説明

ホームでの旅客巻き込み検知システム

【課題】駅ホーム上でホーム縁に沿って旅客が列車に巻き込まれる事故が生じた時に、これを高い精度で迅速かつ確実に自動的に検知することができるホームでの旅客巻き込み検知システムを提供する。
【解決手段】ホームでの旅客巻き込み検知システムは、列車が入線する駅ホームのホーム縁に沿って当該ホーム縁の上方位置に設置され、所定の時間間隔で設定された計測時刻毎に、それぞれ設定された検知エリアに係る検知画像を出力する複数のMEMSセンサSE1〜SEnと、複数のMEMSセンサの各々が出力する検知画像に基づき旅客像に係るデータを記憶するステイタスメモリ41と、ステイタスメモリに記憶された旅客像に係るデータに基づき前記旅客像の動きデータを取得し、動きデータと判定用データとを比較して一致するか否かを判定し、一致するときに旅客巻き込み状態が発生したと判定する処理手段56とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホームでの旅客巻き込み検知システムに関し、特に、それぞれで設定された検
知エリアについて距離センサとして機能する複数のMEMSセンサ(距離エリアセンサ)
をホーム縁に沿った上方領域に一列状に配置し、当該複数のMEMSセンサの検知動作特
性を利用して旅客の巻き込み事故を検知するホームでの旅客巻き込み検知システムに関す
る。
【背景技術】
【0002】
ホームからの転落を検知する従来の技術として特許文献1,2に記載される技術が存在
する。
【0003】
特許文献1に開示されるホーム転落検知装置では、その図1に示されるように線路軌道
に沿って所定の間隔で配置され、かつその図2に示されるようにホームから線路軌道に向
かって線路軌道側を斜めに覗き込むような配置姿勢で上方位置に設けられた複数の画像撮
像手段によって各々の転落検知エリアの撮像画像を取得する。複数の画像撮像手段によっ
て取得した各々の転落検知エリアに関する撮像画像に係る画像データに基づき、最初に転
落検知標本データを設定し、その後、現時点の画像データを取得し、当該現時点の画像デ
ータと転落検知標本データとの差分画像を得て、当該差分画像の差分領域の画素数に基づ
いて物体の転落を検知する。画像撮像手段はいわゆる撮像用カメラである。
【0004】
特許文献2に開示されるホーム転落者検知方法等では、複数台のステレオカメラをホー
ムの縁部に沿って所定の間隔で配置し、複数台のステレオカメラの各々の検知エリアを撮
像し、撮像で得られた画像信号を用いた画像処理で、ホームからの落下物を検知し、落下
物の大きさを求め、その大きさから落下物が人であるか否かを判定するようにしている。
このときには画像処理では、ホーム上面より下側に設定された所定の高さよりも低くなっ
たことを条件に落下物の存在を判定し、かつステレオカメラから落下物までの距離を求め
、当該距離に基づいて落下物の高さを求めると共に落下物の占有画面数を求めるようにし
ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−276605号公報(図1と図2)
【特許文献2】特開2003−246268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1,2に基づくホーム転落検知装置では、検知手段として撮像用カメラ
(ステレオカメラを含む)を利用して撮像画像に基づいてホーム上で起きる転落等の事故
を検知するようしている。カメラによる撮像画像に係る情報を用いてその撮像画像上での
画素数に基づいて転落事故の判定を行っているため、線路軌道上に転落した人や物を検知
し、転落したという事実を検知することのみであり、旅客が列車の進行動作と共に列車に
巻き込まれるという事故を高い精度で迅速に検知することはできなかった。
またカメラの撮像で得られる画像データでは、外乱光の影響を受け、巻き込まれる可能
性のある旅客を検知することが容易ではないという問題もあった。
列車発車時における旅客の巻き込み事故の自動検知は、従来の転落検知装置では技術的
に難しい状態にあり、専ら目視確認作業に基づいて人為的に行っていた。
【0007】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、駅ホーム上でホーム縁に沿って旅客が列車に巻き
込まれる事故が生じた時に、これを高い精度で迅速かつ確実に自動的に検知することがで
きるホームでの旅客巻き込み検知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るホームでの旅客巻き込み検知システムは、上記の目的を達成するため、次
のように構成される。
【0009】
第1のホームでの旅客巻き込み検知システム(請求項1に対応)は、列車が入線する駅
ホームのホーム縁に沿って当該ホーム縁の上方位置に設置され、所定の時間間隔で設定さ
れた計測時刻毎に、それぞれ設定された検知エリアに係る検知画像を出力する複数のME
MSセンサと、複数のMEMSセンサの各々が出力する検知画像に基づき旅客像に係るデ
ータを記憶する第1記憶手段と、第1記憶手段に記憶された旅客像に係るデータに基づき
前記旅客像の動きデータを取得し、動きデータと判定用データとを比較して一致するか否
かを判定し、一致するときに旅客巻き込み状態が発生したと判定する処理手段とを備える
ことを特徴としている。
【0010】
上記のホームでの旅客巻き込み検知システムでは、駅ホームにおける列車が入線・停車
するホーム縁の所定の箇所にそれぞれ検知エリアが設定された複数のMEMSセンサを配
置し、当該MEMSセンサによって得られる検知エリアの高さ情報に基づいて当該検知エ
リアでの旅客の動きを検出し、旅客巻き込みに特有の動きパターンを判定用データとして
用意して、比較を行い、正確かつ迅速に旅客巻き込み状態を検知することが可能となる。
【0011】
第2のホームでの旅客巻き込み検知システム(請求項2に対応)は、上記の構成におい
て、好ましくは、複数のMEMSセンサの各々が出力する検知画像に基づき列車像に係る
データを記憶する第2記憶手段を備え、処理手段は、第1記憶手段に記憶された旅客像に
係るデータに基づき旅客像の移動データを取得し、旅客像の前記動きデータと第2記憶手
段に記憶された列車像に係るデータとに基づいて旅客像と列車像との位置関係データを取
得し、位置関係データと判定用データとを比較して一致するか否かを判定し、一致すると
きに旅客巻き込み状態が発生したと判定することを特徴とする。旅客像の動きと、列車像
の移動との位置的な関連性に基づいて検知を行うことにより、より検知精度の高い旅客の
巻き込み状態を検知することが可能となる。
【0012】
第3のホームでの旅客巻き込み検知システム(請求項3に対応)は、上記の構成におい
て、好ましくは、複数のMEMSセンサにおける隣り合う2つのMEMSセンサの各々の
検知エリアの境界部は接している、または重なり部分を有することを特徴とする。隣り合
う2つのMEMSセンサの各々の検知エリアの設定において、境界部を接するまたは重な
り合わせることにより、判定アルゴリズムの作成を容易化することができる。
【0013】
第4のホームでの旅客巻き込み検知システム(請求項4に対応)は、上記の構成におい
て、好ましくは、判定用データは、検知画像における危険エリア像に関係する領域内での
旅客動き画像に係るデータであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数のMEMSセンサを利用して駅ホームのホーム縁を含む領域をレ
ーザ光で2次元走査して当該ホーム縁における高さ情報を取得し、当該高さ情報の変化か
ら旅客像を特定し、列車の移動情報と関連させることにより、当該旅客像の動きのパター
ンから旅客巻き込み状態の発生を正確にかつ迅速に自動検知することができる。このため
、駅ホーム上でホーム縁に沿って旅客が列車に巻き込まれる事故が生じた時に、これを高
い精度で迅速かつ確実に自動的に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るホームでの旅客巻き込み検知システムで用いられるセンサシステムのホームにおける具体的な配置構成を示す平面図である。
【図2】センサシステムのホームにおける具体的な配置構成を示す正面図である。
【図3】1つのMEMSセンサの計測で得られた検知画像の一例を示す図である。
【図4】本発明に係るホームでの旅客巻き込み検知システムの検知・判定システムの構成を示すブロック図である。
【図5】各MEMSセンサの計測動作で得られる検知画像の3つの例(A)安全エリアにいる場合、(B)危険エリアにいる場合、(C)軌道エリアに出た場合を示す図である。
【図6】ホームに入線・停車した列車が再び発車し動き出した時において、当該列車の近傍で旅客が留まっている状況を示す平面図である。
【図7】時間軸(t)での計測時刻t1,t2,t3の経過に伴う1つのMEMSセンサ(SE1)の検知画像の変化状態を3つの変化パターン(A),(B),(C)で示す図である。
【図8】ホームでの旅客巻き込み検知システムの旅客巻き込み状態の検知動作と判定動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】ステイタスメモリ(41)に保存される或る計測時刻での保存テーブルの一例を示す図である。
【図10】ステイタスメモリ(42)に保存される或る計測時刻での保存テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
本発明に係るホームでの旅客巻き込み検知システムは、旅客巻き込み事故を起こす可能
性のある旅客を検知するためのセンサシステムと、検知した旅客に関して巻き込み状態が
発生しているか否かを正確かつ迅速に自動検知する事故判定に係る判定アルゴリズムを有
する判定システムとから構成されている。
【0018】
図1と図2を参照して、センサシステムのホームにおける具体的な配置に関する構成を
説明する。図1は平面図を示し、図2は正面図を示している。
【0019】
図1および図2において、11は駅のホームにおいて当該ホームを上方から見たもので
あり、12はこのホーム11に矢印方向に入線した列車を上方から見たものである。11
Aは、列車12が入線した線路軌道に沿った位置に形成されるホーム縁である。ホーム縁
11Aはホーム11と線路軌道との間の境界になる。このホーム縁11Aに沿って、ホー
ム縁11Aの内側の位置にて、その上方の位置に一列状に複数(例えばn個)のセンサS
E1,SE2,…,SEnが所定の等間隔の配置関係に基づいて設置されている。図1と
図2では便宜上7個のセンサが図示されている。n個のセンサSE1,SE2,…,SE
nはMEMSセンサである。以下、「MEMSセンサSE1,SE2,…,SEn」と記
す。ここで「MEMS」とは、よく知られた「Micro Electro Mechanical System」の意味で
ある。また「MEMSセンサ」とは、レーザ光を2次元走査する検知部の構成と、光パル
ス飛行時間計測法による距離計測装置の構成とから成り、割り当てられた特定の検知エリ
ア(2次元領域)における3次元情報(この実施形態では「高さ情報」)を測距機能に基
づいて取得することができるエリアセンサである。
【0020】
複数のMEMSセンサはホーム縁11Aに沿って上方に設けられた取付けフレーム13
において等間隔で設置されている。取付けフレーム13に設置された各MEMSセンサS
E1,SE2,…,SEnは、その検知部を下方(または斜め下方)に向けて配置され、
下方に矩形の検知エリア14が設定される。検知エリア14は、ホーム11の床面から所
望の高さ位置に設定されている。複数のMEMSセンサSE1,SE2,…,SEnの各
々は、ホーム11に入線し停車する列車12の各車両の乗降ドア12Aに対応して配置さ
れている。従って各MEMSセンサSE1,SE2,…,SEnに対応する検知エリア1
4は、通常的には、列車12の各車両の各乗降ドア12Aの出入り口(乗降口)の領域を
含むようにして設定されている。乗降ドア12Aの出入り口等の領域は、旅客の乗降時に
おいて、旅客の巻き込み事故が起きやすい領域である。そこで、当該出入り口領域を含む
ように検知エリア14が設定される。複数のMEMSセンサSE1,SE2,…,SEn
は、対応する検知エリア14の高さ情報(2次元距離情報)を得るためのエリアセンサと
しての機能する。
【0021】
図2では、複数のMEMSセンサSE1,SE2,…,SEnで隣りあう2つのMEM
Sセンサの各検知エリア14の間の関係を示している。この図示例では、隣り合う2つの
検知エリア14の境界部は接するように設定されている。検知エリア14の境界部は共通
する重なり合う領域を有するように重なって設定することもできる。図2では、14Aは
最外側のレーザ光のスキャンプロフィール(スキャン輪郭)を示している。隣り合う2つ
の検知エリア14の位置関係では、境界部の共通領域をほぼゼロにする(接するようにす
る)、或いは検知エリア14を間をあけて離すように設定することもできる。隣り合う2
つのMEMSセンサの検知エリアを離すように設定する場合には、後述する高さ情報に基
づく判定アルゴリズムで予測処理が必要とされる。
【0022】
上記のように設置されたn個のMEMSセンサSE1,SE2,…,SEnの各々は、
所定の時間間隔で設定された検知時刻(計測時刻)において、対応する検知エリア14に
ついて測距センサ装置として個別に高さ情報に関する検知動作を行う。各MEMSセンサ
によって各検知時刻での検知動作で得られた対応する検知エリア14内についての高さ情
報は処理コンピュータに送られ、当該処理コンピュータで検知時刻毎に検知エリア14に
おける高さ情報に基づいて検知エリア14毎の検知物情報を取得する。取得した高さ情報
に基づいて、閾値に利用して、検知エリア14内の旅客の存在、および列車12の客車の
存在等を検知することができる。上記検知物情報は旅客等の存在情報である。取得した高
さ情報、検知物情報は、検知時刻毎に、n個のMEMSセンサSE1〜SEnの各々につ
いての検知情報としてテーブル形式でメモリに保存される。
【0023】
また、n個のMEMSセンサSE1,SE2,…,SEnの各々で得られる検知情報(
検知画像)によれば、処理コンピュータ側において、対応する検知エリア14に関して、
上記の旅客の存在情報と共に、設置位置に関する予めの位置情報に基づいて、ホーム縁1
1Aの位置、およびホーム縁11Aの近傍の危険エリアの位置、それ以外の安全エリアの
位置が知られている。
【0024】
図3に、1つのMEMSセンサによる計測で得られた検知画像の一例を示す。21は、
対応する検知エリア14を2次元矩形領域として示した検知画像である。この検知画像2
1において、22はホーム縁11Aの位置を示すライン像であり、23は危険エリア像で
あり、24は安全エリア像であり、25は検知エリア14内に存在する旅客像である。
図3で、ライン像22の上側が、実際には線路軌道側の領域になる。危険エリア像23は
、実際には、通常的にホーム縁11Aから接近危険ラインの間の領域である。
【0025】
次に、図4を参照して、本発明に係るホームでの旅客巻き込み検知システムの検知・判
定システムの構成を説明する。
【0026】
ホームでの旅客巻き込み検知システムでは、n個のMEMSセンサSE1,SE2,…
,SEnの各々から時系列の画像データを取得し、列車12の到着・発車時における時間
経過に伴うこれらの画像データの画像内容の変化に基づいて、自動的に旅客の巻き込み状
態の有無を検知し判定する検知・判定システムの機能部を有している。
【0027】
当該検知・判定システムは、上記のセンサシステムで検知した旅客や列車の存在情報等
を取り出して記憶するメモリと、この記憶情報に基づいて旅客について巻き込み状態が発
生したか否かを正確かつ迅速に自動的に検知し判定する事故判定に係る判定アルゴリズム
を実行する演算処理部(CPU)とから構成されている。
【0028】
図4に示した構成では、一例として便宜的に7個のMEMSセンサSE1〜SE7が示
されている。実際には、n個のMEMSセンサSE1〜SEnの各出力線がスイッチ部3
1に接続されている。n個のMEMSセンサSE1〜SEnの各々から出力される各検知
エリア14の高さ情報に係る信号は、入力選択式スイッチ機能を有したスイッチ部31に
入力される。スイッチ部31に入力された複数のMEMSセンサの出力信号は、スイッチ
部31によって演算処理装置32側に適宜なタイミングで選択的に取り込まれる。演算処
理装置32は、3種類のメモリ41,42,43と、CPUで所定のプログラムを実行す
ることにより実現される5つの機能部、すなわち、旅客追尾部51、列車ホーム進入検知
部52、列車停車検知部53、列車発車検知部54、旅客巻き込み検知開始部55、旅客
巻き込み判定部56とを備えている。さらに演算処理装置32の出力側には出力装置61
が備えられている。
【0029】
各メモリ41〜43はステイタスメモリ(状態記憶用メモリ)である。ステイタスメモ
リ41は、旅客(人)の存在および移動に関する状態を記憶するメモリである。ステイタ
スメモリ42は、列車の存在および移動に関する状態を記憶するメモリである。ステイタ
スメモリ43は、ステイタスメモリ41,42の記憶内容を合成した状態を記憶するもの
で、さらに列車と特定の旅客との間の位置的関係性を有する動き(時間的な状態変化また
は状態推移)を記憶するメモリである。この関係を有する動きに係る記憶データは、その
後における旅客巻き込みの判定の基礎的なデータとして利用される。
【0030】
また上記の5つの機能部(51〜56)の機能内容(処理内容)は次の通りである。
【0031】
旅客追尾部51は、検知時刻毎にn個のMEMSセンサSE1〜SEnの各々が出力す
る検知画像21を取り込み、複数の当該検知画像21に現れる旅客像25に基づいて、旅
客像25の同一性を特定し、旅客像25の位置の変化に基づき当該旅客の移動を追尾する
機能を有している。旅客追尾部51で追尾された旅客に係る状態情報(各旅客の特定情報
、位置情報、位置の変化情報等)は、上記ステイタスメモリ41に保存される。
【0032】
列車ホーム進入検知部52は、検知時刻毎に、n個のMEMSセンサSE1〜SEnの
各々が出力する検知画像21を取り込み、列車進入側に位置する複数の当該検知画像21
においてライン像22の線路軌道側に現れる列車像に基づいて、列車12のホーム進入を
検知する機能を有している。通常的には、列車12の先端車両の前部の高さ情報の移動に
基づいて列車12のホーム進入を検知する。列車ホーム進入検知部52で検知された列車
ホーム進入に係る状態情報は、上記ステイタスメモリ42に保存される。
【0033】
列車停車検知部53は、検知時刻毎に、n個のMEMSセンサSE1〜SEnの各々が
出力する検知画像21を取り込み、例えば列車の先頭に対応する位置に存する複数の当該
検知画像21においてライン像22の線路軌道側に現れる列車像の停車動作状態に基づい
て、列車12の停車を検知する機能を有している。通常的には、列車12の先端車両の前
部の高さ情報での停止動作状態に基づいて列車12の停車を検知する。列車停車検知部5
3で検知された列車の停車に係る状態情報は、上記ステイタスメモリ42に保存される。
【0034】
列車発車検知部54、検知時刻毎に、n個のMEMSセンサSE1〜SEnの各々が出
力する検知画像21を取り込み、例えば列車の先頭に対応する位置に存する複数の当該検
知画像21においてライン像22の線路軌道側に現れる列車像の発車動作状態に基づいて
、列車12の発車を検知する機能を有している。通常的には、列車12の先端車両の前部
の高さ情報での動作開始状態に基づいて列車12の発車を検知する。列車発車検知部54
で検知された列車の発車に係る状態情報は、上記ステイタスメモリ42に保存される。
【0035】
旅客巻き込み検知開始部55は、ステイタスメモリ41に保存されている追尾対象の旅
客に係る状態情報(状態データ)と、ステイタスメモリ42に保存されている列車12の
ホーム進入、停車、発車の状態情報(状態データ)とを取り込んで、ホーム11における
旅客の状態・動きと線路軌道における列車の状態・動きとを関係づける処理を実行する。
旅客巻き込み検知開始部55による当該関係づけの処理は、列車12の発車に係る出発信
号SI1が入力されたことを条件にして実行される。旅客巻き込み検知開始部55による
当該関係づけの処理が、旅客が巻き込まれた状態の検知を開始することの前提条件になる
。旅客巻き込み検知開始部55による関係づけ処理によって作成された旅客および列車1
2の関係状態情報は、上記ステイタスメモリ43に保存される。
【0036】
旅客巻き込み判定部56は、ステイタスメモリ43に保存された旅客および列車の関係
状態情報を、判定用データ(危険パターンデータ)71と対比することによって、列車1
2による旅客の巻き込み状態が生じているか否かを判定し、当該判定用データ71と一致
するときには旅客の巻き込み状態が発生したという検知・判定を行う。旅客の巻き込み状
態を検知した時には、旅客巻き込み判定部56は、出力装置61に対して検知信号を出力
する。出力装置61は、例えばアラーム信号発生器や停止信号発生器である。アラーム信
号発生器は、アラーム信号を出力して、関係部署或いは関係する周辺領域等にアラーム音
、アラーム光を発生させる。停止信号発生器は、列車運行制御システムに対して、ホーム
11での発車を開始した列車12を緊急に停止させる等の停止信号を出力する。
【0037】
なお、本実施形態の説明では、構成上、旅客巻き込みの検知・判定は、上記のごとく、
記憶手段に記憶された旅客および列車の関係状態情報(各々の位置と動き(位置変化)の
情報、および関係性)を利用して行われるが、他方、検知画像21の危険エリア像23内
における旅客の位置と動き(位置変化)の情報のみを利用して旅客巻き込みの検知・判定
を行うように構成することもできる。
【0038】
次に、図5〜図10を参照して、本発明に係るホームでの旅客巻き込み検知システムの
検知・判定システムの動作を説明する。
【0039】
図3で説明したように、n個のMEMSセンサSE1〜SEnの各々の計測動作によれ
ば、その出力される情報では、それらの対応する各検知エリア14に旅客12が存在する
という前提の下で、図3に示した通りの検知画像21を得ることができる。この際、検知
エリア14に列車が存在する場合には列車像も併せて表示される。
【0040】
n個のMEMSセンサSE1〜SEnの各々の計測動作に基づいて得られる検知画像の
代表的な例を、図5において再び示す。
【0041】
図5において(A)に示した検知画像21は、図3で説明した検知画像と全く同じ内容
である。この場合、旅客像25は安全エリア像24内に存在しているので、ホーム11に
入線してくる列車12との位置的な関係において、旅客は安全な状態にあると判断するこ
とができる。
【0042】
図5の(B)に示した検知画像21では、旅客像25は危険エリア像23内に留まって
存在し、かつ列車12が矢印72のごとく動き出したにも拘わらず、旅客像25に関して
危険エリア像23内で留まりかつ回転する状態が生じている。このような検知画像21は
、ホーム11上に居る旅客に関して実際に巻き込みによる危険状態が発生している可能性
が高いことを意味している。この場合において、特に、旅客が回転する状態(回転を示す
円形の矢印72Aで巻き込みに係る動きを示す)が検知画像21で生じると、実質的に危
険状態(旅客巻き込み状態)が発生していると判断される。
【0043】
他方、図5の(C)の検知画像21に示されるように、危険エリア像23内に存在した
旅客像25が安全エリア像24の方へ移動する場合(矢印73でその動きを示す)には、
例えば、列車12から降車した旅客が普通に列車12の乗降口近傍の危険エリアから安全
エリアに移動したと判断され、安全な移動と判断されることになる。
【0044】
図5の(A)〜(C)に示した3つの検知画像21は、それぞれ単体のMEMSセンサ
に基づく計測で得られる検知画像を示している。(A)は或る1つの計測時刻での1枚の
検知画像である。(C)は旅客像25が危険エリア像23から安全エリア像24に移動し
た状態(矢印73)に基づいて判断を行うので、少なくとも2つの計測時刻での検知画像
を比較することで行われる判断である。(B)の場合には、旅客像25の回転動作(矢印
72A)が検知されることが条件になるから、少なくとも2つの計測時刻での検知画像を
比較することが必要となる。(B)の場合の回転動作(矢印72A)、(C)の場合の移
動(矢印73)では、関連する単体のMEMSセンサの計測で得られる検知画像で判断す
ることが可能となる。
【0045】
n個のMEMSセンサSE1〜SEnから構成されるセンサシステムに基づく上記の計
測動作を前提にして、本発明に係るホームでの旅客巻き込み検知システムの検知・判定シ
ステムの動作が実行される。
【0046】
図6は、ホーム11に入線・停車した列車12が再び発車し動き出した時において、当
該列車12の近傍の一箇所の場所に旅客74で留まってかつ回転している状況を示してい
る。図6では、列車12の移動と旅客74の動きの検知に関して、一例として3つの計測
時刻(検知時刻)t1,t2,t3が示されている。この状況は、列車12による旅客7
4の巻き込み状態が発生しているものとする。この旅客巻き込みの発生状態を、本発明に
係るホームでの旅客巻き込み検知システムによれば、次の通り検知し判定する。
【0047】
図6で示した例における旅客巻き込みの検知・判定の場合には、計測時刻t1〜t3で
のn個のMEMSセンサSE1〜SEnの検知動作において、旅客74の動きの関係で、
特に1つのMEMSセンサSE2の計測による検知画像に係るデータが使用される。
【0048】
図7に、時間軸(t)での計測時刻t1,t2,t3の経過に伴うMEMSセンサSE
2の検知画像における変化状態について3つの例(A),(B),(C)を示す。危険エ
リア内に居る旅客74の動きに関して、(A)は急激な位置移動を示す変化例を示し、(
B)は列車12に接触して戻る変化例を示し、(C)は列車12に接触して回転する(旅
客を巻き込む)変化例を示している。図7の(C)に示した検知画像の変化パターンが旅
客巻き込みを検知し判定するための基準のパターンである。
【0049】
図7の変化例(A)を詳述する。計測時刻t1では、旅客74は、MEMSセンサSE
2の検知エリア14のホーム縁11Aの近傍に存在し、MEMSセンサSE2の検知画像
21は危険エリア像23内に旅客像25を含む画像81のごとくなる。計測時刻t2では
、旅客74は安全エリアに移動しているので、MEMSセンサSE2の検知画像21はそ
の安全エリア像24内に旅客像25を含む画像82となる。画像82では、旅客像25は
矢印73の方向に移動している。計測時刻t3では、計測時刻t2以降、特に変化は生じ
ない。
【0050】
上記のように、時刻t1,t2の経過においてMEMSセンサSE2によって得られる
検知画像21において矢印73に示すような旅客像25の移動(位置変化)の状態が生じ
るので、この場合には、旅客巻き込み状態の発生とは関係ない、安全エリアの方向への旅
客像25の急激な位置移動と判定することができる。
【0051】
図7の変化例(B)を詳述する。計測時刻t1では、旅客74は、MEMSセンサSE
2の検知エリア14の危険エリアと安全エリアの境界部に存在し、MEMSセンサSE2
の検知画像21は危険エリア像23の境界部に旅客像25を含む画像83のごとくなる。
計測時刻t2では、旅客74は危険エリアからホーム縁11Aの近傍に移動しているので
、MEMSセンサSE2の検知画像21はその危険エリア像23のライン像22の上に存
する旅客像25を含む画像84となる。計測時刻t3では、旅客74は危険エリアのホー
ム縁11Aの近傍から安全エリア内に移動しているので、MEMSセンサSE2の検知画
像21はその安全エリア像24内に存する旅客像25を含む画像85となる。
【0052】
上記のように、時刻t1,t2,t3の経過においてMEMSセンサSE2によって得
られる検知画像21において上記のごとき旅客像25の移動(位置変化)の状態が生じる
ので、この場合には、旅客74が列車12に接触して安全エリアの方向への旅客像25の
戻る位置移動と判定することができる。
【0053】
図7の変化例(C)を詳述する。計測時刻t1では、旅客74は、MEMSセンサSE
2の検知エリア14の危険エリアでホーム縁11Aの近傍に存在し、MEMSセンサSE
2の検知画像21は危険エリア像23の線路軌道側のライン像22の上に存する旅客像2
5を含む画像86のごとくなる。計測時刻t2では、旅客74は列車12と接触して巻き
込まれた状態が生じ、MEMSセンサSE2の検知画像21はその危険エリア像23のラ
イン像22上で回転する動きを有する旅客像25を含む画像87となる。さらに計測時刻
t3では、旅客74は危険エリアのホーム縁11Aの近傍から安全エリアとの境界部に回
転しながら移動し、このためMEMSセンサSE2の検知画像21は危険エリア像23と
安全エリア像24の境界部で回転する旅客像25を含む画像88となる。
【0054】
上記のように、時刻t1,t2,t3の経過においてMEMSセンサSE2によって得
られる検知画像21において上記のごとき変化の状態が生じるので、MEMSセンサSE
2の検知画像21の変化状態をモニタし、その特徴変化を検知することで、旅客巻き込み
状態の発生の有無を判定することができる。すなわち、この場合、MEMSセンサSE2
の検知データを基礎にして、旅客巻き込み状態の発生の有無を判定する。より具体的には
、MEMSセンサSE2の時刻t1,t2,t3の検知画像(画像86,87,88)の
危険エリア像23の近傍で回転の動きをする旅客像25が存在するという特徴的変化状態
を基準として、「旅客巻き込み状態の発生」であると判定する。
【0055】
図7の(C)で示した上記の特徴的変化状態の内容が図4で説明した判定用データ71
となる。
【0056】
図8に示したフローチャートを参照して、ホームでの旅客巻き込み検知システムの旅客
巻き込み状態の検知動作と判定動作の流れを説明する。
【0057】
ステップS11,S12によって、n個のMEMSセンサSE1,SE2,…,SEn
で検出された信号が取り込まれる。検出信号の取り込みは、ステップS11において所定
の時間間隔で設定された計測時刻毎に繰り返して行われる。
【0058】
ステップS13では、n個のMEMSセンサSE1〜SEnの各々で得られた検知エリ
ア14毎の高さ情報に基づいて検出対象物として旅客を検出し、当該旅客に係る状態情報
(各旅客の特定情報、位置情報、位置の変化情報等)をステイタスメモリ41にテーブル
形式で保存する。図9にステイタスメモリ41に保存される或る計測時刻での保存テーブ
ル101の一例を示す。この保存テーブル101では、n個のMEMSセンサSE1〜S
Enの各々について、例えば、検知エリア14における「位置」と、「検出物」と、「高
さ情報」とが記録されている。ここで、「位置」とは、検知エリア14内における危険エ
リア、安全エリア、またはホーム縁の外側(線路軌道側)のいずれかである。「検出物」
とは旅客像の有無である。「高さ情報」とは「検出物」の高さ情報であり、例えば成人ま
たは子供の判断に使用される。当該保存テーブル101は、計測時刻毎に作成される。
【0059】
ステップS11,S12,S13に基づき、上記のn個のMEMSセンサSE1,SE
2,…,SEnによってホーム11のホーム縁11Aの近傍で設定された危険エリア等で
の旅客の追尾を行うための上記の旅客追尾部51が実現される。
【0060】
上記のステップS13に対して、並列的な処理関係で、ステップS14〜S18が実行
される。これらのステップS14〜S18は、n個のMEMSセンサSE1〜SEnの各
々で得られた検知エリア14毎の高さ情報を取り込み、n個のMEMSセンサSE1〜S
Enの各々の検知エリア14での時間経過に伴う当該高さ情報の変化に基づいて列車12
の有無(存在)および列車12の移動を検知する。列車12の存在の検出については、前
述した検知エリア14に関する検知画像21において、ライン像22の外側の線路軌道側
の領域に存在する高さ変化を検出することによって行われる。n個のMEMSセンサSE
1〜SEnの各々で得られた検知エリア14毎の高さ情報は、継続する所定数の複数の計
測時刻で得られた検知画像21に関して、一時的な保存メモリに保存され(ステップS1
4)、当該保存メモリに保存された高さ画像に係る情報に基づいて、列車12のホーム進
入動作の検知(ステップS15)、停車動作の検知(ステップS16)、発車動作の検知
(ステップS17)が実行される。検知された列車12に関するホーム進入動作、停車動
作、発車動作に係る情報は、n個のMEMSセンサSE1〜SEnの各々に対して位置的
関係として対応づけてステイタスメモリ42にテーブル形式で保存する(ステップS18
)。図10にステイタスメモリ42に保存される或る計測時刻での保存テーブル102の
一例を示す。
【0061】
上記において、ステップS15によって前述した列車ホーム進入検知部52が実現され
、ステップS16によって前述した列車停車検知部53が実現され、ステップS17によ
って前述した列車発車検知部54が実現される。こうしてステイタスメモリ42には、列
車ホーム進入に係る状態情報、列車の停車に係る状態情報、および列車の発車に係る状態
情報が、時間の経過に関連づけて、かつn個のMEMSセンサSE1〜SEnの各々の検
知領域の各位置に関連づけて、テーブル形式で保存される
【0062】
次に、列車の出発信号が発生することを条件にして、旅客巻き込み状態が発生している
か否かが判断される。
【0063】
ステップS19では列車12の出発信号が発生したか否かが判断される。ステップS1
9でYESの場合には、次のステップS20で旅客巻き込み検知の処理が開始される。こ
のステップS19では、上記の2つのステイタスメモリ41,42に記憶された前述の第
1および第2の2つの保存テーブル101,102を合成する処理を行って第3の保存テ
ーブルを形成し、当該第3の保存テーブルをステイタスメモリ43に記憶する。ステイタ
スメモリ43に記憶される第3の保存テーブルでは、n個のMEMSセンサSE1〜SE
nの少なくとも1つの検知画像において旅客像25と列車像との間の位置的変化の関係性
に係る情報が含まれる。このため、次のステップS21ではステイタスメモリ43に記憶
された第3の保存テーブルの記録情報に基づいて旅客像と列車像との間の位置的変化の関
係情報が抽出される。
【0064】
次の判定ステップS22では、抽出された上記の位置的変化の関係情報と前述した判定
用データ71が対比され、一致するか否かが判定される。判定ステップS22でNOであ
れば、旅客巻き込みは生じていないとして検知処理を終了する。判定ステップS22でY
ESであるときには、外部の装置に対してアラーム信号と停止信号が出力される(ステッ
プS23)。その後、検知処理が終了する。
【0065】
上記において、ステップS20によって旅客巻き込み検知開始部55が実現され、かつ
ステップS21,S22によって前述した旅客巻き込み判定部56が実現される。
【0066】
以上によれば、ホーム転落検知システムにおいて、ホーム11のホーム縁11Aに対応
して所定の上方位置に配置された所要数のMEMSセンサSE1,SE2,…,SEnの
検知画像情報を利用して旅客像と列車像を取得し、さらに旅客像と列車像との関係性に係
る情報を取得し、これを判定用データ(図7に示す関係性)と対比することにより正確か
つ迅速な旅客巻き込みの自動的な検知を可能し、緊急安全化動作を行うことによって事故
発生の未然防止を可能することができる。
【0067】
なお、前述した通り、検知画像21の危険エリア像23内における旅客の位置と動き(
位置変化)の情報のみを利用して旅客巻き込みの検知・判定を行うこともできる。
【0068】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が
理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、説明された
実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸
脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明に係るホームでの旅客巻き込み検知システムは、駅の列車が入線するホームのホ
ーム縁に沿った検知エリアに対して所要の配置位置で複数のMEMSセンサを設置し、当
該MEMSセンサの測距機能を利用して対応する検知エリアの高さ情報を取得し、高さ情
報に基づき列車発車時の危険エリアにおける旅客の回転動作に係る情報を得て旅客巻き込
み状態を検知する。このホームでの旅客巻き込み検知システムは、2次元領域センサのM
EMSセンサを利用して検知エリアにおける高さ情報に基づいて対象物を検知するように
したため、ホーム上でホーム縁に沿って旅客が列車に巻き込まれる事故が生じた時に、こ
れを高い精度で迅速かつ確実に自動的に検知することに利用される。
【符号の説明】
【0070】
11 ホーム
11A ホーム縁
SE1〜SEn MEMSセンサ
12 列車
13 取付けフレーム
14 検知エリア
14A スキャンプロフィール
21 検知画像
22 ライン像
23 危険エリア像
24 安全エリア像
25 旅客像
31 スイッチ部
32 演算処理部
41,42,43 ステイタスメモリ
51 旅客追尾部
52 列車ホーム進入検知部
53 列車停車検知部
54 列車発車検知部
55 旅客巻き込み検知開始部
56 旅客巻き込み検知部
61 出力装置
71 判定用データ
74 旅客
81〜88 画像(MEMSセンサSE1の検知画像)
101 保存テーブル
102 保存テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車が入線する駅ホームのホーム縁に沿って当該ホーム縁の上方位置に設置され、所定
の時間間隔で設定された計測時刻毎に、それぞれ設定された検知エリアに係る検知画像を
出力する複数のMEMSセンサと、
前記複数のMEMSセンサの各々が出力する前記検知画像に基づき旅客像に係るデータ
を記憶する第1記憶手段と、
前記第1記憶手段に記憶された前記旅客像に係るデータに基づき前記旅客像の動きデー
タを取得し、前記動きデータと判定用データとを比較して一致するか否かを判定し、一致
するときに旅客巻き込み状態が発生したと判定する処理手段と、
を備えることを特徴とするホームでの旅客巻き込み検知システム。
【請求項2】
前記複数のMEMSセンサの各々が出力する前記検知画像に基づき列車像に係るデータ
を記憶する第2記憶手段を備え、
前記処理手段は、前記第1記憶手段に記憶された前記旅客像に係るデータに基づき前記
旅客像の移動データを取得し、前記旅客像の前記動きデータと前記第2記憶手段に記憶さ
れた前記列車像に係るデータとに基づいて前記旅客像と前記列車像との位置関係データを
取得し、前記位置関係データと前記判定用データとを比較して一致するか否かを判定し、
一致するときに旅客巻き込み状態が発生したと判定することを特徴とする請求項1または
2記載のホームでの旅客巻き込み検知システム。
【請求項3】
前記複数のMEMSセンサにおける隣り合う2つの前記MEMSセンサの各々の前記検
知エリアの境界部は接している、または重なり部分を有することを特徴とする請求項1ま
たは2記載のホームでの旅客巻き込み検知システム。
【請求項4】
前記判定用データは、前記検知画像における危険エリア像に関係する領域内での旅客動
き画像に係るデータであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のホーム
での旅客巻き込み検知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−35761(P2012−35761A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177765(P2010−177765)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】