説明

ポリ(アリーレンエーテル)ポリマー及びこれを含む組成物

【課題】被覆剤及び接着剤として特に有用な、高ガラス転移温度及び低吸湿性の架橋性ポリマーを提供すること。
【解決手段】本発明のポリマーは、下記構造式のポリマー繰り返し単位を含むポリ(アリーレンエーテル)ポリマーである。
−(O−Ar1−O−Ar2−O−)m−(−O−Ar3−O−Ar4−O)n
(式中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4は同一又は異なるアリール基、mは0〜1、nは1−mであり、アリール基のうち少なくとも一つに、非芳香族であって、かつ200℃未満の硬化温度で、硬化中に揮発性物質を生成せずかつ硬化後に官能基を生じることなく架橋するようにされた少なくとも一つの不飽和基がグラフトされている)
硬化した膜は、Tgが160〜180℃、周波数に依存しない誘電率が2.7未満、最大吸湿量が0.17wt%未満であり、従ってこのポリマーは中間層誘電体やダイアタッチ接着剤において殊の外有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリ(アリーレンエーテル)ポリマーに関するものであり、特に、ポリ(アリーレンエーテル)ポリマーの主鎖にオレフィン性官能基をグラフトして、被覆剤及び接着剤として特に有用な、高ガラス転移温度及び低吸湿性の架橋性ポリマーを提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子工業においては非常に微細な寸法の集積回路製造で使用する低誘電性材料が求められている。しかし、最終的に使用する際のみならず、集積回路の完成品に至るまでのさらなる加工中においても、幅広い環境条件で、材料の適合性及び寸法安定性が要求され、これが重要な問題となっている。問題は、高分子量の熱硬化系を作る点にあった。この問題を解決することは非常に困難で、求められる反応(すなわち硬化)温度が450℃より低く、より好ましくは200℃より低い、高Tgポリマーでは特に難しい。
【0003】
従って、電子製造工業においては、シリカベースの中間層誘電体材料をより誘電率値の低い材料に置き換える必要がある。シリカ及びその変性種は、約3.0から5.0、通常4.0から4.5の誘電率値を有する。シリカに代わって中間層誘電体材料として用いられるポリマー材料には、誘電率値が1.9から3.5のものがあるが、その値はポリマー材料の構造に大きく依存している。中間層誘電体材料としてのシリカをうまく置換するためには、ポリマー材料の特性が、電子製造工業における集積回路またはマイクロチップの製造に関わる厳しい要件を満たす必要がある。架橋が、電子材料ポリマーの要件に対処するための一つの方法と考えられている。
【0004】
過去の試みにおいて、ポリマーを架橋させるための様々な取り組みがなされてきた。これらの試みについての細かい要約は、Air Products & Chemicals, Inc.に譲渡された本発明者の米国特許第6060170号明細書に記載してある。この文書自体は、ポリ(アリーレンエーテル)主鎖に芳香族基をグラフトしたポリ(アリーレンエーテル)ポリマー組成物であって、その側鎖(グラフト基)により200から400℃の温度範囲でポリマーの架橋が可能な組成物の使用を記載している。しかしながら、さらに架橋温度を低下させることが望ましい。
【0005】
Mercerらによる米国特許第5179188号及び第5114780号明細書も、ポリ(アリーレンエーテル)ベースのポリマーを記載している。これらの特許明細書は、このようなポリマーの主鎖をフッ素処理することにより、優れた特性を有する誘電体材料が得られることを開示している。しかし、ポリマー主鎖中にフッ素化アリーレン基を用いると、機能的な反応基が入ることによって、結果的に絶縁特性及び水分吸収特性が損なわれる。
【0006】
ここで引用された全ての文献は、それら全体がここに参考文献として組み込まれる。
【0007】
【特許文献1】米国特許第6060170号明細書
【特許文献2】米国特許第5179188号明細書
【特許文献3】米国特許第5114780号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
集積回路及びチップの製造においては、適切な被覆剤及び接着剤、特にダイアタッチ接着剤が必要である。これらの接着剤は低い誘電率を有することが要求される。加えて、これらのダイアタッチ接着剤は、25℃においては無限の保存安定性、40℃においては非冷蔵輸送車による輸送に十分な保存安定性を有し、また、170から190℃の硬化温度で1から2時間以内で硬化することが求められる。硬化後は、Tgが160から180℃であり、周波数に依存せず誘電率が2.7より低く、最大吸湿量が0.17wt%未満であることが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、本発明は下記の構造式を有するポリマー繰り返し単位を含むポリ(アリーレンエーテル)ポリマーを提供するものである。
−(O−Ar1−O−Ar2−O−)m−(−O−Ar3−O−Ar4−O)n
この式中のAr1、Ar2、Ar3、及びAr4は同一又は異なるアリール基、mは0から1まで、nは1−mであり、前記アリール基のうち少なくとも一つには、非芳香族であって、かつ200℃未満の硬化温度で、硬化中に揮発性物質を生成せずかつ硬化後に官能基を生じることなく架橋するようにされた少なくとも一つの不飽和基がグラフトされている。
【0010】
また、前記ポリマーを含み、そして任意に、官能基を持たず又は組成物の機械的又は電気的特性に干渉しない希釈剤を含む組成物も提供される。
【0011】
さらにまた、160から180℃のTg、周波数に依存せず2.7未満の誘電率、及び0.17wt%未満の最大吸湿量を有する膜を基材に成膜する方法であって、本発明のポリマーを基材に適用し、200℃未満の硬化温度までポリマーを加熱することを含む方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
先行技術における前述の欠点を、200℃未満の硬化温度で架橋することができる不飽和基(すなわちグラフト基(G))をポリ(アリーレンエーテル)ポリマーにグラフトすることにより克服した。従って、本発明は特定のポリ(アリーレンエーテル)ポリマー、これを含む組成物、それらを接着剤、シーラント、誘電体、パッシベーション層、被覆剤として使用すること、又は写真描画(photo−imaging)用途において使用すること、それらを含むマイクロ電子デバイス、ポリマーの架橋方法、及びこれらのポリ(アリーレンエーテル)ポリマーを含み、任意に反応性希釈剤を一緒に含む接着剤に関連する。硬化は、紫外線照射によりポリマーの硬化を開始する加熱によってなされる。
【0013】
本発明のポリマーは下記の構造式で表されるポリマー繰り返し単位を含む。
−(O−Ar1−O−Ar2−O−)m−(−O−Ar3−O−Ar4−O)n
この式中、Ar1、Ar2、Ar3、及びAr4は同一又は異なるアリール基、mは0から1、nは1−mであり、前記アリール基のうち少なくとも一つに、少なくとも一つの非芳香族不飽和基(G)であって、200℃より低い硬化温度において、硬化中に揮発性物質を生成せずかつ硬化後に官能基を生じずに架橋するようにされた不飽和基がグラフトされている。一部の態様においては、下記の構造式で示されるとおり、ポリマー繰り返し単位の各アリール基に2個の不飽和基Gがグラフトされている。
【0014】
【化1】

【0015】
上式中、G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7及びG8は同一または異なる不飽和基である。
【0016】
本発明のポリマーは、必ずしもこれらのポリマー繰り返し単位(すなわちG含有ポリマー繰り返し単位)のみからなるわけではない。ポリマーがG含有ポリマー繰り返し単位のみからなる態様に加えて、本発明はG含有ポリマー繰り返し単位に加えて他のポリマー繰り返し単位、例えば不飽和グラフト基を持たないポリ(アリーレンエーテル)ポリマー繰り返し単位(すなわちG非含有のポリマー繰り返し単位)を含むポリマーも包含する。本発明のポリマーを形成するために異なるポリマー繰り返し単位を組み合わせる順序には特に制限はない。従って、本発明のポリマーは、例えば、異なるポリマー繰り返し単位のランダム、交互、又はブロックコポリマーであってよい。
【0017】
ポリマー繰り返し単位当たりの不飽和基Gの平均数は、好ましくは0.01から8.0、より好ましくは0.1から4.0、さらに好ましくは0.25から1までである。この平均値は、ポリマー当たりの不飽和基Gの総数をポリマー当たりのポリマー繰り返し単位の総数で割って計算する。
【0018】
好ましくは不飽和基Gは、アルキレン基、アルキルジエン基、α−ヒドロキシアルキレン基、及びα−ヒドロキシアルキルジエン基よりなる群から独立に選択されるオレフィン基である。一部の態様においては、不飽和基Gはイソプレン単位に由来する。最も好ましくは、不飽和基Gは、
【0019】
【化2】

【0020】
からなる群から独立に選択される。
【0021】
好ましくはアリール基Ar1、Ar2、Ar3及びAr4は、
【0022】
【化3】

【0023】
からなる群から独立に選択される。
【0024】
より好ましくは、アリール基Ar1、Ar2、Ar3及びAr4のうち少なくとも一つは(さらに好ましくはAr1及びAr3はそれぞれ独立に)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−フルオレン、2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン、又は2,2−ジフェニルプロパンである。
【0025】
他に好ましいアリール基は
【0026】
【化4】

【0027】
である。
【0028】
不飽和基がグラフトされたアリール基の好ましい例としては、
【0029】
【化5】

【0030】
及び、対応する非グラフト化ポリマー繰り返し単位が挙げられる。
【0031】
好ましい本発明のポリマー繰り返し単位には、
【0032】
【化6】

【化7】

【0033】
が含まれる。
【0034】
本発明は、硬化(架橋)状態及び未硬化状態の前記ポリマーを含む。本発明のポリマーは少なくとも約90℃、好ましくは100℃から200℃未満、より好ましくは170℃から190℃に加熱することにより熱硬化することができる。任意に、架橋は、鉱酸、有機酸、フリーラジカル開始剤、アゾ開始剤及びこれらの混合物からなる群より選択される触媒の存在下で誘起される。ヒドロキシル側基を有する不飽和基Gの場合(例えばシトラール付加物の場合)には、典型的に(a)脱水による環化、又は(b)エーテル結合の形成によって架橋がおこる。
【0035】
【化8】

【0036】
ヒドロキシル側基を含まない不飽和基Gの場合には、架橋は、典型的には芳香環のアルキル化、
【0037】
【化9】

【0038】
又は、オレフィン結合によって起こる。
【0039】
【化10】

【0040】
本発明は、少なくとも一つの本発明のポリマーを含む組成物(硬化又は未硬化の)も包含する。これらの組成物は、ポリマーそのものと同様に、接着剤、シーラント、誘電体、パッシベーション層、コーティング剤として、又は写真描画用途において有用である。少なくとも一つのポリマーに加えて、組成物はさらに付加的成分を含んでもよく、付加的成分としては希釈剤、反応性溶剤、可塑剤、又は無機充填材が含まれるが、付加的成分はこれらに限定されない。
【0041】
好ましい希釈剤は架橋にともなって組成物に取り込まれるが、官能基を持たず、又は組成物の機械的又は電気的特性に干渉しない。従って、好ましい希釈剤を使用することでペーストとして適用できる接着剤とすることができ、かつ接着剤系全体のコストを減らすことができる。適切な希釈剤の非限定的な例として以下のものが含まれる。
【0042】
【化11】

【0043】
本発明のポリマーは、本発明者による先行の米国特許第6060170号明細書に記載されたポリ(アリーレンエーテル)のグラフト化方法を変更して、ポリ(アリーレンエーテル)主鎖に、上記米国特許明細書に記載された特定の芳香族基の代わりに非芳香族不飽和基Gをグラフトさせることにより得ることができる。例えば、本発明のポリマーは、アリールエーテルを直接リチオ化(好ましくはtert−ブチルリチウムにより)した後、求電子物質を添加することを含む方法により製造される。一般には反応の最後に酸を添加して、残留リチウム塩を中和する。グラフト化工程は、好ましくは、テトラヒドロフラン、グリム、エチルエーテル、ブチルエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、ジ(エチレングリコール)ジエチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される溶媒中で行われる。
【0044】
得られたポリマーは、上述のように硬化させた場合、160から180℃のTg、周波数に依存せずに2.7未満の誘電率、及び0.17wt%未満の最大吸湿量といった望ましい特性を有する。結果的に、本発明のポリマー及びポリマー含有組成物は、ダイアタッチ接着剤としての用途に特に適している。従って本発明は、さらにこのような接着剤及びこれを基材に適用する方法を含む。
【0045】
加えて本発明は、上記のポリマー又はポリマー含有組成物を含むマイクロ電子デバイスに関する。好ましくは、このマイクロ電子デバイスは、ダイアタッチ接着剤、誘電体、又はパッシベーション層として、硬化した形の前記ポリマーを含有する。
【実施例】
【0046】
本発明を以下の例を参照してより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではないことを理解すべきである。
【0047】
(例1)
この例では、ポリ(アリーレンエーテル)、PAE−1Aの製造を説明する。
114.14g(0.5000mol)の4,4’−イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノールA)、250gの混合キシレン、及び500gのベンゾフェノンの混合物を、Dean−Starkトラップ、冷却器、窒素入口、機械式攪拌機、及び温度計を取り付けた2000mlの三つ口丸底フラスコに入れた。混合物を窒素雰囲気下に攪拌しながら60℃に加熱した。均一になった後に、50.00wt%の水酸化ナトリウム水溶液80.000g(1.0000mol水酸化ナトリウム)を10分かけてゆっくりと加えた。反応混合物を約140℃に加熱して水との共沸混合物を集めた。4時間後完全に脱水されたら、反応混合物の温度を200℃に上げ混合キシレンを蒸留により除いた。反応混合物を80℃に冷却して、156.01g(0.5000mol)の4,4’−ジブロモビフェニルを添加した。次いで反応混合物を200℃に加熱した。10ml部の塩化銅(I)/キノリン溶液(0.10gの塩化銅(I)(1.00mmol)を含有)を添加し、反応混合物を17時間にわたり200℃に維持した。反応混合物を100℃に冷却し、250gの混合キシレンを添加した。続いて反応混合物を、高速で攪拌された2000mlのメタノール中の300gの酢酸の溶液中で急冷した。沈殿物を単離し、2リットルの沸騰水中に6時間置いた。その後沈殿物を2000mlのメタノール中に一晩置いた。沈殿物を単離、乾燥後、2000mlのテトラヒドロフランに溶解した。溶液をろ過した後、1:4の割合でポリマー溶液とメタノールを合わせ、メタノール中で沈殿させた。沈殿物を集め、メタノールで洗浄した後、100℃の真空オーブン中で一晩乾燥した。この工程により、分子量(GPCによる)がMw=24,500、Mn=9,100であり、d=2.69、Tg(DSCによる)が151℃という特性を有するポリマーが153.9g得られた。
【0048】
得られたポリマーのポリマー繰り返し単位は、下記の構造式によって表される。
【0049】
【化12】

【0050】
(例2)
この例は、ポリ(アリーレンエーテル)、PAE−1Bの製造を説明する。
114.14g(0.5000mol)の4,4’−イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノールA)、250gの混合キシレン、及び500gのベンゾフェノンの混合物を、Dean−Starkトラップ、冷却器、窒素入口、機械式攪拌機、及び温度計を取り付けた2000mlの三つ口丸底フラスコに入れた。混合物を窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に加熱した。均一になった後に、50.00wt%の水酸化ナトリウム水溶液80.000g(1.0000mol水酸化ナトリウム)を10分かけてゆっくりと加えた。反応混合物を約140℃に加熱して水との共沸混合物を集めた。4時間後完全に脱水されたら、反応混合物の温度を200℃に上げ混合キシレンを蒸留により除いた。反応混合物を80℃に冷却して、164.01g(0.5000mol)の4−ブロモフェニルエーテルを添加した。次いで、反応混合物を200℃に加熱した。10ml部の塩化銅(I)/キノリン溶液(0.10gの塩化銅(I)(1.00mmol)を含有)を添加し、反応混合物を17時間にわたり200℃に維持した。反応混合物を100℃に冷却し、250gの混合キシレンを添加した。続いて反応混合物を、高速で攪拌された2000mlのメタノール中の300gの酢酸の溶液中で急冷した。沈殿物を単離し、2リットルの沸騰水中に6時間置いた。その後沈殿物を2000mlのメタノール中に一晩置いた。沈殿物を単離、乾燥後、2000mlのテトラヒドロフランに溶解した。溶液をろ過した後、1:4の割合でポリマー溶液とメタノールを合わせ、メタノール中で沈殿させた。沈殿物を集め、メタノールで洗浄した後、100℃の真空オーブン中で一晩乾燥した。この工程により、分子量(GPCによる)がMw=9,800、Mn=4,400であり、d=2.24、Tg(DSCによる)が99℃という特性を有するポリマーが165.0g得られた。
【0051】
得られたポリマーのポリマー繰り返し単位は、下記の構造式によって表される。
【0052】
【化13】

【0053】
(例3)
この例は、ポリ(アリーレンエーテル)、PAE−2の製造を説明する。
35.0421g(0.1000mol)の9,9-ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、75gのトルエン、及び100gのベンゾフェノンの混合物を、Dean−Starkトラップ、冷却器、窒素入口、機械式攪拌機、及び温度計を取り付けた500mlの三つ口丸底フラスコに入れた。混合物を窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃に加熱した。均一になった後に、50.00wt%の水酸化ナトリウム水溶液16.000g(0.2000mol水酸化ナトリウム)を10分かけてゆっくりと加えた。反応混合物を約140℃に加熱して水との共沸混合物を集めた。4時間後完全に脱水されたら、反応混合物の温度を200℃に上げトルエンを蒸留により除いた。反応混合物を80℃に冷却して、31.202g(0.1000mol)の4,4’―ジブロモビフェニルを添加した。次いで、反応混合物を200℃に加熱した。10ml部の塩化銅(I)/キノリン溶液(0.10gの塩化銅(I)(1.00mmol)を含有)を添加し、反応混合物を48時間にわたり200℃に維持した。反応混合物を100℃に冷却し、200gのトルエンを添加した。続いて反応混合物を、高速で攪拌された1000gメタノール中の25gの酢酸の溶液中で急冷した。沈殿物を単離し、2リットルの沸騰水中に8時間置いた。沈殿物を最初、オーブン(100℃)で乾燥し、次に300gのテトラヒドロフランに溶解した。ポリマー溶液をろ過した後、1リットルのメタノール中で沈殿させた。沈殿物を集め、メタノールで洗浄した後、100℃の真空オーブン中で一晩乾燥した。この工程により、分子量(GPCによる)がMw=65,300、Mn=20,700であり、d=3.16、Tg(DSCによる)=257℃、熱安定性(TGAによる、400℃における等温重量減少)が<0.1wt%減少/時間、という特性を有するポリマーが42g得られた。
【0054】
得られたポリマーのポリマー繰り返し単位は、下記の構造式によって表される。
【0055】
【化14】

【0056】
(例4)
この例は、PAE−1Aの臭化アリルによるグラフト化を説明する。
この例の工程は、下記の式で表される。
【0057】
【化15】

【0058】
機械式攪拌機、窒素入口、及び添加漏斗を取り付けた500mlの三つ口丸底フラスコ中で、例1で調製したポリ(アリーレンエーテル)、PAE−1Aの20.00g(0.0528molのポリマー繰り返し単位)を350mlの無水テトラヒドロフランに攪拌しながら溶解した。二酸化炭素/アセトン浴を用いて、溶液を−40℃に冷却した。強く攪拌しながら、ペンタンに溶解した1.7M tert−ブチルリチウムの15ml(0.0255mol)を5〜15分かけて添加した。透明な薄黄色であった溶液は濃い赤色の溶液に変わった。冷却浴をはずして溶液を−10℃に温めた。2.41g(0.0200mol)部の臭化アリルを添加した。冷却浴をはずし、溶液を30分かけて20℃まで徐々に温めた。反応混合物を攪拌しながらこの温度で3時間保持したのち、20mlの酢酸を添加した。薄緑色の溶液をろ過し、次いで1600mlのメタノール中で沈殿させた。ポリマー沈殿物を60℃に設定した真空オーブンで乾燥後に、ポリマー中のエーテル結合に対してオルトの位置にアリル基を有するPAE−1Aポリマー19.69gを回収した。NMRでポリマーを分析した結果、ポリマー繰り返し単位の39.0%がグラフト化されたアリル基を有することがわかった。
【0059】
(例5)
この例は、PAE−1Aの3−クロロ−2−メチルプロペンによるグラフト化を説明する。
この例の工程は、下記の式で表される。
【0060】
【化16】

【0061】
機械式攪拌機、窒素入口、及び添加漏斗を取り付けた500mlの三つ口丸底フラスコ中で、例1で調製したPAE−1Aの25.00g(0.0661molのポリマー繰り返し単位)を350mlの無水テトラヒドロフランに攪拌しながら溶解した。二酸化炭素/アセトン浴を用いて、溶液を−40℃に冷却した。強く攪拌しながら、ペンタンに溶解した1.7M tert−ブチルリチウムの15ml(0.0255mol)を5〜15分かけて添加した。透明な薄黄色であった溶液は濃い赤色の溶液に変わった。冷却浴をはずして溶液を−10℃に温めた。2.00g(0.0221mol)部の3−クロロ−2−メチルプロペンを添加した。冷却浴をはずし、溶液を30分かけて20℃まで徐々に温めた。反応混合物を攪拌しながらこの温度で3時間保持したのち、20mlの酢酸を添加した。薄緑色の溶液をろ過し、次いで1600mlのメタノール中で沈殿させた。ポリマー沈殿物を60℃に設定した真空オーブンで乾燥後に、ポリマー中のエーテル結合に対してオルトの位置にメタリル基を有するPAE−1Aポリマー21.53gを回収した。NMRでポリマーを分析した結果、ポリマー繰り返し単位の32.0%がメタリル基を有することがわかった。
【0062】
(例6)
この例は、PAE−1Bの臭化アリルによるグラフト化を説明する。
この例の工程は、下記の式で表される。
【0063】
【化17】

【0064】
機械式攪拌機、窒素入口、及び添加漏斗を取り付けた500mlの三つ口丸底フラスコ中で、例2で調製したPAE−1Bの20.00g(0.0507molのポリマー繰り返し単位)を350mlの無水テトラヒドロフランに攪拌しながら溶解した。二酸化炭素/アセトン浴を用いて、溶液を−40℃に冷却した。強く攪拌しながら、ペンタンに溶解した1.7M tert−ブチルリチウム20ml(0.0340mol)を5〜15分かけて添加した。透明な薄黄色であった溶液は濃い赤色の溶液に変わった。冷却浴をはずして溶液を−10℃に温めた。4.00g(0.0332mol)部の臭化アリルを添加した。冷却浴をはずし、溶液を30分かけて20℃まで徐々に温めた。反応混合物を攪拌しながらこの温度で3時間保持したのち、20mlの酢酸を添加した。薄緑色の溶液をろ過し、次いで1600mlのメタノール中で沈殿させた。ポリマー沈殿物を60℃に設定した真空オーブンで乾燥後に、ポリマー中のエーテル結合に対してオルトの位置にアリル基を有するPAE−1Bポリマー19.60gを回収した。NMRでポリマーを分析した結果、ポリマー繰り返し単位の35.0%がアリル基を有することがわかった。
【0065】
(例7)
この例は、PAE−1Bの3−クロロ−2−メチルプロペンによるグラフト化を説明する。
この例の工程は、下記の式で表される。
【0066】
【化18】

【0067】
機械式攪拌機、窒素入口、及び添加漏斗を取り付けた500mlの三つ口丸底フラスコ中で、例2で調製したPAE−1Bの20.00g(0.0507molのポリマー繰り返し単位)を350mlの無水テトラヒドロフランに攪拌しながら溶解した。二酸化炭素/アセトン浴を用いて、溶液を−40℃に冷却した。強く攪拌しながら、ペンタンに溶解した1.7M tert−ブチルリチウム20ml(0.0340mol)を5〜15分かけて添加した。透明な薄黄色であった溶液は濃い赤色の溶液に変わった。冷却浴をはずして溶液を−10℃に温めた。6.00g(0.0663mol)部の3−クロロ−2−メチルプロペンを添加した。冷却浴をはずし、溶液を30分かけて20℃まで徐々に温めた。反応混合物を攪拌しながらこの温度で4時間保持したのち、20mlの酢酸を添加した。薄緑色の溶液をろ過し、次いで1600mlのメタノール中で沈殿させた。ポリマー沈殿物を60℃に設定した真空オーブンで乾燥後に、ポリマー中のエーテル結合に対してオルトの位置にメタリル基を有するPAE−1Bポリマー21.17gを回収した。NMRでポリマーを分析した結果、ポリマー繰り返し単位の30.0%がメタリル基を有することがわかった。
【0068】
(例8)
この例は、PAE−1Aの臭化ビニルによるグラフト化を説明する。
この例の工程は、下記の式で表される。
【0069】
【化19】

【0070】
機械式攪拌機、窒素入口、及び添加漏斗を取り付けた500mlの三つ口丸底フラスコ中で、例1で調製したPAE−1Aの20.00g(0.0528molのポリマー繰り返し単位)を350mlの無水テトラヒドロフランに攪拌しながら溶解した。二酸化炭素/アセトン浴を用いて、溶液を−40℃に冷却した。強く攪拌しながら、ペンタンに溶解した1.7M tert−ブチルリチウム25ml(0.0425mol)を5〜15分かけて添加した。透明な薄黄色であった溶液は濃い赤色の溶液に変わった。冷却浴をはずして溶液を−10℃に温めた。テトラニドロフラン中の1.0M臭化ビニル溶液(臭化ビニル0.250mol)25mL部を添加した。冷却浴をはずし、溶液を30分かけて20℃まで徐々に温めた。反応混合物を攪拌しながらこの温度で17時間保持したのち、25mlの酢酸を添加した。薄緑色の溶液をろ過し、次いで1600mlのメタノール中で沈殿させた。ポリマー沈殿物を60℃に設定した真空オーブンで乾燥した後に、ポリマー中のエーテル結合に対してオルトの位置にビニル基を有するPAE−1Aポリマー19.25gを回収した。NMRでポリマーを分析した結果、ポリマー繰り返し単位の2.0%がビニル基を有することがわかった。
【0071】
(例9)
この例は、PAE−1Aのシトラールによるグラフト化を説明する。
この例の工程は、下記の式で表される。
【0072】
【化20】

【0073】
機械式攪拌機、窒素入口、及び添加漏斗を取り付けた500mlの三つ口丸底フラスコ中で、例1で調製したPAE−1Aの20.00g(0.0528molのポリマー繰り返し単位)を350mlの無水テトラヒドロフランに攪拌しながら溶解した。二酸化炭素/アセトン浴を用いて、溶液を−40℃に冷却した。強く攪拌しながら、ペンタンに溶解した1.7M tert−ブチルリチウム25ml(0.0425mol)を5〜15分かけて添加した。透明な薄黄色であった溶液は濃い赤色の溶液に変わった。冷却浴をはずして溶液を−10℃に温めた。4.00g(0.0263mol)部のシトラールを添加した。冷却浴をはずし、溶液を30分かけて20℃まで徐々に温めた。反応混合物を攪拌しながらこの温度で3時間保持したのち、25mlの酢酸を添加した。薄緑色の溶液をろ過し、1600mlのメタノール中で沈殿させた。ポリマー沈殿物を50℃より低く設定した真空オーブンで乾燥後に、ポリマー中のエーテル結合に対してオルトの位置にα−ヒドロキシシトリル基を有するPAE−1Aポリマー23.5gを回収した。NMRでポリマーを分析した結果、ポリマー繰り返し単位の39.0%がα−ヒドロキシシトリル基を有することがわかった。
【0074】
(例10)
この例は、PAE−2のシトラールによるグラフト化を説明する。
この例の工程は、下記の式で表される。
【0075】
【化21】

【0076】
機械式攪拌機、窒素入口、及び添加漏斗を取り付けた1000mlの三つ口丸底フラスコ中で、例3で調製したPAE−2の30.00g(0.060molのポリマー繰り返し単位)を600mlの無水テトラヒドロフランに攪拌しながら溶解した。二酸化炭素/アセトン浴を用いて、溶液を−40℃に冷却した。強く攪拌しながら、ペンタンに溶解した1.7M tert−ブチルリチウム25ml(0.0425mol)を5〜15分かけて添加した。透明な薄黄色であった溶液は濃い赤色の溶液に変わった。冷却浴をはずして溶液を−10℃に温めた。5.00g(0.0328mol)部のシトラールを添加した。冷却浴をはずし、溶液を30分かけて20℃まで徐々に温めた。反応混合物を攪拌しながらこの温度で1時間保持したのち、3.60g(0.600mol)の酢酸を添加した。薄緑色の溶液をろ過し、次いで1000mlのメタノール中で沈殿させた。ポリマー沈殿物を50℃より低く設定した真空オーブンで乾燥後に、ポリマー中のエーテル結合に対してオルトの位置にα−ヒドロキシシトリル基を有するPAE−2ポリマー31.33gを回収した。NMRでポリマーを分析した結果、ポリマー繰り返し単位の32.0%がα−ヒドロキシシトリル基を有することがわかった。
【0077】
(例11)
この例は、選ばれたオレフィン性架橋基含有ポリ(アリーレンエーテル)の特性を説明する。
例1からのポリ(アリーレンエーテル)PAE−1A及び例3からのPAE−2を、それぞれ例9及び10のシトラールグラフト基を用いて誘導体化した。グラフト化されたポリマーと、グラフト化していないポリマーの機械的特性を約30μmの自立フィルムについて調べ、表1及び図1〜4に示す比較結果を得た。グラフト化していないPAE−1A及びPAE−2は170℃に加熱しても架橋せず、熱可塑性のままである。しかし、シトラールグラフト化誘導体は架橋して熱硬化生成物を生成する。シトラールでグラフト化されたものについて、触媒または開始剤を加えない場合の架橋反応の開始温度は、図5及び6に示す、39%のシトラールグラフト基を有するPAE−1Aについて示差走査熱分析(DSC)により調べた吸熱量からわかるように、125℃及び160℃のようである。
【0078】
【表1】

【0079】
本発明を詳細に、かつ特定の例を参照して説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な変更及び改変を加えることができることは当業者にとっては明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】硬化しない例9の組成物について、E’、E''及びtanδを温度に対してプロットしたグラフである。
【図2】硬化後の例9の組成物について、E’、E''及びtanδを温度に対してプロットしたグラフである。
【図3】硬化しない例10の組成物について、E’、E''及びtanδを温度に対してプロットしたグラフである。
【図4】硬化後の例10の組成物について、E’、E''及びtanδを温度に対してプロットしたグラフである。
【図5】例9の組成物の第一の加熱でのDSCスペクトルを示すグラフである。
【図6】例9の組成物の第二の加熱でのDSCスペクトルを示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の構造式を有するポリマー繰り返し単位を含むポリ(アリーレンエーテル)ポリマー。
−(O−Ar1−O−Ar2−O−)m−(−O−Ar3−O−Ar4−O)n
(式中、Ar1、Ar2、Ar3、及びAr4は同一又は異なるアリール基であり、mは0から1まで、nは1−mであり、前記アリール基のうち少なくとも一つは、非芳香族であって、かつ200℃未満の硬化温度で、硬化中に揮発性物質を生成せずかつ硬化後に官能基を生じることなく架橋するようにされた少なくとも一つの不飽和基がグラフトされている)
【請求項2】
ポリマー繰り返し単位のアリール基の一つに一つの不飽和基がグラフトされている、請求項1記載のポリマー。
【請求項3】
ポリマー繰り返し単位のアリール基のうち少なくとも一つに、一つより多くの不飽和基がグラフトされている、請求項1記載のポリマー。
【請求項4】
ポリマー繰り返し単位が下記の構造式を有する、請求項3記載のポリマー。
【化1】

(式中、G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7及びG8は、前記少なくとも一つの不飽和基の同一又は異なる種である)
【請求項5】
ポリマー繰り返し単位当たりの不飽和基の平均数が0.01から8.0である、請求項1記載のポリマー。
【請求項6】
ポリマー繰り返し単位当たりの不飽和基の平均数が0.01から4.0である、請求項5記載のポリマー。
【請求項7】
ポリマー繰り返し単位当たりの不飽和基の平均数が0.25から1.0である、請求項5記載のポリマー。
【請求項8】
前記少なくとも一つの不飽和基が、アルキレン基、アルキルジエン基、α−ヒドロキシアルキレン基、及びα−ヒドロキシアルキルジエン基よりなる群から選択される、請求項5記載のポリマー。
【請求項9】
前記少なくとも一つの不飽和基がイソプレンから誘導される、請求項5記載のポリマー。
【請求項10】
前記少なくとも一つの不飽和基が、
【化2】

からなる群から選択される、請求項5記載のポリマー。
【請求項11】
前記アリール基が、
【化3】

からなる群から独立に選択される、請求項5記載のポリマー。
【請求項12】
前記アリール基が、
【化4】

からなる群から独立に選択される、請求項7記載のポリマー。
【請求項13】
前記アリール基の少なくとも一つが、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−フルオレン、2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロペン、及び2,2−ジフェニルプロペンよりなる群から選択される、請求項5記載のポリマー。
【請求項14】
ポリマー繰り返し単位が、
【化5】

及び対応する非グラフト化ポリマー繰り返し単位からなる群から独立に選択される、請求項5記載のポリマー。
【請求項15】
ポリマー単位当たりの不飽和基の平均数が0.1より大きくかつ1以下で、かつポリ(アリーレンエーテル)ポリマーが下記のポリマー繰り返し単位のうちの一つを含む、請求項5記載のポリマー。
【化6】

【化7】

【請求項16】
前記アリール基の少なくとも一つが、
【化8】

である請求項5記載のポリマー。
【請求項17】
mが0.05から0.95までである請求項5記載のポリマー。
【請求項18】
硬化した形の請求項5記載のポリマーであって、160から180℃までのTg、周波数に依存しない2.7未満の誘電率、及び0.17wt%未満の最大吸湿量を有する、硬化した形の請求項5記載のポリマー。
【請求項19】
中間層誘電体膜における、請求項5記載のポリマー。
【請求項20】
ダイアタッチ接着剤における、請求項5記載のポリマー。
【請求項21】
請求項1記載のポリマー及び希釈剤を含む組成物であって、該希釈剤が官能基を持たず、又は該組成物の機械的又は電気的特性に干渉しない上記組成物。
【請求項22】
基材にTgが160℃から180℃まで、誘電率が周波数に依存せずに2.7未満、かつ最大吸湿量が0.17wt%未満である膜を成膜するための方法であって、請求項1記載のポリマーを基材に適用し、該ポリマーを硬化温度まで加熱することを含む成膜方法。
【請求項23】
前記硬化温度が170℃から190℃までである、請求項22記載の方法。
【請求項24】
ポリマーの加熱を、鉱酸、有機酸、フリーラジカル開始剤、アゾ開始剤、及びそれらの混合物からなる群より選択される触媒の存在下で行う、請求項22記載の方法。
【請求項25】
ポリマーを、官能基を持たず又は組成物の機械的又は電気的特性に干渉しない希釈剤を更に含む組成物でもって基材に適用する、請求項22記載の方法。
【請求項26】
前記膜が前記基材を別の基材に結合させるダイアタッチ接着剤である、請求項22記載の方法。
【請求項27】
前記膜が前記基材を別の基材から絶縁する中間層誘電体である、請求項22記載の方法。
【請求項28】
ポリマーの加熱を紫外線照射により開始させる、請求項22記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材にTgが160℃から180℃まで、誘電率が周波数に依存せずに2.7未満、かつ最大吸湿量が0.17wt%未満である膜を成膜するための方法であって、
下記の構造式
−(O−Ar1−O−Ar2−O−)m−(−O−Ar3−O−Ar4−O)n
(式中、Ar1、Ar2、Ar3、及びAr4は同一又は異なるアリール基であり、mは0から1まで、nは1−mであり、前記アリール基のうち少なくとも一つは、非芳香族の不飽和基がグラフトされていて、該不飽和基は200℃未満の硬化温度で硬化中に揮発性物質を生成せずかつ硬化後に官能基を生じることなく架橋するようにされている)
を有するポリマー繰り返し単位を含むポリ(アリーレンエーテル)ポリマーを基材に適用し、該ポリマーを硬化温度まで加熱することを含む成膜方法。
【請求項2】
前記硬化温度が170℃から190℃までである、請求項記載の方法。
【請求項3】
ポリマーの加熱を、鉱酸、有機酸、フリーラジカル開始剤、アゾ開始剤、及びそれらの混合物からなる群より選択される触媒の存在下で行う、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
ポリマーを、官能基を持たず又は組成物の機械的又は電気的特性に干渉しない希釈剤を更に含む組成物でもって基材に適用する、請求項1から3までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
前記膜が前記基材を別の基材に結合させるダイアタッチ接着剤である、請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記膜が前記基材を別の基材から絶縁する中間層誘電体である、請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
ポリマーの加熱を紫外線照射により開始させる、請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−312738(P2006−312738A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−114964(P2006−114964)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【分割の表示】特願2003−4526(P2003−4526)の分割
【原出願日】平成15年1月10日(2003.1.10)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】