説明

ポリオレフィン系樹脂発泡体を含む光反射部材、およびその製造方法

【課題】 光反射性、衝撃吸収性、及び軽量性に優れた光反射部材、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の光反射部材は、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を発泡成形させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体を光反射層として含むことを特徴とする。樹脂組成物は、さらにパウダー粒子を含むことが好ましく、その割合は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対してパウダー粒子を5〜150重量部であることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率は、5倍以上であることが好ましい。また、300〜700nmの光の波長域の平均反射率は、80%以上であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂発泡体を用いた光反射部材に関する。より詳細には、光反射率が高く、軽量且つ衝撃吸収性にすぐれ、さらに液晶表示装置バックライト用光反射部材や電飾掲示板用光反射部材の用途に好適なポリオレフィン系樹脂発泡体を用いた光反射部材に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は自ら発光しないので、別のバックライトユニットを必要とする。前記バックライトユニットは、画面の明るさ及び外観に重要な役割を果たす部品である。特に、輝度増減に重要な役割をする。また、光を反射する反射部材は、液晶表示装置のバックライトユニットでランプ周辺に配置されるため、相当に重要な役割をする。
【0003】
このような反射部材としては、例えば、(i)発泡薬品を混合して形成されたマイクロ泡を含むポリエステルフィルムからなる中間層及び炭酸カルシウムを含む最外層から構成される3層構造の光反射部材、(ii)発泡体からなる中間層及び硫酸バリウムを含んで反射効率を増加させる最外層から構成される3層構造の光反射部材、(iii)不活性ガスによるバッチ発泡で形成され、発泡倍率が2倍以上のマイクロ泡を含む光反射部材などが知られている。また、一般的な反射部材として、銀をコーティングして光を正反射することができる構造を有する部材が知られている。
【0004】
しかし、前記の反射部材(光反射部材)は、いずれも、発泡倍率が非常に小さく、衝撃吸収性能が低いという短所を有していた。
【0005】
一方、エラストマー発泡体は、優れたクッション性を有し、シール材、クッション材、パット材などに有用に用いられている。例えば携帯電話やデジタルカメラ等の電気・電子機器の液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどの防塵材、緩衝材などして使用されている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2005−68203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、光反射性、衝撃吸収性、及び軽量性に優れた光反射部材、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を発泡成形させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体を光反射層として含ませれば、光反射性、衝撃吸収性、及び軽量性に優れた光反射部材を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を発泡成形させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体を光反射層として含むことを特徴とする光反射部材を提供する。
【0010】
前記樹脂組成物は、さらにパウダー粒子を含むことが好ましく、また前記樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対してパウダー粒子を5〜150重量部含むことが好ましい。
【0011】
ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率は、5倍以上であることが好ましい。
【0012】
また、300〜700nmの光の波長域の平均反射率は、80%以上であることが好ましい。
【0013】
前記光反射部材は、ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる発泡層のみで構成された単層体、又は前記発泡層と、該発泡層の少なくとも片面に設けられた無発泡層とで構成された積層体であることが好ましい。
【0014】
また、本発明は、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を発泡成形させてポリオレフィン系樹脂発泡体を形成し、該ポリオレフィン系樹脂発泡体を光反射層として用いることを特徴とする光反射部材の製造方法を提供する。
【0015】
前記光反射部材の製造方法では、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を高圧ガスで発泡させることが好ましい。
【0016】
高圧ガスは、二酸化炭素又は窒素であることが好ましく、また、高圧ガスとして、超臨界状態の流体を用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の光反射部材によれば、前記構成を有しているので、光反射性、衝撃吸収性、及び軽量性に優れている。
また、本発明の光反射部材の製造方法によれば、ポリオレフィン系樹脂発泡体を用いて、光反射性、衝撃吸収性かつ軽量化に優れた光反射部材を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の光反射部材は、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を発泡成形させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体を光反射層として含んでいる。すなわち、光反射部材における光反射層は、光反射部材の全部又はその一部の層を構成するポリオレフィン系樹脂発泡体からなる発泡層である。
【0019】
(樹脂組成物)
樹脂組成物(ポリオレフィン系樹脂発泡体用組成物)は、本発明の光反射部材で光反射層として含まれるポリオレフィン系樹脂発泡体(発泡体)の素材であるポリオレフィン系樹脂を少なくとも含有しており、ポリオレフィン系樹脂発泡体の原料となる組成物である。樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂を少なくとも含有し、必要に応じてパウダー粒子や添加剤などを混合することにより得ることができる。なお、樹脂組成物を成形することにより未発泡樹脂成形体を得ることができる。
【0020】
樹脂組成物にポリマー成分として含まれるポリオレフィン系樹脂としては、特に制限されないが、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンとの共重合体、エチレン又はプロピレンと他のα−オレフィン(例えば、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1など)との共重合体、エチレンと他のエチレン性不飽和単量体(例えば、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニルアルコールなど)との共重合体などが挙げられる。また、ポリオレフィン系樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、ポリオレフィン系樹脂が共重合体である場合、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれの形態の共重合体であってもよい。
【0021】
ポリオレフィン系樹脂としては、分子量分布が広く且つ高分子量側にショルダーを持つタイプの樹脂、微架橋タイプの樹脂(若干架橋されたタイプの樹脂)、長鎖分岐タイプの樹脂などを用いることが好ましい。
【0022】
本発明では、樹脂組成物に、ポリオレフィン系樹脂とともに、ゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分が用いられていてもよい。ゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分の割合としては、特に制限されない。ポリオレフィン系樹脂と、ゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分との混合物の混合比率(重量%)は、例えば、前者/後者=1/99〜99/1(好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20)である。ポリオレフィン系樹脂と、ゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分との混合物において、ゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分の割合が、1重量%未満であると、ポリオレフィン系樹脂発泡体のクッション性が低下しやすく、一方、99重量%を超えると、発泡時にガス抜けが生じやすくなり、高発泡性の発泡体を得ることが困難になる。
【0023】
ゴム成分あるいは熱可塑性エラストマー成分としては、ゴム弾性を有し、発泡可能なものであれば特に制限はなく、例えば、天然ゴム、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、クロロプレンゴム、ブチルゴム、二トリルブチルゴムなどの天然又は合成ゴム;エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン、塩素化ポリエチレンなどのオレフィン系エラストマー;スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、及びそれらの水素添加物などのスチレン系エラストマー;ポリエステル系エラストマー;ポリアミド系エラストマー;ポリウレタン系エラストマーなどの各種熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらのゴム成分あるいは熱可塑性エラストマー成分は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのゴム成分や熱可塑性エラストマー成分は、例えば、ガラス転移温度が室温以下(例えば20℃以下)であるため、光反射部材にゴム成分や熱可塑性エラストマー成分を有するポリオレフィン系樹脂発泡体を用いると、柔軟性及び形状追随性に著しく向上させることができる。
【0024】
ゴム成分及び/又は熱可塑性エラストマー成分としては、オレフィン系エラストマーを好適に用いることができる。なお、オレフィン系エラストマーは、通常、オレフィン系樹脂成分と、エチレン−プロピレンゴムとがミクロ相分離した構造を有しており、ポリオレフィン系樹脂との相溶性が良好である。
【0025】
本発明では、光反射部材の形成に使用されるポリオレフィン系樹脂発泡体は、さらに、パウダー粒子を含んでいることが好ましい。つまり、ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡成形に用いられる樹脂組成物には、ポリオレフィン系樹脂及びパウダー粒子を含むことが好ましい。パウダー粒子は、発泡成形時の発泡核剤として機能することができる。そのため、パウダー粒子を配合することにより、良好な発泡状態のポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。なお、樹脂組成物にパウダー粒子を使用し、さらにポリオレオレフィン系樹脂の発泡に用いる発泡剤である高圧ガスとして超臨界状態の流体を用いれば、特に微細で均一な気泡を有するポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。
【0026】
このようなパウダー粒子としては、例えば、タルク、シリカ、アルミナ、ゼオライト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マイカ、モンモリナイト等のクレイ、カーボン粒子、グラスファイバー、カーボンチューブなどを用いることができる。パウダー粒子は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】
パウダー粒子の配合量としては、特に制限されないが、例えば、樹脂組成物におけるポリオレフィン系樹脂(ポリマー成分)100重量部に対して、5〜150重量部(好ましくは10〜130重量部、さらに好ましくは20〜120重量部)の範囲から適宜選択することができる。パウダー粒子の配合量がポリオレフィン系樹脂(ポリマー成分)100重量部に対して0.1重量部未満であると、均一な発泡体を得ることが困難になり、一方、150重量部を超えると、樹脂組成物としての粘度が著しく上昇するとともに、発泡形成時にガス抜けが生じてしまい、発泡特性を損なう恐れがある。
【0028】
パウダー粒子の平均粒径としては、特に制限されないが、例えば0.1〜10μm(好ましくは、0.5〜5μm)程度である。パウダー粒子の平均粒径が0.1μm未満では核剤として十分に機能しない場合があり、平均粒径が10μmを超えると発泡成形時にガス抜けの原因となる場合がある。
【0029】
また、ポリオレフィン系樹脂発泡体は、ポリオレフィン系樹脂により構成されているため、燃えやすいという特性(もちろん、欠点でもある)を有している。そのため、ポリオレフィン系樹脂発泡体が用いられている光反射部材を、電気・電子機器用途(例えば、液晶表示装置バックライト用光反射部材や電飾掲示板用光反射部材の用途など)などの難燃性の付与が不可欠な用途に用いる場合、パウダー粒子として、難燃性を有しているパウダー粒子(例えば、パウダー状の各種の難燃剤など)を配合することが好ましい。なお、難燃剤は、難燃剤以外のパウダー粒子とともに用いることができる。
【0030】
このような難燃剤としては、無機難燃剤が好適である。無機難燃剤としては、例えば、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン系難燃剤、アンチモン系難燃剤などであってもよいが、塩素系難燃剤や臭素系難燃剤は、燃焼時に人体に対して有害で機器類に対して腐食性を有するガス成分を発生し、また、リン系難燃剤やアンチモン系難燃剤は、有害性や爆発性などの問題があるため、ノンハロゲン−ノンアンチモン系無機難燃剤を好適に用いることができる。ノンハロゲン−ノンアンチモン系無機難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム・酸化ニッケルの水和物、酸化マグネシウム・酸化亜鉛の水和物等の水和金属化合物などが挙げられる。なお、水和金属酸化物は表面処理されていてもよい。難燃剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
難燃剤を用いる場合、難燃剤の使用量としては、特に制限されず、例えば、樹脂組成物全量に対して10〜70重量%(好ましくは25〜65重量%)の範囲から適宜選択することができる。難燃剤の使用量が少なすぎると、難燃化効果が小さくなり、逆に多すぎると、高発泡の発泡体を得ることが困難になる。
【0032】
本発明の光反射部材に用いられるポリオレフィン系樹脂発泡体には、必要に応じて、各種添加剤を含有していてもよい。添加剤の種類は特に限定されず、発泡成形に通常使用される各種添加剤を用いることができる。具体的には、添加剤として、例えば、気泡核剤、結晶核剤、可塑剤、滑剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、界面活性剤、張力改質剤、収縮防止剤、流動性改質剤、クレイ、加硫剤、表面処理剤、パウダー状以外の各種形態の難燃剤、分散助剤、ポリオレフィン用樹脂改質剤などが挙げられる。添加剤の添加量は、気泡の形成等を損なわない範囲で適宜選択することができ、通常の熱可塑性樹脂の成形の際に用いられる添加量を採用することができる。
【0033】
(ポリオレフィン系樹脂発泡体)
ポリオレフィン系樹脂発泡体は、本発明の光反射部材の光反射層として用いられる発泡体であって、単層構造の光反射部材の全ての部分や、積層構造の光反射部材の一部の層を発泡層(発泡部分、発泡部)として構成する発泡体である。ポリオレフィン系樹脂発泡体は、前記樹脂組成物を原料として、前記樹脂組成物を発泡成形することによって形成することができる。
【0034】
ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法は、特に制限されないが、発泡方法としてポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を高圧ガスを用いて発泡させる方法[発泡剤としての高圧ガスを含浸させた後、減圧する(圧力を解放する)発泡方法]を用いることが好ましい。物理的発泡方法(物理的方法による発泡方法)では、発泡剤として用いられる物質の可燃性や毒性、及びオゾン層破壊などの環境への影響が懸念されるが、高圧ガスを用いた発泡方法は、このような発泡剤を使用しない点で、環境に配慮した方法である。また、化学的発泡方法(化学的方法による発泡方法)では、発泡ガスの残渣が発泡体中に残存するため、特に低汚染性の要求が高い電子機器用途においては、腐食性ガスやガス中の不純物による汚染が問題となる場合があるが、高圧ガスを用いた発泡方法では、このような不純物等のないクリーンな発泡体を得ることができる。さらに、物理的発泡方法及び化学的発泡方法では、いずれにおいても微細な気泡構造を形成することは難しく、特に300μm以下の微細気泡を形成することは極めて困難であるといわれている。
【0035】
高圧ガスとしては、ポリオレフィン系樹脂に対して不活性で且つ含浸可能なものであれば特に制限されず、例えば、空気、不活性ガス[例えば、二酸化炭素(炭酸ガス)、窒素、ヘリウム等]などが挙げられる。これらのガスは混合して用いてもよい。これらのうち、含浸量が多く、含浸速度の速い点から、不活性ガスを好適に用いることができ、不活性ガスの中でも、二酸化炭素や窒素を特に好適に用いることができる。
【0036】
さらに、含浸速度を速めるという観点から、前記高圧ガス(特に、二酸化炭素)は、超臨界状態の流体であることが好ましい。超臨界状態では、ポリオレフィン系樹脂へのガスの溶解度が増大し、高濃度の混入が可能である。また、含浸後の急激な圧力降下時には、前記のように高濃度で含浸することが可能であるため、気泡核の発生が多くなり、その気泡核が成長してできる気泡の密度が気孔率が同じであっても大きくなるため、微細な気泡を得ることができる。なお、二酸化炭素の臨界温度は31℃、臨界圧力は7.4MPaである。
【0037】
ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造するに際しては、予め樹脂組成物を、例えば、シート状などの適宜な形状に成形して未発泡樹脂成形体(未発泡成形物)とした後、この未発泡樹脂成形体に、高圧ガスを含浸させ、圧力を解放することにより発泡させるバッチ方式で行ってもよく、樹脂組成物を加圧下、高圧ガスと共に混練し、成形すると同時に圧力を解放し、成形と発泡を同時に行う連続方式で行ってもよい。このように、予め成形した未発泡樹脂成形体を不活性ガスに含浸させてもよく、また、溶融した樹脂組成物に不活性ガスを加圧状態下で含浸させた後、減圧の際に成形に付してもよい。
【0038】
具体的には、バッチ方式でポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する際、未発泡樹脂成形体を製造する方法としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を、単軸押出機、二軸押出機等の押出機を用いて成形する方法、樹脂組成物を、ローラ、カム、ニーダ、バンバリ型等の羽根を設けた混錬機を使用して均一に混錬しておき、熱板のプレスなどを用いて所定の厚みにプレス成形する方法、射出成形機を用いて成形する方法などが挙げられる。所望の形状や厚さの成形体が得られる適宜な方法により成形すればよい。このようにして得られた未発泡樹脂発泡体を耐圧容器(高圧容器)中に入れて、高圧ガス(例えば二酸化炭素など)を注入(導入)し、未発泡樹脂成形体中に高圧ガスを含浸させるガス含浸工程、十分に高圧ガスを含浸させた時点で圧力を解放し(通常、大気圧まで)、ポリオレフィン系樹脂中に気泡核を発生させる減圧工程、場合によっては(必要に応じて)、加熱することによって気泡核を成長させる加熱工程を経て、ポリオレフィン系樹脂中に気泡を形成させる。なお、加熱工程を設けずに、室温で気泡核を成長させてもよい。このようにして気泡を成長させた後、必要により冷水などにより急激に冷却し、形状を固定化することにより、ポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。また、高圧ガスの導入は連続的に行ってもよく不連続的に行ってもよい。さらに、気泡核を成長させる際の加熱の方法としては、ウォーターバス、オイルバス、熱ロール、熱風オーブン、遠赤外線、近赤外線、マイクロ波などの公知乃至慣用の方法を採用できる。さらにまた、未発泡樹脂成形体(未発泡成形物)は、シート状のものに限らず、用途に応じた種々の形状のものを使用することができる。また、未発泡樹脂成形体は、押出成形、プレス成形、射出成形以外に、他の成形方法により作製することもできる。
【0039】
一方、連続方式でポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する場合は、例えば、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を、単軸押出機、二軸押出機等の押出機を使用して混錬しながら、高圧ガス(二酸化炭素など)を注入(導入)し、十分に高圧ガスをポリオレフィン系樹脂中に含浸させる混練含浸工程、押出機の先端に設けられたダイスなどを通して樹脂組成物を押し出すことにより圧力を解放し(通常、大気圧まで)、成形と発泡を同時に行う成形減圧工程により製造することができる。また、場合によっては(必要に応じて)、加熱することによって気泡を成長させる加熱工程を設けてもよい。このようにして気泡を成長させた後、必要により冷水などにより急激に冷却し、形状を固定化することにより、ポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。なお、上記混練含浸工程及び成形減圧工程では、押出機のほか、射出成形機などを用いて行うこともできる。また、シート状、角柱状、その他の任意の形状のポリオレフィン系樹脂発泡体を得られる方法を適宜選択すればよい。
【0040】
高圧ガスの混合量は特に制限されないが、例えば、樹脂組成物におけるポリオレフィン系樹脂成分全量に対して2〜10重量%程度である。所望の密度や発泡倍率が得られるように、適宜調節して混合すればよい。
【0041】
バッチ方式におけるガス含浸工程や連続方式における混練含浸工程で、高圧ガスを未発泡樹脂成形体や樹脂組成物に含浸させるときの圧力は、ガスの種類や操作性等を考慮して適宜選択できるが、例えば、ガスとして二酸化炭素を用いる場合には、3MPa以上(例えば、3〜100MPa程度)、好ましくは4MPa以上(例えば、4〜100MPa程度)とするのがよい。ガスの圧力が3MPaより低い場合には、発泡時の気泡成長が著しく、気泡径が大きくなりすぎ、例えば、反射率が低下するなどの不都合が生じやすくなり、好ましくない。これは、圧力が低いとガスの含浸量が高圧時に比べて相対的に少なく、気泡核形成速度が低下して形成される気泡核数が少なくなるため、1気泡あたりのガス量が逆に増えて気泡径が極端に大きくなるからである。また、3MPaより低い圧力領域では、含浸圧力を少し変化させるだけで気泡径、気泡密度が大きく変わるため、気泡径及び気泡密度の制御が困難になりやすい。
【0042】
また、バッチ方式におけるガス含浸工程や連続方式における混練含浸工程で、高圧ガスを未発泡樹脂成形体や樹脂組成物に含浸させるときの温度は、用いる高圧ガスや熱可塑性樹脂の種類等によって異なり、広い範囲で選択できるが、操作性等を考慮した場合、例えば、10〜350℃程度である。例えば、バッチ方式において、シート状の未発泡樹脂成形体に高圧ガスを含浸させる場合の含浸温度は、10〜200℃(好ましくは40〜200℃)程度である。また、連続方式において、樹脂組成物に高圧ガスを注入し混練する際の温度は、60〜350℃程度が一般的である。なお、高圧ガスとして二酸化炭素を用いる場合には、超臨界状態を保持するため、含浸時の温度(含浸温度)は32℃以上(特に40℃以上)であることが好ましい。
【0043】
なお、前記減圧工程において、減圧速度は、特に限定されないが、均一な微細気泡を得るため、好ましくは5〜300MPa/s程度である。また、前記加熱工程における加熱温度は、例えば、40〜250℃(好ましくは60〜250℃)程度である。
【0044】
また、このようなポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法によれば、高発泡倍率のポリオレフィン系樹脂発泡体を製造することができるので、厚い熱可塑性樹脂発泡体を製造することが出来るという利点を有する。例えば、連続方式でポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する場合、混練含浸工程において押出し機内部での圧力を保持するためには、押出し機先端に取り付けるダイスのギャップを出来るだけ狭く(通常0.1〜1.0mm)する必要がある。従って、厚いポリオレフィン系樹脂発泡体を得るためには、狭いギャップを通して押出された樹脂組成物を高い倍率で発泡させなければならないが、従来は、高い発泡倍率が得られないことから、形成される発泡体の厚みは薄いもの(例えば0.5〜2.0mm程度)に限定されてしまっていた。
【0045】
これに対して、高圧ガスを用いて製造されるポリオレフィン系樹脂発泡体は、最終的な厚みで0.50〜5.00mmの発泡体を連続して得ることが可能である。なお、このような厚いポリオレフィン系樹脂発泡体を得るためには、ポリオレフィン系樹脂発泡体の相対密度(発泡後の密度/未発泡状態での密度)が0.02〜0.3(好ましくは0.025〜0.28、より好ましくは0.03〜0.25)であることが望ましい。前記相対密度が0.3を超えると発泡が不十分であり、また0.02未満では発泡体の強度が著しく低下する場合があり好ましくない。
【0046】
上記発泡後の密度及び未発泡状態での密度における密度(見掛け密度)は、未発泡樹脂成形体又は発泡体を打ち抜き、試験片とし、該試験片の体積及び質量を求め、次式より、求める。
密度(g/cm3)=試験片の質量/試験片の体積
【0047】
また、ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率は、特に制限されないが、ポリオレフィン系樹脂発泡体が用いられる光反射部材で優れた光反射性、衝撃吸収性及び軽量性を得る観点から、5倍以上(例えば5倍〜50)[好ましくは、20倍以上(例えば20〜40倍)]であることが好ましい。発泡倍率が5倍未満であると、ポリオレフィン系樹脂発泡体を含む光反射部材で充分な光反射率や衝撃吸収率を得にくくなる場合があり、また、発泡倍率が50倍を超えると、発泡体の強度が著しく低下する場合がある。
【0048】
なお、ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率は、下記の式より算出する。
発泡倍率(倍)=未発泡状態での密度(未発泡樹脂成形体)の密度(g/cm3)/発泡体の密度(g/cm3
【0049】
光反射部材中の発泡層として用いる際のポリオレフィン系樹脂発泡体の厚みとしては、特に制限されず、ポリオレフィン系樹脂発泡体を用いる光反射部材の用途や形状、形態等に応じて適宜選択されるが、例えば0.5〜5mm(好ましくは、0.5〜2mm)である。また、ポリオレフィン系樹脂発泡体の形状としては、特に制限されず、ポリオレフィン系樹脂発泡体を用いる光反射部材の用途や形状、形態等に応じて適宜選択されるが、例えば、フィルム状、シート状、角柱状、異形状などである。
【0050】
なお、このようなポリオレフィン系樹脂発泡体において、気泡構造としては、独立気泡構造、半連続半独立気泡構造(独立気泡構造と連続気泡構造とが混在している気泡構造であり、その割合は特に制限されない)が好ましく、特にポリオレフィン系樹脂発泡体中に独立気泡構造が80%以上(中でも90%以上)となっている気泡構造が好適である。
【0051】
ポリオレフィン系樹脂発泡体の気泡構造は非常に微細(気泡径:1〜50μm程度)で且つ均一であるため、ポリオレフィン系樹脂発泡体は、単位体積当たりに多くの微細気泡を有する。このため、ポリオレフィン系樹脂発泡体は、光反射性に優れている。
【0052】
ポリオレフィン系樹脂発泡体の厚み、相対密度、発泡倍率、気泡構造などは、用いる高圧ガス、ポリオレフィン系樹脂などの種類に応じて、例えば、ガス含浸工程や混錬含浸工程における温度、圧力、時間などの操作条件、減圧工程や成形減圧工程における減圧速度、温度、圧力などの操作条件、減圧後又は成形減圧後の加熱工程における加熱温度などを適宜選択、設定することにより調整することができる。
【0053】
ポリオレフィン系樹脂発泡体は、このようにポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を発泡成形することにより製造されるため、十分な厚みを有し、さらに非常に多くの微細気泡を有する高発泡の樹脂発泡体である。このため、光反射部材に光反射層として含まれるポリオレフィン系樹脂発泡体は、形状の固定性に優れ、発泡時の所望の発泡倍率を維持して発泡後に収縮することはなく、高いクッション性を保持し、さらに柔軟性、軽量性及び光反射性に優れている。
【0054】
(光反射部材)
本発明の光反射部材は、ポリオレフィン系樹脂発泡体を、全部又はその一部分に、光反射層として含んでいる。つまり、本発明の光反射部材には、クッション性、柔軟性、軽量性及び光反射性に優れた前記ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる発泡層が、光反射層として用いられている。なお、本発明の光反射部材は、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体を用いて作製される部材である限り、その構造や厚さ、形状等は特に制限されることはない。また、部材とはフィルムとシートの総称を含む。
【0055】
光反射部材の形状としては、特に制限されず任意の形状を選択することができ、例えば、フィルム状、シート状、板状、角柱状などである。また、巻回体状、屈曲状、湾曲状などの曲がった形を含む形状であってもよい。
【0056】
光反射部材の構造としては、特に制限されず、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
【0057】
光反射部材の構造が単層構造である場合、光反射部材は光反射層としての前記前記ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる発泡層のみからなる。つまり、光反射部材は、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる発泡層のみから構成される単層体であってもよい。
【0058】
単層構造の光反射部材は、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体をそのまま発泡層として用いることや、必要に応じて所望の形状や厚さに前記ポリオレフィン系樹脂発泡体を切断加工することにより得ることができる。
【0059】
また、光反射部材の構造が積層構造である場合、光反射部材は、光反射層としてポリオレフィン系樹脂発泡体からなる発泡層を含む限り、その構造について特に制限されず、例えば、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる発泡層の積層構造により構成されていてもよいし、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる発泡層及び無発泡層の積層構造により構成されていてもよい。なお、積層構造の光反射部材において、層の総数、ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる発泡層の数、無発泡層の数、各々の層の厚さ等は、用途に応じて適宜選択される。
【0060】
無発泡層としては、層内に発泡構造(気泡構造)を有しない層であれば特に制限されないが、例えば前記樹脂組成物を適宜な形状(例えば、シート状、フィルム状など)に成形することにより作製される未発泡樹脂成形体からなる層、プラスチック基材等の基材からなる層、各種粘着剤(例えば、アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤など)からなる粘着層などが挙げられる。なお、無発泡層は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0061】
積層構造の光反射部材としては、ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる発泡層と、該発泡層の少なくとも片面に設けられた無発泡層とで構成された積層体が好適に用いられる。また、該積層体における無発泡層としては、樹脂組成物の成形により得られる未発泡樹脂成形体による層が好ましい。
【0062】
積層構造の光反射部材は、ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる発泡層と無発泡層とを積層することにより製造することができる。例えば、光反射部材が、ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる発泡層と、このポリオレフィン系樹脂発泡体からなる発泡層の片面又は両面に設けられた、樹脂組成物を成形することにより得られる未発泡樹脂成形体からなる無発泡層とで構成された積層体である場合、ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる発泡層の片面又は両面に、樹脂組成物を成形することにより得られる未発泡樹脂成形体からなる無発泡層を設けることにより製造することができる。
【0063】
光反射部材の厚さとしては、特に制限されず、光反射部材の用途や形状、形態等に応じて適宜選択されるが、例えば0.5〜5mm(好ましくは、0.5〜2mm)である。
【0064】
光反射部材の密度(見掛け密度)としては、例えば、0.02〜0.3g/cm3(好ましくは、0.03〜0.2g/cm3)である。密度が、0.02g/cm3未満であると光反射部材の強度が著しく低下する場合があり、一方、0.3g/cm3を超えると、光反射部材における発泡性が不十分となり、反射率や衝撃吸収性が低下する場合がある。
【0065】
なお、光反射部材の密度は、以下のようにして求める。光反射部材を打ち抜き、試験片とし、該試験片の体積及び質量を求める。そして、次式より、光反射部材の密度を求める。
光反射部材の密度(g/cm3)=試験片の質量/試験片の体積
【0066】
光反射部材における光の反射率としては、例えば、300〜700nmの光の波長域の平均反射率で80%以上(好ましくは、85%以上)である。なお、光反射部材における300〜700nmの光の波長域の反射率は、硫酸バリウムの微粉末を固めた白色固形物における300〜700nmの光の波長域のそれぞれの波長の拡散反射率を100%とする場合の各々の波長の相対値である。
【0067】
本発明の光反射部材は、光反射性、衝撃吸収性、及び軽量性に優れている。また、本発明の光反射部材は、電気・電子機器向けの用途、特に液晶表示装置バックライト用光反射部材や電飾掲示板用光反射部材の用途に好適に用いることができる。
【実施例】
【0068】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0069】
(樹脂組成物の調製例)
ポリプロピレン[200℃のメルトフローレート(MFR):0.20g/10min]80重量部、水酸化マグネシウム(平均粒径:0.7μm)20重量部を混合することにより調製した。
【0070】
(未発泡樹脂成形体の製造例)
前記樹脂組成物を、ローラ型の羽根を設けた混錬機(商品名「ラボプラストミル」:東洋精機株式会社製)により、180℃の温度で混錬した後、200℃に加熱した熱板プレスを用いて厚さ2.0mmのシート状に成形して、未発泡樹脂成形体を得た。
【0071】
(樹脂発泡体の製造例)
前記樹脂組成物を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混錬機にて、200℃の温度で混錬した後、ストランド状に押出し、水冷後ペレット状に切断して成形した。なお、示差走査熱量計[エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製]を用いて、このペレット状の成形体(コンパウンド)の融点を測定したところ、170℃であった。
このペレットを、日本製鋼所社製の単軸押出機に投入し、220℃の雰囲気中、22(注入後19)MPa/cm3の圧力で、二酸化炭素ガスを注入した。二酸化炭素ガスを十分に飽和させた後、発泡に適した温度まで冷却後、ダイから押出して、樹脂発泡体(樹脂発泡構造体)(厚み:3.0mm)を得た。
なお、発泡前のペレット状の成形体の密度は1.0g/cm3であり、発泡体の密度は0.035g/cm3であった。また、発泡倍率[発泡倍率(倍)=発泡前のペレット状の成形体の密度/樹脂発泡体の密度]は、29倍であった。
【0072】
(実施例1)
前記樹脂発泡体を、スライスすることにより、厚さ1.0mmの単層構造の光反射部材を得た。
【0073】
(実施例2)
前記樹脂発泡体を、スライスすることにより、厚さ0.9mmの発泡構造体を作製し、該発泡構造体の片面に前記未発泡樹脂成形体をスライスしたもの(厚み:0.1mm)を積層させることによって、積層構造の光反射部材(厚さ:1.0mm)を得た。
【0074】
(比較例1)
光反射部材として、白色PETフィルム(商品名「MCPET」古河電気工業株式会社製)を用いた。
【0075】
(比較例2)
光反射部材として、白色PETフィルム(商品名「ルミラー188−60L」東レ株式会社製)を用いた。
【0076】
(評価)
実施例1〜2、及び比較例1〜2に係る光反射部材について、下記の平均反射率の測定方法、密度の測定方法、衝撃吸収性の測定方法により、平均反射率、密度、衝撃吸収性を測定した。また、その結果を表1に示した。
【0077】
(平均反射率の測定方法)
分光光度計(商品名「U4100」株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、300〜700nmの光の波長域における反射率を測定し、得られたチャートより50nm間隔で反射率を9個読み取り、それぞれの反射率の値を平均して平均反射率を求めた。なお、光反射部材における300〜700nmの光の波長域の反射率(拡散反射率)は、硫酸バリウムの微粉末を固めた白色固形物における300〜700nmの光の波長域のそれぞれの波長の拡散反射率を100%とする場合の各々の波長の相対値である。
【0078】
(密度の測定方法)
光反射部材の密度は、光反射部材を100mm×100mmサイズに打抜き、試験片とし、該試験片の寸法をノギスで測定した後、電子天秤で質量を測定し、次式より求めた。
密度(g/cm3)=試験片の質量/試験片の体積
【0079】
(衝撃吸収性の測定方法)
鉄球により与えられた衝撃エネルギー(20mJ)を圧力センサーで計測する装置を用いて、光反射部材を介しない場合の衝撃力(F0)と光反射部材を介する場合の衝撃力(F1)とを測定し、下記式より、衝撃吸収性を求めた。
衝撃吸収性(%)=(F0−F1)/F0×100
【0080】
【表1】

【0081】
実施例の光反射部材は、光反射性、衝撃吸収性に優れていることが確認できた。また、密度の値から、軽量性に優れていることも確認できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を発泡成形させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体を光反射層として含むことを特徴とする光反射部材。
【請求項2】
樹脂組成物が、さらにパウダー粒子を含む請求項1記載の光反射部材。
【請求項3】
樹脂組成物が、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対してパウダー粒子を5〜150重量部含む請求項2記載の光反射部材。
【請求項4】
ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率が5倍以上である請求項1〜3何れかの項に記載の光反射部材。
【請求項5】
300〜700nmの光の波長域の平均反射率が80%以上である請求項1〜4何れかの項に記載の光反射部材。
【請求項6】
ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる発泡層のみで構成された単層体、又は前記発泡層と、該発泡層の少なくとも片面に設けられた無発泡層とで構成された積層体である請求項1〜5何れかの項に記載の光反射部材。
【請求項7】
ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を発泡成形させてポリオレフィン系樹脂発泡体を形成し、該ポリオレフィン系樹脂発泡体を光反射層として用いることを特徴とする光反射部材の製造方法。
【請求項8】
ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を高圧ガスを用いて発泡させる請求項7記載の光反射部材の製造方法。
【請求項9】
高圧ガスが、二酸化炭素又は窒素である請求項8記載の光反射部材の製造方法。
【請求項10】
高圧ガスとして、超臨界状態の流体を用いる請求項8又は9記載の光反射部材の製造方法。

【公開番号】特開2008−275729(P2008−275729A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116582(P2007−116582)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】