説明

プリプレグ及びそれを用いた積層体

【課題】誘電損失が低く、かつ配線埋め込み性に優れたプリプレグ、及び冷熱衝撃試験における耐クラック性に優れた、該プリプレグを用いて得られる積層体を提供すること。
【解決手段】樹脂成分、架橋剤及び充填剤を含む硬化性樹脂組成物を強化繊維に含浸してなり、前記樹脂成分が、共役ジエン重合体と;芳香族ビニル重合体及び芳香族ビニル−共役ジエン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の芳香族ビニル系重合体と;を含み、前記樹脂成分中の前記共役ジエン重合体と前記芳香族ビニル系重合体との比率が、重量比で、共役ジエン重合体/芳香族ビニル系重合体=10/90〜70/30の範囲であり、記硬化性樹脂組成物中の前記充填剤の配合量が、前記共役ジエン重合体100重量部に対して10〜500重量部であるプリプレグ、及びこれを用いて得られる積層体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路配線基板を含む多層配線基板等に好適なプリプレグ、及びこのようなプリプレグを用いた積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板は、一般に誘電体層と導体層とから構成される。近年、高度情報化時代を迎え、情報伝送は高速化・高周波化に動き出し、マイクロ波通信やミリ波通信が現実になってきている。これらの高周波化時代の回路基板の誘電体層は、高周波におけるノイズや伝送ロスを極限まで軽減する必要があり、そのためこのような誘電体層を形成する材料として誘電損失(tanδ)が小さい誘電体材料が望まれている。
【0003】
このような誘電損失の小さい誘電材料としては、ポリブタジエンやポリイソプレン等の共役ジエンポリマーが注目されている。
【0004】
たとえば、特許文献1には、ポリブタジエンまたはポリイソプレン樹脂と、該ポリブタジエンまたはポリイソプレン樹脂との架橋に関与し得る不飽和ブタジエンまたはイソプレン含有ポリマーとを含んでなる25〜50容量%の熱硬化性組成物と、10〜40容量%の織物と、5〜60容量%の粒状充填剤と、遊離ラジカル硬化開始剤とを含んでなる電気回路材料が開示されている。この特許文献1では、具体例として、室温液状の分子量5,000未満である1,2−ポリブタジンに対し重量比で0.26〜2.98量の固体ポリマーであるスチレン−ブタジエンブロックポリマー(スチレン単位含有量50重量%)と2.16〜11.7量の粒状充填剤としてのシリカやチタニアを用いてプリプレグを作製し、次いで2枚の銅箔間に複数枚の該プリプレグを積層し、硬化させて積層体を得る例が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、ポリブタジエン若しくはポリイソプレン樹脂がその全体の25〜50体積%の割合で含まれる熱硬化性組成物と、その全体当たりの10〜40体積%の割合で含まれる織布と、その全体当たりの5〜60体積%の割合で含まれる粒状フィラーと、フリーラジカル硬化イニシエーターと、難燃剤とを含んで構成される配線基板材料が開示されている。この特許文献2では、具体例として、樹脂成分として1,2−ポリブタジエンやスチレン−ブタジエン共重合体を、あるいは充填剤としてシリカやチタニアを種々の割合で配合させたプリプレグや積層体を製造している。例えば、1,2−ポリブタジエン14.6重量%、スチレン単位含有量50重量%のスチレン−ブタジエン−スチレントリブロックポリマー9.3重量%、ヒュームドシリカ44.7重量%を含むプリプレグ及び積層体が開示されている。また、1,2−ポリブタジエン4.4重量%、スチレン単位含有量50重量%のスチレン−ブタジエン−スチレントリブロックポリマー13.1重量%、ヒュームドシリカ51.3重量%を含むプリプレグ及び積層体が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献3には、全基板基準で約10体積%〜約75体積%の樹脂組成物であって、ポリブタジエンまたはポリイソプレン樹脂と、全樹脂組成物基準で最大約20重量%のゲル浸透クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が約50,000未満であるエチレン−プロピレンゴムとを含有する樹脂組成物と、約20〜約60phrの引火遅延剤と、全基板基準で最大約50体積%の編織物と、全基板基準で最大約65体積%の粒状充填剤と、適量の過酸化物硬化剤とを含む電気回路材料が開示されている。この特許文献3においては、具体例として、1,2−ポリブタジエン液状樹脂15.73重量%、スチレン単位含有量30重量%のスチレン−ブタジエン−スチレンの三ブロックコポリマー4.53重量%及びエチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン液状ゴムからなる樹脂成分、10ミクロンアモルファスシリカ65.96重量%、臭素系引火遅延剤10.03重量%及びジクミルパーオキサイド0.75重量%を含んでなる熱硬化性樹脂組成物を溶剤で溶解または分散させてスラリーとし、得られたスラリーにガラスウェブを浸漬し、溶剤を除去することによりプリプレグを形成し、得られたプリプレグを1層以上積層、加熱硬化することにより積層品を得ている。
【0007】
【特許文献1】特開平8−208856号公報
【特許文献2】特開平10−117052号公報
【特許文献3】特表2003−528450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、本発明者が評価したところ、前記文献に記載されるプリプレグ及び積層体では、配線埋め込み性や冷熱衝撃試験における耐クラック性に劣るという問題が認められた。
従って、本発明の目的は、誘電損失が低く、かつ配線埋め込み性に優れたプリプレグ、及び冷熱衝撃試験における耐クラック性に優れた、該プリプレグを用いて得られる積層体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討の結果、樹脂成分、架橋剤及び充填剤を含む硬化性樹脂組成物を強化繊維に含浸したプリプレグにおいて、樹脂成分として、共役ジエン重合体と;芳香族ビニル重合体及び芳香族ビニル−共役ジエン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の芳香族ビニル系重合体と;を組み合わせたものを用い、かつ、樹脂成分中における共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との重量比を特定範囲とすること、及びプリプレグ中の充填剤の配合量を特定割合とすることにより、回路基板上に積層して硬化させ積層体とした場合における誘電特性、配線埋め込み性、及び耐クラック性等の硬化特性が高度にバランスされることを見出し、このような知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明によれば、樹脂成分、架橋剤及び充填剤を含む硬化性樹脂組成物を強化繊維に含浸してなるプリプレグであって、前記樹脂成分が、共役ジエン重合体と;芳香族ビニル重合体及び芳香族ビニル−共役ジエン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の芳香族ビニル系重合体と;を含み、前記樹脂成分中の共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との重量比(共役ジエン単量体単位/芳香族ビニル単量体単位)が10/90〜70/30の範囲であり、前記硬化性樹脂組成物中の前記充填剤の配合量が、前記共役ジエン重合体100重量部に対して10〜500重量部であるプリプレグが提供される。
【0011】
好ましくは、前記硬化性樹脂組成物は、架橋助剤をさらに含む。
好ましくは、前記架橋助剤が、多官能架橋助剤である。
【0012】
また、本発明によれば、上記いずれかのプリプレグと、前記プリプレグまたは他の材料とを積層し、硬化することにより得られる積層体が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、誘電損失が低く、かつ配線埋め込み性に優れたプリプレグ、及び冷熱衝撃試験における耐クラック性に優れた、該プリプレグを用いて得られる積層体を提供することができる。特に、本発明の積層体は、誘電損失が低く、配線埋め込み性及び冷熱衝撃試験における耐クラック性に優れるため、通信機器用途等のマイクロ波またはミリ波等の高周波回路基板に好適に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のプリプレグは、樹脂成分、架橋剤及び充填剤を含む硬化性樹脂組成物を強化繊維に含浸してなり、前記樹脂成分が、共役ジエン重合体と;芳香族ビニル重合体及び芳香族ビニル−共役ジエン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の芳香族ビニル系重合体と;を含み、前記樹脂成分中の共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との重量比(共役ジエン単量体単位/芳香族ビニル単量体単位)が10/90〜70/30の範囲であり、前記硬化性樹脂組成物中の前記充填剤の配合量が、前記共役ジエン重合体100重量部に対して10〜500重量部である。
【0015】
まず、本発明で用いる硬化性樹脂組成物を構成する各成分について、説明する。
【0016】
樹脂成分
樹脂成分は、共役ジエン重合体と、芳香族ビニル重合体及び芳香族ビニル−共役ジエン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の芳香族ビニル系重合体とを含んでなるものである。
【0017】
共役ジエン重合体
本発明で用いる共役ジエン重合体は、共役ジエン単量体のみを重合してなる重合体であれば良く、工業的に一般に用いるものを格別な限定なく用いることができる。共役ジエン重合体を形成する共役ジエン単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、シアノブタジエン、ペンタジエンなどが挙げられる。これらのなかでも、ブタジエンやイソプレンが好ましく、ブタジエンがより好ましい。これら共役ジエン単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、共役ジエン重合体の重合様式としては、特に限定されず、使用目的に応じて適宜選択すれば良い。
【0018】
このような共役ジエン重合体の具体例としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリシアノブタジエン、ポリペンタジエンなどが挙げられる。これらのなかでも、ポリブタジエン、ポリイソプレンが好ましく、ポリブタジエンがより好ましい。
【0019】
本発明で用いる共役ジエン重合体の1,2−ビニル結合量は、特に限定されず、使用目的に応じて適宜選択すれば良いが、通常5モル%以上、好ましくは40モル%以上、より好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上である。共役ジエン重合体の1,2−ビニル結合量を上記範囲とすることにより、本発明のプリプレグを用いて得られる積層体の冷熱衝撃試験における耐クラック性や耐熱性が向上するので好ましい。
【0020】
本発明で用いる共役ジエン重合体の分子量は、特に限定されず、使用目的に応じて適宜選択すれば良いが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)で測定される重量平均分子量で、通常1,000〜1,000,000、好ましくは2,000〜200,000、より好ましくは2,500〜10,000の範囲である。
【0021】
本発明の共役ジエン系直鎖状重合体は公知の方法により製造することができる。共役ジエン系直鎖状重合体は、それぞれ単独で用いても良いし、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0022】
芳香族ビニル系重合体
本発明で用いる芳香族ビニル系重合体は、芳香族ビニル単量体単位を含む重合体であって、芳香族ビニル重合体及び芳香族ビニル−共役ジエン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
【0023】
芳香族ビニル重合体は芳香族ビニル単量体のみを重合してなるものである。芳香族ビニル重合体を形成する芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、N,N−ジエチルアミノエチルスチレンなどが挙げられる。これらのなかでも、スチレン、α−メチルスチレンが特に好ましい。これらの芳香族ビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】
また、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体は芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体のみを重合してなるものである。芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を形成する芳香族ビニル単量体としては、芳香族ビニル重合体と同様のものを、共役ジエン単量体としては、共役ジエン重合体と同様のものを、それぞれ用いればよい。
【0025】
芳香族ビニル重合体および芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の重合様式としては、特に限定されず、使用目的に応じて適宜選択すれば良い。
【0026】
本発明で用いる芳香族ビニル重合体としては、ポリスチレンやポリα−メチルスチレンが好ましく例示され、ポリスチレンが特に好ましい。
【0027】
本発明で用いる芳香族ビニル−共役ジエン共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれをも用いることができるが、プリプレグ及び積層体の配線埋め込み性と耐クラック性とのバランスを良好なものにすることができるという点より、ブロック共重合体が好ましい。このような芳香族ビニル−共役ジエン共重合体のブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体、スチレン−イソプレンジブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、α−スチレン−ブタジエン−α−スチレントリブロック共重合体などが挙げられる。これらのなかでも、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体、スチレン−ブタジン−スチレントリブロック共重合体が好ましい。
【0028】
本発明で用いる芳香族ビニル−共役ジエン共重合体中の芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位との重量比(芳香族ビニル単量体単位/共役ジエン単量体単位)は、特に限定されず、使用目的に応じて適宜選択すればよいが、通常20/80〜95/5、好ましくは30/70〜90/10、より好ましくは40/60〜80/20の範囲である。芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位との割合を上記範囲とすることで、得られるプリプレグ及び積層体の耐熱性、機械的強度及び配線埋め込み性のバランスを良好なものとでき好ましい。
【0029】
また、本発明で用いる芳香族ビニル−共役ジエン共重合体中の共役ジエン重合体部分の1,2−ビニル結合量は、特に限定されず、使用目的に応じて適宜選択すればよいが、通常5モル%、好ましくは15モル%以上、より好ましくは30モル%以上である。1,2−ビニル結合量を上記範囲とすることで、プリプレグ及び積層体の機械強度や耐熱性を向上させることができる。
【0030】
本発明で用いる芳香族ビニル重合体及び芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の分子量は、特に限定されず、使用目的に応じて適宜選択すれば良いが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)で測定される重量平均分子量で、通常1,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜100,000の範囲である。
【0031】
なお、芳香族ビニル系重合体を構成する芳香族ビニル重合体及び芳香族ビニル−共役ジエン共重合体は、それぞれ単独で用いても良いし、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできるが、本発明では、芳香族ビニル系重合体として、少なくとも芳香族ビニル重合体を含むものを用いることが好ましい。
【0032】
樹脂成分中の共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との重量比
本発明で用いる樹脂成分中における共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との重量比(共役ジエン重合体/芳香族ビニル系重合体)は10/90〜70/30である。樹脂成分中の共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との重量比がかかる範囲にないと、プリプレグ及び積層体の、配線埋め込み性と冷熱衝撃試験における耐クラック性とのバランスが劣る。共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との重量比としては、好ましくは20/80〜65/35、より好ましくは30/70〜60/40の範囲である。
なお、樹脂成分中の共役ジエン重合体と芳香族ビニル系重合体との重量比は、特に限定されるものではないが、共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との重量比が上記範囲となるよう適宜調整するのが好ましい。
【0033】
本発明で用いる樹脂成分中には、本発明の効果を損ねない範囲で、共役ジエン重合体及び芳香族ビニル系重合体以外の樹脂を含有していても良い。本発明の樹脂成分中、共役ジエン重合体及び芳香族ビニル系重合体以外の樹脂の含有量は、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。
【0034】
架橋剤
本発明で用いる架橋剤は、上記樹脂成分を架橋させ得るものであれば良く、特に限定されないが、通常ラジカル発生剤が用いられる。
【0035】
ラジカル発生剤としては、有機過酸化物、ジアゾ化合物、非極性ラジカル発生剤などが挙げられる。これらのなかでも、得られるプリプレグ及び積層体の誘電特性を高くすることができるという点より、有機過酸化物や非極性ラジカル発生剤が好ましく、有機過酸化物が特に好ましい。
【0036】
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類;ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどのジアルキルペルオキシド類;ジプロピオニルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド類;2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどのペルオキシケタール類;t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエートなどのペルオキシエステル類;t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、ジ(イソプロピルペルオキシ)ジカルボナートなどのペルオキシカルボナート類;t−ブチルトリメチルシリルペルオキシドなどのアルキルシリルペルオキサシド類;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、1,3−ジ(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのペルオキシケタール類;などが挙げられる。中でも、ジアルキルペルオキシド類およびペルオキシケタール類が好ましい。
【0037】
ジアゾ化合物としては、例えば、4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノンなどが挙げられる。
【0038】
非極性ラジカル発生剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、1,1,2−トリフェニルエタン、1,1,1−トリフェニル−2−フェニルエタンなどが挙げられる。
【0039】
ラジカル発生剤の1分半減期温度は、ラジカル発生剤の種類及び使用条件により適宜選択されるが、通常、50〜350℃、好ましくは100〜250℃、より好ましくは150〜230℃の範囲である。
【0040】
これらの架橋剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。架橋剤の使用量は、共役ジエン重合体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
【0041】
充填剤
本発明で用いる充填剤は、工業的に一般に使用される粒子状充填剤であれば良く、特に限定されないが、通常は無機系充填剤が用いられる。
【0042】
無機系充填剤としては、例えば、鉄、銅、ニッケル、金、銀、アルミニウム、鉛、タングステン等の金属粒子;カーボンブラック、グラファイト、活性炭、炭素バルーン等の炭素粒子;シリカ、シリカバルーン、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化すず、酸化アンチモン、酸化ベリリウム、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の無機酸化物粒子;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機水酸化物粒子;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム等の無機炭酸塩粒子;硫酸カルシウム等の無機硫酸塩粒子;タルク、クレー、マイカ、カオリン、フライアッシュ、モンモリロナイト、ケイ酸カルシウム、ガラス、ガラスバルーン等の無機ケイ酸塩粒子;チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛等のチタン酸塩粒子;窒化アルミニウム、炭化ケイ素粒子やウィスカー等が挙げられる。これらの中でも、プリプレグ及び積層体の誘電特性と耐熱性とのバランスを良好なものとすることができるという点より、金属粒子、無機酸化物粒子、無機水酸化物粒子、無機ケイ酸塩粒子及びチタン酸塩粒子などが好ましく、無機酸化物粒子やチタン酸塩粒子などがより好ましい。
【0043】
これらの充填剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。硬化性樹脂組成物中における、充填剤の配合量は、共役ジエン重合体100重量部に対して、10〜500重量部である。充填剤の配合量がかかる範囲にないと、プリプレグ及び積層体の、配線埋め込み性と冷熱衝撃試験における耐クラック性とのバランスが劣る。充填剤の配合量としては、好ましくは50〜450重量部、より好ましくは100〜400重量部の範囲である。
【0044】
架橋助剤
本発明で用いる硬化性樹脂組成物には、上記樹脂成分、架橋剤及び充填剤に加えて、架橋助剤を配合しても良い。硬化性樹脂組成物に架橋助剤を配合することにより、プリプレグ及び積層体の、配線埋め込み性や冷熱衝撃試験における耐クラック性を向上させることができる。
【0045】
架橋助剤としては、工業的に一般的に用いられるものであれば良く、特に限定されないが、プリプレグ及び積層体の、配線埋め込み性と耐熱性等の硬化特性のバランスを良好なものとすることができるという点より、多官能架橋助剤が好適に用いられる。
【0046】
多官能架橋助剤としては工業的に一般的に用いられるものであれば良く、特に限定されないが、例えば、一分子中に炭素−炭素不飽和結合を2つ以上有する多官能架橋助剤を用いることができる。多官能架橋助剤の具体例としては、p−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、o−ジイソプロペニルベンゼンなどの2官能架橋助剤;トリイソプロペニルベンゼン、トリアクリルイソシアネート、トリメタアリルイソシアネートなどの3官能架橋助剤;等が挙げられる。
【0047】
これらの架橋助剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。硬化性樹脂組成物中における、架橋助剤の配合量は、特に限定されず、使用目的に応じて適宜選択されるが、共役ジエン重合体100重量部に対して、通常0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜50重量部、さらに好ましくは1〜30重量部の範囲である。
【0048】
その他の配合剤
また、硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、老化防止剤、難燃剤、着色剤、染料、顔料などのその他の配合剤を配合しても良い。これらその他の配合剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、本発明の効果を損ねない範囲で適宜選択すれば良い。
【0049】
本発明に使用される硬化性樹脂組成物は、上記成分を混合して得ることができる。混合方法としては、特に限定されず、常法に従って行なうことができる。
【0050】
強化繊維
本発明で用いる強化繊維としては、特に限定されないが、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維、アラミド繊維、超高分子ポリエチレン繊維、ポリアミド(ナイロン)繊維、液晶ポリエステル繊維などの有機繊維;ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、タングステン繊維、モリブデン繊維、ブデン繊維、チタン繊維、スチール繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイド繊維、シリカ繊維などの無機繊維;などを挙げることができる。これらの中でも、有機繊維やガラス繊維が好ましく、特にアラミド繊維、液晶ポリエステル繊維、ガラス繊維が好ましい。ガラス繊維としては、Eガラス、NEガラス、Sガラス、Dガラス、Hガラス等の繊維が好適に用いることができる。
【0051】
これらの強化繊維は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。強化繊維の配合量は、特に限定されず、使用目的に応じて適宜選択されるが、プリプレグまたは積層体中において、通常10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%の範囲である。配合量をこの範囲とすることにより、プリプレグ及び積層体の誘電特性と耐熱性とのバランスを良好なものとすることができる。
【0052】
プリプレグ
本発明のプリプレグは、上記硬化性樹脂組成物を上記強化繊維に含浸することにより製造される。
【0053】
本発明のプリプレグを製造する際における含浸方法としては、常法に従えばよく、例えば、ウェット法やホットメルト法(ドライ法)などが挙げられるが、通常は、ウェット法が用いられる。
ウェット法によれば、樹脂成分、架橋剤、充填剤、及び必要に応じて添加される老化防止剤やその他の配合剤を溶媒に溶解し、低粘度化した硬化性樹脂組成物を調製し、低粘度化した硬化性樹脂組成物を強化繊維に含浸させ、次いで、脱溶媒させることにより、プリプレグを調製する。低粘度化した硬化性樹脂組成物の調製に用いられる溶媒としては、例えば、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。
ホットメルト法(ドライ法)によれば、リリースペーパー上に硬化性樹脂組成物(実質的に溶媒を含まない。)をコーティングし、その上に強化繊維を引き揃え、加熱溶解した樹脂をロールあるいはドクターブレード等で加圧含浸させ、その後、放冷することにより、プリプレグを調製する。
【0054】
ウェット法で含浸させた後の乾燥温度は、通常50〜250℃、好ましくは100〜200℃、より好ましくは120〜170℃の範囲であるが、本発明では、この温度範囲とすることに加えて、硬化性樹脂組成物に含有させたラジカル発生剤(架橋剤)の1分半減期温度を考慮した温度とすることがさらに好ましい。すなわち、乾燥温度は、好ましくはラジカル発生剤の1分半減期温度以下、より好ましくは1分半減期温度の10℃以下の温度、さらに好ましくは1分半減期温度の20℃以下の温度である。ここで1分間半減期温度は、ラジカル発生剤の半量が1分間で分解する温度である。例えば、ジ−t−ブチルペルオキシドでは186℃、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシンでは194℃である。乾燥時間は適宜選択すればよいが、通常0.1〜120分間、好ましくは0.5〜60分間、より好ましくは1〜30分間の範囲である。
【0055】
本発明のプリプレグの厚みは、特に限定されず、使用目的に応じて適宜選択すれば良いが、通常0.001〜10mm、好ましくは0.01〜1mm、より好ましくは0.02〜0.2mmの範囲である。厚みを上記範囲とすることにより、プリプレグの操作性や、プリプレグを硬化して得られる積層体の機械強度と靭性の特性とのバランスを良好なものとすることができる。
【0056】
本発明のプリプレグの揮発成分量は、200℃にて1時間の条件で加熱した場合における揮発量で、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。プリプレグの揮発成分量が多すぎると、プリプレグのベタ付きが発生し操作性及び保存安定性が悪くなり、また、硬化後の積層体にボイドが発生し外観や機械強度が低下したり、ブリードや、耐熱性、耐薬品性等の低下の問題が生ずる傾向があるため、好ましくない。
【0057】
積層体
本発明の積層体は、上記本発明のプリプレグを2以上積層し、必要に応じて賦形し、硬化することにより製造される。あるいは、上記本発明のプリプレグを他の材料(本発明のプリプレグ以外の材料)と積層して、必要に応じて賦形し、硬化することにより製造される。
【0058】
本発明のプリプレグに積層させる他材料としては、特に限定されず、使用目的に応じて適宜選択されるが、例えば、熱可塑性樹脂材料、金属材料などが挙げられ、特に金属材料が好適に用いられる。金属材料としては、回路基板で一般に用いられるものを用いることができ、通常、金属箔、好ましくは銅箔が用いられる。金属材料の厚みは、特に限定されず、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常1〜50μm、好ましくは3〜30μm、より好ましくは5〜20μm、さらに好ましくは5〜15μmの範囲である。
【0059】
本発明の積層体を製造する際における、積層及び硬化方法としては、常法に従えはよく、例えば、平板成形用のプレス枠型を有する公知のプレス機、シートモールドコンパウンド(SMC)やバルクモールドコンパウンド(BMC)などのプレス成形機を用いて加熱プレスを行なうことができる。
【0060】
積層及び硬化を行う際における加熱温度は、ラジカル発生剤による架橋が起こる温度であり、通常ラジカル発生剤の1分半減期温度以上、好ましくはラジカル発生剤の1分半減期温度より5℃以上高い温度、より好ましくはラジカル発生剤の1分半減期温度より10℃以上高い温度であり、通常は100〜300℃、好ましくは150〜250℃の範囲である。加熱時間は、通常0.1〜180分、好ましくは1〜120分、より好ましくは2〜20分の範囲である。プレス圧力は、通常0.1〜20MPa、好ましくは0.1〜10MPa、より好ましくは1〜5MPaである。また、熱プレスは、真空または減圧雰囲気下で行ってもよい。
【0061】
このようにして得られる本発明の積層体は、高周波領域での誘電特性、配線埋め込み性、及び冷熱衝撃試験における耐クラック性に優れるため、広範囲に用いられる高周波基板材料として好適に用いることができる。具体的には、本発明の積層体は、通信機器用途等のマイクロ波またはミリ波等の高周波回路基板に好適に用いることができる。
【実施例】
【0062】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断りのない限り重量基準である。
また、試験、評価は下記によった。
【0063】
(1)誘電損失
積層体について、インピダンスアナライザーを用いて1GHzにおける誘電損失(tanδ)を容量法で測定した。なお、測定結果は以下の基準で評価した。
良好:0.01以下
不良:0.01超
【0064】
(2)配線埋め込み性
積層体の中心部分を配線に対して垂直方向に切断し、得られた切断面における複数の配線箇所のうち任意の5断面を観察することにより、配線埋め込み性の評価を行った。なお、結果は以下の基準で評価した。
良好:5断面を観察した結果、配線が埋め込まれていない部分が確認されない
不良:5断面のうち、配線が埋め込まれていない部分が確認される
【0065】
(3)耐クラック性
積層体について、−40℃〜125℃の冷熱衝撃試験を100サイクル行い、100サイクルの冷熱衝撃試験後の積層体の外観観察を行うことで、以下の基準に従って耐クラック性を評価した。
良好:外観観察の結果、クラックの発生が確認されない
不良:外観観察の結果、クラックの発生が確認される
【0066】
実施例1
共役ジエン重合体としてのポリブタジエン(ポリブタジエン樹脂B3000、日本曹達(株)製、重量平均分子量3000、1,2−ビニル結合量95モル%)100部;芳香族ビニル系重合体としての、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体(重量平均分子量50,000、スチレン単位含有量50%、ポリブタジエン部分の1,2−ビニル結合量95モル%)100部、及びポリスチレン(重量平均分子量60,000)75部;充填剤としてのシリカ(アドマファイン製、体積平均粒子径0.5μm)300部;架橋剤としてのジ−t−ブチルペルオキシド1.2部;及び架橋助剤としてのジイソプロペニルベンゼン20部を、溶媒としてのキシレン中で混合し、硬化性樹脂組成物を得た。
樹脂成分中、共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との重量比(ブタジエン単位/スチレン単位)は150/125であった。なお、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体中のスチレン単位及びブタジエン単位の含有量は、1H−NMR測定により算出した。また、前記ポリブタジエン及びポリブタジエン部分の1,2−ビニル結合量は、1H−NMR測定により、不飽和結合ピーク総量と、1,2−付加重合に由来する不飽和結合ピークとの面積比から求めた。
【0067】
次いで、得られた硬化性樹脂組成物をガラスクロス(Eガラス)に含浸させ、加熱することにより、溶媒としてのキシレンを除去してシート状のプリプレグを作製した。プリプレグ中における強化繊維(ガラスクロス)含有量は50%であった。
【0068】
次いで、上記にて作製したプリプレグシートを回路基板(L/S=50μm)上に重ね、200℃で10分間、3MPaの圧力で加熱プレスを行うことにより、積層体を得た。そして、得られた積層体について、上記方法に従い、誘電損失、配線埋め込み性及び耐クラック性の各評価を行った。結果を表1に示す。
【0069】
実施例2
ポリスチレンの配合量を75部から100部に変更した以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ及び積層体を作製し、得られた積層体について実施例1と同様にして各評価を行った。結果を表1に示す。
【0070】
比較例1
スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体100部の代わりに、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体(スチレン単位含有量50%)70部を用い、ポリスチレン及び充填剤を使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ及び積層体を作製し、得られた積層体について実施例1と同様にして各評価を行った。結果を表1に示す。
【0071】
比較例2
スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体の配合量を100部から300部に変更し、ポリスチレンを使用せず、さらに、シリカの配合量を300部から800部に変更した以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ及び積層体を作製し、得られた積層体について実施例1と同様にして各評価を行った。結果を表1に示す。
【0072】
【表1】

【0073】
表1に示すように、硬化性樹脂組成物を構成する樹脂成分中の、共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位の重量比を所定の範囲とし、かつ、充填剤としてのシリカの配合割合を本発明所定の範囲内とすることにより、得られる積層体は、誘電損失が低く、配線埋め込み性及び冷熱衝撃試験における耐クラック性に優れたものとなる結果となった(実施例1,2)。
これに対して、充填剤としてのシリカを配合しない場合には、得られる積層体は配線埋め込み性に劣る結果となった(比較例1)。
また、充填剤としてのシリカの配合量が多すぎる場合には、配線埋め込み性及び耐クラック性に劣る結果となった(比較例2)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂成分、架橋剤及び充填剤を含む硬化性樹脂組成物を強化繊維に含浸してなるプリプレグであって、
前記樹脂成分が、共役ジエン重合体と;芳香族ビニル重合体及び芳香族ビニル−共役ジエン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の芳香族ビニル系重合体と;を含み、前記樹脂成分中の共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との重量比(共役ジエン単量体単位/芳香族ビニル単量体単位)が10/90〜70/30の範囲であり、
前記硬化性樹脂組成物中の前記充填剤の配合量が、前記共役ジエン重合体100重量部に対して10〜500重量部であるプリプレグ。
【請求項2】
前記硬化性樹脂組成物が、架橋助剤をさらに含む請求項1に記載のプリプレグ。
【請求項3】
前記架橋助剤が、多官能架橋助剤である請求項2に記載のプリプレグ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグと、前記プリプレグまたは他の材料とを積層し、硬化することにより得られる積層体。

【公開番号】特開2010−37399(P2010−37399A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200176(P2008−200176)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000229117)日本ゼオン株式会社 (1,870)
【Fターム(参考)】