説明

ポリ(アリーレンビニレン)およびポリ(ヘテロアリーレンビニレン)発光ポリマーならびにポリマー発光デバイス

本発明は、新規ルミネセンスのポリ(アリーレンビニレン)及びポリ(ヘテロアリーレンビニレン)ポリマーを提供する。本発明のポリマーは、フィルムとして調製されてよく、そのようなフィルムは、高分子発光デバイスにおける発光層として使用されてもよい。1つの態様においては、嵩高いアリール基は、ポリ(フェニレンビニレン)主鎖の少なくとも1つのフェニレン環の(2)位に結合している。他の態様においては、該嵩高いアリールは、ポリ(ヘテロアリーレンビニレン)主鎖の少なくとも1つの5員ヘテロアリーレン環の3位に結合している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、発光共役ポリマー及び発光デバイス(LED)の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
電界発光ポリマーは、ポリマー発光デバイス(polymeric light-emitting device(PLED))、光発電ダイオード(photovoltaic diodes)、電界放出トランジスター(field emission transistors(FET))及びレーザーにおけるそれらの有望な応用のために、過去数年間に広く研究されている。ここ十年においては、発光デバイスに用いるための様々な種類の共役ポリマーが記述されている。十分に共役したポリマー及びそれらの誘導体(例えば、ポリ(p-フェニレンビニレン)(PPV)(Burroughes, et al., Nature, 1990, 347, 539)、ポリ(p-フェニレン)(PPP)(Grem, et al., Adv. Mater., 1992, 4, 36)、ポリ(フルオレン)(PF)(Fukuka et al., J. Polym. Sci. Polym. Chem., 1993, 31, 2456)、及びポリ(3-アルキルチオフェン)(Berggren, et al., Nature, 1994, 372, 444)、とりわけ、ポリ(チエニルビニレン)(Lowe et al. Can J . Chem (1998) 76: 1524-1529))が、用いられてきた。
【0003】
ポリ(p-フェニレンビニレン)(PPV)及びその誘導体は、発光デバイスのための放射物質(emissive materials)として広く用いられている。ここ十年においては、駆動電圧の低下及びデバイスの寿命の延長といった効率改善における重要な進歩は、LEDのための放射層としてのPPVの使用によってなされた。特に、PLEDにおける応用は、主には、簡単なスピンコーティング(spin-coating)又は流延技術(casting techniques)を通しての低コスト加工、可視スペクトルの全ての領域における発色、低駆動電圧及び大きな面積のディスプレーの魅力的な展望、ならびに柔軟な構造のために、1990年におけるポリ(p-フェニレンビニレン)(PPV)に基づくPLEDデバイスの最初の報告に続き、かなりの注目を引いてきた。
【0004】
PLEDデバイスの性能(例えば、効率及び寿命)は、デバイス構造(device architecture)、カプセル化法(encapsulation method)、調製法、駆動方式、及びポリマー自体のような要素の相当な多様性による。物質的な観点から、高性能デバイスは、高光ルミネセンス(PL)量子効率(high photoluminescence(PL) quantum efficiency)、良好な加工性、及び高い熱/光/電気安定性のような性質に合わせた電界発光ポリマーを必要とする。現在まで、PPV及びその誘導体、PPP、ポリチオフェン(PT)、PF、ポリ(チエニレンビニレン)(PTV)、ならびにそれらの共重合体のような、多数の共役ポリマーが、首尾よく合成され、PLED中の活性層(active layers)及び/又は輸送層(transporting layers)として用いられている。それらの中で、PPV及びそれらのアルコキシ誘導体は、それらの良いデバイス性能のために、最も一般的に用いられるPLEDのための物質である。一般的に、加工可能なPPVの調製のための採られる2つのアプローチ-(i)前駆体アプローチ及び(ii)側鎖アプローチがある。
【0005】
現在のところ、いくつかの前駆体経路(すなわち、スルホニウム、ハロゲン及びキサンテート前駆体経路)が、PPV LEDの製造に用いられる(WO93/14177)。水又は有機溶媒中に溶解することができる前駆ポリマーは、多くの場合、200℃を超える温度での加熱処理工程を通して十分な共役形態に変えられる。前駆ポリマー経路は、いくつかの利点を有する場合もあるが、多段階合成は、複雑であり、得られたポリマーは構造欠陥(structural defects)を有する場合がある。加えて、加熱処理の結果として、前駆体経路は、曲げやすいプラスチックディスプレイを生産するために応用されない場合がある。これらの不都合は、その応用を制限する。
【0006】
側鎖アプローチは、薄いフィルムに直接成型することができる可溶PPV誘導体を形成するための適当に置換されたモノマーの重合を含む。米国特許第5,189,136号は、形成された、物品(articles)、フィルム、繊維などに加工され得る、ポリ(2-メトキシ-5-(2’-エチルヘキシルオキシ)-パラ-フェニレンビニレン)(MEH−PPV)の一部溶解性(partially soluble)PPVポリマーを開示する。しかしながら、MEH−PPVは、ただ部分的に溶解し得るだけ(only partially soluble)であり、MEH−PPV溶液は、室温において不安定でゲルを形成する。MEH−PPVの均一なフィルムの成型(casting)は、極めて難しく、経済的ではないような高い実験技術を要求する。
【0007】
他の可溶アルコキシ置換PPVとしては、ポリ(2,5-ビス(2’-エチルヘキシルオキシ)−p−フェニレンビニレン)(BEH−PPV)及びポリ(2,5-ビスコレスタノキシ−p−フェニレンビニレン)(BCHA−PPV)が挙げられ、それらは、LEDデバイスの中では中程度の効率で橙色及び黄色発光を示す(米国特許第5,679,757号)。
【0008】
アルコキシ置換PPVの他、その他のタイプのPPVポリマーは、アリール置換PPVである。アリール基は、フェニレン環及び/またはPPVのビニレン架橋(vinylene bridge)に結合することができる。両方のアプローチは、得られたポリマーの溶解性を強めるであろう。加工性の向上に加えて、アリール置換はまた、光ルミネセンス効率(photoluminescence efficiency)及び光安定性(photo-stability)を強めることができる可能性がある。PPVは、通常黄緑色の光(green-yellow light)を放射し、純粋な緑色の光(pure green light)の放射は、PPV主鎖上のアリール側鎖の立体効果に関連し増大したバンドギャップのため、アリール置換PPVから実現されるであろう。アリール置換のPPVの例は、ポリ(2,3−ジフェニル−p−フェニレン)(B. R. Hsieh, et al. (1995) Adv. Mater. 7: 36)、ポリ(2−(2’−エチル)ヘキシロキシ−5−(10’−フェニル)アントリル−9’−イル−p−フェニレンビニレン)(S.J. Chung, et al. (1998), Adv. Mater.10: 684)、およびCovion Organic Semiconductors(H. Spreitzer, et al, WO98/27136)によって開示された一連のフェニル置換PPV系(PPV−based)共重合体である。それらのポリマーは、量子、電力及び輝度効率に関して、良い乃至は優秀な性能を示す。しかしながら、Gilch重合経路の経由で調製されるPPV誘導体は、通常の頭-尾(head-to-tail)重合の代わりに、頭-頭(head-to-head)又は尾-尾(tail-to-tail)重合からの結果と考えられる、ポリマー主鎖におけるトラン−ビスベンジル(TBB)構造欠陥(structural defect)を含む可能性がある。フェニル置換PPVにおけるTBB構造欠陥(structural defect)は、MEH−PPV及びOC10−PPVのような標準的なジアルコキシPPVより、いっそう過酷である(5−6%対1.5−2.2%)。操作寿命は、TBBの量によって劇的に影響を受けることも示された。
【0009】
WO98/27136は、強力に電子供与するメトキシ基が、PPV主鎖に結合し、重合の間、ポリマー鎖生長を導く、スーパーイエロー(Super Yellow)と呼ばれる新規なアリール置換PPV系発光ポリマーを開示し、それは、TBB構造欠陥(structural defect)の形成を部分的に抑制することができる。スーパーイエローは、デバイスの効率及び寿命の点において極めて有望な性能を示した。しかしながら、このポリマーは、黄色エミッターであって、フルカラーディスプレイへの応用にとってあまり願わしくはない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ビフェニル基が、側基の2位を通してPPVポリマー主鎖に結合しているとき、得られたポリマーは、僅か0.36%のTBB構造欠陥(structural defect)を示し得、ポリマーは、緑色の光を発する(Chen ZK et al, Macromolecules, 2003, 36(4), 1009)。しかしながら、このポリマーは、保管の間にゲルを形成する傾向を示し、ポリマーの量子効率は、十分ではない。それ故、容易に溶液加工され得る安定で効率的な発光ポリマーの開発の必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の要旨)
一つの側面において、本発明は、式Iの共役ポリマーを提供する。
【0012】
【化1】

【0013】
式中、
、R及びRは、独立して、H、ハロゲン、シアノ、置換されているか若しくは置換されていないアルキル、置換されているか若しくは置換されていないアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないアルキルチオ、置換されているか若しくは置換されていないアルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないアルケニル、置換されているか若しくは置換されていないアルキニル、置換されているか若しくは置換されていないアリール、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリール、置換されているか若しくは置換されていないアリールアミノ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールアミノ、置換されているか若しくは置換されていないアリールオキシ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールオキシ、置換されているか若しくは置換されていないアリールチオ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールチオ、置換されているか若しくは置換されていないアラルキル、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアラルキル、置換されているか若しくは置換されていないアルキルシリル、置換されているか若しくは置換されていないアルキルゲルミル、から選ばれ、該アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ヘテロアルキル基は、1乃至30個の炭素原子、好ましくは、1乃至18個の炭素原子を有し、該アルケニル及びアルキニル基は、2乃至30個の炭素、好ましくは、2乃至18個の炭素原子の鎖長を有し;該アリール、アリールチオ、アリールオキシは、6乃至60個の、好ましくは、6乃至30個の炭素原子を有し、該アリールアミノは、6乃至180個の炭素原子、好ましくは、6乃至120個の炭素原子を有し、該ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオは、3乃至120個の、好ましくは、3乃至60個の炭素原子を有し、かつ該ヘテロアリールアミノ基は、3乃至180個の炭素原子、好ましくは、3乃至120個の炭素原子を有し;
は、独立して、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルキル、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルキルチオ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C90)アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C60)アリール(例えば、ジアリールアミノフェニル、ジアリールトリアジニルフェニル、ジアルキルフルオレニル、ジアリールフルオレニル、スピロビフルオレニル及びシルセスキオキサニル(silsesquioxanyl))から選ばれ;
Arは、独立して、置換されているか若しくは置換されていないアリール及び置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリール(フェニル、ナフチル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、ピリジル、チアゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、フルオレニル、インデノフルオレニル、スピロビフルオレニル、カルバゾリル、インデノカルバゾリル、フェノキサチエニル(phenoxathinyl)、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、キノリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、フタラジニル、チアゾリル、ジベンゾフラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズオキサゾリル、ジベンゾチオフェニル、及びアントラセニルを含む)から選ばれ;
Arは、独立して、置換されているか若しくは置換されていないアリーレン及び置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリーレン(フェニレン、チエニレン、フルオレニレン、スピロビフルオレニレン、インデノフルオレニレン、ピリジレン、ビピリジレン、カルバゾイレン、インデノカルバゾリレン、ベンゾチアゾリレン、オキサジアゾリレン、ピリレン、フリレン、及び1個以上のアルキル、若しくはアルコキシ、若しくはアルケニル、若しくはアルキニル、若しくはアルキルチオ、若しくはアルキルアミノ、若しくはアリールアミノ、若しくはヘテロアリールアミノ、若しくはアリールオキシ、若しくはヘテロアリールオキシ、若しくはアリールチオ、若しくはヘテロアリールチオ若しくはハロゲン、若しくはシアノ置換基を有するこれらの基を含む)から選ばれ;
m及びnは、独立して、0又は1であり、それぞれのpに対し、m及びnの少なくとも1つは1であり、かつpの少なくとも1つに対し、mは1であり;かつ
pは、10乃至2000である;
(n=0、Ar=フェニル、R=5’(2’’エチルヘキシルオキシ)かつR=4’(2’’エチルヘキシルオキシ)である共役ポリマーを除く)。
【0014】
他の側面においては、本発明は、式IIを有する共役ポリマーを提供する。
【0015】
【化2】

【0016】
式中、
Xは、S、NH、NR、O又はSiRから選ばれ;
、R、R、R、及びRは、独立して、H、ハロゲン、シアノ、置換されているか若しくは置換されていないアルキル、置換されているか若しくは置換されていないアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないアルキルチオ、置換されているか若しくは置換されていないアルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないアルケニル、置換されているか若しくは置換されていないアルキニル、置換されているか若しくは置換されていないアリール、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリール、置換されているか若しくは置換されていないアリールアミノ,置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールアミノ、置換されているか若しくは置換されていないアリールオキシ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールオキシ、置換されているか若しくは置換されていないアリールチオ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールチオ、置換されているか若しくは置換されていないアラルキル、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアラルキル、置換されているか若しくは置換されていないアルキルシリル、置換されているか若しくは置換されていないアルキルゲルミル、から選ばれ、該アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ヘテロアルキル基は、1乃至30個の炭素原子、好ましくは、1乃至18個の炭素原子を有し、該アルケニル及びアルキニル基は、2乃至30個の炭素、好ましくは、2乃至18個の炭素原子の鎖長を有し;該アリール、アリールチオ、アリールオキシは、6乃至60個の、好ましくは、6乃至30個の炭素原子を有し、該アリールアミノは、6乃至180個の炭素原子、好ましくは、6乃至120個の炭素原子を有し、該ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオは、3乃至120個の、好ましくは、3乃至60個の炭素原子を有し、かつ該ヘテロアリールアミノ基は、3乃至180個の炭素原子、好ましくは、3乃至120個の炭素原子を有し;
は、独立して、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルキル、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルキルチオ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C90)アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C60)アリール(例えば、ジアリールアミノフェニル、ジアリールトリアジニルフェニル、ジアルキルフルオレニル、ジアリールフルオレニル、スピロビフルオレニル及びシルセスキオキサニル(silsesquioxanyl))から選ばれ;
Arは、独立して、置換されているか若しくは置換されていないアリール及び置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリール(フェニル、ナフチル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、ピリジル、チアゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、フルオレニル、インデノフルオレニル、スピロビフルオレニル、カルバゾリル、インデノカルバゾリル、フェノキサチエニル(phenoxathinyl)、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、キノリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、フタラジニル、チアゾリル、ジベンゾフラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズオキサゾリル、ジベンゾチオフェニル、及びアントラセニルを含む)から選ばれ;
Arは、独立して、置換されているか若しくは置換されていないアリーレン及び置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリーレン(フェニレン、チエニレン、ピリレン、フリレン、フルオレニレン、スピロビフルオレニレン、インデノフルオレニレン、ピリジレン、ビピリジレン、カルバゾイレン、インデノカルバゾリレン、ベンゾチアゾリレン、オキサジアゾリレン、ピリレン、フリレン、及び1個以上のアルキル、若しくはアルコキシ、若しくはアルケニル、若しくはアルキニル、若しくはアルキルチオ、若しくはアルキルアミノ、若しくはアリールアミノ、若しくはヘテロアリールアミノ、若しくはアリールオキシ、若しくはヘテロアリールオキシ、若しくはアリールチオ、若しくはヘテロアリールチオ若しくはハロゲン、若しくはシアノ置換基を有するこれらの基を含む)から選ばれ;
m及びnは、独立して、0又は1であり、それぞれのpに対し、m及びnの少なくとも1つは1であり、かつpの少なくとも1つに対し、mは1であり;かつ
pは、10乃至2000である;
【0017】
他の側面においては、本発明は、式I又は式IIの共役ポリマーの調製の工程を提供し、該工程は、脱ハロゲン化縮合反応又はウィッティヒ反応による、PPVモノマー誘導体又はヘテロアリールモノマー誘導体重合工程を含む。
【0018】
別の側面においては、本発明は、共役した式I又は式IIのポリマーを含むフィルムを提供する。ある態様においては、フィルムは、約30nm乃至約200nmの厚み、好ましくは、約60nm乃至約150nmの厚み、より好ましくは、約60nm乃至約120nmの厚みを有する。
【0019】
さらなる別の側面においては、本発明は、式I又は式IIによる1個以上のポリマーを含む発光層を含む電界発光デバイスを提供する。異なった態様としては、デバイスは、アノード及びカソードも含み、アノードまたはカソードの少なくとも1つは、透明(transparent)、半透明(semi-transparent)または半透明(translucent)である。いくつかの態様においては、電界発光デバイスは、さらに、1個以上の正孔注入層(hole injection layer)、電子注入層(electron injection layer)、電子トンネリング層(electron tunneling layer)、電子輸送層(electron transporting layer)及び基板(support)を含む。特別な態様においては、電界発光デバイスは、式I又は式IIの1つ以上のポリマーを含む発光層を含み、該ポリマーは、溶液コーティング(solution coating)工程によって堆積させられる(deposited)。ある態様においては、該発光層は、約30nm乃至約200nmの厚み、好ましくは、約60nm乃至約150nmの厚み、より好ましくは、約60nm乃至約120nmの厚みを有する。
【0020】
一般式Iを有する開示される共役ポリマー:
【0021】
【化3】

【0022】
(式中、
、R及びRは、独立して、H、ハロゲン、シアノ、置換されているか若しくは置換されていないアルキル、置換されているか若しくは置換されていないアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないアルキルチオ、置換されているか若しくは置換されていないアルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないアルケニル、置換されているか若しくは置換されていないアルキニル、置換されているか若しくは置換されていないアリール、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリール、置換されているか若しくは置換されていないアリールアミノ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールアミノ、置換されているか若しくは置換されていないアリールオキシ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールオキシ、置換されているか若しくは置換されていないアリールチオ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールチオ、置換されているか若しくは置換されていないアラルキル、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアラルキル、置換されているか若しくは置換されていないアルキルシリル、置換されているか若しくは置換されていないアルキルゲルミル、から選ばれ、該アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ヘテロアルキル基は、1乃至30個の炭素原子、好ましくは、1乃至18個の炭素原子を有し、該アルケニル及びアルキニル基は、2乃至30個の炭素、好ましくは、2乃至18個の炭素原子の鎖長を有し;該アリール、アリールチオ、アリールオキシは、6乃至60個の、好ましくは、6乃至30個の炭素原子を有し、該アリールアミノは、6乃至180個の炭素原子、好ましくは、6乃至120個の炭素原子を有し、該ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオは、3乃至120個の、好ましくは、3乃至60個の炭素原子を有し、かつ該ヘテロアリールアミノ基は、3乃至180個の炭素原子、好ましくは、3乃至120個の炭素原子を有し;
は、独立して、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルキル、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルキルチオ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C90)アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C60)アリール(例えば、ジアリールアミノフェニル、ジアリールトリアジニルフェニル、ジアルキルフルオレニル、ジアリールフルオレニル、スピロビフルオレニル、及びシルセスキオキサニル(silsesquioxanyl))から選ばれ;
Arは、独立して、置換されているか若しくは置換されていないアリール及び置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリール(フェニル、ナフチル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、ピリジル、チアゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、フルオレニル、インデノフルオレニル、スピロビフルオレニル、カルバゾリル、インデノカルバゾリル、フェノキサチエニル(phenoxathinyl)、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、キノリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、フタラジニル、チアゾリル、ジベンゾフラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズオキサゾリル、ジベンゾチオフェニル、及びアントラセニルを含む)から選ばれ;
Arは、独立して、置換されているか若しくは置換されていないアリーレン及び置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリーレン(フェニレン、チエニレン、フルオレニレン、スピロビフルオレニレン、インデノフルオレニレン、ピリジレン、ビピリジレン、カルバゾイレン、インデノカルバゾリレン、ベンゾチアゾリレン、オキサジアゾリレン、ピリレン、フリレン、及び1個以上のアルキル、若しくはアルコキシ、若しくはアルケニル、若しくはアルキニル、若しくはアルキルチオ、若しくはアルキルアミノ、若しくはアリールアミノ、若しくはヘテロアリールアミノ、若しくはアリールオキシ、若しくはヘテロアリールオキシ、若しくはアリールチオ、若しくはヘテロアリールチオ若しくはハロゲン、若しくはシアノ置換基を有するこれらの基を含む)から選ばれ;
m及びnは、独立して、0又は1であり、それぞれのpに対し、m及びnの少なくとも1つは1であり、かつpの少なくとも1つに対し、mは1であり;かつ
pは、10乃至2000である;
(n=0、Ar=フェニル、R=5’(2’’エチルヘキシルオキシ)かつR=4’(2’’エチルヘキシルオキシ)である共役ポリマーを除く))
が存する。
【0023】
一般式IIを有する開示される共役ポリマー:
【0024】
【化4】

【0025】
(式中、
Xは、S、NH、NR、O又はSiRから選ばれ;
、R、R、R、R及びRは、独立して、H、ハロゲン、シアノ、置換されているか若しくは置換されていないアルキル、置換されているか若しくは置換されていないアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないアルケニル、置換されているか若しくは置換されていないアルキニル、置換されているか若しくは置換されていないアルキルアミノ、又は置換されているか若しくは置換されていないアリールアミノ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールアミノ、置換されているか若しくは置換されていないアルキルチオ、置換されているか若しくは置換されていないアリールオキシ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールオキシ、置換されているか若しくは置換されていないアリールチオ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールチオ、置換されているか若しくは置換されていないアリール、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないアラルキル、置換されているか若しくは置換されていないアルキルシリル、置換されているか若しくは置換されていないアルキルゲルミル、から選ばれ、該アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ヘテロアルキル基は、1乃至30個の炭素原子、好ましくは、1乃至18個の炭素原子を有し、該アルケニル及びアルキニル基は、2乃至30個の炭素、好ましくは、2乃至18個の炭素原子の鎖長を有し;該アリール、アリールチオ、アリールオキシ基は、6乃至60個の、好ましくは、6乃至30個の炭素原子を有し、該アリールアミノ基は、6乃至180個の炭素原子、好ましくは、6乃至120個の炭素原子を有し、該ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオは、3乃至120個の、好ましくは、3乃至60個の炭素原子を有し、該ヘテロアリールアミノ基は、3乃至180個の炭素原子、好ましくは3乃至120個の炭素原子を有し;
は、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルキル、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルキルチオ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C90)アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C60)アリール(例えば、ジアリールアミノフェニル、ジアリールトリアジニルフェニル、ジアルキルフルオレニル、ジアリールフルオレニル、スピロビフルオレニル及びシルセスキオキサニル(silsesquioxanyl))から独立して選択され;
Arは、置換されているか若しくは置換されていないアリール及び置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリール(フェニル、ナフチル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、ピリジル、チアゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、フルオレニル、インデノフルオレニル、スピロビフルオレニル、カルバゾリル、インデノカルバゾリル、フェノキサチエニル(phenoxathinyl)、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、キノリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、フタラジニル、チアゾリル、ジベンゾフラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズオキサゾリル、ジベンゾチオフェニル、及びアントラセニルを含む)から独立して選ばれ;
Arは、独立して、置換されているか若しくは置換されていないアリーレン及び置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリーレン(フェニレン、チエニレン、ピリレン、フリレン、フルオレニレン、スピロビフルオレニレン、インデノフルオレニレン、ピリジレン、ビピリジレン、カルバゾイレン、インデノカルバゾリレン、ベンゾチアゾリレン、オキサジアゾリレン、及び1個以上のアルキル、若しくはアルコキシ、若しくはアルケニル、若しくはアルキニル、若しくはアルキルチオ、若しくはアルキルアミノ、若しくはアリールアミノ、若しくはヘテロアリールアミノ、若しくはアリールオキシ、若しくはヘテロアリールオキシ、若しくはアリールチオ、若しくはヘテロアリールチオ若しくはハロゲン、若しくはシアノ置換基を有するこれらの基を含む)から選ばれ;
m及びnは、独立して、0又は1であり、それぞれのpに対し、m及びnの少なくとも1つは1であり、かつpの少なくとも1つに対し、mは1であり;かつ
pは、10乃至2000である)
もまた存する。
【0026】
本明細書中、「アルキル」は、直鎖状若しくは分岐鎖状の、環状若しくは非環状の鎖状アルキルを示し;「置換されているアルキル」は、1個以上の置換基又はヘテロ原子(例えばヒドロキシ、チオ、(C−C18)アルコキシ、(C−C60)アリール、(C−C60)ヘテロアリール、ハロゲン、(C−C18)ペルハロアルキル、(C−C18)ペルハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、カルボキシル、カルボキシアルキル、カーバメート、スルホニル、スルホンアミド、ケイ素、ホウ素、リン、硫黄、酸素、窒素など)をさらに有したアルキル基(radicals)を示す。置換基はまた、自身置換されていてもよい。
【0027】
本明細書中、「アルコキシ」は、直鎖状若しくは分岐鎖状の、環状の若しくは非環状の、オキシラジカル基(oxy radical group)を有したアルキル鎖を示す;「置換されているアルコキシ」は、上記のような1個以上の置換基をさらに有したアルコキシ基(radicals)を示す。
【0028】
本明細書中、「アルキルチオ」は、直鎖状若しくは分岐鎖状の、環状の若しくは非環状の、チオラジカル基(thio radical group)を有したアルキル鎖を示し;「置換されているアルキルチオ」は、上記のような1個以上の置換基をさらに有したアルキルチオ基(radicals)を示す。
【0029】
本明細書中、「アルキルアミノ」は、1個以上の直鎖状若しくは分岐鎖状の、環状若しくは非環状のアルキル鎖を有したアミノ基(radical)を示し;「置換されているアルキルアミノ」は、上記のような1個以上の置換基をさらに有したアルキルアミノ基(radicals)を示す。
【0030】
本明細書中、「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有した、直鎖状若しくは分岐鎖状の、環状若しくは非環状のヒドロカルビル鎖基(radicals)を示し;「置換されているアルケニル」は、上記のような1個以上の置換基をさらに有したアルケニル基(radicals)を示す。
【0031】
本明細書中、「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有した、直鎖状若しくは分岐鎖状の、環状若しくは非環状のヒドロカルビル鎖基(radicals)を示す;「置換されているアルキニル」は、上記のような1個以上の置換基をさらに有したアルキニル基(radicals)を示す。
【0032】
本明細書中、「アリール」は、6乃至60個の炭素原子を有した芳香族基(radical)を示し;「置換されているアリール」は、上記のような1個以上の置換基をさらに有したアリール基(radicals)を示す。
【0033】
本明細書中、「ヘテロアリール」は、2乃至60個の範囲の炭素原子を有し、1個以上、例えば、1乃至30個のヘテロ原子(例えば、N、O、S、Si、P、B又は、それらの組み合わせ)を環構造の一部として有した芳香族基(radicals)を示す;「置換されているヘテロアリール」は、上記のような1個以上の置換基をさらに有したヘテロアリール基(radical)を示す。
【0034】
本明細書中、「アリールアミノ」は、1個以上のアリール基を有したアミノ基(radical)を示し;「置換されているアリールアミノ」は、上記のように1個以上の置換基をさらに有したアリールアミノ基(radical)を示す。
【0035】
本明細書中、「ヘテロアリールアミノ」は、1個以上のヘテロ(hertero)アリール基を有したアミノ基(radical)を示し;「置換されているヘテロアリールアミノ」は、上記のように1個以上の置換基をさらに有したヘテロアリールアミノ基(radical)を示す。
【0036】
本明細書中、「アリールオキシ」は、アリール基を有したオキシ基(radical)を示し;「置換されているアリールオキシ」は、上記のように1個以上の置換基をさらに有したアリールオキシ(arlyoxy)基(radical)を示す。
【0037】
本明細書中、「ヘテロアリールオキシ」は、ヘテロアリール基を有したオキシ基(radical)を示し;「置換されているヘテロアリールオキシ」は、上記のように1個以上の置換基をさらに有したヘテロアリールオキシ基(radical)を示す。
【0038】
本明細書中、「アリールチオ」は、アリール基を有したチオ基(radical)を示し;「置換されているアリールチオ」は、上記のように1個以上の置換基をさらに有したアリールチオ基(radical)を示す。
【0039】
本明細書中、「ヘテロアリールチオ」は、ヘテロアリール基を有したチオ基(radical)を示し;「置換されているアリールチオ」は、上記のように1個以上の置換基をさらに有したアリールチオ基(radical)を示す。
【0040】
本明細書中、「アラルキル」は、1個以上のアリール基を有したアルキル基(radical)を示し;「置換されているアラルキル」は、上記のように1個以上の置換基をさらに有したアラルキル基(radical)を示す。
【0041】
本明細書中、「ヘテロアラルキル」は、1個以上のヘテロアリール基を有したアルキル基(radical)を示し;「置換されているヘテロアラルキル」は、上記のように1個以上の置換基をさらに有したアラルキル基(radical)を示す。
【0042】
本明細書中、「アルキルシリル」は、1個以上のアルキル基を有したシリル基(radical)を示し;「置換されているアルキルシリル」は、上記のように1個以上の置換基をさらに有したアルキルシリル基(radical)を示す。
【0043】
本明細書中、「アルキルゲルミル」は、1個以上のアルキル基を有したゲルミル基(radical)を示し;「置換されているアルキルゲルミル」は、上記のように1個以上の置換基をさらに有したアルキルゲルミル基(radical)を示す。
【0044】
当業者によって理解されるように、前述の基(radicals)は、特にことわらない限り、モノ−、ジ−及びトリ−置換されている基(radicals)を含むであろう。例えば、用語「アルキルアミノ」は、特にことわらない限り、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ及びトリアルキルアミノ基(radicals)を含むであろう。当業者によってさらに理解されるように、N−アリール−N−アルキルアミノ基(radical)のような基(radical)は、当業者によって、「アルキルアミノ」及び「アリールアミノ」基(radical)の両方であると理解されるであろう。
【0045】
本明細書中、「非求核性塩基(non-nucleophilic base)」は、立体的に妨げられ、求核剤として作用することを妨げられているアニオン(例えば、tert−ブチルおよびtert−ブトキシド)を示す。
【0046】
本明細書中、「PPVモノマー誘導体」は、重合して式Iのポリマーの様々な態様を形成してもよいビフェニル含有モノマーを示す。PPVモノマー誘導体は、中心の1,4−ジメチレンベンゼン要素(該中心のベンゼン環のC5位上のR基、該中心のベンゼン環の2位上の側鎖フェニル基、該側鎖フェニル基の2’位上のAr基、側鎖フェニル基の3’又は4’位上のR、及び側鎖フェニル基の4’又は5’上のRを有する)を含む。当業者に理解されるように、PPVモノマー誘導体は、共役ポリマーの調製に用いられる合成経路によってさらに改変されても良い。例えば、該ポリマーが脱ハロゲン化反応(例えば、Gilch縮合)で調製されるとき、該PPVモノマー誘導体は、適切な1,4−ビス(ハロメチル)誘導体であろう。あるいは、共役ポリマーが、ウィッティヒ反応によって合成されるとき、PPVモノマー誘導体は、1,4−ビス(ハロメチル)ベンゼン誘導体の適当なトリフェニルホスホニウム塩、及び適当なPPVモノマー誘導体の1,4−ジアルデヒドであるであろう。
【0047】
本明細書中、「ヘテロアリールモノマー誘導体」は、重合して式IIのポリマーの様々な態様を形成してもよいモノマーを含むヘテロアリールを示す。特別な態様においては、ヘテロアリールモノマー誘導体は、該ヘテロアリール環の3位上の側鎖フェニル基、側鎖フェニル基の2’位上のAr1基、側鎖フェニル基の3’又は4’位上のR、及び側鎖フェニル基の4’又は5’上のRを有する、中心2,5−ジハロメチル置換の5員ヘテロアリール環を含む。いくつかの態様においては、該ヘテロアリール環は、チエニル基であろう。当業者に理解されるように、ヘテロアリールモノマー誘導体は、共役ポリマーの調製に用いられる合成経路によってさらに改変されてもよい。例えば、ポリマーが、脱ハロゲン化反応(例えば、Gilch縮合)によって調製されるとき、ヘテロアリールモノマー誘導体は、適当な2,5−ビス(ハロメチル)誘導体であろう。あるいは、共役ポリマーが、ウィッティヒ反応によって合成されるとき、PPVモノマー誘導体は、2,5−ビス(ハロメチル)ベンゼン誘導体の適当なトリフェニルホスホニウム塩、及び適当なヘテロアリールモノマー誘導体の2,5−ジアルデヒドであろう。
【0048】
異なった態様においては、一般式I又は一般式IIのポリマーのAr及びRは、少なくとも1つのmについては、互いにさらに共有結合し、任意にヘテロ原子を含んでいてもよい、置換されているか若しくは置換されていない6員芳香環、置換されているか若しくは置換されていない5員ヘテロ芳香環、置換されているか若しくは置換されていない飽和環、又は置換されているか若しくは置換されていない不飽和環を形成する。
【0049】
式Iのポリマーは、ポリマー主鎖のフェニレン環の2位に嵩高い側基を含む。嵩高い基(例えば、ビフェニル基)は、重合の間、ポリマー鎖の伸びの生長を導き得、頭-尾重合に有利にはたらく。TBBのような構造欠陥(structural defect)の形成を不利にする(disfavouring)嵩高い基の効果は、縮合段階の間、電子又は立体効果によって媒介され得る。ポリマーは、ポリマー主鎖における減少した濃度(level)のTBBを含んでもよく、本発明の2つの典型的ポリマーのNMRスペクトルによって確認される(図1参照)。ポリマー主鎖における構造欠陥(structural defect)の成功した抑制は、発光デバイスの安定かつ長寿命の製作のために有利である。
【0050】
一般的に、ポリマー一次構造(primary structure)の規則正しさにおける嵩高い置換基の効果は、他の共役系において適応され得る。式IIのポリマーは、同様に、ポリマー主鎖の5員ヘテロアリール基の3位において、嵩高い側基を含む。嵩高い基(例えば、ビフェニル基)は、重合の間、ポリマー鎖の生長を導き得、頭-尾重合に有利にはたらく。しかしながら、嵩高い置換基はまた、重合後、ポリマーの分子量を減少させる可能性があり、発光デバイスにとって好ましくないことがある。この副作用は、2つの隣接するアリール基の立体効果の存在のため、繰り返しの隣接したアリール又はヘテロアリール基(例えば、PPP、PT、ポリ(アナリン)(poly(analines)))を有するポリマーにおいて、より深刻であろう。ポリ(アリーレンビニレン)又はポリ(ヘテロアリーレンビニレン)ポリマー(例えば、ポリ(チエニレンビニレン))において、ポリマー主鎖は、ほとんど平面配座であり、主鎖自身の立体効果は、非常に小さいであろう。ポリマー長についての嵩高い置換基の望ましくない効果は、重合戦略の適切な選択(例えば、Gilch脱ハロゲン化縮合反応)によっておそらく克服され(maybe overcome)、これは、10000乃至1000000ダルトンの範囲のポリマーの非常に高い分子量を生じるであろう。
【0051】
一般式I又は一般式のIIのポリマーの種々の態様は、室温での通常の有機溶媒(例えば、THF、クロロホルム、トルエン、キシレン、ジクロロベンゼン、1,1,2,2,テトラクロロエタン、メシチレン及びそれらの混合物)中、良好な溶解性(10mg/mlまで)を示すことができ、当業者に知られた方法、例えば、溶液コーティング(solution coating)法、例えば、スピンコーティング(spin coating)、流延(casting)、マイクログラビアコーティング(microgravure coating)、グラビアコーティング(gravure coating)、バーコーティング(bar coating)、ロールコーティング(roll coating)、ワイヤーバーコーティング(wire bar coating)、ディップコーティング(dip coating)、スプレーコーティング(spray coating)、スクリーン印刷(screen printing)、フレキソ印刷(flexo printing)、オフセット印刷(offset printing)又はインクジェット印刷(inkjet printing)によって、フィルム(薄いフィルムを含む)に加工されてもよい。式I又は式IIの電界発光ポリマーのフィルムは、好ましくは、約30nm乃至約200nmの厚み、より好ましくは、約60nm乃至約150nmの厚み、最も好ましくは、約60nm乃至約120nmの厚みを有する。トルエンからのスピンコーティング(spin coating)ポリマーによって形成されたフィルムの光学顕微鏡写真は、図2に記される。
【0052】
式I若しくは式IIのポリマーは、当業者によって知られた多くの異なった経路(例えば、Gilch脱ハロゲン化縮合(Journal of Polymer Sci: Part A-1 (1966) 4: 1337-1349)、ウィッティヒ(Wittig)反応(Drefalh et al (1970) Makromol. Chem 131:89)及び電気化学重合)によって、1個以上の適切なモノマーの重合により調製されてもよい。例えば、ウィッティヒ反応においては、テレフタルアルデヒドは、tert−ブトキシドの存在下、1,4ビス(クロロメチル)ベンゼン誘導体のトリフェニルホスホニウム塩と反応し、PPVを生成し得る。それ故、式Iのポリマーは、例えば、テレフタルアルデヒドの適切に改変された誘導体及び1,4−ビス(ハロメチル)ベンゼンのトリフェニルホスホニウム塩を用いたウィッティヒ反応によって製造されてよい。
【0053】
ウィッティヒ反応は、約10000の平均分子量でPPVポリマーを製造することができるのに対して、Gilch法では、10000乃至約1000000の平均分子量のポリマーが、獲得される(US 6368732参照)。当業者によって理解されるように、高分子量フィルムは、均質の、高品質フィルムの製造、及びPLEDを含む電界発光デバイスの運転時のジュール熱を減少させるために好ましい。
【0054】
脱ハロゲン化縮合において真の(true)「モノマー」は、1,4−ビス(ハロメチル)ベンゼンからの非求核性塩基(non-nucleophilic base)媒介の1当量のHClの脱離(例えば、カリウムtert−ブトキシドによって)によって生成するパラ−キノジメタン生成物であると考えられている。p−キノジメタン誘導体は、まだ主鎖に塩素を含んだポリマーへと重合する。次いで2当量目の塩基が、前駆ポリマーからHClを除き、PPVを製造するであろう(Becker et al 2000, Advanced Materials (2000), 12: 42)。
【0055】
非対称1,4−ビス(ハロメチル)ベンゼンモノマーにおいて、どの塩素原子が最初の当量の塩基で脱離されるかは、続く重合工程に影響すると考えられている。通常の頭-尾重合の間の優勢な影響は、塩素原子から起こると考えられている。塩素原子の立体的及び電気的効果は、通常の頭-尾経路に高い選択性をもたらし得る。しかしながら、通常の頭-尾重合の効率は、通常の頭-尾重合に関して立体的に障害となるある嵩高い側基によって減少し得る(Becker et al 2000, Advanced Materials (2000), 12: 42)。
【0056】
式Iによるポリマーの製造に用いられてもよいモノマーは、当業界に知られた方法によって製造されてもよい。例えば、US 6,368,732は、脱ハロゲン化縮合によってポリマーの製造をするために用いられ得る多くの1,4−ビス(ブロモメチル)2−(フェニル)ベンゼン誘導体を作る方法を開示する。他の適切なモノマーの重合は、WO 99/21936に記載されており、多くのアリール置換の1,4−ビス(ハロメチル)ベンゼン誘導体の合成方法を開示し、US 2002/0093005では、1,4ビス(ハロメチル)ベンゼン誘導体を作る方法を記載する。あるいは、1,4−ビス(クロロメチル)−2−(アリール)ベンゼン誘導体及びそれらから得たポリマーは、図3に図示されたスキームによって合成されてもよい。カテコールは、初めに、エタノール中、塩基存在下、3−メチルブチルブロミドでエーテル化され、収率61%で1,2−ビス(3’−メチルブトキシ)ベンゼンを得る。PPVモノマーへの2つのアルコキシ鎖の導入は、得られたポリマーの溶解性を上げる可能性がある。このジエーテル化合物は、臭素で臭素化され、高収率で4,5−ビス(3’−メチルブトキシ)−1,2−ジブロモベンゼンを与えた。ジブロモ化合物は、鈴木反応で、p−キシレンボロン酸(p-xylene boronic acid)と結合され、高収率(85%)の1置換の2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−ブロモ)フェニル−p−キシレンを得た。この1置換のp−キシレン構造は、初めにN−ブロモスクシンイミド(NBS)臭素化、続く酢酸中における酢酸カリウムによるエステル化によって、2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−ブロモ)フェニル−α,α’−ジアセトキシ−p−キシレンに変換され、42%の全収率で得た。この官能基変換を達成する他の代替方法は、p−キシレン化合物を二酸化合物(di-acid compound)に酸化し、続いてエステル化することである。続いて、別の鈴木カップリング反応を行い、別の芳香環を導入する。p−メトキシフェニル、p−トリフルオロメチルフェニル、p−フルオロフェニル及びフェニルそれ自身は、それぞれとても高い収率(>90%)で組み込まれた。これらの芳香族基は、得られたポリマーの溶解性を上げ得る。アセトキシ基のヒドロキシ基への還元の後、モノマーは、塩化チオニルでのヒドロキシル化合物の塩素化(chlorification)によって得られた。ポリマーは、続いて、カリウムtert−ブトキシドの存在下、乾燥THF中、脱ハロゲン化縮合反応で調製され、黄色の繊維状ポリマーを与えた。式IIのポリマーを調製するために用いられ得るモノマーは、類似の方法によって調製されてよい。
【0057】
脱ハロゲン化縮合反応は、過剰の塩基(例えば、カリウムter−ブトキシド)の存在下又は、塩素前駆体ルート(CPR)におけるような約1当量の塩基の存在下行われてもよい(Swatos et al. (1990), Polym. Prep 31(1):505)。
【0058】
その他の有機溶媒は、脱ハロゲン化縮合反応に使用されてもよく、これらの溶媒は、好ましくは、テトラヒドロフラン(THF)と同じか、又はそれより大きい溶媒極性を有する。溶媒極性は、水と比較して決定され得る(Wessling, (1985), J. Polym. Sci. Symp 72:55)。
【0059】
当業者は、nがゼロではないとき、一般式I及びIIは、統計及びランダム共重合体を包含し得ることを理解するであろう。上記のモノマーに基づいた統計共重合体は、同様の方法で調製されてもよい。「統計共重合体」は、共重合体のモノマー単位の連続分布が既知の統計法則に従う共重合体を示し、ランダム共重合体を含む。「ランダム共重合体」は、鎖中のどんな所定の場所においても、所定のモノマー単位を見つけられる確率が隣接した単位の性質と独立している共重合体を示す。2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−フェニル)フェニル−α,α’-ジクロロ−p−キシレン及び2,7−ジクロロメチル−9,9−ジヘキシル−フルオレンの共重合によってポリ[2−(2’−フェニル−4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ))フェニル−1,4−フェニレンビニレン−co−9,9−ジヘキシル−2,7−フルオレニレンビニレン]を調製する例は、図4に図示される。当業者に明らかなように、コモノマーの供給割合の変化又は他の種類のモノマー(例えば、置換されているか若しくは置換されていないフェニレンビニレン、置換されているか若しくは置換されていないチエニルビニレン、置換されているか若しくは置換されていないピリジレンビニレン、置換されているか若しくは置換されていないカルバゾリエンビニレン)の組み込みは、所望の光学的電子的(optical electronic)性質又は他の所望の性質の共重合体を製造するために用いられてよい。例えば、あるモノマーは、電子豊富な部分であることができ、他のモノマーは、電子不足の部分であることができる。例えば、もしコモノマーがシアノ置換されたジハロメチルベンゼンならば、得られた共重合体は、2つのモノマーの供給割合の変化によって、明確なバンドギャップ及びエネルギー順位を有し得る。もし、より橙色の発光の電界発光ポリマーが望みであれば、PPVモノマー誘導体は、(2−メトキシ−5(3’,7’−ジメチルオクチロキシ−1,4ビス(クロロメチル)ベンゼン)又は2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ-1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼンと共重合してもよい。得られた共重合体の光学的性質は、当業者に知られた方法によって(例えば、ポリマー溶液又はフィルムのフォトルミネセンススペクトルを得ることによって)決定されてもよい。
【0060】
同様の脱ハロゲン化縮合反応又はウィッティヒ反応は、式IIのポリマーのポリ(ヘテロアリーレンビニレン)の調製のために用いられてもよく、少なくとも1つのモノマーは、モノマー主鎖の中のヘテロ(hetro)アリーレン環の3位に結合した嵩高い基(例えば、ビフェニル基)を有する。何ら特別な理論に限定されることなく、3位での嵩高い基の導入は、式IIのポリマーの調製に用いられてもよいモノマーを含むジ(ハロメチル)ヘテロアリーレンの頭-尾重合の効率を向上させると期待される。ある態様においては、式IIのポリ(ヘテロアリーレンビニレン)主鎖は、チエニレンビニレン単位を含む。PTV系ポリマーの作り方が、記載されてきた(Lee et al. (2003) Macromol Rapid Commun 24: 522-26)。様々な態様においては、重合は、THFと同等若しくはより大きい極性を有した有機溶媒中で行われ、特別な態様においては、ヘテロアリールモノマー誘導体の重合は、THF中で行われる。例えば、2.2当量の1Mのtert−ブトキシド塩基は、2,5−ビス(ハロメチル)チオフェニル誘導体にTHF中で低温(例えば、約-15℃)にて加えられてもよく、溶液は、4時間にわたって徐々に室温に暖められる。3’アリール基の存在は、モノマーが望まない脱離反応をうけるであろう確率を減少させると期待され、3’アリール基のこの効果は、Leeら((2003) Macromol Rapid Commun 24: 522-26)に開示されたアルキルシリル基の効果より大きいであろう。
【0061】
式I若しくは式IIのポリマーは、ポリマー発光デバイス(PLED)応用のためのよい候補となるであろう。ポリマー発光デバイスの組み立て方法は、知られており、他所に記載されている(WO 01/62716;US 6,458,909)。当業者が、一般的に、並びに図5A及び5Bを参照して理解するように、PLEDは、電子注入カソード(electron injecting cathode)(310)及び正孔注入電極アノード(hole injecting electrode anode)(320)の間に配置された1個以上の電界発光ポリマーを含む発光層(300)から成る。ある態様においては、1個以上のアノード及びカソードは、基板(support)(330)上に置かれてもよく、透明(transparent)、半透明(semi-transparent)又は半透明(translucent)であってよい。当業者によって理解されるように、アノードまたはカソードは、透明(transparent)、半透明(semi-transparent)又は半透明(translucent)であってよく、透明(transparent)、半透明(semi-transparent)又は半透明(translucent)の電極は、透明(transparent)、半透明(semi-transparent)又は半透明(translucent)の基板(support)上に置かれてもよい。ある態様においては、該アノードは、透明(transparent)、半透明(semi-transparent)又は半透明(translucent)であって、透明(transparent)、半透明(semi-transparent)又は半透明(translucent)の基板(support)上に置かれる。図5A及び5Bにおける層の厚さは、一定の比率で書かれていない。
【0062】
透明(transparent)、半透明(semi-transparent)又は半透明(translucent)の基板(support)(330)は、剛直であってよく(例えば、石英又はガラス)、又は柔軟な高分子基材であってよい。柔軟な透明(transparent)、半透明(semi-transparent)又は半透明(translucent)の基板(supports)の例としては、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン及びポリエチレン)、ポリアミド、ポリアクリロニトリル及びポリアクリオニトリル(polyacrionitrile)、ポリメタアクリロニトリル(polymethacrylonitrile)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、並びにフッ素化ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)が挙げられるが、限定はされない。
【0063】
該アノード(320)は、金又は銀の薄いフィルム、または、より好ましくは、インジウムスズ酸化物(ITO)であってよい。ITOは、その高い透明度及び電気伝導性のためアノードとして特に適している。様々な態様において、アノード(320)は、当業界に知られた方法(例えば、真空蒸着、スパッタリング又は化学気相成長)によって、透明(transparent)、半透明(semi-transparent)又は半透明(translucent)の基板(support)(330)に、提供されてもよい。
【0064】
該発光層(300)は、既知の溶液コーティング(solution coating)技術(例えば、スピンコーティング(spin coating)、流延(casting)、マイクログラビアコーティング(microgravure coating)、グラビアコーティング(gravure coating)、バーコーティング(bar coating)、ロールコーティング(roll coating)、ワイヤーバーコーティング(wire bar coating)、ディップコーティング(dip coating)、スプレーコーティング(spray coating)、スクリーン印刷(screen printing)、フレキソ印刷(flexo printing)、オフセット印刷(offset printing)又はインクジェット印刷(inkjet printing))によってアノードでフィルムとして提供されてもよい。得られた電界発光ポリマーフィルムは、好ましくは、約30nm乃至約200nmの厚み、より好ましくは、約60nm乃至約150nmの厚み、最も好ましくは約60nm乃至約120nmの厚みを有する。当業者は、如何に得られるフィルムの厚みを制御するかを容易に理解するであろう(例えば、該電界発光ポリマーのコーティングの時間又は量を制御することによる)。
【0065】
該カソード(310)は、低仕事関数金属又は金属合金であってよく、例えば、バリウム、カルシウム、マグネシウム、インジウム、アルミニウム、イッテルビウム、アルミニウム:リチウム合金、又はマグネシウム:銀合金(例えば、マグネシウム対銀の原子比が約10:1(US 6,791,129)であるような合金か、或いはリチウム対アルミニウムの原子比が約0.1:100乃至約0.3:100(Kim et al. (2002)Curr. Appl. Phys. 2(4):335-338; Cha et al (2004) Synth. Met. 143(1): 97; Kim et al (2004) Synth. Met.145(2-3): 229)であるような合金)を含む。該カソード(310)は、当業界に知られた方法(例えば、真空蒸着、スパッタリング又は化学気相成長)によって該発光層(300)で提供されてもよい。バリウム又はカルシウムがカソード(310)として選ばれるとき、保護層(protective layer)(例えば、エポキシ樹脂又は不活性金属(例えば、銀))でバリウム又はカルシウム層をさらに覆うことは、都合がよいであろう。
【0066】
PLEDは、正孔又は電子の該電荷注入(charge-injecting)及び/又は電荷輸送(charge transport)能力を改善する1個以上の化合物をさらに含んでもよい。これらの追加層(additional layers)は、該PLEDの運転寿命(service life)、発光効率又は出力効率(power efficiency)を改善し得る。正孔注入層(hole injection layer)(340)は、該アノード(320)と該発光層(300)の間に提供されてもよい。正孔注入層(hole injection layer)に適切な物質としては、例えば、芳香族第3級アミン、ポリビニルカルバゾール、キナクリドン、ポルフィリン、フタロシアニン、ポリアニリン、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン又はポリ(スチレンスルホネート)でドープされたポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT:PSS)が挙げられる。該有機正孔注入層(hole injection layer)は、当業界に知られた方法(例えば、スピンコーティング(spin coating)又はインクジェット印刷(inkjet printing))によって、アノード上に配置されてもよい。
【0067】
電子トンネリング層(electron tunneling layer)(350)は、電子注入を促進させるため、1個以上の電界発光ポリマーを含む該発光層(300)と該カソード(310)の間に配置されていてもよい。電子トンネリング層(electron tunneling layer)(350)に適した物質としては、例えば、LiF、パリレン及びMgFが挙げられる。該電子トンネリング層(electron tunneling layer)(350)は、既知の方法(例えば、真空蒸着)によって堆積されてもよい。
【0068】
電子注入及び/又は電子輸送層(360)は、該発光層(300)と該電子トンネリング層(electron tunneling layer)(350)又は該カソード(310)の間に配置されてもよい。該電子注入/電子輸送層に適した物質としては、例えば、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(aluminum tris(8-hydroxyquinoline))、2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4,オキサジアゾール、又は2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス−[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール](TPBI)が挙げられる。
【0069】
図5Aは、一層電界発光デバイスを図示する。図5Bは、多層(multi layer)電界発光デバイスを図示する。当業者は、電界発光デバイスは、1個以上の該電子トンネリング層(electron tunneling layer)(350)、該電子注入/電子輸送層(360)、該正孔注入層(340)及び該基板(support)(330)を省いてもよく、図5A及び5Bは、全ての示した層を含むデバイスに対する本発明を限定することを意図しないことを理解するであろう。
【0070】
本発明の1つの態様のポリマー発光デバイス(polymer light emitting devices)は、発光層としての当該開示されたポリマー、および該正孔注入層(hole injection layer)としてのPEDOT:PSS、該アノードとしてのITO、並びに該カソードとしてのカルシウムを用いて、製作されている。該カソードと発光層の間に、LiFを含んだ薄い電子トンネリング層(electron tunneling layer)は、電子注入(electron injection)を促進するために加えられてもよい。p−メトキシフェニル基、p−トリフルオロメチルフェニル及びp−フルオロフェニル基を含むポリマーは、トルエン中でより良好な溶解性を示し、該側鎖上にフェニル基のみを有するポリマーより高い効率を証明した。該p−メトキシフェニル、p−トリフルオロメチルフェニル及びp−フルオロフェニルポリマーは、約505nmのピーク波長、約540nmのサイドピークの緑色の光のエミッターである。
【0071】
ポリマー1乃至5を含むITO/PEDOT:PSS/ポリマー/LiF/Ca/Ag PLEDの電界強度(electric intensity)の関数としての該電流密度は、図6に図示される。ポリマー5を含むPLEDの該電流密度は、およそ25x10Vm−1の電界強度(electric intensity)において増加し始めた。該残りのポリマーは、おおまかに類似のプロフィールを全て有し、該ポリマーは約40x10Vm−1より大きいある電界強度(electric intensity)におけるそれらの電流密度により並べられる:ポリマー1>ポリマー4>ポリマー3>ポリマー2。60x10Vm−1で、該ポリマーは、次の電流密度を有した:135mAcm−2(ポリマー5);35mAcm−2(ポリマー1);26mAcm−2(ポリマー4);20mAcm−2(ポリマー3);及び14mAcm−2(ポリマー2)。
【0072】
これらのポリマーで製作されるデバイスの最高輝度は、2694cd/mであり(図6)、該異なった発光ポリマーデバイスに対する最大電流効率は、1.3cd/Aから5.1cd/Aまでにわたった(図7)。該共重合体は、同じデバイス構成で、強い青緑色(bluish-green)の発光も示した。該共重合体デバイスの最大輝度は、1490cd/mであり(図7)、最大電流効率は、2.3cd/A(図8)である。該デバイスのターンオン電界(turn on electric fields)は、約30MV/mである。
【0073】
本明細書中記載された電界発光デバイスは、ディスプレイ、液晶ディスプレイバックライト及び他の採光の応用(lighting applications)を含む、多くの応用で有用であり得る。
【0074】
本明細書中で引用した全ての文書は、参照によって全て援用される。
【0075】
本発明の様々な態様が、本明細書中で開示されているが、当業者の通常の一般的知識によって、本発明の範囲内で、多くの適応や修正がなされてもよい。そのような修正は、実体上同じ方法で、同じ結果を達成するための、本発明の任意の側面に対する、公知の均等物の置換を含む。本明細書で用いられる全ての技術及び科学用語は、特に定義しなければ、本発明の当業者によって通常理解される同じ意味を有する。
【0076】
語「含む(comprising)」は、実体上、語句(phrase)「含むが、限定されない(including, but not limited to)」と同等である、無制限な(open-ended)用語として用いられる。続く実施例は、本発明の様々な側面を説明するが、ここに開示したような、本発明の広い側面を制限しない。
【実施例】
【0077】
実施例1:1,2−ビス(3’−メチルブトキシ)ベンゼンの調製
100mlのエタノール中のカテコール(27.53g,0.25mol)の溶液を、350mlのエタノール中のKOH(35.07g,0.63mol)の攪拌溶液に室温にてゆっくり加えた。反応混合物を1時間攪拌した。50mlのエタノール中の3−メチルブチルブロミド(113.25g,0.75mol)の溶液を滴下した。反応混合物を終夜還流した。エタノールをロータリーエバポレーション(rotary evaporation)で除去して、反応混合物を酢酸エチルと炭酸ナトリウム溶液との間に分配した。硫酸ナトリウムで乾燥後、生成物を減圧蒸留で得て、38.2gの1,2−ビス(3’−メチルブトキシ)ベンゼン(61%)を得た。NMR (ppm) (400 MHz, CDCl3): δ 6.914 (s, 4H), 4.059-4.025 (t, 4H), 1.895 - 1.861 (m, 2H), 1.757 - 1.707 (m, 4H), 0.993 - 0.976 (m, 12H)
【0078】
実施例2:4,5−ビス(3’−メチルブトキシ)−1,2−ジブロモベンゼンの調製
100mlの氷酢酸中の臭素(15.3g,96mmol)の溶液を300mlのメタノールとクロロホルムの混合物中の1,2−ビス(3’−メチルブトキシ)ベンゼン(10.00g,40mmol)の溶液に0℃にて加えた。反応混合物を5時間攪拌し、その後炭酸ナトリウム(10%,2L)に加えて塩基性とし、ジクロロメタン(3×500ml)で抽出した。合わせた有機層を水(200ml×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。続いて、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、残渣をヘキサンとCHCl(8:1)の混合物で溶出したシリカゲルフラッシュカラムで精製して、15.67gの4,5−ビス(3’−メチルブトキシ)−1,2−ジブロモベンゼン(収率96%)を得た。NMR (ppm) (400 MHz, CDCl3): δ 7.086 (s, 2H), 4.006-3.973 (t, 4H), 1.864 - 1.831 (m, 2H), 1.741 - 1.691(m, 4H), 0.998 - 0.971 (m, 12H)
【0079】
実施例3:2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−ブロモ)フェニル−p−キシレンの調製
アルゴンを流した二口丸底フラスコ中、p−キシレンボロン酸(4.8g,30mmol)、12.24g(30mmol)の4,5−ビス(3”−メチルブトキシ)−1,2−ジブロモベンゼン、0.15gのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、100mlの2M炭酸ナトリウム及び200mlのトルエンの混合物を80℃で終夜攪拌した。冷却後、酢酸エチルで抽出し、食塩水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させた。ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、残渣をヘキサンとCHCl(8:1)で溶出したシリカゲルカラムで精製し、11.04gの2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−ブロモ)フェニル−p−キシレン(収率85%)を得た。NMR (ppm) (400 MHz, CDCl3): δ 7.186 -7.131 (m, 3H), 6.979 (s, 1H), 6.747 (s, 1H) 4.081-3.966 (m, 4H), 2.372 (s, 3H), 2.111 (s, 3H), 1.914 - 1.710 (m, 6H), 1.023 - 0.962(m, 12H)
【0080】
実施例4:2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−ブロモ)フェニル−α,α’−ジアセトキシ−p−キシレンの調製
ベンゼン(5ml)中の2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−ブロモ)フェニル−p−キシレン(0.86g,2mmol)、N−ブロモスクシンイミド(0.72g,4mmol)およびアゾ−イソブチロニトリル(AIBN)(20mg)を2時間加熱還流した。冷却後、溶媒を除去し、混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を除去して、臭素化生成物の混合物を含む茶色油状物を得た。氷酢酸(8ml)中の粗製残渣及び無水酢酸カリウムの混合物(4g)を終夜加熱還流した。冷却後、混合物をジクロロメタンと水との間に分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を除去して、アセチル化生成物の混合物を含む茶色油状物(1.11g)を得た。粗製の生成物をヘキサンとCHCl(6:1)で溶出したシリカゲルカラムで精製し、0.46gの2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−ブロモ)フェニル−α,α’−ジアセトキシ−p−キシレン(収率42%)を得た。NMR (ppm) (400 MHz, CDCl3): δ 7.508 (d, J=8.0, 1H), 7.419 (d, J=8.0, 1H), 7.215 (s, 1H), 7.118 (s, 1H), 6.786 (s, 1H), 5.161 (s, 2H), 5.032 (d, J=12.6, 1H), 4.884 (d, J=12.6, 1H), 4.079 (t, 2H), 3.996-3.955 (m, 2H), 2.135 (s, 3H), 2.042 (s, 2H), 1.911 - 1.611 (m, 6H), 1.285 - 0.904(m, 12H)
【0081】
実施例5:2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−メトキシフェニル)フェニル−α,α’−ジアセトキシ−p−キシレンの調製
アルゴンを流した二口丸底フラスコ中、4mmolのp−メトキシフェニルボロン酸、1.1g(2mmol)の2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−ブロモ)フェニル−α,α’−ジアセトキシ−p−キシレン、50mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)、10mlの2M炭酸ナトリウム及び150mlのトルエンの混合物を90℃で終夜攪拌した。冷却後、酢酸エチルで抽出し、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。続いて、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、残渣をヘキサンとCHCl(1:1)で溶出したシリカゲルカラムで精製し、無色油状物(1.10g,収率95%)を得た。 NMR (ppm) (400 MHz, CDCl3): δ 7.296-7.262 (m, 4H), 7.163 (s, 1H), 7.007 (d, J=8.0, 2H), 6.942(s, 1H), 6.831(s, 1H), 6.721(d, J=8.0, 2H), 5.072 (m, 2H), 4.792 (d, 1H), 4.715 (d, 1H), 4.122-4.038 ( m, 4H), 3.761 (s, 3H), 2.088 (s, 3H), 2.068 (s, 3H), 1.782-1.742 (m, 6H), 1.014-0.980 (m, 12H)
【0082】
実施例6:2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−トリフルオロメチルフェニル)フェニル−α,α’−ジアセトキシ−p−キシレンの調製
アルゴンを流した二口丸底フラスコ中、4mmolのp−トリフルオロメチルフェニルボロン酸、1.1g(2mmol)の2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−ブロモ)フェニル−α,α’−ジアセトキシ−p−キシレン、50mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、10mlの2M炭酸ナトリウム及び150mlのトルエンの混合物を90℃で終夜攪拌した。冷却後、酢酸エチルで抽出し、食塩水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させた。続いて、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、残渣をヘキサンとCHCl(2:3)で溶出したシリカゲルカラムで精製して、無色油状物(1.11g,収率90%)を得た。NMR (ppm) (400 MHz, CDCl3): δ 7.439 (d, J=8.0, 2H), 7.330 (d, 1H), 7.284 (s, 1H), 7.219 (d, J=8.0, 2H), 7.110(s, 1H), 6.954(s, 1H), 6.82(s, 2H), 5.039 (m, 2H), 4.830 (d, 1H), 4.779(d, 1H), 4.130-4.062 (m, 4H), 2.061 (s, 3H), 1.968 (s, 3H), 1.900-1.753 (m, 6H), 1.020-0.986 (t, 12H)
【0083】
実施例7:2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−フルオロフェニル)フェニル−α,α’−ジアセトキシ−p−キシレンの調製
アルゴンを流した二口丸底フラスコ中、4mmolのp−フルオロフェニルボロン酸、1.1g(2mmol)の2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−ブロモ)フェニル−α,α’−ジアセトキシ−p−キシレン、50mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、10mlの2M炭酸ナトリウム及び150mlのトルエンの混合物を90℃で終夜攪拌した。冷却後、酢酸エチルで抽出し、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。続いて、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、残渣をヘキサンとCHCl(2:3)で溶出したシリカゲルカラムで精製して、無色油状物(1.01g、収率90%)を得た。NMR (ppm) (400 MHz, CDCl3): δ 7.329-7.271 (m, 2H), 7.118 (s, 1H), 7.059-7.024 (m, 2H), 6.931(s, 1H), 6.882-6.838(m, 1H), 5.054 (m, 2H), 4.802 (d, 1H), 4.751 (d, 1H), 4.125-4.039 (m, 4H), 2.083 (s, 3H), 1.980 (s, 3H), 1.891-1.745 (m, 6H), 1.018-0.981 (m, 12H)
【0084】
実施例8:2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−フェニル)フェニル−α,α’−ジアセトキシ−p−キシレンの調製
アルゴンを流した二口丸底フラスコ中、4mmolのフェニルボロン酸、1.1g(2mmol)の2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−ブロモ)フェニル−α,α’−ジアセトキシ−p−キシレン、50mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)、10mlの2M炭酸ナトリウム及び150mlのトルエンの混合物を90℃で終夜攪拌した。冷却後、酢酸エチルで抽出し、食塩水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させた。続いて、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、残渣をヘキサンとCHCl(1:1)で溶出したシリカゲルカラムで精製して、無色油状物(1.00g、収率90%)を得た。NMR (ppm) (400 MHz, CDCl3): δ 7.284-7.252 (m, 2H), 7.153 (s, 4H), 7.088 (s, 2H), 6.974 (s, 1H), 6.850 (s,1H), 5.054 (m, 2H), 4.802 (d, 1H), 4.734 (d, 1H), 4.110-4.060 (m, 4H), 2.080 (s, 3H), 1.972 (s, 3H), 1.886-1.767 (m, 6H), 0.998 (m, 12H)
【0085】
実施例9:2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−メトキシフェニル)フェニル−α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレンの調製
10mlのTHF中の2.0mmolの2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−メトキシフェニル)フェニル−α,α’−ジアセトキシ−p−キシレンの溶液を0.2gの水素化アルミニウムリチウム及び60mlのTHFが入った100mlの丸底フラスコに滴下し、1時間攪拌して、続いて白色固体が現れるまで飽和硫酸ナトリウム溶液をゆっくり加えて反応を停止した。固体を濾過し、濾液を水及び食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去した後、0.98gの白色固体生成物を得て(収率100%)、さらに精製せずに次の工程の合成に用いた。
【0086】
実施例10:2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−トリフルオロメチルフェニル)フェニル−α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレンの調製
10mlのTHF中の2.0mmolの2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−トリフルオロメチルフェニル)フェニル−α,α’−ジアセトキシ−p−キシレンの溶液を0.2gの水素化アルミニウムリチウム及び60mlのTHFが入った100mlの丸底フラスコに滴下し、1時間攪拌して、続いて、白色固体が現れるまでゆっくり飽和硫酸ナトリウム溶液を加えて反応を停止した。固体を濾過し、濾液を水及び食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去した後、0.98gの白色固体生成物を得て(収率92%)、さらに精製せずに次の工程の合成に用いた。これは、無色の固体として得られた。
【0087】
実施例11:2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−フルオロフェニル)フェニル−α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレンの調製
10mlのTHF中の2.0mmolの2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−フルオロフェニル)フェニル−α,α’−ジアセトキシ−p−キシレンの溶液を0.2gの水素化アルミニウムリチウム及び60mlのTHFが入った100mlの丸底フラスコに滴下し、1時間攪拌し、続いて、白色固体が現れるまでゆっくり飽和硫酸ナトリウム溶液を加えて反応を停止した。固体を濾過し、濾液を水及び食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去した後、0.94gの白色固体生成物を得て(収率98%)、さらに精製せずに次の工程の合成に用いた。これは、無色の固体として得られた。
【0088】
実施例12:2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−フェニル)フェニル−α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレンの調製
10mlのTHF中の2.0mmolの−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−フェニル)フェニル−α,α’−ジアセトキシ−p−キシレンの溶液を0.2gの水素化アルミニウムリチウム及び60mlのTHFが入った100mlの丸底フラスコに滴下し、1時間攪拌して、続いて、白色固体が現れるまでゆっくり飽和硫酸ナトリウム溶液を加えて反応を停止した。固体を濾過し、濾液を水及び食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去した後、0.92gの白色固体生成物を得て(収率100%)、さらに精製せずに次の工程の合成に用いた。これは、無色の固体として得られた。
【0089】
実施例13:2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−メトキシ−フェニル)フェニル−α,α’-ジクロロ−p−キシレンの調製
10mlの丸底フラスコ中、2.0mmolの2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−メトキシ−フェニル)フェニル−α,α’-ジヒドロキシ−p−キシレン及び5mlの塩化チオニルを50℃で3時間攪拌した。反応が完了した上で、混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を除去して、茶色油状物を得た。残渣を溶出液としてヘキサン:塩化メチレン(5:1)を用いてカラムクロマトグラフィーで精製して、0.49gの無色の固体(46%)を得た。NMR (ppm) (400 MHz, CDCl3): δ 7.423 (d, 1H), 7.301 (d, 1H), 7.161 (s, 1H), 6.980 (s, 1H), 6.958 (s, 2H), 6.918 (s, 1H), 6.721 (d, 2H), 4.526 (m, 2H), 4.363 (d, 1H), 4.219 (d, 1H) 4.113-4.070 (m, 4H), 3.746 (s, 3H), 1.906-1.752 (m, 6H), 1.018 -0.981 (t, 12H)
【0090】
実施例14:2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−トリフルオロメチル−フェニル)フェニル−α,α’−ジクロロ−p−キシレンの調製
10mlの丸底フラスコ中、2.0mmolの2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−トリフルオロメチル−フェニル)フェニル−α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン及び5mlの塩化チオニルを50℃で3時間攪拌した。反応が完了した上で、混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を除去して、茶色油状物を得た。残渣を溶出液としてヘキサン:塩化メチレン(5:1)を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.48gの無色の固体(42%)を得た。NMR (ppm) (400 MHz, CDCl3): δ 7.446-7.421 (m, 3H), 7.319-7.296 (m, 1H), 7.189 (d, 2H), 7.084 (s, 1H), 6.973 (d, 2H), 4.501-4.424 (m, 2H), 4.395-4.305 (m, 2H), 4.142-4.087 (m, 4H), 1.929-1.747 (m, 6H), 1.024 -0.987 (t, 12H)
【0091】
実施例15:2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−フルオロ−フェニル)フェニル−α,α’−ジクロロ−p−キシレンの調製
10mlの丸底フラスコ中、2.0mmolの2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−フルオロ−フェニル)フェニル−α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン及び5mlの塩化チオニルを50℃で3時間攪拌した。反応が完了した上で、混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を除去し、茶色油状物を得た。残渣を溶出液としてヘキサン:塩化メチレン(5:1)を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.62gの無色の固体(60%)を得た。NMR (ppm) (400 MHz, CDCl3): δ 7.432 (d, 1H), 7.309 (d, 1H), 7.116 (s, 1H), 7.036-7.001 (t, 2H) 6.949-6.933 (d, 2H), 6.884 - 6.841 (t, 2H), 4.535 (m, 2H), 4.371 (d, 1H), 4.282 (d, 1H) 4.138-4.076 (m, 4H), 1.930-1.756 (m, 6H), 1.024 - 0.985 (t, 12H)
【0092】
実施例16:2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−フェニル)フェニル−α,α’−ジクロロ−p−キシレンの調製
10mlの丸底フラスコ中、2.0mmolの2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−フェニル)フェニル−α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン及び5mlの塩化チオニルを50℃で3時間攪拌した。反応が完了した上で、混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を除去し、茶色油状物を得た。残渣を溶出液としてヘキサン:塩化メチレン(5:1)を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.60gの無色の固体(60%)を得た。NMR (ppm) (400 MHz, CDCl3): δ 7.417 (d, 1H), 7.303 (d, 1H), 7.174-7.145 (m, 4H), 7.067-7.048 (t, 2H) 6.994 (s, 1H), 6.947 (s, 1H), 4.501 (m, 2H), 4.386 (d, 1H), 4.357 (d, 1H) 4.142-4.084 (m, 4H), 1.912-1.743 (m, 6H), 1.023 -0.988 (t, 12H)
【0093】
実施例17:2,7−ジアセトキシメチル−9,9−ジヘキシル−フルオレンの調製
3.32g(10mmol)の9,9−ジヘキシル−フルオレン及び0.9gのパラホルムアルデヒドを30mlの酢酸中のHBr(48%)と2時間還流し、続いて溶液を室温に冷却し、300mlの水に注いだ。炭酸ナトリウムで中和した後、溶液をヘキサンで抽出し、有機層を水と食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。粗製の生成物を、8gの無水酢酸カリウム及び10mlの氷酢酸と混合して、終夜で加熱還流した。冷却後、混合物をジクロロメタンと水との間に分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を除去して、無色油状物を得た。ヘキサン:CHCH(6:1)で溶出したシリカゲルカラム精製の後、3.02gの純粋な2,7−ジアセトキシメチル−9,9−ジヘキシル−フルオレン(収率63%)を得た。
【0094】
実施例18:2,7−ジクロロメチル−9,9−ジヘキシル−フルオレンの調製
20mlのTHF中の2.0gの2,7−ジアセトキシメチル−9,9−ジヘキシル−フルオレン(4.22mmol)の溶液を0.5gの水素化アルミニウムリチウム及び80mlのTHFが入った150mlの丸底フラスコに加えた。混合物を1時間攪拌し、次いで飽和硫酸ナトリウム溶液によって白色固体が現れるまでゆっくり反応を停止した(quenched)。固体を濾過し、濾液を水及び食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒の除去後、白色固体残渣を10mlの塩化チオニルと室温で2時間攪拌した。反応が完了した上で、混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルと水との間に分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を除去して、茶色油状物を得た。残渣を溶出液としてヘキサン:塩化メチレン(5:1)を用いてシリカゲルでクロマトグラフィーで分離して、1.46gの無色の純粋な2,7−ジクロロメチル−9,9−ジヘキシル−フルオレン(収率81%)を得た。
【0095】
実施例19:ポリ[2−(2’−p−メトキシフェニル−4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ))フェニル−1,4−フェニレンビニレン](ポリマー1)の調製
15mlの無水THF中の2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−メトキシフェニル)フェニル−α,α’−ジクロロ−p−キシレン(0.8mmol)の溶液に、8mlの無水THF中の0.48mlの1Mのカリウムtert−ブトキシド溶液を室温で24時間攪拌しながら加え、その後、2mlのTHF中の0.1gの4−(tert−ブチル)ベンジルクロリドを、一度に(in one portion)加えた。さらに6時間攪拌後、混合物をメタノールに加え、得られた黄色沈殿を濾過して集めた。ポリマーをトルエン中に溶解し、メタノールと水(V:V=7:1)の混合溶媒から3回再び沈殿させた(reprecipitated)。集められたポリマーをメタノール続いてアセトンを用いてソックスレー抽出器で抽出した。0.182gの明るい黄色のポリマーを50%の収率で得た。NMR (ppm) (400 MHz, CDCl3): δ 7.50 - 6.662 (11H), 4.114-4.075 (4H), 3.719 (3H), 1.895-1.770 (6H), 1.017-0.966 (12H)
【0096】
実施例20:ポリ[2−(2’−p−トリフルオロメチル−フェニル−4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ))フェニル−1,4−フェニレンビニレン](ポリマー2)の調製
15mlの無水THF中の2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−トリフルオロメチルフェニル)フェニル−α,α’−ジクロロ−p−キシレン(0.8mmol)の溶液に、8mlの無水THF中の0.48mlの1Mのカリウムtert−ブトキシドの溶液を室温で24時間攪拌しながら加え、その後、2mlのTHF中の0.1gの4−(tert−ブチル)ベンジルクロリドを、一度に(in one portion)加えた。さらに6時間攪拌後、混合物をメタノールに加え、得られた黄色沈殿を濾過して集めた。ポリマーをトルエン中に溶解し、メタノールと水(V:V=7:1)の混合溶媒から3回再び沈殿させた(reprecipitated)。集められたポリマーをメタノール続いてアセトンを用いてソックスレー抽出器で抽出した。0.160gの明るい黄色のポリマーを41%の収率で得た。NMR (ppm) (400 MHz, CDCl3): δ 7.383-6.950 (11H), 4.118 (4H), 1.899-1.791 (6H), 1.022-0.981 (12H)
【0097】
実施例21:ポリ[2−(2’−p−フルオロフェニル−4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ))フェニル−1,4−フェニレンビニレン](ポリマー3)の調製
2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−p−フルオロフェニル)フェニル−α,α’−ジクロロ−p−キシレン(0.8mmol)の15mlの無水THF中の溶液に、8mlの無水THF中の0.48mlの1Mのカリウムtert−ブトキシドの溶液を室温で24時間攪拌しながら加え、その後、2mlのTHF中の0.1gの4−(tert−ブチル)ベンジルクロリドを、一度に(in one portion)加えた。さらに6時間攪拌後、混合物をメタノールに加え、得られた黄色沈殿を濾過して集めた。ポリマーをトルエン中に溶解し、メタノールと水(7:1)の混合溶媒から3回再び沈殿させた(reprecipitated)。集められたポリマーをメタノール続いてアセトンを用いてソックスレー抽出器で抽出した。0.180gの明るい黄色のポリマーを51%の収率で得た。 NMR (ppm) (400 MHz, CDCl3): δ 7.500- 6.964 (11H), 4.135 (4H), 1.890-1.791 (6H), 1.021-0.975 (12H)
【0098】
実施例22:ポリ[2−(2’−フェニル−4’,5’−ビス(2”−メチルブトキシ))フェニル−1,4−フェニレンビニレン](ポリマー4)の調製
15mlの無水THF中の2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−フェニル)フェニル−α,α’−ジクロロ−p−キシレン(0.8mmol)の溶液に、8mlの無水THF中の0.48mlの1Mのカリウムtert−ブトキシドの溶液を室温で24時間攪拌しながら加え、その後、2mlのTHF中の0.1gの4−(tert−ブチル)ベンジルクロリドを、一度に(in one portion)加えた。さらに6時間攪拌後、混合物をメタノールに加え、得られた黄色沈殿を濾過して集めた。ポリマーをトルエン中に溶解し、メタノールと水(V:V=7:1)の混合溶媒から3回再び沈殿させた(reprecipitated)。集められたポリマーをメタノール続いてアセトンを用いてソックスレー抽出器で抽出した。0.188gの明るい黄色のポリマーを55%の収率で得た。NMR (ppm) (400 MHz, CDCl3): δ 7.500-6.80 (12H), 4.180 (4H), 1.890-1,791 (6H), 1.018-0.975 (12H)
【0099】
実施例23:ポリ[2−(2’−フェニル−4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ))フェニル−1,4−フェニレンビニレン−co−9,9−ジヘキシル−2,7−フルオレニレンビニレン](ポリマー5)の調製
20mlの無水THF中の2−(4’,5’−ビス(3”−メチルブトキシ)−2’−フェニル)フェニル−α,α’-ジクロロ−p−キシレン(0.40g、0.8mmol)および0.085gの2,7−ジクロロメチル−9,9−ジヘキシルフルオレン(0.2mmol)の溶液に、10mlの無水THF中の6.0mlの1Mのカリウムtert−ブトキシドの溶液を室温で24時間攪拌しながら加え、その後、2mlのTHF中の0.1gの4−(tert−ブチル)ベンジルクロリドを、一度に(in one portion)加えた。さらに6時間攪拌後、反応混合物をメタノール中で沈殿させた。得られた黄色沈殿を濾過して集め、トルエン中に溶解し、メタノールと水(V:V=7:1)の混合溶媒から3回再び沈殿させた(reprecipitated)。集められたポリマーをメタノール続いてアセトンを用いてソックスレー抽出器で抽出した。0.22gの明るい黄色のポリマーを53%の収率で得た。NMR (ppm) (400 MHz, CDCl3) 7.530-6.60 (13 H), 4.150 (4H), 1.925-1.787 (7H) 1.278-0.972 (18H)
【0100】
実施例24:ポリマー1からの電界発光デバイスの調製
ポリ(スチレンスルホン酸)でドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT:PSS)の第一層(first layer)を、パターン化されたITOコーティングのガラス基板(glass support)上にスピンコートし(spin-coated)、約50nmの厚みの正孔注入層(hole injection layer)を形成した。オーブン中で80℃で12時間乾燥後、トルエン中に溶解したポリマー1(5mg/ml)を、第一層(first layer)上にスピンコートして、約80nmの厚みの発光層を形成した。該ポリマー層上、0.5nmのLiF、20nmのCa及び150nmのAgを、それぞれ真空蒸着した。得られた有機電界発光デバイスの、ELスペクトル、電流−電圧−輝度及び発光効率を試験した。ポリマー1は、508nmの最大発光波長及び542nmのサイドピークで緑色の光を放った(図9)。該ターンオン電界(turn-on electric field)は、28MV/mと判明した。該最大輝度及び電流効率は、2694cd/m及び5.1cd/Aであった。
【0101】
実施例25:ポリマー2からの電界発光デバイスの調製
ポリ(スチレンスルホン酸)でドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT:PSS)の第一層(first layer)を、パターン化されたITOコーティングのガラス基板(glass support)上にスピンコートし(spin-coated)、約50nmの厚みの正孔注入層(hole injection layer)を形成した。オーブン中で80℃で12時間乾燥後、トルエン中に溶解したポリマー2(5mg/ml)を、第一層(first layer)にスピンコートして、約80nmの厚みの発光層を形成した。ポリマー層上、0.5nmのLiF、20nmのCa及び150nmのAgを、それぞれ真空蒸着した。得られた該有機電界発光デバイスの、ELスペクトル、電流−電圧−輝度及び発光効率を試験した。ポリマー2は、505nmの最大発光波長及び539nmのサイドピークで緑色の光を放った。該ターンオン電界は、34MV/mと判明した。該最大輝度及び電流効率は、1144cd/m及び4.6cd/Aであった。
【0102】
実施例26:ポリマー3からの電界発光デバイスの調製
ポリ(スチレンスルホン酸)でドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT:PSS)の第一層(first layer)を、パターン化されたITOコーティングのガラス基板(glass support)上にスピンコートし(spin-coated)、約50nmの厚みの正孔注入層(hole injection layer)を形成した。オーブン中で80℃で12時間乾燥後、トルエン中に溶解したポリマー3(5mg/ml)を、第一層(first layer)にスピンコートして、約80nmの厚みの発光層を形成した。ポリマー層上、0.5nmのLiF、20nmのCa及び150nmのAgを、それぞれ真空蒸着した。得られた該有機電界発光デバイスの、ELスペクトル、電流−電圧−輝度及び発光効率を試験した。ポリマー3は、507nmの最大発光波長及び540nmのサイドピークで緑色の光を放った。該ターンオン電界は、32MV/mと判明した。該最大輝度及び電流効率は、1437cd/m及び4.7cd/Aであった。
【0103】
実施例27:ポリマー4からの電界発光デバイスの調製
ポリ(スチレンスルホン酸)でドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT:PSS)の第一層(first layer)を、パターン化されたITOコーティングのガラス基板(glass support)上にスピンコートし(spin-coated)、約50nmの厚みの正孔注入層(hole injection layer)を形成した。オーブン中で80℃で12時間乾燥後、トルエン中に溶解したポリマー4を、第一層(first layer)にスピンコートして、約80nmの厚みの発光層を形成した。ポリマー層上、0.5nmのLiF、20nmのCa及び150nmのAgを、それぞれ真空蒸着した。得られた該有機電界発光デバイスの、ELスペクトル、電流−電圧−輝度及び発光効率を試験した。ポリマー4は、503nmの最大発光波長及び540nmのサイドピークで緑色の光を放った。該ターンオン電界は、34MV/mと判明した。該最大輝度及び電流効率は、450cd/m及び1.3cd/Aであった。
【0104】
実施例28:ポリマー5からの電界発光デバイスの調製
ポリ(スチレンスルホン酸)でドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT:PSS)の第一層(first layer)を、パターン化されたITOコーティングのガラス基板(glass support)上にスピンコートし(spin-coated)、約50nmの厚みの正孔注入層(hole injection layer)を形成した。オーブン中で80℃で12時間乾燥後、トルエン中に溶解したポリマー5を、第一層(first layer)にスピンコートして、約80nmの厚みの発光層を形成した。ポリマー層上、0.5nmのLiF、20nmのCa及び150nmのAgを、それぞれ真空蒸着した。得られた該有機電界発光デバイスの、ELスペクトル、電流−電圧−輝度及び発光効率を試験した.該ターンオン電界は、20MV/mと判明した。該最大輝度及び電流効率は、1490cd/m及び2.3cd/Aであった。
【図面の簡単な説明】
【0105】
図において、単なる例示の方法によって、本発明の態様を示し:
【図1】図1は、ポリマー1及びポリマー4のHNMRスペクトルを示し;
【図2】図2は、トルエンからのスピンコーティング(spin coating)によって調製されたフィルムポリマー1(図1a)及びポリマー4(図1b)の光学顕微鏡写真を図示する。
【図3】図3は、ホモポリマーの調製スキームを示し;
【図4】図4は、統計共重合体の調製スキームを示し;
【図5】図5は、2つの電界発光デバイスの概略図を図示する。図5Aは、一層基板(support)/アノード/ポリマー/カソードデバイスを図示し、図5Bは、基板(support)/アノード/正孔注入層(hole injecting layer)/ポリマー/電子注入層(electron injecting layer)/電子トンネリング層(electron tunneling layer)/カソード 電界発光デバイスを図示する。
【図6】図6は、ITO/PEDOT:PSS/ポリマー/LiF/Ca/AgのデバイスのI−Vプロットを示し;
【図7】図7は、ITO/PEDOT:PSS/ポリマー/LiF/Ca/AgのデバイスのV−Lプロットを示し;
【図8】図8は、ITO/PEDOT:PSS/ポリマー/LiF/Ca/Agのデバイスの電流効率対、電流密度プロットを示し;
【図9】図9は、ポリマー1(P1)、ポリマー2(P2)、ポリマー3(P3)及びポリマー4(P4)を含む実施例24のITO/PEDOT:PSS/ポリマー/LiF/Ca/Agデバイスの電界発光スペクトルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】


[式中、
、R及びRは、独立して、H、ハロゲン、シアノ、置換されているか若しくは置換されていないアルキル、置換されているか若しくは置換されていないアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないアルキルチオ、置換されているか若しくは置換されていないアルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないアルケニル、置換されているか若しくは置換されていないアルキニル、置換されているか若しくは置換されていないアリール、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリール、置換されているか若しくは置換されていないアリールアミノ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールアミノ、置換されているか若しくは置換されていないアリールオキシ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールオキシ、置換されているか若しくは置換されていないアリールチオ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールチオ、置換されているか若しくは置換されていないアラルキル、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアラルキル、置換されているか若しくは置換されていないアルキルシリル、置換されているか若しくは置換されていないアルキルゲルミル、から選ばれ、該アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ヘテロアルキル基は、1乃至30個の炭素原子、好ましくは、1乃至18個の炭素原子を有し、該アルケニル及びアルキニル基は、2乃至30個の炭素、好ましくは、2乃至18個の炭素原子の鎖長を有し;該アリール、アリールチオ、アリールオキシは、6乃至60個の、好ましくは、6乃至30個の炭素原子を有し、該アリールアミノは、6乃至180個の炭素原子、好ましくは、6乃至120個の炭素原子を有し、該ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオは、3乃至120個の、好ましくは、3乃至60個の炭素原子を有し、かつ該ヘテロアリールアミノ基は、3乃至180個の炭素原子、好ましくは、3乃至120個の炭素原子を有し;
は、独立して、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルキル、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルキルチオ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C90)アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C60)アリール(例えば、ジアリールアミノフェニル、ジアリールトリアジニルフェニル、ジアルキルフルオレニル、ジアリールフルオレニル、スピロビフルオレニル及びシルセスキオキサニル(silsesquioxanyl))から選ばれ;
Arは、独立して、置換されているか若しくは置換されていないアリール及び置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリール(フェニル、ナフチル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、ピリジル、チアゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、フルオレニル、インデノフルオレニル、スピロビフルオレニル、カルバゾリル、インデノカルバゾリル、フェノキサチエニル(phenoxathinyl)、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、キノリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、フタラジニル、チアゾリル、ジベンゾフラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズオキサゾリル、ジベンゾチオフェニル、及びアントラセニルを含む)から選ばれ;
Arは、独立して、置換されているか若しくは置換されていないアリーレン及び置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリーレン(フェニレン、チエニレン、フルオレニレン、スピロビフルオレニレン、インデノフルオレニレン、ピリジレン、ビピリジレン、カルバゾイレン、インデノカルバゾリレン、ベンゾチアゾリレン、オキサジアゾリレン、ピリレン、フリレン、及び1個以上のアルキル、若しくはアルコキシ、若しくはアルケニル、若しくはアルキニル、若しくはアルキルチオ、若しくはアルキルアミノ、若しくはアリールアミノ、若しくはヘテロアリールアミノ、若しくはアリールオキシ、若しくはヘテロアリールオキシ、若しくはアリールチオ、若しくはヘテロアリールチオ若しくはハロゲン、若しくはシアノ置換基を有するこれらの基を含む)から選ばれ;
m及びnは、独立して、0又は1であり、それぞれのpに対し、m及びnの少なくとも1つは1であり、かつpの少なくとも1つに対し、mは1であり;かつ
pは、10乃至2000である;
(n=0、Ar=フェニル、R=5’(2’’エチルヘキシルオキシ)かつR=4’(2’’エチルヘキシルオキシ)である共役ポリマーを除く)]を有する共役ポリマー。
【請求項2】
一般式II
【化2】


[式中、
Xは、S、NH、NR、O又はSiRから選ばれ;
、R、R、R、及びRは、独立して、H、ハロゲン、シアノ、置換されているか若しくは置換されていないアルキル、置換されているか若しくは置換されていないアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないアルキルチオ、置換されているか若しくは置換されていないアルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないアルケニル、置換されているか若しくは置換されていないアルキニル、置換されているか若しくは置換されていないアリール、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリール、置換されているか若しくは置換されていないアリールアミノ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールアミノ、置換されているか若しくは置換されていないアリールオキシ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールオキシ、置換されているか若しくは置換されていないアリールチオ、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリールチオ、置換されているか若しくは置換されていないアラルキル、置換されているか若しくは置換されていないヘテロアラルキル、置換されているか若しくは置換されていないアルキルシリル、置換されているか若しくは置換されていないアルキルゲルミル、から選ばれ、該アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ヘテロアルキル基は、1乃至30個の炭素原子、好ましくは、1乃至18個の炭素原子を有し、該アルケニル及びアルキニル基は、2乃至30個の炭素、好ましくは、2乃至18個の炭素原子の鎖長を有し;該アリール、アリールチオ、アリールオキシは、6乃至60個の、好ましくは、6乃至30個の炭素原子を有し、該アリールアミノは、6乃至180個の炭素原子、好ましくは、6乃至120個の炭素原子を有し、該ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオは、3乃至120個の、好ましくは、3乃至60個の炭素原子を有し、かつ該ヘテロアリールアミノ基は、3乃至180個の炭素原子、好ましくは、3乃至120個の炭素原子を有し;
は、独立して、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルキル、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルコキシ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C30)アルキルチオ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C90)アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていない(C−C60)アリール(例えば、ジアリールアミノフェニル、ジアリールトリアジニルフェニル、ジアルキルフルオレニル、ジアリールフルオレニル、スピロビフルオレニル及びシルセスキオキサニル(silsesquioxanyl))から選ばれ;
Arは、独立して、置換されているか若しくは置換されていないアリール及び置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリール(フェニル、ナフチル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、ピリジル、チアゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、フルオレニル、インデノフルオレニル、スピロビフルオレニル、カルバゾリル、インデノカルバゾリル、フェノキサチエニル(phenoxathinyl)、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、キノリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、フタラジニル、チアゾリル、ジベンゾフラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズオキサゾリル、ジベンゾチオフェニル、及びアントラセニルを含む)から選ばれ;
Arは、独立して、置換されているか若しくは置換されていないアリーレン及び置換されているか若しくは置換されていないヘテロアリーレン(フェニレン、チエニレン、ピリレン、フリレン、フルオレニレン、スピロビフルオレニレン、インデノフルオレニレン、ピリジレン、ビピリジレン、カルバゾイレン、インデノカルバゾリレン、ベンゾチアゾリレン、オキサジアゾリレン、ピリレン、フリレン、及び1個以上のアルキル、若しくはアルコキシ、若しくはアルケニル、若しくはアルキニル、若しくはアルキルチオ、若しくはアルキルアミノ、若しくはアリールアミノ、若しくはヘテロアリールアミノ、若しくはアリールオキシ、若しくはヘテロアリールオキシ、若しくはアリールチオ、若しくはヘテロアリールチオ若しくはハロゲン、若しくはシアノ置換基を有するこれらの基を含む)から選ばれ;
m及びnは、独立して、0又は1であり、それぞれのpに対し、m及びnの少なくとも1つは1であり、かつpの少なくとも1つに対し、mは1であり;かつ
pは、10乃至2000である]を有する共役ポリマー。
【請求項3】
少なくとも1つのmについて、Ar及びRがさらに互いに共有結合して、ヘテロ原子を任意に含んでいてもよい、置換されているか若しくは置換されていない6員芳香環、置換されているか若しくは置換されていない5員ヘテロ芳香環、置換されているか若しくは置換されていない飽和環又は置換されているか若しくは置換されていない不飽和環を形成する、請求項1又は請求項2の共役ポリマー。
【請求項4】
Arがフェニル、p−メトキシフェニル、p−フルオロフェニル、又はp−トリフルオロメチルフェニルである、請求項1又は請求項2の共役ポリマー。
【請求項5】
ポリ[2−(2’−p−メトキシフェニル−4’5’−ビス(3’’−メチルブトキシ))フェニル−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−(2’−p−トリフルオロメチル−フェニル−4’5’−ビス(3’’−メチルブトキシ))フェニル−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−(2’−p−フルオロフェニル−4’5’−ビス(3’’−メチルブトキシ))フェニル−1,4−フェニレンビニレン]、又はポリ[2−(2’−フェニル−4’5’−ビス(3’’−メチルブトキシ))フェニル−1,4−フェニレンビニレン]である、請求項1の共役ポリマー。
【請求項6】
少なくとも1つのnで、Arが9,9−ジヘキシル−2,7−フルオレニレンビニレンである、請求項1乃至4のいずれか1つの共役ポリマー。
【請求項7】
ポリ[2−(2’−フェニル−4’5’−ビス(3’’−メチルブトキシ))フェニル−1,4−フェニレンビニレン−co−9,9−ジヘキシル−2,7−フルオレニレンビニレン]である、請求項1の共役ポリマー。
【請求項8】
緑色の光(green light)のルミネセンスを示す(luminesces)、請求項1乃至5のいずれか1つの共役ポリマー。
【請求項9】
電界発光を示す、請求項8の共役ポリマー。
【請求項10】
室温で有機溶媒に可溶である、請求項1乃至9のいずれか1つの共役ポリマー。
【請求項11】
有機溶媒がテトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、クロロホルム、メシチレン又はそれらの混合物である、請求項10の共役ポリマー。
【請求項12】
脱ハロゲン化縮合反応によりPPVモノマー誘導体を重合する工程を含む、請求項1の共役ポリマーの製造方法。
【請求項13】
該PPVモノマー誘導体の重合の工程がPPVモノマー誘導体に非求核性塩基(non-nucleophilic base)を加えることを含む、請求項12の方法。
【請求項14】
非求核性塩基(non-nucleophilic base)がtert−ブトキシドである、請求項13の方法。
【請求項15】
該重合がテトラヒドロフランと同等かそれ以上の極性を有する溶媒中で行われる、請求項12乃至14のいずれか1つの方法。
【請求項16】
該溶媒がテトラヒドロフランである、請求項15の方法。
【請求項17】
ウィッティヒ反応によりPPVモノマー誘導体を重合する工程を含む、請求項1の共役ポリマーの製造方法。
【請求項18】
脱ハロゲン化縮合反応によってヘテロアリールモノマー誘導体を重合する工程を含む、請求項2の共役ポリマーの製造方法。
【請求項19】
ヘテロアリールモノマー誘導体の重合の工程がヘテロアリールモノマー誘導体に非求核性塩基(non-nucleophilic base)を加えることを含む、請求項18の方法。
【請求項20】
非求核性塩基(non-nucleophilic base)がtert−ブトキシドである、請求項19の方法。
【請求項21】
該重合がテトラヒドロフランと同等かそれ以上の極性を有する溶媒中で行われる、請求項18乃至20のいずれか1つの方法。
【請求項22】
該溶媒がテトラヒドロフランである、請求項21の方法。
【請求項23】
該ヘテロアリールモノマー誘導体がチエニル基を含む、請求項18乃至22のいずれか1つの方法。
【請求項24】
ウィッテッヒ反応によりヘテロアリールモノマー誘導体を重合する工程を含む、請求項2の共役ポリマーの製造方法。
【請求項25】
請求項1乃至11のいずれか1つの共役ポリマーを含む、フィルム。
【請求項26】
約30nm乃至約200nmの厚みを有する、請求項25のフィルム。
【請求項27】
約60nm乃至約150nmの厚みを有する、請求項25のフィルム。
【請求項28】
約60乃至約120nmの厚みを有する、請求項25のフィルム。
【請求項29】
請求項1乃至11のいずれか1つのポリマーを含む発光層を含む、電界発光デバイス。
【請求項30】
該ポリマーがポリ[2−(2’−p−メトキシフェニル−4’5’−ビス(3’’−メチルブトキシ))フェニル−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−(2’−p−トリフルオロメチル−フェニル−4’5’−ビス(3’’−メチルブトキシ))フェニル−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−(2’−p−フルオロフェニル−4’5’−ビス(3’’−メチルブトキシ))フェニル−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−(2’−フェニル−4’5’−ビス(3’’−メチルブトキシ))フェニル−1,4−フェニレンビニレン]、又はポリ[2−(2’−フェニル−4’5’−ビス(3’’−メチルブトキシ))フェニル−1,4−フェニレンビニレン−co−9,9−ジヘキシル−2,7−フルオレニレンビニレン]である、請求項29の電界発光デバイス。
【請求項31】
該発光層がフィルムである、請求項29又は請求項30の電界発光デバイス。
【請求項32】
該フィルムが約30nm乃至約200nmの厚みを有する、請求項31の電界発光デバイス。
【請求項33】
フィルムが約60nm乃至約150nmの厚みを有する、請求項31の電界発光デバイス。
【請求項34】
フィルムが約60nm乃至約120nmの厚みを有する、請求項31の電界発光デバイス。
【請求項35】
アノード及びカソードをさらに含む、請求項30乃至34のいずれか1つの電界発光デバイス。
【請求項36】
該カソードがバリウム、カルシウム、マグネシウム、インジウム、アルミニウム、イッテルビウム、マグネシウム:銀合金、又はアルミニウム:リチウム合金である、請求項35の電界発光デバイス。
【請求項37】
さらに該発光層とアノードの間に、正孔注入層(hole injection layer)を含む、請求項35又は請求項36の電界発光デバイス。
【請求項38】
該正孔注入層(hole injection layer)がPEDOT:PSS、ポリアニリン、芳香族第3級アミン、ポリビニルカルバゾール、キナクリドン、ポルフィリン又はフタロシアニンである、請求項37の電界発光デバイス。
【請求項39】
さらに該発光層と該カソードの間に電子注入層(electron injection layer)を含む、請求項35乃至38のいずれか1つの電界発光デバイス。
【請求項40】
該アノードが透明(transparent)、半透明(semi-transparent)又は半透明(translucent)である、請求項35乃至39のいずれか1つの電界発光デバイス。
【請求項41】
該透明(transparent)、半透明(semitransparent)又は半透明(translucent)のアノードがインジウムスズ酸化物(indiumtinoxide)である、請求項40の電界発光デバイス。
【請求項42】
さらに該電子注入層(electron injection layer)と該カソードの間に電子トンネリング層(electron tunneling layer)を含む、請求項39乃至41のいずれか1つの電界発光デバイス。
【請求項43】
該電子トンネリング層(electron tunneling layer)がLiF、パリレン又はMgFを含む、請求項42の電界発光デバイス。
【請求項44】
該正孔注入層(hole injection layer)がPEDOT:PSSであって、該電子トンネリング層(electron tunneling layer)がLiFであって、かつ該カソードがカルシウムである、請求項43の電界発光デバイス。
【請求項45】
さらに電子輸送層(electron transporting layer)を含む、請求項35乃至44のいずれか1つの電界発光デバイス。
【請求項46】
該電子輸送層(electron transporting layer)が、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(aluminum tris(8-hydroxyquinoline))、2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4,オキサジアゾール又は2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス−[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール]を含む、請求項45の電界発光デバイス。
【請求項47】
少なくとも1つの該カソード及び該アノードが基板(support)上に配置されている、請求項35乃至46のいずれか1つの電界発光デバイス。
【請求項48】
該基板(support)が、透明(transparent)、半透明(semi-transparent)又は半透明(translucent)である、請求項47の電界発光デバイス。
【請求項49】
該基板(support)が柔軟である、請求項47又は48の電界発光デバイス。
【請求項50】
1個以上の電界発光ポリマーを含む該発光層が溶液コーティング(solution coating)によって調製される、請求項29乃至49のいずれか1つの電界発光デバイス。
【請求項51】
該溶液コーティング(solution coating)がスピンコーティング(spin coating)、流延(casting)、マイクログラビアコーティング(microgravure coating)、グラビアコーティング(gravure coating)、バーコーティング(bar coating)、ロールコーティング(roll coating)、ワイヤーバーコーティング(wire bar coating)、ディップコーティング(dip coating)、スプレーコーティング(spray coating)、スクリーン印刷(screen printing)、フレキソ印刷(flexo printing)、オフセット印刷(offset printing)又はインクジェット印刷(inkjet printing)を含む、請求項50の電界発光デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−518078(P2008−518078A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538868(P2007−538868)
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【国際出願番号】PCT/SG2004/000359
【国際公開番号】WO2006/049579
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(507140829)エージェンシー フォー サイエンス、テクノロジー アンド リサーチ (7)
【Fターム(参考)】