説明

モノアミン再摂取阻害剤及びカリウムチャネル活性剤の併用

本発明は、治療上有効な量のモノアミン再摂取阻害剤及びSK阻害剤を含む医薬品組成物を提供する。別の態様では、本発明は、本発明で使用される新規なベンゾイミダゾール誘導体を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療上有効な量のモノアミン再摂取阻害剤及びSK阻害剤を含む医薬品組成物を提供する。別の態様では、本発明は、本発明により使用される新規なベンゾイミダゾール誘導体を提供する。
【背景技術】
【0002】
モノアミン作動性(MA)ニューロンは、別個の脳領域に限られた数で位置しており、即ちドーパミン作動性ニューロンは腹側被蓋野(VTA)及び黒質緻密部(SNc)に、セロトニン作動性ニューロンは縫線核に、またノルアドレナリン作動性ニューロンは青斑核に位置している。全てのMAニューロンは、脳内で広範囲に及ぶ調節性神経伝達を引き起こし、ドーパミン作動系は、側坐核、前頭前野及び辺縁系(VTA)と、線条体(SNc)に投射する。縫線核セロトニン作動性ニューロン及び青斑核ノルアドレナリン作動性ニューロンは、共に前脳全体に投射する。
【0003】
モノアミン作動性神経伝達は、うつ病、双極性障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、統合失調症、パーキンソン病、ハンチントン病などの、多数の精神障害及び神経障害の治療において重要である。関係する分子標的は、シナプス後及びシナプス前MA受容体、並びにシナプス前MA摂取系であり、これらは、MAシグナル伝達の強度及びタイミングの制御に非常に重要な系である。
【0004】
うつ病は、シナプス前MA摂取系に作用する過量の薬物で治療され、これらの化合物の中で最も古いイミプラミンのような三環系抗うつ薬はまた、選択性が最も低く、全てのMA摂取系並びに一部のMA受容体を阻害し、臨床上いくつかの副作用がもたらされる。第2世代の化合物、即ちフルオキセチンやパロキセチンのような選択的セロトニン再摂取阻害剤(SSRI)は、広く使用されており、古典的な副作用が三環系化合物よりもかなり少なくなる(性的衝動の低下は、依然として問題である)が、作用時間が長くなると共にノンレスポンダーが相当な割合になるために、これら化合物の治療的使用が制限される。第3世代のMA阻害剤は、レボキセチンなどの選択的ノルアドレナリン摂取阻害剤(SNRI)からベンラファキシンやデュロキセチンなどの二重作用(SA及びNA)阻害剤に至るまで、様々な選択性プロファイルを有する化合物である。うつ病に対する三重作用化合物(SA、NA、DA)はまだ市販されていないが、そのような化合物は一般に、より早い作用の発現をもたらすと考えられる。
【0005】
再摂取阻害剤によるMA伝達の強化は、臨床上確立された抗うつ原理である。前臨床的に、うつ病モデルには、急性失望モデル(尾懸垂及び強制水性試験)並びにより慢性的なモデル(慢性緩和ストレスモデル及び嗅球摘除モデル)が含まれる。さらに、補助的薬理学的モデルも存在し、様々なMA系との相互作用を示している(自発運動のニアラミド促進によるセロトニン症候群、テトラベナジン誘導性下垂症のレボキセチン予防によるノルアドレナリン症候群、メチルフェニデート誘導性常同症及び自発運動としてのドーパミン症候群)。
【0006】
MA伝達の増大は、MAニューロンの電気的発射又は発射パターンの増大によって、実現することができる。一般に、MAニューロンは不規則に発射され、比較的興奮性及び阻害性のシナプス前衝動並びにそれらの内因性律動的活動によって決定される。シナプス前末端に到達する活動電位は、MAの放出を、単一の発射パターンになる活動電位よりもさらに効果的に増大させる。VTA発射パターンの差別的求心調節は、側坐核における緊張性及び相動性のドーパミン伝達同士のバランスを強力に調節する。
【0007】
選択的ハチ毒ペプチド成分アパミンによる、小コンダクタンスカルシウム活性化カリウムチャネル(SKチャネル)の遮断も、ドーパミン作動性ニューロンを、局所投与後に生体外及び生体内で規則的なペースメーカーのような発射から高度に破裂するモードへと効果的に切り換える。しかし、アパミンによる血液脳関門透過性が不十分であるので、この化合物は行動試験に適していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、様々な脳領域でのMAシグナル伝達の変化に基づいた、多数の精神疾患及び神経疾患を治療するための新しい原理を提供する。本発明は、MA摂取メカニズムの全て又は一部での活性と、それと同時にシナプス前SKチャネル(MAニューロンで発現した主要なSKサブタイプである、SK1、SK2、及び好ましくはSK3)の1つ又は複数を遮断することの、併用治療効果に焦点を当てる。この治療効果は、SK阻害剤と同時に、モノアミン再摂取阻害剤を使用して、即ち2種の個別の化合物を使用することによって実現することができる。しかし、この二重の治療活性を有する1種の治療上活性な成分を使用して、実現することもできる。
【0009】
また本発明によれば、本発明者らは、強力な(nM)二重のMA阻害動作及びSKチャネル阻害動作を有する小分子有機化合物を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、その第1の態様において、本発明は、A)モノアミン再摂取阻害剤及びB)SK阻害剤から選択された治療上有効な量の活性医薬品成分(API)を、1種又は複数の補助薬、賦形剤、担体、及び/又は希釈剤と共に含む、医薬品組成物を提供する。
【0011】
別の態様において、本発明は、式Iのベンゾイミダゾール誘導体、
【化1】


その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩を提供する[式中、
、R、R、及びRは、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表し;
Zは、水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、及び/又はN,N−ジアルキル−アミノにより1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよく;
Xは、CH−A’、N−A’、又はC=A”を表し;
但し、
A’は、式Ia又はIbの基を表し
【化2】


(式中、
Bは、CH、O、又はSを表し;
Yは、水素、フルオロ、ヒドロキシ、又はアルコキシを表し;
、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表す);
A”は、式Icの基を表す
【化3】


(式中、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表す)]。
【0012】
本発明のその他の目的は、下記の詳細な説明及び実施例から、当業者に明らかにされよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
医薬品組成物
本発明は、その第1の態様において、
A)モノアミン再摂取阻害剤;及び
B)SK阻害剤
から選択された治療上有効な量の活性医薬品成分(API)を、1種又は複数の補助薬、賦形剤、担体、及び/又は希釈剤と共に含む医薬品組成物を提供する。
【0014】
担体は、製剤のその他の成分に対して相溶性があり且つそのレシピエントに有害ではないという意味で、「許容され」なければならない。
【0015】
好ましい実施形態では、活性医薬品成分(API)は、マイクロモル以下のレベルで(即ち、1μMよりも低い)、好ましくは低ナノモルレベルで(即ち、0.1μMよりも低い)生物活性を示す。
【0016】
別の好ましい実施形態では、モノアミン再摂取阻害剤がドーパミン摂取阻害剤であり、特にブプロピオン、セルトラリン、ノミフェンシン、若しくはマジンドール、若しくはバノキセリンであり、又はノルアドレナリン摂取阻害剤であり、特にアモキサピン、アトモキセチン、レボキセチンであり、又はセロトニン再摂取阻害剤であり、特にシタロプラム、エスシタロプラム、フルオキセチン、マレイン酸フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、又はジメリジンである。
【0017】
より好ましい実施形態では、モノアミン再摂取阻害剤は、シタロプラム(Celexa、Cipramil、Emocal、Sepram)、シュウ酸エスシタロプラム(Lexapro、Cipralex、Esertia)、フルオキセチン(Prozac、Fontex、Seromex、Seronil、Sarafem、Fluctin(EUR))、マレイン酸フルボキサミン(Luvox、Faverin)、パロキセチン(Paxil、Seroxat、Aropax、Deroxat)、及びセルトラリン(Zoloft、Lustral、Serlain)からなる群から選択された選択的セロトニン再摂取阻害剤(SSRI)である。
【0018】
第3の好ましい実施形態では、本発明により使用されるSK阻害剤は、以下に定義される式Iのベンゾイミダゾール誘導体である。
【0019】
さらに別の好ましい実施形態では、本発明の医薬品組成物は、モノアミン再摂取阻害剤及びSK阻害剤の二重活性を単一の活性医薬品成分(API)として有する化合物を含む。
【0020】
より好ましい実施形態では、モノアミン再摂取阻害剤及びSK阻害剤の二重活性を有するAPIが、以下に定義される式Iのベンゾイミダゾール誘導体である。
【0021】
別のより好ましい実施形態では、モノアミン再摂取阻害剤及びSK阻害剤の二重活性を有するAPIは、マイクロモル以下のレベルで(即ち、1μMよりも低い)、好ましくは低ナノモルレベルで(即ち、0.1μMよりも低い)、二重生物活性を示す。
【0022】
治療で使用される本発明の化合物は、そのまま化合物の形で投与してもよいが、活性成分を、任意選択で、生理学的に許容される塩の形で又はプロドラッグの形で、1種又は複数の補助薬、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤、及び/又はその他の通常の医薬品補助剤と共に医薬品組成物中に導入することが好ましい。
【0023】
本発明の医薬品組成物は、所望の治療に適した任意の好都合な経路によって、投与してもよい。好ましい投与経路には、経口投与、特に錠剤、カプセル、糖衣錠、粉末、又は液体の形、及び非経口投与、特に皮膚、皮下、筋肉内、又は静脈内注射が含まれる。本発明の医薬品組成物は、所望の製剤に適切な、標準的な方法及び従来の技法を使用することによって、当業者が調製することができる。望む場合には、活性成分の持続放出をもたらすように適合された組成物を、用いてもよい。
【0024】
配合及び投与のための技法に関するさらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Maack Publishing Co.、Easton、PA)の最新版に見出すことができる。
【0025】
実際の投薬量は、治療がなされる疾患の性質及び重症度に依存し、医師の裁量に任されており、所望の治療効果が発揮される本発明の特定の状況に対する投薬量の設定によって、変えてもよい。
【0026】
ベンゾイミダゾール誘導体
別の態様では、本発明は、新規なベンゾイミダゾール誘導体を提供する。本発明のベンゾイミダゾール誘導体は、式I、
【化4】


その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩によって特徴付けることができる[式中、
、R、R、及びRは、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表し;
Zは、水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、及び/又はN,N−ジアルキル−アミノにより1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよく;
Xは、CH−A’、N−A’、又はC=A”を表し;
但し、
A’は、式Ia又はIbの基を表し
【化5】


(式中、
Bは、CH、O、又はSを表し;
Yは、水素、フルオロ、ヒドロキシ、又はアルコキシを表し;
、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表す);
A”は、式Icの基を表す
【化6】


(式中、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表す)]。
【0027】
しかし特定の実施形態では、本発明のベンゾイミダゾール誘導体は、
2−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)−5,6−ジメトキシ−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[4−(4−クロロベンジル)ピペラジン−1−イル]−1−プロピル−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[4−(4−クロロベンジル)ピペラジン−1−イル]−1−イソプロピル−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[4−(2,5−ジメチ−ベンジル)ピペラジン−1−イル]−6−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール;
6−トリフルオロメチル−2−[4−(2−トリフルオロメチル−ベンジル)−ピペラジン−1−イル]−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[4−(4−tert−ブチルベンジル)ピペラジン−1−イル]−6−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[4−(2,6−ジクロロベンジル)ピペラジン−1−イル]−6−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール;
2−(4−ベンズヒドリルピペラジン−1−イル)−1−(4−クロロベンジル)−1H−ベンゾイミダゾール;
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1−ペンチル−1H−ベンゾイミダゾール;
2−(4−ベンズヒドリルピペラジン−1−イル)−1−ベンジル−1H−ベンゾイミダゾール;
2−(4−ベンズヒドリルピペラジン−1−イル)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール;又は
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
ではない。
【0028】
第1の好ましい実施形態では、本発明のベンゾイミダゾール誘導体が式I〜IVの化合物であり、但しR、R、R、及びRは、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表す。
【0029】
より好ましい実施形態では、R、R、R、及びRのうちの2個は、互いに独立に、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表し;R、R、R、及びRのうちの残り2個は全て、水素を表す。さらにより好ましい実施形態では、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表すR、R、R、及びRのうちの2個が、R及びR、又はR及びR、又はR及びRである。
【0030】
別のより好ましい実施形態では、R、R、R、及びRのうちの2個は、互いに独立に、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、又はシアノを表し;R、R、R、及びRのうちの残り2個は全て、水素を表す。さらにより好ましい実施形態では、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、又はシアノを表すR、R、R、及びRのうちの2個が、R及びR、又はR及びR、又はR及びRである。
【0031】
さらに別のより好ましい実施形態では、R、R、R、及びRのうちの1個が、互いに独立に、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表し;R、R、R、及びRのうちの残り3個は全て、水素を表す。さらにより好ましい実施形態では、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表すR、R、R、及びRのうちの1個が、R又はR又はRである。
【0032】
さらに別のより好ましい実施形態では、R、R、R、及びRのうちの1個が、互いに独立に、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、又はシアノを表し;R、R、R、及びRのうちの残り3個は全て、水素を表す。さらにより好ましい実施形態では、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、又はシアノを表すR、R、R、及びRのうちの1個が、R又はR又はRである。
【0033】
最も好ましい実施形態では、R、R、R、及びRが全て、水素を表す。
【0034】
第2の好ましい実施形態では、本発明のベンゾイミダゾール誘導体が、式I〜IVの化合物であり、但しZは、水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、及び/又はN,N−ジアルキル−アミノにより1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよい。
【0035】
より好ましい実施形態では、Zが水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロ、トリフルオロメチル、及び/又はトリフルオロメトキシにより1回又は2回、任意選択で置換されていてもよい。
【0036】
さらにより好ましい実施形態では、Zが水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロ、及び/又はトリフルオロメチルにより1回又は2回、任意選択で置換されていてもよい。
【0037】
さらにより好ましい実施形態では、Zが水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、フルオロ、クロロ、及び/又はトリフルオロメチルにより1回又は2回、任意選択で置換されていてもよい。
【0038】
さらにより好ましい実施形態では、Zが水素又はアルキルを表す。
【0039】
さらにより好ましい実施形態では、Zがフルオロ、クロロ、及び/又はトリフルオロメチルにより1回又は2回、任意選択で置換されるベンジルを表す。
【0040】
第3の好ましい実施形態では、本発明のベンゾイミダゾール誘導体が、式I〜IVの化合物であり、但しXは、CH−A’又はN−A’を表し、A’は、上記にて定義された通りである。
【0041】
より好ましい実施形態では、XがCH−A’を表し、A’は、上記にて定義された通りである。
【0042】
別のより好ましい実施形態では、XがN−A’を表し、A’は上記にて定義された通りである。
【0043】
第4の好ましい実施形態では、本発明のベンゾイミダゾール誘導体は、式IIの化合物、
【化7】


その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩である(式中、
、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表し;
Zは、水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、及び/又はN,N−ジアルキル−アミノにより1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよく;
Xは、CH又はNを表し;
Bは、CH、O、又はSを表す)。
【0044】
より好ましい実施形態では、R、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表す。
【0045】
さらにより好ましい実施形態では、R、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、互いに独立に、水素、ハロ、又はトリフルオロメチルを表す。
【0046】
さらにより好ましい実施形態では、R、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、互いに独立に、水素又はハロを表し、特にフルオロ又はクロロを表す。
【0047】
別のより好ましい実施形態では、Zは、水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、及び/又はN,N−ジアルキル−アミノにより1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよい。
【0048】
さらにより好ましい実施形態では、Zは、水素又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロにより、特にフルオロ又はクロロ、及び/又はトリフルオロメチルにより1回又は2回、任意選択で置換されていてもよい。
【0049】
第3のより好ましい実施形態では、XがCH又はNを表す。さらにより好ましい実施形態では、XがCHを表す。別のさらにより好ましい実施形態では、XがNを表す。
【0050】
第4のより好ましい実施形態では、Bが、CH、O、又はSを表す。さらにより好ましい実施形態では、BがO又はSを表す。別のさらにより好ましい実施形態では、BがCHを表す。第3のさらにより好ましい実施形態では、BがOを表す。第4のさらにより好ましい実施形態では、BがSを表す。
【0051】
最も好ましい実施形態では、本発明のベンゾイミダゾール誘導体は、
2−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール;
2−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)−1−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−ベンゾイミダゾール;
2−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)−1−(3,4−ジフルオロベンジル)−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[4−(3,4−ジクロロフェニルスルファニル)ピペリジン−1−イル]−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[4−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−1−イル]−1H−ベンゾイミダゾール;
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール;
1−(3,4−ジフルオロベンジル)−2−[4−(3,4−ジフルオロベンジル)ピペラジン−1−イル]−1H−ベンゾイミダゾール;若しくは
2−[4−(3,4−ジフルオロベンジル)ピペリジン−1−イル]−1H−ベンゾイミダゾール;
又は鏡像異性体若しくはその鏡像異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩である。
【0052】
第5の好ましい実施形態では、本発明のベンゾイミダゾール誘導体は、式IIIの化合物、
【化8】


その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩である(式中、
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキルアミノを表し;
Zは、水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、及び/又はN,N−ジアルキル−アミノにより1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよく;
Xは、CH又はNを表し;
Yは、水素、フルオロ、ヒドロキシ、又はアルコキシを表す)。
【0053】
より好ましい実施形態では、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表す。
【0054】
より好ましい実施形態では、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は、互いに独立に、水素、ハロ、又はトリフルオロメチルを表す。
【0055】
さらにより好ましい実施形態では、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は、互いに独立に、水素又はハロを表し、特にフルオロ又はクロロを表す。
【0056】
別のより好ましい実施形態では、Zが水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、及び/又はN,N−ジアルキル−アミノにより1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよい。
【0057】
より好ましい実施形態では、Zが水素又はアルキルを表す。
【0058】
さらにより好ましい実施形態では、Zが水素を表す。
【0059】
第3のより好ましい実施形態では、XがCH又はNを表す。さらにより好ましい実施形態では、XがCHを表す。さらにより好ましい実施形態では、XがNを表す。
【0060】
第4のより好ましい実施形態では、Yが、水素、フルオロ、ヒドロキシ、又はアルコキシを表す。より好ましい実施形態では、Yが、水素又はヒドロキシを表す。
【0061】
最も好ましい実施形態では、本発明のベンゾイミダゾール誘導体が、
[1−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピペリジン−4−イル]ジフェニルメタノール;
2−(4−ベンズヒドリル−ピペリジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール;
2−(4−ベンズヒドリルピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール;若しくは
2−{4−[ビス−(4−フルオロフェニル)メチル]ピペラジン−1−イル}−1H−ベンゾイミダゾール;
又は鏡像異性体若しくはその鏡像異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩である。
【0062】
第6の好ましい実施形態では、本発明のベンゾイミダゾール誘導体は、式IVの化合物、
【化9】


その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩である(式中、
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表し;
Zは、水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、及び/又はN,N−ジアルキル−アミノにより1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよい)。
【0063】
より好ましい実施形態では、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表す。
【0064】
より好ましい実施形態では、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は、互いに独立に、水素、ハロ、又はトリフルオロメチルを表す。
【0065】
さらにより好ましい実施形態では、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は、互いに独立に、水素又はハロを表し、特にフルオロ又はクロロを表す。
【0066】
別のより好ましい実施形態では、Zが水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、及び/又はN,N−ジアルキル−アミノにより1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよい。
【0067】
より好ましい実施形態では、Zが水素又はアルキルを表す。さらにより好ましい実施形態では、Zが水素を表す。
【0068】
最も好ましい実施形態では、本発明のベンゾイミダゾール誘導体が、
2−(4−ベンズヒドリリデン−ピペリジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール;
又は鏡像異性体若しくはその鏡像異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩である。
【0069】
本明細書に記述される実施形態の、2つ以上の任意の組合せは、本発明の範囲内にあると見なす。
【0070】
置換基の定義
本発明の文脈において、ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを表す。したがってトリハロメチル基は、例えば、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、及び同様のトリハロ置換メチル基を表す。
【0071】
本発明の文脈において、アルキル基は、1価の飽和した直鎖状又は分枝状の炭化水素鎖を示す。炭化水素鎖は、好ましくは1個から18個の炭素原子を含有し(C1〜18−アルキル)、より好ましくは、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第3級ペンチル、ヘキシル、及びイソヘキシルを含めた1個から6個の炭素原子を含有する(C1〜6−アルキル;低級アルキル)。好ましい実施形態では、アルキルは、ブチル、イソブチル、第2級ブチル、及び第3級ブチルを含めたC1〜4−アルキル基を表す。本発明の別の好ましい実施形態では、アルキルはC1〜3−アルキル基を表し、特にメチル、エチル、プロピル、又はイソプロピルでよい。
【0072】
本発明の文脈において、アルコキシ基は「アルキル−O−」基を示し、但しアルキルは上記にて定義された通りである。本発明の好ましいアルコキシ基の例には、メトキシ及びエトキシが含まれる。
【0073】
本発明の文脈において、N−アルキル−アミノ基は、上記にて定義されたアルキル基により一置換された、(第2級)アミノ基を示す。
【0074】
本発明の文脈において、N,N−ジアルキル−アミノ基は、上記にて定義されたアルキル基により二置換された、(第3級)アミノ基を示す。
【0075】
医薬品として許容される塩
本発明の化合物は、意図される投与に適切な、任意の形で提供することができる。適切な形には、医薬品として(即ち、生理学的に)許容される、本発明の化合物の塩、及びプレドラッグ又はプロドラッグの形が含まれる。
【0076】
医薬品として許容される付加塩の例には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、エンボ酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩誘導体、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、及びトルエン−p−スルホン酸塩などの、無毒性の無機及び有機酸付加塩が含まれるが、これらに限定するものではない。そのような塩は、当技術分野で周知であり記述されている手順によって、形成してよい。
【0077】
医薬品として許容される、本発明の化合物のカチオン塩の例には、アニオン基を含有する本発明の化合物のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム、塩素、リシン、及びアンモニウム塩などが含まれるが、これらに限定するものではない。そのようなカチオン塩は、当技術分野で周知であり記述されている手順によって、形成してよい。
【0078】
異性体
本発明の化合物は、鏡像異性体、ジアステレオマー、並びに幾何異性体(シス−トランス異性体)を含めた異なる立体異性体の形で存在してよいことが、当業者に理解されよう。本発明は、そのような異性体の全て、及びラセミ混合物を含めたそれらの任意の混合物を含む。
【0079】
ラセミ体は、知られている方法及び技法によって、光学対掌体に分割することができる。鏡像異性化合物(鏡像異性中間体を含む)を分割する1つの方法は、光学活性アミンを使用し、ジアステレオマー分割塩を、酸による処理で遊離させることである。ラセミ化合物を光学対掌体に分割するための別の方法は、光学活性マトリックス上でのクロマトグラフィーに基づく。このように本発明のラセミ化合物は、例えばD−又はL−(酒石酸塩、マンデル酸塩、又はカンファースルホン酸塩)塩などの分別結晶によって、その光学対掌体に分割することができる。
【0080】
光学異性体を分割するための別の方法は、当技術分野で知られている。そのような方法には、Jaques J、Collet A、& Wilen Sの「Enantiomers,Racemates,and Resolutions」、John Wiley and Sons、New York(1981)に記載されているものが含まれる。
【0081】
光学活性化合物は、光学活性出発物質又は中間体から調製することもできる。
【0082】
プロドラッグ
本発明のベンゾイミダゾール誘導体は、任意選択で、適切なプロドラッグの形で投与してよい。本発明の文脈において、「プロドラッグ」という用語は、薬物前駆体であり、また投与及び吸収の後に何らかの代謝プロセスを介して生体内に薬物を放出する化合物を指す。
【0083】
特に好ましいプロドラッグは、例えば経口投与された化合物を血液中により容易に吸収させることによって、本発明の化合物のバイオアベイラビリティを上昇させるものであり、又は特定の生物学的区画、例えば脳又はリンパ系への親化合物の送達を強化するものである。
【0084】
したがって、本発明のベンゾイミダゾール誘導体の適切なプロドラッグの例には、親化合物の1個又は複数の反応性又は誘導体化可能な基で変性が行われた、化合物が含まれる。特に興味深いのは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、又はアミノ基で変性が行われた化合物である。適切な誘導体の例は、エステル又はアミドである。
【0085】
調製方法
本発明のベンゾイミダゾール誘導体は、化学合成のための従来の方法によって、例えば実施例に記述される方法によって調製してよい。本出願に記述されているプロセス用の出発物質は知られており、即ち市販の化学薬品から従来の方法によって容易に調製することができる。
【0086】
また本発明の1つの化合物は、従来の方法を使用して、本発明の別の化合物に変換することができる。
【0087】
本明細書に記述される反応の最終生成物は、従来の技法によって、例えば抽出、結晶化、蒸留、クロマトグラフィーなどによって単離してよい。
【0088】
生物活性
小コンダクタンスカルシウム活性化カリウムチャネル(SKチャネル)の3つのサブタイプ、即ちSK1、SK2、及びSK3(ゲノム命名法を使用したKCNN1〜3に対応)が確認されている。本発明の新規なベンゾイミダゾール誘導体は、SK1、SK2、及びSK3を含めたSKチャネルの強力な阻害剤であることがわかる。
【0089】
さらに、本発明の好ましい化合物は、強力なモノアミン再摂取阻害剤及び小コンダクタンスカルシウム活性化カリウムチャネル(SKチャネル)の阻害剤であるという二重活性を示す。本発明の好ましい化合物は、マイクロモル以下のレベル(即ち、1μMよりも低い)で、好ましくは低ナノモルレベル(即ち、0.1μMよりも低い)で二重生物活性を示す。
【0090】
それらの生物活性により、本発明のベンゾイミダゾール誘導体は、中枢神経系でのモノアミン神経伝達物質再摂取の阻害及び/又はSKCaチャネルの阻害に応答する、ヒトを含めた哺乳類の疾患又は障害又は状態の治療、予防、又は緩和に使用することができる。
【0091】
そのような疾患、障害、及び状態には、うつ病、偽痴呆、ガンザー症候群、強迫性障害(OCD)、パニック障害、記憶障害、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、肥満、不安、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、痴呆、加齢による痴呆、老人性痴呆、エイズ痴呆合併症、加齢による記憶障害、対人恐怖、薬物嗜癖、薬物乱用、コカイン乱用、タバコ乱用、アルコール依存症、疼痛、片頭痛、過食症、月経前症候群、後期黄体相症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、早漏、勃起困難、拒食症、睡眠障害、自閉症、無言症、抜毛癖、ナルコレプシー、ジルドラトゥレット病、炎症性大腸炎、又は過敏性腸症候群が含まれる。
【0092】
好ましい実施形態では、疾患、障害、又は状態は、うつ病、強迫性障害(OCD)、気分障害、身体醜形障害、神経性過食症、月経前不快気分障害、パニック障害、ADHD、摂食障害、不安、不安障害、パニック障害、パニック発作、恐怖症、過敏性腸症候群(IBS)、又は早漏である。
【0093】
別の好ましい実施形態では、疾患、障害、又は状態は、うつ病、偽痴呆、ガンザー症候群、強迫性障害(OCD)、パニック障害、記憶障害、注意欠陥多動性障害、肥満、不安、摂食障害、又はパーキンソン病である。
【0094】
治療方法
別の態様では、本発明は、中枢神経系でのモノアミン神経伝達物質再摂取の阻害及び/又はSKCaチャネルの阻害に応答する、ヒトを含めた動物の生体の疾患又は障害又は状態を、治療し又は緩和するための方法を提供する。
【0095】
本発明により考えられる好ましい医学的適応は、上述のものである。
【0096】
本発明を、添付図面を参照しながらさらに例示する。
【実施例】
【0097】
本発明を、特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲をいかなる方法によっても限定するものではない下記の実施例を参照しながら、さらに例示する。
【0098】
概略:手順は、本発明の化合物を調製するのに使用される一般的な手順である。使用される略語は下記の通りである。
Ac:アセチル
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
Et:エチル
eq:当量
LCMS:液体クロマトグラフィー質量分光分析
Me:メチル
mp:融点
MW:マイクロ波
rt:室温
【0099】
手順A
2−クロロベンズイミダゾール及び必要とされるピペリジン又はピペラジン誘導体(市販され、又は文献の手順を介して調製される)を、密封したバイアル内でアセトニトリル中に懸濁させ、MW放射線を使用して20〜40分間、170〜200℃に加熱した。室温に冷却した後、沈殿した固体を濾別し、アセトニトリルで洗浄し、再結晶させたことにより、所望の生成物が得られた。或いは、反応混合物からの粗製生成物を、カラムクロマトグラフィーによって又は分取LCMSによって精製することにより、所望の生成物が遊離塩基として得られた。
【0100】
手順Aの例、2−[4−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−1−イル]−1H−ベンゾイミダゾールの調製を、スキーム1に示す。
スキーム1
【化10】

【0101】
手順B
撹拌された、2−クロロベンズイミダゾールの乾燥DMF溶液を、(N雰囲気中で)0℃に冷却し、NaH(1.3当量)を添加した。室温で30分間撹拌した後、必要とされるベンジルハロゲン化物を1滴ずつ添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。NaHCO飽和水溶液を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を乾燥し(MgSO)、濾過し、真空濃縮することにより、所望の2−クロロ−1−ベンジルベンゾイミダゾール誘導体が得られた。この中間体を、引き続きアセトニトリルに溶解し、必要とされるピペリジン又はピペラジン誘導体(1〜2当量)を添加し、190〜200℃のMW放射線を用いて、密封したバイアル内で15〜40分間加熱した。反応混合物を蒸発乾固させ、粗製生成物を分取LCMSクロマトグラフィー又はカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、所望の生成物が遊離塩基として得られた。
【0102】
手順Bの例、2−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)−1−(3,4−ジフルオロベンジル)−1H−ベンゾイミダゾールの調製を、スキーム2に示す。
スキーム2
【化11】

【0103】
(実施例1)
2−[4−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−1−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
標題の化合物を、手順Aに記述されるように調製した。反応混合物から沈殿した固体を濾別し、アセトニトリルで洗浄することによって、標題の化合物が塩化水素塩として得られた(mp 268〜270℃)。MS(ES)m/z 360(M,100)。
【0104】
(実施例2)
2−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
標題の化合物を、手順Aに記述されるように調製した。反応混合物から沈殿した固体を濾別し、アセトニトリルで洗浄することによって、標題の化合物が遊離塩基として得られた(mp 193〜194℃)。MS(ES)m/z 292([M+1],100)。
【0105】
(実施例3)
[1−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピペリジン−4−イル]ジフェニルメタノール
標題の化合物を、2−クロロベンズイミダゾール及び市販のα−(4−ピペリジル)ベンズヒドロールから、手順Aに記述されるように調製した。標題の化合物が、塩基性水溶液で後処理することにより遊離塩基として分離した(mp 237〜239℃)。MS(ES)m/z 384([M+1],100)。
【0106】
(実施例4)
2−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)−1−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−ベンゾイミダゾール
標題の化合物を、2段階で、手順Bに記述されるように調製した。粗製生成物を分取LCMSによって精製することにより、標題の化合物が遊離塩基として得られた(mp 124〜125.5℃)。MS(ES)m/z 484(M,100)。
【0107】
(実施例5)
2−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)−1−(3,4−ジフルオロベンジル)−1H−ベンゾイミダゾール
標題の化合物を、2段階で、手順Bに記述されるように調製した。粗製生成物を分取LCMSによって精製することにより、標題の化合物が遊離塩基として得られた(mp 155〜155.5℃)。MS(ES)m/z 418([M+1],100)。
【0108】
(実施例6)
2−(4−ベンズヒドリルピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
標題の化合物を、2−クロロベンズイミダゾール及び市販の1−(ジフェニルメチル)ピペラジンから、手順Aに記述されるように調製した。反応混合物から沈殿した固体を濾別することにより、標題の化合物が遊離塩基として得られた(mp>230℃(分解))。MS(ES)m/z 369([M+1],100)。
【0109】
(実施例7)
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
標題の化合物を、手順Aに記述されるように調製し、塩基性水溶液で後処理することによって、遊離塩基として分離した(mp 235〜237℃)。MS(ES)m/z 369([M+1],100)。
【0110】
(実施例8)
1−(3,4−ジフルオロベンジル)−2−[4−(3,4−ジフルオロベンジル)ピペラジン−1−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
標題の化合物を、2段階で、手順Bに記述されるように調製した。粗製生成物を分取LCMSによって精製することにより、標題の化合物が遊離塩基として得られた(黄色がかったゴム)。NMR(CDCl)δ 2.56(br s,4H)、3.25〜3.30(m,4H)、3.51(s,2H)、5.15(s,2H)、6.86〜6.91(m,1H)、6.96〜7.24(m,8H)、7,65(d,1H)。MS(ES)m/z 455([M+1],100)。
【0111】
(実施例9)
2−{4−[ビス−(4−フルオロフェニル)メチル]ピペラジン−1−イル}−1H−ベンゾイミダゾール
標題の化合物を、2−クロロベンズイミダゾール及び市販の1−(4,4’−ジフルオロベンズヒドリル)ピペラジンから、手順Aに記述されるように調製した。反応混合物から沈殿した固体を濾別することにより、標題の化合物が塩酸塩として得られた(mp>240℃(分解))。MS(ES)m/z 405([M+1],100)。
【0112】
(実施例10)
2−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
標題の化合物を、2−クロロベンズイミダゾール及び4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジンから、手順Aに記述されるように調製した。反応混合物から沈殿した固体を濾別し、アセトニトリルで洗浄することによって、標題の化合物が塩酸塩として得られた(mp 297〜298℃)。MS(ES)m/z 363([M+1],100)。
【0113】
(実施例11)
2−[4−(3,4−ジクロロフェニルスルファニル)ピペリジン−1−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
標題の化合物を、2−クロロベンズイミダゾール及び4−(3,4−ジクロロフェニルスルファニル)ピペリジンから、手順Aに記述されるように調製した。粗製生成物を分取LCMSによって精製することにより、標題の化合物が遊離塩基として得られた。NMR(DMSO−d6)δ 1.50〜1.62(m,2H)、1.95〜2.03(m,2H)、3.12〜3.21(m,2H)、3.65〜3.70(m,1H)、3.95〜4.04(m,2H)、6.85〜6.96(m,2H)、7.10〜7.21(m,2H)、7.41(d,1H)、7.58(d,1H)、7.69(s,1H)、11.3(s,1H)。MS(ES)m/z 378(M,100)。
【0114】
(実施例12)
2−(4−ベンズヒドリリデン−ピペリジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
[1−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピペリジン−4−イル]ジフェニルメタノール(上述のように調製された)をトリフルオロ酢酸に溶解し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、NaHCO飽和水溶液を添加し、EtOAcで抽出した。合わせた有機相を乾燥し(MgSO)、濾過し、真空濃縮することにより、粗製生成物が得られ、これをMeOH/水から再結晶させたことにより、標題の化合物が遊離塩基として得られた(mp 229〜230℃)。MS(ES)m/z 366([M+1],100)。
【0115】
(実施例13)
2−(4−ベンズヒドリル−ピペリジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
2−(4−ベンズヒドリリデン−ピペリジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(上述のように調製された)をエタノールに溶解し、触媒量の10%Pd/Cを添加し、水素ガスを用いて室温で水素化した。反応混合物をセライトに通して濾過し、蒸発乾固させ、粗製生成物をLCMSにより精製することによって、標題の化合物が遊離塩基として得られた(mp 256〜258℃)。MS(ES)m/z 368([M+1],100)。
【0116】
(実施例14)
2−[4−(3,4−ジフルオロベンジル)ピペリジン−1−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
標題の化合物を、手順Aに記述されるように調製した。反応混合物から沈殿した固体を濾別し、アセトニトリルで洗浄することにより、標題の化合物が塩化水素塩として得られた。MS(ES)m/z 328([M+1],100)。HR−MS:328.1621([M+1],C1920;計算値328.162528)。
【0117】
(実施例15)
生物活性
本発明者らの実験室における前臨床データは、SKチャネルの選択的阻害剤、即ち、以後試験化合物と呼ばれる1,3−ビス−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−イリデンアミンであって、そのパッチクランプ電気生理学的性質が、[3H]DA、[3H]5−HT、及び[3H]NAの生体外再摂取阻害の場合よりもSK3チャネルの阻害に対して100倍超の選択性を示す化合物と、閾値下用量の選択的セロトニン再摂取阻害剤(SSRI)、シタロプラムとの併用によって、この後者に対し、モノアミンアミンオキシダーゼ阻害剤、即ちニアラミドでの前処理の後に、セロトニン症候群と類似した症状を誘発させる能力を高めることが可能になることを示している。ニアラミド誘発性5−HT症候群のパラダイムは、化合物がシナプスからの5−HTの再摂取を阻害できることを反映していると広く見なされている。
【0118】
方法:マウスにニアラミド(50mg/kg、s.c.、−120分)を投与し、その後、試験化合物(0.3〜3mg/kg、i.p.)及びシタロプラム(1mg/kg、p.o.)を0分の時点で投与した。次いで、頭部痙攣、後肢外転、頭部動揺、及びピアノを弾くような行動の存在について、訓練を受けた観察者が、認められた評定尺度:最大スコア/マウス=4、最小スコア/マウス=0を使用して記録した。
【0119】
この実験の結果を図1に示す。
【0120】
したがって、このデータは、SSRIと併用されるSKチャネルの遮断によって、SSRI単独の場合よりも優れたモノアミン神経伝達が誘発されたことを示唆していた。
【0121】
理論に沿って、本発明者らの実験室から得たデータは、SKチャネルの阻害剤と閾値下用量のノルアドレナリン再摂取阻害剤(NRI)、レボキセチンとの併用により、この後者がテトラベナジン誘導性下垂を逆行させる能力を高めたことも示している。テトラベナジン誘導性下垂の逆行は、化合物がシナプスからのノルアドレナリン再摂取を阻害できることを反映していると広く見なされている。
【0122】
方法:マウスに、試験化合物(0.3〜3mg/kg、i.p.)及びレボキセチン(0.1mg/kg、p.o.)を−60分の時点で投与し、その後、テトラベナジン(40mg/kg、i.p.、−30分)を投与した。次いで下垂の存在について、認められた評定尺度を使用して、訓練を受けた観察者が記録した:最大スコア/マウス=4、最小スコア/マウス=0。
【0123】
この実験の結果を図2に示す。
【0124】
したがって、このデータは、NRIと併用したSKチャネルの遮断によって、NRI単独の場合よりも優れたモノアミン神経伝達が誘発されたことを示唆していた。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】NMRIマウス(n=4)の5HT症候群を示す図である;t=−120分で50mg/mlのニアラミドをs.c.投与し、その後、試験化合物(0.3、1、3mg/kg)及び/又はシタロプラム(1mg/kg)をp.o.投与した後の、5−HT症候群のスコア(Max=16)対時間(分)。
【図2】NMRIマウス(n=6)のPBZ下垂を示す図である:t=−60分でのスコア(下垂max=24;バイソンmax=6)対試験化合物の用量(0.3、1、及び3mg/kg)、及びt=−60分でのレボキセチン(0.1mg/kg)のp.o.投与、その後の、t=−30分での40mg/kgのTBZのi.p.投与。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)モノアミン再摂取阻害剤;及び
B)SK阻害剤
から選択された治療上有効な量の活性医薬品成分を、1種又は複数の補助薬、賦形剤、担体、及び/又は希釈剤と共に含む医薬品組成物。
【請求項2】
モノアミン再摂取阻害剤及びSK阻害剤の二重活性を単一のAPIとして有する化合物を含む、請求項1に記載の医薬品組成物。
【請求項3】
医薬品組成物/薬剤を製造するための、
A)モノアミン再摂取阻害剤の群から選択された化合物;及び
B)SK阻害剤の群から選択された化合物
の使用。
【請求項4】
式Iのベンゾイミダゾール誘導体、
【化1】


その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩[式中、
、R、R、及びRは、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表し;
Zは、水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、及び/又はN,N−ジアルキル−アミノにより1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよく;
Xは、CH−A’、N−A’、又はC=A”を表し;
但し、
A’は、式Ia又はIbの基を表し
【化2】


(式中、
Bは、CH、O、又はSを表し;
Yは、水素、フルオロ、ヒドロキシ、又はアルコキシを表し;
、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表す);
A”は、式Icの基を表す
【化3】


(式中、
、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表す)]。
【請求項5】
、R、R、及びRが、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表す、請求項4に記載のベンゾイミダゾール誘導体、その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩。
【請求項6】
Zが、水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルが、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、及び/又はN,N−ジアルキル−アミノにより1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよい、請求項4に記載のベンゾイミダゾール誘導体、その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩。
【請求項7】
XがCH−A’又はN−A’を表し、
A’が請求項4で定義した通りである、
請求項4に記載のベンゾイミダゾール誘導体、その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩。
【請求項8】
式IIによって表される、請求項4に記載のベンゾイミダゾール誘導体、
【化4】


その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩(式中、
、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表し;
Zは、水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、及び/又はN,N−ジアルキル−アミノにより1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよく;
Xは、CH又はNを表し;
Bは、CH、O、又はSを表す)。
【請求項9】
、R、R、R、R、R、R、R、及びRが、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表す、
請求項8に記載のベンゾイミダゾール誘導体、その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩。
【請求項10】
Zが、水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、及び/又はN,N−ジアルキル−アミノにより1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよい、
請求項8に記載のベンゾイミダゾール誘導体、その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩。
【請求項11】
XがCH又はNを表す、
請求項8に記載のベンゾイミダゾール誘導体、その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩。
【請求項12】
Bが、CH、O、又はSを表す、
請求項8に記載のベンゾイミダゾール誘導体、その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩。
【請求項13】
式IIIによって表される、請求項4に記載のベンゾイミダゾール誘導体、
【化5】


その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩(式中、
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表し;
Zは、水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、及び/又はN,N−ジアルキル−アミノにより1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよく;
Xは、CH又はNを表し;
Yは、水素、フルオロ、ヒドロキシ、又はアルコキシを表す)。
【請求項14】
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14が、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表す、
請求項13に記載のベンゾイミダゾール誘導体、その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩。
【請求項15】
Zが、水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルが、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、及び/又はN,N−ジアルキル−アミノにより1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよい、
請求項13に記載のベンゾイミダゾール誘導体、その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩。
【請求項16】
Xが、CH又はNを表す、
請求項13に記載のベンゾイミダゾール誘導体、その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩。
【請求項17】
Yが、水素、フルオロ、ヒドロキシ、又はアルコキシを表す、
請求項13に記載のベンゾイミダゾール誘導体、その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩。
【請求項18】
式IVによって表される、請求項4に記載のベンゾイミダゾール誘導体、
【化6】


その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩(式中、
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表し;
Zは、水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、及び/又はN,N−ジアルキル−アミノにより1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよい)。
【請求項19】
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14が、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、又はN,N−ジアルキル−アミノを表す、
請求項18に記載のベンゾイミダゾール誘導体、その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩。
【請求項20】
Zが、水素、アルキル、又はベンジルを表し、ベンジルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、アミノ、N−アルキル−アミノ、及び/又はN,N−ジアルキル−アミノにより1回又は複数回、任意選択で置換されていてもよい、
請求項18に記載のベンゾイミダゾール誘導体、その異性体若しくはその異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩。
【請求項21】
2−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール;
2−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)−1−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−ベンゾイミダゾール;
2−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)−1−(3,4−ジフルオロベンジル)−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[4−(3,4−ジクロロフェニルスルファニル)ピペリジン−1−イル]−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[4−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−1−イル]−1H−ベンゾイミダゾール;
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール;
1−(3,4−ジフルオロベンジル)−2−[4−(3,4−ジフルオロベンジル)ピペラジン−1−イル]−1H−ベンゾイミダゾール;
[1−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピペリジン−4−イル]ジフェニルメタノール;
2−(4−ベンズヒドリル−ピペリジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール;
2−(4−ベンズヒドリルピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール;
2−{4−[ビス−(4−フルオロフェニル)メチル]ピペラジン−1−イル}−1H−ベンゾイミダゾール;若しくは
2−(4−ベンズヒドリリデン−ピペリジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール;
又は鏡像異性体若しくはその鏡像異性体の混合物、又は医薬品として許容されるその塩である、
請求項4に記載のベンゾイミダゾール誘導体。
【請求項22】
治療上有効な量の、請求項4から21までのいずれか一項に記載のベンゾイミダゾール誘導体、又は医薬品として許容されるその付加塩、又はそのプロドラッグを、1種又は複数の補助薬、賦形剤、担体、及び/又は希釈剤と共に含む医薬品組成物。
【請求項23】
ヒトを含めた哺乳類の疾患又は障害又は状態を治療し、予防し、又は緩和させる医薬品組成物を製造するための、請求項4から21までのいずれか一項に記載のベンゾイミダゾール誘導体、又は医薬品として許容されるその付加塩、又はそのプロドラッグの使用であって、前記疾患、障害、又は状態が、中枢神経系でのモノアミン神経伝達物質再摂取の阻害及び/又はSKCaチャネルの阻害に応答する上記使用。
【請求項24】
疾患、障害、又は状態が、うつ病、偽痴呆、ガンザー症候群、強迫性障害(OCD)、パニック障害、記憶障害、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、肥満、不安、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、痴呆、加齢による痴呆、老人性痴呆、エイズ痴呆合併症、加齢による記憶障害、対人恐怖、薬物嗜癖、薬物乱用、コカイン乱用、タバコ乱用、アルコール依存症、疼痛、片頭痛、過食症、月経前症候群、後期黄体相症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、早漏、勃起困難、拒食症、睡眠障害、自閉症、無言症、抜毛癖、ナルコレプシー、ジルドラトゥレット病、炎症性大腸炎、又は過敏性腸症候群である、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
中枢神経系でのモノアミン神経伝達物質再摂取の阻害及び/又はSKCaチャネルの阻害に応答する、ヒトを含めた動物の生体の疾患又は障害又は状態を、治療し、予防し、又は緩和させる方法であって、それを必要とするそのような動物の生体に、治療上有効な量の、請求項4から21までのいずれか一項に記載のベンゾイミダゾール誘導体、又は医薬品として許容されるその付加塩、又はそのプロドラッグを投与するステップを含む上記方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−541454(P2009−541454A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517238(P2009−517238)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2007/056624
【国際公開番号】WO2008/003667
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】