説明

マイクロ波エネルギー相互作用トレー及び包装材料

食品のマイクロ波加熱装置が、食品を収容するパネルと、パネルの、食品に面する側に接合される第1のサセプタと、第2のサセプタを備えるマイクロ波エネルギー相互作用包装材料とを備える。マイクロ波エネルギー相互作用包装材料は、パネルの、食品とは反対の側に取り付けられ、第1のサセプタと少なくとも部分的に重なる第1の部分と、パネル上の食品を覆うように構成される第2の部分と、第1の部分の下に位置決めされるように構成される第3の部分とを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、1つ又は複数のマイクロ波処理可能な(microwavable)食品を加熱又は加熱処理(cooking)するための種々の材料、パッケージ、構造体及びシステムに関する。特に、本開示は、電子レンジ内で1つ又は複数の食品を加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げするための種々の材料、パッケージ、構造体及びシステムに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2008年5月9日に出願された米国仮特許出願第61/051,711号の利益を主張する。該出願は参照によってその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
電子レンジは、チキンストリップ、フレンチフライ、ピザバイト及び詰め物をしたパン生地製品等の、パン粉をまぶした食品、ポテトベースの食品及びパン生地ベースの食品を含む種々の食品を加熱するための便利な手段を提供する。しかし、電子レンジは、そのような物品(items)を不均一に加熱処理する傾向があり、完全な加熱と、焦げ目付けされカリカリ仕上げされた外面との所望のバランスを達成することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、電子レンジにおいて食品の所望の程度の加熱、焦げ目付及び/又はカリカリ仕上げを提供する、改良された材料及びパッケージが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、包括的には、電子レンジにおいて食品を調理(preparing)するための種々の構造体、装置又はパッケージ(「パッケージ」と総称する)に関する。そのようなパッケージのいずれかは、食品を収容する第1の構成要素と、該第1の構成要素を包む第2の構成要素とを含むことができる。いくつかの実施の形態では、第1の構成要素は、食品を支持するのに好適な、寸法が安定したパネル、カード、トレー又は他の構造部(structure)である。第1の構成要素は、紙、板紙、ポリマー又は任意の他の好適な材料から形成することができる。第2の構成要素は、食品及び第1の構成要素を包むのに好適な可撓性材料又は包装材料であることができる。
【0006】
第1の構成要素及び第2の構成要素はそれぞれ、食品に対するマイクロ波エネルギーの効果を変える少なくとも1つのマイクロ波エネルギー相互作用要素を含むことができる。1つの特定の例では、第1の構成要素及び第2の構成要素はそれぞれ、衝突するマイクロ波エネルギーの少なくとも一部を熱エネルギーに変換し、この熱エネルギーが次いで食品を加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げすることができるというサセプタを含む。これらのサセプタは、食品の底面が第1の構成要素にあるサセプタに隣接し、食品の上部が第2の構成要素にあるサセプタに隣接し、それによって、食品の複数の表面を同時に加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げするように構成することができる。
【0007】
所望であれば、第1の構成要素及び第2の構成要素を互いに接合してもよい。いくつかの実施の形態では、第2の構成要素は、第1の構成要素の、食品とは反対の側に接合され、それによって、食品を第1の構成要素のサセプタ及び第2の構成要素のサセプタの一部によって覆うようにすることができる。
【0008】
いくつかの実施の形態における使用時に、第2の構成要素は、第2の構成要素の端部を第1の構成要素の下に入れ込むことによって適所に固定され、それによって、第2の構成要素が食品及び第1の構成要素の周りを包んだ状態で、食品及び第1の構成要素の重量が該第2の構成要素を保持する役割を果たすようにすることができる。第2の構成要素は、その寸法に応じて、食品の底面にさらなる加熱を提供することができる。
【0009】
本発明の他の態様、特徴及び利点は、以下の説明及び添付の図面から明らかになるであろう。
【0010】
説明では、複数の図面を通して同様の参照符号が同様の部分を指す添付の概略的な図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】例示的なマイクロ波エネルギー相互作用包装材料を含む開構成の例示的なマイクロ波エネルギー相互作用加熱パッケージの概略的な斜視図である。
【図1B】線1B−1Bに沿った、図1Aの例示的なマイクロ波エネルギー相互作用包装材料の概略的な断面図である。
【図1C】図1Aのパッケージの概略的な底面図である。
【図1D】閉構成の、図1Aの例示的なパッケージの概略的な斜視図である。
【図1E】線1E−1Eに沿った、図1Dの例示的なパッケージの概略的な断面図である。
【図1F】異なる寸法のマイクロ波エネルギー相互作用包装材料を有する、図1D及び図1Eの例示的なパッケージの概略的な断面図である。
【図2A】本開示に従ってマイクロ波エネルギー相互作用包装材料として使用することができる例示的なマイクロ波エネルギー相互作用断熱材料の一部の概略的な断面図である。
【図2B】カットシートの形態の、図2Aの断熱材料の概略的な斜視図である。
【図2C】マイクロ波エネルギーに十分に暴露した後の、図2Bのシートの概略的な斜視図である。
【図2D】マイクロ波エネルギー相互作用包装材料として図2A〜図2Cの例示的なマイクロ波エネルギー相互作用断熱材料を含む、別の例示的なマイクロ波エネルギー相互作用加熱パッケージの概略的な斜視図である。
【図2E】線2E−2Eに沿った図2Dの例示的なパッケージの概略的な断面図である。
【図2F】異なる寸法のマイクロ波エネルギー相互作用包装材料を有する、図2D及び図2Eの例示的なパッケージの概略的な断面図である。
【図3】本開示に従ってマイクロ波エネルギー相互作用包装材料として使用することができる別の例示的なマイクロ波エネルギー相互作用断熱材料の概略的な断面図である。
【図4】本開示に従ってマイクロ波エネルギー相互作用包装材料として使用することができるまた別の例示的なマイクロ波エネルギー相互作用断熱材料の概略的な断面図である。
【図5】本開示に従ってマイクロ波エネルギー相互作用包装材料として使用することができるさらに別の例示的なマイクロ波エネルギー相互作用断熱材料の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の種々の態様は、図面を参照することによって説明することができる。簡明化のために、同様の符号は同様の特徴を説明するために使用され得る。複数の同様の特徴が示される場合、このような特徴の全てが必ずしも各図に記される必要がないことが理解されるであろう。本明細書において、種々の例示的な実施形態を詳細に図示及び説明するが、これらの特徴のいずれかを任意の組み合わせで使用してもよいこと、及びそのような組み合わせが本明細書によって意図されることも理解されるであろう。
【0013】
図1Aは、電子レンジにおいて食品を加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げするのに使用することができる例示的な装置、構造体又はパッケージ100を概略的に示す。例えば、限定するわけではないが、食品(又は物品)は、パン生地ベースの食品(例えばペストリーポケットサンドイッチ)、パン粉をまぶした食品(例えばチキンナゲット)、フレンチフライ、又は加熱、焦げ目付け及び/若しくはカリカリ仕上げされることが望ましい少なくとも1つの表面を有する任意の他の好適な食品であり得る。
【0014】
この実施形態では、パッケージ100は、食品(又は物品)を収容するキャビティ108を画定する、ベース又はベースパネル104と、複数の実質的に直立するサイドパネル又は壁106とを有するトレー102を含む。しかし、他の実施形態(図示せず)では、トレー102の代わりに、サイドパネル又は壁がより少ないか若しくはこれを全く有しないパネル又はカードを用いてもよい。
【0015】
マイクロ波エネルギー相互作用要素110(図1Aには点描式に概略的に示す)が、トレー102の内側の少なくとも一部、この例ではキャビティ108に面するベース104の内側(例えば上部又は第1の側)を覆ってこれに接合される。一例では、マイクロ波エネルギー相互作用要素110は、衝突するマイクロ波エネルギーの少なくとも一部を吸収すると共に、これを食品との界面において熱エネルギー(すなわち熱)に変換する傾向にある、サセプタ、すなわちマイクロ波エネルギー相互作用材料の薄い層(厚さが概ね約100オングストローム(約0.01ミクロメートル)未満、例えば厚さが約60オングストローム〜約100オングストローム(約0.006ミクロメートル〜約0.01ミクロメートル))であり、約0.15〜約0.35、例えば約0.21〜約0.28の光学密度を有する)から成る。サセプタ要素は多くの場合、食品表面の焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げを促すために使用される。サセプタは、マイクロ波エネルギー透過性基材、例えばポリマーフィルムに接して支持されることができ、それによって「サセプタフィルム」をまとめて形成する。サセプタフィルムは通常、ポリマーフィルムが食品と接触するトレー102の内面112を少なくとも部分的に画定するように、パッケージ100内に位置決めされる。
【0016】
パッケージ100はまた、トレー102を包み込むような寸法である実質的に可撓性のマイクロ波エネルギー相互作用包装材料又はカバー114を含む。図1Bに示される一例では、包装材料114は、サセプタフィルム120を画定するようにポリマーフィルム118に接して支持されるサセプタ116(図1A及び図1Bには点描式に概略的に示す)を備える。サセプタフィルム120は、サセプタ116がポリマーフィルム118及び支持体122間に配置されるように、接着剤(図示せず)を用いて、又は他の方法でマイクロ波エネルギー透過性支持体122、例えば紙、板紙又はポリマーフィルムに接合することができる。
【0017】
必要であれば、包装材料114を、図1Cに破線で概略的に示すように複数の接着剤の円すなわち「ドット」124を使用して、或いは任意の他の接着剤パターン若しくは構成及び/又は任意の他の機械的若しくは熱固着技法を使用して、トレー102に、例えばベース104の外側(例えば底面又は第2の側)(すなわちトレー102の底面)に接合してもよい。代替的には、包装材料114は、トレー102とは別個の構成要素として提供してもよい。
【0018】
図1Cに示されるように、トレー102のベース104及びマイクロ波エネルギー相互作用包装材料114はそれぞれ、第1の方向D1に延びる第1の寸法(例えば幅)と、第1の方向D1に対して実質的に垂直な第2の方向D2に延びる第2の寸法(例えば長さ)とを概ね有する。図示の実施形態では、ベース104の第1の寸法D1bは、包装材料114の第1の寸法D1wよりもわずかに大きく、包装材料114の第2の寸法D2wは、ベース104の第2の寸法D2bよりも大きい。包装材料114は、ベースパネル104の1つの周縁126と実質的に当接すると共に、対向する周縁128を越えて延びる(すなわち覆う)ように位置決めされ、それによって、包装材料114の部分Pが、ベースパネル104と面する、実質的に同一の広がりを有する関係にあるようにする。他の例では、包装材料114の部分Pは、ベースパネル104と全体的に同一の広がりを有してもよい。さらに他の例では、包装材料114の部分Pは、ベースパネル104の一部のみと面する関係にあってもよく、したがって、ベースパネル104と部分的にのみ同一の広がりを有する。いずれの場合も、サセプタ110は、ベースパネル104の下にあるサセプタ116の部分Pと実質的に重なった関係にあることができる。
【0019】
ベースパネル104の下にある包装材料114の部分Pは、部分Pがトレー102に対して決まった位置を有するという点で「固定部分」と称することができ、この固定部分がトレー102と部分的にしか接合されない場合であってもそのように称される。包装材料114の残りの部分は、固定部分のいくらかも自由に(すなわちトレー102とは独立して)移動することができる場合があるが、「可動部分」と称することができる。
【0020】
図1D及び図1Eに概略的に示される1つの許容可能な方法による構造体100を使用するためには、加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げすることが望ましい、少なくとも上側(すなわち上)面T及び下側(すなわち底)面Bを有する食品Fを、キャビティ108に入れてベースパネル104の内側(すなわち食品と接触する表面112)に着座させ、食品の下側面Bが、サセプタ110と隣接(またいくつかの場合には近接)するようにする。包装材料114は、包装材料114のサセプタ116が食品Fの上側面Tと重なった、面する関係になるように、キャビティ108を覆うように折り曲げることができる。必要であれば、次いで、包装材料114の可動(すなわち取り付けられていない)端部をトレー102のベースパネル104の下に入れ込み、包装材料114を包んだ状態として維持することができる。この構成では、包装材料114の入れ込まれた端部分Eは、トレー102の底面に接合される包装材料114の部分Pと部分的に重なった、部分的に面する関係にあり、トレー102のサセプタ110の一部とも部分的に重なった、部分的に面する関係にある。
【0021】
サセプタ110、116は、マイクロ波エネルギーに十分に暴露されると、衝突するマイクロ波エネルギーの少なくとも一部を熱エネルギーに変換し、次いでこの熱エネルギーを食品Fに伝え、食品Fの表面を加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げすることができる。サセプタ116は、食品Fの上側面Tへ、場合によっては側面へ熱を与えることができ、その間、サセプタ110及びトレー102の下のサセプタ116の部分は、食品Fの下側面Bへ熱を与える。食品Fの下では2つのサセプタ110、116が互いに重なっているため、食品の底面をさらなる熱に暴露することができ、これによって下側面Bの加熱、焦げ目付け及びカリカリ仕上げをさらに強化することができることが理解されるであろう。したがって、いくつかの場合では、食品の上側面及び下側面の均一な加熱を確実にする必要があれば、加熱サイクル中に食品を裏返すようにユーザに指示してもよい。
【0022】
マイクロ波エネルギー相互作用包装材料114の寸法は、種々の加熱効果を達成するために調整することができることが理解されるであろう。例えば、食品Fの下のサセプタ110、116が生成する熱が所望の程度の加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げを提供するのに不十分である場合、包装材料114の入れ込まれる部分Eを、食品の下に3層のサセプタ(すなわち110、116、116)があるように、図1Fに概略的に示すようにベースパネル104の対向する周縁128まで実質的に延びるような寸法にすることができる。さらに、別の実施形態(図示せず)では、包装材料114の第2の寸法(例えば長さ)は、キャビティ108が2回包まれるようにより大きく、少なくとも2層のサセプタがキャビティを覆うようにしてもよい。他の層の数も意図される。
【0023】
包装材料の長さは、トレーの種類、壁の高さ及び加熱する特定の食品に対応するように調整することができることも理解されるであろう。概して、包装材料の長さは、包装材料が実質的にベースパネル全体の下にあり、ベースパネルに着座する食品を実質的に覆うことができるように、少なくともベースパネルの長さの2倍であり得る。また多くの場合、入れ込まれる端部分を形成するか、及び/又はトレー内の食品(複数可)の高さを考慮するには、十分に余分な包装材料を提供するためにさらなる長さが必要となる。
【0024】
トレーが壁を有しない(そのためトレーは単なるパネルである)か又はトレーが食品の高さよりも低いか若しくはこれと実質的に等しい高さの壁を有する場合、上述の包装材料の寸法で十分であろう。しかし、トレーが食品よりも高い高さの側壁を含む場合、包装材料の長さは、ベースパネルの長さの少なくとも2倍+包まれる対向する側壁の対の高さH(図1A)の2倍+入れ込まれる端部を形成するのに必要な任意のさらなる長さであり得る。そのような例では、さらなる包装材料の長さは、ユーザが手で余分な包装材料をキャビティに押し込んでサセプタを食品と近接させることができるように提供され得る。さらに別の例としては、さらなる包装材料を、例えばいくつかのパン生地製品のような食品が膨張することが予測される場所に提供し、発酵及び/又は外方に膨張するパン生地の膨張に対応することができる。
【0025】
多くの他のマイクロ波エネルギー相互作用包装材料を本開示に従って使用することができることも理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態では、包装材料は、実質的に平面的な構造部から多次元構造部へ変形し、サセプタを食品の表面と近接させることができる材料から成り得る。他の種類のそのような材料は、概して、加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げを強化するように隣接する食品に対するマイクロ波エネルギーの効果を変えると共に、マイクロ波加熱環境からの或る程度の断熱をもたらす任意の好適な材料であり得る、マイクロ波エネルギー相互作用断熱材料(「断熱材料」)である。
【0026】
いくつかの実施形態では、断熱材料は、1つ又は複数の膨張可能な断熱セルと組み合わせて1つ又は複数のサセプタ層を備え得る。例えば、図2Aに断面図で概略的に示されるように、1つの例示的なマイクロ波エネルギー相互作用断熱材料200は、第1のポリマーフィルム204に接して支持されるサセプタ202(合わせてサセプタフィルム206を形成する)を含む。サセプタフィルム206は、接着剤208又は他の方法で貼り合わせることによって寸法が安定した基材210、例えば紙と接合することができ、それによって、層202、204、210が全体的に、図1B(この図では接着剤層は示していない)の構造部と同様の構造部を形成する。基材210は、接着剤214又は任意の他の好適な固着材料又は技法を使用して、パターン化された構成で第2のポリマーフィルム212に接合され、それによって、基材210と第2のポリマーフィルム212との間に複数の膨張可能な断熱セル216(空隙として示す)を形成する。接着剤208、214は互いに及び/若しくは接着剤124(図1C)とは異なってもよく、又はそのような接着剤124、208、214のいずれかは互いに同じものであってもよいことが留意されるであろう。
【0027】
断熱材料200を切断して、図2Bに示すような実質的に平坦な多層シートとして提供してもよく、これは、本開示によるマイクロ波エネルギー相互作用包装材料としての役割を果たすような寸法にすることができる。
【0028】
理論によって拘束されることは望まないが、マイクロ波エネルギーによる衝突によってサセプタ202を加熱すると、通常は基材210、例えば紙内に保持されている水蒸気及び他のガス、並びに第2のポリマーフィルム212と基材210との間の閉鎖セル216内に捕捉されている空気がいずれも膨張し、それによって、図2Cに概略的に示すように、サセプタフィルム206及び基材210が第2のポリマーフィルム212から膨れ上がることになると考えられる。結果として生じる断熱材料200’は、実質的に平坦な第2の面220に対向するキルト状又は枕状又は持ち上がった(lofted)第1の面218を有する。マイクロ波加熱が止まると、セル216は通常しぼみ、幾分皺の寄った見た目(図示せず)を有する幾分平坦な状態に戻る。
【0029】
図2D及び図2Eは、別の例示的なマイクロ波加熱構造体、装置又はパッケージ222を形成する、図1Aのマイクロ波エネルギー相互作用トレー102用の包装材料200としての図2A〜図2Cの断熱材料200の使用を概略的に示す。しかし、パネル、トレー及び構造体の他の形状及び種類を使用してもよい。
【0030】
1つの許容可能な方法によると、包装材料200を、キャビティ108を覆うように折り曲げて任意選択的にトレー102の下に入れ込み、図2D(この図では、包装材料200の破線は、閉鎖セル216の存在を概略的に示す)に概略的に示すように、サセプタフィルム206がキャビティ108と面する状態で包装材料200を包んだ構成として維持することができる。
【0031】
トレー102のサセプタ110は、マイクロ波エネルギーへ十分に暴露されると、衝突するマイクロ波エネルギーの少なくとも一部を熱エネルギーに変換し、次いでこの熱エネルギーをトレー102内の食品Fの隣接する表面に伝えることができる。その結果、食品Fの下側面の焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げを強化することができる。
【0032】
同時に、包装材料200のサセプタ202が加熱されて膨張可能なセル216が膨らむと、サセプタフィルム206及び基材210がトレー102へ向かって膨れ上がる(図2E)。サセプタ202は、キャビティ108を覆う領域では、食品Fの上側面へ向かって付勢され、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げを強化することができる。なお、包装材料200の枕状の表面は、食品Fの表面により密接するように適合することができ、このことは、食品Fの上側面に起伏があるか及び/又は複数の食品を用いる場合に特に有利であり得る。
【0033】
トレー102の下の膨張したセル216は、膨張の程度及び/又は入れ込まれる端部Eの長さに応じて、トレー102を電子レンジの床(すなわちターンデーブル)から幾分持ち上げる場合がある。そのように持ち上げることによって、電子レンジの周囲の加熱環境から断熱することができ、また、より多くの熱を食品Fに伝えることができる。いくつかの実施形態では、包装材料200を、図2Fに概略的に示すように、トレー102の下に2層の断熱セル216を提供するようなサイズにして、さらなる断熱及び/又は持ち上げをもたらすことができる。そのような断熱材料のさらなる利点及び態様は、米国特許第7,019,271号、2006年6月1日に公開された米国特許出願公開第20060113300号、及び2008年4月3日に公開された米国特許出願公開第20080078759号に記載されており、これらはそれぞれ参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0034】
本開示に従って、多くの他のマイクロ波エネルギー相互作用構造部を使用することができる。そのような構造部のいずれかを単独で、又は組み合わせて、また任意の構成で用いて、トレー及び/又はマイクロ波エネルギー相互作用包装材料を形成することができる。これらの構造部は、部分的に若しくは完全に接合されるか、又は互いに別個のままとすることができる。
【0035】
例えば、図3は、別の例示的な構造部又は断熱材料300を概略的に示す。この例では、構造部300は、ポリマーフィルム層302、サセプタ層304、接着剤層306及び紙層308を含む。さらに、構造体300は、第2のポリマーフィルム層310、接着剤層312及び紙層314を含む。これらの層は、複数の実質的に閉鎖した膨張可能なセル318を画定するパターン化された接着剤316によって接着又は固定することができる。
【0036】
同様に、図4は、包装材料としての使用に好適であり得るまた別の例示的なマイクロ波エネルギー相互作用断熱材料400を概略的に示す。この例では、断熱材料400は、一対の接触する、対称な層構造を含む。所望であれば、2つの対称な構造は、1つの層構造をそれ自体に折り重ねることによって形成してもよい。
【0037】
第1の対称な層構造は、図の上部から開始して、ポリマーフィルム層402、サセプタ層404、接着剤層406及び紙又は板紙層408を備える。接着剤層406は、ポリマーフィルム層402及びサセプタ層404を板紙層408に接合する。第2の対称な層構造も、図の底部から開始して、ポリマーフィルム層410、サセプタ層412、接着剤層414及び紙又は板紙層416を備える。パターン化された接着剤層418が、2つの紙層408、416の間に提供され、マイクロ波エネルギーに十分に暴露されると膨らむように構成される複数の閉鎖セル420を画定する。理論によって拘束されることは望まないが、さらなるサセプタ層の結果として断熱セルがより加熱されると共により膨張し、それによって、1つのサセプタ層しか有しない断熱材料と比べてより断熱されると考えられる。
【0038】
前述した例示的な断熱材料はそれぞれ、膨張可能なセルを膨らませる蒸気の少なくとも一部を放出すると考えられる水分含有層(例えば紙)を含むことが認識されるであろう。しかし、そのような水分含有層を有しない断熱構造部を使用してパッケージを形成してもよいことが意図される。
【0039】
例えば、図5は、水分含有層、例えば紙の必要なく膨らむ膨張可能セル断熱材料500の一例を示す。その代わりとしては、セルを膨らませるガスを生成するのに1つ又は複数の試薬が使用される。
【0040】
図5に示すように、マイクロ波相互作用材料502の薄層が第1のポリマーフィルム504に接して支持され、サセプタフィルム506を形成する。任意選択的にコーティング内にある1つ又は複数の試薬508が、マイクロ波相互作用材料502の層の少なくとも一部と隣接して存在する。試薬508でコーティングしたサセプタフィルム506は、閉鎖セル514が材料500内に形成されるように、パターン化された接着剤512若しくは他の材料を使用することによって、又は熱結合、超音波結合、若しくは任意の他の好適な技法を使用することによって第2のポリマーフィルム510に接合される。
【0041】
多くの試薬が構造部500における使用に好適であり得る。例えば、試薬は、重曹(NaHCO)及び好適な酸を含み得る。試薬は、熱に暴露すると反応し、二酸化炭素を生成する。別の例として、試薬は発泡剤を含み得る。好適であり得る発泡剤の例としては、p−p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾジカルボンアミド及びp−トルエンスルホニルセミカルバジドが挙げられるが、これらに限定されない。しかし、多くの他の試薬及び放出されるガスが本明細書によって意図されることが理解されるであろう。
【0042】
マイクロ波エネルギーによる衝突によってマイクロ波相互作用材料502が加熱されると、水蒸気又は他のガスが試薬508から放出され(るか又は生成され)、それによって、上記の種々の他の断熱材料と関連して説明したように、閉鎖セル514の一方の側のサセプタフィルム508及び他方の側の第2のポリマーフィルム510に圧力が加わる。紙又は板紙層がなくても、試薬に起因するガスは、膨張可能なセルを膨らませると共にサセプタからの余分な熱を全て吸収するのに十分なものである。そのような材料は、米国特許出願公開第20060278521号(参照によってその全体が本明細書に援用される)にさらに記載されている。
【0043】
多くの他のマイクロ波加熱構造体又はパッケージが本開示によって包含される。そのような構造体のいずれかは、種々の材料から形成することができるが、これらの材料は、典型的な電子レンジ加熱温度、例えば華氏約250度(約121℃)〜華氏約425度(約218℃)で軟化、焦げ、燃焼又は劣化に対して実質的に耐性を示すことを条件とする。使用される特定の材料としては、マイクロ波エネルギー相互作用材料、例えば、サセプタ(例えばサセプタ116、202、304、404、502)及び他のマイクロ波エネルギー相互作用要素を形成するのに使用される材料、並びにマイクロ波エネルギー透過性若しくは不活性材料、例えばパッケージの残りの部分を形成するのに使用される材料が挙げられ得る。
【0044】
マイクロ波エネルギー相互作用材料は、導電性又は半導性材料、例えば金属箔として提供される金属若しくは合金;真空蒸着金属若しくは合金;又は金属インク、有機インク、無機インク、金属ペースト、有機ペースト、無機ペースト、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。好適であり得る金属及び合金の例としては、アルミニム、クロミウム、銅、インコネル合金(ニオビウムを含むニッケル−クロミウム−モリブデン合金)、鉄、マグネシウム、ニッケル、ステンレス鋼、スズ、チタン、タングステン及びそれらの任意の組み合わせ又は合金が挙げられるが、それらに限定されない。
【0045】
代替的には、マイクロ波エネルギー相互作用材料は、任意選択的に導電性材料と併せて使用される金属酸化物、例えばアルミニウム、鉄及びスズの酸化物を含んでいてもよい。好適であり得る別の金属酸化物はインジウムスズ酸化物(ITO)である。ITOは、より均一な結晶構造を有するため、ほとんどのコーティング厚さにおいて透明である。
【0046】
さらに代替的には、マイクロ波エネルギー相互作用材料は、好適な導電性、半導性若しくは非導電性の人工誘電体又は強誘電体を含んでもよい。人工誘電体は、重合体又は他の好適なマトリクス又はバインダー中に導電性の細分された材料を含み、導電性金属、例えばアルミニウムのフレークを含み得る。
【0047】
本明細書中ではサセプタを説明するが、構造体は、衝突するマイクロ波エネルギーの相当な部分を反射するのに十分な厚さを有する箔又は高光学密度蒸着材料も含み得る。そのような要素は通常、約0.000285インチ〜約0.05インチ(約0.007239mm〜約1.27mm)、例えば約0.0003インチ〜約0.03インチ(約0.00762mm〜約0.762mm)の厚さを概ね有する中実の「パッチ」の形態の、導電性の反射金属又は合金、例えばアルミニウム、銅又はステンレス鋼から形成される。他のそのような要素は、約0.00035インチ〜約0.020インチ(約0.00889mm〜約0.508mm)、例えば約0.016インチ(約0.41mm)の厚さを有し得る。
【0048】
食品が加熱中に焦げるか又は乾燥しやすい場合、より大きいマイクロ波エネルギー反射要素が使用され得る。マイクロ波エネルギーを拡散するか又はその強度を低下させるために、より小さいマイクロ波エネルギー反射要素を使用することができる。マイクロ波エネルギーを食品の特定の領域に誘導するために、複数のより小さいマイクロ波エネルギー反射要素を配置してマイクロ波エネルギー誘導要素を形成してもよい。所望であれば、そのループは、マイクロ波エネルギーを共鳴させる長さを有することができ、それによって、分散効果を高める。マイクロ波エネルギー分散要素は、米国特許第6,204,492号、同第6,433,322号、同第6,552,315号及び同第6,677,563号に記載されており、これらはそれぞれ参照によってその全体が援用される。
【0049】
必要であれば、本明細書に記載されるか又は本明細書によって意図される多くのマイクロ波エネルギー相互作用要素のいずれかを、実質的に連続的にし、すなわち実質的な破断部若しくは中断部を有しないものとしてもよく、又は例えばマイクロ波エネルギーを透過させる1つ又は複数の破断部若しくは開口を含むことによって不連続的としてもよい。破断部又は開口は、食品の特定の領域を選択的に加熱するようなサイズとし、位置決めすることができる。破断部又は開口は、構造部全体を貫通するか、又は1つ又は複数の層のみを貫通してもよい。そのような破断部又は開口の数、形状、サイズ及び位置決めは、形成される構造体の種類、構造体内若しくは構造体上で加熱される食品、所望の遮蔽、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げの程度、食品の均一な加熱を達成するためにマイクロ波エネルギーへの直接暴露が必要又は望ましいか否か、直接的な加熱による食品の温度変化の調節の必要性、並びに通気する必要があるのか否か、またどの程度まで必要であるのかに応じて、特定の用途に関して変わり得る。
【0050】
開口は、構造体を形成するのに使用される1つ又は複数の層又は材料にある物理的な開口又は空隙であり得るか、或いは非物理的な「開口」であり得ることが理解されるであろう。非物理的な開口は、構造部を切り抜かれる実際の空隙又は孔を有することなくマイクロ波エネルギーに構造部を通過させるマイクロ波エネルギー透過性領域である。そのような領域は、単にマイクロ波エネルギー相互作用材料を特定の領域に適用しないことによって、又は特定の領域のマイクロ波エネルギー相互作用材料を取り除くことによって、又は特定の領域のマイクロ波エネルギー相互作用材料を化学的及び/若しくは機械的に不活性化することによって形成することができる。物理的な開口でも非物理的な開口でも食品をマイクロ波エネルギーによって直接加熱することができるが、物理的な開口は、水蒸気又は他の蒸気を構造体の内部から逃がすことを可能にする通気機能も提供する。
【0051】
マイクロ波エネルギー相互作用領域及びマイクロ波エネルギー透過性領域の配置は、特定の用途に対する必要性又は所望に応じて、種々の加熱レベルを提供するように選択することができる。例えば、より強い加熱が所望である場合、総不活性(すなわちマイクロ波エネルギー透過性)領域を増やすことができる。そうすることで、より多くのマイクロ波エネルギーが食品へ伝わる。代替的には、総不活性領域を減らすことによって、より多くのマイクロ波エネルギーがマイクロ波エネルギー相互作用領域によって吸収され、熱エネルギーに変換されて食品の表面に伝わり、加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げを強化する。
【0052】
場合によっては、1つ又は複数の不連続部又は不活性領域を作り、構造体の過熱又は炭化を防ぐことが有益であり得る。そのような領域は、上述したように、マイクロ波エネルギー相互作用材料を有しない構造体の領域を形成することによって、適用されている任意のマイクロ波エネルギー相互作用材料を取り除くことによって、又はこれらの領域のマイクロ波エネルギー相互作用材料を不活性化することによって形成することができる。
【0053】
さらにまた、マイクロ波エネルギーが、焦げ目付け及び/若しくはカリカリ仕上げされることが意図されない食品の部分又は加熱環境に失われず、加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げされる領域に効率的に集中することを確実にするために、1つ又は複数のパネル、パネルの複数の部分、又は構造体の複数の部分をマイクロ波エネルギー不活性であるように設計することができる。これは、前述のような任意の好適な技法を使用して達成することができる。
【0054】
上述のように、マイクロ波エネルギー相互作用要素は、取り扱いを容易にするために、及び/又はマイクロ波エネルギー相互作用材料と食品との接触を防ぐために、マイクロ波不活性又は透過性基材(例えば基材118、302、402、504)、例えばポリマーフィルム又は他の好適な高分子材料に接して支持することができる。ポリマーフィルムの最外面は、パッケージの食品と接触する面(例えば面112)の少なくとも一部を画定し得る。好適であり得るポリマーフィルムの例としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、セロファン、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特定の一例では、ポリマーフィルムはポリエチレンテレフタレートから成る。フィルムの厚さは概ね、約35ゲージ〜約10ミルであり得る。種々の例のそれぞれでは、フィルムの厚さは、約40ゲージ〜約80ゲージ、約45ゲージ〜約50ゲージ、約48ゲージ、又は任意の他の好適な厚さであり得る。他の非導電性基材材料、例えば紙及び紙積層体、金属酸化物、シリケート、セルロース又はそれらの任意の組み合わせも使用することができる。
【0055】
マイクロ波エネルギー相互作用材料は、任意の好適な方法で基材に適用することができ、場合によっては、基材に印刷、押出、スパッタリング、蒸着又はラミネートされる。マイクロ波エネルギー相互作用材料は、食品の所望の加熱効果を達成するために、任意のパターンで、また任意の技法を用いて基材に適用することができる。例えば、マイクロ波エネルギー相互作用材料は、連続的若しくは不連続的な層として、又は円、ループ、六角形、島、正方形、矩形、八角形等を含むコーティングとして提供することができる。
【0056】
種々の材料が、トレー102のベース材料としての役割を果たし得る。例えば、トレーは、ポリマーすなわち高分子材料から少なくとも部分的に形成することができる。別の例として、構造体の全て又は一部を紙又は板紙材料から形成してもよい。一例では、紙は、約15lbs/連〜約60lbs/連(lb/3000平方フィート)(約24g/平方メートル(gsm)〜約98gsm)、例えば約20lbs/連〜約40lbs/連(約33gsm〜約65gsm)の坪量を有する。別の例では、紙は、約25lbs/連(約27gsm)の坪量を有する。別の例では、板紙は、約60lbs/連〜約330lbs/連(約98gsm〜約537gsm)、例えば約155lbs/連〜約265lbs/連(約252gsm〜約431gsm)の坪量を有する。特定の一例では、板紙は、約175lbs/連(約285gsm)の坪量を有する。板紙は概ね、約6ミル〜約30ミル(約0.15mm〜約0.76mm)、例えば約14ミル〜約24ミル(約0.36mm〜約0.61mm)の厚さを有し得る。特定の一例では、板紙は、約16ミル(約0.41mm)の厚さを有する。Graphic Packaging Internationalから市販されている固体漂白硫酸塩厚紙、又は例えばSUS(登録商標)厚紙等の固体無漂白硫酸塩厚紙等の任意の好適な板紙を使用することができる。
【0057】
パッケージは、接着結合、熱結合、超音波結合、機械的な縫合、又は任意の他の好適なプロセスを使用することを含む、当業者に既知の多くのプロセスに従って形成することができる。パッケージを形成するのに使用される種々の構成要素のいずれかを、形成されるパッケージの形状の材料シート、材料ロール又は打ち抜き材料(例えばブランク)として提供することができる。
【0058】
マイクロ波エネルギー相互作用要素は、要素及び材料のいくつかの組み合わせを用いる場合、基材又は支持体から視覚的に識別可能なグレー又はシルバーの色を有することができることが理解されるであろう。しかし、場合によっては、均一の色及び/又は見た目を有するパッケージを提供することが望ましい場合がある。特に消費者が、例えば無地、特定のパターン等の或る特定の視覚的な特性を有するパッケージ又は容器に慣れている場合に、そのようなパッケージは消費者によってより美的に魅力のあるものとなり得る。したがって、例えば、本開示は、マイクロ波エネルギー相互作用要素を支持体に接合するシルバー又はグレーの色調の接着剤を使用すること、シルバー又はグレーの色調のマイクロ波エネルギー相互作用要素の存在をマスクするためにシルバー又はグレーの色調の支持体を使用すること、シルバー又はグレーの色調のマイクロ波エネルギー相互作用要素の存在を隠すために暗い色調の基材、例えば黒い色調の基材を使用すること、色の変化を不明瞭にするためにポリマーフィルムの金属化面にシルバー又はグレーの色調のインクを重ね刷りすること、マイクロ波エネルギー相互作用要素の存在をマスクするか若しくは隠すためにポリマーフィルムの非金属化面にシルバー若しくはグレーのインク又は他の隠すための色を好適なパターンで又は無地層として印刷すること、或いは任意の他の好適な技法又は技法の組み合わせを意図する。
【0059】
本発明は、本明細書中において特定の態様及び実施形態に関して詳細に説明されているが、この詳細な説明は、本発明を示し例示するものに過ぎず、単に本発明の完全な権利が与えられる開示を提供する目的で、また本発明がなされた時点で本発明者らが知っていた本発明を実施するための最良の形態を記載するためになされていることを理解されたい。本明細書に記載される詳細な説明は、例示的なものに過ぎず、本発明を限定するか、又はそうでなくとも本発明の任意のそのような他の実施形態、適合、変形、変更及び均等な構成を除外する意図はなく、またそのように解釈されるべきではない。全ての方向に関する言及(例えば上側、下側、上方、下方、左、右、左側、右側、上部、底部、上、下、垂直、平行、時計回り及び反時計回り)は、本発明の種々の実施形態を読み手が理解することを助けるために識別する目的で使用されるに過ぎず、特許請求の範囲において具体的に記載されない限り、特に本発明の位置、向き又は使用に関して限定するものではない。接合に関する言及(例えば接合される、取り付けられる、結合される、接続される等)は、広範に解釈されるべきであり、要素と要素とを接続する中間の部材、及び要素間の相対的な移動を含み得る。したがって、接合に関する言及は、必ずしも2つの要素が直接的に接続されて互いに固定された関係にあることを示唆するものではない。さらに、種々の実施形態を参照して説明された種々の要素を取り替えて、本発明の範囲内にある全く新しい実施形態を形成してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品のマイクロ波加熱装置であって:
前記食品を収容するパネルであって、前記食品に面する第1の側及び該第1の側とは反対の第2の側を含むパネルと;
前記パネルの前記第1の側に接合される第1のサセプタと;
第2のサセプタを備えるマイクロ波エネルギー相互作用包装材料であって、
前記パネルの前記第2の側に取り付けられる第1の部分であって、前記第1のサセプタと少なくとも部分的に重なる第1の部分、
前記パネル上の前記食品を覆うように構成される第2の部分、及び
前記第1の部分の下に位置決めされるように構成される第3の部分
を含むマイクロ波エネルギー相互作用包装材料と;
を備えるマイクロ波加熱装置。
【請求項2】
前記マイクロ波エネルギー相互作用包装材料の前記第1の部分、前記第2の部分及び前記第3の部分はそれぞれ、前記第2のサセプタを備える請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
【請求項3】
前記パネル及び前記マイクロ波エネルギー相互作用包装材料はそれぞれ、第1の方向に延びる第1の寸法と、該第1の方向に対して実質的に垂直な第2の方向に延びる第2の寸法とを有し、
前記パネルの前記第1の寸法は、前記マイクロ波エネルギー相互作用包装材料の前記第1の寸法以上であって、
前記マイクロ波エネルギー相互作用包装材料の前記第2の寸法は、前記パネルの前記第2の寸法の少なくとも2倍である請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
【請求項4】
前記パネル及び前記マイクロ波エネルギー相互作用包装材料はそれぞれ、第1の方向に延びる第1の寸法と、該第1の方向に対して実質的に垂直な第2の方向に延びる第2の寸法とを有し、
前記パネルの前記第1の寸法は、前記マイクロ波エネルギー相互作用包装材料の前記第1の寸法以上であって、
前記マイクロ波エネルギー相互作用包装材料の前記第2の寸法は、前記パネルの前記第2の寸法の少なくとも3倍である請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
【請求項5】
前記第1のサセプタ及び前記第2のサセプタはそれぞれ、衝突するマイクロ波エネルギーの少なくとも一部を熱エネルギーに変換するように動作可能なマイクロ波エネルギー相互作用材料の層を備える請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
【請求項6】
前記第1のサセプタ及び前記第2のサセプタの少なくとも一方は、約0.21〜約0.28の光学密度を有するアルミニウムの層を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
【請求項7】
前記第2のサセプタは第1のポリマーフィルムに接して支持され、
水分含有層が、前記第2のサセプタの、前記第1のポリマーフィルムとは反対の側で該第2のサセプタに接合され、
第2のポリマーフィルムが、パターン化された構成で前記水分含有層に接合されることによって、該水分含有層及び前記第2のポリマーフィルム間に複数のセルを画定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
【請求項8】
前記セルは、マイクロ波エネルギーに十分に暴露されると膨らむように構成される、請求項7に記載のマイクロ波加熱装置。
【請求項9】
前記パネルのそれぞれの周縁から上方に延びる複数の壁をさらに備える請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
【請求項10】
食品のマイクロ波加熱装置であって:
前記食品を収容するキャビティを画定するベース及び複数の直立壁を含むトレーであって、前記ベースは、前記キャビティに面する第1の側及び該第1の側とは反対の第2の側を含むトレーと;
前記ベースの前記第1の側に接合されるサセプタと;
前記ベースの前記第2の側に接合される固定部分、及び前記キャビティ内の前記食品を覆うように構成される可動部分を有するマイクロ波エネルギー相互作用断熱材料であって、該マイクロ波エネルギー相互作用断熱材料の前記固定部分及び前記可動部分は、
第1のポリマーフィルムに接して支持されるマイクロ波エネルギー相互作用材料の層、
前記マイクロ波エネルギー相互作用材料の層に接合される水分含有層、及び
パターン化された構成で前記水分含有層に接合されることによって該水分含有層との間に複数のセルを画定する第2のポリマーフィルムであって、前記セルは、該マイクロ波エネルギー相互作用断熱材料がマイクロ波エネルギーに十分に暴露されると膨らむ第2のポリマーフィルムを含むマイクロ波エネルギー相互作用断熱材料と;
を備えるマイクロ波加熱装置。
【請求項11】
前記可動部分は、前記トレーの下の前記固定部分の下に重なるように構成される端部を含む請求項10に記載のマイクロ波加熱装置。
【請求項12】
前記複数の直立壁は1対の対向壁を含み、
前記可動部分は、前記1対の対向壁の各壁を包むような寸法を有する請求項10又は11に記載のマイクロ波加熱装置。
【請求項13】
前記可動部分はさらに、前記ベースの実質的に全ての下に重なるような寸法を有する請求項12に記載のマイクロ波加熱装置。
【請求項14】
食品を調理する方法であって:
底面及び上面を有し、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げされることが意図される食品を準備する工程と;
マイクロ波加熱装置を準備する工程であって、該マイクロ波加熱装置は、
前記食品を収容する寸法が安定したパネルと、
前記パネルの第1の側に接合される第1のサセプタと、
前記パネルの、前記第1の側とは反対の第2の側に接合されるマイクロ波エネルギー相互作用包装材料であって、第2のサセプタを含む、マイクロ波エネルギー相互作用包装材料とを含む、マイクロ波加熱装置を準備する工程と;
前記食品の前記底面が前記第1のサセプタに隣接するように前記パネルの前記第1の側に前記食品を位置決めする工程と;
前記第2のサセプタの少なくとも一部が前記食品の前記上面に隣接するように、前記パネル上の前記食品を前記マイクロ波エネルギー相互作用包装材料によって包む工程と;
を含み、前記第1のサセプタ及び前記第2のサセプタは、衝突するマイクロ波エネルギーの少なくとも一部を熱エネルギーに変換するように構成されており、前記第1のサセプタが生成する前記熱エネルギーは、前記食品の前記底面を少なくとも部分的に焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げするためのものであり、前記第2のサセプタが生成する前記熱エネルギーは、前記食品の前記上面を少なくとも部分的に焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げするためのものである方法。
【請求項15】
前記パネルの前記第2の側にある前記第2のサセプタの少なくとも一部は、前記パネルの前記第1の側にある前記第1のサセプタと重なる請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記パネル上の前記食品を前記マイクロ波エネルギー相互作用包装材料によって包む工程は、前記食品に前記マイクロ波エネルギー相互作用包装材料を被せる工程と、及び該マイクロ波エネルギー相互作用包装材料の端部を前記パネルの下に入れ込む工程とを含む請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記マイクロ波エネルギー相互作用包装材料の端部を前記パネルの下に入れ込む工程は、該マイクロ波エネルギー相互作用包装材料の該端部に、前記パネルの前記第2の側に接合される前記マイクロ波エネルギー相互作用包装材料の少なくとも一部を重ねる工程を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記マイクロ波エネルギー相互作用包装材料は、該マイクロ波エネルギー相互作用包装材料の前記入れ込まれる端部が、前記パネルの前記第2の側に接合される前記マイクロ波エネルギー相互作用包装材料の実質的に全てと重なるような寸法である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2のサセプタは第1のポリマーフィルムに接して支持され、
前記マイクロ波エネルギー相互作用包装材料は、
前記第2のサセプタの、前記第1のポリマーフィルムとは反対の側で該第2のサセプタに接合される水分含有層と、
パターン化された構成で前記水分含有層に接合されることによって、該水分含有層との間に複数のセルを画定する、第2のポリマーフィルムと、
をさらに備え、
前記包まれた食品をマイクロ波エネルギーに暴露して前記セルを膨らませることによって前記第2のサセプタを前記食品へ向かって付勢する工程を含む請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記包まれた食品をマイクロ波エネルギーに暴露する工程をさらに含み、それによって、前記第1のサセプタ及び前記第2のサセプタは、衝突するマイクロ波エネルギーの少なくとも一部を熱エネルギーに変換し、前記第1のサセプタが生成する前記熱エネルギーは前記食品の前記底面を少なくとも部分的に焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げし、前記第2のサセプタが生成する前記熱エネルギーは前記食品の前記上面を少なくとも部分的に焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げするためのものである、請求項14〜19のいずれか1項に記載の方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図1D】
image rotate

【図1E】
image rotate

【図1F】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図2E】
image rotate

【図2F】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2011−519793(P2011−519793A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508650(P2011−508650)
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/043080
【国際公開番号】WO2009/137642
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(504075588)グラフィック パッケージング インターナショナル インコーポレイテッド (137)
【Fターム(参考)】