説明

モータ駆動回路及びモータ駆動方法並びに半導体集積回路装置

【課題】
空調機や冷蔵庫などのファンモータ,圧縮機駆動モータ、及びポンプモータを、比較的簡単な回路で低騒音に駆動する。
【解決手段】
モータの相切替えにおいて、第1の通電相をフル通電状態とし、切替わる第2の通電相を第1のパルス幅変調信号で制御し、オーバラップ期間における第1の通電相を第2のパルス幅変調信号で制御することを特徴とするモータ駆動回路。相切替え時の急峻なモータ電流の変化を緩やかにすることによって、モータの騒音及び振動を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモータ駆動回路及びモータ駆動方法並びに半導体集積回路装置に係り、例えば空調機(エアコン)や給湯器などのファンモータ、並びに空調機(エアコン)や冷蔵庫の圧縮機(コンプレッサー)モータ、及び冷媒供給に用いるポンプなどに好適なモータ駆動回路及びモータ駆動方法並びに半導体集積回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のエアコンや冷蔵庫のなどの家電分野では、低騒音化の要望が大きい。これらに使用するファンモータや圧縮機などのモータから発する騒音や振動が原因の一つとしてある。モータの騒音や振動のなかでも、モータの駆動方法を原因とするものがある。
【0003】
上述した技術分野において、商用電源を整流した整流電圧またはそれに相当する直流電圧を直接インバータ駆動しモータを駆動する方法が広まっている。この方法は、モータの高効率化並びに小型化を主な目的とするもので、高電圧でモータを駆動することによって消費する電流を低減し、内部抵抗などによる損失の増加を防ぐものである。また、モータ巻線の配線径を小さくできることによって、モータの小型化に有利である。
【0004】
一方、ブラシレスモータを駆動するには、インバータ装置が必要であるが、特に家電などの分野では価格競争が激化し、安価なインバータ装置の提供が望まれている。このためブラシレスモータのインバータ駆動装置において、回路構成が簡単で比較的モータ効率も高くできる、安価な120度通電方式が用いられている。
【0005】
この120度通電方式によるモータ駆動回路においては、モータの回転子磁極位置検出器によって磁極位置を検出し、回転子と固定子の磁極が一致するようなタイミングで、インバータ装置の各スイッチング素子をオンオフ制御することでモータを駆動させる。
【0006】
回転子の磁極位置検出は、一般的にホール効果を応用したホール素子、あるいはホール素子に増幅器を内蔵したホールICを用いる。この検出信号を電気角で言う180度分のうち120度分を論理的にオンさせて電流を通流する。即ち、残りの60度分はインバータ出力をオフするような動作を行う。このため、モータ電流iのオンオフ直後は極めて高い変化量(di/dt)を持つ電流波形となる。このdi/dtによって、固定子に発生する電磁力が変化することで、モータ巻線が振動し電磁音となって外部に放出される。
【0007】
また、電磁音の周波数は、モータ回転数とモータ極数に比例するため、モータ実使用回転域において数Hzから数100Hzである。この周波数は、人間の可聴周波数範囲内となるため騒音となる。
【0008】
また、モータ電流波形において高調波成分を多く含むと、一般的にモータトルクに脈動が発生しやすい。モータトルクは、基本的にモータ固有の誘起電圧とモータ電流の積からなるため、モータ電流波形に対する依存度が大きい。このトルク脈動によってモータ自体が振動し、モータを取り付ける架台を振動させ、この振動が騒音となる。
【0009】
低騒音化するための方法として、いわゆるPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御によりモータ駆動電流を正弦波状にする方法がある。具体的には、モータの固定子磁極の磁束をホール素子によって検出し、正弦波状の信号を得る。この正弦波状の信号と搬送波発生器の出力信号である搬送波信号とを比較器によって比較し、PWM信号を得る。PWM信号によってインバータ装置をオンオフ制御することによって、モータ電流が正弦波状に制御される。
【0010】
しかしながら、マイコン等を使用する場合、PWM周期に対応した高速な演算処理が必要なため、120度通電方式と比較すると、複雑かつ高価なシステムとなる。
【0011】
特許第2721081号公報は、安価な120度通電方式において、上記変化量の大きいモータ電流を緩和するために、特に通電切替え時に着目し通電方法を工夫した例として揚げられる。
【0012】
【特許文献1】特許第2721081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述した特許第2721081号公報による方法では、モータ電流の電流変化量の抑制は、相切替え中の相間電圧が概略零となるようにPWMスイッチング制御を行うことから、モータコイル及びスイッチング素子からなる回路のインピーダンスによって電流変化量が決まる。
より変化量を抑制するには、当該インピーダンスをできるだけ低下させればよいが、コイルのインピーダンス低下はモータの性能を左右するため容易ではなく、一方スイッチング素子の低インピーダンス化は素子の性能をアップする必要があるため高価になる。
【0014】
従って、より低振動,低騒音なモータ駆動装置を安価に提供することは容易ではなかった。
【0015】
本発明は、上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、モータ電流と比例関係にあるモータトルクの脈動を抑制し、振動や騒音を低減することのできるモータ駆動回路及びモータ駆動方法並びに半導体集積回路装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によるモータの駆動回路または駆動方法においては、相切替えにおいて、当該第1の通電側をパルス幅変調制御のない通電状態を有し、かつ、切替わる第2の通電側をパルス幅変調した状態を有し、かつ、前記第1の通電側と第2の通電側がオーバラップする一定期間を有し、かつ、当該オーバラップ期間における第1の通電側を、前記パルス幅変調信号における通電と遮断の比率に対し、通電期間が短く遮断期間が長くなる比率としたパルス幅変調信号によって制御することを特徴とする。
【0017】
これにより相切替え中の相間電圧が概略零ではなく、断続的に正電圧が印加されるようになるので、電流変化は相間電圧が概略零の場合よりも緩やかにすることができる。
【0018】
これらの信号に基づいてモータに駆動電力を供給するための電力変換装置をパルス幅変調制御することにより、比較的簡単な回路または方法により、モータが発生する騒音が低減される。電力変換装置としては、半導体スイッチング素子のオンオフにより直流電力を交流電力に変換するインバータ等が有る。
【0019】
本発明によるモータ駆動回路によれば、低騒音でモータを駆動する回路を、チップサイズをあまり大きくすることなく一つの半導体チップにモノリシック化される。モノリシック化した半導体集積回路は、磁極位置検出器と共にモータの筐体内に内蔵できる。
【0020】
なお、本発明によるモータ駆動回路は、モータの筐体の外部に設置しても良いし、樹脂ケース内に収納してモジュール化しても良い。また、磁極の位置は、磁極位置検出器などを用いず、いわゆるセンサレスで推定しても良い。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、相の切替え時に発生する電流変化の傾きを緩やかにするために、モータの性能及びスイッチング素子の性能を調整することなく、駆動回路によって制御することができるため、モータ駆動装置の汎用性が保たれ、かつ、より低振動,低騒音なモータ駆動装置を安価に、かつ小型化したモータ駆動回路及びモータ駆動方法並びに半導体集積回路装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
モータ電流と比例関係にある脈動を抑制し、振動や騒音を低減するという目的を簡単な構成で実現した。
【実施例1】
【0023】
本発明の一実施例であるモータ駆動回路および本回路及びモータを含めたモータ駆動システムを図1に示す。
【0024】
図1において、モータ4は3相ブラシレスモータである。本モータ4は、回転子に永久磁石を有するモータであって、永久磁石の発生する磁束を検出して回転子磁極位置を検出する手段としてホール素子5を備える。ホール素子5は、1相毎に設けられ、各相の電気角の位相差が120度になるように設置されている。ホール素子5から得られる擬似正弦波信号を駆動回路6により論理信号(HU,HV,HW)に変換する。また、磁極の位置に応じた所定のオーバラップ期間を得るため、ホール信号の相間電圧を駆動回路6により論理信号化する。電気角で約30度のオーバラップ期間が得られる。
【0025】
一方、モータ入力端子、即ちモータ4の固定子巻線は、インバータ装置3に接続される。インバータ装置3は、例えばパワーMOSFET,絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)などのスイッチング素子を6個組み合わせた回路を有する。インバータ装置3の電源となる直流電源は、交流の商用電源1を整流器2によって整流して得る。インバータ装置3の各スイッチング素子のオンオフは、インバータ駆動装置8によって制御される。
【0026】
なお、本実施例において、破線で囲まれた枠内における駆動回路6は、モノリシック半導体集積回路装置内に形成されている。また、一点鎖線で囲まれた枠内における駆動回路6及び磁極位置検出器5は、モータ4に内蔵され、駆動回路内蔵ブラシレスモータとして一体化されている。
【0027】
以下、図1におけるインバータ装置3によるモータ4の駆動方法を、図2の動作波形図を用いて説明する。
【0028】
図1のモータ4が定常回転中における磁極の位置検出信号群h(HU,HV,HW)は、図2における位置検出信号HU,HV,HWのように電気角120度の位相差を保った論理信号である。
【0029】
一方、位置検出信号群hは、モータ4の速度に関する情報(たとえばパルス信号の周期など)を有するので、位置検出信号HWを周波数−電圧変換器(F/V)15によって電圧に変換して、実速度に対応した直流電圧成分を得る。なお、本実施例では、速度検出のために位置検出信号HWを用いたが、HUまたはHV、あるいはHU,HV,HWの内の複数の信号を用いても良い。
【0030】
速度制御演算処理手段13(例えばマイクロコンピュータなどの演算処理装置)は、周波数−電圧変換器15の出力である直流電圧成分、すなわち速度信号と速度制御演算処理手段13内に設定されている速度指令とを比較し、それらの偏差を出力する。このようにして速度制御演算処理手段13が出力する出力信号が、直流電圧信号であるモータ4の電流指令信号aである。
【0031】
電流指令信号aは、搬送波発生器14によって発生した三角波信号と比較器10によって比較され、d1なる矩形波信号を得る。この矩形波信号がパルス幅変調信号である。
【0032】
一方、電流指令信号aは、ゲインAとする増幅器11によって増幅され、第2の電流指令信号bを得る。ここで、定数Aは、1.0未満である。尚、経験的に0.5近傍が最適であることがわかっている。
【0033】
第2の電流指令信号bは、搬送波発生器14によって発生した三角波信号と比較器10によって比較され、d2なる矩形波信号を得る。この矩形波信号がパルス幅変調信号である。
【0034】
ここで第1のパルス幅変調信号d1と第2のパルス幅変調信号d2における通電/遮断比率を比べると、d1>d2の関係にある。
【0035】
先に得られたオーバラップ信号について3つの相の論理和し得られた信号がc1である。さらに該c1と前記d1を論理積し第2のパルス幅変調信号を重畳させた信号がc2となる。
【0036】
上記d1とc2及びHU,HV,HWの信号群を、波形選択器9によって、図2のパターンとなるように6つのスイッチング素子のゲートに信号を分配する。
【0037】
この時の分配ルールは、120度通電方式を基に周期1/6毎において、以下の4つの条件を与える。
1)相切替えが発生した直後は、第1のパルス変調信号d1を与える。
2)相切替えから1/6周期経過後に、位置検出信号に基づくフル通電の信号を与える。
3)次の相へ相切替えが発生した直後、オーバラップ期間中に第2のパルス変調信号d2を与える。
4)上記1)〜3)の期間は遮断信号を与える。
【0038】
以上によって分配された6つの信号をインバータ駆動装置8に入力して、インバータ装置3の各スイッチング素子をオンオフ制御する。
【0039】
上記パターンによりモータコイルに印加される電圧と電流において、相切替え前後の動作につき表した図を図3に示す。
【0040】
ここでは、U相からV相への切替えが発生した状態を表している。U相上アームの信号がハイのためU相コイルに、電源から直流電圧が与えられる。このとき、W相下アームの信号はパルス幅変調状態にあり通電/遮断を繰り返している。これにより、U相コイルに電流が流れ、所定のレベルに電流が達している状態にある。
【0041】
次に、U相からV相へ切替えが生じる。U相は第2のパルス幅変調信号で制御される。一方、V相上アームは、第1のパルス幅変調信号で制御されるが、U相のコイル電流には寄与しない。U相電流に影響を与えるのは、U相とW相間のコイルに印加する電圧である。ここでUW相間電圧は、第2のパルス幅変調信号分の電圧しか重畳されないため、U相電流はUW相間電圧が概略零のとき電流が下降し、通電時は電流が上昇するという状態を繰り返す。ここで第1のパルス幅変調信号の通電/遮断比率よりも通電比率を低く設定することによって、やがて電流は零になる。この第2のパルス幅変調信号の通電比率を制御することで、モータ電流の減衰する傾きを変えることができる。即ち、増幅器11のゲインAを零に近づければ、電流の傾きは相間電圧が概略零の時の傾きで推移し、一方、ゲインを1.0 に近づければ、電流の減衰する傾きを緩くすることができる。
【0042】
ここで、電流の傾きを緩く設定すればトルク脈動はより平坦化され振動が抑制される方向に働くが、電流が零になるクロスポイントが遅延し、電流位相とモータの逆起電圧の位相に対して大きなズレが発生することがある。これにより無効電力が発生しモータ効率が低下する。従って、モータ効率とトレードオフの関係がある。増幅器11のゲインAを
0.5 前後にすることによりバランスのとれた性能を得ることが経験的に確認されている。
【0043】
以上の構成によって、速度制御演算処理手段13の速度指令に一致するように、モータの回転速度が制御される。即ち、モータ回転速度が速度指令値より小さいと、電流指令信号aの大きさを上昇させる。これによって、パルス幅変調信号における通電デューティ比が増加する。結果的に、インバータ装置3の出力電流が増大してモータのトルクが増加することによって、モータは加速し回転速度が速度指令値に一致する。モータ回転速度が速度指令値よりも大きくなった場合は、電流指令信号aの大きさを減少させて、上述と逆の動作によってモータを減速し回転速度を速度指令値に一致する。
【0044】
本実施例によれば、増幅器1個,比較器2個,搬送波発生器1個、及び信号選択手段の複数の論理回路のように、複雑な演算手法を用いず、比較的簡単に制御装置の構成可能である。従って、駆動回路が簡単になり、ブラシレスモータの駆動装置を小型化することができる。また、回路が簡単化されることにより、従来は速度制御演算処理手段(マイクロコンピュータなど)で行っていたPWM信号の発生を、インバータ装置3が形成される駆動回路6に一体形成される制御回路で行うことができる。すなわち、PWM制御回路,インバータ駆動装置(スイッチング素子のドライバ回路),インバータ主回路をモノリシックIC化できる。
【0045】
これにより、モータ駆動システムの各種の制御あるいは状態監視などを行うマイクロコンピュータなどの演算処理装置の負荷が軽減される。従って、小型あるいは安価な演算処理装置を用いることができる。また、駆動回路6内に速度指令値設定回路及び上述したような電流指令信号aを作成する機能を有する回路を内蔵すれば、速度制御演算処理手段13が不要になる。
【0046】
なお、本実施例において、破線で囲まれた枠内における駆動回路6は、モノリシック半導体集積回路装置内に形成された場合を示したが、インバータ装置3を除いてモノリシック化してもよい。この場合、インバータ装置容量を自由に選択できるので、多様な容量のモータを扱うことができる利便性がある。
【実施例2】
【0047】
次に、他の実施例について図4を用いて説明する。本実施例は、実施例1に対し、オーバラップ期間を得る方法が異なるものである。オーバラップ期間は、磁極の位置に応じず一定の時間を設定する。
【0048】
前記実施例1では、磁極の位置を得るために、ホール素子の出力する数百mVの微弱な正弦波状の信号を得る必要があった。システムの構成によっては、モータと制御装置の設置場所が近傍になく、微弱な信号の配線を引き回すことによって、容易にノイズの影響を受ける場合に対し有効である。
【0049】
図4において、ホール素子5の信号を比較器10のより論理信号化(HU,HV,HW)する。各相のホール信号から、立ち上がり及び立下りエッジに同期した論理信号に変換する。これは1/6周期のハイロー信号に相当する。この信号のエッジに同期して、一定時間を有するワンショットのパルス信号を発生すると、図2と同様なオーバラップ信号c1が得られる。ただし、この信号は磁極の位置と無関係であるから、電気角としては一定でなく、即ちモータ4の回転数に影響を受けないという特徴がある。
【0050】
従って、回転数が十分に低いときは、オーバラップ期間の影響は受けにくく、トルク脈動を平坦にする効果は十分に得られない。一方、回転数が十分に高い場合は、オーバラップ期間が連続してしまう状態となり、モータ電流と誘起電圧の位相ズレが発生し、効率が十分に得られなくなる影響がある。
【0051】
よって、本実施例2においては、モータ4の定格回転数に対してオーバラップ時間を最適に設定しなければならないという条件が必要である。しかし、ポンプやファンなどの特定の負荷においては、当該条件は大きな障害とはならない。また、回路構成部品が少なくなることから、コスト面にも有利となる。
【0052】
インバータ装置をモノリシック化することの利点は次の通りである。
(1)インバータ装置が小型になるので、モータに内蔵できる。
(2)インバータ装置がモータ内蔵にできるので、位置検出信号をモータの外に引き出す必要がなくなり、引出し配線が省略できる。
(3)位置検出回路とインバータ装置の距離が短く、また、位置検出信号が論理信号であるため、インバータ装置の出力電圧のdv/dtノイズに対してノイズ耐量を高めることができる。
(4)インバータ装置のモノリシック化によって、モータ電流指令を増幅する増幅器のばらつき精度が向上することで、第1のパルス幅変調信号と第2のパルス幅変調信号の導通比率のばらつき精度を容易に向上することができる。
(5)モータの電流指令が1つの直流電圧信号で制御できるため、モータからの引き出し配線を簡略化できる。
【実施例3】
【0053】
図5に、上記の利点を考慮した、モータ駆動回路を有する駆動回路6を内蔵するモータの実施例を示す。
【0054】
図5において、本発明によるインバータ装置内蔵の駆動回路6及び回転子の磁極位置検出器(ホール素子)5、並びに周辺回路を回路基板54に設置する。なお、図5において、位置検出器5を便宜上上向きに示してあるが、実際は基板の裏側に設置し、回転子の磁極を検出しやすい様にしておく。巻線入力端子58を備えたモータ巻線からなる固定子
52を、巻線入力端子58と回路基板側モータ出力端子57を絶縁されたモータ巻線の配線56によって接続し、基板と固定子を固定する。
【0055】
これらを、モータの筐体55にはめこみ、回路基板54からモータ入出力配線59を筐体外へ引き出す。永久磁石回転子53を、固定子52に触れないよう適切なギャップを設けて、固定子内部に設置する。さらにモータ4の筐体51をはめこみ、回転子の軸を固定する。なお、筐体55は、樹脂などの封止材料で置換えてもよい。
【0056】
筐体55外へ引き出されたモータ入出力配線59において、モータ4の駆動に最低限必要な配線数は、モータ駆動用の高圧電源+側,−側(グランド),モノリシック集積回路用制御電源+側,モータ電流制御用入力信号,モータ回転出力信号の計5つである。従って、モータ駆動回路を筐体55の外部に設ける場合に比べて、配線数が大幅に削減される。
【0057】
上記の各実施例による小型かつ安価に低騒音を実現するブラシレスモータを用いることによって、給湯器,空気清浄器,洗濯機,ポンプなどの家電または産業用設備において、次のような効果が有る。
(1)モータが低騒音となるため、振動防止装置(防振ゴム等)を削減できる。
(2)振動防止装置の削減によって、装置が小型化になる。
(3)振動防止装置の信頼性を懸念する必要がなく信頼性が向上する。
【実施例4】
【0058】
図6は、本発明によるモータ駆動回路が形成されるモノリシック半導体集積回路の断面を示す。本集積回路は、誘電体分離基板に形成される。
【0059】
該図に示す如く、誘電体(絶縁体)であるシリコン酸化膜(SiO2 )42で覆われた単結晶島44の中に、図1においてインバータ装置3を構成する半導体スイッチング素子
(IGBT)や高速ダイオード,インバータ駆動装置8やPWM信号を発生するための他の回路などを構成する電気素子が形成される。素子間はアルミニウムなどの導体配線43で結線される。各単結晶島44は、シリコン酸化膜42によって電気的に絶縁分離されるとともに、単結晶島44及びシリコン酸化膜42の外側を覆う多結晶シリコンにより支持される。
【0060】
なお、電気的に絶縁分離される単結晶島の形成は、SOI(Silicon On Insulator)技術を使用してもよい。
【0061】
図7は、図6のモノリシック半導体集積回路の平面パターンを示す。6個の高速ダイオード46が隣接して設けられる領域と、6個のIGBT(Insulated Gate Bipolar
Transistor)47が隣接して設けられる領域があり、これらの半導体素子によりインバータ装置が構成される。IGBTが設けられる領域に隣接して、これらのIGBTをオンオフ制御するためのインバータ駆動装置やPWM信号を発生するIGBT駆動回路及び論理回路48が領域に形成される。上記の実施例は、IGBT駆動回路及び論理回路48に適用される。このため、IGBT駆動回路及び論理回路48は、インバータ駆動装置及び
PWM信号を発生する回路を含むにもかかわらず、比較的簡単な回路構成になるために
IGBT駆動回路及び論理回路48の面積を低減することができる。従って、小さなチップサイズで、インバータ装置,インバータ駆動装置及びPWM信号を発生するための回路をモノリシック化できる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
上記の各実施例による小型かつ安価に低騒音を実現するブラシレスモータを用いることによって、給湯器,空気清浄器,洗濯機,ポンプなどの家電または産業用設備において利用される。
【0063】
またモータの駆動方法は、ハードディスクドライブ,フレキシブルディスクドライブ,光磁気ディスクドライブ,CD−ROMドライブ,ディジタルビデオディスクドライブ,複写機,プリンタ,ファクシミリ,ビデオカメラ装置などに使用する小型モータにも利用される可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施例であるモータ駆動回路および本回路及びモータを含めたモータ駆動システムを示す図である。
【図2】図1における各部の動作波形を示す図である。
【図3】図2におけるU相からV相へ相の切り替えが発生する際の各部の動作波形を示す図である。
【図4】本発明の他の実施例であるモータ駆動回路および本回路及びモータを含めたモータ駆動システムを示す図である。
【図5】本発明によるモノリシック半導体集積回路を内蔵したモータを示す分解斜視図である。
【図6】本発明によるモータ駆動回路が形成されるモノリシック半導体集積回路の誘電体分離基板を示す断面図である。
【図7】本発明によるモノリシック半導体集積回路の平面パターンを示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 商用電源
2 整流器
3 インバータ装置
4 3相ブラシレスモータ
5 磁極位置検出器
6 駆動回路
7 インバータ装置及びモータ磁極位置検出器内蔵モータ
8 インバータ出力回路の駆動装置
9 波形選択器
10 比較器
11 増幅器
12 論理積回路
13 速度制御演算処理装置(マイクロコンピュータ)
14 搬送波発生器
15 周波数−電圧変換器(F/V)
16 オーバラップ期間生成回路
41 多結晶シリコン基板
42 シリコン酸化膜(SiO2
43 アルミニウム配線
44 単結晶島
45 モノリシック集積回路チップ
46 高速ダイオード
47 IGBT
48 IGBT駆動回路及び論理回路
51,55 モータ筐体
52 固定子
53 回転子
54 回路基板
56 モータ巻線の配線
57 回路基板側モータ出力端子
58 巻線入力端子
59 モータ入出力配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの複数相のコイルにパルス幅変調制御した駆動電力を供給する電力変換装置と、
前記モータの回転速度と速度指令値との偏差に基づいて演算した電流指令信号を出力する速度制御演算手段と、
該速度制御演算手段からの電流指令信号と搬送波とから第1のパルス幅変調信号を生成する第1のパルス幅変調信号生成手段と、
前記速度制御演算手段からの電流指令信号を増幅した信号と搬送波とから第2のパルス幅変調信号を生成する第2のパルス幅変調信号生成手段と、
前記モータの磁極位置に基づいて、相の切替え時に所定のオーバラップ期間を生成する手段と、
前記第2のパルス幅変調信号とオーバラップ期間とを論理積した信号と、前記第1のパルス幅変調信号と、前記モータの磁極位置信号とを入力し、前記モータの磁極位置に基づいて発生する相の切替え時に第1の通電相にフル通電状態を選択し、切替わる第2の通電相に前記第1のパルス幅変調信号を選択し、前記オーバラップ期間における第1の通電相に前記第2のパルス幅変調信号を選択し選択信号として出力する信号選択手段と、
該信号選択手段からの選択信号に基づいて前記電力変換装置をパルス幅変調制御するパルス幅変調制御手段とを備えていることを特徴とするモータ駆動回路。
【請求項2】
請求項1において、前記オーバラップ期間を電気角で固定したことを特徴とするモータ駆動回路。
【請求項3】
請求項1において、前記オーバラップ期間を一定の時間で固定したことを特徴とするモータ駆動回路。
【請求項4】
半導体チップと、
該半導体チップに形成されたパルス幅変調制御によりオンオフされ、モータに電力を供給する複数個の半導体スイッチング素子と、
前記モータの回転速度と速度指令値との偏差に基づいて演算した電流指令信号を出力する速度制御演算手段と、
該速度制御演算手段からの電流指令信号と搬送波とから第1のパルス幅変調信号を生成する第1のパルス幅変調信号生成手段と、
前記速度制御演算手段からの電流指令信号を増幅した信号と搬送波とから第2のパルス幅変調信号を生成する第2のパルス幅変調信号生成手段と、
前記モータの磁極位置に基づいて、相の切替え時に所定のオーバラップ期間を生成する手段と、
前記第2のパルス幅変調信号とオーバラップ期間とを論理積した信号と、前記第1のパルス幅変調信号と、前記モータの磁極位置信号とを入力し、前記モータの磁極位置に基づいて発生する相の切替え時に第1の通電相にフル通電状態を選択し、切替わる第2の通電相に前記第1のパルス幅変調信号を選択し、前記オーバラップ期間における第1の通電相に前記第2のパルス幅変調信号を選択し選択信号として出力する信号選択手段と、
該信号選択手段からの選択信号に基づいて前記電力変換装置をパルス幅変調制御するパルス幅変調制御手段とを備えていることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項5】
モータと、
該モータにパルス幅変調制御した駆動電力を供給する電力変換装置と、
前記モータの回転速度と速度指令値との偏差に基づいて演算した電流指令信号を出力する速度制御演算手段と、
該速度制御演算手段からの電流指令信号と搬送波とから第1のパルス幅変調信号を生成する第1のパルス幅変調信号生成手段と、
前記速度制御演算手段からの電流指令信号を増幅した信号と搬送波とから第2のパルス幅変調信号を生成する第2のパルス幅変調信号生成手段と、
前記モータの磁極位置に基づいて、相の切替え時に所定のオーバラップ期間を生成する手段と、
前記第2のパルス幅変調信号とオーバラップ期間とを論理積した信号と、前記第1のパルス幅変調信号と、前記モータの磁極位置信号とを入力し、前記モータの磁極位置に基づいて発生する相の切替え時に第1の通電相にフル通電状態を選択し、切替わる第2の通電相に前記第1のパルス幅変調信号を選択し、前記オーバラップ期間における第1の通電相に前記第2のパルス幅変調信号を選択し選択信号として出力する信号選択手段と、
該信号選択手段からの選択信号に基づいて前記電力変換装置をパルス幅変調制御するパルス幅変調制御手段とを備えていることを特徴とするモータ駆動システム。
【請求項6】
回転子及び固定子と、該回転子及び固定子を収納する筐体とを有するモータであって、
前記回転子の磁極の位置を検出するための磁極位置検出器及びモータ駆動回路とが前記筐体内に内蔵されていて、
前記モータ駆動回路が、前記モータにパルス幅変調制御した駆動電力を供給する電力変換装置と、
前記モータの回転速度と速度指令値との偏差に基づいて演算した電流指令信号を出力する速度制御演算手段と、
該速度制御演算手段からの電流指令信号と搬送波とから第1のパルス幅変調信号を生成する第1のパルス幅変調信号生成手段と、
前記速度制御演算手段からの電流指令信号を増幅した信号と搬送波とから第2のパルス幅変調信号を生成する第2のパルス幅変調信号生成手段と、
前記モータの磁極位置に基づいて、相の切替え時に所定のオーバラップ期間を生成する手段と、
前記第2のパルス幅変調信号とオーバラップ期間とを論理積した信号と、前記第1のパルス幅変調信号と、前記モータの磁極位置信号とを入力し、前記モータの磁極位置に基づいて発生する相の切替え時に第1の通電相にフル通電状態を選択し、切替わる第2の通電相に前記第1のパルス幅変調信号を選択し、前記オーバラップ期間における第1の通電相に前記第2のパルス幅変調信号を選択し選択信号として出力する信号選択手段と、
該信号選択手段からの選択信号に基づいて前記電力変換装置をパルス幅変調制御するパルス幅変調制御手段とを備えていることを特徴とするモータ。
【請求項7】
請求項6において、
前記筐体に内蔵したモータ駆動回路が半導体回路装置を備え、該半導体回路装置が半導体チップに形成されたパルス幅変調制御によりオンオフされ、前記モータに電力を供給する複数個の半導体スイッチング素子と、
前記モータの回転速度と速度指令値との偏差に基づいて演算した電流指令信号を出力する速度制御演算手段と、
該速度制御演算手段からの電流指令信号と搬送波とから第1のパルス幅変調信号を生成する第1のパルス幅変調信号生成手段と、
前記速度制御演算手段からの電流指令信号を増幅した信号と搬送波とから前記第2のパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調信号生成手段と、
前記モータの磁極位置に基づいて、相の切替え時に所定のオーバラップ期間を生成する手段と、
前記第2のパルス幅変調信号とオーバラップ期間とを論理積した信号と、前記第1のパルス幅変調信号と、前記モータの磁極位置信号とを入力し、前記モータの磁極位置に基づいて発生する相の切替え時に第1の通電相にフル通電状態を選択し、切替わる第2の通電相に前記第1のパルス幅変調信号を選択し、前記オーバラップ期間における第1の通電相に前記第2のパルス幅変調信号を選択し選択信号として出力する信号選択手段と、
該信号選択手段からの選択信号に基づいて前記電力変換装置をパルス幅変調制御するパルス幅変調制御手段とを備えていることを特徴とするモータ。
【請求項8】
パルス幅変調制御される電力変換装置によってモータを駆動するモータ駆動方法であって、
前記モータの回転速度と速度指令値との偏差に基づいて演算した電流指令信号を作成し、
該電流指令信号と搬送波とから第1のパルス幅変調信号を生成し、
該電流指令信号を増幅した信号と搬送波とから第2のパルス幅変調信号を生成し、
前記モータの磁極位置に基づいて、相の切替え時に所定のオーバラップ期間を生成し、
前記第2のパルス幅変調信号とオーバラップ期間とを論理積した信号と、前記第1のパルス幅変調信号と、前記モータの磁極位置信号とを入力し、前記モータの磁極位置に基づいて発生する相の切替え時に第1の通電相にフル通電状態を選択し、切替わる第2の通電相に前記第1のパルス幅変調信号を選択し、前記オーバラップ期間における第1の通電相に前記第2のパルス幅変調信号を選択してなる選択信号を作成し、
該選択信号に基づいて前記電力変換装置をパルス幅変調制御することを特徴とするモータ駆動方法。
【請求項9】
モータの複数相のコイルにパルス幅変調制御した駆動電力を供給する電力変換装置と、
前記モータの推定回転速度と速度指令値との偏差に基づいて演算した電流指令信号を出力する速度制御演算手段と、
該速度制御演算手段からの電流指令信号と搬送波とから第1のパルス幅変調信号を生成する第1のパルス幅変調信号生成手段と、
前記速度制御演算手段からの電流指令信号を増幅した信号と搬送波とから第2のパルス幅変調信号を生成する第2のパルス幅変調信号生成手段と、
前記モータの推定磁極位置に基づいて、相の切替え時に所定のオーバラップ期間を生成する手段と、
前記第2のパルス幅変調信号とオーバラップ期間とを論理積した信号と、前記第1のパルス幅変調信号と、前記モータの推定磁極位置信号とを入力し、前記モータの推定磁極位置に基づいて発生する相の切替え時に第1の通電相にフル通電状態を選択し、切替わる第2の通電相に前記第1のパルス幅変調信号を選択し、前記オーバラップ期間における第1の通電相に前記第2のパルス幅変調信号を選択し選択信号として出力する信号選択手段と、
該信号選択手段からの選択信号に基づいて前記電力変換装置をパルス幅変調制御するパルス幅変調制御手段とを備えていることを特徴とするモータ駆動回路。
【請求項10】
請求項9において、前記オーバラップ期間を推定電気角で固定したことを特徴とするモータの駆動回路。
【請求項11】
請求項9において、前記オーバラップ期間を一定の時間で固定したことを特徴とするモータの駆動回路。
【請求項12】
半導体チップと、
該半導体チップに形成されたパルス幅変調制御によりオンオフされ、モータに電力を供給する複数個の半導体スイッチング素子と、
前記モータの推定回転速度と速度指令値との偏差に基づいて演算した電流指令信号を出力する速度制御演算手段と、
該速度制御演算手段からの電流指令信号と搬送波とから第1のパルス幅変調信号を生成する第1のパルス幅変調信号生成手段と、
前記速度制御演算手段からの電流指令信号を増幅した信号と搬送波とから第2のパルス幅変調信号を生成する第2のパルス幅変調信号生成手段と、
前記モータの推定磁極位置に基づいて、相の切替え時に所定のオーバラップ期間を生成する手段と、
前記第2のパルス幅変調信号とオーバラップ期間とを論理積した信号と、前記第1のパルス幅変調信号と、前記モータの推定磁極位置信号とを入力し、前記モータの推定磁極位置に基づいて発生する相の切替え時に第1の通電相にフル通電状態を選択し、切替わる第2の通電相に前記第1のパルス幅変調信号を選択し、前記オーバラップ期間における第1の通電相に前記第2のパルス幅変調信号を選択し選択信号として出力する信号選択手段と、
該信号選択手段からの選択信号に基づいて前記電力変換装置をパルス幅変調制御するパルス幅変調制御手段とを備えていることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項13】
回転子及び固定子と、該回転子及び固定子を収納する筐体とを有するモータであって、
前記筐体内にモータ駆動回路が内蔵されていて、該モータ駆動回路が、モータにパルス幅変調制御した駆動電力を供給する電力変換装置と、
前記モータの磁極回転速度と速度指令値との偏差に基づいて演算した電流指令信号を出力する速度制御演算手段と、
該速度制御演算手段からの電流指令信号と搬送波とから第1のパルス幅変調信号を生成する第1のパルス幅変調信号生成手段と、
前記速度制御演算手段からの電流指令信号を増幅した信号と搬送波とから第2のパルス幅変調信号を生成する第2のパルス幅変調信号生成手段と、
前記モータの推定磁極位置に基づいて、相の切替え時に所定のオーバラップ期間を生成する手段と、
前記第2のパルス幅変調信号とオーバラップ期間とを論理積した信号と、前記第1のパルス幅変調信号と、前記モータの推定磁極位置信号とを入力し、前記モータの推定磁極位置に基づいて発生する相の切替え時に第1の通電相にフル通電状態を選択し、切替わる第2の通電相に前記第1のパルス幅変調信号を選択し、前記オーバラップ期間における第1の通電相に前記第2のパルス幅変調信号を選択し選択信号として出力する信号選択手段と、
該信号選択手段からの選択信号に基づいて前記電力変換装置をパルス幅変調制御するパルス幅変調制御手段とを備えていることを特徴とするモータ。
【請求項14】
請求項13において、
前記筐体に内蔵したモータ駆動回路が半導体回路装置を備え、該半導体回路装置が、半導体チップに形成されたパルス幅変調制御によりオンオフされ、前記モータに電力を供給する複数個の半導体スイッチング素子と、
前記モータの推定回転速度と速度指令値との偏差に基づいて演算した電流指令信号を出力する速度制御演算手段と、
該速度制御演算手段からの電流指令信号と搬送波とから第1のパルス幅変調信号を生成する第1のパルス幅変調信号生成手段と、
前記速度制御演算手段からの電流指令信号を増幅した信号と搬送波とから第2のパルス幅変調信号を生成する第2のパルス幅変調信号生成手段と、
前記モータの推定磁極位置に基づいて、相の切替え時に所定のオーバラップ期間を生成する手段と、
前記第2のパルス幅変調信号とオーバラップ期間とを論理積した信号と、前記第1のパルス幅変調信号と、前記モータの推定磁極位置信号とを入力し、前記モータの推定磁極位置に基づいて発生する相の切替え時に第1の通電相にフル通電状態を選択し、切替わる第2の通電相に前記第1のパルス幅変調信号を選択し、前記オーバラップ期間における第1の通電相に前記第2のパルス幅変調信号を選択し選択信号として出力する信号選択手段と、
該信号選択手段からの選択信号に基づいて前記電力変換装置をパルス幅変調制御するパルス幅変調制御手段とを備えていることを特徴とするモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−118830(P2008−118830A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302244(P2006−302244)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000233273)日立原町電子工業株式会社 (15)
【Fターム(参考)】