説明

プリプレグの製造装置及び製造方法

【課題】プリプレグを製造しながら反りを低減できるプリプレグの製造装置を提供する。
【解決手段】長尺の基材3を搬送しながら樹脂ワニス1を含浸させると共に、樹脂含浸基材4を乾燥させることによってプリプレグを製造するプリプレグの製造装置に関する。乾燥前の樹脂含浸基材4の一方の面側の樹脂量を減少させ、他方の面側の樹脂量を増加させることによって樹脂含浸基材4の厚みを調整する厚み調整手段12と、厚みが調整された樹脂含浸基材4を搬送しながら乾燥させる乾燥機7と、乾燥された樹脂含浸基材4の反りの有無及び向きを検出する反り検出器8とを備えている。乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面側の樹脂量を厚み調整手段12によって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凸面側の樹脂量を厚み調整手段12によって増加させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板の材料として用いられるプリプレグの製造装置及び製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板の材料として用いられるプリプレグは、基材に樹脂ワニスを含浸させた後、この樹脂含浸基材を乾燥させることによって製造されているが、従来、厚み0.1mm以上のプリプレグでは、基材を構成する繊維の本数が多く強度が高い上に重量が重いので、反りという現象は問題となることが少なかった。
【0003】
しかし、近年では小型薄型化のニーズが高まっており、このニーズに応えるべく、強度が低く重量の軽い薄い基材が用いられている。そして、厚み0.1mm未満の非常に薄いプリプレグが製造されるようになると、基材の表裏の樹脂層の厚みがわずかに異なるだけでも、乾燥後の収縮によって反りという現象が表面化するようになってきた。
【0004】
このようなプリプレグの反りを低減するためには、基材の表裏に均等な厚みの樹脂層を形成する必要があるが、含浸時に基材に付着する樹脂ワニスの量や粘度は表裏において同一にはならないため、樹脂含浸基材を一対のスクイズロールの間の中央に通しても、表裏の樹脂層の厚みが均等になるとは限らず、この厚みを均等にするためには、一対のスクイズロールの間のどこに樹脂含浸基材を通すかその都度調整する必要がある。
【0005】
そして、プリプレグの一部を切り取ってその反りを測定した後に含浸条件を変更することも行われているが(例えば、特許文献1参照。)、これでは反りを測定している間はプリプレグの製造を一時中断せざるを得ない。
【0006】
また、プリプレグの製造を中断しないでその反りを低減する方法も提供されているが(例えば、特許文献2参照。)、この方法では、基材の表裏の樹脂を掻き取ってプリプレグの反りを測定するものであるが、反りの有無は樹脂を掻き取って初めて確認できるものであるため、もし反りのない場合に樹脂を掻き取ってしまうとその掻き取った部分だけプリプレグが無駄になってしまうものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−336319号公報
【特許文献2】特開2005−307080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、プリプレグを製造しながらその反りを低減することができるプリプレグの製造装置及び製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係るプリプレグの製造装置は、長尺の基材3を長手方向に搬送しながら前記基材3に樹脂ワニス1を含浸させると共に、この樹脂含浸基材4を搬送しながら乾燥させることによってプリプレグを製造するようにしたプリプレグの製造装置において、乾燥前の樹脂含浸基材4の一方の面側の樹脂量を減少させ、他方の面側の樹脂量を増加させることによって前記樹脂含浸基材4の厚みを調整する厚み調整手段12と、前記厚み調整手段12によって厚みが調整された樹脂含浸基材4を搬送しながら乾燥させる乾燥機7と、前記乾燥機7によって乾燥された樹脂含浸基材4の反りの有無及び向きを検出する反り検出器8とを備えて形成され、前記反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面側の樹脂量を前記厚み調整手段12によって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凸面側の樹脂量を前記厚み調整手段12によって増加させることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1において、厚み調整手段12が、樹脂ワニス1を貯留したディップ槽2と、前記ディップ槽2の内部に設けられ、前記ディップ槽2の内部に搬送されてきた長尺の基材3に前記樹脂ワニス1を含浸させた後にこの樹脂含浸基材4を前記ディップ槽2の外部に搬送するために折り返すディップロール5と、前記ディップ槽2の内部から搬送されてきた樹脂含浸基材4を通してその厚みを調整する一対のスクイズロール6とを備えて形成され、前記ディップロール5と前記一対のスクイズロール6の両方又は一方が移動自在に設けられていると共に、前記反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面をこの凹面と対向するスクイズロール6に寄せるようにディップロール5を移動させるか、又は前記凹面に前記スクイズロール6を移動させて寄せることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1において、厚み調整手段12が、一対のロールコーター13で形成されていると共に、前記反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面側の樹脂量を一方のロールコーター13a(又は13b)によって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凸面側の樹脂量を他方のロールコーター13b(又は13a)によって増加させることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1において、厚み調整手段12が、一対のグラビアコーター14で形成されていると共に、前記反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面側の樹脂量を一方のグラビアコーター14a(又は14b)によって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凸面側の樹脂量を他方のグラビアコーター14b(又は14a)によって増加させることを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1において、厚み調整手段12が、一対のダイコーターで形成されていると共に、前記反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面側の樹脂量を一方のダイコーターによって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凸面側の樹脂量を他方のダイコーターによって増加させることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項において、前記反り検出器8は、樹脂含浸基材4の一方の面と対向する位置に前記樹脂含浸基材4との距離を測定できる距離センサ9を前記樹脂含浸基材4の幅方向に複数並設して形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項6において、前記反り検出器8は、前記樹脂含浸基材4の他方の面と対向する位置に前記距離センサ9を少なくとも1つ設けて形成されていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項7において、前記反り検出器8は、前記樹脂含浸基材4の他方の面と対向する位置に前記距離センサ9を前記樹脂含浸基材4の幅方向に複数並設して形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の請求項9に係るプリプレグの製造方法は、ディップ槽2に樹脂ワニス1を貯留し、前記ディップ槽2の内部に設けられたディップロール5によって、前記ディップ槽2の内部に搬送されてきた長尺の基材3に前記樹脂ワニス1を含浸させた後にこの樹脂含浸基材4を前記ディップ槽2の外部に搬送し、この樹脂含浸基材4を一対のスクイズロール6の間に通してその厚みを調整した後、この樹脂含浸基材4を搬送しながら乾燥させるようにしたプリプレグの製造方法において、乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面をこの凹面と対向するスクイズロール6に寄せるようにディップロール5を移動させるか、又は前記凹面に前記スクイズロール6を移動させて寄せることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の請求項10に係るプリプレグの製造方法は、長尺の基材3を長手方向に搬送しながら一対のロールコーター13によって前記基材3に樹脂ワニス1を含浸させると共に、この樹脂含浸基材4を搬送しながら乾燥させることによってプリプレグを製造するようにしたプリプレグの製造方法において、乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面側の樹脂量を一方のロールコーターによって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凸面側の樹脂量を他方のロールコーターによって増加させることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の請求項11に係るプリプレグの製造方法は、長尺の基材3を長手方向に搬送しながら一対のグラビアコーター14によって前記基材3に樹脂ワニス1を含浸させると共に、この樹脂含浸基材4を搬送しながら乾燥させることによってプリプレグを製造するようにしたプリプレグの製造方法において、乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面側の樹脂量を一方のグラビアコーター14によって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凸面側の樹脂量を他方のグラビアコーター14によって増加させることを特徴とするものである。
【0020】
本発明の請求項12に係るプリプレグの製造方法は、長尺の基材3を長手方向に搬送しながら一対のダイコーターによって前記基材3に樹脂ワニス1を含浸させると共に、この樹脂含浸基材4を搬送しながら乾燥させることによってプリプレグを製造するようにしたプリプレグの製造方法において、乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面側の樹脂量を一方のダイコーターによって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凸面側の樹脂量を他方のダイコーターによって増加させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の請求項1に係るプリプレグの製造装置によれば、乾燥直後の樹脂含浸基材の反りの有無及び向きに応じて厚み調整手段によって乾燥前の樹脂含浸基材の両側の樹脂量を増減させるというフィードバック制御を行うことによって、プリプレグを製造しながらその反りを低減することができるものである。
【0022】
請求項2に係る発明によれば、乾燥直後の樹脂含浸基材の反りの有無及び向きに応じてディップロール又はスクイズロールを移動させるというフィードバック制御を行うことによって、プリプレグを製造しながらその反りを低減することができるものである。
【0023】
請求項3に係る発明によれば、乾燥直後の樹脂含浸基材の反りの有無及び向きに応じて一対のロールコーターによって乾燥前の樹脂含浸基材の両側の樹脂量を増減させるというフィードバック制御を行うことによって、プリプレグを製造しながらその反りを低減することができるものである。
【0024】
請求項4に係る発明によれば、乾燥直後の樹脂含浸基材の反りの有無及び向きに応じて一対のグラビアコーターによって乾燥前の樹脂含浸基材の両側の樹脂量を増減させるというフィードバック制御を行うことによって、プリプレグを製造しながらその反りを低減することができるものである。
【0025】
請求項5に係る発明によれば、乾燥直後の樹脂含浸基材の反りの有無及び向きに応じて一対のダイコーターによって乾燥前の樹脂含浸基材の両側の樹脂量を増減させるというフィードバック制御を行うことによって、プリプレグを製造しながらその反りを低減することができるものである。
【0026】
請求項6に係る発明によれば、各距離センサによって測定された樹脂含浸基材との距離から、この樹脂含浸基材の反りの有無を検出することができると共に、反りがある場合にはその向き及び程度も検出することができるものである。
【0027】
請求項7に係る発明によれば、樹脂含浸基材の一方の面と対向する位置に設けた距離センサと、樹脂含浸基材の他方の面と対向する位置に設けた距離センサとを対向させておくと、樹脂含浸基材の厚み及びそのバラツキを測定することができるものである。
【0028】
請求項8に係る発明によれば、樹脂含浸基材の一方の面と対向する位置に設けた距離センサと、樹脂含浸基材の他方の面と対向する位置に設けた距離センサとを対向させておくと、樹脂含浸基材の厚み及びそのバラツキを測定することができるものである。
【0029】
本発明の請求項9に係るプリプレグの製造方法によれば、乾燥直後の樹脂含浸基材の反りの有無及び向きに応じてディップロール又はスクイズロールを移動させるというフィードバック制御を行うことによって、プリプレグを製造しながらその反りを低減することができるものである。
【0030】
本発明の請求項10に係るプリプレグの製造方法によれば、乾燥直後の樹脂含浸基材の反りの有無及び向きに応じて一対のロールコーターによって乾燥前の樹脂含浸基材の両側の樹脂量を増減させるというフィードバック制御を行うことによって、プリプレグを製造しながらその反りを低減することができるものである。
【0031】
本発明の請求項11に係るプリプレグの製造方法によれば、乾燥直後の樹脂含浸基材の反りの有無及び向きに応じて一対のグラビアコーターによって乾燥前の樹脂含浸基材の両側の樹脂量を増減させるというフィードバック制御を行うことによって、プリプレグを製造しながらその反りを低減することができるものである。
【0032】
本発明の請求項12に係るプリプレグの製造方法によれば、乾燥直後の樹脂含浸基材の反りの有無及び向きに応じて一対のダイコーターによって乾燥前の樹脂含浸基材の両側の樹脂量を増減させるというフィードバック制御を行うことによって、プリプレグを製造しながらその反りを低減することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係るプリプレグの製造装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】(a)〜(c)はそれぞれ別の反り検出器及びプリプレグを示す斜視図である。
【図3】図2(a)に示す反り検出器を用いてプリプレグの反りを検出する様子を示すものであり、(a)〜(c)は概略正面図である。
【図4】図2(b)に示す反り検出器を用いてプリプレグの反りを検出する様子を示すものであり、(a)〜(c)は概略正面図である。
【図5】図2(c)に示す反り検出器を用いてプリプレグの反りを検出する様子を示すものであり、(a)〜(c)は概略正面図である。
【図6】本発明に係るプリプレグの製造装置の他の一例を示す概略断面図である。
【図7】本発明に係るプリプレグの製造装置の他の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0035】
(実施形態1)
図1は本発明に係るプリプレグの製造装置の一例を示すものであり、これは、長尺の基材3を長手方向に搬送しながら基材3に樹脂ワニス1を含浸させると共に、この樹脂含浸基材4を搬送しながら乾燥させることによってプリプレグを製造するようにしたものであり、具体的には、ディップ槽2と、ディップロール5と、一対のスクイズロール6(6a,6b)と、乾燥機7と、反り検出器8とを備えて形成されている。そして特に、ディップ槽2と、ディップロール5と、一対のスクイズロール6とを備えて厚み調整手段12が形成されている。
【0036】
ディップ槽2は、上面が開口しており、その内部に樹脂ワニス1を貯留している。樹脂ワニス1としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、相溶化剤、難燃剤、溶剤等を配合して調製されたものや、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤、溶剤等を配合して調製されたものを用いることができる。
【0037】
またディップロール5は、ディップ槽2の内部に設けられており、水平面内においてその中心軸と垂直な方向(図1の矢印イ及び矢印ロで示す方向)に移動自在に形成されている。
【0038】
また一対のスクイズロール6は、ディップ槽2の上方においてディップロール5と平行に設けられており、水平面内においてその中心軸と垂直な方向(図1の矢印イ及び矢印ロで示す方向と平行な方向)に移動自在に形成されている。また一対のスクイズロール6は、一方のスクイズロール6a(6b)を固定し、他方のスクイズロール6b(6a)を近接・離間するように移動させることによって、又は両方のスクイズロール6a,6bを相互に近接・離間するように移動させることによって、そのクリアランスを0.05〜0.50mmに調整することができるように形成されている。
【0039】
また乾燥機7は、下面が開口しており、その内部にヒータ(図示省略)及び折り返しロール10を設けて形成されている。
【0040】
また反り検出器8は、乾燥機7によって乾燥された樹脂含浸基材4(プリプレグ)の反りの有無及び向きを非接触で検出するものである。具体的には、図2(a)に示すように、乾燥後の樹脂含浸基材4の一方の面(図2では上面)と対向する位置において、この樹脂含浸基材4の幅方向に設置した棒状フレーム11に距離センサ9を複数並設することによって、反り検出器8が形成されている。距離センサ9としては、樹脂含浸基材4との距離を測定できるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、近接センサ等を用いることができる。また、図3(a)のように乾燥後の樹脂含浸基材4に反りがない場合には、各距離センサ9と樹脂含浸基材4との距離が等しくなるように、あらかじめ各距離センサ9の位置が調整されている。よって、図3(b)のように乾燥後の樹脂含浸基材4に上面が凹面となる反りがある場合には、この樹脂含浸基材4の幅方向において、中央部に位置する距離センサ9と樹脂含浸基材4との距離に比べて、両側部に位置する距離センサ9と樹脂含浸基材4との距離の方が短くなり、逆に、図3(c)のように乾燥後の樹脂含浸基材4に下面が凹面となる反りがある場合には、この樹脂含浸基材4の幅方向において、中央部に位置する距離センサ9と樹脂含浸基材4との距離に比べて、両側部に位置する距離センサ9と樹脂含浸基材4との距離の方が長くなるものである。このように、各距離センサ9によって測定された樹脂含浸基材4との距離から、この樹脂含浸基材4の反りの有無を検出することができると共に、反りがある場合にはその向き及び程度も検出することができるものである。
【0041】
また反り検出器8は、樹脂含浸基材4の他方の面と対向する位置に距離センサを少なくとも1つ設けて形成されているのが好ましい。具体的には、図2(b)に示すように、乾燥後の樹脂含浸基材4の一方の面(図2では上面)と対向する位置において、この樹脂含浸基材4の幅方向に設置した棒状フレーム11に距離センサ9を複数並設すると共に、樹脂含浸基材4の他方の面(図2では下面)と対向する位置に距離センサ9を1つ設けることによって、反り検出器8が形成されている。そして、この場合も、図4(a)のように乾燥後の樹脂含浸基材4に反りがない場合には、各距離センサ9と樹脂含浸基材4との距離が等しくなるように、あらかじめ各距離センサ9の位置が調整されている。よって、図4(b)(c)のように乾燥後の樹脂含浸基材4に上面又は下面が凹面となる反りがある場合には、この樹脂含浸基材4の幅方向において、中央部に位置する距離センサ9と樹脂含浸基材4との距離に比べて、両側部に位置する距離センサ9と樹脂含浸基材4との距離の方が短かったり、長かったりするものである。このように、各距離センサ9によって測定された樹脂含浸基材4との距離から、この樹脂含浸基材4の反りの有無を検出することができると共に、反りがある場合にはその向き及び程度も検出することができるものである。さらに、図2(b)や図4に示すように、樹脂含浸基材4の一方の面と対向する位置に設けた複数の距離センサ9のうちの1つと、樹脂含浸基材4の他方の面と対向する位置に設けた1つの距離センサ9とを対向させておくと、これらの距離センサ9と対向する箇所の樹脂含浸基材4の厚み及びそのバラツキを測定することができるものである。なお、樹脂含浸基材4の他方の面と対向する位置に距離センサ9を2つ以上設ける場合には、後述するように、これらの距離センサ9は、樹脂含浸基材4の他方の面と対向する位置において、この樹脂含浸基材4の幅方向に設置した棒状フレーム11に並設すればよい。
【0042】
また反り検出器8は、樹脂含浸基材4の他方の面と対向する位置に距離センサ9を樹脂含浸基材4の幅方向に複数並設して形成されているのが好ましい。具体的には、図2(c)に示すように、乾燥後の樹脂含浸基材4の一方の面(図2では上面)と対向する位置において、この樹脂含浸基材4の幅方向に設置した棒状フレーム11に距離センサ9を複数並設すると共に、樹脂含浸基材4の他方の面(図2では下面)と対向する位置において、この樹脂含浸基材4の幅方向に設置した棒状フレーム11に距離センサ9を複数並設することによって、反り検出器8が形成されている。そして、この場合も、図5(a)のように乾燥後の樹脂含浸基材4に反りがない場合には、各距離センサ9と樹脂含浸基材4との距離が等しくなるように、あらかじめ各距離センサ9の位置が調整されている。よって、図5(b)(c)のように乾燥後の樹脂含浸基材4に上面又は下面が凹面となる反りがある場合には、この樹脂含浸基材4の幅方向において、中央部に位置する距離センサ9と樹脂含浸基材4との距離に比べて、両側部に位置する距離センサ9と樹脂含浸基材4との距離の方が短かったり、長かったりするものである。このように、各距離センサ9によって測定された樹脂含浸基材4との距離から、この樹脂含浸基材4の反りの有無を検出することができると共に、反りがある場合にはその向き及び程度も検出することができるものである。さらに、図2(c)や図5に示すように、樹脂含浸基材4の一方の面と対向する位置に設けた複数の距離センサ9と、樹脂含浸基材4の他方の面と対向する位置に設けた複数の距離センサ9とをそれぞれ対向させておくと、これらの距離センサ9と対向する複数の箇所の樹脂含浸基材4の厚み及びそのバラツキを測定することができるものである。
【0043】
次に図1に示すプリプレグの製造装置を用いてプリプレグを製造する方法について説明する。まず、ディップ槽2の外部から内部に搬送されてきた長尺の基材3をディップロール5の下部外周面に巻き付け、このディップロール5によって折り返すものであり、樹脂ワニス1内を搬送中に基材3に樹脂ワニス1が含浸され、その後、この樹脂含浸基材4はディップ槽2の外部に搬送されるものである。ここで、基材3としては、特に限定されるものではないが、例えば、厚み0.01〜0.20mm及び幅500〜1500mmのガラスクロスやガラス不織布等のガラス基材を用いることができる。また基材3の搬送速度は、例えば、0.5〜15.0m/minに設定することができる。次に、ディップ槽2の内部から外部に搬送されてきた樹脂含浸基材4を一対のスクイズロール6の間に通すことによって、樹脂含浸基材4の厚みを調整するものである。その後、一対のスクイズロール6によって厚みが調整された樹脂含浸基材4を乾燥機7の内部に搬送し、折り返しロール10で折り返すことによって乾燥機7の外部に搬送するものである。このように、樹脂含浸基材4を搬送しながら乾燥機7のヒータで加熱することによって半硬化状態(Bステージ状態)となるまで乾燥させるものである。なお、加熱温度及び加熱時間は、特に限定されるものではないが、例えば、100〜200℃及び180〜500秒である。
【0044】
そして、乾燥機7の内部から外部に搬送されてきた乾燥後の樹脂含浸基材4(プリプレグ)の反りの有無及び向きを反り検出器8によって検出する。この反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、通常、乾燥前の樹脂含浸基材4にも同様の反りが発生していると考えられる。すなわち、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りは、乾燥機7の折り返しロール10の箇所で一時的に消滅するものの、この箇所を過ぎれば再度発生するものであり、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凸面及び凹面はそれぞれ乾燥後の樹脂含浸基材4の凸面及び凹面と同一である。ここで、反りは、樹脂含浸基材4の表裏の樹脂の収縮率が異なることによって発生すると考えられ、この収縮率は、樹脂量が多い場合には大きくなり、樹脂量が少ない場合には小さくなる。つまり、樹脂含浸基材4の樹脂量が多い面は収縮率が大きく凹面となり、樹脂量が少ない面は収縮率が小さく凸面となって、反りが発生するものである。よって、反りを低減するには、樹脂含浸基材4の凹面に付着している余分な樹脂を削ぎ落とせばよいから、反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面をこの凹面と対向する一方のスクイズロール6a(又は6b)に寄せるようにディップロール5を移動させるか、又は乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面にこの凹面と対向する一方のスクイズロール6a(又は6b)を直接移動させて寄せるものである。なお、一方のスクイズロール6a(又は6b)を移動させる場合には、通常、クリアランスを維持しつつ、他のスクイズロール6b(又は6a)も平行に移動させる。
【0045】
上記のように、反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面側の樹脂量を厚み調整手段12によって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凸面側の樹脂量を厚み調整手段12によって増加させるものである。このように、乾燥直後の樹脂含浸基材4の反りの有無及び向きに応じて厚み調整手段12によって乾燥前の樹脂含浸基材4の両側の樹脂量を増減させるというフィードバック制御を行うことによって、プリプレグを製造しながらその反りを低減することができるものである。
【0046】
ここで、ディップロール5又はスクイズロール6の移動量は、反り検出器8によって検出された乾燥後の樹脂含浸基材4の最大反り量(凹面の最大深さ)に応じて異なるが、あらかじめ移動量と最大反り量との相関関係を試験的に求めておけば、その後はこの試験結果に基づいてディップロール5又はスクイズロール6の移動量を自動的に調整することができる。このように、乾燥直後の樹脂含浸基材4の反りの有無及び向きに応じてディップロール5又はスクイズロール6を移動させるというフィードバック制御を行うことによって、厚み0.1mm未満の非常に薄いプリプレグであっても、このようなプリプレグを製造しながらその反りを低減することができるものである。なお、反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出されなかった場合には、ディップロール5もスクイズロール6も移動させずに、そのまま樹脂含浸基材4(プリプレグ)を搬送させるものである。
【0047】
(実施形態2)
図6は本発明に係るプリプレグの製造装置の他の一例を示すものであり、これも、長尺の基材3を長手方向に搬送しながら基材3に樹脂ワニス1を含浸させると共に、この樹脂含浸基材4を搬送しながら乾燥させることによってプリプレグを製造するようにしたものであり、具体的には、一対のロールコーター13(13a,13b)と、乾燥機7と、反り検出器8とを備えて形成されている。そして特に、一対のロールコーター13(13a,13b)で厚み調整手段12が形成されている。
【0048】
一対のロールコーター13は、それぞれロール状に形成され、乾燥機7の下方の水平面内において平行に設けられており、そのクリアランスは例えば0.02〜0.50mmである。各ロールコーター13の直上にはワニス供給配管15が設けられており、このワニス供給配管15から樹脂ワニス1がロールコーター13の直上に供給されるが、その供給量はワニス供給配管15毎に調整することができるようになっている。ここで、樹脂ワニス1としては、実施形態1と同様のものを用いることができる。そして、各ロールコーター13は、図6の矢印で示すように、他のロールコーター13と対向する側で下向きとなるように回転する。この回転速度はロールコーター13毎に調整することができるようになっている。
【0049】
また、乾燥機7及び反り検出器8は、実施形態1と同様に形成されている。
【0050】
次に図6に示すプリプレグの製造装置を用いてプリプレグを製造する方法について説明する。まず基材3としては、実施形態1と同様のものを用いることができ、その搬送速度も実施形態1と同様に設定することができる。そして基材3は必要に応じて折り返しロール10で折り返して下から上へと一対のロールコーター13の間に通す。このとき各ロールコーター13は基材3の搬送方向に逆らうように図6の矢印で示す方向に回転しており、これにより各ロールコーター13上の樹脂ワニス1を基材3にすり込むなどして含浸させると共に、この樹脂含浸基材4の厚みを調整するものである。その後、一対のロールコーター13によって厚みが調整された樹脂含浸基材4を乾燥機7の内部に搬送し、折り返しロール10で折り返すことによって乾燥機7の外部に搬送するものである。このように、樹脂含浸基材4を搬送しながら乾燥機7のヒータで加熱することによって半硬化状態(Bステージ状態)となるまで乾燥させるものである。なお、加熱温度及び加熱時間は、実施形態1と同様である。
【0051】
そして、乾燥機7の内部から外部に搬送されてきた乾燥後の樹脂含浸基材4(プリプレグ)の反りの有無及び向きを反り検出器8によって検出する。この反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、実施形態1で説明したように、この反りは、樹脂含浸基材4の樹脂量が多い面が凹面となり、樹脂量が少ない面が凸面となって発生するものである。よって、反りを低減するには、樹脂含浸基材4の凹面に付着する樹脂量を少なく、凸面に付着する樹脂量を多くすればよいから、反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面側の樹脂量を一方のロールコーター13a(又は13b)によって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凸面側の樹脂量を他方のロールコーター13b(又は13a)によって増加させるものである。なお、樹脂量の増減は、各ワニス供給配管15からの樹脂ワニス1の供給量を増減させたり、各ロールコーター13の回転速度を増減させたりすることによって調整することができる。
【0052】
上記のように、反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面側の樹脂量を厚み調整手段12によって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凸面側の樹脂量を厚み調整手段12によって増加させるものである。このように、乾燥直後の樹脂含浸基材4の反りの有無及び向きに応じて厚み調整手段12によって乾燥前の樹脂含浸基材4の両側の樹脂量を増減させるというフィードバック制御を行うことによって、プリプレグを製造しながらその反りを低減することができるものである。
【0053】
ここで、各ロールコーター13が供給する樹脂量は、反り検出器8によって検出された乾燥後の樹脂含浸基材4の最大反り量(凹面の最大深さ)に応じて異なるが、あらかじめ樹脂量と最大反り量との相関関係を試験的に求めておけば、その後はこの試験結果に基づいて各ロールコーター13が供給する樹脂量を自動的に調整することができる。このように、乾燥直後の樹脂含浸基材4の反りの有無及び向きに応じて一対のロールコーター13によって乾燥前の樹脂含浸基材4の両側の樹脂量を増減させるというフィードバック制御を行うことによって、厚み0.1mm未満の非常に薄いプリプレグであっても、このようなプリプレグを製造しながらその反りを低減することができるものである。なお、反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出されなかった場合には、各ワニス供給配管15からの樹脂ワニス1の供給量及び各ロールコーター13の回転速度は変化させずに、そのまま樹脂含浸基材4(プリプレグ)を搬送させるものである。
【0054】
(実施形態3)
図7は本発明に係るプリプレグの製造装置の他の一例を示すものであり、これも、長尺の基材3を長手方向に搬送しながら基材3に樹脂ワニス1を含浸させると共に、この樹脂含浸基材4を搬送しながら乾燥させることによってプリプレグを製造するようにしたものであり、具体的には、一対のグラビアコーター14(14a,14b)と、乾燥機7と、反り検出器8とを備えて形成されている。そして特に、一対のグラビアコーター14(14a,14b)で厚み調整手段12が形成されている。
【0055】
一対のグラビアコーター14は、それぞれロール状に形成され、乾燥機7の下方の水平面内において平行に設けられており、そのクリアランスは例えば0.02〜0.50mmである。また各グラビアコーター14は、図7の矢印で示すように、他のグラビアコーター14と対向する側で下向きとなるように回転する。また、各グラビアコーター14の直下にはこれと平行にピックアップロール16が設けられており、各ピックアップロール16は、直上のグラビアコーター14と逆向きに回転する。また各ピックアップロール16の下部はワニス槽17に貯留した樹脂ワニス1に浸漬されている。ここで、樹脂ワニス1としては、実施形態1と同様のものを用いることができる。そして、各ピックアップロール16の回転によって引き上げられた樹脂ワニス1は、ピックアップロール16の外周面からグラビアコーター14の外周面に転写されて供給されるが、その供給量はピックアップロール16及びグラビアコーター14の回転速度を増減させて調整することができるようになっている。
【0056】
また、乾燥機7及び反り検出器8は、実施形態1と同様に形成されている。
【0057】
次に図7に示すプリプレグの製造装置を用いてプリプレグを製造する方法について説明する。まず基材3としては、実施形態1と同様のものを用いることができ、その搬送速度も実施形態1と同様に設定することができる。そして基材3は必要に応じて折り返しロール10で折り返して下から上へと一対のグラビアコーター14の間に通す。このとき各グラビアコーター14は基材3の搬送方向に逆らうように図7の矢印で示す方向に回転しており、これにより各グラビアコーター14上の樹脂ワニス1を基材3にすり込むなどして含浸させると共に、この樹脂含浸基材4の厚みを調整するものである。その後、一対のグラビアコーター14によって厚みが調整された樹脂含浸基材4を乾燥機7の内部に搬送し、折り返しロール10で折り返すことによって乾燥機7の外部に搬送するものである。このように、樹脂含浸基材4を搬送しながら乾燥機7のヒータで加熱することによって半硬化状態(Bステージ状態)となるまで乾燥させるものである。なお、加熱温度及び加熱時間は、実施形態1と同様である。
【0058】
そして、乾燥機7の内部から外部に搬送されてきた乾燥後の樹脂含浸基材4(プリプレグ)の反りの有無及び向きを反り検出器8によって検出する。この反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、実施形態1で説明したように、この反りは、樹脂含浸基材4の樹脂量が多い面が凹面となり、樹脂量が少ない面が凸面となって発生するものである。よって、反りを低減するには、樹脂含浸基材4の凹面に付着する樹脂量を少なく、凸面に付着する樹脂量を多くすればよいから、反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面側の樹脂量を一方のグラビアコーター14a(又は14b)によって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凸面側の樹脂量を他方のグラビアコーター14b(又は14a)によって増加させるものである。なお、樹脂量の増減は、各ピックアップロール16及び各グラビアコーター14の回転速度を増減させることによって調整することができる。
【0059】
上記のように、反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面側の樹脂量を厚み調整手段12によって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凸面側の樹脂量を厚み調整手段12によって増加させるものである。このように、乾燥直後の樹脂含浸基材4の反りの有無及び向きに応じて厚み調整手段12によって乾燥前の樹脂含浸基材4の両側の樹脂量を増減させるというフィードバック制御を行うことによって、プリプレグを製造しながらその反りを低減することができるものである。
【0060】
ここで、各グラビアコーター14が供給する樹脂量は、反り検出器8によって検出された乾燥後の樹脂含浸基材4の最大反り量(凹面の最大深さ)に応じて異なるが、あらかじめ樹脂量と最大反り量との相関関係を試験的に求めておけば、その後はこの試験結果に基づいて各グラビアコーター14が供給する樹脂量を自動的に調整することができる。このように、乾燥直後の樹脂含浸基材4の反りの有無及び向きに応じて一対のグラビアコーター14によって乾燥前の樹脂含浸基材4の両側の樹脂量を増減させるというフィードバック制御を行うことによって、厚み0.1mm未満の非常に薄いプリプレグであっても、このようなプリプレグを製造しながらその反りを低減することができるものである。なお、反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出されなかった場合には、各ピックアップロール16及び各グラビアコーター14の回転速度は変化させずに、そのまま樹脂含浸基材4(プリプレグ)を搬送させるものである。
【0061】
(実施形態4)
本発明に係るプリプレグの製造装置の他の一例についてさらに説明する。図示省略するが、これも、長尺の基材3を長手方向に搬送しながら基材3に樹脂ワニス1を含浸させると共に、この樹脂含浸基材4を搬送しながら乾燥させることによってプリプレグを製造するようにしたものであり、具体的には、一対のダイコーターと、乾燥機7と、反り検出器8とを備えて形成されている。そして特に、一対のダイコーターで厚み調整手段12が形成されている。
【0062】
一対のダイコーターは、それぞれ樹脂ワニス1を吐出するスリットを設けて形成され、乾燥機7の下方に設けられている。そして一方のダイコーターはそのスリットを基材3の一方の面に向けて設けられ、他方のダイコーターはそのスリットを基材3の他方の面に向けて設けられている。また、各ダイコーターのスリットの横幅は基材3の幅と同程度であり、スリット間のクリアランスは例えば0.02〜0.10mmである。ここで、樹脂ワニス1としては、実施形態1と同様のものを用いることができる。そして、樹脂ワニス1は各ダイコーターのスリットから吐出されて供給されるが、その供給量はダイコーター毎に調整することができるようになっている。
【0063】
また、乾燥機7及び反り検出器8は、実施形態1と同様に形成されている。
【0064】
次に上記のように形成されたプリプレグの製造装置を用いてプリプレグを製造する方法について説明する。まず基材3としては、実施形態1と同様のものを用いることができ、その搬送速度も実施形態1と同様に設定することができる。そして基材3は必要に応じて折り返しロール10で折り返して下から上へと一対のダイコーターの間に通す。このとき各ダイコーターは基材3の表面に向けて樹脂ワニス1を吐出し、これにより樹脂ワニス1を基材3に含浸させると共に、この樹脂含浸基材4の厚みを調整するものである。その後、一対のダイコーターによって厚みが調整された樹脂含浸基材4を乾燥機7の内部に搬送し、折り返しロール10で折り返すことによって乾燥機7の外部に搬送するものである。このように、樹脂含浸基材4を搬送しながら乾燥機7のヒータで加熱することによって半硬化状態(Bステージ状態)となるまで乾燥させるものである。なお、加熱温度及び加熱時間は、実施形態1と同様である。
【0065】
そして、乾燥機7の内部から外部に搬送されてきた乾燥後の樹脂含浸基材4(プリプレグ)の反りの有無及び向きを反り検出器8によって検出する。この反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、実施形態1で説明したように、この反りは、樹脂含浸基材4の樹脂量が多い面が凹面となり、樹脂量が少ない面が凸面となって発生するものである。よって、反りを低減するには、樹脂含浸基材4の凹面に付着する樹脂量を少なく、凸面に付着する樹脂量を多くすればよいから、反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面側の樹脂量を一方のダイコーターによって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凸面側の樹脂量を他方のダイコーターによって増加させるものである。なお、樹脂量の増減は、各ダイコーターからの樹脂ワニス1の供給量を増減させることによって調整することができる。
【0066】
上記のように、反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凹面側の樹脂量を厚み調整手段12によって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材4の反りによって形成された凸面側の樹脂量を厚み調整手段12によって増加させるものである。このように、乾燥直後の樹脂含浸基材4の反りの有無及び向きに応じて厚み調整手段12によって乾燥前の樹脂含浸基材4の両側の樹脂量を増減させるというフィードバック制御を行うことによって、プリプレグを製造しながらその反りを低減することができるものである。
【0067】
ここで、各ダイコーターが供給する樹脂量は、反り検出器8によって検出された乾燥後の樹脂含浸基材4の最大反り量(凹面の最大深さ)に応じて異なるが、あらかじめ樹脂量と最大反り量との相関関係を試験的に求めておけば、その後はこの試験結果に基づいて各ダイコーターが供給する樹脂量を自動的に調整することができる。このように、乾燥直後の樹脂含浸基材4の反りの有無及び向きに応じて一対のダイコーターによって乾燥前の樹脂含浸基材4の両側の樹脂量を増減させるというフィードバック制御を行うことによって、厚み0.1mm未満の非常に薄いプリプレグであっても、このようなプリプレグを製造しながらその反りを低減することができるものである。なお、反り検出器8によって乾燥後の樹脂含浸基材4に反りが検出されなかった場合には、各ダイコーターからの樹脂ワニス1の供給量は変化させずに、そのまま樹脂含浸基材4(プリプレグ)を搬送させるものである。
【実施例】
【0068】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0069】
(実施例1)
プリプレグの製造装置として、図1に示すものであって、図2(c)に示す反り検出器8を備えて形成されたものを用い、次の条件でプリプレグを製造した。
【0070】
長尺の基材3として、厚み0.04mm及び幅1200mmのガラス基材を用いた。基材3の搬送速度は5.0m/minに設定した。
【0071】
また、樹脂ワニス1として、次のようにして調製されたPPO樹脂組成物を用いた。
【0072】
まず、PPO(日本ジーイープラスチックス株式会社製:商品名「ノリルPX9701」、数平均分子量14000)を30質量部、フェノール種としてビスフェノールAを0.30質量部、開始剤としてt−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート(日油株式会社製:商品名「パーブチルI」)を0.27質量部、ナフテン酸コバルトを0.008質量部配合し、これに溶剤であるトルエンを90質量部加えて80℃にて1時間混合し、分散・溶解させて反応させることによって、PPOの分子量を調整する処理を行った。この処理後に得られた透明なPPO溶液のPPOの数平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)にて測定したところ7800であった。
【0073】
次に、上記PPO溶液に、m−TAIC(日本化成株式会社製)を30質量部、p−TAIC(第一工業製薬株式会社製:商品名「P−TAIC−1000C」)を20質量部、相溶化剤としてスチレン・ブタジエン・ブロックコポリマー(旭化成工業株式会社製:商品名「タフプレンA」)を5質量部、難燃剤として臭素化有機化合物であるデカブロモジフェニルエタン(三井東圧ファイン株式会社製:商品名「プラネロンBDE」、Br82.3質量%)を15質量部、及び開始剤としてα、α’ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(日油株式会社製:商品名「PB−P」)を3質量部配合し、これを溶剤であるトルエン中で混合して、分散・溶解させることによってPPO樹脂組成物を調製した。
【0074】
また、一対のスクイズロール6のクリアランスは0.15mmに調整した。
【0075】
また、乾燥機7による加熱温度及び加熱時間は170℃及び240秒に設定した。
【0076】
そして、反り検出器8によって検出された乾燥後の樹脂含浸基材4の反りの向き及び最大反り量を表1に示す。また、この場合にディップロール5を移動させたが、この移動の向き及び移動量も表1に示す。さらに、最終的に得られた切断後のプリプレグの反りの向き及び最大反り量も表1に示す。なお、このプリプレグは、ディップロール5の移動によりスクイズロール6に寄せた箇所以降の乾燥前の樹脂含浸基材4を乾燥機7により乾燥させた後にこれを幅方向に切断したものである。
【0077】
【表1】

【0078】
表1にみられるように、プリプレグを製造しながらその反りを低減することができることが確認された。
【0079】
(実施例2−1)
プリプレグの製造装置として、図6に示すものであって、図2(c)に示す反り検出器8を備えて形成されたものを用い、次の条件でプリプレグを製造した。
【0080】
長尺の基材3として、厚み90μm及び幅1200mmのガラス基材を用いた。基材3の搬送速度は実施例1と同様に設定した。
【0081】
また、樹脂ワニス1として、実施例1と同様のものを用いた。
【0082】
また、一対のロールコーター13のクリアランスは0.11mmに調整し、初期段階において一方のロールコーター13と他方のロールコーター13が基材3の表面に供給する樹脂量の比(質量比)は5:5に設定した。
【0083】
また、乾燥機7による加熱温度及び加熱時間は実施例1と同様に設定した。
【0084】
そして、反り検出器8によって検出された乾燥後の樹脂含浸基材4の反りの向き及び最大反り量を表2に示す。また、この場合に樹脂含浸基材4の凹面側のロールコーター13が供給する樹脂量を少しずつ減少させ、凸面側のロールコーター13が供給する樹脂量を少しずつ増加させたが、最大反り量が0mmとなったときの両者の比も表2に示す。さらに、最終的に得られた切断後のプリプレグの厚みも表2に示す。なお、このプリプレグは、反り検出器8によって最大反り量が0mmであることが確認されたものである。
【0085】
(実施例2−2〜2−5)
基材3の厚みを表2に示すように変更した以外は、実施例2−1と同様にしてプリプレグを製造した。
【0086】
(実施例3−1)
プリプレグの製造装置として、図7に示すものであって、図2(c)に示す反り検出器8を備えて形成されたものを用い、次の条件でプリプレグを製造した。
【0087】
長尺の基材3として、厚み90μm及び幅1200mmのガラス基材を用いた。基材3の搬送速度は実施例1と同様に設定した。
【0088】
また、樹脂ワニス1として、実施例1と同様のものを用いた。
【0089】
また、一対のグラビアコーター14のクリアランスは0.11mmに調整し、初期段階において一方のグラビアコーター14と他方のグラビアコーター14が基材3の表面に供給する樹脂量の比(質量比)は5:5に設定した。
【0090】
また、乾燥機7による加熱温度及び加熱時間は実施例1と同様に設定した。
【0091】
そして、反り検出器8によって検出された乾燥後の樹脂含浸基材4の反りの向き及び最大反り量を表2に示す。また、この場合に樹脂含浸基材4の凹面側のグラビアコーター14が供給する樹脂量を少しずつ減少させ、凸面側のグラビアコーター14が供給する樹脂量を少しずつ増加させたが、最大反り量が0mmとなったときの両者の比も表2に示す。さらに、最終的に得られた切断後のプリプレグの厚みも表2に示す。なお、このプリプレグは、反り検出器8によって最大反り量が0mmであることが確認されたものである。
【0092】
(実施例3−2)
基材3の厚みを表2に示すように変更した以外は、実施例3−1と同様にしてプリプレグを製造した。
【0093】
(実施例4)
プリプレグの製造装置として、一対のダイコーターと、乾燥機と、図2(c)に示す反り検出器8とを備えて形成されたものを用い、次の条件でプリプレグを製造した。
【0094】
長尺の基材3として、厚み90μm及び幅1200mmのガラス基材を用いた。基材3の搬送速度は実施例1と同様に設定した。
【0095】
また、樹脂ワニス1として、実施例1と同様のものを用いた。
【0096】
また、一対のダイコーターのクリアランスは0.11mmに調整し、初期段階において一方のダイコーターと他方のダイコーターが基材3の表面に供給する樹脂量の比(質量比)は5:5に設定した。
【0097】
また、乾燥機7による加熱温度及び加熱時間は実施例1と同様に設定した。
【0098】
そして、反り検出器8によって検出された乾燥後の樹脂含浸基材4の反りの向き及び最大反り量を表2に示す。また、この場合に樹脂含浸基材4の凹面側のダイコーターが供給する樹脂量を少しずつ減少させ、凸面側のダイコーターが供給する樹脂量を少しずつ増加させたが、最大反り量が0mmとなったときの両者の比も表2に示す。さらに、最終的に得られた切断後のプリプレグの厚みも表2に示す。なお、このプリプレグは、反り検出器8によって最大反り量が0mmであることが確認されたものである。
【0099】
【表2】

【0100】
表2にみられるように、いずれの実施例においても、プリプレグを製造しながらその反りを低減することができることが確認された。
【符号の説明】
【0101】
1 樹脂ワニス
2 ディップ槽
3 基材
4 樹脂含浸基材
5 ディップロール
6 スクイズロール
6a スクイズロール
6b スクイズロール
7 乾燥機
8 反り検出器
9 距離センサ
12 厚み調整手段
13 ロールコーター
13a ロールコーター
13b ロールコーター
14 グラビアコーター
14a グラビアコーター
14b グラビアコーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の基材を長手方向に搬送しながら前記基材に樹脂ワニスを含浸させると共に、この樹脂含浸基材を搬送しながら乾燥させることによってプリプレグを製造するようにしたプリプレグの製造装置において、乾燥前の樹脂含浸基材の一方の面側の樹脂量を減少させ、他方の面側の樹脂量を増加させることによって前記樹脂含浸基材の厚みを調整する厚み調整手段と、前記厚み調整手段によって厚みが調整された樹脂含浸基材を搬送しながら乾燥させる乾燥機と、前記乾燥機によって乾燥された樹脂含浸基材の反りの有無及び向きを検出する反り検出器とを備えて形成され、前記反り検出器によって乾燥後の樹脂含浸基材に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材の反りによって形成された凹面側の樹脂量を前記厚み調整手段によって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材の反りによって形成された凸面側の樹脂量を前記厚み調整手段によって増加させることを特徴とするプリプレグの製造装置。
【請求項2】
厚み調整手段が、樹脂ワニスを貯留したディップ槽と、前記ディップ槽の内部に設けられ、前記ディップ槽の内部に搬送されてきた長尺の基材に前記樹脂ワニスを含浸させた後にこの樹脂含浸基材を前記ディップ槽の外部に搬送するために折り返すディップロールと、前記ディップ槽の内部から搬送されてきた樹脂含浸基材を通してその厚みを調整する一対のスクイズロールとを備えて形成され、前記ディップロールと前記一対のスクイズロールの両方又は一方が移動自在に設けられていると共に、前記反り検出器によって乾燥後の樹脂含浸基材に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材の反りによって形成された凹面をこの凹面と対向するスクイズロールに寄せるようにディップロールを移動させるか、又は前記凹面に前記スクイズロールを移動させて寄せることを特徴とする請求項1に記載のプリプレグの製造装置。
【請求項3】
厚み調整手段が、一対のロールコーターで形成されていると共に、前記反り検出器によって乾燥後の樹脂含浸基材に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材の反りによって形成された凹面側の樹脂量を一方のロールコーターによって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材の反りによって形成された凸面側の樹脂量を他方のロールコーターによって増加させることを特徴とする請求項1に記載のプリプレグの製造装置。
【請求項4】
厚み調整手段が、一対のグラビアコーターで形成されていると共に、前記反り検出器によって乾燥後の樹脂含浸基材に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材の反りによって形成された凹面側の樹脂量を一方のグラビアコーターによって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材の反りによって形成された凸面側の樹脂量を他方のグラビアコーターによって増加させることを特徴とする請求項1に記載のプリプレグの製造装置。
【請求項5】
厚み調整手段が、一対のダイコーターで形成されていると共に、前記反り検出器によって乾燥後の樹脂含浸基材に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材の反りによって形成された凹面側の樹脂量を一方のダイコーターによって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材の反りによって形成された凸面側の樹脂量を他方のダイコーターによって増加させることを特徴とする請求項1に記載のプリプレグの製造装置。
【請求項6】
前記反り検出器は、樹脂含浸基材の一方の面と対向する位置に前記樹脂含浸基材との距離を測定できる距離センサを前記樹脂含浸基材の幅方向に複数並設して形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプリプレグの製造装置。
【請求項7】
前記反り検出器は、前記樹脂含浸基材の他方の面と対向する位置に前記距離センサを少なくとも1つ設けて形成されていることを特徴とする請求項6に記載のプリプレグの製造装置。
【請求項8】
前記反り検出器は、前記樹脂含浸基材の他方の面と対向する位置に前記距離センサを前記樹脂含浸基材の幅方向に複数並設して形成されていることを特徴とする請求項7に記載のプリプレグの製造装置。
【請求項9】
ディップ槽に樹脂ワニスを貯留し、前記ディップ槽の内部に設けられたディップロールによって、前記ディップ槽の内部に搬送されてきた長尺の基材に前記樹脂ワニスを含浸させた後にこの樹脂含浸基材を前記ディップ槽の外部に搬送し、この樹脂含浸基材を一対のスクイズロールの間に通してその厚みを調整した後、この樹脂含浸基材を搬送しながら乾燥させるようにしたプリプレグの製造方法において、乾燥後の樹脂含浸基材に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材の反りによって形成された凹面をこの凹面と対向するスクイズロールに寄せるようにディップロールを移動させるか、又は前記凹面に前記スクイズロールを移動させて寄せることを特徴とするプリプレグの製造方法。
【請求項10】
長尺の基材を長手方向に搬送しながら一対のロールコーターによって前記基材に樹脂ワニスを含浸させると共に、この樹脂含浸基材を搬送しながら乾燥させることによってプリプレグを製造するようにしたプリプレグの製造方法において、乾燥後の樹脂含浸基材に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材の反りによって形成された凹面側の樹脂量を一方のロールコーターによって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材の反りによって形成された凸面側の樹脂量を他方のロールコーターによって増加させることを特徴とするプリプレグの製造方法。
【請求項11】
長尺の基材を長手方向に搬送しながら一対のグラビアコーターによって前記基材に樹脂ワニスを含浸させると共に、この樹脂含浸基材を搬送しながら乾燥させることによってプリプレグを製造するようにしたプリプレグの製造方法において、乾燥後の樹脂含浸基材に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材の反りによって形成された凹面側の樹脂量を一方のグラビアコーターによって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材の反りによって形成された凸面側の樹脂量を他方のグラビアコーターによって増加させることを特徴とするプリプレグの製造方法。
【請求項12】
長尺の基材を長手方向に搬送しながら一対のダイコーターによって前記基材に樹脂ワニスを含浸させると共に、この樹脂含浸基材を搬送しながら乾燥させることによってプリプレグを製造するようにしたプリプレグの製造方法において、乾燥後の樹脂含浸基材に反りが検出された場合には、乾燥前の樹脂含浸基材の反りによって形成された凹面側の樹脂量を一方のダイコーターによって減少させ、乾燥前の樹脂含浸基材の反りによって形成された凸面側の樹脂量を他方のダイコーターによって増加させることを特徴とするプリプレグの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−247514(P2010−247514A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247075(P2009−247075)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】