説明

ホットメルト成型装置と、その装置を用いたリード線付き検知用スイッチの製造方法と、その方法で製造したリード線付き検知用スイッチ。

【課題】ホットメルト材料の注入量を調節可能とし、且つ金型形状の転写性を向上したホットメルト成型装置と、その装置を用いたリード線付き検知用スイッチの製造方法と、その製造方法で製造したリード線付き検知用スイッチを提供する。
【解決手段】 ホットメルト材料8を計量し注入する注入手段2と、注入手段2のホットメルト材料8の注入を調節するバルブゲート部3と、注入手段2からバルブゲート部3を経由してホットメルト材料8が注入されるキャビティ9を形成する成型金型4と、からなるホットメルト成型装置1を用いて、リード線65付き検知用スイッチ61を成型金型4に封止し、リード線65との結線部分もしくはリード線65の引き出し部分にホットメルト材料8でモールドした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホットメルト成型装置と、その装置を用いたリード線付き検知用スイッチの製造方法と、その方法で製造したリード線付き検知用スイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、防水性や防塵性の要求される自動車のドアなどの開閉やレバー位置を検知する検知用スイッチや、そのスイッチを端部に接続するコネクタなどにリード線を取り付けたとき、そのリード線との結線部分もしくはリード線の引き出し部分を水や塵埃などから保護するために、エポキシ樹脂製シール材でシールする方法があった。
【0003】
しかし、エポキシ樹脂製であるため、シール材の硬化に時間がかかるという問題があった。
【0004】
そこで、上記検知用スイッチなどのリード線との結線部分もしくはリード線の引き出し部分に成型金型を用いてホットメルト材料でモールドして保護する方法が考えられた。
【0005】
これは、リード線を付けた上記検知用スイッチなどを成型金型に封止して、溶融させたホットメルト材料をエアポンプやギアポンプで成型金型内に注入し硬化させて、検知用スイッチなどのリード線との結線部分もしくはリード線の引き出し部分を保護する方法であった(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、エアポンプやギアポンプでは注入圧が低いため、注入量の調節が困難であり、金型形状の転写性が悪く、検知用スイッチなどのリード線との結線部分もしくはリード線の引き出し部分のモールドの再現性が低いという問題を抱えている。
【特許文献1】特開平9−223435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであり、注入量を調節可能とし、且つ金型形状の転写性を向上したホットメルト成型装置と、その装置を用いたリード線付き検知用スイッチの製造方法と、その方法で製造したリード線付き検知用スイッチを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のホットメルト成型装置1は、ホットメルト材料8を計量し注入する注入手段2と、前記注入手段2のホットメルト材料8の注入を調節するバルブゲート部3と、前記注入手段2から前記バルブゲート部3を経由して前記ホットメルト材料8が注入されるキャビティ9を形成する成型金型4と、からなるホットメルト成型装置1であって、前記バルブゲート部3は、前記注入手段2の下方に配置され、流通する前記ホットメルト材料8を加熱するホットランナー31と、前記ホットランナー31で加熱された前記ホットメルト材料8を前記キャビティ9へ注入するゲート33と、前記ゲート33を開閉するゲートバルブピン34と、からなり、前記成型金型4は、上方に前記ゲート33が配置される上型41と、前記上型41の下方に位置した下型42と、からなり、リード線65付きのインサート品6を前記キャビティ9に封止し、前記インサート品6のリード線65との結線部分もしくはリード線65の引き出し部分をモールドすることを特徴とするものである。
【0009】
このような構成をすることで、ホットメルト材料8の注入圧を向上でき、且つ注入するホットメルト材料8を計量できるものとなる。
【0010】
また、前記成型金型4のキャビティ9を形成する形成面43が、前記上型41より前記下型42の割合が大きい前記成型金型4とすれば、前記下型42に接触するインサート品6の面積を増すことができる。
【0011】
また、前記形成面43にフッ素コーティングを行った前記成型金型4とすれば、インサート品6のリード線65との結線部分もしくはリード線65の引き出し部分に行ったモールド部66が前記成型金型4に食い付き難くなり好ましい。
【0012】
また、負圧式温度調節手段46により前記成型金型4の温度調節を行う前記成型金型4とすることで、温度調節を行う媒体がその流動経路を負圧で流動するため、モールドしたインサート品6を離型するエジェクターブロックなどの摺動部47が流動経路中にあり、摺動部47の摺動により前記成型金型4との間に隙間が生じても、前記温度調節を行う媒体が前記隙間から漏れるのを防止でき好ましい。
【0013】
また、前記インサート品6を前記成型金型4に固定する固定部材7を前記インサート品6と前記キャビティ9との隙間に設けることで、前記ホットメルト材料8注入時の注入圧で前記インサート品6が動くことを抑制でき好ましい。
【0014】
また、前記成型金型4は、前記インサート品6が突起部67を有する場合において、前記突起部67と噛合して前記インサート品6を固定保持する保持部を備えることで、前記ホットメルト材料8注入時の注入圧で前記インサート品6が動くことを前記インサート品6自体で抑制でき好ましい。
【0015】
また、前記ゲート33が前記キャビティ9内に突出した前記バルブゲート部3とすると、前記ゲート33およびゲート33付近のモールドを他の部分より凹ませて形成でき好ましい。
【0016】
また、本発明のリード線65付き検知用スイッチ61の製造方法は、請求項1から7のいずれか一つに記載のホットメルト成型装置1を用いて、リード線65付き検知用スイッチ61を前記キャビティ9に封止して、前記成型金型4を型閉めし、前記注入手段2から前記バルブゲート部3を経由して前記キャビティ9にホットメルト材料8を注入することで、前記リード線65付き検知用スイッチ61のリード線65との結線部分もしくはリード線65の引き出し部分を前記ホットメルト材料8によりモールドすることを特徴とする方法である。
【0017】
このような方法で製造すると、ホットメルト材料8を高い注入圧で注入でき、且つ注入するホットメルト材料8を計量できる。
【0018】
また、本発明のリード線65付き検知用スイッチ61は、請求項8記載の製造方法により、前記リード線65付き検知用スイッチ61のリード線65との結線部分もしくはリード線65の引き出し部分を前記ホットメルト材料8によりモールドしたことを特徴とするものである。
【0019】
このような構成としたことで、最適な量のホットメルト材料8を高い注入圧で注入してモールドできる。
【発明の効果】
【0020】
前記のように、本発明の成型装置は、ホットメルト材料の注入圧が向上し、且つ注入量を計量可能としたことで、インサート品のモールドにおける金型形状の転写性が向上し、インサート品に再現性の高いモールドを形成できる。
【0021】
また、下型側にはバルブゲート部および注入手段が無いため、作業効率を向上させる補助手段、例えば温度調節手段、を配置しやすい構成であり、下型に接触するインサート品の面積を増すことで、成型金型の温度調節などの効率を向上でき、成型における作業時間を短縮する。
【0022】
また、インサート品に行ったモールドが成型金型に食い付き難くなると、モールドの離型性が増し、モールドの破損が軽減され金型形状の転写性が向上する。
【0023】
また、温度調節を行う媒体が流動経路内の隙間から漏れるのを防止したことで、キャビティ側に流動経路を近づけられ、成型金型の温度調節の効率が向上する。
【0024】
また、ホットメルト材料注入時の注入圧でインサート品が動くのを固定部材で抑制したことで、注入圧によるインサート品の破損や、寸法誤差の発生を防止する。
【0025】
また、ホットメルト材料注入時の注入圧でインサート品が動くのをリード線付きインサート品自体で抑制したことで、型閉め時にキャビティ内にリード線付きインサート品の他に別部材を配置する必要が無く、且つ注入圧によるインサート品の破損や、寸法誤差の発生を防止する。
【0026】
また、インサート品のゲートおよびゲート付近のモールドを他の部分より凹ませて形成することで、ゲートの開閉不良で、ゲートおよびゲート付近のモールドが盛り上がっても、他のモールド部分より突出し難くなり、ゲート付近の盛り上がりによる寸法誤差を抑制する。
【0027】
また、ホットメルト材料の注入圧が向上し、且つ注入量を計量可能としたことで、リード線付き検知用スイッチに、金型形状の転写性が高く再現性の高いモールドを形成できる。
【0028】
また、最適な量のホットメルト材料を高い注入圧で注入してモールドすることで、金型形状の転写性が向上し再現性の高いモールドを形成でき、寸法誤差の小さいリード線付き検知用スイッチとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0030】
本発明のホットメルト成型装置1は、図1〜3に示すように、ホットメルト材料8を計量し注入する注入手段2と、上記注入手段2によるホットメルト材料8の注入を調節するゲート33を備えたバルブゲート部3と、上記注入手段2から上記バルブゲート部3を経由してホットメルト材料8が注入されるキャビティ9を形成する成型金型4と、ホットメルト材料8の注入や温度などホットメルト成型装置1を制御する制御手段5と、からなるものである。
【0031】
そして、ホットメルト成型装置1は、上方から注入手段2、バルブゲート部3、成型金型4、制御手段5、の順に位置する縦に並んだ構成である。
【0032】
また、上記注入手段2は、例えば射出成型機であり、具体的には、モータ21で回転駆動するスクリュー22と、上記スクリュー22の軸方向の周囲を覆うシリンダー23と、上記シリンダー23にホットメルト材料8を外部から投入する材料投入部25と、上記シリンダー23の先端に設けたノズル24と、計量機構26と、からなるものである。
【0033】
そして、上記シリンダー23は、ホットメルト材料8を溶融可能とする温度に暖める加熱手段(特に図示しない)を備えており、投入されたホットメルト材料8を溶融し射出注入可能な状態にするものである。
【0034】
更に、溶融したホットメルト材料8は、回転するスクリュー22により上記ノズル24より射出され、前記バルブゲート部3に注入される。
【0035】
このとき、上記計量機構26は、スクリュー22の回転速度やホットメルト材料8のノズル24内の流速などを測定し、その測定結果に基づいて注入したホットメルト材料8の量を算出するものである。
【0036】
また、上記バルブゲート部3は、上記ノズル24からホットメルト材料8が注入されるホットランナー31と、上記ホットランナー31から前記キャビティ9にホットメルト材料8を注入する円錐状の二つのゲート33と、各ゲート33を夫々開閉するゲートバルブピン34と、からなるものである。
【0037】
そして、上記ホットランナー31はヒーター32で外側を覆われており、上記ノズル24から注入されたホットメルト材料8の溶融状態を保つものであり、長手方向の両端に成型金型4に向けてゲート33が設けてある。
【0038】
更に、上記ゲート33のホットメルト材料8が流動する内部空間には、ゲート33の開閉を行うゲートバルブピン34が位置している。
【0039】
上記ゲートバルブピン34は、一端にゲート33に係合することでゲート33を閉じるゲート係合部35と、他端にゲートバルブピン34を動作させゲート33の開閉を行う駆動機構36と、を備えたものである。
【0040】
そして、上記駆動機構36、例えば油圧式ピストン、によりゲートバルブピン34をゲート33に向けて動かし、ゲート係合部35をゲート33に係合させて、上記ゲート33を閉鎖し、ホットメルト材料8のキャビティ9への注入を止める。
【0041】
なお、上記ゲートバルブピン34のゲート係合部35の形状や駆動機構36は、ゲート33の開閉を行うものであればよい。
【0042】
また、前記成型金型4は、回転自在のターンテーブル14を上方に備えた固定盤11と、上記ターンテーブル14に複数、例えば四つ設置した下型42と、上記下型42内の一つの上方に位置し前記ゲート33が配置された上型41と、上記上型41が固定され上記固定盤11に対して上下方向(A方向)に動き成型金型4の型閉めおよび型開きを行う可動盤12と、上記可動盤12の動きをガイド支持する複数のタイバー13と、上記可動盤12を上下動させる駆動部(特に図示しない)と、からなるものである。
【0043】
そして、上記成型金型4の上型41および下型42は、図2のように、キャビティ9を形成する形成面43を面一に夫々二つずつ備えており、二つ並んだ同形のキャビティ9を一度に形成するものである。
【0044】
そして、上記ゲート33から夫々のキャビティ9にホットメルト材料8を注入することで、同時に二つのインサート品6にモールド部66を形成するものである。
【0045】
また、上型41の各形成面43aは、図4(a)のように、インサート品6に接し固定保持する接触面44aと、インサート品6のモールド部66の型でありホットメルト材料8が注入される注入面45aと、の二種類の面を夫々備えたものである。
【0046】
そして、上記注入面45aには、図4(b)のように、ゲート33がキャビティ9に向け開口して設けてある。
【0047】
更に、上記下型42の各形成面43bは、図5のように、インサート品6に接し固定保持する接触面44bと、インサート品6のモールド部66の型でありホットメルト材料8が注入される注入面45bと、の二種類の面を夫々備えたものである。
【0048】
また、ホットメルト成型装置1は縦に並んだ構成であるため、上型41と違い下型42には、ゲート33などのホットメルト材料8の注入に関する設備が無く、成型前後の成型金型4を温度調節する温度調節手段や、モールドしたインサート品6を離型するエジェクターなどの補助手段を配置しやすい構成である。
【0049】
そして、上記補助手段による成型金型4に対する温度調節などの効果を得やすくするため、上型41と下型42のキャビティ9を形成する割合は、図6のように、上型41に対して、下型42の割合を大きいものとした。
【0050】
また、制御手段5は、上記ホットメルト成型装置1を操作する操作部51と、制御状況を表示する表示部52と、を備えたものであり、射出速度、ゲート33の開閉、型閉めおよび型開き、シリンダー23や下型42の温度調節などの上記ホットメルト成型装置1における制御調節を行う。
【0051】
なお、計量手段6の測定結果から、制御手段5が注入したホットメルト材料8の量を算出してもよい。
【0052】
もちろん、上記ホットメルト成型装置1の各設備は、図および例示のもののみに限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲を越えない限り、いずれも適宜変更可能である。
【0053】
以下、上記ホットメルト成型装置1を用いて、リード線65付き検知用スイッチ61のリード線65との結線部分もしくはリード線65の引き出し部分にホットメルト材料8でモールド部66を形成する方法を説明する。
【0054】
なお、成型金型4の形状の都合、一度に二つの検知用スイッチ61にモールドを行うが、同一の手順および構成であるため、一方の検知用スイッチ61のみで説明を行う。
【0055】
リード線65との結線部分もしくはリード線65の引き出し部分にモールドする上記検知用スイッチ61は、例えば図7のように、押し釦式検知用スイッチである。
【0056】
そして、上記押し釦式検知用スイッチは、本体を形成するスイッチ本体62と、スイッチ本体62の内部に設けたスイッチ機構(特に図示しない)と、上記スイッチ本体62の側面に設けた押し釦63と、上記押し釦63の逆の側面に設けた端子64と、からなり、外部から押し釦63がスイッチ本体62側に押されると、スイッチ機構が作動し、検知用スイッチ61の電気回路を遮断もしくは通電させることで、自動車のドアの開閉などの外部動作を検知するものである。
【0057】
また、上記検知用スイッチ61の三つの端子64の内二つに夫々リード線65、65を結線し、リード線65付き検知用スイッチ61とした。
【0058】
そして、上記リード線65付き検知用スイッチ61をキャビティ9内に配置し、可動盤12を固定盤11に向け降下させ型閉めを行い、リード線65付き検知用スイッチ61を封止する。
【0059】
また、上記ゲート33を閉めた状態で、ホットメルト材料8をシリンダー23に投入し溶融させ、ホットランナー31内に充填しながら必要な注入量を計量する。
【0060】
その後、ゲート33を開き、計量したホットメルト材料8をキャビティ9内に射出注入し、リード線65付き検知用スイッチ61のリード線65との結線部分をモールドする。
【0061】
そして、成型金型4を冷却した後、型開きして成型金型4から取り外すことで、図8のようにリード線65との結線部分にモールド部66を形成したリード線65付き検知用スイッチ61が製造される。
【0062】
なお、リード線65付き検知用スイッチ61は、全ての端子64にリード線65を設けたものや、スイッチ本体62の内部に端子64を備え検知用スイッチ61からリード線65を引き出したものや、押し釦式でなくリーフレバーを設けたものであってもよく、本発明の特許請求の範囲を超えない限り、適宜変更可能である。
【0063】
また、他例として、ホットメルト装置1に、図9のように、下型42に、摺動部47と、負圧により温度調節媒体を流動する負圧式温度調節手段46と、を設けたものである。
【0064】
上記負圧式温度調節手段46は、例えば、蒸気や熱水などの加熱流体や、冷水などの冷却流体をポンプで吸い込むなどの負圧で成型金型4内を流動させることで、成型金型4の温度調節を行うものである。
【0065】
また、上記摺動部47は、例えば、モールド部66にアンダーカットを形成するスライドコアや、図9のようにモールドしたインサート品6を下型42から外すエジェクターブロック、である。
【0066】
そして、摺動部47が摺動を行うと成形金型4内の温度調節手段の流動経路に隙間を生じることがあり、摺動部47に接して温度調節手段を配置すると、その隙間から温度調節を行う温度調節流体が外部に漏れる虞がある。
【0067】
しかし、負圧式温度調節手段46としたことで、上記摺動部47が摺動し、負圧式温度調節手段46の流動経路に隙間を生じても、その隙間から外気が上記流動経路に入り込み、摺動する摺動部47に対しても温度調節流体を漏らさずに温度調節を行えるものである。
【0068】
また、図10のように、成型金型4の各注入面45にフッ素コーティングを行うと、モールドが成型金型4の食い付き難くなり、離型性を向上できる。なお、フッ素コーティングは、注入面45だけでなく形成面43全体に行ってもよい。
【0069】
また、図11は、インサート品6と成型金型4とに隙間があり成型金型4へのインサート品6の固定が不十分であると、ホットメルト材料8の注入圧でインサート品6が動く虞があるため、固定部材7をインサート品6の押し釦などの可動する部分以外の場所に接して上記隙間に嵌設し、インサート品6を成型金型4に固定したものである。
【0070】
したがって、上記固定部材7によりインサート品6が成型金型4に安定して固定されるため、ホットメルト材料8の注入圧でインサート品6が動き破損したり、寸法誤差が発生したりせずにモールドでき、金型形状の転写性が向上する。
【0071】
そして、モールド部66形成前のインサート品6の本体形状、例えば切り欠きなど、に多少の違いが合っても、上記隙間を固定部材7で埋めることで固定できるため、類似した形状のインサート品に対しても、同一の成型金型4でモールド可能となる。
【0072】
また、インサート品6が自動車などの所定の位置に検知手段として設置固定するための係合部などの突起部67を有するものであれば、リーフレバー式検知用スイッチなどの前記固定部材7を嵌設できないインサート品6であっても、図12のように、突起部67を成型金型4の保持部48に噛合させ、インサート品6を成型金型4に固定してもよい。
【0073】
なお、前記固定部材7や上記保持部48として、成型金型4に摺動部47を設け、インサート品6の形状に合わせて摺動部47を動かし接触面44の形状を変更してインサート品6を固定保持してもよい。
【0074】
また、図13のように、ゲート33を上型41のキャビティ9内に突出させると、モールド部66のゲート33の突出分だけ凹んで形成されるため、ゲートバルブピン34のゲート33の閉鎖が遅れるなどの動作不良が生じてモールド部66のゲート33付近が盛り上がっても、他のモールド部66に対する突出量を抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明のホットメルト成型装置の実施例の斜視図である。
【図2】同上のホットメルト成型装置の構成図である。
【図3】同上のホットメルト成型装置の要所拡大図である。
【図4】同上の上型の(a)平面図、(b)A−A断面図である。
【図5】同上の下型の(a)平面図、(b)B−B断面図である。
【図6】同上の型閉めした成型金型の構成図である。
【図7】同上の検知用スイッチの(a)正面図、(b)上面図、(c)側面図である。
【図8】同上のモールドした検知用スイッチの(a)正面図、(b)上面図、(c)側面図である。
【図9】同上の負圧温度調節手段の構成図である。
【図10】同上の他例のフッ素コーティングした下型の構成図である。
【図11】同上の他例のインサート品を固定部材で固定した構成図である。
【図12】同上の他例の保持部を有する下型の構成図である。
【図13】同上の他例のゲートがキャビティ内に突出した構成図である。
【符号の説明】
【0076】
1 ホットメルト成型装置
2 注入手段
3 バルブゲート部
4 成型金型
8 ホットメルト材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホットメルト材料を計量し注入する注入手段と、前記注入手段のホットメルト材料の注入を調節するバルブゲート部と、前記注入手段から前記バルブゲート部を経由して前記ホットメルト材料が注入されるキャビティを形成する成型金型と、からなるホットメルト成型装置であって、前記バルブゲート部は、前記注入手段の下方に配置され、流通する前記ホットメルト材料を加熱するホットランナーと、前記ホットランナーで加熱された前記ホットメルト材料を前記キャビティへ注入するゲートと、前記ゲートを開閉するゲートバルブピンと、からなり、前記成型金型は、上方に前記ゲートが配置される上型と、前記上型の下方に位置した下型と、からなり、リード線付きのインサート品を前記キャビティに封止し、前記インサート品のリード線との結線部分もしくはリード線の引き出し部分をモールドすることを特徴とするホットメルト成型装置。
【請求項2】
前記成型金型のキャビティを形成する形成面が、前記上型より前記下型の割合が大きい前記成型金型としたことを特徴とする請求項1記載のホットメルト成型装置。
【請求項3】
前記形成面にフッ素コーティングを行った前記成型金型としたことを特徴とする請求項1または2記載のホットメルト成型装置。
【請求項4】
負圧式温度調節手段により前記成型金型の温度調節を行う前記成型金型としたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のホットメルト成型装置。
【請求項5】
前記インサート品を前記成型金型に固定する固定部材を前記インサート品と前記キャビティとの隙間に設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のホットメルト成型装置。
【請求項6】
前記成型金型は、前記インサート品が突起部を有する場合において、前記突起部と噛合して前記インサート品を固定保持する保持部を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のホットメルト成型装置。
【請求項7】
前記ゲートが前記キャビティ内に突出した前記バルブゲート部としたことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載のホットメルト成型装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一つに記載のホットメルト成型装置を用いて、リード線付き検知用スイッチを前記キャビティに封止して、前記成型金型を型閉めし、前記注入手段から前記バルブゲート部を経由して前記キャビティにホットメルト材料を注入することで、前記リード線付き検知用スイッチのリード線との結線部分もしくはリード線の引き出し部分を前記ホットメルト材料によりモールドすることを特徴とするリード線付き検知用スイッチの製造方法。
【請求項9】
請求項8記載の製造方法により、前記リード線付き検知用スイッチのリード線との結線部分もしくはリード線の引き出し部分を前記ホットメルト材料によりモールドしたことを特徴とするリード線付き検知用スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−42520(P2010−42520A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206014(P2008−206014)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】