説明

ホース

【課題】ガス透過性の低いゴムホースの提供。
【解決手段】少なくとも1つの透過抵抗層、少なくとも1つの透過抵抗層をそれぞれ覆うエラストマー層、エラストマー層を覆う少なくとも1つの強化層、および少なくとも1つの強化層を覆うカバー層を含み、少なくとも1つの透過抵抗層が少なくとも2つの異なる熱可塑性物質の複数の下位層を有し、下位層の厚さが2500ナノメートル未満であるホース。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
自動車産業では冷媒を輸送するためにホースが使用される。ホースは一般に、最内層、内管の径方向外側に位置する最外部のカバー層、および最内層と最外層の間に挿入された強化繊維層からなる、多層の層構造を有する。一般に、内層および外層はゴムから形成される。強化繊維層は、一般にポリエステル繊維、レーヨン繊維、またはナイロン繊維などの編まれた有機糸条から形成されるメッシュ構造である。層同士の間に接着層を設けることもできる。
【0002】
上述した既知の多層のゴムホースは、高い可撓性を有する。ゴム材料のこの特性によって、ゴムホースは簡単に取り扱うことができる。しかし、ゴム材料は一般にガス透過性が高い傾向にある。透過抵抗層としてナイロン6またはナイロン66などのポリアミド層を組み込むことによって、従来のゴムホースの冷媒透過に対する抵抗を向上させることが試みられている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、少なくとも1つの透過抵抗層、少なくとも1つの透過抵抗層をそれぞれ覆うエラストマー層、エラストマー層を覆う少なくとも1つの強化層、および少なくとも1つの強化層を覆うカバー層を含み、少なくとも1つの透過抵抗層が少なくとも2つの異なる熱可塑性物質の複数の下位層を有し、下位層の厚さが2,500ナノメートル未満である、ホースを対象とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
本発明を、添付の図面を参照しながら例を使用して説明する。
【0005】
本発明によるホースの一実施形態が、ホース10として図1に示されている。ホース10は、ホースの径方向および長手方向のホース軸に対して透過抵抗層12を有する。本実施形態では、透過抵抗層12は少なくとも2つの熱可塑性物質から形成されている。透過抵抗層12の上にエラストマー摩擦層18があり、その上に強化層20があり、最上部にカバー層22がある。
【0006】
透過抵抗層は少なくとも2つの異なる熱可塑性物質から形成される。少なくとも2つの異なる熱可塑性物質は、複数の層を有する2つの熱可塑性物質の複合材を形成するように加工される。複合材を透過抵抗層として使用するとき、本願明細書では、複合材の複数の層を複数の下位層という。一実施形態では、下位層の厚さはそれぞれ2,500ナノメートル未満である。別の実施形態では、下位層の厚さはそれぞれ1,000ナノメートル未満である。別の実施形態では、下位層の厚さはそれぞれ500ナノメートル未満である。別の実施形態では、下位層の厚さはそれぞれ250ナノメートル未満である。下位層の厚さは、少なくとも部分的には、少なくとも2つの熱可塑性物質の複合材を形成するために使用される工程方法に依存する。
【0007】
透過抵抗層で使用される少なくとも2つの熱可塑性物質の複合材を形成する1つの工程方法は、米国特許第6,770,340号および第6,902,805号、ならびに米国特許公報2005/0113503号および2005/0265119号に開示されており、そのすべてを参照によって本願明細書に完全に援用する。開示されているように、複数の段階の複合材料の製造方法が開示されており、複合材料は主構成部品および少なくとも1つの副構成部品を含む。主および副構成部品は、主構成部品および副構成部品があらかじめ定めたサイズおよび形状の特徴を有する、あらかじめ定めた所望の形態的構造に配置されている。この方法は主構成部品を制御された方法でカオス混合器に供給するステップ、および副構成部品を制御された方法でカオス混合器に供給するステップを含む。カオス混合器内部で主構成部品および副構成部品は、あらかじめ定めた所望の形態を制御可能かつ漸進的に形成するように、制御されたパラメータによって混合される。この方法に従ってカオス混合を使用することにより、多層膜の微細構造を形成することができる。例えば、多層膜の層を約200ナノメートル未満、詳細には約100ナノメートル未満、より詳細には約50ナノメートル未満とすることができる。分布された多層膜は、従来の方法より多数の層を有するように形成することができる。例えば多層膜は、約10を超える層、より詳細には約100を超える層を有するように形成することもできる。幾つかの例では、多層膜は約1,000を超える層、幾つかの例では約4,000を超える層、幾つかの例では約5,000を超える層、幾つかの例では約10,000を超える層を分離せずに有するように形成することもできる。例えば、比較的安定した多層膜は、約4,500から約12,000の層を含むことができる。
【0008】
透過抵抗層で使用される少なくとも2つの熱可塑性物質の複合材を形成する別の工程方法は、米国特許第5,866,265号および第6,936,203号に開示されている通りであり、それぞれを参照によって本願明細書に完全に援用する。開示されているように、少なくとも2つの材料の多層複合材を、複数の押出成形機を使用して形成することができる。例えば、多層材料を含む閉鎖した複合材料品を作製するための方法および装置では、閉鎖構造を有するダイの列を使用することができる。この方法および装置では、少なくとも2つの押出成形機を使用して、少なくとも2つの材料の流れによる交互の材料層を有する押出物を提供するように、ダイの列を通して少なくとも2つの材料の流れを押出成形する。2つの材料の流れの成分は同じであっても異なってもよい。このような方法を使用して、25.4ミリメートルあたり200〜20,000もの層を有する多層複合材を得ることができる。
【0009】
透過抵抗層で使用するのに適切な熱可塑性材料には、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、およびエチレンプロピレンコポリマー熱可塑性樹脂などのポリオレフィン熱可塑性樹脂;ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66コポリマー(N6/66)、ナイロン6/66/610コポリマー(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6Tコポリマー、ナイロン66/PPコポリマー、およびナイロン66/PPSコポリマーなどのポリアミド熱可塑性樹脂;ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEIコポリマー、ポリアクリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリオキシアルキレンジイミダート/ポリブチレートテレフタレートコポリマー、および他の芳香族ポリエステルなどのポリエステル熱可塑性樹脂;ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレンコポリマー(AS)、メタクリロニトリル/スチレンコポリマー、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエンコポリマーなどのポリニトリル熱可塑性樹脂;ポリメチルメタクリレート(PMMA)、およびポリエチルメタクリレートなどのポリメタクリレート熱可塑性樹脂;酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレンコポリマー(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデンコポリマー、および塩化ビニリデン/メチルアクリレートコポリマーなどのビニル樹脂;酢酸セルロース、酢酸セルロースブチレートなどのセルロース熱可塑性樹脂;フッ化ポリビニリデン(PVDF)、フッ化ポリビニル(PVF)、ポリクロロフルオロエチレン(PCTFE)、およびテトラクロロエチレン/エチレンコポリマー(ETFE)などのフッ素樹脂;および芳香族ポリイミド(PI)などのイミド熱可塑性樹脂が含まれる。
【0010】
一実施形態では、液晶ポリマーを第2の熱可塑性物質とともに使用することができる。適切な液晶ポリマーの例には次の芳香族ポリエステルが含まれる:XYDAR(ダートコ製)、VECTRA(ヘキスト−セラニーズ製)、またはEKONOL(住友化学製)。液晶ポリマーは、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、およびエチレンプロピレンコポリマー熱可塑性樹脂などのポリオレフィン熱可塑性樹脂;ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66コポリマー(N6/66)、ナイロン6/66/610コポリマー(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6Tコポリマー、ナイロン66/PPコポリマー、およびナイロン66/PPSコポリマーなどのポリアミド熱可塑性樹脂;ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEIコポリマー、ポリアクリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリオキシアルキレンジイミダート/ポリブチレートテレフタレートコポリマー、および他の芳香族ポリエステルなどのポリエステル熱可塑性樹脂;ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレンコポリマー(AS)、メタクリロニトリル/スチレンコポリマー、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエンコポリマーなどのポリニトリル熱可塑性樹脂;ポリメチルメタクリレート(PMMA)、およびポリエチルメタクリレートなどのポリメタクリレート熱可塑性樹脂;酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレンコポリマー(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデンコポリマー、および塩化ビニリデン/メチルアクリレートコポリマーなどのビニル樹脂;酢酸セルロース、酢酸セルロースブチレートなどのセルロース熱可塑性樹脂;フッ化ポリビニリデン(PVDF)、フッ化ポリビニル(PVF)、ポリクロロフルオロエチレン(PCTFE)、およびテトラクロロエチレン/エチレンコポリマー(ETFE)などのフッ素樹脂;および芳香族ポリイミド(PI)などのイミド熱可塑性樹脂から選択される第2の熱可塑性物質とともに使用することができる。
【0011】
別の実施形態では、エチレンビニルアルコールコポリマーを第2の熱可塑性物質とともに使用することができる。エチレンビニルアルコールコポリマーは、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、およびエチレンプロピレンコポリマー熱可塑性樹脂などのポリオレフィン熱可塑性樹脂;ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66コポリマー(N6/66)、ナイロン6/66/610コポリマー(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6Tコポリマー、ナイロン66/PPコポリマー、およびナイロン66/PPSコポリマーなどのポリアミド熱可塑性樹脂;ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEIコポリマー、ポリアクリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリオキシアルキレンジイミダート/ポリブチレートテレフタレートコポリマー、および他の芳香族ポリエステルなどのポリエステル熱可塑性樹脂;ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレンコポリマー(AS)、メタクリロニトリル/スチレンコポリマー、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエンコポリマーなどのポリニトリル熱可塑性樹脂;ポリメチルメタクリレート(PMMA)、およびポリエチルメタクリレートなどのポリメタクリレート熱可塑性樹脂;酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレンコポリマー(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデンコポリマー、および塩化ビニリデン/メチルアクリレートコポリマーなどのビニル樹脂;酢酸セルロース、酢酸セルロースブチレートなどのセルロース熱可塑性樹脂;フッ化ポリビニリデン(PVDF)、フッ化ポリビニル(PVF)、ポリクロロフルオロエチレン(PCTFE)、およびテトラクロロエチレン/エチレンコポリマー(ETFE)などのフッ素樹脂;および芳香族ポリイミド(PI)などのイミド熱可塑性樹脂から選択される第2の熱可塑性物質とともに使用することができる。
【0012】
透過抵抗層における少なくとも2つの熱可塑性物質の相対量は様々とすることができる。一実施形態では、第1の熱可塑性物質と第2の熱可塑性物質の重量比を5:1から1:5の範囲とすることができる。別の実施形態では、第1の熱可塑性物質と第2の熱可塑性物質の重量比を2:1から1:2の範囲とすることができる。
【0013】
透過抵抗層において透過抵抗性を高めるために、熱可塑性物質に微粒子材料を加えることができる。一実施形態では、微粒子材料は粘土、雲母等とすることができる。粘土は当技術分野では既知の方法を使用して、挿入および/または剥離することができる。微粒子材料は複数の下位層を形成する前に熱可塑性物質に加えることができ、または微粒子は複数の下位層の形成中に加えることができる。
【0014】
再び図1を参照すると、層18は透過抵抗層12と強化層20の間にあるエラストマー摩擦層であり、ホース10に可撓性をもたらす。この層のために選択されたエラストマーはこれらの特性を満たさなければならない。透過抵抗層12に接着させるために、エラストマー層18は透過抵抗層12上に押出成形することができる。層はらせん状に巻きつけられた、またはバットシームされた(butt seamed)シートの形態で適用することもできる。このような層を適用するこれらの方法は当技術分野では既知であり、その変形も本願明細書には企図されている。
【0015】
エラストマー摩擦層18は、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ブタジエンおよびアクリロニトリルのコポリマー、ブタジエンおよびスチレンのコポリマー、ポリクロロプレン、ポリブタジエン、エチレンプロピレンコポリマー、エチレンプロピレンノルボルネンターポリマー、エチレンプロピレン−1,4−ヘキサジエンターポリマー、エチレンプロピレンジシクロペンタジエンターポリマーなどのEPDM等から選択される基材ポリマーを含む。一実施形態では、摩擦層の基材はEPDMである。
【0016】
摩擦層18の基材ポリマーは、接着剤系および過酸化物または硫黄薬剤を有することができる。有用な接着剤系は、従来知られている、レソルシノール、フェノール、またはマレイン化ポリブタジエンベースの接着剤系を含む。レソルシノール成分をエラストマーに非生産的混合中に加えることができ、またはあらかじめ形成した接着剤樹脂を生産的混合中に加えることができる。エラストマー摩擦層で使用する接着剤系の量は、100の基材ポリマーに対して重量で1から10の範囲とすることができる。摩擦層18において有用な過酸化物または硫黄薬剤は、そのような基材で一般に使用されるものである。エラストマー摩擦層において有用な過酸化物または硫黄薬剤は、そのような基材で一般に使用されるものである。例えば、過酸化ジクミル、[α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシド)ジイソプロピルベンゼン]、過酸化ベンゾイル、2,4−過酸化ジクロロベンゾイル、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、およびn−ブチル4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)吉草酸塩などの過酸化物である。100の基材ポリマーに対して1から約10の過酸化物または硫黄を使用する。
【0017】
強化層20は、ホース用の強化層として一般的に使用される繊維層でよい。層20は、糸条の編組み、らせん形成、編込み、またはらせん編みによって形成することができる。織糸は、ガラス、鋼材、綿、ポリエステル、またはアラミド繊維、あるいはこれらの繊維の混合など、従来のホース強化用糸条から選択することができる。
【0018】
カバー層22は、制限はされないが、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、エピクロロヒドリンゴム(CHR、CHC)、アクリルゴム(ACM)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−アクリルエラストマー(AEM)等を含む、既知のカバー層材料から選択される。一実施形態では、カバー層の基材はAEMである。
【0019】
図1に示したホースの実施形態は当技術分野ではベニヤホースとして知られており、透過抵抗層はホースの最内層である。別の実施形態では、ホースは最内層としてエラストマー層を含み、透過抵抗層が最内層を覆うことができる。そのようなホースは当技術分野ではバリアホースとして知られている。別の実施形態では、ホースは2つ以上の透過抵抗層を有することができる。これらの実施形態では、ホースは最内層として透過抵抗層を含み、1つ以上の追加の透過抵抗層をエラストマー層に差し入れることができる。別の実施形態では、ホースは最内層としてエラストマー層を含み、2つ以上の透過抵抗層をエラストマー層に差し入れることができる。
【0020】
図1に示す実施形態は冷媒ホース用であるが、本発明はこれに制限されない。選択された材料によって、本発明によるホースは、炭化水素燃料を輸送する自動車燃料ホース、または酸素、水素、二酸化炭素等を輸送する燃料電池ホースとして適切なものとすることもできる。
【0021】
本願明細書に記載された本発明の説明に照らして、本発明の変形が可能である。
【0022】
以上、本発明を説明する目的で、ある代表的な実施形態および詳細を示したが、本発明の範囲から逸脱せずにそれらに様々な変更および修正を行なうことができることは、当業者には明らかであろう。したがって、説明された特定の実施形態に変更を行なうことができ、添付の特許請求の範囲で規定される本発明の本当に意図した技術的範囲内に含まれることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明によるホースの斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
10 ホース
12 透過抵抗層
18 エラストマー摩擦層
20 強化層
22 カバー層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの透過抵抗層、前記少なくとも1つの透過抵抗層をそれぞれ覆うエラストマー層、前記エラストマー層を覆う少なくとも1つの強化層、および前記少なくとも1つの強化層を覆うカバー層を含み、前記少なくとも1つの透過抵抗層が少なくとも2つの異なる熱可塑性物質の複数の下位層を有し、前記下位層の厚さが2500ナノメートル未満であるホース。
【請求項2】
前記下位層の厚さが1,000ナノメートル未満である、請求項1に記載のホース。
【請求項3】
前記下位層の厚さが500ナノメートル未満である、請求項1に記載のホース。
【請求項4】
前記下位層の厚さが250ナノメートル未満である、請求項1に記載のホース。
【請求項5】
前記少なくとも2つの異なる熱可塑性物質が、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、およびエチレンプロピレンコポリマー熱可塑性樹脂;ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66コポリマー(N6/66)、ナイロン6/66/610コポリマー(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6Tコポリマー、ナイロン66/PPコポリマー、およびナイロン66/PPSコポリマー;ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEIコポリマー、ポリアクリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリオキシアルキレンジイミダート/ポリブチレートテレフタレートコポリマー、および他の芳香族ポリエステル;ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレンコポリマー(AS)、メタクリロニトリル/スチレンコポリマー、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエンコポリマー;ポリメチルメタクリレート(PMMA)、およびポリエチルメタクリレートなどのポリメタクリレート熱可塑性樹脂;酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレンコポリマー(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデンコポリマー、および塩化ビニリデン/メチルアクリレートコポリマー;酢酸セルロース、酢酸セルロースブチレート;フッ化ポリビニリデン(PVDF)、フッ化ポリビニル(PVF)、ポリクロロフルオロエチレン(PCTFE)、およびテトラクロロエチレン/エチレンコポリマー(ETFE)、テトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンターポリマー(THV);および芳香族ポリイミド(PI)からなる群から選択される、請求項1に記載のホース。
【請求項6】
1つの透過抵抗層が前記ホースの最内層である、請求項1に記載のホース。
【請求項7】
前記ホースの最内層としてエラストマー層をさらに含む、請求項1に記載のホース。
【請求項8】
前記少なくとも2つの異なる熱可塑性物質が、エチレンビニルアルコールコポリマーおよび少なくとも1つの他の熱可塑性物質を含む、請求項1に記載のホース。
【請求項9】
前記少なくとも2つの異なる熱可塑性物質が、液晶ポリマーおよび少なくとも1つの他の熱可塑性物質を含む、請求項1に記載のホース。
【請求項10】
前記少なくとも2つの異なる熱可塑性物質が、重量比が5:1から1:5の範囲である第1および第2の熱可塑性物質を含む、請求項1に記載のホース。
【請求項11】
前記少なくとも2つの異なる熱可塑性物質が、重量比が2:1から1:2の範囲である第1および第2の熱可塑性物質を含む、請求項1に記載のホース。
【請求項12】
前記透過抵抗層が粘土および雲母から選択される微粒子をさらに含む、請求項1に記載のホース。

【図1】
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【公開番号】特開2008−44375(P2008−44375A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−212943(P2007−212943)
【出願日】平成19年8月17日(2007.8.17)
【出願人】(590002976)ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー (256)
【氏名又は名称原語表記】THE GOODYEAR TIRE & RUBBER COMPANY
【住所又は居所原語表記】1144 East Market Street,Akron,Ohio 44316−0001,U.S.A.
【Fターム(参考)】