ポリシルセスキオキサン共重合体、その製造方法、これを利用するポリシルセスキオキサン共重合体薄膜、及びこれを利用する有機電界発光表示装置
【課題】ポリシルセスキオキサン共重合体、その製造方法、これを利用するポリシルセスキオキサン共重合体薄膜、及びこれを利用する有機電界発光表示装置を提供。
【解決手段】アルコキシフェニルトリアルコキシシラン、アルコキシフェニルアルキルトリアルコキシシラン、アルコキシカルボニルフェニルトリアルコキシシラン及びアルコキシカルボニルフェニルアルキルトリアルコキシシランよりなる群から選択されたいずれか1つの単量体と、両端に反応サイトを有するα、ω−ビストリアルコキシシリル化合物単量体とを有機溶媒/水の混合溶媒の中で酸または塩基触媒を使用して共重合して製造されたポリシルセスキオキサン共重合体、その製造方法、これを利用したポリシルセスキオキサン共重合体薄膜、及びこれを利用した有機電界発光表示装置。
【解決手段】アルコキシフェニルトリアルコキシシラン、アルコキシフェニルアルキルトリアルコキシシラン、アルコキシカルボニルフェニルトリアルコキシシラン及びアルコキシカルボニルフェニルアルキルトリアルコキシシランよりなる群から選択されたいずれか1つの単量体と、両端に反応サイトを有するα、ω−ビストリアルコキシシリル化合物単量体とを有機溶媒/水の混合溶媒の中で酸または塩基触媒を使用して共重合して製造されたポリシルセスキオキサン共重合体、その製造方法、これを利用したポリシルセスキオキサン共重合体薄膜、及びこれを利用した有機電界発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリシルセスキオキサン共重合体、その製造方法、これを利用するポリシルセスキオキサン共重合体薄膜、及びこれを利用する有機電界発光表示装置に関し、機械的強度及び平坦化性に優れており、フォトレジストを使用せずに直接光を照射することによって、ポジティブトーンパターニング(positive tone patterning)が可能な薄膜を製造することができるポリシルセスキオキサン共重合体、その製造方法、これを利用するポリシルセスキオキサン共重合体薄膜、及びこれを利用する有機電界発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、有機電界発光表示装置を製造するにあたって薄膜トランジスタのソース/ドレーン電極を保護するために、このソース/ドレーン上にアクリル系の平坦化膜を使用する。しかし、アクリル系の平坦化膜は、硬度が弱いため、電極を完璧に保護することができない問題点があり、電極とアクリル系の平坦化膜との間に無機膜であるシリコーン窒化膜をさらに蒸着して使用している。これにより、工程が複雑になり、製造コストが上昇するなどの問題点が発生することがある。
【0003】
上記問題点を解決するために、有機系のアクリル膜の代わりに強度及び温度特性に優れたシリコーン系の有機無機複合膜であるSOG(silicon on glass)を使用しようとする試みが続いて来た。しかし、現在まで開発されたSOGは、直接光によるフォトパターン工程が不可能なことから、フォトリソグラフィ工程を利用してパターンを形成するためには追加のフォトレジスト(Photo Resist:PR)を塗布し、これを露光、現像し、フォトレジストパターンを形成した後、フォトレジストパターンをマスクにしてSOGを乾式あるいは湿式エッチングすることによって、パターンを形成している。
【0004】
しかし、上記したように、フォトレジストを利用してパターンを形成する方法は、フォトレジスト塗布工程、露光工程、現像工程、ストリップ工程などの様々な複雑な工程を必要とするため、工程が複雑になるだけでなく、製造収率が低くなる短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国特許出願公開第2004−80474号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した従来技術の諸問題点を解決するためになされたもので、機械的強度及び平坦化性に優れており、フォトレジストを使用せずに直接光を照射することによって、ポジティブトーンパターニングが可能な薄膜を製造することができるポリシルセスキオキサン共重合体、その製造方法、これを利用するポリシルセスキオキサン共重合体薄膜、及びこれを利用する有機電界発光表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記化学式1で表示されるアルコキシフェニルトリアルコキシシラン、下記化学式2で表示されるアルコキシフェニルアルキルトリアルコキシシラン、下記化学式3で表示されるアルコキシカルボニルフェニルトリアルコキシシラン及び下記化学式4で表示されるアルコキシカルボニルフェニルアルキルトリアルコキシシランよりなる群から選択されたいずれか1つの単量体と、
下記化学式5で表示される両端に反応サイトを有するα、ω−ビストリアルコキシシリル化合物単量体とを共重合して製造された、ポリシルセスキオキサン共重合体を提供する。
【0008】
【化1】
(式中、R及びR1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0009】
【化2】
(式中、R、R2及びR3は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0010】
【化3】
(式中、R及びR4は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0011】
【化4】
(式中、R、R5及びR6は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0012】
【化5】
(式中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、ヒドロキシ基、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基及び置換または非置換されたC1〜C30アルコキシ基よりなる群から選択されたいずれか1つであり、A1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキレン基である。)
【0013】
本発明は、下記化学式1で表示されるアルコキシフェニルトリアルコキシシラン、下記化学式2で表示されるアルコキシフェニルアルキルトリアルコキシシラン、下記化学式3で表示されるアルコキシカルボニルフェニルトリアルコキシシラン及び下記化学式4で表示されるアルコキシカルボニルフェニルアルキルトリアルコキシシランよりなる群から選択されたいずれか1つの単量体と、
下記化学式5で表示される両端に反応サイトを有するα、ω−ビストリアルコキシシリル化合物単量体とを有機溶媒/水の混合溶媒の中で酸または塩基触媒を使用して共重合する、ポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法を提供する。
【0014】
【化6】
(式中、R及びR1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0015】
【化7】
(式中、R、R2及びR3は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0016】
【化8】
(式中、R及びR4は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0017】
【化9】
(式中、R、R5及びR6は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0018】
【化10】
(式中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、ヒドロキシ基、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基及び置換または非置換されたC1〜C30アルコキシ基よりなる群から選択されたいずれか1つであり、A1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキレン基である。)
【0019】
また、本発明は、前記ポリシルセスキオキサン共重合体に光酸発生剤を含んで製造された、ポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を提供する。
【0020】
また、本発明は、基板と;前記基板上に位置し、半導体層、ゲート電極、ゲート絶縁膜、及びソース/ドレーン電極を含む薄膜トランジスタと;前記薄膜トランジスタ上に位置し、前記ポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を含む平坦化膜と;前記平坦化膜上に位置し、前記ソースまたはドレーン電極と電気的に連結される第1電極、発光層を有する有機膜層、及び第2電極を含む有機電界発光素子と;を含む、有機電界発光表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体を利用して製造された薄膜は、機械的強度及び平坦化性に優れており、フォトレジストを使用せずに直接光を照射することによってポジティブトーンパターニングが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】本発明の実施例2によるポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を含む有機電界発光表示装置を製造する工程を示す断面図である。
【図1B】本発明の実施例2によるポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を含む有機電界発光表示装置を製造する工程を示す断面図である。
【図1C】本発明の実施例2によるポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を含む有機電界発光表示装置を製造する工程を示す断面図である。
【図2A】実験例2の合成例8及び11による薄膜に対するAFMイメージである。
【図2B】実験例2の合成例8及び11による薄膜に対するAFMイメージである。
【図3A】実験例4の合成例15による薄膜のAFMイメージである。
【図3B】実験例4の合成例15による薄膜のAFMイメージである。
【図4A】実験例4による薄膜がポジティブトーンパターニングされた結果を示す写真である。
【図4B】実験例4による薄膜がポジティブトーンパターニングされた結果を示す写真である。
【図4C】実験例4による薄膜がポジティブトーンパターニングされた結果を示す写真である。
【図5】実験例5による薄膜のAFMイメージである。
【図6A】実験例5による薄膜がポジティブトーンパターニングされた結果を示す写真である。
【図6B】実験例5による薄膜がポジティブトーンパターニングされた結果を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の上記目的と技術的構成及びそれによる作用効果に関する詳しい事項は、本発明の好ましい実施例を示している図面を参照した以下の詳細な説明によって明確に理解されるだろう。図面において、層及び領域の長さ、厚さなどは、便宜のために誇張されて表現されることがある。また、明細書全般にわたって同一の参照番号は、同一の構成要素を示す。
【0024】
<実施例1>ポリシルセスキオキサン共重合体の製造
1.ポリシルセスキオキサン二元共重合体の製造
還流器が設置されている反応容器に下記化学式1で表示されるアルコキシフェニルトリアルコキシシラン、下記化学式2で表示されるアルコキシフェニルアルキルトリアルコキシシラン、下記化学式3で表示されるアルコキシカルボニルフェニルトリアルコキシシラン及び下記化学式4で表示されるアルコキシカルボニルフェニルアルキルトリアルコキシシランよりなる群から選択されたいずれか1つの単量体と、下記化学式5で表示される両端に反応サイトを有するα、ω−ビストリアルコキシシリル化合物単量体を添加する。化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び化学式5の単量体のモル比率は、50乃至100%:0超過乃至50%になるように添加することができる。
【0025】
【化11】
(式中、R及びR1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0026】
【化12】
(式中、R、R2及びR3は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0027】
【化13】
(式中、R及びR4は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0028】
【化14】
(式中、R、R5及びR6は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0029】
【化15】
(式中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、ヒドロキシ基、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基及び置換または非置換されたC1〜C30アルコキシ基よりなる群から選択されたいずれか1つであり、A1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキレン基である。)
【0030】
上記化学式5の単量体は、上記化学式1乃至4の単量体に比べて反応可能な作用基が多いため、共重合反応時に架橋化密度が高い。そのため、上記化学式5を使用する共重合の場合には、酸または塩基触媒を使用するゾル−ゲル重合反応時に高分子の分子量を速く増加させ、化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体を単一重合させる場合によく起きる分子内の縮合反応に比べて分子間の縮合反応速度を増加させることができる。したがって、ポリシルセスキオキサン共重合体の形成時に上記化学式5の単量体を使用する場合、低い分子量の環状のシルセスキオキサンの形成が最小化されることができ、形成されるポリシルセスキオキサン共重合体は、無定形の構造に変わることができる。その結果、上記ポリシルセスキオキサン共重合体を利用して製造された膜は、高い密度と機械的強度を有することができるようになる。
【0031】
次に、上記反応容器に有機溶媒を添加する。上記有機溶媒は、上記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び上記化学式5の単量体を含む全体単量体の濃度が25乃至35wt%になるように添加することができる。上記有機溶媒は、メチルイソブチルケトン、アセトン、クロロホルム、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran:THF)、トルエン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(propylene glycol methyl ether acetate)及びアルコールよりなる群から選択されることができる。
【0032】
次に、上記反応容器に水及び触媒を添加する。上記水は、上記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び上記化学式5の単量体を含む全体単量体1モル当たり1乃至10モルの比率で添加することができる。
【0033】
上記触媒は、酸触媒または塩基触媒であってもよい。上記酸触媒は、塩酸(HCl)または硫酸(H2SO4)であってもよく、上記塩基触媒は、水酸化カリウム(KOH)または水酸化テトラブチルアンモニウム([CH3(CH2)3]4NOH)であってもよい。上記触媒は、上記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び上記化学式5の単量体を含む全体単量体1モル当たり0.01乃至0.1モルの比率で添加することができる。上記触媒は、塩基触媒であることが好ましいが、塩基触媒を使用する場合には、酸触媒を使用した場合に比べて反応時間が経過するにつれて共重合体の重量平均分子量が大幅に上昇することができ、上記共重合体を利用して製造された膜が優れた熱安定性と機械的強度を示す。また、塩基触媒を使用して製造されたポリシルセスキオキサン共重合体は、有機溶媒には溶解されるが、水には溶解されない性質を有する。
【0034】
次に、上記物質が混合された反応容器を室温乃至80℃の温度で6乃至24時間反応させることができる。
【0035】
本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体の形成時に単量体の比率、反応温度、反応時間、触媒などの量を調節し、Si−OH末端基の含量及び分子量を調節することができる。上記Si−OH末端基の含量によって分子量が調節されるが、重量平均分子量は、900〜30000であることが好ましく、このとき、Si−OH末端基の含量は、0乃至50%であることが好ましい。重量平均分子量が900〜30000であり、上記Si−OH末端基の含量が0乃至50%であるとき、上記ポリシルセスキオキサン共重合体を利用して形成された薄膜に光を照射してポジティブトーンパターニングを行う場合、現像液に対する溶解性が良い。
【0036】
2.ポリシルセスキオキサン三元共重合体の製造
上記実施例1の1によるポリシルセスキオキサン二元共重合体を利用して製造される膜の接着特性を改善させるために極性の作用基を有する、一般式1(R1O)3−Si−C6H4−(CR2)n−OHまたは一般式2(R1O)3−Si−C6H4−(CR2)n−COOHで表示される単量体をさらに含むことができる。このとき、上記一般式1及び2において上記R1及びR2は、水素またはアルキル基であり、nは、0乃至10である。上記極性の作用基を有する一般式1または一般式2の単量体は、上記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び上記化学式5の単量体を含む全体単量体に対して0乃至50wt%の重量比を有するように添加されることができる。
【0037】
下記で特に言及されることを除いて上記実施例を参照する。
【0038】
次に、上記実施例と同様に、化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体、上記化学式5の単量体、及び上記一般式1または一般式2の単量体を含む反応容器に有機溶媒を添加する。上記有機溶媒は、上記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体、上記化学式5の単量体、及び上記一般式1または一般式2の単量体を含む全体単量体の濃度が25乃至35wt%になるように添加することができる。
【0039】
次に、上記反応容器に水及び触媒を添加する。上記水は、上記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体、上記化学式5の単量体、及び上記一般式1または一般式2の単量体を含む全体単量体1モル当たり1乃至10モルの比率で添加することができ、上記触媒は、上記全体単量体1モル当たり0.01乃至0.1モルの比率で添加することができる。
【0040】
次に上記物質が混合された反応容器を室温乃至80℃の温度で6乃至24時間反応させることができる。
【0041】
本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体の形成時に単量体の比率、反応温度、反応時間、触媒などの量を調節し、Si−OH末端基の含量及び分子量を調節することができる。上記Si−OH末端基の含量によって分子量が調節されるが、重量平均分子量は、900〜30000であることが好ましく、このとき、Si−OH末端基の含量は、0乃至50%であることが好ましい。重量平均分子量が900〜30000であり、上記Si−OH末端基の含量が0乃至50%であるとき、上記ポリシルセスキオキサン共重合体を利用して形成された薄膜に光を照射してポジティブトーンパターニングを行う場合、現像液に対する溶解性が良い。
【0042】
<実施例2>ポリシルセスキオキサン共重合体薄膜の製造
上記実施例1によって製造されたポリシルセスキオキサン二元共重合体または三元共重合体に光酸発生剤及び有機溶媒を混合し、基板上にコーティングすることによって、本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を製造することができる。
【0043】
上記光酸発生剤は、スイスCiba社のCiba IRCACURE 1XX seires、アリルビストリクロロメチルトリアジン、またはn−ペルフルオロブテインスルホニルナフタレンイミドを使用することができる。上記光酸発生剤は、上記実施例1によって製造されたポリシルセスキオキサン二元共重合体または三元共重合体及び上記光酸発生剤の全体重量の1乃至30wt%になるように混合することができる。上記光酸発生剤が可視光で作用しないように光を遮断した状態で混合することが好ましい。
【0044】
上記有機溶媒は、メチルイソブチルケトン、アセトン、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及びアルコールよりなる群から選択された1つを使用することができる。上記有機溶媒は、上記実施例1によって製造されたポリシルセスキオキサン二元共重合体または三元共重合体及び上記光酸発生剤の全体重量の10乃至30wt%になるように混合することができる。上記有機溶媒に上記二元共重合体または三元共重合体及び上記光酸発生剤を溶解することは、室温で行うことができる。
【0045】
次に、上記実施例1によって製造されたポリシルセスキオキサン二元共重合体または三元共重合体、光酸発生剤、及び有機溶媒の混合によって製造された溶液を基板上にスピンコーティングし、100乃至130℃で1乃至3分間ベーキングし、本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を製造する。
【0046】
本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体薄膜をAFM(Atomic Force Microscope:原子間力顕微鏡)を利用して粗さ値を測定した結果、1ナノメートル以下の値を示し、95%以上の平坦度を確保することができる。また、ナノインデンターを利用して上記薄膜の硬度を測定した結果、1GPa以上の優秀な硬度を示し、外部の衝撃によるスクラッチに対して強い耐性を示す。
【0047】
<実施例3>ポリシルセスキオキサン共重合体薄膜のパターニング
上記実施例2によって製造されたポリシルセスキオキサン共重合体薄膜に光を照射し、露光工程を進行する。上記露光工程は、中心波長が240乃至450nmであるUVを1乃至5分間照射することができる。次に、100乃至130℃で1乃至3分間ベーキングすることができる。
【0048】
続いて、上記薄膜を現像液を利用して現像する。上記現像液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(tetramethylammonium hydroxide、TMAH)であってもよい。
【0049】
上記薄膜に光を照射すれば、上記薄膜に添加された光酸発生剤が酸を発生させ、発生した酸によって上記共重合体のフェニル誘導体のうちアルコキシ基またはアルコキシカルボニル基がヒドロキシ基またはカルボキシ酸基に変わり、現像液に対する溶解性質が不溶性から可溶性に変わる。したがって、光が照射された上記薄膜を現像すれば、光の照射された部分が除去されるため、ポジティブトーンパターニングが可能になる。次に、DI waterでリンスし、220乃至240℃で30乃至60分間熱処理することができる。
【0050】
<実施例4>ポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を含む有機電界発光表示装置の製造
図1A乃至図1Cは、本発明の実施例2によるポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を含む有機電界発光表示装置を製造する工程を示す図である。
【0051】
まず、図1Aを参照すれば、絶縁ガラスまたはプラスチックのような透明な基板100上にバッファー層110を形成する。上記バッファー層110は、上記基板100に侵透する水気または不純物の拡散を防止したり、結晶化のときに熱の伝達速度を調節することによって、後続工程で形成される多結晶シリコーン層の結晶化が良好に行われることができるようにする役目をし、シリコーン酸化膜、シリコーン窒化膜またはこれらの多重層よりなることができる。
【0052】
次に、上記バッファー層110上にPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition:プラズマ化学気相堆積法)またはLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition:低圧化学気相堆積法)などの蒸着方法を使用して非晶質シリコーン層を形成し、これを結晶化し、パターニングし、半導体層120を形成する。このとき、上記非晶質シリコーン層を結晶化する方法としては、SPC(Solid Phase Crystallization:固相結晶化法)、SLS(Sequential Lateral Solidification:連続横方向固相化法)、ELA(Excimer Laser Annealing:エキシマレーザーアニーリング法)、MIC(Metal Induced Crystallization:金属誘起結晶化法)、MILC(Metal Induced Lateral Crystallization:金属誘起横方法結晶化法)、及びSGS(Super Grain Silicon:SGS法)よりなる群から選択された1つを使用することができる。
【0053】
次に、上記基板100の全面にゲート絶縁膜130を形成する。上記ゲート絶縁膜130は、シリコーン酸化膜、シリコーン窒化膜またはこれらの二重層で形成することができる。
【0054】
次に、上記半導体層120のチャンネル領域と対応する領域にゲート電極140を形成する。上記ゲート電極140は、アルミニウム(Al)またはアルミニウム−ネオジウム(Al−Nd)のようなアルミニウム合金の単一層や、クロム(Cr)またはモリブデン(Mo)合金の上にアルミニウム合金が積層された多重層で形成することができる。
【0055】
次に、上記ゲート電極140を含む上記基板100の全面に層間絶縁膜150を形成する。
【0056】
次に、上記層間絶縁膜150及び上記ゲート絶縁膜130の一定領域をエッチングし、コンタクトホールを形成し、上記コンタクトホールを介して上記半導体層120のソース/ドレーン領域に電気的に連結されるソース/ドレーン電極161、162を形成する。
【0057】
次に、図1Bを参照すれば、上記基板100の全面に平坦化膜170を形成する。本実施例では、上記平坦化膜170を上記実施例2と同様に、上記実施例1によって製造されたポリシルセスキオキサン二元共重合体または三元共重合体に光酸発生剤及び有機溶媒を混合し、上記基板100上にスピンコーティングして形成する。
【0058】
次に、上記平坦化膜170内に上記ソースまたはドレーン電極の一部を露出させるビアホールを形成する。一般的に、上記平坦化膜上にフォトレジストパターンを形成し、これを利用したフォトリソグラフィ工程によってビアホールを形成するが、本実施例では、フォトレジストパターンを形成せずに、上記実施例3と同様に、本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体を利用した薄膜に形成された上記平坦化膜170に直接光を照射し、現像することによって、ビアホールを形成する。さらに詳しくは、ビアホールを形成する部分に光が照射されるように上記平坦化膜170上にマスク175を位置させ、上記平坦化膜170に光を照射した後、現像液で現像し、DI waterでリンスする。
【0059】
図1Cを参照すれば、上記平坦化膜170を現像すれば、上記光が照射された部分の上記平坦化膜170が除去され、上記平坦化膜170内にビアホール180が形成される。したがって本発明によれば、従来のようにフォトレジストを使用してパターニングせずに、簡単に露光及び現象工程だけでビアホールの形成が可能なので、工程が簡素化される利点がある。
【0060】
また、本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体を利用した薄膜は、ポジティブトーンパターニングが可能なので、上記平坦化膜170において上記ビアホール180が形成された部分は、順テーパー形状を有することができる。上記ビアホール180が形成された部分で上記平坦化膜170が逆テーパー形状を有するようになれば、後続する第1電極の形成時に、上記ビアホール180内で上記第1電極の短絡が発生することができる。しかし、本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体を利用した薄膜は、ポジティブトーンパターニングが可能なので、上記ビアホール180が形成された部分で上記平坦化膜170が順テーパー形状を有するように形成することができ、第1電極の短絡を防止することができ、これにより、平坦化膜材料として利用するに適している。また、ポジティブトーンパターニングで上記ビアホール180を形成することができるので、ネガチブトンパターニングに比べて露光面積が少ないため、工程時間と不良率を減少させることができる長所もある。
【0061】
これに加えて、上記実施例2から分かるように、上記ポリシルセスキオキサン共重合体を利用した薄膜は、1ナノメートル以下の粗さ値を示し、95%以上の平坦度を確保することができ、1GPa以上の優秀な硬度を示すので、上記ポリシルセスキオキサン共重合体を利用した薄膜で上記平坦化膜170を形成する場合、下部の上記ソース/ドレーン電極161、162を効率的に保護することができ、平坦化特性をも満足させることができる。
【0062】
次に、上記平坦化膜170上に上記ソース/ドレーン電極161、162のうちいずれか1つに連結される第1電極190を形成する。上記第1電極190は、上記ビアホール180内に位置し、上記ビアホール180によって露出された上記ソース/ドレーン電極161、162のうちいずれか1つに当接し、上記平坦化膜170上に延長形成される。上記第1電極190は、アノードで形成することができ、ITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)またはIZO(Indium Zinc Oxide:インジウム亜鉛酸化物)を使用することができる。
【0063】
次に、上記第1電極190上に上記第1電極190の一定領域を露出させる開口部が形成された画素定義膜200を形成する。上記画素定義膜200は、有機膜または無機膜で形成することができる。
【0064】
次に、上記開口部を介して露出された上記第1電極190上に有機膜層210を形成する。上記有機膜層210は、発光層を含み、正孔注入層、正孔輸送層、正孔抑制層、電子輸送層、電子注入層、及び電子抑制層よりなる群から選択された1つ以上の層をさらに含むことができる。
【0065】
次に、上記基板100の全面に第2電極220を形成する。上記第2電極220は、カソードで形成することができ、仕事関数の低いMg、Ag、Al、Ca及びこれらの合金で形成することができる。
【0066】
本実施例では、本発明のポリシルセスキオキサン共重合体を利用した薄膜を利用して有機電界発光表示装置の平坦化膜を形成することについて説明したが、これに限定されず、上記薄膜を利用して有機電界発光表示装置に含まれる他の膜を形成することも可能である。
【実施例】
【0067】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実験例を提示する。但し、下記の実験例は、本発明の理解を助けるためのものに過ぎず、本発明が下記の実験例に限定されるものではない。
【0068】
<実験例1>
還流器が設置されている反応容器に窒素ガスを連結し、1気圧の圧力雰囲気を形成した。上記化学式1においてRがメチル基であり、R1がtert−ブチル基であるtert−ブトキシフェニルトリメトキシシラン(tert−butoxyphenyltrimethoxysilane:tBPTMS)単量体と、上記化学式5においてZ1乃至Z6がエトキシ基であり、A1がエチレン基であるビス(トリエトキシシリル)エタン(bis(triethoxysilyl)ethane:BTESE)単量体をそれぞれモル比率100%:0%、95%:5%、及び90%:10%になるように上記反応容器に添加した。次に、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を上記2つの単量体の濃度が30wt%になるように添加した。次に、酸触媒として塩酸溶液を上記2つの単量体と上記塩酸溶液のうち塩酸のモル比が1:0.03になるように添加し、水を上記2つの単量体と上記水及び上記塩酸溶液中の水のモル比が1:5になるように添加した。また、60℃の温度で6時間及び15時間反応させた。上記反応後にすべての溶媒を除去し、固体状態のポリシルセスキオキサン二元共重合体を得た。上記それぞれの二元共重合体の重量平均分子量(Mw)を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0069】
【表1】
【0070】
上記表1を参照すれば、化学式1の単量体であるtBPTMSと化学式5の単量体であるBTESEを共重合する場合、化学式1の単量体であるtBPTMSを単一重合する合成例1の場合より重量平均分子量が増加したことが分かり、BTESEのモル比率が増加するにつれて重量平均分子量も小幅で増加する傾向を示すことが分かる。但し、酸触媒下では、反応時間による重量平均分子量の変化が大きくないことが分かる。
【0071】
<実験例2>
還流器が設置されている反応容器に窒素ガスを連結し、1気圧の圧力雰囲気を形成した。上記化学式1においてRがメチル基であり、R1がtert−ブチル基であるtert−トキシフェニルトリメトキシシラン(tert−butoxyphenyltrimethoxysilane:tBPTMS)単量体と、上記化学式5においてZ1乃至Z6がエトキシ基であり、A1がエチレン基であるビス(トリエトキシシリル)エタン(bis(triethoxysilyl)ethane:BTESE)単量体をそれぞれモル比率100%:0%、95%:5%、及び90%:10%になるように上記反応容器に添加した。次に、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を上記2つの単量体の濃度が30wt%になるように添加した。次に、塩基触媒として水酸化カリウム溶液を上記2つの単量体と上記水酸化カリウム溶液のうち水酸化カリウムのモル比が1:0.03になるように添加し、水を上記2つの単量体と上記水及び上記水酸化カリウム溶液中の水のモル比が1:5になるように添加した。また、60℃の温度で4時間、6時間、10時間及び24時間反応させた。上記反応後にすべての溶媒を除去し、固体状態のポリシルセスキオキサン二元共重合体を得た。上記それぞれの二元共重合体の重量平均分子量(Mw)を測定し、その結果を下記表2に示した。
【0072】
【表2】
【0073】
上記表2を参照すれば、化学式1の単量体であるtBPTMSと化学式5の単量体であるBTESEを共重合する場合、化学式1の単量体であるtBPTMSを単一重合する合成例6の場合より重量平均分子量が増加したことが分かる。塩基触媒下では、BTESEのモル比率が増加することによる重量平均分子量の増加幅が酸触媒の場合よりさらに大いことが分かり、反応時間の増加による重量平均分子量の増加幅も酸触媒の場合よりさらに大きいことが分かる。また、塩基触媒下でtBPTMSとBTESEを共重合する場合には、10時間の反応時間内にtBPTMSを単一重合する場合より5乃至10倍程度の重量平均分子量を増加させることができ、反応時間を顕著に減少させることができることを確認することができる。
【0074】
上記表1及び表2の結果を参照すれば、本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体の製造時に、酸触媒よりは塩基触媒を使用することがさらに好ましいことを確認することができる。
【0075】
<実験例3>
上記実験例2において合成例8及び合成例11によって製造された二元共重合体それぞれに光酸発生剤としてスイスCiba社のCiba IRGACURE 1XX seriesを上記共重合体及び上記光酸発生剤の全体重量の6wt%になるように添加し、有機溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶媒を上記共重合体及び上記光酸発生剤の全体重量の20wt%になるように反応容器に注入して反応させた。反応後に上記溶液を基板上にスピンコーティングして750nmの厚さで形成し、120℃で2分間ベーキングした。AFMを利用してそれぞれの薄膜の粗さを測定した。
【0076】
図2A及び図2Bは、それぞれの薄膜に対するAFMイメージである。図2Aは、上記実験例2の合成例8による薄膜であるが、粗さは、0.875nmとして測定され、図2Bは、上記実験例2の合成例11による薄膜であるが、粗さは、0.489nmとして測定された。上記2つの薄膜が共に1nm以下の粗さ値を示し、表面特性に優れており、95%以上の平坦化度を確保する可能性があることを確認することができる。これは、アクリル樹脂などの平坦化度と類似な水準である。また、上記結果によれば、重量平均分子量の増加するほど粗さ値が減少することを確認することができる。
【0077】
<実験例4>
還流器が設置されている反応容器に窒素ガスを連結し、1気圧の圧力雰囲気を形成した。上記化学式2においてRがエチル基、R2がエチレン基、R3がtert−ブチル基であるtert−ブトキシフェニルメティルトリエトキシシラン(tert−butoxyphenylethyltriethoxysilane:tBPMTES)単量体:上記化学式5においてZ1乃至Z6がエトキシ基であり、A1がエチレン基であるビス(トリエトキシシリル)エタン(bis(triethoxysilyl)ethane:BTESE)単量体:接着特性を改善させるために一般式1(R1O)3−Si−C6H4−(CR2)n−OHにおいてR1がエチル基であり、nが0であるトリエトキシシリルフェノール(triethoxysilylphenol)単量体をそれぞれモル比率50%:25%:25%、60%:20%:20%、65%:25%:10%、及び40%:30%:30%になるように上記反応容器に添加した。次に、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を上記3つの単量体の濃度が25wt%になるように添加した。次に、塩基触媒として水酸化テトラブチルアムウムを上記3つの単量体と上記水酸化テトラブチルアンモニウムのモル比が1:0.1になるように添加し、水を上記3つの単量体と上記水のモル比が1:4になるように添加した。また、60℃の温度で10時間反応させた。上記反応後にすべての溶媒を除去し、固体状態のポリシルセスキオキサン三元共重合体を得た。上記それぞれの三元共重合体の水平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定し、その結果を下記表3に示した。
【0078】
【表3】
【0079】
次に、上記それぞれの固体状態の三元共重合体に光酸発生剤としてスイスCiba社のCiba IRGACURE 1XX seriesを上記三元共重合体及び上記光酸発生剤の全体重量の6wt%になるように添加し、有機溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶媒を上記三元共重合体及び上記光酸発生剤の全体重量の25wt%になるように反応容器に注入して反応させた。反応後に上記溶液を基板上に3000rpmで30秒間スピンコーティングして750nm厚さで形成し、100℃で1分間ベーキングした。AFMを利用して上記合成例15による薄膜の粗さを測定した。
【0080】
図3は、合成例15による薄膜のAFMイメージである。図3を参照すれば、上記合成例15による薄膜の粗さ値は、0.06651nmとして測定され、表面特性が非常に優れていることを確認することができる。また、上記実験例2と比較すれば、一般式1の単量体の添加によって薄膜の粗さ値が顕著に改善したことを確認することができる。
【0081】
次に、それぞれの薄膜に1辺の大きさがそれぞれ5μm、10μm、20μm、及び50μmである正方形形状を有し、中心波長が365nmであるUVを照射して上記薄膜を露光し、110℃で2分間ベーキングした。続いて、上記薄膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)2.38wt%水溶液に20秒間浸漬して現像し、上記薄膜をDI waterで20秒間リンスし、230℃で60分間熱処理した。
【0082】
図4A乃至図4Cは、上記薄膜がポジティブトーンパターニングされた結果を示す写真である。図4A乃至図4Cを参照すれば、図4Aは、上記薄膜でレーザーの照射を受けた領域が除去され、1辺の大きさが5μmである正方形、図4Bは、1辺の大きさが10μmである正方形、図4Cは、1辺の大きさがそれぞれ20μm及び50μmである正方形形状で上記薄膜がポジティブトーンパターニングされたことを確認することができる。
【0083】
上記実験例4において、tBPMTES:BTESE:トリエトキシシリルフェノール単量体のモル比率が40%:30%:30%の場合、ナノインデンターを利用して薄膜の硬度を測定した結果、2.396GPaであり、弾性係数を測定した結果、58.239Gpaであった。CMP(chemical mechanical polishing)工程に耐えるために通常要求される硬度が1GPa程度であるが、上記薄膜の場合、従来と比較して硬度が約2.4倍と顕著に上昇したことを確認することができる。
【0084】
<実験例5>
還流器が設置されている反応容器に窒素ガスを連結し、1気圧の圧力雰囲気を形成した。上記化学式2においてRがエチル基であり、R2がメチレン基、R3がtert−ブトキシカルボニル(tert−butoxycarbonyl)基である単量体:上記化学式5においてZ1乃至Z6がエトキシ基であり、A1がエチレン基であるビス(トリエトキシシリル)エタン(bis(triethoxysilyl)ethane:BTESE)単量体:接着特性を改善させるために一般式1(R1O)3−Si−C6H4−(CR2)n−OHにおいてR1がエチル基であり、nが0であるトリエトキシシリルフェノール(triethoxysilylphenol)単量体をモル比率40%:30%:30%になるように上記反応容器に添加した。次に、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を上記3つの単量体の濃度が25wt%になるように添加した。次に、塩基触媒として水酸化テトラブチルアンモニウムを上記3つの単量体と上記水酸化テトラブチルアンモニウムのモル比が1:0.1になるように添加し、水を上記3つの単量体と上記水のモル比が1:4になるように添加した。また、60℃の温度で10時間反応させた。上記反応後にすべての溶媒を除去し、固体状態のポリシルセスキオキサン三元共重合体を得た。上記三元共重合体の数平均分子量及び重量平均分子量を測定した結果、数平均分子量は、8400であり、重量平均分子量は、12000であった。次に、上記それぞれの固体状態の三元共重合体に光酸発生剤としてスイスCiba社のCiba IRGACURE 1XX seriesを上記三元共重合体及び上記光酸発生剤の全体重量の6wt%になるように添加し、有機溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶媒を上記三元共重合体及び上記光酸発生剤の全体重量の25wt%になるように反応容器に注入して反応させた。反応後に上記溶液を基板上に3000rpmで30秒間スピンコーティングして750nm厚さで形成し、100℃で1分間ベーキングした。
【0085】
図5は、実験例5による薄膜のAFMイメージである。図5を参照すれば、上記実験例5による薄膜の粗さ値は、0.2nmとして測定され、表面特性に優れていることを確認することができる。また、ナノインデンターを利用して上記実験例5による薄膜の硬度を測定した結果、1.335GPaであり、弾性係数を測定した結果、53.963Gpaであった。CMP(chemical mechanical polishing)工程に耐えるために通常要求される硬度が1GPa程度であるが、上記実験例5による薄膜の場合、従来と比較して硬度が上昇したことを確認することができる。
【0086】
次に、上記薄膜にそれぞれ正方形形状または直線形状を有し、中心波長が365nmの波長を有するUVを照射して上記薄膜を露光し、110℃で2分間ベーキングした。続いて、上記薄膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)2.38wt%水溶液に20秒間浸漬して現像し、上記薄膜をDI waterで20秒間リンスし、230℃で60分間熱処理した。
【0087】
図6A乃至図6Bは、上記薄膜がポジティブトーンパターニングされた結果を示す写真である。図6Aを参照すれば、正方形形状でポジティブトーンパターニングが施されたことを確認することができる。また、図6Bを参照すれば、直線形状のレーザーが照射された部分は除去され、レーザーが照射されていない薄い実線部分は残され、ポジティブトーンパターニングが施されたことを確認することができる。
【0088】
したがって、本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体を利用して形成された薄膜は、機械的強度及び平坦化性に優れており、フォトレジストを使用せずに直接光を照射することによって、ポジティブトーンパターニングが可能である。また、上記薄膜を利用して有機電界発光表示装置の平坦化膜を形成すれば、下部のソース/ドレーン電極(161、162)を効率的に保護することができ、上記平坦化膜内にビアホールを形成するときに工程を単純化させることもできる。
【符号の説明】
【0089】
100 基板
110 バッファー層
120 半導体層
130 ゲート絶縁膜
140 ゲート電極
150 層間絶縁膜
161、162 ソース/ドレーン電極
170 平坦化膜
175 マスク
180 ビアホール
190 第1電極
200 画素定義膜
210 有機膜層
220 第2電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリシルセスキオキサン共重合体、その製造方法、これを利用するポリシルセスキオキサン共重合体薄膜、及びこれを利用する有機電界発光表示装置に関し、機械的強度及び平坦化性に優れており、フォトレジストを使用せずに直接光を照射することによって、ポジティブトーンパターニング(positive tone patterning)が可能な薄膜を製造することができるポリシルセスキオキサン共重合体、その製造方法、これを利用するポリシルセスキオキサン共重合体薄膜、及びこれを利用する有機電界発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、有機電界発光表示装置を製造するにあたって薄膜トランジスタのソース/ドレーン電極を保護するために、このソース/ドレーン上にアクリル系の平坦化膜を使用する。しかし、アクリル系の平坦化膜は、硬度が弱いため、電極を完璧に保護することができない問題点があり、電極とアクリル系の平坦化膜との間に無機膜であるシリコーン窒化膜をさらに蒸着して使用している。これにより、工程が複雑になり、製造コストが上昇するなどの問題点が発生することがある。
【0003】
上記問題点を解決するために、有機系のアクリル膜の代わりに強度及び温度特性に優れたシリコーン系の有機無機複合膜であるSOG(silicon on glass)を使用しようとする試みが続いて来た。しかし、現在まで開発されたSOGは、直接光によるフォトパターン工程が不可能なことから、フォトリソグラフィ工程を利用してパターンを形成するためには追加のフォトレジスト(Photo Resist:PR)を塗布し、これを露光、現像し、フォトレジストパターンを形成した後、フォトレジストパターンをマスクにしてSOGを乾式あるいは湿式エッチングすることによって、パターンを形成している。
【0004】
しかし、上記したように、フォトレジストを利用してパターンを形成する方法は、フォトレジスト塗布工程、露光工程、現像工程、ストリップ工程などの様々な複雑な工程を必要とするため、工程が複雑になるだけでなく、製造収率が低くなる短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国特許出願公開第2004−80474号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した従来技術の諸問題点を解決するためになされたもので、機械的強度及び平坦化性に優れており、フォトレジストを使用せずに直接光を照射することによって、ポジティブトーンパターニングが可能な薄膜を製造することができるポリシルセスキオキサン共重合体、その製造方法、これを利用するポリシルセスキオキサン共重合体薄膜、及びこれを利用する有機電界発光表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記化学式1で表示されるアルコキシフェニルトリアルコキシシラン、下記化学式2で表示されるアルコキシフェニルアルキルトリアルコキシシラン、下記化学式3で表示されるアルコキシカルボニルフェニルトリアルコキシシラン及び下記化学式4で表示されるアルコキシカルボニルフェニルアルキルトリアルコキシシランよりなる群から選択されたいずれか1つの単量体と、
下記化学式5で表示される両端に反応サイトを有するα、ω−ビストリアルコキシシリル化合物単量体とを共重合して製造された、ポリシルセスキオキサン共重合体を提供する。
【0008】
【化1】
(式中、R及びR1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0009】
【化2】
(式中、R、R2及びR3は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0010】
【化3】
(式中、R及びR4は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0011】
【化4】
(式中、R、R5及びR6は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0012】
【化5】
(式中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、ヒドロキシ基、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基及び置換または非置換されたC1〜C30アルコキシ基よりなる群から選択されたいずれか1つであり、A1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキレン基である。)
【0013】
本発明は、下記化学式1で表示されるアルコキシフェニルトリアルコキシシラン、下記化学式2で表示されるアルコキシフェニルアルキルトリアルコキシシラン、下記化学式3で表示されるアルコキシカルボニルフェニルトリアルコキシシラン及び下記化学式4で表示されるアルコキシカルボニルフェニルアルキルトリアルコキシシランよりなる群から選択されたいずれか1つの単量体と、
下記化学式5で表示される両端に反応サイトを有するα、ω−ビストリアルコキシシリル化合物単量体とを有機溶媒/水の混合溶媒の中で酸または塩基触媒を使用して共重合する、ポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法を提供する。
【0014】
【化6】
(式中、R及びR1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0015】
【化7】
(式中、R、R2及びR3は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0016】
【化8】
(式中、R及びR4は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0017】
【化9】
(式中、R、R5及びR6は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0018】
【化10】
(式中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、ヒドロキシ基、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基及び置換または非置換されたC1〜C30アルコキシ基よりなる群から選択されたいずれか1つであり、A1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキレン基である。)
【0019】
また、本発明は、前記ポリシルセスキオキサン共重合体に光酸発生剤を含んで製造された、ポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を提供する。
【0020】
また、本発明は、基板と;前記基板上に位置し、半導体層、ゲート電極、ゲート絶縁膜、及びソース/ドレーン電極を含む薄膜トランジスタと;前記薄膜トランジスタ上に位置し、前記ポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を含む平坦化膜と;前記平坦化膜上に位置し、前記ソースまたはドレーン電極と電気的に連結される第1電極、発光層を有する有機膜層、及び第2電極を含む有機電界発光素子と;を含む、有機電界発光表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体を利用して製造された薄膜は、機械的強度及び平坦化性に優れており、フォトレジストを使用せずに直接光を照射することによってポジティブトーンパターニングが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】本発明の実施例2によるポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を含む有機電界発光表示装置を製造する工程を示す断面図である。
【図1B】本発明の実施例2によるポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を含む有機電界発光表示装置を製造する工程を示す断面図である。
【図1C】本発明の実施例2によるポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を含む有機電界発光表示装置を製造する工程を示す断面図である。
【図2A】実験例2の合成例8及び11による薄膜に対するAFMイメージである。
【図2B】実験例2の合成例8及び11による薄膜に対するAFMイメージである。
【図3A】実験例4の合成例15による薄膜のAFMイメージである。
【図3B】実験例4の合成例15による薄膜のAFMイメージである。
【図4A】実験例4による薄膜がポジティブトーンパターニングされた結果を示す写真である。
【図4B】実験例4による薄膜がポジティブトーンパターニングされた結果を示す写真である。
【図4C】実験例4による薄膜がポジティブトーンパターニングされた結果を示す写真である。
【図5】実験例5による薄膜のAFMイメージである。
【図6A】実験例5による薄膜がポジティブトーンパターニングされた結果を示す写真である。
【図6B】実験例5による薄膜がポジティブトーンパターニングされた結果を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の上記目的と技術的構成及びそれによる作用効果に関する詳しい事項は、本発明の好ましい実施例を示している図面を参照した以下の詳細な説明によって明確に理解されるだろう。図面において、層及び領域の長さ、厚さなどは、便宜のために誇張されて表現されることがある。また、明細書全般にわたって同一の参照番号は、同一の構成要素を示す。
【0024】
<実施例1>ポリシルセスキオキサン共重合体の製造
1.ポリシルセスキオキサン二元共重合体の製造
還流器が設置されている反応容器に下記化学式1で表示されるアルコキシフェニルトリアルコキシシラン、下記化学式2で表示されるアルコキシフェニルアルキルトリアルコキシシラン、下記化学式3で表示されるアルコキシカルボニルフェニルトリアルコキシシラン及び下記化学式4で表示されるアルコキシカルボニルフェニルアルキルトリアルコキシシランよりなる群から選択されたいずれか1つの単量体と、下記化学式5で表示される両端に反応サイトを有するα、ω−ビストリアルコキシシリル化合物単量体を添加する。化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び化学式5の単量体のモル比率は、50乃至100%:0超過乃至50%になるように添加することができる。
【0025】
【化11】
(式中、R及びR1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0026】
【化12】
(式中、R、R2及びR3は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0027】
【化13】
(式中、R及びR4は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0028】
【化14】
(式中、R、R5及びR6は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【0029】
【化15】
(式中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、ヒドロキシ基、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基及び置換または非置換されたC1〜C30アルコキシ基よりなる群から選択されたいずれか1つであり、A1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキレン基である。)
【0030】
上記化学式5の単量体は、上記化学式1乃至4の単量体に比べて反応可能な作用基が多いため、共重合反応時に架橋化密度が高い。そのため、上記化学式5を使用する共重合の場合には、酸または塩基触媒を使用するゾル−ゲル重合反応時に高分子の分子量を速く増加させ、化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体を単一重合させる場合によく起きる分子内の縮合反応に比べて分子間の縮合反応速度を増加させることができる。したがって、ポリシルセスキオキサン共重合体の形成時に上記化学式5の単量体を使用する場合、低い分子量の環状のシルセスキオキサンの形成が最小化されることができ、形成されるポリシルセスキオキサン共重合体は、無定形の構造に変わることができる。その結果、上記ポリシルセスキオキサン共重合体を利用して製造された膜は、高い密度と機械的強度を有することができるようになる。
【0031】
次に、上記反応容器に有機溶媒を添加する。上記有機溶媒は、上記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び上記化学式5の単量体を含む全体単量体の濃度が25乃至35wt%になるように添加することができる。上記有機溶媒は、メチルイソブチルケトン、アセトン、クロロホルム、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran:THF)、トルエン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(propylene glycol methyl ether acetate)及びアルコールよりなる群から選択されることができる。
【0032】
次に、上記反応容器に水及び触媒を添加する。上記水は、上記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び上記化学式5の単量体を含む全体単量体1モル当たり1乃至10モルの比率で添加することができる。
【0033】
上記触媒は、酸触媒または塩基触媒であってもよい。上記酸触媒は、塩酸(HCl)または硫酸(H2SO4)であってもよく、上記塩基触媒は、水酸化カリウム(KOH)または水酸化テトラブチルアンモニウム([CH3(CH2)3]4NOH)であってもよい。上記触媒は、上記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び上記化学式5の単量体を含む全体単量体1モル当たり0.01乃至0.1モルの比率で添加することができる。上記触媒は、塩基触媒であることが好ましいが、塩基触媒を使用する場合には、酸触媒を使用した場合に比べて反応時間が経過するにつれて共重合体の重量平均分子量が大幅に上昇することができ、上記共重合体を利用して製造された膜が優れた熱安定性と機械的強度を示す。また、塩基触媒を使用して製造されたポリシルセスキオキサン共重合体は、有機溶媒には溶解されるが、水には溶解されない性質を有する。
【0034】
次に、上記物質が混合された反応容器を室温乃至80℃の温度で6乃至24時間反応させることができる。
【0035】
本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体の形成時に単量体の比率、反応温度、反応時間、触媒などの量を調節し、Si−OH末端基の含量及び分子量を調節することができる。上記Si−OH末端基の含量によって分子量が調節されるが、重量平均分子量は、900〜30000であることが好ましく、このとき、Si−OH末端基の含量は、0乃至50%であることが好ましい。重量平均分子量が900〜30000であり、上記Si−OH末端基の含量が0乃至50%であるとき、上記ポリシルセスキオキサン共重合体を利用して形成された薄膜に光を照射してポジティブトーンパターニングを行う場合、現像液に対する溶解性が良い。
【0036】
2.ポリシルセスキオキサン三元共重合体の製造
上記実施例1の1によるポリシルセスキオキサン二元共重合体を利用して製造される膜の接着特性を改善させるために極性の作用基を有する、一般式1(R1O)3−Si−C6H4−(CR2)n−OHまたは一般式2(R1O)3−Si−C6H4−(CR2)n−COOHで表示される単量体をさらに含むことができる。このとき、上記一般式1及び2において上記R1及びR2は、水素またはアルキル基であり、nは、0乃至10である。上記極性の作用基を有する一般式1または一般式2の単量体は、上記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び上記化学式5の単量体を含む全体単量体に対して0乃至50wt%の重量比を有するように添加されることができる。
【0037】
下記で特に言及されることを除いて上記実施例を参照する。
【0038】
次に、上記実施例と同様に、化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体、上記化学式5の単量体、及び上記一般式1または一般式2の単量体を含む反応容器に有機溶媒を添加する。上記有機溶媒は、上記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体、上記化学式5の単量体、及び上記一般式1または一般式2の単量体を含む全体単量体の濃度が25乃至35wt%になるように添加することができる。
【0039】
次に、上記反応容器に水及び触媒を添加する。上記水は、上記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体、上記化学式5の単量体、及び上記一般式1または一般式2の単量体を含む全体単量体1モル当たり1乃至10モルの比率で添加することができ、上記触媒は、上記全体単量体1モル当たり0.01乃至0.1モルの比率で添加することができる。
【0040】
次に上記物質が混合された反応容器を室温乃至80℃の温度で6乃至24時間反応させることができる。
【0041】
本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体の形成時に単量体の比率、反応温度、反応時間、触媒などの量を調節し、Si−OH末端基の含量及び分子量を調節することができる。上記Si−OH末端基の含量によって分子量が調節されるが、重量平均分子量は、900〜30000であることが好ましく、このとき、Si−OH末端基の含量は、0乃至50%であることが好ましい。重量平均分子量が900〜30000であり、上記Si−OH末端基の含量が0乃至50%であるとき、上記ポリシルセスキオキサン共重合体を利用して形成された薄膜に光を照射してポジティブトーンパターニングを行う場合、現像液に対する溶解性が良い。
【0042】
<実施例2>ポリシルセスキオキサン共重合体薄膜の製造
上記実施例1によって製造されたポリシルセスキオキサン二元共重合体または三元共重合体に光酸発生剤及び有機溶媒を混合し、基板上にコーティングすることによって、本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を製造することができる。
【0043】
上記光酸発生剤は、スイスCiba社のCiba IRCACURE 1XX seires、アリルビストリクロロメチルトリアジン、またはn−ペルフルオロブテインスルホニルナフタレンイミドを使用することができる。上記光酸発生剤は、上記実施例1によって製造されたポリシルセスキオキサン二元共重合体または三元共重合体及び上記光酸発生剤の全体重量の1乃至30wt%になるように混合することができる。上記光酸発生剤が可視光で作用しないように光を遮断した状態で混合することが好ましい。
【0044】
上記有機溶媒は、メチルイソブチルケトン、アセトン、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及びアルコールよりなる群から選択された1つを使用することができる。上記有機溶媒は、上記実施例1によって製造されたポリシルセスキオキサン二元共重合体または三元共重合体及び上記光酸発生剤の全体重量の10乃至30wt%になるように混合することができる。上記有機溶媒に上記二元共重合体または三元共重合体及び上記光酸発生剤を溶解することは、室温で行うことができる。
【0045】
次に、上記実施例1によって製造されたポリシルセスキオキサン二元共重合体または三元共重合体、光酸発生剤、及び有機溶媒の混合によって製造された溶液を基板上にスピンコーティングし、100乃至130℃で1乃至3分間ベーキングし、本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を製造する。
【0046】
本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体薄膜をAFM(Atomic Force Microscope:原子間力顕微鏡)を利用して粗さ値を測定した結果、1ナノメートル以下の値を示し、95%以上の平坦度を確保することができる。また、ナノインデンターを利用して上記薄膜の硬度を測定した結果、1GPa以上の優秀な硬度を示し、外部の衝撃によるスクラッチに対して強い耐性を示す。
【0047】
<実施例3>ポリシルセスキオキサン共重合体薄膜のパターニング
上記実施例2によって製造されたポリシルセスキオキサン共重合体薄膜に光を照射し、露光工程を進行する。上記露光工程は、中心波長が240乃至450nmであるUVを1乃至5分間照射することができる。次に、100乃至130℃で1乃至3分間ベーキングすることができる。
【0048】
続いて、上記薄膜を現像液を利用して現像する。上記現像液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(tetramethylammonium hydroxide、TMAH)であってもよい。
【0049】
上記薄膜に光を照射すれば、上記薄膜に添加された光酸発生剤が酸を発生させ、発生した酸によって上記共重合体のフェニル誘導体のうちアルコキシ基またはアルコキシカルボニル基がヒドロキシ基またはカルボキシ酸基に変わり、現像液に対する溶解性質が不溶性から可溶性に変わる。したがって、光が照射された上記薄膜を現像すれば、光の照射された部分が除去されるため、ポジティブトーンパターニングが可能になる。次に、DI waterでリンスし、220乃至240℃で30乃至60分間熱処理することができる。
【0050】
<実施例4>ポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を含む有機電界発光表示装置の製造
図1A乃至図1Cは、本発明の実施例2によるポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を含む有機電界発光表示装置を製造する工程を示す図である。
【0051】
まず、図1Aを参照すれば、絶縁ガラスまたはプラスチックのような透明な基板100上にバッファー層110を形成する。上記バッファー層110は、上記基板100に侵透する水気または不純物の拡散を防止したり、結晶化のときに熱の伝達速度を調節することによって、後続工程で形成される多結晶シリコーン層の結晶化が良好に行われることができるようにする役目をし、シリコーン酸化膜、シリコーン窒化膜またはこれらの多重層よりなることができる。
【0052】
次に、上記バッファー層110上にPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition:プラズマ化学気相堆積法)またはLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition:低圧化学気相堆積法)などの蒸着方法を使用して非晶質シリコーン層を形成し、これを結晶化し、パターニングし、半導体層120を形成する。このとき、上記非晶質シリコーン層を結晶化する方法としては、SPC(Solid Phase Crystallization:固相結晶化法)、SLS(Sequential Lateral Solidification:連続横方向固相化法)、ELA(Excimer Laser Annealing:エキシマレーザーアニーリング法)、MIC(Metal Induced Crystallization:金属誘起結晶化法)、MILC(Metal Induced Lateral Crystallization:金属誘起横方法結晶化法)、及びSGS(Super Grain Silicon:SGS法)よりなる群から選択された1つを使用することができる。
【0053】
次に、上記基板100の全面にゲート絶縁膜130を形成する。上記ゲート絶縁膜130は、シリコーン酸化膜、シリコーン窒化膜またはこれらの二重層で形成することができる。
【0054】
次に、上記半導体層120のチャンネル領域と対応する領域にゲート電極140を形成する。上記ゲート電極140は、アルミニウム(Al)またはアルミニウム−ネオジウム(Al−Nd)のようなアルミニウム合金の単一層や、クロム(Cr)またはモリブデン(Mo)合金の上にアルミニウム合金が積層された多重層で形成することができる。
【0055】
次に、上記ゲート電極140を含む上記基板100の全面に層間絶縁膜150を形成する。
【0056】
次に、上記層間絶縁膜150及び上記ゲート絶縁膜130の一定領域をエッチングし、コンタクトホールを形成し、上記コンタクトホールを介して上記半導体層120のソース/ドレーン領域に電気的に連結されるソース/ドレーン電極161、162を形成する。
【0057】
次に、図1Bを参照すれば、上記基板100の全面に平坦化膜170を形成する。本実施例では、上記平坦化膜170を上記実施例2と同様に、上記実施例1によって製造されたポリシルセスキオキサン二元共重合体または三元共重合体に光酸発生剤及び有機溶媒を混合し、上記基板100上にスピンコーティングして形成する。
【0058】
次に、上記平坦化膜170内に上記ソースまたはドレーン電極の一部を露出させるビアホールを形成する。一般的に、上記平坦化膜上にフォトレジストパターンを形成し、これを利用したフォトリソグラフィ工程によってビアホールを形成するが、本実施例では、フォトレジストパターンを形成せずに、上記実施例3と同様に、本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体を利用した薄膜に形成された上記平坦化膜170に直接光を照射し、現像することによって、ビアホールを形成する。さらに詳しくは、ビアホールを形成する部分に光が照射されるように上記平坦化膜170上にマスク175を位置させ、上記平坦化膜170に光を照射した後、現像液で現像し、DI waterでリンスする。
【0059】
図1Cを参照すれば、上記平坦化膜170を現像すれば、上記光が照射された部分の上記平坦化膜170が除去され、上記平坦化膜170内にビアホール180が形成される。したがって本発明によれば、従来のようにフォトレジストを使用してパターニングせずに、簡単に露光及び現象工程だけでビアホールの形成が可能なので、工程が簡素化される利点がある。
【0060】
また、本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体を利用した薄膜は、ポジティブトーンパターニングが可能なので、上記平坦化膜170において上記ビアホール180が形成された部分は、順テーパー形状を有することができる。上記ビアホール180が形成された部分で上記平坦化膜170が逆テーパー形状を有するようになれば、後続する第1電極の形成時に、上記ビアホール180内で上記第1電極の短絡が発生することができる。しかし、本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体を利用した薄膜は、ポジティブトーンパターニングが可能なので、上記ビアホール180が形成された部分で上記平坦化膜170が順テーパー形状を有するように形成することができ、第1電極の短絡を防止することができ、これにより、平坦化膜材料として利用するに適している。また、ポジティブトーンパターニングで上記ビアホール180を形成することができるので、ネガチブトンパターニングに比べて露光面積が少ないため、工程時間と不良率を減少させることができる長所もある。
【0061】
これに加えて、上記実施例2から分かるように、上記ポリシルセスキオキサン共重合体を利用した薄膜は、1ナノメートル以下の粗さ値を示し、95%以上の平坦度を確保することができ、1GPa以上の優秀な硬度を示すので、上記ポリシルセスキオキサン共重合体を利用した薄膜で上記平坦化膜170を形成する場合、下部の上記ソース/ドレーン電極161、162を効率的に保護することができ、平坦化特性をも満足させることができる。
【0062】
次に、上記平坦化膜170上に上記ソース/ドレーン電極161、162のうちいずれか1つに連結される第1電極190を形成する。上記第1電極190は、上記ビアホール180内に位置し、上記ビアホール180によって露出された上記ソース/ドレーン電極161、162のうちいずれか1つに当接し、上記平坦化膜170上に延長形成される。上記第1電極190は、アノードで形成することができ、ITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)またはIZO(Indium Zinc Oxide:インジウム亜鉛酸化物)を使用することができる。
【0063】
次に、上記第1電極190上に上記第1電極190の一定領域を露出させる開口部が形成された画素定義膜200を形成する。上記画素定義膜200は、有機膜または無機膜で形成することができる。
【0064】
次に、上記開口部を介して露出された上記第1電極190上に有機膜層210を形成する。上記有機膜層210は、発光層を含み、正孔注入層、正孔輸送層、正孔抑制層、電子輸送層、電子注入層、及び電子抑制層よりなる群から選択された1つ以上の層をさらに含むことができる。
【0065】
次に、上記基板100の全面に第2電極220を形成する。上記第2電極220は、カソードで形成することができ、仕事関数の低いMg、Ag、Al、Ca及びこれらの合金で形成することができる。
【0066】
本実施例では、本発明のポリシルセスキオキサン共重合体を利用した薄膜を利用して有機電界発光表示装置の平坦化膜を形成することについて説明したが、これに限定されず、上記薄膜を利用して有機電界発光表示装置に含まれる他の膜を形成することも可能である。
【実施例】
【0067】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実験例を提示する。但し、下記の実験例は、本発明の理解を助けるためのものに過ぎず、本発明が下記の実験例に限定されるものではない。
【0068】
<実験例1>
還流器が設置されている反応容器に窒素ガスを連結し、1気圧の圧力雰囲気を形成した。上記化学式1においてRがメチル基であり、R1がtert−ブチル基であるtert−ブトキシフェニルトリメトキシシラン(tert−butoxyphenyltrimethoxysilane:tBPTMS)単量体と、上記化学式5においてZ1乃至Z6がエトキシ基であり、A1がエチレン基であるビス(トリエトキシシリル)エタン(bis(triethoxysilyl)ethane:BTESE)単量体をそれぞれモル比率100%:0%、95%:5%、及び90%:10%になるように上記反応容器に添加した。次に、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を上記2つの単量体の濃度が30wt%になるように添加した。次に、酸触媒として塩酸溶液を上記2つの単量体と上記塩酸溶液のうち塩酸のモル比が1:0.03になるように添加し、水を上記2つの単量体と上記水及び上記塩酸溶液中の水のモル比が1:5になるように添加した。また、60℃の温度で6時間及び15時間反応させた。上記反応後にすべての溶媒を除去し、固体状態のポリシルセスキオキサン二元共重合体を得た。上記それぞれの二元共重合体の重量平均分子量(Mw)を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0069】
【表1】
【0070】
上記表1を参照すれば、化学式1の単量体であるtBPTMSと化学式5の単量体であるBTESEを共重合する場合、化学式1の単量体であるtBPTMSを単一重合する合成例1の場合より重量平均分子量が増加したことが分かり、BTESEのモル比率が増加するにつれて重量平均分子量も小幅で増加する傾向を示すことが分かる。但し、酸触媒下では、反応時間による重量平均分子量の変化が大きくないことが分かる。
【0071】
<実験例2>
還流器が設置されている反応容器に窒素ガスを連結し、1気圧の圧力雰囲気を形成した。上記化学式1においてRがメチル基であり、R1がtert−ブチル基であるtert−トキシフェニルトリメトキシシラン(tert−butoxyphenyltrimethoxysilane:tBPTMS)単量体と、上記化学式5においてZ1乃至Z6がエトキシ基であり、A1がエチレン基であるビス(トリエトキシシリル)エタン(bis(triethoxysilyl)ethane:BTESE)単量体をそれぞれモル比率100%:0%、95%:5%、及び90%:10%になるように上記反応容器に添加した。次に、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を上記2つの単量体の濃度が30wt%になるように添加した。次に、塩基触媒として水酸化カリウム溶液を上記2つの単量体と上記水酸化カリウム溶液のうち水酸化カリウムのモル比が1:0.03になるように添加し、水を上記2つの単量体と上記水及び上記水酸化カリウム溶液中の水のモル比が1:5になるように添加した。また、60℃の温度で4時間、6時間、10時間及び24時間反応させた。上記反応後にすべての溶媒を除去し、固体状態のポリシルセスキオキサン二元共重合体を得た。上記それぞれの二元共重合体の重量平均分子量(Mw)を測定し、その結果を下記表2に示した。
【0072】
【表2】
【0073】
上記表2を参照すれば、化学式1の単量体であるtBPTMSと化学式5の単量体であるBTESEを共重合する場合、化学式1の単量体であるtBPTMSを単一重合する合成例6の場合より重量平均分子量が増加したことが分かる。塩基触媒下では、BTESEのモル比率が増加することによる重量平均分子量の増加幅が酸触媒の場合よりさらに大いことが分かり、反応時間の増加による重量平均分子量の増加幅も酸触媒の場合よりさらに大きいことが分かる。また、塩基触媒下でtBPTMSとBTESEを共重合する場合には、10時間の反応時間内にtBPTMSを単一重合する場合より5乃至10倍程度の重量平均分子量を増加させることができ、反応時間を顕著に減少させることができることを確認することができる。
【0074】
上記表1及び表2の結果を参照すれば、本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体の製造時に、酸触媒よりは塩基触媒を使用することがさらに好ましいことを確認することができる。
【0075】
<実験例3>
上記実験例2において合成例8及び合成例11によって製造された二元共重合体それぞれに光酸発生剤としてスイスCiba社のCiba IRGACURE 1XX seriesを上記共重合体及び上記光酸発生剤の全体重量の6wt%になるように添加し、有機溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶媒を上記共重合体及び上記光酸発生剤の全体重量の20wt%になるように反応容器に注入して反応させた。反応後に上記溶液を基板上にスピンコーティングして750nmの厚さで形成し、120℃で2分間ベーキングした。AFMを利用してそれぞれの薄膜の粗さを測定した。
【0076】
図2A及び図2Bは、それぞれの薄膜に対するAFMイメージである。図2Aは、上記実験例2の合成例8による薄膜であるが、粗さは、0.875nmとして測定され、図2Bは、上記実験例2の合成例11による薄膜であるが、粗さは、0.489nmとして測定された。上記2つの薄膜が共に1nm以下の粗さ値を示し、表面特性に優れており、95%以上の平坦化度を確保する可能性があることを確認することができる。これは、アクリル樹脂などの平坦化度と類似な水準である。また、上記結果によれば、重量平均分子量の増加するほど粗さ値が減少することを確認することができる。
【0077】
<実験例4>
還流器が設置されている反応容器に窒素ガスを連結し、1気圧の圧力雰囲気を形成した。上記化学式2においてRがエチル基、R2がエチレン基、R3がtert−ブチル基であるtert−ブトキシフェニルメティルトリエトキシシラン(tert−butoxyphenylethyltriethoxysilane:tBPMTES)単量体:上記化学式5においてZ1乃至Z6がエトキシ基であり、A1がエチレン基であるビス(トリエトキシシリル)エタン(bis(triethoxysilyl)ethane:BTESE)単量体:接着特性を改善させるために一般式1(R1O)3−Si−C6H4−(CR2)n−OHにおいてR1がエチル基であり、nが0であるトリエトキシシリルフェノール(triethoxysilylphenol)単量体をそれぞれモル比率50%:25%:25%、60%:20%:20%、65%:25%:10%、及び40%:30%:30%になるように上記反応容器に添加した。次に、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を上記3つの単量体の濃度が25wt%になるように添加した。次に、塩基触媒として水酸化テトラブチルアムウムを上記3つの単量体と上記水酸化テトラブチルアンモニウムのモル比が1:0.1になるように添加し、水を上記3つの単量体と上記水のモル比が1:4になるように添加した。また、60℃の温度で10時間反応させた。上記反応後にすべての溶媒を除去し、固体状態のポリシルセスキオキサン三元共重合体を得た。上記それぞれの三元共重合体の水平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定し、その結果を下記表3に示した。
【0078】
【表3】
【0079】
次に、上記それぞれの固体状態の三元共重合体に光酸発生剤としてスイスCiba社のCiba IRGACURE 1XX seriesを上記三元共重合体及び上記光酸発生剤の全体重量の6wt%になるように添加し、有機溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶媒を上記三元共重合体及び上記光酸発生剤の全体重量の25wt%になるように反応容器に注入して反応させた。反応後に上記溶液を基板上に3000rpmで30秒間スピンコーティングして750nm厚さで形成し、100℃で1分間ベーキングした。AFMを利用して上記合成例15による薄膜の粗さを測定した。
【0080】
図3は、合成例15による薄膜のAFMイメージである。図3を参照すれば、上記合成例15による薄膜の粗さ値は、0.06651nmとして測定され、表面特性が非常に優れていることを確認することができる。また、上記実験例2と比較すれば、一般式1の単量体の添加によって薄膜の粗さ値が顕著に改善したことを確認することができる。
【0081】
次に、それぞれの薄膜に1辺の大きさがそれぞれ5μm、10μm、20μm、及び50μmである正方形形状を有し、中心波長が365nmであるUVを照射して上記薄膜を露光し、110℃で2分間ベーキングした。続いて、上記薄膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)2.38wt%水溶液に20秒間浸漬して現像し、上記薄膜をDI waterで20秒間リンスし、230℃で60分間熱処理した。
【0082】
図4A乃至図4Cは、上記薄膜がポジティブトーンパターニングされた結果を示す写真である。図4A乃至図4Cを参照すれば、図4Aは、上記薄膜でレーザーの照射を受けた領域が除去され、1辺の大きさが5μmである正方形、図4Bは、1辺の大きさが10μmである正方形、図4Cは、1辺の大きさがそれぞれ20μm及び50μmである正方形形状で上記薄膜がポジティブトーンパターニングされたことを確認することができる。
【0083】
上記実験例4において、tBPMTES:BTESE:トリエトキシシリルフェノール単量体のモル比率が40%:30%:30%の場合、ナノインデンターを利用して薄膜の硬度を測定した結果、2.396GPaであり、弾性係数を測定した結果、58.239Gpaであった。CMP(chemical mechanical polishing)工程に耐えるために通常要求される硬度が1GPa程度であるが、上記薄膜の場合、従来と比較して硬度が約2.4倍と顕著に上昇したことを確認することができる。
【0084】
<実験例5>
還流器が設置されている反応容器に窒素ガスを連結し、1気圧の圧力雰囲気を形成した。上記化学式2においてRがエチル基であり、R2がメチレン基、R3がtert−ブトキシカルボニル(tert−butoxycarbonyl)基である単量体:上記化学式5においてZ1乃至Z6がエトキシ基であり、A1がエチレン基であるビス(トリエトキシシリル)エタン(bis(triethoxysilyl)ethane:BTESE)単量体:接着特性を改善させるために一般式1(R1O)3−Si−C6H4−(CR2)n−OHにおいてR1がエチル基であり、nが0であるトリエトキシシリルフェノール(triethoxysilylphenol)単量体をモル比率40%:30%:30%になるように上記反応容器に添加した。次に、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を上記3つの単量体の濃度が25wt%になるように添加した。次に、塩基触媒として水酸化テトラブチルアンモニウムを上記3つの単量体と上記水酸化テトラブチルアンモニウムのモル比が1:0.1になるように添加し、水を上記3つの単量体と上記水のモル比が1:4になるように添加した。また、60℃の温度で10時間反応させた。上記反応後にすべての溶媒を除去し、固体状態のポリシルセスキオキサン三元共重合体を得た。上記三元共重合体の数平均分子量及び重量平均分子量を測定した結果、数平均分子量は、8400であり、重量平均分子量は、12000であった。次に、上記それぞれの固体状態の三元共重合体に光酸発生剤としてスイスCiba社のCiba IRGACURE 1XX seriesを上記三元共重合体及び上記光酸発生剤の全体重量の6wt%になるように添加し、有機溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶媒を上記三元共重合体及び上記光酸発生剤の全体重量の25wt%になるように反応容器に注入して反応させた。反応後に上記溶液を基板上に3000rpmで30秒間スピンコーティングして750nm厚さで形成し、100℃で1分間ベーキングした。
【0085】
図5は、実験例5による薄膜のAFMイメージである。図5を参照すれば、上記実験例5による薄膜の粗さ値は、0.2nmとして測定され、表面特性に優れていることを確認することができる。また、ナノインデンターを利用して上記実験例5による薄膜の硬度を測定した結果、1.335GPaであり、弾性係数を測定した結果、53.963Gpaであった。CMP(chemical mechanical polishing)工程に耐えるために通常要求される硬度が1GPa程度であるが、上記実験例5による薄膜の場合、従来と比較して硬度が上昇したことを確認することができる。
【0086】
次に、上記薄膜にそれぞれ正方形形状または直線形状を有し、中心波長が365nmの波長を有するUVを照射して上記薄膜を露光し、110℃で2分間ベーキングした。続いて、上記薄膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)2.38wt%水溶液に20秒間浸漬して現像し、上記薄膜をDI waterで20秒間リンスし、230℃で60分間熱処理した。
【0087】
図6A乃至図6Bは、上記薄膜がポジティブトーンパターニングされた結果を示す写真である。図6Aを参照すれば、正方形形状でポジティブトーンパターニングが施されたことを確認することができる。また、図6Bを参照すれば、直線形状のレーザーが照射された部分は除去され、レーザーが照射されていない薄い実線部分は残され、ポジティブトーンパターニングが施されたことを確認することができる。
【0088】
したがって、本発明によるポリシルセスキオキサン共重合体を利用して形成された薄膜は、機械的強度及び平坦化性に優れており、フォトレジストを使用せずに直接光を照射することによって、ポジティブトーンパターニングが可能である。また、上記薄膜を利用して有機電界発光表示装置の平坦化膜を形成すれば、下部のソース/ドレーン電極(161、162)を効率的に保護することができ、上記平坦化膜内にビアホールを形成するときに工程を単純化させることもできる。
【符号の説明】
【0089】
100 基板
110 バッファー層
120 半導体層
130 ゲート絶縁膜
140 ゲート電極
150 層間絶縁膜
161、162 ソース/ドレーン電極
170 平坦化膜
175 マスク
180 ビアホール
190 第1電極
200 画素定義膜
210 有機膜層
220 第2電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表示されるアルコキシフェニルトリアルコキシシラン、下記化学式2で表示されるアルコキシフェニルアルキルトリアルコキシシラン、下記化学式3で表示されるアルコキシカルボニルフェニルトリアルコキシシラン及び下記化学式4で表示されるアルコキシカルボニルフェニルアルキルトリアルコキシシランよりなる群から選択されたいずれか1つの単量体と、
下記化学式5で表示される両端に反応サイトを有するα、ω−ビストリアルコキシシリル化合物単量体とを共重合して製造された、ポリシルセスキオキサン共重合体。
【化1】
(式中、R及びR1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【化2】
(式中、R、R2及びR3は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【化3】
(式中、R及びR4は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【化4】
(式中、R、R5及びR6は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【化5】
(式中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、ヒドロキシ基、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基及び置換または非置換されたC1〜C30アルコキシ基よりなる群から選択されたいずれか1つであり、A1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキレン基である。)
【請求項2】
一般式1(R1O)3−Si−C6H4−(CR2)n−OHまたは一般式2(R1O)3−Si−C6H4−(CR2)n−COOH(前記R1及びR2は、水素またはアルキル基であり、nは、0乃至10である)で表示される単量体をさらに含んで共重合して製造された、請求項1に記載のポリシルセスキオキサン共重合体。
【請求項3】
前記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び前記化学式5の単量体は、50以上乃至100%未満:0超過乃至50%未満のモル比率で含まれた、請求項1または2に記載のポリシルセスキオキサン共重合体。
【請求項4】
前記一般式1または一般式2の単量体は、前記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び前記化学式5の単量体を含む全体単量体に対して0超過乃至50wt%の重量比を有するように含まれた、請求項2または3に記載のポリシルセスキオキサン共重合体。
【請求項5】
前記ポリシルセスキオキサン共重合体は、900乃至30000の重量平均分子量を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体。
【請求項6】
下記化学式1で表示されるアルコキシフェニルトリアルコキシシラン、下記化学式2で表示されるアルコキシフェニルアルキルトリアルコキシシラン、下記化学式3で表示されるアルコキシカルボニルフェニルトリアルコキシシラン及び下記化学式4で表示されるアルコキシカルボニルフェニルアルキルトリアルコキシシランよりなる群から選択されたいずれか1つの単量体と、
下記化学式5で表示される両端に反応サイトを有するα、ω−ビストリアルコキシシリル化合物単量体とを有機溶媒/水の混合溶媒の中で酸または塩基触媒を使用して共重合する、ポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【化6】
(式中、R及びR1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【化7】
(式中、R、R2及びR3は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【化8】
(式中、R及びR4は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【化9】
(式中、R、R5及びR6は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【化10】
(式中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、ヒドロキシ基、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基及び置換または非置換されたC1〜C30アルコキシ基よりなる群から選択されたいずれか1つであり、A1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキレン基である。)
【請求項7】
前記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び前記化学式5の単量体に、一般式1(R1O)3−Si−C6H4−(CR2)n−OHまたは一般式2(R1O)3−Si−C6H4−(CR2)n−COOH(前記R1及びR2は、水素またはアルキル基であり、nは、0乃至10である)で表示される単量体をさらに含んで共重合する、請求項6に記載のポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【請求項8】
前記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び前記化学式5の単量体は、50以上乃至100%未満:0超過乃至50%未満のモル比率で含む、請求項6または7に記載のポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【請求項9】
前記一般式1または一般式2の単量体は、前記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び前記化学式5の単量体を含む全体単量体に対して0超過乃至50wt%の重量比を有するように含む、請求項7または8に記載のポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【請求項10】
前記有機溶媒は、全体単量体の濃度が25乃至35wt%になるように含む、請求項6から9のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【請求項11】
前記有機溶媒は、メチルイソブチルケトン、アセトン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、トルエン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及びアルコールよりなる群から選択される、請求項6から10のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【請求項12】
前記水は、全体単量体1モル当たり1乃至10モルの比率で含む、請求項6から11のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【請求項13】
前記触媒は、全体単量体1モル当たり0.01乃至0.1モルの比率で含む、請求項6から12のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【請求項14】
前記触媒は、塩基触媒であり、水酸化カリウム(KOH)または水酸化テトラブチルアンモニウム([CH3(CH2)3]4NOH)である、請求項6から13のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【請求項15】
請求項1から5のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体に光酸発生剤を含んで製造された、ポリシルセスキオキサン共重合体薄膜。
【請求項16】
前記光酸発生剤は、アリルビストリクロロメチルトリアジン及びn−ペルフルオロブテインスルホニルナフタレンイミドよりなる群から選択される、請求項15に記載のポリシルセスキオキサン共重合体薄膜。
【請求項17】
前記光酸発生剤は、前記ポリシルセスキオキサン共重合体及び前記光酸発生剤の全体重量の1乃至30wt%になるように含まれた、請求項15または16に記載のポリシルセスキオキサン共重合体薄膜。
【請求項18】
前記ポリシルセスキオキサン共重合体薄膜は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの現像液に対してポジティブトーンパターニングが可能である、請求項15から17のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体薄膜。
【請求項19】
基板と、
前記基板上に位置し、半導体層、ゲート電極、ゲート絶縁膜、及びソース/ドレーン電極を含む薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタ上に位置し、請求項15から18のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を含む平坦化膜と、
前記平坦化膜上に位置し、前記ソースまたはドレーン電極に電気的に連結される第1電極、発光層を有する有機膜層、及び第2電極を含む有機電界発光素子と、を含む、有機電界発光表示装置。
【請求項1】
下記化学式1で表示されるアルコキシフェニルトリアルコキシシラン、下記化学式2で表示されるアルコキシフェニルアルキルトリアルコキシシラン、下記化学式3で表示されるアルコキシカルボニルフェニルトリアルコキシシラン及び下記化学式4で表示されるアルコキシカルボニルフェニルアルキルトリアルコキシシランよりなる群から選択されたいずれか1つの単量体と、
下記化学式5で表示される両端に反応サイトを有するα、ω−ビストリアルコキシシリル化合物単量体とを共重合して製造された、ポリシルセスキオキサン共重合体。
【化1】
(式中、R及びR1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【化2】
(式中、R、R2及びR3は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【化3】
(式中、R及びR4は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【化4】
(式中、R、R5及びR6は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【化5】
(式中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、ヒドロキシ基、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基及び置換または非置換されたC1〜C30アルコキシ基よりなる群から選択されたいずれか1つであり、A1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキレン基である。)
【請求項2】
一般式1(R1O)3−Si−C6H4−(CR2)n−OHまたは一般式2(R1O)3−Si−C6H4−(CR2)n−COOH(前記R1及びR2は、水素またはアルキル基であり、nは、0乃至10である)で表示される単量体をさらに含んで共重合して製造された、請求項1に記載のポリシルセスキオキサン共重合体。
【請求項3】
前記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び前記化学式5の単量体は、50以上乃至100%未満:0超過乃至50%未満のモル比率で含まれた、請求項1または2に記載のポリシルセスキオキサン共重合体。
【請求項4】
前記一般式1または一般式2の単量体は、前記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び前記化学式5の単量体を含む全体単量体に対して0超過乃至50wt%の重量比を有するように含まれた、請求項2または3に記載のポリシルセスキオキサン共重合体。
【請求項5】
前記ポリシルセスキオキサン共重合体は、900乃至30000の重量平均分子量を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体。
【請求項6】
下記化学式1で表示されるアルコキシフェニルトリアルコキシシラン、下記化学式2で表示されるアルコキシフェニルアルキルトリアルコキシシラン、下記化学式3で表示されるアルコキシカルボニルフェニルトリアルコキシシラン及び下記化学式4で表示されるアルコキシカルボニルフェニルアルキルトリアルコキシシランよりなる群から選択されたいずれか1つの単量体と、
下記化学式5で表示される両端に反応サイトを有するα、ω−ビストリアルコキシシリル化合物単量体とを有機溶媒/水の混合溶媒の中で酸または塩基触媒を使用して共重合する、ポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【化6】
(式中、R及びR1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【化7】
(式中、R、R2及びR3は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【化8】
(式中、R及びR4は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【化9】
(式中、R、R5及びR6は、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基である。)
【化10】
(式中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、ヒドロキシ基、置換または非置換されたC1〜C30アルキル基及び置換または非置換されたC1〜C30アルコキシ基よりなる群から選択されたいずれか1つであり、A1は、置換または非置換されたC1〜C30アルキレン基である。)
【請求項7】
前記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び前記化学式5の単量体に、一般式1(R1O)3−Si−C6H4−(CR2)n−OHまたは一般式2(R1O)3−Si−C6H4−(CR2)n−COOH(前記R1及びR2は、水素またはアルキル基であり、nは、0乃至10である)で表示される単量体をさらに含んで共重合する、請求項6に記載のポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【請求項8】
前記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び前記化学式5の単量体は、50以上乃至100%未満:0超過乃至50%未満のモル比率で含む、請求項6または7に記載のポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【請求項9】
前記一般式1または一般式2の単量体は、前記化学式1乃至4のうちいずれか1つの単量体及び前記化学式5の単量体を含む全体単量体に対して0超過乃至50wt%の重量比を有するように含む、請求項7または8に記載のポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【請求項10】
前記有機溶媒は、全体単量体の濃度が25乃至35wt%になるように含む、請求項6から9のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【請求項11】
前記有機溶媒は、メチルイソブチルケトン、アセトン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、トルエン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及びアルコールよりなる群から選択される、請求項6から10のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【請求項12】
前記水は、全体単量体1モル当たり1乃至10モルの比率で含む、請求項6から11のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【請求項13】
前記触媒は、全体単量体1モル当たり0.01乃至0.1モルの比率で含む、請求項6から12のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【請求項14】
前記触媒は、塩基触媒であり、水酸化カリウム(KOH)または水酸化テトラブチルアンモニウム([CH3(CH2)3]4NOH)である、請求項6から13のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【請求項15】
請求項1から5のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体に光酸発生剤を含んで製造された、ポリシルセスキオキサン共重合体薄膜。
【請求項16】
前記光酸発生剤は、アリルビストリクロロメチルトリアジン及びn−ペルフルオロブテインスルホニルナフタレンイミドよりなる群から選択される、請求項15に記載のポリシルセスキオキサン共重合体薄膜。
【請求項17】
前記光酸発生剤は、前記ポリシルセスキオキサン共重合体及び前記光酸発生剤の全体重量の1乃至30wt%になるように含まれた、請求項15または16に記載のポリシルセスキオキサン共重合体薄膜。
【請求項18】
前記ポリシルセスキオキサン共重合体薄膜は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの現像液に対してポジティブトーンパターニングが可能である、請求項15から17のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体薄膜。
【請求項19】
基板と、
前記基板上に位置し、半導体層、ゲート電極、ゲート絶縁膜、及びソース/ドレーン電極を含む薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタ上に位置し、請求項15から18のいずれか1項に記載のポリシルセスキオキサン共重合体薄膜を含む平坦化膜と、
前記平坦化膜上に位置し、前記ソースまたはドレーン電極に電気的に連結される第1電極、発光層を有する有機膜層、及び第2電極を含む有機電界発光素子と、を含む、有機電界発光表示装置。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【公開番号】特開2010−18776(P2010−18776A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51097(P2009−51097)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】
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