説明

ポジティブディスプレイスメントコーティング形成装置及び方法

本発明は、コンピュータ制御されたモーターを備えた分配装置を用いるコーティング材料のポジティブディスプレイスメントを使用する装置及び方法を提供する。分配装置の流速は制御され、そしてポジティブディスプレイスメント装置及び方法が分配されるコーティング量を正確なものとする。ポジティブディスプレイスメントコーティング装置及び方法は、部分間で大いにより正確かつ一貫したコーティングを可能とする。ポジティブディスプレイスメントコーティング装置がコーティングの流速を正確に制御するため、コーティングの粘度の相違は分配されるコーティング量に悪影響を与えない。さらに、液体流路又は圧力における相違は分配されるコーティング量に悪影響を与えない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、工作物にコーティングを適用するための装置及び方法に関する。特定の適用において、本発明は、治療用物質又はDNAなどのコーティングをステントのような移植可能な医療機器の表面に適用するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
患者の標的部位内に医療機器を位置決めし、そして配置することは、現代医学において一般的なしばしば繰り返される手順である。そのような機器は、多様な医療目的のために使用される。
【0003】
コーティングは、その有効性を高めるためにしばしばこれらの医療機器に適用される。これらのコーティングは、挿入手順の間に被る外傷の減少、標的部位内への医療機器の受け入れの容易化、及び手順後の機器の有効性の改善を含む多くの利益を提供することができる。
【0004】
膨張型ステント、ステント移植片、バルーン送達システム、及び動脈瘤コイルは、コーティングされ、そして体内に挿入されることのできる医療機器又はインプラントの特別な例である。膨張型ステントは、しばしば体腔の内壁を支持することを目的とするメッシュ様の構造を有する、管状の医療機器である。これらのステントは典型的には体腔内に位置決めされ、そしてその後内部からの支持を提供するために膨張させられる。ステントと体腔の内壁との直接的な接触により、ステントはその有効性を高めるために様々な化合物及び治療薬でコーティングされた。
【0005】
コーティングがでたらめにステントに適用される場合、又はステントの製造又は送達中になんらかの方法で除去された場合、ステントの有効性は損なわれることがある。
【0006】
ステント並びに他の医療機器をコーティングするために、浸漬コーティング及びスプレーコーティングなどの無差別のコーティング法が使用されてきた。しかしながら、これらの方法はどちらも制御が困難で無駄が多い。例えば、浸漬は、引力が機器のある末端又は領域においてより多くのコーティングを生じさせるため、機器への不均一なコーティングの適用を生じる可能性がある。これは、ステント又は他の機器が移植される場合、送達される治療薬の用量を予測すること難しくする。ステントの場合、浸漬の無差別の性質も問題である。なぜなら、それはメッシュ様ステントの接合部、蝶番、及び/又は曲がる部材において、コーティングのひび及び/又は崩壊を起こすかもしれないからである。ステントのこれらの部分を覆うコーティングは、ステントが膨張するときに耐えられないストレスがコーティング内で発生してはがれる恐れがある。さらに、浸漬コーティング及びスプレーコーティングなどの無差別コーティングは望ましくないコーティングのもつれ(webbing)をステント部材の間に生じさせるかもしれない。ステント部材の間の領域におけるコーティングのもつれは、血管壁に対して保持される可能性が低く、そしてこのコーティング材料は配置する間に失われるかもしれない。
【0007】
スプレーコーティングなどの現在のコーティング方法は、その過程で大量のコーティングが失われるため、浪費的なものでもある。DNAなどの高価な作用物質がコーティングされる場合、そのような浪費的な過程はコーティング方法を高価で手の出ないものとする。
【0008】
本特許出願の譲受人は、上記の問題のいくつか又はすべてを解決することを目的とする他の特許出願の譲受人でもある。これらは、2001年7月2日出願の「バブルジェット(登録商標)プリンティングヘッドによる医療用電化製品のコーティング」と題された米国特許出願番号第09/895,415号、及び2002年1月14日出願の「コーティング分配システム及び医療機器のコーティングのためのソレノイドヘッドを使用する方法」と題された米国特許出願番号第10/045,492号を含む。これらの出願の開示は本明細書中に参考文献として援用されている。
【0009】
先に提案された一定のコーティング技術は、コーティングを分配するために加圧された容器に依存した。このことにより、分配される実際のコーティング量は液体容器中の圧力、液体の粘度、及び分配装置中の液体通路の内部形状に大きく依存する。これは、分配されるコーティング量を変動させ、部分間で同じコーティングを再生成することを困難にする。
【発明の開示】
【0010】
発明の要約
本発明の対象は、効率よくかつ有効なやり方で工作物にコーティングを適用するための新規な装置及び方法の提供である。
【0011】
本発明によれば、ある実施態様において、該装置及び方法は、標的機器上の正確な位置に適用されるコーティング量の正確な制御を提供する。例えば、ある実施態様における該装置及び方法は、正確な量のコーティングを直接ステント表面に適用することを可能とする。該装置及び方法は、所望のパターンにコーティングを分散させるために使用されることができ、それは所望によりステント表面のパターンに従ってもよい。
【0012】
本発明によれば、ある実施態様において、該装置及び方法は、DNAコーティングのような高価なコーティングを適用するのに有用であり、それは該装置及び方法がコーティング材料の無駄を減少させるか又は除去するからである。
【0013】
本発明によれば、ある実施態様において、該装置及び方法は、比較的粘ちょうなコーティングを適用するのに有用である。例えば、ある実施態様においては、本発明による装置及び方法は40センチポアズを超える粘度を有するコーティング材料の取扱いに好適である。ある実施態様においては、本発明による装置及び方法は100センチポアズを超える粘度を有するコーティング材料の取り扱いに好適である。ある実施態様による装置及び方法は、DNAコーティング又は以下に記載されるものの中の粘度の高いコーティングを取り扱うことができる。
【0014】
本発明は、コンピュータ制御されたモーターを備えた分配装置を用いるコーティング材料のポジティブディスプレイスメントを使用する装置及び方法を提供する。分配装置の流速は制御され、そしてポジティブディスプレイスメント装置及び方法が分配されるコーティング量を正確なものとする。ポジティブディスプレイスメントコーティング装置及び方法は、部分間で大いにより正確かつ一貫したコーティングを可能とする。
【0015】
本発明のポジティブディスプレイスメントコーティング装置は、コーティングの流速を正確に制御するため、コーティングの粘度の相違は分配されるコーティング量に悪影響を与えない。さらに、いくつかの従来のコーティング方法とは異なり、液体流路又は圧力における相違は分配されるコーティング量に悪影響を与えない。
【0016】
ある実施態様によれば、ポジティブディスプレイスメントコーティング装置は、例えばステントのようなアクセス可能なパターン化された表面を有する医療機器にコーティングを適用するためのシステムの一部分として使用されることができる。このシステムは以下の:工作物ホルダー、視覚システム及びポジティブディスプレイスメントコーティング装置を含むことができる。このシステムにおいては、工作物ホルダー又は電化製品支持器は、医療機器を保持するように、そして医療機器の露出された外部パターン化表面にコーティングが接触するために直接的なアクセスを提供するように適合させられることができる。このシステムにおけるポジティブディスプレイスメントコーティング装置は、医療機器に関して移動することができ、そしてコーティングの供給源及びコンピュータプロセッサと連絡することができる。このシステムにおけるプロセッサは、ポジティブディスプレイスメントコーティング装置にコーティングを医療機器のアクセス可能な表面上に所定のパターンで押し出すよう命令するコマンドを含むことができる。そのパターンは所望により、医療機器のアクセス可能なパターン化表面と相関することができる。
【0017】
アクセス可能な表面を有する医療機器にコーティングを適用するための方法も提供される。1つの実施態様において、この方法は、医療機器を保持すること、医療機器の外部表面への直接的なアクセスを提供すること、及びポジティブディスプレイスメントコーティング装置にコーティングを医療機器のアクセス可能な表面上に所定のパターンで押しだすよう命令するコマンドシグナルを受容することを含むことができる。コーティングは、医療機器のアクセス可能なパターン化表面と相関するパターンで分配されることができる。
【0018】
詳細な説明
図1Aは、本発明によるポジティブディスプレイスメントコーティング装置の実施態様を図示する。この実施態様における装置1は、シリンジ外筒10及びシリンジプランジャー12を有するピストン型の機械的分配器を含む。シリンジ外筒10の出口末端に取り付けられるのは分配ノズル14である。シリンジ外筒10は、好適なスタンド又はブラケット16上に積載されることができる。
【0019】
シリンジプランジャー12は、シリンジ外筒10の内部を長軸方向に移動可能である。プッシャーブロック20がシリンジプランジャー12に対して押し付けるように積載される。プッシャーブロック20は今度は、サーボモーター24により動かされるリニアーアクチュエーター22に接続される。サーボモーターは、図1Aにブロック30で模式的に示された好適なコンピュータプロセッサによって制御されることができる。
【0020】
コンピュータプロセッサ30は、サーボモーター24にシグナルを送り、その動きを制御する。作動されると、サーボモータ24は、リニアーアクチュエーター22を動かし、矢印Aにより示す方向へ動かす。これは今度は、プッシャーブロック20を同じ方向に動かし、これはシリンジプランジャー12をシリンジ外筒10の中へ下に向かわせる。
【0021】
所望のコーティングがシリンジ外筒10内に置かれる。シリンジプランジャー12がシリンジ外筒10の中に向かって下向きに動く場合、それは、コーティングを分配ノズル14から外へ、そして例えば、ステントである所望の工作物上へ押しやる。
【0022】
シリンジプランジャー12が直接的にコーティングに作用するため、そしてシリンジプランジャー12の機械的移動がコーティングを分配するため、分配ノズル14から出るコーティングの流速は正確に制御可能である。シリンジプランジャー12の動きの速度を制御することは、分配ノズル14から出るコーティングの流速を制御する。
【0023】
図1Bは、本発明によるポジティブディスプレイスメントコーティング装置の別の実施態様を図示する。この実施態様の装置も、シリンジ外筒10、シリンジプランジャー12、及び図1A中のものと類似する分配ノズル14を有する、ピストン型の機械的分配器を含む。さらに、この実施態様は、流れをオンとオフに切り替えるのに使用されることのできるバルブ18を含む。他のすべての点において、該実施態様は図1Aに示されたものと類似する。
【0024】
DNA及びヒドロゲルのような圧縮可能な液体又はトラップされた気泡を含む粘ちょうな液体を適用する場合、バルブ18が取り入れられてよい。バルブがないと、そのような液体を分配したとき、液体及び/または気泡の膨張によって、シリンジ12が停止した後も流れが持続する傾向があるかもしれない。分配ノズル14の末端近くに示したバルブ18は、シリンジプランジャー12が停止されるときなどに流れを止めるために使用されることができる。この配置におけるシリンジプランジャー12及びバルブ18は、一定圧力を適用するのに使用可能である。
【0025】
図2は、本発明によるポジティブディスプレイスメントコーティング装置の分配ノズル14の一部分の拡大図を示す。図示したように、ポジティブディスプレイスメントコーティング装置はコーティング32の制御された分配を可能とする。この図においては、コーティング32は、その一部分が図示されたステント34の外部表面に沿って正確に適用される。
【0026】
ステント34の外部表面のパターンに沿ったコーティング32の正確な分配を可能とするように、ポジティブディスプレイスメントコーティング装置からコーティング32が分配されるとき、ステント34の動きを制御するためにコンピュータプロセッサが使用されることができる。ステント34の動きの制御は、分配ノズル14からのコーティングの分配の制御と同調させられることができる。ステント34を動かす代わりに、分配ノズル14(及び、所望により、ポジティブディスプレイスメントコーティング装置の他の部分)が、コーティング32が分配されるときにステント34のパターンをたどるために動かされてもよい。より一般的には、ある実施態様においては、コーティングの間、分配ノズルが適当に保持される一方、医療機器が動かされてもよく、また、他の実施態様においては、コーティングの間、医療装置が適当に保持される一方、分配ノズルが動かされてもよい。また、分配ノズル及び医療機器の両方が、コーティングの間、持続的に又は間歇的に動かされてもよい。さらに、ステント及び/又は分配ノズルは、ステントに関する分配ノズルの相対位置が、ステントの長さに沿った長軸又はステントの周囲の円、などの固定された経路で移動するように、動かされることができる。そのような場合、該装置は分配ノズルがステントの部分に近接したときにだけコーティングを分配するように制御されることができる。その動きは分配のために間歇的又は停止又は遅くされることができる。
【0027】
図3は、本発明によるポジティブディスプレイスメントコーティング装置の機械的分配部分についての別の羽根型の実施態様を示す。すなわち、シリンジ外筒10内部を動くことのできるシリンジプランジャー12を取り入れたピストン型の配置の代わりに、この実施態様は、羽根部材44によって掃引されるチャンバー42を含む羽根型分配器40を使用する。コーティングは、分配ノズル14に取り付けられたチャンバー42の側面上にある。コンピュータ制御により、羽根部材44は矢印Aの方向に中心点46の周りを回転させられる。羽根部材のこの移動は今度は、コーティングを移動させ、分配させる。ピストン型の配置のように、羽根部材44の機械的移動がコーティングの移動を引き起こす。
【0028】
図4は、本発明のポジティブディスプレイスメントコーティング装置の機械的分配器部分についての別の蛇腹型の実施態様を示す。ここで、ピストン型又は羽根型配置の代わりに、この実施態様は1つ以上の曲げ可能な側壁52を含む蛇腹50を使用する。コンピュータ制御により、うごくことのできる部材54が矢印Aの方向に動かされる。これは、1つ以上の曲げ可能な側壁52の圧縮によって、蛇腹50を圧縮させる。蛇腹50の壁の移動は今度はコーティングの移動及び分配を引き起こす。先に記載の配置のように、蛇腹50の機械的移動は直接的にコーティングの移動を引き起こす。
【0029】
図5は、本発明のポジティブディスプレイスメントコーティング装置の機械的分配器部分についての別の空気袋型の実施態様を示す。この実施態様は、いくつかの点で蛇腹50に類似した曲げ可能な空気袋60を使用する。曲げ可能な空気袋60は、曲げ可能な膜62を含む。コンピュータ制御により、動くことの可能な部材64が矢印Aの方向に動かされ、曲げ可能な膜62を圧縮させる。曲げ可能な膜62のこの移動は、今度はコーティングの移動及び分配を引き起こす。先に記載の配置のとおり、曲げ可能な膜62の機械的移動は直接的にコーティングの移動を引き起こす。
【0030】
図6は、本発明のポジティブディスプレイスメントコーティング装置の機械的分配器部分についての別のスクリュー型の実施態様を示す。この実施態様においては、回転可能なスクリュー部材72が管70又は他の好適なチャンバー中に置かれる。スクリュー72は針74を有する。管70の一番上に入る液体は、スクリュー部材72の回転によって管の中を押し下げられ、そして分配ノズル14から出される。コンピュータは、スクリューを矢印Aで示した方向に回転させ、そして針74の作用が液体のポジティブディスプレイスメントを引き起こす。先に記載の配置のように、スクリュー70の機械的移動は直接的に液体又はコーティングの移動を引き起こす。
【0031】
図7は、ポジティブディスプレイスメントコーティング装置を本発明の実施態様によって使用して、コーティングを医療機器に適用するためのシステムの略図である。ポジティブディスプレイスメントコーティング装置1は、シリンジ外筒10及びシリンジプランジャー12を有するピストン型機械的分配器を含む、図1Aに示されたものに類似している。
【0032】
システムの他の部分は、工作物ホルダー80及び視覚システム90を含むことができる。この実施態様における工作物ホルダーは、ステント84がその上に模式的に示されたスピンドル82を含む。工作物ホルダー80は、軌道86に沿って移動可能であるように図示される。ボックス88によって模式的に示すコンピュータプロセッサは、軌道86に沿った動き並びにスピンドル82の回転を制御する。
【0033】
視覚システム90は、その正確な配置を決定するために、スピンドル上のステント84の位置を見ることができる。当業者はそのような機能をはたすことのできる視覚システムに精通しているであろう。
【0034】
使用時、視覚システム90がシステムの部分に関するステント84の位置を決定する。位置決めを較正するために、コーティングの滴が工作物ホルダーの一部分、例えばスピンドル80、に適用されることができるように、工作物ホルダー80が最初に分配ノズル14の下の位置に動かされることができる。そして、この部分は、システムのコンピュータ制御がシステムの部分の正確な関係がわかるように、視覚システム90の下へ持ってこられる。
【0035】
コーティングのためには、工作物ホルダー80はポジティブディスプレイスメントコーティング装置1の分配ノズル14の下にステント84の位置を定める。そして、コンピュータ制御により、工作物ホルダー80はステント84を長軸方向に、そして回転するように動かす。同時に、そして同調的に、ポジティブディスプレイスメントコーティング装置1はステント84のパターンにしたがってコーティングを分配させられる。
【0036】
代わりに、分配ノズル14は、ステント84に関して長軸方向に動かされることができる。この実施態様においては、分配ノズル14は、ステント84にごく近傍に置かれ、そしてステント84の外部パターン化表面全体をコーティングすることができるように軌道にそって前後して動かされることができる。ポジティブディスプレイスメントコーティング装置のプロセッサ30は、それがステント84の全体又はある部分のみをコーティングするように命令するが、いずれにしても、ステントの部分が分配ノズル14の下にある場合にのみコーティングが分配されるようにプログラムされることができる。言い換えれば、方法が実施されるとき、ポジティブディスプレイスメントコーティング装置は、同時にステント84の部分間の区域へコーティングを押し出すことを止めつつ、コーティングをステント84の表面に押し出すことができる。これらの区域へ押し出されたコーティングは単に無駄となるか又はステント84でない場所へのコーティングの誤った沈着を生じるであろう。
【0037】
プロセッサへの命令を記憶し、提供するために、コンピュータプロセッサと連絡する記憶媒体が使用されることができる。そのような記憶媒体は、多くのタイプの揮発性(すなわち、RAM)及び非揮発性(すなわち、ROM、CD ROM、EEPROM、Magnetic Mediaなど)の利用可能な記憶媒体のうちの一つであることができる。先にプログラムされた命令又は他の保持されたデータは、コーティングされる各医療機器に独特のものであり、そしてコーティングされる各医療機器の独特の外部パターン及び正確な寸法を説明することができる。記憶媒体はまた、多くの異なる医療機器についての独特の命令を保持し、又はそれぞれが単一の医療機器のための独特の命令群若しくは複数の医療機器のための命令群を保持する異なる記録可能な媒体に適応したディスクドライブなどの媒体受容器を提供されることもできる。
【0038】
上記のように、この実施態様におけるステント84のような医療機器は、分配ノズル14に対して医療機器の異なる側面を露出させるために工作物ホルダー80によって回転させられることができる。結局、医療機器及び/又はポジティブディスプレイスメントコーティングシステムとコーティングのポジティブディスプレイスメントフローの調和した動きを通して医療機器のすべての外部部分は分配ノズル14に露出され、そしてそれによりコーティングされることができる。
【0039】
医療機器が平面的であるか又は直線的である別の実施態様においては、工作物ホルダー80は、上記のものとは異なることができる。この場合、分配ノズルが医療機器の表面全体に到達するために医療装置の上を前後に移動する一方、工作物ホルダーは装置のx平面及びy平面の両方における動きを提供することができる。
【0040】
当業者はポジティブディスプレイスメントコーティング装置、工作物ホルダー及び視覚システムを組み合わせた使用が、システムがシステムのパーツどうしを相互に位置づけるための多様な操作を実施することを可能とすることを理解するであろう。例えば、該システムは、医療機器の同定可能な特徴の位置を確認するための視覚システムを使用することによって、医療機器を位置づけそして正しい方向に向けるために使用されることができる。他の例としては、ポジティブディスプレイスメントコーティング装置が移動可能な場合、該システムは分配ノズルの位置を確認するための視覚システムを使用することによって、分配ノズルを位置づけそして正しい方向に向けるのに使用されることができる。或いは、先に記載したとおり、該システムは、試験的表面へ分配ノズルによって射出された物質の試験的な量の位置を確認するための視覚システムを用いることによって、分配ノズルを位置づけそして正しい方向に向けるために使用されることができる。他の例としては、該システムは、コーティング後の医療機器を見て及び/又は分析するための視覚システムを使用することによって、医療機器上へのコーティング材料の配置をモニターするために使用されることができる。
【0041】
ポジティブディスプレイスメントコーティング装置1は、好適なコーティング供給源と液体連通していることができる。コーティング供給源はいくつかの可能なコーティングのうちのいずれを含むこともできる。これらのコーティングはパクリタキセル、懸濁された治療剤を含むポリマー、非血栓形成剤、潤滑物質、滑らない物質、放射線不透過性物質、放射性物質、及び磁性を有する物質(magnetic signature agent)を含むことができる。これらのコーティングはまた、以下の:薬学的活性化合物、タンパク質、細胞、オリゴヌクレオチド、リボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオチド、DNAコンパクション剤、遺伝子/ベクター系(すなわち、核酸の取り込み及び発現を可能とするいずれかのビヒクル)、(例えば、組換え核酸、裸のDNA、cDNA、RNA;非感染性ベクター又はウイルスベクター中の、及びさらにペプチドターゲティング配列に結合した、ゲノムDNA、cDNA、又はRNA)核酸;アンチセンス核酸(RNA又はDNA);並びに遺伝子配列を含み、そして膜転座配列(「MTS」)のようなフェリー(ferry)タンパク質をコードするDNAキメラ及び単純ヘルペスウイルス−1(「VP22」)を含む核酸、並びにウイルス、リポソームおよび所望の適用によって多くのタイプから選ばれる陽イオン性及び陰イオン性ポリマー及び中性ポリマーを含むことができる。ウイルスベクター又はウイルス供給源由来のベクターの非制限的な例は、アデノウイルスベクター、単純ヘルペスベクター、パピローマベクター、アデノ関連ベクター、レトロウイルスベクター、などを含む。生理活性を有する溶質の非制限的な例は、ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、およびPPACK(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)などの抗血栓形成剤;プロブコール、及びレチノイン酸などの抗酸化剤;血管形成及び抗血管形成剤並びに因子;ラパマイシン、アンギオペプチンなどの平滑筋細胞増殖遮断剤及び平滑筋細胞増殖を遮断することのできるモノクローナル抗体;serp−1タンパク質、デキサメタゾン、プレドニソロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、サルファサラジン、アセチルサリチル酸、及びメサラミンなどの抗炎症剤;ベラパミル、ジルチアゼム、及びニフェジピンなどのカルシウムブロッカー;パクリタキセル、5−フルオロウラシル、メトトレキセート、ドキソルビシン、ダウノルビシン、シクロスポリン、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンギオスタチン及びチミジンキナーゼ阻害剤などの抗新生物/抗増殖/抗有糸分裂剤;トリクロサン、セファロスポリン、アミノグリコシド、及びニトロフラントインなどの抗菌剤;リドカイン、ブピバカイン、及びロピバカインなどの麻酔剤;リシドミン、モルシドミン、L-アルギニン、NO-タンパク質付加体、NO-炭水化物付加体、NO付加体ポリマー又はオリゴマーなどの一酸化窒素(NO)供与体;D-Phe-Pro-Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、抗トロンビン化合物、血小板受容体アンタゴニスト、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、エノキサパリン、ヒルジン、ワーファリンナトリウム、ジクマロール、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤及びチック抗血小板因子などの抗凝固剤;成長因子、成長因子受容体アンタゴニスト、転写活性化剤及び翻訳プロモーターなどの血管−細胞成長促進剤;成長因子阻害剤、成長因子受容体アンタゴニスト、転写リプレッサー、翻訳リプレッサー、複製阻害剤、阻害性抗体、成長因子に対する抗体、成長因子及びサイトトキシンからなる二機能性分子、抗体及びサイトトキシンから成る二機能性分子などの血管細胞成長阻害剤;コレステロール低下剤;血管拡張剤;内因性の血管作用性メカニズムを妨害する作用物質;抗アポトーシスBcl-2ファミリ因子及びAktキナーゼなどの細胞死から保護する生存遺伝子;クラドリビン;そしてそれらの組み合わせを含む。細胞はヒト由来(自己の又は同種異系の)或いは動物由来(異種の)であり、所望により遺伝的に工学処理されることができる。送達媒体は細胞機能及び生存性の維持に必要であるように製剤される。送達媒体は、(ポロキサマー、陽イオン性ポリマー、キトサンなどの)DNAトランスフェクション促進剤、1つ以上の増粘剤、及び/又は1つ以上の細胞生存性促進剤を含むことができる。当業者によるいかなる修飾も日常的に行われる。
【0042】
本発明の実施において有用なポリヌクレオチド配列は、細胞によって取り込まれた後で治療効果を有するDNA又はRNA配列を含む。治療的ポリヌクレオチドの例は、アンチセンスDNA及びRNA;アンチセンスRNAをコードするDNA;欠損した又は欠乏した内因性分子を補充するためのtRNA又はrRNAをコードするDNA;或いは干渉RNA配列を含む。本発明のポリヌクレオチドはまた、治療的タンパク質又はポリペプチドをコードすることもできる。ポリペプチドは、サイズ及びグリコシル化の有無にかかわりなくポリヌクレオチドのいかなる翻訳産物でもあると理解される。治療的タンパク質及びポリペプチドは、主要な例として、動物において欠損又は欠乏している種を補償することのできるタンパク質又はポリペプチド或いは毒性効果を通して体の中の有害な細胞を制限するか又は除去するタンパク質又はポリペプチドを含む。さらに、注射されることのできるタンパク質又はポリペプチド、或いはそのDNAが取り込まれることのできるものは、非制限的に、酸性及び塩基性線維芽細胞成長因子、血管内皮細胞成長因子、hif−1、上皮成長因子、トランスフォーミング成長因子α及びβ、血小板由来内皮成長因子、血小板由来成長因子、腫瘍壊死因子α、肝細胞成長因子並びにインスリン様成長因子などを含む血管新生因子及び血管新生について競合する他の分子;成長因子;CDK阻害剤を含む細胞周期阻害剤;p15、p16、p18、p19、p21、p27、p53、p57、Rb、nFkB及びE2Fデコイを含む再狭窄防止剤、チミジンキナーゼ(「TK」)及びそれらの組み合わせ並びに悪性腫瘍の治療のための剤を含む細胞増殖を妨害するのに有用な他の作用物質;そしてそれらの組み合わせを含む。ポリペプチドまたはこれらのペプチドをコードするDNAとして提供されることのできるさらに他の有用な因子は、モノサイト化学誘引タンパク質(「MCP-1」)、及び骨形成タンパク質(「BMP」)のファミリーを含む。知られたタンパク質は、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6(Vgr-1)、BMP-7(OP-1)、BMP-8、BMP-9、BMP-10、BMP-11、BMP-12、BMP-13、BMP-14、BMP-15及びBMP-16を含む。現在、好ましいBMPはBMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6及びBMP-7のいずれかである。これらの二量体たんぱく質は、ホモ二量体、ヘテロ二量体として、あるいはそれらの組み合わせを単独で又は他の分子と一緒になったものとして提供されることが出来る。或いは、さらに、BMPの上流又は下流の効果を誘導することのできる分子が提供されることができる。そのような分子は、「ヘッジホッグ」タンパク質、又はそれらをコードするDNAのいずれをも含む。
【0043】
ポリマー材料が治療剤のための担体又はマトリックスとしてコーティング組成物中で使用されることができる。ポリマー材料は、生体吸収性または生体安定性のいずれでもよい。それは、親水性または疎水性であることができる。ポリマー材料は、以下の群:ポリカルボン酸、酢酸セルロース及び硝酸セルロースを含むセルロース性ポリマー、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、架橋ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸ポリマーを含むポリ無水物、ポリアミド、ポリビニルアルコール、EVAなどのビニルモノマーのコポリマー、ポリビニルエーテル、ポリビニルアロマティック、ポリエチレンオキシド、グリコサミノグリカン、ポリサッカライド、ポリエチレンテレフタレートを含むポリエステル、ポリアクリルアミド、ポリエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン及び高分子量ポリエチレンを含むポリアルキレン、ポリテトラフルオロエチレンを含むハロゲン化ポリアルキレン、ポリウレタン、ポリオルソエステル、タンパク質、ポリペプチド、シリコーン、シロキサンポリマー、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレートバレレート、並びにそれらの混合物及びコポリマー、そして他の生体分解性、生体吸収性及び生体安定性ポリマー及びコポリマーから選ばれることができる。ポリウレタン分散(BAYHDROL(登録商標)など)及びアクリルラテックス分散などのポリマー分散からのコーティングも使用されることができる。ポリマーは、タンパク質ポリマー、フィブリン、コラーゲン及びそれらの誘導体、セルロース、デンプン、デキストラン、アルギン酸などのポリサッカライド、及びこれらのポリサッカライドの誘導体、細胞外マトリックス成分、ヒアルロン酸、又は他の生物学的作用物質或いはこれらの好適な混合物などであることができる。使用されることの出来るポリマーの1つの例は、HYDROPLUS(登録商標)(Boston Scientific Corporation, Natick, Mass.)として入手可能であるポリアクリル酸であることができ、その開示が本明細書中に参考文献として援用されている米国特許第5,091,205号に記載されている。米国特許第5,091,205号は、体液に露出されたときその機器が即座に潤滑になるように、1つ以上のポリイソシアネートでコーティングされた医療機器を記載している。ポリマーは、ポリ乳酸及びポリカプロラクトンなどのコポリマーであることができる。
【0044】
他のコーティング材料は、医療電化製品の異なる部分に対して動力機能又は信号機能のいずれかへの電気的伝導性を提供するために医療電化製品上にコーティングされることのできるいかなる伝導性材料でもある。例えば、カテーテルの遠位末端において遠隔適用をするための動力を与えるために、カテーテルの近位末端における電力供給源を可能とするために電気伝導性条片がカテーテルに適用されることができる。さらに、ポジティブディスプレイスメントコーティング装置は、それによって伝導性材料を電気的に絶縁するために、先に適用された伝導性材料を絶縁材料でコーティングするために利用されることができる。
【0045】
ポジティブディスプレイスメントコーティング装置は、他の方法よりも粘度の高い材料でコーティングすることを可能とすることができ、なぜなら、そこを通ってコーティング液体が移動するより大きなオリフィス及びノズルを有することができるからである。コーティング材料は、高い治療剤濃度によるであろう高い固体含量のために粘ちょうになるかもしれない。治療剤のより高い濃度は、それが医療電化製品をより有効にするという臨床的観点から好ましいかもしれない。さらに、より高い濃度の治療剤(そしてしたがってより高い粘度)を有するコーティングが必要とするコーティングステップはより少ないかもしれなく、そしてしたがって製造に必要な時間はより短いかもしれない。したがって、より高い薬物負荷が、より短い時間で適用されることのできるより少ないコーティングを有する医療電化製品に適用されることができる。
【0046】
さらに、ポジティブディスプレイスメントコーティング装置が機械的分配メカニズムのコンピュータ制御によってコーティングの流れを制御するため、分配されるコーティング量は正確に決定されそして制御されることができる。
【0047】
この実施態様におけるポジティブディスプレイスメントコーティング装置は、コーティングが複雑なパターンで適用され、医療機器の複雑なパターンに適合することを可能にする正確なやり方でコーティングするようにプログラムされることが好ましい。分配ノズルから押し出されるコーティングの流れは、標的のコーティングにおける高度の正確性を可能とするために、医療機器の標的領域に対して小さいこともまた好ましい。医療機器の正確なコーティングは、コーティング材料の経済的な使用を可能とする。
【0048】
他の実施態様においては、ポジティブディスプレイスメントコーティング装置は、コーティング材料を機器全体の周囲に一つの被覆又は層として沈着させるよりも、医療機器のその後の使用に望ましいように、異なる厚さの異なる層で該機器の異なる領域をコーティングすることができる。そうすることによって、異なる濃度の治療剤が医療機器の異なる領域に沈着されることができる。さらに、又は代わりに、ポジティブディスプレイスメントコーティング装置は、異なるコーティング組成物を機器の異なる領域に適用するために、異なる厚さで機器の異なる領域に組成物を適用するため、及び/又は機器の部分又は全体へ組成物の層を適用するために使用されることができる。層、厚さ及び/又は組成物の相違が、例えば時間の経過にともなって治療剤の放出を制御するために使用されることができる。
【0049】
ポジティブディスプレイスメントコーティング装置により適用されることのできるコーティングは、以下の:ステントの配置の間にステント上にかかるストレスを減少させるための潤滑なコーティング;伝統的なラジオグラフィー技術を用いて移植後のステントの位置を確認するための放射線不透過性コーティング;移植されたステントの中および周囲での組織の再増殖を防止するのに有用な放射性物質;及びMagnetic Resonance Imaging (MRI)技術を用いる移植されたステントの位置の確認を可能とする磁性コーティングを含むこともできる。これらの磁性コーティングは、鉄粉末又はガドリニウム又はディスプロジウムのような常磁性粉末を用いて得られることができる。
【0050】
この正確なコーティング方法の他の有用な適用は、情報又は電化製品自体上の同定コードの伝達であることができる。そして、この情報又はコードは、医療機器の供給源の確認及び目的の遂行のためのそれに関する他の履歴を確認するために使用されることができる。いったん移植されたら、バーコードであることのできる該コードはラジオグラフィー、MRI又は他の好適な侵襲性または非侵襲性の手順で読み取られることができる。
【0051】
医療機器を保持するためのメカニズムは、多数の好適な形態のいずれであることもできる。例えば、切痕システムおよび支持シリンダーを含むメカニズムが使用されることができる。該メカニズムは、適用されたコーティング量を測定するために、医療機器の重量を測定するための手段(例えば、バランス/ロードセル)を含むこともできる。
【0052】
いくつかの実施態様が検討された一方、本発明の精神及び範囲内にある他のものもまた、現実的である。例えば、1つの分配ノズルが上記の各実施態様において記載される一方、2つ以上の分配ノズルも使用されることができる。この代わりの実施態様においては、複数の分配ノズルが同調的にそして非同調的に作業することができ、そして一緒にまとまっていくつかの医療機器を同時にコーティングすることができる。他の実施態様としては、バルブ18のようなバルブが、記載された分配器の多様なタイプのいずれに取り入れられることもできる。添付された請求項によって定義された他の変更は本発明の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1A】図1Aは、本発明によるポジティブディスプレイスメントコーティング装置の実施態様を示す。
【図1B】図1Bは、バルブを含む、本発明によるポジティブディスプレイスメントコーティング装置の別の実施態様を示す。
【図2】図2は、ステントの一部にコーティングを適用している、本発明によるポジティブディスプレイスメントコーティング装置のノズル部分の拡大図である。
【図3】図3は、本発明によるポジティブディスプレイスメントコーティング装置の機械的分配器部分の別の羽根型の実施態様を図示する。
【図4】図4は、本発明によるポジティブディスプレイスメントコーティング装置の機械的分配器部分の別の蛇腹型の実施態様を図示する。
【図5】図5は、本発明によるポジティブディスプレイスメントコーティング装置の機械的分配器部分の別の空気袋型の実施態様を図示する。
【図6】図6は、本発明によるポジティブディスプレイスメントコーティング装置の機械的分配器部分の別のスクリュー型の実施態様を図示する。
【図7】図7は、本発明の実施態様によるポジティブティスプレイスメント装置を用いて医療機器にコーティングを適用するためのシステムの模式図である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセス可能な表面を有する医療機器にコーティングを適用するためのポジティブディスプレイスメントコーティング装置であって、以下の:
コンピュータプロセッサ;
モーター;そして
チャンバー及び該チャンバー内でコーティングを移動させるための手段を含む、機械的分配機構;
を含み、ここで、上記コンピュータプロセッサが上記モーターの動きを制御し、そしてここで、上記モーターが、上記モーターの動きが上記チャンバー内のコーティングを順方向に移動させ、そして結局上記チャンバーの外へのコーティングの動きをもたらすように、上記チャンバー内でコーティングを移動させるための手段に機械的に連結されている、前記装置。
【請求項2】
上記チャンバーがシリンジ外筒であり、そしてコーティングを上記チャンバー内で移動させるための上記手段がシリンジプランジャーである、請求項1に記載のポジティブディスプレイスメントコーティング装置。
【請求項3】
コーティングを上記チャンバー内で移動させるための上記手段が可動性の羽根部材である、請求項1に記載のポジティブディスプレイスメントコーティング装置。
【請求項4】
上記チャンバーが蛇腹であり、コーティングを上記チャンバー内で移動させるための上記手段が該蛇腹を圧縮する部材である、請求項1に記載のポジティブディスプレイスメントコーティング装置。
【請求項5】
上記チャンバーが、曲げ可能な膜によって定義された圧縮可能な空気袋であり、そしてコーティングを上記チャンバー内で移動させるための上記手段が、上記曲げ可能な膜を圧縮する部材である、請求項1に記載のポジティブディスプレイスメントコーティング装置。
【請求項6】
コーティングを上記チャンバー内で移動させるための上記手段が回転可能なスクリュープロペラである、請求項1に記載のポジティブディスプレイスメントコーティング装置。
【請求項7】
アクセス可能な表面を有する医療機器にポジティブディスプレイスメントコーティング装置を用いてコーティングを適用するためのシステムであって、以下の:
コーティングされる上記医療機器を保持するための工作物ホルダー;
視覚システム;及び
ポジティブディスプレイスメントコーティング装置であって、以下の:
コンピュータプロセッサ;
モーター;そして
チャンバー及びコーティングを上記チャンバー内で移動させるための手段を含む、機
械的分配機構;
を含む、前記ポジティブディスプレイスメントコーティング装置;
を含み、ここで、上記コンピュータプロセッサが上記モーターの動きを制御し、そしてここで、上記モーターが、上記モーターの動きが上記チャンバー内のコーティングを順方向に移動させ、そして結局上記チャンバーの外へのコーティングの動きをもたらすように、上記チャンバー内でコーティングを移動させるための手段に機械的に連結されている、前記システム。
【請求項8】
医療機器にコーティングを適用するための請求項7に記載のシステムであって、ここで、上記チャンバーがシリンジ外筒であり、コーティングを上記チャンバー内で移動させるための上記手段がシリンジプランジャーである、前記システム。
【請求項9】
医療機器にコーティングを適用するための請求項7に記載のシステムであって、ここで、コーティングを上記チャンバー内で移動させるための上記手段が可動性の羽根部材である、前記システム。
【請求項10】
医療機器にコーティングを適用するための請求項7に記載のシステムであって、ここで、上記チャンバーが蛇腹であり、コーティングを上記チャンバー内で移動させるための上記手段が該蛇腹を圧縮する部材である、前記システム。
【請求項11】
医療機器にコーティングを適用するための請求項7に記載のシステムであって、ここで、上記チャンバーが、曲げ可能な膜によって定義された圧縮可能な空気袋であり、そしてコーティングを上記チャンバー内で移動させるための上記手段が、上記曲げ可能な膜を圧縮する部材である、前記システム。
【請求項12】
医療機器にコーティングを適用するための請求項7に記載のシステムであって、ここで、コーティングを上記チャンバー内で移動させるための上記手段が、回転可能なスクリュープロペラである、前記システム。
【請求項13】
医療機器にコーティングを適用するための請求項7に記載のシステムであって、上記工作物ホルダーが、上記医療機器の長軸のまわりを該医療機器を回転させるのに適合されている、前記システム。
【請求項14】
医療機器にコーティングを適用するための請求項7に記載のシステムであって、ここで、該システムが以下の機能:
上記医療機器の同定可能な特徴の位置を確認することによって該医療機器を位置付けそして正しい方向に向けさせ;
分配ノズルの位置及び試験用表面上へ上記分配ノズルにより射出された物質の試験的量のうちの少なくとも1つを確認することによって、上記ポジティブディスプレイスメントコーティング装置の分配ノズルを位置付け、そして正しい方向に向けさせ;そして
上記医療機器の上記アクセス可能な表面上へのコーティング材料の配置をモニターする;
のうちの少なくとも1つを実行するように適合されている、前記システム。
【請求項15】
医療機器にコーティングを適用するための請求項7に記載のシステムであって、ここで、上記コンピュータプロセッサが、以下の:
上記医療機器の上記アクセス可能な表面の構成を表すデータを記憶するメモリ;そして
上記工作物ホルダーによって保持されている上記医療機器のアクセス可能な表面と相関するパターンで上記医療機器のアクセス可能な表面上へコーティングを押しだすようにポジティブディスプレイスメントコーティング装置に命令するコマンドシグナルを生成する、制御ユニット;
を含む、前記システム。
【請求項16】
アクセス可能な表面を有する医療機器上へコーティングを適用するための方法であって、以下のステップ:
上記医療機器を保持し、そして上記医療機器の上記アクセス可能な表面への直接的なアクセスを提供し;
ポジティブディスプレイスメントコーティング装置においてコマンドシグナルを受信し、ここで、上記コマンドシグナルが上記医療機器の上記アクセス可能な表面と相関するパターンで上記医療機器のアクセス可能な表面上へコーティングを押し出すための命令をふくんでおり;そして
上記ポジティブディスプレイスメントコーティング装置の可動性の部材を機械的に動かし、ここで、上記可動性の部材の機械的動きが上記医療機器のアクセス可能な表面へのコーティングの移動を引き起こす;
を含む、前記方法。
【請求項17】
さらに、上記医療機器を長軸に関して回転させることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
さらに、以下のステップ:
上記医療機器の同定可能な特徴の位置を定めることによって、上記医療機器を位置づけ、そして正しい方向にむけさせ;
上記ポジティブディスプレイスメントコーティング装置の分配ノズルの位置を定めること及び試験的表面上へ上記分配ノズルによって射出された材料の試験的量の位置を定めることのうちの少なくとも1つによって、上記分配ノズルを位置づけ、そして正しい方向にむけさせ;そして、
上記医療機器の上記アクセス可能な表面上へのコーティング材料の配置をモニターする;
のうちの一つ以上を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
さらに、以下のステップ:
上記医療機器の上記アクセス可能な表面の構成を表すデータを記録し;
上記医療機器の上記アクセス可能な表面と相関するパターンで、コーティングを上記医療機器の上記アクセス可能な表面上へ押し出すように、上記ポジティブディスプレイスメントコーティング装置に命令するコマンドシグナルを生成する;
を含む、請求項17に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−525312(P2007−525312A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513392(P2006−513392)
【出願日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/013082
【国際公開番号】WO2005/000478
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】