説明

ムスカリン受容体の調節剤

本発明は、ムスカリン受容体の調節剤に関する。本発明はまた、そのような調節剤を含む組成物、およびそれを用いてムスカリン受容体仲介疾患を処置する方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本特許出願は、2006年6月29日出願の米国仮特許出願番号60/817,385の利益を主張し、それは参照により本明細書に包含させる。
【0002】
発明の技術分野
本発明は、ムスカリン受容体の調節剤に関する。本発明はまた、そのような調節剤を含む組成物、およびそれを用いるムスカリン受容体仲介疾患の処置のための方法も提供する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
神経伝達物質アセチルコリンは、2タイプのコリン作動性受容体:ニコチン受容体のイオンチャネル型ファミリーおよびムスカリン受容体の代謝型ファミリーに結合する。ムスカリン受容体は、細胞膜結合Gタンパク質共役受容体(GPCR)の大きなスーパーファミリーに属する。今日までに、ムスカリン受容体の5個のサブタイプ(M−M)が様々な種からクローン化され、配列決定されており、種および受容体サブタイプを超えて顕著に高い相同性を示す。これらのM−Mムスカリン受容体は、中枢および末梢組織に興奮性および抑制性制御を及ぼし、心拍、覚醒、認知、感覚プロセシング、および運動制御を含む多くの生理的機能に関与する副交感神経系に優勢に発現される。
【0004】
ムスカリンおよびピロカルピンのようなムスカリンアゴニスト、ならびにアトロピンのようなアンタゴニストは、一世紀を超えて公知であるが、受容体サブタイプ選択的化合物の発見についてはほとんど進歩しておらず、故に、個々の受容体への特異的機能の割り当てが困難となっている。例えば、その開示内容を参照により本明細書に包含させる、DeLapp, N. et al., “Therapeutic Opportunities for Muscarinic Receptors in the Central Nervous System,” J. Med. Chem., 43(23), pp. 4333−4353 (2000); Hulme, E. C. et al., “Muscarinic Receptor Subtypes,” Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol., 30, pp. 633−673 (1990); Caulfield, M. P. et al., “Muscarinic Receptors −Characterization, Coupling, and Function,” Pharmacol. Ther., 58, pp. 319−379 (1993); Caulfield, M. P. et al., “International Union of Pharmacology. XVII. Classification of Muscarinic Acetylcholine Receptors,” Pharmacol. Rev., 50, pp. 279−290 (1998)を参照のこと。
【0005】
受容体のムスカリンファミリーは、COPD、喘息、尿失禁、緑内障、アルツハイマー(AchE阻害剤)のためのリーディング・ドラッグを含む、様々な疾患に使用される多数の薬剤の標的である。このファミリーの大きな治療的価値にもかかわらず、コリン作動性薬剤は、副交感自律系の顕著な活性化および有害作用の高い発生率と共にこれらの薬剤の選択性の欠如により、制限されている。ムスカリン受容体の分子クローニングおよびノックアウトマウスを使用した特定のアイソフォームの生理学的役割の同定が、最近、選択的ムスカリンリガンドの新しい可能性を提示し、効果の増強および副作用の減少に必要な選択性プロファイルの確立を促進している。
【0006】
ムスカリン受容体M−Mの調節剤が必要とされている。また、ムスカリン受容体仲介疾患の処置法が必要とされている。
【0007】
また、サブタイプM−Mに関して選択的なムスカリン受容体の調節剤が必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
発明の概要
本発明は、式I:
【化1】


[式中、Z、R、R、R、m、nおよびpは、下記に記載の通りである。]
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を用いてムスカリン受容体(例えば、M、M、M、M、M、またはそれらの組合せ)の活性を調節する方法を提供する。
【0009】
詳細な説明
I.定義
本発明の目的に関して、化学元素は元素周期表、CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75th Edに従って同定する。さらに、有機化学の一般的原理は、“Organic Chemistry”, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito: 1999および“March's Advanced Organic Chemistry”, 5th Ed., Ed.: Smith, M.B. and March, J., John Wiley & Sons, New York: 2001に記載されており、それらの全内容を参照により本明細書に包含させる。
【0010】
受容体サブタイプを特定する接頭辞がない用語“ムスカリン受容体”は、5種の受容体サブタイプM−Mの1種以上を意味する。
【0011】
本明細書で用いる用語“調節”は、例えば活性の、測定可能な量までの増加または減少を意味する。ムスカリン受容体の活性を増加させることによりムスカリン活性を調節する化合物はアゴニストと称される。ムスカリン受容体の活性を減少させることによりムスカリン活性を調節する化合物は、アンタゴニストと呼ばれる。アゴニストは、ムスカリン受容体と相互作用して、該受容体が内因性リガンド結合に応答して細胞内シグナルを伝達する能力を増加させる。アンタゴニストは、ムスカリン受容体と相互作用し、該受容体上の結合部位(複数可)について内因性リガンド(複数可)または基質(複数可)と競合して、該受容体が内因性リガンド結合に応答して細胞内シグナルを伝達する能力を低下させる。
【0012】
“ムスカリン受容体仲介疾患を処置するか、または重篤度を低下させる”という記載は、ムスカリン活性により直接的に引き起こされる疾患を処置すること、およびムスカリン活性により直接的には引き起こされない疾患の症状を軽減することの両方を意味する。症状がムスカリン活性により影響され得る疾患の例は、認知障害、注意欠損過活動障害(ADHD)、肥満、アルツハイマー病、血管性認知症のような種々の認知症、統合失調症、躁病、双極性障害を含む精神病、急性および慢性症候群を含む疼痛状態、ハンチントン舞踏病、フリードライヒ失調症、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、ダウン症候群、ピック病、臨床的鬱病、パーキンソン病を含むCNS由来病状、緑内障における眼内圧の低下のような末梢障害およびシェーグレン症候群を含むドライアイおよびドライマウスの治療、徐脈、胃酸分泌、喘息、GI不調、および創傷治癒を含むが、これらに限定されない。
【0013】
本明細書で記載の通り、本発明の化合物は、一般的に上記の説明または例示のように、本発明の特定のクラス、サブクラスおよび化学種により、所望により1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0014】
本明細書で用いる用語“脂肪族”は、用語アルキル、アルケニル、アルキニルを含み、それらはそれぞれ、下記の通り所望により置換されていてよい。
【0015】
本明細書で用いる“アルキル”基は、1−8個(例えば、1−6個または1−4個)の炭素原子を含む飽和脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基は直鎖でも分枝鎖でもよい。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘプチル、または2−エチルヘキシルを含むが、これらに限定されない。アルキル基は、ハロ、シクロ脂肪族[例えば、シクロアルキルまたはシクロアルケニル]、ヘテロシクロ脂肪族[例えば、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル]、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アシル[例えば、(脂肪族)カルボニル、(シクロ脂肪族)カルボニルまたは(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル]、ニトロ、シアノ、アミド[例えば、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、またはヘテロアリールアミノカルボニル]、アミノ[例えば、脂肪族アミノ、シクロ脂肪族アミノ、またはヘテロシクロ脂肪族アミノ]、スルホニル[例えば、脂肪族−S(O)−]、スルフィニル、スルファニル、スルホキシ、ウレア、チオウレア、スルファモイル、スルファミド、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、シクロ脂肪族オキシ、ヘテロシクロ脂肪族オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、または、ヒドロキシのような1個以上の置換基で置換されていてよい(すなわち、所望により置換されていてよい。)。置換アルキルのいくつかの例は、カルボキシアルキル(例えば、HOOC−アルキル、アルコキシカルボニルアルキル、およびアルキルカルボニルオキシアルキル)、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アシルアルキル、アラルキル、(アルコキシアリール)アルキル、(スルホニルアミノ)アルキル(例えば、(アルキル−S(O)−アミノ)アルキル)、アミノアルキル、アミドアルキル、(シクロ脂肪族)アルキル、または、ハロアルキルを含むが、これらに限定されない。
【0016】
本明細書で用いる“アルケニル”基は、2−8個(例えば、2−6個または2−4個)の炭素原子および少なくとも1個の二重結合を含む脂肪族炭素基を意味する。アルキル基同様、アルケニル基は直鎖でも分枝鎖でもよい。アルケニル基の例は、アリル、イソプレニル、2−ブテニル、および2−ヘキセニルを含むが、これらに限定されない。アルケニル基は、所望によりハロ、シクロ脂肪族[例えば、シクロアルキルまたはシクロアルケニル]、ヘテロシクロ脂肪族[例えば、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル]、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アシル[例えば、(脂肪族)カルボニル、(シクロ脂肪族)カルボニル、または(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル]、ニトロ、シアノ、アミド[例えば、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、またはヘテロアリールアミノカルボニル]、アミノ[例えば、脂肪族アミノ、シクロ脂肪族アミノ、ヘテロシクロ脂肪族アミノ、または脂肪族スルホニルアミノ]、スルホニル[例えば、アルキル−SO−、シクロ脂肪族−SO−、またはアリール−SO−]、スルフィニル、スルファニル、スルホキシ、ウレア、チオウレア、スルファモイル、スルファミド、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、シクロ脂肪族オキシ、ヘテロシクロ脂肪族オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、またはヒドロキシのような1個以上の置換基で置換されていてよい。置換アルケニルのいくつかの例は、シアノアルケニル、アルコキシアルケニル、アシルアルケニル、ヒドロキシアルケニル、アラルケニル、(アルコキシアリール)アルケニル、(スルホニルアミノ)アルケニル(例えば、(アルキル−SO−アミノ)アルケニル)、アミノアルケニル、アミドアルケニル、(シクロ脂肪族)アルケニル、またはハロアルケニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0017】
本明細書で用いる“アルキニル”基は、2−8個(例えば、2−6個または2−4個)の炭素原子および少なくとも1個の三重結合を含む脂肪族炭素基を意味する。アルキニル基は直鎖でも分枝鎖でもよい。アルキニル基の例は、プロパルギルおよびブチニルを含むが、これに限定されない。アルキニル基は、所望によりアロイル、ヘテロアロイル、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、スルホ、メルカプト、スルファニル[例えば、脂肪族スルファニルまたはシクロ脂肪族スルファニル]、スルフィニル[例えば、脂肪族スルフィニルまたはシクロ脂肪族スルフィニル]、スルホニル[例えば、脂肪族−SO−、脂肪族アミノ−SO−、またはシクロ脂肪族−SO−]、アミド[例えば、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、シクロアルキルカルボニルアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノまたはヘテロアリールアミノカルボニル]、ウレア、チオウレア、スルファモイル、スルファミド、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アシル[例えば、(シクロ脂肪族)カルボニルまたは(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル]、アミノ[例えば、脂肪族アミノ]、スルホキシ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、(シクロ脂肪族)オキシ、(ヘテロシクロ脂肪族)オキシ、または(ヘテロアリール)アルコキシのような1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0018】
本明細書で用いる“アミド”は、“アミノカルボニル”および“カルボニルアミノ”の両方を包含する。単独でまたは他の基と関連して用いるとき、これらの用語は、末端に用いるとき−N(R)−C(O)−Rまたは−C(O)−N(R、ならびに内部に用いるとき−C(O)−N(R)−または−N(R)−C(O)−{ここで、RおよびRは、下記に定義の通りである。}のようなアミド基を意味する。アミド基の例は、アルキルアミド(例えば、アルキルカルボニルアミノまたはアルキルアミノカルボニル)、(ヘテロシクロ脂肪族)アミド、(ヘテロアラルキル)アミド、(ヘテロアリール)アミド、(ヘテロシクロアルキル)アルキルアミド、アリールアミド、アラルキルアミド、(シクロアルキル)アルキルアミド、またはシクロアルキルアミドを含む。
【0019】
本明細書で用いる“アミノ”基は、−NR(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、脂肪族、シクロ脂肪族、(シクロ脂肪族)脂肪族、アリール、芳香脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、(ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族、ヘテロアリール、カルボキシ、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、(脂肪族)カルボニル、(シクロ脂肪族)カルボニル、((シクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル、アリールカルボニル、(芳香脂肪族)カルボニル、(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル、((ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル、(ヘテロアリール)カルボニル、または(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニルであり、各々が本明細書で定義の通りであり、そして所望により置換されていてよい。)を意味する。アミノ基の例は、アルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはアリールアミノを含む。用語“アミノ”が末端基ではないとき(例えば、アルキルカルボニルアミノ)、それは−NR−(ここで、Rは、上記の定義と同じ意味を有する。)により表される。
【0020】
本明細書で用いる、単独でまたは“アラルキル”、“アラルコキシ”もしくは“アリールオキシアルキル”のような大きな部分の一部として使用される“アリール”基は、単環式(例えば、フェニル);二環式(例えば、インデニル、ナフタレニル、テトラヒドロナフチル、テトラヒドロインデニル);および、三環式(例えば、フルオレニル、テトラヒドロフルオレニル、またはテトラヒドロアントラセニル、アントラセニル)環系{ここで、単環式環系が芳香族性であるか、または二環式または三環式環系の少なくとも1個の環が芳香族性である。}を意味する。該二環式および三環式基は、ベンゾ縮合2−3員の炭素環式環を含む。例えば、ベンゾ縮合基は、2個以上のC4−8炭素環式部分と縮合したフェニルを含む。アリールは、所望により脂肪族[例えば、アルキル、アルケニルまたはアルキニル];シクロ脂肪族;(シクロ脂肪族)脂肪族;ヘテロシクロ脂肪族;(ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルコキシ;(シクロ脂肪族)オキシ;(ヘテロシクロ脂肪族)オキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;(芳香脂肪族)オキシ;(ヘテロ芳香脂肪族)オキシ;アロイル;ヘテロアロイル;アミノ;オキソ(ベンゾ縮合二環式または三環式アリールの非芳香族性炭素環式環上の);ニトロ;カルボキシ;アミド;アシル[例えば、脂肪族カルボニル、(シクロ脂肪族)カルボニル、((シクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル、(芳香脂肪族)カルボニル、(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル、((ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル、または(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニル];スルホニル[例えば、脂肪族−SO−またはアミノ−SO−];スルフィニル[例えば、脂肪族−S(O)−またはシクロ脂肪族−S(O)−];スルファニル[例えば、脂肪族−S−];シアノ;ハロ;ヒドロキシ;メルカプト;スルホキシ;ウレア;チオウレア;スルファモイル;スルファミド;または、カルバモイルを含む1個以上の置換基で置換されていてよい。あるいは、アリールは、非置換でもよい。
【0021】
置換アリールの限定しない例は、ハロアリール[例えば、モノ−、ジ(例えば、p,m−ジハロアリール)、および(トリハロ)アリール];(カルボキシ)アリール[例えば、(アルコキシカルボニル)アリール、((アラルキル)カルボニルオキシ)アリール、および(アルコキシカルボニル)アリール];(アミド)アリール[例えば、(アミノカルボニル)アリール、(((アルキルアミノ)アルキル)アミノカルボニル)アリール、(アルキルカルボニル)アミノアリール、(アリールアミノカルボニル)アリール、および(((ヘテロアリール)アミノ)カルボニル)アリール];アミノアリール[例えば、((アルキルスルホニル)アミノ)アリールまたは((ジアルキル)アミノ)アリール];(シアノアルキル)アリール;(アルコキシ)アリール;(スルファモイル)アリール[例えば、(アミノスルホニル)アリール];(アルキルスルホニル)アリール;(シアノ)アリール;(ヒドロキシアルキル)アリール;((アルコキシ)アルキル)アリール;(ヒドロキシ)アリール、((カルボキシ)アルキル)アリール;(((ジアルキル)アミノ)アルキル)アリール;(ニトロアルキル)アリール;(((アルキルスルホニル)アミノ)アルキル)アリール;((ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル)アリール;((アルキルスルホニル)アルキル)アリール;(シアノアルキル)アリール;(ヒドロキシアルキル)アリール;(アルキルカルボニル)アリール;アルキルアリール;(トリハロアルキル)アリール;p−アミノ−m−アルコキシカルボニルアリール;p−アミノ−m−シアノアリール;p−ハロ−m−アミノアリール;または、(m−(ヘテロシクロ脂肪族)−o−(アルキル))アリールを含む。
【0022】
本明細書で用いる“アラルキル”基のような“芳香脂肪族”基は、アリール基で置換されている脂肪族基(例えば、C1−4アルキル基)を意味する。“脂肪族”、“アルキル”および“アリール”は、本明細書中に定義されている。アラルキル基のような芳香脂肪族の例はベンジルである。
【0023】
本明細書で用いる“アラルキル”基は、アリール基で置換されているアルキル基(例えば、C1−4アルキル基)を意味する。“アルキル”および“アリール”の両方とも上記で定義されている。アラルキル基の例はベンジルである。アラルキルは、所望により脂肪族[例えば、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキルまたはトリフルオロメチルのようなハロアルキルを含むアルキル、アルケニルまたはアルキニル]、シクロ脂肪族[例えば、シクロアルキルまたはシクロアルケニル]、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミド[例えば、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノまたはヘテロアラルキルカルボニルアミノ]、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、ウレア、チオウレア、スルファモイル、スルファミド、オキソ、または、カルバモイルのような1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0024】
本明細書で用いる“二環式環系”は、2環を形成する8−12(例えば、9、10または11)員構造を含み、ここで、該2環は、少なくとも1個の原子を共通して含む(例えば、2個の原子が共通である)。二環式環構造は、ビシクロ脂肪族(例えば、ビシクロアルキルまたはビシクロアルケニル)、ビシクロヘテロ脂肪族、二環式アリール、および二環式ヘテロアリールを含む。
【0025】
本明細書で用いる“シクロ脂肪族”基は、“シクロアルキル”基および“シクロアルケニル”基(それぞれ、下記の通りに所望により置換されていてよい。)を含む。
【0026】
本明細書で用いる“シクロアルキル”基は、3−10個(例えば、5−10個)の炭素原子の飽和炭素環式単環式、または二環式(縮合または架橋)環を意味する。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、ノルボロニル、クビル、オクタヒドロ−インデニル、デカヒドロ−ナフチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2.]デシル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンチル、アザシクロアルキル、または((アミノカルボニル)シクロアルキル)シクロアルキルを含む。本明細書で用いる“シクロアルケニル”基は、1個以上の二重結合を有する3−10個(例えば、4−8個)の炭素原子の、非芳香族性炭素環式環を意味する。シクロアルケニル基の例は、シクロペンテニル、1,4−シクロヘキサ−ジ−エニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、ヘキサヒドロ−インデニル、オクタヒドロ−ナフチル、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、ビシクロ[2.2.2]オクテニルまたはビシクロ[3.3.1]ノネニルを含む。シクロアルキルまたはシクロアルケニル基は、所望により脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、またはアルキニル]、シクロ脂肪族、(シクロ脂肪族)脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、(ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、(シクロ脂肪族)オキシ、(ヘテロシクロ脂肪族)オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(芳香脂肪族)オキシ、(ヘテロ芳香脂肪族)オキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、アミド[例えば、(脂肪族)カルボニルアミノ、(シクロ脂肪族)カルボニルアミノ、((シクロ脂肪族)脂肪族)カルボニルアミノ、(アリール)カルボニルアミノ、(芳香脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニルアミノ、((ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロアリール)カルボニルアミノ、または(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニルアミノ]、ニトロ、カルボキシ[例えば、HOOC−、アルコキシカルボニル、またはアルキルカルボニルオキシ]、アシル[例えば、(シクロ脂肪族)カルボニル、((シクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル、(芳香脂肪族)カルボニル、(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル、((ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル、または(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニル]、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、スルホニル[例えば、アルキル−SO−およびアリール−SO−]、スルフィニル[例えば、アルキル−S(O)−]、スルファニル[例えば、アルキル−S−]、スルホキシ、ウレア、チオウレア、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイルのような1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0027】
本明細書で用いる“環状基”は、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、またはヘテロアリール(それらはそれぞれ、上記で定義されている。)を含む。
【0028】
本明細書で用いる用語“ヘテロシクロ脂肪族”は、ヘテロシクロアルキル基およびヘテロシクロアルケニル基(それぞれ、下記の通りに所望により置換されていてよい。)を含む。
【0029】
本明細書で用いる“ヘテロシクロアルキル”基は、1個以上の環原子がヘテロ原子(例えば、N、O、S、またはそれらの組合せ)である、3−10員の単環式または二環式(縮合または架橋)(例えば、5員ないし10員の単環式または二環式)飽和環構造を意味する。ヘテロシクロアルキル基の例は、ピペリジル、ピペラジル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフリル、1,4−ジオキソラニル、1,4−ジチアニル、1,3−ジオキソラニル、オキサゾリジル、イソキサゾリジル、モルホリニル、チオモルホリル、オクタヒドロベンゾフリル、オクタヒドロクロメニル、オクタヒドロチオクロメニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロピリンジニル(octahydropyrindinyl)、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロベンゾ[b]チオフェニル(thiopheneyl)、2−オキサ−ビシクロ[2.2.2]オクチル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクチル、3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクチル、および2,6−ジオキサ−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルを含む。単環式ヘテロシクロアルキル基は、テトラヒドロイソキノリンのようなフェニル部分と縮合し得る。本明細書で用いる“ヘテロシクロアルケニル”基は、1個以上の二重結合を有し、そして1個以上の環原子がヘテロ原子(例えば、N、O、またはS)である、単環式または二環式(例えば、5員ないし10員の単環式または二環式)非芳香環構造を意味する。単環式およびビシクロヘテロ脂肪族は、標準化学命名法に従い番号付けされる。
【0030】
ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基は、脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、またはアルキニル]、シクロ脂肪族、(シクロ脂肪族)脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、(ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、(シクロ脂肪族)オキシ、(ヘテロシクロ脂肪族)オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(芳香脂肪族)オキシ、(ヘテロ芳香脂肪族)オキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、アミド[例えば、(脂肪族)カルボニルアミノ、(シクロ脂肪族)カルボニルアミノ、((シクロ脂肪族)脂肪族)カルボニルアミノ、(アリール)カルボニルアミノ、(芳香脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニルアミノ、((ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロアリール)カルボニルアミノ、または(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニルアミノ]、ニトロ、カルボキシ[例えば、HOOC−、アルコキシカルボニル、またはアルキルカルボニルオキシ]、アシル[例えば、(シクロ脂肪族)カルボニル、((シクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル、(芳香脂肪族)カルボニル、(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル、((ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル、または(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニル]、ニトロ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、スルホニル[例えば、アルキルスルホニルまたはアリールスルホニル]、スルフィニル[例えば、アルキルスルフィニル]、スルファニル[例えば、アルキルスルファニル]、スルホキシ、ウレア、チオウレア、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイルのような1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0031】
本明細書で用いる“ヘテロアリール”基は、4ないし15個の環原子を有し、1個以上の環原子がヘテロ原子(例えば、N、O、S、またはそれらの組合せ)であり、そして単環式環系が芳香族性であるか、または二環式もしくは三環式環系の少なくとも1個の環が芳香族性である、単環式、二環式、または三環式環系を意味する。ヘテロアリール基は、2〜3環を有するベンゾ縮合環系を含む。例えば、ベンゾ縮合基は、1個または2個の4員ないし8員のヘテロシクロ脂肪族部分と縮合したベンゾ(例えば、インドリジル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、キノリニル、またはイソキノリニル)を含む。ヘテロアリールのいくつかの例は、アゼチジニル、ピリジル、1H−インダゾリル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフリル、イソキノリニル、ベンズチアゾリル、キサンテン、チオキサンテン、フェノチアジン、ジヒドロインドール、ベンゾ[1,3]ジオキソール、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリル、シンノリニル、キノリニル、シンノリニル、フタラジル、キナゾリニル、キノキサリニル、イソキノリニル、4H−キノリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾリル、または1,8−ナフチリジルである。
【0032】
限定しないが、単環式ヘテロアリールは、フリル、チオフェニル、2H−ピロリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、2H−ピラニル、4−H−ピラニル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピラジル、または1,3,5−トリアジルを含む。単環式ヘテロアリールは、標準化学命名法に従い番号付けされる。
【0033】
限定しないが、二環式ヘテロアリールは、インドリジル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリジル、イソインドリル、インドリル、ベンゾ[b]フリル、ベクソ[b]チオフェニル、インダゾリル、ベンズイミダジル、ベンズチアゾリル、プリニル、4H−キノリジル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジル、キナゾリル(quinazolyl)、キノキサリニル、1,8−ナフチリジル、またはプテリジルを含む。二環式ヘテロアリールは、標準化学命名法に従い番号付けされる。
【0034】
ヘテロアリールは、脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、またはアルキニル];シクロ脂肪族;(シクロ脂肪族)脂肪族;ヘテロシクロ脂肪族;(ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルコキシ;(シクロ脂肪族)オキシ;(ヘテロシクロ脂肪族)オキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;(芳香脂肪族)オキシ;(ヘテロ芳香脂肪族)オキシ;アロイル;ヘテロアロイル;アミノ;オキソ(二環式または三環式ヘテロアリールの非芳香族性炭素環式またはヘテロ環式環上の);カルボキシ;アミド;アシル[例えば、脂肪族カルボニル;(シクロ脂肪族)カルボニル;((シクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル;(芳香脂肪族)カルボニル;(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル;((ヘテロシクロ脂肪族)脂肪族)カルボニル;または(ヘテロ芳香脂肪族)カルボニル];スルホニル[例えば、脂肪族スルホニルまたはアミノスルホニル];スルフィニル[例えば、脂肪族スルフィニル];スルファニル[例えば、脂肪族スルファニル];ニトロ;シアノ;ハロ;ヒドロキシ;メルカプト;スルホキシ;ウレア;チオウレア;スルファモイル;スルファミド;またはカルバモイルのような1個以上の置換基で置換されていてよい。あるいは、ヘテロアリールは非置換でもよい。
【0035】
置換ヘテロアリールの限定しない例は、(ハロ)ヘテロアリール[例えば、モノ−およびジ−(ハロ)ヘテロアリール];(カルボキシ)ヘテロアリール[例えば、(アルコキシカルボニル)ヘテロアリール];シアノヘテロアリール;アミノヘテロアリール[例えば、((アルキルスルホニル)アミノ)ヘテロアリールおよび((ジアルキル)アミノ)ヘテロアリール];(アミド)ヘテロアリール[例えば、アミノカルボニルヘテロアリール、((アルキルカルボニル)アミノ)ヘテロアリール、((((アルキル)アミノ)アルキル)アミノカルボニル)ヘテロアリール、(((ヘテロアリール)アミノ)カルボニル)ヘテロアリール、((ヘテロシクロ脂肪族)カルボニル)ヘテロアリール、および((アルキルカルボニル)アミノ)ヘテロアリール];(シアノアルキル)ヘテロアリール;(アルコキシ)ヘテロアリール;(スルファモイル)ヘテロアリール[例えば、(アミノスルホニル)ヘテロアリール];(スルホニル)ヘテロアリール[例えば、(アルキルスルホニル)ヘテロアリール];(ヒドロキシアルキル)ヘテロアリール;(アルコキシアルキル)ヘテロアリール;(ヒドロキシ)ヘテロアリール;((カルボキシ)アルキル)ヘテロアリール;(((ジアルキル)アミノ)アルキル)ヘテロアリール;(ヘテロシクロ脂肪族)ヘテロアリール;(シクロ脂肪族)ヘテロアリール;(ニトロアルキル)ヘテロアリール;(((アルキルスルホニル)アミノ)アルキル)ヘテロアリール;((アルキルスルホニル)アルキル)ヘテロアリール;(シアノアルキル)ヘテロアリール;(アシル)ヘテロアリール[例えば、(アルキルカルボニル)ヘテロアリール];(アルキル)ヘテロアリール、および(ハロアルキル)ヘテロアリール[例えば、トリハロアルキルヘテロアリール]を含む。
【0036】
本明細書で用いる“ヘテロ芳香脂肪族”基(例えば、ヘテロアラルキル基)は、ヘテロアリール基で置換されている脂肪族基(例えば、C1−4アルキル基)を意味する。“脂肪族”、“アルキル”および“ヘテロアリール”は、上記で定義されている。
【0037】
本明細書で用いる“ヘテロアラルキル”基は、ヘテロアリール基で置換されているアルキル基(例えば、C1−4アルキル基)を意味する。“アルキル”および“ヘテロアリール”の両方とも上記で定義されている。ヘテロアラルキルは、所望によりアルキル(カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、およびトリフルオロメチルのようなハロアルキルを含む)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、ウレア、チオウレア、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイルのような1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0038】
本明細書で用いる“アシル”基は、ホルミル基またはR−C(O)−(例えば、−アルキル−C(O)−、“アルキルカルボニル”とも称する)を意味し、ここで、Rおよび“アルキル”は、上記に定義の通りである。アセチルおよびピバロイルは、アシル基の例である。
【0039】
本明細書で用いる“アロイル”または“ヘテロアロイル”は、アリール−C(O)−またはヘテロアリール−C(O)−を意味する。アロイルまたはヘテロアロイルのアリールおよびヘテロアリール部分は、上記の通り所望により置換されていてよい。
【0040】
本明細書で用いる“アルコキシ”基は、アルキル−O−基(“アルキル”は上記で定義の通りである。)を意味する。
【0041】
本明細書で用いる“カルバモイル”基は、構造−O−CO−NRまたは−NR−CO−O−R(式中、RおよびRは上記で定義の通りであり、そしてRは脂肪族、アリール、芳香脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、ヘテロアリール、またはヘテロ芳香脂肪族であり得る。)を有する基を意味する。
【0042】
本明細書で用いる“カルボキシ”基は、末端基として用いるとき、−COOH、−COOR、−OC(O)H、−OC(O)Rを意味し;内部基として用いるとき、−OC(O)−または−C(O)O−を意味する。
【0043】
本明細書で用いる“ハロ脂肪族“基は、1−3個のハロゲンで置換された脂肪族基を意味する。例えば、用語ハロアルキルは基−CFを含む。
【0044】
本明細書で用いる“メルカプト”基は、−SHを意味する。
【0045】
本明細書で用いる“スルホ”基は、末端に用いるとき−SOHまたは−SOを意味し、内部に用いるとき−S(O)−を意味する。
【0046】
本明細書で用いる“スルファミド”基は、末端に用いるとき構造−NR−S(O)−NRを意味し、内部に用いるとき−NR−S(O)−NR−を意味する(式中、R、RおよびRは、上記で定義の意味を有する。)。
【0047】
本明細書で用いる“スルホンアミド”基は、末端に用いるとき構造−S(O)−NRまたは−NR−S(O)−Rを意味し;内部に用いるとき−S(O)−NR−もしくは−NR−S(O)−を意味する(式中、R、R、およびRは、上記で定義されている。)。
【0048】
本明細書で用いる“スルファニル”基は、末端に用いるとき−S−Rを意味し、内部に用いるとき−S−を意味する(式中、Rは上記で定義されている。)。スルファニルの例は、脂肪族−S−、シクロ脂肪族−S−、アリール−S−などを含む。
【0049】
本明細書で用いる“スルフィニル”基は、末端に用いるとき−S(O)−Rを意味し、内部に用いるとき−S(O)−を意味する(式中、Rは上記で定義されている。)。スルフィニル基の例は、脂肪族−S(O)−、アリール−S(O)−、(シクロ脂肪族(脂肪族))−S(O)−、シクロアルキル−S(O)−、ヘテロシクロ脂肪族−S(O)−、ヘテロアリール−S(O)−などを含む。
【0050】
本明細書で用いる“スルホニル”基は、末端に用いるとき−S(O)−Rを意味し、内部に用いるとき−S(O)−を意味する(式中、Rは上記で定義されている。)。スルホニル基の例は、脂肪族−S(O)−、アリール−S(O)−、(シクロ脂肪族(脂肪族))−S(O)−、シクロ脂肪族−S(O)−、ヘテロシクロ脂肪族−S(O)−、ヘテロアリール−S(O)−、(シクロ脂肪族(アミド(脂肪族)))−S(O)−などを含む。
【0051】
本明細書で用いる“スルホキシ”基は、末端で用いるとき−O−SO−Rまたは−SO−O−Rを意味し、内部に用いるとき−O−S(O)−または−S(O)−O−を意味する(式中、Rは上記で定義されている。)。
【0052】
本明細書で用いる“ハロゲン”または“ハロ”基は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0053】
本明細書で用いる、単独でまたは他の基と関連して用いられる、用語カルボキシを包含する“アルコキシカルボニル”は、アルキル−O−C(O)−のような基を意味する。
【0054】
本明細書で用いる“アルコキシアルキル”は、アルキル−O−アルキル−(ここで、アルキルは、上記で定義されている。)のようなアルキル基を意味する。
【0055】
本明細書で用いる“カルボニル”は−C(O)−を意味する。
【0056】
本明細書で用いる“オキソ”は=Oを意味する。
【0057】
本明細書で用いる“アミノアルキル”は構造(RN−アルキル−を意味する。
【0058】
本明細書で用いる“シアノアルキル”は構造(NC)−アルキル−を意味する。
【0059】
本明細書で用いる“ウレア”基は、構造−NR−CO−NRを意味し、“チオウレア”基は、末端に用いるとき構造−NR−CS−NRを意味し、内部に用いるとき構造−NR−CO−NR−または−NR−CS−NR−を意味し、ここでR、R、およびRは、上記で定義されている。
【0060】
本明細書で用いる“グアニジン”基は、構造−N=C(N(R))N(R)または−NR−C(=NR)NR{ここで、RおよびRは、上記で定義されている。}を意味する。
【0061】
本明細書で用いる用語“アミジノ”基は、構造−C=(NR)N(R){ここで、RおよびRは、上記で定義されている。}を意味する。
【0062】
一般に、用語“ビシナル”は、複数の置換基が隣接炭素原子に結合している、2個以上の炭素原子を含む基上の置換基の配置を意味する。
【0063】
一般に、用語“ジェミナル”は、複数の置換基が同じ炭素原子に結合している、2個以上の炭素原子を含む基上の置換基の配置を意味する。
【0064】
用語“末端に”および“内部に”は、置換基内の基の位置を意味する。基は、該基が、他の化学構造にさらに結合しない置換基の末端に存在するとき末端である。カルボキシアルキル、すなわちRO(O)C−アルキルは、末端で用いるカルボキシ基の例である。基は、該基が、他の化学構造に結合する置換基の末端で置換基の中間に存在するとき内部である。アルキルカルボキシ(例えば、アルキル−C(O)O−またはアルキル−OC(O)−)およびアルキルカルボキシアリール(例えば、アルキル−C(O)O−アリール−またはアルキル−O(CO)−アリール−)は、内部で用いるカルボキシ基の例である。
【0065】
本明細書で用いる“環状基”は、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、またはヘテロアリール(それらはそれぞれ、上記で定義されている。)を含む、単環式、二環式および三環式環系を含む。
【0066】
本明細書で用いる“架橋二環式環系”は、二環式ヘテロ環式脂肪族系または二環式シクロ脂肪族環系を意味し、該環系は、架橋されている。架橋二環式環系の例は、アダマンタニル、ノルボロニル(norbornanyl)、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.2.3]ノニル、2−オキサビシクロ[2.2.2]オクチル、1−アザビシクロ[2.2.2]オクチル、3−アザビシクロ[3.2.1]オクチル、および2,6−ジオキサ−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルを含むが、これらに限定されない。架橋二環式環系は、所望によりアルキル(カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキルおよびのトリフルオロメチルようなハロアルキル)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、ウレア、チオウレア、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイルのような1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0067】
本明細書で用いる“脂肪族鎖”は、分枝鎖または直鎖脂肪族基(例えば、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基)を意味する。直鎖脂肪族鎖は、構造−[CH]−(ここで、vは1−6である。)を有する。分枝鎖脂肪族鎖は、1個以上の脂肪族基で置換されている直鎖脂肪族鎖である。分枝鎖脂肪族鎖は、構造−[CHQ]−または−[CQQ]−(ここで、Qは水素または脂肪族基である;しかしながら、少なくとも1個のQは脂肪族基でなければならない。)を有する。用語脂肪族鎖は、アルキル鎖、アルケニル鎖、およびアルキニル鎖を含み、ここでアルキル、アルケニル、およびアルキニルは上記で定義されている。
【0068】
“所望により置換されていてよい”という記載は、“置換または非置換”という記載と互換的に用いられる。本明細書に記載の通り、本発明の化合物は、一般的に上記の説明または例示のように、本発明の特定のクラス、サブクラスおよび化学種により、所望により1個以上の置換基で置換されていてよい。本明細書に記載の通り、本明細書中に包含される式(I、IaおよびIb)の可変基R、RおよびR、ならびに他の可変基は、アルキルおよびアリールのような特定の基を含む。他に特記されない限り、本明細書中に包含される可変基R、RおよびR、ならびに他の可変基についての特定の基はそれぞれ、所望により本明細書に記載の1個以上の置換基で置換されていてよい。特定の基の置換基はそれぞれ、所望によりさらに1ないし3個のハロ、シアノ、オキソアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アリール、ハロアルキル、およびアルキルで置換されていてよい。例えば、アルキル基は、アルキルスルファニルで置換されていてよく、該アルキルスルファニルは、所望により1ないし3個のハロ、シアノ、オキソアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アリール、ハロアルキル、およびアルキルで置換されていてよい。さらなる例として、(シクロアルキル)カルボニルアミノのシクロアルキル部分は、所望により1ないし3個のハロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロアルキルおよびアルキルで置換されていてよい。2個のアルコキシ基が同じ原子または隣接原子に結合するとき、2個のアルコキシ基は、それらが結合する原子(複数可)と一体となって環を形成し得る。
【0069】
一般に、用語“置換”は、用語“所望により”が前にあってもなくても、ある構造の水素ラジカルの、特定の置換基のラジカルでの置換を意味する。特定の置換基は、定義において前記であるか、または化合物の記載およびその実施例において後記である。他に特記しない限り、所望により置換されていてよい基は、該基の各置換可能な位置に置換基を有してよく、そして、ある構造において2個以上の位置を、特定の基から選択された2個以上の置換基で置換されていてよく、該置換基は、全ての位置で同一であっても異なっていてもよい。ヘテロシクロアルキルのような環置換基は、シクロアルキルのような他の環と結合して、スピロ二環式環系を形成でき、例えば、両方の環が共通原子を共有する。当業者には認識される通り、本発明により計画される置換基の組合せは、安定なまたは化学的に実行可能な化合物の形成をもたらす組合せである。
【0070】
本明細書で用いる“安定なまたは化学的に実行可能な”という記載は、それらの製造、検出、および好ましくはそれらの回収、精製、および本明細書に開示の目的の1つ以上のための使用を慣用にする条件に付されたときに、実質的に変わらない化合物を意味する。ある態様において、安定な化合物または化学的に実行可能な化合物は、40℃以下の温度で、湿気または他の化学的に反応性の条件の非存在下に維持したとき、少なくとも1週間実質的に変わらないものである。
【0071】
本明細書で用いる“有効量”は、処置する患者に対して治療的効果を与えるのに必要な量として定義され、典型的に患者の年齢、体表面積、体重、および状態に基づき決定する。動物およびヒトの投与量の相互関係(体表面積の平方メートルあたりのミリグラムに基づく)は、Freireich et al., Cancer Chemother. Rep., 50:219(1966)に記載されている。体表面積は、患者の身長および体重からおおよそ決定できる。例えば、Scientific Tables, Geigy Pharmaceuticals, Ardsley, New York, 537(1970)を参照のこと。本明細書で用いる“患者”は、ヒトを含む哺乳動物を意味する。
【0072】
他に特記しない限り、本明細書に記載の構造は、該構造の全ての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何(または配座))形態;例えば、各不斉中心に対するRおよびS配置、(Z)および(E)二重結合異性体、(Z)および(E)配座異性体、ならびに互変異性体を含むことも意図する。故に、本化合物の1個の立体化学的異性体ならびにエナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何(または配座)混合物は、本発明の範囲内である。他に特記しない限り、本発明の化合物の全ての互変異性体形態は本発明の範囲内である。加えて、他に特記しない限り、本明細書に記載の構造はまた、1個以上の同位体富化原子の存在によってのみ異なる化合物を含むことも意図する。例えば、水素の重水素またはトリチウムによる置換、または炭素の13Cまたは14C富化炭素による置換以外の本構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。かかる化合物は、例えば、生物学的アッセイにおける分析ツールまたはプローブとして有用である。
【0073】
II.化合物
A.一般的化合物
本発明は、ムスカリン受容体活性を調節する方法であって、該受容体と式I:
【化2】


で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩を接触させる工程を含む方法を提供する。
【0074】
は、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。
【0075】
は、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−6脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−C(O)−、−CS−、−C(O)NR−、−C(O)NRNR−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NRC(O)O−、−O−、−NRCONR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRC(O)−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよい。Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFである。Rは、それぞれ独立して、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕である。
【0076】
は、それぞれ独立して、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−8脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−C(O)−、−CS−、−C(O)NR−、−C(O)NRNR−、−OC(O)−、−C(O)O−、−NRC(O)O−、−O−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRC(O)−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよい。Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−CN、または−OCFである。Rは、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕である。
【0077】
は、結合、−O−、−NR−、または−C(R−{ここで、Rは、それぞれ独立して、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−6脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−C(O)−、−CS−、−C(O)NR−、−C(O)NRNR−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NRC(O)O−、−O−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRC(O)−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよい。Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFである。Rは、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕である。}である。
【0078】
mは0−4である。
nは0−6である。
pは0−6である。そして
n+pは、2、3、4、5または6である。
【0079】
B.特定の化合物
1.置換基R
は、水素、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。
【0080】
ある態様において、Rは、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−12脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−C(O)−、−CS−、−C(O)NR−、−C(O)NRNR−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NRC(O)O−、−O−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRC(O)−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよい。Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFである。Rは、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。〕である。しかしながら、いくつかの態様において、Zが結合であり、RがRであるとき、Rが、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。
【0081】
いくつかの態様において、Rは所望により置換されていてよい脂肪族である。例えば、Rは、アルキル、アルケニル、またはアルキニル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である。いくつかの例において、Rは、所望により置換されていてよいC1−12脂肪族である。他の態様において、Rは、所望により置換されていてよい直鎖C1−12脂肪族である。いくつかの例において、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、またはオクチル(その各々が、所望により1−3個のハロ、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アルキルスルファニル、アルコキシ、アミノ、アシル、またはそれらの組合せ(その各々が、所望により置換されていてよい。)で置換されていてよい。)である。他の例において、Rは、所望により置換されていてよい分枝鎖C1−12脂肪族である。いくつかの例において、Rは、イソプロピル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブタン、tert−ブチル、3−メチルブチル、ブチル、2−エチルブチル、プロピル、ブタン−3−オン−イル、ブタン−2−オン−イル、ブト−2−イン−イル、メトキシエチル、イソペンチル、または3,7−ジメチルオクチルである。
【0082】
いくつかの態様において、Rは、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族である。例えば、Rは、単環式シクロ脂肪族または二環式シクロ脂肪族(その各々が、所望により置換されていてよい。)である。他の例において、Rは、所望により置換されていてよい3−8員の単環式シクロ脂肪族である。さらなる例において、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチル(その各々が、所望により1−3個のハロ、脂肪族、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、シクロ脂肪族、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である。いくつかの例において、Rは、所望により置換されていてよい7−10員の二環式シクロ脂肪族である。いくつかの例において、Rは、所望により置換されていてよい7−10員の二環式シクロアルキルまたは所望により置換されていてよい7−10員の二環式シクロアルケニルである。例えば、Rは、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン−イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−イル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−イル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−イル、ビシクロ[3.2.1]オクタン−イル、またはビシクロ[3.3.1]ノナン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、脂肪族、ヒドロキシ、アミノ、アシル、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である。他の例において、Rは、所望により置換されていてよいビシクロ[2.1.1]ヘキセ−2−エン−イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンイル、またはビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、脂肪族、ヒドロキシ、アミノ、アシル、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である。
【0083】
いくつかの態様において、Rは、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族。例えば、Rは、単環式ヘテロシクロ脂肪族または二環式ヘテロシクロ脂肪族(その各々が、所望により置換されていてよい。)である。他の例において、Rは、N、OおよびSから選択される1−3個のヘテロ原子を有する、所望により置換されていてよい3−8員の単環式ヘテロシクロ脂肪族である。さらなる例において、Rは、テトラヒドロフラン−イル、テトラヒドロ−2H−チオピラン−イル、ピロリジン−イル、イミダゾリジン−イル、1,4−ジオキサン−イル、モルホリン−イル、ピペリジン−イル、ピペラジン−イル、テトラヒドロ−2H−ピラン−イル、ピラゾリジン−イル、またはチオモルホリン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、アミノカルボニル,アルコキシカルボニル,アシル,カルボキシまたはそれらの組合せで置換されていてよい。)である。他の例において、Rは、N、OおよびSから選択される1−2個のヘテロ原子を有する、所望により置換されていてよい7−10員の二環式ヘテロシクロ脂肪族である。他の例において、Rは、所望により置換されていてよい7−10員の架橋二環式ヘテロシクロ脂肪族であるか、またはRは、所望により置換されていてよい7−10員の縮合二環式ヘテロシクロ脂肪族である。他の例において、Rは、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−イル、またはアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−イル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である。
【0084】
いくつかの別の態様において、Rは、下記:
シクロヘキシルメチル;3,3−ジメチルブチル;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−2−イル;シクロヘプト−1−イル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル;1−エトキシカルボニルピペリジン−4−イル;8−エトキシカルボニル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル;3−メチルブチル;(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル;4−(メチル(スルファニル))ブチル;3,7−ジメチル−7−メトキシオクチル;(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)エチル;シクロヘキシル;シクロヘプチル;シクロペンチル;(N,N−ジメチルアミノカルボニル)ピペリジン−4−イル;N−アセチルピペリジン−4−イル;1−(シクロプロピル(カルボニル))ピペリジン−4−イル;(プロプ−2−イノキシ(カルボニル))ピペリジン−4−イル;ピペリジン−4−イル;プロポキシカルボニルピペリジン−4−イル;(プロプ−2−エンオキシ(カルボニル))ピペリジン−4−イル;(モルホリン−4−イル(カルボニル))ピペリジン−4−イル;1−メトキシカルボニルピペリジン−4−イル;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−2−イルメチル;および、イソプロピルカルボニルピペリジン−4−イル、から選択される1個である。
【0085】
2.置換基R
は、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−10脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−C(O)−、−CS−、−C(O)NR−、−C(O)NRNR−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NRC(O)O−、−O−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRC(O)−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよい。Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFである。Rは、それぞれ独立して、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕である。
【0086】
いくつかの態様において、Rは、−Z〔ここで、各Zは、−C(O)−、−O−、−C(O)O−、−C(O)NR−、または−NRC(O)−であり;Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFであり;そして、Rは、それぞれ独立して、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕である。いくつかの例において、Rは、それぞれ独立して、脂肪族、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、またはヘテロアリール(その各々が、所望により1−3個のヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である。
【0087】
いくつかの態様において、Rはアミド基である。例えば、Rは所望により置換されていてよいアミノカルボニルである。他の例において、Rは所望により置換されていてよい脂肪族アミノカルボニルである。具体的には、Rは、所望により置換されていてよい直鎖または分枝鎖(C1−10脂肪族(アミノ))カルボニルである。いくつかの例において、Rは、ペント−3−イルアミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、1−メチルブチルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、またはN,N−ジエチルアミノカルボニル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である。いくつかの別の例において、Rは、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族アミノカルボニルである。例えば、Rは、所望により置換されていてよい単環式シクロ脂肪族アミノカルボニルまたは所望により置換されていてよい二環式シクロ脂肪族アミノカルボニルである。他の例において、Rは、シクロブチルアミノカルボニル、シクロペンチルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル、シクロヘプチルアミノカルボニル、またはシクロオクチルアミノカルボニル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、脂肪族、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である。いくつかの別の例において、Rは、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族アミノカルボニルである。例えば、Rは、所望により置換されていてよい単環式ヘテロシクロ脂肪族アミノカルボニルまたは所望により置換されていてよい二環式ヘテロシクロ脂肪族アミノカルボニルである。他の例において、Rは、(テトラヒドロフラニル)アミノカルボニル、(テトラヒドロピラニル)アミノカルボニル、(ピロリジニル)アミノカルボニル、(3−ピロリニル)アミノカルボニル、(2−ピロリニル)アミノカルボニル、(イミダゾリジニル)アミノカルボニル、(ピペリジニル)アミノカルボニル、(ピペラジニル)アミノカルボニル、または(モルホリニル)アミノカルボニル(その各々が、所望により1−3個のハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、脂肪族、シクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である。
【0088】
いくつかの態様において、Rはアシル基である。いくつかの例において、Rは、カルボキシ基である。例えば、Rは、ヒドロキシカルボニル、すなわちカルボン酸であるか、またはRは、(脂肪族(オキシ))カルボニル、(シクロ脂肪族(オキシ))カルボニル、(ヘテロシクロ脂肪族(オキシ))カルボニル、(アリール(オキシ))カルボニル、または(ヘテロアリール(オキシ))カルボニル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である。いくつかの例において、Rは、所望により置換されていてよい直鎖または分枝鎖(C1−8脂肪族(オキシ))カルボニル基である。いくつかの例において、Rは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、またはtert−ブトキシカルボニル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である。いくつかの例において、Rは、所望により置換されていてよい単環式または二環式(ヘテロシクロ脂肪族(オキシ))カルボニル基である。いくつかの例において、Rは、(ピペリジニル(オキシ))カルボニル、(ピロリジニル(オキシ))カルボニル、(ピペラジニル(オキシ))カルボニル、または(モルホリニル(オキシ))カルボニル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である。他の態様において、Rは、所望により置換されていてよい(ヘテロシクロ脂肪族)カルボニルのようなアシルである。
【0089】
いくつかの態様において、Rは、(イソペンチル)アミノカルボニル;(ペンタン−3−イル)アミノカルボニル;(メチル)アミノカルボニル;(1−メチルブチル)アミノカルボニル;(イソプロピル)アミノカルボニル;(N,N−ジメチル)アミノカルボニル;(N,N−ジエチル)アミノカルボニル;(エトキシ)カルボニル;カルボキシ;(ピペリジン−1−イル)カルボニル;(シクロプロピル)アミノカルボニル;(ピロリジン−1−イル)カルボニル;(シクロヘキシル)アミノカルボニル;シアノ;および、(シクロブチル)アミノカルボニルから選択される1個である。
【0090】
3.置換基R
は、それぞれ独立して、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−8脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−C(O)−、−CS−、−C(O)NR−、−C(O)NRNR−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NRC(O)O−、−O−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRC(O)−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよい。〕である。
【0091】
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−CN、または−OCFである。
【0092】
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。
【0093】
いくつかの例において、Rは、独立して、水素、ハロ、または所望により置換されていてよいC1−6脂肪族である。
【0094】
いくつかの例において、Rは、所望により置換されていてよいC1−6脂肪族である。例えば、Rは、所望により置換されていてよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、またはそれらの組合せ(その各々が、所望により置換されていてよい。)である。
【0095】
4.
は、結合、−O−、−NR−、または−C(R−{ここで、Rは、それぞれ独立して、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−6脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−C(O)−、−CS−、−C(O)NR−、−C(O)NRNR−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NRC(O)O−、−O−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRC(O)−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよい。Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFである。Rは、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕である。}である。
【0096】
多くの例において、Zは結合である。
【0097】
一群の例において、Zは−NR−〔ここで、Rは水素であるか、またはRは、(脂肪族)カルボニル、(脂肪族)スルホニル、(シクロ脂肪族)カルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、(アルキル)アミノカルボニル、アリールスルホニル、アルコキシカルボニル、(シクロアルコキシ)カルボニル、またはヘテロシクロアルコキシカルボニル(その各々が、所望により1−3個のハロ、脂肪族、アルコキシ、シクロアルキル、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である。〕である。
【0098】
別の群の例において、Zは、結合、−O−、−NR−、または−C(R−〔ここで、Rは、それぞれ独立して、水素、ハロ、ヒドロキシル、または所望により置換されていてよいC1−5脂肪族である。〕である。
【0099】
5.群数m、nおよびp
mは0−4であり;nは0−6であり;pは0−6であり;そして、n+pは、2、3、4、5または6である。
【0100】
いくつかの例において、nは2であり、pは2である。他の例において、nは1であり、pは3である。
【0101】
いくつかの例において、mは0、1、2、3または4である。
【0102】
C.下位化合物
本発明の別の局面は、ムスカリン受容体(複数可)の活性および/または複数の活性を調節するのに有用な式Iaの化合物を提供する。式Iaの化合物は、下記:
【化3】


[式中、R、R、R、Z、m、nおよびpは、上記の式Iに定義の通りである。]
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0103】
しかしながら、Zが結合であり、n=2であり、p=2のとき、Rが、−Z〔ここで、各Zは、結合、−CONR−または−C(O)−であり;Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CNまたは−OCFであり;そして、Rは、それぞれ独立して、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。〕である。
【0104】
他の例において、Zが不存在であり、n=2であり、p=2のとき、Rが、−Z〔ここで、各Zは、結合または−C(O)NR−であり;各RはRであり;そして、Rは、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕である。
【0105】
本発明の別の局面は、ムスカリン受容体(複数可)の活性および/または複数の活性を調節するのに有用な式Ibの化合物を提供する。式Ibの化合物は、下記:
【化4】


[式中、Z、R、m、nおよびpは、上記の式Iに定義の通りである。]
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0106】
は、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合または−(CH−{ここで、qは1−2である。}である。Rは、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CNまたは−OCFである。Rは、それぞれ独立して、(アルコキシ)脂肪族、(アルキル(スルファニル))脂肪族、非置換脂肪族、非置換シクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。〕である。
【0107】
は、−Z〔ここで、各Zは、結合または−CONR−であり;Rは、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。〕である。
【0108】
D.態様の組合せ
他の態様は、前記の置換基R、R、R、Z、m、nおよびpの何らかの組合せを包含する。
【0109】
E.例示的化合物
式(I、IaおよびIb)の特定の例示的化合物を、下記の表1に示す。
【表1】


【表2】

【0110】
【表3】


【表4】


【表5】

【0111】
【表6】


【表7】

【0112】
III.合成スキーム
式(I、IaおよびIb)の化合物を、当技術分野で公知の方法を用いて市販の出発物質から容易に合成できる。式(I、IaおよびIb)の化合物を製造するための合成経路の例を、以下に製造法A−Oおよびスキーム1−3として提供する。下記の一般的スキームにおいて、1つの式を簡単にするために、式中、nおよびpは両方とも2であり、Zは−CH−または結合であるものを用いる。しかしながら、該一般的スキームは限定されずに異なる変数を有する他の式(I、IaおよびIb)の化合物の製造に用いられ得る。
【0113】
下記のスキーム1は、式Iの化合物(式中、Rは−CONRである。)の合成のための一般的条件を示す。
【化5】

【0114】
スキーム1に関して、出発物質スピロテトラロン(1a)を、強塩基の存在下で、2−(N,N−ビス(トリフルオロメチル−)スルホニルアミノ)−5−クロロピリジンと反応させて(工程1)、トリフルオロメチルスルホニルエステル(1b)を得る。該エステル(1b)を、パラジウム触媒およびエタノールの存在下で一酸化炭素と反応させて、エチルエステル(1c)を得る。公知の条件下で該エステルを加水分解させて、公知の条件下でアミド(1e)に変換される酸(1d)を得る。保護基PGの除去により、遊離アミン(1f)を得る。該アミン(1f)の還元的アミノ化により、本発明の化合物(I)を得る。還元的アミノ化は、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライドのような還元剤、および要すれば、例えばトリフルオロ酢酸またはチタン(IV)イソプロポキシドのような触媒の存在下で、適当なアルデヒドまたはケトンを用いて行われる。式Iの化合物(式中、Rが、例えば保護アミンを含む。)は、公知の方法によりさらに修飾され、式Iの化合物のさらなる例を提供し得る。
【0115】
下記のスキーム2は、式Iの化合物の合成のための別の条件を示す。
【化6】

【0116】
酸(1d)(スキーム1)は脱保護されて、アミン酸(2a)を生じる。上記の(2a)の還元的アミノ化により、式Iのアミドに変換される酸(2b)を得る。
【0117】
式Iの化合物8(式中、Rは−CNである。)の製造は、スキーム3に記載の通りに行われ得る。
【0118】
スキーム3:
【化7】

【0119】
例えばヨウ化銅のような銅触媒およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の存在下での、トリフルオロメチルスルホニルエステル(1b)(スキーム1)と例えばシアン化ナトリウムのようなアルカリ金属シアン化物の反応により、保護ニトリル(3a)を得る。脱保護により、前記の式Iの化合物に変換され得る化合物(3b)(式中、Rは−CNである。)を得る。
【0120】
IV.製剤、投与、および使用
本発明は、その範囲内に本発明の化合物の薬学的に許容されるプロドラッグを含む。“薬学的に許容されるプロドラッグ”は、レシピエントへの投与により、本発明の化合物またはその活性代謝物もしくは残基を(直接的または間接的に)提供できる、全ての薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、または本発明の化合物の他の誘導体を意味する。好ましいプロドラッグは、そのような化合物を哺乳動物に投与したときに本発明の化合物のバイオアベイラビリティを高めるか、または親化合物と比較して、親化合物の生物学的区画への送達を高めるものである。
【0121】
用語“薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビークル”は、それらと共に製剤した本化合物の薬理学的活性を破壊しない、非毒性担体、アジュバント、またはビークルを意味する。本発明の組成物において使用できる薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビークルは、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばホスフェート、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、蝋、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂を含むが、これらに限定されない。
【0122】
本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される無機および有機酸および塩基由来のものを含む。適当な酸塩の例は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピコリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩を含む。他の酸、例えばシュウ酸は、それ自体薬学的に許容されないが、本発明の化合物およびそれらの薬学的に許容される酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の製造のために使用され得る。
【0123】
適当な塩基由来の塩は、アルカリ金属(例えば、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウムおよびN(C1−4アルキル)塩を含む。本発明はまたここに記載の化合物の塩基性窒素含有基の4級化も構想する。水溶性もしくは油可溶性または分散性生成物を、そのような4級化により得ることができる。
【0124】
本発明の組成物を経口的に、非経腸的に、吸入スプレーにより、局所的に、直腸に、鼻腔内に、口腔内に、膣内にまたはインプラントした貯蔵部を介して投与できる。本明細書で用いる用語“非経腸”は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、気管内、肝臓内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術を含む。好ましくは、本組成物を経口的に、腹腔内にまたは静脈内に投与する。本発明の組成物の滅菌注射可能形態は、水性または油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、当分野で公知の技術に従い製剤できる。滅菌注射可能製剤はまた、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液としてのような非毒性の非経腸的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射可能溶液または懸濁液であり得る。用い得る許容されるビークルおよび溶媒は、とりわけ水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液である。加えて、滅菌、固定油を溶媒または懸濁媒体として慣用的に用い得る。
【0125】
この目的のために、合成モノ−またはジ−グリセリドを含む任意の非刺激性(bland)固定油を用い得る。脂肪酸、例えばオレイン酸およびそのグリセリド誘導体は注射剤の製造に有用であり、天然の薬学的に許容される油、例えばオリーブ油またはヒマシ油、とりわけそれらのポリオキシエチル化形態と同様である。これらの油溶液または懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤もしくは分散剤、例えばカルボキシメチルセルロースまたはエマルジョンおよび懸濁液を含む薬学的に許容される投与形態の製剤に一般的に使用される類似の分散剤も含み得る。他の一般的に使用される界面活性剤、例えばTweens、Spansおよび薬学的に許容される固体、液体、または他の投与形態の製造において一般的に使用される他の乳化剤またはバイオアベイラビリティ増強剤もまた、製剤目的で使用できる。
【0126】
本発明の薬学的に許容される組成物は、カプセル剤、錠剤、水性懸濁液または溶液を含むが、これらに限定されない何らかの経口的に許容される投与形態で経口投与できる。経口使用のための錠剤の場合、一般的に使用される担体には、ラクトースおよびコーンデンプンが含まれる。平滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムもまた典型的に添加される。カプセル形態での経口投与のために、有用な希釈剤は、ラクトースおよび乾燥コーンデンプンを含む。水性懸濁液が経口使用のために必要であるとき、活性成分を乳化剤および懸濁化剤と混合する。望むとき、任意の甘味剤、香味剤または着色剤も添加し得る。
【0127】
あるいは、本発明の薬学的に許容される組成物を、直腸投与用坐薬の形で投与できる。これらは、本薬剤と、室温では固体であるが、直腸温度では液体であり、それ故に直腸内で溶けて薬剤を放出する適当な非刺激性賦形剤との混合により製造できる。かかる物質はカカオバター、蜜蝋およびポリエチレングリコールを含む。
【0128】
本発明の薬学的に許容される組成物はまた、とりわけ、処置の標的が、眼、皮膚、または腸管下部の疾患を含む、局所投与により容易に接近可能な領域または臓器を含むとき、局所的にも投与できる。適する局所用製剤は、これらの領域または臓器のそれぞれのために容易に製造される。
【0129】
腸管下部への局所投与は、直腸坐薬製剤(上記参照)または適する浣腸製剤により行い得る。局所的経皮パッチも使用できる。
【0130】
局所投与のために、薬学的に許容される組成物は、1種以上の担体に懸濁または溶解した活性成分を含む適当な軟膏に製剤できる。本発明の化合物の局所投与用担体は、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化蝋および水を含むが、これらに限定されない。あるいは、薬学的に許容される組成物を、1種以上の薬学的に許容される担体に懸濁または溶解した活性成分を含む、適当なローションまたはクリームに製剤できる。適当な担体は、鉱油、ソルビタンモノオレエート、ポリソルベート60、セチルエステル蝋、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水を含むが、これらに限定されない。
【0131】
眼使用のために、薬学的に許容される組成物を、塩化ベンザルコニウムのような防腐剤を添加し、または添加しない、等張性の、pH調節した滅菌食塩水中の微粉化(micronized)懸濁液として、または、好ましくは、等張性の、pH調節した滅菌食塩水中の溶液として製剤できる。あるいは、眼科的使用のために、薬学的に許容される組成物を、軟膏、例えばワセリン中に製剤できる。
【0132】
本発明の薬学的に許容される組成物を、経鼻エアロゾルまたは吸入によっても投与できる。このような組成物は、医薬製剤の分野で既知の技術に従い製造し、食塩水中の溶液として、ベンジルアルコールまたは他の適当な防腐剤、バイオアベイラビリティを増強するための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の慣用の可溶化剤または分散剤を使用して製造できる。
【0133】
最も好ましくは、本発明の薬学的に許容される組成物は経口投与用に製剤する。
【0134】
単一投与形態の組成物を製造するために担体と組合せ得る本発明の化合物の量は、処置する宿主、特定の投与方法に依存して変化してよい。好ましくは、本組成物は、0.01−100mg/kg体重/日の調節剤の投与量を、これらの組成物を受ける患者に投与できるように製剤すべきである。
【0135】
ある特定の患者のための具体的投与量および処理レジメンは、用いる具体的化合物の活性、年齢、体重、一般的健康、性別、食事、投与時間、排泄速度、医薬組合せ、および処置医の判断および処置する特定の疾患の重症度を含む種々の因子に依存し得ることも理解されるべきである。組成物中の本発明の化合物の量はまた、組成物中の特定の化合物にも依存し得る。
【0136】
処置または予防すべき特定の状態または疾患に依存して、その状態を処置または予防するために通常投与される付加的な治療剤もまた、本発明の組成物中に存在し得る。本明細書で用いる、特定の疾患または状態の処置または予防のために通常投与される付加的治療剤は、“処置する疾患または状態のために適当である”ことが既知である。
【0137】
好ましい態様によって、式(I、IaおよびIb)の化合物はM、MおよびMの選択的調節剤である。より好ましくは、式(I、IaおよびIb)の化合物は、Mおよび/またはMの選択的調節剤である。さらに好ましくは、ある式(I、IaおよびIb)の化合物は、Mの選択的調節剤である。または、好ましくは、ある式(I、IaおよびIb)の化合物は、Mの選択的調節剤である。
【0138】
本出願人らは、本発明の化合物がムスカリン受容体の活性を調節する能力は、これらの化合物のムスカリン受容体への親和性に由来すると考える。かかる親和性は、本出願人らは、ムスカリン受容体(すなわち、アゴニスト)を活性化するか、またはムスカリン受容体の活性を阻害すると考える。
【0139】
本明細書で用いる用語“選択的”は、他のムスカリン受容体サブタイプと比較したとき、一つのムスカリン受容体サブタイプを調節する測定可能な大きな能力を意味する。例えば、用語“選択的Mアゴニスト”は、他のムスカリン受容体サブタイプ(複数可)での化合物のアゴニスト活性と比較したとき、Mアゴニストとして作用する測定可能な大きな能力を有する化合物を意味する。
【0140】
別の態様によって、本発明は哺乳動物、例えばヒトにおけるムスカリン受容体仲介疾患の処置方法であって、本明細書に記載の通りに、該哺乳動物に式(I、IaおよびIb)の化合物を含む組成物、またはその態様を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0141】
他の態様によって、本発明は、ムスカリン受容体が仲介する疾患の処置方法であって、本明細書に記載の通りに、該哺乳動物に式(I、IaおよびIb)の化合物を含む組成物またはその他の態様を投与する工程を含む、方法を提供する。好ましくは、該疾患はMによって仲介されるか、または該疾患はMによって仲介される。
【0142】
さらに他の態様によって、本発明は患者における疾患を処置するか、または重篤度を低下させる方法であって、該疾患が認知障害、注意欠損過活動障害(ADHD)、肥満、アルツハイマー病、血管性認知症のような種々の認知症、統合失調症、躁病、双極性障害を含む精神病、急性および慢性症候群を含む疼痛状態、ハンチントン舞踏病、フリードライヒ失調症、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、ダウン症候群、ピック病、臨床的鬱病、乳幼児突然死症候群、パーキンソン病を含むCNS由来病状、緑内障における眼内圧の低下のような末梢障害およびシェーグレン症候群を含むドライアイおよびドライマウスの治療であって、該方法が、該患者と本発明の化合物を接触させることを含む、方法を提供する。
【0143】
別の態様によって、本発明は患者における疾患を処置するか、または重篤度を低下させる方法であって、該疾患が疼痛、精神病(統合失調症、幻覚、および妄想を含む)、アルツハイマー病、パーキンソン病、緑内障、徐脈、胃酸分泌、喘息、またはGI不調から選択される、方法を提供する。
【0144】
好ましい態様によって、本発明は、精神病、アルツハイマー病、疼痛、またはパーキンソン病の処置または重篤度低下に有用である。
【0145】
本明細書に引用されるすべての文献は、参照により本明細書に包含させる。
【実施例】
【0146】
V.製造例および実施例:
本明細書に記載の本発明をより完全に理解できるように、以下の実施例を記載する。これらの実施例は説明目的のみであり、如何なる方法でも本発明を限定すると解釈すべきではないことは理解されるべきである。
【0147】
製造例A:2H−スピロ[ナフタレン−1,4’−ピペリジン]−4−カルボニトリル(A4)の合成
【化8】

【0148】
THF(30ml)中、tert−ブチル 4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ナフタレン−1,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(A1)(2.66g、8.44mmol)の溶液を、−78℃で、THF(20ml)中、リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド(ヘキサン中1.0M、10.5ml、10.5mmol)の溶液に滴下した。−78℃で30分後、2−(N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ)−ピリジン(3.77g、10.5mmol)を添加し、反応混合物をゆっくり0℃まで温め(約2時間)、氷に注ぎ、エーテルで抽出し、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/ジクロロメタン 8:2)により精製して、tert−ブチル 4−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−2H−スピロ[ナフタレン−1,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(A2)を得た。LC−MS: m/e=391.9 (M+H−C(CH3)3)。Rt=4.1分。 1H−NMR (500MHz, DMSO−d6): 7.50 (d, 1H), 7.40 (t, 1H), 7.30 (t, 1H), 6.16 (t, 1H), 3.83 (br.d, 2H), 3.05 (br. s, 2H), 2.67 (d, 2H), 1.72−1.67 (m, 4H), 1.41 (s, 9H)。
【0149】
アセトニトリル(10ml)中、トリフラート(A2)(447mg、1mmol)、シアン化ナトリウム(100mg、2mmol)、ヨウ化銅(I)(19mg、0.1mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(58mg、0.05mmol)の混合物を脱気し、窒素下で還流下で4時間加熱した。濃縮後、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 8:2)により直接精製して、tert−ブチル 4−シアノ−2H−スピロ[ナフタレン−1,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(A3)(300mg)を得た。LC−MS: m/e=269.0 (M+H−C(CH3)3。 Rt=3.75分。1H−NMR (500MHz, DMSO−d6): 7.49 (d, 1 H), 7.42−7.36 (m, 3H), 7.09 (t, 1H), 3.81 (br. d, 2 H), 3.03 (br. s, 2H), 2.67 (d, 2H), 1.70 (td, 2H), 1.62 (d, 2H), 1.41 (s, 9H)。
【0150】
ジクロロメタン(3ml)中、ニトリル(A3)(300mg)の溶液を、TFA(1ml)で1時間処理し、濃縮し、アセトニトリルで共沸させて、ジクロロメタン(約100ml)中に溶解した。得られた溶液を塩水(約20ml)および6N NaOH(2ml)の混合物で洗浄し、NaSOで乾燥させて、濃縮し、2H−スピロ[ナフタレン−1,4’−ピペリジン]−4−カルボニトリル(A4)を白色固体として得た。LC−MS: m/e=225.2 (M+H)。Rt =1.53分。
【0151】
製造例B:N,N−ジメチル−2H−スピロ[ナフタレン−1,4’−ピペリジン]−4−カルボキサミド(B3)の合成
【化9】

【0152】
DMF(20ml)中、トリフラート(A2)(2.25g、5mmol)、メタノール(10ml)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3ml)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(340mg)の混合物を脱気し、一酸化炭素と交換した。混合物を。50℃で、1気圧の一酸化炭素下で20時間撹拌した。過剰のメタノールを蒸発させて除去後、混合物を水中に注ぎ、エーテルで抽出し、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、1’−tert−ブチル 4−メチル 2H−スピロ[ナフタレン−1,4’−ピペリジン]−1’,4−ジカルボキシレート(B1)(1.58g)ヲ得る。LC−MS: m/e=302.0 (M+H−C(CH3)3)。Rt=3.82分。 1H−NMR (500MHz, DMSO−d6): 7.67 (d, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.30 (t, 1H), 7.24 (t, 1 H), 7.00 (t, 1 H), 3.82 (s, H), 3.78 (br.d, 2H), 2.75 (s, 3H), 3.29 (s, 3 H), 3.11 (br.s, 2H), 2.55 (s, 2H), 1.68 (m, 2 H), 1.61 (d, 2H), 1.41 (s, 9H)。
【0153】
MeOH(20ml)中、メチルエステル(B1)(1.59g、4.66mmol)の溶液を、6N NaOH(2ml)と共に65℃で2時間加熱した。反応混合物を、氷浴中で冷却し、そのpHを0.5N HClで約5に合わせ、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、1’−(tert−ブトキシカルボニル)−2H−スピロ[ナフタレン−1,4’−ピペリジン]−4−カルボン酸を得た。LC−MS: m/e=344.0 (M+H), 288.0 (M+H−C(CH3)3), 244.0 (M+H - Boc)。Rt=3.29分。1H−NMR (500MHz, DMSO−d6): 8.05 (dd, 1 H), 7.80 (d, 1 H), 7.68 (t, 1 H), 7.46 (t, 1 H), 6.74 (s, 1H), 4.03 (m, 2 H), 3.71 (s, 2H), 3.4 (m, 2H), 2.21 (td, 2H), 1.46 (s, 9H), 1.45 (m, 2H)。
【0154】
DMF(10ml)中、上記の粗カルボン酸(300mg、約0.87mmol)、ジメチルアミン(THF中2.0M、0.88ml、1.76mmol)、塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDCI、338mg、1.76mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(178mg、1.31mmol)の溶液を、室温で24時間撹拌し、水に注ぎ、EtOAcで抽出した(3回)。抽出物を乾燥させ(NaSO)、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 1:0ないし0:1)により精製して、tert−ブチル 4−(ジメチルカルバモイル)−2H−スピロ[ナフタレン−1,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(B2)(156mg)を得た。LC−MS: m/e=371.1 (M+H), 315.0 (M+H−C(CH3)3)。Rt=3.16分。 1H−NMR (500MHz, CDCl3): 7.32−7.27 (m, 2H), 7.13 (t, 1H), 6.97 (d, 1H), 6.00 (t, 1 H), 3.91 (br. d, 2H), 3.04 (br. s, 3H), 2.97 (t, 2H), 2.85 (br. s, 3H), 2.44 (br. s, 2H), 1.85 (m, 2H), 1.70 (d, 2H), 1.40 (s, 9H)。
【0155】
ジクロロメタン(5ml)中、ジメチルアミド(B2)(156mg)の溶液を、TFA(1ml)で1時間処理した。濃縮およびアセトニトリルとの共蒸発後、残渣をジクロロメタン中に溶解し、塩水および1mlの6N NaOHの混合物で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮して、N,N−ジメチル−2H−スピロ[ナフタレン−1,4’−ピペリジン]−4−カルボキサミド(B3)(135mg)を得た。LC−MS: m/e=271.0 (M+H)。Rt=1.30分。
【0156】
方法A:アルデヒドを用いるスピロピペリジンの還元的アミノ化−1’−(3,3−ジメチルブチル)−2H−スピロ[ナフタレン−1,4’−ピペリジン]−4−カルボニトリル(化合物番号51)の合成
【化10】

【0157】
1,2−ジクロロエタン(5ml)中、2H−スピロ[ナフタレン−1,4’−ピペリジン]−4−カルボニトリル(A4)(66mg、0.3mmol)、3,3−ジメチルブタナール(46mg、0.46mmol)の溶液を、40℃で2時間撹拌した。該溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを添加し、得られた混合物を一晩撹拌し、次いで、MeOH(1ml)で処理した。蒸発させ、残渣をMeOH(2ml)中に溶解し、逆相C−18 HPLCにより精製して、1’−(3,3−ジメチルブチル)−2H−スピロ[ナフタレン−1,4’−ピペリジン]−4−カルボニトリル(化合物番号51)を得た。LC−MS: m/e=309.1 (M+H)。Rt=1.92分。 1H−NMR (500MHz, DMSO−d6): 9.03 (br.s, 1H), 7.49−7.40 (m, 4H), 7.12 (t, 1H), 3.45 (d, 2H), 3.22−3.11 (m, 4H), 2.78 (d, 2H), 2.03 (td, 2H), 1.88 (d, 2H), 1.58−1.54 (m, 2H), 0.92 (s, 9H)。
【0158】
方法B:ケトンを用いるスピロピペリジンの還元的アミノ化−エチル4−(4−(ジメチルカルバモイル)−2H−スピロ[ナフタレン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物番号4)の合成
【化11】

【0159】
1,2−ジクロロエタン(2ml)中、N,N−ジメチル−2H−スピロ[ナフタレン−1,4’−ピペリジン]−4−カルボキサミド(B3)(33mg、0.13mmol)およびエチル 4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(60mg、0.35mmol)の溶液を、40℃で5時間撹拌し、次いで、チタン(IV)イソプロポキシド(0.05ml、0.17mmol)を添加した。反応混合物を18時間撹拌し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(50mg、0.23mmol)で24時間処理した。メタノール(1ml)を添加し、反応混合物を1時間撹拌し、蒸発させ、残渣をメタノール(1ml)中に溶解し、C−18 HPLCにより精製して、エチル 4−(4−(ジメチルカルバモイル)−2H−スピロ[ナフタレン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物番号4)を得た。LC−MS: m/e=426.3 (M+H)。Rt=1.55分。1H−NMR (500MHz, DMSO−d6): 9.32 (br.s, 1H), 7.39 (d, 1H), 7.34 (t, 1H), 7.26 (t, 1H), 6.95 (d, 1H), 5.97 (t, 1H), 4.12 (d, 2H), 4.05 (q, 2H), 4.04 (m, 2H), 3.43 (br. d, 2H), 3.22 (q, 2H), 2.98 (s, 3H), 2.81 (s, 3H), 2.80 (m, 1H), 2.56 (d, 2H), 2.14−2.07 (m, 4H), 1.92 (d, 2H), 1.56 (qd, 2H), 1.19 (t, 3H)。
【0160】
表2の実施例は、一般的に、製造例A−Bおよび方法A−Bにおいて上記の合成製造例および方法に従う;しかしながら、これらの製造例および方法は、単なる例示であって、他の好適な製造例および方法が用いられてもよい。
【表8】


【表9】


【表10】

【0161】
製造例C:N−メチルスピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボキサミド(C6)の合成
【化12】

【0162】
THF(50mL)中、tert−ブチル 3−オキソ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(C1)(2.5g、8.30mmol)の撹拌溶液に、0℃、窒素下で、KHMDS(トルエン中0.5M、21mL、10.37mmol)を10分かけて滴下した。得られた溶液を室温で3時間撹拌した。2−(N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニルアミン]−5−クロロピリジン(4.0g、10.37mmol)を添加し、溶液を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を水(50mL)中に溶解して、EtOAcで抽出した(3×50mL)。有機層を乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルのBiotage SP1によりヘキサン中7−60%EtOAcで溶出して精製し、tert−ブチル 3−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−1−カルボキシレート(C2)を粘性油状物として得た(3.6g)。1HNMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.37 (m, 4H), 6.66 (s, 1H), 4.25 (br. m, 2H), 3.05 (m, 2H), 2.06 (ddd, 2H), 1.50 (s, 9H), 1.40 (m, 2H)。
【0163】
DMF(30mL)およびエタノール(15mmol)中、tert−ブチル 3−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−1−カルボキシレート(C2)(3.4g、7.85mmol)、Pd(OAc)(0.050g、0.22mmol)、トリフェニルホスフィン(0.15g、0.57mmol)、トリエチルアミン(2.2mL、16mmol)の混合物を脱気し、次いで65℃、一酸化炭素下で、18時間撹拌した。反応物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を水(50mL)中に溶解し、EtOAcで抽出した(3×50mL)。有機層を乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、それをシリカゲルのBiotage SP1によりヘキサン中2−60%EtOAcで溶出して精製し、1’−tert−ブチル 3−エチル スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−1,3’−ジカルボキシレート(C3)を粘性油状物として得た(2.8g)。1HNMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.91(d, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.29 (m, 2H), 4.36 (q, 2H), 4.17 (m, 2H), 3.15 (m, 2H), 2.03 (ddd, 2H), 1.50 (s, 9H), 1.38 (t,3H), 1.25 (m, 2H)。
【0164】
水(5mL)およびエタノール(25mL)中、1’−tert−ブチル 3−エチル スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−1,3’−ジカルボキシレート(C3)(1.6g、4.48mmol)、固体NaOH(1.6g、40mmol)の混合物を、2時間加熱還流し、次いで室温まで冷却した。溶液を濃縮し、残渣を水(25mL)中に溶解した。溶液を10%HCl溶液でゆっくり酸性とした。水層をEtOAcで抽出し(3×50mL)、乾燥させて、減圧下で濃縮し、1’−(tert−ブトキシカルボニル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボン酸(C4)を白色固体として得た(1.3g)。LC/MS(0.9%FA(ホルムアルデヒド)を用いて3分間、10−90%) m/z 328.4 (M−1)、保持時間3.2分。1HNMR (500 MHz, d6−DMSO) δ 12.81 (s, 1H), 7.85 (m, 2H), 7.48 (d,1H), 7.27 (m, 2H), 4.02 (m, 2H), 3.18 (m, 2H), 1.95 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.26 (m, 2H)。
【0165】
THF(2mL)中メチルアミンの溶液を、DMF(10mL)中、1’−(tert−ブトキシカルボニル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボン酸(C4)(0.51g、1.55mmol)、EDAC HCl(0.6g、3.00mmol)、HOBt(0.31g)の撹拌溶液に添加し、この溶液を室温で12時間撹拌した。溶液を水(50mL)に注ぎ、水層EtOAcで抽出し(3×50mL)、乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルのBiotage SP1によりヘキサン中12−100%EtOAcで溶出して精製し、tert−ブチル 3−(メチルカルバモイル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(C5)を白色固体として得た(0.45g)。LC/MS(0.9%FAを用いて3分間、10−90%) m/z 343 (M+1)、Rt=3.0分。 1HNMR (500 mHz, CDCl3) δ 7.73 (d, 1H), 7.23 (m , 3H), 7.14 (s, 1H), 6.05 (brm,1H), 4.11 (m, 2H), 3.03 (m, 2H), 2.93 (d, 3H), 1.95 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.30 (m, 2H)。
【0166】
トリフルオロ酢酸(2mL)を、ジクロロメタン(5mL)中、tert−ブチル 3−(メチルカルバモイル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(C5)(0.45g、1.30mmol)の撹拌溶液に添加し、該溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、高真空下で18時間乾燥させて、N−メチルスピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボキサミド(C6)を油状物として得た(0.46g)。LC/MS(0.9%FAを用いて3分間、10−90%) m/z 243 (M+1)、Rt=1.2分。
【0167】
方法C:1’−(3,3−ジメチルブチル)−N−メチルスピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボキサミド(化合物番号27)の合成
【化13】

【0168】
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.013g、0.073mmol)を、ジクロロエタン(1mL)中、(C6)(0.015g、0.073mmol)および3−3−ジメチルブチルアルデヒド(0.0126g、0.126mmol)の撹拌溶液に添加し、得られた溶液を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、生成物を逆相分取HPLCにより精製して、化合物番号27をTFA塩として得た(0.012g)。LC/MS(0.9%FAを用いて3分間、10−90%) m/z 327.2 (M+1)、保持時間1.9分。1HNMR (500 MHz, CD3OD): 7.73 (d,1H), 7.31−7.40 (m, 4H), 3.77 (m, 2H), 3.30 (m,4H), 2.91 (s, 3H), 2.46 (m,2H), 1.73 (m,2H), 1.59 (m,2H), 1.03 (s, 9H)。
【0169】
方法D:1’−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−N−メチルスピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボキサミド(化合物番号38)の合成
【化14】

【0170】
(C6)(0.015g、0.073mmol)、チタン(IV)イソプロポキシド(0.065mL、0.22mmol)および(1R,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オン(3当量)の混合物を、ジクロロエタン(0.5mL)中、室温で18時間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.013g、0.073mmol)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、6N NaOH(0.5mL)およびメタノール(1mL)を添加し、粉末化して、白色固体を得た。該固体をメタノール(1mL)およびEtOAc(1mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物を得て、それを逆相分取HPLCにより精製して、1’−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−N−メチルスピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボキサミド(化合物番号38)(0.012g)を油状物として得た。LC/MS(0.9%FAを用いて3分間、10−90%) m/z 337.2 (M+1)、R=1.7分。1HNMR (500 MHz, CD3OD): δ 7.74 (d, 1H), 7.35 (m, 4H), 3.73 (m, 2H), 3.55 (m, 1H), 3.30 (m, 2H), 2.91 (s, 3H), 2.42−2.74 (m, 5H), 2.19(m, 2H), 1.54−1.74 (m, 8H), 1.31(m, 1H)。
【0171】
表3の実施例は、一般的に、適当な試薬を用いて、製造例Cおよび方法C−Dにおいて上記の合成製造例および方法に従う;しかしながら、これらの製造例および方法は、単なる例示であって、他の好適な製造例および方法が用いられてもよい。
【表11】


【表12】

【0172】
製造例D:スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボン酸の合成
【化15】

【0173】
トリフルオロ酢酸(2mL)を、ジクロロメタン(5mL)中、1’−(tert−ブトキシカルボニル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボン酸(C4)(0.25g、0.76mmol)の撹拌溶液に添加し、該溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、高真空下で18時間乾燥させて、スピロ[インデン−1,4’ピペリジン]−3−カルボキシレート(D1)を油状物として得た(0.26g、定量、TFA塩)。LC/MS(0.9%FAを用いて3分間、10−90%) m/z 230.3 (M+1), Rt=1.3分。1HNMR (500 MHz, DMSO−d6): 12.91(brs, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.88 (d, 1H), 7.35 (m, 3H), 3.31−3.43 (m, 4H), 2.27 (m, 2H), 1.42 (m,2H)。
【0174】
方法E:1’−(3,3−ジメチルブチル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボン酸(化合物番号20)の合成
【化16】

【0175】
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.28g、1.34mmol)を、ジクロロメタン(5mL)中、(D1)(0.38g、1.12mmol)および3−3−ジメチルブチルアルデヒド(0.134g、1.34mmol)の撹拌溶液に添加し、得られた懸濁液を70℃で18時間加熱した。溶媒を蒸発させ、粗生成物を水(10mL)中に溶解した。水層をEtOAcで抽出し(4×25mL)、乾燥させ、減圧下で濃縮して、1’−(3,3−ジメチルブチル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボン酸(化合物番号20)(0.21g)を得た。分析サンプルを、逆相分取HPLCにより調製した。LC/MS(0.9%FAを用いて3分間、10−90%) m/z 314.1 (M+1)、保持時間2.0分。
【0176】
方法F:1’−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボン酸(化合物番号48)の合成
【化17】

【0177】
化合物(D1)(0.020g、0.058mmol)、チタン(IV)イソプロポキシド(0.052mL、0.174mmol)、および(1R,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オン(3当量)の混合物を、ジクロロエタン(0.5mL)中、室温で18時間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.012g、0.058mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、6N NaOH(0.5mL)およびメタノール(1mL)を添加し、次いで粉末化して、白色固体を得た。該固体をメタノール(1mL)およびEtOAc(1mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物を得て、それを逆相分取HPLCにより精製して、1’−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボン酸(化合物番号48)(0.002g)を得た。LC/MS(0.9%FAを用いて3分間、10−90%) m/z 324.1 (M+1)、 Rt=1.9分。
【0178】
表4の実施例は、一般的に、適当な試薬を用いて、製造例Dおよび方法E−Fにおいて上記の合成製造例および方法に従う;しかしながら、これらの製造例および方法は、単なる例示であって、他の好適な製造例および方法が用いられてもよい。
【表13】


【表14】

【0179】
製造例E:1’−(3,3−ジメチルブチル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−イル)(ピペリジン−1−イル)メタノン(化合物番号37)の合成
【化18】

【0180】
塩化オキサリルのジクロロメタン溶液(2M、0.05mL、0.1mmol)を、ジクロロメタン(0.5mL)およびDMF(0.05mL)中、1’−(3,3−ジメチルブチル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボン酸(0.020g、0.064mmol)の撹拌溶液に添加し、;該溶液を室温で30分間撹拌した。ジイソプロピルエチルアミン(0.1mL)およびピペリジン(0.1mL)を添加した。溶液を室温で2時間撹拌し、減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相分取HPLCにより精製して、1’−(3,3−ジメチルブチル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−イル)(ピペリジン−1−イル)メタノン(化合物番号37)(0.014g)を得た。LC/MS(0.9%FAを用いて3分間、10−90%) m/z 381.3 (M+1)、Rt=2分。1HNMR (500 MHz, CD3OD): 7.31−7.43 (m, 4H), 7.08 (s, 1H), 3.76 (m, 4H), 3.56(m, 2H), 3.44(m, 2H), 3.30(m, 2H), 2.47(m, 2H), 1.53−1.75(m, 10H), 1.03 (s,9H)。
【0181】
表5の実施例は、一般的に、適当な試薬を用いて、製造例Eにおいて上記の合成製造例および方法に従う;しかしながら、これらの製造例および方法は、単なる例示であって、他の好適な製造例および方法が用いられてもよい。
【表15】


【表16】

【0182】
製造例F:N−(ペンタン−3−イル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボキサミド(F2)の合成
【化19】

【0183】
1−エチルプロピルアミン溶液(0.5mL)を、DMF(10mL)中、化合物(C4)(0.50g、1.52mmol)、EDAC.HCl(0.6g、3.00mmol)、HOBt(0.31g、2.32mmol)の撹拌溶液に添加し、該溶液を室温で2時間撹拌した。溶液を水(50mL)に注ぎ、水層をEtOAcで抽出し(3×50mL)、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルのBiotage SP1によりヘキサン中5−70%EtOAcで溶出して精製し、tert−ブチル 3−(ペンタン−3−イルカルバモイル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(F1)を白色固体として得た(0.6g)。LC/MS(0.9%FAを用いて3分間、10−90%) m/z 399 (M+1)、Rt=3.66分。1HNMR (500 MHz, DMSO−d6) δ 7.78 (d, 1H), 7.55 (m , 1H), 7.43 (d, 1H), 7.23 (br m, 1H), 4.07 (m, 2H), 3.75(m,1H), 3.15 (m, 2H), 1.98 (d, 2H), 1.55(m, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.25 (m,2H), 0.88 (m, 6H)。
【0184】
トリフルオロ酢酸(5mL)を、ジクロロメタン(10mL)中、化合物(F1)(0.60g、1.50mmol)の撹拌溶液に添加し、該溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、高真空下で18時間乾燥させて、N−(ペンタン−3−イル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボキサミド(F2)を油状物として得た(0.62g)。LC/MS(0.9%FAを用いて3分間、10−90%) m/z 299 (M+1) Rt=1.9分。
【0185】
方法G:1’−(シクロヘキシルメチル)−N−(ペンタン−3−イル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボキサミド(化合物番号68)の合成
【化20】

【0186】
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.011g、0.05mmol)を、ジクロロメタン(5mL)中、9(0.020g、0.05mmol)およびシクロヘキサンカルボキシアルデヒド(0.017g、0.15mmol)の撹拌溶液に添加し、得られた懸濁液を室温で18時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗生成物を逆相分取HPLCにより精製して、1’−(シクロヘキシルメチル)−N−(ペンタン−3−イル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボキサミド(化合物番号68)を得た。LC/MS(0.9%FAを用いて3分間、10−90%) m/z 314.1 (M+1)、R=2.0分。R=2.3分。
【0187】
方法H:1’−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−N−(ペンタン−3−イル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボキサミド(化合物番号14)の合成
(F2)(0.020g、0.05mmol)、チタン(IV)イソプロポキシド(0.045mL、0.15mmol)および(1R,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オン(3当量)の混合物を、ジクロロエタン(0.5mL)中、室温で18時間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.011g、0.050mmol)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、6N NaOH(0.5mL)およびメタノール(1mL)を添加し、粉末化して白色固体を得て、それをメタノール(1mL)およびEtOAc(1mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物を得て、それを逆相分取HPLCにより精製して、1’−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−N−(ペンタン−3−イル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボキサミド(化合物番号14)(0.013g)を得た。LC/MS(0.9%FAを用いて3分間、10−90%) m/z 324.1 (M+1)、保持時間2.2分。
【0188】
方法I:tert−ブチル 4−(3−(ペンタン−3−イルカルバモイル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物番号1)の合成
【化21】

【0189】
ジクロロメタン(5mL)中化合物(F2)(0.29g、0.71mmol)、tert−ブチル−4−オキソ−1−ピペリジンカルボキシレート(0.175g、0.88mmol)、Na(OAc)BH(0.19g、0.88g)の混合物を、70℃で24時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣を水(10mL)中に溶解し、飽和NaHCOで塩基性にした。水層をEtOAcで抽出し(3×10mL)、乾燥させ、濃縮して、tert−ブチル 4−(3−(ペンタン−3−イルカルバモイル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(H1)を油状物として得た(0.25g)。LC/MS(0.9%FAを用いて3分間、10−90%)m/z 482 (M+1)。
【0190】
トリフルオロ酢酸(2mL)を、ジクロロメタン(5mL)中、化合物(H1)(0.24g、0.50mmol)の撹拌溶液に添加し、該溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、真空下で18時間乾燥させて、N−(ペンタン−3−イル)−1’−(ピペリジン−4−イル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−3−カルボキサミド(H2)を油状物として得た(0.49g、100%、TFA塩)。LC/MS(0.9%FAを用いて3分間、10−90%) m/z 382.3 (M+1) Rt=1.7分。
【0191】
クロロホルムギ酸プロパルギル(0.005g、0.045mmol)を、CHCN(0.5mL)およびEtN(0.1mL)中、(H2)のTFA塩(0.015g、0.03mmol)の撹拌溶液に添加し、該溶液室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を逆相分取HPLCにより精製して、tert−ブチル 4−(3−(ペンタン−3−イルカルバモイル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物番号1)(0.006g)を得た。LC/MS(0.9%TFAを用いて3分間、10−90%) m/z 464.2 (M+1)、保持時間2.2分。1HNMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.70 (d, 1H), 7.32−7.40 (m, 4H), 4.73 (m, 2H), 4.36 (m, 2H), 3.85 (m, 1H), 3.75 (m, 2H), 3.42 (m, 3H), 2.94 (m, 1H), 2.93 (t, 1H), 2.49 (m, 2H), 1.50−1.80 (m, 8H), 1.00 (t, 6H)。
【0192】
表6の実施例は、一般的に、適当な試薬を用いて、製造例Fおよび方法G−Iにおいて上記の合成製造例および方法に従う;しかしながら、これらの製造例および方法は、単なる例示であって、他の好適な製造例および方法が用いられてもよい。
【表17】


【表18】


【表19】


【表20】

【0193】
化学分野の当業者は、公知の合成方法に加えて本発明の実施例およびスキームを用いて、下記の表7の化合物を含む本発明の化合物を合成することができる。
【表21】

【表22】


【表23】


【表24】

【0194】
VI.化合物の阻害特性を検出および測定するためのアッセイ
ムスカリン受容体活性を決定するための細胞内カルシウムの機能的動員:
ムスカリン受容体(MないしM)を発現するCHO細胞を、単層として組織培養フラスコ中、37℃にて5%CO含有加湿雰囲気下で培養し、3−5日毎に継代する。増殖培地は25mM Hepesを含み、ウシ胎仔血清(Hyclone, cat# SH30071.03)、0.1mMのMEM非必須アミノ酸(GIBCO, Cat# 11140−050)、1mM MEMピルビン酸ナトリウム(GIBCO Cat# 11360−070)、ならびに100単位/mlのペニシリンGおよび100μg/mlのストレプトマイシン(GIBCO Cat# 15140−122)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM, Gibco Cat# 12430−054))である。組み換えムスカリン受容体細胞株を、25μg/mlゼオシンおよび500μg/ml G418(M−CHO)、4μg/ml ピューロマイシン、50μg/mlゼオシンおよび2.5μg/mlブラスチシジン(MおよびM−CHO)、または50μg/mlゼオシンおよび4μg/mlピューロマイシン(MおよびM−CHO)を含む培地で抗生物質圧下に増殖させる。
【0195】
細胞を、Versene(GIBCO Cat# 15040−066)を使用して80−90%コンフルエンスで回収し、遠心により集め、播種して18−24後に黒色壁、透明底384ウェルプレート(BD Biocoat、ポリ−D−リシン、Cat# 356663)中5,000−10,000細胞/ウェルの密度でカルシウムアッセイを行う。実験の日に、細胞をプレート洗浄機(Bioteck Instruments, ELX 405)で、1mMプロベネシド含有浴1緩衝液(140mM NaCl、4.5mM KCl、2mM CaCl、1mM MgCl、10mM Hepes−Na、10mM グルコース、NaOHでpH7.4)を使用して洗浄する。次に、カルシウム色素Fluo−3(25μl/ウェルのFluo−3 AM、4μM、Molecular Probes F−1241、1mM プロベネシド含有浴1緩衝液中)を、プレート洗浄後に各ウェルに残っている25μlの浴1に添加し、色素を37℃にて、組織培養インキュベーター中60から90分間負荷する。蛍光色素を、1mMプロベネシド含有浴1でのプレート洗浄により除去し、洗浄後に25μl/ウェルのこの溶液を残す。あるいは、細胞をMolecular Devices(Calcium 3 Assay Reagents, Cat# R7181)からのカルシウムインディケーターで、1mMプロベネシド含有浴1中の5μlの5×溶液色素(20×溶液を製造するために、10ml/色素フラスコcat# R7182)を20μlの同じ緩衝液へ添加することにより、負荷し得る。60分間負荷後、実験を色素を除去することなく行い得る。
【0196】
化合物を、1mMプロベネシド含有浴1中で予めスポットした化合物を再構成することにより、96ウェルプレート(丸底、Costar Corning cat# 3656)中に2倍濃度で製造する。最終DMSO濃度は0.5%であり、DMSOの量をアッセイプレートを通して標準化する。化合物のムスカリン受容体に対するアゴニスト作用を決定するために、再構成した化合物を、FLIPR 3 Instrument(Molecular Devices, Sunnyvale, CA)の多チャネル自動システムを使用して、細胞アッセイプレート(25μl/ウェル含有)に添加する(25μl化合物/ウェル)。化合物のムスカリン受容体に対する機能的阻害作用を決定するために、再構成した化合物をアッセイプレートに添加し(25μl化合物/ウェル)、15分間プレインキュベートし、その後25μlのカルバコールを各ムスカリンサブタイプに対する3×EC80で添加する。あるいは、化合物をアゴニストと同時に添加してよい。両方のアッセイモードにおいて、蛍光を60秒(励起波長488nMおよび放出波長540nm)、FLIPR 3 instrumentを用いて記録する。
【0197】
ムスカリン化合物の効力、効果および選択性を、全ファミリー(MからM細胞)にわたり化合物活性をスクリーニングすることにより評価した。化合物を、M受容体に対する選択性を決定するために、他のタンパク質、例えば他のGPCRおよびイオンチャネルに対する活性についてもスクリーニングした。
【0198】
本発明の化合物は、他の受容体タイプよりもMおよび/またはMムスカリン受容体を選択的に調節することが判明した。
【0199】
およびM受容体調節に対する式(I、IaおよびIb)のムスカリン化合物の活性および効果の例を、下記の表8に示す。MおよびMに対する化合物活性を、活性が2.0μM未満で測定されたとき“+++”、活性が2.0μMないし10.0μMで測定されたとき“++”、活性が10.0μM以上で測定されたとき“+”、およびデータが得られないとき“−”として記載する。MおよびM調節に対する効果を、効果が100%以上であると計算されたとき“+++”、効果が100%ないし25%と計算されたとき“++”、および効果が25%未満であると計算されたとき“+”、およびデータが得られないとき“−”として記載する。100%効果は、カルバコール対照で得られる最大応答であることに注意すべきである。
【0200】
【表25】


【表26】

【0201】
他の態様
本発明はその詳細な記載と関連して記載されているが、前記は説明を意図するものであり、本発明の範囲を限定するものではなく、それは添付の特許請求の範囲により定義されるものであることは理解されるべきである。他の局面、利点、および修飾は特許請求の範囲の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ムスカリン受容体の活性を調節する方法であって、該受容体と式I:
【化1】


[式中、
は、
所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族であり;
は、
−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−6脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−C(O)−、−CS−、−C(O)NR−、−C(O)NRNR−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NRC(O)O−、−O−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRC(O)−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFであり;
は、それぞれ独立して、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕であり;
は、
それぞれ独立して、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−8脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望によりかつ独立して、−C(O)−、−CS−、−C(O)NR−、−C(O)NRNR−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NRC(O)O−、−O−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRC(O)−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−CN、または−OCFであり;
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕であり;
は、
結合、−O−、−NR−、または−C(R−〔ここで、Rは、それぞれ独立して、水素、ハロ、ヒドロキシル、または所望により置換されていてよいC1−5脂肪族である。〕であり;
mは0−4であり;
nは0−6であり;
pは0−6であり;そして
n+pは、2、3、4、5または6である。]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩を接触させる工程を含む、方法。
【請求項2】
が所望により置換されていてよいC1−12脂肪族である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
が、C1−12アルキル、C1−12アルケニル、またはC1−12アルキニル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチル(その各々が、所望により1−3個のシクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アルキルスルファニル、アルコキシ、アミノまたはそれらの組合せで置換されていてよい。)である、請求項1−3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
が、イソプロピル;3,3−ジメチルブチル;イソペンチル;または、2,6−ジメチルオクチル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項1−4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
が所望により置換されていてよいシクロ脂肪族である、請求項1−5のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
が、単環式シクロ脂肪族または二環式シクロ脂肪族(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項1−6のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項1−7のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
が、所望により置換されていてよい7−10員の二環式シクロ脂肪族である、請求項1−8のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
が、所望により置換されていてよい7−10員の二環式シクロアルキルまたは所望により置換されていてよい7−10員の二環式シクロアルケニルである、請求項1−9のいずれか一項記載の方法。
【請求項11】
が、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン−イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−イル、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン−イル、ビシクロ[3.3.1]ノナン−イル、ビシクロ[2.1.1]ヘキセ−2−エン−イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンイル、またはビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン−イル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項1−10のいずれか一項記載の方法。
【請求項12】
が、単環式ヘテロシクロ脂肪族または二環式ヘテロシクロ脂肪族(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項1−11のいずれか一項記載の方法。
【請求項13】
が、N、OおよびSから選択される1−3個のヘテロ原子を有する、所望により置換されていてよい3−8員の単環式ヘテロシクロ脂肪族である、請求項1−12のいずれか一項記載の方法。
【請求項14】
が、テトラヒドロフラン−イル、テトラヒドロ−2H−チオピラン−イル、ピロリジン−イル、イミダゾリジン−イル、1,4−ジオキサン−イル、モルホリン−イル、ピペリジン−イル、ピペラジン−イル、テトラヒドロ−2H−ピラン−イル、ピラゾリジン−イル、またはチオモルホリン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、アミド、アシル、カルボキシまたはそれらの組合せで置換されていてよい。)である、請求項1−13のいずれか一項記載の方法。
【請求項15】
が、N、OおよびSから選択される1−2個のヘテロ原子を有する、所望により置換されていてよい7−10員の二環式ヘテロシクロ脂肪族である、請求項1−14のいずれか一項記載の方法。
【請求項16】
が、所望により置換されていてよい7−10員の架橋二環式ヘテロシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよい7−10員の縮合二環式ヘテロシクロ脂肪族である、請求項1−15のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
が、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−イル、またはアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−イル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項1−16のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
が、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−12脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−C(O)−、−CS−、−C(O)NR−、−C(O)NRNR−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NRC(O)O−、−O−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRC(O)−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFであり;そして
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。ただし、Zが結合であり、RがRであるとき、Rは、独立して、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。〕である、請求項1−17のいずれか一項記載の方法。
【請求項19】
が、シクロヘキシルメチル;3,3−ジメチルブチル;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−2−イル;シクロヘプト−1−イル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル;1−エトキシカルボニルピペリジン−4−イル;8−エトキシカルボニル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル;3−メチルブチル;(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル;4−(メチル(スルファニル))ブチル;3,7−ジメチル−7−メトキシオクチル;(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)エチル;シクロヘキシル;シクロヘプチル;シクロペンチル;(N,N−ジメチルアミノカルボニル)ピペリジン−4−イル;N−アセチルピペリジン−4−イル;1−(シクロプロピル(カルボニル))ピペリジン−4−イル;(プロプ−2−イノキシ(カルボニル))ピペリジン−4−イル;ピペリジン−4−イル;プロポキシカルボニルピペリジン−4−イル;(プロプ−2−エンオキシ(カルボニル))ピペリジン−4−イル;(モルホリン−4−イル(カルボニル))ピペリジン−4−イル;1−メトキシカルボニルピペリジン−4−イル;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−2−イルメチル;および、イソプロピルカルボニルピペリジン−4−イルから選択される1個である、請求項1−18のいずれか一項記載の方法。
【請求項20】
が、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−6脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−C(O)−、−C(O)NR−、−C(O)O−、−NRC(O)O−、−O−、または−NRC(O)−により置換されていてよく;
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFであり;そして
は、それぞれ独立して、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。〕である、請求項1−19のいずれか一項記載の方法。
【請求項21】
が、−Z〔ここで、Zは、−C(O)NR−または−C(O)−であり、RはRであり、そしてRは、それぞれ独立して、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。〕である、請求項1−20のいずれか一項記載の方法。
【請求項22】
が、−Z〔ここで、Zは−C(O)NR−であり、RはRであり、そして少なくとも1個のRは、直鎖または分枝鎖の所望により置換されていてよいC1−10脂肪族である。〕である、請求項1−21のいずれか一項記載の方法。
【請求項23】
が、−Z〔ここで、Zは−C(O)NR−であり、RはRであり、そして少なくとも1個のRは、イソペンチル、メチル、1−メチルブチル、またはイソプロピル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である。〕である、請求項1−22のいずれか一項記載の方法。
【請求項24】
が、−Z〔ここで、Zは−C(O)NR−であり、RはRであり、そして少なくとも1個のRは、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族である。〕である、請求項1−23のいずれか一項記載の方法。
【請求項25】
が、−Z〔ここで、Zは−C(O)NR−であり、RはRであり、そして少なくとも1個のRは、所望により置換されていてよい単環式シクロ脂肪族または所望により置換されていてよい二環式シクロ脂肪族である。〕である、請求項1−24のいずれか一項記載の方法。
【請求項26】
が、−Z〔ここで、Zは−C(O)NR−であり、RはRであり、そして少なくとも1個のRは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である。〕である、請求項1−25のいずれか一項記載の方法。
【請求項27】
が、−Z〔ここで、Zは、−C(O)−または−C(O)O−であり、RはRであり、そしてRは、水素または所望により置換されていてよい脂肪族である。〕である、請求項1−26のいずれか一項記載の方法。
【請求項28】
が、−Z〔ここで、Zは−C(O)−であり、RはRであり、そしてRは、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。〕である、請求項1−27のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
が、イソペンチルアミノカルボニル;ペンタン−3−イルアミノカルボニル;メチルアミノカルボニル;1−メチルブチルアミノカルボニル;イソプロピルアミノカルボニル;N,N−ジメチルアミノカルボニル;N,N−ジエチルアミノカルボニル;エトキシカルボニル;カルボキシ;ピペリジン−1−イルカルボニル;シクロプロピルアミノカルボニル;ピロリジン−1−イルカルボニル;シクロヘキシルアミノカルボニル;シアノ;および、シクロブチルアミノカルボニルから選択される1個である、請求項1−28のいずれか一項記載の方法。
【請求項30】
が、それぞれ独立して、水素、ハロ、または所望により置換されていてよいC1−6脂肪族である、請求項1−29のいずれか一項記載の方法。
【請求項31】
が、所望により置換されていてよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、またはそれらの組合せ(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項1−30のいずれか一項記載の方法。
【請求項32】
が結合または−C(R−である、請求項1−31のいずれか一項記載の方法。
【請求項33】
が結合または−C(R−であり、各Rが水素である、請求項1−32のいずれか一項記載の方法。
【請求項34】
ムスカリン受容体の活性を調節する方法であって、該受容体と下記から選択される化合物を接触させる工程を含む方法。
【表1】


【表2】


【表3】


【表4】


【表5】


【表6】


【表7】

【請求項35】
式Ia:
【化2】


[式中、
は、
所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族であり;
は、
−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−6脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−C(O)−、−CS−、−C(O)NR−、−C(O)NRNR−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NRC(O)O−、−O−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRC(O)−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFであり;
は、それぞれ独立して、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕であり;
は、
それぞれ独立して、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−8脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−C(O)−、−CS−、−C(O)NR−、−C(O)NRNR−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NRC(O)O−、−O−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRC(O)−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−CNまたは−OCFであり;
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕であり;
は、
結合、−O−、−NR−、または−C(R−{ここで、Rは、それぞれ独立して、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−6脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−C(O)−、−CS−、−C(O)NR−、−C(O)NRNR−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NRC(O)O−、−O−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRC(O)−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CNまたは−OCFであり;
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕である。}であり;
mは0−4であり;
nは0−6であり;
pは0−6であり;そして
n+pは、2、3、4、5または6である。ただし、Zが不存在であり、n=2およびp=2であるとき、Rは、−Z〔ここで、各Zは、結合、−C(O)NR−、または−C(O)−であり;各RはRであり;そして、Rは、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕である。]
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項36】
式Ib:
【化3】


[式中、
は、
−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合または−(CH−であり;
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CN、または−OCFであり;
は、それぞれ独立して、(アルコキシ)脂肪族、(アルキル(スルファニル))脂肪族、非置換脂肪族、非置換シクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。〕であり;
は、
−Z〔ここで、各Zは、結合、−C(O)NR−または−C(O)−であり;
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族である。〕であり;
は、
独立して、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−8脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−C(O)−、−CS−、−C(O)NR−、−C(O)NRNR−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NRC(O)O−、−O−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRCO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−CN、または−OCFであり;
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−8脂肪族基、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕であり;
は、
結合、−O−、−NR−、または−C(R−{ここで、Rは、それぞれ独立して、−Z〔ここで、Zは、それぞれ独立して、結合であるか、または所望により置換されていてよい分枝鎖もしくは直鎖C1−6脂肪族鎖であり、Zの2個までの炭素単位は、所望により、かつ独立して、−C(O)−、−CS−、−C(O)NR−、−C(O)NRNR−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NRC(O)O−、−O−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRNR−、−NRC(O)−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−SONR−、−NRSO−、または−NRSONR−により置換されていてよく;
は、それぞれ独立して、R、ハロ、−OH、−NH、−NO、−CNまたは−OCFであり;
は、それぞれ独立して、水素、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである。〕である。}であり;
mは0−4であり;
nは0−6であり;
pは0−6であり;
n+pは、2、3、4、5または6であり;そして
qは、1または2である。]
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項37】
が、所望により置換されていてよいC1−12脂肪族である、請求項35または36記載の化合物。
【請求項38】
が、アルキル、アルケニル、またはアルキニル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項35−37のいずれか一項記載の化合物。
【請求項39】
が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、またはオクチル(その各々が、所望によりシクロ脂肪族、ヘテロシクロ脂肪族、アルキルスルファニル、アルコキシ、アミノまたはそれらの組合せで置換されていてよい。)(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項35−38のいずれか一項記載の化合物。
【請求項40】
が、所望により置換されていてよいイソプロピル、3,3−ジメチルブチル、イソペンチル、または2,6−ジメチルオクチルである、請求項35−39のいずれか一項記載の化合物。
【請求項41】
が所望により置換されていてよいシクロ脂肪族である、請求項35−40のいずれか一項記載の化合物。
【請求項42】
が、3−8員の単環式シクロ脂肪族または二環式シクロ脂肪族(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項35−41のいずれか一項記載の化合物。
【請求項43】
が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項35−42のいずれか一項記載の化合物。
【請求項44】
が、所望により置換されていてよい7−10員の二環式シクロ脂肪族である、請求項35−43のいずれか一項記載の化合物。
【請求項45】
が、所望により置換されていてよい7−10員の二環式シクロアルキル、または所望により置換されていてよい7−10員の二環式シクロアルケニルである、請求項35−44のいずれか一項記載の化合物。
【請求項46】
が、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン−イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−イル、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン−イル、ビシクロ[3.3.1]ノナン−イル、ビシクロ[2.1.1]ヘキセ−2−エン−イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンイル、またはビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン−イル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項35−45のいずれか一項記載の化合物。
【請求項47】
が、単環式ヘテロシクロ脂肪族または二環式ヘテロシクロ脂肪族(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項35−46のいずれか一項記載の化合物。
【請求項48】
が、N、OおよびSから選択される1−3個のヘテロ原子を有する、所望により置換されていてよい3−8員の単環式ヘテロシクロ脂肪族である、請求項35−47のいずれか一項記載の化合物。
【請求項49】
が、テトラヒドロフラン−イル、テトラヒドロ−2H−チオピラン−イル、ピロリジン−イル、イミダゾリジン−イル、1,4−ジオキサン−イル、モルホリン−イル、ピペリジン−イル、ピペラジン−イル、テトラヒドロ−2H−ピラン−イル、ピラゾリジン−イル、またはチオモルホリン−イル(その各々が、所望により1−3個のハロ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アシル、カルボキシ、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である、請求項35−48のいずれか一項記載の化合物。
【請求項50】
が、N、OおよびSから選択される1−2個のヘテロ原子を有する、所望により置換されていてよい7−10員の二環式ヘテロシクロ脂肪族である、請求項35−49のいずれか一項記載の化合物。
【請求項51】
が、所望により置換されていてよい7−10員の架橋二環式ヘテロシクロ脂肪族、または所望により置換されていてよい7−10員の縮合二環式ヘテロシクロ脂肪族である、請求項35−50のいずれか一項記載の化合物。
【請求項52】
が、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−イル、またはアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−イル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項35−51のいずれか一項記載の化合物。
【請求項53】
がアミノ基である、請求項35−36のいずれか一項記載の化合物。
【請求項54】
が所望により置換されていてよいアミノカルボニルである、請求項35−53のいずれか一項記載の化合物。
【請求項55】
が、所望により置換されていてよい直鎖または分枝鎖(C1−10脂肪族)アミノカルボニルである、請求項35−54のいずれか一項記載の化合物。
【請求項56】
が、イソペンチルアミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、1−メチルブチルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、またはN,N−ジエチルアミノカルボニル(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項35−55のいずれか一項記載の化合物。
【請求項57】
が、所望により置換されていてよい分枝鎖または直鎖C1−10脂肪族であり、Rの2個までの炭素単位が、所望により、かつ独立して、−C(O)−、−C(O)NR−、−NR−、−C(O)O−、またはそれらの組合せで置換されていてよく、ここでRが、それぞれ独立して、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである、請求項35−56のいずれか一項記載の化合物。
【請求項58】
が、所望により、かつ独立して、−C(O)−、−C(O)NR−、−NR−、−C(O)O−、またはそれらの組合せで置換されていてよく、かつ所望により1−3個のヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはそれらの組合せで置換されていてよい2個までの炭素単位を有する直鎖C1−10脂肪族であり、Rが、それぞれ独立して、所望により置換されていてよい脂肪族、所望により置換されていてよいシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいヘテロシクロ脂肪族、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールである、請求項35−57のいずれか一項記載の化合物。
【請求項59】
が、アルコキシカルボニル、カルボン酸、アルキルアミノカルボニル、シクロアルキルアミノカルボニル、またはヘテロシクロアルキルカルボニルである、請求項35−58のいずれか一項記載の化合物。
【請求項60】
が、イソペンチルアミノカルボニル;ペンタン−3−イルアミノカルボニル;メチルアミノカルボニル;1−メチルブチルアミノカルボニル;イソプロピルアミノカルボニル;N,N−ジメチルアミノカルボニル;N,N−ジエチルアミノカルボニル;エトキシカルボニル;カルボキシ;ピペリジン−1−イルカルボニル;シクロプロピルアミノカルボニル;ピロリジン−1−イルカルボニル;シクロヘキシルアミノカルボニル;シアノ;および、シクロブチルアミノカルボニルから選択される1個である、請求項35−59のいずれか一項記載の化合物。
【請求項61】
が所望により置換されていてよいC1−6脂肪族である、請求項35−36のいずれか一項記載の化合物。
【請求項62】
が、所望により置換されていてよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、またはそれらの組合せ(その各々が、所望により置換されていてよい。)である、請求項35−61のいずれか一項記載の化合物。
【請求項63】
が結合であるか、またはZが−NR−であり、Rが、水素、(脂肪族)カルボニル、脂肪族スルホニル、(シクロ脂肪族)カルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルコキシカルボニル、またはヘテロシクロアルコキシカルボニル(その各々が、所望により1−3個のハロ、脂肪族、アルコキシ、シクロアルキル、またはそれらの組合せで置換されていてよい。)である、請求項35−62のいずれか一項記載の化合物。
【請求項64】
哺乳動物におけるムスカリン受容体仲介疾患を処置するか、またはその重篤度を低下させる方法であって、該哺乳動物に請求項1−63のいずれか一項記載の化合物を投与する工程を含む、方法。
【請求項65】
該ムスカリン受容体がMである、請求項64記載の方法。
【請求項66】
該ムスカリン受容体がMである、請求項64記載の方法。
【請求項67】
患者における疾患を処置するか、または重篤度を低下させる方法であって、該疾患が、認知障害、注意欠損過活動障害(ADHD)、肥満、アルツハイマー病、血管性認知症のような種々の認知症、統合失調症、躁病、双極性障害を含むCNS障害と関連する精神病、急性および慢性症候群を含む疼痛状態、ハンチントン舞踏病、フリードライヒ失調症、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、ダウン症候群、ピック病、臨床的鬱病、パーキンソン病を含むCNS由来病状、緑内障における眼内圧の低下のような末梢障害およびシェーグレン症候群を含むドライアイおよびドライマウスの治療、徐脈、胃酸分泌、喘息、GI不調、および創傷治癒から選択され、該方法が、該患者と、請求項1−63のいずれか一項記載の化合物を接触させる工程を含む、方法。
【請求項68】
請求項1−63のいずれか一項記載の化合物および医薬担体を含む、医薬組成物。

【公表番号】特表2009−542670(P2009−542670A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518273(P2009−518273)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/015050
【国際公開番号】WO2008/005295
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】