説明

プローブコンタクトのためのポスト及びチップ設計

本発明は、入射光を拡散する粗い上面(1500)と断面とを有するポストと、自動画像認識に適したらか滑な反射面を有し、かつポストの断面よりも小さい断面を有する、ポストの粗い上面にリソグラフィーでメッキされた先端部とを備える微細加工された先端部(680)及びポスト構造(670)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、半導体チップの検査に関し、具体的には、パッケージングの前に検査するためのプローブコンタクタの設計に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、半導体チップは、適切かつ確実に機能することを確認するために検査される。これは、多くの場合、半導体デバイスがまだウェーハの形をしているとき、すなわち、半導体デバイスがウェーハからダイシングされてパッケージングされる前に行われる。これは、一度に多数のチップの同時検査を可能にし、半導体デバイスがパッケージされた時点で個々のチップを検査するのに比べて、コスト及びプロセス時間においてかなりの効果をもたらす。チップに不具合があることが見つかった場合、チップがウェーハからダイシングされていれば、この不具合のあるチップを廃棄することができ、かつ信頼性のあるチップのみがパッケージングされる。よって、一度に確実に検査することのできるウェーハが多ければ多いほど、コスト及びプロセス時間をより多く節減することができることは自明の理である。
【0003】
一般に、ウェーハの検査を実行する場合、ウェーハを搬送するチャックは、数千のプローブが電気的に結合されているプローブカードまで上昇される。より大きいウェーハを検査するためには、小さい高性能プローブが必要である。該プローブは、各パッドと確実な電気的接触を形成するために、該ウェーハ上のチップのコンタクトパッドの表面の酸化物及びデブリ層を突き抜けることができなければならない。加えて、該プローブは、該コンタクトパッドが異なる高さになっている可能性がある(すなわち、ウェーハ上の全てのコンタクトパッドが同じ平面内にあるわけではない)ということを補償することができなければならない。さらに、チャック及びプローブカードメカニカルマウントは、正確に平行かつフラットではない可能性があり、プローブが適応しなければならないさらなる高さのばらつきを招いている。
【0004】
従来、この点で、ウェーハを検査するのに、カンチレバーワイヤプローブが使用されてきた。しかし、カンチレバーワイヤプローブは長すぎて、従来のウェーハ上の全てのチップに対して確実な同時接触を可能にするように正確に組立てるのが困難である。加えて、カンチレバーワイヤプローブは、高い自己インダクタンス及び相対インダクタンスという問題を有し、高速デバイスの検査のための対象とならない。これらの問題は、プローブが大きなウェーハを検査するのに使用された場合に強調される。カンチレバー(又は、湾曲)プローブは、当分野において公知の様々な微細加工技術によって、小さな物理的寸法で製造することもできる。これらカンチレバースプリングは、(酸化物層の制御されたスクラビングのための)機械的エネルギ密度、および大きなウェーハの確実な検査にとって理想的に有効である空間的効率が不足している。
【0005】
カンチレバープローブの欠点を克服するために、多くの試みが、様々なレベルの結果を伴ってなされてきた。例えば、Form Factor,Inc.に譲渡された特許文献1は、(図4に示すように)延性金属をスプリングメタルで被覆することにより、スプリングプローブを形成する方法について記載している。それらのスプリングは、カンチレバースプリングと同様の曲げモードスプリングである。また、該スプリングは、コンタクタにおける横方向において細長く、かつ不十分に支持されており、コンタクトパッドの制御されたスクラビングに関する問題を生じる。さらに、これらのような長いスプリング長を必要とするプローブは、比較的不十分な電気的性能を有する。
【0006】
Decision Trackに譲渡された特許文献2は、図1に示すような、他のスプリング設計よりも機械的に有効であり、かつカンチレバー設計よりも効率的であるトーションスプリング設計について記載している。また、Decision Trackに譲渡された特許文献3は、図2A及び図2Bに示すような単一脚トーションスプリングプローブコンタクタの基本的原理について記載している。しかし、これらの設計もそれなりの制限を有している。これらの特許によって考えられかつ意図される具体的な実現物は、2〜3例を挙げると、動作範囲、画像認識に必要な光学特性、実用的生産手段、スクラビング力に応じたコンタクト先端部の高い横方向安定性に対する要求、等のスプリングプローブコンタクタに対する多くの実際的な要件に対応しておらず、又は解決していない。
【0007】
プローブコンタクタの設計における改良は、フォトリソグラフィ及び関連する微細加工技術における進歩によってもたらされた。Wisconsin Alumni Research Foundationに対する特許文献4は、スプリング及びスプリングコンタクタを含む3次元メタル構造のリソグラフィー電解メッキ(electro-forming)技術を介した多層ビルドアップ製造の原理について記載している。本出願人は、従来技術の多くの欠点を克服し、かつ本出願の主題である微小形成トーションバープローブコンタクタを創り出した。
【0008】
本出願の別の態様は、プローブの端部における先端部(tip)の形成である。カンチレバーニードルプローブ又は垂直座屈梁プローブ等の従来のピンをベースとするコンタクタは、典型的には、尖った又は成形した先端部を有するワイヤから作られる。この種の形状は、十分な接触力が加えられた場合にのみ、適切な電気的接触を実現できる。高接触力は、多くの場合、I/Oパッド下に能動素子を含む検査対象の半導体デバイスにとって有害である。さらに、ピンをベースとするコンタクタは、現代の大口径ウェーハの検査に必要な微細ピッチ及び多ピン数で作ることができない。これらの及び他の理由によって、微細加工されたプローブコンタクタは、ピンをベースとするプローブカードに代わって魅力的である。
【0009】
コンタクタプローブ用の微細加工プローブコンタクト先端部が様々な構成で提案されており、当分野においてたくさんある。これらの構成のほとんどにおいて、良好に形成され、制御された表面形状、サイズ、材質及び質感を有する先端部が形成されている。これらの要素の各々は、Al、AlSiCu、Cu、Cu合金、Au又ははんだ等の共通のICパッドメタルに対する所要の均一な電気的接触を実現するのに重要である。これらパラメータの各々は接触能力に影響するが、形状に対する制御が最も重要であり、適用される形成技術によって左右されるものである。
【0010】
見過ごされることが多い別の要因は、先端部及び隣接する構造部の光学特性である。典型的には、プローブカードは、Tokyo Electron Labsに譲渡された特許文献5によって説明されているようなものなどのプローブ先端部の位置の自動識別およびウェーハ上のI/Oパッドに対するプローブ先端部の位置決めのためのマシンビジョンシステムを備えたウェーハプローバと共に用いられる。基本的に、マシンビジョンシステムは、プローブニードルの先端部に位置決め可能であるとともに、その先端部を検査するカメラを含む。このカメラは、先端部の形状を見るのに適した倍率を有する。また、カメラは、LEDリングライト又は同軸ライト等の光源も含む。カメラからのイメージは、カメラの撮像領域に対する先端部の位置を判断するためにコンピュータによって処理される。この位置情報は、被測定デバイス(device−under−test;DUT)の接合パッドをプローブ先端部の下に正確に配置するために、プローバのコンピュータ制御アルゴリズムによって用いられる。そのため、プローブ先端部は、ビジョンシステム要件を考慮して設計しなければならない。具体的には、ビジョンシステムは、特に、隣接する面間に小さな物理的寸法を有する微細加工コンタクタの場合には、先端部と隣接する構造部との間に、良好な光学コントラストを要する。典型的な微細加工スプリングコンタクタは、接触先端部面に近接して滑かな平坦面を有しており、図5Aに見られるように、先端部以外の面からの反射による、画像認識システムに関する困難を生じる。その結果、これらのビジョンシステムは、関係のない構造部を先端部と間違えることがあり、捉えた先端部位置に関して画像拒否又はエラーを引き起こす。
【0011】
この問題を克服するための様々な試みが提案されているが、そのそれぞれは、独自の問題を有していた。例えば、Form Factor,Inc.に譲渡された特許文献6は、図3A及び図3Bに示すような、カンチレバープローブ構造と共に用いられるピラミッド状のコンタクタ先端部を開示している。このピラミッドは、シリコン中の異方性エッチングされたキャビティを複製して、この複製された先端部をスプリング構造に接合することによって形成される。この方法は、その幅広のベースによる良好な機械的強度を有する先端部を作り出すことができ、及びピラミッドの側面が光を軸外に反射して、マシン画像認識に用いられる通常の照明下では暗く見えるが、この設計は、少なくとも2つの重大な欠点を有する。製造手順は、モールド複製法によって進められ、先端部をスプリングに組立てるために、独立したボンディング工程を必要とする。この余計なボンディング工程は、かなりの複雑さ、歩留まり損失及びコストを製造プロセスに付加する。さらに、このピラミッド形状は、研磨洗浄の結果として実際の適用においてよく行われるように摩耗したり、あるいは再面出しされたりするにつれてサイズが大きくなる正方形又は矩形の接触面に限定される接触形状を生成する。表面形状又はサイズのどのような変化も、接触面積、及び電気的接触特性ならびにスクラブマークの変化をもたらす。
【0012】
マシンビジョンの問題を解決する別の方法は、先端部を著しく高く(約50μm高く)形成することである。本実施形態においては、次の下にある平坦面(ポスト)は、ポスト面には焦点が合わず、先端部のみに焦点が合うように、画像顕微鏡の焦点面から十分に離れている。しかし、このことは、リソグラフィーイメージング及び電解メッキによって形成される先端部にとっては現実的な解決法ではない。このようなプロセスは、アスペクト比(縦横比)において実用限界を有する。さらに、より高い先端部のアスペクト比が現実的であっても(典型的な先端部は、5μm〜20μm程度の最小寸法とほぼ同じか又はそれよりわずかに高い)、高い先端部は、使用中の横方向スクラビング力によって損傷する傾向がある。
【0013】
別の提案されている代替案は、図5Bに示すように、ポスト構造の一部を除去して、照明を画像システムへ反射させない傾斜面を先端部の周りに形成することである。しかし、この設計に伴う問題は、テーパ状のポストの上部平面に先端部を位置合わせするのが非常に困難であるということである。わずかなミスアラインメントも、先端部基部近傍に平坦な反射性面を形成して、明るい「三日月形」を先端部周辺に出現させる。この三日月形は、正しい先端部の位置認識に干渉して、捉えた光学中心における画像の「拒否」又はエラーを引き起こす。
【特許文献1】米国特許第5,926,951号明細書
【特許文献2】米国特許第6,426,638号明細書
【特許文献3】米国特許第6,771,084号明細書
【特許文献4】米国特許第5,190,637号明細書
【特許文献5】米国特許第5,321,352号明細書
【特許文献6】米国特許第6,255,126号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、先端部がプローブ構造上にリソグラフィーで形成される場合の画像エラーの問題を解決する先端部及びポスト構造を形成する新たな設計が必要とされている。
【0015】
特許文献4に記載されているリソグラフィー法に関する改良は、どちらも本出願人によって共同所有されており、かつ参照して本明細書に組み込む米国特許出願第11/019912号及び同第11/102982号の主題である。これら2つの出願は、プローブコンタクタ等の微小構造をさらに形成する犠牲金属からなるアイランドの使用と組み合わされた一般的なフォトリソグラフィパターンめっき技術の使用について記載している。上記の方法を用いて、本出願人は、従来技術の多くの困難を克服し、及び本出願の主題である微小形成トーションバープローブコンタクタを創り出した。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、スプリング要素としてのトーションバーと、自動画像メカニズムによって現在の問題を解決する先端部及びポスト構造とを組み込んだプローブに注力する。トーションバープローブは、最終的に数百又は数千のプローブ要素を保持する基板上に形成される。プローブは、脚によって基板に接続される。脚を基板内のビアに電気的に接続する配線が脚の一端部に取り付けられ、脚の他端部にはトーションバーが取り付けられる。トーションバーの他端部にはスペーサが取り付けられ、このスペーサは、トーションバーよりも背が高い。スペーサの頂部にはアームが取り付けられる。アームは、トーションバーよりも硬く、これは、アームが使用中に、エネルギを蓄えるためにあまり曲がらないことを意味する。スペーサの反対側のアームの頂部にはポストが取り付けられ、このポストの頂部は先端部であり、このチップの構造を以下にさらに記載する。スペーサとトーションバーとが結合される近く及び下の位置において、停止部材が基板上に作られる。プローブが非作動状態(すなわち、半導体デバイスの接触パッドを押圧していない)にあるときには、トーションバーと停止部材との間には、スペース又はギャップがある。
【0017】
動作中、先端部は、ウェーハ上のI/O接触パッドによって接触されて、基板に向かって(図面の大部分の空間方向において)下向きに押し込まれる。先端部が押し下げられるにつれて、アームは、たいていは硬くなるように設計されており、傾斜してトーションバーをねじれさせる。トーションバーは、脚端部において基板に強固に固着されて、垂直方向及び横方向の両方向に支持されているが、停止部材端部において回転自在である。停止部材端部における回転は、停止部材に対する接触が形成されるまで(数ミクロンのギャップ距離を介した)トーションバーのわずかな動きを伴い、その後、その箇所でトーションバーは停止部材に対して旋回する。(スペーサ高、アーム長、ポスト高さ等を含む)プローブの全体の形状は、プローブが下方へ移動する際の先端部の空間における動きを決定づける。この動きは、略円弧状であり、先端部が下方へ動く際の(トーションバーの軸に対して略直角な方向における)前方成分を生成する。先端部の前方動は、実施上必要な「こすり(scrub)」を提供し、I/Oパッドに対する良好な信頼性のある繰り返される接触抵抗を実現する。
【0018】
米国特許出願第11/019912号明細書及び米国特許出願第11/102982号明細書に記載された製造プロセスを用いて、本発明は、従来技術にはないいくつかの新規な特徴を含む。本発明の新規な特徴のうちの1つは、アーム部が、トーションバーとは異なる平面層内にあり、スペーサによってトーションバーと離間することができるということである。これら2つの付加層の追加は、デバイスの検査時に、略垂直方向の力によって作動される場合に、先端部の動きの経路を制御するための設計上の柔軟性を大幅にもたらす。この点に関してプローブの追加的な層の有効性は、上記の特許出願に記載された新たな製造プロセスによって可能になる。実際には、記載されているように、トーションプローブは、トーションコンタクタスプリングの構造に用いられる少なくとも8つの平坦層を有し、これらの層は、コンタクタの作動特性を最適化すると共に、商業的に実現可能なフォトリソグラフィマイクロ電解メッキ技術によって課せられるプロセス限界に適応する設計上の柔軟性を与える。トーションプローブは、本発明の精神から逸脱することなく、8より多いか又は少ない層を有してもよい。
【0019】
また、プローブのアームも、(カンチレバービームスプリングの場合のように)スプリングとして機能しないように、トーションバーよりも硬く形成されている。バーが硬くない場合、その変形は、望ましい量を超えてスクラブ長を増加させる。アームは、停止部材と協働して、チップの略線形の円弧を、トーションバーのほぼ純ねじり回転に変換するレバーを備える。別の実施形態においては、アームは、一方が他方の端部の上部から伸びている2つのサブアームからなっている。このアプローチは、スプリング構造の最も近接する部分と供試ウェーハとの間でのより大きな間隔を可能にする。追加的な間隔は、接触状態にあるプローブ構造とウェーハとの間に捉えられる可能性のある異物からウェーハへのダメージを回避するのに役に立つ。
【0020】
本発明の別の新規な態様は、停止部材が基板に取り付けられており、この停止部材に係合したときに、トーションバーを横方向に支持する横方向支持体を含むということである。停止部材の基本的な機能は、トーションバーのための支点又は旋回軸として機能することである。横方向支持体は、横方向の安定性の増加、及び先端部のスクラブパターンに対するより多くの制御をもたらす。
【0021】
本発明の別の新規な態様は、先端部及びポスト構造の設計である。先端部とポストとが共に平坦面を有する場合に、マシンビジョンシステムが先端部とポストを正確に識別することができるようにするために、先端部が結合されるポストの頂部は、入射光を拡散又は吸収するように処理される。これは、いくつかの方法で、例えば(結晶成長抑制剤の添加を伴う又は伴わない大電流めっきを用いる等の)粗めっき又は金属組織装飾エッチングを介して遂行することができる。
【0022】
さらなる改良は、支持ポストの上面を覆うだけではなく、先端部の基部を包み込む粗めっきされたスカートを備えることである。この構造は、先端部表面とポストとの間に高コントラストを付与するだけではなく、その基部周辺を厚くする、又は基部周辺のガセットの形態で先端部の機械的支持をもたらす。ガセットはさらに、使用中に横方向の力によって引き起こされる、その基部における機械的故障から先端部を保護し、このことは、チップが高アスペクト比(高さと幅又は直径の比)を有する場合に特に有用である。また、このスカートは、(例えば、リソグラフィーの誤差による)わずかな位置ずれが、ポストの周囲の一方の側に、三日月形又はエッジの形状の滑らかな反射面の露出を生じないように、ポスト構造からわずかに張り出すパターンでめっきすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図6Aは、本発明の実施形態による、電子デバイスを検査するプローブを示す。プローブの本実施形態は、基板600と、配線層610と、脚要素620と、トーションバー630と、スペーサ要素640と、アーム650と、ポスト660と、第2のポスト670と、先端部680と、停止要素690とを含む。脚620から基板600内のビア900(図9参照)への導電路を形成する配線層610が基板600上にメッキされている。この配線層610は、公称高さ(厚さとも呼ばれる)16μmを有する金で電気メッキすることができる。脚620は、プローブのための機械的アンカーを形成する。脚620は、近位端(ビア900に最も近い端部)と、遠位端(ビア900から最も遠い端部)とを有する。脚620は、その遠位端においてトーションバー630に接続されている。トーションバー630は、作動状態にあるときに(すなわち、プローブが半導体デバイスのI/Oパッドに接触しているとき)、図14A〜図14Eに示すようにねじれるため、そのばね状の(又は適合した)性質を有するプローブを実現できる要素である。一実施形態において、トーションバー630は、脚620と非軸方向に位置合わせされている。一実施形態において、トーションバー630は、脚620に対して約10〜90度の角度になっているが、好ましくは、約20度の角度になっている。この非軸配置は、脚620と基板600との間の接続のモーメントアームを増加させることにより、及びそれによって動作中の脚/基板の境界上でのトーションバー630によって与えられる剥離力を減少させることにより、接続の強度を高める。トーションバー630は、基板に接触しないように基板600から上昇される。トーションバー630は、その遠位端において、横方向支持要素920(図9及び図10参照)を有することができ、この横方向支持要素920は、停止部材690と共に用いられ、作動中のトーションバー630の横方向のずれを防止している。
【0024】
トーションバー630は、遠位端(この場合もビア900から最も遠い側)において、スペーサ要素640に結合されている。スペーサ要素は、トーションバー630の面からアーム要素650を上昇させる。スペーサ要素640は、先端部680の動きの経路を制御するための設計上の柔軟性を与える。また、スペーサ要素は、あらゆるコンプライアンスに適応するために、アーム650と基板600との間に必要な間隔を与える。スペーサ640の上部にはアーム要素650がある。アーム要素650は、トーションバー630に対して略非軸方向にメッキされている。一実施形態において、アーム650は、トーションバー630に対して約20〜約160度の角度にあり、好ましくは、その角度は約120度である。アーム650は、スプリングとして作用しないように剛性を有するように設計される。アーム650が特に柔軟であるとしたら、その変形は、望ましい限界を超えるスクラブの増加の一因となるだろう。この点について、アーム650は、(例えば、NiMnで形成された)トーションバー630よりも高い剛性率の金属(例えば、W)で形成することができ、又は、アームは、好ましい実施形態のようにトーションバー630よりも短く、厚く(高さを増す)又は幅広に(あるいはいずれかの組合せで)形成してもよい。この点について、長さ、厚さ及び幅は、通常、x、y及びz軸を示す3次元デカルト座標の3つの軸で表すことができる。x軸は長さを表し、y軸は幅を表し、z軸は厚さを表す。
【0025】
アーム650がトーションバー630とは異なる平面上にあるという事実は、本発明の新規な特徴である。この特徴は、参照して本明細書に組み込む米国特許出願第11/019912号明細書及び同第11/102982号明細書に記載されているフォトリソグラフィプロセスの利用によって可能になる。
【0026】
アーム650の遠位端上面において、第1のポスト660はメッキされている。第1のポスト要素660もまた、作動中のチップ680の動きの経路を制御する際の設計上の柔軟性を与える。第1のポスト660は、その上面にメッキされた先端部680を有することができ、又は、必要に応じて、第1のポスト要素660よりも小さい表面積を有し、第1のポスト660と先端部680との間にメッキされた第2の(又は、それ以上の)ポスト要素670があってもよい。(第1のポスト660、又は第2のポスト要素670と組み合わされた)ポスト要素は、先端部680をアーム650から垂直方向に離して伸ばし、先端部の全目標方向の偏向を可能にする。第2のポスト670は、チップスクラブのための適切な形状を可能にすると共に、製造可能性を維持するために、第1のポスト660に付加することができる。第1のポスト660は、およそ1:1(又はそれより少し大きい)アスペクト比(縦横比)でのリソグラフィー及びメッキを可能にするのに十分に大きくメッキすることができる。第2のポスト670は、理想的には、適切なこすりに、より適切に適応するために小さい。より小さな第2のポスト670も、2つのポスト層の間でのリソグラフィー位置合わせ誤差に適応する。
【0027】
チップ680は、メッキされているどのポスト(660又は670)とも同心である必要はない。ポスト(660又は670)が有する可能性のある、偏向角度による供試デバイスとの何らかの干渉を排除するために、その上にメッキされているポスト(660又は670)の中心を外して先端部680をメッキすることが有利である。先端部680は、円形、矩形、ブレード形状、楕円形、涙形、又はリソグラフィーで形成することができる他の何らかの形状とすることができる。
【0028】
アーム630の下には停止要素690がある。停止要素690は基板600上にメッキされており、アーム630と停止部材690の間にはギャップ910(図9及び図10参照)がある。ギャップ910は、製造中に、停止部材690とトーションバー630との間に約1μm〜約20μmの犠牲銅をメッキすることによって形成することができる。その後、この犠牲金属は、プローブの製造の最終段階において除去される。停止部材690は、プローブが作動状態にあるときに、トーションバー630を垂直方向及び横方向に支持するように設計される。停止部材690の基本的機能は、トーションバー630のための支点又は旋回軸として機能することである。一実施形態において、停止部材690は、トーションバー630の横方向支持体要素920(図9及び図10参照)によって形成された浅いポケット内かつトーションバー630の下に部分的に「埋設」されている。別の実施形態においては、停止部材690は、トーションバー630の遠位端の下に完全に配置されている(図11参照)。後者の実施形態において、停止部材690は、横方向支持体要素1100を含んでもよく、トーションバー630は、停止部材横方向支持体要素1100の両側に、2つの横方向支持体要素920を含んでもよい。本実施形態は、正負のx方向両方において、トーションバー630を横方向に支持し、良好な横方向安定性及びスクラブマーク位置精度をもたらす。図12は、停止部材要素690の別の実施形態を示す。本実施形態において、トーションバー630は、1つの横方向支持体要素920を有し、停止部材690は、2つの横方向支持体要素1100を両側に有する。旋回軸を形成すると共に、横方向の動きを抑制する他の停止部材構成を、本発明の精神から逸脱することなく実施することができる。
【0029】
図6Bは、本発明の代替的実施形態を示す。この代替的実施形態においては、(配線層610に接続することができる)第2の配線層695も停止部材690の下にメッキされている。この第2の配線層695の目的は、停止部材層690を脚620と同じ平面内においてメッキできるようにするためである。この特徴もまた、スペーサ要素640の厚さを低減する。
【0030】
図6Cは、本発明の代替的実施形態を示す。この代替的実施形態は、図6Bと実質的に同じであるが、トーションバー630に取り付けられた第1のアーム650と、この第1のアーム650の遠位端に位置する第2のアーム655とを有するプローブ要素を示している。デュアルアーム構造であるため、スペーサ640は必要ない。デュアルアームであるという特徴は、プローブ構造の最近接部と供試ウェーハとの間のより大きな間隔を可能にする。追加的な間隔は、作動状態におけるプローブ構造とウェーハ表面との間に捉えられた異物からのウェーハ表面へのダメージを回避するのに役に立ち得る。このことは図13A及び図13Bに分かりやすく図示されている。図13Aは、図6A又は図6Bの実施形態と同様の実施形態を示す。一実施形態において、アーム650の近位端(先端部680から最も遠い端部)は、供試ウェーハ1300から20μm未満にあってもよい。図13Bにおいては、第2のアーム655の最も低い部分は、供試ウェーハ1300からおよそ45μmにあってもよく、アーム650の最も低い部分は、供試ウェーハ1300からおよそ56μmにあってもよい。図13A及び図13Bの両方において、プローブ構造は、基板600と、アーム(又は第1のアーム)650の最も低い部分との間の距離である100μmを動くと仮定している。
【0031】
ウェーハ表面とプローブ構造との間に、より大きな間隔を形成するために、ポスト660、670の高さを増すことができるが、このことは、スクラブ長を増加させ、及びプロセスの複雑性及びコストを追加するため、望ましくない。図6Cに示す実施形態は、デュアルアーム構造を示しているが、プローブは、本発明の精神から逸脱することなく、より多くのアームを備えて構成することができる。また、ポストを短いアームと置き換えることも可能である(その違いは、ポストがほぼ等しい長さ及び幅を有し、又はポストを丸くすることができるのに対し、アームは、その幅よりも実質的に長いということにある)。
【0032】
図7Aは、トーションバー630の脚620に対する非軸位置合わせ、及びアーム650のトーションバー630に対する非軸位置合わせを示す角度から見た図6Aの実施形態を示す。
【0033】
図7Bは、トーションバー630の脚620に対する非軸位置合わせ、及びアーム650及び655のトーションバー630に対する非軸位置合わせを示す角度から見た図6Cの実施形態を示す。
【0034】
図8は、図6Aに示す本発明の実施形態の平面図を示す。
【0035】
図9は、図6Aの斜視図である。この図9は、図6Aにおいて、トーションバー630が停止部材690の後方にある状態で、停止部材690を正視した場合に見える図である。
【0036】
図6Aに示す本発明の実施形態において、配線層610は、15μmの電気メッキしたAuの下の5000ÅのAuの下の2000ÅのCrとすることができる導電性基部層上にメッキすることもできる25μmの高さでメッキされたNi又はNiMnからなる層とすることができる。停止部材690は、28μmの高さにメッキされたNi又はNiMnからなる層とすることができ、脚620は、2つの部分にメッキすることができる。一方は、停止部材690と同時にメッキされ、他方は、トーションバー630と同時にメッキされる。全体的には、脚620は、67μmの高さにメッキされたNi又はNiMn(又は、両方の組合せ)からなる層とすることができる。トーションバー630は、39μmの高さのNiMnで構成することができる。これは、トーションバー630の厚さ(高さ)であって、基板600の面からのトーションバーの高さではないことを理解すべきである。また、トーションバー630は、厚さを40μm、及び長さを804μmとすることができる。NiMnは、そのばねのような性質のため、トーションバー630の形成には有用な合金である。アーム650は、高さが60μm、幅が55μm及び長さが473μmにメッキされたNiMn又はNiとすることができる。第1のポスト660は、高さが68μmにメッキされたNi又はNiMnとすることができ、第2のポスト670は、28μmにメッキされたNi又はNiMnとすることができる。先端部680は、厚さ11μmにメッキされたPdCo又はRhとすることができ、あるいは全体で厚さ11μmのNi又はNiMnとRdCo又はRhの組合せとすることができる。
【0037】
図6Aの実施形態においては、アーム650の上面から先端部680の上面までの距離を100μmとすることができる。また、基板600の上面とアーム650の底面との間の距離は、110μmとすることができる。先端部680の上面から基板600の上面までのトータルの距離は、270μmとすることができる。
【0038】
図6Cの実施形態においては、第1のアーム650の上面と先端部680の上面の間の距離は、148μmとすることができ、第2のアーム655の上面と先端部680の上面の間の距離は、93μmとすることができる。基板600の上面と第2のアーム655の底面の間の距離は、125μmとすることができる。
【0039】
上記の寸法は、本発明の例示的な実施形態の場合のおおよその寸法を示しているが、実際の寸法は、用いる設計原理を著しく変更することなく、10倍程度まで変化させることができる。上記の実施例においては、プローブ要素の大部分を作るのにNiが用いられているが、他の多くの金属、及び、NiMn、タングステン合金及びコバルト合金等の金属合金を用いることもできる。一般的には、メッキすることができ、かつ良好な機械的強度、硬度及び熱安定性をもたらす金属を使用することが望ましい。
【0040】
基板600は、シリコン、ゲルマニウム及びガリウムヒ素等の半導体材料、アルミナ、窒化アルミニウム、ガラス結合セラミック、低温共焼成セラミック(low temperature cofired ceramics;LTCC)及び高温共焼成セラミック(high temperature cofired ceramics;HTCC)等のセラミック、誘電体被覆金属又はガラスを含む任意の種類の基板とすることができる。基板100は、好ましくは、ビア900を介して基板600の一方の面600aから基板600の他方の面600bへ電気を伝導することができるような、中に形成されたビア900を有する低温共焼成セラミック(LTCC)基板である。本発明の実施形態において、ビア900は金で作られているが、銅、タングステン又はプラチナ等の他の導体を用いてもよい。また、セラミックは、電気再配分導体を含んでもよく、当分野においては公知である電気配線板又は「スペーストランスフォーマー」を形成する。
【0041】
本発明の別の新規な特徴は、プローブ上の先端部及びポスト構造の設計である。半導体I/Oパッドに対する電気的接触の品質及び信頼性は、先端部の材料、先端部のサイズ、先端部の形状、こすりの動き及び接触力の関数である。これらパラメータの各々は接触性能に関係するが、先端部の形状はその中で最も重要であり、用いる製造技術の関数である。カンチレバーニードルプローブ又は垂直座屈梁プローブ等の従来のコンタクタは、典型的には、尖った又は成形した先端部を有するワイヤから作られる。しかし、この種の先端部形状は、ミクロンスケールで制御するのが難しく、また、検査対象の半導体デバイスにとって有害である高接触力を必要とする。さらに、ピンを基部とするコンタクタは、現代のウェーハの検査に必要な微細ピッチ及び高ピン数で作ることができない。これらの及び他の理由によって、微細加工されたプローブコンタクタは、魅力的な代替物である。新たな微細加工スプリングコンタクタは、多くの場合、接触面に近接して円滑な平坦面を有しており、このことは、チップ以外の面からの反射により、チップを容易に識別する自動画像システムに対して問題を引き起こす。本発明の新たなポスト及び先端部の設計は、この共通する問題を克服する。
【0042】
図15は、本発明の先端部及びポストの設計の一実施形態を示す。図15において、ポスト670の(図における)底部は、粗面1500を有する。この面は、ポスト670上に先端部680をリソグラフィーパターンメッキする前に粗面化されるため、先端部680は、粗面化された面1500上に直接メッキされる。粗面化された面1500は、Ni等の金属及び合金、NiMn、NiCo、NiW又はNiFe等のNi合金、CoW等のW合金、Cr又は同様の金属を高電流でメッキすることにより、又は、スルファミン酸ニッケル浴での結晶成長抑制剤又はマンガン塩等の他の添加物の添加により、あるいは、粗面を形成する電気メッキ及び電鋳の当分野において公知の任意の他の方法で形成することができる。図18(縮尺どおりに描かれてはいない)に示すように、粗面化された面1500は、ピーク1510と谷1520を有してもよく、ピーク1510は、谷1520から約1μm〜約5μm立上ってもよく、好ましくは、その高さは、ピーク1510から谷1520まで約1μmである。図15における矢印は、光を示す(実線は強い光を表し、点線は拡散し、回折し、吸収され、又は何か他の方法でのあまり強くない光を表す)。すなわち、図15は、粗面1500から戻って反射された光が拡散し、散乱していることを示す。このことは、先端部面とポスト面との間のコントラストを大幅に改善することにより、自動画像システムが先端部680をより明確に分析するのに役に立つ。
【0043】
この発想に対するさらなる改良を図16に示す。図16においては、粗メッキされたスカート1720が、ポスト670の底部、及びチップ680の基部周辺にメッキされている。この構造は、先端部680の表面とポスト670との間に高コントラストをもたらし、また、先端部680の基部周辺の増厚又はガセットの形態での先端部680の機械的支持をもたらす。ガセットはさらに、特に先端部680が高アスペクト比(高さと、幅又は直径の比)を有する場合に、先端部680を、使用中の横方向の力によって引き起こされる、その基部における機械的故障から保護する。
【0044】
図17A及び図17Bは、本発明の先端部及びポストの設計の別の実施形態を示す。図17A及び図17Bにおいては、粗面化された金属がポスト構造に覆いかぶさるように、金属がポスト670、660を覆ってキャップ1710、1700内にメッキされている。この製造方法は、(リソグラフィー誤差による)わずかな位置ずれが、ポスト660、670の周辺部の一方の側に三日月形又はエッジを生じる可能性がある、ポスト660、670の滑らかな反射面の露出を生じないことを確実にする。
【0045】
上記の説明は、本発明の特定の実施形態に言及しているが、当業者は、本発明の精神から逸脱することなく、多くの変更が可能であることを容易に理解できるであろう。添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神及び範囲内に含まれるように、そのような変更に及ぶように意図されている。従って、本開示の実施形態は、全ての点で例示的であり、かつ限定的ではないと考えるべきであり、本発明の範囲は、上記の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意義及び等価の範囲に近い全ての変更は、本発明に包含されることを意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】従来技術の実施形態の実施例である。
【図2A】従来技術の実施形態の実施例である。
【図2B】従来技術の実施形態の実施例である。
【図3A】従来技術の実施形態の実施例である。
【図3B】従来技術の実施形態の実施例である。
【図4】従来技術の実施形態の実施例である。
【図5A】従来技術の実施形態の実施例である。
【図5B】従来技術の実施形態の実施例である。
【図6A】本発明の実施形態の側面図を示す。
【図6B】本発明の別の実施形態の側面図を示す。
【図6C】本発明の別の実施形態の側面図を示す。
【図7A】図6Bに示す本発明の実施形態の斜視図を示す。
【図7B】図6Cに示す本発明の実施形態の斜視図を示す。
【図8】図6Aの実施形態の平面図を示す。
【図9】停止部材要素の前面から見た場合の図6Aにおける本発明の実施形態の図を示す。
【図10】本発明の停止部材要素の実施形態を示す。
【図11】本発明の停止部材要素の別の実施形態を示す。
【図12】本発明の停止部材要素の別の実施形態を示す。
【図13A】作動状態における図6Aの実施形態の側面図を示す。
【図13B】作動状態における図6Cの実施形態の側面図を示す。
【図14A】本発明の実施形態が作動状態に置かれている場合のトーションバーのねじれを示す。
【図14B】本発明の実施形態が作動状態に置かれている場合のトーションバーのねじれを示す。
【図14C】本発明の実施形態が作動状態に置かれている場合のトーションバーのねじれを示す。
【図14D】本発明の実施形態が作動状態に置かれている場合のトーションバーのねじれを示す。
【図14E】本発明の実施形態が作動状態に置かれている場合のトーションバーのねじれを示す。
【図15】本発明の先端部の設計の実施形態を示す。
【図16】本発明の先端部の設計の別の実施形態を示す。
【図17A】本発明の先端部の設計の別の実施形態の斜視図を示す。
【図17B】図17Aの断面図を示す。
【図18】本発明の先端部の設計の実施形態の拡大図を示す。
【符号の説明】
【0047】
1500・・・上面
680・・・先端部
670・・・ポスト構造
610・・・配線層
620・・・脚要素
640・・・スペーサ要素
650・・・アーム
600・・・基板
630・・・トーションバー
660、670・・・ポスト
690・・・停止要素
900・・・ビア
920、1100・・・横方向支持体要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面領域を備える粗い上面を有するポストであって、前記上面が入射光を拡散し、回折し、又は吸収する特性を有するポストと、
マシン認識システムに適した滑らかな反射面を有し、かつ前記ポストの上面の表面領域よりも小さい接触面領域を有する、前記ポストの粗い上面にリソグラフィーでパターンメッキされた先端部と、
を備える微細加工構造。
【請求項2】
前記上面は、高電流でメッキされた金属を含む、請求項1に記載の微細加工構造。
【請求項3】
前記上面は、荒仕上げにエッチングされている、請求項1に記載の微細加工構造。
【請求項4】
前記上面は、粗さを与える少なくとも1つの添加物と共に金属メッキされる、請求項1に記載の微細加工チップおよびポスト構造。
【請求項5】
前記金属は、Ni、NiCo、NiW、NiFe、CoW、Cr又はNiMnのうちの1つである、請求項2に記載の微細加工構造。
【請求項6】
前記少なくとも1つの添加物は、スルファミン酸ニッケル浴におけるマンガン塩である、請求項4に記載の微細加工構造。
【請求項7】
前記少なくとも1つの添加物は、結晶成長抑制剤である、請求項5に記載の微細加工構造。
【請求項8】
前記先端部は、前記ポスト上の中心にない、請求項1に記載の微細加工構造。
【請求項9】
前記ポストは、高さが約28μmである、請求項1に記載の微細加工構造。
【請求項10】
前記チップは、PdCo又はRhのいずれかからなる、請求項1に記載の微細加工構造。
【請求項11】
前記先端部は、高さが約11μmである、請求項1に記載の微細加工構造。
【請求項12】
微細加工構造を形成する方法であって、
微細加工プローブ構造の表面にポストをリソグラフィーでパターンメッキするステップと、
前記ポストの上面を粗メッキするステップであって、前記上面が領域を有し、前記上面が、光の拡散、回折又は吸収のうちの少なくとも1つの特性を有する、ステップと、
前記ポストの上面に、前記ポストの上面の領域よりも小さい領域を有する先端部をリソグラフィーでパターンメッキするステップであって、前記先端部が、マシンビジョン認識に適した反射面を有する、ステップと、
を備える方法。
【請求項13】
前記粗メッキが、金属の高電流メッキを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記金属は、Ni、NiMn、NiCo、NiW、NiFe、CoW又はCrのうちの1つである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記粗メッキは、少なくとも1つの添加物をメッキに組み入れることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの添加物が、スルファミン酸ニッケル浴におけるマンガン塩を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの添加物は結晶成長抑制剤である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記反射面が滑らかである、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
領域を備える上面を有するポストと、
側壁と上面を有する先端部であって、前記上面が、先端部の位置及びサイズのマシンビジョン認識に適した滑らかな反射面を有し、前記先端部が、前記ポストの上面にメッキされており、一旦前記上面にメッキされると、前記上面が、露出した部分と露出されていない部分とを有するように、前記ポストの上面の領域よりも小さい領域を有する、先端部と、
前記ポストの上面の露出した部分と、前記先端部の側壁の少なくとも一部とを覆ってメッキされたスカートであって、前記スカートが、光の拡散、回折又は吸収のうちの少なくとも1つの特性を有するスカートと、
を備える微細加工構造。
【請求項20】
前記スカートは、前記先端部に対する機械的支持をもたらす、請求項19に記載の微細加工構造。
【請求項21】
前記スカートは、前記ポストの上面に覆いかぶさっている、請求項19に記載の微細加工構造。
【請求項22】
前記スカートは、高電流でメッキされた金属を含む、請求項19に記載の微細加工構造。
【請求項23】
前記金属は、Ni、NiMn、NiCo、NiW、NiFe、CoW又はCrのうちの1つである、請求項22に記載の微細加工構造。
【請求項24】
前記スカートは、少なくとも1つの添加物を含む、請求項19に記載の微細加工構造。
【請求項25】
前記添加物は、スルファミン酸ニッケル浴におけるマンガン塩を含む、請求項24に記載の微細加工構造。
【請求項26】
微細加工構造を形成する方法であって、
微細加工プローブ構造の表面にポストをリソグラフィーでパターンメッキするステップと、
前記ポストの上面に、前記ポストの上面の領域よりも小さい領域を有する先端部をリソグラフィーでパターンメッキして、前記ポストの上面の露出した部分と、前記ポストの上面の露出されていない部分とを形成するステップであって、前記先端部が、自動画像認識に適した滑らかな反射面と側壁とを有する、ステップと、
前記ポストの上面の露出部分と、前記先端部の側壁の部分とを少なくとも覆ってスカートをメッキするステップであって、前記スカートが、光の拡散又は光の吸収の一方の特性を有する、ステップと、
を備える方法。
【請求項27】
前記スカートが前記ポストの上面に覆いかぶさるように、前記スカートをメッキするステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記スカートをメッキするステップは、高電流で金属をメッキするステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記金属は、Ni、NiMn、NiCo、NiW、NiFe、CoW又はCrのうちの1つである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記スカートをメッキするステップは、少なくとも1つの添加物を前記メッキするステップに組み入れるステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1つの添加物が、スルファミン酸ニッケル浴におけるマンガン塩を備える、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つの添加物は結晶成長抑制剤である、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
ポスト上にリソグラフィーでパターンメッキされた先端部を備える微細加工構造であって、前記先端部が、自動画像認識に適した滑らかな面を有し、前記ポストが、前記先端部を識別する際に自動画像認識システムを支援する少なくとも1つの特性を有する面を有する微細加工構造。
【請求項34】
前記特性は、光の拡散、回折又は吸収のうちの1つである、請求項33に記載の微細加工構造。
【請求項35】
前記上面は、少なくとも1つのピークと、少なくとも1つの谷を有する、請求項1に記載の微細加工構造。
【請求項36】
前記少なくとも1つのピークは、前記少なくとも1つの谷の上に約1μm〜5μm立ち上がる、請求項35に記載の微細加工構造。
【請求項37】
前記少なくとも1つのピークは、前記少なくとも1つの谷の上に約1μm立ち上がる、請求項36に記載の微細加工構造。
【請求項38】
前記スカートは、少なくとも1つのピークと、少なくとも1つの谷を有する、請求項19に記載の微細加工構造。
【請求項39】
前記少なくとも1つのピークは、前記少なくとも1つの谷の上に約1μm〜5μm立ち上がる、請求項38に記載の微細加工構造。
【請求項40】
前記少なくとも1つのピークは、前記少なくとも1つの谷の上に約1μm立ち上がる、請求項39に記載の微細加工構造。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図3B】
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【公表番号】特表2009−503539(P2009−503539A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524950(P2008−524950)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/041665
【国際公開番号】WO2007/015712
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(508034565)タッチダウン・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】