説明

マイクロデポジション装置の吐出方法

【課題】基板上に特徴パターンを形成するた流体材料の小滴をマイクロデポジションするシステムおよび方法の提供。
【解決手段】基板上に特徴パターンを画定するため流体材料の小滴をマイクロデポジションする。基板に対して特徴パターンが画定される。マスクは、マイクロデポジションヘッドの機能不良ノズルのために起こる欠陥の密度を低減する特徴パターンに対して形成される。流体材料の小滴は特徴パターンの副特徴を画定するためにマスクに基いて基板上にマイクロデポジションされる。マイクロデポジションヘッドの複数のノズルの一つは特徴パターンにおける複数の副特徴の各々に割り当てられる。ノズルはランダムに又は他の機能を用いて割り当てられ得る。マスクにおける割り当てられたノズルはマイクロデポジションヘッドの複数のパスの一つに割り当てられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロデポジションシステムに関し、特に、印刷回路ボード、ポリマー発光ダイオード(PLED)ディスプレイ及び流体材料のマイクロデポジションを必要とする他の電子装置の製造に用いられるマイクロデポジションシステム用のマスク発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製造業者は、基板上に小さな特徴サイズをもつマイクロ構造体を形成する種々の方法を開発してきた。代表的には、マイクロ構造体は電子回路の一つ以上の層を形成する。これらのマイクロ構造体の例としては、ポリマー発光ダイオード(PLED)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LED)装置、印刷回路ボードなどが含まれる。これらの製造方法のほとんどは実施するのに比較的高価であり、製造装置のコストを償却するのに高い生産量を必要とする。
【0003】
基板上にマイクロ構造体を形成する技術にはスクリーン印刷法が含まれる。スクリーン印刷中、基板上に微細メッシュスクリーンが位置決めされる。流体材料は、スクリーンを通して基板上にスクリーンにより画定されたパターンでマイクロデポジションされる。スクリーン印刷法は、スクリーンと基板とを接触させる必要がある。またスクリーンと流体材料との接触も生じ、基板及び流体材料の両方を汚染することになる。
【0004】
基板上にマイクロ構造体を製造するのに用いられる別の製造技術として写真平版がある。写真平版はある種の装置の製作には適合しない。写真平版を用いる製造方法は一般に基板上にフォトレジスト材料を堆積させることを伴う。フォトレジスト材料は露光させることにより硬化される。パターン付きマスクは、フォトレジスト材料に光を選択に当てるのに用いられる。露光されるフォトレジストは硬化され、露光されない部分は硬化されない。硬化されない部分は基板から除去される。基板の下側面は、除去したフォトレジスト層を介して露光される。フォトレジスト層の硬化された部分は基板上に残っている。その後、フォトレジスト層における開口パターンを通して基板上には別の材料がマイクロデポジションされ、その後に、フォトレジストの硬化された部分が除去される。
【0005】
写真平版は回路ボード上にトレースのような多くのマイクロ構造体を製造するのに首尾よく用いられてきた。しかし、写真平版は基板及び基板上に形成した材料を汚染する。写真平版プロセスのコストは、比較的少量を生産することになる時には、法外のものとなり得る。
【0006】
スピンコーティング法もマイクロ構造体を形成するのに用いられてきた。スピンコーティング法は基板の中心部に流体材料を堆積させながら、基板を回転することを伴う。基板の回転運動によって、流体材料は基板の表面を横切って一様に拡がる。スピンコーティング法はまた、流体材料の大部分が基板上に留まらないので高価なプロセスである。基板の全面に一様な層を被覆しなければならない要求のために付加的な材料が浪費される。材料を除去するのにレーザーアブレーションを使用できるが、レーザーアブレーションは高価な装置を必要とする。レーザーアブレーションはまた、基板を汚染することになる灰を生成し得る。さらに、基板のサイズは、スピンコーティングプロセスのためほぼ30.48cm(12インチ)未満に限定され、スピンコーティング法はPLEDテレビジョンのような比較的大きな装置に適さない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、基板上に特徴パターンを形成するため流体材料の小滴をマイクロデポジションするマイクロデポジションシステム及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、基板と複数のノズルを有するヘッドとを相対的に移動して、前記基板に前記ノズルから液滴を吐出するマイクロデポジション装置の吐出方法において
前記基板上の吐出位置を特定する特徴パターンを作成するステップと、
前記特徴パターンの吐出位置(副特徴)に吐出する少なくとも一つの前記ノズルを割当てるマスクデータを作成するステップと、
前記マスクデータに基き前記ヘッドを移動し前記ノズルから液滴を吐出するステップと、
を含み、
前記マスクデータは、前記特徴パターンの前記ヘッドの走査方向と平行な少なくとも一つの列において、一つの前記ヘッドの複数のノズルを使用するように作成されること
を特徴としている。
【0009】
基板に対する特徴パターンは最初に画定される。マスクは、許容変動及び(又は)マイクロデポジションヘッドの機能不良ノズルのために生じる欠陥の密度を低減する特徴パターンのために形成される。流体材料の小滴は、特徴パターンの複数の副特徴を画定するためマスクに基いて基板上にマイクロデポジションされる。
【0010】
他の特徴において、マイクロデポジションヘッドのノズルの一つは、特徴パターンにおける副特徴の各々に割り当てられる。ノズルの割り当て段階は、複数の副特徴に対して割り当てたノズルをランダム化することを含み得る。マスクにおける割り当てられたノズルはまたマイクロデポジションヘッドの多数のパスの一つに割り当てられる。
【0011】
なお別の特徴において、マイクロデポジションパスは、基板に対して直線方向にマイクロデポジションヘッドを動かすこと及びマイクロデポジションヘッドに対して直線方向に基板を動かすことの少なくとも一方によって行われる。
【0012】
さらに別の特徴において、複数の副特徴の少なくとも一つは、複数の層にマイクロデポジションされる多数の小滴で形成される。またマスクは多層副特徴の複数の層の各々に異なるノズルを割り当てる。
【0013】
さらに別の特徴において、特徴パターンは電気装置の構成要素を画定し得る。電気装置は、ポリマー発光ダイオード、光パネル、集積回路パッケージ及び印刷回路ボードの一つであることができる。小滴は、発光素子、電導体、電気トレース、絶縁体、はんだ付けバンプ、結合線、めっき、相互接続体、コンデンサ及び抵抗の少なくとも一つを形成し得る。
【0014】
さらに他の特徴において、マスクは、特徴パターンをマイクロデポジションするのに要する多数のマイクロデポジションパスを増やし、多数のマイクロデポジッションパスの各々においてマイクロデポジションヘッドのノズルの繰り返し作動を減らす。
【0015】
本発明の別の応用可能な分野は以下の詳細な説明から明らかとなろう。詳細な説明及び特定の例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、単に例示のためのものであり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明によるマイクロデポジションシステムの一例を示す機能的ブロック線図。
【図2】図1のマイクロデポジションシステムのマスク発生モジュールを含む制御装置を示す機能的ブロック線図。
【図3】各ノズルに対して異なった作動波形を発生できる波形発生装置を示すブロック線図。
【図4】ノズル作動波形例の立上り勾配、持続時間、タイミング及び立下り勾配を示す図。
【図5A】マイクロデポジションヘッドのピッチ調整を示す図。
【図5B】マイクロデポジションヘッドのピッチ調整を示す図。
【図6】流体材料の小滴によって画定される副特徴を含む基板上にマイクロデポジションされることになる特徴パターン例を示す図。
【図7】図6の特徴パターンの一部を示す図。
【図8】マスキングなしでマイクロデポジションを用いて単一パスで基板上に特徴パターンの一部の副特徴をマイクロデポジションする例を示す図。
【図9】ノズルのミスアライメント及び(又は)一つ以上のノズルの不適切な小滴形成による欠陥の影響を低減するためマスクを用いて基板上に副特徴をマイクロデポジションする例を示す図。
【図10】図9の例示マスクの付加的な副特徴を堆積する連続したパスを示す図。
【図11】図9の例示マスクの付加的な副特徴を堆積する連続したパスを示す図。
【図12】図9の例示マスクの付加的な副特徴を堆積する連続したパスを示す図。
【図13】図9の例示マスクの付加的な副特徴を堆積する連続したパスを示す図。
【図14】図9の例示マスクの付加的な副特徴を堆積する連続したパスを示す図。
【図15】図9の例示マスクの付加的な副特徴を堆積する連続したパスを示す図。
【図16】図9の例示マスクの付加的な副特徴を堆積する連続したパスを示す図。
【図17】図9の例示マスクの付加的な副特徴を堆積する連続したパスを示す図。
【図18】図9の例示マスクの付加的な副特徴を堆積する連続したパスを示す図。
【図19】図9の例示マスクの付加的な副特徴を堆積する連続したパスを示す図。
【図20】図9の例示マスクの付加的な副特徴を堆積する連続したパスを示す図。
【図21】図9の例示マスクの付加的な副特徴を堆積する連続したパスを示す図。
【図22】図9の例示マスクの付加的な副特徴を堆積する連続したパスを示す図。
【図23】多数の小滴層で画定した副特徴を含む特徴パターンを示す図。
【図24】全ての層をマイクロデポジションするのに同じノズルを用いた図23の特徴パターンにおける多層副特徴のデポジションを示す図。
【図25】異なった層をマイクロデポジションするのに用いた種々のノズルによる図23の特徴パターンにおける多層副特徴のデポジションを示す図。
【図26】ポリマー発光ダイオード(PLED)ディスプレイ装置を例示する斜視図。
【図27】第1の方法を用いて画素を形成する赤、緑及び青の構成要素のマイクロデポジションを例示する図。
【図28】本発明によるマスキング方法を用いて画素を形成する赤、緑及び青の画素構成要素のマイクロデポジションを例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は以下の詳細な説明及び添付図面からさらに十分に理解されよう。
【0018】
好ましい実施形態についての以下の説明は単に例示のためのものであり本発明、その応用又は使用を制限するものではない。簡潔にするため、図面において同様な要素を表すのに同じ参照番号が用いられる。
【0019】
基板上における流体材料のマイクロデポジションは、共通に譲受けた出願、発明の名称“Interchangeable Microdeposition Head Apparatus and Method”、出願番号 、出願日 、発明の名称“Apparatus and Method for Piezo Microdeposition of Fluid Materials”、出願番号 、出願日 、発明の名称“Waveform Generator for Microdeposition Control System”、出願番号 、出願日 、発明の名称“Over−Clocking in Microdeposition Control System to improve Resolution”、出願番号 、出願日 、及び発明の名称“Industrial Microdeposition System for Polymer Light Emitting Diode Displays,Printed Circuit Boards and The Like”、出願番号 、出願日 に詳細に記載されており、これらの出願は参照文献として本明細書に結合される。
【0020】
これらの出願は、多数のノズルを備えたマイクロデポジションヘッドを用いて基板上に流体材料を堆積することについて開示している。ノズルを整列し及び(又は)マイクロデポジションヘッドから得られる結果としての小滴の形状を調整する種々の仕方について開示されている。これらの方法は、基板上に放出される小滴の一様性及び整列(アライメント)を改善するが、小滴のサイズ及びアライメントの僅かな変動はなお生じる。
【0021】
簡潔には、本発明は、機能している及び機能不良なの両方であるノズルの影響を低減(すなわち非局所化)するように特徴パターンにおける副特徴をマイクロデポジションするのに割り当てられるマイクロデポジションヘッドのノズル間の関係を変えるマスクを形成する。本明細書で使用する用語、“機能不良な”は、所望の許容差又は規格外でミスアライメントされる及び(又は)所望の規格外である小滴の形成/体積をもつノズルについて用いる。用語、“機能している”は所望の許容差又は規格内であり、また所望の規格内である小滴の形成/体積をもつノズルについて用いる。
【0022】
機能しているノズルは、アライメント及び(又は)小滴体積について±5%の許容差をもち得る。これらの許容差は隣接したノズル間の10%の差に相当し、マイクロデポジションにより形成されるある装置では問題となり得る。さらに、機能不良なノズルと機能しているノズルとの差は10%を越えることができ、この場合もマイクロデポジションにより形成されるある装置では問題となり得る。
【0023】
以下の説明では、最初に機能しているノズルと機能不良なノズルとの両方において生じ得る小滴サイズ及び(又は)アライメント変動の影響を非局所化するための本発明による方法の説明が後に続くマイクロデポジションシステムを例示して記載する。
【0024】
図1〜図5には、マイクロデポジションシステム20を例示している。そこで図1を参照すると、例示したマイクロデポジションシステム20は、制御装置22、ヘッド組立体24及び基板組立体26を備えている。ヘッド組立体24の回転位置又はピッチは随意の回転位置モータ30及び随意の回転位置センサー32を用いて調整される。手動調整も行われ得る。同様に、基板組立体26に対するヘッド組立体24の高さは高さ調整モータ34及び高さセンサー36を用いて調整され得る。ヘッド組立対24の横方向位置は横方向位置モータ40及び横方向位置センサー42を用いて調整される。コストを軽減するためには手動高さ及び横方向位置調整を行うこともできる。
【0025】
多数のノズルを備えたマイクロデポジションヘッド50はヘッド組立体24に取付けられる。第1のカメラ52はヘッド組立体24に随意に取付けられる。第1のカメラ52は、基板組立体26に配置される基板53に対してヘッド組立体24を位置決めするのに用いられる。特に、第1のカメラ53はマイクロデポジションヘッド50の一つ以上のノズルを基準として用いてマイクロデポジションヘッド50を整列するのに用いられる。さらに、第1のカメラ52は基板上に降下分析を行うのに用いられる。
【0026】
レーザー60は最小特徴サイズを低減するために適用した流体材料をレーザーアブレーションするため及び(又は)viasを形成するために随意に使用され得る。レーザー60は図1においてヘッド組立体24に取付けられるが、レーザー60は、ヘッド組立体24から独立して動くレーザー組立体(図示していない)に取付けることもできる。流体供給部62は一本以上の導管64を介してマイクロデポジションヘッド50に接続される。流体供給部62は、赤、緑及び青画素用のポリマーPPVのような一種以上の流体材料、溶媒、抵抗性流体材料、導電性流体材料、レジスト流体材料及び(又は)絶縁性流体材料を供給する。流体供給部62は、新しい流体材料に切り替える前に溶剤のフラッシュを用いて供給される流体材料を随意に変えることができる。
【0027】
横方向位置モータ64及び横方向位置センサー66はヘッド組立体24に対して基板組立体26を位置決めするのに用いられる。好ましい実施形態では、横方向位置モータ40は第1の軸線に沿って動く。横方向位置モータ64は第1の軸線に垂直な第2の軸線に沿って動く。当業者には認められるように、位置モータ30、34、40、64はヘッド組立体24か又は基板組立体26と組合される。言い換えれば、相対運動及び回転の程度は基板組立体26及び(又は)ヘッド組立体24を動かす又は回転させること及びそれらの任意の組合せによって得ることができる。
【0028】
ブロッティング(吸い取り)部70及びブロッティング媒体モータ72は好ましくは基板組立体26に隣接して設けられる。マイクロデポジションヘッド50のノズルの目詰まりを防ぐために、マイクロデポジションヘッド50は使用中に定期的にクリーニングされる。マイクロデポジションヘッド50は、ブロッティング部70上の位置へ動かされ、マイクロデポジションヘッドのノズルプレート(図示していない)はブロッティング部70で拭われる。ブロッティング部70はブロッティング材料のロールを備えている。ブロッティング媒体モータ72はブロッティング材料のロールを前進させて、マイクロデポジションヘッド50のノズルプレートのブロッティングのためのクリーンな面を提供する。
【0029】
キャッピング部80はヘッド組立体24に隣接して配置される。マイクロデポジションヘッド50は、マイクロデポジションシステム20を使用していない時にはキャッピング部80に留まる。キャッピング部80はウェット流体材料及び(又は)溶媒を収容するカップを備えている。キャッピング部80は、マイクロデポジションヘッド50によって供給される流体材料がマイクロデポジションヘッド50のノズルを目詰まりさせるのを阻止するのに用いられる。第2のカメラ84は、小滴の分析のために用いられ、キャッピング部80に隣接して配置される。好ましくは、第1、第2のカメラ52、84及び制御装置22はデジタル光学認識を行う。小滴を捕えるストロボ85が設けられ得る。
【0030】
基板組立体26は、基板53と係合し位置決めするチャック86を備えている。基板組立体26は、温度制御装置90及び(又は)随意の紫外線(UV)源92のような随意の硬化装置を備えている。温度制御装置90はチャック86の温度を制御する。厚さ0.3〜1.2mmの基板に対する乾燥時間を短縮するのに典型的には、ほぼ50℃の温度が適当である。チャック86は好ましくは、基板53を位置決めしかつ係合する真空回路を備えている。代わりに、チャック86は、マイクロデポジション中に基板53を位置決めしかつ基板53と係合する他の形式の装置を備えてもよい。例えば、基板の流体表面張力、磁力、物理的係合又は任意の他の手段を用いてマイクロデポジション中に基板53と係合させてもよい。チャックに関する付加的な詳細については発明の名称“Temperature Controlled Vacuum Chuck”、出願番号 、出願日 を参照でき、従ってこの出願は参照文献として本明細書に結合される。
【0031】
当業者に認められるように、コスト低減のためにモータ30、34、40及び64の一つ以上に代えて手による調整のような手動調整装置(例えば、ウォーム歯車をまわすノブ又は任意の他の機械的調整手段)を用いることができる。コスト低減のためにセンサー32、36、42及び66の一つ以上に代えて、スケールのような視覚装置を用いることができる。さらに、モータ30、34及び(又は)40の機能は必要ならば多軸モータに統合され得る。一つの実施形態において、空気軸受及び直線モータを用いて一つ以上の位置決め装置が提供される。なお他の変形は当業者に明らかである。モータ及びセンサーによって提供される機能は、コンピュータ数値制御型(CNC)フライス盤と同様である。好ましくは、モータは三軸線以上の調整を行う。付加的な運動範囲は、三次元(3D)マイクロデポジション又は複雑な形状のマイクロデポジション用に設けられ得る。
【0032】
マイクロデポジションヘッド50は好ましくは、ほぼ0.5mm〜2.0mmの距離で基板上に位置決めされる。非常に好ましい実施形態では、マイクロデポジションヘッドは、流体材料の小滴のサイズの少なくとも5倍の距離に位置決めされるが、他の高さを用いてもよい。比較的小さなピッチサイズが要求される際には、マイクロデポジションヘッド50はピッチを減少するように回転される。比較的大きなピッチが要求される際には、マイクロデポジションヘッド50は回転され、ノズルの幾つかは用いられず、例えば他のノズルも用いられない。
【0033】
認められ得るように、図1に示すマイクロデポジショシステム20は一つ以上の随意のシステムを含む。例えば、随意のシステムは、限定するものではないが、レーザーアブレーション、自動高さ及びピッチ位置決めシステム、光学映像、チャック温度制御装置及び(又は)UV硬化を含む。例えば、多量生産応用において同一製品をマイクロデポジションする際には、機械的アライメント技術を用いることができる。マイクロデポジションヘッドのピッチは所望のピッチに機械的に調整され得る。
【0034】
さて図2を参照すると、制御装置22は次にさらに詳細に示されている。制御装置22は、一つ以上プロセッサ100と、メモリー102(ランダムアクセスメモリー(RAM)、読み取り専用メモリー(ROM)、フラッシュメモリー、及び(又は)任意の他の適当な電子記憶媒体のような)と、入出力インターフェース104とを備えている。認められ得るように、単一制御装置22が示されているが、多数の制御装置を用いてもよい。滴下分析モジュール110は、以下にさらに詳しく説明するように、第1のカメラ52及び(又は)第2のカメラ84を用いて滴下分析を随意に行う。
【0035】
随意のアライメントモジュール112は第1のカメラ52及び(又は)第2のカメラ84を用いて(流体材料を堆積する前に)光学文字認識により基板とヘッド50とを整列する。又手動アライメントを行ってもよい。ノズル位置及び作動モジュール114は基板53に対するヘッド組立体24の位置を調整し、そして基板上に特徴を形成させるノズル作動波形を発生する。波形発生モジュール116はノズル位置及び作動モジュール114と共に作動し、以下にさらに詳しく説明するように、ノズル作動波形のタイミング、立上り勾配、する立下り勾配及び(又は)振幅を調整する。波形発生モジュール116はヘッドのピッチにおける変化に対してノズル作動タイミングを随意に調整する。
【0036】
マスク発生モジュール118は、特徴パターンの副特徴を各パスについてマイクロデポジションヘッド50のノズルに割り当てるマスクを発生する。本明細書で使用する用語マスクは、(写真平版において用いられるもののような物理的マスクではなく)特徴パターンの副特徴と割り当てられるノズルとの間のデジタルファイル、関係及び(又は)アルゴリズムを表している。マスク発生モジュール118は、マイクロデポジションパス中に単一ノズルでマイクロデポジションされる副特徴の数を低減する。一つの例示の実施形態では、マスク発生モジュール118は、割り当てられたノズルと特徴パターンにおける副特徴との関係をランダム化又は変化させる。
【0037】
基板53は、流体材料を堆積する前に基板53とヘッド50とを整列させるように第1のカメラ52及び(又は)第2のカメラ84で用いられる多数のマークを備えることができる。粗な初期又は終期位置決めは必要ならば手動で行ってもよい。代わりに、アライメントモジュール112は、マークを用いて粗及び(又は)細なアライメントを行うのに光学文字認識を用いてもよい。
【0038】
例示したマイクロデポジションヘッド50はせん断モード圧電変換器(PZT)マイクロデポジションヘッドである。ノズル作動波形が制御装置22によってトリガーされると、せん断モード動作により小滴は分与される。当業者に明らかなように、熱的又はバブルマイクロデポジションヘッド、連続滴下マイクロデポジションヘッド、PZTバルブ及びマイクロ電機弁のような他の形式のマイクロデポジションヘッドが考えられる。ヘッド組立体24はまた多数のマイクロデポジションヘッド50を備えてもよい。
【0039】
代表的には、マイクロデポジションヘッド50は64〜256個のノズルを含むが、付加的なノズル又はより少ない数のノズルを利用することもできる。マイクロデポジションヘッド50の各ノズルは毎秒5,000〜20,000個の小滴を分与できるが、より高い又は低い小滴分与率でもよい。典型的には、各小滴は、用いられるマイクロデポジション装置の形式に関連して10〜80ピコリットルの流体材料を含んでいるが、小滴の体積はより大きくても小さくてもよい。
【0040】
マイクロデポジションシステム20を用いて構成され得る例示した装置は、複数のモノクロ及びカラーPLED、複数の印刷回路ボード(PCB)及び他の構造体を含んでいる。アクリルポリマーのようなレジスト置換体は、写真平版におけるマスク及び露光プロセスを除去するようにマイクロデポジションされ得る。金属インキ又は他の金属導電性流体はトレースに代えるようにマイクロデポジションされ得る。抵抗性インキのような抵抗性特性をもつ流体を用いて抵抗及び容量を形成できる。マイクロデポジションシステムはまた説明文、ソルダーマスク、ソルダーペースト及び印刷回路ボードの製造において用いられる他の流体材料をマイクロデポジションするのに用いられ得る。マイクロデポジション小滴のレーザートリミングは、コストを対応して増加させるが精度を改善するために随意に使用される。マイクロデポジションは、光パネルの画素プレートを製作するのに用いられ得る。フューズ及びトレースはマイクロデポジションされ得る。マイクロデポジションはまた、集積回路パッケージにおけるソルダーバンプ、結合線及びその他の構造体をマイクロデポジションするのにも使用され得る。さらに別の応用も当業者には明らかである。
【0041】
硬化装置には硬化及び収縮を制御するために基板組立体26が設けられ得る。温度制御装置90及び(又は)紫外線(UV)源92はウエル(竪穴)にマイクロデポジションされる流体材料を適切に硬化させるために設けられる。例えば、温度制御装置90はチャック86を加熱し、接触を介して基板53を暖める。交互に、UV源92は紫外線光を発生し、紫外線光は効果を促進させるために基板53にマイクロデポジションされる流体材料に指向される。さらに、基板組立体を囲む付近の空気の流れは、包囲体、ファン、又は他の適当な空気流装置を用いて制御(阻止)され得る。通常クリーンルームにおいて使用される装置が用いられ得る。
【0042】
次に図3及び図4を参照すると、ノズル134−1、134−2、134−3、・・・・・及び134−nの各々に対するノズル作動波形は制御装置22によって個々に制御される。ノズル作動波形を個々に制御することによって、小滴の一様性は相当に改善される。言い換えれば、特定のノズルからの小滴が一様でない又は望ましくない形状をもつ場合に、相応したノズルに対するノズル作動波形は、一様な又は望ましい形状の小滴となるように調整される。波形発生モジュール116、小滴分析モジュール110及び(又は)位置及び作動モジュール114は第1及び(又は)第2のカメラ52、84及び光学認識を用いてデータを収集する。調整は、ソフトウエア及び小滴分析からのフィードバックを用いて自動的に行われ得る。
【0043】
特に、波形発生モジュール116は、波形発生装置136−1、136−2、136−3、・・・・・及び136−nと接続し、各ノズル134についてのノズル作動波形のタイミング、持続時間、振幅、立上り勾配及び(又は)立下り勾配を個々に調整する。図4には、ノズル作動波形140−1が例示されている。例示したノズル作動波形140−1は持続時間タイミングt141−1、立上り勾配142−1、立下り勾配144−1及び振幅146−1をもつ。これらの各パラメーターは、ノズル作動波形の特性を変えるように波形発生装置136によって調整され得る。
【0044】
オーバークロッキングはまた特徴分解能を改善するのに用いられ得る。オーバークロッキングは改善した分解能を提供しかつヘッド50のピッチにおける変化を随意に調整するのに用いられる。本明細書で用いた用語オーバークロッキングは、小滴の幅、及びマイクロデポジションヘッドの横方向及び垂直方向速度に対して増大したクロック周波数を表す。インキジェットのようなマイクロデポジション応用において、クロック速度で生じる格子線を含む印刷格子が画定される。クロック速度、及び横方向及び垂直方向ヘッド速度は同期化されて、格子の各矩形(又は方形)内に一つの小滴を供給する(又は供給しない)。言い換えれば、小滴と格子の矩形との比率は1:1である。インキジェットにおいては小滴のある程度の僅かな重なりが起こり得る。小滴は格子の各矩形又は方形内に作られたり作られなかったりする。オーバークロッキングは、実質的に高いクロック速度を用いることを伴う。クロック速度は普通の1:1の比の少なくとも三倍に増大される。非常に好ましい実施形態では、クロック速度は10倍以上に増大される。
【0045】
次に図5A及び図5Bを参照すると、マイクロデポジションヘッド50は、好ましくは一様に離間された多数のノズル134を備えている。しかし、一様でない離間配置も使用できる。マイクロデポジションヘッド50の角度方向は、ヘッド組立体及び(又は)基板の横方向動きによって画定された平面に対して調整される。マイクロデポジションヘッド50が基板53の動きに対してほぼ垂直に方向決めされる(矢印156で示す)際には、ピッチは150で例示するように最大値である。同様に、ヘッド50で掃引される面積も152で示すように最大値である。ヘッド50の角度が垂直方向から小さくなるにつれて、ピッチは160で示すように、小さくなる。同様に、ヘッド50で掃引される面積も162で示すように減少する。
【0046】
次に図6〜図8を参照すると、特徴パターン200が例示されている。特徴パターン200は、個々の副特徴201を形成する、重ならない小滴を含んでいるが、小滴すなわち副特徴201は重なることもできる。個々の副特徴201間の間隔は比較的小さく又は比較的大きく調整できる。図6の例では、特徴パターン200は、202−1、202−2、202−3で特定した三つのパスにおいてマイクロデポジションされる。各ノズル134−1、134−2、134−3、・・・・・及び134−nは副特徴201の列を堆積する。パス202−1及び202−2中のマイクロデポジションヘッド50の位置は、それぞれ、パス202−2及び202−3におけるマイクロデポジションヘッド50の幅だけずらされる。
【0047】
より一般的には、特徴パターン200は最小でn個のパスにおいてマイクロデポジションされ得る。パスnの数は、マイクロデポジションヘッド50の幅で割った特徴パターンの長さ(パスの方向に垂直な方向における)の総括整数値で決められる。マイクロデポジションヘッド50は、マイクロデポジションヘッド50のほぼ幅に離間されるn個の異なったパス位置に配置される。同じ列の副特徴の全てをマイクロデポジションするのに同じノズルが用いられる。
【0048】
マスクを用いることにより、パスの数は増える。特徴パターン200の副特徴は(n+m)個のパスにおいて本発明に従ってマイクロデポジションされる。マイクロデポジションヘッド50は、マイクロデポジションヘッド50の幅より狭い間隔で離間される位置を通るように動かされる。同じ列における副特徴201のすべてをマイクロデポジションするのに同じノズルは用いられない。
【0049】
特徴パターン200の一部204を図7に示す。マイクロデポジションヘッド50を用いて、第1のノズル134−1は、適当な時間に流体の小滴を作動することによって特徴パターン204の第1列206−1における行208−1、208−4、208−6、208−7の副特徴をマイクロデポジションできる。同様に、第2、第3、・・・第n番目の列206−2、206−3、・・・・、206−nはそれぞれ同じパス中に動揺にしてマイクロデポジションされる。
【0050】
マイクロデポジションヘッド50のピッチは、マイクロデポジションヘッドの動く方向にほぼ垂直であるように示されているが、上述のように他のピッチ角度を用いることもできる。さらに、ヘッド組立体は多数のマイクロデポジションヘッドを備えてもよい。多数のヘッドの相対位置は、マイクロアクチュエータを用いて調整され得るか又は製造において固定され得る。認められようにパスの方向における特徴パターンは任意の長さにできる。
【0051】
動作中及び(又は)診断の間に一つ以上のノズルのミスアライメントが生じたり及び(又は)小滴の形成が変化したりし得る。さらに、動作ノズルの許容差が許容できなくなり得る。例えば、ノズル134−2がミスアライメントとなり及び(又は)理想でない小滴が形成され得る。代わりに、ノズル134−3、134−4の許容差は上記の例において記載したように10%の差を生じ得る。パス方向において列における全ての副特徴201のような特定の領域における副特徴を形成するのに同じノズルを用いることによって、ミスアライメントしたノズル134−2(すなわち理想でない小滴形成をもつノズル)の影響又は機能しているノズルの許容差は、完成した装置に実質的な問題を生じさせ得る。マスクを用いることによって、局部の誤差率又は変動は低減され、このことは歩留まりを高める。
【0052】
本発明によるマスク発生装置118は、特徴パターンにおける個々の副特徴をマイクロデポジションヘッド50の特定のパス及びマイクロデポジションヘッドの特定のノズルに割り当てるマスクを提供する。マスク発生装置118は、ミスアライメントのノズル及び(又は)理想的でない小滴を発生するノズルの影響を低減するようにノズルの使用を変える。局所化した欠陥の可能性を低減することによって、マイクロデポジションプロセスの歩留まりが改善され得る。マスク発生装置118は、特徴パターンの副特徴に割り当てたノズル間の関係を変えるためランダム化機能又は他の適当な方法を使用し得る。
【0053】
次に、図9〜図22を参照すると、部分204に対するマスクが例示されている。図9には完全なマスクが示されている。マイクロデポジションヘッドの多数パス(210で概略的に表される)は同じ領域をカバーするように要求される。マイクロデポジションヘッド50は、マスク発生装置118で発生したマスクに従って割り当てたノズルが小滴をマイクロデポジションできるように基板に対して動かされる。
【0054】
図10に示す最初のパスにおいて、マイクロデポジションヘッド50の第1のノズル134−1は第2k列206−2と整列される。第1のノズル134−1は第2の列206−2の第2の行208−2に小滴をマイクロデポジションして副特徴を形成する。第2のノズル134−2は、第3の列206−3の第3の行208−3に小滴をマイクロデポジションする。第4のノズル134−4は、第5の列206−5の第6の行208−6に小滴をマイクロデポジションする。認められ得るように、各列にマイクロデポジションされる小滴の数は変えることができる。
【0055】
次に図11を参照すると、第2のパスは、第1のノズル134−1を第4の列206−4に隣接させてマイクロデポジションヘッド50を位置決めすることによって行われる。第1、第3、第4及び第5のノズル134−1、134−3、134−4、134−5は、それぞれ、第7、第8、第7及び第4の行208−7、208−8、208−7、208−4にそれぞれ小滴をマイクロデポジションする。
【0056】
次に図12を参照すると、第3のパスは、第1のノズル134−1を第6の列206−6に隣接させてマイクロデポジションヘッド50を位置決めすることによって行われる。第1、第2及び第3のノズル134−1、134−2、134−3は、第4、第6及び第9の行208−4、208−6、208−9にそれぞれ小滴をマイクロデポジションする。
【0057】
次に図13を参照すると、第4のパスは、第1のノズル134−1を第8の列206−8に隣接させてマイクロデポジションヘッド50を位置決めすることによって行われる。第1のノズル134−1は、それぞれ、第7の行208−7にそれぞれ小滴をマイクロデポジションする。
【0058】
次に図14を参照すると、第5のパスは、第2のノズル134−2を第1の列206−1に隣接させてマイクロデポジションヘッド50を位置決めすることによって行われる。第2、第3、第4、第5及び第6のノズル134−2、134−3、134−4、134−5、134−6はそれぞれ、第7、第4、第2、第2及び第3の行208−7、208−4、208−2、208−2、208−3にそれぞれ小滴をマイクロデポジションする。
【0059】
次に図15を参照すると、第6パスは、第2のノズル134−2を第8の列206−8に隣接させてマイクロデポジションヘッド50を位置決めすることによって行われる。第2のノズル134−2は、第1の行208−1に小滴をマイクロデポジションする。
【0060】
次に図16を参照すると、第7のパスは、第3のノズル134−3を第1の列206−1に隣接させてマイクロデポジションヘッド50を位置決めすることによって行われる。第3及び第4のノズル134−3、134−4は、それぞれ、第1及び第5の行208−1、208−5にそれぞれ小滴をマイクロデポジションする。
【0061】
次に図17を参照すると、第8のパスは、第5のノズル134−5を第1の列206−1に隣接させてマイクロデポジションヘッド50を位置決めすることによって行われる。第5、第6、第7及び第8のノズル134−5、134−6、134−7、134−8はそれぞれ、第4、第7、第9及び第4の行208−4、208−7、208−9、208−4にそれぞれ小滴をマイクロデポジションする。
【0062】
次に図18を参照すると、第9のパスは、第6のノズル134−6を第1の列206−1に隣接させてマイクロデポジションヘッド50を位置決めすることによって行われる。第6、第7及び第8のノズル134−6、134−7、134−8はそれぞれ、第6、第3及び第8の行208−6、208−3、208−8にそれぞれ小滴をマイクロデポジションする。
【0063】
次に図19を参照すると、第10のパスは、第6のノズル134−6を第3の列206−3に隣接させてマイクロデポジションヘッド50を位置決めすることによって行われる。第5、第6、第7及び第8のノズル134−5、134−6、134−7、134−8はそれぞれ、第4、第7、第9及び第4の行208−4、208−7、208−9、208−4にそれぞれ小滴をマイクロデポジションする。
【0064】
次に図20を参照すると、第11のパスは、第7のノズル134−7を第7の列206−7に隣接させてマイクロデポジションヘッド50を位置決めすることによって行われる。第7のノズル134−7は、第4の行208−4に小滴をマイクロデポジションする。
【0065】
次に図21を参照すると、第12のパスは、第8のノズル134−8を第2の列206−2に隣接させてマイクロデポジションヘッド50を位置決めすることによって行われる。第8のノズル134−8は、第1の行208−1に小滴をマイクロデポジションする。
【0066】
次に図22を参照すると、第13のパスは、第8のノズル134−8を第6の列206−6に隣接させてマイクロデポジションヘッド50を位置決めすることによって行われる。第8のノズル134−8は、第2の行208−2に小滴をマイクロデポジションする。
【0067】
認められ得るように、マイクロデポジションヘッドのノズル134がパス中に部分204の列と整列されない場合には、整列してないノズルは部分204の上方又は下方の列に小滴をマイクロデポジションするのに用いることができる。例えば、図11に戻って参照すると、ノズル134−6、134−7及び134−8は、それぞれ列206−8の下方の一つ、二つ及び三つの列である特徴パターン200の列に小滴をマイクロデポジションするのに用いられ得る。同様に、行208−9の前及び(又は)後の付加的な行は図10〜図22に示すパスの間にマイクロデポジションされ得る。
【0068】
その他の機能はマスクを発生するマスク発生装置118によって用いられ得る。例えば必要な機能はランダムではない。さて図8を参照すると、三つのパスが望ましい場合には、副特徴の三分の一は図示したように配置したマイクロデポジションヘッド50でマイクロデポジションされ得る。マイクロデポジションヘッドは第2の位置へ動かされ、そして副特徴の次の三分の一がマイクロデポジションされ得る。さらに、副特徴の最後の三分の一は第3の位置においてマイクロデポジションヘッド50によってマイクロデポジションされ得る。
【0069】
言い換えれば、マイクロデポジションパス中に同じノズルを用いて列に全ての副特徴をマイクロデポジションすることを伴わない任意の機能を用いることができる。付加的なマスク機能は、1992年12月29日発行のWittmannの米国特許第5,175,804号、発明の名称“System and Method for Color Image Reproduction From Color Separations Prepared from Random Fixed Size Dot Placement”に開示されており、この米国特許は本命最初に参照文献として結合される。
【0070】
次に図23を参照すると、特徴パターンの部分230は、多数のパス中にマイクロデポジションされる幾つかの層を含み得る。例えば、副特徴234は、それぞれ第1、第2及び第3のパス中に同じノズルを用いてマイクロデポジションされる第1、第2及び第3の小滴238−1、238−2及び238−3を含んでいる。
【0071】
次に図24を参照すると、各層の副特徴は、図9と同様にして三つのパスでマイクロデポジションされ得る。しかし、副特徴234は、特定の厚さ又は他の設計パラメーターを有し得る。副特徴234を画定するのに使用されるノズルが一様な又は予定の小滴体積及び(又は)形状を堆積しない場合、及び(又は)小滴が正しく整列されない或いは隣接した機能しているノズルの許容差が許容できない場合には、副特徴は設計パラメーターに適合し得ない。誤ったノズルで生じた欠陥又は許容差が一つの層又はパスで単一小滴に限定され得る場合には、副特徴が設計パラメーターに適合する可能性は非常に高い。
【0072】
従って、本発明によるマスク発生装置118は引き続いて層を堆積するのに異なったノズルを使用する。例えば、特徴234の第1の層248−1は一つのパス中に第6のノズル134-6でマイクロデポジションされる。第2の層248−2は別のパス中に第5のノズル134−5で画定される。第3の層248−3は別のパス中に第3のノズル134−3で画定される。認められ得るように、層250−1、250−2、及び250−3の各々は一つ以上のパス中にマイクロデポジションされ得る。
【0073】
当業者に認められ得るように、パスの数はノズルの設計限界及び許容誤差によって決まる。パスの数が増えれば、特徴パターンをマイクロデポジションするのに要する時間又はマイクロデポジション速度が増える傾向がある。またパスの数を増やすと、機能している及び(又は)機能不良なノズルの許容差変動の影響を低減することで特徴パターンの精度又は特性が増す傾向がある。
【0074】
次に図26を参照すると、ポリマー発光ダイオード(PLED)ディスプレイ装置300が例示されている。PLED装置300はガラスプレート304を有し、このガラスプレート304は、マイクロデポジション中、真空チャック306又は任意の他の適当な装置で保持される。PLED装置300はさらにITOアノード308、ホール輸送層(代表的にはPEDOT又はPANI)(図示していない)、ポリマー発光材料310及びレジスト312を有している。マイクロデポジションヘッド313は、PLED画素の赤、緑及び青構成要素314、316、318の繰り返しパターンをマイクロデポジションするのに用いられる。
【0075】
次に図27を参照すると、PLED画素320の赤、緑及び青構成要素314、316、318をマイクロデポジションする一つのパターンが示されている。各画素の赤、緑及び青画素構成要素314、316、318は、赤、緑及び青マイクロデポジションヘッドによってそれぞれマイクロデポジションされる。画素構成要素の各々は多数の隣接した及び(又は)重なった小滴を含んでいる。各画素構成要素の小滴は、好ましくは、各画素構成要素の小滴画なおウェット状態である間に、画素構成要素について全ての小滴をマイクロデポジションできるように同じノズルを用いてマイクロデポジションされる。
【0076】
例えば、赤マイクロデポジションヘッドは、四つのノズルを用いて一つのパスにおいて図27に符号“1”、“2”、“3”、“4”を付けた赤構成要素314をマイクロデポジションする。赤マイクロデポジションヘッドは位置決めし直され、そして、赤マイクロデポジションヘッドは、第2のパスにおいて図27に符号“1”、“2”、“3”、“4”を付けた赤構成要素324をマイクロデポジションする。緑マイクロデポジションヘッドは、それぞれ第1及び第2のパスにおいて符号“1”、“2”、“3”、“4”を付けた緑構成要素316、326をマイクロデポジションする。青マイクロデポジションヘッドは、それぞれ第1及び第2のパスにおいて符号“1”、“2”、“3”、“4”を付けた青構成要素318、328をマイクロデポジションする。
【0077】
例えば、緑マイクロデポジションヘッドにおける第2のノズルが十分な量のポリマー発光材料(許容差内の低い側か又は許容差外)を堆積していない場合には、その結果得られるPLEDディスプレイは人間の目で確認できるライン欠陥を持ち得る。同じ問題は、隣接したノズルがアライメント及び(又は)小滴体積の許容差の両端(及びその範囲内)にある場合、又はノズルが上記で説明したように小滴のアライメント又は体積の許容差外である場合に生じ得る。
【0078】
次に図28を参照すると、PLED画素320の赤、緑及び青構成要素314、316、318をマイクロデポジションする別のパターンが示されている。各画素の赤、緑及び青画素構成要素314、316、318は、赤、緑及び青マイクロデポジションヘッドによってそれぞれマイクロデポジションされる。マスクは、上記で詳しく説明したように、ディスプレイの列又は行に同じカラーポリマー発光材料をもつ隣接した画素の画素構成要素をマイクロデポジションするのに用いられるノズルを変えるために用いられる。例えば、図27の場合のように二つのパスを採用する代わりに、PLEDは八つのパスを採用している。
【0079】
例えば、緑マイクロデポジションヘッドにおける第2のノズルが十分な量のポリマー発光材料を堆積していない場合には、その結果得られるPLEDディスプレイは、マスクを用いれば、人間の目で確認できるライン欠陥が生じない。隣接したノズルがアライメント及び(又は)小滴体積の許容差の両端(及びその範囲内)にある場合、又はノズルが上記で説明したように小滴のアライメント又は体積の許容差外である場合には、マスキングプロセスによりノズルの悪影響は低減する。
【0080】
単純なオフセット列オフセットパターンが図28に示されているが、上記で述べたより複雑なランダム又は非ランダムマスクを使用することもできる。さらに、図26〜図28にはカラーPLEDが示されているが、同様な技術を用いてモノクロPLEDをマイクロデポジションすることもできる。
【0081】
上記の記載から当業者には認められるように、本発明の広義の概念は種々の仕方で実施され得る。従って、本発明は特定の例について説明してきたが、本発明の範囲はそれらに限定されるものではなく、図面、明細書及び特許請求の範囲の記載に基いて他の変更が当業者に明らかとなろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と複数のノズルを有するヘッドとを相対的に移動して、前記基板に前記ノズルから液滴を吐出するマイクロデポジション装置の吐出方法において、
前記基板上の吐出位置を特定する特徴パターンを作成するステップと、
前記特徴パターンの吐出位置(副特徴)に吐出する少なくとも一つの前記ノズルを割当てるマスクデータを作成するステップと、
前記マスクデータに基き前記ヘッドを移動し前記ノズルから液滴を吐出するステップと、
を含み、
前記マスクデータは、前記特徴パターンの前記ヘッドの走査方向と平行な少なくとも一つの列において、一つの前記ヘッドの複数のノズルを使用するように作成されること
を特徴とするマイクロデポジション装置の吐出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−183941(P2009−183941A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14788(P2009−14788)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【分割の表示】特願2004−557077(P2004−557077)の分割
【原出願日】平成14年11月27日(2002.11.27)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】