説明

ボイスメール・システムおよび方法

ボイスメールを提供、管理または使用するためのシステム、方法およびコンピュータ可読媒体を記載する。一実施形態では、ある方法は、第1のデータ処理システムのユーザに残されたボイスメールの有効期限を表すデータをその第1のデータ処理システムで受信するステップと、その第1のデータ処理システムが後に使用するために有効期限を表すそのデータを記憶するステップと、を含む。システム、媒体および他の方法も記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ボイスメール・システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固定電話や無線携帯電話などの現代の電話システムは、電話の所有者またはユーザにボイス・メッセージを残すための機能を含む。一般に、その電話の電話番号への発呼者は、メッセージを残すようにその発呼者に伝えるボイスメール応答を聞く。その応答の後、発呼者にメッセージを残す機会が与えられ、そのメッセージはボイスメール・システムに記録される。特定の形態では、このボイスメールは、特定の固定電話の場合は電話の一部であるストレージ・デバイスにローカルに記録されるか、または、このボイスメールは、AT&T、Verizon、Verizon Wirelessなどの公衆電話通信事業者のインフラ内で維持されるボイスメール・サーバに記録されることもできる。
【0003】
それらのボイスメールは、ボイスメール・アカウントが開設された対象の電話機の所有者または操作者が後に使用するために記録および保持される。例えば、その電話機のユーザは、ボイスメール・サーバに電話をかけることによってボイスメール・サーバに接続して、そのボイスメール・サーバに記憶された1件または複数件のボイスメールを聞くことができる。現在のシステムは、ボイスメール・サーバに記憶されるボイスメールに対して極めて最低限のユーザ・インタフェースしかユーザに提供しない。例えば、一般的な無線携帯電話では、ボイスメールの件数を示す通知がユーザに表示される。図1に、無線携帯電話などの電話機のディスプレイの例を示す。ディスプレイ10は、ユーザがまだ聞いていない新しいボイスメールの可能性がある2件のボイスメールがあることを示す指示11を含む。次いでユーザは、電話をかけてそのボイスメール・サーバに接続することにより、それらのボイスメールにアクセスできるようにする必要がある。その通話中、ユーザは、ボイスメール・メッセージを再生するためのコマンドを入力することを促される。再生する順序は、ボイスメールがボイスメール・サーバに記録され、または受け取られた順番に制約される。つまりユーザは、ボイスメールが受け取られた時間に基づいて各ボイスメールに次々と順番にアクセスしなければならない。
【0004】
このユーザ・インタフェースは、聞くためのボイスメールをユーザが任意に選別することを妨げ、どのボイスメールが重要でどのボイスメールが重要でないかを決めるために、ユーザにすべてのボイスメールを聞くことを強制する。
【発明の概要】
【0005】
ボイスメール・システム、方法およびコンピュータ可読媒体を本明細書に記載する。一実施形態では、機械(マシン)によって実施される方法は、第1のデータ処理システムのユーザに残されたボイスメールの有効期限を表すデータをその第1のデータ処理システムで受信するステップと、その第1のデータ処理システムが後に使用するためにその有効期限を表すデータを記憶するステップと、を含む。この方法は、ボイスメールの有効期限をユーザに知らせるユーザ・インタフェースをユーザに提供するステップをさらに含むことができる。この方法は、その有効期限に応じて、有効期限の延長またはそのボイスメールの保存のうちの少なくとも一方を行うための要求を第1のデータ処理システムから第2のデータ処理システムに送信するステップを含むこともできる。この方法の少なくとも特定の実施形態では、第1のデータ処理システムは、無線携帯電話、固定電話または他の電話機とすることができる。少なくとも特定の実施形態では、第2のデータ処理システムは、公衆無線携帯電話通信事業者などの公衆電話通信事業者の顧客に残されたボイスメールを記録するボイスメール・システムとすることができる。
【0006】
別の実施形態では、機械によって実施されるこの方法は、ユーザに残されたボイスメールを第1のデータ処理システムに記録するステップと、そのボイスメールの有効期限を表すデータを第2のデータ処理システムに送信するステップと、を含む。この方法の少なくとも特定の実施形態では、第1のデータ処理システムは、公衆電話通信事業者の顧客に残されたボイスメールを記録するボイスメール・システムとすることができ、第2のデータ処理システムには、ユーザによって操作される無線携帯電話などの電話機が含まれる。有効期限は、第1のデータ処理システムにボイスメールが記録された時間を基準とすることができる。
【0007】
別の実施形態では、機械によって実施される方法は、第1のデータ処理システムのボイスメール・システムに関する応答の長さまたはパスワードの長さのうちの少なくとも一方を表すデータをその第1のデータ処理システムで受信するステップと、その第1のデータ処理システムが後に使用するためにその長さを表すデータを記憶するステップと、を含む。この方法は、ユーザが入力したデータがその長さを超える場合に、その長さをそのユーザに提供するステップをさらに含むことができる。少なくとも特定の実施形態では、この提供するステップは、データ処理ネットワークを介して長さを再度送信する必要なしに、記憶した長さを取り出すステップを含むことができる。
【0008】
別の実施形態では、機械によって実施される方法は、第2のデータ処理システムのユーザのボイスメール・アカウントをセット・アップする要求を第1のデータ処理システムで受信するステップと、その受信するステップに応答して、そのボイスメール・アカウントに関する応答の長さまたはパスワードの長さのうちの少なくとも一方を表すデータを送信するステップと、を含む。この方法の少なくとも特定の実施形態では、この応答の長さまたはパスワードの長さのうちの少なくとも一方を表すデータは、ユーザがボイスメール・アカウント向けのパスワードまたは応答を入力する前に送信される。このボイスメール・アカウントは、公衆無線携帯電話通信事業者などの公衆電話通信事業者の顧客に残されたボイスメールを記録するボイスメール・サーバによって維持され得る。応答の長さまたはパスワードの長さを記憶することにより、不適正な応答または不適正なパスワードを送信し、その後、その応答またはパスワードが長すぎるため無効であるとネットワークからデータで通知される必要なく、電話機が、パスワードの長さや応答の長さなどの規則を強制できるようにする。
【0009】
別の実施形態では、機械によって実施される方法は、ボイスメールのデータをストリーミング・メディアとして第1のデータ処理システムで受信するステップと、そのデータを受信しながら第1のデータ処理システムでそのボイスメールを再生するステップと、を含む。この方法は、そのボイスメールの第1の部分を第1のデータ処理システムのメモリ中にバッファリングするステップと、第1の部分をバッファリングするそのステップの後に、そのボイスメールの第1の部分を再生するステップと、をさらに含むことができ、この方法は、第1の部分をバッファリングするそのステップの後に、そのボイスメールの第2の部分をメモリ中にバッファリングするステップと、第2の部分をバッファリングするそのステップの後に、そのボイスメールの第2の部分を再生するステップと、をさらに含むことができる。各部分は複数のデータ・パケットを含むことができ、そのデータ・パケットのそれぞれが、ボイスメールの再生シーケンスでの時間を表すヘッダを含む。各部分を再生するステップの後、それらの各部分を第1のデータ処理システムに保存しても、保存しなくてもよい。
【0010】
別の実施形態では、機械によって実施される方法は、ボイスメールのデータの送信要求を受信するステップと、ボイスメールのデータをストリーミング・メディアとして第1のデータ処理システムから送信するステップと、を含む。ボイスメールのデータは、少なくとも第1の部分と第2の部分とで送信することができ、それぞれの部分が複数のデータ・パケットを含み、そのデータ・パケットのそれぞれがボイスメールの再生シーケンスでの時間を表すデータを含むヘッダを含む。
【0011】
少なくとも特定の実施形態では、電話機は、ボイスメール・サーバから受信したボイスメールをローカルに記憶するためのローカル・ストレージを含むことができ、そのボイスメールはその電話機のユーザに電話サービスおよび/またはボイスメール・サービスを提供する公衆電話通信事業者によって維持、管理および/または運営されるボイスメール・サーバで初めに記録されたものである。
【0012】
別の実施形態では、機械によって実施される方法は、ボイスメールの第1の部分、およびボイスメール全体に対する第1の部分の関係を指定する第1のメタデータを受信するステップと、その第1の部分および第1のメタデータを記憶するステップと、ボイスメールの第2の部分、およびボイスメール全体に対する第2の部分の関係を指定する第2のメタデータを受信するステップと、第2の部分を第2のメタデータ中に記憶するステップと、を含む。この方法は、無線携帯電話などの受信側の電話機で再構成可能なボイスメールの部分的ダウンロードを可能にすることができる。ボイスメールは、ボイスメール全体に対するその部分の関係および時間を指定するメタデータを使用することによって再構成されることができる。第1の部分および第2の部分は、公衆無線携帯電話通信事業者などの公衆電話通信事業者の顧客に残されたボイスメールを記録するボイスメール・システムから受信されることができる。ボイスメールを部分的に受信するこの技法は、第1のデータ処理システムとボイスメール・サーバとの間のセルラ無線接続などの無線接続が、ボイスメールの第1の部分および第2の部分を受信する間に途絶え得る場合に有用であることがある。別の実施形態では、機械によって実施される方法は、ボイスメールの第1の部分、およびボイスメール全体に対する第1の部分の関係を指定する第1のメタデータを送信するステップと、ボイスメールの第2の部分、およびボイスメール全体に対する第2の部分の関係を指定する第2のメタデータを送信するステップと、を含む。
【0013】
別の実施形態では、機械によって実施される方法は、第1のデータ処理システムに関するボイスメール・パラメータを記憶するステップと、第1のメタデータをボイスメール・パラメータに関連させるステップと、そのボイスメール・パラメータに関係する第2のデータ処理システムからの第2のメタデータを受け取るステップと、その第1のメタデータと第2のメタデータとを比較するステップと、その比較するステップによって、第1のデータ処理システムおよび第2のデータ処理システムの一方でボイスメール・パラメータを変更するかどうかを判定するステップと、を含む。この方法は、ボイスメール・サーバまたは電話機に記憶されたボイスメール応答が古く、新しいボイスメール応答に代える必要があるかどうかを判定するために使用されることができる。同様に、この方法は、このデータ処理システムのいずれか一方のボイスメール・パスワードが古く、新しいボイスメール・パスワードに代える必要があるかどうかを判定するために使用されることもできる。
【0014】
別の実施形態では、機械によって実施される方法は、第1のボイスメールの第1の選択に応答して第1のボイスメールを再生するための第1の接続を確立するステップと、第2のボイスメールを再生するための第2の接続を確立するステップと、第1のボイスメールが再生されている間の第2のボイスメールの第2の選択に応答して第1の接続を終了するステップと、を含む。この方法は、ボイスメール・サーバが、ボイスメール・メッセージを再生する要求に応答する際に、自らに対して行われる接続の数を制限可能にすることができる。このボイスメール・システムまたはボイスメール・サーバは、公衆無線携帯電話通信事業者などの公衆電話通信事業者の顧客向けのボイスメールを記録することができる。
【0015】
本明細書には他の方法も記載し、これらの方法を実施するためのシステムも本明細書に記載し、これらの方法を実施するためのコンピュータ可読媒体も本明細書に記載する。さらに、これらの方法を実施するように構成される様々な装置およびデバイスも本明細書に記載する。
【0016】
本発明を限定ではなく例として添付の図面の各図に示す。図では同様の参照番号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来技術でのボイスメールのユーザ・インタフェースの例を示す図である。
【図2A】少なくとも1つの無線送受信機を含む電話機または他の通信デバイスの例を示すブロック図である。
【図2B】少なくとも1つの無線送受信機を含むハンドヘルド・パーソナル・コンピュータとすることができるデータ処理システムの例を示すブロック図である。
【図2C】少なくとも特定の実施形態でボイスメール・サーバを実装するために使用することができるデータ処理システムの例を示す図である。
【図2D】タブレット・フォームファクタのハンドヘルド・パーソナル・コンピュータなど、データ処理システムのフォームファクタを示す図である。
【図2E】本発明の少なくとも特定の実施形態で使用することができる電話機の例を示す図である。
【図2F−2G】本発明の少なくとも特定の実施形態で使用することができる電話機の別のフォームファクタを示す図である。
【図3】本発明の少なくとも特定の実施形態で使用することができる電話機および少なくとも1台のボイスメール・サーバを含むネットワークの例を示す図である。
【図4A−4D】本発明の少なくとも特定の実施形態で使用することができるユーザ・インタフェースの例を示す図である。
【図5A−5B】本発明の特定の実施形態による方法を示す流れ図である。
【図6】本発明の少なくとも特定の実施形態による方法を示す流れ図である。
【図7】本発明の少なくとも特定の実施形態による方法を示す流れ図である。
【図8】本発明の少なくとも特定の実施形態による方法を示す流れ図である。
【図9】本発明の少なくとも特定の実施形態による方法を示す流れ図である。
【図10A−10B】本発明の少なくとも特定の実施形態による方法を示す流れ図である。
【図11】本発明の少なくとも特定の実施形態による方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の様々な実施形態および態様を以下に論じる詳細に関して説明し、添付の図面はその様々な実施形態を示す。以下の説明および添付の図面は本発明の例であり、本発明を限定するものとして解釈されるべきでない。本発明の様々な実施形態を徹底的に理解できるように多数の具体的な詳細を説明する。しかし場合によっては、よく知られているまたは従来技術の詳細は本発明の実施形態を簡潔に論じるために説明しないこともある。
【0019】
本発明は、本明細書で説明するオペレーションの1つまたは複数を実行するための装置に関係することができる。この装置は、要求される目的専用に構築されることができ、またはその中に記憶されたコンピュータ・プログラムによって選択的にアクティブにされまたは再構成される汎用コンピュータを含むことができる。そのようなコンピュータ・プログラムは、それぞれバスに結合されるフロッピー(登録商標)・ディスク、光ディスク、CD−ROMおよび光磁気ディスクを含む任意のタイプのディスク、読出し専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、消去可能プログラム可能ROM(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気/光カード、電気的命令を記憶するのに適した任意のタイプの媒体などだがこれらに限定されない、機械(例えばコンピュータ)可読記憶媒体中に記憶されることができる。
【0020】
機械可読媒体は、機械(例えばコンピュータ)が可読な形で情報を記憶するまたは送信するための任意のメカニズムを含む。例えば、機械可読媒体には、読出し専用メモリ(「ROM」)、ランダム・アクセス・メモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリ・デバイス、電気、光、音響または他の形の伝播信号(例えば搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)、等が含まれる。この媒体は、本明細書に記載するデータおよび/またはソフトウェアの少なくとも一部分を単方向伝送または双方向伝送する、ワイヤ・インタフェースまたはエア・インタフェースとすることができる。
【0021】
本発明の少なくとも特定の実施形態は、ポータブル音楽メディア・プレイヤおよび/またはビデオ・メディア・プレイヤなどのデジタル・メディア・プレイヤの一部とすることができ、そのデジタル・メディア・プレイヤは、メディアを提供するためのメディア処理システム、メディアを記憶するためのストレージ・デバイスを含むことができ、アンテナ・システムおよびメディア処理システムに結合される無線周波(RF)送受信機(例えば携帯電話用のRF送受信機)をさらに含むことができる。特定の実施形態では、リモート・ストレージ・デバイスに記憶されたメディアを、RF送受信機を介してメディア・プレイヤに送信することができる。メディアは、例えば音楽や他の音声、静止画または動画のうちの1つまたは複数とすることができる。
【0022】
ポータブル・メディア・プレイヤは、カルフォルニア州CupertinoにあるApple Computer,Inc.のiPod(登録商標)やiPod Nano(登録商標)メディア・プレイヤ上のクリック・ホイール入力デバイス、タッチスクリーン入力デバイス、プッシュボタン・デバイス、可動ポインティング入力デバイスや他の入力デバイスなどのメディア選択デバイスを含むことができる。このメディア選択デバイスは、ストレージ・デバイスおよび/またはリモート・ストレージ・デバイスに記憶されたメディアを選択するために使用されることができる。少なくとも特定の実施形態では、このポータブル・メディア・プレイヤは、メディア処理システムに結合されてメディアのタイトルや他のインジケータを表示するディスプレイ・デバイスを含むことができ、それらのメディアのタイトルや他のインジケータは、入力デバイスによって選択され、かつ、スピーカまたは1つ/複数のイヤホンのいずれかによって、ディスプレイ・デバイス上に、またはディスプレイ・デバイスとスピーカまたは1つ/複数のイヤホンとの両方で提供される。ポータブル・メディア・プレイヤの例は、公開米国特許出願第2003/0095096号および第2004/0224638号に記載されており、その両方を参照することにより本明細書に援用する。
【0023】
特定の実施形態では、データ処理システム20および30は、液晶ディスプレイに統合されたマルチタッチ入力パネル・デバイスとすることができるタブレット様の入力デバイスを備えるハンドヘルド・コンピュータに似た、小型のフォームファクタに実装されることができる。そのようなデバイスの例は、本出願と同一の譲受人に譲渡された2006年10月24日出願の「AUTOMATED RESPONSE TO AND SENSING OF USER ACTIVITY IN PORTABLE DEVICES」と題された米国特許出願第11/586862号に記載されている。この前述の出願を、ここに参照することにより本明細書に援用する。
【0024】
図2Aは、電話機とすることができるデータ処理システムの例を示す。データ処理システム20は、1個または複数個のマイクロプロセッサとすることができる、または1チップ上のシステムとすることができる処理システムを含む。データ処理システム20は、処理システム21に結合されたメモリ24も含み、このメモリは、この処理システムが実行するためのデータおよびプログラムを記憶するために使用されることができる。このメモリは、データ処理システム20でローカルに記憶されたボイスメールに関するメタデータおよび音声データを記憶することもできる。データ処理システム20は、マイクロフォンおよびスピーカを含むことができる音声入出力サブシステム23も含み、このマイクロフォンおよびスピーカは、例えば、このスピーカおよびマイクロフォンによって音楽を再生しもしくは電話機能を実現するため、あるいはボイスメール・サーバとやり取りするためのものである。ディスプレイ・コントローラおよびディスプレイ・デバイス26は、ユーザ用のビジュアル・ユーザ・インタフェースを提供し、このユーザ・インタフェースは、Mac OS Xオペレーティング・システム・ソフトウェアを実行する際にマッキントッシュ・コンピュータ上で表示されるのと同様のグラフィカル・ユーザ・インタフェースを含むことができる。システム20は、WiFi送受信機、赤外線送受信機、Bluetooth送受信機、および/または無線携帯電話送受信機など、1つまたは複数の無線送受信機も含む。特定の実施形態では、図示しない追加の構成要素がシステム20の一部となることもあり、特定の実施形態では、図2Aに示すよりも少ない構成要素をデータ処理システムで使用することもできることを理解されたい。システム20は、ユーザがこのシステムに入力できるようにするために設けられる1つまたは複数の入力デバイス25も含む。これらの入力デバイスは、キーパッド、キーボード、タッチパネル、マルチタッチ入力パネル、他の知られている入力デバイス、または上記の入力デバイスの組合せとすることができる。システム20は、ドック用コネクタまたはUSBインタフェース用コネクタなどとすることができるオプションの入出力(I/O)デバイス27を含むこともできる。当技術分野で周知のように、図2Aに示す様々な構成要素を相互接続するために、図示しない1つまたは複数のバスを使用することができることを理解されたい。図2Aに示すデータ処理システムは、ハンドヘルド・パーソナル・コンピュータ、携帯情報端末(PDA)、PDAのような機能を有する携帯電話、WiFiベースの電話、携帯電話を含むハンドヘルド・コンピュータ、iPodなどのメディア・プレイヤ、PlayStationエンターテイメント・システムなどのエンターテイメント・システム、1つのデバイス内でPDAおよび携帯電話と組み合わせたメディア・プレイヤなど、上記のデバイスの側面や機能を組み合わせたデバイス、消費家電製品または他の電気製品とすることができる。他の実施形態では、データ処理システム20は、ネットワーク・コンピュータ、または別のデバイスや消費家電製品内の埋め込み処理デバイスとすることができる。特定の実施形態では、データ処理システム20が固定電話である電話機の場合、無線送受信機22を省くことができる。
【0025】
図2Bは、本明細書で開示する実施形態の1つまたは複数で使用されることができるデータ処理システムの別の例を示す。データ処理システム30は、図2Dに示すようなタブレット・フォームファクタを有し得るハンドヘルド・パーソナル・コンピュータとすることができる。データ処理システム30は、処理システム31を含むことができ、その処理システムはメモリ36に結合され、ディスプレイ・デバイスとは別の、またはディスプレイ・デバイスに統合されたタッチ入力パネル35にも結合されるマイクロプロセッサとすることができる。処理システム31には、ディスプレイ・デバイス34も結合される。タッチ入力パネル35は、スタイラスや指で動かすシングルタッチの入力パネル、または1本の指、スタイラスもしくは複数の指で動かすマルチタッチの入力パネルとすることができ、このパネルは、1つ、2つ、3つまたはそれ以上のタッチを識別することができ、そのタッチから得た入力を処理システム31に供給することもできる。ディスプレイ・コントローラおよびディスプレイ・デバイス34は、ユーザ向けのビジュアル・ユーザ・インタフェースを提供することができ、このビジュアル・インタフェースは、OS Xオペレーティング・システム・ソフトウェアを実行する際にマッキントッシュ・コンピュータ上で表示されるのと同様のグラフィカル・ユーザ・インタフェースを含むことができる。メモリ36は、データ処理システム30でローカルに記憶されるデータ、コンピュータ・プログラムおよび記録済みボイスメールを記憶することができる。このデータ処理システムは、ユーザがキーボードおよび/またはボタンに入力できるようにするために、システム上にオプションのキーボードおよび/または専用ボタンやソフト・ボタンなどのボタンを含むこともできる。オプションのキーボードは、このデバイスの一部分から回転して出す、または引き出すことができる。他の実施形態では、ユーザが使用するキーボードを提供するためにタッチ入力パネルを使用するため、このキーボードは提供されない。音声入出力サブシステム33は、電話機能およびメディア再生機能を提供し、ユーザが電話網を介してボイスメール・サーバなどのボイスメール・システムにアクセスできるようにするための、スピーカおよびマイクロフォン、または複数のスピーカおよびマイクロフォンを含むことができる。データ処理システム30は、他の入出力デバイス38を含むこともでき、さらにWiFi送受信機、赤外線送受信機、Bluetooth送受信機、および/または無線携帯電話送受信機など、1つまたは複数の無線送受信機を含むように示されている。本発明の様々な実施形態によると、特定の実施形態では、図示しない追加の構成要素がシステム30の一部となることもあり、特定の実施形態では、図2Bに示すよりも少ない構成要素をデータ処理システムで使用することもできることを理解されたい。データ処理システム30は、ボイスメール機能へのアクセスを可能にするPDA、PDAのような機能を有する携帯電話、PDAの機能を有さない携帯電話、携帯電話を含むハンドヘルド・パーソナル・コンピュータ、iPodなどのメディア・プレイヤ、消費家電製品または他の電気製品とすることができる。
【0026】
図2Cは、ボイスメール・サーバを実装するために使用されることができるデータ処理システムの例を示す。本明細書で開示する本発明の実施形態の1つまたは複数では、異なるアーキテクチャで実装される他のタイプのボイスメール・サーバを使用することができることも理解されたい。図2Cにはデータ処理システム45の様々な構成要素を示すが、それらの構成要素を相互接続するどんな特定のアーキテクチャまたは様式を表すことも意図せず、そのような詳細は本発明と密接な関係はないことに留意されたい。図2Cに示さない追加の構成要素を有する、または図2Cに示すよりも少ない構成要素を有するシステムを、ボイスメール・サーバまたはボイスメール・サーバに関する機能を実現するために使用することができることも理解されたい。データ処理システム45は、処理システム47を形成する1個または複数個のマイクロプロセッサに結合されるバス51を含む。バス51は、メモリ49および不揮発性メモリ50にも結合され、不揮発性メモリ50は、データ処理システム45を動作させるためのデータおよびソフトウェアを記憶するだけでなく、公衆無線携帯電話通信事業者などの公衆電話通信事業者の複数の顧客に残されたボイスメールを記録することができる、磁気ディスク・ドライブまたは他の不揮発性メモリ・デバイスとすることができる。このバスは、特定の例ではオプションであり得るディスプレイ・コントローラおよびディスプレイ52にも結合される。さらに、このバスは、1つまたは複数の入出力デバイスおよび/またはコントローラ53にも結合される。この入出力デバイスおよび/またはコントローラ53は、データ処理システム45に対する入出力を可能にするためのネットワーク・インタフェース・コントローラやネットワーク・インタフェース・カード、カーソル制御デバイス、キーボード、等を含むことができる。少なくとも特定の実施形態では、データ処理システム45は、データが、データ処理システム45によって処理されるために、データ・ネットワークと行き来できるようにする少なくとも1つのネットワーク・インタフェース・カードまたはインタフェース・デバイスを含むことになる。例えば、イーサネット(登録商標)・ネットワーク・インタフェースが、インターネットなどのパケット・ネットワークなどのデータ・ネットワークへのインタフェースとして機能する1つまたは複数のポート55を形成することができる。したがって、データ・ネットワークからのデータを、ポート55を介して受信することができ、このネットワークに送信するデータを、ポート55を介して受信することができる。同様に、入出力コントローラおよびデバイスが、POTS電話網などの電話網に接続するためのポート54を形成することができる。これらのポートは、データ処理システム45がボイスメール・サーバとして機能している場合、そのデータ処理システム45をインターネットとPOTS網などの従来型電話網との両方に結合して、インターネットおよびPOTS網の両方の発呼者からボイスメール・メッセージを受け取って記録できるようにし、これについては図3に関連してさらに説明することにする。メモリ49は、データへの高速アクセスを可能にするがメモリ中のデータをリフレッシュするまたは維持するために継続的に電力を必要とする、ダイナミックRAM(DRAM)として実装することができる。不揮発性メモリ50は、このシステムから電力を除去した後もデータを保持する磁気ディスク・ドライブまたは他の不揮発性メモリとすることができる。図2Cのアーキテクチャでは、不揮発性メモリ50は、このデータ処理システム内の残りの構成要素に直接結合されたローカル・デバイスであると示すが、他の実施形態では、モデムやイーサネット・インタフェースなどのネットワーク・インタフェースを介してこのデータ処理システムに結合されるネットワーク・ストレージ・デバイスやストレージ・エリア・ネットワークなど、システムからリモートな不揮発性メモリを利用することができることも理解されたい。バス51は、当技術分野で周知のように、当技術分野で知られるように様々なブリッジ、コントローラおよび/またはアダプタを介して互いに接続される1つまたは複数のバスを含むことができる。
【0027】
本発明の態様を、少なくとも部分的にソフトウェアに実装することができることは、この説明から明らかである。つまり、これらの技法は、メモリ24、メモリ36、メモリ49などのメモリ中に含まれる命令シーケンスを実行する、コンピュータ・システムまたは他のデータ処理システムのプロセッサまたは処理システムに応答して、コンピュータ・システムまたは他のデータ処理システムで実行されることができる。本発明を実施するために、様々な実施形態でハードワイヤ回路をソフトウェア命令と組み合わせて使用することができる。したがってこれらの技法は、ハードウェア回路とソフトウェアとのどんな特定の組合せにも、またこのデータ処理システムによって実行される命令のどんな特定のソースにも限定されない。
【0028】
図2D、図2E、図2Fおよび図2Gは、本発明の少なくとも特定の実施形態で使用されることができる電話機の様々なフォームファクタを示す。これらの電話機は、無線携帯電話、コードレス固定電話、コード式固定電話、または通話を送受信するためにWiFiネットワークもしくはWiMaxネットワークを介してワイヤレスに動作するように設計されたWiFi電話とすることができる。これらの電話機のそれぞれは、本明細書で様々な実施形態に関連して説明するように、ボイスメール・アカウントを初期設定し、そのボイスメール・アカウントにアクセスして使用するために、使用されることができる。図2Dのフォームファクタはハンドヘルドのタブレット携帯電話とみなされることができるが、他の実施形態では、このフォームファクタは例えばタブレット・ラップトップ・コンピュータなど、さらに大きくてもよい。図2Dに示すフォームファクタは、引き出し式または回転出し式のキーボードおよび/またはタッチ・ホイールを含んでも含まなくてもよい。また図2Dに示すフォームファクタは、そのデバイス上に専用ボタンまたはソフト・ボタンを含んでも含まなくてもよい。図2Dに示すように、データ処理システム60は、データ処理システム60の片面のかなりの部分(例えば75%より多く)を占めるディスプレイ63を含む。データ処理システム60は、概ね矩形のフレーム64を備えることができ、その上にマルチタッチ入力パネルなどの統合タッチ入力パネルを含むことができるディスプレイ63が配置される。データ処理システム60の片面には、マイクロフォン66およびスピーカ65も配置される。オプションの外部アンテナ61を含むこともでき、また特定の実施形態では含まなくてもよい。データ処理システム60は、一実施形態では近接センサ、周辺光センサや他のセンサ、またはそのようなセンサの組合せとすることができるセンサ62などの1個または複数個のセンサを含むこともできる。マイクロフォン66およびスピーカ65は、図2Aの音声入出力23や図2Bの音声入出力33など、このデータ処理システムの音声入出力サブシステムの一部とすることができる。図2Bのデータ処理システム30を図2Dに示すフォームファクタ内に実装する場合、タッチ入力パネル35をディスプレイ・デバイス34と統合することができ、これによりディスプレイとタッチ入力パネルとが重複し互いに合わされる。図2Dに示すデータ処理システム60は、ユーザの片手に収まる位のサイズを有するハンドヘルド・フォームファクタに実装されることができる。少なくとも一実施形態では、このシステムは、第1の寸法が約8インチ未満、第2の寸法が約4インチ未満、第3の寸法が約1.5インチ未満のサイズを有することができる。これらの寸法のそれぞれは、XYZ座標空間における各軸の1本の軸とすることができる。他の実施形態では、データ処理システム60は、第1の寸法が約5インチ未満、第2の寸法が約2.5インチ未満、第3の寸法が約1インチ未満のサイズを有することができる。
【0029】
図2Eは、無線携帯電話やコード式固定電話とすることができる電話機の別のフォームファクタを示す。このような電話機は、本明細書で説明するように、ボイスメール・アカウントを初期設定し、ボイスメール・アカウントにアクセスして使用するために、本明細書で説明する実施形態の1つまたは複数で使用されることができる。図2Eの電話機70は、ディスプレイ71、キーパッド72、スピーカ73およびマイクロフォン74を含む。少なくとも特定の実施形態では、電話機70は、合わせ目75において開き、内部のQWERTYキーボードおよび/またはタッチ・ホイールもしくは他の入力デバイスを露出させることができる。さらに、合わせ目75を開いた際に現れる電話内の追加のディスプレイが電話機70の内部にあってもよい。他の実施形態では、電話機70は、引き出し式/回転出し式のキーボードや他の入力デバイスを含むことができる。他の実施形態では、電話機70は、キーパッド72の代わりにスモール・サムQWERTYキーボードを含むことができ、そのようなスモール・サムQWERTYキーボードの例はBlackberry電話/電子メール・デバイスに見られる。
【0030】
図2Fおよび図2Gは、電話機の別のフォームファクタを示す。このフォームファクタは、クラムシェルまたは折り畳み式携帯電話フォームファクタと呼ぶことができる。この電話機78は、ヒンジ87によって連結されるディスプレイ・ハウジング89およびキーパッド・ハウジング91を含む。電話機78は、ディスプレイ・ハウジング89上にアンテナ(不図示)を含むことができる無線携帯電話とすることができる。ヒンジ87は、ユーザが携帯電話を開閉できるようにし、それにより携帯電話を図2Fおよび図2Gに示す2つの異なる形態のうちの少なくとも一方にセットすることができる。キーパッド・ハウジング91は、ユーザからの入力を受けるキーパッド95、およびユーザからの音声入出力を受け取るマイクロフォン97を含むことができる。キーパッド95は、機械的なボタンのセットとして、またはタッチ入力パネルもしくはマルチタッチ入力パネルとして実装されることができる。ディスプレイ・ハウジング89は、その内部表面に液晶ディスプレイなどのディスプレイ93、スピーカ98、および近接センサや他のセンサなどのセンサを含むことができる。図2Gは、閉じられた形態の電話機78を示す。この形態では、ディスプレイ88がディスプレイ・ハウジング89の外部表面にあり、スピーカ97もそのハウジングの外面にあることが見て取れる。さらに、近接センサや周辺光センサ94などのセンサもディスプレイ・ハウジング89の外部表面にある。電話機78は、図2Aに示すデータ処理システム20または図2Bに示すデータ処理システム30を含むことができる。加えて、電話機78は、引き出し式または回転出し式のキーボードや他の入力デバイスをさらに含むことができる。
【0031】
図3に示すシステム100は、インターネット101などのデータ・ネットワークと、従来技術のPOTS(単純旧式電話システム)103とを含む現代の電話システムを表し、これらは、インターネット101とPOTS103との間の重なりによって示すように何らかの形で互いに接続されている。電話119や電話121などの固定電話やコードレス固定電話が、POTS103に結合されて示されている。1台または複数台のVoIP(ボイス・オーバー・アイピー)電話117が、インターネット101に結合されて示されている。汎用データ処理システムなどの1台または複数台のコンピュータ115もインターネット101に結合される。コンピュータ115は、例えば、マッキントッシュのコンピュータやウィンドウズ(登録商標)・オペレーティング・システムを実行するコンピュータなどのデスクトップ・コンピュータやラップトップ・コンピュータとすることができ、コンピュータ115を介したVoIP電話を可能にするためのソフトウェアを含むことができる。WiFi電話、無線ハンドヘルド・コンピュータ、WiFi送受信機を含む他の無線コンピュータなどに接続性を提供するために、インターネット101にはWiFiホットスポットなどの1つまたは複数の無線アクセス・ポイント113を結合することもできる。図3に示すように、携帯電話基地局107および109などの1つまたは複数の携帯電話基地局に結合される1つまたは複数の移動交換センタ105を介して、少なくとも1つの無線電話網がPOTS103に結合される。携帯電話基地局107および109は、無線セルラ電話通信によって、1台または複数台の無線携帯電話123などの無線携帯電話と無線セルラ通信する。1台または複数台の無線ハンドヘルド・コンピュータ125が、1つの無線アクセス・ポイントまたは複数の無線アクセス・ポイント113と通信することができ、さらに、例えば携帯電話基地局107および109の一方を介して、携帯電話網と通信することもできる。移動交換センタ105は、典型的にはPOTS103への1つまたは複数の接続、およびインターネット101への1つまたは複数の接続を含む。インターネット101およびPOTS103には、1台または複数台のボイスメール・サーバ111も結合される。このボイスメール・サーバは、典型的にはAT&Tなどの公衆電話通信事業者またはVerizon Wirelessなどの公衆無線携帯電話通信事業者によって提供および管理される。公衆電話通信事業者は、任意の一般の人々に、その人が電話サービスに対価を提供する(例えばサービス料を支払う)限り、電話サービス(ボイスメール・サービスを含むことができる)を提供する契約を受け付ける電話サービスの任意のサービス・プロバイダである。同様に、公衆無線電話通信事業者は、任意の一般の人々に、その人が無線電話サービスに対価を提供する(例えばサービス料を支払う)限り、無線電話サービス(ボイスメール・サービスを含むことができる)を提供する契約を受け付ける無線電話サービス(CDMA/GSM無線携帯電話サービス、WiFi/WiMax無線サービスなど)の任意のサービス・プロバイダである。これらの通信事業者は、その公衆電話通信事業者または公衆無線携帯電話通信事業者の顧客に残されたボイスメールを記録するように、ボイスメール・サーバを運営または管理する。例えば、電話121からの発呼者が、1台または複数台の無線携帯電話123の電話番号に電話をかけ、相手が電話に出ない場合、ボイスメールを1台または複数台の無線携帯電話123のユーザ用のボイスメール・サーバ111に記録されるようにすることにより、ボイスメールを残すことができる。同様に、VoIP電話117からの発呼者は、電話121のユーザ、無線ハンドヘルド・コンピュータ125のユーザまたは無線携帯電話123のユーザとすることができる公衆電話通信事業者の顧客用のボイスメール・サーバ上にメッセージを残すことができる。このように、電話機119、121、117、115、125および123などの電話機のいずれもが、ボイスメール・サーバ111などの1台または複数台のボイスメール・サーバに、他の電話機のユーザ向けのボイスメールを残すことができる。それらのボイスメールは、電話機でボイスメール・サーバに従来の電話をかけることによってアクセスされ、聞かれ得る。以下にさらに説明するように、少なくとも特定の実施形態では、ボイスメールは、インターネットを介してボイスメール・サーバ111にHTTP接続するなど、データ・ネットワークを介してアクセスされることもできる。
【0032】
少なくとも特定の実施形態では、ボイスメール・データベースをボイスメール・サーバ上に保持することができ、および/またはボイスメール・データベースを、図3の無線携帯電話123や無線ハンドヘルド・コンピュータ125内に含まれることができるデータ処理システム20やデータ処理システム30などの電話機上に保持することができる。各システム上のデータベースは、音声ファイルまたは音声ファイルへのポインタを含むことができ、これらは、ボイスメール・メッセージとともに、メッセージが聞かれたかどうか、メッセージを削除するかどうか、メッセージが重要であると指示されたかどうかなど、そのボイスメール・メッセージに関するメタデータを提供する。
【0033】
図4A〜図4Dは、図2Bまたは2Cに示すようなデータ処理システムを、そのいずれもが含むことができる図3に示す電話機のどれか1つなど、ボイスメール・アカウントがある電話機上のユーザ・インタフェースの表示を示す。この表示は、ディスプレイ・デバイス上に情報を表示することで発生する。あるいは、この表示は、目の不自由な方にはスピーカで音を、または他の表現(ブライユ点字)などを提供することにより発生することができる。ディスプレイ260は、電話機の表示面の全体とする、または枠を有するウィンドウなどその一部とすることができる。図4Aは、例えば新しいボイスメールの通知に応答して現れ得るアラートの例を示す。アラート262を見た直後に、ユーザは電話機にコマンドを発行することによりそのボイスメールを見ることを選択することができる。あるいは、このシステムは、所定の時間の後にまたは別様に、ディスプレイ260内にリスト264を含む、図4Bに示すようなボイスメールのリストを自動的に表示させることもできる。各ボイスメールは、列として配置されるフィールド内に少なくとも何らかのデータを含む。1つのフィールドは名前のフィールドであり、上から3番目のボイスメールの場合は少なくとも1つの名前(「ジョン」)を含む。他のボイスメールには名前が含まれておらず、それは、それらのボイスメールの電話番号が、少なくとも特定の電話番号に関連付けられた名前を含む連絡帳または電話帳(電話機またはボイスメール・サーバの一方または両方に記憶される)内のエントリに関連されていないからである。電話番号の列は、ボイスメールを残した人の電話番号を示す。日時の列は、ボイスメールが残された日付を表し、長さの列は、ボイスメールの長さを示す。ボイスメールが聞かれているかどうかなどの他のデータを表示することもできる。これは、すでに聞いたボイスメールを強調表示し、残りを強調表示しないことにより、または、リスト264に表示された3番目と4番目のボイスメールは聞かれていないが他の2つのボイスメールは聞かれていることを指示するインジケータ266および267など、他の何らかのインジケータを提供することにより示されることができる。リスト264には、それぞれがそのボイスメールについて関係するメタデータを有する、多くの追加のボイスメールを表示することができることを理解されたい。ボイスメールは、「ソート」メニュー265からソート・コマンドを選択することによってソートされることができる。図4Bおよび図4Cに示す例では、ボイスメールは日付順にソートされており、あるいはボイスメールを名前、電話番号順または時間の長さ順にソートすることもできる。各ボイスメールに関連するメタデータ(例えば、発呼者が指定するボイスメールの重要度や、有効期限など)に応じて、他のソート・オプションも利用され得る。図4Bに示すユーザ・インタフェースは、ユーザが、ボイスメールのリストを閲覧し、さらなるアクションまたはオペレーションのためにそのうちの任意のボイスメールを選択できるようにする。例えば、ユーザはリストを閲覧し、この例で最も古いボイスメールであるリストの一番上のボイスメールではなく、4番目または10番目のボイスメールを最初に聞くことにすることができる。つまり、ユーザは、ボイスメール・サーバがボイスメールを記録しまたは受け取ることにより決められた順番でボイスメールを聞くことを強制されることがない。むしろ、ユーザは任意のボイスメールを任意の順番でランダムに選択することができ、特定の順番に選択された一連のボイスメールは、ボイスメール・サーバが提供する順番と一致する必要はない。
【0034】
図4B、図4Cおよび図4Dに示すユーザ・インタフェースは、様々なボイスメールについてのオペレーションを行うための、ユーザが選択可能なコマンドまたはコントロールを含むこともできる。例えば、コントロールは、ボイスメールを削除する、ボイスメールを保存する、ボイスメールを別の電話番号やボイスメール・サーバに転送する、ボイスメールを聞く、ボイスメールを職場からのボイスメール用のフォルダや自宅ボイスメール用のフォルダなどのフォルダに移動させる、などのためのコマンドまたはコントロールを含むことができる。これらのコマンドは、メニュー項目としてメニュー・バー上に表示されることができ、またはプルダウン・メニュー、ボップアップ・メニューまたは他のメニュー構造からアクセスされることもできる。ユーザは、このコマンドをタップする、このコマンドにカーソルを合わせてボタンを押す、または当技術分野で知られる他の技法により、これらのコマンドを選択することができる。
【0035】
図4Cに示すインタフェースは、ユーザが特定のボイスメールを再生するために選択した後に発生しまたは表示される。つまり、この場合におけるユーザは、3番目の「ジョン」からのボイスメールを再生して聞くために選択している。この選択に応答し、インジケータ266が削除され、ジョンからのボイスメールに関するメタデータの下に再生コントロールを有するタイム・ラインが表示される。タイム・ライン270は、開始インジケータ271および終了インジケータ272を含み、さらに現在時間インジケータ274を含む。この「タイム・ライン」という用語(再生タイム・ラインなど)は、時間を表すことが可能であり、ユーザが少なくともある程度の時間粒度でボイスメール内の時間を選択できるようにする線、円、他の形や形式などの任意の表現を含むことが意図される。現在時間インジケータは、再生している現在の時点におけるボイスメール内の時間を表す。図4Cに示す特定の例では、現在の再生時間は、現在時間インジケータ274が示すようにボイスメールのほぼ半分を過ぎている。この現在時間インジケータは、単に時間を示すだけでよく、または他の実施形態では、ユーザが、この現在時間インジケータを選択して左右に動かし、その選択した時間から再生を始めるように様々な再生時間を選択することができる、ユーザ調節可能とすることもできる。ユーザは、インジケータ274をドラッグすることができ、またはインジケータ274の新しい位置に触れるもしくは選択し、これによりインジケータ274をその新しい位置に移動させ、任意に選択された時点とすることができるその時点から再生を行わせることができる。たいていの場合、この時間インジケータは左から右に、開始インジケータ271から始まり、終了インジケータ272で終わる。再生コントロール275、276、277、278および279は、これらのコントロールの1つを選択することにより、ユーザが、再生を停止する、再生を開始する、再生を一時停止する、再生を早送りする、または後進させることを可能にする。例えば、停止コントロール275を選択すると、再生が停止される。再生コントロール276を選択すると、現在停止されている位置から再生が開始される。一時停止コントロール278は、そのボイスメールをボイスメール・ファイルの冒頭に戻す(これにより現在時間インジケータ274が開始インジケータ271まで戻される)ことなく、現在の位置でボイスメールを一時停止させる。つまり、一時停止コントロール278は、単に再生を停止するが、再生コントロール276を選択することによりその停止された位置から再生を再開できるようにする。早送りコントロール277は、ユーザが、さらに後の時点に到達するために、ボイスメール記録を早く進められるようにする。後進コントロール279は、ユーザがそのボイスメールの時間系列を時間について逆に進むことができるようにする。特定の実施形態では、このタイム・ライン・インジケータは、再生コントロールなしで単独で表示されることができ、さらに他の実施形態では、タイム・ラインとその関連するコントロールまたはインジケータなしで、再生コントロールのみを表示することができることも理解されたい。他の実施形態では、再生コントロールおよび/またはタイム・ライン・インジケータは、再生されているボイスメールに隣接して(例えばその下に)ではなく、ユーザ・インタフェース内の別の場所に配置されることができる。さらに、スクロールやウィンドウ関連コマンドなど、他のユーザ・インタフェース・コントロールを表示するまたは使用することもできる。リストは、カーソル、スタイラスまたは指を使用することによりスクロール可能とすることができ、スクロールは、シングルタッチ入力パネルやマルチタッチの入力パネルなどのタッチ入力パネル上のリストを直接操作することにより生じることができる。このリストは、最小化する、閉じるまたはサイズ変更することが可能なウィンドウ内に表示されることができる。
【0036】
少なくとも特定の実施形態の別の側面を図4Dに示す。図4Dは、ユーザが、1つのボイスメールを再生している間に、他のボイスメールをどのように見て、操作できるのかを示す。図4Dに示す例では、ジョンからの3番目のボイスメールが再生されている一方で、ユーザは、(「408−720−8383」からの)2番目のボイスメールを選択し、そのボイスメールを削除している。これは、ユーザが、ジョンからのボイスメールの再生を聞いている間に行うことができる。他の実施形態では、ユーザは、あるボイスメールを聞いている間に、別の1つまたは複数のボイスメールに関する他のオペレーションを行うことができる。図4Dも、ユーザ・インタフェースの別の側面を示す。具体的には、現在時間インジケータ274が終了インジケータ272のさらに近くに移動しており、ジョンからのボイスメールがほぼ完全に再生されたことを示している。
【0037】
ボイスメール・ユーザ・インタフェースがどのように動作することができるのかについての例を説明するために、次に図5Aおよび図5Bを参照する。オペレーション301で、ボイスメール・アカウントを有する電話や他のデバイスのユーザへの発呼者が、そのアカウントのボイスメール・ボックスにボイスメールを残す。オペレーション303で、そのボイスメールが、そのボイスメール・アカウントのサービス・プロバイダのボイスメール・サーバに記憶される。例えば、このサービス・プロバイダは、公衆無線携帯電話通信事業者とすることができ、電話機は、この公衆無線携帯電話通信事業者が提供する電話サービスを使用することができる。この実施形態では、ボイスメール・サーバは、公衆電話通信事業者の顧客に残されたボイスメールを記録する。オプションで、このサーバでボイスメールが交換されたという通知をこのデバイスに送信することができる。オペレーション305で、そのボイスメールに関するメタデータがそのデバイスに送信される。オプションで、そのボイスメールの音声ファイルが、デバイス上にその音声ファイルを記憶するデバイスに送信される。メタデータは、発呼者の電話番号と、オプションで(発呼者のキーパッドによって、または発呼者の電話番号をその発呼者の記憶済みの名前と比較する探索操作によって入力されることができる)発呼者の名前とを含むことができる。このメタデータは、ボイスメールの長さ、「緊急」や「特別」などの任意のマーカ、ボイスメールの日時およびボイスメールの長さを含むこともできる。オペレーション307で、この電話機は、図4Aに示すアラート262など、新しいボイスメールに関するアラートを表示することができる。次いで、ユーザまたはデバイスは、ボイスメールをリスト264のようなリストで表示させることができる。一実施形態では、このリストは、リスト264に示すように、ボイスメールを記録した日付順に並べることができる。次いで、オペレーション311で、ユーザは、最も古いボイスメールから始まり最新のボイスメールに続く選択を連続的に開始することを要求されるのではなく、リストから任意のボイスメールを任意の順番で選択することができる。少なくとも特定の実施形態では、この選択は、再生または他のコマンドについての選択とすることができる。図4Bに示す例では、たとえ他の聞いていないボイスメールが、より古いものである場合でも、ユーザは、最初に聞くボイスメールとして4番目のボイスメールまたは10番目のボイスメールを選択することができる。つまりユーザは、ボイスメールが記録される順番に制約されない。このユーザ・インタフェースは、図2Dに示すようなディスプレイ、図2Eに示すディスプレイ71、図2Fと図2Gとにそれぞれ示すディスプレイ93および/またはディスプレイ88上に実装されることができる。オペレーション311での選択に応答し、オペレーション313で、このシステムは、選択されたボイスメールに関する音声ファイルを取得して再生し、または前に記憶した音声ファイルを再生する。あるいは、本明細書の他の箇所で説明するように、この電話機は、ボイスメールをストリーミング・メディアとして再生する、または再生するボイスメールの各部分をダウンロードすることができる。オペレーション315に示すように、ユーザがオペレーション311で選択したボイスメールを聞きながら、この電話機は、ユーザがボイスメールのリスト内の1つまたは複数のボイスメールを閲覧および/または操作できるようにすることができる。オペレーション315で説明した操作は、オペレーション317で行われてもよく、オペレーション317では、ユーザは、あるボイスメールを再生している間に別のボイスメールを削除、保存、または別様にボイスメールを操作する。
【0038】
図6は、本発明の特定の実施形態の別の側面を示す。図6に示す方法は、クライアント・デバイスが、ボイスメール・サーバから余計な情報を受信する必要なくどのようにボイスメール・パラメータをローカルに強制できるのかを示す。ボイスメール・パラメータは、ボイスメール応答の長さ、パスワードの長さ、または他のパラメータとすることができる。オペレーション350で、パスワードの長さおよび/または応答の長さの少なくとも一方が、このデバイスに送信される。この送信は、典型的にはボイスメール・アカウントを初期設定する際に行われる。つまり、ボイスメール・アカウントが最初にセット・アップされると、典型的にはそのときにこれらの長さが送信される。オペレーション352で、このデバイスは、その1つまたは複数の長さを受信し、このデバイスで後に使用するためにそれらを記憶する。オペレーション354で、このデバイスは、新しいパスワードや変更されたパスワードなどのパスワード、または新しい応答もしくは変更された応答、のいずれかを受け取る。オペレーション354に応答し、オペレーション356で、このシステムは、ボイスメール・パラメータを強制するためにこの受け取った入力を記憶したデータと比較する。パスワードの長さの場合、このシステムは、オペレーション354で入力されたパスワードの長さを、パスワードに関して記憶された有効な長さと比較する。この長さは、最小長および最大長を含む2つの長さとして指定することができるが、特定の実施形態では、この長さは単に最小長または最大長である1つの長さとすることもできる。別の実施形態では、この長さは、例えば秒で表したボイスメール応答の長さを指定することができる。したがってその場合、オペレーション356で、新しいまたは変更されたボイスメール応答の長さを、オペレーション350で送信されたボイスメール応答の制限時間と比較することになる。これにより、新しいまたは変更されたパスワードや新しいまたは変更された応答がインフラ内のボイスメール・サーバや他の何らかのボイスメール・システムに送信され、拒否され、拒否メッセージがそのクライアント・デバイスに返信されることを招く必要なく、クライアント・デバイスがそのパラメータをローカルに強制できるようにする。つまり、クライアント・デバイスにおいてローカルにボイスメール・パラメータを強制することにより、ネットワーク・トラフィックを低減することができる。
【0039】
図7は、本発明の少なくとも特定の実施形態の別の側面を示す。図7の方法は、ボイスメール・サーバや他のサーバから、図3に示す電話機の任意のものとすることができ、さらに図2Aおよび図2Bにそれぞれ示すシステム20や30などのデータ処理システムを含むことができるクライアント・デバイスへの、ボイスメールのストリーミングに関係する。オペレーション380で、インフラ内のシステムが、ストリーミング・メディアとしてのボイスメールに対する要求を受信する。このシステムは、図3に示すボイスメール・サーバ111などのボイスメール・サーバとすることができる。これに応答して、オペレーション382で、このシステムはボイスメールの一部分をストリーミング・メディアとしてこのデバイスに送信する。この部分は、1つまたは複数のデータ・パケットとして送信されることができ、送信されるデータ・パケットはそれぞれ、ボイスメール全体に対するその部分に関連する時間もしくはフレーム番号、または複数の時間もしくは複数のフレーム番号を指定するヘッダを有する。オペレーション384で、ボイスメールのこの部分がデバイスで受信され、オペレーション386で、この部分がバッファリングされる。オペレーション382、384および386での送信、受信およびバッファリングは、典型的には複数回繰り返される。各部分は受信された通りにバッファリングされ、この受信およびバッファリングが継続しながら送信が典型的には継続する。典型的なストリーミング・オペレーションでは、オペレーション388での再生は、オペレーション386で十分な量のデータがバッファリングされた後に行われる。この再生は、オペレーション384で新しいデータによって充填されもするバッファからデータを取得することによって行われる。ストリーミング・メディア内のボイスメールの受信部分の再生は、ストリーミング・メディア内のさらに後の部分を受信およびバッファリングしながら行うことができる。このように、少なくとも一部のボイスメールを、ファイルをダウンロードしてそのファイルを電話機にローカルに保存するのではなく、ストリーミング・メディア技術を使用することにより取得することができる。
【0040】
図8は、本発明の少なくとも特定の実施形態の別の側面による方法を示す。図8の方法では、ストリーミング・メディア技術は利用せず、むしろ、ボイスメールの各部分がどのようにボイスメールの時間系列全体内に適合するのかを示す識別子とともにボイスメールの各部分をダウンロードするために、部分的ダウンロード技術を使用する。オペレーション400で、図3に示す電話機の任意のものとすることができ、さらに図2Aおよび図2Bにそれぞれ示すシステム20または30を含むことができる電話機は、第1のメタデータが、ボイスメールの時間系列全体に対するボイスメールの第1の部分の開始時間および終了時間または他の時間関連情報を示す状態にある、ボイスメールの第1の部分を受信することができる。オペレーション402で、この情報が保存される。電話機が無線電話接続を介してボイスメール・サーバに結合される場合、オペレーション404に示すように接続が途絶え、その後再確立される可能性もあり得る。オペレーション404はオプションであり、接続が途絶えることなく、オペレーション406で第2の部分を受信し得ることを理解されたい。このボイスメール・データの第2の部分も、ボイスメールの時間系列全体に対する第2の部分の時間的関係を指定する第2のメタデータを含む。このメタデータを用いたボイスメールの部分的ダウンロードは、まばらなカバレッジを有し得る無線セルラ・ネットワークでもボイスメール音声ファイルや他のボイスメール情報をダウンロードできるようにする。受信した部分(例えば第1の部分)の再生は、そのボイスメールの別の部分を受信する前に、または受信中に行うことができる。
【0041】
図9は、本発明の少なくとも特定の実施形態で使用することができる方法を示す。この方法では、個々のボイスメールに関する有効期限を使用する。それは、ボイスメールが期限切れになる前に、ユーザの対話によってか、このシステムによって自動的に、ユーザがそのボイスメールの通知を受けるための方法、また別様にそのボイスメールに対してアクションを行うための方法を提供するためである。これにより、このシステムが、たとえボイスメールの有効期限が過ぎてもそのボイスメールが誤って削除または消去されるのを防ぐことを可能にする。オペレーション425で、図3に示す電話機の任意のものとすることができ、さらに図2Aおよび図2Bにそれぞれ示すデータ処理システム20または30を含むことができる電話機において、ボイスメール・メタデータが受信される。このボイスメール・メタデータは、典型的には個々のボイスメール・アカウントのボイスメールごとにボイスメール・サーバによって割り当てられる固有のID番号であるサーバID番号、そのボイスメールの有効期限、そのボイスメールの長さ、そのボイスメールが残されたまたは記録された日時、そのボイスメールのリスト/ステータス、オプションで発呼者の名前、可能な場合は発呼者の電話番号、等を含むことができる。このメタデータの一部分とすることができる有効期限データは、典型的には日時として形成されるが、削除のための標準化された時間がこのシステム内で規定されている場合は単に日付とすることができる。オペレーション427では、この有効期限または有効期限データを、ユーザに対してユーザ・インタフェース内にオプションで表示することができる。この表示は、目的のボイスメールが削除されようとしている際に、削除される前の時点で、または任意のボイスメール・リストの表示内に行うことができる。例えば、図4Bに示すユーザ・インタフェースは、有効期限データを含むことができる。特定の実施形態では、この有効期限データを列内に表示することができ、ボイスメールのリストを有効期限順にソートすることができる。個々のボイスメールに関する有効期限データを単に表示することに加えて、またはその代替として、このシステムはオペレーション429を実行することもできる。オペレーション429では、ボイスメールが消去される前にユーザがそのボイスメールをダウンロードおよび/または保存できるようにするために、期限切れになる前に、ユーザにオプションのユーザ・インタフェースを表示することができる。あるいは、このユーザ・インタフェースは、ボイスメール・サーバでのボイスメールの存続日を延長するためのコマンドを、ユーザがボイスメール・サーバに送信できるようにすることもできる。一実施形態では、このユーザ・インタフェースを、既定の時間、動的に生成される時間、または個々のボイスメールの有効期限が切れる前の別の時間のいずれかにおいて表示することができる。あるいは、またはこれに加え、サーバでの存続期間を延長するために、またはボイスメールを電話機にダウンロードさせるために、そのボイスメールの有効期限が切れる前にメッセージをボイスメール・サーバに自動送信することができる。あるボイスメールの有効期限データはその特定のボイスメールに対してのものであり、ボイスメール・システムのポリシおよび規則に応じて、別のボイスメールは典型的には別の有効期限を有することを理解されたい。
【0042】
図10Aおよび図10Bは、本明細書に記載の特定の実施形態の別の側面に関係する。少なくとも特定の実施形態では、少なくとも2つの異なる手順で、ユーザが応答をセット・アップする、または応答を変更することを可能にする。例えば、ボイスメール・システムを初期設定した後、ユーザは、ボイスメール・アカウントが開設されている対象のデバイスである電話機で、またはボイスメール・アカウントが開設されなかった電話番号を有する固定電話や他の電話で、ボイスメール応答を変更することができる。ボイスメール・サーバに電話をかけてボイスメール・システム内の応答メッセージを変更するために、このような電話のいずれかを使用することもできる。複数の異なるデバイスからボイスメール応答を変更できることは、ボイスメール・アカウントが開設されている対象の電話機において記憶された応答が、ボイスメール・サーバにおいて保存されたボイスメール応答とは異なり得るという点で混乱をもたらすことがあり得る。例えば、ボイスメール・アカウントが存在する対象の電話機においてオリジナルのボイスメール応答が記録され、その後、そのユーザが異なる(ボイスメール・アカウントのない電話番号を有する)電話機を使用してその応答を変更した場合、2つの異なるシステムに記録された2つの異なるボイスメール応答があることになる。より新しい応答がそのボイスメール・アカウントのユーザの意向を反映すると考えられるので、どちらがより新しい応答であるかを判定するためにそれらの応答を識別する方法を有することが有用である。
【0043】
図10Aは、ボイスメール応答を初期設定するためのプロセスを示す。オペレーション451で、応答がデバイスで受け取られ、その応答に応答IDが関連付けられる。この応答IDは、ボイスメール・アカウントを所有する電話機の電話番号とともにタイム・スタンプを含むことができる。この応答は、電話機において保存され、ボイスメール・サーバに送信される。また、応答識別子(ID)もそのボイスメール・サーバに送信される。オペレーション455で、ボイスメール・サーバは、その応答を保存し、応答IDも保存し、そのデバイスに肯定応答を送信する。オペレーション455でのトランザクションは、有利には、データを保存する際にアトミック・トランザクションをもたらすための当技術分野で知られる技法を使用するアトミック・トランザクションとすることができる。初期設定の後、保存された2つの応答のどちらが両方のデバイス上で使用すべき最も新しい応答であるかを判定するために、図10Bの方法を使用することができる。オペレーション481で、新しいまたは変更された応答が、第1のシステムに保存される。代替実施形態では、新しいパスワードを、この第1のシステムに保存することができる。さらに、オペレーション481では、その応答またはパスワードに対して、固有の識別子も保存される。この識別子は、ボイスメール・アカウントを所有する電話機の電話番号を含むことができ、タイム・スタンプを含むこともできる。オペレーション481は、第1のシステムが第2のシステムと通信していない場合に発生することができる。例えば、オペレーション481は、ボイスメール・アカウントを所有する電話機がボイスメール・サーバに接続されていない場合に発生することができる。第1のシステムは、電話機またはボイスメール・サーバのどちらかでよいことを理解されたい。オペレーション483で、第1のシステムと第2のシステムとの間に接続が確立される。例えば、図3に示す電話機のいずれでもよいユーザの電話機とボイスメール・サーバとの間に接続を確立することができる。次いで、オペレーション485で、第1のシステムの応答識別子などの識別子が、第2のシステムの応答識別子と比較される。これらの識別子が一致する場合、これら2つのシステムがその応答に関して同期していることを示す。それらの識別子が一致しない場合、より新しい方の応答識別子が正しい識別子として判定され、オペレーション487で、その識別子に関連する応答が、古い応答(または古いパスワード)を有するもう一方のシステムに送信される。さらに、より新しい応答またはより新しいパスワードの識別子も、より古い応答またはより古いパスワードを記憶していたもう一方のシステムに送信される。この応答および/または応答IDを保存してトランザクションが完全に完了されたかどうかを確認するために、当技術分野で知られるアトミック・トランザクショが好ましいことがある。図10Aおよび図10Bの方法を実施することにより、ユーザは、ボイスメール・アカウントを所有するデバイス(例えばそのアカウントを初期設定したデバイス)のみを使用して応答またはパスワードを変更することを求められるのではなく、ボイスメール・サーバまたは他のボイスメール・インフラ・システムに接続可能な任意の電話機で応答またはパスワードを変更することができる。
【0044】
図11は、本発明の少なくとも特定の実施形態の別の側面に関係する。この方法では、ボイスメール・サーバは、個々の電話機に対してサポート可能な接続の数に制約を有し得る。これは、公衆電話通信事業者が様々な理由で強制する規則またはポリシとすることができる。図11は、そのような制約付きシステム内で運営するための方法を示す。オペレーション501で、ボイスメールを再生するための選択が受け取られ、この第1のボイスメール用の接続が確立される。この接続は、インターネットを介したHTTP接続とすることができる。この接続は、第1のボイスメールをダウンロードするまたはストリーミングするためのものでよい。この選択に応答し、オペレーション503は、第1のボイスメールを再生させる。さらに、オペレーション503では、ユーザ・インタフェースが他のボイスメールのリストを表示することができ、ユーザが、そのユーザ・インタフェース内のリストのボイスメールを閲覧および/または操作できるようにする。オペレーション504で、第1のボイスメールを再生している間に、このシステムは第2のボイスメールを再生するための選択を受け取ることができる。この選択に応答し、このシステムは第1の接続を切断し、第2のボイスメールをダウンロードするまたはストリーミングするために、ボイスメール・サーバと第2のHTTP接続などの第2の接続を確立する。この場合、第2の接続を確立して第2のボイスメールを再生する、別様に操作する、またはアクセスするために、第1の接続は取って代わられる。
【0045】
少なくとも特定の実施形態の別の側面は、電話機が初期設定されていない場合に、その電話機にボイスメール・サーバのアドレスまたはURLを供給するための方法に関係する。一実施形態では、この電話機は、ボイスメール・サービスの初期設定を可能にするために、この電話機に電話サービスを提供する公衆電話通信事業者に対して、ボイスメール・サーバのURLを含むSMSメッセージをこの電話機に送信するように要求することができる。このようにして、この電話機を、ボイスメール・サーバの特定のURLを記憶する必要なく製造することができる。さらに、このデバイスを、デバイス内にそのURLを記憶する必要なく、顧客に展開することができる。これにより、公衆電話通信事業者などのサービス・プロバイダは任意の時点でURLを変更することができ、それでもなお、初期設定されていない新しいデバイスが、公衆電話通信事業者などのサービス・プロバイダによって供給されたURLによってボイスメール・サーバに連絡できるようにし、公衆電話通信事業者などのサービス・プロバイダにも柔軟性がもたらされる。
【0046】
上記の明細書では、本発明をその特定の代表的な実施形態を参照して説明した。添付の特許請求の範囲に規定する本発明のより広範な精神および範囲から逸脱することなく、それらの実施形態に種々の修正を加えることができることは明らかである。したがって、本明細書および図面は限定的な意味ではなく例示的な意味でみなされるべきである。
【符号の説明】
【0047】
60 データ処理システム; 63 ディスプレイ; 64 フレーム;
66 マイクロフォン; 65 スピーカ; 61 外部アンテナ; 62 センサ;
70 電話機; 71 ディスプレイ; 72 キーパッド; 73 スピーカ;
74 マイクロフォン; 78 電話機; 87 ヒンジ; 88 ディスプレイ;
89 ディスプレイ・ハウジング; 91 キーパッド・ハウジング;
93 ディスプレイ; 94 近接ないし周辺光センサ; 95 キーパッド;
97 マイクロフォン; 98 スピーカ;
260 ディスプレイ; 262 アラート; 264 リスト;
266,267 インジケータ; 265 ソート・メニュー;
270 タイム・ライン; 271 開始インジケータ;
272 終了インジケータ; 274 現在時間インジケータ;
275 停止コントロール; 276 再生コントロール;
278 一時停止コントロール; 277 早送りコントロール;
279 後進コントロール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のデータ処理システムのユーザに残されたボイスメールの有効期限を表すデータを前記第1のデータ処理システムにおいて受信するステップと、
前記第1のデータ処理システムが後に使用するために前記有効期限を表す前記データを記憶するステップと、
を含む、機械によって実施される方法。
【請求項2】
前記ボイスメールの前記有効期限を前記ユーザに知らせるユーザ・インタフェースを前記ユーザに提供するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記有効期限に応じて、前記有効期限の延長または前記ボイスメールの保存のうちの少なくとも一方を行うための要求を、前記第1のデータ処理システムから第2のデータ処理システムに送信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のデータ処理システムが無線携帯電話を含み、前記第2のデータ処理システムが、公衆無線携帯電話通信事業者の顧客に残されたボイスメールを記録するボイスメール・システムを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記送信するステップが前記有効期限の前に自動的に行われ、前記要求が前記第2のデータ処理システムに、前記第1のデータ処理システムにおいて保存されるように前記ボイスメールを前記第1のデータ処理システムに対して送信させる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザ・インタフェースが、(a)前記有効期限を延長する、または(b)前記ボイスメールを保存する、ためのコントロールを少なくとも1つ含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
ユーザに残されたボイスメールを第1のデータ処理システムにおいて記録するステップと、
前記ボイスメールの有効期限を表すデータを第2のデータ処理システムに送信するステップと、
を含む、機械によって実施される方法。
【請求項8】
前記第1のデータ処理システムが公衆電話通信事業者の顧客に残されたボイスメールを記録し、前記第2のデータ処理システムが前記ユーザによって操作される無線携帯電話を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記有効期限が、前記第1のデータ処理システムに前記ボイスメールが記録された時間を基準とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記有効期限の延長または前記ボイスメールの保存のうちの少なくとも一方を行うための要求を、前記第2のデータ処理システムから受信するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ボイスメールを保存するための要求に応答して、前記ボイスメールを前記第2のデータ処理システムに送信するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
実行可能命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記実行可能命令は、実行された場合に、
第1のデータ処理システムのユーザに残されたボイスメールの有効期限を表すデータを前記第1のデータ処理システムにおいて受信するステップと、
前記第1のデータ処理システムが後に使用するために前記有効期限を表す前記データを記憶するステップと、
を含む方法をシステムに実行させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記方法が、前記ボイスメールの前記有効期限を前記ユーザに知らせるユーザ・インタフェースを前記ユーザに提供するステップをさらに含む、請求項12に記載の媒体。
【請求項14】
前記方法が、前記有効期限に応じて、前記有効期限の延長または前記ボイスメールの保存のうちの少なくとも一方を行うための要求を、前記第1のデータ処理システムから第2のデータ処理システムに送信するステップをさらに含む、請求項12に記載の媒体。
【請求項15】
前記第1のデータ処理システムが無線携帯電話を含み、前記第2のデータ処理システムが、公衆無線携帯電話通信事業者の顧客に残されたボイスメールを記録するボイスメール・システムを含む、請求項14に記載の媒体。
【請求項16】
前記送信するステップが前記有効期限の前に自動的に行われ、前記要求が前記第2のデータ処理システムに、前記第1のデータ処理システムにおいて保存されるように前記ボイスメールを前記第1のデータ処理システムに対して送信させる、請求項15に記載の媒体。
【請求項17】
前記ユーザ・インタフェースが、(a)前記有効期限を延長する、または(b)前記ボイスメールを保存する、ためのコントロールを少なくとも1つ含む、請求項13に記載の媒体。
【請求項18】
実行可能命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記実行可能命令は、実行された場合に、
ユーザに残されたボイスメールを第1のデータ処理システムにおいて記録するステップと、
前記ボイスメールの有効期限を表すデータを第2のデータ処理システムに送信するステップと、
を含む方法をシステムに実行させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記第1のデータ処理システムが公衆電話通信事業者の顧客に残されたボイスメールを記録し、前記第2のデータ処理システムが前記ユーザによって操作される無線携帯電話を含む、請求項18に記載の媒体。
【請求項20】
前記有効期限が、前記第1のデータ処理システムに前記ボイスメールが記録された時間を基準とする、請求項19に記載の媒体。
【請求項21】
前記方法が、前記有効期限の延長または前記ボイスメールの保存のうちの少なくとも一方を行うための要求を、前記第2のデータ処理システムから受信するステップをさらに含む、請求項19に記載の媒体。
【請求項22】
前記方法が、前記ボイスメールを保存するための要求に応答して、前記ボイスメールを前記第2のデータ処理システムに送信するステップをさらに含む、請求項21に記載の媒体。
【請求項23】
実行可能命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記実行可能命令は、実行された場合に、
ボイスメールの期限切れに関係するデータをボイスメール・サーバから電話機において受信するステップと、
前記電話機が後に使用するために前記パラメータを記憶するステップと、
を含む方法をシステムに実行させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項24】
第1のデータ処理システムのユーザに残されたボイスメールの有効期限を表すデータを前記第1のデータ処理システムにおいて受信する手段と、
前記第1のデータ処理システムが後に使用するために前記有効期限を表す前記データを記憶する手段と、
を備える、機械。
【請求項25】
ユーザに残されたボイスメールを第1のデータ処理システムにおいて記録する手段と、
前記ボイスメールの有効期限を表すデータを第2のデータ処理システムに送信する手段と、
を備える、機械。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−516086(P2010−516086A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544849(P2009−544849)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/026243
【国際公開番号】WO2008/085434
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】