リチウムイオン電池パック、そのリチウムイオン電池パックが用いられた電源装置、およびバッテリー投光機
【課題】鉛蓄電池をリチウムイオン電池へ交換することを可能としたリチウムイオンパックを提供する。
【解決手段】蓋付きのケース体5の内部に、直列接続された複数個のリチウムイオン電池30とリチウムイオン電池30毎に電圧を監視するための電圧監視回路およびケース体5内の温度を監視するための温度監視回路が実装された基板4とが収納されている。蓋50には、リチウムイオン電池30の直列回路に導通する正負の電極端子板42,43と電圧監視回路および温度監視回路による監視結果が出力されるコネクタ44,45とが外部へ突出した状態で設けられている。
【解決手段】蓋付きのケース体5の内部に、直列接続された複数個のリチウムイオン電池30とリチウムイオン電池30毎に電圧を監視するための電圧監視回路およびケース体5内の温度を監視するための温度監視回路が実装された基板4とが収納されている。蓋50には、リチウムイオン電池30の直列回路に導通する正負の電極端子板42,43と電圧監視回路および温度監視回路による監視結果が出力されるコネクタ44,45とが外部へ突出した状態で設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、直列接続された複数個のリチウムイオン電池を蓋付きのケース体の内部に収納してパック化したリチウムイオン電池パックと、そのリチウムイオン電池パックが用いられた電源装置と、その電源装置が用いられたバッテリ−投光機とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、夜間作業に用いられる投光機、特に、交流電力の供給が得られない場所で用いられる投光機として、内燃機関で発電機を駆動してその発電電力により投光器を駆動する方式の投光機が広く用いられてきた。しかし、この種の投光機は、運転時、排気ガスや騒音を発生させ、環境破壊を招くことから、バッテリーによって投光器を点灯させるバッテリー投光機が採用されるに至っている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−224506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のバッテリー投光機は、バッテリーとして鉛蓄電池を用いているため、重量が嵩むだけでなく、寿命が短く、充電に時間がかかるという問題がある。そこで、鉛蓄電池に代えて、軽量かつ長寿命であり、短時間での充電が可能なリチウムイオン電池を用いることも可能であるが、リチウムイオン電池は、過充電や過放電によって電解液が分解する結果、電池内部の圧力が上昇したり、金属リチウムなどの析出によって内部短絡が生じたりするおそれがある。特に、リチウムイオン電池の内部での短絡は温度を急激に上昇させ、発火事故を招くため、取扱上の安全を確保するために格別な配慮を払うことが必要である。
【0005】
電源装置として鉛蓄電池が用いられたバッテリー投光機、さらには、バッテリー投光機以外のバッテリー駆動の機械(例えば、バッテリー溶接機など)において、寿命が尽きた鉛蓄電池を新たなものと交換するに際して、鉛蓄電池を高寿命のリチウムイオン電池に交換するには、上記したリチウムイオン電池の特性を考慮し、充放電時の安全を確保する手段を施すことが不可欠であるところ、その種の対処が容易でないことから、鉛蓄電池をリチウムイオン電池へ交換することは実際上困難であった。
【0006】
この発明は、上記問題に着目してなされたもので、直列接続された複数個のリチウムイオン電池を、各リチウムイオン電池の電圧を外部より監視できる状態で蓋付きのケース体の内部に収納してパック化することにより、鉛蓄電池をリチウムイオン電池へ交換することを可能としたリチウムイオン電池パックと、そのリチウムイオン電池パックが用いられた電源装置、およびその電源装置が用いられたバッテリー投光機とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係るリチウムイオン電池パックは、蓋付きのケース体の内部に、直列接続された複数個のリチウムイオン電池とリチウムイオン電池毎に電圧を監視するための電圧監視回路が実装された基板とが収納されたものである。蓋には、リチウムイオン電池の直列回路に導通する正負の電極端子部と前記電圧監視回路による監視結果が出力される出力端子部とが外部へ突出した状態で設けられている。
【0008】
上記した構成のリチウムイオン電池パックは、リチウムイオン電池を用いているので、鉛蓄電池と比較して、重量が軽く、取扱や持ち運びに便利である。また、寿命が長いので、頻繁にバッテリーを交換する必要がない。さらに、充電時間も短くて済むので、充電作業に伴う労力が大幅に軽減される。しかも、電圧監視回路がケース体の内部に組み込まれて監視結果を出力端子部より出力するので、充放電状態の適否を把握したり、過充電や過放電が生じないように充放電を制御したりするなど、充放電時の安全を容易に確保できる。したがって、鉛蓄電池が用いられたバッテリー駆動の機械において、寿命が尽きた鉛蓄電池を寿命の長いリチウムイオン電池に交換することが可能である。
【0009】
この発明の上記した構成において、前記電圧監視回路は種々の態様が考えられるが、好ましい実施態様のものは、各リチウムイオン電池の電圧をそれぞれ検出するリチウムイオン電池毎の電圧検出回路と、各電圧検出回路による検出電圧が適正範囲内かどうかをそれぞれ判別する判別回路と、各判別回路による判別結果を出力する出力回路とを含むものである。
この実施態様によると、出力回路より各リチウムイオン電池の電圧が適正か否かの判別結果が出力されるので、不適正の判別結果に対して充電や放電を停止することができる。
【0010】
請求項3の発明に係る実施態様では、前記基板には、ケース体内の温度を監視するための温度監視回路がさらに実装されるとともに、蓋には、前記温度監視回路により監視結果が出力される出力端子部が外部へ突出した状態でさらに設けられている。
この実施態様によると、リチウムイオン電池の内部での短絡などに起因して温度が急激に上昇することがあっても、温度監視回路によりケース体内の温度が監視されているので、発火事故の発生を防止できる。
【0011】
請求項4の発明に係る電源装置は、バッテリーより外部の機器へ電力を供給するためのものであって、請求項1に記載された少なくとも1個のリチウムイオン電池パックが収納される筐体を有し、その筐体の内部に、前記出力端子部より出力される電圧監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電および充電器によるリチウムイオン電池の充電を制御する回路が組み込まれたものである。筐体の外面には、充電のために交流電源に接続される電源入力部、リチウムイオン電池より外部の機器へ電力を供給するための電力供給部、および前記電圧監視回路による監視結果を表示するための表示部が設けられている。
【0012】
上記の電源装置において、電力供給部にバッテリー駆動の外部の機器を接続して駆動すると、リチウムイオン電池より電力が供給されて消費されるが、電圧監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電が制御されるので、過放電が防止される。また、電源入力部に交流電源を接続してリチウムイオン電池を充電すると、電圧監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の充電が制御されるので、過充電が防止される。また、表示部には電圧監視回路による監視結果が表示されるので、その表示によってリチウムイオン電池の電圧の適否を把握し得る。
【0013】
請求項5の発明に係る他の電源装置は、バッテリーより外部の機器へ電力を供給するための電源装置であって、請求項3に記載された少なくとも1個のリチウムイオン電池パックが収納される筐体を有し、その筐体の内部に、前記出力端子部より出力される電圧監視回路および温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電および充電器によるリチウムイオン電池の充電を制御する回路が組み込まれたものである。筐体の外面には、充電のために交流電源に接続される電源入力部、リチウムイオン電池より外部の機器へ電力を供給するための電力供給部、および前記電圧監視回路による監視結果と前記温度監視回路による監視結果とを表示するための表示部が設けられている。
【0014】
上記の電源装置において、電力供給部にバッテリー駆動の外部の機器を接続して駆動すると、リチウムイオン電池より電力が供給されて消費されるが、電圧監視回路および温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電が制御されるので、過放電が防止される。また、電源入力部に交流電源を接続してリチウムイオン電池を充電すると、電圧監視回路および温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の充電が制御されるので、過充電が防止される。また、表示部には電圧監視回路による監視結果と温度監視回路による監視結果とが表示されるので、その表示によってリチウムイオン電池の電圧の適否とリチウムイオン電池の温度の適否とを把握し得る。
【0015】
この発明の好ましい実施態様においては、前記筐体は、決められた個数のリチウムイオン電池パックと、リチウムイオン電池パックと同数個の鉛蓄電池とのいずれかを選択して収納することが可能である。
この実施態様によると、同じ筐体に、決められた個数のリチウムイオン電池パックと、それと同数個の鉛蓄電池のいずれもを収納することができるので、蓄電池の種類毎に筐体を用意する必要がなく、在庫管理が容易である。
【0016】
請求項7の発明に係るバッテリー投光機は、投光器と、投光器の光源へ電力を供給するためのキャスター付きの電源装置とで構成されたものであって、前記電源装置は、請求項1に記載された少なくとも1個のリチウムイオン電池パックが収納される筐体を有し、その筐体の内部に、前記出力端子部より出力される電圧監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電および充電器によるリチウムイオン電池の充電を制御する回路が組み込まれている。筐体の外面には、充電のために交流電源に接続される電源入力部、リチウムイオン電池より前記投光器の光源へ電力を供給するための電力供給部、および前記電圧監視回路による監視結果を表示するための表示部が設けられている。
【0017】
上記のバッテリー投光機において、電力供給部に投光器を接続して点灯させると、リチウムイオン電池より電力が供給されて消費されるが、電圧監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電が制御されるので、過放電が防止される。また、電源入力部に交流電源を接続してリチウムイオン電池を充電すると、電圧監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の充電が制御されるので、過充電が防止される。また、表示部には電圧監視回路による監視結果が表示されるので、その表示によってリチウムイオン電池の電圧の適否を把握し得る。
【0018】
請求項8の発明に係るバッテリー投光機は、投光器と、投光器の光源へ電力を供給するためのキャスター付きの電源装置とで構成されるものであって、前記電源装置は、請求項3に記載された少なくとも1個のリチウムイオン電池パックが収納される筐体を有し、その筐体の内部に、前記出力端子部より出力される電圧監視回路および温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電および充電器によるリチウムイオン電池の充電を制御する回路が組み込まれている。筐体の外面には、充電のために交流電源に接続される電源入力部、リチウムイオン電池より前記投光器の光源へ電力を供給するための電力供給部、および前記電圧監視回路による監視結果と前記温度監視回路による監視結果とを表示するための表示部が設けられている。
【0019】
上記のバッテリー投光機において、電力供給部に投光器を接続して点灯させると、リチウムイオン電池より電力が供給されて消費されるが、電圧監視回路および温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電が制御されるので、過放電が防止される。また、電源入力部に交流電源を接続してリチウムイオン電池を充電すると、電圧監視回路および温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の充電が制御されるので、過充電が防止される。また、表示部には電圧監視回路による監視結果と温度監視回路による監視結果とが表示されるので、その表示によってリチウムイオン電池の電圧の適否とリチウムイオン電池の温度の適否とを把握し得る。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、直列接続された複数個のリチウムイオン電池を、各リチウムイオン電池の電圧を外部より監視できる状態で蓋付きのケース体の内部に収納してパック化したから、充放電の適否を把握したり、過充電や過放電が生じないように充放電を制御したりするなど、充放電時の安全を容易に確保できる。したがって、鉛蓄電池が用いられた電源装置やバッテリー駆動の各種の機器において、寿命が尽きた鉛蓄電池を寿命の長いリチウムイオン電池に交換することが可能である。
さらに、直列接続された複数個のリチウムイオン電池を、ケース体内の温度を外部より監視できる状態で蓋付きのケース体の内部に収納してパック化したから、各リチウムイオン電池の内部での短絡などに起因して温度が急激に上昇することがあっても、発火事故の発生を防止できる。
また、上記のリチウムイオン電池パックが用いられたこの発明の電源装置やバッテリー投光機では、電圧監視回路や温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の充放電が制御されるので、過放電や過充電による電池内部の圧力の上昇や内部短絡による温度の上昇を防止でき、電源装置やその電源装置を用いたバッテリー投光機の使用上の安全を確保し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の一実施例であるバッテリー投光機の外観を示す斜視図である。
【図2】電源装置の下部筐体に3個のリチウムイオン電池パックが収納される状態を示す斜視図である。
【図3】リチウムイオン電池パックをそのケース体および蓋を断面して示す正面図である。
【図4】リチウムイオン電池パックの分解斜視図である。
【図5】電源装置の操作表示部を拡大して示す正面図である。
【図6】バッテリー投光機の全体の回路構成を示す電気回路図である。
【図7】電圧監視回路の構成を示すブロック図である。
【図8】充電および放電を制御する回路の構成を示す電気回路図である。
【図9】放電時の監視動作の流れを示すフローチャートである。
【図10】充電時の監視動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】電圧監視回路の判別回路による制御の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、この発明の一実施例であるバッテリー投光機の外観を示している。図示例のバッテリー投光機は、脚部10の上端部に光源11が取り付けられた投光器1と、投光器1の光源11へ電力を供給するための電源装置2とで構成されている。この実施例の電源装置2は、定格出力電圧が12ボルトのリチウムイオン電池パック(詳細は後述)を3個直列に接続したものが用いられ、定格出力電圧が36ボルト(12ボルト×3)に設定されている。なお、リチウムイオン電池パックを1個用いれば定格出力電圧が12ボルトの電源装置を構成でき、同様に、2個用いれば定格出力電圧が24ボルトの電源装置を、4個用いれば定格出力電圧が48ボルトの電源装置を、それぞれ構成できる。
【0023】
前記投光器1は、支柱12の外周面の等角度位置に3本の脚13を取り付けて脚部10が構成されている。各脚13の下端には床面を移動することが可能なようにキャスター14が取り付けられている。支柱12は中空のパイプであり、パイプ内孔へ上端面よりスライド軸15が挿入されている。スライド軸15の上端には支持フレーム16を介して光源11が上下に首振り可能に支持されている。スライド軸15を上下方向へスライドさせて止め具17により固定することにより光源11を所望の高さに定位させることができる。
この実施例では、複数個のLEDによって光源11を構成しているが、LEDに限られるものではない。また、図示例の投光器1は電源装置2と独立しているが、電源装置2に一体に設けることもできる。
【0024】
電源装置2は、筐体20が箱状をなし、下部筐体20aの上面の開口部に上部筐体20bが取外し可能に取り付けられている。下部筐体20aの下端部の四隅には床面を移動することが可能なようにキャスター21が設けられている。下部筐体20aの内部空間22は、図2に示すように、直方体をなすリチウムイオン電池パック3を3個収納することが可能な大きさに形成されている。上部筐体20bの内部には、図6に示される種々の回路、すなわち、放電制御回路61、充電制御回路62、および充放電制御回路63を構成する電磁リレーR1,R2,R3やその接点64〜67などが実装された制御用基板(図示せず)や、後述する操作表示部100の入出力各部の動作を制御する回路が実装された表示用基板(図示せず)などが組み込まれている。
【0025】
この実施例のリチウムイオン電池パック3は、図3および図4に示すように、4個のリチウムイオン電池30を直列に接続したものを、図6に示すモニター部7を構成する回路などが実装された監視用基板4とともに、蓋付きのケース体5の内部に密閉状態で収納してパック化したものである。この実施例で用いているリチウムイオン電池30は、出力電圧が3.3ボルトのもの、すなわち、正極が鉄系複合酸化物(LiFeO2)により形成されているリチウムイオン電池である。この実施例では、出力電圧が3.3ボルトのリチウムイオン電池を4個用いることにより、定格出力電圧が12ボルトの鉛蓄電池に代替し得る出力電圧(3.3ボルト×4=13,2ボルト)のリチウムイオン電池パック3を形成している。
この実施例のリチウムイオン電池パック3は、定格出力電圧が12vの鉛蓄電池とほぼ同じ外形のものであり、3個のリチウムイオン電池パック3と3個の鉛蓄電池のいずれであっても下部筐体20aの内部に収納することが可能である。したがって、この筐体20はリチウムイオン電池を用いた電源装置にも鉛蓄電池を用いた電源装置にも用いることができる。
【0026】
各リチウムイオン電池パック3は、蓋50により上面の開口部51が塞がれるケース体5の内部に、導電板41により直列接続された4個のリチウムイオン電池30が正負の電極端子31,32を上に向けて整列状態で収納されるとともに、モニター部7を構成する回路などが実装された監視用基板4が蓋50の内面にネジ止めされた状態で収納されたものである。なお、図4において、54,55はケース体5の開口部51の対向位置に取り付けられたネジ止め用の金属板であり、ケース体5の開口部51に被せられた蓋50と金属板54,55との間をネジ止めすることにより蓋50は閉じた状態に保持される。
【0027】
前記モニター部7は、リチウムイオン電池30毎に電圧を監視するための図7に示す電圧監視回路8と、ケース体5の内部の温度を監視するための図8に示す温度監視回路9とを含むものであるが、電圧監視回路8および温度監視回路9の構成とそれぞれの動作については後述する。なお、監視用基板4は、蓋50の内面にネジなどで装着するのが望ましいが、これに限らず、ケース体5の内側に空間を設けて、その空間内に収納するようにしてもよい。
【0028】
蓋50の両端部の中央位置には矩形状の取付孔56,57が設けられている。各取付孔56,57には、電圧監視回路8および温度監視回路9による監視結果が出力される出力端子部を構成するコネクタ44,45が外部へ突出した状態で取り付けられている。一方のコネクタ44は他のリチウムイオン電池パック3のコネクタ45に、他方のコネクタ45は他のリチウムイオン電池パック3のコネクタ44に、それぞれ接続される。なお、コネクタ44,45の構成や接続状態の詳細は後述する。
【0029】
図4において、31,32は各リチウムイオン電池30の正負の各電極端子であり、隣合うリチウムイオン電池30,30間において正の電極端子31と負の電極端子32とを導電板41により接続することにより4個のリチウムイオン電池30が直列接続される。一端のリチウムイオン電池30の正の電極端子31には正の電極端子板42が、他端のリチウムイオン電池30の負の電極端子32には負の電極端子板43が、それぞれ取り付けられている。各電極端子板42,43はL字状に屈曲されており、その起立した部分が蓋50に形成された貫通孔52,53を貫通して蓋50の上面へ突出している。隣り合うリチウムイオン電池パック3,3間において正の電極端子板42と負の電極端子板43とを順次結線することで、一端のリチウムイオン電池パック3の正の電極端子板42と他端のリチウムイオン電池パック3の負の電極端子板43との間で36ボルトの定格出力電圧が得られる。
【0030】
上部筐体20bの後面には、図1に示すように、投光器1の光源11へ電力を供給するための電力供給部27が設けられ、この電力供給部27と光源11とが接続コード23によって電気接続されている。なお、図1において、29a,29bは下部筐体20aおよび上部筐体20bに設けられた内部回路接続部であり、この内部回路接続部29a,29b間を接続コード24により接続することで、下部筐体20a内の所定の回路と上部筐体20b内の所定の回路とが電気接続される。
【0031】
図5は、上部筐体20bの前面に設けられた操作表示部100の構成を示している。この操作表示部100には、電源のオン、オフおよび点灯と充電との切換を行うための切換スイッチ101と、3個のリチウムイオン電池パック3によるトータル電圧の大きさを表示する電圧レベル表示灯102と、充電中であることを点灯表示する充電表示灯103と、いずれかのリチウムイオン電池30の電圧が放電終止電圧(この実施例では2.5ボルト)を下回ったことを点灯表示する電圧低下表示灯104と、いずれかのリチウムイオン電池パック3の内部温度が60℃を上回ったことを点灯表示する異常表示灯105とが配設されるとともに、交流電源に接続される電源コード25を接続するための電源入力部28が設けられている。
【0032】
図6は、上記した構成のバッテリー投光機の主要な回路構成を示している。
同図中、60はプラグ26の交流電源への接続により通電可能な充電回路を示し、この充電回路60には充電制御回路62を構成する電磁リレーR1の接点64と、充放電制御回路63を構成する電磁リレーR3の接点66とが介装されている。一方の電磁リレーR1は過充電のときに付勢されて接点64が開き、他方の電磁リレーR3は過度の温度上昇があったときに付勢されて接点66が開くもので、いずれの場合も充電器68による充電が停止する。
【0033】
また、同図中、6は点灯時に通電する点灯回路を示し、この点灯回路6には放電制御回路61を構成する電磁リレーR2の接点65と、充放電制御回路63を構成する電磁リレーR3の接点67とが介装されている。一方の電磁リレーR2は過放電のときに付勢されて接点64が開き、他方の電磁リレーR3は過度の温度上昇があったときに付勢されて接点67が開くもので、いずれの場合も投光器1への通電が停止されて光源11は消灯する。
なお、同図には、操作表示部100に設けられている切換スイッチ101や各種の表示灯の入出力動作を制御する回路の図示を省略しているが、この種の回路は電磁リレーとその接点とから成るリレー回路などを用いて容易に構成できる。
【0034】
図7は、リチウムイオン電池パック3のモニター部7を構成するリチウムイオン電池毎の電圧監視回路8の構成をしている。各電圧監視回路8は、電圧変換回路81、電圧検出回路82、判別回路83、および出力回路88,89を含んでいる。電圧検出回路82はリチウムイオン電池30の両端の電圧を検出する。電圧変換回路81はリチウムイオン電池30の電圧を判別回路83の駆動に必要な電圧に変換して判別回路83へ供給する。判別回路83はマイクロコンピュータにより構成され、電圧検出回路82により検出したリチウムイオン電池30の電圧が過放電の状態にあるかどうか、すなわち、放電終止電圧(この実施例では2.5ボルト)を下回ったかどうかや、過充電の状態にあるかどうか、すなわち、充電終止電圧(この実施例では4.3ボルト)を上回ったかどうかを判断する。
【0035】
一方の出力回路88は、過電圧表示回路84とフォトカプラ86とで構成され、判別回路83が過充電の状態にあると判断したとき、過電圧表示回路84を動作させてフォトカプラ86を点灯駆動させ、過電圧監視出力を充電制御回路62のトランジスタTR1へ与える。このトランジスタTR1はオア回路を構成し、4個の電圧監視回路8のフォトカプラ86のいずれかより過電圧監視出力が与えられたときにオン動作する。
【0036】
他方の出力回路89は、過放電表示回路85とフォトカプラ87とで構成され、判別回路83が過放電の状態にあると判断したとき、過放電表示回路85を動作させてフォトカプラ86を点灯駆動させ、過放電監視出力を充電制御回路62のトランジスタTR2へ与える。このトランジスタTR2はオア回路を構成し、4個の電圧監視回路8のフォトカプラ87のいずれかより過放電監視出力が与えられたときにオン動作する
【0037】
図8は、3個の各リチウムイオン電池パック3のトランジスタTR1と電磁リレーR1とで構成される充電制御回路62と、各リチウムイオン電池パック3のトランジスタTR2と電磁リレーR2とで構成される放電制御回路61と、各リチウムイオン電池パック3に組み込まれた温度センサ90と電磁リレーR3とで構成される充放電制御回路63との構成を示している。
この実施例の温度センサ90はサーモスタットであり、各リチウムイオン電池パック3のケース体5の内部の監視用基板4上に設けられており、ケース体5の内部の温度が所定の温度(この実施例では60℃)を越えたときに接点が開くものである。
【0038】
図8において、44,45は各リチウムイオン電池パック3に設けられた2個のコネクタであり、各コネクタ44,45はそれぞれ4個の端子T1〜T4を有している。各コネクタ44,45の1番目の端子T1にはコネクタ44,45の端子T1,T1間を導通させる線路が、2番目の端子T2にはトランジスタTR1のコレクタと導通する線路が、3番目の端子T3にはトランジスタTR2のコレクタと導通する線路が、4番目の端子T4には温度センサ90を含む温度監視回路9に導通する線路が、それぞれ接続されている。
【0039】
隣り合うリチウムイオン電池パック3,3のコネクタ44とコネクタ45とは4本線のコード110によって接続される。一端のリチウムイオン電池パック3は2番目〜4番目の端子T2〜T4が電磁リレーR1〜R3を介してプラスライン(+)に接続され、他端のリチウムイオン電池パック3は1番目の端子T1と4番目の端子T4がマイナスライン(−)に接続される。
【0040】
各リチウムイオン電池パック3の各トランジスタTR1.TR2は、4個のリチウムイオン電池30のいずれもが過充電や過放電の状態でないときはオフ状態である。このオフ状態では、各トランジスタTR1.TR2のコレクタはオープンであるので、電磁リレーR1,R2は付勢されず、充電回路60中の接点64や点灯回路6中の接点65は閉じた状態にある。3個のリチウムイオン電池パック3のうちいずれかのリチウムイオン電池パック3のリチウムイオン電池30が過充電や過放電の状態になると、該当するリチウムイオン電池パック3のトランジスタTR1またはTR2がオンとなり、電磁リレーR1またはR2が付勢され、充電回路60中の接点64または点灯回路6中の接点65が開く。
【0041】
各リチウムイオン電池パック3の温度センサ90は、ケース体5内の温度が過度に上昇していなければ接点が閉じているので、電磁リレーR3が付勢され、充電回路60中の接点66や点灯回路6中の接点67は閉じた状態にある。3個のリチウムイオン電池パック3のうちのいずれかに過度の温度上昇があると、該当するリチウムイオン電池パック3の温度センサ90の接点が開き、電磁リレーR3が付勢され、充電回路60中の接点66や点灯回路6中の接点67が開く。
【0042】
図9は放電時の監視動作の流れを、図10は充電時の監視動作の流れを、それぞれ示している。以下、同図に従って、バッテリー投光機の動作を説明する。なお、図中、「ST」は「STEP」(手順)の略である。
いま、電源装置2の操作表示部100の切換スイッチ101が操作されて点灯モードに設定されると、図9のST1の判定が「YES」となり、直列接続された12個のリチウムイオン電池30より投光器1へ電力が供給されて光源11が点灯する。また、操作表示部100では、電圧レベル表示灯102が点灯し、12個のリチウムイオン電池30のトータル電圧が表示される(ST2)。
【0043】
つぎのST3では、全てのリチウムイオン電池パック3について、ケース体5内の温度が60℃以下であるかどうかが判定され、続くST4では、全てのリチウムイオン電池30の電圧が放電終止電圧の2.5ボルト以上であるかどうかが判定される。いずれの判定も「YES」であれば、過度の温度上昇もなく、また、過放電の状態ではないので、切換スイッチ101が切られない限り、ST3,4の監視が継続して行われる。
もし、切換スイッチ101が切られると、ST5の判定が「YES」となってST6へ進み、投光器1への電力供給が停止されて光源11が消灯し、また、電圧レベル表示灯102も消灯する。
【0044】
上記したST3〜ST5の監視ループにおいて、いずれかのリチウムイオン電池パック3について、ケース5内の温度が60℃を上回ったとき、ST3の判定が「NO」となり、操作表示部100の異常表示灯105が点灯して過度の温度上昇があったことが知らされ(ST7)、投光器1への電力供給が止められて光源11が消灯する(ST10)。
また、いずれかのリチウムイオン電池パック3について、いずれかのリチウムイオン電池30の電圧が放電終止電圧の2.5ボルトを下回ったとき、ST4の判定が「NO」となり、その過放電の状態が一定時間(この実施例では10秒)継続したことを条件として、ST8からST9へ進み、電圧低下表示灯104が点灯して過放電であることが知らされ、投光器1への電力供給が停止されて光源11が消灯する(ST10)。
そして、切換スイッチ11が切られると、ST11の判定が「YES」となり、点灯中の表示灯が消灯する(ST12)。
【0045】
一方、電源装置2の操作表示部100の切換スイッチ101が操作されて充電モードに設定されたとき、図10のST1の判定が「YES」となり、100ボルトの交流電源にプラグ26が接続されていれば、ST2の判定も「YES」となり、直列接続された12個のリチウムイオン電池30に対する充電がスタートし、充電時間を計測するタイマーが計時を開始する(ST3)。そして、充電開始とともに充電表示灯103および電圧レベル表示灯102が点灯する(ST4)。
【0046】
つぎのST5では、全てのリチウムイオン電池パック3について、全てのリチウムイオン電池30の電圧が充電終止電圧の4.3ボルト以下であるかどうかが判定され、続くST6では、ケース体5内の温度が60℃以下であるかどうかが判定される。いずれの判定も「YES」であれば、過充電の状態にはなく、また、過度の温度上昇もないから、前記のタイマーがタイムアップしない限り、ST5,6の監視が繰り返し行われる。
【0047】
タイマーが所定の充電時間(この実施例では2.5時間)を計時すると、ST7の判定が「YES」となり、充電がストップしかつタイマーは計時をストップし(ST8)、充電表示灯102が消灯する(ST9)。
そして、切換スイッチ101が切られると、ST10の判定が「YES」となってST11へ進み、全ての表示灯が消灯する。
【0048】
上記したST5〜ST7の監視ループにおいて、いずれかのリチウムイオン電池パック3について、いずれかのリチウムイオン電池30の電圧が充電終止電圧の4.3ボルトを上回ったとき、ST5の判定が「NO」となり、その過充電の状態が一定時間(この実施例では10秒)継続したことを条件として、ST12からST8へ進み、充電がストップされかつタイマーは計時をストップし、充電表示灯102は消灯する(ST9)。
また、いずれかのリチウムイオン電池パック3について、ケース5内の温度が60℃を上回ったとき、ST6の判定が「NO」となり、異常表示灯105が点灯して過度の温度上昇があることが知らされ(ST13)、同様に、充電がストップしかつタイマーは計時をストップし(ST8)、充電表示灯102は消灯する(ST9)。
【0049】
図11は、各リチウムイオン電池パック3において、リチウムイオン電池30毎に実行される電圧監視回路8の判別回路83による電圧監視制御の流れを示している。
いま、電源装置2の操作表示部100の切換スイッチ101が操作されて点灯モードまたは充電モードに設定されると、図11のST1の判定が「YES」となり、ST2で監視の初期状態に設定された後、ST3〜ST7において過充電の監視が、ST8〜ST12において過放電の監視が、繰り返し実行される。
【0050】
ST3では、判別回路83は電圧検出回路82により検出されたリチウムイオン電池30の電圧が充電終止電圧の4.3ボルト以上であるかどうかを判定する。その判定が「NO」であれば、過充電の状態にないとしてST4〜ST7がスキップされ、次に、判別回路83はリチウムイオン電池30の電圧が放電終止電圧の2.5ボルト以下であるかどうかを判定する(ST8)。ST8の判定が「NO」であれば、過放電の状態にないとしてST9〜ST12がスキップされ、ST3〜ST7の過充電の監視ループに戻る。
【0051】
ST3において、電圧検出回路82により検出されたリチウムイオン電池30の電圧が充電終止電圧の4.3ボルト以上であると判定されたとき、ST3からST4へ進み、判別回路83はその過充電の状態が一定時間(この実施例では10秒)継続したかどうかを判定する。その判定が「YES」のとき、判別回路83は過充電の状態にあると判断し、過電圧表示回路84を動作させてフォトカプラ86を点灯駆動し、過電圧監視出力を充電制御回路62のトランジスタTR1へ与える(ST5)。
つぎのST6では、リチウムイオン電池30の電圧が4.0ボルト以下まで低下するのに待機しており、その判定が「YES」になると、判別回路83は過電圧表示回路84の動作を停止させ、過電圧監視出力をオフさせる(ST7)。
【0052】
ST8において、電圧検出回路82により検出されたリチウムイオン電池30の電圧が放電終止電圧の2.5ボルト以下であると判定されたとき、ST8からST9へ進み、判別回路83はその過放電の状態が一定時間(この実施例では10秒)継続したかどうかを判定する。その判定が「YES」のとき、判別回路83は過放電の状態にあると判断し、過放電表示回路85を動作させてフォトカプラ87を点灯駆動し、過放電監視出力を放電制御回路61のトランジスタTR2へ与える(ST10)。
つぎのST11では、リチウムイオン電池30の電圧が3.0ボルト以上まで上昇するのに待機しており、その判定が「YES」になると、判別回路83は過放電表示回路85動作を停止させ、過放電監視出力をオフさせる(ST12)。
【0053】
なお、上記はこの発明を実施するためのひとつの好ましい実施の形態を示すものであるが、この発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、また、この実施の形態によってこの発明の範囲が制限されるものでもない。
【符号の説明】
【0054】
1 投光器
2 電源装置
3 リチウムイオン電池パック
4 基板
5 ケース体
8 電圧監視回路
9 温度監視回路
11 光源
20 筐体
27 電力供給部
28 電源入力部
30 リチウムイオン電池
42,43 電極端子板
44.45 コネクタ
50 蓋
82 電圧検出回路
83 判別回路
88,89 出力回路
90 温度センサ
100 操作表示部
【技術分野】
【0001】
この発明は、直列接続された複数個のリチウムイオン電池を蓋付きのケース体の内部に収納してパック化したリチウムイオン電池パックと、そのリチウムイオン電池パックが用いられた電源装置と、その電源装置が用いられたバッテリ−投光機とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、夜間作業に用いられる投光機、特に、交流電力の供給が得られない場所で用いられる投光機として、内燃機関で発電機を駆動してその発電電力により投光器を駆動する方式の投光機が広く用いられてきた。しかし、この種の投光機は、運転時、排気ガスや騒音を発生させ、環境破壊を招くことから、バッテリーによって投光器を点灯させるバッテリー投光機が採用されるに至っている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−224506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のバッテリー投光機は、バッテリーとして鉛蓄電池を用いているため、重量が嵩むだけでなく、寿命が短く、充電に時間がかかるという問題がある。そこで、鉛蓄電池に代えて、軽量かつ長寿命であり、短時間での充電が可能なリチウムイオン電池を用いることも可能であるが、リチウムイオン電池は、過充電や過放電によって電解液が分解する結果、電池内部の圧力が上昇したり、金属リチウムなどの析出によって内部短絡が生じたりするおそれがある。特に、リチウムイオン電池の内部での短絡は温度を急激に上昇させ、発火事故を招くため、取扱上の安全を確保するために格別な配慮を払うことが必要である。
【0005】
電源装置として鉛蓄電池が用いられたバッテリー投光機、さらには、バッテリー投光機以外のバッテリー駆動の機械(例えば、バッテリー溶接機など)において、寿命が尽きた鉛蓄電池を新たなものと交換するに際して、鉛蓄電池を高寿命のリチウムイオン電池に交換するには、上記したリチウムイオン電池の特性を考慮し、充放電時の安全を確保する手段を施すことが不可欠であるところ、その種の対処が容易でないことから、鉛蓄電池をリチウムイオン電池へ交換することは実際上困難であった。
【0006】
この発明は、上記問題に着目してなされたもので、直列接続された複数個のリチウムイオン電池を、各リチウムイオン電池の電圧を外部より監視できる状態で蓋付きのケース体の内部に収納してパック化することにより、鉛蓄電池をリチウムイオン電池へ交換することを可能としたリチウムイオン電池パックと、そのリチウムイオン電池パックが用いられた電源装置、およびその電源装置が用いられたバッテリー投光機とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係るリチウムイオン電池パックは、蓋付きのケース体の内部に、直列接続された複数個のリチウムイオン電池とリチウムイオン電池毎に電圧を監視するための電圧監視回路が実装された基板とが収納されたものである。蓋には、リチウムイオン電池の直列回路に導通する正負の電極端子部と前記電圧監視回路による監視結果が出力される出力端子部とが外部へ突出した状態で設けられている。
【0008】
上記した構成のリチウムイオン電池パックは、リチウムイオン電池を用いているので、鉛蓄電池と比較して、重量が軽く、取扱や持ち運びに便利である。また、寿命が長いので、頻繁にバッテリーを交換する必要がない。さらに、充電時間も短くて済むので、充電作業に伴う労力が大幅に軽減される。しかも、電圧監視回路がケース体の内部に組み込まれて監視結果を出力端子部より出力するので、充放電状態の適否を把握したり、過充電や過放電が生じないように充放電を制御したりするなど、充放電時の安全を容易に確保できる。したがって、鉛蓄電池が用いられたバッテリー駆動の機械において、寿命が尽きた鉛蓄電池を寿命の長いリチウムイオン電池に交換することが可能である。
【0009】
この発明の上記した構成において、前記電圧監視回路は種々の態様が考えられるが、好ましい実施態様のものは、各リチウムイオン電池の電圧をそれぞれ検出するリチウムイオン電池毎の電圧検出回路と、各電圧検出回路による検出電圧が適正範囲内かどうかをそれぞれ判別する判別回路と、各判別回路による判別結果を出力する出力回路とを含むものである。
この実施態様によると、出力回路より各リチウムイオン電池の電圧が適正か否かの判別結果が出力されるので、不適正の判別結果に対して充電や放電を停止することができる。
【0010】
請求項3の発明に係る実施態様では、前記基板には、ケース体内の温度を監視するための温度監視回路がさらに実装されるとともに、蓋には、前記温度監視回路により監視結果が出力される出力端子部が外部へ突出した状態でさらに設けられている。
この実施態様によると、リチウムイオン電池の内部での短絡などに起因して温度が急激に上昇することがあっても、温度監視回路によりケース体内の温度が監視されているので、発火事故の発生を防止できる。
【0011】
請求項4の発明に係る電源装置は、バッテリーより外部の機器へ電力を供給するためのものであって、請求項1に記載された少なくとも1個のリチウムイオン電池パックが収納される筐体を有し、その筐体の内部に、前記出力端子部より出力される電圧監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電および充電器によるリチウムイオン電池の充電を制御する回路が組み込まれたものである。筐体の外面には、充電のために交流電源に接続される電源入力部、リチウムイオン電池より外部の機器へ電力を供給するための電力供給部、および前記電圧監視回路による監視結果を表示するための表示部が設けられている。
【0012】
上記の電源装置において、電力供給部にバッテリー駆動の外部の機器を接続して駆動すると、リチウムイオン電池より電力が供給されて消費されるが、電圧監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電が制御されるので、過放電が防止される。また、電源入力部に交流電源を接続してリチウムイオン電池を充電すると、電圧監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の充電が制御されるので、過充電が防止される。また、表示部には電圧監視回路による監視結果が表示されるので、その表示によってリチウムイオン電池の電圧の適否を把握し得る。
【0013】
請求項5の発明に係る他の電源装置は、バッテリーより外部の機器へ電力を供給するための電源装置であって、請求項3に記載された少なくとも1個のリチウムイオン電池パックが収納される筐体を有し、その筐体の内部に、前記出力端子部より出力される電圧監視回路および温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電および充電器によるリチウムイオン電池の充電を制御する回路が組み込まれたものである。筐体の外面には、充電のために交流電源に接続される電源入力部、リチウムイオン電池より外部の機器へ電力を供給するための電力供給部、および前記電圧監視回路による監視結果と前記温度監視回路による監視結果とを表示するための表示部が設けられている。
【0014】
上記の電源装置において、電力供給部にバッテリー駆動の外部の機器を接続して駆動すると、リチウムイオン電池より電力が供給されて消費されるが、電圧監視回路および温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電が制御されるので、過放電が防止される。また、電源入力部に交流電源を接続してリチウムイオン電池を充電すると、電圧監視回路および温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の充電が制御されるので、過充電が防止される。また、表示部には電圧監視回路による監視結果と温度監視回路による監視結果とが表示されるので、その表示によってリチウムイオン電池の電圧の適否とリチウムイオン電池の温度の適否とを把握し得る。
【0015】
この発明の好ましい実施態様においては、前記筐体は、決められた個数のリチウムイオン電池パックと、リチウムイオン電池パックと同数個の鉛蓄電池とのいずれかを選択して収納することが可能である。
この実施態様によると、同じ筐体に、決められた個数のリチウムイオン電池パックと、それと同数個の鉛蓄電池のいずれもを収納することができるので、蓄電池の種類毎に筐体を用意する必要がなく、在庫管理が容易である。
【0016】
請求項7の発明に係るバッテリー投光機は、投光器と、投光器の光源へ電力を供給するためのキャスター付きの電源装置とで構成されたものであって、前記電源装置は、請求項1に記載された少なくとも1個のリチウムイオン電池パックが収納される筐体を有し、その筐体の内部に、前記出力端子部より出力される電圧監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電および充電器によるリチウムイオン電池の充電を制御する回路が組み込まれている。筐体の外面には、充電のために交流電源に接続される電源入力部、リチウムイオン電池より前記投光器の光源へ電力を供給するための電力供給部、および前記電圧監視回路による監視結果を表示するための表示部が設けられている。
【0017】
上記のバッテリー投光機において、電力供給部に投光器を接続して点灯させると、リチウムイオン電池より電力が供給されて消費されるが、電圧監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電が制御されるので、過放電が防止される。また、電源入力部に交流電源を接続してリチウムイオン電池を充電すると、電圧監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の充電が制御されるので、過充電が防止される。また、表示部には電圧監視回路による監視結果が表示されるので、その表示によってリチウムイオン電池の電圧の適否を把握し得る。
【0018】
請求項8の発明に係るバッテリー投光機は、投光器と、投光器の光源へ電力を供給するためのキャスター付きの電源装置とで構成されるものであって、前記電源装置は、請求項3に記載された少なくとも1個のリチウムイオン電池パックが収納される筐体を有し、その筐体の内部に、前記出力端子部より出力される電圧監視回路および温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電および充電器によるリチウムイオン電池の充電を制御する回路が組み込まれている。筐体の外面には、充電のために交流電源に接続される電源入力部、リチウムイオン電池より前記投光器の光源へ電力を供給するための電力供給部、および前記電圧監視回路による監視結果と前記温度監視回路による監視結果とを表示するための表示部が設けられている。
【0019】
上記のバッテリー投光機において、電力供給部に投光器を接続して点灯させると、リチウムイオン電池より電力が供給されて消費されるが、電圧監視回路および温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電が制御されるので、過放電が防止される。また、電源入力部に交流電源を接続してリチウムイオン電池を充電すると、電圧監視回路および温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の充電が制御されるので、過充電が防止される。また、表示部には電圧監視回路による監視結果と温度監視回路による監視結果とが表示されるので、その表示によってリチウムイオン電池の電圧の適否とリチウムイオン電池の温度の適否とを把握し得る。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、直列接続された複数個のリチウムイオン電池を、各リチウムイオン電池の電圧を外部より監視できる状態で蓋付きのケース体の内部に収納してパック化したから、充放電の適否を把握したり、過充電や過放電が生じないように充放電を制御したりするなど、充放電時の安全を容易に確保できる。したがって、鉛蓄電池が用いられた電源装置やバッテリー駆動の各種の機器において、寿命が尽きた鉛蓄電池を寿命の長いリチウムイオン電池に交換することが可能である。
さらに、直列接続された複数個のリチウムイオン電池を、ケース体内の温度を外部より監視できる状態で蓋付きのケース体の内部に収納してパック化したから、各リチウムイオン電池の内部での短絡などに起因して温度が急激に上昇することがあっても、発火事故の発生を防止できる。
また、上記のリチウムイオン電池パックが用いられたこの発明の電源装置やバッテリー投光機では、電圧監視回路や温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の充放電が制御されるので、過放電や過充電による電池内部の圧力の上昇や内部短絡による温度の上昇を防止でき、電源装置やその電源装置を用いたバッテリー投光機の使用上の安全を確保し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の一実施例であるバッテリー投光機の外観を示す斜視図である。
【図2】電源装置の下部筐体に3個のリチウムイオン電池パックが収納される状態を示す斜視図である。
【図3】リチウムイオン電池パックをそのケース体および蓋を断面して示す正面図である。
【図4】リチウムイオン電池パックの分解斜視図である。
【図5】電源装置の操作表示部を拡大して示す正面図である。
【図6】バッテリー投光機の全体の回路構成を示す電気回路図である。
【図7】電圧監視回路の構成を示すブロック図である。
【図8】充電および放電を制御する回路の構成を示す電気回路図である。
【図9】放電時の監視動作の流れを示すフローチャートである。
【図10】充電時の監視動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】電圧監視回路の判別回路による制御の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、この発明の一実施例であるバッテリー投光機の外観を示している。図示例のバッテリー投光機は、脚部10の上端部に光源11が取り付けられた投光器1と、投光器1の光源11へ電力を供給するための電源装置2とで構成されている。この実施例の電源装置2は、定格出力電圧が12ボルトのリチウムイオン電池パック(詳細は後述)を3個直列に接続したものが用いられ、定格出力電圧が36ボルト(12ボルト×3)に設定されている。なお、リチウムイオン電池パックを1個用いれば定格出力電圧が12ボルトの電源装置を構成でき、同様に、2個用いれば定格出力電圧が24ボルトの電源装置を、4個用いれば定格出力電圧が48ボルトの電源装置を、それぞれ構成できる。
【0023】
前記投光器1は、支柱12の外周面の等角度位置に3本の脚13を取り付けて脚部10が構成されている。各脚13の下端には床面を移動することが可能なようにキャスター14が取り付けられている。支柱12は中空のパイプであり、パイプ内孔へ上端面よりスライド軸15が挿入されている。スライド軸15の上端には支持フレーム16を介して光源11が上下に首振り可能に支持されている。スライド軸15を上下方向へスライドさせて止め具17により固定することにより光源11を所望の高さに定位させることができる。
この実施例では、複数個のLEDによって光源11を構成しているが、LEDに限られるものではない。また、図示例の投光器1は電源装置2と独立しているが、電源装置2に一体に設けることもできる。
【0024】
電源装置2は、筐体20が箱状をなし、下部筐体20aの上面の開口部に上部筐体20bが取外し可能に取り付けられている。下部筐体20aの下端部の四隅には床面を移動することが可能なようにキャスター21が設けられている。下部筐体20aの内部空間22は、図2に示すように、直方体をなすリチウムイオン電池パック3を3個収納することが可能な大きさに形成されている。上部筐体20bの内部には、図6に示される種々の回路、すなわち、放電制御回路61、充電制御回路62、および充放電制御回路63を構成する電磁リレーR1,R2,R3やその接点64〜67などが実装された制御用基板(図示せず)や、後述する操作表示部100の入出力各部の動作を制御する回路が実装された表示用基板(図示せず)などが組み込まれている。
【0025】
この実施例のリチウムイオン電池パック3は、図3および図4に示すように、4個のリチウムイオン電池30を直列に接続したものを、図6に示すモニター部7を構成する回路などが実装された監視用基板4とともに、蓋付きのケース体5の内部に密閉状態で収納してパック化したものである。この実施例で用いているリチウムイオン電池30は、出力電圧が3.3ボルトのもの、すなわち、正極が鉄系複合酸化物(LiFeO2)により形成されているリチウムイオン電池である。この実施例では、出力電圧が3.3ボルトのリチウムイオン電池を4個用いることにより、定格出力電圧が12ボルトの鉛蓄電池に代替し得る出力電圧(3.3ボルト×4=13,2ボルト)のリチウムイオン電池パック3を形成している。
この実施例のリチウムイオン電池パック3は、定格出力電圧が12vの鉛蓄電池とほぼ同じ外形のものであり、3個のリチウムイオン電池パック3と3個の鉛蓄電池のいずれであっても下部筐体20aの内部に収納することが可能である。したがって、この筐体20はリチウムイオン電池を用いた電源装置にも鉛蓄電池を用いた電源装置にも用いることができる。
【0026】
各リチウムイオン電池パック3は、蓋50により上面の開口部51が塞がれるケース体5の内部に、導電板41により直列接続された4個のリチウムイオン電池30が正負の電極端子31,32を上に向けて整列状態で収納されるとともに、モニター部7を構成する回路などが実装された監視用基板4が蓋50の内面にネジ止めされた状態で収納されたものである。なお、図4において、54,55はケース体5の開口部51の対向位置に取り付けられたネジ止め用の金属板であり、ケース体5の開口部51に被せられた蓋50と金属板54,55との間をネジ止めすることにより蓋50は閉じた状態に保持される。
【0027】
前記モニター部7は、リチウムイオン電池30毎に電圧を監視するための図7に示す電圧監視回路8と、ケース体5の内部の温度を監視するための図8に示す温度監視回路9とを含むものであるが、電圧監視回路8および温度監視回路9の構成とそれぞれの動作については後述する。なお、監視用基板4は、蓋50の内面にネジなどで装着するのが望ましいが、これに限らず、ケース体5の内側に空間を設けて、その空間内に収納するようにしてもよい。
【0028】
蓋50の両端部の中央位置には矩形状の取付孔56,57が設けられている。各取付孔56,57には、電圧監視回路8および温度監視回路9による監視結果が出力される出力端子部を構成するコネクタ44,45が外部へ突出した状態で取り付けられている。一方のコネクタ44は他のリチウムイオン電池パック3のコネクタ45に、他方のコネクタ45は他のリチウムイオン電池パック3のコネクタ44に、それぞれ接続される。なお、コネクタ44,45の構成や接続状態の詳細は後述する。
【0029】
図4において、31,32は各リチウムイオン電池30の正負の各電極端子であり、隣合うリチウムイオン電池30,30間において正の電極端子31と負の電極端子32とを導電板41により接続することにより4個のリチウムイオン電池30が直列接続される。一端のリチウムイオン電池30の正の電極端子31には正の電極端子板42が、他端のリチウムイオン電池30の負の電極端子32には負の電極端子板43が、それぞれ取り付けられている。各電極端子板42,43はL字状に屈曲されており、その起立した部分が蓋50に形成された貫通孔52,53を貫通して蓋50の上面へ突出している。隣り合うリチウムイオン電池パック3,3間において正の電極端子板42と負の電極端子板43とを順次結線することで、一端のリチウムイオン電池パック3の正の電極端子板42と他端のリチウムイオン電池パック3の負の電極端子板43との間で36ボルトの定格出力電圧が得られる。
【0030】
上部筐体20bの後面には、図1に示すように、投光器1の光源11へ電力を供給するための電力供給部27が設けられ、この電力供給部27と光源11とが接続コード23によって電気接続されている。なお、図1において、29a,29bは下部筐体20aおよび上部筐体20bに設けられた内部回路接続部であり、この内部回路接続部29a,29b間を接続コード24により接続することで、下部筐体20a内の所定の回路と上部筐体20b内の所定の回路とが電気接続される。
【0031】
図5は、上部筐体20bの前面に設けられた操作表示部100の構成を示している。この操作表示部100には、電源のオン、オフおよび点灯と充電との切換を行うための切換スイッチ101と、3個のリチウムイオン電池パック3によるトータル電圧の大きさを表示する電圧レベル表示灯102と、充電中であることを点灯表示する充電表示灯103と、いずれかのリチウムイオン電池30の電圧が放電終止電圧(この実施例では2.5ボルト)を下回ったことを点灯表示する電圧低下表示灯104と、いずれかのリチウムイオン電池パック3の内部温度が60℃を上回ったことを点灯表示する異常表示灯105とが配設されるとともに、交流電源に接続される電源コード25を接続するための電源入力部28が設けられている。
【0032】
図6は、上記した構成のバッテリー投光機の主要な回路構成を示している。
同図中、60はプラグ26の交流電源への接続により通電可能な充電回路を示し、この充電回路60には充電制御回路62を構成する電磁リレーR1の接点64と、充放電制御回路63を構成する電磁リレーR3の接点66とが介装されている。一方の電磁リレーR1は過充電のときに付勢されて接点64が開き、他方の電磁リレーR3は過度の温度上昇があったときに付勢されて接点66が開くもので、いずれの場合も充電器68による充電が停止する。
【0033】
また、同図中、6は点灯時に通電する点灯回路を示し、この点灯回路6には放電制御回路61を構成する電磁リレーR2の接点65と、充放電制御回路63を構成する電磁リレーR3の接点67とが介装されている。一方の電磁リレーR2は過放電のときに付勢されて接点64が開き、他方の電磁リレーR3は過度の温度上昇があったときに付勢されて接点67が開くもので、いずれの場合も投光器1への通電が停止されて光源11は消灯する。
なお、同図には、操作表示部100に設けられている切換スイッチ101や各種の表示灯の入出力動作を制御する回路の図示を省略しているが、この種の回路は電磁リレーとその接点とから成るリレー回路などを用いて容易に構成できる。
【0034】
図7は、リチウムイオン電池パック3のモニター部7を構成するリチウムイオン電池毎の電圧監視回路8の構成をしている。各電圧監視回路8は、電圧変換回路81、電圧検出回路82、判別回路83、および出力回路88,89を含んでいる。電圧検出回路82はリチウムイオン電池30の両端の電圧を検出する。電圧変換回路81はリチウムイオン電池30の電圧を判別回路83の駆動に必要な電圧に変換して判別回路83へ供給する。判別回路83はマイクロコンピュータにより構成され、電圧検出回路82により検出したリチウムイオン電池30の電圧が過放電の状態にあるかどうか、すなわち、放電終止電圧(この実施例では2.5ボルト)を下回ったかどうかや、過充電の状態にあるかどうか、すなわち、充電終止電圧(この実施例では4.3ボルト)を上回ったかどうかを判断する。
【0035】
一方の出力回路88は、過電圧表示回路84とフォトカプラ86とで構成され、判別回路83が過充電の状態にあると判断したとき、過電圧表示回路84を動作させてフォトカプラ86を点灯駆動させ、過電圧監視出力を充電制御回路62のトランジスタTR1へ与える。このトランジスタTR1はオア回路を構成し、4個の電圧監視回路8のフォトカプラ86のいずれかより過電圧監視出力が与えられたときにオン動作する。
【0036】
他方の出力回路89は、過放電表示回路85とフォトカプラ87とで構成され、判別回路83が過放電の状態にあると判断したとき、過放電表示回路85を動作させてフォトカプラ86を点灯駆動させ、過放電監視出力を充電制御回路62のトランジスタTR2へ与える。このトランジスタTR2はオア回路を構成し、4個の電圧監視回路8のフォトカプラ87のいずれかより過放電監視出力が与えられたときにオン動作する
【0037】
図8は、3個の各リチウムイオン電池パック3のトランジスタTR1と電磁リレーR1とで構成される充電制御回路62と、各リチウムイオン電池パック3のトランジスタTR2と電磁リレーR2とで構成される放電制御回路61と、各リチウムイオン電池パック3に組み込まれた温度センサ90と電磁リレーR3とで構成される充放電制御回路63との構成を示している。
この実施例の温度センサ90はサーモスタットであり、各リチウムイオン電池パック3のケース体5の内部の監視用基板4上に設けられており、ケース体5の内部の温度が所定の温度(この実施例では60℃)を越えたときに接点が開くものである。
【0038】
図8において、44,45は各リチウムイオン電池パック3に設けられた2個のコネクタであり、各コネクタ44,45はそれぞれ4個の端子T1〜T4を有している。各コネクタ44,45の1番目の端子T1にはコネクタ44,45の端子T1,T1間を導通させる線路が、2番目の端子T2にはトランジスタTR1のコレクタと導通する線路が、3番目の端子T3にはトランジスタTR2のコレクタと導通する線路が、4番目の端子T4には温度センサ90を含む温度監視回路9に導通する線路が、それぞれ接続されている。
【0039】
隣り合うリチウムイオン電池パック3,3のコネクタ44とコネクタ45とは4本線のコード110によって接続される。一端のリチウムイオン電池パック3は2番目〜4番目の端子T2〜T4が電磁リレーR1〜R3を介してプラスライン(+)に接続され、他端のリチウムイオン電池パック3は1番目の端子T1と4番目の端子T4がマイナスライン(−)に接続される。
【0040】
各リチウムイオン電池パック3の各トランジスタTR1.TR2は、4個のリチウムイオン電池30のいずれもが過充電や過放電の状態でないときはオフ状態である。このオフ状態では、各トランジスタTR1.TR2のコレクタはオープンであるので、電磁リレーR1,R2は付勢されず、充電回路60中の接点64や点灯回路6中の接点65は閉じた状態にある。3個のリチウムイオン電池パック3のうちいずれかのリチウムイオン電池パック3のリチウムイオン電池30が過充電や過放電の状態になると、該当するリチウムイオン電池パック3のトランジスタTR1またはTR2がオンとなり、電磁リレーR1またはR2が付勢され、充電回路60中の接点64または点灯回路6中の接点65が開く。
【0041】
各リチウムイオン電池パック3の温度センサ90は、ケース体5内の温度が過度に上昇していなければ接点が閉じているので、電磁リレーR3が付勢され、充電回路60中の接点66や点灯回路6中の接点67は閉じた状態にある。3個のリチウムイオン電池パック3のうちのいずれかに過度の温度上昇があると、該当するリチウムイオン電池パック3の温度センサ90の接点が開き、電磁リレーR3が付勢され、充電回路60中の接点66や点灯回路6中の接点67が開く。
【0042】
図9は放電時の監視動作の流れを、図10は充電時の監視動作の流れを、それぞれ示している。以下、同図に従って、バッテリー投光機の動作を説明する。なお、図中、「ST」は「STEP」(手順)の略である。
いま、電源装置2の操作表示部100の切換スイッチ101が操作されて点灯モードに設定されると、図9のST1の判定が「YES」となり、直列接続された12個のリチウムイオン電池30より投光器1へ電力が供給されて光源11が点灯する。また、操作表示部100では、電圧レベル表示灯102が点灯し、12個のリチウムイオン電池30のトータル電圧が表示される(ST2)。
【0043】
つぎのST3では、全てのリチウムイオン電池パック3について、ケース体5内の温度が60℃以下であるかどうかが判定され、続くST4では、全てのリチウムイオン電池30の電圧が放電終止電圧の2.5ボルト以上であるかどうかが判定される。いずれの判定も「YES」であれば、過度の温度上昇もなく、また、過放電の状態ではないので、切換スイッチ101が切られない限り、ST3,4の監視が継続して行われる。
もし、切換スイッチ101が切られると、ST5の判定が「YES」となってST6へ進み、投光器1への電力供給が停止されて光源11が消灯し、また、電圧レベル表示灯102も消灯する。
【0044】
上記したST3〜ST5の監視ループにおいて、いずれかのリチウムイオン電池パック3について、ケース5内の温度が60℃を上回ったとき、ST3の判定が「NO」となり、操作表示部100の異常表示灯105が点灯して過度の温度上昇があったことが知らされ(ST7)、投光器1への電力供給が止められて光源11が消灯する(ST10)。
また、いずれかのリチウムイオン電池パック3について、いずれかのリチウムイオン電池30の電圧が放電終止電圧の2.5ボルトを下回ったとき、ST4の判定が「NO」となり、その過放電の状態が一定時間(この実施例では10秒)継続したことを条件として、ST8からST9へ進み、電圧低下表示灯104が点灯して過放電であることが知らされ、投光器1への電力供給が停止されて光源11が消灯する(ST10)。
そして、切換スイッチ11が切られると、ST11の判定が「YES」となり、点灯中の表示灯が消灯する(ST12)。
【0045】
一方、電源装置2の操作表示部100の切換スイッチ101が操作されて充電モードに設定されたとき、図10のST1の判定が「YES」となり、100ボルトの交流電源にプラグ26が接続されていれば、ST2の判定も「YES」となり、直列接続された12個のリチウムイオン電池30に対する充電がスタートし、充電時間を計測するタイマーが計時を開始する(ST3)。そして、充電開始とともに充電表示灯103および電圧レベル表示灯102が点灯する(ST4)。
【0046】
つぎのST5では、全てのリチウムイオン電池パック3について、全てのリチウムイオン電池30の電圧が充電終止電圧の4.3ボルト以下であるかどうかが判定され、続くST6では、ケース体5内の温度が60℃以下であるかどうかが判定される。いずれの判定も「YES」であれば、過充電の状態にはなく、また、過度の温度上昇もないから、前記のタイマーがタイムアップしない限り、ST5,6の監視が繰り返し行われる。
【0047】
タイマーが所定の充電時間(この実施例では2.5時間)を計時すると、ST7の判定が「YES」となり、充電がストップしかつタイマーは計時をストップし(ST8)、充電表示灯102が消灯する(ST9)。
そして、切換スイッチ101が切られると、ST10の判定が「YES」となってST11へ進み、全ての表示灯が消灯する。
【0048】
上記したST5〜ST7の監視ループにおいて、いずれかのリチウムイオン電池パック3について、いずれかのリチウムイオン電池30の電圧が充電終止電圧の4.3ボルトを上回ったとき、ST5の判定が「NO」となり、その過充電の状態が一定時間(この実施例では10秒)継続したことを条件として、ST12からST8へ進み、充電がストップされかつタイマーは計時をストップし、充電表示灯102は消灯する(ST9)。
また、いずれかのリチウムイオン電池パック3について、ケース5内の温度が60℃を上回ったとき、ST6の判定が「NO」となり、異常表示灯105が点灯して過度の温度上昇があることが知らされ(ST13)、同様に、充電がストップしかつタイマーは計時をストップし(ST8)、充電表示灯102は消灯する(ST9)。
【0049】
図11は、各リチウムイオン電池パック3において、リチウムイオン電池30毎に実行される電圧監視回路8の判別回路83による電圧監視制御の流れを示している。
いま、電源装置2の操作表示部100の切換スイッチ101が操作されて点灯モードまたは充電モードに設定されると、図11のST1の判定が「YES」となり、ST2で監視の初期状態に設定された後、ST3〜ST7において過充電の監視が、ST8〜ST12において過放電の監視が、繰り返し実行される。
【0050】
ST3では、判別回路83は電圧検出回路82により検出されたリチウムイオン電池30の電圧が充電終止電圧の4.3ボルト以上であるかどうかを判定する。その判定が「NO」であれば、過充電の状態にないとしてST4〜ST7がスキップされ、次に、判別回路83はリチウムイオン電池30の電圧が放電終止電圧の2.5ボルト以下であるかどうかを判定する(ST8)。ST8の判定が「NO」であれば、過放電の状態にないとしてST9〜ST12がスキップされ、ST3〜ST7の過充電の監視ループに戻る。
【0051】
ST3において、電圧検出回路82により検出されたリチウムイオン電池30の電圧が充電終止電圧の4.3ボルト以上であると判定されたとき、ST3からST4へ進み、判別回路83はその過充電の状態が一定時間(この実施例では10秒)継続したかどうかを判定する。その判定が「YES」のとき、判別回路83は過充電の状態にあると判断し、過電圧表示回路84を動作させてフォトカプラ86を点灯駆動し、過電圧監視出力を充電制御回路62のトランジスタTR1へ与える(ST5)。
つぎのST6では、リチウムイオン電池30の電圧が4.0ボルト以下まで低下するのに待機しており、その判定が「YES」になると、判別回路83は過電圧表示回路84の動作を停止させ、過電圧監視出力をオフさせる(ST7)。
【0052】
ST8において、電圧検出回路82により検出されたリチウムイオン電池30の電圧が放電終止電圧の2.5ボルト以下であると判定されたとき、ST8からST9へ進み、判別回路83はその過放電の状態が一定時間(この実施例では10秒)継続したかどうかを判定する。その判定が「YES」のとき、判別回路83は過放電の状態にあると判断し、過放電表示回路85を動作させてフォトカプラ87を点灯駆動し、過放電監視出力を放電制御回路61のトランジスタTR2へ与える(ST10)。
つぎのST11では、リチウムイオン電池30の電圧が3.0ボルト以上まで上昇するのに待機しており、その判定が「YES」になると、判別回路83は過放電表示回路85動作を停止させ、過放電監視出力をオフさせる(ST12)。
【0053】
なお、上記はこの発明を実施するためのひとつの好ましい実施の形態を示すものであるが、この発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、また、この実施の形態によってこの発明の範囲が制限されるものでもない。
【符号の説明】
【0054】
1 投光器
2 電源装置
3 リチウムイオン電池パック
4 基板
5 ケース体
8 電圧監視回路
9 温度監視回路
11 光源
20 筐体
27 電力供給部
28 電源入力部
30 リチウムイオン電池
42,43 電極端子板
44.45 コネクタ
50 蓋
82 電圧検出回路
83 判別回路
88,89 出力回路
90 温度センサ
100 操作表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋付きのケース体の内部に、直列接続された複数個のリチウムイオン電池とリチウムイオン電池毎に電圧を監視するための電圧監視回路が実装された基板とが収納され、蓋には、リチウムイオン電池の直列回路に導通する正負の電極端子部と前記電圧監視回路による監視結果が出力される出力端子部とが外部へ突出した状態で設けられて成るリチウムイオン電池パック。
【請求項2】
前記電圧監視回路は、各リチウムイオン電池の電圧をそれぞれ検出するリチウムイオン電池毎の電圧検出回路と、各電圧検出回路による検出電圧が適正範囲内かどうかをそれぞれ判別する判別回路と、各判別回路による判別結果を出力する出力回路とを含んでいる請求項1に記載されたリチウムイオン電池パック。
【請求項3】
前記基板には、ケース体内の温度を監視するための温度監視回路がさらに実装されるとともに、蓋には、前記温度監視回路により監視結果が出力される出力端子部が外部へ突出した状態でさらに設けられている請求項1に記載されたリチウムイオン電池パック。
【請求項4】
バッテリーより外部の機器へ電力を供給するための電源装置であって、請求項1に記載された少なくとも1個のリチウムイオン電池パックが収納される筐体を有し、その筐体の内部に、前記出力端子部より出力される電圧監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電および充電器によるリチウムイオン電池の充電を制御する回路が組み込まれ、筐体の外面に、充電のために交流電源に接続される電源入力部、リチウムイオン電池より外部の機器へ電力を供給するための電力供給部、および前記電圧監視回路による監視結果を表示するための表示部が設けられて成る電源装置。
【請求項5】
バッテリーより外部の機器へ電力を供給するための電源装置であって、請求項3に記載された少なくとも1個のリチウムイオン電池パックが収納される筐体を有し、その筐体の内部に、前記出力端子部より出力される電圧監視回路および温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電および充電器によるリチウムイオン電池の充電を制御する回路が組み込まれ、筐体の外面に、充電のために交流電源に接続される電源入力部、リチウムイオン電池より外部の機器へ電力を供給するための電力供給部、および前記電圧監視回路による監視結果と前記温度監視回路による監視結果とを表示するための表示部が設けられて成る電源装置。
【請求項6】
前記筐体は、決められた個数のリチウムイオン電池パックと、リチウムイオン電池パックと同数個の鉛蓄電池とのいずれかを選択して収納することが可能である請求項4または5に記載された電源装置。
【請求項7】
投光器と、投光器の光源へ電力を供給するためのキャスター付きの電源装置とで構成されたバッテリー投光機であって、前記電源装置は、請求項1に記載された少なくとも1個のリチウムイオン電池パックが収納される筐体を有し、その筐体の内部に、前記出力端子部より出力される電圧監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電および充電器によるリチウムイオン電池の充電を制御する回路が組み込まれ、筐体の外面に、充電のために交流電源に接続される電源入力部、リチウムイオン電池より前記投光器の光源へ電力を供給するための電力供給部、および前記電圧監視回路による監視結果を表示するための表示部が設けられて成るバッテリー投光機。
【請求項8】
投光器と、投光器の光源へ電力を供給するためのキャスター付きの電源装置とで構成されたバッテリー投光機であって、前記電源装置は、請求項3に記載された少なくとも1個のリチウムイオン電池パックが収納される筐体を有し、その筐体の内部に、前記出力端子部より出力される電圧監視回路および温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電および充電器によるリチウムイオン電池の充電を制御する回路が組み込まれ、筐体の外面に、充電のために交流電源に接続される電源入力部、リチウムイオン電池より前記投光器の光源へ電力を供給するための電力供給部、および前記電圧監視回路による監視結果と前記温度監視回路による監視結果とを表示するための表示部が設けられて成るバッテリー投光機。
【請求項1】
蓋付きのケース体の内部に、直列接続された複数個のリチウムイオン電池とリチウムイオン電池毎に電圧を監視するための電圧監視回路が実装された基板とが収納され、蓋には、リチウムイオン電池の直列回路に導通する正負の電極端子部と前記電圧監視回路による監視結果が出力される出力端子部とが外部へ突出した状態で設けられて成るリチウムイオン電池パック。
【請求項2】
前記電圧監視回路は、各リチウムイオン電池の電圧をそれぞれ検出するリチウムイオン電池毎の電圧検出回路と、各電圧検出回路による検出電圧が適正範囲内かどうかをそれぞれ判別する判別回路と、各判別回路による判別結果を出力する出力回路とを含んでいる請求項1に記載されたリチウムイオン電池パック。
【請求項3】
前記基板には、ケース体内の温度を監視するための温度監視回路がさらに実装されるとともに、蓋には、前記温度監視回路により監視結果が出力される出力端子部が外部へ突出した状態でさらに設けられている請求項1に記載されたリチウムイオン電池パック。
【請求項4】
バッテリーより外部の機器へ電力を供給するための電源装置であって、請求項1に記載された少なくとも1個のリチウムイオン電池パックが収納される筐体を有し、その筐体の内部に、前記出力端子部より出力される電圧監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電および充電器によるリチウムイオン電池の充電を制御する回路が組み込まれ、筐体の外面に、充電のために交流電源に接続される電源入力部、リチウムイオン電池より外部の機器へ電力を供給するための電力供給部、および前記電圧監視回路による監視結果を表示するための表示部が設けられて成る電源装置。
【請求項5】
バッテリーより外部の機器へ電力を供給するための電源装置であって、請求項3に記載された少なくとも1個のリチウムイオン電池パックが収納される筐体を有し、その筐体の内部に、前記出力端子部より出力される電圧監視回路および温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電および充電器によるリチウムイオン電池の充電を制御する回路が組み込まれ、筐体の外面に、充電のために交流電源に接続される電源入力部、リチウムイオン電池より外部の機器へ電力を供給するための電力供給部、および前記電圧監視回路による監視結果と前記温度監視回路による監視結果とを表示するための表示部が設けられて成る電源装置。
【請求項6】
前記筐体は、決められた個数のリチウムイオン電池パックと、リチウムイオン電池パックと同数個の鉛蓄電池とのいずれかを選択して収納することが可能である請求項4または5に記載された電源装置。
【請求項7】
投光器と、投光器の光源へ電力を供給するためのキャスター付きの電源装置とで構成されたバッテリー投光機であって、前記電源装置は、請求項1に記載された少なくとも1個のリチウムイオン電池パックが収納される筐体を有し、その筐体の内部に、前記出力端子部より出力される電圧監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電および充電器によるリチウムイオン電池の充電を制御する回路が組み込まれ、筐体の外面に、充電のために交流電源に接続される電源入力部、リチウムイオン電池より前記投光器の光源へ電力を供給するための電力供給部、および前記電圧監視回路による監視結果を表示するための表示部が設けられて成るバッテリー投光機。
【請求項8】
投光器と、投光器の光源へ電力を供給するためのキャスター付きの電源装置とで構成されたバッテリー投光機であって、前記電源装置は、請求項3に記載された少なくとも1個のリチウムイオン電池パックが収納される筐体を有し、その筐体の内部に、前記出力端子部より出力される電圧監視回路および温度監視回路による監視結果に応じてリチウムイオン電池の放電および充電器によるリチウムイオン電池の充電を制御する回路が組み込まれ、筐体の外面に、充電のために交流電源に接続される電源入力部、リチウムイオン電池より前記投光器の光源へ電力を供給するための電力供給部、および前記電圧監視回路による監視結果と前記温度監視回路による監視結果とを表示するための表示部が設けられて成るバッテリー投光機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−222409(P2011−222409A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92342(P2010−92342)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(505207090)マイト工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(505207090)マイト工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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