説明

ベンゾピラン系化合物、その製造方法及び用途

【課題】当該系化合物の製造方法及び当該系化合物又はその塩が抗II型糖尿病用薬物に応用されることに関する。
【解決手段】本発明は一般式(1)で表されるベンゾピラン系化合物又はその塩を提供する。
【化1】


(ただし、一般式(I)において3、4位は単重結合或二重結合であり、R1は水素原子又は置換されていてもよいC1−C6アルキルであり、R2は水素原子、置換されていてもよいC1−C6アルキル又は置換されていてもよい芳香族環基又は芳香族複素環基である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬物化学と、内分泌治療学分野に関し、更に詳しくはベンゾピラン系化合物の合成及び抗II型糖尿病用薬物の製造のための用途に関する。
【背景技術】
【0002】
II型糖尿病は一種の代謝異常性疾病で、患者は主に血糖濃度が上昇(空腹血糖濃度>130mg/dl以上)と糖尿現象を表している。持続的な高血糖は多くの合併症の発生の原因となり、例えば網膜症、腎症、神経系統病変、なかでも心血管合症は糖尿病患者の死去、身体障害の主な原因になる「Sinkai;H. Exp. Opin. Ther. Patent. 2000,10:596」。従って、患者の血糖レベルを制御により合弁症の発生を遅延、阻止することは特に重要である。目下、臨床にスルホニルウレア系インシュリン分泌促進薬物と、ジグアニン系などによって患者の血糖を制御するのは主要な対策である。インシュリン抵抗はII型糖尿病の誘発の主要原因であるので、インシュリン敏感化剤は抗II型糖尿病の研究の重要な方向である。1997年に第一のチアゾリジンジオン類であるインシュリン敏感化剤のTroglitazoneが市販され、当該薬物としては、その後市場に出回ったPioglitazoneとRosiglitazoneは臨床上で患者の血糖をよくコントロールしたが、チアゾリジンジオン類は市場に出回った後、肝臓に対する多少程度の毒性[Henry,R. R. Endocrinol. Metab. Clin. North Am. 1997,26,553]を呈して、中でもTroglitazoneは肝臓に対する毒性が大きいので市場から退いた。当該類の化合物の毒性がその構造におけるチアゾリジンジオン環に関連することが疑われたので、非チアゾリジンジオン類敏感化剤の合成及び開発は段々に抗II型糖尿病薬物研究のひとつの主要な方向になった。
本発明の一つの目的はインシュリン敏感化活性を有する新規ベンゾピラン系化合物及びその塩を提供することである。
本発明の別の目的は当該類化合物及びその塩の製造方法を提供することである。
本発明の更なる目的は当該類化合物及びその塩が抗II型糖尿病薬物の製造に応用されることである。
【非特許文献1】Sinkai;H. Exp. Opin. Ther. Patent. 2000,10:596
【非特許文献2】Henry,R. R. Endocrinol. Metab. Clin. North Am.1997,26,553
【発明の開示】
【0003】
本発明は以下の一般式(1)で表されるベンゾピラン系化合物及びその塩を提供する。
【化1】

(ただし、一般式(1)において3、4位は単重結合又は二重結合、R1=水素原子又はC1−C6直鎖又は分岐鎖アルキル基、R2=C1−C6直鎖又は分岐鎖アルキル基、又は以下の基から選ばれる芳香族環基又は芳香族複素環基であり、
【化2】

3はC1−C4直鎖又は分岐鎖アルキル基、トリフルオロメチル基、アミノ基、アミノアルキル基、ニトロ基、ハロゲン或いはヒドロキシ基、n=0−4、Y=N、CHである。)
本発明は一般式(1)で表されるベンゾピラン系化合物及びその塩の三種類の製造方法を提供する。
第一の製造方法は以下の段階を含む:
(1)7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸メチルとハロゲンベンジルがエーテル化反応を行い、その後アルカリ性条件で加水分解させ、一般式(1)化合物を得る。ここでR1はCH3又はHである;R2は以下の基である
【化3】

(2)7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸メチルが対応的なアルコールとMitsunobu反応させ、その後加水分解し、一般式(1)化合物を得る、ここでR1はCH3又はHである;R2は以下の基である
【化4】

(3)3,4−位が二重結合であり、一般式(1)化合物を接触水素化させ、3,4−位が単重結合である一般式(1)化合物を得る;
(4)必要に応じて、対応する薬学的に許容される塩を製造する。
第二の製造方法は以下の段階を含む:
(1)7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸メチルとt−ブチルオキシカルボニルで保護されている2−メチルアミノエタノールとはMitsunobu縮合を行わせ、得られた化合物は二重結合を水素化還元したのち、保護基を脱除去し、その後2−クロルベンゾオキサゾールと縮合し、一般式(1)化合物を得る。ここでR1はCH3であり;R2は以下に表示されている基である;
【化5】

(2)必要に応じて、対応する薬学的に許容される塩を製造する。
第三の製造方法は以下の段階を含む:
(1)7−ヒドロキシ−3−クマリンギ酸t−ブチルと2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エタノールとはMitsunobu縮合を行わせ、得られた化合物を接触水素化させ、一般式(1)化合物を得る。中にR1はt−ブチル又はHであり;R2は以下に表示されている基である;
【化6】

(2)必要に応じて、対応する薬学的に許容される塩を製造する。
本発明は更に一般式(1)化合物で表示されているベンゾピラン系化合物及びその塩が抗II型糖尿病薬物の製造のための用途を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
特別に明記したものを除き、本文中における用語は以下の定義を有する。
「C1-6アルキル」は1〜6炭素原子を含有する飽和又は不飽和、置換可能又は非置換の直鎖、分岐鎖アルカン鎖を表す。具体的に例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、アミル基、イソアミル基、ネオアミル基、t−アミル基、1−メチルブチル基、2−メチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルアミル基、2−メチルアミル基、3−メチルアミル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基などが挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などの炭素原子数が1〜4のアルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基であり、最も好ましくはメチル基、エチル基である。
「アリール基」で表された芳香族基は6〜14炭素原子数のアリール基が好ましい。具体的に例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、インデニル基、アントリル基、フェナントリル基が挙げられる。より好ましくはフェニル基、ナフチル基であり、最も好ましくはフェニル基である。
「芳香族複素環基」とは、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子から選ばれた1〜4個の複素原子を含有する炭素原子数6〜14の五員環又は六員環の複素アリール基を意味し、フリル基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキザゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基などを含む。好ましくはチエニル基、フリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基であり、より好ましくはチエニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基である。
「置換されてもよいアルキル基」、「置換されてもよいアリール基」及び「置換されてもよい芳香族複素環基」とは夫々に前記の「アルキル基」、 「アリール基」及び「芳香族複素環基」が任意にハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アシルオキシ基、OH、−NH2、−NO2、−NHAcの基で置換されてもよいことを意味する。
「薬学的に許容される塩」とは、具体的に塩酸、臭化水素酸、フッ素化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸などの無機酸との塩、又は蟻酸、酢酸、プロピオン酸、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機酸、又はアスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸等との酸付加塩、或いは、アルカリと形成した塩、例えばナトリウム、カリウム、アルミニウム等の無機アルカリとの塩、アンモニウム塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、エタノールアミン塩等、又はリジン酸、セリン酸、オルニチン酸等のアルカリ性アミノ酸との付加塩があげられる。
本発明の一般式(1)で表されるベンゾピラン系化合物及びその塩は以下の工程によって製造される。
工程I
【化7】

a.ハロゲンベンジル、無機アルカリ;b.アルカリ性条件で加水分解、その後酸性化;c.R1−OH、トリフェニルホスフィン、アゾビスジカルボキシ酸ジエチル;d.アルカリ性条件で加水分解、その後酸性化、e.接触水素化
【0005】
工程Iの実施態様は以下のとおりである:
(1)2,4−ジヒドロキシフェニルアルデヒドとマロン酸メチルとが反応し、7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸メチルを得、後者は更にハロゲンベンジルとアルカリ性条件で反応させ、化合物1を得る。縮合反応に適合するハロゲンベンジルはクロロベンジル、ブロムベンジルなどであり、適合する無機アルカリは水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどであり、縮合反応温度は−10〜180℃で、適合の溶剤はジメチルホルムアミド、DMSOなど極性非プロトン溶剤であり、反応時間は0.1〜72時間である。好ましい縮合反応条件は7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸メチルとブロムベンジルとがジメチルホルムアミドで炭酸カリウムを塩基として70℃で0.1〜12時間に反応させる。
化合物1はアルカリ性条件で加水分解して酸性化した後、化合物2を得る。加水分解反応に適合する無機アルカリは水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどであり、加水分解温度は−10〜200℃で、溶剤はメタノール、エタノール、水など極性プロトン溶剤又はこれらの溶剤を適当な比率で組み合わせる混合溶剤であり、反応時間は0.1〜72時間である。好ましい加水分解条件は10%水酸化ナトリウム水溶液に1時間還流反応を行う。酸性化する時、適当な無機酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸、燐酸など又は有機酸、例えば酢酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸などを使う。
(2)7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸メチルが対応するアルコールとMitsunobu反応を行わせ、化合物3〜6を得る。Mitsunobu反応に使われる溶剤は無水テトラフラン、無水ジオキサン、無水エーテル、クロロホルム、ジクロロメタン等の無水不活性溶剤で、反応温度−10〜100℃で、反応時間は0.1〜72時間である。粗製品はメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタンにて再結晶させ、又はこれらの二つ成分或いは複数成分が適当な比率からなる混合溶剤にて再結晶させる。最も好適な反応条件は無水テトラヒドロフランを溶剤とし、室温で0.1〜24時間反応し、粗製品がメタノールで再結晶する。
(3)化合物3〜6が適当な条件で加水分解し、化合物7〜10と14を得る。加水分解反応に適合する無機アルカリは水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどであり、加水分解温度は0〜150℃で、溶剤はメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、水等極性プロトン溶剤又はジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等極性非プロトン溶剤又はこれらの適当な比率からなる混合溶剤である。反応時間は0.1〜72時間である。好適な加水分解条件は10%水酸化ナトリウム水溶液で1時間還流反応を行う。酸性化する時、適合な無機酸を使用することができ、例えば塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等又は有機酸であり、例えば醋酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸等。
(4)化合物3〜6は適当な条件下で接触水素化し、化合物11〜13を得る。接触水素化の触媒は10%又は5%のパラジウム炭或いはRaney−Ni或いはその他のパラジウム又はニッケルを含有する触媒、好ましい触媒は10%のパラジウム炭である。溶剤は低級アルキルアルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等から選ばれ、又は他の溶剤を選択することができ、例えば酢酸、無水テトラヒドロフラン、無水ジオキサン、水、又はこれらの二つ成分或いは複数成分が適当な比率からなる混合溶剤である。反応時間は0.1時間から水素が吸収されないまで続く。反応温度は室温〜40℃、好ましくは室温である。反応圧力は常圧〜数十大気圧で、好ましくは常圧である。再結晶溶剤はエタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、n−ヘプタン又はこれらの二つの成分或いは複数成分が適当な比率からなる混合溶剤、好ましい各化合物の再結晶溶剤は実施例で示される通りである。
(5)必要に応じて、対応する薬学的に許容される塩を製造する。
工程II
【化8】

例示:a.トリフェニルホスフィン、アゾビスジカルボキシ酸ジエチル、2−(N−tブチルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)エタノール、テトラヒドロフラン;b.H2/Pd−C;c.トリフルオロ酢酸、CH2Cl2;d.2−クロルベンゾオキサゾール
【0006】
工程IIの実施態様は以下のとおりである:
(1)7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸メチルとt−ブチルオキシで保護されている2−メチルアミノエタノールとがMitsunobu縮合を行って化合物15を得る。Mitsunobu反応に使用された溶剤は無水テトラヒドロフラン、無水ジオキサン、無水ベンゼン、無水エーテル、クロロホルム、ジクロルメタン等無水不活性溶剤で、好ましい溶剤は無水テトラヒドロフランである。反応温度は−10〜100℃で、好ましい温度は室温である。反応時間は0.1〜72時間で、最も好ましい反応時間は24時間である。
(2)化合物15は二重結合を水素化還元させた後、保護基を脱除去させ、その後室温で2−クロルベンゾオキサゾールと縮合し16を得る。接触水素化の触媒は10%又は5%のパラジウム炭或いはRaney−Ni或いはその他のパラジウム又はニッケルを含有する触媒、好ましい触媒は10%のパラジウム炭である。溶剤は低級アルキルアルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等から選ばれ、又は他の溶剤を選択することができ、例えば酢酸、無水テトラヒドロフラン、無水ジオキサン、水、これらの二つの成分或いは複数成分が適当な比率からなる混合溶剤である。反応時間は0.1時間から水素が吸収されないまで続く。反応温度は室温〜40℃、好ましくは室温である。反応圧力は常圧〜数十大気圧で、好ましくは常圧である。
保護基の脱除去はトリフルオロ酢酸によって−10〜80℃で1〜48時間撹拌し、好ましい反応条件はトリフルオロ酢酸によって0℃で8時間撹拌する。
2−クロルベンゾオキサゾールと縮合反応に適合的な無機アルカリは水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなど又は有機塩基、例えばトリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルアミンなど、加水分解温度は−10〜150℃である。溶剤はテトラヒドロフラン、エーテル、ベンゼン、クロロホルム、ジクロルメタンDMF、DMSO、など極性非プロトン溶剤で、反応時間は0.1〜72時間である。
(3)必要に応じて、対応する薬学的に許容される塩を製造する。
工程III
【化9】

例示:a.R1−OH、トリフェニルホスフィン、アゾビスジカルボキシ酸ジエチル;b.i.H2/Pd−C.ii.トリフルオロ酢酸、CH2Cl2
【0007】
工程IIIの実施態様は以下のとおりである:
(1)2,4−ジヒドロキシフェニルアルデヒドとマロン酸ジ−tブチルとが反応させ、7−ヒドロキシ−3−クマリンギ酸tブチルを得る、後者は2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾール)エタノールとMitsunobu縮合を行わせ、化合物17を得る。Mitsunobu反応に使用された溶剤は無水テトラヒドロフラン、無水ジオキサン、無水ベンゼン、無水エーテル、クロロホルム、ジクロルメタン等無水不活性溶剤で、好ましい溶剤は無水テトラヒドロフランである。反応温度は−10〜100℃で、好ましい温度は室温である。反応時間は0.1〜72時間で、最も好適な反応時間は24時間である。
(2)化合物17は接触水素化して化合物18を得る。接触水素化の触媒は10%又は5%のパラジウム炭或いはRaney−Ni或いはその他のパラジウム又はニッケルを含有する触媒、好ましい触媒は10%のパラジウム炭である。溶剤は低級アルキルアルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等から選ばれ、或いは極性非プロトン溶剤を選択することができ、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、エーテル等、又はその他の溶剤を選択することができ、例えば酢酸、水等、又はこれらの複数の成分が適当な比率からなる混合溶剤で、最も好ましい溶剤はメタノール/ジオキサン(1:1)からなる混合溶剤である。反応時間は0.1時間から水素が吸収されないまで続く。
反応温度は室温から40℃まで、好ましくは室温である。反応圧力は常圧から数十大気圧までである、最も好適な条件は常圧である。
保護基の脱除去はトリフルオロ酢酸によって−10〜80℃で1〜48時間撹拌する。最も好適な反応条件はトリフルオロ酢酸によって0℃で8時間撹拌する。
(3)必要に応じて、対応する薬学的に許容される塩を製造する。
【0008】
本発明の一般式(I)に表示されたベンゾピラン系化合物において、代表性的な化合物は以下とおりである:
(1)7−フェニルメトキシ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(2)7−フェニルメトキシ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸;
(3)7−(2−フェニル)エトキシ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(4)7−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(5)7−[2−(1−インドール)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(6)7−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(7)7−(2−フェニル)エトキシ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸;
(8)7−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸;
(9)7−[2−(1−インドール)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸;
(10)7−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ]−2−オキソ-2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸;
(11)7−(2−フェニル)エトキシ−3,4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(12)7−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]−3,4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(13)7−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ]−3,4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(14)7−(4−トリフルオロメチルフェニルメトキシ)−3,4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(15)7−[2−(N−t−ブチルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(16)7−[2−[N−メチル−N−(2−フェニルオキサゾリル)アミノ]エトキシ]−3,4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(17)7−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸t−ブチル;
(18)7−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ]−3,4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸。
上記の化合物構造式は第1表に記載されている。
【0009】
【表1】

【0010】
【表2】

【0011】
生物活性の測定:
インシュリン敏感化剤は前駆体脂肪細胞から脂肪細胞への分化を促進することができ、細胞の分化状況を指標とし、特異的にインシュリン敏感化剤を選別する。
文献の方法[Kletzein BF MoI. Pharm. 1991,41,393]を参考にして3T3−LI前駆体脂肪細胞モデルを使用し、細胞内グリセリントリエステル生成量を反応細胞の分化指標とし本発明の一般式(I)化合物に対しインシュリン敏感化剤活性を評価する。
3T3−LI細胞は10%NBS(新牛血清)のDMEM(Dulbecco's modified Eagle's medium)培養液に置いて培養し、3日間ごとに継代培養する。細胞を24孔培養板に移し、孔が全て満ちたのち、細胞を0.5mmol/L IBMX(イソブチルメチルキサンチン、isobutylxanthine)と1μmol/L DEX(デキサメタゾン、dexamethasone)および1.0μmol/L インシュリンによって48時間処理しながら、同時に異なる量の試験薬物を入れ、引き続き実験終了まで培養する。細胞を収集し、色度法で細胞におけるグリセリントリエステルと蛋白質の含有量を測定し、薬が投与された後、細胞内グリセリントリエステルの増加量を計算する。
陽性対照群はRosiglitazoneであり、溶剤対照群は0.1%DMSOを含有する培養液である。各種化合物が三つの異なる濃度(0.01、0.1、1μmol/L)において、グリセリントリエステルの増加量を測定する。第2表から見ると、化合物6、13、17、18等のインシュリン敏感活性は比較的強く、本発明にかかる誘導体はII型糖尿病患者の血糖レベルの制御と合弁症の発生を抑えることができる。
本発明に関するベンゾピラン系化合物はチアゾリジンジオン基を含有していないが、チアゾリジンジオン化合物と類似のインシュリン敏感化活性を有している。従ってこれらの化合物は新規の糖尿病用治療薬物になる可能性がある。
【0012】
【表3】

【0013】
本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩は安全かつ、有効な量の範囲における本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩及び許容される担体を含む各種の製剤として製造され得る。
「安全かつ、有的な量」とは化合物の量が病状を明らかに十分に改善でき、厳しい副作用を誘起しないものであることを意味する。化合物の安全かつ、有効な量は治療対象の年齢、病状、治療のコースなどの具体的な状況によって定められる。
「薬学的に許容される担体」とは、一種又は多種の相互溶解性の固体又は液体充填材或いはゲル物質であり、人に対する使用に適し且つ十分な純度と十分な低い毒性を有するものを指す。「相互溶解性」とは組成物における各成分が本発明の化合物と及びこれらの各成分相互に混ぜ合わせることができ、かつ化合物の薬効を明らかに低下することがないことを指す。薬学的に許容される担体の一部の例はセルロース及びその誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースナトリウム、セルロース酢酸エステル等)、ゼラチン、滑石、固体潤滑剤(例えばステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム)、硫酸カルシウム、植物油(例えば大豆油、落花生油、ラグビー油等)、多塩基アルコール(例えばプロパンジオール、グリセリン、マンニトール、ソルビトール等)、エマルジョン剤(例えば 商標名TUWEENS)、湿潤剤(ドデシル硫酸ナトリウム)、着色剤、調味剤、安定剤、酸化防止剤、防腐剤、発熱性物質を含まない水等が挙げられる。
【実施例】
【0014】
以下、本発明について実施例により具体的に説明する。但し本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。あらゆる実施例において、融点はMEL―TEMP融点計器で測定し、温度計は検定されなかった;1H−NMRはVarian Mercury400 核磁気共鳴計器で記録し、化学シフトはδ(ppm)で表示する。;分離に使用したシリカゲルは特に説明しない限り全て200−300メッシュである。
実施例1:7−フェニルメトキシ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル(化合物1)
7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸メチル(0.2g、1mmol)をN,N'−ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解し、ブロムベンジル(0.36ml、3mmol)及び粉砕した炭酸カリウム(0.5g)を加え、70℃で12時間撹拌した。水(10mL)を入れた後、酢酸エチルで抽出(2×10mL)し、酢酸エチルを合わせて水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。約5mLになるまで減圧、濃縮する。放置して、固体を析出し、吸引ろ過して標題化合物0.21gを得た。収率67.7%。m.p.129〜130℃。1H NMR(CDCl3):δ=3.92(s,3H),5.19(s,2H),6.85(d,J=2.4Hz,1H),6.95(dd,J=8.8Hz,2.4Hz,1H),7.40(m,5H),7.52(d,J=8.8Hz,1H),8.55(s,1H);元素分析、C18145(310):計算値 C,69.68;H,4.52.実測値C,69.63;H,4.51;IR(KBr):3054.7,2948.7,1749.1,1697.1,1610.3,1558.2,1500.4,1438.7,1378.9,1226.5,1116.6,1026,794.5,725.1,692.3,636.4cm-1;EI−MS(m/z):310(12,M+),91(100).
実施例2:7−フェニルメトキシ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸(化合物2)
化合物1(0.1g,0.32mmol)をエタノール(0.5mL)に溶解させ、10%水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を添加し、1時間還流反応した。冷却し、濃塩酸(0.3mL)を添加し、続いて10分間撹拌し、水(5mL)を添加し、生成された固体を吸引ろ過し、ケーキを水洗させ、乾燥した後標題化合物0.09gが得られた。収率90%。m.p.196〜197℃。1H NMR(DMSO−d6):δ=5.25(s,2H),7.08(dd,J=2.2Hz,8.8Hz,1H),7.12(d,J=2.2Hz,1H),7.30〜7.50(m,5H),7.83(d,J=8.8Hz,1H),8.73(s,1H);元素分析、C17125(296):計算値 C,68.92;H,4.05;実測値 C,68.50;H,4.12;IR(KBr):3054.7,1747.2,1677.8,1600.7,1556.3,1421.3,1378.9,1257.4,1209.2,1120.2,732.8cm-1;EI−MS(m/z):296(4,M+),91(100).
【0015】
実施例3:7−(2−フェニル)エトキシ-2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル(化合物3)
7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸メチル(0.6g、3mmol)と2−フェニルエタノール(0.36mL、3mmol)を無水テトラヒドロフラン(60mL)に溶解させ、トリフェニルホスフィン(1.2g、4.5mmol)を添加し、0℃で徐々にアゾビスジカルボキシ酸ジエチル(0.72mL、4.5mmol)を滴下し、室温で24時間撹拌した。溶剤を減圧留去し、残留物はメタノールで白色固体を析出し、当該固体をメタノールで再結晶させた後、標題化合物0.45gが得られた。収率46.3%。m.p.100〜101℃。1H NMR(CDCl3):δ=3.12(t,J=6.8Hz,2H),3.92(s,3H),4.14(t,J=7.1Hz,2H),6.79(d,J=2.4Hz,1H),6.88(dd,J=2.4Hz,8.8Hz,1H),7.21〜7.35(m,5H),7.47(d,J=8.7Hz,1H),8.50(s,1H);元素分析、C19165(324):計算値 C,70.37;H,4.94.実測値 C,70.25;H,4.93;IR(KBr):3045.1,2952.5,1751.1,1693.2,1610.3,1554.4,1506.2,1436.7,1375,1307.5,1222.7,1114.7,1018.2,835,749.5,738.6,700,594cm-1;EI−MS(m/z):324(24,M+),105(100).
実施例4:7−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル(化合物4)
2−(5−エチル−2−ピリジル)エタノール及び7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸メチルを原料とし、実施例3と同様な製造方法より標題化合物が得られた。収率50.5%。m.p.99〜100℃。1H NMR(CDCl3):δ=1.24(t,J=7.7Hz,3H),2.65(m,J=7.7Hz,2H),3.28(t,J=6.6Hz,2H),3.92(s,3H),4.45(t,J=6.6Hz,2H),6.80(d,J=2.2Hz,1H),6.90(dd,J=8.5Hz,2.2Hz,1H),7.20(d,J=8.0Hz,1H),7.45(d,J=8.5Hz,1H),7.55(dd,J=7.9Hz,2.2Hz,1H),8.40(d,J=2.2Hz,1H),8.55(s,1H);元素分析、C2019NO5(353):計算値C,67.99;H,5.38;N,3.97.実測値C,67.96;H,5.43;N,3.87;IR(KBr):2969.9,1758.8,1693.2,1616.1,1560.2,1442.5,1376.9,1309.4,1226.5,1114.7,1022.1,792.6,590.1cm-1;EI−MS(m/z):277(100),353(8,M+).
【0016】
実施例5:7−[2−(1−インドール)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル(化合物5)
2−(1−インドール)エタノール及び7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸メチルを原料とし、実施例3と同じ製造方法より標題化合物の粗製品が得られ、粗製品はメタノールには溶解しない。メタノールと共に10分間共同還流し、置いて冷却したのち、吸引ろ過し標題化合物が得られた。収率72.1%。m.p.136〜137℃。1H NMR(CDCl3):δ=3.90(s,3H),4.35(t,J=5.3Hz,2H),4.58(t,J=5.3Hz,2H),6.50(d,J=3.4Hz,1H),6.71(d,J=2.4Hz,1H),6.80(dd,J=2.0Hz,8.3Hz,1H),7.10(t,J=7.3Hz,1H),7.18(d,J=2.9Hz,1H),7.21(m,1H),7.40(d,J=8.3Hz ,1H),7.43(d,J=8.8Hz,1H),7.62(d,J=7.8Hz,1H),8.48(s,1H);元素分析、C2116NO5(362):計算値C,69.61;H,4.42;N,3.34.実測値C,69.44;H,4.69;N,3.85;EI−MS(m/z):363(40,M++1),130(100).
実施例6:7−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル(化合物6)
2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エタノール(0.38g、1.85mmol)と7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸メチル(0.37g、1.85mmol)を無水テトラヒドロフラン(40mL)に溶解し、トリフェニルホスフィン(0.726g、2.78mmol)を加入し、0℃で徐々にアゾビスジカルボキシ酸ジエチル(438μL、2.78mmol)を滴下した。室温で24時間撹拌し、溶剤を減圧留去させ、残留物がメタノールに固体を析出し、吸引ろ過した後、標題化合物0.38gが得られた。収率51.3%。m.p.139〜140℃(分解)。1H NMR(CDCl3):δ=2.36(s,3H,オキサゾリルCH3),3.02(t,J=6.6Hz,2H,オキサゾリルCH2−),3.91(s,3H,OCH3),4.34(t,J=6.5Hz,2H,H2C−O),6.80(d,J=2.2Hz,1H,8−H),6.85(dd,J=8.7Hz,2.3Hz,1H,6−H),7.40(m,3H,Ph−H),7.46(d,J=8.8Hz,1H,5−H),7.96(m,2H),8.50(s,1H,4−H);元素分析、C2319NO6(405):計算値C,68.15;H,4.69;N,3.46.実測値C,68.22;H,4.98;N,3.50;IR(KBr):3072.1,1762.6,1697.1,1612.2,1558.2,1376.9,1313.3,1222.7,1139.7,1016.3,709.7cm-1;EI−MS(m/z):405(16,M+),186(100).
【0017】
実施例7:7−(2−フェニル)エトキシ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸(化合物7)
化合物3を原料とし、実施例2と同様な製造方法でより標題化合物が得られた。収率92%。m.p.150〜151℃。1H NMR(DMSO−d6):δ=3.08(t,J=6.8Hz,2H),4.35(t,J=6.8Hz,2H),6.98(dd,J=2.5Hz,8.5Hz,1H),7.04(d,J=2.5Hz,1H),7.18〜7.34(m,5H),7.80(d,J=8.8Hz,1H),8.70(s,1H),12.95(s,1H,COOH);元素分析、C18145(310):計算値 C,69.68;H,4.52.実測値 C,69.55;H,4.34;IR(KBr):2952.5,1741.4,1679.7,1618,1556.3,1425.2,1382.7,1257.4,1213,1122.4,808,698.1cm-1;EI−MS(m/z):310(3,M+),105(100).
実施例8:7−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸(化合物8)
化合物4を原料とし、実施例2と同様な製造方法より標題化合物が得られた。収率91%。m.p.130〜131℃。1H NMR(DMSO−d6):δ=1.28(t,J=7.5Hz,3H),2.81(m,J=7.5Hz,2H),3.53(m,2H),4.58(t,J=6.4Hz,2H),6.95(dd,J=8.7Hz,2.0Hz,1H),7.15(d,J=2.0Hz,1H),7.80(d,J=8.7Hz,1H),7.98(d,J=7.9Hz,1H),8.40(d,J=8.3Hz,1H),8.70(s,1H),8.75(s,1H);元素分析、C1917NO5・2H2O(375):計算値C,60.80;H,5.60;N,3.73.実測値 C,60.34;H,5.27;N,3.70;IR(KBr):3548.4,3477.1,3369.1,3045.1,2969.9,2630.5,1741.4,1689.4,1612.2,1556.3,1540.2,1382.7,1226.5,1180.2,1016.3,798.4cm-1;EI−MS(m/z):339(8,M+),134(100).
【0018】
実施例9:7−[2−(1−インドール)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸(化合物9)
化合物5を原料とし、実施例2と同様な製造方法より標題化合物が得られた。収率91%。m.p.166〜168℃。1H NMR(DMSO−d6):δ=4.42(t,J=5.0Hz,2H),4.60(t,J=5.3Hz,2H),6.43(m,1H),6.90(dd,J=2.4Hz,8.8Hz,1H),7.00(m,2H),7.12(m,1H),7.41(d,J=3.3Hz,1H),7.52(m,2H),7.78(d,J=8.8Hz,1H),8.68(s,1H),12.98(s,1H);元素分析、C2014NO5(348):計算値 C,68.97;H,4.02;N,4.02.実測値C,68.38;H,4.36;N,3.93;IR(KBr):3058.6,2971.8,1764.6,1637.9,1602.6,1554.4,1508.1,1380.8,1276.7,1226.5,1139.7,800.3,732.8cm-1;EI−MS(m/z):349(9,M++1),105(100).
実施例10:7−[2−(5−メチル−2−フェニル基−4−オキサゾリル)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸(化合物10)
化合物6を原料とし、実施例2と同様な製造方法より標題化合物が得られた。収率91%。m.p.142〜143℃。1H NMR(DMSO−d6):δ=2.38(s,3H,oxazole−CH3),2.78(t,J=6.8Hz,2H,−CH2−C),4.37(t,J=6.9Hz,2H,CH2−O),7.01(dd,J=2.5Hz,8.3Hz,1H,6−H),7.06(d,J=2.4Hz,1H,8−H),7.48(m,3H,Ph−H),7.81(d,J=8.8Hz,1H,5−H),7.90(m,2H,Ph−H),8.71(s ,1H,4−H),13.0(s,1H,COOH);元素分析、C2217NO6・2/3H2O(403):計算値C,65.51;H,4.55;N,3.47.実測値C,65.23 ;H,4.41;N,3.32;IR(KBr):3054.7,1749.1,1679.7,1554.4,1508.1,1378.9,1257.4,1211.1,1141.7,800.3,690.4cm-1;EI−MS(m/z):391(28,M+),91(100);HRMS:391.1047(C2217NO6).
【0019】
実施例11:7−(2−フェニル基)エトキシ−3、4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル(化合物11)
化合物3(0.62g、1.58mmol)をメタノール(3mL)とジオキサン(1mL)混合溶剤に溶解させ、10%Pd−C(0.2g)を添加し、水素を吸収しなくなるまで常圧で水素化反応させた。Pd−Cをろ別し、溶剤を減圧蒸除して、標題化合物0.6gが得られた。収率95%。1H NMR(CDCl3):δ=2.97(t,J=6.7Hz,2H),3.10(dd,J=5.9Hz,15.8Hz,1H),3.35(dd,J=8.8Hz,16.1Hz,1H),3.75(m,4H),4.22(t,J=6.6Hz,2H),6.70(d,J=2.3Hz,1H),6.79(dd,J=8.8Hz,2.3Hz,1H),6.98(d,J=8.8Hz,1H),7.43(m,3H),7.99(m,2H);元素分析、C19185・1/3H2O(332):計算値C,68.67;H,5.62.実測値C,68.87;H,5.71;IR(KBr):3479,2933.2,1758.8,1735.6,1631.5,1511.9,1434.8,1357.7,1286.3,1213,1164.8,1118.5,1022.1,759.8,705.8,609.4cm-1;EI−MS(m/z):326(12,M+),105(100).
実施例12:7−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]-3、4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル(化合物12)
化合物4を原料とし、実施例11と同様な製造方法より標題化合物が得られた。収率96%。m.p.85〜86℃(分解)。1H NMR(CDCl3):δ=1.24(t,J=7.7Hz,3H),2.62(m,J=7.7Hz,2H),3.15(dd,J=6.2Hz,15.9Hz,1H),3.21(t,J=6.8Hz,2H),3.35(dd,J=8.4Hz,15.9Hz,1H),3.65(m,4H),4.30(t,J=6.8Hz,2H),6.80(d,J=2.6Hz,1H),6.88(dd,J=8.5Hz,2.6Hz,1H),7.15(d,J=8.2Hz,1H),7.20(d,J=8.1Hz,1H),7.48(dd,J=7.9Hz,2.2Hz,1H),8.40(d,J=2.0Hz,1H);元素分析、C2021NO5(355):計算値C,67.61;H,5.92;N,3.94.実測値C,67.52;H,5.84;N,3.78;IR(KBr):2960.2,1700.4,1737.6,1629.6,1510,1434.8,1371.2,1292.1,1203.4,1161,1124.3,1031.7,848.5,800.3,607.5cm-1;EI−MS(m/z):355(4,M+),121(59),134(100).
【0020】
実施例13:7−[2−(5−メチル−2−フェニル基−4−オキサゾリル)エトキシ]−3,4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル(化合物13)
化合物6(0.05g、0.14mmol)をメタノール(1.5mL)とジオキサン(3mL)混合溶剤に溶解させ、10%Pd−C(0.05g)を添加し、水素を吸収しなくなるまで常圧で水素化反応させた。Pd−Cをろ別し、溶剤を減圧蒸除し、残留物がメタノールに固体を析出し、吸引ろ過した後、標題化合物0.4gが得られた。収率80.0%。1H NMR(CDCl3):δ=2.37(s,3H),2.97(t,J=6.5Hz,2H),3.08(dd,J=15.9Hz,6.1Hz,1H),3.34(dd,J=15.7Hz,8.6Hz,1H),3.73(m,4H),4.22(t,J=6.4Hz,2H),6.60(d,J=2.2Hz,1H),6.64(dd,J=8.5Hz,2.3Hz,1H),7.06(d,J=8.4Hz,1H),7.41(m,3H),7.99(m,2H);元素分析、C2321NO6(407):計算値C,67.81;H,5.16;N,3.44.実測値C,67.81;H,5.16;N,3.43;IR(KBr):2919.7,1754.9,1731.8,1629.6,1510,1444.4,1365.4,1292.1,1161,1147.5,1120.5,800.3,713.5,686.5cm-1;EI−MS(m/z):407(20,M+),186(100).
実施例14:7−(4−トリフルオロメチルフェニルメトキシ)−3,4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル(化合物14)
4−トリフルオロメチルベンジルアルコール(70μL、0.5mmol)と7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−3−クマリンカルボキシ酸メチル(0.1g、0.5mmol)を無水エーテル(8mL)に溶解させ、トリフェニルホスフィン(0.19g、0.75mmol)を添加し、0℃で徐々にアゾビスジカルボキシ酸ジエチル(120μL、0.75mmol)を滴下し、室温で24時間撹拌する。30℃で溶剤を減圧留去させ、残留物が室温でメタノールと均一混合させ、生成された固体を吸引ろ過して標題化合物0.12gが得られた。収率61%。m.p.138〜139℃。1H NMR(CDCl3):δ=3.35(d,13.6Hz,1H),3.50(d,13.8Hz,1H),3.60(m,4H),5.09(s,2H),6.62(d,J=2.5Hz,1H),6.70(dd,J=8.4Hz,2.3Hz,1H),7.05(d,J=8.4Hz,1H),7.40(d,J=8.3Hz,2H),7.65(d,J=8.3Hz,2H);元素分析、C191535(380):計算値C,60.00;H,3.95.実測値C,60.43;H,3.77;IR(KBr):3068.2,1768.4,1724.1,1625.7,1510.0,1332.6,1243.9,1162.9,1068.4,829.3cm-1;EI−MS(m/z):380(4,M+),159(100);HRMS:380.0846(C191535).
【0021】
実施例15:7−[2−(N−t−ブチルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル(化合物15)
2−(N−t−ブチルオキシカルボニル−メチルアミノ)エタノール(0.5g、3mmol)と7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸メチル(0.6g、3mmol)を60mL無水テトラヒドロフランに溶解させ、トリフェニルホスフィン(1.2g、4.5mmol)を添加し、0℃で徐々にアゾビスジカルボキシ酸ジエチル(720μL、4.5mmol)を滴下し、室温で24時間撹拌し、30℃で溶剤を減圧留去させ、室温で残留物とメタノールと均一混合させ、生成された固体を吸引ろ過して標題化合物0.83gが得られた。収率72.6%。m.p.128〜129℃。
1H NMR(DMCO−d6):δ=1.40(s,9H),2.96(s,3H),3.65(s,2H),3.81(s,3H),4.32(s,2H),6.94(d,J=2.2Hz,1H),7.00(dd,J=2.2Hz,8.4Hz,1H),7.80(d,J=8.8Hz,1H),8.60(s,1H);EI−MS(m/z):377(1,M+),102(100).
実施例16:7−[2−[N−メチル−N−(2−ベンゾオキサゾリル)アミノ]エトキシ]−3、4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル(化合物16)
化合物15(0.55g、1.46mmol)をメタノール(5mL)とジオキサン(15mL)混合溶剤に溶解させ、10%Pd−C(0.1g)を添加し、水素を吸収しなくなるまで常圧で水素化反応させ、Pd−Cをろ別し、溶剤を減圧蒸除して、白色固体0.54gが得られ、当該固体をジクロルメタン(1.7mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(1.7mL)を加え、0℃で8時間撹拌し、室温で一部分溶剤を減圧留去させ、残留液体は飽和重曹炭酸ナトリウム水溶液で弱アルカリ性に調整し、ジクロルメタン(2×10mL)にて抽出し、ジクロルメタンを合わせて水洗し、無水硫酸マグネシウで乾燥し、吸引ろ過し、ろ液から溶剤を留去させ、白色固体0.35gが得られた。当該固体をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解させ、0℃で2−クロルベンゾオキサゾール(0.4g、2.6mmol)及びトリエチルアミン(0.72mL、5.2mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。テトラヒドロフランを減圧留去させ、残留物は酢酸エチル(10mL)に溶解した後、水(10mL)で洗浄し、酢酸エチル層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、酢酸エチルを減圧留去し、残留物は石油エーテル:酢酸エチル=3:4を溶出剤とし、シリカゲルカラムにて層析し標題化合物0.28gが得られた。収率50.1%。m.p.88〜90℃.1H NMR(CDCl3):δ=3.10(dd,J=6.1Hz,16.0Hz,1H),3.33(m,4H),3.72(m,4H),3.92(t,J=5.2Hz,2H),4.23(t,J=5.1Hz,2H),6.61(d,J=2.6Hz,1H),6.65(dd,J=2.4Hz,8.3Hz,1H),7.00(m,1H),7.08(d J=8.4Hz,1H),7.16(m,1H),7.26(d,J=7.9Hz,1H),7.36(d,J=7.8Hz,1H);元素分析、C212026(396):計算値C,63.60;H,5.05;N,7.07.実測値C,63.76;H,5.00;N,6.80;IR(KBr):2935.2,1768.4,1735.6,1648.9,158.2,1510,1459.9,1434.8,1292.1,1240,1161,1145.5,1002.8,800.3,734.8cm-1;EI−MS(m/z):396(12,M+),148(100).
【0022】
実施例17:7−[2−(5−メチル-2-フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸t−ブチル(化合物17)
2,4−ジヒドロキシフェニルアルデヒド(0.27g、2mmol)とマロン酸ジ−t−ブチル(0.43g、2mmol)をt−ブチルアルコール(5mL)に溶解させ、ピペリジン3滴を滴下した。16時間還流反応し、懸濁液が得られた。置いて冷却し、不溶物をろ別し、母液を濃縮させ、酢酸エチルを加え、均一撹拌した後上澄液を取り、上澄液を濃縮させた後、石油エーテル:酢酸エチル=3:2を溶出剤とし、シリカゲルカラムにて層析し7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸t−ブチル0.14gが得られた。収率22.5%。
2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エタノールと7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸tブチルを原料とし、実施例6と同様な製造方法より標題化合物が得られた。収率36%。m.p.140〜142℃。1H NMR(DMCO−d6):δ=1.58(s,9H),2.42(s,3H),3.04(t,J=6.6Hz,2H),4.46(t,J=6.6Hz,2H),6.95(d,J=2.2Hz,1H),6.99(dd,J=8.8Hz,2.2Hz,1H),7.50(m,3H),7.73(d,J=8.4Hz,1H),7.99(m,2H),8.53(s,1H);元素分析、C2625NO6(447):計算値C,69.80;H,5.59;N,3.13.実測値C,69.79;H,5.57;N,3.16;IR(KBr):2979.5,1747.2,1708.6,1612.2,1508.1,1371.2,1226.5,1164.8,1014.4,833.1,690.4cm-1
実施例18:7−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ]−3、4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸(化合物18)
化合物17(70mg、1.56mmol)をメタノール/ジオキサン(1:1)の混合溶剤(8mL)に溶解させ、10%Pd−C(0.05g)を添加し、水素を吸収しなくなるまで常圧で水素化反応させる。Pd−Cをろ別し、溶剤を減圧留去させ、油状物(0.05g)が得られ、上記油状物(0.01g)をジクロルメタン(0.5mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、室温で1時間撹拌する。一部分溶剤を減圧留去させ、残留液に水(5mL)を入れ、、酢酸エチルで(2×5mL)抽出し、酢酸エチルを合わせた後、水洗させ、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、ろ液は約3mLまでに濃縮させ、−20℃で置いて白色沈殿が生成される。これを吸引ろ過し、乾燥して標題化合物7mgが得られた。収率13%。m.p.124〜125℃。1H NMR(DMSO−d6):δ=2.37(s,3H),2.91(t,J=6.6Hz,2H),3.18(m,2H),3.92(t,J=6.2Hz,1H),4.22(t,J=6.6Hz,2H),6.72(m,2H),7.20(d,J=8.1Hz,1H),7.50(m,3H),7.90(m,2H);元素分析、C2219NO6・1/2 H2O(402):計算値C,65.67;H,4.98;N,3.48.実測値C,66.04;H,4.87;N,3.34;IR(KBr):2923.6,1738.4,1627.7,1511.9,1288.2,1120.5,850.5,713.5 cm-1;EI−MS(m/z):349(52),186(100).
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明に提供されたベンゾピラン系化合物又はその塩は比較的に強いインシュリン敏感化活性を持ち、その活性はチアゾリンジオン系化合物に類似しているが、当該系化合物にチアゾリジンジオン基を有していないため、肝臓毒性のない新型糖尿病治療用薬物になる将来性があり、抗II型糖尿病患者の血糖レベルを制御し、合併症の発生を抑制することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)に表されるベンゾピラン系化合物又はその塩。
【化1】

(ただし、一般式(I)において3、4位は単重結合又は二重結合、R1 =水素原子又はC1−C6直鎖又は分岐鎖アルキル基、R2 =C1−C6直鎖又は分岐鎖アルキル基又は以下の基団から選ばれる芳香族環基又は芳香族複素環基であり、
【化2】

3はC1−C4直鎖又は分岐鎖アルキル基、トリフルオロメチル基、アミノ基、アミノアルキル基、ニトロ基、ハロゲン或ヒドロキシ基、n=0〜4、Y=N、CHである。)
【請求項2】
(1)7−フェニルメトキシ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(2)7−フェニルメトキシ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸;
(3)7−(2−フェニル)エトキシ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(4)7−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(5)7−[2−(1−インドール)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(6)7−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(7)7−(2−フェニル)エトキシ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸;
(8)7−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸;
(9)7−[2−(1−インドール)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸;
(10)7−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸;
(11)7−(2−フェニル)エトキシ−3,4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(12)7−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]−3,4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(13)7−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ]−3,4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(14)7−(4−トリフルオロメチルフェニルメトキシ)−3,4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(15)7−[2−(N−t−ブチルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(16)7−[2−[N−メチル−N−(2−フェニルオキサゾリル)アミノ]エトキシ]−3,4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸メチル;
(17)7−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ]−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸t−ブチル;
(18)7−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ]−3,4−ジヒドロ−2−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−3−カルボキシ酸
から選ばれる化合物であることを特徴とする請求項1記載のベンゾピラン系化合物及びその塩。
【請求項3】
請求項1に記載されたベンゾピランの製造方法は:
(1)7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸メチルとハロゲンベンジルがエーテル化反応を行わせ、その後アルカリ性条件で加水分解し、一般式(I)化合物を得る、(ただし、R1はCH3又はHである;R2は以下の基である)
【化3】

(2)7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸メチルが対応するアルコールとMitsunobu反応を行わせ、その後加水分解し、一般式(I)化合物を得る、(ただし、R1はCH3又はHである;R2は以下の基である)
【化4】

(3)3,4−位が二重結合である一般式(I)化合物を接触水素化させ、3,4−位が単重結合である一般式(I)化合物を得る
(4)必要に応じて、対応する薬学的に許容される塩を製造することを特徴とするベンゾピラン系化合物及びその塩の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載されたベンゾピランの製造方法は:
(1)7−ヒドロキシ−3−クマリンカルボキシ酸メチルとt−ブチルオキシカルボニルで保護されている2−メチルアミノエタノールとはMitsunobu縮合を行わせ、得られた化合物は二重結合を水素化還元したのち、保護基を脱除去し、その後2−クロルベンゾオキサゾールと縮合し一般式(I)化合物を得る、(ただし、R1はCH3であり;R2は以下に表示されている基である)
【化5】

(2)必要に応じて対応する薬学的に許容される塩を製造することを特徴とするベンゾピラン系化合物及びその塩の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載されたベンゾピランの製造方法は:
(1)7−ヒドロキシ−3−クマリンギ酸t−ブチルと2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エタノールとはMitsunobu縮合を行わせ、得られた化合物を接触水素化させて一般式(I)化合物を得る、(ただし、R1はt−ブチル又はHであり;R2は以下に表示されている基である);
【化6】

(2)必要に応じて対応する薬学的に許容される塩を製造することを特徴とするベンゾピラン系化合物及びその塩の製造方法。
【請求項6】
抗II型糖尿病用薬物に応用されることを特徴とする一般式(I)に表示されるベンゾピラン系化合物及びその塩。

【公表番号】特表2006−514666(P2006−514666A)
【公表日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−568615(P2004−568615)
【出願日】平成15年2月26日(2003.2.26)
【国際出願番号】PCT/CN2003/000151
【国際公開番号】WO2004/076437
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(302051326)中国科学院上海薬物研究所 (5)
【Fターム(参考)】