説明

ボア検査プローブ

【課題】垂直に配置されているボアか否かに係わらず、そのボアの内部に挿入し検査する検査プローブを提供する。
【解決手段】ボアを検査するためのプローブ(100)は、ボア内に挿入されるように寸法決めされたハウジング(101)と、ハウジング(101)に取り付けられた第1の端部(106)およびハウジング(101)から広げることができる第2の端部(108)を有する、複数の安定用脚部(112)とを備える。安定用脚部(112)は、ボアの内面に接触するように構成される。複数のセンサアーム(116)は、ハウジング(101)から広げることができ、安定用脚部(112)に対して相対的に回転することができる。モータ(111)により、センサアーム(116)が安定用脚部(112)に対して相対的に回転することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボアの内部を検査するための装置に関し、より具体的には、ボアの内部を検査するためのプローブに関する。
【背景技術】
【0002】
パイプまたは円筒形の機器などのボアは、応力または磨耗を受ける溶接された複数の区間で構築されることが多い。したがって、保守手順中に、ボアの内面で割れおよび溶接部の健全性を検査することが必要になることが多い。たとえば、沸騰水型原子炉(BWR)の原子炉圧力容器(RPV)は通常、毎回の保守手順中に検査することが必要となる内部溶接部を有する、没水ボアを備える。内部ボアを有する中空の管状ジェットポンプが、必要とされる炉心の水流を供給するためにアニュラス内に配置される。ジェットポンプは、入口混合部と呼ばれる上部、およびディフューザと呼ばれる下部を備える。入口混合部およびディフューザはそのサイズが大きいため、複数の円筒区間と円錐区間を互いに溶接することによって形成される。具体的には、隣接する円筒区間のそれぞれの端部が円周溶接で接合される。原子炉の動作中に、円周溶接部の溶接熱影響部で流界応力腐食割れ(IGSCC)および照射誘起応力腐食割れ(IASCC)が生じることがあり、それによってジェットポンプの構造健全性が低減される可能性がある。
【0003】
何らかの割れが生じたかどうかを判断するために、ジェットポンプの入口混合部およびディフューザの溶接部を定期的に試験することが重要である。アニュラス内、またはシュラウドと圧力容器壁との間の領域内で試験を実施することができるが、原子炉のアニュラス領域内へのアクセスに限界があるため、こうした試験は部分的な検査のみになりやすい。したがって、ジェットポンプの溶接部の試験は、ジェットポンプの入口混合部およびジェットポンプのディフューザの内側に配置された検査ツールによって試験されることが多い。そのような検査ツールは、ジェットポンプの溶接部の超音波探傷試験および/または渦流探傷試験を、原子炉内のジェットポンプ入口混合部およびディフューザの内部から実施する。
【0004】
通常、プール水面の上方の燃料交換ブリッジ上にいる操作員が、検査プローブの挿入用のジェットポンプ入口に接続されたツール送達システムを操作する。長円筒形の検査プローブは、ジェットポンプ入口の狭い開口から挿入され、案内ケーブルによってジェットポンプ内に取り付けられ垂直に配置される。内側に配置されると、検査プローブは、センサを備えるアームを検査プローブの長円筒形の本体から広げるように作動される。検査プローブの感知アームは、ジェットポンプの内部表面のラジアル走査が可能になるように、検査プローブ上のモータによって回転される。検査プローブはしばしば、ボア内でプローブを安定させるために安定用の錘を備える。
【特許文献1】米国特許第3,636,778号
【特許文献2】米国特許第3,862,578号
【特許文献3】米国特許第4,050,384号
【特許文献4】米国特許第4,304,134号
【特許文献5】米国特許第4,581,927号
【特許文献6】米国特許第4,820,982号
【特許文献7】米国特許第4,843,896号
【特許文献8】米国特許第4,876,506号
【特許文献9】米国特許第5,025,215号
【特許文献10】米国特許第5,028,381号
【特許文献11】米国特許第5,105,881号
【特許文献12】米国特許第5,156,803号
【特許文献13】米国特許第5,174,165号
【特許文献14】米国特許第5,195,392号
【特許文献15】米国特許第5,520,245号
【特許文献16】米国特許第5,565,633号
【特許文献17】米国特許第5,586,155号
【特許文献18】米国特許第5,760,306号
【特許文献19】米国特許第5,787,137号
【特許文献20】米国特許第5,878,099号
【特許文献21】米国特許第5,982,839号
【特許文献22】米国特許第6,076,407号
【特許文献23】米国特許第6,169,776号
【特許文献24】米国特許第6,526,114号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の発明者らが認識するように、現在のプローブではプローブ本体の非感知部の回転が防止されず、したがってセンサの回転位置を追跡または決定することができない。また、そのようなプローブは通常、実質的に垂直なボアでのみ使用可能であり、その場合、センサアーム自体が回転するときにボアの内面と接触することによって、ボア内でプローブを中心に置く。これは部分的には、ジェットポンプの垂直ボア内で検査プローブが懸架によって連結されていること、および、ボア内で、動きを制限するまたは径方向基準位置を確立することができないことによる。本発明の発明者らは、垂直に配置されたボアであってもそうでなくてもよいボアの内部に挿入し検査するための、改善された検査プローブの開発に成功した。プローブの一部をボア内で安定させることにより、本発明はまた、感知要素の回転位置の決定および追跡を実現することができ、したがってセンサの測定値を回転位置と相関させることができ、それにより、いかなる欠陥の位置を識別することも可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、ボアを検査するためのプローブは、ボア内に挿入するように寸法決めされたハウジング、ならびに、ハウジングに取り付けられた第1の端部およびハウジングから広げることができる第2の端部を有する、複数の固定用脚部を備える。安定用脚部は、ボアの内面に接触するように構成される。複数のセンサアームが、ハウジングから広げることができ、安定用脚部に対して相対的に回転可能である。モータは、センサアームを安定用脚部に対して相対的に回転させることを可能にする。
【0007】
本発明の別の一態様によれば、ボア検査プローブは、ボア内に挿入するように寸法決めされた、第1の部分および第2の部分を有するハウジングを備える。プローブは、第1の部分を第2の部分に連結する少なくとも1つの屈曲可能な接合具、および第1の部分を第2の部分に回転可能に連結するためのスピンドルを備える。複数の安定用脚部は、ハウジングの第1の部分に取り付けられた第1の端部、およびハウジングから広げることができる第2の端部を備える。安定用脚部は、ボアの内面と接触するように構成される。バイアス要素は、安定用脚部をハウジング内に保持することを可能にし、安定用脚部アクチュエータは、安定用脚部の第2の端部を前記ハウジングから広げるように構成される。プローブはまた、複数のセンサアームを備え、各センサアームは、第2の部分に取り付けられた第1の端部、および第2の部分から広げることができセンサを有する第2の端部を有する。少なくとも1つのアームアクチュエータは、センサアームの第2の端部を、ハウジングから、広げられた感知位置へと広げることを可能にする。モータは、第2の部分を第1の部分に対して相対的に回転させることを可能にする。
【0008】
本発明のさらに別の実施形態によれば、ボアの内面を検査するためのプローブは、ボア内に挿入するように寸法決めされ第1の部分および第2の部分を有するハウジングと、第1の部分と第2の部分を連結する少なくとも1つの屈曲可能な接合具を備える。スピンドルによって、第1の部分と第2の部分を回転可能に連結することが可能になる。複数の安定用脚部は、ハウジングの第1の部分に取り付けられた第1の端部、およびハウジングから広げることができる第2の端部を備え、それぞれボアの内面に接触するように構成される第2の端部を備える。プローブはまた、安定用脚部の第2の端部を前記ハウジングから広げるように構成された安定用脚部アクチュエータ、および複数のセンサアームを備え、センサアームはそれぞれ、第2の部分に取り付けられた第1の端部、および第2の部分から広げることができる第2の端部を有する。また第2の端部はそれぞれ、センサを備える。プローブは、センサアームの第2の端部を、前記ハウジングから広げられた感知位置へと広げるための、少なくとも1つのアームアクチュエータを備える。モータは、第2の部分を第1の部分に対して相対的に回転させることを可能にする。
【0009】
本発明のさらに別の態様によれば、ボアの内面を検査するためのプローブは、ボア内に挿入するように寸法決めされ第1の部分および第2の部分を有するハウジングを備える。複数の安定用脚部は、ボアの内面と接触するように構成される。安定用脚部はそれぞれ、ハウジングに取り付けられた第1の端部、およびハウジングから広げることができる第2の端部を備える。プローブは、ハウジング内の位置から第2の端部がボアの内面に接触する位置へと、各安定用脚部を広げる手段を備える。プローブはまた、複数のセンサアームを備え、前記センサアームはそれぞれ、第2の部分に取り付けられた第1の端部、および第2の部分から広げることができセンサを備える第2の端部を有する。プローブはさらに、各センサアームを、ハウジング内の位置から、センサをボアの内面に隣接して配置する位置へと広げる手段、およびセンサアームを安定用脚部に対して相対的に回転させる手段を備える。
【0010】
本発明のさらなる態様は、以下で部分的に明らかになり部分的に示される。本発明の様々な態様を、別々にまたは互いに組み合わせて実施することができることが理解されるべきである。本発明のいくつかの例示的な実施形態を示すが、詳細な説明および図面は例示目的のものであるに過ぎず、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことも理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
複数の図面を通して、同様の参照符号は同様の要素または特徴を示す。
【0012】
以下の説明は、実質上単なる例示に過ぎず、決して、本発明、その応用例、またはその用途を限定するものではない。上記のように、様々な図面の同様の参照符号または番号は、複数の図面を通して同様の要素または特徴を示す。したがって本明細書では、前に示した図面内の共通の要素、特徴、または部分の説明は繰り返さない。
【0013】
本発明の一実施形態では、ボア内部を検査するためのプローブが、ボア内に挿入するために寸法決めされたハウジングと、ハウジングに取り付けられた第1の端部およびハウジングから広げることができる第2の端部を有する、複数の安定用脚部とを備える。安定用脚部は、ボアの内面に接触するように構成される。複数のセンサアームをハウジングから広げることができ、安定用脚部に対して相対的に回転させることができる。モータによって、センサアームが安定用脚部に対して相対的に回転される。
【0014】
そのようなプローブの一例を図1に示す。図示のとおり、プローブ100が、第1の区間または部分102および第2の区間104と、第1の端部106および第2の端部108とを有するハウジング101を備える。プローブ100および/またはハウジング101は、多くの形状およびサイズとすることができるが、プローブ100は多くの実施形態で、プローブがそこに挿入され作動されるボアの内径よりも外径が小さい、好ましい長い円筒形状である。第1の区間102は、複数の安定用脚部112を捕捉および保持するために寸法決めされた1つまたは複数のチャンバまたはキャビティ110を備える。図1は、脚部キャビティ110内で折りたたまれた位置にある安定用脚部112を示し、図2は、径方向に広げられた位置にある安定用脚部112を示す。図示のとおり、この例示的な実施形態で各安定用脚部112はそれぞれ、第1の区間102に回転可能に取り付けられた1つの端部、および第1の区間102の本体部分から径方向に広げられた第2の端部を有する。同様に、第2の区間104は、複数のセンサアーム116を捕捉および保持するために寸法決めされた、1つまたは複数のチャンバまたはキャビティ114を備える。図1は、センサアームキャビティ114内で折りたたまれた位置にあるセンサアーム116を示し、図2は、径方向に広げられた位置にあるセンサアーム116を示す。図示のとおり、この例示的な実施形態で各センサアーム116はそれぞれ、第2の区間104に回転可能に取り付けられた1つの端部、および第2の区間104の本体部分から径方向に広げられた第2の端部を有する。図1および図2は、第1の区間102を上部区間、第2の区間104を下部区間として示したが、この位置は、本発明のその他の実施形態で逆にすることができる。
【0015】
第1の区間102は、屈曲可能な接合具または連結具118によって第2の区間104に屈曲可能に連結されており、連結具118は2つの区間の間に屈曲をもたらし、それによってプローブ100を、アクセスが制限されたボア内に挿入することを可能する。さらに回転連結具120が、第1の区間102に対して第2の区間104が相対的に回転することを可能にする。回転連結具120は、モータ(図示せず)を備え、かつ、たとえば軸受、歯車、スピンドル、アクスル(図示せず)を含めてその他の構成要素を備えることができる。
【0016】
通常、プローブ100は、第1の端部106に取り付けられた支持ケーブル(図示せず)により、動作のために支持または係合される。さらに1つまたは複数の操作ライン122が、以下で詳細に議論するように、キャビティ127または第1の端部106内のポートからプローブに入ることができる。
【0017】
プローブ100がボア内に配置されると、図2で示すように、安定用脚部112が脚部キャビティ110から径方向に広げられる。例示的なプローブ100は、1つまたは複数の支持部または案内部124によって径方向に広げられたそれぞれの安定用脚部112を有することができ、一端部上に摩擦要素113を有することができる。これらの案内部124は、1つまたは複数のアクチュエータ(図示せず)によって安定用脚部112を広げることができる。摩擦要素113は、ある程度の摩擦力でボアの内面または内壁に接触および係合するように構成することができる。摩擦要素113は、ゴムなどいかなるタイプの材料で構成することもでき、鋸歯状、または安定用脚部112とボア内面の摩擦接触を増大することができる安定用脚部112の端部のその他の特徴とすることもできる。
【0018】
さらに、安定用脚部112を正常な開位置または正常な閉位置に位置決めするために、1つまたは複数の案内部124またはアクチュエータを、ばねなどのバイアス要素115によって偏倚させることができる。1つの好ましい実施形態では、1つまたは複数のばね(図示せず)は、安定用脚部112を脚部キャビティ110内に正常に折りたたむために、案内部124を偏倚させるように構成することができる。空気圧または油圧シリンダなどのアクチュエータ125は、案内部124を上方に、案内部124のそれぞれの一端を片持ち梁のように広げて動かすために、バイアス要素115の通常の偏倚力に対抗する力をかけることができる。このようなやり方で、各安定用脚部112の、摩擦要素113を有することができる、取り付けられていない端部は径方向に広げられて、それを取り囲むボアの内面と接触する。アクチュエータ125によって安定用脚部112および摩擦要素113上に加えられる外向きの力の大きさは、安定用脚部112をボアに対して適切に安定させるように調節および監視することができる。
【0019】
いくつかの実施形態はまた、実質的に同様の拡張または外向きの力を各安定用脚部112にもたらすことができ、それによって、複数の脚部(3つの脚部として例示する)がプローブ100をボア内で中心に配置することが可能になる。さらに、安定用脚部112を折りたたみ位置に偏倚させることによって、操作ラインまたは信号の損失または停止などプローブ100の故障が発生した場合に、プローブ100をボアからより容易に抜き出すことができる。
【0020】
センサアーム116もまた、1つまたは複数のセンサアームアクチュエータ126によってアームキャビティ114から広げることができる。図2の例示的な実施形態で、一端部にセンサ117を有する各センサアーム116はまた、センサアーム116を所望の位置に配置するためにセンサアーム116に結合された1つのアームアクチュエータ126を備えることができる。通常センサアーム116は、初期状態として、アームキャビティ114内の折りたたみ位置にある。したがって、各センサアーム116を折りたたむために、1つまたは複数のバイアス要素(図示せず)を使用することができる。各アームアクチュエータ126は、所要の作動入力または信号を受け取ると、図2で示すように、結合されたセンサアーム116を少なくとも部分的にアームキャビティ114から外側へと広げる。センサアーム116の広がる量は、特定の要求に基づいて動作中に調整することができる。たとえば、センサ117または感知動作が接触を必要とする場合は、センサアーム116を、ボアの壁の内面と接触するように広げることができる。そうでない場合は、センサアーム116を、センサ本体とボアの壁との間で部分的にだけ広げることができる。センサアーム116とは別の安定用脚部112によってプローブをボア内で中心に配置し安定させることができるので、この設計によってこの部分的な配置が可能になる。
【0021】
図示のとおり、センサアーム116の一端部は、センサ117を備える。センサ117はいかなるタイプのセンサでもよく、1つのセンサアーム116につき複数のセンサがあってもよい。さらに、センサ117は、ジンバルまたは接合具によってセンサアーム116の端部に取り付けることができ、バイアス部材を備えることができる。センサのジンバルは、センサ117とボアの内面との位置合せを実現することができる。バイアス要素は、正常動作時にセンサ117または感知先端をセンサアーム116と同一平面上に維持することができ、それによって、感知先端をセンサキャビティ114内に折りたたむことも可能になる。ジンバルおよびバイアス要素はさらに、センサアーム116が広げられた位置にあるときに、必要に応じてセンサを調整し、またはボアの感知表面と位置合せすることを可能にする。
【0022】
モータ111は、第1の区間102または第2の区間104いずれかの内部に設けることができ、センサアーム116を安定用脚部112に対して回転させるための回転力を提供することができる。図2に示すように、例としてモータ111は、第1の区間102の下部内に、回転連結具120に隣接して場合によってはその内部に設けることができる。ただし、モータ111のその他の位置および配置が可能であり、依然本発明の範囲内にあることが、当業者に理解されるべきである。
【0023】
図2はまた、外部支持ケーブル(図示せず)への屈曲可能な結合をもたらすための、第1の端部106に隣接する屈曲可能な連結具128を示す。また、130(電力ライン)、132(アクチュエータライン)、および134(センサライン)などの操作ライン122が、外部制御または操作システム(図示せず)との操作上の連結性を提供する。これらは、モータ111を動作させることを含めた1つまたは複数のプローブシステムのための電力ライン130、1つまたは複数の脚部アクチュエータ125およびアームアクチュエータ126の動作用の空気またはその他の油圧流体を提供するためのアクチュエータライン132、ならびに、感知した信号またはセンサ特性をプローブ上のセンサから外部操作システムへと伝達するためのセンサライン134を含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、安定用脚部112に対する感知アーム116の半径位置を追跡および決定するための、レゾルバ136を設けることができる。レゾルバ136は、感知アーム116および安定用脚部112の一方または両方の、あるいはそれらが連結された第2の区間104または第1の区間102の、半径位置または半径座標を示す信号を生成する。図2の例示的な実施形態では、第2の区間104の下部またはその付近に配置されたレゾルバ136を示す。ただし、レゾルバ136はプローブ100上のその他様々な位置に配置することができ、相対的な半径位置の決定を依然実現することができることが、当業者には明らかであるはずである。さらなる実施形態では、プローブ100は、ビデオセンサまたはカメラなど1つまたは複数の感知装置(図示せず)を備えることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、下部区間104を見るために、かつ/または安定用脚部112または感知アーム116の配置を見るために、ビデオカメラを上部区間102上に配置することができる。ビデオ信号は、サポートシステムまたは操作者が見る表示画面へと伝送することができ、感知アームの、回転など1つまたは複数の操作を監視することを可能にする。その他の実施形態では、ビデオカメラはまた、センサ117によって感知される領域を見るために配置することもできる。
【0024】
次に図3を参照すると、本発明の例示的な一実施形態による、第1の区間102および第2の区間104を連結するための回転連結具120が示してある。この例では、第1の区間102と結合された回転連結具120を示す。ただし、他の実施形態では、連結具120の1つまたは複数の構成要素を、第2の区間104と結合させることもできる。図3の例示的な実施形態では、第1の区間102は、スピンドルプレート302を有する端部で終端する。モータ111は、第1の区間102の本体内に配置することができ、スピンドルプレート302を越えて延びるモータ駆動装置304に動作可能に連結される。伝達駆動装置306は、モータ駆動装置304から回転エネルギを受け取る。スピンドルプレート302はまた、第1の区間102と第2の区間104の間を接続する1つまたは複数の操作ライン(図示せず)を受け入れることができる、1つまたは複数の通路308を備えることもできる。
【0025】
スピンドルアクスル(図示せず)は、スピンドルプレート上に配置することができ、2つの区間102と104の間の回転接続性を提供する。図3に示す実施形態では、スピンドルアクスル310はまた、その基部内に、1つまたは複数の操作ライン122を受け入れるための通路308を備える。ただし、回転連結具120は、第1の区間102と第2の区間104の間の回転を可能にするので、スピンドルアクスル310は、操作ライン122の継続的な通路となる中心通路312を備える。このようなやり方で、操作ライン122は、回転連結具120の回転動作中に捩られることがなくなる。輪歯車314が、第2の区間104の回転を駆動するために、伝達駆動装置306によって駆動される。回転連結具120の回転を改善するために、軸受316を設けることができる。スピンドル連結具(図示せず)を、回転連結具120のその他の構成要素上に配置することができる。スピンドル連結具は、その内面(図示せず)上に、輪歯車314から回転エネルギを受け取るための歯車対合機構を備えることができる。スピンドル連結具は、回転連結具120を屈曲連結具118など別の構成要素に連結することを可能にするための、1つまたは複数の対合特徴を備えることができる。
【0026】
図4は、本発明の例示的な一実施形態による、スピンドルアクスル310のより詳細な斜視図を示す。図示のとおり、スピンドルアクスル310は、フランジ402、シャフト404、シャフト端部406、および連結端部408を備えることができる。さらに、フランジ402は、たとえば取付け穴など、1つまたは複数の締結具または締結手段を備えることができる。
【0027】
上記のように、1つまたは複数のセンサアーム116は、1つまたは複数のセンサ117を備えるように構成することができる。図5は、センサアーム116の感知端部または先端の例示的な一実施形態を示す。この例では、センサアーム116は、ヒンジ504または同様の屈曲可能な装置でセンサアーム116に取り付けられた、ジンバルを備える端部502を備える。センサ117は、ジンバルを備える端部502に取り付けられ、検査するボアの特性を最適に感知する位置に配置される。さらに、ばね506(図5には示さない)は、ジンバルを備える端部502がセンサアーム116と同一平面上に正常に配置されるように、ジンバルを備える端部502を偏倚させることができる。このようにしてジンバルを備える端部502は、センサアーム116がアームキャビティ114内に折りたたまれるとき、第2の区間104の本体に取り囲まれるように配置される。ただし、センサアーム116が広げられ、ボアの内面と接触するとき、ジンバルを備える端部502は、センサ117がボア内面の平面と最適に位置合せされるようにヒンジ504の周りを回転する。
【0028】
次に図6を参照すると、センサアーム116がヒンジ602または同様の屈曲可能な接合具によってアームアクチュエータ126に連結されている。いくつかの実施形態では、各センサアーム116はまた、受動バイアス要素604を備えることができる。受動バイアス要素604は、たとえば、楔形、湾曲部、または曲面を含むことができる。センサアーム116の受動バイアス要素604は、センサアームアクチュエータ126が折りたたみ位置から開いた位置へと移動を開始するときに、センサアーム116を初めに外側に偏倚させることを可能にするように、第2の区間104の本体の1つまたは複数の特徴と関連して動作することができる。図7に示すように、第2の受動バイアス要素702もまた、楔形、湾曲部、曲面、フランジとすることができ、それらは、上向きに動く受動バイアス要素604と接触して配置されると、センサアームを少なくとも部分的にアームキャビティ114から径方向に広げるために、センサアーム116に外向きの圧力をもたらす。一実施形態では、受動バイアス装置604および702は両方とも楔形である。センサ手段116が径方向に広がると、アームアクチュエータ126は外側に回転し、センサアーム116の必要とされる径方向の拡張を実現する。図8に示すように、各アームアクチュエータ126の第2の端部802は、ヒンジ、シャフト、または同様の屈曲可能または回転可能な要素によって、第2の区間104の本体に連結されている。上記のように各アームアクチュエータ126は、油圧シリンダ、モータ、およびウォーム歯車構成、または同様の作動アセンブリを含めて、いかなるタイプのアクチュエータでもよい。
【0029】
同じく図8に示すように、各アームアクチュエータ126は、回転可能な連結具804に取り付けられた空気圧シリンダであり、アームアクチュエータ126の動作制御のための空気入口ポート806を備える。各センサアーム116に結合された1つ未満または2つ以上のアームアクチュエータ126があってよいが、好ましい一実施形態では、それぞれ空気圧シリンダアームアクチュエータ126に結合された、3つのセンサアーム116がある。各センサアーム116の拡張、およびセンサアーム116によってボアの内面に加えられる圧力の大きさを均等化することを可能にするために、図9に示すような空気マニホルド902など、調整装置を設けることができる。空気マニホルド902は、送達量が調整された空気を様々なアームアクチュエータ126に供給するための、複数の空気入口および出口ポート904を備えることができる。たとえば、プローブ100が3つのセンサアーム116および3つのアームアクチュエータ126を備える場合、空気マニホルド902は、1つの入口ポート904および3つの出口ポート904を備えることができる。空気マニホルド902の一実施形態は、単一の入口ポート904から作動空気を受け取り3つの出口ポート904それぞれに等しい分配量を供給する、内部空気チャンバ(図示せず)を備えることがある。このようにして、各アームアクチュエータ126は、実質的に等量の作動空気を受け取る。さらに、これによって、センサアーム116を広げるために必要とされる操作ライン122の数を減らすことができる。
【0030】
本明細書で説明する検査プローブ100の様々な例示的な実施形態は、内部ボアの改善された検査を実現することができる。安定用脚部112は、ボア内でプローブを中心に配置し安定させることができ、それによってセンサアームに、検査または感知動作を実施するためにボア内に最適に配置される能力がもたらされる。さらに、プローブ100の第1の区間102の径方向の安定化によって、ボア内における各センサ117の回転位置の決定および追跡を改善することが可能になる。したがって、センサ117で感知された特性は、より正確にボア内の特定の円周位置と関連付けることができ、それによって、感知された欠陥を操作員が認識および修正する能力が向上する。本発明の様々な実施形態によって、いくつかの改善および利点がその他のものに加えてもたらされる。
【0031】
本発明またはその実施形態の要素および特徴を説明する場合、冠詞「a」「an」「the」および「said」は、1つまたは複数の要素または特徴があることを意味することが意図されている。用語「comprising」、「including」、および「having」は、包括的な意味であり、具体的に説明したもの以上にさらなる要素および特徴があり得ることを意味することが意図されている。
【0032】
本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を上記の例示的な実施形態および実装形態に加えることができることを、当業者であれば認識するであろう。したがって、上記明細書に含まれ添付の図面に示されるすべての内容は、限定的な意味ではなく例示的なものとして理解されるべきである。
【0033】
本明細書で説明したステップは、議論または図示した特定の順番でそれらを実施することを必然的に要求するものとして解釈されるべきではないことをさらに理解されたい。追加または代替ステップを用いることができることも理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の例示的な一実施形態による、折りたたまれた位置にあるボアプローブの斜視図である。
【図2】本発明の例示的な一実施形態による、径方向に広げられた位置にあるボアプローブの斜視図である。
【図3】本発明の例示的な一実施形態による、ボアプローブ用のスピンドルアセンブリの斜視図である。
【図4】本発明の例示的な一実施形態による、ボアプローブで使用するためのスピンドルアクスルの斜視図である。
【図5】本発明の例示的な一実施形態による、ボア内で使用するためのバイアスされた、ジンバルを備えるセンサ先端を有するセンサアームの斜視図である。
【図6】本発明の例示的な一実施形態による、センサアームアクチュエータに連結され、受動バイアス要素を備えるセンサアームの側面図である。
【図7】本発明の別の例示的な一実施形態による、受動バイアス要素をそれぞれ有するセンサアームが広げられた状態のセンサ区間の側面図である。
【図8】本発明の一実施形態による、3つのセンサアームおよび3つの空気圧シリンダセンサアームアクチュエータを有するセンサ区間を示す図である。
【図9】本発明の別の実施形態による、3つの空気圧シリンダセンサアームアクチュエータの作動を調整するための空気マニホルドを示す図である。
【符号の説明】
【0035】
100 プローブ
101 ハウジング
102 第1の部分または区間
104 第2の区間
106 第1の端部
108 第2の端部
110 キャビティ
111 モータ
112 安定用脚部
113 摩擦要素
114 センサアームキャビティ
115 バイアス要素
116 センサアーム
117 センサ
118 屈曲可能な接合具または連結具
120 回転連結具
122 操作ライン
124 支持部または案内部
125 アクチュエータ
126 アームアクチュエータ
127 キャビティ
128 屈曲可能な連結具
130 電力ライン
132 アクチュエータライン
134 センサライン
136 レゾルバ
302 スピンドルプレート
304 モータ駆動装置
306 伝達駆動装置
308 通路
310 スピンドルアクスル
312 通路
314 輪歯車
316 軸受
402 フランジ
404 シャフト
406 シャフト端部
408 連結端部
502 ジンバルを備える端部
504 ヒンジ
506 ばね
602 ヒンジ
604 受動バイアス要素
702 受動バイアス要素
704 第2の受動バイアス要素
802 アームの第2の端部
804 回転連結具
806 空気入口
902 空気マニホルド
904 入口/出口ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボアを検査するためのプローブ(100)であって、
前記ボアに挿入するように寸法決めされたハウジング(101)と、
前記ハウジング(101)に取り付けられた第1の端部(106)、および前記ハウジング(101)から広げることができ、前記ボアの内面と接触するように構成された第2の端部(108)を有する複数の安定用脚部(112)と、
前記ハウジング(101)から広げることができ、前記安定用脚部(112)に対して相対的に回転可能な複数のセンサアーム(116)と、
前記センサアーム(116)を前記安定用脚部(112)に対して相対的に回転させるためのモータ(111)とを備えることを特徴とするプローブ。
【請求項2】
前記ハウジング(101)が第1の部分(102)および第2の部分(104)を備え、前記安定用脚部(112)が前記第1の部分(102)に連結され、前記センサアーム(116)が前記第2の部分(104)に連結され、前記モータ(111)が、前記センサアーム(116)を有する前記第2の部分(104)を前記第1の部分(102)に対して回転させることを特徴とする請求項1記載のプローブ(100)。
【請求項3】
前記安定用脚部(112)を前記ハウジング(101)内に保持するためのバイアス要素(115)と、前記安定用脚部(112)の前記第2の端部(108)を、前記ハウジング(101)内の前記保持された位置から前記ボアの前記内面と接触する、広げられた位置へと広げるように構成された安定用脚部アクチュエータ(125)とをさらに備えることを特徴とする請求項1記載のプローブ(100)。
【請求項4】
前記センサアーム(116)を、前記ハウジング(101)内の位置から広げられた感知位置へと広げるように構成された複数のセンサアームアクチュエータ(126)をさらに備え、前記センサアーム(116)の感知端部が前記ボアの前記内面に隣接して配置され、前記各センサアーム(116)が、結合されたセンサアームアクチュエータ(126)を備えることを特徴とする請求項1記載のプローブ(100)。
【請求項5】
前記センサアームアクチュエータ(126)の制御を調整するように構成されたセンサアーム作動装置をさらに備え、前記センサアーム作動装置が空気マニホルド(902)を含み、前記各センサアームアクチュエータ(126)が空気圧シリンダであり、前記空気マニホルド(902)が流入空気を受け取り前記各センサアーム空気圧シリンダに作動空気を供給するように構成されることを特徴とする請求項4記載のプローブ(100)。
【請求項6】
前記各センサアーム(116)に結合された1つまたは複数の受動バイアス要素(702)をさらに備え、前記受動バイアス要素(702)が、前記センサアーム(116)を前記ハウジング(101)内の前記位置から径方向に広げることを助けるように寸法決めされ配置されることを特徴とする請求項4記載のプローブ(100)。
【請求項7】
前記各センサアーム(116)が、前記ボアの前記内面の特性を感知するように構成されたセンサ(117)を備え、前記各センサアーム(116)が、前記ハウジング(101)に取り付けられた第1の端部(106)と、前記ハウジング(101)から広げることができ、前記ボアの前記内面に接触するように構成された第2の端部(108)とを備え、前記各センサ(117)が前記第2の端部(108)に隣接して取り付けられることを特徴とする請求項1記載のプローブ(100)。
【請求項8】
前記各センサアーム(116)が、前記第2の端部(108)上に、前記センサアーム(116)の平面に沿って正常に配置されるように偏倚され、前記内面と接触するときに前記ボアの前記内面と同一平面上へと回転することができるジンバルを備える部分(502)を備えることを特徴とする請求項7記載のプローブ(100)。
【請求項9】
前記安定用脚部(112)に対する前記センサアーム(116)の半径位置を示す信号を供給するレゾルバ(136)と、
前記安定用脚部(112)に対して固定され、少なくとも1つのセンサアーム(116)を見るように構成されたビデオセンサと
をさらに備え、前記各安定用脚部(112)の前記それぞれの第2の端部(108)が、前記ボアの前記内面に摩擦接触するための摩擦要素(113)を備えることを特徴とする請求項1記載のプローブ(100)。
【請求項10】
前記モータ(111)が、前記センサアーム(116)を時計回り方向に約360°回転させ、次いで前記センサアーム(116)を反時計回り方向に約360°回転させるように構成されることを特徴とする請求項1記載のプローブ(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−349668(P2006−349668A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−109861(P2006−109861)
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】