の原料を前記反応炉(10)の内部に供給するための流入路(37)が貫通形成されたことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項27】
前記補助液状原料供給管(31)には前記原料流入チャンバ(35)上に液状の原料と共に前記液状原料を微粒化させるための気体を共に流入させるように補助気体供給管(33)が連通されたことを特徴とする請求項26に記載のプラズマ反応装置。
【請求項28】
前記反応炉(10)の外壁には混合タンク(70)が形成され、前記原料流入管(11)及び液状原料供給管(57)は前記混合タンク(70)を介して前記反応炉(10)に連通され、前記原料流入管(11)及び液状原料供給管(57)から各々進行される原料は、前記混合タンク(70)の内部に形成された混合チャンバ(75)上で互いに混合されて反応炉(10)の内部に供給されるようにしたことを特徴とする請求項15に記載のプラズマ反応装置。
【請求項29】
片側に排出口(62)が形成され、厚さを形成する壁体の内部には気体流入口(63)から流入された気体が移動しながら熱を吸収するように吸熱路(64)が形成された中空の反応炉(61)と、前記反応炉(61)の底面を形成し、その内部には前記吸熱路(64)と連通されると同時に、前記反応炉(61)に形成された流入ホール(68)を介して前記反応炉(61)の内部と連通される混合チャンバ(67)が形成されたベース(65)を含む本体(60)と、
前記反応炉(61)の内部にプラズマ反応のための放電電圧を形成させるために前記反応炉(61)の内壁と一定の間隔で離隔された形態で前記ベース(65)に固定されて前記反応炉(61)上に突出し、その内部には液状燃料が流入されて前記混合チャンバ(67)と連通される吸熱チャンバ(75)が形成された電極(70)と、
前記電極(70)の吸熱チャンバ(75)上に液状燃料を供給するように前記本体(60)に固定される液状燃料噴射手段と
を含んで構成されたことを特徴とするプラズマ反応器。
【請求項30】
前記電極(70)は円錐の形状を有し、
前記流入ホール(68)は前記混合チャンバ(67)上で気体と液状燃料が互いに混合されてなる混合燃料が前記反応炉(61)の内部で回転流を形成して流入され、前記電極(70)の外周面に沿って進行するように前記反応炉(61)の内壁の法線と一定の間隔で傾斜して形成されたことを特徴とする請求項29に記載のプラズマ反応器。
【請求項31】
前記液状燃料噴射手段は液状燃料と共に気体が供給され、供給される気体の移動力で前記液状燃料を吸熱チャンバ(75)上に噴出させる液状燃料噴射器具(80)であることを特徴とする請求項29に記載のプラズマ反応器。
【請求項32】
前記液状燃料噴射手段は前記電極(70)の吸熱チャンバ(75)上に液状の燃料を直接噴射するインジェクタであることを特徴とする請求項29に記載のプラズマ反応器。
【請求項33】
保存元から炭化水素系燃料が供給されて利用するエンジン(20)から排出された排気ガスを吸蔵触媒(30)に移動させ、前記排気ガスのNOxを前記吸蔵触媒(30)に吸着させた後、これを還元させて除去するNOx低減装置において、
前記エンジン(20)から吸蔵触媒(30)に移動する排気ガスの移動路上に前記保存元から炭化水素系燃料が一部供給され、これをプラズマ反応によって高温の還元雰囲気ガスに改質させるプラズマ反応器(50)を連結し、前記吸蔵触媒(30)でのNOx還元時に前記プラズマ反応器(50)から生成された還元雰囲気ガスが供給されるようにしたことを特徴とするプラズマ反応器を用いた吸蔵触媒方式のNOx低減装置。
【請求項34】
前記プラズマ反応器(50)は請求項1ないし請求項4、請求項15ないし請求項28、請求項29ないし請求項32のうち選択されるいずれか一項によるプラズマ反応器を採択して構成されたことを特徴とする請求項33に記載のプラズマ反応器を用いた吸蔵触媒方式のNOx低減装置。
【請求項35】
前記プラズマ反応器(50)は請求項5ないし請求項8、請求項9ないし請求項14のうち選択されるいずれか一項によるプラズマ反応方法を採択して構成されたことを特徴とするプラズマ反応器を用いた請求項33に記載の吸蔵触媒方式のNOx低減装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2009−511247(P2009−511247A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534468(P2008−534468)
【出願日】平成18年10月9日(2006.10.9)
【国際出願番号】PCT/KR2006/004043
【国際公開番号】WO2007/043783
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(506285079)コリア インスティテュート オブ マシネリー アンド マテリアルズ (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月9日(2006.10.9)
【国際出願番号】PCT/KR2006/004043
【国際公開番号】WO2007/043783
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(506285079)コリア インスティテュート オブ マシネリー アンド マテリアルズ (3)
【Fターム(参考)】
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