説明

メディア・モニタリング、管理および情報システム

【解決手段】伝送内の特定のメディア・コンテント記憶またはワークの使用に関する、独立した客観的データを得るために、メディア・コンテント(オーディオおよびオーディオ・ビジュアル成分)の伝送をモニタリングするシステムおよび方法が提供される。このようなデータの処理およびリポートは、種々のビジネスニーズに応えるために、さまざまな方法で提供される。信頼性があり、誤りのない正確なモニタリング・データを効率的でかつ自動的に得るために、コンテント識別技術を採用する方法がまた、開示される。このようなモニタリング・システムに基づいていろいろな製品、サービス情報が提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2002年10月15日提出の米国仮出願第60/418,597号に基づくものである。
【0002】
本発明は一般的に、特定のメディア・コンテント記録またはワークの使用に関する独立した客観的データを伝送内で得るために、(オーディオおよびオーディオ・ビジュアルのような)メディア・コンテントの伝送をモニタリングするシステムに関する。本発明はまた、種々のビジネスのニーズに応えるために、このようなデータを種々に処理し、リポートすることに関する。特に、本発明は、信頼性があり、誤りのない、正確なモニタリング・データを効率よく、自動的に得るコンテント識別技術を採用する方法に関する。本発明はさらに、このようなモニタリング・システムに基づいて製品情報、サービス情報を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ライブまたは予め記録された音楽、ラジオおよびテレビ番組ならびに宣伝のような特定のメディア・コンテントの使用(使用不能)に関する情報を、ラジオおよびテレビ放送、インターネットダウンロードおよびストリーム、ならびに一般的アドレスシステムのような種々の伝送内で得るために、モニタリングを実行することが望まれている。このような情報を欲する商業上の理由は、有料広告に対する実行証明を与えること、シンジケート組織ライセンスの遵守の決定、他の番組での著作権保護されたサウンド記録の使用の識別、著作権保護された音楽に関連して権利の管理、放送の視聴規模の決定、ネットワークまたはシンジケート・コンテントの再伝送の識別、広告または番組の不正または部分伝送の識別、プロモーション・コンテントおよび一般用のサービスの知らせの使用を識別するといった種々のものを含む。
【0004】
このようなモニタリングでは、コンテントについて、正確な日時、受付の場所、期間、クオリティー、原典、および伝送方法を含むメディア・コンテントの使用に関する、多岐にわたる情報を得ることが望ましい。さらに、操作者の重大な介入なく自動的にこのようなモニタリングを実行することには利点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の放送モニタリング・システムは多くあるが、一般的に、二つのグループ、すなわち受動的システムと能動的システムに分けることができる。受動的システムでは、放送番組にいかなる信号も付加されず、放送信号の固有の特徴を個別化する測定が、特別なひとコマを識別するために使用される。これらの特徴はしばしば、個人を識別するために使用される人の指紋になぞられて「フィンガープリント」といわれている。フィンガープリントの例には、放送信号、統計的なモーメント、所定のパターン(キーワード、所定の信号形状等)のスペクトル変化を含む。受動的モニタリングおよび識別システムは特許文献1ないし10に説明されている。このフィンガープリントの技術は、放送の一区切りから抽出されたフィンガープリントを、前もって記憶されていたフィンガープリントの大きなデータベースと比較する複雑なサーチアルゴリズムを必要とする欠点をもつ。さらに、この技術は、モニタリングサービスが新規に作られるコンテントを含むように拡張されるとき、規模や複雑を増す、記憶されたフィンガープリントの相当なデータベースを必要とする。
【特許文献1】米国特許第3,919,479号明細書
【特許文献2】米国特許第4,230,990号明細書
【特許文献3】米国特許第4,677,466号明細書
【特許文献4】米国特許第4,697,209号明細書
【特許文献5】米国特許第4,843,562号明細書
【特許文献6】米国特許第5,210,831号明細書
【特許文献7】米国特許第5,436,653号明細書
【特許文献8】米国特許第5,481,294号明細書
【特許文献9】米国特許第5,504,518号明細書
【特許文献10】米国特許第5,581,658号明細書
【0006】
能動的システムは、付加的なデータ伝送信号を放送に、放送コンテントの通常の視聴と干渉することなく(たとえば「埋め込み」を介して)導入することにより、放送信号を修正する。しかし、このような付加的な信号は、適切に設計された装置により、検出し、解読(すなわち、「抽出」)することができる。能動的システムはふたつのカテゴリー(通常、「帯域外」(out-of-band)システムおよび「帯域内」(in-band)システム)に分類できる。
【0007】
帯域内システムにおいて、付加的情報は、放送信号の周波数、時間または空間的コンテント内に存在しない。たとえば、ビデオ・モニタリング信号は、識別コードを挿入するために、ビデオ信号の垂直帰線区間を使用する。他のシステムは、識別情報を運ぶためのオーディオ信号の周波数スペクトルの外側のキャリアー信号を使用する。このようなシステムの例は、特許文献11、12および13に記述されている。このようなシステムの主な欠点は、コンテントの配給の間、放送信号のフォーマット変換およびファイリングに脆弱性をもつ。たとえば、NTSCフォーマットビデオ信号の垂直帰線区間(VBI)に挿入されたデータが、そのビデオ信号がNTSCからMPEGのフォーマットに変換されると、失われる。同様に、可聴の範囲外のオーディオスペクトルに挿入された付加的なデータ信号が、埋め込まれたオーディオ信号を帯域通過フィルターに通すことにより除去される。
【特許文献11】米国特許第4,686,707号明細書
【特許文献12】米国特許第4,967,273号明細書
【特許文献13】米国特許第5,425,100号明細書
【0008】
対照的に、「帯域内」システムにおける付加的な情報は、ビデオの可視部分および/またはオーディオ・コンテントのオーディオ部分(コンテントの複製、配給、処理、または放送の間、保存されるようなもの)内に挿入される。補助信号を、人間が感知できるメディア・コンテントに埋め込む、このタイプのものは、「透かし」といわれている。このような透かしシステムの例は、ビデオの隣接した水平線のルミネセンスを反対方向で変化させることより、補助情報をテレビ放送に埋め込むことを含む。典型的な鑑賞の場合、人の視覚システムは、隣接した水平線を平均化し、オリジナルからの偏差に気が付かない。他のシステムは、AM、FM、PMまたはスペクトラム拡散のような周知の技術を使用して、独立して生成したキャリアー信号でもって、補助識別情報を変調し、そして低レベルのノイズとして変調信号を放送の一区切りに導入する。このようなシステムの例は以下の特許文献14〜26に説明されている。これらシステムは、一般的に、「領域外」の対応部分よりも、広範囲な伝送チャネル障害に対して回復する。しかし、より厳しいチャネル障害の下で、信頼性のある識別情報の抽出には、埋め込まれた透かしの強度を増す必要がある。これは、順に、放送の一区切りの視覚またはオーディオの質を危うくする。さらに、これらのシステムは通常、意図的ではない障害または意図的な攻撃の組み合わせに耐えられない。オーディオ・ビジュアル伝送チャネルにあるであろう典型的な伝送チャネル障害の端的なリストには次のものがある。損失の多い圧縮(たとえば、MPEG)、線形時間圧縮/展開、ピッチ不変時間圧縮/展開、ガウスおよび非ガウスノイズ、均等化、ボイスオーバー(voice over)、解像度の変化、ピッチ深さの変化、フィルタリング、デジタル−アナログおよびアナログ−デジタル変換、内挿法、クロッピング(cropping)、回転、幾何学的な歪み、動的範囲の圧縮。
【特許文献14】米国特許第3,842,196号明細書
【特許文献15】米国特許第3,885,217号明細書
【特許文献16】米国特許第4,686,707号明細書
【特許文献17】米国特許第4,945,412号明細書
【特許文献18】米国特許第5,200,822号明細書
【特許文献19】米国特許第5,379,345号明細書
【特許文献20】米国特許第5,404,377号明細書
【特許文献21】米国特許第5,404.160号明細書
【特許文献22】米国特許第5,408,258号明細書
【特許文献23】米国特許第5,450,490号明細書
【特許文献24】米国特許第5,579,124号明細書
【特許文献25】米国特許第5,581,800号明細書
【特許文献26】米国特許第6,404,898号明細書
【0009】
商業的に利用されている多くの放送モニタリング・システムが画像またはビデオの透かし技術を採用してはいるが、モニタリングのためのオーディオ透かしを使用するに際して、利点もある。たとえば、オーディオ・データの処理は、その比較的遅いデータレート(典型的なビデオテータレートと比較して)のために、コンピュータの使用上、費用のかかるものとはならない。もちろん、処理条件は使用する特定の技術に強く依存はする。オーディオ透かし技術の使用により、オーディオおよびオーディオ・ビジュアル・コンテントの両方をモニターすることは可能であるが、この場合、画像またはビデオの透かし技術はオーディオ・コンテントを専らモニタリングする場合についてはうまくゆかない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の主目的は、従来技術のシステムの欠点を解消する、信頼性があり、総合的なモニタリング方法を提供することである。本発明の他の目的は、余剰受信機の使用、伝送された同じコンテントの多数のコピーの分析の組み合わせの使用により、モニタリングの改良を提供することである。また、本発明の目的は、受信した伝送または伝送チャネルの質を測定することによりモニタリングの有効性の精度または信号対ノイズ比(SNR)または脱落パケットレートのような、受信した伝送チャネル特性を測定することにより伝送チャネルを改良することである。本発明の他の目的は、ネットワーク化されたテレビ放送のローカル、地域および国内放送番組、またはインターネットにおいて、間に挿入された宣伝のような複合伝送の複数の原点の間で区別化することである。さらに、本発明の目的は複数の伝送チャネル障害の下で、コンテントの使用をモニターすることである。ここで使用される用語「伝送」は、衛星、ネットワークおよびケーブルテレビおよびラジオ番組、インターネット放送番組、視聴者による受信のために送信された他のタイプの番組を含む放送番組(これらに限定はされないが)を包含するものであることは理解されよう。このような番組のコマのすべてまたは部分は、記憶、再生または配給用の光学的、磁気的および電子的記憶メディアのような有形の記憶媒体に存在してもよい。
【0011】
本発明にしたがって、本方法は放送マルチメディア・コンテントをモニターする方法を提供する。マルチメディア・ソースのコンテントが受信され、ソース・コンテントに関する識別情報が生成される。マルチメディアのソース・コンテントのオーディオ成分は識別情報とともに感知できないレベルでかつ繰り返して埋め込まれる。検出能メトリクが埋め込みの成功を見積もることにより生成される。検出能メトリクは識別情報と一緒になって、中央貯蔵部へと移される。埋め込まれたマルチメディア・コンテントは、ひとつ以上の放送ネットワークにより伝送され、受信機で受信される。受信したマルチメディア・コンテントは、マルチメディア・コンテントに関連した識別情報を抽出するために処理される。ここで使用される用語「感知されないように」は、「実質的に感知されないように」(聴力の訓練を受け、著しく鋭い聴力をもつ者には、識別情報が埋め込まれる前のオーディオ成分とその後のオーディオ成分との間を区別することがきる場合)を含む。
【0012】
図示の実施例では、埋め込まれた情報の抽出が多数の伝送チャネル障害の下で実行される。埋め込みは、時間領域および周波数領域のいずれかまたは両方に繰り返すことができる。繰り返しは、周波数領域でなされる場合、異なる周波数で生じてもよい。
【0013】
埋め込まれた情報の複数のコピーの抽出はマルチメディア・モニタリングの信頼性を改良するために使用することができる。たとえば、埋め込まれた情報の複数のコピーの抽出は、識別情報とともに埋め込まれたマルチメディア・コンテントの持続期間を見積もるために本発明にしたがって使用することができる。
【0014】
開示の実施例では、多数のコピーはひとつの伝送チャネルにわたって受信されるマルチメディア・コンテントから抽出される。これに代えて、複数のコピーは、複数の伝送チャネルから受信するマルチメディア・コンテントから抽出することができる。複数のコピーはたとえば、受信機の余剰ネットワークを使用して抽出することもできる。余剰受信機は、地理的な別個の位置に配置される。
【0015】
埋め込まれたマルチメディア・コンテントのための少なくともひとつの伝送チャネルが地球上の放送チャネルであり得る。これに代えて、少なくともひとつの伝送チャネルは、インターネット放送チャネルであってもよい。
【0016】
埋め込まれた情報の抽出されたコピーの間の間隔は、連続した、埋め込まれたマルチメディア・クリップの境界を見積もるために使用することができる。また、モニタリングの有効性は、信号対ノイズ比(SNR)または脱落パケットレートのような、受信した伝送チャネルの特徴を測定することにより高めることができる。この技術は、受信した伝送または伝送チャネルの少なくともひとつの質の尺度を与える。
【0017】
検出能メトリクは、検出リポートの信頼性を改良するために、モニタリングのサイトで使用することができる。さらに、検出能メトリックおよび測定された伝送チャネルの特徴(信号対ノイズ比(SNR)または脱落パケットレートのような)は、マルチメディア・モニタリングを改良するために、モニタリング・サイトで使用することができる。識別情報が検出能メトリクに基づいて、修正された、埋め込み強度で再埋め込まれ得ることも開示されている。
【0018】
伝送チャネルにある障害のタイプおよび内容は、埋め込まれたマルチメディア・コンテントからの抽出情報の質に基づいて識別することができる。
【0019】
ここでの開示はまた、ネットワークテレビ放送のローカル、地域および国内放送番組またはインターネット・ストリームに間に挿入される宣伝のような複合伝送の多数の原点が区別され得ることを示している。
【0020】
マルチメディア・コンテントの伝送前に、マルチメディア・コンテントは妥当な透かしの存在について検査することができる。たとえば、埋め込まれた透かしの妥当性は、埋め込まれた識別情報をデータベースにある対応する情報に対して証明することにより確かめられる。
【0021】
放送マルチメディア・コンテントをモニタリングするシステムも開示される。マルチメディア・コンテントを受信する受信信号が提供される。識別情報生成手段がソース・コンテントに関連した識別情報を生成するために使用される。埋め込み手段は、感知されないようにしてかつ繰り返して、識別情報をマルチメディア・ソース・コンテントのオーディオ成分に埋め込む。透かし評価手段は、埋め込みの成功を評価することにより、検出能メトリックを形成する。移送手段が、識別情報とともに検出能メトリックを中央貯蔵部に移す。伝送手段が、ひつと以上の放送ネットワークにより、埋め込まれたマルチメディア・コンテントを伝送する。受信手段が、放送マルチメディア・コンテントを受信する。処理手段が、マルチメディア・コンテントに関連した識別情報を抽出するために、受信したマルチメディア・コンテントを処理する。
【0022】
本発明のこれらの特徴、さらに他の特徴および利点(新規なシステム・アーキテクチャー、提供されるサービス、システムおよびメンテナンスの特徴(優れた性能特徴をもたらす))は、メディア・モニタリング、管理および情報システムの以下の詳細な説明、添付図面から明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1はデータ信号内で運ばれる、埋め込まれた情報を検出するモニタリング・システムの高レベルの図である。ソース・コンテント10は、たとえば、TVおよびラジオコマーシャル、番組、映画および番組プロモーション、音楽(放送などように作製されたもの)を含む。このようなソース・コンテント10のすべて、または一部は磁気テープ、ハードドライブ、光学ストレージまたは電子メモリー装置のような記憶装置にある。これに代え、ソース・コンテント10は映画のサウンドトラック(同じ媒体にまたは映画とは別に、いろいろな周知の光学的または磁気技術を使用して記憶されている)であってもよい。このような場合、連続した透かし埋め込みのためのコンピュータ読み込み可能なフォームで、関連したオーディオを抽出する手段が与えられなければならない。さらに、中間の記憶を必要としないで、製品ソースからオーディオ信号に直接アクセスすることが可能である。このようなシナリオは、デジタルおよび/またはストリーミングネットワークおよび装置を介して、生の音楽コンサートもしくは劇場イベントで、またはスタジオ作製の間、サウンド・ソースから直接的な(音響上の)カップリングを含む。このようなソース・コンテント10のための配給手段はまた、限定を意味するわけではないが、図1に示されているように、電話線、高速および/またはワイヤレスネットワークまたはシンプルな物理的記憶媒体を含む。
【0024】
ソース信号は必要であればデジタル化され、埋め込みのために符号化ステーション12へと送られる。図1において、この符号化ステーション12は処理ユニットとして、パーソナルコンピュータ(PC)を含むように描かれている。しかし、PCは複雑な数学計算を実行することのできる他のプロセッサにより置き換えることができる。このようなプロセッサの例として、限定的ではないが、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASICおよびFPGA装置を含む電子回路、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)のようなラップトップで手持ち式の電子装置、および携帯電話などがある。明らかに、透かしをソース・コンテント10に埋め込む目的で、ソフトウエハによる解決策がより経済的に実施できるが、たとえば、オーディオとビデオの間の合成が必要となる、スピードが必要となるオーディオ・ビジュアルな応用例では、ハードウエハを使用することが必要となることがある。さらに、ムービーカメラ、オーディオ記録装置および/またはスタジオサウンド設備のようなサウンド捕捉装置内に、直接埋め込みエンジンを配置することは可能であり、したがってPC埋め込み装置の必要性がなくなる。このような場合、在来のサウンド捕捉/処理装置へのハードウエア上またはソフトウエア上の修正が必要となろう。
【0025】
モニタリング・システムにおいて使用される特定の埋め込み技術は、一般的な専門用語「フィーチャー変調」および「レプリカ変調」で説明することができる。おれらの技術は(本発明の区別化ファクターのひとつ)は、ソース信号の一部、すなわちレプリカまたはフィーチャーを多重ビット補助情報のキャリアー(続いて、心理音響学的マスク条件を使用して、放送信号に加えられる)に変換する。このようにして埋め込まれたソース信号は、通常の人または特別に訓練を受けた人により識別することができる可聴の人工物を含まない。しかし埋め込まれた情報は、非常に意図的、意図的ではない伝送チャネルの障害および攻撃の下でも、100%に近い、正確なレートで首尾良く抽出することができる。これらのアルゴリズムを使用して、透かしは、ノイズの付加、時間スケール化、反響などのような種々のタイプの歪みに耐えるために、分離した周波数帯に、同時でかつ重複して挿入される。これらの透かしは分離した周波数帯にあることから、可聴な人工物が累積的ではなく、すなわち各帯域にある透かしが聞き手に対して何も感知されないならば、これらの帯域に結合は可聴な人工物を形成しない。このことが、多くの主観テストを通じて達成され、人間の可聴システム(異なるスペクトル帯域が異なるリセプタ(蝸牛有毛細胞)で検出される)の周知の特徴と整合する。透かしの例外的な堅牢さはさらに、レベルがいくつかある誤り訂正技術により消散されている。埋め込みアルゴリズムの詳細は特許文献27ない30(本出願人に譲り受けられている)に記述されている。本発明のシステムにおける埋め込み技術の他の特徴は、埋め込まれた透かしを除去または消し去るようにする意図的な攻撃に対するセキュリティをもつ。この特徴の詳細は特許文献32(本出願人に譲り受けられている)に記述されている。
【特許文献27】米国特許第5,940,135号明細書
【特許文献38】米国特許第6,175,627号明細書
【特許文献29】米国特許第6,427,012号明細書
【特許文献30】米国特許第6,145,081号明細書
【0026】
埋め込みプロセスの間、マルチビットIDフィールドがソース・コンテント10で符号化され、図1に示されているように、符号化されたコンテントに関連した「メタデータ」は各埋め込むがなされたときに、コントロール・センター18に移される。このメタデータは、オーナーおよびコンテントの完全な解説、一次のスタンプなど(埋め込まれたコンテントがモニタリング・ステーション16により受信されると、放送信号の識別および追跡を容易にするために使用されるもの)を含んでもよい。放送の一区切りの追跡および識別に必要な関連情報のすべてを、埋め込まれた透かしが伝えることも可能である。しかし、このことは、大きな透かし積載能力(payload capacity)(埋め込まれた一区切りを長くするか、検出の信頼性の低下をまねく)を必要とする。たとえば、3分音楽トラックがこのタイプの埋め込みのための適切な候補であり、20秒コマーシャルではその短い間隔のために適していない。符号化ステーション12とコントロール・センター18との間の接続は、電話線やケーブルネットワークのような高速または低速ネットワーク接続であってもよい。この情報の移送はまた、符号化の直後、またはある遅延の後、行われてもよい。単なる例示であり、限定を意図しないが、この点を示すために、磁気または光学的なディスのような記憶媒体で、一度以上の符号化を行うためのメタデータを節約すること、後で、郵送によりコントロール・センター18へメタデータを送ることもできる。
【0027】
埋め込まれたコンテントは、一般大衆および/または有料の顧客への配給のため、放送ネットワーク14へと送られる。図1において、衛星放送の例が描かれている。信号配給の他の手段も、地球上の放送モデルを容易に置き換え、および/または実施する。このような配給チャネルは、限定的ではないが、ケーブルテレビ配給ネットワーク、電話線、DSLおよび放送ネットワーク(インターネットおよびローカル記憶装置およびサーバーファームにパワーを与える)を含む。
【0028】
受信サイトで、モニタリング・ステーション16は符号化されたコンテントを探して、放送波を連続してモニターする。これらモニタリング・ステーション16は米国内の異なる場所を介して、または世界中に広がり、種々のAMおよびFMラジオ局ならびにケーブルおよびネットワークテレビ放送をモニターする。短波ラジオ、衛星ラジオ、ローカルケーブルおよびインターネットシステムのような他の放送システムもまたは、モニタリング・サイトで、適切な受信器/デコーダーを含めることで、モニターすることができる。これらのサイトは、多数のラジオおよびTV放送信号を良好に受信しながら同時にモニターすることができる。このことは、モニタリング・アンテナのための最適な位置を見出すための、デジタル地形およびFCC承認アンテナ位置、高さおよび放送出力のデータベースに関連して、RF伝搬のコンピューターシミュレーションを使用して達成される。このような精密な分析は、デジタル放送、ウエブ「ストリーミング」放送およびローカルTVネットワーク(ここで、アクセスの利便性およびコストは重要な要素である)のような他の放送システムでは不要である。
【0029】
コントロール・センター18は、埋め込みおよび検出の両ブランチと相互作用する、全モニタリング・システムの重要な部分である。検出およびデータリポート20を生成すること、埋め込みおよび配給許可の発行および誤り検出アラームの識別はコントロール・センター18で実行される仕事である。コントロール・センター18と外部世界との接続性は種々の低速および高速接続、ならびに操作者相互作用により達成される。データおよび命令はまた、光学および磁気ディスクのような有形な記憶媒体を介して伝えてもよい。コントロール・センター18のこれらおよび他の機能は、以下で記述される。
【0030】
図2は本発明の好適な実施例のブロック図である。二つの破線で囲まれた所は、システムの重要な二つの要素、コントロール・センター(CC)18およびモニタリング・サイト22(EAR(Event Airplay Receiver)としても参照される)を含む。回路向きTCP/IPワイド・エリア・ネットワーク(たとえば、フレーム・リーレー・クラウドにわたる仮想回路)を使用して、コントロール・センター18に接続されている多数のEARがある。この接続性も、バーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)またはポイントツーポイント接続のような、さまざまな他のトポロジーおよび技術とともに実現できる。EARとコントロール・センター18との間のデータ通信は、すべてのリポートの完全性を高め、不許可なアクセスを防止するために、セキュリティ(secure)プロトコルを通して行われる。好適に、個々のEARは、信号の干渉の可能性を減ずるために、独立した契約者の施設にあって放送ステーションの制御下にない。図2のシステムは、国内、地域および/またはローカル配給レベルで放送信号をモニターすることができる。このように、モニタリング・システムは、通常の視聴者と同様にして放送信号について調べ、一般公衆に何(放送の障害、クリップの刈り取り、ボイスオーバーなどを含む)がむかっているのか検出することができる。
【0031】
図2は、図3にアウトラインが示されたステップにしたがって、オーディオ・ソースを符号化できる多く関連ブロックを示す。工程1、すなわち顧客要求処理50において、顧客の要求(顧客の識別ドキュメント、要求された埋め込み器のタイプ、埋め込みの理由などを含む)が処理される。この通信は、販売スタッフにより行われるが、顧客要求を処理する自動システムが望ましい。工程2、すなわち埋め込み器ID生成52において、識別コード(顧客および整合する埋め込み器を唯一識別する)が生成される。この埋め込み器IDコード(埋め込まれる透かしの一部となる)は、顧客ならびに整合する埋め込み器を自動的に識別するために、検出の間、使用することができる。工程3、すなわち埋め込み器許可54において、埋め込み器許可が顧客に発行される。図2に示されているように、工程1ないし3は埋め込み器配給24と示された部分ですべて行われる。埋め込み器許可の他の変形も可能である。たとえば、埋め込み器がソフトウエア・モジュールの形態をとっていると、埋め込み器は、インストール後直ちに動作するようには許可されない。この場合、プラットフォームのキー・パラメータ(たとえば、キー・ハードウエハ要素の連続番号)が読み込まれ、埋め込み許可が特定のプラットフォームに対して発行される前に、埋め込み配給モジュール24と通信されなければならない。こうして、埋め込み器の増設およびマルチ・オーディオの一部用の複製コードの生成が防止される。
【0032】
工程4、すなわち自己割り当てコード生成56において、「自己割り当て」コードがユーザーの介入または通知の必要なく、特定のオーディオ・コンテントを識別して、埋め込み器により自動的に生成する。工程5、すなわち透かし埋め込み58において、透かしの実際の埋め込みが行われ、それが完了すると、工程6、すなわち埋め込み器ログ生成およびデータベースへの転送60において、埋め込み器ID、自己割り当てコードおよび他の埋め込み器データが、何が「埋め込み器ログ」として知られているか(コントロール・センター18内にあるデータベース38へと転送される)を形成するために組み合わされる。埋め込み器ログが、チャネルの数、サンプリングレート、期間、エネルギー・プロファイルなど、オーディオ・コンテントの説明のような埋め込み器の生成するデータ、および透かしが入ったオーディオまたはオーディオ・ビジュアルのコンテントを記述する、ユーザー参加データ(タイトル、オーナー、産業コードなど)を含むことに留意することが重要である。図2に示されているように、工程4ないし6は埋め込み26の所で実行される。工程7、すなわち証明62(しばらくしてから行われる)において、埋め込みがなされたコンテントは、工程8の配給および放送64で放送のために配給される前に、妥当な透かしの存在についてチェックされる。図2において、証明44、オーディオ配給46および放送48のモジュールは上記工程7、8の手順を実行するために使用される。
【0033】
図4は、図2の好適実施例にしたがった、埋め込みがなされたコンテントの検出に必要な工程を示す。工程1、すなわち信号受信66では、放送信号がEARにより受信され、各モニタリング・サイト22が典型的に、8から80の間のステーションで、多重放送をモニターするために使用される。異なるタイプの放送信号からのオーディオ・ストリームを抽出するために適切な受信器が使用される。たとえば、AMおよびFM受信器がAMおよびFMラジオ放送をそれぞれ受信するために利用される。しかし、TV放送またはアナログのローカルケーブルからのオーディオ信号を受信するために、TV放送のオーディオ搬送波に同調されたFM受信器を単に使用することでも十分である。工程2、すなわち透かし抽出68において、受信器からのオーディオ出力は、埋め込まれた透かしを含むかどうかを判定するために、図2の抽出器28モジュールにより検査される。同じコンテントが異なるタイプの透かしを含み得ることから、抽出器28は検出された透かし内に含まれるデータ、ならびに検出された透かしのタイプを調査し、リポートするように構成されている。異なるタイプの透かしが、音楽、コマーシャル、番組のような異なるコンテント内に埋め込み得ることは留意されたい。同じコンテントに、コンテント、ソース、配給路を識別するようにため、またはコピー制御などのために、異なるタイプの透かしを埋め込むことも可能である。
【0034】
図4の工程3、すなわちオーディオ・ロギングおよび転送70において、受信器からのオーディオ出力は、従来技術で周知のオーディオ圧縮技術のいずれかを使用して圧縮され、多くの所定の持続期間に日/時スタンプとともに保存される。この工程は、モニタリング・サイト22の、オーディオ・ログ30モジュールで実行される。記憶されたオーディオ・ログは、規則的に、コントロール・センター18から出た命令に応答して、コントロール・センター18により回収される。オーディオ・ログの主目的は、放送モニタリング・リポートと放送ステーションログとの間の不一致をめぐる問題を解決することである。原理的に、オーディオ・ログはまた、システムが符号化されていないオーディオ・クリップ内に透かしを誤って検出したときに、問題を解決するために使用してもよい。しかし、このような場合は、本システム内の、よく設計された透かしが誤って検出される可能性が極めて低いことから、非常に希である。問題解決の外、オーディオ・ログは、放送システムまたはモニタリング・サイト22で生ずる故障の問題を解決するために有用である。同様に、オーディオ・ログは、異常な検出結果、たとえば、短く、断面化し、時間圧縮した検出などをさらに分析するために使用することができる。記憶されたオーディオ・ログは記憶空間および伝送帯域を節約するために、圧縮されるとともに、攻撃性がなく、または損失のないオーディオ圧縮技術を使用して、本来の放送の質をもつオーディオ・ログを形成することは可能である。圧縮の要素、したがってオーディオ・ログの質はコントロール・センター18からの単純な命令を介して、異なるモニタリング・サイト22で変化させてもよい。
【0035】
前述したように、同じコードは多数の周波数帯域で同時に埋め込まれ、オーディオ・クリップを通して何度も繰り返される。その結果、同じオーディオ・クリップから多数の透かしが検出される。工程4、すなわち図4の寄せ集め72において、これら検出は、図2の寄せ集め32モジュールにより組織化され、一緒に組み合わされる。このモジュールは、同じクリップに属するすべての透かし(すべての透かしが同一の値をもつ)を識別し、一緒に組み合わせることを担当する。その際に、プレプロセッサ34はまた、隣り合う透かしの間の空間を分析する。浮かしが同じクリップに属すると、それらは、透かしの鼓動として知られている、所定の空間をもつ。この分析は、同じクリップが立て続けに放送されたとき有用となる。このような場合、鼓動に不連続性(クリップを分離するために使用することができる)がある見込み(隣り合う)が高い。寄せ集められた一連の透かしは検出された(一般的な)コード、その一連のものの中の検出された最初の透かしの開始時間、その一連のものの中の検出された最後の透かしの終了時間を含む。遅延感知の例に場合、寄せ集め器32は新規なオーディオ・クリップ内の透かしの最初の検出を直ちにリピートすることができる。モニタリング・サイト22でのデジタル装置が内部結晶に基づく時刻を使用して正確に時間が測定される。しかし、これら時刻は精密な許容範囲をもち、やがてドリフトしていく。時刻のドリフトを補償するために、コントロール・センター18からサイト・コントロール・モジュール36を通る通信線にわたって、共通(原子)時刻に周期的に同期される。
【0036】
工程5、すなわち図4のコントロール・センターへの転送74において、寄せ集めモジュール32は検出結果ならびに受信器のID、放送ステーションの周波数をコントロール・センター18に送る。この情報は、抽出されたコードを伝える放送のソースを識別するために、有益である。コントロール・センター18への情報の転送は多くの場合リアルタイムでなされ、検出ログのコピーが今後の参考に局所的に記憶される。図2は、寄せ集め器とプレプロセッサと間、およびサイト・コントロールとコマンド・センターモジュールと間に別個のリンクを示しているが、二つの通信経路に対してひとつのリンクを利用することも可能である。
【0037】
工程6、すなわち図4のプレプロセシング76において、寄せ集められた透かし検出(「アライバル(arrival)」といわれている)が図2のプレプロセッサモジュール35により予備的に処理される。主要なタスクは、データベース38にある情報を使用して、多数の寄せ集め器からのアライバルを「イベント」に変換する。プレプロセッサモジュール34はいくつかの他の出来事でタスクを実行するようにしてもよい。たとえば、多数の受信器が同じ放送ステーションに同調されている場合、すべてのアライバルが、プレプロセッサモジュール34により、ひとつのイベントに変換される。ある場合では、検出の間の大きなギャップのため、または処理の遅延により、寄せ集め器32は非同一な透かしをひとつにまとめることができないことがある。プレプロセッサモジュール34はこられアライバルをひとつにまとめるために、データベース38にある情報を使用することができる。他の場合では、同じクリップが、ひとつの長いクリップとして誤って識別されるように、二回以上連続して放送されることがある。この場合、予想以上に長い持続時間をもつアライバルを受信するプレプロセッサモジュール34は逆寄せ集めを実行し、ひとつのアライバルを二つ以上のイベントに分離する。プロセッサ・モジュール34はまた、各タイプのコンテントに特有のいくつかのアルゴリズムを含む。したがって、アライバルは、コンテントおよび検出情報について、データベース38に記憶された先験的な情報に、別々に依存して処理することができる。
【0038】
工程7、すなわち図4の埋め込み器ログ関連78において、プレプロセッサモジュール34により生成されるすべてのイベントは、データベース38に転送され、ここで、それらは整合する埋め込み器ログと関連付けられる。よい整合が今後のリポートの生成のために、リポートフォルダー内に保存される。大多数の整合はうまくゆくが、イベントの適切な整合や識別が行われない場合もある。たとえば、埋め込み器IDがデータベース38内の発行された埋め込み器IDのいずれとも整合しない場合である。これらのイベントは統計的な分析のために「誤り検出」フォルダーに記憶される。他の場合として、詰め込み器IDは認識されるが、自己割り当てコードは埋め込み器ログにおいていずれとも整合しない場合である。これらのイベントは、「孤立」フォルダー内に保存され、後に(新規な植え込み器ログファイルがアップロードされたとき)再度テストされる。最後に、孤立検出を認識するすべての試みが失敗に終わったとき、技術サポート者は、不一致を解消すべく、登録したユーザーに接触することになる。
【0039】
工程8、すなわち図4のリポート生成80において、顧客リポートがデータベースにある適切なフォルダーを使用して生成される。リポートは顧客の要求の際または所定の周期的間隔で、生成され得る。図2は、リポートがコントロール・センターウェブポータル40を通して配られるが、しかし電子メール、ハードコピーなどのような他の手段によりそれらを配ることもできる。命令センター42は、リポートならびにリポート内のデータのフォーマットおよびタイプを得る権利をもつ人を統率する。リポート生成工程80はまた、顧客の仕様にしたがって、最終リポートをフォーマット化することおよび特別にあつらえることも含む。このことにより、検出リポートを顧客の仕事の流れに継ぎ目なく統合させることができる。最終リポートのフォーマット化や統合はコントロール・センター18の内部でなされてもよく、あるいは第三の「中間ウエア」(図2には図示せず)を介して実行されてもよい。
代替アーキテクチャー
【0040】
本発明の好適な実施例にしたがって、破線で囲まれていない図2の要素は、コントロール・センター18の物理的な制御を受けない。たとえば、透かし埋め込み26は、コントロール・センター18の制御を受けずに、顧客の建物で実行される。このことは、オーディオ・コンテントが顧客からコントロール・センター18へそしてその逆に転送されることを防止するためになされた。予備的な放送材料の遠隔地への転送に関して、秘密性についての懸念は別として、図2のアーキテクチャーは、ネットワークやコントロール・センター18の作業流れの混雑状態による、生産工程の遅延を避ける。このアーキテクチャーはさらに、特定のコンテントに関連したメタデータの収集および記憶を単純化する。さらに、コストの軽減が、顧客とコントロール・センター18との間の高速接続の必要性を避けることで実現する。
【0041】
図2の埋め込みアーキテクチャーにはいくつかの欠点がある。特に、より進んだ埋め込み器の設計が、顧客のサイトで、PC、マッキントッシュ、ユニックス、リナックスのような異なるコンピュータ・プラットフォーム上で適切な動作を維持するために必要となっている。分布する埋め込み器の状態や数の追跡を維持することも必要となってきている。埋め込まれたファイルと元々のものとの間の取り違え、不適切な埋め込み器の据え付け、埋め込み器の不適切なオプションの選択、同じコンテントを何度も埋め込むといる埋め込みの誤りを避けるために、埋め込みツールの扱いやすさを確実にするために、重要なソフトウエアおよび/またはハードウエアの開発がなされなければならない。このことは、ソフトウエア/ハードウエアのアップグレートの配送、および顧客の支援のための一層のサービス労力を求めるようになってきている。顧客とコントロール・サービス18との間のネットワーク接続が難しいものとなり、埋め込まれたコンテントがコントロール・センター18へのメタデータの適切な転送なく放送されるならば、複雑さが増すことになる。このような場合、モニタリング・サイト22は容易に識別できない孤立検出を形成できる。埋め込みソフトウエハを顧客に配給することは、埋め込み技術が不正に使用されことやリバースエンジニアリングを行う可能性を高めることになる。
【0042】
図5の他の実施例では、システムの上記および他の欠点は、埋め込み動作全体をコントロール・センター18に移動することにより解決する。図5の実施例では、一人の顧客82が示されているが、同じアーキテクチャーが複数の顧客に対しても働くことは分かるであろう。このアーキテクチャーにしたがって、証明や埋め込み動作はコントロール・センター18の、図5の埋め込み/証明モジュール84において、ひとつの工程においてすべて実施される。しかし、顧客は、符号化されていない材料の配給を避けるために、配給の前にそれらのコンテントを任意に証明するように決定してもよい。図5において、この任意の証明86は一点鎖線で囲んで示されている。顧客82とコントロール・センター18との間でのデータを移すために携帯性記憶媒体を利用することが可能ではあるが、図5の他の実施例はデータを移送する目的のために、高速な接続88を示している。それはまた付加的記憶88および/または入力してくるオーディオならびに符号化されたコンテントのバッファリングを、コントロール・センター18において必要とする。セキュリティ関連事項または、記憶されたデータを暗号化すること、ならびに内部および外部接続が安全になされることを必要とする。図5の実施例に関連した事項は、コントロール・センター18において、人により各コンテントおよびすべてのコンテントに対して、関連したメタデータを生成、入力および収集することに必要な作業を含む。メタデータの一部を自動的にダウンロードするために、すべての顧客に、情報共有フォーマットを厳格に守るように、そして/または顧客のサイトで既存のデータベースに直接アクセスするように要求することにより、作業流れの効率の改善が可能となる。
【0043】
図6は本発明の他の実施例(図2および図5の実施例に関連した、作業流れ、セキュリティ、コストの問題を解決する)を示す。図6のアーキテクチャーにしたがって、顧客82は、オーディオおよび/またはオーディオ・ビジュアル・コンテントを配給センター92(ここで、コンテントの埋め込み26および証明44がなされる)に直接送る。このアーキテクチャーは、個々の顧客82とコントロール・センター18との間の高速データ接続のコストとセキュリティの懸念を回避する。さらに、メタデータに関連した作業のほとんどは、配給センター92(ここで、同様のタスクが、透かしの挿入がなされているかどうかにかかわらず、配給および請求の目的に対して通常実行されている)にシフトすることになる。
【0044】
図7は、本発明のさらに他の実施例を示す。各モニタリング・サイトが寄せ集め器モジュール32を含むことは、図2、図5および図6において開示されている。図7において、このモジュールは、組み合わされたプレプロセッサおよび寄せ集め器モジュール94を形成するために、コントロール・センター18に移される。このようにして、抽出器28からの検出器は、コントロール・センター18のプレプロセッサおよび寄せ集め器モジュール94(ここで、高度な寄せ集め計算が、コントロール・センター18において、利用できるすべての資源を使用して実行される)に直接送られる。さらに、各モニタリング・サイト22の動作を規制するために、制御命令はほとんど必要とされない。コストの面から見て、サイトの増加や維持を容易にし、検出データの移動のコストが法外とならないように、可能なかぎり多くの要素を省くことにより、モニタリング・サイト22の設計を簡単化することには利点がある。
【0045】
オーディオ・コンテントの埋め込み、配送およびモニタリングについて異なる実施例が開示されたが、異なるタイプのオーディオ・ビジュアル・コンテントを適切に埋め込みし、モニタリングするために、上記のアーキテクチャーの種々の組み合わせが使用できることは分かるであろう。たとえば、ひとつのアーキテクチャーが作品(画像でない)音楽を配送するために使用でき、他のアーキテクチャーが画像音楽のために使用でき、さらに他のアーキテクチャーがTVまたはラジオの宣伝およびプロモーションのために使用できる。また、モニタリング・サイトがいくつかの高度な処理および記憶要素を含むが、他のもの(たとえば、アクセスできる位置にないもの)はさらに処理するためのデータをコントロール・センターに運ぶための要素を含んでもよい。モニタリング・サイトの設備の複雑さは、モニタリングされるチャネルの数およびタイプにより影響を受ける。
付加的な特徴
【0046】
前述のように、サイト・コントロール・モジュール36は、命令を通過させ、モニタリング・サイト22からの状況リポートを抽出するために使用される。それらはまた、寄せ集め器および抽出器のための正確なタイミング情報を与え、オーディオ・ログのオン・デマンドアップロードするための要求を扱う際に有用である。しかし、サイト・コントロール36とコントロール・センター18との間の通信リンクを通して達成される重要な多数の機能および特徴がある。特徴のひとつが、モニタリング・サイト22内にある、いろいろなソフトウエア要素をアップグレードする能力である。これには、前のソフトウエア・モジュールの完全置き換えまたは構造化可能なパラメータの選択および/または修正が含まれる。たとえば、モニタリング・サイト22は、付加的なタイプの透かし、たとえば付加的な透かしの層を検出するため、または特定の透かしの層の検出の際に使用されるパラメータを修正するために、遠隔地から構成することができる。受信器の故障の場合に予備受信器に切り換えること、モニターをするステーションの数の増減、搬送波周波数、変調タイプ、規模、RF減衰などのようなパラメータを調節することを遠隔地から行える。同様に、前述した「第一のパケットのリポート」は、寄せ集め器で行えるようにしてもよく、また行えないようにしてもよい。
【0047】
サイト・コントロール・モジュール36はまた、モニタリング・サイト22の全状況をモニタリングし、アラーム信号をコントロール・センター18に通信するという役目をもつ。これらのアラーム信号は、ソフトウエア、環境および通信システムの状況を示す、異なる機構により生成される。たとえば、モニタリング・サイト22の温度および湿度が常にモニターされ、所定の閾値を超えたときに、アラーム信号が生成される。モニタリング・サイト22の内部通信の状況もまた、故障や異常に対して、周期的に調べられる。無停電電源装置(UPS)が、サイトの停止を開始するためにアラームを生成する。他のアラームも、受信したオーディオ信号の質を評価するために生成される。たとえば、各モニタリング・サイト22において、入ってくる放送信号のRF出力が、許容範囲内に確かにあるように、連続して測定される。同様に、オーディオ・レベルが、所定の範囲内の値となるようにモニターされる。これらの測定は、透かしの測定の信頼性を予測するために使用できるオーディオ信号の質に関する価値ある情報を提供する。
信号対ノイズ比
【0048】
信号の質の標準的な測定は信号対ノイズ比である。モニタリング・サイト22は信号受信サイトにおいて、すべての入ってくるオーディオ信号に対するSNRを測定することができる。SNRを測定するひとつの方法は、オーディオ信号の出力の長期平均を、短期の最小オーディオ出力と比較することである。長期の平均は、信号にノイズが加わった出力の測定を示す。数十ミリ秒にわたって測定された短期の出力計算は典型的に、信号が存在しない期間を示し、したがってノイズの出力のみの比較となる。SNRは以下の式にから単純に計算することができる。
SNR=(長期間の出力−最小の短期間の出力)/(最小の短期間の出力)
【0049】
SNRを計算するための上記式は例示であり、限定するものではない。他のSNR計算技術も利用することができる。たとえば、変調のために使用されたパイロット信号が放送に含まれているときに、異なる方法が適用できる。これは、FMラジオやTV放送の場合で、パイロット信号が19KHz、15.75KHzのそれぞれで挿入されている。このような放送技術では、パイロット周波数付近の自然オーディオ成分は放送前に除去される。したがって、受信した信号の、パイロット信号の近傍で検出した信号はチャネルノイズの結果である。この場合、SNRを評価する方法は、パイロット信号の近傍における信号のパワーを、受信したオーディオ信号の全パワーレベルと比較するこの基づいている。
【0050】
計算されたSNR値を使用して、異なるオーディオ・ステーションの質を連続してモニターし、記録することは可能である。SNR異常に基づいて生成されたアラームは、たとえば平均信号RFおよびボリュームレベルの変化により生成されるアラームとともに、コントロール・センターの操作者が適切なアクションをとるように使用されてもよい。これらアームは、モニタリング・サイトの設備の故障、放送の干渉、または放送信号の質の悪さによる。本発明のモニタリング装置では、すべてのモニターされた放送チャネルが「チャネル・グルーミング」として知られる処理において、周期的にアクセスされる。これらの結果は、透かし検出成功率を予想し、改良するために使用することができる。さらに、各地理的な地位に対するチャネルの質の情報は、顧客および放送ステーションが共有できる。放送ステーションはこの情報を、たとえば或る場所および/または或る時間間隔の間、伝送出力を高めるために、使用することができる。
透かし証明
【0051】
本発明の埋め込まれたオーディオ透かしが実質的に不可聴で、オーディオ・クリップがそれを聞くことにより透かしを含むかどうかを識別することは実質的に不可能である。放送用のコンテントを埋め込む前で配給する前に透かしの存在を意図的に証明することは不可欠なことである。本モニタリング・システムの種々の実施例に関して前述したように、符号化チェーンの異なる所で証明を行うことができる。たとえば、コンテントを再度埋め込む前に、オーディオ部分が既に透かしを含むかどうかについて判定することは重要である。このタスクは、埋め込みエンジンの一部としての「統合した抽出器」でもって達成することができる。このように、埋め込むことは、透かしが検出されると、中止または中断されてもよい。基本的な構成では、コンテントを聞くことによりクリップを識別する間、適切なディスプレーまたはフラッグにより、透かしの存在、不存在を知らせることで十分である。しかし、より高度な応用例では、オーディオ・クリップの自動在庫調べのように、透かしに関連したメタデータをコントロール・センター18に運ぶことは必要なことである。データベースは透かしの状況を明瞭にすることができる。検出された透かしのいくつは、顧客サイトで実施される試験の結果、または、コンテントのラベル付けの単なる誤りであるかもしれない。このような場合、コントロール・センサー18は検出した透かしについていなかる情報ももたないか、またはオーディオの一区切りの正当なオーナーとして、顧客を正しく識別するかである。
【0052】
他の検出がコンテント内の付加的な透かしの存在によるかもしれない。前述したように、いくつかの透かしの層は異なる目的に対して同じオーディオ・コンテント内に挿入されるかもしれない。コントロール・センター18へとすべての検出をリポートすることにより、すべての埋め込まれたコンテントを、異なるコンテントのオーナーにより前に埋め込まれたものでさえ、追跡することができる。このようにして、たとえば、音楽部分の正当なオーナーが、その音楽がTVコマーシャルで使用されたとき、ロイヤルティーを集めることができる。異なる透かし層の検出は、開示したモニタリング・システム内の他の点で可能である。たとえば、端的にいえば、埋め込みに続く証明の段階で行ってもよく、または放送信号の受信後、モニタリング・サイトで行ってもよい。このことは、ひとつの透かし層を他のものにわたって埋め込むことは通常いずれの層も消し去ることはないことから可能である。しかし、ひとつ以上の層が減衰する。さらに、放送信号にともなる伝送チャネルノイズの存在下で、モニタリング・サイトにおいて、古い透かしの存在を、信頼性をもって検出することは困難である。このような場合、データベースにある情報は、すべての透かしの存在を証明するために使用することができる。
【0053】
オーディオの一区切りが放送のために配信される前に、妥当な透かしの存在を証明することも重要なことである。このことは、図2の「証明」44と記したブロックにより行われる。証明器の機能は、すべての埋め込まれた透かしの存在を検出し、リポートするために、オーディオの一区切りを通して調査することから、上記した、統合した抽出器に非常に類似する。スタンドアロン構成では、透かしの存在、不存在は適当なディスプレーまたはフラッグを使用して知らしめてもよい。相互接続性をもつ証明の体系では、検出された透かしは、コントロール・センター18へとリポートされ、妥当性が調べられる。
【0054】
付加的な透かしの存在はまた、リポートされログされてもよい。データベースと証明器との間の相互接続性は、二重の安全性をもつ証明技術を実施するために使用してもよい。この手順は、図8に示されている。プロセスは工程1、すなわちコンテント獲得100で、放送のための配信前にオーディオ・コンテントを獲得することにより、開始する。オーディオ・ビジュアル・コンテントの場合、オーディオ部分はビジュアル・コンテントおよび信号から分離されなければならない。そのオーディオ部分がアナログ形式のときは、それはデジタル形式に変換されなければならない。工程2、すなわち透かし検出12において、コンテントは透かしの存在について調べられる。工程3(104)において、工程2で透かしが検出されたかどうかに基づいて決定がなされる。埋め込まれた透かしが検出されないと、「拒否通知」106が発行される。この通知は、音または視覚的な警報であっても、シッピング手順をともなう物理的な干渉であってもよい。この物理的な相互作用の例は、短期間のものである。埋め込まれた透かしが検出されると、工程4、すなわちチェック・コントロール・センター108において、透かし情報がコントロール・センサー18へとも通信され、妥当性が調べられる。工程5(110)において、不当な透かしに対しては「拒否通知」106を、妥当な透かしに対しては「許可通知」112を発行するように決定がなされる。検出された透かしは、たとえば、データベースに整合するメタデータが見つからないとき(すなわち、孤立透かし)、または透かしが期限切れである場合、適切な埋め込みIDなどを含まないときに、不当であると宣言される。
【0055】
明らかに、上記システムのうまく動作させるためには、コンテントの埋め込みの際に、埋め込み器ログのアップロードを適宜必要とする。承認の知らせには、音または視覚的な合図、ならびに一層高度な、作業流れとの物理的な相互作用の態様がある。たとえば、証明システムは、承認知らせが発行されると、オーディオのファイル名がシッピング作業流れの仕様と一致するように変えられるように、セットされる。これに代え、またはさらに、承認のラベルが、コンテントの輸送のために使用されたディスクまたはテープにプリントされ、または貼付される。証明プロセスの複雑さおよび信頼性は、証明サイトで利用可能な資源、作業流れの手順に強く依存する。図6に示されたシステムの例では、上記二重の安全性をもつ証明システムが図2のシステムのような他のアーキテクチャーでは、計り知れないほど貴重な資源となるとともに、コストの面での実施可能なものとなる。
最適化された検出およびリポート
【0056】
開示したモニタリング・システムの特徴のひとつは、埋め込みが成功裏に完了したとき、種々の情報をコントロール・センター18へ転送することができることである。これは埋め込み器関連IDおよび透かし関連ID、ならびに「検出能メトリック」として一般的に参照される他のパラメータを含む。埋め込まれた透かしの堅牢さは特定のオーディオの一区切りの特徴に関連することから、埋め込まれた透かしのセットは、異なるオーディオの一区切り内に埋め込まれるならば、チャネルの歪みに対して異なる程度の回復性をもってもよい。各一区切りに対する埋め込み後、コントロール・センター18へと運ばれる検出能メトリクスは、コンテントの符号化のとき、埋め込みプロセスがどの程度うまくいっているかを示し、埋め込まれた透かしが、放送および受信の間、いろいろな程度の歪みやノイズを受けた後に、どの程度信頼性をもって検出することができたかを予見する。この情報は、検出の可能性を改良するために、埋め込み強度を高めるように決定できるシステムの使用者に提供される。これに代えまたはこれに加え、検出能は、或る埋め込まれたコンテントが、モニタリング・サイトで検出されなかった理由を診断するために使用される。検出能メトリックスおよびSNR測定が、検出の可能性を改良するためにどのように組み合わせることができるかを下述する。
【0057】
埋め込みの後、コントロール・センター18へ中継して伝えられる他の情報の間に、埋め込みがあった一区切りの正確な存続期間がある。このように、透かしが抽出されたとき、元々のクリップが放送のために短縮されていたかを検出することが可能となる。オーディオ・クリップが無音(silence)(典型的にクリップの間の分離手段であるが、時にはオーディオ信号がなく、ビデオ信号を存在させることによるときもある)とともに開始および/または終了することに注意されたい。埋め込みの間、最初の無音間隔は、自動的に検出され、スキップされる。埋め込みは、オーディオ信号が存在するときにのみ開始する。この特徴は特に、短いクリップ(最初の埋め込みされた透かしの最初の部分が不明になると全体的に検出能の影響を与える。)の検出に役立つ。このようなクリップの間隔情報は透かしの検出から得られた情報と、データベースにある期間情報とを結びつけることにより正確に決定することができる。
【0058】
透かしの強度、ディザー・アルゴリズム、透かしの強度を調節するための音響心理のモデルのようなユーザーが選択可能なパラメータにより、ユーザーは、透かしの透明性および/または検出能を全体として制御することができる。これらパラメータは、メタデータ内に含まれ、続いて、データベース38に転送され、埋め込み器ログとして記憶される。埋め込みログ情報は、リポートプロセスを最適にするために使用することができる。たとえば、弱い透かしが処理されると、良い信号の質をもつチャネルのみがリポートされ、強い透かしが処理されると、その上最低限のチャネルも含められ得る。
動的復号化
【0059】
たとえば、SNR値、ビット誤り率(BER)などのチャネルの質のパラメータの知識と組み合わされた、検出前の透かし質の知識は、「動的復号化」技術を実行するために使用することができる。開示されたモニタリング・システムにおいて、透かしの抽出の間、使用される誤り訂正およびパケット検出計画についていくつかのレベルがある。ひとつのレベルでは、たとえばリード・ソロモンおよびBCHコードといった周知の誤り訂正は、誤りのある透かしビットを検出して、続いてそれらを訂正するために使用される。誤り訂正能は、抽出されたビットに、0および1を確率論的に割り当てることにより改善できる。この技術はまた、ソフト決定復号化として知られている。また、異なる復号化レベルでは、ひとつの透かしパケットがうまく検出されると、弁論(forensic)技術が、未来および過去の透かしのパケットの存在、不存在を予見するために使用される。さらに、本システムでの透かしが重複して符号化されることから、平均化技術が検出の可能性を改善するために使用されてもよい。
【0060】
誤りのない通信チャネル(透かしの完全な埋め込み、送受信が達成される)では、このような誤り訂正および検出技術は不要である。しかし、すべての場合、チャネルのノイズの量に依存して、上記技術のひとつ以上が必要となる。このような場合、或るパラメータおよび閾値は、検出を最大にする一方で、誤り透かしの検出の可能性を最小にするために、選択されなければならない。これらのパラメータの例としては、限定的ではないが、リード・ソロモン復号器により訂正される誤りの最大数、「ソフト」ビットに割り当てられる確率論的なレベルの数および閾値、平均化技術を実行するために集める必要のあるパケットの最小数、弁論閾値のための閾値などがある。これらのパラメータはさらに、特定の送信/埋め込みチャンネルの質にしたがって動的に最適化され得る。動的な復号化技術(最も単純な態様で)は、チャネルの質を異ならせるため、すなわち異なるSNR値に対して、異なるセットの復号化パラメータをもつようにする。さらに高度なシステムは、少なくともひとつのパケットを復号化し、データベースを調査し、その一区切りに対する検出能メトリクを得ること、およびチャネルの質と検出能との組み合わせに基づいて、多少積極的な復号化パラメータをセットすることに関する。たとえば、限定的ではないが、異なるチャネルの質および検出能レベルに対する復号器のセッティングが以下の表1に示されている。
【表1】

【0061】
表1では二つのレベルの検出能およびチャネルの質のみ(良または不良)が示されているが、これらのパラメータはふたつのレベル以上にクラス分けしてもよく、この場合より多くの復号化のセッティングが必要となる。
リアルタイム対ファイルモード埋め込み
【0062】
前述したように、埋め込み器は、ソフトウエア、ハードウエア、またはこれらの組み合わせを使用して実施される。さらに、埋め込み器は、図2,図5、および図6で記述された配給チェーン内のいろいろな位置で使用することができる。応用例に依存して、位置、利用可能な資源および作業流れ、埋め込みはリアルタイムまたはファイルモードでなされる。ファイルモードの実施では、オーディオ透かしが、遅延または同期の問題に対して配慮することなくオーディオ・ファイルに埋め込まれる。埋め込みは、一度にひとつのファイルに、または「バッチ処理」といわれている一連のファイルについてなされ得る。
【0063】
リアルタイムの応用例は、ライブまたはストリーミングイベントおよび応用例
(ひとつの記憶媒体から他のものへコンテントを転送する間、埋め込みが行われる)の埋め込みを含む。後者は、テープ対テープ、サーバー対テープ、サーバー対ディスク、テープ対ディスク、記憶されたオーディオまたはオーディオ・ビジュアル情報の他の転送を含む。リアルタイムの符号化器の挑戦的な作業は、オーディオ透かしを埋め込むとともに、入力信号のオーディオ部分とビデオ部分との間の同期を維持することである。図9はアナログのビデオ・ビジュアル入力信号に対する模範的なリアルタイム符号化システムのブロック図を示す。図にしたがって、マルチメディア成分が、オーディオ−ビジュアル分離器120で分離されたあと、アナログ・オーディオ信号はA/Dコンバーター122でデジタル化され、オーディオ透かし埋め込み器124で埋め込まれ、D/Aコンバータ126でアナログ形式に戻され、その間ビデオ部分は、ビデオ遅延ブロック128で待機する。つぎに、埋め込みにあったオーディオ部分はオーディオ・ビデオ組み合わせ器130で対応するビデオ信号で組み合わされ、処理および/または伝送のために利用可能となっている。図9に図示のビデオ遅延ブロック128は、システムに固定したパイプライン遅延を収容し、適切なオーディオ・ビデオ同期を確実にする。これらの遅延は、内部および/または外部負荷およびオーディオ・データの転送により、典型的に数ビデオフレームのビデオ遅延バッファで十分である。図9のリアルタイム透かしエンジンは、対応するビデオフレームとの同期を維持するのに十分に速いレートで、入ってくるオーディオ信号を処理する必要がある。NTSC符号化したビデオにおいて、フレームは約33ミリ秒だけ分離し、たとえばひとつのフレーム持続期間の十分の一内に同期を維持することが望ましい。今日のマイクロプロセッサでは、ソフトウエア・モジュールを全体的に使用してこのようなエンジンを実施することが可能である。しかし、さらに埋め込み特徴および/または処理工程が付加されると、全体または部分的なハードウエアの実施を利用してリアルタイムな埋め込みを行うことは好ましい。
【0064】
図9のシステムを種々に変形することも可能である。たとえば、すべてのデジタル・システムにおいて、A/DおよびD/A変換が必要であるが、圧縮された入力信号を処理するためには必要である。このようなシステムにおいて、入力オーディオおよび/またはビデオ信号は圧縮が解かれ、オーディオ透かしの埋め込みがなされ、元の圧縮形式に変換される。入力信号のオーディオおよびビデオ部分が互いに完全に分離している他のシステムでは、図9に示されているオーディオ・ビデオ分離器120および組み合わせ130モジュールは不用である。また、他のシステムでは、時間コードのような情報を含むメタデータ・ストリームを、オーディオおよびビデオ信号が含む。このようなシステムでは、オーディオ、ビデオおよびメタデータ・ストリームが分離される必要があるばかりでなく、同期も多重ストリームの間で、維持されなければならない。最後に、バッチ処理も、新しいクリップが始まり、終了するときに、埋め込み時刻リストを与えることにより、リアルタイム埋め込みシステムにおいて可能となる。
ローカル、地域および国でのモニタリング
【0065】
開示されたモニタリング・システムが地理的に広範囲に与えられると、ローカル、地域および国レベルでのモニタリングを行うことが可能である。この特徴はラジオおよびTVコマーシャル(ここでは、ローカルメディア配給者は、国レベルの広告をローカルな広告に取り替えてもよく、取り替えなくともよい)をモニタリングするために特に有用である。このような取り替えは規則的なスケジュールに基づいてなされないことから、コンテントのオーナーは、プログラムの一区切りがいつ、どこで、どのように放送されるかを正確に知ることは重要である。本発明の衛星、ケーブル、インターネットのモニタリングを使用して、このような詳細なリポートが顧客に与えることが可能である。検出結果は、コントロール・センター18に集められ、各広告者に対して適切な情報を生成するために処理される。
重複モニタリング
【0066】
本発明のモニタリング能力は、受信器の余剰なネットワークを利用することにより高めることができる。余剰なモニタリングはいくつかの方法で達成される。多数の受信器は、モニタリング・サイトの間の地理的な重なり合いにために、同じステーションをモニターすることができる。さらに、無線、ローカルおよび国レベルのケーブル放送チャネルのような異なるタイプのチャネルにより同時に同じコンテントをモニターすることができる。検出の信頼性の回線および/またはトラブル解決の目的で、同じステーションに、異なるチャネルのタイプの多数の受信器を計画的に同調することが可能である。余剰のモニタリングは検出されたクリップに対して生成されたタイミング情報の精度を改善するために仕様することができる。このような情報は、たとえば、コマーシャルを特定のショーに結びつけるために使用することができる。
チャネルの質の評価
【0067】
上記のように、受信されたRF信号、ボリュームレベル、他の信号レベルの質は、モニタリング・サイトでモニターすることができる。さらに、個々のチャネルに対応するSNR値はモニタリング・システムを介して入ってくる信号に対して連続して計算することができる。上記パラメータは、透かしが埋め込まれたコンテントの存否にかかわらず、評価することができる。さらに、チャネルの質の評価のために、検出された透かしを使用することもできる。たとえば、放送コンテントが検出された透かしの持続期間を測定することにより時間圧縮を受けたかどうか決定することができる。人的な時間の圧縮は、準標準的な設備によりコンテントの通常の処理により生じ、または付加的な宣伝のために場所を作るために、無節操な放送ステーションにより計画的に処理された結果で生ずる。それにもかかわらず、可能なチャネルの障害を知ることは顧客にとって重要である。同様に、典型的に、アナログテープ・プレーヤー、および放送チャネル内のノイズの量(ビット誤りレートを測定することにより)に関連した、ワウフラッタを測定することが可能である。周波数領域での検出された透かしの質を分析すること、および各周波数帯域における透かしへのダメージの内容やタイプを評価することは、バンドパスフィルターおよび圧縮のような周波数領域の障害について明瞭に役に立つ。チャネルの質に関する情報は、関心のある顧客および放送ステーションに提供することができる。それらは、特定のチャネルにおける信頼性の尺度を与える。
ネットワーク識別
【0068】
本モニタリング・システムに配置された透かしプレーヤーのひとつが、時間と番組(ネットワーク加盟ローカルステーションはネットワークの放送信号を伝えている)を識別し、モニターするために、ラジオおよびテレビネットアークにより使用される。情報は整合性を測定し、証明するためにネットワークにとっては重要である。コンテントがローカルまたは地域ステーションのように、ネットワークに配給される場合、この能力は、異なる資源を区別することができる。リアルタイムの埋め込み器は、すべてのコンテントへの確実な埋め込みが容易となるようにネットワークに配置されてもよい。
国際的な配置
【0069】
放送モニタリング・ネットワークはまた、ひとつの国で符号化されたコンテントを、その国で、またはモニタリング装置が利用できる他の国で検出できるように、国際的に展開することができる。両立性を維持する目的で、一組の設計制約が種々のサブシステム・ブロックのために定義される。これらの制約は二つのカテゴリーに分類することができる。第一のカテゴリーはシステムの物理層および論理層を含み、第二のカテゴリーはメタデータと検出データの交換を扱うためにもっと有する。これらの制約は、限定的ではないが、基礎的な透かし技術を規定する中心則の定義、放送モニタリング・システム、異なる国のシステムの間の適切なダイアログを保証する最小のセットのデータフィールドにどのように適用されるかを含む。
コンテント追跡
【0070】
放送のモニタリングはまた、コンテントが公開の場合のみ、効果の前に試写のためにマークを付けておく場合に、コンテントの無許可な放送であることを明らかにする。このようなコンテントのメタデータについての規則は、放送されたコピーを追跡することを可能にする。
他の応用例
【0071】
本発明のモニタリングおよびデータ収集能力を他の方法で利用することができる。このような応用例のひとつは、多くの人たちが、放送の正確な瞬間に、ラジオおよびテレビコマーシャルに特別の注意を払わないという事実に基づいている。また、かれらが特定のサービスや商品を探しているとき、かれらは特別のプロモーションやディスカウントに関心を払うようになる。開示のモニタリング・システムの利点は、放送のコマーシャルの時間的、地理的な位置に正確な知識を持ち続けているということである。それは、記憶されたオーディオ・ログに直接アクセスすることにより、これらのコマーシャルを再生する能力をもまた有している。さらに、コンテント、たとえば電話番号やインターネットリンクについて情報が各コンテントに対して埋め込み器ログ内に含まれているならば、コントロール・センター・データベース38は関心をもつ顧客にこのような情報を与えることができる。本モニタリング・システムのこれらの特徴により、適切な候補が地理上の位置に基づいて対象の視聴者に対して、直接の広告の二次ソースとなる。たとえば、車の購入に関心のあるひとが、本システムを利用して、数日間、特定の領域に放送された、車に関する広告、プロモーション、ディスカウントのリストを得る。さらに、本システムは、関心のある顧客にコマーシャルの再生/再印刷を行うことができる。実際、本システムは、直ちに活用することができる放送されたコマーシャルの貯蔵部となる。
【0072】
このシステムへのアクセスはいろいろある。システムへの接続性は、種々の手段(インターネット接続、携帯電話、接続性をもつPDA、接続性をもつTV、携帯接続性をもつカーラジオ、接続性のあるGPSカーナビシステムなどがある)により使用することができる。本システムの実行性は、アクセスや処理デマンドに対処できるように、システムの資源の拡張を必要とする。またそれは、記憶された宣伝のデータベースに十分な多様性を与えるために、放送コンテントの大きな基部を必要とする。
【0073】
顧客に対して利用可能な装置の能力、入口ポートに基づいて、コマーシャルは、完全に再生でき、または端的な方法(たとえば、wwwアドレス、電話番号など)で参照できる。ユーザーインターフェースはまた、ソートおよびサーチ機能をもち、コマーシャルがユーザーの好みにあるように作られた所定の基準を満たすとき、自動的にユーザーに知らせることもできる。他の能力は、テキスト形式(たとえば、音声テキストソフトウエアにより、オーディオ・ログをテキストに変換する)でコマーシャルを印刷し、電話番号を自動でかけ、GPSナビシステムに、広告者地位をマッピングし、または商品を購入することである。
【0074】
上記システムの利点のひとつは、コマーシャルがひとつの媒体で放送することののみに必要であるが、コマーシャルがシステムの貯蔵部にアクセスする広範囲な視聴者に対して利用可能となっている点である。さらに、拡張は印刷メディアコマーシャルをシステムに含めることを必要とし、すべてのローカル印刷媒体に対するメタデータはローカル・モニタリング・ステーションにまたは直接コントロール・センターへのルートがきめられる。
【0075】
上記説明から明らかなように、本発明の特定の態様は図示の実施例に限定されず、したがって、他の修正や応用例が当業者であればなし得る。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は一般的なモニタリングをするネットワークの連結枠組みを示す。
【図2】図2はモニタリング・システムの好適実施例の詳細なブロック図である。
【図3】図3は本発明にしたがった符号化プロセスの順を追った説明である。
【図4】図4は本発明にしたがった抽出プロセスの順を追った説明である。
【図5】図5は図2のシステムの他の第一の実施例を示す。
【図6】図6は図2のシステムの他の第二の実施例を示す。
【図7】図7は図2のシステムの他の第三の実施例を示す。
【図8】図8は二重安全証明プロセスの順を追った説明である。
【図9】図9はリアルタイムの埋め込みプロセスを示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送マルチメディア・コンテントをモニタリングする方法であって、
(a) マルチメディア・ソース・コンテントを受信する工程と、
(b) ソース・コンテントに関連した識別情報を生成する工程と、
(c) 前記識別情報を前記マルチメディア・ソース・コンテントのオーディオ成分に感知されずにかつ繰り返して埋め込む工程と、
(d) 前記識別情報を中央貯蔵部に転送する工程と、
(e) 埋め込みがされたマルチメディアをひとつ以上の放送ネットワークを介して伝送する工程と、
を含む方法。
【請求項2】
さらに、
(f) 伝送されたマルチメディア・コンテントを受信する工程と、
(g) 識別情報を抽出するために、前記受信したマルチメディア・コンテントを処理する工程と、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
検出能メトリクスが、前記埋め込み工程の成功を評価することにより形成され、検出能メトリクスは識別情報とともに、中央貯蔵部へと転送される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
識別情報の抽出が多数の送信チャネルの障害の存在下で行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記埋め込み工程が時間領域で繰り返される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記埋め込み工程が異なる周波数で繰り返される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記埋め込み工程が時間および周波数領域の両方で繰り返される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
埋め込まれた情報の多数のコピーがマルチメディア・モニタリングの信頼性を改善するために抽出される、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
埋め込まれた情報の多数のコピーが、識別情報が埋め込まれたマルチメディア・コンテントの持続期間を見積もるために抽出される、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記多重のコピーが、ひとつの伝送チャネルから受信したマルチメディア・コンテントから抽出される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記多数のコピーが、複数の伝送チャネルから受信したマルチメディア・コンテントから抽出される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記多数のコピーが受信器の余剰ネットワークを使用して抽出される、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記余剰の受信器が、地理上の別々の位置に配置される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
埋め込みされたマルチメディア・コンテントが少なくともひとつの地上放送チャネルにわたって伝送される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
埋め込みされたマルチメディア・コンテントが少なくともひとつのインターネット放送チャネルにわたって伝送される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
埋め込みされたマルチメディア・コンテントが少なくともひとつのケーブル放送チャネルにわたって伝送される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
埋め込みされたマルチメディア・コンテントが少なくともひとつの衛星放送チャネルにわって伝送される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記抽出された識別情報が、
(i) 放送広告コンテント、
(ii) 放送音楽コンテント、
(iii) 放送テレビまたはラジオ番組コンテント、
の少なくともひとつを識別するために使用される、請求項2に記載の方法。
【請求項19】
埋め込まれた情報のコピーが、伝送されたマルチメディア・コンテントから抽出され、
抽出されたコピーの間の間隔が、連続する符号化されたマルチメディア・クリップの境界を見積もるために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
伝送されたマルチメディア・コンテントが受信され、
モニタリングの有効性が、受信した伝送または伝送チャネルの少なくともひとつの質の尺度を与えるために、受信したチャネルの特徴を測定することにより高められる、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記受信した伝送チャネルの特徴が、信号対ノイズ比(SNR)および脱落したパケット率の少なくともひとつからなる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
検出能メトリクスが、検出リポートの信頼性を改善するために、モニタリング・サイトで使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
検出能メトリクスおよび測定された伝送チャネルの特徴が、マルチメディア・モニタリングの信頼性を改善するために、モニタリング・サイトで使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記受信した伝送チャネルの特徴が、信号対ノイズ比(SNR)および脱落したパケット率の少なくともひとつからなる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
識別情報が、検出能メトリクスに基づいて修正された埋め込み強度とともに再度埋め込み可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
伝送チャネルにある障害のタイプおよび内容が、前記チャネルで運ばれた、埋め込みされたマルチメディア・コンテントから抽出された情報の質に基づいて識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記埋め込みされたマルチメディア・コンテントの複合伝送の多数の原点が区別される、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記多数の原点が、
(i) ネットワークを構成したテレビ放送のローカル放送の一区切り、
(ii) ネットワークを構成したテレビ放送の地域放送の一区切り、
(iii) ネットワークを構成したテレビ放送の国内放送の一区切り、
(iv) インターネット・ストリームにおいて、間に挿入された広告
の少なくともひとつからなる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
工程(f)のマルチメディア・コンテントの伝送前に、マルチメディア・コンテントが妥当な透かしの存在について調べられる、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
埋め込まれた透かしの妥当性が、埋め込まれた識別情報をデータベースにある情報に対して証明することにより確かめられる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
放送マルチメディア・コンテントをモニタリングするシステムであって、
(a) マルチメディア・ソース・コンテントを受信する受信器と、
b) ソース・コンテントに関連した識別情報を生成する識別情報生成手段と、
(c) 前記識別情報で前記マルチメディア・ソース・コンテントのオーディオ成分に感知されずにかつ繰り返して埋め込む埋め込み器と、
(d) 前記識別情報を中央貯蔵部に転送する転送手段と、
(e) 埋め込みがされたマルチメディアをひとつ以上の放送ネットワークを介して放送する伝送器と、
・ 前記放送されたマルチメディア・コンテントを受信する受信手段と、
(g) 識別情報を抽出するために、受信した放送マルチメディア・コンテントを処理するプロセッサと、
を含むマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項32】
前記埋め込みの成功を評価することにより検出能メトリクスを形成する透かし評価手段と、前記検出能メトリクスを前記識別情報とともに、中央貯蔵部に転送する転送手段と、さらに含む、マルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項33】
埋め込まれた情報の抽出が多数の送信チャネルの傷害の存在下で行われる、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項34】
前記埋め込みが時間領域で繰り返される、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項35】
前記埋め込みが異なる周波数で繰り返される、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項36】
前記埋め込みが時間および周波数領域の両方で繰り返される、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項37】
埋め込まれた情報の多数のコピーがマルチメディア・モニタリングの信頼性を改善するために抽出される、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項38】
埋め込まれた情報の多数のコピーが、識別情報が埋め込まれたマルチメディア・コンテントの持続期間を見積もるために抽出される、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項39】
前記多数のコピーが、ひとつの伝送チャネルから受信したマルチメディア・コンテントから抽出される、請求項38に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項40】
前記多重のコピーが、複数の伝送チャネルから受信したマルチメディア・コンテントから抽出される、請求項38に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項41】
前記多重のコピーが受信器の余剰ネットワークを使用して抽出される、請求項338に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項42】
前記余剰の受信器が、地理上の別々の位置に配置される、請求項41に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項43】
放送マルチメディア・コンテントのための少なくともひとつの伝送チャネルが地上放送チャネルである、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項44】
放送マルチメディア・コンテントのための少なくともひとつの伝送チャネルがインターネット放送チャネルである、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項45】
マルチメディア・コンテントのための少なくともひとつの伝送チャネルが、ケーブル放送チャネルである、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項46】
マルチメディア・コンテントのための少なくともひとつの伝送チャネルが、衛星放送チャネルである、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項47】
前記抽出された識別情報が、
(i) 放送広告コンテント、
(ii) 放送音楽コンテント、
(iii) 放送テレビまたはラジオ番組コンテント、
の少なくともひとつを識別するために使用される、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項48】
埋め込まれた情報の抽出されたコピーの間の間隔が、連続する符号化されたマルチメディア・クリップの境界を見積もるために使用される、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項49】
モニタリングの有効性が、受信した伝送または伝送チャネルの少なくともひとつの質の尺度を与えるために、受信したチャネルの特徴を測定することにより高められる、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項50】
前記チャネルの特徴が、信号対ノイズ比(SNR)および脱落したパケット率の少なくともひとつからなる、請求項49に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項51】
検出能メトリクスが、検出リポートの信頼性を改善するために、モニタリング・サイトで使用される、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項52】
検出能メトリクスおよび測定された伝送チャネルの特徴が、マルチメディア・モニタリングの信頼性を改善するために、モニタリング・サイトで使用される、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項53】
識別情報が、検出能メトリクスに基づいて修正された埋め込み強度とともに再度埋め込み可能である、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項54】
放送マルチメディア・コンテントのための伝送チャネルにある障害のタイプおよび内容が、埋め込みされたマルチメディア・コンテントから抽出された情報の質に基づいて識別される、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項55】
前記埋め込みされたマルチメディア・コンテントの複合伝送の多数の原点が区別される、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項56】
前記多数の原点が、
(i) ネットワークを構成したテレビ放送のローカル放送の一区切り、
(ii) ネットワークを構成したテレビ放送の地域放送の一区切り、
(iii) ネットワークを構成したテレビ放送の国内放送の一区切り、
(iv) インターネット・ストリームにおいて、間に挿入された広告
の少なくともひとつからなる、請求項55に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項57】
工程(f)のマルチメディア・コンテントの伝送前に、マルチメディア・コンテントが妥当な透かしの存在について調べられる、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項58】
埋め込まれた透かしの妥当性が、埋め込まれた識別情報をデータベースにある情報に対して証明することにより確かめられる、請求項57に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項59】
識別情報をマルチメディア・コンテントのオーディオ成分にリアルタイムで埋め込む方法であって、
オーディオ成分を前記コンテントのビデオ成分から分離する工程と、
オーディオ成分に、識別情報を感知されずにかつ繰り返して埋め込む工程と、
ビデオフレームと対応するオーディオ成分との間の同期が維持されるように、ビデオ成分と埋め込まれたオーディオ成分とを組み合わせる工程と、
含む方法。
【請求項60】
前記オーディオ成分がアナログ形式で、埋め込み前にデジタル形式に変換され、前記埋め込みの後に、アナログ形式に戻される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
多数のオーディオ成分が埋め込まれる、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
識別情報をマルチメディア・コンテントのオーディオ成分にリアルタイムで埋め込む装置であって、
前記コンテントのオーディオ成分とビデオ成分を分離するオーディオ・ビデオ分離器と、
オーディオ成分に、識別情報を感知されずにかつ繰り返して埋め込むオーディオ透かし埋め込み器と、
ビデオフレームと対応するオーディオ成分との間の同期が維持されるように、ビデオ成分と埋め込まれたオーディオ成分とを組み合わせるオーディオ・ビデオ組み合わせ器と、
含む装置。
【請求項63】
アナログ・デジタル変換器が、埋め込み前に前記オーディオ成分をデジタル形式に変換するために使用され、デジタル・アナログ変換器が、前記埋め込みの後にオーディオ成分をアナログ形式に戻すために使用される、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
多数のオーディオ成分が埋め込まれる、請求項62に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送マルチメディア・コンテントをモニタリングする方法であって、
(a) マルチメディア・ソース・コンテントを受信する工程と、
(b) ソース・コンテントに関連した識別情報を生成する工程と、
(c) 前記識別情報を前記マルチメディア・ソース・コンテントのオーディオ成分に感知されずにかつ繰り返して埋め込む工程と、
(d) 前記識別情報を中央貯蔵部に転送する工程と、
(e) 埋め込みがされたマルチメディア・コンテントをひとつ以上の放送ネットワークを介して伝送する工程と、
を含む方法。
【請求項2】
さらに、
(f) 伝送されたマルチメディア・コンテントを受信する工程と、
(g) 識別情報を抽出するために、前記受信したマルチメディア・コンテントを処理する工程と、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
検出能メトリクスが、前記埋め込み工程の成功を評価することにより形成され、検出能メトリクスは識別情報とともに、中央貯蔵部へと転送される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
識別情報の抽出が多数の送信チャネルの障害の存在下で行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記埋め込み工程が時間領域で繰り返される、請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記埋め込み工程が異なる周波数で繰り返される、請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記埋め込み工程が時間および周波数領域の両方で繰り返される、請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
埋め込まれた情報の多数のコピーがマルチメディア・モニタリングの信頼性を改良するために抽出される、請求項2または4に記載の方法。
【請求項9】
埋め込まれた情報の多数のコピーが、識別情報が埋め込まれたマルチメディア・コンテントの持続期間を見積もるために抽出される、請求項2または4に記載の方法。
【請求項10】
前記多数のコピーが、ひとつの伝送チャネルから受信したマルチメディア・コンテントから抽出される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記多数のコピーが、複数の伝送チャネルから受信したマルチメディア・コンテントから抽出される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項12】
前記多数のコピーが受信器の余剰ネットワークを使用して抽出される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項13】
前記余剰の受信器が、地理上の別々の位置に配置される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
埋め込みされたマルチメディア・コンテントが少なくともひとつの地上放送チャネルにわたって伝送される、請求項1ないし13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
埋め込みされたマルチメディア・コンテントが少なくともひとつのインターネット放送チャネルにわたって伝送される、請求項1ないし14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
埋め込みされたマルチメディア・コンテントが少なくともひとつのケーブル放送チャネルにわたって伝送される、請求項1ないし15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
埋め込みされたマルチメディア・コンテントが少なくともひとつの衛星放送チャネルにわって伝送される、請求項1ないし16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記抽出された識別情報が、
(i) 放送広告コンテント、
(ii) 放送音楽コンテント、
(iii) 放送テレビまたはラジオ番組コンテント、
の少なくともひとつを識別するために使用される、請求項2または4に記載の方法。
【請求項19】
埋め込まれた情報のコピーが、伝送されたマルチメディア・コンテントから抽出され、
抽出されたコピーの間の間隔が、連続する符号化されたマルチメディア・クリップの境界を見積もるために使用される、請求項1ないし18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
伝送されたマルチメディア・コンテントが受信され、
モニタリングの有効性が、受信した伝送または伝送チャネルの少なくともひとつの質の尺度を与えるために、受信したチャネルの特徴を測定することにより高められる、請求項1ないし19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記受信した伝送チャネルの特徴が、信号対ノイズ比(SNR)および脱落したパケットレートの少なくともひとつからなる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
検出能メトリクスが、検出リポートの信頼性を改良するために、モニタリング・サイトで使用される、請求項1ないし21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
検出能メトリクスおよび測定された伝送チャネルの特徴が、マルチメディア・モニタリングの信頼性を改良するために、モニタリング・サイトで使用される、請求項1ないし21のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記受信した伝送チャネルの特徴が、信号対ノイズ比(SNR)および脱落したパケットレートの少なくともひとつからなる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
識別情報が、検出能メトリクスに基づいて修正された埋め込み強度とともに再度埋め込み可能である、請求項1ないし24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
伝送チャネルにある障害のタイプおよび内容が、前記チャネルで運ばれた、埋め込みされたマルチメディア・コンテントから抽出された情報の質に基づいて識別される、請求項1ないし25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記埋め込みされたマルチメディア・コンテントの複合伝送の多数の原点が区別される、請求項1ないし26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記多数の原点が、
(i) ネットワークを構成したテレビ放送のローカル放送の一区切り、
(ii) ネットワークを構成したテレビ放送の地域放送の一区切り、
(iii) ネットワークを構成したテレビ放送の国内放送の一区切り、
(iv) インターネット・ストリームにおいて、間に挿入された広告
の少なくともひとつからなる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
工程(f)のマルチメディア・コンテントの伝送前に、マルチメディア・コンテントが妥当な透かしの存在について調べられる、請求項に記載の方法。
【請求項30】
埋め込まれた透かしの妥当性が、埋め込まれた識別情報をデータベースにある情報に対して証明することにより確かめられる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
放送マルチメディア・コンテントをモニタリングするシステムであって、
(a) マルチメディア・ソース・コンテントを受信する受信器と、
b) ソース・コンテントに関連した識別情報を生成する識別情報生成手段と、
(c) 前記識別情報前記マルチメディア・ソース・コンテントのオーディオ成分に感知されずにかつ繰り返して埋め込む埋め込み器と、
(d) 前記識別情報を中央貯蔵部に転送する転送手段と、
(e) 埋め込みがされたマルチメディア・コンテントをひとつ以上の放送ネットワークを介して放送する伝送器と、
・ 前記放送されたマルチメディア・コンテントを受信する受信手段と、
(g) 識別情報を抽出するために、受信した放送マルチメディア・コンテントを処理するプロセッサと、
を含むマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項32】
前記埋め込みの成功を評価することにより検出能メトリクスを形成する透かし評価手段と、前記検出能メトリクスを前記識別情報とともに、中央貯蔵部に転送する転送手段と、さらに含む、請求項31に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項33】
埋め込まれた情報の抽出が多数の送信チャネルの傷害の存在下で行われる、請求項31または32に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項34】
前記埋め込みが時間領域で繰り返される、請求項31ないし33のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項35】
前記埋め込みが異なる周波数で繰り返される、請求項31ないし33のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項36】
前記埋め込みが時間および周波数領域の両方で繰り返される、請求項31ないし33のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項37】
埋め込まれた情報の多数のコピーがマルチメディア・モニタリングの信頼性を改良するために抽出される、請求項31ないし36のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項38】
埋め込まれた情報の多数のコピーが、識別情報が埋め込まれたマルチメディア・コンテントの持続期間を見積もるために抽出される、請求項31ないし37のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項39】
前記多数のコピーが、ひとつの伝送チャネルから受信したマルチメディア・コンテントから抽出される、請求項38に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項40】
前記多数のコピーが、複数の伝送チャネルから受信したマルチメディア・コンテントから抽出される、請求項38に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項41】
前記多数のコピーが受信器の余剰ネットワークを使用して抽出される、請求項38に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項42】
前記余剰の受信器が、地理上の別々の位置に配置される、請求項41に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項43】
放送マルチメディア・コンテントのための少なくともひとつの伝送チャネルが地上放送チャネルである、請求項31ないし42のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項44】
放送マルチメディア・コンテントのための少なくともひとつの伝送チャネルがインターネット放送チャネルである、請求項31ないし43のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項45】
マルチメディア・コンテントのための少なくともひとつの伝送チャネルが、ケーブル放送チャネルである、請求項31ないし44のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項46】
マルチメディア・コンテントのための少なくともひとつの伝送チャネルが、衛星放送チャネルである、請求項31ないし45のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項47】
前記抽出された識別情報が、
(i) 放送広告コンテント、
(ii) 放送音楽コンテント、
(iii) 放送テレビまたはラジオ番組コンテント、
の少なくともひとつを識別するために使用される、請求項31ないし46のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項48】
埋め込まれた情報の抽出されたコピーの間の間隔が、連続する符号化されたマルチメディア・クリップの境界を見積もるために使用される、請求項31ないし47のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項49】
モニタリングの有効性が、受信した伝送または伝送チャネルの少なくともひとつの質の尺度を与えるために、受信したチャネルの特徴を測定することにより高められる、請求項31ないし48のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項50】
前記チャネルの特徴が、信号対ノイズ比(SNR)および脱落したパケットレートの少なくともひとつからなる、請求項49に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項51】
検出能メトリクスが、検出リポートの信頼性を改良するために、モニタリング・サイトで使用される、請求項31ないし50のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項52】
検出能メトリクスおよび測定された伝送チャネルの特徴が、マルチメディア・モニタリングの信頼性を改良するために、モニタリング・サイトで使用される、請求項31ないし50のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項53】
識別情報が、検出能メトリクスに基づいて修正された埋め込み強度とともに再度埋め込み可能である、請求項31ないし52のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項54】
放送マルチメディア・コンテントのための伝送チャネルにある障害のタイプおよび内容が、埋め込みされたマルチメディア・コンテントから抽出された情報の質に基づいて識別される、請求項31ないし53のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項55】
前記埋め込みされたマルチメディア・コンテントの複合伝送の多数の原点が区別される、請求項31ないし54のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項56】
前記多数の原点が、
(i) ネットワークを構成したテレビ放送のローカル放送の一区切り、
(ii) ネットワークを構成したテレビ放送の地域放送の一区切り、
(iii) ネットワークを構成したテレビ放送の国内放送の一区切り、
(iv) インターネット・ストリームにおいて、間に挿入された広告
の少なくともひとつからなる、請求項55に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項57】
工程(f)のマルチメディア・コンテントの伝送前に、マルチメディア・コンテントが妥当な透かしの存在について調べられる、請求項31ないし56のいずれかに記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項58】
埋め込まれた透かしの妥当性が、埋め込まれた識別情報をデータベースにある情報に対して証明することにより確かめられる、請求項57に記載のマルチメディア・モニタリングシステム。
【請求項59】
識別情報をマルチメディア・コンテントのオーディオ成分にリアルタイムで埋め込む方法であって、
オーディオ成分を前記コンテントのビデオ成分から分離する工程と、
オーディオ成分に、識別情報を感知されずにかつ繰り返して埋め込む工程と、
ビデオフレームと対応するオーディオ成分との間の同期が維持されるように、ビデオ成分と埋め込まれたオーディオ成分とを組み合わせる工程と、
含む方法。
【請求項60】
前記オーディオ成分がアナログ形式で、埋め込み前にデジタル形式に変換され、前記埋め込みの後に、アナログ形式に戻される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
多数のオーディオ成分が埋め込まれる、請求項59または60に記載の方法。
【請求項62】
識別情報をマルチメディア・コンテントのオーディオ成分にリアルタイムで埋め込む装置であって、
前記コンテントのオーディオ成分とビデオ成分を分離するオーディオ・ビデオ分離器と、
オーディオ成分に、識別情報を感知されずにかつ繰り返して埋め込むオーディオ透かし埋め込み器と、
ビデオフレームと対応するオーディオ成分との間の同期が維持されるように、ビデオ成分と埋め込まれたオーディオ成分とを組み合わせるオーディオ・ビデオ組み合わせ器と、
含む装置。
【請求項63】
アナログ・デジタル変換器が、埋め込み前に前記オーディオ成分をデジタル形式に変換するために使用され、デジタル・アナログ変換器が、前記埋め込みの後にオーディオ成分をアナログ形式に戻すために使用される、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
多数のオーディオ成分が埋め込まれる、請求項62または63に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−504986(P2006−504986A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−544818(P2004−544818)
【出願日】平成15年10月7日(2003.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2003/031816
【国際公開番号】WO2004/036352
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
マッキントッシュ
リナックス
【出願人】(500304822)ベランス・コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】