説明

プロセスユニット

【課題】帯電ワイヤへの異物の付着を良好に抑制することができる、プロセスユニットを提供する。
【解決手段】感光ドラム5および帯電ワイヤ31は、帯電フレーム34に保持されている。帯電フレーム34内には、第1流路空間55および第2流路空間56が提供されている。第1流路空間55は、左右方向に延びている。第2流路空間56は、第1流路空間55と連通している。そのため、第1流路空間55を流れる空気は、第1流路空間55から第2流路空間56に供給され、第2流路空間56内を前側上方から後側下方に向けて流れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に備えられるプロセスユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラープリンタにおいて、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色に対応した4つの感光ドラムを並列に配置した、いわゆるタンデム型のものが知られている。
【0003】
このタンデム型のカラープリンタには、各感光ドラムに対応して、スコロトロン型帯電器および現像カートリッジが設けられている。
【0004】
スコロトロン型帯電器は、感光ドラムの並び方向において、各感光ドラムの一方側に配置されている。スコロトロン型帯電器は、図7に示すように、帯電ワイヤ(放電線)101および帯電ワイヤ101を清掃するワイヤクリーナ(図示せず)を収容する枠体102を備えている。枠体102は、感光ドラム103側と反対側の側面が開放されており、枠体102には、その開放された側面を閉塞するための平板状の開閉蓋部104が取り付けられている。開閉蓋部104の内側には、仕切片105が設けられている。
【0005】
開閉蓋部104が閉められた状態で、スコロトロン型帯電器内の空間は、仕切片105により、帯電ワイヤ101およびワイヤクリーナが配置される空間(以下、単に「帯電空間106」という。)と帯電ワイヤ101に空気を供給するための送風空間107とに区画される。送風空間107から帯電ワイヤ101(帯電空間106)に空気が送られることにより、帯電ワイヤ101への異物の付着を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−72420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記提案に係る構成では、送風空間107から帯電空間106に流入した空気の流れについては、帯電ワイヤ101に空気を導くための配慮が何らなされておらず、帯電空間106に流入した空気は、平板状の開閉蓋部104の内面に沿って流れ、帯電ワイヤ101から外れた位置に導かれる。そのため、帯電ワイヤ101に異物が付着するのを良好に抑制することができないおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、帯電ワイヤへの異物の付着を良好に抑制することができる、プロセスユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、本発明は、プロセスユニットであって、感光ドラムと、前記感光ドラムの軸線方向に延び、放電により前記感光ドラムの表面を帯電させるための帯電ワイヤと、前記感光ドラムおよび前記帯電ワイヤを保持し、前記軸線方向に延びる第1流路空間、および前記第1流路空間と連通し、前記第1流路空間から流入する空気が前記軸線方向と直交する方向に流れる第2流路空間を提供するケーシングとを備え、前記ケーシングには、前記第2流路空間に臨み、前記帯電ワイヤに向けて延び、前記第2流路空間を流れる空気を前記帯電ワイヤに向けて案内するための案内面が形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、感光ドラムおよび帯電ワイヤは、ケーシングに保持されている。ケーシング内には、第1流路空間および第2流路空間が提供されている。第1流路空間は、感光ドラムの軸線方向に延びている。第2流路空間は、第1流路空間と連通している。そのため、第1流路空間を流れる空気は、第1流路空間から第2流路空間に供給され、第2流路空間内を軸線方向と直交する方向に流れる。
【0011】
そして、ケーシングには、第2流路空間に臨み、帯電ワイヤに向けて延びる案内面が形成されている。そのため、第2流路空間内を軸線方向と直交する方向に流れる空気は、案内面に案内されて、帯電ワイヤに供給される。よって、帯電ワイヤに空気を効率よく供給することができ、帯電ワイヤへの異物の付着を良好に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るカラープリンタの側断面図である。
【図2】図2は、図1に示すドラムユニットの左後側上方から見た斜視図である。
【図3】図3は、図2に示す右側の側板の前端部の側面図である。
【図4】図4は、スコロトロン型帯電器および感光ドラムの側面図である。
【図5】図5は、カバー部材の斜視図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施形態に係るスコロトロン型帯電器および感光ドラムの側面図である。
【図7】図7は、従来のスコロトロン型帯電器および感光ドラムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
1.カラープリンタの全体構成
プリンタ1は、タンデム型のカラープリンタである。図1に示すように、プリンタ1の本体ケーシング2内には、プロセスユニットの一例としてのドラムユニット3が装着されている。このドラムユニット3は、本体ケーシング2の一方側壁に設けられたフロントカバー4を開けて、本体ケーシング2に対して着脱可能となっている。
【0014】
なお、以下の説明において、フロントカバー4が設けられる側(図1における左側)を前側(正面側)とし、その反対側(図1における右側)を後側(背面側)とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。
【0015】
ドラムユニット3には、4つの感光ドラム5が備えられている。4つの感光ドラム5は、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色に対応して設けられ、前後方向に沿って、前側からブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの順に等間隔に並列に配置されている。
【0016】
また、ドラムユニット3には、各感光ドラム5に対応して、帯電器の一例としてのスコロトロン型帯電器6と、現像カートリッジ7とが備えられている。現像カートリッジ7は、感光ドラム5にトナー(現像剤)を供給するための現像ローラ8と、内部にトナーを収容するボックス形状をなし、下端部に現像ローラ8をその周面の一部が露出する状態で保持する現像フレーム9とを含む構成である。各現像カートリッジ7は、ドラムユニット3に対して着脱可能に装着されている。
【0017】
ドラムユニット3の上方には、各色に対応した4本のレーザビームを出射する露光器10が配置されている。
【0018】
感光ドラム5の回転に伴って、感光ドラム5の表面は、スコロトロン型帯電器6からの放電によって一様に帯電された後、露光器10からのレーザビームにより選択的に露光される。この露光によって、感光ドラム5の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム5の表面に静電潜像が形成される。静電潜像が現像ローラ8に対向すると、現像ローラ8から静電潜像にトナーが供給される。これにより、感光ドラム5の表面にトナー像が形成される。
【0019】
なお、露光器10に代えて、4つのLEDアレイが各感光ドラム5に対応して設けられてもよい。
【0020】
本体ケーシング2の底部には、用紙Pを収容する給紙カセット11が配置されている。給紙カセット11に収容されている用紙Pは、各種ローラにより、搬送ベルト12上に搬送される。搬送ベルト12は、4つの感光ドラム5に下方から対向して配置されている。感光ドラム5に対して搬送ベルト12の上側部分を挟んで対向する各位置には、転写ローラ13が配置されている。搬送ベルト12上に搬送された用紙Pは、搬送ベルト12の走行により、搬送ベルト12と各感光ドラム5との間を順次に通過する。そして、感光ドラム5の表面上のトナー像は、用紙Pと対向したときに、転写ローラ13に印加された転写バイアスによって、用紙Pに転写される。
【0021】
搬送ベルト12に対して用紙Pの搬送方向における下流側には、定着器14が設けられている。トナー像が転写された用紙Pは、定着器14に搬送される。定着器14では、加熱および加圧により、トナー像が用紙Pに定着される。トナー像が定着した用紙Pは、各種ローラにより、本体ケーシング2の上面の排紙トレイ15に排出される。
2.ドラムユニット
図2に示すように、ドラムユニット3は、左右方向に間隔を空けて対向配置される1対の側板21と、両側板21の前端部間に架設されるフロントビーム22と、両側板21の後端部間に架設されるリヤビーム23とを備えている。
【0022】
4つの感光ドラム5は、フロントビーム22とリヤビーム23との間において、等間隔で並列に配置され、その両端部が側板21に回転自在に保持されている。
【0023】
スコロトロン型帯電器6は、各感光ドラム5の後側に配置され、両側板21に左右方向両側から挟持されている。
【0024】
また、各感光ドラム5の前側には、現像カートリッジ7(図1参照)が着脱可能に装着される装着位置24が設定されている。
【0025】
フロントビーム22は、樹脂からなる。フロントビーム22の左右方向中央部には、前側把持部25が一体的に形成されている。前側把持部25は、正面視略U字状をなし、その各遊端部がフロントビーム22に連結され、フロントビーム22から上方に突出するように設けられている。
【0026】
リヤビーム23は、樹脂からなる。リヤビーム23の左右方向中央部には、後側把持部26が一体的に形成されている。後側把持部26は、背面視略U字状をなし、その各遊端部がリヤビーム23に連結され、後側下方から前側上方に傾斜して、リヤビーム23から斜め上方に突出するように設けられている。
【0027】
フロントカバー4(図1参照)が開かれた状態で、前側把持部25を把持して、ドラムユニット3を本体ケーシング2(図1参照)に対して前後方向にスライドさせることができる。そして、後側把持部26が本体ケーシング2の前端部に位置するまでドラムユニット3が引き出された状態で、前側把持部25および後側把持部26の両方を把持して、ドラムユニット3を本体ケーシング2から離脱させることができる。
【0028】
各側板21の左右方向内側の面(左側の側板21の右側面、右側の側板21の左側面)には、両側板21間に対する現像カートリッジ7の着脱を案内するための4つのカートリッジ案内部27が前後方向に互いに一定間隔を空けて形成されている。カートリッジ案内部27は、側板21の内側面を外側に向かって切り欠いた形状に形成され、側板21の上端部から後側下方に向けて一定勾配で傾斜し、その下端部が感光ドラム5に向けられている。各カートリッジ案内部27は、現像カートリッジ7が装着される装着位置24に左右方向外側から対向している。
【0029】
図3に示すように、右側の側板21には、4つの略四角形状の空気孔30が左右方向に貫通して形成されている。空気孔30は、各スコロトロン型帯電器6(図2参照)と左右方向に対向する位置に設けられている。これにより、スコロトロン型帯電器6の内部は、空気孔30を介して側板21の外側(右側)と連通している。よって、スコロトロン型帯電器6の内部には、側板21の外側から空気孔30を通して空気が供給される。
3.スコロトロン型帯電器
図4に示すように、スコロトロン型帯電器6は、帯電ワイヤ31と、帯電グリッド32と、紙粉取りローラ33と、これらを一括して保持するケーシングの一例としての帯電フレーム34と、帯電フレーム34に取り付けられるカバー部材35とを備えている。
【0030】
帯電フレーム34は、左右方向に延び、その両端部が側板21(図2参照)の内面に固定されている。帯電フレーム34内には、上側空間36と、上側空間36に対して下側に隣接し、感光ドラム5に対して後側に配置される下側空間37とが提供されている。
【0031】
上側空間36は、後斜め上方に向けて開放されている。言い換えれば、帯電フレーム34には、後斜め上方に向かって開放された開口38が形成されており、上側空間36は、その開口38に臨んでいる。
【0032】
また、上側空間36の下部は、帯電ワイヤ31および帯電グリッド32が配置される帯電空間39として形成されている。帯電空間39は、帯電フレーム34に囲まれており、前斜め下方および後斜め上方に向けて開放されている。帯電空間39は、帯電フレーム34を略上下方向に貫通するフレーム開口40を介して、上側空間36の下部と連通している。
【0033】
下側空間37は、前方に向けて開放されている。紙粉取りローラ33は、下側空間37内に配置され、その周面が感光ドラム5の周面における後側部分に当接している。感光ドラム5の表面に付着している紙粉などの除去対象物(異物)は、感光ドラム5の回転に伴って紙粉取りローラ37と対向したときに、紙粉取りローラ37に回収される。
【0034】
そして、図4に破線で示すように、帯電フレーム34の右側面には、後述する第1流路空間55と左右方向に対向する位置に、帯電フレーム34を左右方向に貫通する略四角形状の空気供給口41が形成されている。空気供給口41は、右側の側板21に形成された空気孔30(図3参照)と左右方向に対向している。これにより、側板21(図3参照)の外側から空気孔30を通して供給される空気は、空気供給口41を通して上側空間36に流入し、上側空間36(第1流路空間55)を左側に向かって流れる。
【0035】
カバー部材35は、帯電フレーム34とほぼ同じ左右方向の幅を有する板状に形成されている。図5に示すように、カバー部材35は、帯電フレーム34に取り付けられた状態で、前側下方に向けて開放される側面視コ字状の支持部45と、支持部45から連続して前側上方に延びる封止部46とを一体的に備えている。
【0036】
支持部45の内側には、帯電フレーム34におけるフレーム開口40に臨む部分が挿入される。これにより、カバー部材35が帯電フレーム34に支持される。また、この支持部45を支点としてカバー部材35が揺動されることにより、カバー部材35が上側空間36を開放する開位置と上側空間36を閉塞する閉位置とに変位される。
【0037】
封止部46は、帯電フレーム34の開口38を覆い尽くす大きさに形成されている。封止部46の内面(カバー部材35が帯電フレーム34に取り付けられた状態で、上側空間36に臨む面)には、流量調整板50が左右方向に沿って設けられている。
【0038】
流量調整板50は、封止部46の内面から、封止部46に対してほぼ垂直方向に突出して形成され、カバー部材35とほぼ同じ幅を有する略矩形板状に形成されている。流量調整板50には、その突出方向に延びる矩形状の送風孔51が、左右方向にわたって等間隔に複数形成されている。これにより、流量調整板50は、封止部46から垂直方向に延び、その先端部が閉塞された櫛歯形状をなしている。
【0039】
図4に示すように、カバー部材35が帯電フレーム34に取り付けられた状態で、流量調整板50は、上側空間36内に配置される。これにより、上側空間36は、空気供給口41(図4参照)と左右方向に対向する第1流路空間55と、第1流路空間55に対して後側下方に隣接する第2流路空間56とに区画される。
【0040】
封止部46における第2流路空間56に臨む部分は、支持部45側に近づくにつれて帯電ワイヤ31に向かうように湾曲する案内面57をなしている。具体的には、案内面57は、その内面が平面60をなす平面部58と、平面部58に連続し、その内面が湾曲面61をなす湾曲部59とを一体的に備えている。
【0041】
平面60は、流量調整板50に対してほぼ直交している。
【0042】
湾曲面61は、平面60に連続し、帯電フレーム34の外側に向けて膨出する円弧状に形成されている。湾曲面61は、4mm以上20mm以下の曲率半径を有している。また、湾曲面61は、平面部58に連続する側とは反対側の端部(以下、単に「下流側端部」という。)の接線Lが帯電ワイヤ31の近傍を通過するように湾曲している。
【0043】
湾曲面61の下流側端部の接線Lと帯電ワイヤ31との直線距離D1は、たとえば、5mm以内である。また、湾曲面61の下流側端部と帯電ワイヤ31との直線距離D2は、たとえば、10mm以内、好ましくは8mm以内である。
【0044】
側板21(図3参照)の外側の空気は、空気孔30および空気供給口41を通して上側空間36における第1流路空間55に流入し、第1流路空間55内を右側から左側に向けて流れる。そして、第1流路空間55を流れる空気は、流量調整板50の送風孔51(図6参照)を介して第2流路空間56に流入する。
【0045】
第2流路空間56に流入した空気は、案内面57における平面60および湾曲面61により、その流れ方向を変えつつ案内され、帯電ワイヤ31が収容されている帯電空間39に流入する。
4.作用効果
以上のように、感光ドラム5および帯電ワイヤ31は、帯電フレーム34に保持されている。帯電フレーム34内には、第1流路空間55および第2流路空間56が提供されている。第1流路空間55は、左右方向に延びている。第2流路空間56は、第1流路空間55と連通している。そのため、第1流路空間55を流れる空気は、第1流路空間55から第2流路空間56に供給され、第2流路空間56内を帯電空間39に向けて流れる。
【0046】
そして、帯電フレーム34には、第2流路空間56に臨み、帯電ワイヤ31に向けて延びる案内面57が形成されている。そのため、第2流路空間56内を帯電空間39に向けて流れる空気は、案内面57により、帯電ワイヤ31に向かう方向に案内される。よって、帯電ワイヤ31に空気を効率よく供給することができ、帯電ワイヤ31への異物の付着を良好に抑制することができる。
【0047】
また、案内面57は、第2流路空間56を流れる空気の流れ方向の下流側端部が湾曲面61である。そのため、湾曲面61に案内される空気を、その流れが淀むことなく帯電ワイヤ31へスムーズに供給することができる。
【0048】
また、湾曲面61は、その下流側端部の接線Lが帯電ワイヤ31の近傍を通過するように湾曲している。この湾曲面61は、4mm以上20mm以下の曲率半径を有している。
【0049】
また、帯電ワイヤ31と接線Lとの直線距離D1が5mm以内であり、帯電ワイヤ31と案内面57の流れ方向の下流側端部との直線距離D2が10mm以内である。これにより、案内面57に案内される空気を帯電ワイヤ31により効率よく供給することができる。
5.第2実施形態
図6に示すように、カバー部材35の案内面57は、複数の平面部80〜82を有している。
【0050】
第1平面部80は、その内面が第1平面83をなしている。第1平面83は、流量調整板50とカバー部材35との接続部分から流量調整板50に対してほぼ直交する方向に延びている。
【0051】
第2平面部81は、その内面が第2平面84をなしている。第2平面84は、第1平面83における空気の流れ方向の下流側端部(以下、単に「下流側端部」という。)に連続し、第1平面83よりも帯電ワイヤ31側に向けて延びている。
【0052】
第3平面部82は、その内面が第3平面85をなしている。第3平面85は、第2平面部84の下流側端部に連続し、第2平面部84よりも帯電ワイヤ31側に向けて延びている。また、第3平面85は、その延長線が、帯電ワイヤ31の近傍を通過するような角度をなしている。
【0053】
したがって、第1平面83、第2平面84および第3平面85は、全体として擬似的な円弧を描くように接続されている。そのため、第2流路空間56を流れる空気は、案内面57における各平面83〜85により、その流れ方向を変えつつ案内され、帯電ワイヤ31が収容されている帯電空間39に流入する。
【0054】
以上のように、案内面57は、第1平面部80、第2平面部81および第3平面部82を備えている。第3平面部82は、帯電ワイヤ31に向けて延びている。そのため、第2流路空間56を流れる空気は、第1平面83、第2平面84および第3平面85に沿って案内されて、帯電ワイヤ31に供給される。よって、帯電ワイヤ31に空気を効率よく供給することができ、帯電ワイヤ31への異物の付着を良好に抑制することができる。
【0055】
また、第3平面85は、側面視において、その延長線が帯電ワイヤ31の近傍を通過するような角度に形成されている。これにより、第3平面85に案内される空気を帯電ワイヤ31に向けてより効率よく供給することができる。
6.変形例
以上、本発明の2つの実施形態を説明したが、本発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
【0056】
たとえば、第2実施形態において、案内面57は、第1平面部80、第2平面部81および第3平面部82の3つの平面部からなるとしたが、案内面57は、空気の流れ方向の下流側端部に配置される平面部が帯電ワイヤ31に向けられていればよく、2つの平面部により構成されてもよいし、4つ以上の平面部により構成されていてもよい。
【0057】
また、カバー部材35は、帯電フレーム34と同一の材料(たとえば、樹脂材料)により形成されていてもよいし、弾性を有するゴム材料により形成されていてもよい。
【0058】
また、流量調整板50は、帯電フレーム34に対して固定的に配置されていてもよい。
【0059】
また、スコロトロン型帯電器6には、帯電ワイヤ31を清掃するためのクリーニング部材が設けられていてもよい。たとえば、フレーム開口40にクリーニング部材を左右方向にスライド移動可能に設け、カバー部材35を帯電フレーム34から取り外した状態で、クリーニング部材をスライドさせることにより、帯電ワイヤ31の表面に付着した除去対象物(異物)を除去することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 プリンタ
2 本体ケーシング
3 ドラムユニット
5 感光ドラム
6 スコロトロン型帯電器
31 帯電ワイヤ
34 帯電フレーム
55 第1流路空間
56 第2流路空間
57 案内面
61 湾曲面
80 第1平面部
81 第2平面部
82 第3平面部
D1 直線距離
D2 直線距離
L 接線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光ドラムと、
前記感光ドラムの軸線方向に延び、放電により前記感光ドラムの表面を帯電させるための帯電ワイヤと、
前記感光ドラムおよび前記帯電ワイヤを保持し、前記軸線方向に延びる第1流路空間、および前記第1流路空間と連通し、前記第1流路空間から流入する空気が前記軸線方向と直交する方向に流れる第2流路空間を提供するケーシングとを備え、
前記ケーシングには、前記第2流路空間に臨み、前記帯電ワイヤに向けて延び、前記第2流路空間を流れる空気を前記帯電ワイヤに向けて案内するための案内面が形成されている、プロセスユニット。
【請求項2】
前記案内面は、少なくとも前記第2流路空間を流れる空気の流れ方向の下流側端部が湾曲面である、請求項1に記載のプロセスユニット。
【請求項3】
前記案内面の前記下流側端部は、前記軸線方向と直交する方向に沿って切断したときの断面において、前記流れ方向の下流端における接線が前記帯電ワイヤの近傍を通過するように、湾曲している、請求項2に記載のプロセスユニット。
【請求項4】
前記帯電ワイヤと前記接線との直線距離が5mm以内である、請求項3に記載のプロセスユニット。
【請求項5】
前記帯電ワイヤと前記案内面の前記流れ方向の下流端との直線距離が10mm以内である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセスユニット。
【請求項6】
前記湾曲面は、4mm以上20mm以下の曲率半径を有している、請求項2〜5のいずれか一項に記載のプロセスユニット。
【請求項7】
前記案内面は、多角形状に連続する複数の平面部を含み、
複数の前記平面部のうち、前記第2流路空間を流れる空気の流れ方向の最下流側の前記平面部は、前記帯電ワイヤに向けて延びている、請求項1に記載のプロセスユニット。
【請求項8】
前記流れ方向の最下流側の前記平面部は、前記軸線方向と直交する方向に沿って切断したときの断面において、その延長線が前記帯電ワイヤの近傍を通過するように延びている、請求項7に記載のプロセスユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−158843(P2011−158843A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22475(P2010−22475)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】