説明

メダルセレクタ及び遊技機

【課題】メダルの飲み込みを改善すること。
【解決手段】メダルセレクタには、メダルガイドレール51を動かしてメダル通路50fを取込状態と返却状態に切り替えるための第1ブロッカーに加え、突起片59をメダル通路50f内に突出させてメダルの進行を阻止するための第2ブロッカーが設けられている。第2ブロッカーに備わるソレノイドは、メダル通路50fを取込状態から返却状態に切り替える場合に励磁され、少なくともメダルガイドレール51が支持位置から排出位置に移動するまでの期間において突起片59をメダル通路50f内に突出させる。突起片59の突出位置は、メダル通路50f上において、メダルガイドレール51とセンサ用窓62の間で、且つ、突起片59を突出して停止させたメダル(図中点線)の重心がメダルガイドレール51の区間L内に収まる位置に定められている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダルセレクタ及び遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
メダルを投入することでゲームを行うことが可能になる遊技機(スロットマシンやビンゴゲーム機等)には、投入されたメダルの検出や選別を行うメダルセレクタが内蔵されている。メダルセレクタは、その内部に形成されたメダル通路を取込状態と返却状態に切り替えることができる。例えば、メダル通路が取込状態の場合、メダルセレクタは、メダル通路を通過するメダルの中から外形等により正規のメダルと非正規のメダルを選別し、正規のメダルのみメダル通路を最後まで通過させて遊技機内に取り込む。非正規のメダルはメダル通路の途中で通路外に排出され、返却口に戻される。一方、メダル通路が返却状態の場合、メダルセレクタは、正規/非正規に係らず、投入された総てのメダルをメダル通路の途中で通路外に排出して返却口に戻す。また、メダルセレクタには、遊技機内に取り込むメダルをカウントするため、メダルの通過を検出するメダルセンサがメダル通路の出口付近に設けられている。
【0003】
なお、スロットマシンに備わるメダルセレクタでは、主に、クレジット数が最大貯留枚数に到達した場合と、入賞ラインが有効化された状態でスタートレバーが操作された場合に、メダル通路を取込状態から返却状態に切り替える。また、スロットマシンでは、不正行為を防ぐため、入賞ラインが有効化された状態でスタートレバーが操作されると、少なくともリールの回転が停止して新たなメダルの取り込みが許可されるまで、上記メダルセンサによるメダルの検出を無効化している。
【0004】
例えば特許文献1には、可動ガイド板51と突起部53と突出端72を備え、これらの部材をソレノイド41によって駆動することでコイン通路14をコイン受付可能状態とコイン受付不能状態に切り替えるコイン選別装置10が開示されている。このコイン選別装置10では、コイン通路14をコイン受付可能状態にする場合にソレノイド41を励磁し、可動ガイド板51を移動させてコイン通路14の上側の幅を適正なコインが通過できる最小の間隔まで狭めると共に、突起部53及び突出端72をコイン通路14内から退避させる。この場合、適正コインであればその上端部が可動ガイド板51によって支持されるため、コイン通路14を最後まで通過することができる。また、このコイン選別装置10では、コイン通路14をコイン受付不能状態にする場合にソレノイド41を非励磁にし、可動ガイド板51を移動させてコイン通路14の上側の幅を適正なコインの厚さの2倍以上に広げると共に、突起部53及び突出端72をコイン通路14内に突出させる。この場合、投入された総てのコインは、その上端部が可動ガイド板51によって支持されず、コイン通路14の途中で突起部53と突出端72により通路外に排出される。
【特許文献1】特開平8−24434号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、メダルセレクタでは、停電や電源がオフの場合にメダルが投入されてもこれを返却できるようにするため、ソレノイドが非励磁の場合にメダル通路を返却状態にし、ソレノイドが励磁されている場合にメダル通路を取込状態にする。つまり、メダル通路を返却状態から取込状態に切り替える場合は、ソレノイドを非励磁から励磁に切り替えることになる。逆に、メダル通路を取込状態から返却状態に切り替える場合は、ソレノイドを励磁から非励磁に切り替えることになる。このようにメダル通路を取込状態から返却状態に切り替える場合はソレノイドを励磁から非励磁に切り替えることになるが、この場合、ソレノイド(電磁石)への電流供給を遮断しても磁力や磁場がすぐにはなくならないので残留磁力や残留磁場の影響を受ける。
【0006】
また、メダル通路を取込状態から返却状態に切り替える場合はソレノイドを非励磁にし、復帰バネの付勢力によって可動ガイド板51等の可動部材を移動させることになる。ここで、復帰バネの付勢力が強ければ、メダル通路を取込状態から返却状態に切り替える際の切替時間を短くすることができるが、この場合は、逆にメダル通路を返却状態から取込状態に切り替える場合に、復帰バネの付勢力に反して可動部材を移動させなければならないのでソレノイドの磁力を強くしなければならない。例えば、スロットマシンの場合、仮に開店時から閉店時まで全く遊技が行われなかったとすると、メダル通路は取込状態のままであるので、その間ずっとソレノイドを励磁し続けなければならない。したがって、100%デューティサイクルのソレノイド(励磁時間を断続させずに連続励磁が可能なソレノイド)を使用しなければならないので、ソレノイドの磁力を強くすることは装置の大型化やコストアップ、発熱等を招くことから難しく、このため復帰バネの付勢力もそれほど強くすることができない。
【0007】
以上のような理由から、メダル通路を取込状態から返却状態に切り替える場合は、メダル通路を返却状態から取込状態に切り替える場合に比べて切り替えに時間を要し、50〜100ミリ秒程度の切替時間が必要になる。このため本来であれば返却すべきメダルを誤って取り込んでしまう、所謂「メダルの飲み込み」と呼ばれる現象が生じてしまう。
【0008】
例えばスロットマシンにおいて、メダルの連続投入中にクレジット数が最大貯留枚数(50枚)に到達した場合、メダル通路の出口付近において50枚目として通過を検出したメダルに後続する51枚目のメダルが、メダル通路の切替動作が間に合わないため返却できず、しかもクレジット数が既に最大貯留枚数になっているため、クレジット数としてもカウントできずにスロットマシンの内部に取り込まれてしまうことがある。また、メダルの連続投入中にスタートレバーが操作された場合、例えばメダルを3枚投入したにも係らず2枚しかベット数としてカウントされず、残りの1枚のメダルが、メダル通路の切替動作が間に合わないため返却できず、しかもメダルセンサによるメダルの検出が既に無効化されているため、クレジット数としてもカウントできずにスロットマシンの内部に取り込まれてしまうことがある。このようにメダルの飲み込みが発生した場合、本来であれば返却すべきメダルがクレジット数としてもカウントされることなく遊技機内に取り込まれてしまうため、遊技者に不利益を及ぼす。
【0009】
なお、特許文献1には、コイン通路14をコイン受付不能状態にする場合にソレノイド41を非励磁にし、可動ガイド板51を移動させてコイン通路14の上側の幅を適正なコインの厚さの2倍以上に広げると共に、突起部53及び突出端72をコイン通路14内に突出させる構成が開示されている。しかしながら、可動ガイド板51と突起部53と突出端72はいずれも同じソレノイド41によって駆動されているので、突起部53と突出端72は可動ガイド板51と同時に動かすことしかできない。また、コイン通路14をコイン受付可能状態からコイン受付不能状態に切り替える場合、ソレノイド41を励磁から非励磁に切り替えることになるので、突起部53と突出端72をコイン通路内に突出させるのに50〜100ミリ秒程度の所要時間が必要になる。このため特許文献1に記載された構成であっても、上述したメダルの飲み込みを防ぐことができない。
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、メダルの飲み込みの不具合を改善したメダルセレクタ及びこれを用いた遊技機を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするため添付図面の参照符号等を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0012】
上述した課題を解決するため、本発明に係るメダルセレクタ(50)は、投入されたメダルが下流に向けて通過するメダル通路(50f)と、前記メダル通路(50f)の一部の区間(L)において当該区間(L)を通過することができるようにメダルを支持可能であり、前記区間(L)を通過するメダルを支持するための支持位置(図8:51)と、前記区間(L)においてメダルを前記メダル通路から排出するための排出位置(図7:51)とに移動可能な可動ガイド部材(51)と、前記可動ガイド部材(51)を駆動するための第1ソレノイド(52)及び第1付勢部材(S)を有し、前記第1ソレノイド(52)が励磁されることにより前記可動ガイド部材(51)の位置を前記支持位置(図8:51)にしてメダルを前記区間(L)の下流に通過させ、前記第1ソレノイド(52)が非励磁にされることにより前記第1付勢部材(S)の付勢力で前記可動ガイド部材(51)の位置を前記排出位置(図7:51)にしてメダルを前記メダル通路(50f)から排出する第1ブロッカーと、前記メダル通路(50f)において前記区間(L)より下流の第1位置(図12:62)を通過するメダルを検出する検出部(63,64)と、前記メダル通路(50f)において前記区間(L)より下流で前記第1位置(図12:62)より上流の第2位置(図12:59)に突出可能であり、突出された場合にメダルの進行を前記第2位置(図12:59)で阻止する阻止部材(59)と、前記阻止部材(59)を駆動するための第2ソレノイド(54)及び第2付勢部材(55)を有し、前記第2ソレノイド(54)が励磁されることにより前記阻止部材(59)を前記メダル通路(50f)内に突出させてメダルの進行を前記第2位置(図12:59)で阻止し、前記第2ソレノイド(54)が非励磁にされることにより前記第2付勢部材(55)の付勢力で前記阻止部材(59)を前記メダル通路(50f)内から退避させてメダルを前記第2位置(図12:59)の下流に通過させる第2ブロッカーとを備え、前記第2位置(図12:59)は、前記阻止部材(59)により進行を阻止したメダルを、前記可動ガイド部材(51)が前記排出位置(図7:51)に位置している場合に排出することが可能な位置に定められていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、メダルセレクタには、可動ガイド部材の位置を支持位置と排出位置に切り替えてメダル通路におけるメダルの通過と排出を制御する第1ブロッカーに加え、阻止部材をメダル通路内に突出させてメダルの進行を阻止する第2ブロッカーが設けられている。なお、可動ガイド部材が支持位置に位置する場合はメダル通路が取込状態となり、可動ガイド部材が排出位置に位置する場合はメダル通路が返却状態となる。また、第2位置(阻止部材の突出位置)は、メダル通路上において、可動ガイド部材がメダルを支持可能な区間と、メダルの通過を検出する第1位置の間で、且つ、阻止部材によって進行を阻止したメダルを、可動ガイド部材が排出位置に位置している場合に排出することが可能な位置に定められている。また、第2ソレノイドを非励磁から励磁に切り替えて阻止部材をメダル通路内に突出させるのに必要な所要時間は、第1ソレノイドと比較して残留磁力や残留磁場の影響を受けにくいこと等から、第1ソレノイドを励磁から非励磁に切り替えて可動ガイド部材を支持位置から排出位置まで移動させるのに必要な所要時間よりも大幅に短い。
したがって、例えば、可動ガイド部材の位置を支持位置にする場合に第1ソレノイドを励磁し、可動ガイド部材の位置を排出位置にする場合に第1ソレノイドを非励磁にする一方、第1ソレノイドが励磁から非励磁に切り替えられて可動ガイド部材が支持位置から排出位置に移動する場合に、可動ガイド部材が支持位置から移動し始めるよりも前の時点で、阻止部材がメダル通路内に突出しているように第2ソレノイドを非励磁から励磁に切り替え、可動ガイド部材が排出位置に移動し終えた後に第2ソレノイドを励磁から非励磁に切り替えるよう、第1ソレノイドと第2ソレノイドの励磁/非励磁を制御してやれば、可動ガイド部材が支持位置から排出位置まで移動している期間中は、阻止部材がメダル通路内に突出していることになるので、メダルの進行を第1位置の手前で阻止することができる。また、阻止部材により進行を阻止したメダルは、可動ガイド部材が排出位置に移動すると、メダル通路から排出される。よって、メダルの飲み込みの不具合を改善することができると共に、阻止部材により進行を阻止したメダルをメダル通路内に滞留させることなく排出することができる。
【0014】
なお、上述したメダルセレクタ(50)において、前記第2位置(図12:59)は、前記阻止部材(59)により進行を阻止したメダルの重心が前記区間(L)内に収まるように定められていることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係るメダルセレクタ(50)は、投入されたメダルが下流に向けて通過するメダル通路(50f)と、前記メダル通路(50f)の一部の区間(図24:L’)において当該区間(図24:L’)を通過することができるようにメダルを支持可能であり、前記区間(図24:L’)を通過するメダルを支持するための支持位置(図8:51)と、前記区間(図24:L’)においてメダルを前記メダル通路から排出するための排出位置(図7:51)とに移動可能な可動ガイド部材(51)と、前記可動ガイド部材(51)を駆動するための第1ソレノイド(52)及び第1付勢部材(S)を有し、前記第1ソレノイド(52)が励磁されることにより前記可動ガイド部材(51)の位置を前記支持位置(図8:51)にしてメダルを前記区間(図24:L’)の下流に通過させ、前記第1ソレノイド(52)が非励磁にされることにより前記第1付勢部材(S)の付勢力で前記可動ガイド部材(51)の位置を前記排出位置(図7:51)にしてメダルを前記メダル通路(50f)から排出する第1ブロッカーと、前記メダル通路(50f)において前記区間(図24:L’)より下流の第1位置(図12:62)を通過するメダルを検出する検出部(63,64)と、前記メダル通路(50f)において前記区間(図24:L’)内の下流部分に定められた第2位置(図24:59)に突出可能であり、突出された場合にメダルの進行を前記第2位置(図24:59)で阻止する阻止部材(59)と、前記阻止部材(59)を駆動するための第2ソレノイド(54)及び第2付勢部材(55)を有し、前記第2ソレノイド(54)が励磁されることにより前記阻止部材(59)を前記メダル通路(50f)内に突出させてメダルの進行を前記第2位置(図24:59)で阻止し、前記第2ソレノイド(54)が非励磁にされることにより前記第2付勢部材(55)の付勢力で前記阻止部材(59)を前記メダル通路(50f)内から退避させてメダルを前記第2位置(図24:59)の下流に通過させる第2ブロッカーと、を備えることを特徴とする。
【0016】
この構成の場合も、例えば、可動ガイド部材の位置を支持位置にする場合に第1ソレノイドを励磁し、可動ガイド部材の位置を排出位置にする場合に第1ソレノイドを非励磁にする一方、第1ソレノイドが励磁から非励磁に切り替えられて可動ガイド部材が支持位置から排出位置に移動する場合に、可動ガイド部材が支持位置から移動し始めるよりも前の時点で、阻止部材がメダル通路内に突出しているように第2ソレノイドを非励磁から励磁に切り替え、可動ガイド部材が排出位置に移動し終えた後に第2ソレノイドを励磁から非励磁に切り替えるよう、第1ソレノイドと第2ソレノイドの励磁/非励磁を制御してやれば、可動ガイド部材が支持位置から排出位置まで移動している期間中は、阻止部材がメダル通路内に突出していることになるので、メダルの進行を第1位置の手前で阻止することができる。また、阻止部材により進行を阻止したメダルは、可動ガイド部材によって構成される区間内に位置するので、可動ガイド部材が排出位置に移動すると、メダル通路から排出される。よって、メダルの飲み込みの不具合を改善することができると共に、阻止部材により進行を阻止したメダルをメダル通路内に滞留させることなく排出することができる。
【0017】
また、上述したいずれかのメダルセレクタ(50)において、前記第1ソレノイド(52)は、前記可動ガイド部材(51)の位置を前記支持位置(図8:51)にする場合に励磁され、前記可動ガイド部材(51)の位置を前記排出位置(図7:51)にする場合に非励磁にされ、前記第2ソレノイド(54)は、前記第1ソレノイド(52)が励磁から非励磁に切り替えられて前記可動ガイド部材(51)が前記支持位置(図8:51)から前記排出位置(図7:51)に移動する場合に、前記可動ガイド部材(51)が前記排出位置(図7:51)に移動するよりも前の時点で、前記阻止部材(59)が前記メダル通路(50f)内に突出しているように非励磁から励磁に切り替えられ、前記可動ガイド部材(51)が前記排出位置(図7:51)に移動し終えた後(図16:期間Pよりも後)に励磁から非励磁に切り替えられることが好ましい。
なお、この構成は、可動ガイド部材が支持位置から排出位置に向けて移動中であっても、可動ガイド部材が排出位置に移動し終える前までは、メダルが可動ガイド部材によって支持され下流に通過可能な場合である。すなわちメダルを排出可能な位置が「排出位置」である場合であり、「排出位置に移動するよりも前の時点」とは、可動ガイド部材が支持位置からまったく移動していない時点と、可動ガイド部材が支持位置から移動を始めた後、メダルを排出可能な位置(排出位置)まで移動していない時点とを含む。
【0018】
逆に実質的にメダルが排出可能になる位置が可動ガイド部材の移動範囲である支持位置と排出位置の間に存在する場合であれば、上述したいずれかのメダルセレクタ(50)において、前記第1ソレノイド(52)は、前記可動ガイド部材(51)の位置を前記支持位置(図8:51)にする場合に励磁され、前記可動ガイド部材(51)の位置を前記排出位置(図7:51)にする場合に非励磁にされ、前記第2ソレノイド(54)は、前記第1ソレノイド(52)が励磁から非励磁に切り替えられて前記可動ガイド部材(51)が前記支持位置(図8:51)から前記排出位置(図7:51)に移動する場合に、前記可動ガイド部材(51)が前記支持位置(図8:51)から移動し始めるよりも前の時点(図16:期間Pよりも前の時点)で、前記阻止部材(59)が前記メダル通路(50f)内に突出しているように非励磁から励磁に切り替えられ、前記可動ガイド部材(51)が前記排出位置(図7:51)に移動し終えた後(図16:期間Pよりも後)に励磁から非励磁に切り替えられる構成とすることが望ましい。
【0019】
なお、第2ソレノイドを励磁する期間は、例えば、第1ソレノイドを励磁から非励磁に切り替えることが指示された時点から可動ガイド部材が排出位置に移動するまでの期間とすることができる。この場合、第2ソレノイドを長時間励磁せずに済むので、第2ソレノイドとして100%デューティサイクルのものを使用せずに済む。したがって、より磁力の強いソレノイドを第2ソレノイドとして使用することができるから、その分、阻止部材を突出させるのに要する所要時間を短縮することができる。つまり、第2ソレノイドとしてより反応速度の速いソレノイドを採用することができる。また、第2ソレノイドを長時間励磁せずに済むので、第2ソレノイドによる消費電力や発熱の影響を抑えられる。
また、第2ソレノイドを励磁する期間は、例えば、第1ソレノイドを非励磁にすることが指示されている期間とすることができる。この場合、第1ソレノイドと第2ソレノイドの励磁/非励磁の関係が単に反転させただけになるので、第2ソレノイドに対する励磁と非励磁の制御が簡素化できる。
【0020】
また、上述したいずれかのメダルセレクタ(50)において、外部から供給される一の制御信号に基づいて、前記第1ソレノイド(52)に供給する第1駆動信号と前記第2ソレノイド(54)に供給する第2駆動信号を生成する生成回路(80)をさらに備え、前記生成回路(80)は、前記制御信号に基づいて、前記可動ガイド部材(51)の位置を前記支持位置(図8:51)にする場合に前記第1ソレノイド(52)を励磁させるように指示し、前記可動ガイド部材(51)の位置を前記排出位置(図7:51)にする場合に前記第1ソレノイド(52)を非励磁にさせるように指示する前記第1駆動信号を生成し、前記第1ソレノイド(52)を非励磁にすることが前記第1駆動信号によって指示されている期間のうち、前記第1ソレノイド(52)を励磁から非励磁に切り替えることが前記第1駆動信号によって指示された時点から前記可動ガイド部材(51)が前記排出位置(図7:51)に移動するまでの期間を含む所定期間(タイミングTcからタイミングTdまで)において前記第2ソレノイド(54)を励磁させるように指示し、前記所定期間(タイミングTcからタイミングTdまで)以外において前記第2ソレノイド(54)を非励磁にさせるように指示する前記第2駆動信号を生成する構成であってもよい。
【0021】
なお、「励磁させるように指示し」とは、駆動信号によってソレノイドに電流を供給し始めることを指し、ソレノイドが十分な磁力を発生させている状態を指すものではない。一般的に、ソレノイドは、電流の供給を開始すると瞬間的に磁力を発生するが、電流の供給を開始してから十分な磁力を発生させるまでには、一秒に満たないものの若干の時間がかかる。したがって、電流を供給し始めたのと同時にソレノイドに十分な磁力が発生している訳ではない。
同様に「非励磁にさせるように指示する」とは、駆動信号によってソレノイドへの電流の供給を遮断し始めることを指し、ソレノイドの磁力がなくなった状態を指すものではない。一般的に、ソレノイドは、電流の供給を遮断しても磁力が残留し、十分に磁力がなくなるまでには若干の時間がかかる。したがって、電流の供給を遮断し始めたのと同時にソレノイドの磁力がなくなる訳ではない。
【0022】
この構成によれば、第1ソレノイドに供給する第1駆動信号と第2ソレノイドに供給する第2駆動信号をメダルセレクタ内の生成回路で生成することができる。したがって、遊技機や自動販売機等のメダルセレクタを搭載する機器側では、第1ブロッカーと連動させて第2ブロッカーを動作させるためのプログラムが不要となるため、その分だけメモリ容量の節約を図ることができる。これはスロットマシン等、メモリ容量に比較的余裕のない機器の場合に特に有益である。また、第1ソレノイドに供給する第1駆動信号と第2ソレノイドに供給する第2駆動信号を、外部から供給される一つの制御信号に基づいて生成することができるので、制御部から第1ソレノイド用の制御信号(第1駆動信号)のみを出力する従来の機器に対しても、制御部の出力系統や制御プログラムを変更することなく本発明のメダルセレクタを適用することが可能である。
【0023】
また、この場合、前記所定期間は、前記第1ソレノイド(52)を励磁から非励磁に切り替えることが前記第1駆動信号によって指示された時点から前記可動ガイド部材(51)が前記排出位置(図7:51)に移動するまでの期間であってもよい。
この場合、第2ソレノイドを長時間励磁せずに済むので、第2ソレノイドとして100%デューティサイクルのものを使用せずに済む。したがって、より磁力の強いソレノイドを第2ソレノイドとして使用することができるから、その分、阻止部材を突出させるのに要する所要時間を短縮することができる。つまり、第2ソレノイドとしてより反応速度の速いソレノイドを採用することができる。また、第2ソレノイドを長時間励磁せずに済むので、第2ソレノイドによる消費電力や発熱の影響を抑えられる。
【0024】
また、この場合、前記所定期間は、前記第1ソレノイド(52)を非励磁にすることが前記第1駆動信号によって指示されている期間であってもよい。
この場合、第1ソレノイドと第2ソレノイドの励磁/非励磁の関係が単に反転させただけになるので、生成回路の構成を簡素化できる。
【0025】
また、本発明に係る遊技機(1)は、メダルを投入するための投入口(10)と、請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載されたメダルセレクタ(50)と、前記区間(L,L’)において前記メダル通路(50f)から排出されたメダルを返却するための返却口(40a)と、前記第1ソレノイド(52)の励磁及び非励磁と前記第2ソレノイド(54)の励磁及び非励磁を制御する制御部(70,80)と、を備える遊技機(1)であって、前記制御部(70,80)は、前記可動ガイド部材(51)の位置を前記支持位置(図8:51)にする場合に前記第1ソレノイド(52)を励磁させるように指示し、前記可動ガイド部材(51)の位置を前記排出位置(図7:51)にする場合に前記第1ソレノイド(52)を非励磁にさせるように指示し、前記第1ソレノイド(52)を非励磁にすることを指示している期間のうち、前記第1ソレノイド(52)を励磁から非励磁に切り替えることを指示した時点から前記可動ガイド部材(51)が前記排出位置(図7:51)に移動するまでの期間を含む所定期間(タイミングTcからタイミングTdまで)において前記第2ソレノイド(54)を励磁させるように指示し、前記所定期間(タイミングTcからタイミングTdまで)以外において前記第2ソレノイド(54)を非励磁にさせるように指示することを特徴とする。
【0026】
なお、「励磁させるように指示し」とは、駆動信号によってソレノイドに電流を供給し始めることを指し、ソレノイドが十分な磁力を発生させている状態を指すものではない。一般的に、ソレノイドは、電流の供給を開始すると瞬間的に磁力を発生するが、電流の供給を開始してから十分な磁力を発生させるまでには、一秒に満たないものの若干の時間がかかる。したがって、電流を供給し始めたのと同時にソレノイドに十分な磁力が発生している訳ではない。
同様に「非励磁にさせるように指示する」とは、駆動信号によってソレノイドへの電流の供給を遮断し始めることを指し、ソレノイドの磁力がなくなった状態を指すものではない。一般的に、ソレノイドは、電流の供給を遮断しても磁力が残留し、十分に磁力がなくなるまでには若干の時間がかかる。したがって、電流の供給を遮断し始めたのと同時にソレノイドの磁力がなくなる訳ではない。
【0027】
この構成によれば、制御部は、可動ガイド部材の位置を支持位置にする場合に第1ソレノイドを励磁し、可動ガイド部材の位置を排出位置にする場合に第1ソレノイドを非励磁にする一方、第1ソレノイドを非励磁にすることを指示している期間のうち、第1ソレノイドを励磁から非励磁に切り替えることを指示した時点から可動ガイド部材が排出位置に移動するまでの期間を含む所定期間(タイミングTcからタイミングTdまで)において第2ソレノイドを励磁させるように指示し、所定期間(タイミングTcからタイミングTdまで)以外において第2ソレノイドを非励磁にさせるように指示する。したがって、このように第1ソレノイドと第2ソレノイドの励磁/非励磁を制御することで、可動ガイド部材が支持位置から排出位置まで移動している期間中は、阻止部材がメダル通路内に突出していることになるため、メダルの進行を第1位置の手前で阻止することができる。また、阻止部材により進行を阻止したメダルは、可動ガイド部材が排出位置に移動すると、メダル通路から排出されて返却口に戻される。よって、メダルの飲み込みの不具合を改善することができると共に、阻止部材により進行を阻止したメダルをメダル通路内に滞留させることなく返却することができる。
なお、制御部は、後述する実施形態や変形例1に記載しているように、変換基板80等のハードウェアを用いて第1ソレノイドと第2ソレノイドの励磁/非励磁を制御する構成であってもよいし、変形例2や変形例3に記載しているように、ソフトウェア制御によって第1ソレノイドと第2ソレノイドの励磁/非励磁を制御する構成であってもよい。
【0028】
また、上述した遊技機(1)において、前記所定期間は、前記第1ソレノイド(52)を励磁から非励磁に切り替えることを指示した時点から前記可動ガイド部材(51)が前記排出位置(図7:51)に移動するまでの期間であってもよい。
この場合、第2ソレノイドを長時間励磁せずに済むので、第2ソレノイドとして100%デューティサイクルのものを使用せずに済む。したがって、より磁力の強いソレノイドを第2ソレノイドとして使用することができるから、その分、阻止部材を突出させるのに要する所要時間を短縮することができる。つまり、第2ソレノイドとしてより反応速度の速いソレノイドを採用することができる。また、第2ソレノイドを長時間励磁せずに済むので、第2ソレノイドによる消費電力や発熱の影響を抑えられる。
【0029】
また、上述した遊技機(1)において、前記所定期間は、前記第1ソレノイド(52)を非励磁にすることを指示している期間であってもよい。
この場合、第1ソレノイドと第2ソレノイドの励磁/非励磁の関係が単に反転させただけになるので、制御部の回路構成やソフトウェア制御を簡素化できる。
【0030】
また、上述した遊技機(1)において、クレジットとして貯留されたメダルの枚数である貯留枚数を管理する貯留装置をさらに備え、前記制御部(70,80)は、前記貯留枚数が予め定められた上限値に到達した場合に、前記第1ソレノイド(52)を励磁から非励磁に切り替えることを指示すると共に前記第2ソレノイド(54)を非励磁から励磁に切り替えることを指示する構成であってもよい。
この構成によれば、メダルの連続投入中に貯留枚数が上限値に到達した場合であっても、メダルの飲み込みを発生させることなく、返却すべきメダルを返却口に戻すことができる。なお、クレジットとは、ゲームプレイの権利のことである。例えばスロットマシンでは、メダルを投入する代わりにクレジットを使用することによって、入賞ラインを有効化することができる。また、貯留装置は、例えば後述する実施形態において、メダルセンサ63,64によって検出された投入メダルの枚数と、ベット操作によって使用したメダルの枚数(ゲームで消費したメダルの枚数)と、入賞によって払い出されたメダルのうち貯留装置に貯留されるメダルの枚数とに基づいて、貯留枚数(クレジット数)の増減を管理する。
【0031】
また、上述した遊技機(1)において、可変表示可能な複数の表示列(R1,R2,R3)と、前記複数の表示列(R1,R2,R3)の可変表示の開始を指示するための開始用操作子(12)とをさらに備え、前記制御部(70,80)は、前記開始用操作子(12)の操作の受付けが有効な場合に前記開始用操作子(12)の操作を検知すると、前記第1ソレノイド(52)を励磁から非励磁に切り替えることを指示すると共に前記第2ソレノイド(54)を非励磁から励磁に切り替えることを指示する構成であってもよい。
この構成によれば、メダルの連続投入中に開始用操作子が操作された場合であっても、メダルの飲み込みを発生させることなく、返却すべきメダルを返却口に戻すことができる。なお、「開始用操作子の操作の受付けが有効な場合」とは、例えば後述する実施形態において、投入ベット操作や貯留ベット操作が行われた場合である。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、メダルセレクタや遊技機においてメダルの飲み込みの不具合を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、添付した図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。
なお、以下の実施形態では本発明に係るメダルセレクタをスロットマシンに適用した場合について説明する。
【0034】
<1:スロットマシンの外観構成>
図1は、スロットマシン1の外観を示す斜視図である。
スロットマシン1は、前面が開口した箱状の本体2と、本体2の前面に配置した前面扉3を備える。本体2と前面扉3は、片側で蝶番により固定され開閉できるようになっている。前面扉3は、遊技者によって操作されるボタン類が配置された操作部OPと、リール可変表示装置RLの図柄を視認させるためのリール窓20やゲームに関する情報が表示される表示器類が配置されたパネル表示部DPと、ゲームの進行状態等を示す画像を表示する液晶表示器類や電飾装置が配置された演出表示部TPと、受皿部BPを備える。
【0035】
操作部OPには、メダルが投入されるメダル投入口10と、貯留ベット操作を行うための1枚ベットボタン11a、2枚ベットボタン11b及び3枚ベットボタン11cと、リールR1〜R3の回転を開始させるためのスタートレバー12と、左リールR1の回転を停止させるための左ストップボタン13aと、中リールR2の回転を停止させるための中ストップボタン13bと、右リールR3の回転を停止させるための右ストップボタン13cが設けられている。
【0036】
パネル表示部DPには、リール窓20と、入賞ライン表示器21と、遊技ガイド表示器22と、遊技価値情報表示部23が設けられている。リール窓20は、1つのリールにつき、3個の連続した図柄をのぞむ透明アクリル板からなり、遊技者は3つのリールで9個分の図柄をリール窓20を通して目視することができる。このリール窓20の左側には、入賞ラインL1〜L5(図2)の各々に対応した入賞ライン表示器21が設けられており、メダルが1枚投入されると入賞ラインL1に対応した入賞ライン表示器21が点灯し、メダルが2枚投入されると入賞ラインL1に加えて入賞ラインL2及びL3に対応した入賞ライン表示器21が点灯し、メダルが3枚投入されると入賞ラインL1〜L3に加えて入賞ラインL4及びL5に対応した入賞ライン表示器21が点灯する。また、遊技の結果、いずれかの入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが成立した場合には、成立した入賞ラインに対応した入賞ライン表示器21が点滅する。また、リール窓20の右側には、入賞した場合やゲーム状態に応じて点灯する遊技ガイド表示器22が設けられている。さらにリール窓20の下方に設けられた遊技価値情報表示部23には、クレジット数を表示するクレジット数表示器23aと、所定ゲーム中に付与された配当数を累積して獲得枚数の表示を行う獲得枚数表示器23bと、入賞した場合に付与された配当数を表示する配当数表示器23cが設けられている。
また、受皿部BPには、メダル払出口40aから排出されたメダルを貯めるメダル受皿40が設けられている。
【0037】
<2:スロットマシンで行われるメダルに関する処理と遊技方法>
(1)投入ベット処理
スロットマシン1では、メダル投入口10にメダルを投入することでゲームを行うことが可能になる。1枚目のメダルの投入で入賞ラインを1本(L1)選択して有効化し、2枚目のメダルの投入で入賞ラインをさらに2本(L2、L3)選択して有効化し、3枚目のメダルの投入で入賞ラインをさらに2本(L4、L5)選択して有効化する。このようにメダルを投入して入賞ラインを有効化することを投入ベット操作と言う。
(2)投入クレジット処理
投入ベット操作によって総ての入賞ラインL1〜L5を有効化した後、遊技者がさらにメダルを投入すると、クレジットとして50枚分までメダルを貯留装置に貯留することができる。貯留したメダルの枚数が50枚に到達した後、遊技者がさらにメダルを投入した場合、投入したメダルはメダル受皿40に戻される。なお、貯留装置とは、ゲームを行うために投入されたメダルを電気的又は磁気的に記憶できる装置のことであり、投入されたメダル及び入賞により払い出されたメダルが貯留される。
【0038】
(3)貯留ベット処理
投入ベット操作の他に、貯留装置に貯留されたクレジットを使用してゲームを開始することができる。この場合、遊技者はベットボタン11a〜11cを操作する。1枚ベットボタン11aが押下された場合は入賞ラインを1本(L1)選択して有効化し、2枚ベットボタン11bが押下された場合は入賞ラインを3本(L1、L2、L3)選択して有効化し、3枚ベットボタン11cが押下された場合は入賞ラインを5本(L1〜L5)選択して有効化する。このようにベットボタン11a〜11cを操作して入賞ラインを有効化することを貯留ベット操作と言う。また、貯留ベット操作と投入ベット操作を合わせて単にベット操作と言う。
【0039】
(4)配当クレジット処理
遊技者がスタートレバー12を操作するとリールR1〜R3の回転が開始され、遊技者がストップボタン13a〜13cのそれぞれを押下すると、押下したストップボタンに対応するリールが停止される。全てのリールR1〜R3が停止したときに、あらかじめ定められた図柄の組み合わせが有効化された入賞ライン上に揃うと入賞となり、図柄の組み合わせ(役)ごとに定められた遊技価値が付与される。付与される遊技価値がメダルの配当である場合、メダルはまず貯留装置にクレジットとして貯留される。
(5)配当払出処理
配当を付与する過程で、貯留されたメダルの枚数が50枚に到達した場合は、残りのメダルをメダル受皿40に払い出す。
【0040】
<3:メダルセレクタの構成>
図3は、メダルセレクタ50の外観を示す斜視図である。
メダルセレクタ50は前面扉3の裏面に取り付けられている。同図に示すようにメダルセレクタ50の上面左端には、メダル投入口10から投入されたメダルをメダルセレクタ50内に受け入れるための入口50aが設けられている。また、メダルセレクタ50の右側面下部には、スロットマシン1の内部に取り込むメダルを排出するための出口50bが設けられている。メダルセレクタ50は、大別すると、図中手前側のトップAssy50cと、図中奥側のベースAssy50dに区分され、トップAssy50cには半透明の保護カバー50eが取り付けられている。なお、Assyとは、複数の部品を組み合わせた集合部品(ユニット)のことである。
【0041】
図4は、トップAssy50cとベースAssy50dを分離した状態を示す斜視図である。トップAssy50cとベースAssy50dとの境界面には、入口50aと出口50bをつなぐ下り傾斜したメダル通路50fが形成されている。投入されたメダルは、自重によって入口50aから出口50bに向けてメダル通路50fを通過する。メダル通路50fの側面には、メダルとの摩擦を減らすため複数の溝が形成されており、また、メダル通路50fの一部は可動自在なメダルガイドレール51によって構成されている。なお、51aはメダルガイドレール51の上端部である。
【0042】
図5は、図4において保護カバー50eを外した状態を示す斜視図である。トップAssy50cには、ベースAssy50d側に設けられたメダルガイドレール51を動かしてメダル通路50fを取込状態と返却状態に切り替えるための第1ブロッカーが設けられている。この第1ブロッカー用の構成部品として、第1ソレノイド52と、アマチュア53(可動片)と、復帰バネ(図示省略)がトップAssy50cに設けられている。なお、第1ソレノイド52、アマチュア53及び復帰バネ(図示省略)からなる組合せを「フラッパーソレノイド」と称することがあり、第1ブロッカー用の構成部品である復帰バネ(図示省略)の位置は、一般的な「フラッパーソレノイド」と同様に図5の符号Sの付近に位置する。また、取込状態とは、正規のメダルのみメダル通路50fを最後まで通過させて出口50bから排出し、これをスロットマシン1の内部に取り込む状態のことを指す。また、返却状態とは、正規/不正規に係らず、投入された総てのメダルをメダルガイドレール51の部分でメダル通路50fから排出し、これをメダル受皿40に返却する状態のことを指す。
また、トップAssy50cには、飲み込み防止用の突起片(図11参照)をメダル通路50f内に突出させてメダルの進行を阻止するための第2ブロッカーが設けられている。この第2ブロッカー用の構成部品として、第2ソレノイド54と復帰バネ55がトップAssy50cに設けられている。
【0043】
図6は、メダルMがメダル通路50fを通過している状態を示す斜視図である。メダル通路50fが取込状態に切り替えられ、且つ飲み込み防止用の突起片がメダル通路50f内から退避している場合、正規のメダルMはメダル通路50fを最後まで通過することができる。この場合、正規のメダルMは出口50bから排出され、スロットマシン1の内部に取り込まれる。
【0044】
図7は、第1ソレノイド52が非励磁の場合、すなわちメダル通路50fが返却状態の場合におけるメダルセレクタ50の要部断面図である。
第1ソレノイド52が非励磁の場合、第1ソレノイド52に取り付けられたアマチュア53は、不図示の復帰バネからの付勢力によって同図に示す位置をとる。この場合、アマチュア53の先端部53aは、これと対向するメダルガイドレール51の上端部51aと非接触である。また、メダルガイドレール51は、支点Aを回転軸として回動自在に取り付けられている。このメダルガイドレール51には、支点Aを中心として図中時計方向にメダルガイドレール51を回転させる付勢力が不図示のバネによって常時加えられている。なお、メダルガイドレール51の下端部51bがセレクタベース58の上端部によって係止されるため、第1ソレノイド52が非励磁の場合、メダルガイドレール51は同図に示す位置(排出位置)をとる。
【0045】
この場合、メダルガイドレール51の下端部51bは、図中点線で示すメダル通路50fから離れている。このためメダル通路50fの下端部分(下側の側面部分を含む)が形成されない状態となる。したがって、第1ソレノイド52が非励磁の場合、正規/非正規に係らず投入された総てのメダルMは、メダルガイドレール51の部分まで到達すると、ガイドカバー57とセレクタベース58の間の空間に落下し、スロットマシン1の筺体内に設けられた不図示の返却通路を介してメダル受皿40に返却される。
なお、テンショナー56は、メダル通路50fにおいてメダルガイドレール51の部分を通過するメダルMを検出するための部材である。テンショナー56は、支点Bを回転軸として回動自在に取り付けられており、通過するメダルMによって図中右方向に押し込まれる。
【0046】
図8は、第1ソレノイド52が励磁されている場合、すなわちメダル通路50fが取込状態の場合におけるメダルセレクタ50の要部断面図である。
第1ソレノイド52が励磁されると、アマチュア53は図7に示す位置から図8に示す位置に移動する。この場合、アマチュア53の先端部53aがメダルガイドレール51の上端部51aを図中左方向に押し込むことになるため、メダルガイドレール51は支点Aを中心にして図中反時計方向に回転する。したがって、メダルガイドレール51の下端部51bによってメダル通路50fの下端部分(下側の側面部分を含む)が形成される。このため第1ソレノイド52が励磁されている場合、投入されたメダルMが正規のメダルであれば、直立した状態にあるメダルMの上端部と下端部の両方が支持されることになる。また、メダルMによってテンショナー56が図中右方向に押し込まれる。よって、正規のメダルMは、メダルガイドレール51の部分で落下することなく下流に導かれる。
なお、メダル通路50fが取込状態の場合であっても、投入されたメダルMが小径メダル(非正規のメダル)の場合は、図9に示すように、直立した状態にあるメダルMの上端部が支持されないことに加え、メダルMの中心よりも上側の部分にテンショナー56から図中左方向への押力が加わる。このため図9に点線で示すようにメダルMは傾き、メダル通路50fから落下してメダル受皿40に返却される。
【0047】
このようにメダルセレクタ50(第1ブロッカー)は、第1ソレノイド52が非励磁から励磁に切り替わると、メダルガイドレール51を図8に示す位置(支持位置)に移動させ、正規のメダルMのみをメダルガイドレール51の下流に導く。また、メダルセレクタ50(第1ブロッカー)は、第1ソレノイド52が励磁から非励磁に切り替わると、メダルガイドレール51を図7に示す位置(排出位置)に退避させ、投入された総てのメダルMをメダル通路50fの途中で通路外に排出する。
【0048】
図10は、テンショナー56とアクチュエータ型センサ60について説明するための斜視図である。前述したようにテンショナー56は支点Bを中心にして回動自在である。メダルMが通過していない場合、テンショナー56は図10(A)に示す位置をとる。一方、メダルMが通過している場合、テンショナー56は、図10(B)に示すようにメダルMによって図中手前側に押し込まれる。アクチュエータ型センサ60は、メダルガイドレール51の部分を通過するメダルMをテンショナー56の回動によって検出する。このアクチュエータ型センサ60は、後述する図14にも示すように、メダルMがテンショナー56の部分を通過中の期間においてLowレベルとなり、メダルMがテンショナー56の部分を非通過の期間においてHiレベルとなる検出信号1を出力する。なお、図10に示すテンショナー56とアクチュエータ型センサ60は、いずれもトップAssy50cの構成部品である。また、アクチュエータ型センサ60は不図示のバネを備えており、メダルMが通過していない場合には、そのバネの付勢力によって図7に示す位置にテンショナー56を維持させている。
【0049】
図11は、第2ブロッカー(第2ソレノイド54,復帰バネ55)と突起片59について説明するための斜視図である。第2ソレノイド54が励磁されると、突起片59がメダル通路50f内に突出する。具体的には、メダルの厚み方向に沿って棒状の円柱体である突起片59がメダル通路50f内に突出する。この場合、同図に示すようにメダル通路50fを通過中のメダルMは、突起片59によって進行を阻止され停止する。一方、第2ソレノイド54が非励磁になると、復帰バネ55の付勢力によって突起片59がメダル通路50fの外に退避する。この場合、メダル通路50fを通過中のメダルMは、突起片59によって進行を阻止されることなく下流の出口50bに導かれる。なお、図11に示す第2ブロッカー(第2ソレノイド54,復帰バネ55)、突起片59、アマチュア53、テンショナー56、アクチュエータ型センサ60は、いずれもトップAssy50cの構成部品である。
【0050】
図12は、突起片59の突出位置について説明するための断面図である。
メダル通路50fの出口50b付近には、2個のセンサ用窓61,62がメダルMの進行方向に沿って並んで設けられている。図12には図示していないが、メダルセレクタ50には、センサ用窓61の部分を通過したメダルMを検出するメダルセンサ63(図13)と、センサ用窓62の部分を通過したメダルMを検出するメダルセンサ64(図13)が設けられている。なお、このようにメダルセンサ63,64を2個設けているのは、糸吊りやクレマンゴト(メダルMを投入せずに、不正な冶具によってクレジットを投入すること)等の不正行為を防ぐためである。メダルセンサ63は、後述する図14にも示すように、メダルMがセンサ用窓61の部分を通過中の期間においてLowレベルとなり、メダルMがセンサ用窓61の部分を非通過の期間においてHiレベルとなる検出信号2を出力する。同様に、メダルセンサ64は、後述する図14にも示すように、メダルMがセンサ用窓62の部分を通過中の期間においてLowレベルとなり、メダルMがセンサ用窓62の部分を非通過の期間においてHiレベルとなる検出信号3を出力する。また、詳細については後述するが、スロットマシン1のメイン制御基板では、メダルセンサ63からの検出信号2とメダルセンサ64からの検出信号3に基づいて、投入メダルの枚数をカウントする。
【0051】
また、図12においてセンサ用窓62が、投入メダルの枚数をカウントするカウント位置(第1位置)になる。すなわち、図中M1として示す位置にメダルMが到達し、検出信号3がLowレベルからHiレベルに切り替わると、このメダルMが投入メダルの枚数としてカウントされる。突起片59の突出位置は、このカウント位置(センサ用窓62)よりも上流で、メダルガイドレール51よりも下流に設けられる。なお、メダルMの連続投入中にクレジット数が最大貯留枚数(50枚)に到達した場合、例えば同図において50枚目としてカウントしたメダルM1に後続する51枚目のメダルM2の進行を突起片59によって阻止する必要がある。この際、カウント位置において50枚目のメダルM1をカウントしてから、第2ソレノイド54への励磁を開始して突起片59を突出し終えるまでの遅延時間をΔtとすると、この遅延時間Δtの分だけ51枚目のメダルM2が下流に移動することになるから、この移動距離を加味して突起片59の突出位置が設定される。
【0052】
また、突起片59の突出位置は、突起片59を突出することで図中点線で示す位置に停止させたメダルMの重心(中心)がメダルガイドレール51の区間L内に収まるように設定される。このため突起片59により停止させたメダルMは、メダルガイドレール51が排出位置に移動すると、メダル通路50fから落下してメダル受皿40に返却される。このように突起片59の突出位置は、メダルガイドレール51とセンサ用窓62の間で、且つ、突起片59により停止させたメダルM(図中点線)の重心がメダルガイドレール51の区間L内に収まる位置に定められる。また、突出片59の断面形状は、図中に示すように円形である。
【0053】
<4:スロットマシンの電気的構成>
図13は、スロットマシン1の電気的構成を示す要部ブロック図である。
スロットマシン1は、CPUやROM等を備えたメイン制御基板70と、変換基板80と、メダルセレクタ50を備える。メイン制御基板70は、3つのリールR1〜R3を用いて行われるゲームの全般を制御する。また、メイン制御基板70は、メダルセンサ63,64からの検出信号2,3に基づいて、メダルMがカウント位置(センサ用窓62)を通過したことを検出する。図14に正規のメダルMがメダル通路50fを最後まで通過した場合のアクチュエータ型センサ60及びメダルセンサ63,64の信号波形を示す。メイン制御基板70は、例えば、メダルセンサ63からの検出信号2がLowレベルからHiレベルに切り替わると共に、メダルセンサ64からの検出信号3がLowレベルからHiレベルに切り替わると、検出信号3がLowレベルからHiレベルに切り替わったタイミングTaで、新たなメダルMがカウント位置を通過したことを検出する。また、このようにしてメダルMの通過を検出すると、メイン制御基板70は投入ベット処理や投入クレジット処理を行う。
【0054】
また、メイン制御基板70は、変換基板80を介して第1ソレノイド52及び第2ソレノイド54の励磁/非励磁を制御する。例えば、メイン制御基板70は、投入ベット操作や貯留ベット操作によって1以上の入賞ラインが有効化された状態でスタートレバー12の操作を検知した場合や、クレジット数が50枚に到達した場合に、第1ソレノイド52を励磁から非励磁に切り替えることを指示すると共に、第2ソレノイド54を非励磁から励磁に切り替えることを指示する。変換基板80は、メダルセンサ63,64からの検出信号2,3をメイン制御基板70に供給すると共に、メイン制御基板70からの駆動制御信号に基づいて、第1ソレノイド52を駆動するための駆動信号1と、第2ソレノイド54を駆動するための駆動信号2を生成する。
【0055】
例えば、メイン制御基板70は、第1ソレノイド52を励磁することを指示する期間においてLowレベルとなり、第1ソレノイド52を非励磁にすることを指示する期間においてHiレベルとなる駆動制御信号を変換基板80に出力しており、変換基板80では、この駆動制御信号を適宜増幅して第1ソレノイド52に供給する駆動信号1を生成する。また、第2ソレノイド54に供給する駆動信号2は、駆動制御信号をベースにパルス生成回路81で生成される。パルス生成回路81は、例えば図15に示すように、駆動信号1の立下りエッジに同期して300ミリ秒だけLowレベルとなる駆動信号2を生成する。このタイミングTcからタイミングTdまでの300ミリ秒の期間が、第2ソレノイド54を励磁することを指示する期間となる。
なお、メダル通路50fを取込状態から返却状態に切り替える場合、第1ソレノイド52を励磁から非励磁に切り替えることを指示してから、メダルガイドレール51が排出位置に移動し終えるまでに50〜100ミリ秒程度の時間がかかるため、これにマージンを加えて駆動信号2がLowレベルとなる期間を300ミリ秒に設定している。
【0056】
図16は、メダル通路50fを取込状態から返却状態に切り替える場合の第1ブロッカーと第2ブロッカーの動作を示すタイミングチャートである。例えば、クレジット数が50枚に到達した場合や、1以上の入賞ラインが有効化された状態でスタートレバー12の操作を検知した場合等、メダル通路50fを取込状態から返却状態に切り替えなければならないことを検知したタイミングをTcとしたとき、このタイミングTcの時点で第1ソレノイド52を励磁から非励磁に切り替える指示を与えても、メダルガイドレール51を排出位置に移動し終えるまでには50〜100ミリ秒程度の時間がかかる。また、同図に示すようにメダルガイドレール51は、タイミングTcの時点から移動を開始するのではなく、タイミングTcから少し遅れたタイミングで支持位置から排出位置に移動し始める。これは、[発明が解決しようとする課題]にも記載しているように、第1ソレノイド52は、残留磁力や残留磁場の影響を受けることに加え、100%デューティサイクルのものを使用しなければならず、復帰バネの付勢力をそれほど強くすることができないためである。したがって、この50〜100ミリ秒程度の切替時間がメダルMの飲み込みを発生させる要因となる。
【0057】
しかしながら、本実施形態に係るメダルセレクタ50には、メダル通路50f内に突起片59を突出させてメダルMの進行を阻止する第2ブロッカーが設けられている。また、この第2ブロッカーに備わる第2ソレノイド54は、メダル通路50fを取込状態から返却状態に切り替える際に、タイミングTcからタイミングTdまでの300ミリ秒だけ励磁する旨の指示がなされ、突起片59をメダル通路50f内に突出させる。つまり、第2ソレノイド54は、メダル通路50fを取込状態から返却状態に切り替える際に、非励磁から励磁に切り替わるため残留磁力や残留磁場の影響を受けない。また、第2ソレノイド54は、300ミリ秒しか励磁しなくてよいので100%デューティサイクルのものを使用する必要がなく、その分だけ磁力の強いソレノイドを使用することができる。このため同図に示すように、第2ブロッカーは、タイミングTcの時点で第2ソレノイド54が非励磁から励磁に切り替えられる指示がなされると、4〜10ミリ秒程度で突起片59をメダル通路50f内に突出させ、メダルMの進行を阻止することができる。したがって、メダルガイドレール51が支持位置から排出位置に移動するまでの期間Pにおいては、突起片59がメダル通路50f内に突出された状態になっている。
【0058】
よって、従来であれば飲み込まれていたメダルMを図12に点線で示した位置で停止させることができる。また、このようにして突起片59により停止させたメダルMは、タイミングTcから50〜100ミリ秒が経過し、メダルガイドレール51が排出位置に移動し終えると、メダル通路50fから排出されてメダル受皿40に返却される。よって、メダルMの飲み込みを防ぐことができると共に、突起片59により停止させたメダルMをメダル通路50f内に滞留させることなく返却することができる。
【0059】
また、第2ソレノイド54は、メダル通路50fを取込状態から返却状態に切り替える場合に300ミリ秒程度励磁されるだけであるので、例えばメダル通路50fを返却状態にしている期間において絶えず第2ソレノイド54を励磁している構成と比較した場合に、消費電力を低減できると共に第2ソレノイド54による発熱の影響を抑えられる。
また、第1ソレノイド52に供給する駆動信号1と第2ソレノイド54に供給する駆動信号2を変換基板80で生成しているので、スロットマシン1(メイン制御基板70)では、第1ブロッカーと連動させて第2ブロッカーを動作させるための制御プログラムが不要となり、その分だけROM容量の節約を図ることができる。さらに、変換基板80では、第1ソレノイド52用の一つの駆動制御信号に基づいて、第1ソレノイド52に供給する駆動信号1と第2ソレノイド54に供給する駆動信号2を生成することができるので、第1ソレノイド52用の駆動制御信号のみをメイン制御基板から出力する従来のスロットマシンに対しても、メイン制御基板の出力系統や制御プログラムを変更することなく、本発明のメダルセレクタ50を適用することが可能である。
【0060】
<5:スロットマシンの動作>
メイン制御基板70に備わるCPUは、スロットマシン1の主電源が投入されると、初期化処理を行った後、図17及び図18に示す処理を実行する。なお、初期化処理では、クレジット数をゼロにセットすると共に、変換基板80に供給する駆動制御信号をLowレベルにする。したがって、図17及び図18に示す処理を開始する段階で、第1ソレノイド52は励磁されており、メダル通路50fは取込状態になっている。また、第2ソレノイド54は非励磁であり、突起片59はメダル通路50fの外に退避した状態になっている。
【0061】
ステップS11:CPUは、検出信号2,3に基づいて新たなメダルMがカウント位置(センサ用窓62)を通過したか否かを判定し、通過していないと判定した場合はステップS15に進む。
ステップS12:CPUは、ベット数が最大枚数(3枚)に到達しているか否かを判定し、到達していると判定した場合はステップS20に進む。
ステップS13:CPUは投入ベット処理を行う。すなわち、CPUは、1枚目のメダルMであれば入賞ラインを1本(L1)選択して有効化し、2枚目のメダルMであれば入賞ラインをさらに2本(L2、L3)選択して有効化し、3枚目のメダルMであれば入賞ラインをさらに2本(L4、L5)選択して有効化する。
ステップS14:CPUは、ベットフラグの値を“1”にセットしてステップS23に進む。
【0062】
ステップS15:CPUは、1枚ベットボタン11aと2枚ベットボタン11bと3枚ベットボタン11cのいずれかが操作されたか否かを判定し、いずれも操作されていないと判定した場合はステップS23に進む。
ステップS16:CPUは、ベット数が最大枚数(3枚)に到達しているか否かを判定し、到達していると判定した場合はステップS23に進む。
ステップS17:CPUは、操作されたベットボタンに対応するクレジット数が残っているか否かを判定し、残っていないと判定した場合はステップS23に進む。
ステップS18:CPUは貯留ベット処理を行う。すなわち、CPUは、1枚ベットボタン11aが押下された場合は入賞ラインを1本(L1)選択して有効化し、2枚ベットボタン11bが押下された場合は入賞ラインを3本(L1、L2、L3)選択して有効化し、3枚ベットボタン11cが押下された場合は入賞ラインを5本(L1〜L5)選択して有効化する。また、CPUは、貯留ベット処理で使用した分だけクレジット数を減算する。
ステップS19:CPUは、ベットフラグの値を“1”にセットしてステップS23に進む。
【0063】
ステップS20:CPUはクレジット加算処理を行う。すなわち、CPUは、ベット数が最大枚数(3枚)に到達している状態で新たなメダルMがカウント位置(センサ用窓62)を通過したことを検出すると、これをクレジット数に加算する。
ステップS21:CPUは、クレジット数が50枚に到達しているか否かを判定し、到達していないと判定した場合はステップS23に進む。
ステップS22:CPUは、変換基板80に供給する駆動制御信号をLowレベルからHiレベルに切り替えた後、ステップS23に進む。このステップS22に示す処理により、クレジット数が50枚に到達した場合に、第1ソレノイド52が励磁から非励磁に切り替えられると共に、第2ソレノイド54が非励磁から励磁に切り替えられる。したがって、メダル通路50fが取込状態から返却状態に切り替えられると共に、突起片59がメダル通路50f内に突出される。この際、図16に示したように、メダルガイドレール51が支持位置から排出位置に移動するまでの期間Pにおいては、突起片59が突出された状態になっている。よって、メダルMの連続投入中にクレジット数が50枚に到達した場合であっても、50枚目としてカウントしたメダルMに後続する51枚目以降のメダルMを、飲み込みことなくメダル受皿40に返却することができる。
【0064】
ステップS23:CPUは、スタートレバー12が操作されたか否かを判定し、操作されていないと判定した場合はステップS11に戻る。
ステップS24:CPUは、ベットフラグの値が“1”であるか否かを判定し、“1”でないと判定した場合はステップS11に戻る。但し、メダルセンサ63とメダルセンサ64の一方以上がメダルMの通過を検出しているときに、スタートレバー12に対する操作に応じて、突出片59をメダル通路50f内に突出させてしまうと、メダルMに突出片59が衝突してしまう場合がある。したがって、メダルセンサ63とメダルセンサ64の一方以上がメダルMの通過を検出しているときは、例外的にスタートレバー12の操作を受付けず、メダルセンサ63とメダルセンサ64の両方がメダルMの通過を検出しなくなった時点(検出信号2,3がともにHiレベルになった時点)から、スタートレバー12が操作されたか否かの判定を再開する。
【0065】
ステップS25:CPUは、変換基板80に供給する駆動制御信号をLowレベルからHiレベルに切り替えた後、遊技処理を開始する。このステップS25に示す処理により、1以上の入賞ラインが有効化された状態でスタートレバー12の操作を検知した場合に、第1ソレノイド52が励磁から非励磁に切り替えられると共に、第2ソレノイド54が非励磁から励磁に切り替えられる。したがって、メダル通路50fが取込状態から返却状態に切り替えられると共に、突起片59がメダル通路50f内に突出される。この際も、図16に示したように、メダルガイドレール51が支持位置から排出位置に移動するまでの期間Pにおいては、突起片59が突出された状態になっている。よって、メダルMの連続投入中にスタートレバー12が操作された場合についても、メダルMの飲み込みを発生させることなく、返却すべきメダルMをメダル受皿40に戻すことができる。
【0066】
ステップS26:CPUは遊技処理を行う。すなわち、CPUは、リールR1〜R3の回転を開始させ、遊技者がストップボタン13a〜13cのそれぞれを押下すると、押下したストップボタンに対応するリールを停止させる。なお、全てのリールR1〜R3が停止したときに、あらかじめ定められた図柄の組み合わせが有効化された入賞ライン上に揃うと入賞となり、図柄の組み合わせ(役)ごとに定められた遊技価値が付与される。
ステップS27:CPUは配当付与処理を行う。すなわち、CPUは、遊技の結果、有効化された入賞ライン上に役が成立して入賞していた場合は、役ごとに設定した遊技価値を付与する。付与される遊技価値がメダルMの配当である場合、CPUは、まず、配当されるメダルMを貯留装置に貯留し、クレジット数としてカウントする(配当クレジット処理)。また、配当を付与する過程でクレジット数が50枚に到達した場合は、残りのメダルMをメダル受皿40に払い出す(配当払出処理)。
【0067】
ステップS28:CPUは、変換基板80に供給する駆動制御信号をHiレベルからLowレベルに切り替えた後、ステップS11に戻る。このステップS28に示す処理により、第1ソレノイド52が非励磁から励磁に切り替えられ、メダル通路50fが取込状態から返却状態に切り替えられる。なお、第2ソレノイド54は、ステップS22やステップS25で駆動制御信号をLowレベルからHiレベルに切り替えてから300ミリ秒後に、励磁から非励磁に切り替えられる指示が与えられている。このためステップS28の時点では、既に突起片59がメダル通路50f内から退避している。したがって、ステップS28に示す処理により新たなメダルMの取り込みが可能になる。
【0068】
<6:変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下に述べる変形が可能である。
[変形例1]
上述した実施形態では、パルス生成回路81において、駆動信号1の立下りエッジに同期して300ミリ秒だけLowレベルとなる駆動信号2を生成する場合について説明したが(図15)、パルス生成回路81は、図19に示すように、駆動信号1がLowレベルの場合にHiレベルとなり、駆動信号1がHiレベルの場合にLowレベルとなる駆動信号2を生成する構成であってもよい。この場合、第2ソレノイド54として100%デューティサイクルのものを使用しなければならないが、単に駆動信号1の信号波形を反転すればよいだけなのでパルス生成回路81をインバータのみで構成することができる。よって、パルス生成回路81の部品点数を減らし、パルス生成回路81の回路構成を簡素化できる。なお、図19においても駆動信号2がLowレベルとなる期間(タイミングTcからタイミングTdまでの期間)が、第2ソレノイド54を励磁することを指示する期間となる。
また、要は、メダルガイドレール51が支持位置から排出位置に移動するまでの期間Pにおいて突起片59をメダル通路50f内に突出できていればよいので、上述した実施形態において、駆動信号2をLowレベルにする期間は、メダルガイドレール51が支持位置から排出位置に移動するまでの所要時間以上であればよく、300ミリ秒以下であってもよい。また、駆動信号2をLowレベルにする期間は、駆動信号1の立下りエッジに同期していなくてもよい。
【0069】
[変形例2]
図17及び図18に示したフローチャートにおいて、ステップS22とステップS25の代わりに図20に示す処理を行うと共に、ステップS28の代わりに図21に示す処理を行う構成としてもよい。この場合、変換基板80を備えずともソフトウェア制御によって、図15に示した駆動信号1と駆動信号2を生成することができる。
【0070】
図20は、ステップS22とステップS25の代わりに実行される処理を示すフローチャートである。
ステップS31:CPUは、第1ソレノイド52に供給する駆動信号1をLowレベルからHiレベルに切り替える。
ステップS32:CPUは、第2ソレノイド54に供給する駆動信号2をHiレベルからLowレベルに切り替える。
このステップS31及びS32に示す処理により、第1ソレノイド52が励磁から非励磁に切り替えられると共に、第2ソレノイド54が非励磁から励磁に切り替えられる。したがって、メダル通路50fが取込状態から返却状態に切り替えられると共に、突起片59がメダル通路50f内に突出される。この際、図16に示したように、メダルガイドレール51が支持位置から排出位置に移動するまでの期間Pにおいては、突起片59が突出された状態になっている。よって、メダルMの連続投入中にクレジット数が50枚に到達した場合や、メダルMの連続投入中にスタートレバー12が操作された場合であっても、メダルMの飲み込みを発生させることなく、返却すべきメダルMをメダル受皿40に戻すことができる。
【0071】
ステップS33:CPUは、タイマカウンタを用いて時間計測を開始する。
ステップS34:CPUは、計測時間が300ミリ秒に到達したか否かを判定し、到達していない場合は計測時間が300ミリ秒に到達するまで待機する。
ステップS35:CPUは、計測時間が300ミリ秒に到達すると、第2ソレノイド54に供給する駆動信号2をLowレベルからHiレベルに切り替える。このステップS35に示す処理により、第2ソレノイド54が励磁から非励磁に切り替えられ、突起片59がメダル通路50fの外に退避する。
【0072】
図21は、ステップS28の代わりに実行される処理を示すフローチャートである。
ステップS41:CPUは、第1ソレノイド52に供給する駆動信号1をHiレベルからLowレベルに切り替える。このステップS41に示す処理により、第1ソレノイド52が非励磁から励磁に切り替えられる。よって、メダル通路50fが取込状態から返却状態に切り替えられ、新たなメダルMの取り込みが可能になる。
【0073】
[変形例3]
図17及び図18に示したフローチャートにおいて、ステップS22とステップS25の代わりに図22に示す処理を行うと共に、ステップS28の代わりに図23に示す処理を行う構成としてもよい。この場合、変換基板80を備えずともソフトウェア制御によって、図19に示した駆動信号1と駆動信号2を生成することができる。
【0074】
図22は、ステップS22とステップS25の代わりに実行される処理を示すフローチャートである。
ステップS51:CPUは、第1ソレノイド52に供給する駆動信号1をLowレベルからHiレベルに切り替える。
ステップS52:CPUは、第2ソレノイド54に供給する駆動信号2をHiレベルからLowレベルに切り替える。
このステップS51及びS52に示す処理により、第1ソレノイド52が励磁から非励磁に切り替えられると共に、第2ソレノイド54が非励磁から励磁に切り替えられる。したがって、メダル通路50fが取込状態から返却状態に切り替えられると共に、突起片59がメダル通路50f内に突出される。この際、メダルガイドレール51が支持位置から排出位置に移動するまでの期間Pにおいては、突起片59が突出された状態になっている。よって、メダルMの連続投入中にクレジット数が50枚に到達した場合や、メダルMの連続投入中にスタートレバー12が操作された場合であっても、メダルMの飲み込みを発生させることなく、返却すべきメダルMをメダル受皿40に戻すことができる。
【0075】
図23は、ステップS28の代わりに実行される処理を示すフローチャートである。
ステップS61:CPUは、第1ソレノイド52に供給する駆動信号1をHiレベルからLowレベルに切り替える。
ステップS62:CPUは、第2ソレノイド54に供給する駆動信号2をLowレベルからHiレベルに切り替える。
このステップS61及びS62に示す処理により、第1ソレノイド52が非励磁から励磁に切り替えられると共に、第2ソレノイド54が励磁から非励磁に切り替えられる。したがって、メダル通路50fが返却状態から取込状態に切り替えられると共に、突起片59がメダル通路50fの外に退避し、新たなメダルMの取り込みが可能になる。
【0076】
[変形例4]
上述した実施形態では、図14に示すように、メダルセンサ64からの検出信号3がLowレベルからHiレベルに切り替わったタイミングTaで、新たなメダルMをカウントする構成を例示したが、例えば、クレジット数が50枚目のメダルMをカウントする際には、図14にTbとして示すタイミングでカウントを行い、さらにこのタイミングTbで駆動制御信号をLowレベルからHiレベルに切り替えるようにしてもよい。この場合、メダル通路50fを取込状態から返却状態に切り替えるタイミングと、突起片59を突出させるタイミングをタイミングTaからタイミングTbに前倒しすることができる。
【0077】
[変形例5]
上述した実施形態では、可動ガイド部材として、直立した状態にあるメダルMの下端部分を支持するメダルガイドレール51を例示したが、可動ガイド部材は、特許文献1に記載された可動ガイド板51のように、コイン通路14の上側の幅を調整し、直立した状態にあるコインの上端部分を支持するものであってもよい。また、メダルを直立させた状態ではなく、やや斜めに傾かせた状態で下流に通過させるメダル通路の場合は、メダルが下流に通過できるようメダルの側面部分を支持する可動ガイド部材を設けてもよい。
【0078】
[変形例6]
上述した実施形態では、糸吊りやクレマンゴト等の不正行為を防ぐためメダルセンサを2個備えた構成を例示したが、メダルセンサの個数は1個であってもよいし、3個以上であってもよい。また、本発明はスロットマシンに限定されず、メダルを投入することでゲームを行うことが可能になる各種の遊技機に適用可能である。また、本発明に係るメダルセレクタは遊技機以外にも自動販売機等に適用可能である。
【0079】
[変形例7]
上述した実施形態では、変換基板80をメイン制御基板70とは別に設けた構成を例示したが、変換基板80とメイン制御基板70を分けずにメイン制御基板70内に変換基板80の回路を含む構成としてもよい。
また、変換基板80をメダルセレクタ50内に備える構成としてもよい。例えば、変換基板80をトップAssy50c(保護カバー50eの内側)に組み込むことが可能である。この場合、変換基板80はメダルセレクタ50の構成要素になるため、メイン制御基板70から供給される駆動制御信号に基づいて、メダルセレクタ50内で、第1ソレノイド52に供給する駆動信号1と第2ソレノイド54に供給する駆動信号2が生成されることになる。この場合もスロットマシン1では、第1ブロッカーと連動させて第2ブロッカーを動作させるための制御プログラムが不要となるので、その分だけROM容量の節約を図ることができる。また、第1ソレノイド52用の駆動制御信号のみをメイン制御基板から出力する従来のスロットマシンに対し、メイン制御基板の出力系統や制御プログラムを変更することなく、変換基板80を内蔵したメダルセレクタ50を適用することができる。
なお、このように変換基板80をメダルセレクタ50内に備える構成とした場合についても、変形例1に記載したように、駆動信号2をLowレベルにする期間は、メダルガイドレール51が支持位置から排出位置に移動するまでの所要時間以上であればよく300ミリ秒以下であってもよいし、駆動信号2をLowレベルにする期間は駆動信号1の立下りエッジに同期していなくてもよい。また、変換基板80では、図19に示したように、駆動信号1がLowレベルの場合にHiレベルとなり、駆動信号1がHiレベルの場合にLowレベルとなる駆動信号2を生成することもできる。
【0080】
[変形例8]
上述した実施形態では、図15に示したように、駆動信号1による第1ソレノイド52の励磁から非励磁への切り替えの指示と、駆動信号2による第2ソレノイド54の非励磁から励磁への切り替えの指示を同じタイミングTcで行う場合について説明した。しかしながら、要は、メダルガイドレール51が支持位置から排出位置に移動するまでの期間Pにおいて突起片59をメダル通路50f内に突出できていればよいので、駆動信号1による第1ソレノイド52の励磁から非励磁への切り替えの指示と、駆動信号2による第2ソレノイド54の非励磁から励磁への切り替えの指示を必ずしも同じタイミングで行う必要はない。
例えば、駆動信号2による第2ソレノイド54の非励磁から励磁への切り替えの指示を行い、突起片59をメダル通路50f内に突出させた後に、駆動信号1による第1ソレノイド52の励磁から非励磁への切り替えの指示を行う構成としてもよい。また、突起片59をメダル通路50f内に突出させるのに要する所要時間は4〜10ミリ秒程度と極めて短いので、駆動信号1による第1ソレノイド52の励磁から非励磁への切り替えの指示を行った後に、駆動信号2による第2ソレノイド54の非励磁から励磁への切り替えの指示を行う構成とすることもできる。
【0081】
[変形例9]
上述した実施形態や変形例1,8では、メダルガイドレール51が支持位置から排出位置に移動するまでの期間Pにおいて突起片59をメダル通路50f内に突出しているようにした。これは、メダルガイドレール51の移動範囲である支持位置と排出位置の間に、実質的にメダルMが排出可能になる位置が存在する場合を想定したためである。しかしながら、メダルMが排出可能になる位置が「排出位置」である場合、すなわち、メダルガイドレール51が支持位置から排出位置に向けて移動中であっても、メダルガイドレール51が排出位置に移動し終える前までは、メダルMがメダルガイドレール51によって支持され下流に通過可能な構成も考えられる。このような構成の場合は、第1ソレノイド52を励磁から非励磁に切り替えることでメダルガイドレール51が支持位置から排出位置に移動する場合に、メダルガイドレール51が排出位置に移動し終えるよりも前の時点で、突起片59がメダル通路50f内に突出しているように第2ソレノイド54を非励磁から励磁に切り替え、メダルガイドレール51が排出位置に移動し終えた後に第2ソレノイド54を励磁から非励磁に切り替えてやればよい。
【0082】
[変形例10]
上述した実施形態において、突起片59の突出位置は、カウント位置(センサ用窓62)より上流で、メダルガイドレール51より下流に設けられるものとした(図12参照)。しかしながら、例えば図24に示すように、メダルガイドレール51の下端部51bを下流側に距離Eだけ延長した場合のように、突起片59の突出位置は、カウント位置(センサ用窓62)より上流にあるものの、メダルガイドレール51より下流ではなく、メダルガイドレール51の区間L’内の下流部分に設けられる構成であってもよい。このような構成であっても、突起片59を突出して停止させたメダルM(図中点線)は、メダルガイドレール51の区間L’内に位置するから、メダルガイドレール51が排出位置に移動すると、メダル通路50fから排出されてメダル受皿40に返却される。よって、上述した実施形態の場合と同様に、メダルMの飲み込みを防ぐことができると共に、突起片59により停止させたメダルMをメダル通路50f内に滞留させることなく返却することができる。なお、このように突起片59の突出位置を、カウント位置(センサ用窓62)より上流で、メダルガイドレール51の区間L’内の下流部分に設けた場合についても、変形例1〜9に記載した変形が適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】スロットマシン1の外観を示す斜視図である。
【図2】入賞ラインL1〜L5を説明するための図である。
【図3】メダルセレクタ50の外観を示す斜視図である。
【図4】トップAssy50cとベースAssy50dを分離した状態を示す斜視図である。
【図5】図4において保護カバー50eを外した状態を示す斜視図である。
【図6】メダルMがメダル通路50fを通過している状態を示す斜視図である。
【図7】メダルセレクタ50の要部断面図(第1ソレノイド52が非励磁の場合)である。
【図8】メダルセレクタ50の要部断面図(第1ソレノイド52が励磁されている場合/正規メダル)である。
【図9】メダルセレクタ50の要部断面図(第1ソレノイド52が励磁されている場合/小径メダル)である。
【図10】テンショナー56とアクチュエータ型センサ60について説明するための斜視図である。
【図11】第2ブロッカー(第2ソレノイド54,復帰バネ55)と突起片59について説明するための斜視図である。
【図12】突起片59の突出位置について説明するための断面図である。
【図13】スロットマシン1の電気的構成を示す要部ブロック図である。
【図14】正規のメダルMがメダル通路50fを最後まで通過した場合のアクチュエータ型センサ60及びメダルセンサ63,64の信号波形を示すタイミングチャートである。
【図15】第1ソレノイド52の駆動信号1と第2ソレノイド54の駆動信号2を示すタイミングチャートである。
【図16】メダル通路50fを取込状態から返却状態に切り替える場合の第1ブロッカーと第2ブロッカーの動作を示すタイミングチャートである。
【図17】スロットマシン1の動作を示すフローチャート(その1)である。
【図18】スロットマシン1の動作を示すフローチャート(その2)である。
【図19】変形例1に係り、第1ソレノイド52の駆動信号1と第2ソレノイド54の駆動信号2を示すタイミングチャートである。
【図20】変形例2に係り、ステップS22とステップS25の代わりに実行される処理を示すフローチャートである。
【図21】変形例2に係り、ステップS28の代わりに実行される処理を示すフローチャートである。
【図22】変形例3に係り、ステップS22とステップS25の代わりに実行される処理を示すフローチャートである。
【図23】変形例3に係り、ステップS28の代わりに実行される処理を示すフローチャートである。
【図24】変形例10に係り、突起片59の突出位置について説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0084】
1 スロットマシン
10 メダル投入口
12 スタートレバー
40 メダル受皿
40a メダル払出口
50 メダルセレクタ
50a 入口
50b 出口
50c トップAssy
50d ベースAssy
50f メダル通路
51 メダルガイドレール
52 第1ソレノイド
53 アマチュア(可動片)
54 第2ソレノイド
55 復帰バネ
59 突起片
60 アクチュエータ型センサ
61 センサ用窓
62 センサ用窓
63 メダルセンサ
64 メダルセンサ
70 メイン制御基板
80 変換基板
81 パルス生成回路
M メダル
L 区間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入されたメダルが下流に向けて通過するメダル通路と、
前記メダル通路の一部の区間において当該区間を通過することができるようにメダルを支持可能であり、前記区間を通過するメダルを支持するための支持位置と、前記区間においてメダルを前記メダル通路から排出するための排出位置とに移動可能な可動ガイド部材と、
前記可動ガイド部材を駆動するための第1ソレノイド及び第1付勢部材を有し、前記第1ソレノイドが励磁されることにより前記可動ガイド部材の位置を前記支持位置にしてメダルを前記区間の下流に通過させ、前記第1ソレノイドが非励磁にされることにより前記第1付勢部材の付勢力で前記可動ガイド部材の位置を前記排出位置にしてメダルを前記メダル通路から排出する第1ブロッカーと、
前記メダル通路において前記区間より下流の第1位置を通過するメダルを検出する検出部と、
前記メダル通路において前記区間より下流で前記第1位置より上流の第2位置に突出可能であり、突出された場合にメダルの進行を前記第2位置で阻止する阻止部材と、
前記阻止部材を駆動するための第2ソレノイド及び第2付勢部材を有し、前記第2ソレノイドが励磁されることにより前記阻止部材を前記メダル通路内に突出させてメダルの進行を前記第2位置で阻止し、前記第2ソレノイドが非励磁にされることにより前記第2付勢部材の付勢力で前記阻止部材を前記メダル通路内から退避させてメダルを前記第2位置の下流に通過させる第2ブロッカーとを備え、
前記第2位置は、前記阻止部材により進行を阻止したメダルを、前記可動ガイド部材が前記排出位置に位置している場合に排出することが可能な位置に定められている
ことを特徴とするメダルセレクタ。
【請求項2】
前記第2位置は、前記阻止部材により進行を阻止したメダルの重心が前記区間内に収まるように定められている
ことを特徴とする請求項1に記載のメダルセレクタ。
【請求項3】
投入されたメダルが下流に向けて通過するメダル通路と、
前記メダル通路の一部の区間において当該区間を通過することができるようにメダルを支持可能であり、前記区間を通過するメダルを支持するための支持位置と、前記区間においてメダルを前記メダル通路から排出するための排出位置とに移動可能な可動ガイド部材と、
前記可動ガイド部材を駆動するための第1ソレノイド及び第1付勢部材を有し、前記第1ソレノイドが励磁されることにより前記可動ガイド部材の位置を前記支持位置にしてメダルを前記区間の下流に通過させ、前記第1ソレノイドが非励磁にされることにより前記第1付勢部材の付勢力で前記可動ガイド部材の位置を前記排出位置にしてメダルを前記メダル通路から排出する第1ブロッカーと、
前記メダル通路において前記区間より下流の第1位置を通過するメダルを検出する検出部と、
前記メダル通路において前記区間内の下流部分に定められた第2位置に突出可能であり、突出された場合にメダルの進行を前記第2位置で阻止する阻止部材と、
前記阻止部材を駆動するための第2ソレノイド及び第2付勢部材を有し、前記第2ソレノイドが励磁されることにより前記阻止部材を前記メダル通路内に突出させてメダルの進行を前記第2位置で阻止し、前記第2ソレノイドが非励磁にされることにより前記第2付勢部材の付勢力で前記阻止部材を前記メダル通路内から退避させてメダルを前記第2位置の下流に通過させる第2ブロッカーと、
を備えることを特徴とするメダルセレクタ。
【請求項4】
前記第1ソレノイドは、前記可動ガイド部材の位置を前記支持位置にする場合に励磁され、前記可動ガイド部材の位置を前記排出位置にする場合に非励磁にされ、
前記第2ソレノイドは、前記第1ソレノイドが励磁から非励磁に切り替えられて前記可動ガイド部材が前記支持位置から前記排出位置に移動する場合に、前記可動ガイド部材が前記排出位置に移動するよりも前の時点で、前記阻止部材が前記メダル通路内に突出しているように非励磁から励磁に切り替えられ、前記可動ガイド部材が前記排出位置に移動し終えた後に励磁から非励磁に切り替えられる
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のメダルセレクタ。
【請求項5】
外部から供給される一の制御信号に基づいて、前記第1ソレノイドに供給する第1駆動信号と前記第2ソレノイドに供給する第2駆動信号を生成する生成回路をさらに備え、
前記生成回路は、
前記制御信号に基づいて、前記可動ガイド部材の位置を前記支持位置にする場合に前記第1ソレノイドを励磁させるように指示し、前記可動ガイド部材の位置を前記排出位置にする場合に前記第1ソレノイドを非励磁にさせるように指示する前記第1駆動信号を生成し、
前記第1ソレノイドを非励磁にすることが前記第1駆動信号によって指示されている期間のうち、前記第1ソレノイドを励磁から非励磁に切り替えることが前記第1駆動信号によって指示された時点から前記可動ガイド部材が前記排出位置に移動するまでの期間を含む所定期間において前記第2ソレノイドを励磁させるように指示し、前記所定期間以外において前記第2ソレノイドを非励磁にさせるように指示する前記第2駆動信号を生成する
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のメダルセレクタ。
【請求項6】
前記所定期間は、前記第1ソレノイドを励磁から非励磁に切り替えることが前記第1駆動信号によって指示された時点から前記可動ガイド部材が前記排出位置に移動するまでの期間である
ことを特徴とする請求項5に記載のメダルセレクタ。
【請求項7】
前記所定期間は、前記第1ソレノイドを非励磁にすることが前記第1駆動信号によって指示されている期間である
ことを特徴とする請求項5に記載のメダルセレクタ。
【請求項8】
メダルを投入するための投入口と、
請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載されたメダルセレクタと、
前記区間において前記メダル通路から排出されたメダルを返却するための返却口と、
前記第1ソレノイドの励磁及び非励磁と前記第2ソレノイドの励磁及び非励磁を制御する制御部と、
を備える遊技機であって、
前記制御部は、
前記可動ガイド部材の位置を前記支持位置にする場合に前記第1ソレノイドを励磁させるように指示し、前記可動ガイド部材の位置を前記排出位置にする場合に前記第1ソレノイドを非励磁にさせるように指示し、
前記第1ソレノイドを非励磁にすることを指示している期間のうち、前記第1ソレノイドを励磁から非励磁に切り替えることを指示した時点から前記可動ガイド部材が前記排出位置に移動するまでの期間を含む所定期間において前記第2ソレノイドを励磁させるように指示し、前記所定期間以外において前記第2ソレノイドを非励磁にさせるように指示する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項9】
前記所定期間は、前記第1ソレノイドを励磁から非励磁に切り替えることを指示した時点から前記可動ガイド部材が前記排出位置に移動するまでの期間である
ことを特徴とする請求項8に記載の遊技機。
【請求項10】
前記所定期間は、前記第1ソレノイドを非励磁にすることを指示している期間である
ことを特徴とする請求項8に記載の遊技機。
【請求項11】
クレジットとして貯留されたメダルの枚数である貯留枚数を管理する貯留装置をさらに備え、
前記制御部は、前記貯留枚数が予め定められた上限値に到達した場合に、前記第1ソレノイドを励磁から非励磁に切り替えることを指示すると共に前記第2ソレノイドを非励磁から励磁に切り替えることを指示する
ことを特徴とする請求項8乃至10のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項12】
可変表示可能な複数の表示列と、
前記複数の表示列の可変表示の開始を指示するための開始用操作子とをさらに備え、
前記制御部は、前記開始用操作子の操作の受付けが有効な場合に前記開始用操作子の操作を検知すると、前記第1ソレノイドを励磁から非励磁に切り替えることを指示すると共に前記第2ソレノイドを非励磁から励磁に切り替えることを指示する
ことを特徴とする請求項8乃至10のうちいずれか一項に記載の遊技機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−148749(P2010−148749A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331576(P2008−331576)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(501016847)KPE株式会社 (145)
【Fターム(参考)】