説明

ベンズイミダゾール誘導体

式(I)
【化1】


〔式中、R、XおよびYは本明細書に記載の通りである〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグエステル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二環式化合物、とりわけベンゾイミダゾール誘導体、およびその医薬的使用に関する。
【発明の開示】
【0002】
したがって、本発明は式(I)
【化1】

〔式中、
Rは、ハロまたは所望により置換されたC−Cアルキルであり;
Xは、O、NH、CH、CO、SO、SOまたはSから成る群から選択され;
Yは、下記から選択される基を意味し:所望により置換されたC−Cアルキル、−SR、−S(O)R、−S(O)、−OR、ここで、RおよびRは、所望により置換された:C−Cアルキル、C−CアルケニルまたはC−Cアルキニルから選択され;
所望のR、R1、およびYの置換基(または複数の置換基)は、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノ、アミノカルボニル、スルフィニル、スルホニル、スルファニル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノカルボニル、アミノ、カルボキシ、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−Cアルキニルオキシ、C−C12シクロアルキル、C−C18ヘテロシクロアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルコキシカルボニル、ニトリル、アリールから成る群から選択され;ハロゲンを除くこれらの全ては、独立して所望により、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノ、アミノカルボニル、スルフィニル、スルホニル、スルファニル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノカルボニル、アミノ、カルボキシ、C−Cアルコキシ、C−C12シクロアルキル、C−C18ヘテロシクロアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルコキシカルボニル、ニトリル、アリールから成る群から選択される1個以上の置換基で置換されている〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグエステルを提供する。
【0003】
さらに、本発明は式(I)
【化2】

〔式中、
Rは、ハロまたは所望により置換されたC−Cアルキルであり;
Xは、O、NH、CH、CO、SO、SOまたはSから成る群から選択され;
Yは、下記から選択される基を意味し:所望により置換されたC−Cアルキル、−SR、−S(O)R、−S(O)、−OR、ここで、Rは、C−Cアルキルであり;
所望のRおよびYの置換基(または複数の置換基)は、独立して、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノ、アミノカルボニル、スルフィニル、スルホニル、スルファニル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノカルボニル、アミノ、カルボキシ、C−Cアルコキシ、C−C12シクロアルキル、C−C18ヘテロシクロアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルコキシカルボニル、ニトリル、アリールから成る群から選択され;ハロゲンを除くこれらの全ては、独立して所望により、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノ、アミノカルボニル、スルフィニル、スルホニル、スルファニル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノカルボニル、アミノ、カルボキシ、C−Cアルコキシ、C−C12シクロアルキル、C−C18ヘテロシクロアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルコキシカルボニル、ニトリル、アリールから成る群から選択される1個以上の置換基で置換されている〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグエステルを提供する。
【0004】
疑いを避けるため、下記用語は本明細書および請求の範囲を通じて下記意味を有すると理解される:
「低級」なる用語は、有機基または化合物に関連しているとき、7個以下の炭素原子を有する分枝鎖または非分枝鎖状であり得る化合物または基を意味する。
【0005】
低級アルキル基は、分枝鎖、非分枝鎖または環状であり、そして1〜7個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含み得る。低級アルキルは、例えば:メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、3級ブチルまたは2,2−ジメチルプロピルを意味する。
【0006】
低級アルコキシ基は、分枝鎖または非分枝鎖状であり、1〜7個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を含み得る。低級アルコキシは、例えば:メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、イソブトキシまたは3級ブトキシを意味する。低級アルコキシには、シクロアルキルオキシおよびシクロアルキル−低級アルキルオキシが含まれる。
【0007】
低級アルケン、アルケニルまたはアルケンオキシ基は、分枝鎖または非分枝鎖状であり、2〜7個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含み、そして少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む。低級アルケン、低級アルケニルまたは低級アルケニルオキシは、例えばビニル、プロプ−1−エニル、アリル、ブテニル、イソプロペニルまたはイソブテニルおよびそのオキシ同等物を意味する。
【0008】
低級アルキンまたはアルキニル基は、分枝鎖または非分枝鎖状であり、2〜7個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含み、そして少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含む。低級アルキンまたは低級アルキニルまたは低級アルケニルオキシは、例えばエチニル、プロピニルまたはプロパルギルを意味する。
【0009】
本明細書において、酸素含有置換基、例えばアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、カルボニル等には、それらの硫黄含有ホモログ、例えばチオアルキル,アルキル−チオアルキル、チオアルケニル、アルケニル−チオアルキル、チオアルキニル、チオカルボニル、スルホン、スルホキシド等が包含される。
【0010】
ハロまたはハロゲンは、クロロ、フルオロ、ブロモまたはヨードを意味する。
アリールは、炭素環式アリール、ヘテロ環式アリールまたはビアリールを意味する。
【0011】
炭素環式アリールは、6〜18個の環原子を含む芳香族性環状炭化水素である。これは単環式、二環式または三環式、例えばナフチル、フェニル、または1、2もしくは3個の置換基で1、2もしくは3置換されたフェニルであり得る。
【0012】
ヘテロ環式アリールは、5〜18個の環原子を含み、その1個以上がO、NまたはSから選択されるヘテロ原子である、芳香族性単環式または二環式炭化水素である。好ましくは、1または2個のヘテロ原子が存在する。ヘテロ環式アリールは、例えば:ピリジル、インドリル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、フラニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、オキサジアゾリル、ベンゾイミダゾリルを意味する。ヘテロ環式アリールには、前記の置換された基も含まれる。
【0013】
シクロアルキルは、3〜12個の環原子、好ましくは3〜6個の環原子を含む環状炭化水素を意味する。シクロアルキルは、例えば:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルを意味する。シクロアルキルは所望により、置換されていてもよい。
【0014】
ヘテロシクロアルキルは、飽和もしくは不飽和であり、かつ1個以上、好ましくは1〜3個のO、NまたはSから選択されるヘテロ原子を含む、一、二または三環式炭化水素を意味する。好ましくは、これは3〜18個の環原子を含む。ヘテロシクロアルキルなる用語はまた、3−ヒドロキシ−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−8−イルのような架橋ヘテロシクロアルキルを含むことを意図する。
【0015】
薬学的に許容される塩には、常套の酸、例えば無機酸、例えば塩酸、硫酸もしくはリン酸、または有機酸、例えば脂肪族性もしくは芳香族性カルボン酸またはスルホン酸、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、フマル酸、ヒドロキシルマレイン酸、ピルビン酸、パモン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルファニル酸またはシクロヘキシルスルファミン酸;またはアミノ酸、例えばアルギニンおよびリシンとの酸付加塩が含まれる。酸性基、例えば遊離カルボキシル基を有する本発明の化合物について、薬学的に許容される塩はまた、金属塩またはアンモニウム塩、例えばアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩もしくはカルシウム塩、ならびにアンモニアもしくは適当な有機アミンと形成されるアンモニウム塩を意味する。
【0016】
遊離ヒドロキシル基を含む本発明の薬剤はまた、薬学的に許容され、生理的に切断可能なエステルの形態で存在していてもよく、そしてそれ自体本発明の範囲に含まれる。かかる薬学的に許容されるエステルは、好ましくはプロドラッグエステル誘導体であり、これは生理的な条件下で加溶媒分解または切断によって、遊離ヒドロキシル基を含む対応する本発明の薬剤に変換可能である。適当な薬学的に許容されるプロドラッグエステルは、カルボン酸エステル、炭素モノエステルまたはカルバミンサンエステルに由来するものであり、有利には、所望により置換された低級アルカン酸またはアリールカルボン酸に由来するエステルである。
【0017】
好ましい式(I)の化合物において、XはCHまたはOである。
より好ましくは、XはCHである。
【0018】
本発明の第2の局面は、式(I’)
【化3】

〔式中、
R’は、ハロまたは所望により置換されたC−Cアルキルであり;
Y’は、下記から選択される基を意味し:C−Cアルキル、−SR、−S(O)R、−S(O)、−OR、ここで、RおよびRは、所望により置換された:C−Cアルキル、C−CアルケニルまたはC−Cアルキニルから選択され;
所望のR、RおよびRの置換基(または複数の置換基)は、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノ、アミノカルボニル、スルフィニル、スルホニル、スルファニル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノカルボニル、アミノ、カルボキシ、C−Cアルコキシ、C−C12シクロアルキル、C−C18ヘテロシクロアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルコキシカルボニル、ニトリル、アリールから成る群から選択され;ハロゲンを除くこれらの全ては、独立して所望により、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノ、アミノカルボニル、スルフィニル、スルホニル、スルファニル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノカルボニル、アミノ、カルボキシ、C−Cアルコキシ、C−C12シクロアルキル、C−C18ヘテロシクロアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルコキシカルボニル、ニトリル、アリールから成る群から選択される1個以上の置換基で置換されている〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグエステルを提供する。
【0019】
さらに第2の局面において、本発明は式(I’)
【化4】

〔式中、
R’は、ハロまたは所望により置換されたC−Cアルキルであり;
Y’は、下記から選択される基を意味し:C−Cアルキル、−SR、−S(O)R、−S(O)、−OR、ここで、RはC−Cアルキルであり;
所望のRの置換基(または複数の置換基)は、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノ、アミノカルボニル、スルフィニル、スルホニル、スルファニル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノカルボニル、アミノ、カルボキシ、低級アルコキシ、C−C12シクロアルキル、C−C18ヘテロシクロアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルコキシカルボニル、ニトリル、アリールから成る群から選択され;ハロゲンを除くこれらの全ては、独立して所望により、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノ、アミノカルボニル、スルフィニル、スルホニル、スルファニル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノカルボニル、アミノ、カルボキシ、C−Cアルコキシ、C−C12シクロアルキル、C−C18ヘテロシクロアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルコキシカルボニル、ニトリル、アリールから成る群から選択される1個以上の置換基で置換されている〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグエステルを提供する。
【0020】
上記式(I)および式(I’)の化合物において、1個以上の下記意味が適用され得る:
好ましくは、Yが−OR、−SR、−S(O)Rおよび−S(O)から選択される。
より好ましくは、Yが−ORおよび−SRから、さらに好ましくは−ORから選択される。
あるいは、好ましくは、Yが−SR、−S(O)Rおよび−S(O)から選択される。
【0021】
が、好ましくは所望により置換されたC−CアルキルまたはC−Cアルキニルである。
が、より好ましくは所望により置換されたC−Cアルキルである。
より好ましくは、RまたはRがメチルである。
【0022】
さらに好ましくは、Yが−SMe、−S(O)Meおよび−S(O)Meから選択される。
好ましくは、Rがハロまたはトリフルオロメチルである。
より好ましくは、Rがトリフルオロメチルである。
【0023】
好ましい式Iの化合物は、下記のものである:
4−ブロモ−2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−メチルスルファニル−ピリジン−3−イルメチル)−1H−ベンゾイミダゾール
2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−メチルスルファニル−ピリジン−3−イルメチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
4−ブロモ−2−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(2−メタンスルフィニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール
2−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(2−メタンスルフィニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
2−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(2−メタンスルホニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−メトキシ−ピリジン−3−イルメチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
5−(2−エトキシ−ピリジン−3−イルメチル)−2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
5−(2−イソプロポキシ−ピリジン−3−イルメチル)−2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−プロプ−2−イニルオキシ−ピリジン−3−イルメチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−5−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
(2−{3−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル]−ピリジン−2−イルオキシ}−エチル)−ジメチルアミン。
【0024】
本発明の第3の局面において、式(I)の化合物を、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体と共に含む医薬組成物を提供する。
【0025】
本発明の第4の局面において、副甲状腺ホルモンの放出を促進するための式(I)の化合物を提供する。
【0026】
副甲状腺ホルモン(PTH)、ならびにそのアナログおよびフラグメントでの患者の制御処置が骨形成に対する顕著な同化作用を有し得ることを、本発明において確立する。したがって、PTH放出を促進する化合物、例えば本発明の化合物は、カルシウム欠乏または吸収の亢進が関係するか、または骨形成刺激および骨におけるカルシウム固定が必要な骨状態の予防または処置に使用することができる。
【0027】
したがって、第5の局面において、本発明は、カルシウム減少または再吸収の増加が関係するか、または骨形成刺激および骨におけるカルシウム固定が望まれる骨状態の予防または処置法であって、有効量の上記定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される切断可能なエステル、または酸付加塩を、当該処置を必要とする対象に投与する方法を含む。
【0028】
第6の局面において本発明は、遊離形または塩形の式(I)の化合物の製造法であって:
(a)Rが所望により置換されたC−Cアルキルである式(I)の化合物のために、式(XV)
【化5】

の化合物を適当な有機金属試薬と反応させて所望により置換されたC−Cアルキルを導入する工程:
(b)Rがハロである式(I)の化合物のために、適当なハロゲン化試薬を用いて式(X)
【化6】

の化合物をハロゲン化する工程;
(c)Yが−SRである式(I)の化合物のために、適当な還元剤を用いて式(XI)
【化7】

の化合物を還元する工程:
(d)Yが−S(O)Rまたは−S(O)である化合物のために、式(XII)
【化8】

の化合物を酸化する工程:
(e)Yが−ORまたは−SRである化合物のために、式(XIII)
【化9】

の化合物のピリジン環をイプソ置換する工程
を含む方法を提供する。
【0029】
工程(a)において、R位にメチル基を導入するための適当な試薬の例は、MeCuLiである。
工程(b)において、例えば式(XV)の化合物の臭素化を、臭素/酢酸を用いて行い得る。
工程(c)において、アセトニトリル中4−トルエン−スルホン酸ヨウ化ナトリウムを、化合物(XI)の還元のために簡便に使用することができる。
工程(d)において、酸化を、例えば過酸化水素および酢酸を用いて、簡便に行うことができる。
工程(e)において、ピリジン環における選択的イプソ置換を、RおよびRのような求核試薬で達成することができる。
【0030】
上記式(XV)、(XI)、(XII)および(XIII)の化合物を、下記スキームに示すとおりに製造することができる:
Xが−CH−である式(I)の本発明の化合物の合成を、下記スキーム1でさらに説明する:
【化10】

【0031】
Xが−CH−以外の基である本発明の化合物を、例えば下記スキーム2の通りに製造することができる:
【化11】

【0032】
遊離形の式Iの化合物を、常套の方法で塩形に、またはその逆に、変換することができる。
【0033】
本発明の化合物を、反応混合物から回収し、常套の方法で精製することができる。エナンチオマーのような異性体を、常套の方法で、例えば分画結晶化または対応する非対称置換されたもの、例えば光学的に活性な出発物質から不斉合成によって得ることができる。
【0034】
第7の局面において本発明は、カルシウム減少または再吸収の増加が関係するか、または骨形成刺激および骨におけるカルシウム固定が望まれる骨状態の予防または予防用または処置用医薬の製造における式(I)の化合物の使用を含む。
【0035】
本発明の化合物は、単独で、または他の適当な活性薬剤との組合せで使用することができる。本発明の第8の局面において、式(I)の化合物と、カルシトニンまたはそのアナログもしくは誘導体、ステロイドホルモン、SERM(選択的エストロゲン受容体調節剤)、ビタミンDまたはそのアナログ、ビスホスホネート、RNKL阻害剤、PTH、PTHフラグメントもしくはPTH誘導体、またはカテプシンK阻害剤から選択されるさらなる活性薬剤を含む、同時、個別または逐次的使用のための医薬組成物を提供する。
【実施例】
【0036】
本発明の薬剤を、下記方法によって製造することができる:
実施例1:4−ブロモ−2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−メチルスルファニル−ピリジン−3−イルメチル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化12】

0.95g(1.97mmol)の2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−メチルスルファニル−ピリジン−3−イルメチル)−1H−ベンゾイミダゾール、0.103mlの臭素および70mlの酢酸の混合物を、室温で1時間攪拌する。その後、反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出する。有機層を4N NaOH溶液(2回)、水(3回)および塩水(2回)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空下で濃縮する。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 3:1=>EtOAc)で精製し、ジエチルエーテル/ヘキサンから再結晶化して、表題化合物を黄色結晶として得る。
Rt = 2.26分(Waters Symmetry C8、2.1×50mm、検出 210-250nM、H2O中5%〜100% CH3CNで2分 + 0.1% TFA、流速 1.0ml/分)
MS: 540 (M+1)+ (79Br), 542 (M+1)+ (81Br)
【0037】
出発物質を下記の通りに製造することができる:
a)2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−メチルスルファニル−ピリジン−3−イルメチル)−1H−ベンゾイミダゾール:
【化13】

200mlのギ酸中10.65g(14.6mmol)の[2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル]−(2−メチルスルファニル−ピリジン−3−イル)−メタノール溶液を、還流温度に加熱する。約24時間にわたって、18.2gの亜鉛(粉末)を少しずつ、還流温度で加える。その後、反応混合物を室温に冷却し、水に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出する。有機層を4N NaOH溶液(2×)、水(3×)および塩水(2×)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空下で濃縮する。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 2:1=>EtOAc)で精製し、その後ジエチルエーテル/ヘキサンから再結晶化して、表題化合物を無色結晶として得る。
【0038】
b)[2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル]−(2−メチルスルファニル−ピリジン−3−イル)−メタノール:
【化14】

165mlの乾燥THF中8.86g(43.4mmol)の3−ブロモ−2−メチルスルファニル−ピリジン溶液に、n−BuLi(31ml、ヘキサン中1.6M)をゆっくりと−70℃で加える。この温度で2時間攪拌を続け、165mlの乾燥THF中10g(28.4mmol)の2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボアルデヒド(この化合物の製造はWO 2005/068433 A1に記載されている)溶液を10分以内に加える。反応混合物を室温にし、水に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出する。有機層を水(3×)および塩水(2×)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空下で濃縮する。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 1:1=>EtOAc)で精製して、表題化合物を黄色泡状物として得る。
【0039】
c)3−ブロモ−2−メチルスルファニル−ピリジン:
【化15】

100mlの乾燥THF中10g(50.9mmol)の3−ブロモ−2−クロロ−ピリジン、4.66g(63.1mmol)のメタン−チオレートナトリウムの混合物を60℃で7時間攪拌する。その後、反応混合物を室温に冷却し、水に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出する。有機層を水(1×)および塩水(1×)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空下で濃縮して、表題化合物を無色油状物として得る。
【0040】
実施例2:2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−メチルスルファニル−ピリジン−3−イルメチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール:
【化16】

15mlのジメチルホルムアミド中530mg(0.7mmol)の4−ヨード−2−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(2−メタンスルフィニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール、62.7mg(0.351mmol)のヨウ化銅(I)および0.225ml(1.76mmol)のメチル−2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)アセテート(Aldrich 390755)の混合物を120℃で4時間攪拌する。その後、反応混合物を室温に冷却し、水に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出する。有機層を水(3×)および塩水(2×)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空下で濃縮する。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 3:1=>2:1)で精製し、その後ジエチルエーテル/ヘキサンから再結晶化して、表題化合物を無色結晶として得る。
Rt = 2.38分 (Waters Symmetry C8、2.1×50mm、検出 210-250nM、H2O中5%〜100% CH3CNで2分 + 0.1% TFA、流速 1.0ml/分)
MS: 530 (M+1)+
【0041】
出発物質を下記の通りに製造することができる:
a)4−ヨード−2−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(2−メタンスルフィニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール:
【化17】

50mlの酢酸中の2.38g(5.0mmol)の2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−メチルスルファニル−ピリジン−3−イルメチル)−1H−ベンゾイミダゾール、1.3gのヨウ素および1.6gの硫酸銀の混合物を、80℃で4時間攪拌し、さらに1.3gのヨウ素および1.6gの硫酸銀を加える(試薬1当量が硫黄の酸化のために使用されるので、さらに1当量加える必要がある)。攪拌を3時間続ける。その後、反応混合物を室温に冷却し、水に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出する。有機層を4N NaOH溶液、水(3×)および塩水(2×)で洗浄し、乾燥し(MgSO)真空下で濃縮する。残渣をジクロロメタン/ジエチルエーテルから再結晶化して、表題化合物をオフホワイト色結晶として得る。
【0042】
実施例3:2−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(2−メタンスルフィニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール:
【化18】

1ml酢酸中30mg(0.057mmol)の2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−メチルスルファニル−ピリジン−3−イルメチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール(実施例2)および6.4μlの過酸化水素水溶液の混合物を室温で3時間攪拌する。その後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、4N NaOH溶液(1×)、水(1×)およびNaHSO溶液(1×)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空下で濃縮して表題化合物を無色油状物として得る。
Rt = 2.11分(Waters Symmetry C8、2.1×50mm、検出 210-250nM、H2O中5%〜100% CH3CNで2分 + 0.1% TFA、流速 1.0ml/分)
MS: 546 (M+1)+
【0043】
実施例4:2−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(2−メタンスルホニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール:
【化19】

1ml酢酸中16mg(0.029mmol)の2−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(2−メタンスルフィニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール(実施例3)および6.0μlの過酸化水素水溶液の混合物を室温で3時間攪拌する。その後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、4N NaOH溶液(1×)、水(1×)およびNaHSO溶液(1×)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空下で濃縮して表題化合物を無色油状物として得る。
Rt = 2.27分(Waters Symmetry C8、2.1×50mm、検出 210-250nM、H2O中5%〜100% CH3CNで2分 + 0.1% TFA、流速 1.0ml/分)
MS: 562 (M+1)+
【0044】
実施例5:4−ブロモ−2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−メチルスルフィニル−ピリジン−3−イルメチル)−1H−ベンゾイミダゾール:
【化20】

表題化合物を、実施例3の製造についての記載と同じ方法論を用いて、4−ブロモ−2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−メチルスルファニル−ピリジン−3−イルメチル)−1H−ベンゾイミダゾールから製造する。
Rt = 2.04分(Waters Symmetry C8、2.1×50mm、検出 210-250nM、H2O中5%〜100% CH3CNで2分 + 0.1% TFA、流速 1.0ml/分)
MS: 556 (M+1)+ (79Br), 558 (M+1)+ (81Br)
【0045】
実施例6:2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−メトキシ−ピリジン−3−イルメチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
【化21】

Rt = 2.11分 (Waters Symmetry C8、2.1×50mm、検出 210-250nM、H2O中5%〜100% CH3CNで2分 + 0.1% TFA、流速 1.0ml/分)
MS: 514 (M+1)+
表題化合物を、実施例1の製造についての記載と同じ方法論を用いて、3−ブロモ−2−メチルスルファニル−ピリジンに代えて3−ブロモ−2−メトキシ−ピリジンから製造する。
【0046】
他の方法:
Rt = 2.39分 (Phenomenex Luna C8、2x50 mm、3μm、検出 190-270 nm、溶媒:A: CH3CN/H2O/TFA = 95/5/0.1、B: CH3CN/TFA = 100/0.1、グラジエント: 5% Bで開始し、2分以内に95%までにし、95% Bで1分、そして5% Bに0.3分以内に戻す、流速 1.0 ml/分)
ジオキサン(2ml)中2−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(2−メタンスルホニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール(100mg、0.177mmol、製造については実施例4参照)の溶液をナトリウムメチレート(201mg、3.54mmol)で処理する。溶液を得るために少量のMeOH(1ml)を加える必要がある。反応混合物を50℃で60時間攪拌する。後処理を水(10ml)を加えて行い、その後2時間室温で攪拌し、白色結晶を形成させる。それを濾取し、水で洗浄して純粋な生成物を得る。
【0047】
実施例7:
5−(2−エトキシ−ピリジン−3−イルメチル)−2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール:
【化22】

Rt = 2.45分 (Phenomenex Luna C8、2x50 mm、3μm、検出 190-270 nm、溶媒:A: CH3CN/H2O/TFA = 95/5/0.1、B: CH3CN/TFA = 100/0.1、グラジエント: 5% Bで開始し、2分以内に95%までにし、95% Bで1分、そして5% Bに0.3分以内に戻す、流速 1.0 ml/分)
MS: 528 (M+1)+
ジオキサン(1.30ml)中2−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(2−メタンスルホニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール(100mg、0.177mmol、製造については実施例4参照)の懸濁液を、エタノール中ナトリウムエチレート(21%、1.3ml、3.5mmol)溶液と混合する。得られた溶液を一晩50℃で攪拌する。反応混合物を室温に冷却し、NaHCO(飽和)水溶液と混合し、酢酸エチル(3×)で抽出する。合併した有機層を水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をクロマトグラフィー(シリカ、溶媒:ヘキサン/酢酸エチル 75/25)で精製して、淡黄色粉末形態の生成物を得る。
【0048】
実施例8:
5−(2−イソプロポキシ−ピリジン−3−イルメチル)−2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール:
【化23】

Rt = 2.50分 (Phenomenex Luna C8、2x50 mm、3μm、検出 190-270 nm、溶媒:A: CH3CN/H2O/TFA = 95/5/0.1、B: CH3CN/TFA = 100/0.1、グラジエント: 5% Bで開始し、2分以内に95%までにし、95% Bで1分、そして5% Bに0.3分以内に戻す、流速 1.0 ml/分)
MS: 542.1 (M+1)+ , 1083.3 (2M+1)+
ジオキサン(1.30ml)中2−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(2−メタンスルホニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール(100mg、0.177mmol、製造については実施例4参照)の懸濁液を、イソプロピルアルコール(208μl、3.54mmol)と混合する。NaH(鉱油中60%、3.9mmol)を加え、得られた反応混合物を50℃で数日間、LC/MS分析で所望の生成物への変換が90%以上測定されるまで攪拌する。次に、NaHCO飽和水溶液(50ml)を加え、得られた反応混合物を酢酸エチル(3×)で抽出する。合併した有機層を水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、純粋な物質を無色油状物として得る。
【0049】
実施例9:
2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−プロプ−2−イニルオキシ−ピリジン−3−イルメチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール:
【化24】

Rt = 2.44分 (Phenomenex Luna C8、2x50 mm、3μm、検出 190-270 nm、溶媒:A: CH3CN/H2O/TFA = 95/5/0.1、B: CH3CN/TFA = 100/0.1、グラジエント: 5% Bで開始し、2分以内に95%までにし、95% Bで1分、そして5% Bに0.3分以内に戻す、流速 1.0 ml/分)
MS: 538.1 (M+1)+ , 1075.3 (2M+1)+
ジオキサン(1.30ml)中2−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(2−メタンスルホニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール(100mg、0.177mmol、製造については実施例4参照)の懸濁液を、プロパルギルアルコール(208μl、3.54mmol)と混合する。NaH(鉱油中60%、156mg、3.9mmol)を加え、得られた溶液を一晩50℃で攪拌し、その後さらにNaH(鉱油中60%、20mg)を加える。攪拌を50℃で、LC/MS分析が所望の生成物への約95%の変換を示すまで(16時間)続ける。次に、水(5ml)を混合物に加えると、生成物が結晶化し始める。物質を濾取し、水で洗浄して純粋な白色結晶を得る。
【0050】
実施例10:
2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−5−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール:
【化25】

Rt = 2.18分 (Phenomenex Luna C8、2x50 mm、3μm、検出 190-270 nm、溶媒:A: CH3CN/H2O/TFA = 95/5/0.1、B: CH3CN/TFA = 100/0.1、グラジエント: 5% Bで開始し、2分以内に95%までにし、95% Bで1分、そして5% Bに0.3分以内に戻す、流速 1.0 ml/分)
MS: 558 (M+1)+
ジオキサン(2ml)中2−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(2−メタンスルホニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール(100mg、0.177mmol、製造については実施例4参照)の溶液を、2−メトキシエタノール(281μl、3.56mmol)と混合する。NaH(鉱油中60%、14.2mg、0.36mmol)を加え、得られた反応混合物を60時間、60℃で攪拌する。反応混合物をNaHCO飽和水溶液でクエンチし、酢酸エチル(3×)で抽出する。合併した有機層を水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して淡黄色膠質物質を得る。
【0051】
実施例11:
(2−{3−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル]−ピリジン−2−イルオキシ}−エチル)−ジメチルアミン:
【化26】

Rt = 1.87分 (Phenomenex Luna C8、2x50 mm、3μm、検出 190-270 nm、溶媒:A: CH3CN/H2O/TFA = 95/5/0.1、B: CH3CN/TFA = 100/0.1、グラジエント: 5% Bで開始し、2分以内に95%までにし、95% Bで1分、そして5% Bに0.3分以内に戻す、流速 1.0 ml/分)
MS: 571 (M+1)+
ジオキサン(2ml)中2−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(2−メタンスルホニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール(100mg、0.177mmol、製造については実施例4参照)の溶液を、2−ジメチルアミノエタノール(415μl、3.56mmol)と混合する。NaH(鉱油中60%、14.2mg、0.36mmol)を加え、得られた反応混合物を60時間、60℃で攪拌する。反応混合物をNaHCO飽和水溶液でクエンチし、酢酸エチル(3×)で抽出する。合併した有機層を水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH)で精製して、淡黄色膠質物質を得る。
【0052】
遊離形または薬学的に許容される酸付加塩形の上記定義の、例えば式(I)の、とりわけ例示の本発明の化合物は、薬理学的活性を示し、下記疾患および状態の処置における、例えば治療のための医薬として有用である。
【0053】
イノシトールリン酸形成アッセイ:
ヒト副甲状腺カルシウム感受性受容体(PCaR)でのアンタゴニスト活性を測定するため、ヒトPCaRで安定的にトランスフェクトしたCCL39繊維芽細胞におけるカルシウム誘導性イノシトールリン酸形成の阻害を測定する機能的アッセイで、化合物を試験する。
【0054】
細胞を24ウェルプレートに播種し、コンフルエンスに増殖させる。培養物を、血清なしの培地中[H]イノシトール(74Mbq/ml)で、24時間標識化する。標識化後、細胞を修飾Hepes緩衝化塩溶液(mHBS:130mM NaCl、5.4mM KCl、0.5mM CaCl、0.9mM MgSO、10mM グルコース、20mM HEPES、pH7.4)で1回洗浄し、mHBSと共に37℃で、20mMのLiClの存在下でインキュベートして、イノシトールモノホスファターゼ活性をブロックする。試験化合物を、5.5mMのカルシウムでのPCaR刺激の3分前に加え、インキュベーションをさらに20分間続ける。その後、細胞を10mM氷冷ギ酸で抽出し、形成されたイノシトールリン酸を、アニオン交換クロマトグラフィーおよび液体シンチレーションカウンティングを用いて決定する。
【0055】
細胞内遊離カルシウムについてのアッセイ:
PCaRでの拮抗作用を測定する他の方法は、細胞外カルシウムによって刺激される細胞内カルシウム貯留(transients)の阻害を測定することから成る。
ヒトPCaRで安定的にトランスフェクトしたCCL39繊維芽細胞を、40’000細胞/ウェルで96ウェルViewplateに播種し、24時間インキュベートする。培地を除去し、2μMのFluo−3 AM(Molecular Probes, Leiden, The Netherlands)を含む新鮮な培地で置換する。通常の実験において、細胞を37℃、5% COで1時間インキュベートする。その後、プレートをmHBSで2回洗浄し、試験化合物を含む100μl mHBSでウェルを再充填する。インキュベーションを室温で15分間続ける。細胞内遊離カルシウムの変化を記録するために、プレートを蛍光イメージングプレートリーダー(Molecular Devices, Sunnyvale, CA, USA)に移す。各0.4秒の5回測定から成るベースライン(レーザー励起488nm)を記録する。細胞をカルシウム(最終2.5mM)で刺激し、蛍光変化を3分間記録する。
【0056】
上記アッセイで測定したとき、本発明の薬剤は典型的には、約10nM未満〜1000nMのIC50を有する。本発明の薬剤の活性を示すため、上記アッセイに基づく下記実施例を提供する:
【表1】

【0057】
副甲状腺ホルモン(PTH)、ならびにそのアナログおよびフラグメントでの患者の制御処置が骨形成に対する顕著な同化作用を有し得ることを、本発明において確立する。したがって、PTH放出を促進する化合物、例えば本発明の薬剤は、カルシウム減少または再吸収の増加が関係するか、または骨形成刺激および骨におけるカルシウム固定が望まれる骨状態の予防または処置に使用することができる。
【0058】
したがって、本発明の薬剤は、カルシウム減少または再吸収の増加が関係するか、または骨形成刺激および骨におけるカルシウム固定が望まれるあらゆる骨状態、例えば様々な起源の(例えば若年性、更年期性、更年期後、外傷後、加齢もしくはコルチコステロイド治療または不活性化によって引き起こされる)骨粗鬆症、骨折、骨脱塩に関連した急性もしくは慢性状態を含む骨疾患、骨軟化症、歯周骨減少または関節炎による骨減少、または骨関節炎の予防または処置、あるいは副甲状腺機能低下症の処置のために適用される。
【0059】
予防または処置され得るさらなる疾患および障害には、例えば発作、卒中、頭部外傷、脊髄傷害、例えば心停止もしくは新生児窮迫における低酸素症誘導性神経細胞損傷、てんかん、神経変性疾患、例えばアルツハイマー病、ハンチントン病およびパーキンソン病、認知症、筋肉の緊張、うつ病、不安、パニック障害、強迫神経症、外傷後ストレス障害、統合失調症、神経遮断薬性悪性症候群、うっ血性心不全;高血圧;腸運動障害、例えば下痢、およびけいれん性結腸および皮膚障害、例えば組織治癒、例えば火傷、潰瘍および傷害が含まれる。
本発明の薬剤はとりわけ、様々な起源の骨粗鬆症の予防または処置に適用される。
【0060】
全ての上記使用について、適用される1日投与量は、約0.03〜約1000mg、好ましくは0.03〜200mg、より好ましくは0.03〜30、さらに好ましくは0.1〜10mgの本発明の化合物である。本発明の薬剤を、1日2回または1週間に2回まで、投与することができる。
【0061】
本発明の薬剤を、遊離形または薬学的に許容される塩形で投与することができる。かかる塩は、常套の方法で製造され、そして遊離化合物と同程度の活性を示す。本発明はまた、遊離塩基形または薬学的に許容される塩形の本発明の薬剤を、薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む医薬組成物を提供する。かかる組成物を、常套の方法で製剤することができる。本発明の薬剤を、あらゆる常套の経路で、例えば非経腸的に、例えば注射溶液または懸濁液の形態で、経腸的に、例えば経口的に、例えば錠剤またはカプセル剤の形態で、あるいは経皮、経鼻または座薬形態で、投与することができる。
【0062】
上記に従って、本発明はさらに、下記のものを提供する:
a)医薬として使用するための本発明の薬剤またはその薬学的に許容される塩;
b)処置を必要とする対象における上記障害および疾患の予防または処置法であって、有効量の本発明の薬剤またはその薬学的に許容される塩を当該対象に投与することを含んで成る方法;
c)例えば上記b)の方法に使用する医薬組成物の製造における使用のための、本発明の薬剤またはその薬学的に許容される塩。
【0063】
本発明のさらなる態様によると、本発明の薬剤を、他の治療、例えば骨吸収阻害剤または骨形成促進剤を用いる治療、例えば骨粗鬆症治療またはがん治療、とりわけカルシウム、カルシトニンまたはそのアナログもしくは誘導体、例えばサケ、ウナギまたはヒトカルシトニン、ステロイドホルモン、例えばエストロゲン、部分エストロゲンアゴニストまたはエストロゲン−ゲスターゲンの組合せ、SERM(選択的エストロゲン受容体調節剤)、例えばラロキシフェン、ラソフォキシフェン、バゼドキシフェン、アルゾキシフェン、TSE−424、FC1271、Tibolone(Livial(登録商標))、ビタミンDまたはそのアナログ、ビスホスホネート、例えば注射用ゾレドロン酸またはイバンドロン酸、RNKL阻害剤、例えばデノスマブ、PTH、PTHフラグメントまたはPTH誘導体、例えばPTH(1−84)、PTH(1−34)、PTH(1−36)、PTH(1−38)、PTH(1−31)NHまたはPTS893、またはカテプシンK阻害剤、例えばバリカチブを用いる治療において、補助剤またはアジュバントとして使用することができる。
【0064】
本発明の薬剤を、例えば骨吸収阻害治療のアジュバントとして、共に投与するとき、共投与される阻害剤の用量は、当然、使用する阻害薬剤のタイプ、例えばステロイドであるかカルシトニンであるか、処置する状態、例えば治癒的治療か予防的治療か、レジメン等に依存して変化する。投与はあらゆる常套の経路、例えば非経腸的、経口的であり、そして同時、個別または逐次的に、または異なる時間間隔で投与することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

〔式中、
Rは、ハロまたは所望により置換されたC−Cアルキルであり;
Xは、O、NH、CH、CO、SO、SOまたはSから成る群から選択され;
Yは、下記から選択される基を意味し:所望により置換されたC−Cアルキル、−SR、−S(O)R、−S(O)、−OR、ここで、RおよびRは、所望により置換された:C−Cアルキル、C−CアルケニルまたはC−Cアルキニルから選択され;
所望のR、R1、およびYの置換基(または複数の置換基)は、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノ、アミノカルボニル、スルフィニル、スルホニル、スルファニル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノカルボニル、アミノ、カルボキシ、C−Cアルコキシ、C2−C6アルケニルオキシ、C2−C6アルキニルオキシ、C−C12シクロアルキル、C−C18ヘテロシクロアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルコキシカルボニル、ニトリル、アリールから成る群から選択され;ハロゲンを除くこれらの全ては、独立して所望により、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノ、アミノカルボニル、スルフィニル、スルホニル、スルファニル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノカルボニル、アミノ、カルボキシ、C−Cアルコキシ、C−C12シクロアルキル、C−C18ヘテロシクロアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルコキシカルボニル、ニトリル、アリールから成る群から選択される1個以上の置換基で置換されている〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグエステル。
【請求項2】
式(I’)
【化2】

〔式中、
R’は、ハロまたは所望により置換されたC−Cアルキルであり;
Y’は、下記から選択される基を意味し:C−Cアルキル、−SR、−S(O)R、−S(O)、−OR、ここで、RおよびRは、所望により置換された:C−Cアルキル、C−CアルケニルまたはC−Cアルキニルから選択され;
所望のR、RおよびRの置換基(または複数の置換基)は、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノ、アミノカルボニル、スルフィニル、スルホニル、スルファニル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノカルボニル、アミノ、カルボキシ、C−Cアルコキシ、C−C12シクロアルキル、C−C18ヘテロシクロアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルコキシカルボニル、ニトリル、アリールから成る群から選択され;ハロゲンを除くこれらの全ては、独立して所望により、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノ、アミノカルボニル、スルフィニル、スルホニル、スルファニル、モノもしくはジ−C−Cアルキルアミノカルボニル、アミノ、カルボキシ、C−Cアルコキシ、C−C12シクロアルキル、C−C18ヘテロシクロアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルコキシカルボニル、ニトリル、アリールから成る群から選択される1個以上の置換基で置換されている〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグエステル。
【請求項3】
XがCHまたはOである、請求項1の化合物。
【請求項4】
Yが−SR、−S(O)R、−S(O)および−ORから選択される、請求項1〜3のいずれかの化合物。
(請求項4)
Yが−SR、−S(O)R、−S(O)および−ORから選択され、RまたはRがメチルである、請求項1〜4のいずれかの化合物。
【請求項5】
Rがハロまたはトリフルオロメチルである、請求項1〜4のいずれかの化合物。
【請求項6】
下記群から選択される、請求項1の化合物:
4−ブロモ−2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−メチルスルファニル−ピリジン−3−イルメチル)−1H−ベンゾイミダゾール
2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−メチルスルファニル−ピリジン−3−イルメチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
4−ブロモ−2−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(2−メタンスルフィニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール
2−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(2−メタンスルフィニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
2−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(2−メタンスルホニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−メトキシ−ピリジン−3−イルメチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
5−(2−エトキシ−ピリジン−3−イルメチル)−2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
5−(2−イソプロポキシ−ピリジン−3−イルメチル)−2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−(2−プロプ−2−イニルオキシ−ピリジン−3−イルメチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−5−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−3−イルメチル]−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール
(2−{3−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−7−メトキシ−1−(2−メトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルメチル]−ピリジン−2−イルオキシ}−エチル)−ジメチルアミン。
【請求項7】
請求項1に定義の式(I)の化合物を、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体と共に含む医薬組成物。
【請求項8】
0.03〜300mgの式(I)の化合物を含む、請求項7の医薬組成物。
【請求項9】
副甲状腺ホルモンの放出を促進するための、請求項1に定義の式(I)の化合物。
【請求項10】
カルシウム減少または再吸収の増加が関係するか、または骨形成刺激および骨におけるカルシウム固定が望まれる骨状態の予防または処置法であって、有効量の請求項1に定義の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される切断可能なエステル、または酸付加塩を、当該処置を必要とする対象に投与する、方法。
【請求項11】
遊離形または塩形の請求項1の式(I)の化合物の製造法であって:
(a)Rが所望により置換されたC−Cアルキルである式(I)の化合物のために、式(XV)
【化3】

の化合物を適当な有機金属試薬と反応させて所望により置換されたC−Cアルキルを導入する工程:
(b)Rがハロである式(I)の化合物のために、適当なハロゲン化試薬を用いて式(X)
【化4】

の化合物をハロゲン化する工程;
(c)Yが−SRである式(I)の化合物のために、適当な還元剤を用いて式(XI)
【化5】

の化合物を還元する工程:
(d)Yが−S(O)Rまたは−S(O)である化合物のために、式(XII)
【化6】

の化合物を酸化する工程:
(e)Yが−ORまたは−SRである化合物のために、適当な求核試薬、例えばRまたはRを用いて、式(XIII)
【化7】

の化合物のピリジン環をイプソ置換する工程
を含む方法。
【請求項12】
カルシウム減少または再吸収の増加が関係するか、または骨形成刺激および骨におけるカルシウム固定が望まれる骨状態の予防または処置用医薬の製造における式(I)の化合物の使用。
【請求項13】
式(I)の化合物と、カルシトシンまたはそのアナログもしくは誘導体、ステロイドホルモン、SERM(選択的エストロゲン受容体調節剤)、ビタミンDまたはそのアナログ、ビスホスホネート、RNKL阻害剤、PTH、PTHフラグメントまたはPTH誘導体、またはカテプシンK阻害剤から選択されるさらなる活性薬剤を含む、同時、個別または逐次使用のための医薬組成物。

【公表番号】特表2009−531363(P2009−531363A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501943(P2009−501943)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【国際出願番号】PCT/EP2007/002763
【国際公開番号】WO2007/112913
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】