説明

ボールジョイント

【課題】ベアリングシェルの必要な強度を損なうことなく、ベアリングシェルにより所定の弾性調整が可能であり、かつ、復帰特性を備えたボールジョイントを提供すること。
【解決手段】原動機付き車両用のボールジョイントであって、ケーシング1と、ボールピボット2とを備え、当該ボールジョイントのジョイントボール3がベアリングシェル6内で揺動及び回動可能に支持されている前記ボールジョイントにおいて、前記ベアリングシェル6を、凹部を有しつつ当該ベアリングシェル6又は該ベアリングシェル6の構成部材を形成するために変形された金属ストリップ7を含んで形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールジョイント及びこのボールジョイントの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原動機付き車両(以下単に「車両」という。)の例えば車輪懸架部において使用されるようなボールジョイントは、ほぼ同様な構造を備えている。すなわち、このようなボールジョイントは、ケーシング及びボールピボットで構成されており、このボールピボットのジョイントボールは、複数のベアリングシェル構成部材で形成されたベアリングシェル内において揺動及び回動可能に収容されている。
【0003】
ここで、ボールジョイントの取付時には、ジョイントボールと該ジョイントボールを包囲しているベアリングシェルの間にできる限り小さな摩擦が生じるようにする必要がある。この摩擦を測定するものとして、ボールピボットがその中立位置から揺動あるいは回動した場合のボールピボットにおいて測定可能なトルクが挙げられる。このトルクは、ベアリングシェル及びジョイントボールの表面に使用される材料のほかに、加えられる力に応じて変化する。なお、この加えられる力は、取付状態に応じて、ベアリングシェルからジョイントボールに加えられるものであり、そのため、ボールピボット及びその可動性に影響を及ぼすものとなっている。
【0004】
ところで、アキシャルジョイントとラジアルジョイントは異なるが、その差異の重要な基準は、主に、ボールジョイントに対して作用する力の方向である。ボールピボットが傾斜していない状態での該ボールピボットの軸中心線に一致するケーシングの軸中心線に対して径方向に力が作用すればラジアルジョイントであり、この力が主に軸方向に作用すればアキシャルジョイントである。
【0005】
また、例えば限られた周範囲においてボールジョイント内あるいは所定の許容範囲内でボールピボットを動作させることができるよう、ボールジョイントにおいて部分的にベアリングシェルの弾性が所望されることがある。そして、複数部材から成り、かつ、合成樹脂と金属の複合材料で構成されたベアリングシェル及びこれにより形成されたボールジョイントが、アキシャルジョイントの例として特許文献1に開示されている。この特許文献1によるベアリングシェルが固有の弾性を有していること、及びボールピボットが所定の範囲内で変位すること以外にも、この特許文献1に記載されたボールジョイントは更にダンパリングを備えている。
【0006】
また、ボールジョイント用のベアリングシェルに弾性を持たせる他の方法として、ベアリングシェルに溝及び/又はスリットを形成することが挙げられる。このような方法は、例えば特許文献2に開示されており、一部材から成るベアリングシェルにも、多部材から成るベアリングシェルにも適している。
【0007】
さらに、特許文献3には一部材から成るベアリングシェルを有するボールジョイントが開示されており、このベアリングシェルはフィルムヒンジを備える構成となっている。この特許文献3の開示内容によれば、このフィルムヒンジは、構造ユニット全体がケーシング内に設置される前に、ボールピボットにおけるジョイントボールをベアリングシェルへ設置させるものとなっている。このフィルムヒンジは、ボールジョイントの取付後にベアリングシェルの制限された変位(たわみ)を与えるとともに、追加的な弾性を与えるものとなっている。すなわち、ボールピボットは、その軸中心線に対して直角な方向にケーシング内で変位可能に支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0922868号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第1098377号明細書
【特許文献3】独国特許第19545567号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、多部材から成るベアリングシェルを有するボールジョイントにおいては、従来技術によっては、ベアリングシェルの十分な強度を確保しつつ該ベアリングシェルの材料及び形状により規定される特性を備えた十分な弾性調整が行えないという問題がある。
【0010】
本発明は上記問題にかんがみてなされたもので、その目的とするところは、ベアリングシェルの必要な強度を損なうことなく、ベアリングシェルにより所定の弾性調整が可能であり、かつ、復帰特性を備えたボールジョイントを提供することにある。本発明の目的は、更にこのようなボールジョイントを製造可能な製造方法を提供することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は、独立請求項に記載した特徴によって達成される。また、本発明の他の実施形態は従属請求項に記載されている。
【0012】
ケーシングと、ボールピボットとを備え、当該ボールジョイントのジョイントボールがベアリングシェル内で揺動及び回動可能に支持されている、車両用のボールジョイントは、本発明によれば、ベアリングシェルは、例えば打抜きによって製造され、かつ、変形された金属ストリップを含んで構成されている。
【0013】
この金属ストリップは、その少なくとも片側に凹部を有しており、ベアリングシェルにはジグザグ状部分又は歯が形成されている。このジグザグ状部分又は歯の両端部は、金属ストリップの球状のベアリングシェルの形状への変形後に、ボールピボットの軸中心線に対して内方へ突出するようになっている。さらに、このジグザグ状部分又は歯の両端部は、互いに所定の間隔を有している。
【0014】
また、この凹部、ジグザグ状部分又は歯をV字状に形成することが考えられ、この場合、ジグザグ状部分又は歯の先端部はとがった形状となる。このジグザグ状部分又は歯の好ましい他の形状としては、台形状のものが考えられる。なお、凹部も台形状であってもよい。
【0015】
また、凹部の深さの、該凹部の幅又はジグザグ状若しくは歯状の前記部分間の間隔に対する比を約2/3から1/3にするのが好ましい。ベアリングシェルにおけるこのような金属ストリップにより、このベアリングシェルの強度の向上を図ることが可能である。また、本発明によるベアリングシェルにおける弾性特性及び大きな強度の組合せにより、全体として摩擦の最適化がなされた構造部材の組合せを得ることができる。
【0016】
また、本発明によれば、ベアリングシェルを複数のベアリングシェル部分(構成部材)で構成するとともに、少なくとも1つのベアリングシェル部分を、金属ストリップを含んで構成している。
【0017】
ボールジョイントにおけるベアリングシェルの多部材による構成によれば、設計自由度が拡大されることになる。したがって、例えば、異なる材料又は材料組成をベアリングシェルの構成部材に使用し、摩擦係数の更なる最適化を図ることが可能である。
【0018】
さらに、ベアリングシェルの構成部材のうち少なくとも1つを全体的に金属材料で形成するか、金属を含んで形成するのが好ましい。このようにすることで、摩擦を大幅に低減することが可能である。また、このようなボールジョイントによれば、従来に比してより大きな負荷に耐えることが可能である。さらに、車両におけるボールジョイントにおいて問題となる、特にボールジョイントを長期間静止状態にした後に各摩擦相手部材とジョイントボールの間で調整可能な「剥離トルク」を防止することが可能である。
【0019】
したがって、上述の剥離トルクによって、大きな摩耗が生じるとともに、これに伴いボールジョイントが予定よりも早く故障に至ってしまうおそれがあるため、上記のようなボールジョイントによれば、ボールジョイントの寿命の延長を図ることも可能である。なお、ベアリングシェルの構成部材の金属層の板状部材により、このベアリングシェルの構成部材は金属部材として弾性が維持されることになる。
【0020】
また、本発明の好ましい実施形態においては、金属ストリップを備えたベアリングシェルの構成部材が複合部材で構成されているとともに少なくとも1つの合成樹脂層を備えている。こうすることで、合成樹脂の良好なダンパ特性を得ることができるとともに、金属ストリップの弾性と強度の組み合わせて合成樹脂による許容さを補償するような特性も得ることができる。なお、このとき、1つ又は複数の合成樹脂層を設けることが可能である。したがって、金属ストリップを例えば2つの合成樹脂層の間に設けることが考えられる。
【0021】
また、他の実施形態においては、金属ストリップがその1つの表面においてケーシングの内面に直接接触している。このような構成によれば、ベアリングシェルの各構成部材をそれぞれ異なる材料あるいは材料組成で構成することが可能である。
【0022】
また、ベアリングシェルの複数の構成部材が軸方向及び/又は径方向の力で付勢されつつケーシング内に収容されるのが好ましい。軸方向又は径方向の力の調整は、ボールジョイントの実施形態に従ってなされるようになっており、アキシャルジョイントとラジアルジョイントで異なっている。そして、ベアリングシェルあるいはその構成部材に作用する力により、後に、既に作用している力の範囲内でボールジョイントに作用する力の調整が可能となる。本発明によるボールジョイントの弾性の更なる向上及び該ボールジョイントに含まれるベアリングシェルは、取り付けられたボールジョイントにおいて、金属ストリップを有するベアリングシェルの構成部材に突合せ部状の空隙部を設けることで達成されるようになっている。なお、本発明によれば、この空隙部は、ベアリングシェルのボールピボットに対する変位の調整を可能にするためにも用いられる。
【0023】
また、本発明によれば、この空隙部の間隔を0.3〜0.7mmとし、好ましくは0.5mmとしている。これにより、本発明によるベアリングシェルにおける最適な弾性係数が得られることになる。さらに、ボールピボットを介してボールジョイントに作用する力をより良好に補償するために、ベアリングシェルに弾性を持たせるとともに、ベアリングシェルの構成部分のうち少なくとも1つに円すい状の接触面を設けて該接触面によりベアリングシェルをこれに対応して形成されたケーシングの内面に対して支持するようにしている。
【0024】
このように円すい状とすることで互いに対応するベアリングシェルの接触面とケーシングの内面が軸方向及び径方向への力が最適に受け止められることになる。このように形成されたジョイントは、アキシャルジョイントとしても、ラジアルジョイントとしても用いられることが可能である。
【0025】
また、本発明は、上述のようなボールジョイントにおけるベアリングシェルの構成部材の製造方法において、少なくとも、
−金属ストリップから帯状のブランクを製造するステップと、
−前記ブランクがベアリングシェルを展開した形状を有するよう、打抜きによって前記ブランクの長手側にジグザグ状又は歯状の外形部を形成するステップと、
−球状の支持面を有する前記ベアリングシェルあるいは球状の支持面を有する、前記ベアリングシェルの構成部分を形成するよう前記ブランクを変形させるステップ
を行うことを特徴としている。
【0026】
このような方法は製造技術的に簡易に実施可能であるとともに、この方法により、最適かつ負荷に応じて調整可能なベアリングシェルを提供することが可能である。また、ベアリングシェルのブランクの長手方向の片側をジグザグ状又は歯状に形成することで、当該ベアリングシェルの弾性特性を更に向上させることが可能である。
【0027】
また、本発明によれば、ベアリングシェルのブランクを少なくとも部分的に打抜きによって得ることが可能である。このように打抜き加工を用いることで、上記ブランクの製造にかかるサイクル時間を大幅に短縮することが可能である。この打抜き加工は、孔の穿設やジグザグ状又は歯状の形状を得るのにも用いることが可能である。さらに、本発明によるベアリングシェルのブランクを、所定の工程において打抜き加工により製造することも考えられる。
【0028】
さらに、特に板状部分については高い正確性をもって実施可能であり、そのため、ベアリングシェルの加工においてなされるような小さなサイズの構造を得ることが可能である。したがって、本発明による製造方法は特に有用である。
【0029】
ベアリングシェルのブランクの変形及び球状のベアリングシェルの形成又は球状のベアリングシェルの構成部材の形成のために、転造加工を用いてもよい。この転造加工によれば、ベアリングシェルあるいはその構成部材の球状の形状を最適かつ高い正確性をもって得ることが可能である。
【0030】
冒頭で既に述べたように、ボールジョイントの取付時にベアリングシェルに力を作用させておくのが好ましい。そして、この力により、ボールジョイントの取付時にボールピボットを介してベアリングシェルへ作用する力の調整が少なくともある程度なされるとともに、誤差の補償がなされる。
【0031】
また、摩擦係数及びこれに伴い生じるボールピボットの剥離トルクをボールジョイント内であらかじめできる限り正確に限定することができるよう、ボールジョイントの構成部材の取付時に、ベアリングシェル内でのボールピボットの変位に対して必要なトルクを一定時間ごとに測定し、所定のトルクに達した場合にはボールジョイントをロックするようになっている。したがって、最後に検出されたトルクが維持されることになる。これにより、摩擦係数及びボールジョイント内で生じるトルクが確実に調整されるとともに、大量生産において繰り返すことが可能である。したがって、製造される各ボールジョイントは、同様の品質を有することとなる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、ベアリングシェルの必要な強度を損なうことなく、ベアリングシェルにより所定の弾性調整が可能であり、かつ、復帰特性を備えたボールジョイントを提供することが可能である。また、このようなボールジョイントを製造可能な製造方法を提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明によるボールジョイントの斜視図である。
【図2】ベアリングシェルの構成部分の製造工程を示す図である。
【図3】複数の層を有するベアリングシェルの第1の実施形態を示す部分断面図である。
【図4】複数の層を有するベアリングシェルの第2の実施形態を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。本発明は、この実施の形態に限定されるわけではなく、本発明の基本原則を例示するものである。また、図面は本発明の良好な理解のため非常に簡略化して記載されているとともに、本発明の理解にとって不要なものは省略してある。しかし、このようなものが本発明において存在しないわけではない。
【0035】
図1には、アキシャルジョイントして機能するボールジョイントが空間的に示されている。このボールジョイントはケーシング1を備えており、このケーシング1内にはボールピボット2が揺動及び回動可能に支持されている。このボールピボット2のケーシング1内における支持は、当該ボールピボット2に形成されたジョイントボール3によってなされている。ここで、このジョイントボール3は、全体を符号6で示すベアリングシェル内に収容されている。
【0036】
図1に示すボールジョイントにおいては、このベアリングシェル6は該ベアリングシェルの一部4,5の2つの部分で構成されており、ベアリングシェル6の一部4が本実施の形態においては所定の弾性を有する合成樹脂で形成されている一方、ベアリングシェル6の一部5は金属材料で構成されているかあるいは金属ストリップ7を備えている。ここで、この金属ストリップ7は転造によって製造されるとともにベアリングシェル6の一部5の球状の外形に対して変形されているため、該一部5は、当該一部5の突合せ部を形成する空隙部9を備えている。
【0037】
一方、ベアリングシェル6における合成樹脂から成り、かつ、図1において上側に位置する一部4は円すい状の接触面10を備えており、この接触面10は、ケーシング1における円すい状の内面11に対応するようになっている。このとき、ベアリングシェル6の一部4における接触面10は、ケーシング1における内面11に直接接触するように成っている。なお、前記一部4には、当該一部4の弾性を向上させるために、スリット17が形成されている。
【0038】
また、ボールピボット2は、ジョイントボール3と当該ボールピボット2にけるピン部13の間にネック部12を備えており、このネック部12は、ピン部13に比して小さな径を有しているとともに、溝状かつ弓状の外形を有している。
【0039】
ところで、ジョイント構成部材の内部に異物(汚染物質等)又は湿気が侵入するのを防止するために、ボールジョイントは、シールベローズ14を備えている。このシールベローズ14は、一端においてクランプリング15によりケーシング1の外面部に固定されており、他端においてクランプリング16によりボールピボット2のピン部13に固定されている。
【0040】
図示のボールジョイントは、アキシャルジョイントとして形成されているため、車両に取り付けるためのケーシングピン18を備えている。また、このケーシングピン18は、ボールジョイントにおけるピン部13の反対側におけるケーシング1に配置されているとともに締結ネジを備えることができるようになっている。
【0041】
図2にはベアリングシェル6の一部5の各製造段階をa)〜c)で示した図が示されており、これによれば、まず、金属板あるいは金属ストリップ7から未加工鋳造品(ブランク)が製造される。なお、金属ストリップ7は、図2におけるa)に示すように、長方形状となっている。
【0042】
つづいて、図2におけるb)に示された加工工程においては、金属ストリップ7に等間隔で孔20が穿設される。その後、打抜きダイ又は打抜きによって凹凸部19が金属ストリップの片側に形成される。したがって、金属ストリップ7は、その片側においてジグザグ状又は歯状の歯部21を備えることになる。さらに、図2におけるb)には矢印Aが記載されており、この矢印Aは、金属ストリップ7を、ベアリングシェル6の一部5に対して、接続するように変形させることを示している。
【0043】
そして、図2におけるc)には製造が完了した状態における前記一部5の断面が例示されており、該一部5は、ボールジョイントにおけるベアリングシェルの通常の外形を有している。
【0044】
図3には前記一部5の第1の実施例が示されており、この図3において部分的な断面図で示された前記一部5の特徴は、該一部5がその内面及び外面において合成樹脂層8で完全に包囲されている点にある。
【0045】
一方、図4に示すベアリングジョイントは、これが合成樹脂層8のみを有している点で図3に示すものと相違している。この合成樹脂層8は、金属ストリップ7に結合されているとともに、前記一部5の内側に存在している。また、不図示の実施形態においては、金属ストリップ7と合成樹脂層8を逆にしてもよい。
【0046】
なお、図4における間隔22は、取付状態における歯部の端部間の間隔を示している。
【符号の説明】
【0047】
1 ケーシング
2 ボールピボット
3 ジョイントボール
4,5 ベアリングシェルの一部
6 ベアリングシェル
7 金属ストリップ
8 合成樹脂層
9 空隙部(突合せ部)
10 接触面
11 ケーシングの内面
12 ボールピボットのネック部
13 ピン部
14 シールベローズ
15,16 クランプリング
17 スリット
18 ケーシングピン
19 凹凸部
20 孔
21 歯部
22 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機付き車両用のボールジョイントであって、ケーシング(1)と、ボールピボット(2)とを備え、当該ボールジョイントのジョイントボール(3)がベアリングシェル(6)内で揺動及び回動可能に支持されている前記ボールジョイントにおいて、
前記ベアリングシェル(6)を、凹部を有しつつ当該ベアリングシェル又は該ベアリングシェルの構成部材を形成するために変形された金属ストリップ(7)を含んで形成したことを特徴とするボールジョイント。
【請求項2】
前記凹部(19)により前記ベアリングシェル(6)における少なくとも片側にジグザグ状あるいは歯状の部分を形成し、このジグザグ状あるいは歯状の部分の両端部を、前記ベアリングシェルの当該ボールジョイントへの取付後に前記ボールピボット(2)の軸中心線に向かって内側へ配向させるとともに、これら両端部間に隙間を生じさせるよう構成したことを特徴とする請求項1記載のボールジョイント。
【請求項3】
前記凹部をV字状に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のボールジョイント。
【請求項4】
ジグザグ状あるいは歯状の前記部分を台形状に形成したことを特徴とする請求項2記載のボールジョイント。
【請求項5】
前記凹部の深さの、該凹部の幅又はジグザグ状若しくは歯状の前記部分間の間隔に対する比を約2/3から1/3にしたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のボールジョイント。
【請求項6】
前記ベアリングシェルに合わせて変形された前記金属ストリップ(7)の両端部間に突合せ部状の間隔を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のボールジョイント。
【請求項7】
前記間隔を0.3〜0.7mmとしたことを特徴とする請求項6記載のボールジョイント。
【請求項8】
前記間隔を0.5mmとしたことを特徴とする請求項6又は7記載のボールジョイント。
【請求項9】
前記ベアリングシェル(6)を構成する複数の部分(4,5)を、互いに異なる材料又は材料組成で形成したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のボールジョイント。
【請求項10】
前記ベアリングシェル(6)を複数の部分(4,5)で構成するとともに、これら部分のうち少なくとも1つを金属で形成したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のボールジョイント。
【請求項11】
前記部分(4,5)のうちいずれかを、複合材料で構成するとともに、少なくとも1つの合成樹脂層(8)を有する前記金属ストリップ(7)で形成したことを特徴とする請求項10記載のボールジョイント。
【請求項12】
前記ベアリングシェル(6)を複数の部分(4,5)で構成するとともに、これら部分のうち少なくとも1つに円すい状の接触面(10)を設け、該接触面により、該部分を、前記接触面に対応する前記ケーシング(1)の内面(11)に対して支持するよう構成したことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のボールジョイント。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載のボールジョイントにおけるベアリングシェルの構成部材の製造方法において、
金属ストリップ(7)から帯状のブランクを製造するステップと、
前記ブランクがベアリングシェル(6)を展開した形状を有するよう、打抜きによって前記ブランクの長手側にジグザグ状又は歯状の外形部を形成するステップと、
球状の支持面を有する前記ベアリングシェル(6)あるいは球状の支持面を有する、前記ベアリングシェル(6)の構成部分(4,5)を形成するよう前記ブランクを変形させるステップ
を行うことを特徴とする製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−500946(P2012−500946A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524180(P2011−524180)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【国際出願番号】PCT/DE2009/050043
【国際公開番号】WO2010/022718
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(500045121)ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト (312)
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
【Fターム(参考)】