説明

マイクロエレクトロニクス部品用パッケージ及びその製造方法

導体線(14)を具える第一側部(16)を有するキャリヤ素子(12)と、第一の表面(24)及び該第一表面から見て外方の第二の表面(23)を有するマイクロエレクトロニクス部品(20)で、前記第二表面で第一側部に搭載され、ボンディングワイヤ(28)を介して前記導体線に接続された前記マイクロエレクトロニクス部品と、前記ボンディングワイヤを封入し、前記第一表面(24)の中央領域(40)をさらす重合性封入材料(30)で、前記第一側部に外端(36)及び前記第一表面に内端(38)を有する前記封入材料と、該封入材料に接する障壁(42,44)とを備えるマイクロエレクトロニクス部品パッケージ(50,70)であって、前記障壁(44)が前記第一側部(16)で階段状表面移行部(46)を有し、該移行部が前記外端に接することを特徴とする。障壁(44)は、封入材料(30)の製造時に、外端(36)及び内端(38)の形成に影響を与え、中央領域(40)の面積を拡大する。本発明は、かかるマイクロエレクトロニクス部品用パッケージの製造方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導体線を有するキャリヤ素子と、該キャリヤ素子に搭載し、ボンディングワイヤを介して前記導体線に接続したマイクロエレクトロニクス部品と、前記ボンディングワイヤを封入し、マイクロエレクトロニクス部品の上面の中央領域を露出する封入材料とをマイクロエレクトロニクス部品用パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
かかるマイクロエレクトロニクス部品用パッケージは、一般に知られている。次に、本発明への導入を示す従来技術で既知のパッケージの二つの一般的な設計を述べる。これらの設計を図1及び図2に示し、ここで同一参照番号は同じ又は同様の部品を示す。図1は、マイクロエレクトロニクス部品用パッケージの概略断面図を示す。パッケージ10は、導体線14からなる第一側部16を有するキャリヤ素子12を具える。マイクロエレクトロニクス部品20を、接着剤22、通常電気的および/または熱的に伝導性の接着剤によって基板のダイパッド18に搭載する。ここで、ダイパッドは金の上層を備えるのが好ましく、ヒートシンク且つ接地領域として作用することができる。一般に、マイクロエレクトロニクス部品及びダイパッドは、四角形、さらには正方形を有する。マイクロエレクトロニクス部品20は、第一の表面24と、該第一表面から見て外方に向く第二の表面23を有する。これを、その第二表面23でキャリヤ素子12の第一側部16に接続する。マイクロエレクトロニクス部品20は、接点端子26、すなわち図面に図式的に示した結合パッドを備える。接点端子26を対応する導体線14に、一端を導体線14に付着し、かつ他端をマイクロエレクトロニクス部品20に付着したそれぞれのボンディングワイヤ28、例えば細い金線を経て接続する。導体線は、マイクロエレクトロニクスデバイスとして機能する完全なパッケージ用の入力および/または出力端子を供与して、入力信号または出力信号を受信または送信する。かかるボンディングワイヤを付着する方法それ自体は既知であるので、該方法をここでより詳細に説明することは必要でない。
【0003】
ソルダーレジスト層のような外層32はキャリヤ素子12の導体線14の一部を覆い、ここで該層32が第一側部16で接続領域34を決定する。該接続領域34を用いてマイクロエレクトロニクスデバイスを外界に接続する。例えば、この領域34を、他の電子デバイスまたは部品のコネクタ又は端子にソルダー付け若しくは接続することができる。このような接続も一般に既知で、ここで更なる説明を必要としない。
【0004】
キャリヤ素子12、マイクロエレクトロニクス部品20及びボンディングワイヤ28の組立体を、封入材料30によって部分的に封入する。一般に、この封入材料は、ある種の射出装置によってそれぞれの領域上に射出された高分子材料からなる。通常、エポキシ系材料を用い、射出後硬化してマイクロエレクトロニクス部品の周辺でエポキシ材料のクローズドループを形成する。射出装置を第一側部及び第一表面それぞれの直上に位置決めし、エポキシ材料を分配しながら所望のパターンで移動し、硬化後のエポキシ材料が上述のループになる。従来技術においては、封入材料30をトップグロブ材料またはグロブトップリングと時々呼ぶ。硬化後、封入材料30は、第一側部16での外縁36及び第一面24での内縁38をそれぞれ決定する。
【0005】
内縁38は、マイクロエレクトロニクス部品の露出中央領域40を決定する。多くの異なったタイプのマイクロエレクトロニクスデバイスは、周囲環境に敏感な又は活性な領域を露出する開口を封入プラスチックパッケージ内に必要とする。第一の例は、移動、回転等を可能にすべき独立構造を有するエアバッグアクセロメータ及びジャイロスコープデバイスのようなマイクロ電気機械システム(MEMS)である。同様に、化学的に敏感、若しくは圧力に敏感または温度に敏感な領域を有するマイクロセンサーは、自由に露出されるセンサーの表面上の領域によって環境に露出させなければならない。最後に、光学活性のマイクロエレクトロニクスデバイスは、プラスチックパッケージ内の開口領域または露出領域を介した光学アクセスを必要とする。光学活性なデバイスの例は、電荷結合素子(CCD)、光電池、フォトダイオード及び縦型空洞表面放出レーザー(VCSEL)である。これらデバイスのいくつかは光を放出し、他のものは光を受信するが、両方とも”光学活性”であるとみなす。全てのデバイスは、環境に自由に露出して外界からそれぞれの入力信号または出力信号を送信または受信すべき表面上にセンサー素子を具えることは共通である。このタイプのマイクロエレクトロニクスデバイスの機能それ自体は既知で、したがってここではより詳細に述べない。
【0006】
図1に示すようなマイクロエレクトロニクスデバイスの問題は、中央領域40の全表面積を制御することが困難なことである。封入材料を射出すると、これは図1の矢印A,B及びCで示した方向に流れる。封入材料の最終形態は、少なくとも射出プロセスのパラメータ、注入材料の材質、特にその流動性、射出前のパッケージの正確なジオメトリ及び硬化パラメータに左右される。多くの影響を与える要因に関して、封入材料を射出する時、中央領域の全表面積に対して高いプロセス信頼性を得ることは非常に難しい。これは、マイクロエレクトロニクス部品上のセンサー素子用の自由に露出すべき操作ウィンドウを減じ、その結果高い収率損失を生じる。中央領域を過度に制限すると、マイクロエレクトロニクス部品は適切に機能することができない。すなわち、封入材料の最終形態を、特にその内縁の形成に関して影響または制御する必要がある。
【0007】
米国特許6,674,159号公報は、図1のパッケージと同様のパッケージを開示することによって、前述したパラグラフにおいて言及される問題に対する解決方法を提供する。かかるパッケージを図2に示す。パッケージ50は、マイクロエレクトロニクス部品20の第一表面24の頂部に配置若しくは製造した障壁42を備える。米国特許6,674,159号公報に開示された実際のマイクロエレクトロニクスデバイスは、キャリヤ素子上のマイクロエレクトロニクス部品の接続の構成に対していくらか異なった設計を有し、例えばダイパッドでなく、その代わりに光学的に透明な材料のウィンドウを有する点に留意する必要がある。しかしながら、この違いは、本発明に対して関係がない。関係があるのは、米国特許6,674,159号公報のパッケージがまた、外界からの入力および出力信号に対して露出すべき頂面上の中央領域を有するマイクロエレクトロニクス部品を備え、該部品を基板またはキャリヤ素子上に搭載し、両方の部品をボンディングワイヤによって接続することである。重合性封入材料30をボンディングワイヤ28の周りで、障壁42外の領域内に注入又は分配してこれらを封入及び保護する。障壁42は中央領域40を囲み、封入材料30が中央領域40内に流入するのを防ぐ。
【0008】
米国特許6,674,159号公報に提案されたような解決方法の明確な欠点は、障壁がマイクロエレクトロニクスデバイスの頂面のいくらかの有益な空間を占有することである。これは、接点端子および/またはセンサー素子に利用できる領域を減少することになる。さらに、この表面は、障壁をマイクロエレクトロニクス部品上に搭載する際に容易に損傷を与え得る感度が高いマイクロエレクトロニクスを有する。他の欠点は、障壁をマイクロエレクトロニクス部品の表面へ例えば接着剤層により搭載すると、近くに位置するボンドパッドに汚染を生じるかもしれないことである。最後に、障壁の形成及び搭載は、パッケージの製造時に追加の加工工程をもたらす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、対応する頂面をそのまま保持しながら十分な表面積を有する露出領域を得るように製造することができるマイクロエレクトロニクス部品用パッケージを提供することにある。したがって、本発明は、マイクロエレクトロニクス部品で、
導体線を具える第一側部を有するキャリヤ素子と、
第一の表面及び該第一表面から見て外方の第二の表面を有するマイクロエレクトロニクス部品で、該第二表面で前記第一側部に搭載され、ボンディングワイヤを介して前記導体線に接続された前記マイクロエレクトロニクス部品と、
前記ボンディングワイヤを封入し、かつ前記第一表面の中央領域を露出する重合性封入材料で、前記第一側部に外端及び前記第一表面に内端を具える前記封入材料と、
前記封入材料に接する障壁とを備え、
前記障壁が前記第一側部で階段状表面移行部を有し、該表面移行部が前記外端に接することを特徴とするマイクロエレクトロニクス部品用パッケージを提供する。本発明は、かかる第一側部での表面移行部が封入材料の外端の作成だけでなく、その内端にも影響を与える洞察に基づくものである。実験は、障壁が図1の方向Bで示すような封入材料の流出を制限するだけでなく、驚くことに方向Cで示すような流入を制限して中央領域を拡大することを示す。すなわち、障壁が封入材料の製造時に外端及び内端の形成に影響する。これは、中央領域の全面積の改良された制御を可能にし、この表面積の臨界レベルを超えて保つことを確実にする。従って、封入材料を注入する間の改良されたプロセス能力を得る。この現象の完全な理論上の説明は、まだ見出されていないが、いずれにしろ現在の開示の範囲を超える。外端が表面移行部に接するので、第一側部での接触角が著しく増大し、硬化中の封入材料に作用する変更された表面張力によって、第一表面または内端での接触角に影響を与えると思われる。
【0010】
好ましい実施形態においては、外側層を前記第一側部に設け、該層が前記導体線の一部を保護し、前記表面移行部を一方では前記外側層と前記導体線との間に、他方では前記第一側部での下層との間に配置する。好ましくは、外側層は、ソルダーレジスト層である。このソルダーレジスト層は、特に伝導面トラックを保護し、はんだ付け時にソルダーブリッジを防止するように設計する。かかる層を、マイクロエレクトロニクス部品の搭載前に、キャリヤ素子に適用することが多い。一般に、この外側層とその下の第一層、すなわち導体線との間にある種の表面移行部がすでに存在するので、外側層を有利に用いて障壁を作成することができる。この場合、表面移行部を作成する外側層の端部を正確に位置決めし、それが十分な厚さを有することを確実にすべきである。
【0011】
他の好ましい実施形態によれば、前記障壁が前記外端に隣接する前記第一側部に配置される上層を備える。この上層が矩形を有するストリップを形成することのが特に好ましい。これは、追加の上層のみを必要とする既存のキャリヤ素子を本発明に係るパッケージに適するように適用することを可能する。矩形のストリップの形態で層を適用することによって、最少量の追加材料を必要とし、封入材料を好ましい形態で採用することを確実にする。
【0012】
他の好ましい実施形態によれば、前記障壁の高さが前記封入材料の高さの10分の1未満である。第一側部で階段形状表面移行部を作成するごく少しの材料が本発明の目的を得るために満足させることを見出した。
【0013】
本発明はまた、上述の発明の実施形態のいずれかに従うマイクロエレクトロニクス部品用パッケージに使用すべきキャリヤ素子に関するものである。
【0014】
本発明はまた、上述の発明の実施形態のいずれかに従うマイクロエレクトロニクス部品用パッケージを備えるマイクロエレクトロニクスデバイスに関するものである。
【0015】
さらにまた、本発明はマイクロエレクトロニクス部品用パッケージを製造する方法に関するもので、
第一側部に導体線を有するキャリヤ素子を設け、
前記第一側部に階段状表面移行部を有する障壁を設け、
第一の表面及び該第一表面から見て外方の第二の表面を有するマイクロエレクトロニクス部品を搭載し、該マイクロエレクトロニクス部品の第二表面を前記キャリヤ素子の第一側部に接続し、
前記マイクロエレクトロニクス部品を前記導体線にワイヤボンディングし、
流体重合性封入材料を前記キャリヤ素子及びマイクロエレクトロニクス部品の組立体に分配して、前記第一表面の中央領域を露出させながら前記ボンディングワイヤボンドを封入し、前記封入材料が前記表面移行部に接する外端を有し、
前記封入材料を炉内で硬化させることを特徴とする。
【0016】
前記第一側部で障壁を設ける工程が、上層を矩形ストリップの形態で前記第一側部に適用することからなるのが好ましい。かかる方法は、第一表面をそのまま残しながら十分な表面積を有する中央領域を備え、既存の部品に僅かな変更のみを要するパッケージを製造することができる。
【0017】
米国特許第6,861,683号公報及び第6,303,978号公報は、キャリヤ素子の第一側部に設けた障壁を有し、該障壁が封入材料の外端に接するマイクロエレクトロニクス部品用パッケージを示すことに留意すべきである。しかしながら、これらパッケージとの重要な違いは、封入材料が障壁とキャリヤ素子との間の空間を完全に充填し、環境に露出される中央領域を残さないことである。透明な封入材料を適用することによって、光学信号を送信及び受信する「光学活性領域」を必要とするマイクロエレクトロニクスデバイス用にかかるパッケージを実際使用することができるが、このようなパッケージは、熱、圧力または化学物質に敏感な頂面上のセンサー素子を備えるMEMSシステムまたはデバイスのようなマイクロエレクトロニクス部品に使用し得ないこと明白である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
上述の態様並びに、本発明の他の態様、機能及び利点は、図面を参照するとともに、次の詳細によって更に説明されることになり、同一の参照番号は同じまたは同様の部分を示す。
【0019】
図3は、図4bの線3−3に沿ったパッケージ70の断面図である。パッケージ70は、第一側部16の外側層32に設けた障壁44を備える。この障壁は、外側層32と導体線14または前記外側層の下の層49との間に配した階段状表面移行部46を有する(図4a及び図4b参照)。これは、中央領域40の幅Lを拡大し、その結果その表面積を拡大するように、グロブトップ材料30の形態にその硬化中に影響を及ぼす。封入材料に面する外側層32のそれぞれの内端48(図1を参照)を適当な位置に配置し、また前記層32の縁に平行な端を有する追加の層を前記層32の上に適用して、図3に示すような障壁44を形成する。あるいは、追加層を伝導トラック及び第一の下層の上に適用しながら、外側層の端48をキャリヤ素子12の外側よりに配置し、ストリップ形状の追加層が外側層32及び外端36にそれぞれ接する。この場合、上層をやや厚くするか、または少なくとも外側層32より厚くするのが好ましい。
【0020】
外側層32は、この種のタイプのパッケージに通常適用して伝導面トラックを被覆保護するソルダーレジスト層であるのが好ましい。
【0021】
第一側部で表面移行部を作成する代案は、外側層32内に溝を配置することで、そのほぼ垂直な外壁が所要表面移行部として作用する。この実施形態に関して、外側層32は、十分な厚さを有すべきである。他の可能性は、図1の実施形態から開始し、あらゆる追加の層を適用することなく、内端48(図1参照)をキャリヤ素子12の外側(方向B及びC)にシフトするように外側層32を配置することである。このようにして、内端48が表面移行部を形成することができ、封入材料30がこの端に接する。かかる実施形態でも、外側層32は十分な厚さを有すべきである。現在使用される保護外側層の層厚は、通常十分ではない。
【0022】
本発明に係る階段状の表面移行部は、封入材料の外端のまわりの領域内の第一側部が平坦である状況と比較して、第一側部でかかる移行部に接する封入材料の接触角に影響を与えるか、むしろ増大するようにすべきである。これは、移行部に隣接する2つの表面の間に必ずしも直線状の鉛直壁を必要とするものではない。
【0023】
障壁の高さhは、グロブトップリング30の高さHと比較して非常に低いのが好ましく、少なくとも10倍の大きさである。典型的な高さは、グロブトップで400μm、障壁で20〜30μmである。2.75mmの元の表面積を有するパッケージに対する実験では、本発明に係る障壁を第一の側部に適用した際に、上記面積が5.724mmに増大することを示す。
【0024】
キャリヤ素子12は、非導体マトリックス材に埋設し、マイクロエレクトロニクス部品を収容するのに適した伝導構造または金属構造を有するあらゆる素子とすることができる。
【0025】
障壁44の作成を、キャリヤ素子12の製造と一体化することができる。矩形形状のストリップを形成するソルダーレジストの追加の上層を加えるのが好ましい。これは、比較的小さな高さの障壁と共に、本発明に係る実施形態を行うために、ごく僅かな追加材料を必要とするだけでなく、追加の処理が比較的少ないことを意味する。この追加処理は、米国特許6,674,159号公報に記載されたような障壁を得るのに必要である付加製造と比較して特に少ない。これらの場合、追加作業はパッケージ自体の製造処理の一部であり、マイクロエレクトロニクス部品を有する処理工程を含む一方、本発明によればキャリヤ素子の小さい変更を含むのみである。
【0026】
ストリップ形状の障壁を、以下の方法で既存のキャリヤ素子または基板上に形成することができる。まず最初に、液体ソルダーレジスト材料の層を、第一側部で外側ソルダーレジスト層の頂上にスクリーン印刷する。次いで、矩形のストリップを露出するマスクを前記層上に置き、このストリップを紫外線によって硬化する。最後に、未露出部分を化学的に剥離し、必要な障壁配置を残す。
【0027】
図4a及び図4bは、本発明に係るマイクロエレクトロニクス部品用パッケージ70および従来技術に従うパッケージ10をそれぞれ示す上面斜視図である。図4bは、矩形のストリップの形態を有し、封入材料30と接する障壁44をより明確に示し。ストリップは四角形であるのが好ましい。障壁は、ストリップの頂面と、伝導トラック14または第一の下層49(外側層32の直下)との間でそれぞれ階段状の表面移行部を備える。明瞭性の理由で、グロブトップ材料の半分のみを示す。封入材料30は、障壁44の存在下でグロブトップ材料を硬化する際、表面積が大きく、よく制御される中央領域40を環境に露出する。これは、グロブトップ材料30を図4a及び図4bのそれぞれから比較することによって明確に説明される。
【0028】
封入材料として、Hysol(登録商標)FP4323のようなエポキシ材料を使用するのが好ましい。封入材料を、分配速度10〜20mm/s、空気圧40〜60psi及びマイクロエレクトロニクス部品から高さ0.7〜0.8mmで作動する射出針を有するCAMALOT3700エポキシディスペンサーでパッケージ上に分配する。エポキシ材料を分配した後に、これをオーブン内において約170℃で約3時間硬化する。
【0029】
本発明は、マイクロエレクトロニクス部品の頂面に露出中央領域を必要する全てのパッケージに適用することができる。これらパッケージは、図1及び図2に示すような従来技術を論述する前に論述された。典型例は、フォトダイオード集積回路用のパッケージを適用することである。単一の光ピックアップICを、例えば、アプリケーションの読み込み/書き込みに用いてあらゆる種類のCD及びDVDデバイスに適した光学処理ユニットを製造することができる。更に、本発明に係るパッケージは、ボールグリッドアレイ(BGA)タイプのパッケージ並びにバルク超音波フィルタに適用することができる。
【0030】
本発明に係るパッケージは、いわゆるブルーレイディスク装置に用いるフォトダイオードデバイスに特に有利に適用する。かかる装置は、紫外線レーザービームを使用する。現在既知の重合性材料、すなわちエポキシ材料は、この種のレーザービームに耐えることができない。これは、露出中央領域を残す代わりに、光学的に透明な材料を使用することが、これらブルーレイデバイスのための選択でないことを意味する。さらに、中央領域は、レーザー光線が封入材料を害しないことを確保する十分な面積を有することが重要である。
【0031】
マイクロエレクトロニクス部品は、集積回路、光電池またはMEMS素子のような、いかなる適切な部品とすることができる。さらに、いくつかのマイクロエレクトロニクス部品をパッケージ内で相互に接続されるように組合わせることが可能である(パッケージ内のシステムとも呼ばれる)。MEMS素子がマイクロエレクトロニクス部品の第一表面に存在する場合、封入材料の外側の領域に接続されたある種の蓋(図示せず)で露出領域を覆うことができるのが有利である。かかる素子は、一般に自由空間内で回転、移動等を行う必要があるが、その他に関しては周囲環境から保護されるのが好ましい。
【0032】
本発明は上述の例示的な実施形態に制限されず、いくつかの変更及び改質は、本発明の保護範囲内で可能であることは当業者に明確であるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】従来技術に従うマイクロエレクトロニクス部品用パッケージを示す断面図である。
【図2】従来技術に従うマイクロエレクトロニクス部品用の他のパッケージを示す断面図である。
【図3】本発明に係るマイクロエレクトロニクス部品用パッケージの好ましい実施形態を示す断面図である。
【図4】図4aは従来技術に従うマイクロエレクトロニクス部品用パッケージを示す上面斜視図であり、図4bは本発明に従うマイクロエレクトロニクス部品用パッケージを示す上面斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体線を具える第一側部を有するキャリヤ素子と、
第一の表面及び該第一表面から見て外方の第二の表面を有するマイクロエレクトロニクス部品で、前記第二表面で前記第一側部に搭載され、ボンディングワイヤを介して前記導体線に接続された前記マイクロエレクトロニクス部品と、
前記ボンディングワイヤを封入し、前記第一表面の中央領域を露出する重合性封入材料で、前記第一側部に外端及び前記第一表面に内端を具える前記封入材料と、
前記封入材料に接する障壁とを備えるマイクロエレクトロニクス部品用パッケージにおいて、
前記障壁が前記第一側部で階段状表面移行部を有し、該表面移行部が前記外端に接することを特徴とするマイクロエレクトロニクス部品用パッケージ。
【請求項2】
前記第一側部に外側層を設け、該層が前記導体線の一部を保護し、前記表面移行部を前記外側層と前記第一表面での前記導体線及び下層との間に配置する請求項1に記載のマイクロエレクトロニクス部品用パッケージ。
【請求項3】
前記障壁が、前記外端に隣接する前記第一側部に配置された上側層を備える請求項1に記載のマイクロエレクトロニクス部品用パッケージ。
【請求項4】
前記上側層が、矩形形状のストリップを形成する請求項3に記載のマイクロエレクトロニクス部品用パッケージ。
【請求項5】
前記障壁の高さ(h)が、前記封入材料(H)の高さの10分の1未満である請求項1に記載のマイクロエレクトロニクス部品用パッケージ。
【請求項6】
前記請求項のいずれか1項に記載のマイクロエレクトロニクス部品用パッケージに使用すべきキャリヤ素子。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロエレクトロニクス部品用パッケージを備えるマイクロエレクトロニクスデバイス。
【請求項8】
第一側部に導体線を有するキャリヤ素子を設け、
前記第一側部に階段状表面移行部を有する障壁を設け、
第一の表面及び該第一表面から見て外方の第二の表面を有するマイクロエレクトロニクス部品を搭載し、該マイクロエレクトロニクス部品の第二表面を前記キャリヤ素子の第一側部に接続し、
前記マイクロエレクトロニクス部品を前記導体線にワイヤボンディングし、
流体重合性封入材料を前記キャリヤ素子及びマイクロエレクトロニクス部品の組立体に分配して、前記第一表面の中央領域を露出させながら前記ボンディングワイヤボンドを封入し、前記封入材料が前記表面移行部に接する外端を有し、
前記封入材料を炉内で硬化させる
ことを特徴とする前記請求項のいずれか1項に記載のマイクロエレクトロニクス部品用パッケージの製造方法。
【請求項9】
前記第一側部で障壁を設ける工程が、上層を矩形ストリップの形態で前記第一側部に適用することからなる請求項7に記載のマイクロエレクトロニクス部品用パッケージの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【公表番号】特表2009−503837(P2009−503837A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523497(P2008−523497)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052385
【国際公開番号】WO2007/012992
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(507219491)エヌエックスピー ビー ヴィ (657)
【Fターム(参考)】