説明

ホログラム記録再生装置およびホログラム記録再生方法

【課題】ホログラム記録再生媒体上における、サーボ信号によって特定される位置と、記
録再生の位置とを一致させる。
【解決手段】サーボ用PD42からサーボ信号を検出する動作をおこなうときと、空間変
調器24とCMOSカメラ18によって記録再生の動作をおこなうときとで、ディスク5
0に入射する光ビームの偏光方向を異ならせる。このために、光ビームがローテーター4
3の作用によって異なる偏光方向を有するようにλ/2板44をモーター45で回転させ
る。そして、青色の光ビームのみを用いてサーボの動作と記録再生の動作ができるように
した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラム記録再生装置およびホログラム記録再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、データストレージデバイスとしてホログラム記録または/および再生装置が注目
されている。ホログラム記録装置では、記録の動作は以下のようにおこなわれる。記録デ
ータに応じて変調された信号光と所定の参照光とを同一光源からのレーザー光によって生
成し、これらをホログラム記録再生媒体に照射して、ホログラム記録再生媒体中で信号光
と参照光とを干渉させてホログラム(回折格子)を形成する。このようにして、ホログラ
ム記録再生媒体に記録データがホログラムとして記録される。ここで記録されるホログラ
ムには、極めて大容量の情報が含まれる。
【0003】
また、記録済みのホログラム記録再生媒体からの情報の再生の動作は以下のようにおこ
なわれる。上述した記録データに応じ形成されたホログラムに所定の参照光を照射するこ
とで再生光(回折光)を発生させる。この再生光を2次元配列された受光素子を有して形
成される撮像器で受光し、信号処理を施して記録データを再生できる。
【0004】
なお、上述した信号光と参照光との発生および再生光の受光は、光学素子を組み合わせ
て構成した光学部でおこなわれる。光学部における光路設計のひとつの方式としては、信
号光と参照光とを同軸状に配置して、これらの光ビームが通過する光路を共通とする、所
謂、コアキシャル方式(例えば、特許文献1を参照)が知られている。また、光学部におけ
る光路設計の他の方式としては、信号光、参照光の各々の光ビームが別の光路を通過する
2光束法が知られている。
【0005】
図7は、従来のホログラム記録再生装置に用いるホログラム記録再生媒体(ディスク)
200を模式的に示す図である。また、図8は、光学部を中心とする、従来のコアキシャ
ル方式のホログラム記録再生装置100を示す図である。図7、図8を参照して、コアキ
シャル方式のホログラム記録または/および再生の技術について説明をする。まず、図7
を参照して、ホログラム記録再生媒体(ディスク)200の構造を簡単に説明する。ディ
スク200は、透明基板201、記録材料膜202、選択反射膜203、反射膜204を
備えている。選択反射膜203は、波長660nm付近の赤色の光ビーム(赤の光ビーム
とも称する)を通過させ、波長405nm付近の青色の光ビーム(青の光ビームとも称す
る)を反射する膜である。赤色の光ビームは選択反射膜203を通過した後に、反射膜2
04に形成されたピットおよびグルーブを照射する。このグルーブで反射した光ビームは
サーボ信号を得るためのサーボ情報を含んでいる。一方、青色の光ビームは選択反射膜2
03で反射することによって回折光(再生光)発生する。この回折光はホログラムの形態
で記録された記録データを含んでいる。ここで、ピットおよびグルーブが形成される層で
ある反射膜204と、記録層である記録材料膜202とを共通にしていない。ピットおよ
びグルーブで変調される反射光(サーボ信号を得るために用いられる)の強度(入射光の
50〜80%程度)に比べて、回折光(記録情報を得るために用いられる)の回折光強度(
0.1〜0.01%程度)が桁違いに小さいためである。例えば、反射膜204の位置に
、記録膜と反射膜との両方の機能を共有する膜を配置して、反射光からのサーボ信号と回
折光に応じた再生信号とを同時に得るようにする場合には、記録情報の再生が困難となっ
てしまう。回折光に対してグルーブで変調される反射光がノイズとなってしまうからであ
る。このような事態が生じるのを避けるために、図7に示すように、記録層として機能す
る記録材料膜202とピットおよびグルーブが形成される反射膜204とを選択反射膜2
03で分離している。選択反射膜203と反射膜204との間の距離は200μm程度に
通常は選ばれている。
【0006】
図8に示す、ホログラム記録再生装置100の光学系は、図7に示す記録再生媒体(デ
ィスク)200の記録再生をおこなうための構成を備えている。すなわち、フォーカスサ
ーボおよびトラッキングサーボに用いるための赤色の光ビームを出射する赤のレーザーダ
イオード(赤のLD)111を有している。また、赤のLD111からの赤色の光ビーム
が通過する光路を形成する光学系を備えている。さらに、記録再生用の青色の光ビームを
出射する外部共振器型半導体レーザー(ECDL)119からの青色の光ビームが通過す
る光路を形成する光学系を備えている(例えば、特許文献2を参照)。ディスク200に
情報を記録再生する際は、赤色の光ビームと青色の光ビームとを同時にディスク200に
対して照射する。赤のLD111からの赤色の光ビームが通過する光路には、主要なる光
学部材として以下のものが配置されている。グレーティング112、ダイクロイックプリ
ズム(Dichroic prism)113、1/4波長板(λ/4板)114、対物レンズ115、
ビームスプリッター116、フォトディテクター(PD)117が配されている。ECD
L119からの青色の光ビームが通過する光路には、主要なる光学部材として、アイソレ
ーター120、シャッター121、ガルバノミラー122、ピービーエス(PBS(Polar
ized beam splitter))123が配されている。また、空間変調器124、位相マスク1
25(例えば、特許文献3を参照)、PBS126、撮像器として機能するCMOSカメ
ラ118が配されている。さらに、青色の光ビームが通過する光路には、赤色の光ビーム
の光路にも共用される光学部材である、ダイクロイックプリズム113、1/4波長板(
λ/4板)114、対物レンズ115が配されている。
【0007】
赤のレーザーダイオード(赤のLD)111からの赤色の光ビームは、ディスク200
の選択反射膜203を通過した後、ピットおよびグルーブを照射することによってサーボ
信号を得、反射膜204で反射し、サーボ用のPD117に入る。PD117からの信号
は、制御回路140に入力されて、フォーカスサーボ信号、トラッキングサーボ信号、ス
ピンドルモーター信号、スライドモーター信号の各々が生成される。これらのサーボ用の
各信号は、制御回路140で電力増幅されて、各アクチュエーターに印加される。すなわ
ち、フォーカスサーボ信号がピエゾ素子131に印加されフォーカス方向のサーボがおこ
なわれる。また、トラッキングサーボ信号が対物レンズ115を駆動するトラッキングア
クチュエータ(図示せず)に印加されトラック方向のサーボがおこなわれる。また、トラ
ッキングサーボ信号の低域成分が制御回路140で分離されてスライドモーター132に
印加されトラッキングアクチュエータではカバーできない範囲のトラック方向のサーボが
おこなわれる。また、スピンドルモーター信号がスピンドルモーター133に印加されス
ピンドルサーボがおこなわれる。図8では、スピンドルモーター133によって回転され
る、破線で示す部分と、図面の中央部に実線で示す部分とは、同一の記録再生媒体(ディ
スク)200である。つまり、全体の構造を分かり易くするために、破線部は断面方向か
らの図として示し、実線部分は平面方向からの図として、同一物を示すものである。
【0008】
ECDL119からの青色の光ビームは、記録時においては、空間変調器124で記録
データに応じて変調をされてディスク200の記録材料膜202を照射する。これによっ
て、記録材料膜202にホログラムが形成される。再生時においては、ECDL119か
らの青色の光ビームは、記録材料膜202を照射して記録されたホログラムの情報を運び
、選択反射膜203で反射し、CMOSカメラ118を照射する。CMOSカメラ118
で検出されたホログラムに応じた電気信号は制御回路140で処理されて再び、記録デー
タが再生される。
【特許文献1】特開2003−178484号公報
【特許文献2】特開2007−178780号公報
【特許文献3】特開2006−276373号公報
【非特許文献1】「旭化成株式会社製のワイヤーグリッド」http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051021/109985/
【非特許文献2】「MOXTEK社製のワイヤーグリッド」http://www.moxtek.com/visible_light.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
温度変化や経時変化、そして記録再生装置毎の機構的なばらつき(ドライブの機差)の
ために、ホログラム記録再生媒体に照射される赤色の光ビームと青色の光ビームとの照射
位置に異なりが生じることがある。つまり、赤色の光ビームの光路と青色の光ビームの光
路との多くが別光路とされているので、各色の光ビームの通過経路は異なる環境変化、例
えば、温度変化の影響を受けるとともに、機差が生じるからである。ここで、照射位置の
異なりとは、照射する各々の光ビームのフォーカス位置のことではなく、半径方向と周方
向の位置の異なりを言うものである。このため、記録動作において、赤色の光ビームによ
って得られるサーボ信号が認識する記録しようとする記録材料膜の位置(目的位置)と、
実際に青色の光ビームが照射される位置(実際位置)とが異なることがある。この結果、
そのような目的位置と実際位置とが異なる場合には、例えば、再生時においてホログラム
記録再生媒体に記録済みの記録データが再生できないという事態が生じる。
本発明は、ホログラム記録再生の技術におけるこのような課題を解決し、ホログラム記
録再生媒体上の、サーボ信号によって特定される位置と、記録再生の位置とを一致させる
ホログラム記録再生の技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のホログラム記録再生装置は、ホログラム記録再生媒体に照射するための光ビー
ムを出射する光ビーム発光器を有する発光手段と、前記光ビームから参照光もしくは信号
光、または、参照光および信号光を得る空間変調器と、前記ホログラム記録再生媒体に前
記参照光または前記信号光、もしくは、前記参照光および前記信号光を照射してサーボ信
号を検出するときと、前記ホログラム記録再生媒体に前記参照光を照射して前記ホログラ
ム記録再生媒体に形成されたホログラムからの再生光を検出するときとで、前記空間変調
器からの光ビームが異なる偏光方向を有するようにして前記ホログラム記録媒体に照射さ
れるように切り替える偏光方向切り替え手段と、前記再生光に応じた電気信号を検出する
撮像器と、前記撮像器から検出される前記電気信号を処理する信号処理回路と、前記サー
ボ信号を検出するフォトディテクターと、を備える。
【0011】
本発明の別のホログラム記録再生装置は、ホログラム記録再生媒体に照射するための光
ビームを出射する光ビーム発光器を有する発光手段と、前記光ビームから信号光および参
照光を得る空間変調器と、前記参照光または前記信号光、もしくは、前記参照光および前
記信号光を照射してサーボ信号を検出するときと、前記ホログラム記録再生媒体に前記参
照光および前記信号光を照射してホログラムを形成するときとで、前記空間変調器からの
光ビームが異なる偏光方向を有するようにして前記ホログラム記録媒体に照射されるよう
に切り替える偏光方向切り替え手段と、前記サーボ信号を検出するフォトディテクターと
、を備える。
【0012】
本発明のさらに別のホログラム記録再生装置は、ホログラム記録再生媒体に記録された
ホログラムから情報を再生するときに動作する、
前記ホログラム記録再生媒体に照射するための光ビームを出射する光ビーム発光器を有す
る発光手段と、前記光ビームから参照光もしくは信号光、または、参照光および信号光を
得る空間変調器と、前記ホログラム記録再生媒体に前記参照光もしくは前記信号光、また
は、前記参照光および前記信号光を照射してサーボ信号を検出するときと、前記ホログラ
ム記録再生媒体に前記参照光を照射して前記ホログラム記録再生媒体に形成されたホログ
ラムからの再生光を検出するときとで、前記空間変調器からの光ビームが異なる偏光方向
を有するようにして前記ホログラム記録媒体に照射されるように切り替える偏光方向切り
替え手段と、前記再生光に応じた電気信号を検出する撮像器と、前記撮像器から検出され
る前記電気信号を処理する信号処理回路と、前記サーボ信号を検出するフォトディテクタ
ーと、を具備し、
前記ホログラム記録再生媒体にホログラムを記録するときに動作する、
前記発光手段と、前記空間変調器と、前記参照光もしくは前記信号光、または、前記参照
光および前記信号光を照射して、前記サーボ信号を検出するときと、前記ホログラム記録
再生媒体に前記参照光および前記信号光を照射して前記ホログラムを形成するときとで、
前記空間変調器からの光ビームが異なる偏光方向を有するようにして前記ホログラム記録
媒体に照射されるように切り替える前記偏光方向切り替え手段と、前記フォトディテクタ
ーと、前記他の光ビーム発光器と、前記他のフォトディテクターと、前記校正回路と、を
具備する。
【0013】
本発明のホログラム記録再生方法は、発光手段からホログラム記録再生媒体に照射する
ための光ビーム出射し、空間変調器に対して前記光ビームを照射して、少なくとも参照光
を得て、前記ホログラム記録再生媒体に少なくとも前記参照光を照射して、偏光方向切り
替え手段が、サーボ信号を検出するときと、前記ホログラム記録再生媒体に形成されたホ
ログラムからの再生光を検出するときとで、少なくとも前記参照光が異なる偏光方向を有
するように切り替え、撮像器が前記再生光に応じた電気信号を検出し、信号処理回路が前
記撮像器から検出される前記電気信号を処理し、フォトディテクターが前記サーボ信号を
検出する。
【0014】
本発明の別のホログラム記録再生方法は、発光手段からホログラム記録再生媒体に照射
するための光ビーム出射し、空間変調器に対して前記光ビームを照射して信号光および参
照光を得て、前記ホログラム記録再生媒体に前記信号光および前記参照光を照射して、偏
光方向切り替え手段が、サーボ信号を検出するときと、ホログラムを形成するときとで、
前記信号光または前記参照光のいずれか一方またはその両方が異なる偏光方向を有するよ
うに切り替え、フォトディテクターが前記サーボ信号を検出する。
【0015】
本発明のホログラム記録再生の技術では、サーボ信号を検出する動作をおこなうときと
、記録再生の動作をおこなうときとで、ホログラム記録再生媒体に照射される光ビームが
異なる偏光方向を有するように切り替える。このようにして、1つの波長の光ビームのみ
を用いてホログラム記録媒体に記録再生ができるようにした。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ホログラム記録再生媒体上における、サーボ信号によって特定される
位置と、記録再生の位置とを一致させる技術を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(実施形態の要旨)
実施形態の具体的な説明に先立ち、その要旨について簡単に説明をする。まず、以下で用
いるホログラム記録再生装置の用語およびホログラム記録再生方法の用語の意味について
説明をする。ホログラム記録再生装置には以下の3つの意味がある。ホログラムを記録す
るホログラム記録装置の意味がある。また、記録されたホログラムから情報を再生するホ
ログラム再生装置の意味がある。さらに、ホログラムに対して記録と再生との両方をおこ
なうホログラム記録および再生装置の意味がある。ホログラム記録再生方法には以下の3
つの意味がある。ホログラムを記録する方法の意味がある。また、記録されたホログラム
から情報を再生する方法の意味がある。さらに、ホログラムに対して記録と再生との両方
をおこなう方法の意味がある。
【0018】
実施形態のホログラム再生装置およびホログラム再生方法では、発光手段からホログラ
ム記録再生媒体に照射するための光ビームを出射する。発光手段は、例えば、青色のレー
ザーダイオードと外部共振器とを組み合わせた外部共振器型半導体レーザー、さらには、
赤色のレーザーダイオードを含んでも良い。空間変調器(例えば、強誘電体液晶)に対し
て光ビームを照射して参照光を得て、ホログラム記録再生媒体に参照光を照射する。偏光
方向切り替え手段(例えば、ローテーターと1/2波長板とモーターと制御回路)が、サ
ーボ信号を検出するときと、ホログラム記録再生媒体に形成されたホログラムからの再生
光を検出するときとで、参照光が異なる偏光方向を有するように切り替える。撮像器(例
えば、CMOSカメラ)が再生光に応じた電気信号を検出し、信号処理回路(例えば、制
御回路に、サーボ処理回路と合わせて含まれる)が撮像器から検出される電気信号を処理
する。フォトディテクターがサーボ信号を検出するようにして、1つの波長の光ビームの
みを用いてホログラムの再生ができる。
【0019】
実施形態のホログラム記録装置およびホログラム記録方法では、発光手段からホログラ
ム記録再生媒体に照射するための光ビームを出射する。空間変調器に対して光ビームを照
射して信号光および参照光を得て、ホログラム記録再生媒体に信号光および参照光を照射
する。偏光方向切り替え手段が、サーボ信号を検出するときと、ホログラムを形成すると
きとで、前記信号光および前記参照光が異なる偏光方向を有するように切り替える。フォ
トディテクターがサーボ信号を検出するようにして、1つの波長の光ビームのみを用いて
ホログラムの記録ができる。
【0020】
実施形態のホログラム記録装置再生装置、または、実施形態のホログラム記録方法再生
方法においては、サーボ動作をおこなうに際しては、参照光のみを用いるようにしても良
く、信号光のみを用いるようにしても良く、参照光と信号光との両方を用いるようにして
も良い。サーボ動作をおこなうに際して、参照光を用いる場合には、サーボ検出用のフォ
トディテクターは参照光を受光して得られた信号のみを演算してサーボ信号を生成する。
また、信号光を用いる場合には、サーボ検出用のフォトディテクターは信号光を受光して
得られた信号のみを演算してサーボ信号を生成する。また、参照光および信号光を用いる
場合には、サーボ検出用のフォトディテクターは参照光および信号光を受光して得られた
信号を演算してサーボ信号を生成する。要するに、本実施形態の技術では、記録再生にお
ける組み合わせ(再生では参照光のみ、記録では参照光および信号光)と、サーボにおけ
る組み合わせ(信号光または参照光のいずれか一方、またはその両方)とは関連性がない
。すなわち、記録再生に用いる光ビームは偏光性膜で反射させて得て、サーボに用いる光
ビームは反射膜で反射させて得るようにする構成を採用すれば良いのである。
【0021】
(実施形態のホログラム記録再生媒体)
以下において、図面を参照して実施形態のホログラム記録再生装置について説明をする。
図1に実施形態のホログラム記録再生媒体(ディスク)50の模式図を示す。ディスク5
0は、透明基板51、記録材料膜52、ワイヤーグリッド53、反射膜54を備えている
。ここで、ワイヤーグリッド53は、従来のホログラム記録再生媒体には用いられなかっ
た新規な構成部材であるので、まず、ワイヤーグリッド53について説明をする。
【0022】
ワイヤーグリッド53は、平面状に形成された金属の平行細線である。ワイヤーグリッ
ド53自体の存在は知られていたが、本願願書に記載の発明者(以下、発明者と省略する
)は、ホログラム記録再生媒体に利用することを考え出した。
【0023】
図2は、ワイヤーグリッドのSEM(Scanning Electron Microscope)写真である。図
2は旭化成株式会社から提供されているワイヤーグリッドのSEM写真である。図2(A
)はワイヤーグリッドをホログラム記録再生媒体(ディスク)50の平板面側から見た表
面であり、図2(B)はワイヤーグリッドをディスク50の断面側から見た図である。こ
のワイヤーグリッドは、120nm(ナノメータ)のピッチの凹凸を有している。ワイヤ
ーグリッドの材料はAl(アルミニューム)である。また、ワイヤーグリッドはMOXT
EK社でも製作している。表1はMOXTEK社のワイヤーグリッドの特性を示すもので
ある。
【0024】
【表1】

【0025】
MOXTEK社のワイヤーグリッドの材料はAlで形成されており、表1に示すように
、p波の透過率が85.7%、s波の透過率が0.23%である。この場合のレーザー光
の波長は、450nmであり、かつワイヤーグリッドの一方は空気(屈折率1)に接して
いる。
【0026】
ワイヤーグリッドは、ナノインプリントまたはこれに類似した技術で製造されている。
ナノインプリント技術は周知の技術である。発明者は、ディスク50に応用するに適切な
るワイヤーグリッド53の形態について考察した。例えば、波長が405nmのときで、
かつ接するのが空気ではなく、有する屈折率が1.5の記録材料膜52の中における、適
切なグリッド間隔について検討した。その結果、表1示したと同様な特性を得るためには
、ワイヤピッチを屈折率の比で校正して、1/1.5の100nm程度まで縮小するのが
適当であるとの結論を得た。
【0027】
また、発明者は、図1に示すディスク50に、上述したパラメータ(例えば、材料をA
lとし、ワイヤピッチを100nmとする)を有するワイヤーグリッド53を用いればホ
ログラムの記録再生に好適なる媒体を提供できるとの考えに至った。表1から明らかに分
かるように、ワイヤーグリッド53を形成する金属線の伸びる方向と同じ偏光方向の光は
、ワイヤーグリッド53で反射する。また、ワイヤーグリッド53の金属線の伸びる方向
と垂直な偏光方向の光は通過して、ピットまたは/およびグルーブを有する反射膜54に
至る。すなわち、光ビームの偏光方向を変化させることによって、光ビームの経路を以下
の第1の経路と第2の経路とに切り替えることができる。
【0028】
第1の経路は、透明基板51から入射して、記録材料膜52を通過し、ワイヤーグリッ
ド53で反射し、記録材料膜52を再び通過し、さらに、透明基板51を再び通過して、
ホログラム記録再生媒体(ディスク)50から出射する経路である。第2の経路は、透明基
板51から入射して、記録材料膜52、ワイヤーグリッド53を通過し、反射膜54で反
射し、ワイヤーグリッド53、記録材料膜52を再び通過し、再び透明基板51を通過し
て、ディスク50から出射する経路である。
【0029】
ここで、ディスク50に対して記録再生をおこなうホログラム記録再生装置では、円盤
状の平板の重心位置である円の中心を支点としてスピンドルモーターで回転させて、記録
再生がおこなわれるのが一般的である。この点を考慮すると、ワイヤーグリッド53の金
属線の伸びる方向については、CD(コンパクトディスク)のトラック溝と同様に、円周
方向に平行とする場合が利便性を高くできる。
【0030】
このようなディスク50の製造方法について簡単に説明をする。従来にないワイヤーグ
リッドの製造方法をまず説明する。ワイヤーグリッドのマスターとなるパターンマスクを
、CD、DVD(デジタルバーサイタルディスク)の光ディスクの原盤を作製するのと同
じ方法で作製する。この場合、金属細線はCD、DVDのトラック溝のように1本のスパ
イラルとして形成するものであっても、複数の同心円として形成するものであっても良い
。ディスク50におけるワイヤーグリッド53のピッチは、上述した理由によって、10
0nm程度としている。
【0031】
ディスク50の手順を以下に示す。図1において、図面の下方を下、図面の上方を上と
して、以下の説明をする。
1. ピットまたは/およびグルーブ付きの基板をインジェクション法で成型する。
2. ピットまたは/およびグルーブ面上にアルミ等の金属膜あるいは誘電体ミラー
材料をスパッター法で付加して反射膜54を形成する。
3. 反射膜54の上に0.数μm(マイクロメータ)から10μm程度の透明膜を

スピンコート法等で形成し、これによりピットやグルーブによる凹凸を埋めて
平らにする。
4. この平らにされた透明膜の上に、ナノインプリントの技術でワイヤーグリッド

53を形成する。
5. ワイヤーグリッド53に傷をつけないための透明保護膜を形成する。この透明

膜は、ワイヤーグリッド53を覆う程度の厚さであり、たとえばワイヤーグリ
ッドの先端から100nm程度である。この透明膜は、ワイヤーグリッド53
を保護する目的を有するので、ワイヤーグリッド53の硬度が高い場合には、
必要という訳ではない。
6. ワイヤーグリッド53の上に、記録材料であるフォトポリマーを0.5〜1m

m塗布して記録材料膜52を形成する。
7. 記録材料膜52の上に別のもう1枚の透明基板を透明基板51として貼り合わ

せる。
【0032】
このようにして製造されたディスク50において、電場成分が、ワイヤーグリッド53
の細線に対して垂直なる光ビーム(垂光と称する)を照射すると、光ビームはワイヤーグリ
ッド53を通過し、反射膜54で反射する。光ビームの電場成分がワイヤーグリッド53
の細線に対して平行なる光ビーム(平光と称する)を照射した場合は、光ビームはワイヤー
グリッド53で反射する。
【0033】
(実施形態のホログラム記録再生装置)
図3は、実施形態のホログラム記録再生装置10を示すものである。図3では、光学系を
中心にして、実施形態の説明に必要な範囲でホログラム記録再生装置の各部が示されてい
る。図3に示す、ホログラム記録再生装置10は、図1に示す記録再生媒体(ディスク)
50に対して、記録再生をおこなうための構成を備えている。すなわち、ディスク50は
、ワイヤーグリッド53を有するようになされているので、これに対応するために、ロー
テーター43を有している。また、赤色の光ビームを用いることなく、青色の光ビームの
みでサーボ系と記録再生系とを動作させる光学系の構成とされている。
【0034】
ホログラム記録再生装置10は、青色の光ビームを出射する外部共振器型半導体レーザ
ー(ECDL)19からの青色の光ビームが通過する光路を形成する光学系を備えている
。光路には、主要なる光学部材として、アイソレーター20、シャッター21、ガルバノ
ミラー22、ピービーエス(PBS(Polarized beam splitter))23を備えている。ま
た、例えば、強誘電体液晶で形成される空間変調器24、位相マスク25、PBS26が
配されている。さらに、ローテーター43と1/2波長板(λ/2板)44と対物レンズ
15とが配されている。また、PBS41、サーボ用フォトディテクター(サーボ用PD
)42、撮像器(CMOSカメラ)28が配されている。また、ホログラム記録再生装置1
0は、制御回路40を有している。制御回路40は、サーボ用PD42からサーボ信号を
取得し、CMOSカメラ18からホログラムに対応する情報を取得するようになされてい
る。また、制御回路40は、ガルバノミラー22、空間変調器24、モーター45、スピ
ンドルモーター33、ピエゾ素子31、スライドモーター32、シャッター21を制御す
るようになされている。
【0035】
実施形態では、ECDL19は発光手段の一例として機能し、ECDL19に含まれる
青色のレーザーダイオードは、光ビーム発光器の一例として機能する。ローテーター43
、λ/2板44、モーター45、および、制御回路40は、偏光方向切替手段の一例とし
て機能する。また、偏光方向切替手段の別の実施形態としては、λ/2板44とモーター
45との組み合わせに替えて、透過型の液晶を用いるようにしても良い。また、発光手段
には、後述する赤色の光ビームを出射する赤のレーザーダイオード(赤のLD11(図6
を参照)を使用する場合には、これも含まれるものである。また、実施形態では、制御回
路40は、記録再生のための信号処理回路とサーボ処理のためのサーボ処理回路を含むも
のとされており、さらには、外部機器とのインターフェイス回路、後述する校正回路も含
むようになされている。また、制御回路40は、ハードウエアのみで構成するものであっ
ても、中央演算装置(CPU)と周辺機器と中央演算装置において実行されるプログラム
を構成の主要部とするものであっても良い。また、実施形態では、CMOSカメラ18は
、撮像器の一例として機能するが、他の実施形態としては、CCDを用いるものであって
も良い。また、実施形態では、モーター45は、1/2波長板を回転させる回転機構の一
例として機能する。
【0036】
(実施形態の光学系の特徴)
実施形態の光学系の第1の特徴は、ローテーター43を有している点である。ローテータ
ーとは、ファラデー回転を起こす結晶の周りに磁石を配置したもので、通過光の偏光方向
をπ/4変える素子である。λ/2板でも類似のことをおこなえるが、λ/2板の場合は、
光ビームが往復で通過すると、偏光方向は元に戻ってしまう。これに対して、ローテータ
ーの場合は往復でπ/4の2倍であるπ/2だけ回転する点が異なる。この効果により、空
間変調器24からきてPBS26を通過した光ビームは、ディスク50から再びPBS2
6に戻るとそこで反射する。
【0037】
ローテーター43の配置位置について説明をする。レンズによって焦点を結ぶ位置を2
か所設ける。1方の焦点位置にローテーター43を配置し、他方の焦点位置にλ/2板4
4を配置する。なお、図8において、ダイクロイックプリズム113と対物レンズ115
の間にあったλ/4板(QWP)114は必要ないので取り外している。
【0038】
実施形態の光学系の第2の特徴は、λ/2板44有し、これを回転させる回転機構(例
えば、モーター45)を有する点である。ローテーター43の先には、λ/2板44があ
り、λ/2板44の軸の向きを変えることにより、通過する光ビームの偏光方向を変える
ことができる。偏光方向を変えるために、λ/2板44は、ローテーター43を通過後の
光ビームの偏光方向に対して、モーター45で0°と45°とのいずれかに、回転角度が
設定される。これにより、λ/2板の方向が0°の場合は偏光方向が変わらず、45°の
場合は偏光方向がπ/2変わる。つまり、ディスク50を照射する光ビームの偏光方向を
ワイヤーグリッド53の金属線の伸びる方向と同じ偏光方向、または、ワイヤーグリッド
53の伸びる方向と垂直な偏光方向のいずれかに切り替えることができる。また、偏光方
向を変化させるための別の構成としては、λ/2板44とモーター45とに替えて電界を
加えて偏光方向を制御する素子を用いることができる。例えば、光透過型の液晶を採用す
ることができる。液晶を用いる場合には、印加される電圧をサーボ動作時と記録再生時と
で切り替えて同様に動作させることができる。
【0039】
λ/2板44は、モーター45によって、その軸の向きを変えるように制御されて、通
過する光ビームの偏光方向を変えている。制御回路40は、サーボ動作を選択するか、記
録再生動作を選択するか、に応じた信号を出力して、モーター45を制御する。
【0040】
実施形態の光学系の第3の特徴は、位相マスク25を有する点である。位相マスク25
は、空間変調器24に接近して配されている。位相マスク25は位相を変調するガラス板
によって形成されている。また、空間変調器24は強誘電体液晶によって形成されている
。位相マスク25は、ディスク50の焦点位置に光ビームが集中して、記録材料膜52の
その部分の記録材料を一挙に消費(消費とは、書き込みができる余地をなくしていくこと
を言う)するからである。これに対して位相マスク25があると、焦点位置で光がぼやけ
る(光ビームの集中がないことを言う)ので、多重書き込みにおける多重回数を多くでき
る。
【0041】
空間変調器24には、信号光を発生させる信号光部と参照光を発生させる参照光部とが
形成される。信号光部と参照光部とを形成するのは周知技術である。図4は、空間変調器
24に形成される信号光部24aと参照光部24bとを模式的に示す図である。位相マス
ク25の信号光部24aに対応する部分では、信号光部24aの画素に対応させて位相マ
スク25の画素を定める。例えば、信号光部24aのそれぞれの画素に対応する位相マス
ク25の位相を0あるいはπとする。0およびπの位相を有する画素の配置はランダムだ
が、全画素の半分が0、残り半分がπになるようにする。これにより、ディスク50の記
録材料膜52の焦点位置での0次光は打ち消しあって光が集中しない。よって、記録材料
を一挙に消費する(特定の部分を集中して消費する)ことがない。
【0042】
図5は、空間変調器24の参照光部24bに対応する位相マスク25の部分を模式的に
示す図である。例えば、図5では、0およびπの各部分は放射状に配置されており、参照
光についても、光ビームが集中することなく打ち消しが起きて、記録材料の特定の狭い領
域に光ビームが集中して、記録材料の一挙の消費が生じる事態を防げる。図5(A)は位
相マスク25の平面図を示すものであり、図5(B)は位相マスク25の断面図を示すも
のである。位相マスク25の平面図の内径r1、外径r2については、実施形態では内径
r1は2.5mmとし、外径r2は3.1mmとした。
【0043】
実施形態の光学系の第4の特徴は、光学部が、青色の光ビームのみを用いる点である。
サーボ信号の取得に際しては、制御回路40が空間変調器24の信号光部24aを制御し
て、参照光を発生し、信号光を発生しないようにする。そして、参照光の位相が0の部分
のみを、垂光でディスク50に照射する。光ビームは、ディスク50のワイヤーグリッド
53を通過する。この光ビームは位相が単一であるので、ディスク50の反射膜54の上
で、集中して焦点を結び、微小な光スポットを形成する。よって、ピットまたは/および
グルーブによるサーボ信号、アドレス情報を精度良く取得して持ち帰ることができる。
【0044】
サーボ系に含まれる光学系の主要部は、PBS41とサーボ用フォトディテクター(サ
ーボ用PD)42である。サーボ用PD42は、図示しない分割された複数個のフォトデ
ィテクターを有して形成されている。実施形態では、周知慣用技術である、非点収差法を
フォーカスサーボの方式として採用し、また、周知慣用技術である3スポット法をトラッ
キングサーボの方式として採用している。サーボ信号を得ている間は、記録材料膜52の
記録材料であるモノマーを無駄に消費する場合があるので、極力光ビームのパワーを下げ
ることが望ましい。ここで、記録材料膜52に対する記録再生の動作と、反射膜54に対
するサーボの動作とは時分割で行う。つまり、制御回路40からモーター45に出力する
信号を時分割で切り替えて、記録再生の動作と、サーボの動作とを時分割で制御している

【0045】
サーボ信号は、反射膜54からの反射光によって取得し、再生のための情報は記録材料
膜52からの回折光によって取得するので、両者の情報取得位置は異なるが、ワイヤーグ
リッド53と反射膜54との間が10μm程度より狭いので、大きな問題とはならない。
つまり、従来のように赤色の光ビームによってサーボ信号を得、青色の光ビームによって
再生情報を得る場合に生じるような両者の情報取得位置の大きな異なりは生じることがな
い。
【0046】
ここで、サーボ信号を得る場合に用いる空間変調器24からの光ビームについて説明を
する。サーボ信号は、参照光のみを照射して得ることができ、信号光のみを照射して得る
ことができ、参照光および信号光の両方を照射して得ることができる。要は、λ/2板4
4を制御して、光ビームが反射膜54から反射するようにして、これを受光してフォーカ
スサーボ信号、トラッキングサーボ信号を得るようにすれば良いのである。この目的を達
するためには、サーボの動作時においては、参照光のみ、信号光のみ、参照光および信号
光の両方のいずれを用いるものであっても良い。そして、どのような光ビームからサーボ
信号を得るかに応じて、サーボ用PD42を構成する分割フォトディテクターの構成がお
のずから定まるものである。すなわち、参照光のみを照射する場合には、参照光の反射光
を受光するように分割フォトディテクターを構成し、信号光のみを照射する場合には、信
号光の反射光を受光するように分割フォトディテクターを構成する。また、参照光および
信号光を照射する場合には、参照光および信号光の反射光を受光するように分割フォトデ
ィテクターを構成する。
【0047】
これらのサーボ用の信号は、制御回路40で電力増幅されて、各アクチュエーターに印
加される。すなわち、フォーカスサーボ信号がピエゾ素子31に印加されフォーカス方向
のサーボがおこなわれる。また、トラッキングサーボ信号が対物レンズ15を駆動するト
ラッキングアクチュエータ(図示せず)に印加されトラック方向のサーボがおこなわれる
。また、トラッキングサーボ信号の低域成分が制御回路40で分離されてスライドモータ
ー32に印加されトラッキングアクチュエータではカバーできない広い範囲のトラック方
向のサーボがおこなわれる。また、スピンドルモーター信号がスピンドルモーター33に
印加されスピンドルサーボがおこなわれる。図2では、スピンドルモーター33によって
回転される、破線で示す部分と、図面の中央部に実線で示す部分とは、同一の記録再生媒
体(ディスク)50である。つまり、全体の構造を分かり易くするために、破線部は断面
方向からの図として示し、実線部分は平面方向からの図として、同一物を示すものである

【0048】
(実施形態における記録再生の動作)
記録の際は、空間変調器24の信号光部24aを記録すべきデータに対応して明暗とし
て表示する。上述したように、信号光部24aの態様に応じて位相マスク25の対応部分
の各画素は位相変調される。また、空間変調器24の参照光部24bから参照光が発生す
るように制御される。このような、信号光部24aと参照光部24bとの制御、位相マス
ク25の対応部分の各画素の制御は、制御回路40によって行われる。位相マスク25の
参照光部24bに対応する部分は、上述したように、放射状に0とπとに位相変調されて
いる。信号光と参照光とを平行光としてディスク50に照射すると、記録材料膜52にお
いて信号光と参照光とが干渉してホログラムを形成する。なお、信号光部24aの態様に
対応して各画素が位相変調される位相マスクは、液晶によって形成することができる。
【0049】
再生の際は、空間変調器24の信号光部24aを制御して信号光が発生しないように制
御される。一方、空間変調器24の参照光部24bから参照光が発生するように制御され
る。このような、信号光部24aと参照光部24bとの制御は、制御回路40によって行
われる。位相マスク25の参照光部24bに対応する部分は、上述したように、放射状に
0とπとに位相変調されている。参照光を平行光としてディスク50に照射すると、記録
材料膜52の記録材料膜52において回折光を得て、ワイヤーグリッド53で反射し、再
び、記録材料膜52を通過して回折光に含まれる記録データに応じた情報をディスク50
から持ち帰る。回折光は、CMOSカメラ18に照射されて、回折光に応じた電気信号を
発生する。この電気信号は、制御回路40によって処理されて記録データが再生される。
【0050】
実施形態の技術によれば、再生時においては、光ビームは、反射膜54に達することが
ないので、反射膜54に形成された、ピットまたは/およびグルーブの凹凸がノイズとし
て回折光に混入することがなく、良質な回折光が得られる。この結果、高品質な記録デー
タの再生が可能となる。また、ワイヤーグリッド面では、上記の位相マスクのおかげでパ
ワーが集中しないので、再生時において特定の場所のホログラムの形状が変形劣化するこ
とによる、記録されたホログラムの品質劣化がない。
【0051】
実施形態の技術によれば、記録時においては、光ビームは、反射膜54に達することが
ないので、ピットまたは/およびグルーブの凹凸による散乱がなく、良好な干渉縞を生じ
させることができる。よって、良質なるホログラムが記録材料膜52に形成できる。
【0052】
また、実施形態の技術によれば、記録時においては、記録材料膜におけるホログラムを
形成する位置が正確に特定できる。同様に、再生時においては、情報を読み出す記録材料
膜52におけるホログラムの位置が正確に特定できる。その理由は、上述したように、実
施形態では、例えば、青色の、一波長の光ビームのみを使用して、サーボ動作と記録再生
動作とを時分割でおこなっていることに起因している。この結果、光ビームが通過する光
路に配置される光学部材の多くは、サーボ動作時と記録再生動作時とで共用されるからで
ある。これは、実施形態のホログラム記録再生装置10が、実施形態のような特殊なホロ
グラム記録再生媒体(ディスク)50に対して記録再生ができる構成を有しているからに
他ならない。
【0053】
他方、従来のディスク200を用いる場合には、サーボのためには赤色の光ビームを用
い、記録再生のためには青色の光ビームを用いていた。その結果、赤色の光ビームと青色
の光ビームとの光路が異なったものとなって、サーボ信号が特定する位置と記録再生の位
置とが異なっていた。この両方の光ビームが特定する各々の位置の位置誤差は、ホログラ
ム記録再生装置毎に異なっていた。そのため、ホログラム記録再生装置100のような装
置間では、媒体の互換性を保つことが困難であった。
【0054】
この点、実施形態のホログラム記録再生装置10においては、上述したような理由から
、装置間における媒体の互換性が極めて良い。そのため、多数のホログラム記録再生装置
と多数のディスクが市場に出回ったとしても、装置互換性、媒体互換性の両方が極めて良
好であり、ディスク50をリムーバブルメディアとして位置づけて使用することができ、
産業上の利用範囲は大幅に拡大するものである。
【0055】
(実施形態のホログラム記録再生装置の変形例)
図6は、別のホログラム記録再生装置であるホログラム記録再生装置10aを示す図であ
る。ホログラム記録再生装置10aは、図3に示すホログラム記録再生装置10を変形し
たものであり、図1に示すホログラム記録再生媒体(ディスク)50に対して、情報の記
録再生をおこなうことができるものである。ホログラム記録再生装置10aは、ホログラ
ム記録再生装置10には備わっていない光学部材を備えている。付加された光学部材は、
ダイクロイックプリズム13、赤色の光ビームを発光するレーザーダイオードである赤の
LD11(他の光ビーム発光器)、グレーティング12、フォトディテクター(PD)1
7(他のフォトディテクター)、ビームスプリッター16である。
【0056】
これらの光学部材は、記録材料膜52に形成されたホログラムを破壊することがない波
長を有する赤色の光ビーム(他の光ビーム)を発光させ、赤色の光ビームをディスク50
に照射する。そして、フォトディテクター(PD)17から他のサーボ信号を得るための
光学部材である。
【0057】
赤のLD11から出射された光ビームは、グレーティング12で光ビームを3つに分け
て対物レンズ15を介してディスク50に照射される。反射膜54で反射した光ビームは
ダイクロイックプリズム13によってビームスプリッター16に導かれ、PD17によっ
てサーボ信号を検出する。PD17からは、例えば、アスティグマ法によってフォーカス
サーボエラーを検出する。また、上述した3スポット法または差動プッシュプル法(DP
P法)によってトラッキングエラーを検出する。なお、差動プッシュプル法は周知技術で
ある。
【0058】
ここで、予め、赤のLD11からの光ビームの偏光方向を適宜に調整しておくことによ
って、赤色の光ビームの光量の半分がワイヤーグリッド53で反射し、光量の半分が反射
54で反射するようにできる。このようにすると、ワイヤーグリッド53で反射した光ビ
ームはPD17においては、和信号として検出され、反射54で反射した光ビームはPD
17においては、差信号として検出される。和信号はサーボ信号としては検出されないの
で、差信号から、フォーカスサーボエラー、トラッキングエラーを検出することができる
。この場合には、図6に示すλ/2板14を用いる必要はない。また、λ/2板14を用い
る場合には、赤のLD11からの光ビームの偏光方向に特段の制約なく、差信号から、フ
ォーカスサーボエラー、トラッキングエラーを検出することができる。このようにして、
λ/2板44の軸の方向が0°、45°のいずれにおいてもサーボ信号を検出するように
できる。よって、赤のLD11を動作させて、赤色の光ビームを出射し続ける限り、λ/
2板44の軸の方向の如何に関わりなく、上述したようにして、常時、サーボ信号を得る
ことができる。つまり、青色の光ビームを用いて記録再生の動作をおこなっているときも
、青色の光ビームを用いてサーボの動作をおこなっているときも、赤色の光ビームを用い
てサーボ信号を得ることができる。
【0059】
青色の光ビームから得られるサーボ信号は記録再生がおこなわれる位置を正確に反映し
ているので、時々、青色の光ビームから得られるサーボ信号によって、赤色の光ビームか
ら得られるサーボ信号を校正して、正確なサーボ信号を連続して得ることができる。つま
り、赤色の光ビームから得られるサーボ信号の低域成分を青色の光ビームから得られるサ
ーボ信号の低域成分によって校正し、高域成分については、赤色の光ビームから得られる
サーボ信号を用いるのである。このようにすれば、サーボ系の応答速度を高くすることが
できるとともに、位置精度の高い、サーボ系が実現できる。
【0060】
具体的な校正は、例えば、サーボ動作に用いるサーボ信号の低域成分としては、赤色の
光ビームから得られるサーボ信号の低域成分(他のサーボ信号の低域成分)を用いる。ま
た、サーボ動作に用いるサーボ信号の高域成分としては青色の光ビームから得られるサー
ボ信号の高域成分(サーボ信号の高域成分)を用いる。すなわち、両方のサーボ信号の各
周波数成分を加算して、校正されたサーボ信号を得ることができる。この場合には、各サ
ーボ信号を帯域分割する機能と、帯域分割されたサーボ信号を上述した組み合わせによっ
て加算する機能とを校正回路は有するものであり、実施形態では、校正回路は制御回路4
0に含まれている。
【0061】
また、このようにすれば、青色の光ビームを用いた、記録再生の動作時間をサーボ動作
時間に比べて大幅に長くすることができるので、記録再生の転送レートを大幅に向上させ
ることができる。上述した、サーボ信号の校正の動作は、制御回路40でおこなわれ、青
色の光ビームについての記録再生動作とサーボ動作の切り替えについても制御回路40が
λ/2板44を制御しておこなわれる。また、記録材料膜52の特性として、青い光ビー
ムには反応して記録がおこなわれるが、赤い光ビームには反応しない材料を選択すれば、
長時間赤色の光ビームを記録材料膜52に照射し続けても無駄に記録材料を使い果たすこ
ともない。
【0062】
また、別の変形例としては、以下の組み合わせが可能である。記録の動作においては、
上述した、図6を参照して説明した、実施形態の変形例と同様に動作させ、再生の動作に
おいては、上述した、図1を参照して説明した、実施形態と同様に動作させることも可能
である。すなわち、記録の動作においては、青色の光ビームと赤色の光ビームとの両方を
用い、再生の動作においては、青色の光ビームのみを用いることもできる。ホログラムを
同一領域に1または複数個記録して、記録時において、記録材料膜52の記録材料を使い
果たしてしまうような記録方式を採用する場合にこの方式は有効である。すなわち、再生
時において、青色の光ビームを記録材料膜52に照射してもそれ以上は記録されることが
ないので、記録済みの領域を破壊することがないからである。このような方式を採用する
場合には、記録時においてはサーボ系の応答速度は遅いが、再生時においては、サーボ系
の応答速度は高くでき、いずれの場合にも記録材料膜52における記録再生位置を極めて
正確に制御することができる。
【0063】
上述した別の変形例における各部がおこなう動作を図6に示すホログラム記録再生装置
10aを参照して具体的に説明をする。
【0064】
ディスク50に記録されたホログラムから情報を再生するときには、以下のように動作
する。青色の光ビームをECDL19から出射する。空間変調器24の参照光部24bか
ら参照光を得る。そして、ディスク50に参照光を照射して、サーボ信号を検出する。ま
た、ディスク50に形成されたホログラムからの再生光を検出する。ここで、サーボ信号
を検出するときと、再生光を検出するときとで、参照光が異なる偏光方向を有するように
、λ/2板44をモーター45で回転させる。ローテーター43、λ/2板44、モータ
ー45およびモーター45を制御する制御回路40は偏光方向切り替え手段として機能す
る。また、撮像器として機能するCMOSカメラ18から再生光に応じた電気信号を検出
する。そして、制御回路40に含まれる信号処理回路において、CMOSカメラ18から
検出される電気信号を処理する。また、サーボ用フォトディテクターは、サーボ信号を検
出する。
【0065】
ディスク50にホログラムを記録するときには、以下のように動作する。青色の光ビー
ムをECDL19から出射する。空間変調器24の参照光部24bから参照光を得、信号
光部24aから信号光を得る。そして、ディスク50に参照光および信号光を照射して、
サーボ信号を検出する。また、ディスク50に参照光と信号光との干渉縞に応じたホログ
ラムを形成する。ここで、サーボ信号を検出するときと、ホログラムを形成するときとで
、ローテーター43の作用によって参照光が異なる偏光方向を有するように、λ/2板4
4をモーター45で回転させる。また、ホログラムを破壊することがない波長の赤色の光
ビーム(他の光ビーム)を赤のLD11(他の光ビーム発光器)から出射する。そして、
赤色の光ビームをディスク50にして他のサーボ信号をPD17(他のフォトディテクタ
ー)から得る。そして、制御回路40に含まれる校正回路で、他のサーボ信号をサーボ信
号に基づいて校正する。
【0066】
このようにして再生時と記録時とで、サーボの手法を異ならせることによって、以下の
効果を得ることができる。再生時には、青色の光ビームを長時間照射しても、ホログラム
が書き終わっているので、形成されたホログラムを破壊することない。また、記録時にお
いては、校正の時以外は、赤色の光ビームを用いてサーボが行われるので、青色の光ビー
ムは、大部分の時間に渡り記録の動作に用いることができるので、記録時における転送レ
ートが向上する。
【0067】
上述した実施形態、実施形態の変形例、実施形態の別の変形例の各々のホログラム記録
再生装置の奏する効果についてまとめる。上述したホログラム記録再生装置は、ローテー
ターと軸方向を回転されるλ/2板とを有することによって、単一の光ビームによって、
サーボ信号と記録再生信号とを得ることができる。つまり、一の波長の光ビームによって
サーボ動作をおこない、同一波長の光ビームを用いて記録動作をおこない、同一波長の光
ビームを用いて再生の動作をおこなうことができる。これは、一の波長の光ビームのみを
用いて、サーボ信号と記録再生信号とを得ることができる媒体を記録再生の対象とするか
らである。なお、実施形態のホログラム記録再生装置は、実施形態に示したワイヤーグリ
ッドを有するホログラム光記録媒体(ディスク)のみではなく、ワイヤーグリッドに替え
て同様な特性の有機材料を用いることもできる。また、赤色の光ビームから得られるサー
ボ信号を補助的に用いて、サーボ帯域の拡大を図ることもできる。
【0068】
単一の光ビームを用いることによって装置の構成が簡略化され、また、光学系における
光学部材の位置合わせ(アライメント)を容易として、装置を低価格なものとできること
は元より、温度変化にかかわらず安定動作をさせることができる。さらに、同一の媒体に
対する装置間互換性を高いものとできる。また、同様の理由で同一装置に対して、複数の
媒体を取り替えて記録再生をおこなう場合の媒体間互換性を高いものとできる。そして、
装置間及び媒体間の互換性が高いものとなる結果、このようなホログラム記録再生媒体を
リムーバブルメディアとして採用しても、これに対応するホログラム記録再生装置を提供
することができる。すなわち、このようなホログラム記録再生装置を世に提供することに
よって、従来は、想像することもできなかった程の大容量媒体を市場に流通させることが
可能とされ、産業上、図りしれない利益を与えることができるものとなる。
【0069】
なお、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、その発明の技術的思想の
範囲内で様々に変形して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施形態のホログラム記録再生媒体の模式図を示す。
【図2】ワイヤーグリッドのSEM(Scanning Electron Microscope)写真である。
【図3】実施形態のホログラム記録再生装置の光学部を中心とする模式図である。
【図4】空間変調器に形成される信号光部と参照光部とを模式的に示す図である。
【図5】空間変調器の参照光部に対応する位相マスクの部分を模式的に示す図である。
【図6】別のホログラム記録再生装置を示す図である。
【図7】従来のホログラム記録再生装置に用いるホログラム記録再生媒体を模式的に示す図である。
【図8】従来のホログラム記録再生装置の光学部を中心とする模式図である。
【符号の説明】
【0071】
10、10a ホログラム記録再生装置、 12 グレーティング、 13 ダイクロ
イックプリズム、 14 λ/2板、 15 対物レンズ、 16 ビームスプリッター
、 18 CMOSカメラ、 20 アイソレーター、 21 シャッター、 22 ガ
ルバノミラー、 24 空間変調器、 24a 信号光部、 24b 参照光部、 25
位相マスク、 40 制御回路、 43 ローテーター、 44 λ/2板、 45
モーター、 50 ホログラム記録再生媒体(ディスク)、 51 透明基板、 52
記録材料膜、 53 ワイヤーグリッド、 54 反射膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラム記録再生媒体に照射するための光ビームを出射する光ビーム発光器を有する
発光手段と、
前記光ビームから参照光もしくは信号光、または、参照光および信号光を得る空間変調器
と、
前記ホログラム記録再生媒体に前記参照光または前記信号光、もしくは、前記参照光およ
び前記信号光を照射してサーボ信号を検出するときと、前記ホログラム記録再生媒体に前
記参照光を照射して前記ホログラム記録再生媒体に形成されたホログラムからの再生光を
検出するときとで、前記空間変調器からの光ビームが異なる偏光方向を有するようにして
前記ホログラム記録媒体に照射されるように切り替える偏光方向切り替え手段と、
前記再生光に応じた電気信号を検出する撮像器と、
前記撮像器から検出される前記電気信号を処理する信号処理回路と、
前記サーボ信号を検出するフォトディテクターと、を備えるホログラム記録再生装置。
【請求項2】
前記発光手段は、前記光ビーム発光器に加え、前記ホログラムを破壊することがない波
長の他の光ビームを出射する他の光ビーム発光器を具備し、
前記他の光ビームを前記ホログラム記録再生媒体に照射して他のサーボ信号を得るための
他のフォトディテクターと、
前記他のサーボ信号を前記サーボ信号に基づいて校正する校正回路と、を具備する請求項
1に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項3】
ホログラム記録再生媒体に照射するための光ビームを出射する光ビーム発光器を有する
発光手段と、
前記光ビームから信号光および参照光を得る空間変調器と、
前記参照光または前記信号光、もしくは、前記参照光および前記信号光を照射してサーボ
信号を検出するときと、前記ホログラム記録再生媒体に前記参照光および前記信号光を照
射してホログラムを形成するときとで、前記空間変調器からの光ビームが異なる偏光方向
を有するようにして前記ホログラム記録媒体に照射されるように切り替える偏光方向切り
替え手段と、
前記サーボ信号を検出するフォトディテクターと、を備えるホログラム記録再生装置。
【請求項4】
前記発光手段は、前記光ビーム発光器に加え、前記ホログラムを破壊することがない波
長の他の光ビームを出射する他の光ビーム発光器を具備し、
前記他の光ビームを前記ホログラム記録再生媒体に照射して他のサーボ信号を得るための
他のフォトディテクターと、
前記他のサーボ信号を前記サーボ信号に基づいて校正する校正回路と、を具備する請求項
3に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項5】
前記偏光方向切り替え手段は、
ローテーターと、
1/2波長板と、
前記光ビームの光軸を中心として前記1/2波長板を回転させる回転機構と、
前記回転機構を制御する制御回路と、を具備する請求項1または請求項3の1項に記載の
ホログラム記録再生装置。
【請求項6】
さらに、前記参照光を通過させる位相マスクを具備する請求項5に記載のホログラム記
録再生装置。
【請求項7】
ホログラム記録再生媒体に記録されたホログラムから情報を再生するときに動作する、
前記ホログラム記録再生媒体に照射するための光ビームを出射する光ビーム発光器を有す
る発光手段と、
前記光ビームから参照光もしくは信号光、または、参照光および信号光を得る空間変調器
と、
前記ホログラム記録再生媒体に前記参照光もしくは前記信号光、または、前記参照光およ
び前記信号光を照射してサーボ信号を検出するときと、前記ホログラム記録再生媒体に前
記参照光を照射して前記ホログラム記録再生媒体に形成されたホログラムからの再生光を
検出するときとで、前記空間変調器からの光ビームが異なる偏光方向を有するようにして
前記ホログラム記録媒体に照射されるように切り替える偏光方向切り替え手段と、
前記再生光に応じた電気信号を検出する撮像器と、
前記撮像器から検出される前記電気信号を処理する信号処理回路と、
前記サーボ信号を検出するフォトディテクターと、を具備し、
前記ホログラム記録再生媒体にホログラムを記録するときに動作する、
前記発光手段と、
前記空間変調器と、
前記参照光もしくは前記信号光、または、前記参照光および前記信号光を照射して、前記
サーボ信号を検出するときと、前記ホログラム記録再生媒体に前記参照光および前記信号
光を照射して前記ホログラムを形成するときとで、前記空間変調器からの光ビームが異な
る偏光方向を有するようにして前記ホログラム記録媒体に照射されるように切り替える前
記偏光方向切り替え手段と、
前記フォトディテクターと、
前記他の光ビーム発光器と、
前記他のフォトディテクターと、
前記校正回路と、を具備する、ホログラム記録再生装置。
【請求項8】
発光手段からホログラム記録再生媒体に照射するための光ビーム出射し、
空間変調器に対して前記光ビームを照射して、少なくとも参照光を得て、
前記ホログラム記録再生媒体に少なくとも前記参照光を照射して、
偏光方向切り替え手段が、サーボ信号を検出するときと、前記ホログラム記録再生媒体に
形成されたホログラムからの再生光を検出するときとで、少なくとも前記参照光が異なる
偏光方向を有するように切り替え、
撮像器が前記再生光に応じた電気信号を検出し、
信号処理回路が前記撮像器から検出される前記電気信号を処理し、
フォトディテクターが前記サーボ信号を検出する、ホログラムの記録再生方法。
【請求項9】
発光手段からホログラム記録再生媒体に照射するための光ビーム出射し、
空間変調器に対して前記光ビームを照射して信号光および参照光を得て、
前記ホログラム記録再生媒体に前記信号光および前記参照光を照射して、
偏光方向切り替え手段が、サーボ信号を検出するときと、ホログラムを形成するときとで
、前記信号光または前記参照光のいずれか一方またはその両方が異なる偏光方向を有する
ように切り替え、
フォトディテクターが前記サーボ信号を検出する、ホログラムの記録再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−288658(P2009−288658A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142894(P2008−142894)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】