ボンディング装置およびボンディング方法
【課題】封止材にボイドを発生させずに半導体チップと配線基板とをフリップチップ接続するボンディング装置およびボンディング方法を提供することを目的とする。
【解決手段】半導体ウエハ40を配置するステージ18と、フレキシブル配線基板67を吸着するボンディングツール22と、押圧体61、62、63と、押圧手段51、52、53とが備えられ、半導体ウエハ40に封止材を介してフレキシブル配線基板67をボンディングする装置であって、押圧体が、半導体ウエハ40のバンプ電極とフレキシブル配線基板67の接続パッドとを接合する主押圧体61と、主押圧体61の押圧の後に半導体ウエハ40のバンプ電極側の面のバンプ電極以外の部分とフレキシブル配線基板67の接続パッド側の面の接続パッド以外の部分とを接合する補助押圧体62、63とからなるボンディング装置を用いることにより上記課題を解決できる。
【解決手段】半導体ウエハ40を配置するステージ18と、フレキシブル配線基板67を吸着するボンディングツール22と、押圧体61、62、63と、押圧手段51、52、53とが備えられ、半導体ウエハ40に封止材を介してフレキシブル配線基板67をボンディングする装置であって、押圧体が、半導体ウエハ40のバンプ電極とフレキシブル配線基板67の接続パッドとを接合する主押圧体61と、主押圧体61の押圧の後に半導体ウエハ40のバンプ電極側の面のバンプ電極以外の部分とフレキシブル配線基板67の接続パッド側の面の接続パッド以外の部分とを接合する補助押圧体62、63とからなるボンディング装置を用いることにより上記課題を解決できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボンディング装置およびボンディング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置の製造工程において、半導体チップとフレキシブル配線基板とを接続する方法としてはフリップチップ接続技術があり、それに用いる装置としてはフリップチップボンディング装置があった。
前記フリップチップ接続技術は、バンプ電極が形成された半導体チップをフレキシブル配線基板上に搭載する技術である。また、前記フリップチップボンディング装置は、例えば、フレキシブル配線基板を載置して吸着保持するステージと、バンプ電極の形成された半導体チップの裏面を吸着して前記フレキシブル配線基板に前記半導体チップを圧着するためのボンディングツールと、前記ボンディングツールの上下方向に駆動する押圧手段と、前記ボンディングツールに超音波を印加する超音波発生手段と、それらを制御する制御手段と、などから構成される(例えば、特許文献1)。
【0003】
なお、2枚の薄型の被処理部材を接着する方法としては他に、特許文献2〜4に開示された技術がある。特許文献2は、ウェーハ支持方法及びウェーハ支持装置に関するものであり、ウェーハに粘着テープを貼着してリングフレームと一体化させて支持する場合には、ウェーハと粘着テープとの間に気泡が入り込まないように、粘着テープを貼る方法が開示されている。また、特許文献3は、マウントヘッド及びボンディング装置に関するものであり、プリント基板に対して電子部品を垂直に配置することができるマウントヘッドが開示されている。さらにまた、特許文献4は、ウェーハ減圧接着装置に関するものであり、キャリアプレートに複数枚のウェーハを一括して、ダメージを低減させて接着させることができる装置が開示されている。
【0004】
近年、複数の半導体チップが区画された半導体ウエハの上に、接着材を介して、複数のフレキシブル配線基板をフリップチップ接続した後、前記半導体ウエハを個々の半導体チップ毎に切断分離することで、リアルチップサイズの半導体装置を得る技術が検討されている。この半導体装置の製造方法は、特に、小型化された半導体装置を製造する際に、一度に複数の半導体装置を得ることができるので、有益な方法である。
【0005】
しかし、従来は、通常のフリップチップボンディング装置を用いて、半導体チップとフレキシブル配線基板とを接続していた。つまり、ボンディングツールでフレキシブル配線基板を保持し、接着材の塗布された半導体チップ上に前記フレキシブル配線基板を押圧して、前記フレキシブル配線基板と前記半導体ウエハとをボンディングして、フリップチップ接続していた。
【0006】
この場合、押圧する被処理物がフレキシブルなフレキシブル配線基板であるため、接着材の塗布された半導体チップ上にボンディングする際、前記半導体チップと前記フレキシブル配線基板との間の接着材にボイド(微小な空洞)が発生してしまう場合があった。
このようなボイドは、リフローなどの際に半導体装置の温度を上昇させると膨張して、前記半導体チップと前記フレキシブル配線基板との間の接着材にクラックを発生させてフリップチップ接続を弱めて、半導体装置の信頼性を低下させる場合があった。
【0007】
さらにまた、近年は更なる半導体装置の小型・薄型化のため、半導体チップの裏面もバックグラインドするようになった。このようにバックグラインドにより薄型化された半導体チップを用いることによっても、前記半導体チップと前記フレキシブル配線基板との間の接着材にボイドを発生させる場合があった。この場合も、リフローなどの際に半導体装置の温度を上昇させると膨張して、前記半導体チップと前記フレキシブル配線基板との間の接着材にクラックを発生させてフリップチップ接続を弱めて、半導体装置の信頼性を低下させる場合があった。
【特許文献1】特開2001−127077号公報
【特許文献2】特開2007−281343号公報
【特許文献3】特開2001−127077号公報
【特許文献4】特開2001−127077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、封止材にボイドを発生させずに半導体チップと配線基板とをフリップチップ接続するボンディング装置およびボンディング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のボンディング装置は、半導体ウエハをそのバンプ電極を上側にして配置するステージと、フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分を吸着して保持する吸着機構が備えられたボンディングツールと、前記ボンディングツールの先端に備えられた少なくとも2以上の押圧体と、前記押圧体を上下方向に駆動する押圧手段と、が備えられ、前記半導体ウエハに封止材を介して前記フレキシブル配線基板をボンディングするボンディング装置であって、前記2以上の押圧体が、前記フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル配線基板を前記半導体ウエハに押圧して、前記半導体ウエハのバンプ電極と前記フレキシブル配線基板の接続パッドと、を接合する主押圧体と、前記主押圧体の押圧の後に、前記フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分を押圧して、前記半導体ウエハのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分と前記フレキシブル配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と、を接合する補助押圧体と、からなることを特徴とする。
【0010】
本発明のボンディング装置は、配線基板をその接続パッドを上側にして配置するステージと、フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分を吸着して保持する吸着機構が備えられたボンディングツールと、前記ボンディングツールの先端に備えられた少なくとも2以上の押圧体と、前記押圧体を上下方向に駆動する押圧手段と、が備えられ、前記配線基板に封止材を介して前記フレキシブル半導体チップをボンディングするボンディング装置であって、前記2以上の押圧体が、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル半導体チップを前記配線基板に押圧して、前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極と、を接合する主押圧体と、前記主押圧体の押圧の後に、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分以外の部分を押圧して、前記配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分と、を接合する補助押圧体と、からなることを特徴とする。
【0011】
本発明のボンディング装置は、前記補助押圧体が2以上の押圧体からなり、前記主押圧体に近い補助押圧体から順番に押圧を行うことを特徴とする。
【0012】
本発明のボンディング装置は、前記補助押圧体が、気体或いは液体が供給されることにより膨張するバルーン部で構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明のボンディング装置は、前記主押圧体に、加熱機構または超音波印加機構のいずれかが備えられていることを特徴とする。
【0014】
本発明のボンディング装置は、前記吸着機構が、前記主押圧体の一面に設けられた押圧面用吸着孔に接続された真空装置を作動させることにより、前記主押圧体の一面に前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップを吸着して保持する機構であることを特徴とする。
【0015】
本発明のボンディング装置は、前記ステージの一面に備えられた別の吸着機構が、前記ステージの一面に設けられたステージ面用吸着孔と接続された真空装置を作動させることにより、前記ステージの一面に前記半導体ウエハまたは前記配線基板を吸着して保持する機構であることを特徴とする。
【0016】
本発明のボンディング方法は、半導体ウエハに封止材を介してフレキシブル配線基板をボンディングするボンディング方法であって、前記フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル配線基板を前記半導体ウエハに押圧して、前記半導体ウエハのバンプ電極と前記フレキシブル配線基板の前記接続パッドと、を接合する第1の接合工程と、前記第1の接合工程後、前記フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分を押圧して、前記半導体ウエハのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分と前記フレキシブル配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と、を接合する第2の接合工程とを有することを特徴とする。
【0017】
本発明のボンディング方法は、配線基板に封止材を介してフレキシブル半導体チップをボンディングするボンディング方法であって、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル半導体チップを前記配線基板に押圧して、前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップの前記バンプ電極と、を接合する第1の接合工程と、前記第1の接合工程後、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分以外の部分を押圧して、前記配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分と、を接合する第2の接合工程とを有することを特徴とする。
【0018】
本発明のボンディング方法は、前記第2の接合工程が2以上の押圧からなり、前記接続パッドと電極パッドとの接合位置から端部に向かって順番に押圧を行うことを特徴とする。
【0019】
本発明のボンディング方法は、前記第2の接合工程が、気体或いは液体を供給することによりバルーン部を膨張させて押圧を行うことを特徴とする。
【0020】
本発明のボンディング方法は、前記第1の接合工程は、前記半導体ウエハのバンプ電極と前記フレキシブル配線基板の接続パッドとを接合する際、または前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極とを接合する際に、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの加熱または超音波印加を行うことを特徴とする。
【0021】
本発明のボンディング方法は、前記第1の接合工程前に、前記半導体ウエハのバンプ電極およびその近傍のみを覆うように、または前記配線基板の接続パッドおよびその近傍のみを覆うように、封止材を配置することを特徴とする。
【0022】
本発明のボンディング方法は、前記第1の接合工程が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の中心部を押圧した後、前記第2の接合工程が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の残りの部分を前記中心部から端部に向かって押圧することを特徴とする。
【0023】
本発明のボンディング方法は、前記第1の接合工程が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の一端部を押圧した後、前記第2の接合工程が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の残りの部分を前記一端部から他端部に向かって押圧することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、封止材にボイドを発生させずに半導体チップと配線基板とをフリップチップ接続するボンディング装置およびボンディング方法を提供することができる。
【0025】
本発明のボンディング装置は、半導体ウエハをそのバンプ電極を上側にして配置するステージと、フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の接続パッドに対応する部分を吸着して保持する吸着機構が備えられたボンディングツールと、ボンディングツールの先端に備えられた少なくとも2以上の押圧体と、押圧体を上下方向に駆動する押圧手段とが備えられ、半導体ウエハに封止材を介してフレキシブル配線基板をボンディングするボンディング装置であって、2以上の押圧体が、フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の接続パッドに対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、フレキシブル配線基板を半導体ウエハに押圧して、半導体ウエハのバンプ電極とフレキシブル配線基板の接続パッドとを接合する主押圧体と、主押圧体の押圧の後に、フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の接続パッドに対応する部分以外の部分を押圧して、半導体ウエハのバンプ電極側の面のバンプ電極以外の部分とフレキシブル配線基板の接続パッド側の面の接続パッド以外の部分とを接合する補助押圧体とからなる構成なので、主押圧体により半導体ウエハとフレキシブル配線基板との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、補助押圧体により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、封止材内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0026】
本発明のボンディング方法は、半導体ウエハに封止材を介してフレキシブル配線基板をボンディングするボンディング方法であって、フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、フレキシブル配線基板を半導体ウエハに押圧して、半導体ウエハのバンプ電極とフレキシブル配線基板の接続パッドとを接合する第1の接合工程と、前記第1の接合工程後、フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分を押圧して、半導体ウエハのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分とフレキシブル配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分とを接合する第2の接合工程とを有する構成なので、主押圧体により半導体ウエハとフレキシブル配線基板との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、封止材内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態であるボンディング装置の一例を示す概略平面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態であるボンディング装置10は、略矩形状の基台12の上に、ウエハ供給部36と、フレキシブル配線基板供給部44と、ボンディング部24と、ウエハ収容部28と、搬送機構34と、制御部(図示略)が設けられて概略構成されている。
【0028】
<フレキシブル配線基板供給部>
フレキシブル配線基板供給部44には、複数のフレキシブル配線基板67が収納されたトレイ46がセットされている。ここから、ボンディングツール22にフレキシブル配線基板67を順次供給することができる。
【0029】
<ウエハ供給部>
ウエハ供給部36には、リング状の治具42に貼り渡された粘着テープ上に貼着された半導体ウエハ40が複数セットされている。
【0030】
<ウエハ収容部>
ウエハ収容部28は、フレキシブル配線基板67とのボンディング工程を終えた半導体ウエハ40を順次収容する部分である。
【0031】
<搬送機構>
搬送機構34は、ウエハ供給部36とボンディング部24とウエハ収容部28との間で半導体ウエハ40を搬送する機構である。搬送機構34は、レール部材と、その長手方向に移動可能な搬送部とからなり、ウエハ供給部36で、リング状の治具42に載置した状態で半導体ウエハ40を搬送部に載せて、ボンディング部の搬送位置32に移動する。
【0032】
<ボンディング部>
ボンディング部24は、ボンディング工程を行う部分である。
ボンディング部24は、ステージ18と、ステージ18をXY方向に駆動する第一のXY駆動機構16と、ボンディングツール22を備えたボンディングアーム20と、ボンディングアーム20をXY方向に駆動する第二のXY駆動機構14と、から概略構成されている。なお、ボンディング部24には2つの吸着機構が備えられており、それぞれ、真空装置26に接続されている。
【0033】
<ボンディング工程>
搬送位置32は、搬送部からステージ18へ半導体ウエハ40の受け渡しを行う位置であり、ここでリング状の治具42に載置された状態で半導体ウエハ40がステージ18の上に載置される。
次に、第一のXY駆動機構16により、ステージ18上のリング状の治具42に載置された状態の半導体ウエハ40が搬送位置32から処理部30に動かされる。なお、処理位置30は、ボンディング処理を行う位置である。
【0034】
次に、フレキシブル配線基板供給部44のトレイ46上のフレキシブル配線基板67をボンディング機構24のボンディングツール22の先端に吸着した後、第二のXY駆動機構14を動かしてボンディングツール22を処理部30に移動する。
処理部30で半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67のボンディング処理を行った後、ステージ18を搬送位置32に戻す。
【0035】
その後、搬送位置32でリング状の治具42に載置された状態で半導体ウエハ40を搬送部に載せた後、搬送機構34により搬送位置32からウエハ収容部28へ半導体ウエハ40を移動して、収容する。
このようにして、ボンディング部24でボンディングされた半導体ウエハ40は、ウエハ収納部28に順次搬送される。
【0036】
図2は、図1に示すボンディング装置の側面図(一部断面図)である。
図2に示すように、ボンディング部24は、基台12上に、第一のXY駆動機構16に搭載されたステージ18と、第二のXY駆動機構14に搭載されたボンディングアーム20とが配置されて概略構成されている。
【0037】
<ボンディングツール>
ボンディングアーム20の一端側には、ボンディングツール22が備えられている。
ボンディングツール22は、第一のZ方向の駆動機構5、第二のZ方向の駆動機構52、第三のZ方向の駆動機構53と、第一の押圧体(主押圧体)61、第二の押圧体(補助押圧体)62、第三の押圧体(補助押圧体)63とから構成されている。
【0038】
<主押圧体>
図2に示すように、第一のZ方向の駆動機構51には、四角柱状の第一の押圧体(主押圧体)61が備えられている。
第一の押圧体61の一面には、真空装置26と接続された押圧面用吸着孔が設けられており、第一の押圧体(主押圧体)61の一面にフレキシブル配線基板67を吸着保持することができる構成とされている。これにより、フレキシブル配線基板67の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分67aを吸着して保持する。
また、第一の押圧体61は、第一のZ方向の駆動機構51により、上下方向に移動可能とされており、第一の押圧体61を下げることにより、対向側に配置された半導体ウエハ40に押圧することができる構成とされている。
主押圧体61は、第1の接合工程を行う押圧体である。
【0039】
<補助押圧体>
図2に示すように、四角柱状の第一の押圧体61を内筒として取り囲むように、外筒となる第二の押圧体(補助押圧体)62が備えられ、さらに、第二の押圧体62を内筒として取り囲むように、外筒となる第三の押圧体(補助押圧体)63が備えられている。
第二の押圧体62は、第二のZ方向の駆動機構52に取り付けられており、第一の押圧体61のZ方向の動きとは独立させて、Z方向の上下に動かすことができる構成とされている。
同様に、 第三の押圧体63は、第三のZ方向の駆動機構53に取り付けられており、第一の押圧体61のZ方向の動きとは独立させて、Z方向の上下に動かすことができる構成とされている。
これにより、フレキシブル配線基板67の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分67bを押圧できる構成とされている。
補助押圧体62、63は、第2の接合工程を行う押圧体である。
【0040】
なお、本実施形態では、補助押圧体の数を2つとしているが、補助押圧体の数をより増やしてもよい。これにより、3段回以上の多段階で押圧すことができ、より確実に、アンダーフィル材にボイドを発生させずに半導体ウエハと配線基板とをボンディングすることができる。
【0041】
<ステージ>
図2に示すように、ステージ18には、ウエハ供給部36から供給された半導体ウエハ40をリング状の治具42に載置された状態で載置している。
また、ステージ18はステージ面用吸着孔71が備えられている。ステージ面用吸着孔71は真空装置26に接続されており、真空装置26を作動させることにより、ステージ18の一面に半導体ウエハ40を吸着して保持できるように構成されている。
さらに、ステージ18は、加熱機構65が設けられており、ステージ18上に載置された半導体ウエハ40を、所定の温度に加熱できるように構成されている。
【0042】
<ボンディングツールの先端側の面(押圧面)>
図3は、図1に示すボンディングツール22の先端側の面(押圧面)22aを示す平面図である。
図3に示すように、第一の押圧体(主押圧体)61の押圧面22aは略矩形状とされている。この大きさおよび形状は、ボンディングを行うフレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部位)の大きさおよび形状に合わせて構成する。第一の押圧体61の押圧面22aには3つの押圧面用吸着孔70が設けられている。先に記載したように、押圧面用吸着孔70は真空装置26に接続されており、真空装置26を作動させることにより、押圧面22aに被処理物であるフレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部位)と反対側の面の前記接続パッドに対応する部分67aを吸着保持することができる。なお、フレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部位)は中心部に設けられている。
【0043】
図3に示すように、第一の押圧体61を取り囲むように第二の押圧体(補助押圧体)62が備えられ、さらに、第二の押圧体62を取り囲むように第三の押圧体(補助押圧体)63が備えられている。
このように、この押圧面22aは、押圧面22aの略中央領域に電気的接合部位が配置された半導体ウエハに適用するものであり、中心部の電気的接合部位からフレキシブル配線基板67の端部に向かって徐々に押圧するように補助押圧体62、63を構成している。
【0044】
<ボンディングツールの動作>
図4は、図1に示すボンディングツールの動作の一例を説明する側面図であって、図3のA−A’線における断面図である。
図4に示すように、ボンディングツール22の押圧動作は、3つの段階で行われる。まず、図4(a)に示すように、第一の押圧体61がZ方向に突出される。次に、図4(b)に示すように、第二の押圧体62がZ方向に突出される。最後に、図4(c)に示すように、第三の押圧体63がZ方向に突出される。
このような動作を行うことにより、まず、第一の押圧体(主押圧体)61に吸着保持されたフレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部)を集中的に押圧して、半導体ウエハのバンプ電極(電気的接合部)とフレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部)との間の良好な電気的な接合を確保することができる。
また、第一の押圧体(主押圧体)61に吸着保持されたフレキシブル配線基板67を接続パッド(電気的接合部)から外側に向かって段階的に押圧することができるので、半導体ウエハとフレキシブル配線基板との間に配したアンダーフィル材にボイドを発生させずに半導体ウエハとフレキシブル配線基板とをボンディングすることができる。
【0045】
なお、図4に示すように、第一の押圧体61には、押圧面用吸着孔70が設けられており、矢印qの方向に真空排気することにより、第一の押圧体(主押圧体)61の押圧面にフレキシブル配線基板67を接続パッド(電気的接合部位)の反対側の面の前記接続パッドに対応する部分を吸着保持する。
【0046】
また、第一の押圧体61は、加熱機構66が設けられており、吸着保持したフレキシブル配線基板67の電気的接合部を所定の温度に加熱し、熱圧着できるように構成されている。
なお、第一の押圧体61には、加熱機構66の代わりに、あるいは加熱機構66とともに超音波発生手段を設けることにより、超音波熱圧着するように構成しても良い。
【0047】
<半導体装置>
図5は、本発明の実施形態であるボンディング装置および方法を用いて製造する半導体装置の一例を示す平面図であり、図6は断面図である。
図5に示すように、半導体装置80は、正方形状の半導体チップ81と、半導体チップ81より小さい長方形状のフレキシブル配線基板67とから概略構成されている。フレキシブル配線基板67は、アンダーフィル材(封止材)82を介して、半導体チップ81のほぼ中央部に配置されている。
【0048】
フレキシブル配線基板67の一面には、複数の円形状の半田ボール(外部電極)84と、略中心部に複数の端子が1列に形成された接続端子部と、前記接続端子部と半田ボール(外部電極)84とを結ぶ配線86とが形成されている。
前記接続端子部は、フレキシブル配線基板67のアンダーフィル材82側の面の接続パッドと接続されている。そして、フレキシブル配線基板67のアンダーフィル材82側の面には、中心部位に接続パッドを取り囲む略矩形状の電気的接合部位88が設けられている。
【0049】
なお、半導体チップ81の一面には所定の回路(図示略)が形成されている。図6に示すように、所定の回路を覆うようにパッシベーション膜(絶縁膜)98が形成されており、パッシベーション膜98の開口された部分から電極パッド(電気的接合部位)90が露出されている。
電極パッド90の上にはバンプ電極92が突出するように形成されており、電極パッド90とバンプ電極92が半導体チップ81の半導体チップ81の電気的接合部位とされる。このバンプ電極(電気的接合部位)92は、フレキシブル配線基板67の接続パッド94(電気的接合部位)と接続されている。
【0050】
半導体チップ81とフレキシブル配線基板67は、アンダーフィル材(封止材)82を介して接着されている。
フレキシブル配線基板67の一面には、半導体チップ81の電極パッド90とバンプ電極(電気的接合部位)92と接続された接続パッド(電気的接合部位)94が形成されている。接続パッド(電気的接合部位)94はビア95を介してフレキシブル配線基板67の他面側に格子状に配置された複数のランド96に接続されている。
さらに、各ランド96の上には、半田ボール84が搭載され、外部電極とされている。
【0051】
<半導体装置の製造フロー>
図7は、半導体装置の製造フローの一例を示す断面工程図であって、図7(c)において本発明の実施形態であるボンディング方法とボンディング装置を用いている。
半導体ウエハ40としては、例えば、単結晶引き上げ方等により形成されたシリコンのインゴットをスライスして得られる円盤状の基板の一面に拡散等の工程を通じて、所望の回路及び電極パッドを形成したものを用いる。
【0052】
まず、枠状の治具(図示略)上に耐熱性粘着テープ102を貼り渡す。この上に、図7(a)に示すように、半導体ウエハ40を貼着固定する。
なお、半導体ウエハ40の一面には所定の回路(図示略)が形成されている。さらに、所定の回路(図示略)を覆うように形成されたパッシベーション膜98の一部は開口されて、電極パッド90が露出されるとともに、電極パッド90上に、Auなどからなるバンプ電極92が搭載されている。半導体ウエハ40はダイシングラインでダイシングされて複数の半導体チップ81に分割される構成とされている。
バンプ電極92は、電極パッド90上に、溶融され先端にボールが形成されたワイヤを超音波熱圧着し、該ワイヤを引きちぎることで形成することができる。また、バンプ電極92は、メッキなどで形成することもできる。
【0053】
<アンダーフィル材の形成工程>
次に、図7(b)に示すように、半導体ウエハ40のバンプ電極92形成領域を開口部とするマスク104を半導体ウエハ40の上に配置する。その後、スキージ106を用いてアンダーフィル材(封止材)82をマスク104の開口部に流し込むことで、半導体ウエハ40のバンプ電極92形成領域にアンダーフィル材82を選択的に形成することができる。
なお、アンダーフィル材82は、スピンナー塗布により形成しても良い。スピンナー塗布を用いることにより、より効率的に、かつ均一な厚さでアンダーフィル材82を形成することができる。
【0054】
<ボンディング工程>
次に、図1に記載のボンディング装置10を用いて、半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67のボンディングを行う。図7(c)は、このボンディング工程によって、ボンディングを完了した状態を示す断面工程図である。
図1に示したボンディング装置10のウエハ供給部36に、アンダーフィル材82の塗布した半導体ウエハ40を配置する。図1で説明したように、この半導体ウエハ40は、搬送機構34によりステージ18上に供給される。半導体ウエハ40がステージ18上に搭載されると、真空装置26を作動させ、真空吸引して、半導体ウエハ40をステージ18上に保持固定する。さらに、半導体ウエハ40を加熱機構65により所定の温度まで加熱する。その後、半導体ウエハ40を保持固定したステージ18を、第一のXY駆動機構16により搬送位置32から処理位置30に移動する。
【0055】
また、フレキシブル配線基板供給部44には、予め複数の個片化されたフレキシブル配線基板67が収納されたトレイ46を配置されている。第二のXY駆動機構14によりボンディングツール22を動かして、トレイ46上で、ボンディングツール22の第一の押圧体61の先端にフレキシブル配線基板67を吸着保持する。さらに、フレキシブル配線基板67を吸着保持したボンディングツール22を、第二のXY駆動機構14により、処理部30のステージ18の上方に移動する。
これ以後のボンディング工程は、主押圧体61による第1の接合工程と補助押圧体62、63による第2の接合工程とを有しており、図8〜12を用いて詳細に説明する。
【0056】
図8に示すように、矢印qの方向に真空吸引してボンディングツール22の先端に接続パッド94の反対側の面の前記接続パッドに対応する部分67aの少なくとも一部が吸着保持されたフレキシブル配線基板67が、ステージ18上の半導体ウエハ40の任意の半導体チップ81上に配置される。なお、接続パッド94の反対側の面の前記接続パッドに対応する部分67aを全部分と吸着しても良い。
このとき、半導体ウエハ40の電極パッド90およびその上に形成されたバンプ電極(電気的接続部)92と、フレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接続部)94とが対向する位置となるように、フレキシブル配線基板67を位置決めする。
なお、ボンディングツール22の第一の押圧体61を加熱機構66により加熱して、フレキシブル配線基板67を所定温度に加熱しておく。このフレキシブル配線基板67の加熱をフレキシブル配線基板67の搬送途中ですることにより、ボンディング工程を時間短縮して効率化することができる。
【0057】
<第1の接合工程>
次に、図9に示すように、第一のZ方向の駆動機構51により、フレキシブル配線基板67を吸着保持した第一の押圧体61をステージ18側に下降させ、半導体ウエハ40のバンプ電極92とフレキシブル配線基板67の接続パッド94とを、アンダーフィル材82を押しつぶしながら接合する。このとき、半導体ウエハ40およびフレキシブル配線基板67はそれぞれ加熱されているので、良好に電気的接続部同士を熱圧着することができる。このように電気的接合部を集中的に押圧することにより電気的接合を良好に確保することができる。
なお、図9に示すように、半導体チップ81のバンプ電極92とフレキシブル配線基板67の接続パッド94の間(電気的接続部同士の間)のアンダーフィル材82が外側に押し出されて、フレキシブル配線基板67の外側は反り返る。また、同時に、電気的接続部同士の間のアンダーフィル材82の内部に形成されたボイドは、接続パッド94を取り囲む領域に押し出される。
【0058】
<第2の接合工程>
次に、図10に示すように、第二のZ方向の駆動機構52により、第一の押圧体61を取り囲むように形成された第二の押圧体(補助押圧体)62をステージ18側に下降させ、フレキシブル配線基板67の接続パッド94の反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分67bのうち、フレキシブル配線基板67の接続パッド94を取り囲む部分を押圧して、アンダーフィル材82をより外側に押し出しながら、半導体ウエハ40のバンプ電極92を取り囲む部分とフレキシブル配線基板67の接続パッド94を取り囲む部分とを接合する。
これにより、フレキシブル配線基板67の接続パッド94を取り囲む部分のアンダーフィル材82の内部に形成されたボイドは、さらにその部分を取り囲む外側の領域に押し出される。
【0059】
次に、図11に示すように、第三のZ方向の駆動機構53により、第二の押圧体62を取り囲むように形成された第三の押圧体(補助押圧体)63をステージ18側に下降させ、フレキシブル配線基板67の接続パッド94の反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分67bのうち、フレキシブル配線基板67の残りの部分を押圧して、アンダーフィル材82を更に外側に押し出しながら、半導体チップ81とフレキシブル配線基板67とを接合する。
これにより、フレキシブル配線基板67の残りの部分のアンダーフィル材82の内部に形成されたボイドが、半導体チップ81とフレキシブル配線基板67との間から完全に外側の領域に押し出される。このようにして、半導体チップ81とフレキシブル配線基板67との間のボイドを少なくすることができる。
【0060】
このように補助押圧体62、63によって、フレキシブル配線基板67の接続パッドの反対側の面の接続パッドに対応する部分以外の部分を、主押圧体61に近い補助押圧体62から順番に押圧して、電気的接合部から端部に向かって徐々に押圧することにより、半導体ウエハ40のバンプ電極側の面のバンプ電極以外の部分とフレキシブル配線基板67の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分とをボイドを押し出すように接合することができ、半導体チップ81とフレキシブル配線基板67との間のボイドを少なくすることができる。これにより、ボイドによる不良発生を低減することができる。
【0061】
また、フレキシブル配線基板67と半導体ウエハ40の間を良好にアンダーフィル材82で覆い、フレキシブル配線基板67を撓むことなく接着固定することにより、電気的接合部の良好に保護することができる。
【0062】
なお、このボンディング工程では、あらかじめウエハバーンイン等の検査を行い、その結果に基づき、半導体ウエハ40上の良品と判定された半導体チップ81のみにフレキシブル配線基板67を搭載するようにしてもよい。
このようにして不良判定された半導体チップ81にフレキシブル配線基板67を搭載しないことにより、無駄なフレキシブル配線基板67の搭載をせずにすみ生産コストを低減することができるほか、半導体装置の生産効率自体を向上させることができる。
【0063】
最後に、図12に示すように、第一の押圧体(主押圧体)61による真空吸引を止め、ボンディングツール22を引き上げることにより、フレキシブル配線基板67がボンディングされた半導体チップ81がステージ上に残される。
このようにして、半導体ウエハ40上の全ての半導体チップ81へフレキシブル配線基板67を搭載する。
ボンディング処理が完了した半導体ウエハ40は、搬送機構34により半導体ウエハ40がウエハ収容部28に搬送され、そこからボールマウント工程に移行される。
【0064】
<ボールマウント工程>
次に、図7(d)に示すように、フレキシブル配線基板67上のランドの配置に合わせて複数の吸着孔が形成されたマウントツール60を用いて、半田などからなる金属ボールを前記吸着孔に吸着保持させた後、前記金属ボールにフラックスを転写形成し、これを半導体ウエハ40にボンディングされたフレキシブル配線基板67上のランドに一括搭載する。
前記金属ボールを240℃程度の温度でリフローすることで、半田ボール(外部端子)84とすることができる。次に、半田ボール(外部端子)84を形成した半導体ウエハ40は、基板ダイシング工程に移行される。
【0065】
<基板ダイシング工程>
図7(e)に示すように、基板ダイシング工程では、ダイシング装置(図示略)のダイシングテープル上に半田ボール(外部端子)84を形成した半導体ウエハ40を載置する。次に、高速回転させたダイシングブレード(ダイサー)108により半導体ウエハ40を複数の半導体チップ81に区画するダイシングライン100で回転研削することで、半導体ウエハ40を複数の半導体チップ81に切断分離する。
【0066】
なお、フレキシブル配線基板67のサイズは半導体チップ81のサイズより小さいので、基板ダイシング時にダイシングブレード(ダイサー)108がフレキシブル配線基板67に接触することがない。そのため、ダイシングブレード(ダイサー)108の接触によるフレキシブル配線基板67の捲れが発生することがない。また、フレキシブル配線基板67へのダイシングブレード(ダイサー)108の接触による振動などによるフレキシブル配線基板67と半導体チップ81との電気的接合部へ負荷を与えることがない。
【0067】
最後に、図7(f)に示すように、耐熱性粘着テープ102の下方からピックアップ装置(図示略)の突き上げ手段112により、切断分離された半導体チップ81を突き上げて耐熱性粘着テープ102から剥離させ、フレキシブル配線基板67の搭載された半導体チップ81をコレット110によりピックアップする。これにより、図5および図6に示すようなリアルチップサイズの半導体装置80を得ることができる。
なお、紫外線照射により粘着力が低下する耐熱性粘着テープ102を用いることにより、ダイシングした半導体チップに紫外線を照射して耐熱性粘着テープ102の粘着力を低下させた後に、フレキシブル配線基板67の搭載された半導体チップ81をコレット110によりピックアップするようにしてもよい。
【0068】
(実施形態2)
図13は、本発明の実施形態であるボンディング装置の別の一例を示す側面図である。
図13に示すように、本発明の実施形態であるボンディング装置は、ボンディングツール23の構成が異なる他は、実施形態1と同様の構成とされている。なお、実施形態1と同じ部材については同じ符号つけている。
ボンディングツール23は、主押圧体61と、主押圧体61の先端側に設けられたバルーン部59からなる第二の押圧体(補助押圧体)62とから概略構成されている。
【0069】
<主押圧体>
主押圧体61は、ボンディングアーム20の先端に、第一のZ方向の駆動機構51を介して、取り付けられている。第一の押圧体(主押圧体)61の先端は先が細くなるように形成されており、先端には平坦な押圧面23aが形成されるとともに、押圧面23aを取り囲むように傾斜面62aが形成されている。押圧面23aには、真空装置26と接続された押圧面用吸着孔70が設けられており、第一の押圧体61の押圧面23aにフレキシブル配線基板67の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分67aを吸着保持することができる構成とされている。これにより、対向側に配置された半導体ウエハ40に押圧することができる構成とされている。
主押圧体61は、第1の接合工程を行う押圧体である。
【0070】
<補助押圧体>
第一の押圧体61の押圧面23aを取り囲むように形成された傾斜面62aには、バルーン部59からなる第二の押圧体(補助押圧体)62が備えられている。
バルーン部59からなる第二の押圧体(補助押圧体)62は、気体或いは液体供給孔115を介して気体或いは液体供給装置114に接続されている。気体或いは液体供給装置114から、気体或いは液体をバルーン部59からなる第二の押圧体62に供給することができ、バルーン部59からなる第二の押圧体62は、気体或いは液体が供給されることにより膨張することができる構成とされている。
主押圧体の押圧の後、バルーン部59からなる第二の押圧体62を膨張させることにより、フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分67bを押圧すことができ、アンダーフィル材にボイドを発生させずに半導体ウエハとフレキシブル配線基板とをボンディングすることができる。
補助押圧体62、63は、第2の接合工程を行う押圧体である。
【0071】
図14は、本発明の実施形態であるボンディング装置の第一の押圧体の先端を示す図であって、図13に示すボンディングツール23の先端側の面(押圧面)23aを示す平面図である。
図13に示すように、第一の押圧体(主押圧体)61の一面は略矩形状とされている。第一の押圧体(主押圧体)61の押圧面には3つの押圧面用吸着孔70が設けられている。先に記載したように、押圧面用吸着孔70は真空装置26に接続されており、真空装置26を作動させることにより、被処理物であるフレキシブル配線基板67の電気的接合部位を吸着保持することができる。
第一の押圧体(主押圧体)61を取り囲むように、略台形状の第二の押圧体(補助押圧体)62が4つ備えられている。
【0072】
図15は、本発明の実施形態であるボンディング装置のボンディングツール23の動作の一例を示す断面図であって、図14のB−B’線における断面図である。
第一の押圧体(主押圧体)61の先端には平坦な押圧面23aが形成されており、押圧面23aを取り囲む領域は傾斜部62aとされており、傾斜部62aには開口部(図示略)が形成されている。前記開口部には膨張可能な膜が設けられて、バルーン部59からなる第二の押圧体(補助押圧体)62とされている。前記開口部はまた、気体或いは液体供給孔115と連通されており、気体或いは液体供給装置114につなげられている。
バルーン部59からなる第二の押圧体(補助押圧体)62に気体或いは液体供給装置114から気体或いは液体を供給することで、バルーン部59からなる第二の押圧体(補助押圧体)62を膨張させることができ、略中央部の電気的接合部位からフレキシブル配線基板67の端部に向かって徐々に押圧できる構成とされている。
【0073】
図15に示すように、ボンディングツール23の押圧動作は、3つの段階で行われる。
まず、図15(a)に示すように、第一の押圧体(主押圧体)61がZ方向に突出される。次に、図15(b)に示すように、バルーン部59からなる第二の押圧体(補助押圧体)62に気体或いは液体が供給されて、バルーン部59からなる第二の押圧体62が膨張される。さらに、図15(c)に示すように、バルーン部59からなる第二の押圧体62により多くの気体或いは液体が供給されて、バルーン部59からなる第二の押圧体62が更に大きく膨張される。
【0074】
このような動作を行うことにより、まず、第1の接合工程において、第一の押圧体(主押圧体)61に吸着保持されたフレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部)を集中的に押圧して、半導体ウエハのバンプ電極(電気的接合部)とフレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部)との間の良好な電気的な接合を確保することができる。
また、第2の接合工程において、第一の押圧体61に吸着保持されたフレキシブル配線基板67を電気的接合部から外側に向かって段階的に押圧することができるので、アンダーフィル材にボイドを発生させずに半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67とをボンディングすることができる。
【0075】
<ボンディング工程>
ボンディングツール23によるボンディング工程について、図16〜19を用いて詳細に説明する。図16〜19は、本発明の実施形態であるボンディング方法の別の一例を示す断面工程図である。
図16に示すように、矢印qの方向に真空吸引してボンディングツール23の先端に吸着保持されたフレキシブル配線基板67を、第二のXY駆動機構14によりボンディングツール23を動かすことにより、ステージ18上の半導体ウエハ40の任意の半導体チップ81上に配置する。このとき、半導体チップ81の電極パッド90およびその上に形成されたバンプ電極(電気的接続部)92と、フレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接続部)94とが対向する位置となるようにフレキシブル配線基板67を位置決めする。
ボンディングツール22の第一の押圧体61も加熱機構66により加熱して、フレキシブル配線基板67を所定温度に加熱する。第一の押圧体61に加熱機構66を設けることにより、フレキシブル配線基板67の搬送途中でフレキシブル配線基板67を加熱することができ、ボンディング工程を効率化することができる。
【0076】
<第1の接合工程>
次に、図17に示すように、第一のZ方向の駆動機構51により、フレキシブル配線基板67を吸着保持した第一の押圧体61をステージ18側に下降させ、半導体ウエハ40のバンプ電極92とフレキシブル配線基板67の接続パッド94とを、アンダーフィル材82を押しつぶしながら接合する。
このとき、半導体チップ81およびフレキシブル配線基板67はそれぞれ加熱されているので、熱圧着にて接合することができる。また、アンダーフィル材82の抵抗を受けて、フレキシブル配線基板67の外側は反り返る。また、このとき、半導体ウエハ40のバンプ電極92とフレキシブル配線基板67の接続パッド94の間のアンダーフィル材82の内部に形成されたボイドは、接続パッド94を取り囲む領域に押し出される。
【0077】
<第2の接合工程>
次に、図18に示すように、気体或いは液体供給装置114から気体或いは液体供給孔115を介して、バルーン部59からなる第二の押圧体62に気体或いは液体を供給して、バルーン部59からなる第二の押圧体62を膨張させる。バルーン部59からなる第二の押圧体62は等方的に膨張するので、第一の押圧体61に近い位置から徐々にフレキシブル配線基板67を半導体ウエハ40に押し付ける。これにより、アンダーフィル材82が外側に押し出されるように、半導体ウエハ40のバンプ電極92を取り囲む部分とフレキシブル配線基板67の接続パッド94を取り囲む部分とを接合することができる。
そのため、フレキシブル配線基板67の接続パッド94を取り囲む部分のアンダーフィル材82の内部に形成されたボイドを、さらにその部分を取り囲む外側の領域に押し出すことができる。
【0078】
次に、図19に示すように、気体或いは液体供給装置114から気体或いは液体供給孔115を介して、バルーン部59からなる第二の押圧体62に更に多くの気体或いは液体を供給して、バルーン部59からなる第二の押圧体62を更に大きく膨張させる。バルーン部59からなる第二の押圧体62が最大限膨張することにより、フレキシブル配線基板67の残りの部分はすべて半導体ウエハ40に押し付けられる。
このとき膨張の程度に応じて内側から外側へと、アンダーフィル材82を押し出しながら、半導体ウエハ40のバンプ電極92を取り囲む部分とフレキシブル配線基板67の接続パッド94を取り囲む部分とを接合する。
そのため、フレキシブル配線基板67の残りの部分のアンダーフィル材82の内部に形成されたボイドが、半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との間から外側の領域に押し出される。このようにして、半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との間のボイドを少なくすることができる。
【0079】
(実施形態3)
図20は、ボンディングツールの先端側の面(押圧面)の別の一例を示す平面図である。これは、フレキシブル配線基板67の一端部から他端部に向かって徐々に押圧するボンディングツールに用いるものである。
第一の押圧体(主押圧体)61が、ボンディングツールの先端側の面(押圧面)25aの一端部に配置され、それに応じて、一端部を除いて第一の押圧体61を取り囲むように第二の押圧体(補助押圧体)62が配置され、さらに第二の押圧体62を取り囲むように第三の押圧体(補助押圧体)63が配置されている。
【0080】
図20に示すように、第一の押圧体61の先端側の押圧面25aは略矩形状とされている。この大きさおよび形状は、ボンディングを行うフレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部位)の大きさおよび形状に合わせて構成する。
第一の押圧体61の押圧面25aには3つの押圧面用吸着孔70が設けられている。先に記載したように、押圧面用吸着孔70は真空装置26に接続されており、真空装置26を作動させることにより、押圧面25aに被処理物であるフレキシブル配線基板67の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分67aを吸着保持することができる。なお、フレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部位)は一端部に設けられている。
【0081】
図21は、図20に示すボンディングツールの動作の一例を説明する側面図であって、図20のC−C’線における断面図である。
図21に示すように、ボンディングは、3つの段階で行われる。
まず、図21(a)に示すように、第1の接合工程において、第一の押圧体61がZ方向に突出される。次に、第2の接合工程において、図21(b)に示すように、第二の押圧体62がZ方向に突出される。最後に、図21(c)に示すように、第三の押圧体63がZ方向に突出される。これにより、第一の押圧体61に吸着保持されたフレキシブル配線基板67を電気的接合部が形成された一端部から他端部側に向かって段階的に押圧することができる。これにより、アンダーフィル材にボイド(微小な空洞)を発生させずに半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67とをボンディングすることができる。
【0082】
以上、本発明者によってなされた発明を、実施形態1〜3に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0083】
また、本実施形態ではフレキシブル配線基板67を半導体チップ81にボンディングする場合について説明したが、たとえば、100μm以下に薄型化された半導体チップ(フレキシブル半導体チップ)を予めアンダーフィル材等の塗布された配線基板にボンディングする場合にも適用してもよい。
【0084】
本発明の実施形態であるボンディング装置10は、半導体ウエハ40をそのバンプ電極92を上側にして配置するステージ18と、フレキシブル配線基板67の接続パッド94の反対側の面の接続パッド94に対応する部分を吸着して保持する吸着機構が備えられたボンディングツール22と、ボンディングツール22の先端に備えられた少なくとも2以上の押圧体61、62、63と、押圧体61、62、63を上下方向に駆動する押圧手段51、52、53とが備えられ、半導体ウエハ40にアンダーフィル材(封止材)82を介してフレキシブル配線基板67をボンディングするボンディング装置であって、2以上の押圧体61、62、63が、フレキシブル配線基板67の接続パッド94の反対側の面の接続パッド94に対応する部分67aの少なくとも一部を吸着して保持した状態で、フレキシブル配線基板67を半導体ウエハ40に押圧して、半導体ウエハ40のバンプ電極92とフレキシブル配線基板67の接続パッド94とを接合する主押圧体61と、主押圧体61の押圧の後に、フレキシブル配線基板67の接続パッド94の反対側の面の接続パッド94に対応する部分以外の部分67bを押圧して、半導体ウエハ40のバンプ電極側の面のバンプ電極以外の部分とフレキシブル配線基板67の接続パッド側の面の接続パッド以外の部分とを接合する補助押圧体62、63とからなる構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、補助押圧体62、63により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0085】
本発明の実施形態であるボンディング装置10は、配線基板をその接続パッドを上側にして配置するステージ18と、フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分を吸着して保持する吸着機構が備えられたボンディングツール22と、ボンディングツール22の先端に備えられた少なくとも2以上の押圧体61、62、63と、押圧体61、62、63を上下方向に駆動する押圧手段51、52、53と、が備えられ、前記配線基板にアンダーフィル材(封止材)82を介して前記フレキシブル半導体チップをボンディングするボンディング装置であって、前記2以上の押圧体が、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル半導体チップを前記配線基板に押圧して、前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極と、を接合する主押圧体61と、主押圧体61の押圧の後に、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分以外の部分を押圧して、前記配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分とを接合する補助押圧体62、63とからなる構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0086】
本発明の実施形態であるボンディング装置10は、補助押圧体62、63が2以上の押圧体からなり、主押圧体61に近い補助押圧体62から順番に押圧を行う構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0087】
本発明の実施形態であるボンディング装置10は、補助押圧体62が、気体或いは液体が供給されることにより膨張するバルーン部59で構成されている構成なので、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0088】
本発明の実施形態であるボンディング装置10は、主押圧体61に、加熱機構66または超音波印加機構のいずれかが備えられている構成なので、半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができる。
【0089】
本発明の実施形態であるボンディング装置10は、吸着機構が、主押圧体61の一面に設けられた押圧面用吸着孔70に接続された真空装置26を作動させることにより、主押圧体61の一面にフレキシブル配線基板67または前記フレキシブル半導体チップを吸着して保持する機構である構成なので、主押圧体61にフレキシブル配線基板67または前記フレキシブル半導体チップを良好に吸着保持して、押圧動作を行わせることができる。
【0090】
本発明の実施形態であるボンディング装置10は、ステージ18の一面に備えられた別の吸着機構が、ステージ18の一面に設けられたステージ面用吸着孔71と接続された真空装置26を作動させることにより、ステージ18の一面に半導体ウエハ40または前記配線基板を吸着して保持する機構である構成なので、ステージ18に半導体ウエハ40または前記配線基板を良好に吸着保持して、押圧動作を行わせることができる。
【0091】
本発明の実施形態であるボンディング方法は、半導体ウエハ40にアンダーフィル材(封止材)82を介してフレキシブル配線基板67をボンディングするボンディング方法であって、フレキシブル配線基板67の接続パッド94の反対側の面の前記接続パッドに対応する部分67aの少なくとも一部を吸着して保持した状態で、フレキシブル配線基板67を半導体ウエハ40に押圧して、半導体ウエハ40のバンプ電極92とフレキシブル配線基板67の接続パッド94とを接合する第1の接合工程と、前記第1の接合工程後、フレキシブル配線基板67の接続パッド94の反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分67bを押圧して、半導体ウエハ40のバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分とフレキシブル配線基板67の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分とを接合する第2の接合工程とを有する構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0092】
本発明の実施形態であるボンディング方法は、配線基板にアンダーフィル材(封止材)を介してフレキシブル半導体チップをボンディングするボンディング方法であって、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル半導体チップを前記配線基板に押圧して、前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップの前記バンプ電極とを接合する第1の接合工程と、前記第1の接合工程後、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分以外の部分を押圧して、前記配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分とを接合する第2の接合工程とを有する構成なので、主押圧体61により前記配線基板と前記フレキシブル半導体チップとの電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0093】
本発明の実施形態であるボンディング方法は、第2の接合工程が2以上の押圧からなり、前記接続パッドと電極パッドとの接合位置から端部に向かって順番に押圧を行う構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0094】
本発明の実施形態であるボンディング方法は、第2の接合工程が、気体或いは液体を供給することによりバルーン部59を膨張させて押圧を行う構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0095】
本発明の実施形態であるボンディング方法は、第1の接合工程は、半導体ウエハ40のバンプ電極92とフレキシブル配線基板67の接続パッド94とを接合する際、または前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極とを接合する際に、フレキシブル配線基板67または前記フレキシブル半導体チップの加熱または超音波印加を行う構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0096】
本発明の実施形態であるボンディング方法は、第1の接合工程前に、半導体ウエハ40のバンプ電極92およびその近傍のみを覆うように、または前記配線基板の接続パッドおよびその近傍のみを覆うように、アンダーフィル材82を配置する構成なので、最適な量のアンダーフィル材(封止材)82を用いて、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することにより、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0097】
本発明の実施形態であるボンディング方法は、第1の接合工程が、フレキシブル配線基板67または前記フレキシブル半導体チップの一面の中心部を押圧した後、第2の接合工程が、フレキシブル配線基板67または前記フレキシブル半導体チップの一面の残りの部分を前記中心部から端部に向かって押圧する構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0098】
本発明の実施形態であるボンディング方法は、第1の接合工程が、フレキシブル配線基板67または前記フレキシブル半導体チップの一面の一端部を押圧した後、第2の接合工程が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の残りの部分を前記一端部から他端部に向かって押圧する構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により一端側の電気的接合部位から他端側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、半導体チップとフレキシブル配線基板のボンディング装置およびボンディング方法に関するものであって、半導体装置を製造・利用する産業において利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明のボンディング装置を示す平面図である。
【図2】本発明のボンディング装置を示す側面図である。
【図3】本発明のボンディングツールの先端面を示す平面図である。
【図4】本発明のボンディングツールの動作を示す工程断面図である。
【図5】本発明のボンディング装置で用いる半導体装置を示す平面図である。
【図6】本発明のボンディング装置で用いる半導体装置を示す断面図である。
【図7】本発明の半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図8】本発明のボンディング方法を示す工程断面図である。
【図9】本発明のボンディング方法を示す工程断面図である。
【図10】本発明のボンディング方法を示す工程断面図である。
【図11】本発明のボンディング方法を示す工程断面図である。
【図12】本発明のボンディング方法を示す工程断面図である。
【図13】本発明のボンディング装置を示す側面図である。
【図14】本発明のボンディングツールの先端面を示す平面図である。
【図15】本発明のボンディングツールの動作を示す工程断面図である。
【図16】本発明の半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図17】本発明の半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図18】本発明の半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図19】本発明の半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図20】本発明のボンディングツールの先端面を示す平面図である。
【図21】本発明のボンディングツールの動作を示す工程断面図である。す断面図である。
【符号の説明】
【0101】
10…ボンディング装置、12…基台、14…第二のXY駆動機構、16…第一のXY駆動機構、18…ステージ、20…ボンディングアーム、22…ボンディングツール、22a…ボンディングツールの先端面(押圧面)、23…ボンディングツール、25a…ボンディングツールの先端面(押圧面)、24…ボンディング部、25a…ボンディングツールの先端面(押圧面)、26…真空装置、28…ウエハ収納部、30…処理部、32…搬送装置、34…搬送機構、36…ウエハ供給部、40…半導体ウエハ、42…治具、44…配線基板供給部、46…トレイ、51…第一のZ駆動手段、52…第二のZ駆動手段、53…第三のZ駆動手段、59…バルーン部、61…第一の押圧体(主押圧体)、62…第二の押圧体(補助押圧体)、62a…傾斜面、63…第三の押圧体(補助押圧体)、65…加熱機構、67…フレキシブル配線基板、67a…フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分、67b…フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分、70…押圧面用吸着孔、71…ステージ面用吸着孔、80…半導体装置、81…半導体チップ、82…アンダーフィル材(封止材)、84…半田ボール(外部端子)、86…配線、88…電気的接合部位、90…電極パッド、92…バンプ、94…接続パッド、95…ビア、96…ランド、98…パッシベーション膜(絶縁膜)、100…ダイシングライン、102…耐熱性粘着テープ、104…マスク、106…スキージ、108…ダイシングブレード(ダイサー)、110…コレット、112…突き上げ手段、114…気体或いは液体供給装置、115…気体或いは液体供給孔。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボンディング装置およびボンディング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置の製造工程において、半導体チップとフレキシブル配線基板とを接続する方法としてはフリップチップ接続技術があり、それに用いる装置としてはフリップチップボンディング装置があった。
前記フリップチップ接続技術は、バンプ電極が形成された半導体チップをフレキシブル配線基板上に搭載する技術である。また、前記フリップチップボンディング装置は、例えば、フレキシブル配線基板を載置して吸着保持するステージと、バンプ電極の形成された半導体チップの裏面を吸着して前記フレキシブル配線基板に前記半導体チップを圧着するためのボンディングツールと、前記ボンディングツールの上下方向に駆動する押圧手段と、前記ボンディングツールに超音波を印加する超音波発生手段と、それらを制御する制御手段と、などから構成される(例えば、特許文献1)。
【0003】
なお、2枚の薄型の被処理部材を接着する方法としては他に、特許文献2〜4に開示された技術がある。特許文献2は、ウェーハ支持方法及びウェーハ支持装置に関するものであり、ウェーハに粘着テープを貼着してリングフレームと一体化させて支持する場合には、ウェーハと粘着テープとの間に気泡が入り込まないように、粘着テープを貼る方法が開示されている。また、特許文献3は、マウントヘッド及びボンディング装置に関するものであり、プリント基板に対して電子部品を垂直に配置することができるマウントヘッドが開示されている。さらにまた、特許文献4は、ウェーハ減圧接着装置に関するものであり、キャリアプレートに複数枚のウェーハを一括して、ダメージを低減させて接着させることができる装置が開示されている。
【0004】
近年、複数の半導体チップが区画された半導体ウエハの上に、接着材を介して、複数のフレキシブル配線基板をフリップチップ接続した後、前記半導体ウエハを個々の半導体チップ毎に切断分離することで、リアルチップサイズの半導体装置を得る技術が検討されている。この半導体装置の製造方法は、特に、小型化された半導体装置を製造する際に、一度に複数の半導体装置を得ることができるので、有益な方法である。
【0005】
しかし、従来は、通常のフリップチップボンディング装置を用いて、半導体チップとフレキシブル配線基板とを接続していた。つまり、ボンディングツールでフレキシブル配線基板を保持し、接着材の塗布された半導体チップ上に前記フレキシブル配線基板を押圧して、前記フレキシブル配線基板と前記半導体ウエハとをボンディングして、フリップチップ接続していた。
【0006】
この場合、押圧する被処理物がフレキシブルなフレキシブル配線基板であるため、接着材の塗布された半導体チップ上にボンディングする際、前記半導体チップと前記フレキシブル配線基板との間の接着材にボイド(微小な空洞)が発生してしまう場合があった。
このようなボイドは、リフローなどの際に半導体装置の温度を上昇させると膨張して、前記半導体チップと前記フレキシブル配線基板との間の接着材にクラックを発生させてフリップチップ接続を弱めて、半導体装置の信頼性を低下させる場合があった。
【0007】
さらにまた、近年は更なる半導体装置の小型・薄型化のため、半導体チップの裏面もバックグラインドするようになった。このようにバックグラインドにより薄型化された半導体チップを用いることによっても、前記半導体チップと前記フレキシブル配線基板との間の接着材にボイドを発生させる場合があった。この場合も、リフローなどの際に半導体装置の温度を上昇させると膨張して、前記半導体チップと前記フレキシブル配線基板との間の接着材にクラックを発生させてフリップチップ接続を弱めて、半導体装置の信頼性を低下させる場合があった。
【特許文献1】特開2001−127077号公報
【特許文献2】特開2007−281343号公報
【特許文献3】特開2001−127077号公報
【特許文献4】特開2001−127077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、封止材にボイドを発生させずに半導体チップと配線基板とをフリップチップ接続するボンディング装置およびボンディング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のボンディング装置は、半導体ウエハをそのバンプ電極を上側にして配置するステージと、フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分を吸着して保持する吸着機構が備えられたボンディングツールと、前記ボンディングツールの先端に備えられた少なくとも2以上の押圧体と、前記押圧体を上下方向に駆動する押圧手段と、が備えられ、前記半導体ウエハに封止材を介して前記フレキシブル配線基板をボンディングするボンディング装置であって、前記2以上の押圧体が、前記フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル配線基板を前記半導体ウエハに押圧して、前記半導体ウエハのバンプ電極と前記フレキシブル配線基板の接続パッドと、を接合する主押圧体と、前記主押圧体の押圧の後に、前記フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分を押圧して、前記半導体ウエハのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分と前記フレキシブル配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と、を接合する補助押圧体と、からなることを特徴とする。
【0010】
本発明のボンディング装置は、配線基板をその接続パッドを上側にして配置するステージと、フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分を吸着して保持する吸着機構が備えられたボンディングツールと、前記ボンディングツールの先端に備えられた少なくとも2以上の押圧体と、前記押圧体を上下方向に駆動する押圧手段と、が備えられ、前記配線基板に封止材を介して前記フレキシブル半導体チップをボンディングするボンディング装置であって、前記2以上の押圧体が、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル半導体チップを前記配線基板に押圧して、前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極と、を接合する主押圧体と、前記主押圧体の押圧の後に、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分以外の部分を押圧して、前記配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分と、を接合する補助押圧体と、からなることを特徴とする。
【0011】
本発明のボンディング装置は、前記補助押圧体が2以上の押圧体からなり、前記主押圧体に近い補助押圧体から順番に押圧を行うことを特徴とする。
【0012】
本発明のボンディング装置は、前記補助押圧体が、気体或いは液体が供給されることにより膨張するバルーン部で構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明のボンディング装置は、前記主押圧体に、加熱機構または超音波印加機構のいずれかが備えられていることを特徴とする。
【0014】
本発明のボンディング装置は、前記吸着機構が、前記主押圧体の一面に設けられた押圧面用吸着孔に接続された真空装置を作動させることにより、前記主押圧体の一面に前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップを吸着して保持する機構であることを特徴とする。
【0015】
本発明のボンディング装置は、前記ステージの一面に備えられた別の吸着機構が、前記ステージの一面に設けられたステージ面用吸着孔と接続された真空装置を作動させることにより、前記ステージの一面に前記半導体ウエハまたは前記配線基板を吸着して保持する機構であることを特徴とする。
【0016】
本発明のボンディング方法は、半導体ウエハに封止材を介してフレキシブル配線基板をボンディングするボンディング方法であって、前記フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル配線基板を前記半導体ウエハに押圧して、前記半導体ウエハのバンプ電極と前記フレキシブル配線基板の前記接続パッドと、を接合する第1の接合工程と、前記第1の接合工程後、前記フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分を押圧して、前記半導体ウエハのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分と前記フレキシブル配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と、を接合する第2の接合工程とを有することを特徴とする。
【0017】
本発明のボンディング方法は、配線基板に封止材を介してフレキシブル半導体チップをボンディングするボンディング方法であって、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル半導体チップを前記配線基板に押圧して、前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップの前記バンプ電極と、を接合する第1の接合工程と、前記第1の接合工程後、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分以外の部分を押圧して、前記配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分と、を接合する第2の接合工程とを有することを特徴とする。
【0018】
本発明のボンディング方法は、前記第2の接合工程が2以上の押圧からなり、前記接続パッドと電極パッドとの接合位置から端部に向かって順番に押圧を行うことを特徴とする。
【0019】
本発明のボンディング方法は、前記第2の接合工程が、気体或いは液体を供給することによりバルーン部を膨張させて押圧を行うことを特徴とする。
【0020】
本発明のボンディング方法は、前記第1の接合工程は、前記半導体ウエハのバンプ電極と前記フレキシブル配線基板の接続パッドとを接合する際、または前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極とを接合する際に、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの加熱または超音波印加を行うことを特徴とする。
【0021】
本発明のボンディング方法は、前記第1の接合工程前に、前記半導体ウエハのバンプ電極およびその近傍のみを覆うように、または前記配線基板の接続パッドおよびその近傍のみを覆うように、封止材を配置することを特徴とする。
【0022】
本発明のボンディング方法は、前記第1の接合工程が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の中心部を押圧した後、前記第2の接合工程が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の残りの部分を前記中心部から端部に向かって押圧することを特徴とする。
【0023】
本発明のボンディング方法は、前記第1の接合工程が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の一端部を押圧した後、前記第2の接合工程が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の残りの部分を前記一端部から他端部に向かって押圧することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、封止材にボイドを発生させずに半導体チップと配線基板とをフリップチップ接続するボンディング装置およびボンディング方法を提供することができる。
【0025】
本発明のボンディング装置は、半導体ウエハをそのバンプ電極を上側にして配置するステージと、フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の接続パッドに対応する部分を吸着して保持する吸着機構が備えられたボンディングツールと、ボンディングツールの先端に備えられた少なくとも2以上の押圧体と、押圧体を上下方向に駆動する押圧手段とが備えられ、半導体ウエハに封止材を介してフレキシブル配線基板をボンディングするボンディング装置であって、2以上の押圧体が、フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の接続パッドに対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、フレキシブル配線基板を半導体ウエハに押圧して、半導体ウエハのバンプ電極とフレキシブル配線基板の接続パッドとを接合する主押圧体と、主押圧体の押圧の後に、フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の接続パッドに対応する部分以外の部分を押圧して、半導体ウエハのバンプ電極側の面のバンプ電極以外の部分とフレキシブル配線基板の接続パッド側の面の接続パッド以外の部分とを接合する補助押圧体とからなる構成なので、主押圧体により半導体ウエハとフレキシブル配線基板との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、補助押圧体により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、封止材内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0026】
本発明のボンディング方法は、半導体ウエハに封止材を介してフレキシブル配線基板をボンディングするボンディング方法であって、フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、フレキシブル配線基板を半導体ウエハに押圧して、半導体ウエハのバンプ電極とフレキシブル配線基板の接続パッドとを接合する第1の接合工程と、前記第1の接合工程後、フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分を押圧して、半導体ウエハのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分とフレキシブル配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分とを接合する第2の接合工程とを有する構成なので、主押圧体により半導体ウエハとフレキシブル配線基板との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、封止材内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態であるボンディング装置の一例を示す概略平面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態であるボンディング装置10は、略矩形状の基台12の上に、ウエハ供給部36と、フレキシブル配線基板供給部44と、ボンディング部24と、ウエハ収容部28と、搬送機構34と、制御部(図示略)が設けられて概略構成されている。
【0028】
<フレキシブル配線基板供給部>
フレキシブル配線基板供給部44には、複数のフレキシブル配線基板67が収納されたトレイ46がセットされている。ここから、ボンディングツール22にフレキシブル配線基板67を順次供給することができる。
【0029】
<ウエハ供給部>
ウエハ供給部36には、リング状の治具42に貼り渡された粘着テープ上に貼着された半導体ウエハ40が複数セットされている。
【0030】
<ウエハ収容部>
ウエハ収容部28は、フレキシブル配線基板67とのボンディング工程を終えた半導体ウエハ40を順次収容する部分である。
【0031】
<搬送機構>
搬送機構34は、ウエハ供給部36とボンディング部24とウエハ収容部28との間で半導体ウエハ40を搬送する機構である。搬送機構34は、レール部材と、その長手方向に移動可能な搬送部とからなり、ウエハ供給部36で、リング状の治具42に載置した状態で半導体ウエハ40を搬送部に載せて、ボンディング部の搬送位置32に移動する。
【0032】
<ボンディング部>
ボンディング部24は、ボンディング工程を行う部分である。
ボンディング部24は、ステージ18と、ステージ18をXY方向に駆動する第一のXY駆動機構16と、ボンディングツール22を備えたボンディングアーム20と、ボンディングアーム20をXY方向に駆動する第二のXY駆動機構14と、から概略構成されている。なお、ボンディング部24には2つの吸着機構が備えられており、それぞれ、真空装置26に接続されている。
【0033】
<ボンディング工程>
搬送位置32は、搬送部からステージ18へ半導体ウエハ40の受け渡しを行う位置であり、ここでリング状の治具42に載置された状態で半導体ウエハ40がステージ18の上に載置される。
次に、第一のXY駆動機構16により、ステージ18上のリング状の治具42に載置された状態の半導体ウエハ40が搬送位置32から処理部30に動かされる。なお、処理位置30は、ボンディング処理を行う位置である。
【0034】
次に、フレキシブル配線基板供給部44のトレイ46上のフレキシブル配線基板67をボンディング機構24のボンディングツール22の先端に吸着した後、第二のXY駆動機構14を動かしてボンディングツール22を処理部30に移動する。
処理部30で半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67のボンディング処理を行った後、ステージ18を搬送位置32に戻す。
【0035】
その後、搬送位置32でリング状の治具42に載置された状態で半導体ウエハ40を搬送部に載せた後、搬送機構34により搬送位置32からウエハ収容部28へ半導体ウエハ40を移動して、収容する。
このようにして、ボンディング部24でボンディングされた半導体ウエハ40は、ウエハ収納部28に順次搬送される。
【0036】
図2は、図1に示すボンディング装置の側面図(一部断面図)である。
図2に示すように、ボンディング部24は、基台12上に、第一のXY駆動機構16に搭載されたステージ18と、第二のXY駆動機構14に搭載されたボンディングアーム20とが配置されて概略構成されている。
【0037】
<ボンディングツール>
ボンディングアーム20の一端側には、ボンディングツール22が備えられている。
ボンディングツール22は、第一のZ方向の駆動機構5、第二のZ方向の駆動機構52、第三のZ方向の駆動機構53と、第一の押圧体(主押圧体)61、第二の押圧体(補助押圧体)62、第三の押圧体(補助押圧体)63とから構成されている。
【0038】
<主押圧体>
図2に示すように、第一のZ方向の駆動機構51には、四角柱状の第一の押圧体(主押圧体)61が備えられている。
第一の押圧体61の一面には、真空装置26と接続された押圧面用吸着孔が設けられており、第一の押圧体(主押圧体)61の一面にフレキシブル配線基板67を吸着保持することができる構成とされている。これにより、フレキシブル配線基板67の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分67aを吸着して保持する。
また、第一の押圧体61は、第一のZ方向の駆動機構51により、上下方向に移動可能とされており、第一の押圧体61を下げることにより、対向側に配置された半導体ウエハ40に押圧することができる構成とされている。
主押圧体61は、第1の接合工程を行う押圧体である。
【0039】
<補助押圧体>
図2に示すように、四角柱状の第一の押圧体61を内筒として取り囲むように、外筒となる第二の押圧体(補助押圧体)62が備えられ、さらに、第二の押圧体62を内筒として取り囲むように、外筒となる第三の押圧体(補助押圧体)63が備えられている。
第二の押圧体62は、第二のZ方向の駆動機構52に取り付けられており、第一の押圧体61のZ方向の動きとは独立させて、Z方向の上下に動かすことができる構成とされている。
同様に、 第三の押圧体63は、第三のZ方向の駆動機構53に取り付けられており、第一の押圧体61のZ方向の動きとは独立させて、Z方向の上下に動かすことができる構成とされている。
これにより、フレキシブル配線基板67の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分67bを押圧できる構成とされている。
補助押圧体62、63は、第2の接合工程を行う押圧体である。
【0040】
なお、本実施形態では、補助押圧体の数を2つとしているが、補助押圧体の数をより増やしてもよい。これにより、3段回以上の多段階で押圧すことができ、より確実に、アンダーフィル材にボイドを発生させずに半導体ウエハと配線基板とをボンディングすることができる。
【0041】
<ステージ>
図2に示すように、ステージ18には、ウエハ供給部36から供給された半導体ウエハ40をリング状の治具42に載置された状態で載置している。
また、ステージ18はステージ面用吸着孔71が備えられている。ステージ面用吸着孔71は真空装置26に接続されており、真空装置26を作動させることにより、ステージ18の一面に半導体ウエハ40を吸着して保持できるように構成されている。
さらに、ステージ18は、加熱機構65が設けられており、ステージ18上に載置された半導体ウエハ40を、所定の温度に加熱できるように構成されている。
【0042】
<ボンディングツールの先端側の面(押圧面)>
図3は、図1に示すボンディングツール22の先端側の面(押圧面)22aを示す平面図である。
図3に示すように、第一の押圧体(主押圧体)61の押圧面22aは略矩形状とされている。この大きさおよび形状は、ボンディングを行うフレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部位)の大きさおよび形状に合わせて構成する。第一の押圧体61の押圧面22aには3つの押圧面用吸着孔70が設けられている。先に記載したように、押圧面用吸着孔70は真空装置26に接続されており、真空装置26を作動させることにより、押圧面22aに被処理物であるフレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部位)と反対側の面の前記接続パッドに対応する部分67aを吸着保持することができる。なお、フレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部位)は中心部に設けられている。
【0043】
図3に示すように、第一の押圧体61を取り囲むように第二の押圧体(補助押圧体)62が備えられ、さらに、第二の押圧体62を取り囲むように第三の押圧体(補助押圧体)63が備えられている。
このように、この押圧面22aは、押圧面22aの略中央領域に電気的接合部位が配置された半導体ウエハに適用するものであり、中心部の電気的接合部位からフレキシブル配線基板67の端部に向かって徐々に押圧するように補助押圧体62、63を構成している。
【0044】
<ボンディングツールの動作>
図4は、図1に示すボンディングツールの動作の一例を説明する側面図であって、図3のA−A’線における断面図である。
図4に示すように、ボンディングツール22の押圧動作は、3つの段階で行われる。まず、図4(a)に示すように、第一の押圧体61がZ方向に突出される。次に、図4(b)に示すように、第二の押圧体62がZ方向に突出される。最後に、図4(c)に示すように、第三の押圧体63がZ方向に突出される。
このような動作を行うことにより、まず、第一の押圧体(主押圧体)61に吸着保持されたフレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部)を集中的に押圧して、半導体ウエハのバンプ電極(電気的接合部)とフレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部)との間の良好な電気的な接合を確保することができる。
また、第一の押圧体(主押圧体)61に吸着保持されたフレキシブル配線基板67を接続パッド(電気的接合部)から外側に向かって段階的に押圧することができるので、半導体ウエハとフレキシブル配線基板との間に配したアンダーフィル材にボイドを発生させずに半導体ウエハとフレキシブル配線基板とをボンディングすることができる。
【0045】
なお、図4に示すように、第一の押圧体61には、押圧面用吸着孔70が設けられており、矢印qの方向に真空排気することにより、第一の押圧体(主押圧体)61の押圧面にフレキシブル配線基板67を接続パッド(電気的接合部位)の反対側の面の前記接続パッドに対応する部分を吸着保持する。
【0046】
また、第一の押圧体61は、加熱機構66が設けられており、吸着保持したフレキシブル配線基板67の電気的接合部を所定の温度に加熱し、熱圧着できるように構成されている。
なお、第一の押圧体61には、加熱機構66の代わりに、あるいは加熱機構66とともに超音波発生手段を設けることにより、超音波熱圧着するように構成しても良い。
【0047】
<半導体装置>
図5は、本発明の実施形態であるボンディング装置および方法を用いて製造する半導体装置の一例を示す平面図であり、図6は断面図である。
図5に示すように、半導体装置80は、正方形状の半導体チップ81と、半導体チップ81より小さい長方形状のフレキシブル配線基板67とから概略構成されている。フレキシブル配線基板67は、アンダーフィル材(封止材)82を介して、半導体チップ81のほぼ中央部に配置されている。
【0048】
フレキシブル配線基板67の一面には、複数の円形状の半田ボール(外部電極)84と、略中心部に複数の端子が1列に形成された接続端子部と、前記接続端子部と半田ボール(外部電極)84とを結ぶ配線86とが形成されている。
前記接続端子部は、フレキシブル配線基板67のアンダーフィル材82側の面の接続パッドと接続されている。そして、フレキシブル配線基板67のアンダーフィル材82側の面には、中心部位に接続パッドを取り囲む略矩形状の電気的接合部位88が設けられている。
【0049】
なお、半導体チップ81の一面には所定の回路(図示略)が形成されている。図6に示すように、所定の回路を覆うようにパッシベーション膜(絶縁膜)98が形成されており、パッシベーション膜98の開口された部分から電極パッド(電気的接合部位)90が露出されている。
電極パッド90の上にはバンプ電極92が突出するように形成されており、電極パッド90とバンプ電極92が半導体チップ81の半導体チップ81の電気的接合部位とされる。このバンプ電極(電気的接合部位)92は、フレキシブル配線基板67の接続パッド94(電気的接合部位)と接続されている。
【0050】
半導体チップ81とフレキシブル配線基板67は、アンダーフィル材(封止材)82を介して接着されている。
フレキシブル配線基板67の一面には、半導体チップ81の電極パッド90とバンプ電極(電気的接合部位)92と接続された接続パッド(電気的接合部位)94が形成されている。接続パッド(電気的接合部位)94はビア95を介してフレキシブル配線基板67の他面側に格子状に配置された複数のランド96に接続されている。
さらに、各ランド96の上には、半田ボール84が搭載され、外部電極とされている。
【0051】
<半導体装置の製造フロー>
図7は、半導体装置の製造フローの一例を示す断面工程図であって、図7(c)において本発明の実施形態であるボンディング方法とボンディング装置を用いている。
半導体ウエハ40としては、例えば、単結晶引き上げ方等により形成されたシリコンのインゴットをスライスして得られる円盤状の基板の一面に拡散等の工程を通じて、所望の回路及び電極パッドを形成したものを用いる。
【0052】
まず、枠状の治具(図示略)上に耐熱性粘着テープ102を貼り渡す。この上に、図7(a)に示すように、半導体ウエハ40を貼着固定する。
なお、半導体ウエハ40の一面には所定の回路(図示略)が形成されている。さらに、所定の回路(図示略)を覆うように形成されたパッシベーション膜98の一部は開口されて、電極パッド90が露出されるとともに、電極パッド90上に、Auなどからなるバンプ電極92が搭載されている。半導体ウエハ40はダイシングラインでダイシングされて複数の半導体チップ81に分割される構成とされている。
バンプ電極92は、電極パッド90上に、溶融され先端にボールが形成されたワイヤを超音波熱圧着し、該ワイヤを引きちぎることで形成することができる。また、バンプ電極92は、メッキなどで形成することもできる。
【0053】
<アンダーフィル材の形成工程>
次に、図7(b)に示すように、半導体ウエハ40のバンプ電極92形成領域を開口部とするマスク104を半導体ウエハ40の上に配置する。その後、スキージ106を用いてアンダーフィル材(封止材)82をマスク104の開口部に流し込むことで、半導体ウエハ40のバンプ電極92形成領域にアンダーフィル材82を選択的に形成することができる。
なお、アンダーフィル材82は、スピンナー塗布により形成しても良い。スピンナー塗布を用いることにより、より効率的に、かつ均一な厚さでアンダーフィル材82を形成することができる。
【0054】
<ボンディング工程>
次に、図1に記載のボンディング装置10を用いて、半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67のボンディングを行う。図7(c)は、このボンディング工程によって、ボンディングを完了した状態を示す断面工程図である。
図1に示したボンディング装置10のウエハ供給部36に、アンダーフィル材82の塗布した半導体ウエハ40を配置する。図1で説明したように、この半導体ウエハ40は、搬送機構34によりステージ18上に供給される。半導体ウエハ40がステージ18上に搭載されると、真空装置26を作動させ、真空吸引して、半導体ウエハ40をステージ18上に保持固定する。さらに、半導体ウエハ40を加熱機構65により所定の温度まで加熱する。その後、半導体ウエハ40を保持固定したステージ18を、第一のXY駆動機構16により搬送位置32から処理位置30に移動する。
【0055】
また、フレキシブル配線基板供給部44には、予め複数の個片化されたフレキシブル配線基板67が収納されたトレイ46を配置されている。第二のXY駆動機構14によりボンディングツール22を動かして、トレイ46上で、ボンディングツール22の第一の押圧体61の先端にフレキシブル配線基板67を吸着保持する。さらに、フレキシブル配線基板67を吸着保持したボンディングツール22を、第二のXY駆動機構14により、処理部30のステージ18の上方に移動する。
これ以後のボンディング工程は、主押圧体61による第1の接合工程と補助押圧体62、63による第2の接合工程とを有しており、図8〜12を用いて詳細に説明する。
【0056】
図8に示すように、矢印qの方向に真空吸引してボンディングツール22の先端に接続パッド94の反対側の面の前記接続パッドに対応する部分67aの少なくとも一部が吸着保持されたフレキシブル配線基板67が、ステージ18上の半導体ウエハ40の任意の半導体チップ81上に配置される。なお、接続パッド94の反対側の面の前記接続パッドに対応する部分67aを全部分と吸着しても良い。
このとき、半導体ウエハ40の電極パッド90およびその上に形成されたバンプ電極(電気的接続部)92と、フレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接続部)94とが対向する位置となるように、フレキシブル配線基板67を位置決めする。
なお、ボンディングツール22の第一の押圧体61を加熱機構66により加熱して、フレキシブル配線基板67を所定温度に加熱しておく。このフレキシブル配線基板67の加熱をフレキシブル配線基板67の搬送途中ですることにより、ボンディング工程を時間短縮して効率化することができる。
【0057】
<第1の接合工程>
次に、図9に示すように、第一のZ方向の駆動機構51により、フレキシブル配線基板67を吸着保持した第一の押圧体61をステージ18側に下降させ、半導体ウエハ40のバンプ電極92とフレキシブル配線基板67の接続パッド94とを、アンダーフィル材82を押しつぶしながら接合する。このとき、半導体ウエハ40およびフレキシブル配線基板67はそれぞれ加熱されているので、良好に電気的接続部同士を熱圧着することができる。このように電気的接合部を集中的に押圧することにより電気的接合を良好に確保することができる。
なお、図9に示すように、半導体チップ81のバンプ電極92とフレキシブル配線基板67の接続パッド94の間(電気的接続部同士の間)のアンダーフィル材82が外側に押し出されて、フレキシブル配線基板67の外側は反り返る。また、同時に、電気的接続部同士の間のアンダーフィル材82の内部に形成されたボイドは、接続パッド94を取り囲む領域に押し出される。
【0058】
<第2の接合工程>
次に、図10に示すように、第二のZ方向の駆動機構52により、第一の押圧体61を取り囲むように形成された第二の押圧体(補助押圧体)62をステージ18側に下降させ、フレキシブル配線基板67の接続パッド94の反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分67bのうち、フレキシブル配線基板67の接続パッド94を取り囲む部分を押圧して、アンダーフィル材82をより外側に押し出しながら、半導体ウエハ40のバンプ電極92を取り囲む部分とフレキシブル配線基板67の接続パッド94を取り囲む部分とを接合する。
これにより、フレキシブル配線基板67の接続パッド94を取り囲む部分のアンダーフィル材82の内部に形成されたボイドは、さらにその部分を取り囲む外側の領域に押し出される。
【0059】
次に、図11に示すように、第三のZ方向の駆動機構53により、第二の押圧体62を取り囲むように形成された第三の押圧体(補助押圧体)63をステージ18側に下降させ、フレキシブル配線基板67の接続パッド94の反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分67bのうち、フレキシブル配線基板67の残りの部分を押圧して、アンダーフィル材82を更に外側に押し出しながら、半導体チップ81とフレキシブル配線基板67とを接合する。
これにより、フレキシブル配線基板67の残りの部分のアンダーフィル材82の内部に形成されたボイドが、半導体チップ81とフレキシブル配線基板67との間から完全に外側の領域に押し出される。このようにして、半導体チップ81とフレキシブル配線基板67との間のボイドを少なくすることができる。
【0060】
このように補助押圧体62、63によって、フレキシブル配線基板67の接続パッドの反対側の面の接続パッドに対応する部分以外の部分を、主押圧体61に近い補助押圧体62から順番に押圧して、電気的接合部から端部に向かって徐々に押圧することにより、半導体ウエハ40のバンプ電極側の面のバンプ電極以外の部分とフレキシブル配線基板67の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分とをボイドを押し出すように接合することができ、半導体チップ81とフレキシブル配線基板67との間のボイドを少なくすることができる。これにより、ボイドによる不良発生を低減することができる。
【0061】
また、フレキシブル配線基板67と半導体ウエハ40の間を良好にアンダーフィル材82で覆い、フレキシブル配線基板67を撓むことなく接着固定することにより、電気的接合部の良好に保護することができる。
【0062】
なお、このボンディング工程では、あらかじめウエハバーンイン等の検査を行い、その結果に基づき、半導体ウエハ40上の良品と判定された半導体チップ81のみにフレキシブル配線基板67を搭載するようにしてもよい。
このようにして不良判定された半導体チップ81にフレキシブル配線基板67を搭載しないことにより、無駄なフレキシブル配線基板67の搭載をせずにすみ生産コストを低減することができるほか、半導体装置の生産効率自体を向上させることができる。
【0063】
最後に、図12に示すように、第一の押圧体(主押圧体)61による真空吸引を止め、ボンディングツール22を引き上げることにより、フレキシブル配線基板67がボンディングされた半導体チップ81がステージ上に残される。
このようにして、半導体ウエハ40上の全ての半導体チップ81へフレキシブル配線基板67を搭載する。
ボンディング処理が完了した半導体ウエハ40は、搬送機構34により半導体ウエハ40がウエハ収容部28に搬送され、そこからボールマウント工程に移行される。
【0064】
<ボールマウント工程>
次に、図7(d)に示すように、フレキシブル配線基板67上のランドの配置に合わせて複数の吸着孔が形成されたマウントツール60を用いて、半田などからなる金属ボールを前記吸着孔に吸着保持させた後、前記金属ボールにフラックスを転写形成し、これを半導体ウエハ40にボンディングされたフレキシブル配線基板67上のランドに一括搭載する。
前記金属ボールを240℃程度の温度でリフローすることで、半田ボール(外部端子)84とすることができる。次に、半田ボール(外部端子)84を形成した半導体ウエハ40は、基板ダイシング工程に移行される。
【0065】
<基板ダイシング工程>
図7(e)に示すように、基板ダイシング工程では、ダイシング装置(図示略)のダイシングテープル上に半田ボール(外部端子)84を形成した半導体ウエハ40を載置する。次に、高速回転させたダイシングブレード(ダイサー)108により半導体ウエハ40を複数の半導体チップ81に区画するダイシングライン100で回転研削することで、半導体ウエハ40を複数の半導体チップ81に切断分離する。
【0066】
なお、フレキシブル配線基板67のサイズは半導体チップ81のサイズより小さいので、基板ダイシング時にダイシングブレード(ダイサー)108がフレキシブル配線基板67に接触することがない。そのため、ダイシングブレード(ダイサー)108の接触によるフレキシブル配線基板67の捲れが発生することがない。また、フレキシブル配線基板67へのダイシングブレード(ダイサー)108の接触による振動などによるフレキシブル配線基板67と半導体チップ81との電気的接合部へ負荷を与えることがない。
【0067】
最後に、図7(f)に示すように、耐熱性粘着テープ102の下方からピックアップ装置(図示略)の突き上げ手段112により、切断分離された半導体チップ81を突き上げて耐熱性粘着テープ102から剥離させ、フレキシブル配線基板67の搭載された半導体チップ81をコレット110によりピックアップする。これにより、図5および図6に示すようなリアルチップサイズの半導体装置80を得ることができる。
なお、紫外線照射により粘着力が低下する耐熱性粘着テープ102を用いることにより、ダイシングした半導体チップに紫外線を照射して耐熱性粘着テープ102の粘着力を低下させた後に、フレキシブル配線基板67の搭載された半導体チップ81をコレット110によりピックアップするようにしてもよい。
【0068】
(実施形態2)
図13は、本発明の実施形態であるボンディング装置の別の一例を示す側面図である。
図13に示すように、本発明の実施形態であるボンディング装置は、ボンディングツール23の構成が異なる他は、実施形態1と同様の構成とされている。なお、実施形態1と同じ部材については同じ符号つけている。
ボンディングツール23は、主押圧体61と、主押圧体61の先端側に設けられたバルーン部59からなる第二の押圧体(補助押圧体)62とから概略構成されている。
【0069】
<主押圧体>
主押圧体61は、ボンディングアーム20の先端に、第一のZ方向の駆動機構51を介して、取り付けられている。第一の押圧体(主押圧体)61の先端は先が細くなるように形成されており、先端には平坦な押圧面23aが形成されるとともに、押圧面23aを取り囲むように傾斜面62aが形成されている。押圧面23aには、真空装置26と接続された押圧面用吸着孔70が設けられており、第一の押圧体61の押圧面23aにフレキシブル配線基板67の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分67aを吸着保持することができる構成とされている。これにより、対向側に配置された半導体ウエハ40に押圧することができる構成とされている。
主押圧体61は、第1の接合工程を行う押圧体である。
【0070】
<補助押圧体>
第一の押圧体61の押圧面23aを取り囲むように形成された傾斜面62aには、バルーン部59からなる第二の押圧体(補助押圧体)62が備えられている。
バルーン部59からなる第二の押圧体(補助押圧体)62は、気体或いは液体供給孔115を介して気体或いは液体供給装置114に接続されている。気体或いは液体供給装置114から、気体或いは液体をバルーン部59からなる第二の押圧体62に供給することができ、バルーン部59からなる第二の押圧体62は、気体或いは液体が供給されることにより膨張することができる構成とされている。
主押圧体の押圧の後、バルーン部59からなる第二の押圧体62を膨張させることにより、フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分67bを押圧すことができ、アンダーフィル材にボイドを発生させずに半導体ウエハとフレキシブル配線基板とをボンディングすることができる。
補助押圧体62、63は、第2の接合工程を行う押圧体である。
【0071】
図14は、本発明の実施形態であるボンディング装置の第一の押圧体の先端を示す図であって、図13に示すボンディングツール23の先端側の面(押圧面)23aを示す平面図である。
図13に示すように、第一の押圧体(主押圧体)61の一面は略矩形状とされている。第一の押圧体(主押圧体)61の押圧面には3つの押圧面用吸着孔70が設けられている。先に記載したように、押圧面用吸着孔70は真空装置26に接続されており、真空装置26を作動させることにより、被処理物であるフレキシブル配線基板67の電気的接合部位を吸着保持することができる。
第一の押圧体(主押圧体)61を取り囲むように、略台形状の第二の押圧体(補助押圧体)62が4つ備えられている。
【0072】
図15は、本発明の実施形態であるボンディング装置のボンディングツール23の動作の一例を示す断面図であって、図14のB−B’線における断面図である。
第一の押圧体(主押圧体)61の先端には平坦な押圧面23aが形成されており、押圧面23aを取り囲む領域は傾斜部62aとされており、傾斜部62aには開口部(図示略)が形成されている。前記開口部には膨張可能な膜が設けられて、バルーン部59からなる第二の押圧体(補助押圧体)62とされている。前記開口部はまた、気体或いは液体供給孔115と連通されており、気体或いは液体供給装置114につなげられている。
バルーン部59からなる第二の押圧体(補助押圧体)62に気体或いは液体供給装置114から気体或いは液体を供給することで、バルーン部59からなる第二の押圧体(補助押圧体)62を膨張させることができ、略中央部の電気的接合部位からフレキシブル配線基板67の端部に向かって徐々に押圧できる構成とされている。
【0073】
図15に示すように、ボンディングツール23の押圧動作は、3つの段階で行われる。
まず、図15(a)に示すように、第一の押圧体(主押圧体)61がZ方向に突出される。次に、図15(b)に示すように、バルーン部59からなる第二の押圧体(補助押圧体)62に気体或いは液体が供給されて、バルーン部59からなる第二の押圧体62が膨張される。さらに、図15(c)に示すように、バルーン部59からなる第二の押圧体62により多くの気体或いは液体が供給されて、バルーン部59からなる第二の押圧体62が更に大きく膨張される。
【0074】
このような動作を行うことにより、まず、第1の接合工程において、第一の押圧体(主押圧体)61に吸着保持されたフレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部)を集中的に押圧して、半導体ウエハのバンプ電極(電気的接合部)とフレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部)との間の良好な電気的な接合を確保することができる。
また、第2の接合工程において、第一の押圧体61に吸着保持されたフレキシブル配線基板67を電気的接合部から外側に向かって段階的に押圧することができるので、アンダーフィル材にボイドを発生させずに半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67とをボンディングすることができる。
【0075】
<ボンディング工程>
ボンディングツール23によるボンディング工程について、図16〜19を用いて詳細に説明する。図16〜19は、本発明の実施形態であるボンディング方法の別の一例を示す断面工程図である。
図16に示すように、矢印qの方向に真空吸引してボンディングツール23の先端に吸着保持されたフレキシブル配線基板67を、第二のXY駆動機構14によりボンディングツール23を動かすことにより、ステージ18上の半導体ウエハ40の任意の半導体チップ81上に配置する。このとき、半導体チップ81の電極パッド90およびその上に形成されたバンプ電極(電気的接続部)92と、フレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接続部)94とが対向する位置となるようにフレキシブル配線基板67を位置決めする。
ボンディングツール22の第一の押圧体61も加熱機構66により加熱して、フレキシブル配線基板67を所定温度に加熱する。第一の押圧体61に加熱機構66を設けることにより、フレキシブル配線基板67の搬送途中でフレキシブル配線基板67を加熱することができ、ボンディング工程を効率化することができる。
【0076】
<第1の接合工程>
次に、図17に示すように、第一のZ方向の駆動機構51により、フレキシブル配線基板67を吸着保持した第一の押圧体61をステージ18側に下降させ、半導体ウエハ40のバンプ電極92とフレキシブル配線基板67の接続パッド94とを、アンダーフィル材82を押しつぶしながら接合する。
このとき、半導体チップ81およびフレキシブル配線基板67はそれぞれ加熱されているので、熱圧着にて接合することができる。また、アンダーフィル材82の抵抗を受けて、フレキシブル配線基板67の外側は反り返る。また、このとき、半導体ウエハ40のバンプ電極92とフレキシブル配線基板67の接続パッド94の間のアンダーフィル材82の内部に形成されたボイドは、接続パッド94を取り囲む領域に押し出される。
【0077】
<第2の接合工程>
次に、図18に示すように、気体或いは液体供給装置114から気体或いは液体供給孔115を介して、バルーン部59からなる第二の押圧体62に気体或いは液体を供給して、バルーン部59からなる第二の押圧体62を膨張させる。バルーン部59からなる第二の押圧体62は等方的に膨張するので、第一の押圧体61に近い位置から徐々にフレキシブル配線基板67を半導体ウエハ40に押し付ける。これにより、アンダーフィル材82が外側に押し出されるように、半導体ウエハ40のバンプ電極92を取り囲む部分とフレキシブル配線基板67の接続パッド94を取り囲む部分とを接合することができる。
そのため、フレキシブル配線基板67の接続パッド94を取り囲む部分のアンダーフィル材82の内部に形成されたボイドを、さらにその部分を取り囲む外側の領域に押し出すことができる。
【0078】
次に、図19に示すように、気体或いは液体供給装置114から気体或いは液体供給孔115を介して、バルーン部59からなる第二の押圧体62に更に多くの気体或いは液体を供給して、バルーン部59からなる第二の押圧体62を更に大きく膨張させる。バルーン部59からなる第二の押圧体62が最大限膨張することにより、フレキシブル配線基板67の残りの部分はすべて半導体ウエハ40に押し付けられる。
このとき膨張の程度に応じて内側から外側へと、アンダーフィル材82を押し出しながら、半導体ウエハ40のバンプ電極92を取り囲む部分とフレキシブル配線基板67の接続パッド94を取り囲む部分とを接合する。
そのため、フレキシブル配線基板67の残りの部分のアンダーフィル材82の内部に形成されたボイドが、半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との間から外側の領域に押し出される。このようにして、半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との間のボイドを少なくすることができる。
【0079】
(実施形態3)
図20は、ボンディングツールの先端側の面(押圧面)の別の一例を示す平面図である。これは、フレキシブル配線基板67の一端部から他端部に向かって徐々に押圧するボンディングツールに用いるものである。
第一の押圧体(主押圧体)61が、ボンディングツールの先端側の面(押圧面)25aの一端部に配置され、それに応じて、一端部を除いて第一の押圧体61を取り囲むように第二の押圧体(補助押圧体)62が配置され、さらに第二の押圧体62を取り囲むように第三の押圧体(補助押圧体)63が配置されている。
【0080】
図20に示すように、第一の押圧体61の先端側の押圧面25aは略矩形状とされている。この大きさおよび形状は、ボンディングを行うフレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部位)の大きさおよび形状に合わせて構成する。
第一の押圧体61の押圧面25aには3つの押圧面用吸着孔70が設けられている。先に記載したように、押圧面用吸着孔70は真空装置26に接続されており、真空装置26を作動させることにより、押圧面25aに被処理物であるフレキシブル配線基板67の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分67aを吸着保持することができる。なお、フレキシブル配線基板67の接続パッド(電気的接合部位)は一端部に設けられている。
【0081】
図21は、図20に示すボンディングツールの動作の一例を説明する側面図であって、図20のC−C’線における断面図である。
図21に示すように、ボンディングは、3つの段階で行われる。
まず、図21(a)に示すように、第1の接合工程において、第一の押圧体61がZ方向に突出される。次に、第2の接合工程において、図21(b)に示すように、第二の押圧体62がZ方向に突出される。最後に、図21(c)に示すように、第三の押圧体63がZ方向に突出される。これにより、第一の押圧体61に吸着保持されたフレキシブル配線基板67を電気的接合部が形成された一端部から他端部側に向かって段階的に押圧することができる。これにより、アンダーフィル材にボイド(微小な空洞)を発生させずに半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67とをボンディングすることができる。
【0082】
以上、本発明者によってなされた発明を、実施形態1〜3に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0083】
また、本実施形態ではフレキシブル配線基板67を半導体チップ81にボンディングする場合について説明したが、たとえば、100μm以下に薄型化された半導体チップ(フレキシブル半導体チップ)を予めアンダーフィル材等の塗布された配線基板にボンディングする場合にも適用してもよい。
【0084】
本発明の実施形態であるボンディング装置10は、半導体ウエハ40をそのバンプ電極92を上側にして配置するステージ18と、フレキシブル配線基板67の接続パッド94の反対側の面の接続パッド94に対応する部分を吸着して保持する吸着機構が備えられたボンディングツール22と、ボンディングツール22の先端に備えられた少なくとも2以上の押圧体61、62、63と、押圧体61、62、63を上下方向に駆動する押圧手段51、52、53とが備えられ、半導体ウエハ40にアンダーフィル材(封止材)82を介してフレキシブル配線基板67をボンディングするボンディング装置であって、2以上の押圧体61、62、63が、フレキシブル配線基板67の接続パッド94の反対側の面の接続パッド94に対応する部分67aの少なくとも一部を吸着して保持した状態で、フレキシブル配線基板67を半導体ウエハ40に押圧して、半導体ウエハ40のバンプ電極92とフレキシブル配線基板67の接続パッド94とを接合する主押圧体61と、主押圧体61の押圧の後に、フレキシブル配線基板67の接続パッド94の反対側の面の接続パッド94に対応する部分以外の部分67bを押圧して、半導体ウエハ40のバンプ電極側の面のバンプ電極以外の部分とフレキシブル配線基板67の接続パッド側の面の接続パッド以外の部分とを接合する補助押圧体62、63とからなる構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、補助押圧体62、63により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0085】
本発明の実施形態であるボンディング装置10は、配線基板をその接続パッドを上側にして配置するステージ18と、フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分を吸着して保持する吸着機構が備えられたボンディングツール22と、ボンディングツール22の先端に備えられた少なくとも2以上の押圧体61、62、63と、押圧体61、62、63を上下方向に駆動する押圧手段51、52、53と、が備えられ、前記配線基板にアンダーフィル材(封止材)82を介して前記フレキシブル半導体チップをボンディングするボンディング装置であって、前記2以上の押圧体が、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル半導体チップを前記配線基板に押圧して、前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極と、を接合する主押圧体61と、主押圧体61の押圧の後に、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分以外の部分を押圧して、前記配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分とを接合する補助押圧体62、63とからなる構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0086】
本発明の実施形態であるボンディング装置10は、補助押圧体62、63が2以上の押圧体からなり、主押圧体61に近い補助押圧体62から順番に押圧を行う構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0087】
本発明の実施形態であるボンディング装置10は、補助押圧体62が、気体或いは液体が供給されることにより膨張するバルーン部59で構成されている構成なので、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0088】
本発明の実施形態であるボンディング装置10は、主押圧体61に、加熱機構66または超音波印加機構のいずれかが備えられている構成なので、半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができる。
【0089】
本発明の実施形態であるボンディング装置10は、吸着機構が、主押圧体61の一面に設けられた押圧面用吸着孔70に接続された真空装置26を作動させることにより、主押圧体61の一面にフレキシブル配線基板67または前記フレキシブル半導体チップを吸着して保持する機構である構成なので、主押圧体61にフレキシブル配線基板67または前記フレキシブル半導体チップを良好に吸着保持して、押圧動作を行わせることができる。
【0090】
本発明の実施形態であるボンディング装置10は、ステージ18の一面に備えられた別の吸着機構が、ステージ18の一面に設けられたステージ面用吸着孔71と接続された真空装置26を作動させることにより、ステージ18の一面に半導体ウエハ40または前記配線基板を吸着して保持する機構である構成なので、ステージ18に半導体ウエハ40または前記配線基板を良好に吸着保持して、押圧動作を行わせることができる。
【0091】
本発明の実施形態であるボンディング方法は、半導体ウエハ40にアンダーフィル材(封止材)82を介してフレキシブル配線基板67をボンディングするボンディング方法であって、フレキシブル配線基板67の接続パッド94の反対側の面の前記接続パッドに対応する部分67aの少なくとも一部を吸着して保持した状態で、フレキシブル配線基板67を半導体ウエハ40に押圧して、半導体ウエハ40のバンプ電極92とフレキシブル配線基板67の接続パッド94とを接合する第1の接合工程と、前記第1の接合工程後、フレキシブル配線基板67の接続パッド94の反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分67bを押圧して、半導体ウエハ40のバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分とフレキシブル配線基板67の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分とを接合する第2の接合工程とを有する構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0092】
本発明の実施形態であるボンディング方法は、配線基板にアンダーフィル材(封止材)を介してフレキシブル半導体チップをボンディングするボンディング方法であって、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル半導体チップを前記配線基板に押圧して、前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップの前記バンプ電極とを接合する第1の接合工程と、前記第1の接合工程後、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分以外の部分を押圧して、前記配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分とを接合する第2の接合工程とを有する構成なので、主押圧体61により前記配線基板と前記フレキシブル半導体チップとの電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0093】
本発明の実施形態であるボンディング方法は、第2の接合工程が2以上の押圧からなり、前記接続パッドと電極パッドとの接合位置から端部に向かって順番に押圧を行う構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0094】
本発明の実施形態であるボンディング方法は、第2の接合工程が、気体或いは液体を供給することによりバルーン部59を膨張させて押圧を行う構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0095】
本発明の実施形態であるボンディング方法は、第1の接合工程は、半導体ウエハ40のバンプ電極92とフレキシブル配線基板67の接続パッド94とを接合する際、または前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極とを接合する際に、フレキシブル配線基板67または前記フレキシブル半導体チップの加熱または超音波印加を行う構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0096】
本発明の実施形態であるボンディング方法は、第1の接合工程前に、半導体ウエハ40のバンプ電極92およびその近傍のみを覆うように、または前記配線基板の接続パッドおよびその近傍のみを覆うように、アンダーフィル材82を配置する構成なので、最適な量のアンダーフィル材(封止材)82を用いて、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することにより、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0097】
本発明の実施形態であるボンディング方法は、第1の接合工程が、フレキシブル配線基板67または前記フレキシブル半導体チップの一面の中心部を押圧した後、第2の接合工程が、フレキシブル配線基板67または前記フレキシブル半導体チップの一面の残りの部分を前記中心部から端部に向かって押圧する構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により電気的接合部位から外側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【0098】
本発明の実施形態であるボンディング方法は、第1の接合工程が、フレキシブル配線基板67または前記フレキシブル半導体チップの一面の一端部を押圧した後、第2の接合工程が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の残りの部分を前記一端部から他端部に向かって押圧する構成なので、主押圧体61により半導体ウエハ40とフレキシブル配線基板67との電気的接合部位を良好に接合することができるとともに、第二の押圧体62により一端側の電気的接合部位から他端側に向かって徐々に押圧することができ、アンダーフィル材(封止材)82内のボイドの発生を低減できる。これにより、リフロー時のパッケージクラックや接続不良等を低減することができ、半導体装置の歩留向上を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、半導体チップとフレキシブル配線基板のボンディング装置およびボンディング方法に関するものであって、半導体装置を製造・利用する産業において利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明のボンディング装置を示す平面図である。
【図2】本発明のボンディング装置を示す側面図である。
【図3】本発明のボンディングツールの先端面を示す平面図である。
【図4】本発明のボンディングツールの動作を示す工程断面図である。
【図5】本発明のボンディング装置で用いる半導体装置を示す平面図である。
【図6】本発明のボンディング装置で用いる半導体装置を示す断面図である。
【図7】本発明の半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図8】本発明のボンディング方法を示す工程断面図である。
【図9】本発明のボンディング方法を示す工程断面図である。
【図10】本発明のボンディング方法を示す工程断面図である。
【図11】本発明のボンディング方法を示す工程断面図である。
【図12】本発明のボンディング方法を示す工程断面図である。
【図13】本発明のボンディング装置を示す側面図である。
【図14】本発明のボンディングツールの先端面を示す平面図である。
【図15】本発明のボンディングツールの動作を示す工程断面図である。
【図16】本発明の半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図17】本発明の半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図18】本発明の半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図19】本発明の半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図20】本発明のボンディングツールの先端面を示す平面図である。
【図21】本発明のボンディングツールの動作を示す工程断面図である。す断面図である。
【符号の説明】
【0101】
10…ボンディング装置、12…基台、14…第二のXY駆動機構、16…第一のXY駆動機構、18…ステージ、20…ボンディングアーム、22…ボンディングツール、22a…ボンディングツールの先端面(押圧面)、23…ボンディングツール、25a…ボンディングツールの先端面(押圧面)、24…ボンディング部、25a…ボンディングツールの先端面(押圧面)、26…真空装置、28…ウエハ収納部、30…処理部、32…搬送装置、34…搬送機構、36…ウエハ供給部、40…半導体ウエハ、42…治具、44…配線基板供給部、46…トレイ、51…第一のZ駆動手段、52…第二のZ駆動手段、53…第三のZ駆動手段、59…バルーン部、61…第一の押圧体(主押圧体)、62…第二の押圧体(補助押圧体)、62a…傾斜面、63…第三の押圧体(補助押圧体)、65…加熱機構、67…フレキシブル配線基板、67a…フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分、67b…フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分、70…押圧面用吸着孔、71…ステージ面用吸着孔、80…半導体装置、81…半導体チップ、82…アンダーフィル材(封止材)、84…半田ボール(外部端子)、86…配線、88…電気的接合部位、90…電極パッド、92…バンプ、94…接続パッド、95…ビア、96…ランド、98…パッシベーション膜(絶縁膜)、100…ダイシングライン、102…耐熱性粘着テープ、104…マスク、106…スキージ、108…ダイシングブレード(ダイサー)、110…コレット、112…突き上げ手段、114…気体或いは液体供給装置、115…気体或いは液体供給孔。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハをそのバンプ電極を上側にして配置するステージと、フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分を吸着して保持する吸着機構が備えられたボンディングツールと、前記ボンディングツールの先端に備えられた少なくとも2以上の押圧体と、前記押圧体を上下方向に駆動する押圧手段と、が備えられ、前記半導体ウエハに封止材を介して前記フレキシブル配線基板をボンディングするボンディング装置であって、
前記2以上の押圧体が、前記フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル配線基板を前記半導体ウエハに押圧して、前記半導体ウエハのバンプ電極と前記フレキシブル配線基板の接続パッドと、を接合する主押圧体と、
前記主押圧体の押圧の後に、前記フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分を押圧して、前記半導体ウエハのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分と前記フレキシブル配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と、を接合する補助押圧体と、からなることを特徴とするボンディング装置。
【請求項2】
配線基板をその接続パッドを上側にして配置するステージと、フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分を吸着して保持する吸着機構が備えられたボンディングツールと、前記ボンディングツールの先端に備えられた少なくとも2以上の押圧体と、前記押圧体を上下方向に駆動する押圧手段と、が備えられ、前記配線基板に封止材を介して前記フレキシブル半導体チップをボンディングするボンディング装置であって、
前記2以上の押圧体が、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル半導体チップを前記配線基板に押圧して、前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極と、を接合する主押圧体と、
前記主押圧体の押圧の後に、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分以外の部分を押圧して、前記配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分と、を接合する補助押圧体と、からなることを特徴とするボンディング装置。
【請求項3】
前記補助押圧体が2以上の押圧体からなり、前記主押圧体に近い補助押圧体から順番に押圧を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボンディング装置。
【請求項4】
前記補助押圧体が、気体或いは液体が供給されることにより膨張するバルーン部で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のボンディング装置。
【請求項5】
前記主押圧体に、加熱機構または超音波印加機構のいずれかが備えられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のボンディング装置。
【請求項6】
前記吸着機構が、前記主押圧体の一面に設けられた押圧面用吸着孔に接続された真空装置を作動させることにより、前記主押圧体の一面に前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップを吸着して保持する機構であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のボンディング装置。
【請求項7】
前記ステージの一面に備えられた別の吸着機構が、前記ステージの一面に設けられたステージ面用吸着孔と接続された真空装置を作動させることにより、前記ステージの一面に前記半導体ウエハまたは前記配線基板を吸着して保持する機構であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のボンディング装置。
【請求項8】
半導体ウエハに封止材を介してフレキシブル配線基板をボンディングするボンディング方法であって、
前記フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル配線基板を前記半導体ウエハに押圧して、前記半導体ウエハのバンプ電極と前記フレキシブル配線基板の前記接続パッドと、を接合する第1の接合工程と、
前記第1の接合工程後、前記フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分を押圧して、前記半導体ウエハのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分と前記フレキシブル配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と、を接合する第2の接合工程とを有することを特徴とするボンディング方法。
【請求項9】
配線基板に封止材を介してフレキシブル半導体チップをボンディングするボンディング方法であって、
前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル半導体チップを前記配線基板に押圧して、前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップの前記バンプ電極と、を接合する第1の接合工程と、
前記第1の接合工程後、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分以外の部分を押圧して、前記配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分と、を接合する第2の接合工程とを有することを特徴とするボンディング方法。
【請求項10】
前記第2の接合工程が2以上の押圧からなり、前記接続パッドと電極パッドとの接合位置から端部に向かって順番に押圧を行うことを特徴とする請求項8または請求項9に記載のボンディング方法。
【請求項11】
前記第2の接合工程が、気体或いは液体を供給することによりバルーン部を膨張させて押圧を行うことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載のボンディング方法。
【請求項12】
前記第1の接合工程は、前記半導体ウエハのバンプ電極と前記フレキシブル配線基板の接続パッドとを接合する際、または前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極とを接合する際に、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの加熱または超音波印加を行うことを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載のボンディング方法。
【請求項13】
前記第1の接合工程前に、前記半導体ウエハのバンプ電極およびその近傍のみを覆うように、または前記配線基板の接続パッドおよびその近傍のみを覆うように、封止材を配置することを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載のボンディング方法。
【請求項14】
前記第1の接合工程が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の中心部を押圧した後、
前記第2の接合工程が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の残りの部分を前記中心部から端部に向かって押圧することを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載のボンディング方法。
【請求項15】
前記第1の接合工程が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の一端部を押圧した後、
前記補助押圧体が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の残りの部分を前記一端部から他端部に向かって押圧することを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載のボンディング方法。
【請求項1】
半導体ウエハをそのバンプ電極を上側にして配置するステージと、フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分を吸着して保持する吸着機構が備えられたボンディングツールと、前記ボンディングツールの先端に備えられた少なくとも2以上の押圧体と、前記押圧体を上下方向に駆動する押圧手段と、が備えられ、前記半導体ウエハに封止材を介して前記フレキシブル配線基板をボンディングするボンディング装置であって、
前記2以上の押圧体が、前記フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル配線基板を前記半導体ウエハに押圧して、前記半導体ウエハのバンプ電極と前記フレキシブル配線基板の接続パッドと、を接合する主押圧体と、
前記主押圧体の押圧の後に、前記フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分を押圧して、前記半導体ウエハのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分と前記フレキシブル配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と、を接合する補助押圧体と、からなることを特徴とするボンディング装置。
【請求項2】
配線基板をその接続パッドを上側にして配置するステージと、フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分を吸着して保持する吸着機構が備えられたボンディングツールと、前記ボンディングツールの先端に備えられた少なくとも2以上の押圧体と、前記押圧体を上下方向に駆動する押圧手段と、が備えられ、前記配線基板に封止材を介して前記フレキシブル半導体チップをボンディングするボンディング装置であって、
前記2以上の押圧体が、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル半導体チップを前記配線基板に押圧して、前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極と、を接合する主押圧体と、
前記主押圧体の押圧の後に、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分以外の部分を押圧して、前記配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分と、を接合する補助押圧体と、からなることを特徴とするボンディング装置。
【請求項3】
前記補助押圧体が2以上の押圧体からなり、前記主押圧体に近い補助押圧体から順番に押圧を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボンディング装置。
【請求項4】
前記補助押圧体が、気体或いは液体が供給されることにより膨張するバルーン部で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のボンディング装置。
【請求項5】
前記主押圧体に、加熱機構または超音波印加機構のいずれかが備えられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のボンディング装置。
【請求項6】
前記吸着機構が、前記主押圧体の一面に設けられた押圧面用吸着孔に接続された真空装置を作動させることにより、前記主押圧体の一面に前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップを吸着して保持する機構であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のボンディング装置。
【請求項7】
前記ステージの一面に備えられた別の吸着機構が、前記ステージの一面に設けられたステージ面用吸着孔と接続された真空装置を作動させることにより、前記ステージの一面に前記半導体ウエハまたは前記配線基板を吸着して保持する機構であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のボンディング装置。
【請求項8】
半導体ウエハに封止材を介してフレキシブル配線基板をボンディングするボンディング方法であって、
前記フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル配線基板を前記半導体ウエハに押圧して、前記半導体ウエハのバンプ電極と前記フレキシブル配線基板の前記接続パッドと、を接合する第1の接合工程と、
前記第1の接合工程後、前記フレキシブル配線基板の接続パッドの反対側の面の前記接続パッドに対応する部分以外の部分を押圧して、前記半導体ウエハのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分と前記フレキシブル配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と、を接合する第2の接合工程とを有することを特徴とするボンディング方法。
【請求項9】
配線基板に封止材を介してフレキシブル半導体チップをボンディングするボンディング方法であって、
前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分の少なくとも一部を吸着して保持した状態で、前記フレキシブル半導体チップを前記配線基板に押圧して、前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップの前記バンプ電極と、を接合する第1の接合工程と、
前記第1の接合工程後、前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極の反対側の面の前記バンプ電極に対応する部分以外の部分を押圧して、前記配線基板の接続パッド側の面の前記接続パッド以外の部分と前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極側の面の前記バンプ電極以外の部分と、を接合する第2の接合工程とを有することを特徴とするボンディング方法。
【請求項10】
前記第2の接合工程が2以上の押圧からなり、前記接続パッドと電極パッドとの接合位置から端部に向かって順番に押圧を行うことを特徴とする請求項8または請求項9に記載のボンディング方法。
【請求項11】
前記第2の接合工程が、気体或いは液体を供給することによりバルーン部を膨張させて押圧を行うことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載のボンディング方法。
【請求項12】
前記第1の接合工程は、前記半導体ウエハのバンプ電極と前記フレキシブル配線基板の接続パッドとを接合する際、または前記配線基板の接続パッドと前記フレキシブル半導体チップのバンプ電極とを接合する際に、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの加熱または超音波印加を行うことを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載のボンディング方法。
【請求項13】
前記第1の接合工程前に、前記半導体ウエハのバンプ電極およびその近傍のみを覆うように、または前記配線基板の接続パッドおよびその近傍のみを覆うように、封止材を配置することを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載のボンディング方法。
【請求項14】
前記第1の接合工程が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の中心部を押圧した後、
前記第2の接合工程が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の残りの部分を前記中心部から端部に向かって押圧することを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載のボンディング方法。
【請求項15】
前記第1の接合工程が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の一端部を押圧した後、
前記補助押圧体が、前記フレキシブル配線基板または前記フレキシブル半導体チップの一面の残りの部分を前記一端部から他端部に向かって押圧することを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載のボンディング方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2009−289959(P2009−289959A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−140686(P2008−140686)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]