説明

ラインセンサーカメラを用いたX線検査装置

【課題】高価な位置決め機構や複数式の検査機器を用いることなく、感度・鮮鋭度の高い画像を取得できると共に、搬送される被検査物の内部部位の寸法を高精度で測定可能なX線検査装置を提供する。
【解決手段】X線発生手段と、X線を感知できるCCD素子を被検査物の進行方向と直交する方向に1ライン配列すると共に進行方向に2列以上配列し、各列のCCD素子により、搬送される被検査物を繰り返し露光して取得した像を一列ずつシフトながら重ね合せて被検査物のX線透過像を出力するラインセンサーカメラを有する撮像手段と、被検査物を前記進行方向に搬送すると共に、撮像手段が1ライン単位で各列のCCD素子の電荷を転送して読み出す際の電荷転送速度に合わせた搬送速度で被検査物を搬送する搬送手段と、撮像手段から出力されるX線透過像に基づいて被検査物の内部を含む所定の検査対象部位の寸法を測定する寸法測定手段と、を備えた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラインセンサーカメラを用いたX線検査装置に関し、特に、搬送される被検査物の内部部位の寸法を高精度で測定することが可能なX線測定装置、及び、その寸法測定機能を少なくとも有するX線検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種電池・基板・特殊シート材・半導体部品・MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)など様々な分野で精密化・微細化、高集積化が進んでいる。一方で社会的要求である安全への対応や品質保証への対応として、X線を用いた非破壊内部検査の必要性が高まっている。このような検査では高い分解能が要求されるが、X線自体がノイズの大きい電磁波である上に被検査物を透過して被透過物の情報を含んだX線をセンサで受像するため、一般的には感度が悪い画像になる。
【0003】
このような不具合を回避するために、X線カメラユニット(イメージインテンシファイア+CCDカメラ)で撮像する際に、正確に位置決めして完全停止状態で数枚〜数十枚の画像を取得し(以降「多重露光」と呼ぶ)、重ね合わせ画像処理として平均化処理等を行うことでノイズを減らし、感度・鮮鋭度の高い画像にして検査に用いているのが現状である。しかし、位置決め機構は高価である。
【0004】
上記のようなX線カメラユニットの代わりにX線ラインセンサーカメラを用いて撮像する際には、被検査物を停止させる必要性は無いが(例えば特許文献1参照)、多重露光させるためには必要回数だけ撮像工程を繰り返す必要があり、一式のX線発生器+X線ラインセンサーカメラで複数回の撮像を行う場合は著しく検査時間が増加し、複数式のX線発生器+X線ラインセンサーカメラで対応した場合は装置サイズ及び費用が著しく増加する。そのため、X線ラインセンサーカメラを用いたシステムでは、多重露光は行えず、故に取得画像は一般的に感度不足による低輝度画像となることが懸念され、精密な検査には不向きである。
【0005】
これらのX線カメラユニットやX線ラインセンサーカメラの問題点を解決したものとしては、被検査物を流した状態で直接多重露光を可能にしたカメラ(以降「X線用TDI(Time Delay Integration)カメラ」と呼ぶ)がある。
【0006】
X線用TDIカメラの例としては、透過情報を撮像したい幅にX線を感知できるCCD素子を並べ、進行方向には任意の列の素子を配置し、一定速度で移動する被検査物の移動方向・速度とCCDの電荷転送方向・速度を合わせて撮像することで、移動する被検査物を繰り返し露光して取得した像を一列ずつシフトながら重ね合わせるX線カメラユニットで行う多重露光と同様の結果を得ることができ、その結果、ノイズを減らし、感度・鮮鋭度の高い画像にして検査に用いることができる方式のカメラがある(例えば非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−292371号公報
【非特許文献1】浜松ホトニクス株式会社、“X線関連製品”、[online]、[平成22年1月8日検索]、X線TDIカメラ、インターネット〈URL:http://jp.hamamatsu.com/products/x-ray/5101/c10650/index_ja.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、非破壊内部検査用のカメラとしてX線用TDIカメラを利用することで、X線カメラユニットや一般的なX線ラインセンサーカメラを用いたときの前述の問題点を解決することできる。
【0009】
しかし、X線用TDIカメラは、被検査物の移動方向・速度とCCDの電荷転送方向・速度を合わせて撮像する必要があり、そのためには、撮像時の被検査物移動には高い等速性と直進性が必要とされるが、平ベルトによるコンベア搬送は、駆動ロールと平ベルト間の摩擦により動力を伝達するため、モータ自身を等速性等の高いものを使用しても被検査物移動の等速性に信頼性が低く、また駆動ロールと平ベルト間の摩擦を得るため常に平ベルトに張力を加えているため、中・長期間の運転により必ず伸びが発生し蛇行が発生することから直進性も信頼性が低い、という問題がある。
【0010】
機械的なガイドを用いれば直進性を確保できる場合もあるが、製品へのスクラッチの発生が懸念され、また厚みの小さな被検査物には適応できない。そもそもLM(Linear Motion)ガイド等の直進ガイドとボールネジ等の動力伝達を用いた被検査物搬送系により、平ベルトによるコンベア搬送の問題点は改善されるが、高価であるとともに、エンドレス構造ではなく1軸上の往復運動のため繰り返し検査複数回を行う場合等は検査時間が増加し、機械構成にも制約が大きい。
【0011】
コンベア搬送用に使用されるベルトには、蛇行の原因となる伸びに強い金属または強化繊維性の芯線を埋め込んだ歯付ベルトがある。さらに歯付きベルトの動力伝達方法は、駆動軸に連結されたベルトの歯形状にあった形状のプーリとの噛み合いにより得られるもので、平ベルトの摩擦による動力伝達に比べモータの等速性能を失う事が無い。しかし、この芯線や歯形状がX線を透過しない又は透過し難いため、X線検査機の被検査物搬送に使用することはできない。
【0012】
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本発明の主要な目的は、高価な位置決め機構や複数式の検査機器(X線発生器+X線ラインセンサーカメラ)を用いることなく、被検査物を停止させずに感度・鮮鋭度の高い画像を取得することができると共に、搬送される被検査物の内部部位の寸法を高精度で測定することが可能なX線検査装置を提供することにある。また、本発明の更なる目的は、被検査物移動の等速性及び直進性の信頼性が高く、且つ運転や長期間の運転を行っても検査精度を維持することが可能なX線検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、に関するものであり、本発明の上記目的は、
搬送される被検査物を対象として、X線を用いて前記被検査物の内部を検査するX線検査装置であって、前記被検査物に対してX線を発生するX線発生手段と、X線を感知できるCCD素子を前記被検査物の進行方向と直交する方向に1ライン配列すると共に前記進行方向に2列以上配列し、該進行方向に配列された各列のCCD素子により前記搬送される被検査物を繰り返し露光して取得した像を一列ずつシフトながら重ね合せて前記被検査物のX線透過像を出力するラインセンサーカメラを有する撮像手段と、前記被検査物を前記進行方向に搬送すると共に、前記撮像手段が前記1ライン単位で前記各列のCCD素子の電荷を転送して読み出す際の電荷転送速度に合わせた搬送速度で前記被検査物を搬送する搬送手段と、前記撮像手段から出力される前記X線透過像に基づいて前記被検査物の内部を含む所定の検査対象部位の寸法を測定する寸法測定手段と、を備えることによって達成される。
【0014】
さらに、本発明の上記目的は、
前記寸法測定手段により測定された前記検査対象部位の寸法測定値と前記検査対象部位に対応して設定されている閾値との比較に基づいて前記被検査物の品質を判定する品質判定手段を備えること、
前記寸法測定手段は、平面的に重なった部品の各部位を含む前記被検査物の構成部品内部の各部位、及び部位と部位との間のギャップを測定対象として、前記検査対象部位の寸法を測定すること、
前記寸法測定手段は、薄板材の厚み及びシート材のコーティング層の厚みを含む前記被検査物の平行平面部位の厚みを測定対象として、前記被検査物を構成する材料のX線透過性の違いによる前記X線透過像の取込画像の輝度変化から前記平行平面部位の厚みムラを測定する機能を有すること、
前記撮像手段側の前記電荷転送速度と前記搬送手段側の前記搬送速度とを同期させる同期制御手段を備えること、
前記撮像手段が、外部コンピュータから参照可能な前記電荷転送速度のパラメータを有する撮像カメラであって、前記同期制御手段は、前記撮像カメラから得た前記パラメータに基づいて前記電荷転送速度を求め、その前記電荷転送速度に前記搬送速度が一致するように、前記搬送手段の搬送速度を制御すること、
前記撮像手段が、外部コンピュータからの指令によって設定変更可能な前記電荷転送速度のパラメータを有する撮像カメラであって、前記同期制御手段は、前記搬送速度に前記電荷転送速度が一致するように、前記撮像カメラ側に指令して前記電荷転送速度を制御すること、
前記被検査物の搬送速度をリアルタイムに検出する搬送速度検出手段を備え、前記同期制御手段は、前記搬送速度と前記電荷転送速度との同期制御を前記搬送手段の稼動中に実行可能に構成されていること、
前記搬送手段がベルトコンベア式の搬送装置であって、該搬送装置は、前記被検査物の搬送速度の変動防止手段及び前記被検査物の蛇行防止手段を兼ねる速度変動/蛇行防止手段が、前記X線透過像の撮像に影響の無い位置に設けられていること、
前記速度変動/蛇行防止手段は、歯付きベルト部が前記X線透過像の撮像に影響の無い位置に搬送ベルト本体と一体的に設けられた搬送ベルトと、前記歯付きベルト部の歯に噛合する歯が外周に形成された歯付きプーリと、を含んで構成されること、
前記速度変動/蛇行防止手段は、噛み合い穴又は送り穴ピンを有するスチールベルト部が前記X線透過像の撮像に影響の無い位置に搬送ベルト本体と一体的に設けられた搬送ベルトと、前記スチールベルト部の噛み合い穴又は送り穴ピンに係合する送り穴ピン又は噛み合い穴を有するプーリと、を含んで構成されること、
前記ベルトコンベア式の搬送装置の搬送ベルト本体は、X線透過性が良好で且つその性能が均一な合成ゴム又は合成樹脂で形成されていること、
前記搬送手段は、前記被検査物を把持する把持手段と、前記把持手段の移動又は本体の移動によって前記被検査物を搬送する移動手段と、を有する搬送ロボットであること、
によってそれぞれ一層効果的に達成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、被検査物を停止・位置決めすること無くノイズを減らし、感度・鮮鋭度の高い画像を取得でできるX線検査装置を機械的制約が少なく安価に提供することが可能となる。また、搬送される被検査物の内部部位の寸法を高精度で測定することが可能になる。さらに、速度変動/蛇行防止手段を備えた構成とすることで、被検査物移動の等速性及び直進性の信頼性が高く、且つ運転や長期間の運転を行っても検査精度を維持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るX線検査装置の全体構成の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係るX線用TDIカメラの動作原理を説明するための模式図である。
【図3】本発明に係る搬送装置の構成の一例を示す模式図である。
【図4】本発明に係る搬送ベルトの実例を示す図面代用写真である。
【図5】本発明に係る歯付きベルト部の他の構成例を示す第1の模式図である。
【図6】本発明に係る歯付きベルト部の他の構成例を示す第2の模式図である。
【図7】本発明に係る歯付きベルト部の他の構成例を示す第3の模式図である。
【図8】本発明に係る搬送装置の他の構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
(1.X線検査装置の全体構成)
(2.X線検査装置の各部の構成)
(3.搬送装置の構成の具体例)
(4.歯付き搬送ベルトの具体例)
(5.歯付きベルト部の他の構成例)
(6.搬送装置の他の構成例)
(7.同期制御手段の他の制御例)
本発明に係るX線検査装置は、X線を用いて被検査物を透視することで被検査物を検査する装置であり、特に、搬送される電子・電気・機械部品製品等を対象として、それらの部品製品の内部を含む所定部位の寸法を高精度に測定するX線測定装置として好適に適用される。先ず、本発明に係るX線検査装置の全体構成について説明する。
【0018】
(1.X線検査装置の全体構成)
図1は、本発明に係るX線検査装置の全体構成の一例を示す概略構成図である。全体構成を説明する前に、検査方式と検査対象について概説する。
【0019】
本実施の形態では、連続運転をしている搬送装置4の搬送面を挟んで一方にX線発生器2を他方にX線用TDIカメラ3を配置し、被検査物Wの検知センサ1(1a,1b)からのトリガー信号で被検査物Wの撮像タイミングを得た後、X線による透過画像をX線用TDIカメラ3によって取得し、画像処理部5において被検査物Wの検査を行う形態としている。尚、カメラにて常時画像取込を行いながら画像処理部にて取込画像の輝度変化を監視し、必要な部分のみを記録することで被検査物Wの検知センサ1(1a,1b)からのトリガー信号を用いた撮像方法の代用とすることが出来る。
【0020】
被検査物Wは、各種電池,基板,特殊シート材,半導体部品,MEMSなど、電子・電気・機械部品製品であり、X線検査装置では、被検査物Wの種類に応じて所定の検査を実行する。ここで言う所定の検査とは、上記のような部品製品の内部状態、特に内部の所定部位の寸法測定を含む検査である。具体的な検査については後述する。
【0021】
次に、図1に示されるX線検査装置の全体構成について説明する。
【0022】
図1において、X線検査装置は、検査領域に向けて搬送されて来る被検査物Wを検知する被検査物検知センサ1と、被検査物Wに対してX線Lを照射するX線発生手段としてのX線発生器2と、被検査物Wを透過したX線により被検査物Wの透過画像を撮像する撮像手段としてのX線用TDIカメラ3と、搬送ベルト4aの搬送面上に載置された被検査物Wを図1中のX方向に一定速度で搬送する搬送手段としての搬送装置4と、被検査物WのX線透過画像を処理して所定の検査を実行する検査手段(後述の寸法測定手段及び品質判定手段を含む検査手段)としての画像処理部5と、後述の電荷転送速度と搬送速度との同期制御を含む各機器の動作制御,検査結果の記録や表示制御などを行う制御手段としての制御部6と、表示手段及び操作手段としての表示・操作部7と、搬送装置4を駆動する搬送駆動部8と、を備えている。
【0023】
なお、図1の例では、搬送装置4の搬送面に対して、X線用TDIカメラ3を上方、X線発生器2を下方に配置した構成を例としているが、X線発生器2を上方、X線用TDIカメラ3を下方に配置した構成としても良い。また、図1の例では、X線発生器2とX線用TDIカメラ3の配置は、X線発生器2の発生部とX線用TDIカメラ3の撮像部とを結ぶ線(図1中のX線を示す仮想線L)が、搬送装置4の搬送面に対して垂直になるように配置した構成を例としているが、搬送装置4の搬送面と図1中の仮想線Lとの成す角度は90度に限るものではなく、仮想線Lが搬送路の上流側又は下流側に傾斜した角度となるようにX線発生器2とX線用TDIカメラ3とを配置した構成とし、被検査物Wに対して傾斜した角度でX線を発生しそのX線透過像を撮像する形態としても良い。また、図1の例では、環状の搬送ベルト4aの内側空間部にX線発生器2を配置した例を示しているが、図1中のX線発生器2(又はX線用TDIカメラ3)を環状の搬送ベルト4aの外側に配置した構成とし、2枚の搬送ベルト4aを貫通してX線を発生してそのX線透過像を撮像する形態としても良い。
【0024】
(2.X線検査装置の各部の構成)
次に、X線検査装置の各部の構成およびその動作例について個別に説明する。なお、既に説明した機能等については省略若しくは簡略化して説明する。
【0025】
<被検査物検知センサ1>
被検査物検知センサ1は、例えば、搬送路の上流側に搬送ベルト4aの搬送面を挟んで対向配置される投受光センサ1a,1bから構成され、被検査物Wを検知した時点で検知信号を出力する。
【0026】
<X線発生器2>
X線発生器2は、電子銃,対物レンズ,X線発生用ターゲット等か構成され、搬送装置4の搬送面を挟んでX線用TDIカメラ3と対向して配置されたX線発生部から被検査物Wに対してX線を照射する。
【0027】
<X線用TDIカメラ3>
X線用TDIカメラ3は、背景技術で説明した多重露光の機能を有するラインセンサーカメラであり、図1中のX方向に一定速度で搬送される被検査物Wの同一部位(搬送方向と直交するラインの撮像部位)を、搬送方向に配列されたn列(n≧2)のセンサによってn回繰り返し露光することで、高速性と高感度を両立させたカメラである。
【0028】
本実施の形態では、X線用TDIカメラ3としては、X線を感知できるCCD素子を被検査物Wの進行方向Xと直交する方向に1ライン配列すると共に、進行方向Xに2列以上(例えば128列)配列し、その各列のCCD素子により搬送される被検査物Wを繰り返し露光して取得した像を一列ずつシフトながら重ね合せて被検査物WのX線透過像を出力する構成のラインセンサーカメラを備えている。
【0029】
ここで、X線用TDIカメラ3の動作原理について、図2の模式図を用いて説明する。
【0030】
X線用TDIカメラ3に搭載されているTDIセンサ(3a)は、図2に示すように、被検査物の進行方向(図中の矢印方向)と直交する方向にCCD素子が配列された1ラインのCCD素子群3a(1)が、被検査物の進行方向にn列(図2の例では説明の便宜上5列)配列されて構成される。TDIセンサ(3a)は、CCDの電荷の読み出し時に1ライン単位で転送を行う。この電荷転送タイミングとCCD面に入射している像が移動するタイミングを合わせれば、被検査物の搬送方向に配列したCCDの配列数nだけ露光することができる。この方式をTDI(Time Delay Integration)と言い、図2中のタイミングt1〜tnで同一部位がn回露光されることによって、図2中に示すように輝度が増加し、搬送される被検査物のX線透過像Gを高感度で撮像することができる。
【0031】
本発明に係るX線検査装置は、TDIセンサ(3a)の1ラインのCCD素子群3a(1)と直交する方向(図2中の矢印方向)に被検査物を搬送すると共に、X線用TDIカメラ3が1ライン単位で各列のCCD素子の電荷を転送して読み出す際の電荷転送速度に合わせた搬送速度で被検査物Wを搬送する形態とすることで、TDIセンサ(3a)の電荷転送タイミングと、TDIセンサ(3a)CCD面に入射している像が移動するタイミングとを一致させるようにしている。
【0032】
<搬送装置4>
搬送装置4は、図1の例では、図1中の矢印X方向に被検査物Wを搬送するベルトコンベア式の搬送装置である。X線用TDIカメラ3は前述のような動作をするため、X線用TDIカメラ3による撮像時の被検査物Wの移動には高い等速性と直進性が必要とされる。本実施の形態では、搬送装置4は、被検査物Wの搬送速度の変動防止手段及び被検査物Wの蛇行防止手段を兼ねる手段として、例えば、被検査物Wが載置される搬送面の裏側で且つX線透過像の撮像に影響の無い位置に歯付きベルト部が搬送ベルト本体と一体的に設けられた搬送ベルト4aと、その搬送ベルト4aの歯付きベルト部の歯に噛合する歯が外周に形成された歯付きプーリ4bと、を備えている。
【0033】
<画像処理部5>
画像処理部5は、画像処理ボード、画像処理ソフトウェア、入出力ボード等を搭載したPC等のコンピュータで構成される。
【0034】
画像処理部5の構成要素である検査手段は、X線用TDIカメラ3から出力されるX線透過像の画像データ(本例では1ライン4608画素の高解像度を有する画像データ)に基づいて被検査物Wの内部を含む所定の検査対象部位の寸法を測定する寸法測定手段と、寸法測定手段により測定された検査対象部位の寸法測定値と検査対象部位に対応して設定されている閾値との比較に基づいて被検査物Wの品質を判定する品質判定手段と、を備えている。
【0035】
検査手段は、例えば、被検査物Wが二次電池であれば、内部の局部ショート防止を目的として、正極板と負極板のギャップやタブと管のギャップ量を寸法測定手段によって測定し、閾値に対してOK(良品),NG(不良品)の判定を品質判定手段によって行う。その検査結果(寸法の測定結果や品質結果を示す情報)は、例えば、当該被検査物WのX線透過画像とともに記憶手段に記憶されると共に、制御部6を介して外部コンピュータに送出される。そして、例えば、搬送装置に結合される下流側の搬送路に設けられている分岐路の制御手段(或いは、不良品排除手段として動作するロボット)によって不良品として排除される。
【0036】
検査手段は、その他、例えば、被検査物Wが基板であれば、平面的に重なった部品や構成部品内部の各部寸法の測定が可能である。また、被検査物Wを構成する材料のX線透過性の違いによる取込画像での輝度変化を利用すれば薄板材の厚みムラやシート材へのコーティングムラ等を測定し、判定することが可能である。例えば、検査手段は、被検査物Wの平行平面部位(薄板材、シート材のコーティング層等)の厚みが測定対象として設定されている場合は、上記取込画像の輝度変化から検査対象部位(平行平面部位)の厚みムラを寸法測定手段によって測定し、閾値に対してOK(良品),NG(不良品)の判定を品質判定手段によって行う。また、寸法測定に基づく所定部位の形状検査、集積回路の断線や短絡,傷,異物の付着等の検査も可能である。
【0037】
<制御部6>
制御部6はPC等のコンピュータで構成される。なお、制御部6と上記画像処理部5は、一つのコンピュータで構成する形態としても良い。
【0038】
本発明に係るX線検査装置は、X線用TDIカメラ3のCCDの電荷転送速度を搬送速度として、被検査物Wを上記CCDの電荷転送方向(=図1中のX方向)に一定速度で搬送する構成としている。本実施の形態では、制御部6は、X線用TDIカメラ3側の動作と搬送装置4の動作とを同期させる制御手段、詳しくは、X線用TDIカメラ3が1ライン単位で各列のCCD素子の電荷を転送して読み出す際の電荷転送速度と、搬送装置4側の搬送速度とが一致するように、搬送駆動部8の駆動制御によって搬送装置4の搬送速度を制御する同期制御手段を備えている。
【0039】
ここで、制御部6の同期制御手段について具体例を示して説明する。
【0040】
本発明に係るX線用TDIカメラ3は、CCDの電荷転送速度の制御パラメータ(以下「速度パラメータ」と呼ぶ)を備えている。その速度パラメータは外部コンピュータから参照可能なパラメータであり、例えば、CCDの電荷を次の画素に送るための一定周波数(ラインレート)の設定値、或いは、CCDの電荷転送速度の設定値を含んでいる。
【0041】
制御部6の同期制御手段は、X線用TDIカメラ3から得た速度パラメータに基づいてCCDの電荷転送速度を求め、その電荷転送速度に搬送装置4の搬送速度が一致するように、搬送駆動部8の駆動制御によって搬送装置4の搬送速度を制御する。
【0042】
詳しくは、制御部6の同期制御手段は、例えば速度パラメータの読出コマンドをX線用TDIカメラ3に送出することにより、X線用TDIカメラ3側の記憶部から速度パラメータを取得し、取得した速度パラメータに基づいてX線用TDIカメラ3側の電荷転送速度を求める。そして、求めた電荷転送速度と搬送装置4の搬送速度とが一致するように、搬送速度の制御指令を搬送駆動部8に送出することにより、X線用TDIカメラ3側の電荷転送速度と搬送装置4による被検査物Wの搬送速度とを同期させる。この同期制御は、例えば搬送装置4の運転開始時に、初期設定処理として一回だけ実行する形態としても良く、連続運転中に適時に実行する形態としても良い。
【0043】
搬送装置4の搬送速度(又は上記速度パラメータ)は、被検査物の搬送方向が可変した場合に、CCDの電荷転送方向と一致するように補正する必要が生じるが、本実施の形態では、被検査物Wの搬送速度の変動防止手段及び被検査物Wの蛇行防止手段を兼ねる手段を有する搬送装置4を備えることで、搬送面の直進性を確保するようにしているので、被検査物Wの移動方向の変動に伴う搬送速度の変更制御(又は上記速度パラメータの変更制御)は不要である。
【0044】
<表示・操作部7>
表示・操作部7は、モニターと所定の操作装置(表示灯・ハードスイッチ等またはPCに接続されるキーボード,マウス等の操作手段)、或いは、操作部と表示部双方の機能を備えた装置(タッチパネルを有する表示・操作装置等)で構成され、表示・操作部7からの操作によって、各デバイスの状態や値を表示、変更、操作することを可能としている。また、表示部には、X線透過画像等の検査結果が表示される。
【0045】
<搬送駆動部8>
搬送駆動部8は、制御部6からの指令に従って搬送装置4を駆動する装置であり、例えば駆動モータとそのモータ回転軸に掛け回されたベルト等の動力伝達手段から構成され、その動力伝達手段を介して搬送装置4の歯付きプーリ4b(駆動プーリ)を回動させる。
【0046】
(3.搬送装置の構成の具体例)
次に、搬送装置4の構成について具体例を示して説明する。
【0047】
図3は、本発明に係る搬送装置4の構成の一例を示す模式図であり、図3(A)は平面図、図3(B)は側面図、図3(C)は図3(A)を矢印X方向から見た正面図である。
【0048】
搬送装置4は、速度変動/蛇行防止手段として、搬送ベルト4aの歯付きベルト部4a1がX線透過像の撮像に影響の無い位置(図3(A)中の撮像領域Aの範囲外)に搬送ベルト本体と一体的に設けられた搬送ベルト4aと、歯付きベルト部4a1の歯に噛合する歯が外周に形成された歯付きプーリ4bと、を含んで構成される。
【0049】
本実施の形態においては、歯付きベルト部4a1は、図3(B)に示すように、搬送ベルト4aが形成する無限軌道の搬送面の裏側に形成されており、且つ、搬送ベルト4aの幅方向(搬送方向と直交する方向)の両端側に形成されている。一方、搬送ベルト4aの内歯に噛合する歯付きプーリ4bは、搬送ベルト4aの幅方向(搬送方向と直交する方向)の両端に一対配置する共に、搬送ベルト4aの長手方向(搬送方向)の両端に一対配置する構成としている。
【0050】
このような構成とすることにより、搬送面の直進性を確保すると共に、中・長期間の運転に伴う搬送ベルト4aの伸びに起因する蛇行現象の発生を防止するようにしている。なお、生産ラインから流れ来る被検査物を連続的に全品リアルタイムに検査するシステムの場合は、搬送装置4は、例えば、生産ライン状の上流側のコンベアと下流側のコンベアとの間にジョイントコンベアとして配置される。
【0051】
(4.歯付き搬送ベルトの具体例)
ここで、歯付き搬送ベルト4aについて具体例を示して説明する。
【0052】
図4は、本発明に係る搬送ベルト4aの実例を示す図面代用写真である。図4に示される搬送ベルト4aの本体は、X線透過性が良好でその性能が均一な部材から成るベルト(エンドレル品またはジョイント品)であり、歯付きベルト部4a1は、X線画像撮像に影響の無い位置へライニングまたは接着または機械的締結によって、搬送ベルト4a本体と一体的に形成される。
【0053】
搬送ベルト4a本体(撮像部)の材質は、ポリウレタン又はシリコン等の合成ゴム、或いは、ポリエステルや塩化ビニール等の合成樹脂とするのが好ましく、歯付きベルト部(駆動伝達部)4a1の材質は、ゴム材(ポリウレタン等の合成ゴム)とし、歯付きベルト部の芯線は、アラミド繊維、スチール、ステンレス、グラスファイバー等のワイヤー材のいずれかとするのが好ましい。
【0054】
なお、本実施形態では、歯付きベルト部4a1は、搬送面の両側に層設した形態としているが、搬送ベルト本体の幅方向の少なくとも片側に設ける形態としても良い。また、駆動プーリと従動プーリの両方を歯付きプーリ4bとした形態としているが、駆動プーリ側だけを歯付きプーリ4bとする形態としても良い。
【0055】
(5.歯付きベルト部の他の構成例)
図4の例では、歯付きベルト部は、搬送路の幅方向(搬送方向と直交する方向)に、直線状の歯を一列ずつ平行に設けた場合を例としているが、噛合部分の構成は図4の例に限るものではない。
【0056】
例えば、図5(A)〜(C)の側面図,正面図,及び平面図に示すように、搬送路の幅方向に対して傾斜し角度の歯を設けた「斜めタイプ」の歯付きベルト部4a1としても良く、図6(A)〜(C)に示すように、搬送路の幅方向に対して歯を複数列設けた「多列タイプ」の歯付きベルト部4a1としても良い。更に、歯の形状は、平面から見て矩形状に限るものではなく、図7(A)〜(C)に示すように、一部の形状が異なる「異型タイタイプ」の歯付きベルト部4a1とするなど、ベルト部とプーリとが噛合するものであれば良い。
【0057】
(6.搬送装置の他の構成例)
図8は、図3に例示した搬送装置4の他の構成例を示す模式図であり、図8(A)は平面図、図8(B)は側面図、図8(C)は図8(A)を矢印X方向から見た正面図である。搬送装置4’の駆動伝達としては、図3に例示した搬送装置4の歯付きベルト部4a1と歯付きプーリ4bの代替として、図8に示すように、噛み合い穴(又は送り穴ピン)を有するスチールベルト部4a1’がX線透過像の撮像に影響の無い位置(図8(A)中の撮像領域Aの範囲外)に搬送ベルト本体と一体的に設けられた搬送ベルト4a’と、スチールベルト部4a1’の噛み合い穴(又は送り穴ピン)に係合する送り穴ピン(又は噛み合い穴)を有するプーリ4b’を利用することも可能である。噛み合い穴と送り穴ピンの形状及び配列は、図8の例に限るものではなく、搬送装置4と同様に斜めタイプ,多列タイプ,異型タイプとしても良い。
【0058】
また、上述した実施の形態では、ベルトコンベア式の搬送装置を搬送手段として用いた場合を例として説明したが、ベルトコンベア式の搬送装置の代わりに、被検査物を把持する把持手段と、その把持手段の移動又は本体の移動によって被検査物を搬送する移動手段と、を有する「搬送ロボット」を備えた構成としても良い。
【0059】
(7.同期制御手段の他の制御例)
上述した実施の形態では、X線用TDIカメラの電荷転送速度と被検査物の搬送速度との同期制御は、X線用TDIカメラ側の電荷転送速度を得て、その電荷転送速度と一致するように、搬送装置側の速度を制御する場合を例として説明したが、外部コンピュータからの指令によって設定変更可能な速度パラメータを有するX線用TDIカメラの場合、搬送装置側の速度と一致するように、X線用TDIカメラ側の電荷転送速度を制御する形態としても良い。
【0060】
その形態の場合、制御部の同期制御手段は、搬送装置の搬送速度と電荷転送速度とが一致するように、搬送装置の搬送速度に対応する電荷転送速度の速度パラメータの設定指令を生成し、その設定指令をX線用TDIカメラに送出することにより、X線用TDIカメラの電荷転送速度を被検査物の搬送速度に同期させる。
【0061】
その際、搬送装置の搬送速度は、制御部の記憶手段に予め設定しておく形態としても良いが、搬送ベルトによる被検査物の搬送速度をリアルタイムに検出する搬送速度検出手段(例えば、駆動プーリ若しくは駆動用モータの回転に応じた検出パルスを出力するロータリエンコーダ)を備え、その搬送速度検出手段の検出信号に基づいて搬送速度を求めるようにしても良い。後者の場合は、搬送速度と電荷転送速度との同期制御を、連続運転中に定期的に実行する形態、或いは、被検査物の検知センサからのトリガー信号に基づいて実行する形態(被検査物が検査エリアへ進入する前に実行する形態)、或いは、搬送速度の履歴情報を基に搬送速度の変動を検出した時点で適時実行する形態とすることが可能である。この形態(搬送速度検出手段を備えて搬送手段の稼動中に同期制御を行う形態)は、搬送装置側の速度を制御する形態にも適用可能である。
【符号の説明】
【0062】
1(1a、1b) 被検査物検知センサ(投受光センサ)
2 X線発生器
3 X線用TDIカメラ
4 搬送装置
4a,4a’ 搬送ベルト
4a1,4a1’ 歯付きベルト部
4b,4b’ 歯付きプーリ
5 画像処理部
6 制御部
7 表示・操作部
8 搬送駆動部
W 被検査物(電子・電気・機械部品製品)
L X線
X 搬送方向
G X線透過像
A 撮像領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される被検査物を対象として、X線を用いて前記被検査物の内部を検査するX線検査装置であって、
前記被検査物に対してX線を発生するX線発生手段と、
X線を感知できるCCD素子を前記被検査物の進行方向と直交する方向に1ライン配列すると共に前記進行方向に2列以上配列し、該進行方向に配列された各列のCCD素子により前記搬送される被検査物を繰り返し露光して取得した像を一列ずつシフトながら重ね合せて前記被検査物のX線透過像を出力するラインセンサーカメラを有する撮像手段と、
前記被検査物を前記進行方向に搬送すると共に、前記撮像手段が前記1ライン単位で前記各列のCCD素子の電荷を転送して読み出す際の電荷転送速度に合わせた搬送速度で前記被検査物を搬送する搬送手段と、
前記撮像手段から出力される前記X線透過像に基づいて前記被検査物の内部を含む所定の検査対象部位の寸法を測定する寸法測定手段と、
を備えたことを特徴とする、ラインセンサーカメラを用いたX線検査装置。
【請求項2】
前記寸法測定手段により測定された前記検査対象部位の寸法測定値と前記検査対象部位に対応して設定されている閾値との比較に基づいて前記被検査物の品質を判定する品質判定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のラインセンサーカメラを用いたX線検査装置。
【請求項3】
前記寸法測定手段は、平面的に重なった部品の各部位を含む前記被検査物の構成部品内部の各部位、及び部位と部位との間のギャップを測定対象として、前記検査対象部位の寸法を測定することを特徴とする請求項1又は2に記載のラインセンサーカメラを用いたX線検査装置。
【請求項4】
前記寸法測定手段は、薄板材の厚み及びシート材のコーティング層の厚みを含む前記被検査物の平行平面部位の厚みを測定対象として、前記被検査物を構成する材料のX線透過性の違いによる前記X線透過像の取込画像の輝度変化から前記平行平面部位の厚みムラを測定する機能を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のラインセンサーカメラを用いたX線検査装置。
【請求項5】
前記撮像手段側の前記電荷転送速度と前記搬送手段側の前記搬送速度とを同期させる同期制御手段を備えたことを特徴とする請求項1または乃至4のいずれかに記載のラインセンサーカメラを用いたX線検査装置。
【請求項6】
前記撮像手段が、外部コンピュータから参照可能な前記電荷転送速度のパラメータを有する撮像カメラであって、前記同期制御手段は、前記撮像カメラから得た前記パラメータに基づいて前記電荷転送速度を求め、その前記電荷転送速度に前記搬送速度が一致するように、前記搬送手段の搬送速度を制御することを特徴とする請求項5に記載のラインセンサーカメラを用いたX線検査装置。
【請求項7】
前記撮像手段が、外部コンピュータからの指令によって設定変更可能な前記電荷転送速度のパラメータを有する撮像カメラであって、前記同期制御手段は、前記搬送速度に前記電荷転送速度が一致するように、前記撮像カメラ側に指令して前記電荷転送速度を制御することを特徴とする請求項5に記載のラインセンサーカメラを用いたX線検査装置。
【請求項8】
前記被検査物の搬送速度をリアルタイムに検出する搬送速度検出手段を備え、前記同期制御手段は、前記搬送速度と前記電荷転送速度との同期制御を前記搬送手段の稼動中に実行可能に構成されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のラインセンサーカメラを用いたX線検査装置。
【請求項9】
前記搬送手段がベルトコンベア式の搬送装置であって、該搬送装置は、前記被検査物の搬送速度の変動防止手段及び前記被検査物の蛇行防止手段を兼ねる速度変動/蛇行防止手段が、前記X線透過像の撮像に影響の無い位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のラインセンサーカメラを用いたX線検査装置。
【請求項10】
前記速度変動/蛇行防止手段は、歯付きベルト部が前記X線透過像の撮像に影響の無い位置に搬送ベルト本体と一体的に設けられた搬送ベルトと、前記歯付きベルト部の歯に噛合する歯が外周に形成された歯付きプーリと、を含んで構成されることを特徴とする請求項9に記載のラインセンサーカメラを用いたX線検査装置。
【請求項11】
前記速度変動/蛇行防止手段は、噛み合い穴又は送り穴ピンを有するスチールベルト部が前記X線透過像の撮像に影響の無い位置に搬送ベルト本体と一体的に設けられた搬送ベルトと、前記スチールベルト部の噛み合い穴又は送り穴ピンに係合する送り穴ピン又は噛み合い穴を有するプーリと、を含んで構成されることを特徴とする請求項9に記載のラインセンサーカメラを用いたX線検査装置。
【請求項12】
前記ベルトコンベア式の搬送装置の搬送ベルト本体は、X線透過性が良好で且つその性能が均一な合成ゴム又は合成樹脂で形成されていることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載のラインセンサーカメラを用いたX線検査装置。
【請求項13】
前記搬送手段は、前記被検査物を把持する把持手段と、前記把持手段の移動又は本体の移動によって前記被検査物を搬送する移動手段と、を有する搬送ロボットであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のラインセンサーカメラを用いたX線検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−149701(P2011−149701A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8689(P2010−8689)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【出願人】(500577932)株式会社庄内クリエート工業 (8)
【Fターム(参考)】