説明

マットスイッチシステム及びマットスイッチ

【解決手段】
マットスイッチシステムは、スイッチモードA,Bを有する。スイッチモードAでは、16個のフットスイッチFSA1〜FSD4は、それぞれ独立したスイッチとして機能する。スイッチモードBでは、4つのスイッチブロックSWB1〜SWB4が、それぞれ1つのスイッチとして機能する。例えば、スイッチブロックSWB1に属するフットスイッチFSA1〜FSA4のうちの1つでもオンすれば、スイッチブロックSWB1がオンになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間による踏み動作を検出するマットスイッチシステム及びその関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されている従来のマットスイッチでは、マット上の4つのステップ領域に対応して、4つのフットスイッチが設けられる。つまり、上方向の矢印マーク、下方向の矢印マーク、左方向の矢印マーク、及び右方向の矢印マークを印刷することで、4つのステップ領域が示される。以下、この矢印マークを、印刷矢印マーク、と呼ぶ。
【特許文献1】特開2003−38696
【0003】
この従来のマットスイッチを使用したダンスゲーム装置では、テレビジョンモニタの表示画面の上端には、4つの印刷矢印マークに対応した4つの黒矢印マーク(つまり4つの黒く塗りつぶした矢印マーク)が横一列に表示される。各黒矢印マークは、対応する印刷矢印マークと同じ向きを持つ。また、表示画面の下端から、印刷矢印マークに対応した白矢印マーク(つまり白色の矢印マーク)が次々に出現し、各白矢印マークは対応する黒矢印マークへ向かって移動する。各白矢印マークは、対応する印刷矢印マークと同じ向きを持つ。
【0004】
プレイヤは、黒矢印マークに到達した白矢印マークに対応した印刷矢印マークを踏み込んで、対応するフットスイッチをオンにする。このように、プレイヤに対して、白矢印マークの到達タイミングにより、印刷矢印マークの踏み込みタイミングを指示するとともに、白矢印マークの向きにより、踏み込む印刷矢印マークを指示する。従って、プレイヤは、指示された印刷矢印マークを指示されたタイミングで踏み込んで、対応するフットスイッチをオンにしないと、失敗と判断される。
【0005】
以上のように、従来のマットスイッチでは、4つの印刷矢印マーク(4つのフットスイッチ)の各々が、対応する向きの黒矢印マーク及び白矢印マークに、1対1に関連付けられ、その関連付けは固定されている。例えば、上方向の印刷矢印マークに対応するフットスイッチは、上方向の黒矢印マーク及び白矢印マークに1対1に関連付けられている。このように、複数のフットスイッチは、それぞれ独立した入力手段として使用される。
【0006】
ところで、1つのゲーム装置に複数種類のゲームが搭載されることがある。しかし、上記のようなマットスイッチでは、4つのフットスイッチしか設けられていないので、複数のゲームが搭載されるとはいっても、各ゲームは、4つのフットスイッチを用いたゲームに制限されてしまう(コンテンツ作成の制限)。
【0007】
たしかに、1つのマットに4つ以上のフットスイッチを予め設けておき、ゲームの種類によって、使用するフットスイッチの数を異ならせることもできる。しかし、設けられた全てのフットスイッチを使用しないゲームでは、不使用のフットスイッチが遊んでしまうということになり、無駄が大きい。結局、この無駄を少なくするためには、搭載する大部分のゲームが、全てのフットスイッチを使用する内容のものになってしまい、フットスイッチを4つ設けた場合と同様に、ゲーム内容が制限される。
【0008】
また、数多くのフットスイッチを1つのマットに設けてマットスイッチを構成する場合は、以下のような不都合が発生しうる。
【0009】
マットの表面積は、想定した使用人数によって、ある程度制限される。例えば、一人用のマットスイッチでは、横幅が3メートルもあり、端から端まで、横一列にフットスイッチを配置したのでは、実用的ではない。従って、フットスイッチの数に応じて、マットの表面積を大きくしていくことは使い勝手が悪い。一方、適切な表面積のマットに、多くのフットスイッチを配置した場合も、ゲーム内容によっては、使い勝手が悪くなる場合もある。つまり、この場合、マットスイッチの設計は、全てのフットスイッチを使用するゲームに合わせて行われるだろうから、全てのフットスイッチを使用するゲームのときは、使い勝手の問題は生じないであろうが、少ない数のフットスイッチを使用するゲームのときは、使用しないフットスイッチが邪魔になって、使い勝手が悪くなることもある。
【発明の開示】
【0010】
そこで、本発明の目的は、コンテンツ作成の制限を極力小さくしながらも、遊んでしまうフットスイッチを極力少なくでき、しかも、使い勝手の良いマットスイッチシステムを提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、コンテンツ作成の制限を極力小さくしながらも、遊んでしまうフットスイッチを極力少なくでき、しかも、使い勝手が良く、かつ、内部の配線が極端に細くなることを防止できるマットスイッチシステムを提供することである。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、内部の配線が極端に細くなることを防止できるマットスイッチを提供することである。
【0013】
本発明の第1の形態によると、マットスイッチシステムは、ディスプレイ装置に接続して使用されるマットスイッチシステムであって、踏み動作を検出する複数のフットスイッチを含むマットと、前記複数のフットスイッチのオン/オフ情報に応じた処理を実行する情報処理装置と、を備え、所定数の前記フットスイッチを単位とした複数のスイッチブロックが形成され、前記スイッチブロックに含まれる前記所定数の前記フットスイッチは、近接して配置され、前記情報処理装置は、複数のスイッチモードを有し、前記スイッチブロックに含まれる前記所定数の前記フットスイッチは、前記スイッチモードごとに異なるスイッチグループを形成し、前記スイッチグループは、単数又は複数の前記フットスイッチにより構成され、前記情報処理装置は、前記スイッチグループに含まれる少なくとも1つの前記フットスイッチがオンになったとき、そのスイッチグループがオンになったと判断し、前記スイッチグループに含まれる全ての前記フットスイッチがオフのとき、そのスイッチグループがオフになったと判断する。
【0014】
この構成によれば、多くのフットスイッチを使用する内容のプログラムを作成するときは、属するフットスイッチが少ない(例えば、1つ)スイッチグループが形成されたスイッチモードを採用することで、そのプログラムを作成できる。一方、少ないフットスイッチで足りるプログラムを作成するときは、複数のフットスイッチでスイッチグループが形成されたスイッチモードを採用することで、そのプログラムを作成できる。この場合、ユーザは、スイッチグループに属するいずれかのフットスイッチを踏み込むだけで、そのスイッチグループをオンにできる。しかも、スイッチグループに属する各フットスイッチは、近接して配置されるので、ユーザは、1つのスイッチグループを1つのスイッチとして扱うことができる。
【0015】
以上のように、スイッチモードを切り替えることにより、プログラム作成(コンテンツ制作)の制限を極力小さくしながらも、遊んでしまうフットスイッチを極力少なくでき、かつ、使い勝手を良くできる。
【0016】
上記マットスイッチシステムにおいて、前記スイッチブロックの前記所定数の前記フットスイッチは、平面視において、互いに対向するように配置される。
【0017】
この構成によれば、所定数のフットスイッチの全てが、互いに対向するように配置されるため、使い勝手をより向上させることができる。
【0018】
上記マットスイッチシステムにおいて、前記スイッチブロックは、4つの前記フットスイッチにより構成され、その4つのフットスイッチは、互いに対向するように配置される。
【0019】
この構成によれば、4つのフットスイッチの全てが、互いに対向するように配置されるため、使い勝手をより向上させることができる。
【0020】
本発明の第2の形態によると、マットスイッチは、踏み動作を検出する複数のフットスイッチを含むマットを備え、前記フットスイッチは、第1の電極と、第2の電極と、を含み、前記複数のフットスイッチは、第1のグループと第2のグループとに分割され、前記第1のグループに属する前記フットスイッチの前記第1の電極と、前記第2のグループに属する前記フットスイッチの前記第2の電極と、は第1のシートに形成され、前記第1のグループに属する前記フットスイッチの前記第2の電極と、前記第2のグループに属する前記フットスイッチの前記第1の電極と、は第2のシートに形成される。
【0021】
この構成によれば、配線の集中を第1のシートと第2のシートとに分散させることができるので、第1のシート及び第2のシートのいずれかに偏って、情報処理装置とのインタフェース部分に、多くの配線が集中することを防止できる。その結果、配線が極端に細くなることを防止でき、また、製造も容易になる。
【0022】
本発明の第2の形態によると、マットスイッチシステムは、ディスプレイ装置に接続して使用されるマットスイッチシステムであって、踏み動作を検出する複数のフットスイッチを含むマットと、前記複数のフットスイッチのオン/オフ状態に応じた処理を実行する情報処理装置と、を備え、所定数の前記フットスイッチを単位とした複数のスイッチブロックが形成され、前記スイッチブロックに含まれる前記所定数の前記フットスイッチは、近接して配置され、前記情報処理装置は、複数のスイッチモードを有し、複数のスイッチグループが、前記複数のフットスイッチによって形成され、
前記スイッチグループを形成する単数又は複数の前記フットスイッチは、前記スイッチモードごとに異なり、前記情報処理装置は、前記スイッチグループに含まれる少なくとも1つの前記フットスイッチがオンになったとき、そのスイッチグループがオンになったと判断し、前記スイッチグループに含まれる全ての前記フットスイッチがオフのとき、そのスイッチグループがオフになったと判断する。
【0023】
この構成によれば、多くのフットスイッチを使用する内容のプログラムを作成するときは、属するフットスイッチが少ない(例えば、1つ)スイッチグループが形成されたスイッチモードを採用することで、そのプログラムを作成できる。一方、少ないフットスイッチで足りるプログラムを作成するときは、複数のフットスイッチでスイッチグループが形成されたスイッチモードを採用することで、そのプログラムを作成できる。
この場合、ユーザは、スイッチグループに属するいずれかのフットスイッチを踏み込むだけで、そのスイッチグループをオンにできる。
【0024】
以上のように、スイッチモードを切り替えることにより、プログラム作成(コンテンツ制作)の制限を極力小さくしながらも、遊んでしまうフットスイッチを極力少なくでき、かつ、使い勝手を良くできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付してその説明を援用する。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態におけるマットスイッチシステムの全体構成を示す図である。図2は、図1のマットスイッチ11の平面図である。図3は、図1のマットスイッチ11の裏面図である。
【0027】
本実施の形態では、マットスイッチシステムをゲーム装置として使用する例を挙げる。
【0028】
図1に示すように、このマットスイッチシステムは、情報処理装置7、及びマットスイッチ11を具備する。情報処理装置7は、AVケーブル3により、テレビジョンモニタ1に接続される。情報処理装置7には、ACアダプタ5により、直流電源電圧が与えられる。ただし、ACアダプタ5に代えて、電池(図示せず)により、直流電源電圧を与えることもできる。
【0029】
情報処理装置7のハウジング上面には、電源スイッチ9が設けられる。マットスイッチ11には、16個のフットスイッチFSA1〜FSA4,FSB1〜FSB4,FSC1〜FSC4,FSD1〜FSD4(後述)が内蔵される。
【0030】
ここで、フットスイッチFSA1〜FSA4,FSB1〜FSB4,FSC1〜FSC4,FSD1〜FSD4を包括して表現するときは、フットスイッチFSと表記する。
【0031】
電源スイッチ9がオンされると、情報処理装置7は、テレビジョンモニタ1にゲーム画面を表示し、ゲーム処理を進めていく。この場合、情報処理装置11は、マットスイッチ11に内蔵されるフットスイッチFSのオン/オフ情報を受けて、その情報に従った処理を実行する。
【0032】
図2に示すように、マットスイッチ11の最上層を構成する表面シート20には、踏み領域A1〜A4が、互いに対向するように形成される。同様にして、踏み領域FSB1〜FSB4、FSC1〜FSC4、FSD1〜FSD4も、表面シート20に形成される。
【0033】
後で明らかになるが、踏み領域A1〜A4は、それぞれフットスイッチFSA1〜FSA4の直上に形成され、踏み領域B1〜B4は、それぞれフットスイッチFSB1〜FSB4の直上に形成され、踏み領域C1〜C4は、それぞれフットスイッチFSC1〜FSC4の直上に形成され、踏み領域D1〜D4は、それぞれフットスイッチFSD1〜FSD4の直上に形成される。
【0034】
従って、フットスイッチFSA1〜FSA4は、互いに対向するように形成され、フットスイッチFSB1〜FSB4は、互いに対向するように形成され、フットスイッチFSC1〜FSC4は、互いに対向するように形成され、フットスイッチFSD1〜FSD4は、互いに対向するように形成される。
【0035】
また、フットスイッチFSA1〜FSA4は、スイッチブロックSWB1を構成し、フットスイッチFSB1〜FSB4は、スイッチブロックSWB2を構成し、フットスイッチFSC1〜FSC4は、スイッチブロックSWB3を構成し、フットスイッチFSD1〜FSD4は、スイッチブロックSWB4を構成する。
【0036】
ここで、踏み領域A1〜A4,B1〜B4,C1〜C4,D1〜D4を包括して表現するときは、踏み領域SAと表記する。また、スイッチブロックSWB1〜SWB4を包括して表記するときは、スイッチブロックSWBq(q=1〜4)と表記する。
【0037】
プレイヤは、この踏み領域SAを踏み付けることで、フットスイッチFSをオンにすることができる。例えば、踏み領域SAは、スクリーン印刷により、表面シート20に形成される。
【0038】
図3に示すように、裏面シート36の表面には、4個の滑り止め14が取り付けられる。滑り止め14は、例えば、シリコン製、ポリウレタン製、あるいは、合成ゴム製である。
【0039】
図4は、図1のマットスイッチ11の構造を示す分解斜視図である。図4に示すように、マットスイッチ11は、裏面シート36、布シート34、パッド32−1〜32−4、布シート30−1〜30−4、下部電極シート28、絶縁性のスペーサ26、上部電極シート24、緩衝シート22、及び、表面シート20、を含む。
【0040】
最下層には、裏面シート36が設けられ、裏面シート36の上層には、布シート34が設けられ、布シート34の上層には、パッド32−1〜32−4が設けられ、パッド32−1〜32−4の上層には、布シート30−1〜30−4が設けられ、布シート30−1〜30−4の上層には、下部電極シート28が設けられ、下部電極シート28の上層には、スペーサ26が設けられ、スペーサ26の上層には、上部電極シート24が設けられ、上部電極シート24の上層には、緩衝シート22が設けられ、緩衝シート22の上層(マットスイッチ11の最上層)には、表面シート20が設けられる。
【0041】
下部電極シート28には、導電領域BA1〜BA4,BB1〜BB4,BC1〜BC4,BD1〜BD4が形成される。スペーサ26には、導電領域BA1〜BA4,BB1〜BB4,BC1〜BC4,BD1〜BD4の各々に対応する領域に、複数の孔40が形成される。上部電極シート24には、下部電極シート28の導電領域BA1〜BA4,BB1〜BB4,BC1〜BC4,BD1〜BD4に対応して、導電領域TA1〜TA4,TB1〜TB4,TC1〜TC4,TD1〜TD4が形成される。
【0042】
導電領域BA1〜BA4,BB1〜BB4,BC1〜BC4,BD1〜BD4を包括して表現するときは、導電領域BCAと表記し、導電領域TA1〜TA4,TB1〜TB4,TC1〜TC4,TD1〜TD4を包括して表現するときは、導電領域TCAと表記する。
【0043】
下部電極シート28の導電領域BCAと上部電極シート24の導電領域TCAとが、スペーサ26を挟んで、対向するように、下部電極シート28、スペーサ26、及び、上部電極シート24、が積層される。
【0044】
従って、導電領域BCAは、下部電極シート28の上面に形成され、導電領域TCAは、上部電極シート24の下面に形成される。なお、導電領域TCAは、上部電極シート24の下面に形成されるため、図4では、導電領域TCAを破線で表している。
【0045】
ここで、下部電極シート28、スペーサ26、及び、上部電極シート24、はスイッチ層100を構成する。
【0046】
下部電極シート28の導電領域BA1と、上部電極シート24の導電領域TA1と、スペーサ26のこれらに対応する領域(複数の孔40を含む。)と、でフットスイッチFSA1が形成される。導電領域BA2と、導電領域TA2と、スペーサ26のこれらに対応する領域(複数の孔40を含む。)と、でフットスイッチFSA2が形成される。導電領域BA3と、導電領域TA3と、スペーサ26のこれらに対応する領域(複数の孔40を含む。)と、でフットスイッチFSA3が形成される。導電領域BA4と、導電領域TA4と、スペーサ26のこれらに対応する領域(複数の孔40を含む。)と、でフットスイッチFSA4が形成される。
【0047】
下部電極シート28の導電領域BB1と、上部電極シート24の導電領域TB1と、スペーサ26のこれらに対応する領域(複数の孔40を含む。)と、でフットスイッチFSB1が形成される。導電領域BB2と、導電領域TB2と、スペーサ26のこれらに対応する領域(複数の孔40を含む。)と、でフットスイッチFSB2が形成される。導電領域BB3と、導電領域TB3と、スペーサ26のこれらに対応する領域(複数の孔40を含む。)と、でフットスイッチFSB3が形成される。導電領域BB4と、導電領域TB4と、スペーサ26のこれらに対応する領域(複数の孔40を含む。)と、でフットスイッチFSB4が形成される。
【0048】
下部電極シート28の導電領域BC1と、上部電極シート24の導電領域TC1と、スペーサ26のこれらに対応する領域(複数の孔40を含む。)と、でフットスイッチFSC1が形成される。導電領域BC2と、導電領域TC2と、スペーサ26のこれらに対応する領域(複数の孔40を含む。)と、でフットスイッチFSC2が形成される。導電領域BC3と、導電領域TC3と、スペーサ26のこれらに対応する領域(複数の孔40を含む。)と、でフットスイッチFSC3が形成される。導電領域BC4と、導電領域TC4と、スペーサ26のこれらに対応する領域(複数の孔40を含む。)と、でフットスイッチFSC4が形成される。
【0049】
下部電極シート28の導電領域BD1と、上部電極シート24の導電領域TD1と、スペーサ26のこれらに対応する領域(複数の孔40を含む。)と、でフットスイッチFSD1が形成される。
導電領域BD2と、導電領域TD2と、スペーサ26のこれらに対応する領域(複数の孔40を含む。)と、でフットスイッチFSD2が形成される。導電領域BD3と、導電領域TD3と、スペーサ26のこれらに対応する領域(複数の孔40を含む。)と、でフットスイッチFSD3が形成される。導電領域BD4と、導電領域TD4と、スペーサ26のこれらに対応する領域(複数の孔40を含む。)と、でフットスイッチFSD4が形成される。
【0050】
例えば、以上のようなフットスイッチFSは、メンブレンスイッチである。表面シート20及び裏面シート36は、例えば、非フタル酸系のポリビニルクロライド製のシートである。緩衝シート22及びスペーサ26は、例えば、厚さ約4ミリメートルのスポンジシートである。電極シート24,28は、例えば、ポリプロピレン製の透明シートである。布シート30−1〜30−4及び布シート34は、例えば、布製の薄地のシートである。パッド32−1〜32−4は、例えば、厚さ約8ミリメートルのポリウレタン製のパッドである。
【0051】
図5(a)は、図4の上部電極シート24の平面図、図5(b)は、図4のスペーサ26の平面図、図5(c)は、図4の下部電極シート28の平面図、である。
【0052】
図5(a)に示すように、導電領域TA1〜TA4,TB1〜TB4,TC1〜TC4,TD1〜TD4は、上部電極シート24の下面に、格子状の導電体パターンを形成することにより、形成される。
【0053】
導電領域TC1〜TC4,TD1〜TD4のそれぞれからは、上部電極シート24の上側の縁部中央に向かって、導電領域(配線)LTC1〜LTC4,LTD1〜LTD4が延設される。
【0054】
導電領域TA1とTA2、TA2とTB1、TB1とTB2、TB2とTB4、TB4とTB3、TB3とTA4、TA4とTA3、及びTA3とTA1は、それぞれ、導電領域(配線)54,52,50,64,62,60,58,56により接続される。そして、導電領域TB2から、上部電極シート24の上側の縁部中央に向かって、導電領域(配線)LTHが延設される。
【0055】
図5(c)に示すように、導電領域BA1〜BA4,BB1〜BB4,BC1〜BC4,BD1〜BD4は、下部電極シート28の上面に、格子状の導電体パターンを形成することにより、形成される。
【0056】
導電領域BA1〜BA4,BB1〜BB4のそれぞれからは、下部電極シート28の上側の縁部中央に向かって、導電領域(配線)LBA1〜LBA4,LBB1〜LBB4が延設される。
【0057】
導電領域BD2とBD1、BD1とBC2、BC2とBC1、BC1とBC3、BC3とBC4、BC4とBD3、BD3とBD4、及びBD4とBD2は、それぞれ、導電領域(配線)74,72,70,84,82,80,78,76により接続される。そして、導電領域BC1から、下部電極シート28の上側の縁部中央に向かって、導電領域(配線)LBLが延設される。
【0058】
ここで、図5(a)と図5(b)とを比較して分かるように、上部電極シート24の導電体パターンと、下部電極シート28の導電体パターンと、は交差する方向に形成されている。また、図5(a)〜図5(c)から分かるように、スペーサ26には、導電領域TCA及びBCAに対応する領域に複数の孔40が形成される。
【0059】
図4に戻って、布シート30−1〜30−4は、対応するパッド32−1〜32−4を覆うように、布シート34に縫い付けられる。この場合、パッド32−1は、踏み領域A1〜A4の下部に、パッド32−2は、踏み領域B1〜B4の下部に、パッド32−3は、踏み領域C1〜C4の下部に、パッド32−4は、踏み領域D1〜D4の下部に位置するように配置される。このようにして、パッド32−1〜32−4を固定することにより、パッド層110が形成される。
【0060】
以上のように積層された裏面シート36、パッド層110、スイッチ層100、緩衝シート22、及び、表面シート20、は布製テープ13により縁どられ、糸15で縫い付けられる(図1参照)。このようにして、マットスイッチ11が構成される。布製テープ13は、例えば、バイアステープである。
【0061】
本実施の形態では、例えば、マットスイッチ11の横幅を約108センチメートル、縦幅を約25センチメートル、踏み領域SAを一辺が約9センチメートルの略正方形としている。また、各スイッチブロックSWBq内において、隣接する踏み領域SA同士の間隔を約1センチメートルとしている。また、スイッチブロックSWB1とSWB2との間隔、及び、スイッチブロックSWB3とSWB4との間隔は、それぞれ、約5センチメートルとしている。また、スイッチブロックSWB2とSWB3との間隔を、約15センチメートルとしている。
【0062】
さて、プレイヤが踏み領域SAを踏むと、スペーサ26が収縮するため、孔40を介して、下部電極シート28の導電領域BCAと、上部電極シート24の導電領域TCAと、が接触して、フットスイッチFSがオンになる。
【0063】
図6は、図1の情報処理装置20の電気的な構成を示す図である。図6に示すように、情報処理装置20は、高速プロセッサ200、ROM(read only memory)204、バス202、コネクタ210、ビデオ信号出力端子206、及び、オーディオ信号出力端子208、を含む。
【0064】
高速プロセッサ200には、バス202が接続される。バス202には、ROM204が接続される。
従って、高速プロセッサ200は、バス202を介して、ROM204にアクセスすることができるので、ROM204に格納されたゲームプログラムをリードして実行でき、また、ROM204に格納された画像データ及び音声データをリードして処理し、ビデオ信号VD及びオーディオ信号AUを生成して、ビデオ信号出力端子206及びオーディオ信号出力端子208に出力することができる。より具体的に説明する。
【0065】
高速プロセッサ200は、図示しないが、中央演算処理装置(CPU:central processing unit)、グラフィックプロセッサ、ピクセルプロッタ、サウンドプロセッサ、DMA(direct memory access)コントローラ、メインメモリ、A/Dコンバータ(ADC:analog to digital converter)、及び入出力制御回路、等を備えている。
【0066】
CPUは、メモリMEMに格納されたゲームプログラムに従い、各種演算やシステム全体の制御を行う。
【0067】
ここで、メインメモリ及びROM204を区別して説明する必要がないときは、「メモリMEM」と表記する。
【0068】
グラフィックプロセッサは、メモリMEMに格納されたデータを基に、グラフィックデータを合成し、さらにこれを基にテレビジョンモニタ1に合わせたビデオ信号VDを生成して出力する。
【0069】
ここで、グラフィックデータは、バックグラウンドスクリーンとスプライトとビットマップスクリーンとから合成される。バックグラウンドスクリーンは、矩形の画素集合の二次元配列からなり、テレビジョンモニタ1のスクリーンを全て覆う大きさを持つ。バックグラウンドスクリーンとして、第1のバックグラウンドスクリーンと第2のバックグラウンドスクリーンとが用意される。スプライトは、テレビジョンモニタ1のスクリーンのいずれの位置にでも配置可能な1つの矩形の画素集合からなる。バックグラウンドスクリーンやスプライトを構成する矩形の画素集合を、キャラクタと呼ぶ。ビットマップスクリーンは自由に大きさと位置を設定可能な二次元画素配列からなる。
【0070】
ピクセルプロッタは、CPUにより制御され、CPUから与えられたピクセルデータの描画を実行する。この場合、ピクセル単位での描画が可能である。ピクセルデータは、1ピクセルの表示色をMビット(Mは1以上の整数)で表したデータである(カラーモード:Mビット/ピクセル)。なお、本実施の形態では、カラーパレットを通じて表示色が指定される間接指定方式を採用している。
【0071】
サウンドプロセッサは、メモリMEMに格納されたデータを基に、サウンドデータを合成し、さらにこれを基にオーディオ信号AUを生成して出力する。
【0072】
サウンドデータは、基本の音色となるPCM(パルスコードモジュレーション)データに対し、ピッチ変換及び振幅変調を行い合成される。振幅変調では、CPUによって指示されるボリューム制御の他に、楽器の波形を再現するためのエンベロープ制御の機能が用意される。
【0073】
DMAコントローラは、バス202に接続されたROM204からメインメモリへのデータ転送を司る。
【0074】
メインメモリは、一時メモリ、ワーキングメモリ、カウンタ領域、レジスタ領域、及びフラグ領域等として使用される。
【0075】
ADCは、アナログ入力信号をデジタル信号に変換する。
このデジタル信号は、内部バス(図示せず)を介してCPUによってリードされる。
なお、外部からのアナログ信号は、例えば、6つのアナログポートAIN0〜5(図示せず)を介して、ADCへ入力される。
【0076】
入出力制御回路は、外部入出力装置や外部の半導体素子との通信等を、入出力信号を介して行う。入出力信号は、内部バスを介して、CPUからリード/ライトされる。なお、入出力信号は、例えば、プログラマブルな入出力ポートI/O0〜I/O23を介して入出力される。
【0077】
さて、マットスイッチ11の導電領域TA1〜TA4,TB1〜TB4は、コネクタ210を介して、抵抗素子r1の一方端に接続される。抵抗素子r1の他方端は、電源Vcc及びコンデンサCの一方端に接続される。コンデンサCの他方端は、接地される。
【0078】
マットスイッチ11の導電領域BC1〜BC4,BD1〜BD4は、コネクタ210を介して、抵抗素子r2の一方端に接続される。抵抗素子r2の他方端は、電源Vcc及びコンデンサCの一方端に接続される。
【0079】
一方、マットスイッチ11の導電領域BA1,BA3,BA4,BA2,BB1,BB3,BB4,BB2,TC1,TC3,TC4,TC2,TD1,TD3,TD4,TD2,は、それぞれコネクタ257を介して、抵抗素子R0〜R15の一方端に接続される。
【0080】
抵抗素子R0の他方端(ノードN0)、抵抗素子R3の他方端(ノードN3)、抵抗素子R1の他方端(ノードN1)、抵抗素子R2の他方端(ノードN2)、抵抗素子R4の他方端(ノードN4)、抵抗素子R7の他方端(ノードN7)、抵抗素子R5の他方端(ノードN5)、抵抗素子R6の他方端(ノードN6)、抵抗素子R8の他方端(ノードN8)、抵抗素子R11の他方端(ノードN11)、抵抗素子R9の他方端(ノードN9)、抵抗素子R10の他方端(ノードN10)、抵抗素子R12の他方端(ノードN12)、抵抗素子R15の他方端(ノードN15)、抵抗素子R13の他方端(ノードN13)、及び抵抗素子R14の他方端(ノードN14)は、それぞれ、高速プロセッサ200のI/Oポート0〜I/Oポート15に接続される。
【0081】
ノードN0〜N15は、それぞれ、コンデンサC0〜C15の一方端に接続され、コンデンサC0〜C15の他方端は接地される。また、ノードN0〜ノードN15は、高速プロセッサ200の内部でプルダウンされる。
【0082】
ここで、ノードN0〜N15を包括して表現するときは、ノードNm(m=0〜15)と表記する。また、I/Oポート0〜15を包括して表現するときは、I/OポートJ(J=0〜15)と表記する。
【0083】
以上のように、マットスイッチ11の上部電極シート24の導電領域TA1〜TA4,TB1〜TB4には、抵抗素子r1を介して、電源電圧Vccが与えられる。また、下部電極シート28の導電領域BC1〜BC4,BD1〜BD4には、抵抗素子r2を介して電源電圧Vccが与えられる。
【0084】
一方、ノードN0,ノードN3,ノードN1,ノードN2,ノードN4,ノードN7,ノードN5,ノードN6,ノードN8,ノードN11,ノードN9,ノードN10,ノードN12,ノードN15,ノードN13及びノードN14は、高速プロセッサ200の内部でプルダウンされる。
【0085】
従って、プレイヤにより、踏み領域SAが踏み込まれると、対応する導電領域BCAと導電領域TCAとが接触して電流が流れる(つまり、プレイヤに踏まれた踏み領域SAに対応するフットスイッチFSがオンになる。)。
【0086】
踏み領域SAに対応するフットスイッチFSがオンになると(踏まれた状態)、対応するノードNmが、ハイ(high)レベルになり、高速プロセッサ200の対応するI/OポートJに「1」がセットされる。一方、フットスイッチFSがオフのときは(踏まれていない状態)、対応するノードNmは、ロー(low)レベルとなり、高速プロセッサ200の対応するI/OポートJに「0」がセットされる。
従って、高速プロセッサ200は、I/OポートJの値を読み込むことで、フットスイッチFSのオン/オフ状態を検出できる。
【0087】
高速プロセッサ200は、ROM204に格納されたゲームプログラムを実行して、ゲームのためのビデオ信号VDやオーディオ信号AUを生成し、その結果、テレビジョンモニタ1にゲーム画面が表示され、また、スピーカ(図示せず)からゲーム音楽が出力される。
【0088】
プレイヤは、テレビジョンモニタ1に表示されたゲーム画面に従って、マットスイッチ11を踏み込むと、踏み込まれた踏み領域SAに対応するフットスイッチFSがオンになる。高速プロセッサ200は、マットスイッチ11のフットスイッチFSのオン/オフ情報を受けて、ゲームプログラムが指示する情報処理を実行する。
【0089】
ROM204には、複数のゲームプログラムが用意されているため、ユーザは、複数種類のゲームを行うことができる。また、2つのスイッチモードA,Bが用意される。そして、ゲームの種類ごとに、2つのうちのいずれかのスイッチモードが割り当てられる。この点を詳しく説明する。
【0090】
図7は、図1の情報処理装置7に搭載されるスイッチモードA,Bの説明図である。図7に示すように、スイッチモードAでは、高速プロセッサ200は、16個のフットスイッチFSA1〜FSA4,FSB1〜FSB4,FSC1〜FSC4,FSD1〜FSD4に対応して、16のフラグf0〜f15を、メインメモリに用意する。ここで、フラグf0〜f15を包括して表現するときは、フラグfJ(J=0〜15)と表記する。そして、高速プロセッサ200は、オンになったフットスイッチFSに対応するフラグfJをオンにし、オフになったフットスイッチFSに対応するフラグfJをオフにする。
【0091】
このように、スイッチモードAでは、16のフットスイッチFSの各々が独立したスイッチとして機能する。なお、スイッチモードAでは、16個のフットスイッチFSのそれぞれがスイッチグループSWG0〜SWG15を形成する。つまり、スイッチグループSWG0〜SWG15の各々は、1つのフットスイッチFSからなる。
【0092】
一方、スイッチモードBでは、高速プロセッサ200は、4つのフットスイッチFSA1〜FSA4に対応して、1つのフラグF0を、4つのフットスイッチFSB1〜FSB4に対応して、1つのフラグF1を、4つのフットスイッチFSC1〜FSC4に対応して1つのフラグF2を、4つのフットスイッチFSD1〜FSD4に対応して、1つのフラグF3をメインメモリに用意する。ここで、フラグF0〜F3を包括して表現するときは、フラグFj(j=0〜3)と表記する。
【0093】
また、フットスイッチFSA1〜FSA4、フットスイッチFSB1〜FSB4、フットスイッチFSC1〜FSC4、及びフットスイッチFSD1〜FSD4は、それぞれ、スイッチグループSWG0、スイッチグループSWG1、スイッチグループSWG2、及びスイッチグループSWG3を形成する。
【0094】
ここで、スイッチモードBのスイッチグループSWG0〜SWG3を包括して表現するときは、スイッチグループSWGj(j=0〜3)と表記する。
【0095】
高速プロセッサ200は、スイッチグループSWG0に属するいずれかのフットスイッチFSがオンになったときに、フラグF0をオンにし、スイッチグループSWG0の全てのフットスイッチFSがオフになったとき、フラグF0をオフにする。また、高速プロセッサ200は、スイッチグループSWG1に属するいずれかのフットスイッチFSがオンになったときに、フラグF1をオンにし、スイッチグループSWG1の全てのフットスイッチFSがオフになったとき、フラグF1をオフにする。また、高速プロセッサ200は、スイッチグループSWG2に属するいずれかのフットスイッチFSがオンになったときに、フラグF2をオンにし、スイッチグループSWG2の全てのフットスイッチFSがオフになったとき、フラグF2をオフにする。また、高速プロセッサ200は、スイッチグループSWG3に属するいずれかのフットスイッチFSがオンになったときに、フラグF3をオンにし、スイッチグループSWG3の全てのフットスイッチFSがオフになったとき、フラグF3をオフにする。
【0096】
このように、スイッチモードBでは、4つのスイッチグループSWG0〜SWG3の各々が1つのスイッチとして機能する。
【0097】
図8は、図1の情報処理装置7による処理の全体の流れの1例を示すフローチャートである。図8に示すように、高速プロセッサ200は、ステップS1にて、システムの初期設定を実行する。
【0098】
ステップS2にて、高速プロセッサ200は、ゲームの種類が選択されているか否かを判断して、選択済みの場合はステップS4に進み、選択されていない場合はステップS3に進む。
【0099】
ステップS3では、高速プロセッサ200は、ゲームの種類を選択するための画面を生成すべく、様々な演算を実行する。一方、ステップS4では、高速プロセッサ200は、選択されたゲームの種類を判断し、ゲームの種類に応じたステップS5−1〜S5−n(nは2以上の整数)へ進む。ここで、ステップS5−1〜S5−nを包括して表現するときは、ステップS5−Nと表記する。
【0100】
高速プロセッサ200は、ステップS5−1〜S5−nでは、それぞれ、ゲーム処理a1〜an(nは2以上の整数)を実行する。この場合、ゲーム処理a1〜anのそれぞれに対して、2つのスイッチモードA及びBのいずれかが割り当てられている。
【0101】
ステップS6にて、高速プロセッサ200は、ビデオ同期の割り込み待ちか否かを判断し、ビデオ同期の割り込み待ちであれば(つまり、ビデオ同期の割り込みがない場合は)、同じステップS6に進み、ビデオ同期の割り込み待ちでなければ(つまり、ビデオ同期の割り込みがあった場合は)、ステップS7に進む。例えば、1/60秒ごとに、ビデオ同期の割り込みが発生する。
【0102】
ステップS7では、高速プロセッサ200は、上記ステップS3,S5−Nでの処理結果に基づいて、ビデオ信号VDを生成し、ビデオ信号出力端子206に出力する。
つまり、テレビジョンモニタ1の表示画像が更新される。
【0103】
ステップS8では、高速プロセッサ200は、上記ステップS3,S5−Nでの処理結果に基づいて、オーディオ信号AUを生成し、オーディオ信号出力端子208に出力し、ステップS2へ進む。
【0104】
図9は、図8のステップS5−NでスイッチモードAが割り当てられたときのI/OポートJ(J=0〜15)のチェック処理の流れの1例を示すフローチャートである。図9に示すように、ステップS20にて、高速プロセッサ200は、カウンタkに「0」をセットする。
ステップS21にて、高速プロセッサ200は、I/Oポートkの値を読み込む。
【0105】
ステップS22にて、高速プロセッサ200は、I/Oポートkの値が「1」か否かを判断し、「1」の場合は(対応するフットスイッチFSがオン)、ステップS23に進み、フラグfkをオンにし(図7参照)、「0」の場合は(対応するフットスイッチFSがオフ)、ステップS24に進み、フラグfkをオフにする(図7参照)。
【0106】
ステップS25では、高速プロセッサ200は、カウンタkを1つインクリメントする。ステップS26にて、高速プロセッサ200は、カウンタkが「16」か否かを判断し、k=16の場合はリターンし、それ以外ではステップS21に進む。このようにして、高速プロセッサ200は、16個のフットスイッチFSが接続されるI/Oポート0〜15の値を読み込む。
【0107】
以上のようにして、オンになったフットスイッチFSに対応するフラグfJ(J=0〜15)がオンにされる。
【0108】
なお、ステップS5−Nでは、高速プロセッサ200は、フラグf0〜f15を参照して、ゲーム処理を実行する。
【0109】
図10は、図8のステップS5−NでスイッチモードBが割り当てられたときのI/OポートJ(J=0〜15)のチェック処理の流れの1例を示すフローチャートである。図10に示すように、ステップS40にて、高速プロセッサ200は、カウンタK及び変数pに「0」をセットする。ステップS41にて、高速プロセッサ200は、Kを「4」で除算して、その結果を変数pに代入する。なお、除算では、小数点以下を切り捨てる。
【0110】
ステップS42にて、高速プロセッサ200は、I/OポートKの値を読み込む。
【0111】
ステップS43にて、高速プロセッサ200は、I/OポートKの値が「1」か否かを判断し、「1」の場合は(対応するフットスイッチFSがオン)、ステップS44に進み、フラグFpをオンにし(図7参照)、「0」の場合は(対応するフットスイッチFSがオフ)、ステップS45に進み、フラグFpをオフにする(図7参照)。
【0112】
ステップS45では、高速プロセッサ200は、カウンタKを1つインクリメントする。
【0113】
ステップS46にて、高速プロセッサ200は、カウンタKが「16」か否かを判断し、K=16の場合はリターンし、それ以外ではステップS41に進む。このようにして、高速プロセッサ200は、16個のフットスイッチFSが接続されるI/Oポート0〜15の値を読み込む。
【0114】
以上のようにして、所属するフットスイッチFSの少なくとも1つがオンしたときは、そのスイッチグループSWGjに対応するフラグFjがオンする(図7参照)。
【0115】
なお、ステップS5−Nでは、高速プロセッサ200は、フラグF0〜F3を参照して、ゲーム処理を実行する。
【0116】
さて、以上のように、本実施の形態では、スイッチモードAでは、16個のフットスイッチFSが、それぞれ独立したスイッチとして扱われるので、最大16個のフットスイッチを使用するゲームを作成できる。一方、4つのスイッチを使用してゲームを作成できる場合に、スイッチモードBを採用すると、プレイヤは、スイッチグループSWGjに属するいずれかのフットスイッチFSを踏み込むだけで、そのスイッチグループSWGjをオンにできる。しかも、スイッチグループSWGjに属する各フットスイッチFSは、互いに対向するように近接して配置されているので、プレイヤは、1つのスイッチグループSWGjを1つのスイッチとして扱うことができる。
【0117】
以上のように、ゲームの種類に応じて、スイッチモードA,Bを切り替えることにより、ゲームプログラム作成(コンテンツ制作)の制限を極力小さくしながらも、遊んでしまうフットスイッチFSを極力少なくでき、かつ、マットスイッチ11の使い勝手を良くすることができる。
【0118】
また、本実施の形態では、16個のフットスイッチFSは、第1のグループと第2のグループとに分割されている。つまり、フットスイッチFSA1〜FSA4,FSB1〜FSB4は、第1のグループに属し、フットスイッチFSC1〜FSC4,FSD1〜FSD4は、第2のグループに属している。
【0119】
第1のグループに属するフットスイッチFSA1〜FSA4,FSB1〜FSB4の第1の電極(つまり、プルダウンされる導電領域BA1〜BA4,BB1〜BB4)と、第2のグループに属するフットスイッチFSC1〜FSC4,FSD1〜FSD4の第2の電極(つまり、電源電圧Vccが与えられる導電領域BC1〜BC4,BD1〜BD4)と、は下部電極シート28に形成される。
【0120】
一方、第1のグループに属するフットスイッチFSA1〜FSA4,FSB1〜FSB4の第2の電極(つまり、電源電圧Vccが与えられる導電領域TA1〜TA4,TB1〜TB4)と、第2のグループに属するフットスイッチFSC1〜FSC4,FSD1〜FSD4の第1の電極(つまり、プルダウンされる導電領域TC1〜TC4,TD1〜TD4)と、は上部電極シート24に形成される。
【0121】
このような構成を採用しているので、上部電極シート24及び下部電極シート28のいずれか一方に偏って、その一方の電極シートの縁の特定部分(つまり、情報処理装置7とのインタフェース部分)に、配線としての導電領域が多数集中することを防止できる。 その結果、配線としての導電領域LBA1〜LBA4,LBB1〜LBB4,LBL,LTC1〜LTC4,LTD1〜LTD4,LTHが極端に細くなることを防止でき、また、製造も容易になる。詳しくは次の通りである。
【0122】
第2の電極である導電領域TA1〜TA4,TB1〜TB4は、導電領域50〜64により相互に接続しておき、上部電極シート24の上端中央部には、1つの導電領域TB2から導電領域LTHを延設して、ここから電源電圧Vccを与えている(図5(a)参照)。つまり、第2の電極から、上部電極シート24の上端中央部へは、一本の配線で足りる。
また、第2の電極である導電領域BC1〜BC4,BD1〜BD4は、導電領域70〜84により相互に接続しておき、下部電極シート28の上端中央部には、1つの導電領域BC1から導電領域LBLを延設して、ここから電源電圧Vccを与えている(図5(c)参照)。つまり、第2の電極から、下部電極シート28の上端中央部へは、一本の配線で足りる。
【0123】
一方、第1の電極である導電領域TC1〜TC4,TD1〜TD4については、それぞれから、上部電極シート24の上端中央部へ、導電領域LTC1〜LTC4,LTD1〜LTD4を延設しなければならない。つまり、8本の配線が必要となる。また、第1の電極である導電領域BA1〜BA4,BB1〜BB4については、それぞれから、下部電極シート28の上端中央部へ、導電領域LBA1〜LBA4,LBB1〜LBB4を延設しなければならない。つまり、8本の配線が必要となる。
【0124】
従って、もし、全てのフットスイッチFSにおいて、第1の電極は上部電極シート24に形成し、第2の電極は下部電極シート28に形成するとすれば、上部電極シート24の上端中央部には、16本もの導電領域(配線)LBA1〜LBA4,LBB1〜LBB4,LTC1〜LTC4,LTD1〜LTD4が集中する。このため、配線としての各導電領域LBA1〜LBA4,LBB1〜LBB4,LTC1〜LTC4,LTD1〜LTD4を細くせざるをえない場合も生じうる。
本実施の形態の構成を採用すれば、配線としての導電領域の集中を上部電極シート24と下部電極シート28とに分散させることができるので、そのような弊害を極力抑制できる。ちなみに、本実施の形態では、上部電極シート24の上端中央部には、9本の配線としての導電領域LTC1〜LTC4,LTD1〜LTD4,LTHが集中するにすぎないし、下部電極シート28の上端中央部には、9本の配線としての導電領域LBA1〜LBA4,LBB1〜LBB4,LBLが集中するにすぎない。
【0125】
さて、本明細書において、スイッチブロックとは、ハードウエアとしてのフットスイッチの集合を意味する。1つのスイッチブロックは、複数のフットスイッチにより構成される。各スイッチブロックにおいて、含まれるフットスイッチの数を異ならせることもできる。
【0126】
これに対して、本明細書において、スイッチグループとは、高速プロセッサ200が実行するプログラムからみたときのフットスイッチの集合である。別の言い方をすれば、スイッチグループは、ソフトウエアにより同一とみなされるフットスイッチの集合である。1つのスイッチグループは、単数あるいは複数のフットスイッチにより構成できる。各スイッチグループにおいて、含まれるフットスイッチの数を異ならせることもできる。
【0127】
本実施の形態のように、複数のスイッチモードを設ける場合は、スイッチモードごとに異なる複数のスイッチグループを形成する。本実施の形態では、図7に示すように、スイッチモードAに対しては16のスイッチグループを、スイッチモードBに対しては4つのスイッチグループを設けている。
【0128】
スイッチグループは、スイッチブロックとは独立して定義することができる。例えば、フットスイッチFSA1〜FSA4,FSB1〜FSB4を1つのスイッチグループ、フットスイッチFSC1〜FSC4,FSD1〜FSD4を1つのスイッチグループと定義し、これを新たなスイッチモードCに割り当てることができる。
また、例えば、フットスイッチFSA1及びFSA3を1つのスイッチグループ、フットスイッチFSA2,FSA4,FSB1,FSB3を1つのスイッチグループ、フットスイッチFSB2及びFSB4を1つのスイッチグループ、フットスイッチFSC1及びFSC3を1つのスイッチグループ、フットスイッチFSC2,FSC4,FSD1,FSD3を1つのスイッチグループ、フットスイッチFSD2及びFSD4を1つのスイッチグループと定義し、これを新たなスイッチモードCに割り当てることができる。
【0129】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば、以下のような変形も可能である。
【0130】
(1)上記では、スイッチブロックSWBq(q=1〜4)を4つとしたが、この数はこれに限定されない。また、スイッチブロックSWBqを構成するフットスイッチFSを4つとしたが、この数はこれに限定されない。
【0131】
(2)上記では、スイッチモードA,Bを2つとしたが、3以上のスイッチモードを設けることもできる。
【0132】
また、スイッチモードを1つとして、複数のスイッチグループを設け、スイッチグループごとに、含まれるフットスイッチの数を異ならせることもできる。
【0133】
(3)上記では、スイッチモードAのときは、1個のフットスイッチFSで、1つのスイッチグループを構成し、スイッチモードBのときは、4個のフットスイッチFSで1つのスイッチグループを構成したが、スイッチグループを構成するフットスイッチFSの数はこれらに限定されない。
【0134】
例えば、3つのスイッチモードA,B,Cを設ける場合、スイッチモードA,Bについては、上記と同じスイッチグループを形成し、スイッチモードCでは、2つのフットスイッチFSで1つのスイッチグループを構成する。
【0135】
(4)上記では、スイッチブロックSWBqを、横一列に並べたが、これに限定されない。例えば、縦横に並べたり、曲線上に並べたり、することができる。
【0136】
(5)上記では、高速プロセッサ200のI/OポートJに、16個のフットスイッチFSのオン/オフ信号を入力した。
ただし、I/Oポートが不足する場合などは、一部のフットスイッチFSのオン/オフ信号をアナログポートAIN0〜AIN5に入力して、その値を読み込むこともできる。
【0137】
(6)上記では、マットスイッチシステムを、ゲーム装置に適用する例を挙げたが、これに限定されない。例えば、運動装置、エンターテインメント装置、及び教育装置等に適用できる。
【0138】
前述した実施例の説明は、例示説明の目的のために提示された。それは、説明された厳密な形式に発明を限定することを意図しておらず、上記教示を踏まえた変形が可能である。実施例は、発明の原理を最も明瞭に説明するために選択され、それによって当業者は、その現実的な適用が可能になり、意図された特定使用に向けられた様々な変形と形態で発明を最も効果的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0139】
付随する図面を使用した好ましい実施例の下記説明を参照することによって、本発明の前述の及び他の特徴と目的並びにそれらの達成方法は、より明らかになり、そして、その発明そのものも、最も良く理解できるであろう。
【図1】本発明の実施の形態におけるマットスイッチシステムの全体構成を示す図。
【図2】図1のマットスイッチの平面図。
【図3】図1のマットスイッチの裏面図。
【図4】図1のマットスイッチの構造を示す分解斜視図。
【図5】(a)図4の上部電極シートの平面図。(b)図4のスペーサの平面図。(c)図4の下部電極シートの平面図。
【図6】図1の情報処理装置の電気的な構成を示す図。
【図7】図1の情報処理装置に搭載されるスイッチモードA,Bの説明図。
【図8】図1の情報処理装置による処理の全体の流れの1例を示すフローチャート。
【図9】図8のステップS5−NでスイッチモードAが割り当てられたときのI/Oポートのチェック処理の流れの1例を示すフローチャートである。
【図10】図8のステップS5−NでスイッチモードBが割り当てられたときのI/Oポートのチェック処理の流れの1例を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置に接続して使用されるマットスイッチシステムであって、
踏み動作を検出する複数のフットスイッチを含むマットと、
前記複数のフットスイッチのオン/オフ情報に応じた処理を実行する情報処理装置と、を備え、
所定数の前記フットスイッチを単位とした複数のスイッチブロックが形成され、
前記スイッチブロックに含まれる前記所定数の前記フットスイッチは、近接して配置され、
前記情報処理装置は、複数のスイッチモードを有し、単数のスイッチグループまたは複数のスイッチグループが、前記スイッチブロックに含まれる前記所定数のフットスイッチによって形成され、前記スイッチグループを形成する単数又は複数の前記フットスイッチは、前記スイッチモードごとに異なり、
前記情報処理装置は、前記スイッチグループに含まれる少なくとも1つの前記フットスイッチがオンになったとき、そのスイッチグループがオンになったと判断し、前記スイッチグループに含まれる全ての前記フットスイッチがオフのとき、そのスイッチグループがオフになったと判断する、マットスイッチシステム。
【請求項2】
前記スイッチブロックの前記所定数の前記フットスイッチは、平面視において、互いに対向するように配置される、請求項1記載のマットスイッチシステム。
【請求項3】
前記スイッチブロックは、4つの前記フットスイッチにより構成され、その4つのフットスイッチは、互いに対向するように配置される、請求項1記載のマットスイッチシステム。
【請求項4】
前記フットスイッチは、第1の電極及び第2の電極を含み、
前記複数のフットスイッチは、第1のグループと第2のグループとに分割され、
前記第1のグループに属する前記フットスイッチの前記第1の電極と、前記第2のグループに属する前記フットスイッチの前記第2の電極と、は第1のシートに形成され、
前記第1のグループに属する前記フットスイッチの前記第2の電極と、前記第2のグループに属する前記フットスイッチの前記第1の電極と、は第2のシートに形成される、請求項1記載のマットスイッチシステム。
【請求項5】
踏み動作を検出する複数のフットスイッチを含むマットを備え、
前記フットスイッチは、第1の電極と、第2の電極と、を含み、
前記複数のフットスイッチは、第1のグループと第2のグループとに分割され、
前記第1のグループに属する前記フットスイッチの前記第1の電極と、前記第2のグループに属する前記フットスイッチの前記第2の電極と、は第1のシートに形成され、
前記第1のグループに属する前記フットスイッチの前記第2の電極と、前記第2のグループに属する前記フットスイッチの前記第1の電極と、は第2のシートに形成される、マットスイッチ。
【請求項6】
ディスプレイ装置に接続して使用されるマットスイッチシステムであって、
踏み動作を検出する複数のフットスイッチを含むマットと、
前記複数のフットスイッチのオン/オフ状態に応じた処理を実行する情報処理装置と、を備え、
所定数の前記フットスイッチを単位とした複数のスイッチブロックが形成され、
前記スイッチブロックに含まれる前記所定数の前記フットスイッチは、近接して配置され、
前記情報処理装置は、複数のスイッチモードを有し、複数のスイッチグループが、前記複数のフットスイッチによって形成され、前記スイッチグループを形成する単数又は複数の前記フットスイッチは、前記スイッチモードごとに異なり、
前記情報処理装置は、前記スイッチグループに含まれる少なくとも1つの前記フットスイッチがオンになったとき、そのスイッチグループがオンになったと判断し、前記スイッチグループに含まれる全ての前記フットスイッチがオフのとき、そのスイッチグループがオフになったと判断する、マットスイッチシステム。
【請求項7】
前記スイッチブロックの前記所定数の前記フットスイッチは、平面視において、互いに対向するように配置される、請求項6記載のマットスイッチシステム。
【請求項8】
前記スイッチブロックは、4つの前記フットスイッチにより構成され、その4つのフットスイッチは、互いに対向するように配置される、請求項6記載のマットスイッチシステム。
【請求項9】
前記フットスイッチは、第1の電極及び第2の電極を含み、
前記複数のフットスイッチは、第1のグループと第2のグループとに分割され、
前記第1のグループに属する前記フットスイッチの前記第1の電極と、前記第2のグループに属する前記フットスイッチの前記第2の電極と、は第1のシートに形成され、
前記第1のグループに属する前記フットスイッチの前記第2の電極と、前記第2のグループに属する前記フットスイッチの前記第1の電極と、は第2のシートに形成される、請求項6記載のマットスイッチシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−502439(P2008−502439A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526752(P2007−526752)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【国際出願番号】PCT/JP2005/011185
【国際公開番号】WO2005/121935
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(396025861)新世代株式会社 (138)
【Fターム(参考)】