説明

リパーゼ触媒反応を制御するための組成物

本発明は、リパーゼによって仲介される脂肪分解の分野に関する。特に、本発明は、疎水相と親水相との間の界面の組成物の調節による、リパーゼ活性の調節に関する。より詳細には、本発明は、脂肪分解を調節するための、親油相と親水相との間の界面へのリパーゼ基質の接近を制御するのに十分に高い界面圧力を有する少なくとも1つの界面活性剤を含む調合物の使用、及び少なくとも1つの油を含み、少なくとも1つの界面活性剤で富化された組成物であって、界面活性剤は、少なくとも1つのリパーゼによって切断不可能であり、親水相と親油相との間の界面に対する親和性が、少なくとも1つの脂質よりも高く、少なくとも1つの脂質に対して約1:1000〜100:1の重量比で存在する組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、リパーゼによって仲介される脂肪分解の分野に関する。本発明は特に、親油相と親水相との間の界面へのリパーゼ基質の接近を制御することによるリパーゼ活性の調節に関する。本発明の実施態様は、請求項1に記載の使用及び請求項11に記載の組成物に関する。
【0002】
リパーゼは、胃腸管に存在する一群の酵素である。リパーゼの主要な機能は、食事脂肪、例えば、トリグリセリド又はジグリセリドを加水分解、すなわち消化し、体による食事脂肪の同化を可能にすることである。リパーゼはまた、パルミチン酸p−ニトロフェニル又はデシルクロロアセテート又はその他のものなどの非トリグリセリド脂肪を加水分解するためにも使用できる。産生される脂質分子は、(トリグリセリドを使用する場合)主に遊離脂肪酸及びモノグリセリドである。消化中の、脂肪の無制御な取り込みは、様々な事象を招く可能性がある:すなわち、これらの脂肪成分の高い取り込みは、肥満、動脈硬化、又は関連する障害などの、深刻な健康問題を招く可能性があり、低い脂肪の取り込みは、吸収不良及び栄養不良のような健康問題を招く可能性がある。
【0003】
消化中の、体による食事脂肪の同化を低下させることを目指すいくつかの戦略が、現在、文献中に論じられている。
【0004】
この目標を達成するための、ある戦略は、食品中の脂肪を、リパーゼによって加水分解されない脂肪の代替物(例えばUS2001003119AA;US2003215556AA)又は他の脂肪疑似成分(例えば、加工デンプン、デキストリン、オートムギ繊維、ポリデキストロース、ゴム)によって置き換えることによるものである。しかし、脂肪の代替物は通常、最終製品のわずかに異なる口あたり及び/又は風味をもたらす。
【0005】
脂肪の取り込みを低下させる別の戦略は、リパーゼの阻害剤として作用する成分を加えることによるものである。その例は、オルリスタット(Orlistat)(登録商標)であり、これは、サプリメントとして摂取され、リパーゼの触媒部位に不可逆的に結合するホスホネート分子である。したがって、トリグリセリドの加水分解は低下する。しかし、望ましくない副作用(例えば緩下剤的影響及び親油性ビタミン吸収の低下)が起こる可能性がある。
【0006】
第3の戦略は、脂肪又は脂肪球を物理的に閉じ込めることによって、食事脂肪の同化を制限する成分を添加することに取り組む。米国特許第6214349号明細書は、この方式で、消化中の脂肪の取り込みを低下させる、非消化食物繊維−乳化剤混合物を記載する。しかし通常、これらの生成物は、比較的費用がかかる上、生成が難しい。さらに、これらは、最終製品の舌触りに影響を与える可能性がある。
【0007】
第4の戦略は、脂肪の燃焼を誘発する成分を加えることである。米国特許第6762203号明細書は、この点に関して有効であると示されているジグリセリド/モノグリセリド混合物を主成分とする組成物を開示している。しかし、こうした薬剤の添加は、生物の代謝に圧力をかけ、これは、ある種の場合には、避けることが望ましい可能性がある。
【0008】
したがって、従来技術の手法の不利益を克服すること、また、消化中のヒト又は動物において、体による脂肪同化を低下させるための新規の代替手法を提供することが、本発明の一目的であった。
【0009】
この新規の手法は、リパーゼ反応が作用する位置である水−油界面の分子組成を制御することが可能な薬剤を使用する。水−油界面は、主に、(i)リパーゼ(及びコリパーゼ)及び(ii)リパーゼのための基質(例えばトリグリセリド(TAGと略記される)及び/又はジグリセリド(DAGと略記される))から構成される。脂肪が、乳化された形で存在する場合、水−油界面はまた、物理的に安定な脂肪エマルジョン生成物を生成するための乳化プロセスに使用される乳化剤も含有する。
【0010】
本発明者らは、リパーゼへの基質接近性(例えばトリグリセリド又はジグリセリド)を低下させる界面活性な分子を、界面で用いることによって、脂肪の生体触媒作用を妨げることができることを発見し、驚いた。
【0011】
本発明における水−油−界面組成物の、この制御は、リパーゼの基質(TAG又はDAG)よりも表面活性の高い界面活性剤(脂質)を脂肪組成物に加えることによって実現することができる。その結果、この界面活性剤は、界面からリパーゼ基質を排除し、続いて、リパーゼのその基質への接近を低下させる(制御する)。界面からの基質の排除は、リパーゼの脂肪分解活性を低下させる。
【0012】
基質排除の度合いは、例えば、(i)添加される界面活性剤の選択(タイプ)によって、(重要な点は、リパーゼ基質の表面活性に対する界面活性剤の表面活性及び/又は界面活性剤自体がリパーゼによって加水分解可能であるかないかである)、並びに(ii)生成物中の界面活性剤濃度(また、これにより、親水相と疎水相との間の界面の界面活性剤濃度)によって、制御することができる。
【0013】
界面活性剤は、消化前の生成物に加えることができる、或いは、例えば、胃腸管内に存在するエステラーゼ、プロテアーゼ、又はリパーゼの作用によって、消化中にin−situで生成させることができる。
【0014】
水−油界面の組成を制御できることを使用して、消化中の脂肪の同化を調節する、すなわち、肥満及び関連する健康問題を患う対象における脂肪の同化を低下させる、或いは満腹感及び/又は飽食感に影響を与えることができる。
【0015】
理論に拘泥されることを望まないが、本発明者らは、リパーゼ基質、例えばトリグリセリド又はジグリセリドが、リパーゼの活性部位に接近することを、水−油界面への界面活性剤の吸着によって、少なくとも部分的にブロックすることが可能であると考えている。これは、トリグリセリド(又はジグリセリド)加水分解の程度及び動態の低下をもたらす。界面活性剤自体は、リパーゼによって加水分解可能であることも、加水分解可能でないことも可能である。
【0016】
使用される界面活性剤が、TAG又はDAGなどのリパーゼ基質よりも高い表面活性を示し、その結果、使用される界面活性剤が、界面から基質分子を排除することによって、基質分子のリパーゼ分子との接触を低下させ、−結果として−油基質上のリパーゼの加水分解作用を低下させることが、本発明にとって不可欠である。
【0017】
本発明によれば、脂肪を含有する食事を、消化プロセス中に水−油界面に対してリパーゼと共吸着する能力がある界面活性剤で富化することができる。これによって、界面でのTAG及び/又はDAG分子の量は低下し、これによって、界面でのリパーゼ分子との分子的接触は低下する。リパーゼのTAG又はDAG加水分解活性は低下する。その代わり、より表面活性の高い、加水分解可能な界面活性剤は消化される、又は、界面活性剤自体が加水分解可能でない場合には、リパーゼは、界面活性剤から開始する代わりに、ジグリセリド及び/又はトリグリセリド、及び、水−油界面に存在する表面活性のある他の分子(脂肪酸など)を合成する可能性がある。
【0018】
したがって、本発明の一実施形態は、脂肪分解を調節するための、親油相と親水相との間の界面へのリパーゼ基質の接近を制御するのに十分に高い界面圧力を有する、少なくとも1つの界面活性剤を含む調合物の使用である。
【0019】
したがって、少なくとも1つの界面活性剤は、親油相と親水相との間の界面からリパーゼ基質を少なくとも部分的に置換することが可能である。したがって、本発明はまた、親油相と親水相との間の界面からリパーゼ基質を少なくとも部分的に置換するための、少なくとも1つの界面活性剤を含む調合物の使用に関する。
【0020】
本発明のさらなる実施形態は、脂質の脂肪分解を調節するための、親油相と親水相との間の界面からリパーゼ基質を少なくとも部分的に置換するのに十分に高い界面圧力を有する、少なくとも1つの界面活性剤を含む調合物の使用である。
【0021】
「界面圧力」(IP)は、純粋な親油/親水相の界面張力(Io)−界面での吸着材料を伴う親油/親水相の界面張力(I)を意味する。結果的に、IP=Io−Iである。
例えば、モデルシステムでは、界面圧力は、リン酸緩衝液デカン界面におけるリパーゼ基質の界面張力−リン酸緩衝液デカン界面におけるリパーゼ基質及び界面活性剤の界面張力として算出することができる。
【0022】
「脂肪分解」は、基質とリパーゼとの界面反応と理解されるべきであり、脂質の加水分解、脂質の合成、エステル形成、エステル開裂、アミド形成、アミド開裂、エステル交換を含む。
【0023】
「リパーゼ基質」は、アシル基を含有する分子を含み、好ましくは、本明細書に記載される脂質である。
【0024】
消化は、本発明の目的では、生理的条件での、反応時刻の3時間後の90%より高い脂肪分解率と理解されるべきである。
【0025】
本発明の好ましい一実施形態では、脂肪分解は、脂質消化である。
【0026】
本発明による脂質消化の調節を、さらには、いくつかの目的に役立たせることができる。ある好ましい目的は、代謝症候群及び/又は肥満の治療及び/又は予防である。
【0027】
本発明に使用される調合物は−調合物の最も簡単な形では−、親油相と親水相との間の界面からリパーゼ基質を少なくとも部分的に置換するのに十分に高い表面活性を伴うある界面活性剤から構成され得る。これは、上に述べた通りの表面活性を伴う2つ以上の界面活性剤を同等に含み得る。調合物の全体的な表面活性を微調整して調合物を特定の用途に具体的に適合させるために、様々な界面活性剤を、調合物中に使用することができる。
【0028】
本発明に使用される調合物はまた、親油性化合物及び/又は親水性化合物を含むことができる。上に述べた通りの少なくとも1つの界面活性剤を、親油相及び/又は親水相のいずれかに溶解することができる。本発明の調合物は、親油相と親水相の両方を含むことが好ましい。
【0029】
本発明の調合物は、その摂取より前に、食品に加えることが意図され得る。本発明の調合物はまた、食品自体であり得る。調合物は、食事内に存在する脂肪の消化を調節するために、食事前、食事中、及び/又は食事後に摂取されることが、同等に予測され得る。この場合、調合物が、食事前に使用される場合が好ましい。
【0030】
本発明の一実施形態では、本発明に使用される調合物は、親油相及び親水相を含むことができ、エマルジョンの形で存在することができる。エマルジョンは、2つの不混和性物質の混合物である。一方の物質、すなわち分散相が、他方、すなわち連続相中に分散している。エマルジョンの例としては、バター及びマーガリン、エスプレッソ、又はマヨネーズが挙げられる。エマルジョンは、主として親水相と親油相との間の多くの界面で、界面活性剤がエマルジョン全体を通して十分に分布するという利点を有する。この等分布により、優れた投与性が可能になり、摂取後の体内での等分布により、最適な有効性が可能になる。こうしたエマルジョンの平均粒径は、5nm〜100μmであり得る。エマルジョンは、マイクロエマルジョンであり得る。この場合、粒径は、約5nm〜500nmの範囲であり得る。マイクロエマルジョンは、非常に高い安定性を示すという利点を有する。通常のエマルジョンは、粒径が約1μm〜100μmであり得る。通常のエマルジョンは、その調製がより簡単であり、必要とされるエネルギーがより少なく、−結果的に−費用効率がより高いという利点を有する。
【0031】
本発明の枠組みに、安定剤を使用することができる。こうした安定剤は、エマルジョンのための安定剤であり得る。これはまた、例えば、価値ある栄養油を安定化するための抗酸化剤であり得る。
【0032】
親油相は、少なくとも1つの脂質を含むことが好ましい。
【0033】
脂質は、本発明の目的では、モノ、ジ、トリグリセリド、及びリン脂質などの、脂肪酸及びその誘導体、並びにコレステロールなどの他の脂肪溶解性ステロール分子を含む。
【0034】
該調合物に脂質を直接的に加えることは、リパーゼが、調合物の摂取後に、界面活性剤と脂質に同時に直面し、その結果、界面活性剤の効果が、最も必要である時に最大になるという利点を有する。脂質は、好ましくは、栄養的に価値がある油又は油組成物であり得る。
【0035】
通常、油は、トリグリセリド、脂肪酸アミドなどの脂肪酸誘導体、及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0036】
調合物中に使用される脂質又は油は、植物性脂肪若しくは油又は動物脂肪若しくは油或いはそれらの混合物であり得る。植物性脂肪又は油は、ダイズ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、パームオレインからなる群から、単独で又は混合物で選択されることが好ましい。好ましい組成物では、ナタネ油は、キャノーラ油である。動物の油又は脂肪の場合、原料は、好ましくは乳脂肪又は獣脂である。調合物中に使用される脂質又は油はさらに、エステル基を含むワックス又は精油であり得る。
【0037】
本発明はまた、一般に、エステル化された化合物、特にエステル化された食品化合物の脂肪分解の調節に適用可能である。
【0038】
脂質又は油の原料は、長鎖トリグリセリド(LCT)及び中鎖トリグリセリド(MCT)を含むことができる。
【0039】
MCTは、C6〜C12の混合物であり得る。例えば、MCTは、C6:0(1〜2%)、C8:0(65〜75%)、C10:0(25〜30%)、及びC12:0(1〜2%)の混合物であり得る。ある実施形態では、MCTは、脂質又は油の原料の20%を構成し、LCTは、脂質又は油の原料の80%を構成する。
【0040】
MCTの使用は、消化を助ける。LCTが様々なリパーゼによって消化されるという点で、MCTの消化は、LCTよりも容易であり得る;LCTとは対照的に、MCTの消化には、膵リパーゼは必須ではない。その上、MCTの吸収は、LCTと比較して、より敏速である。LCTは、腸管粘膜細胞によるカイロミクロンへの組み込みを必要とする。同様に、MCTは、門脈循環を介して直接的に肝臓へ輸送されるのに対し、LCTは、最終的に肝臓内で終わる前に、リンパ管及び体循環を介して輸送される。LCTは、ミトコンドリアに入るためにカルニチンを必要とし、よりゆっくりと酸化される。MCTの原料は、分画ヤシ油を含み得る。
【0041】
LCTは、キャノーラ油、オリーブ油、及び高オレイン酸サフラワー油として提供されることが好ましい。とはいえ、例えば、ダイズ油、高オレイン酸ヒマワリ油、又はモノ不飽和脂肪酸(MUFA)が豊富な任意の油などの、他の油も使用することができる。これらの油は、リノール酸、すなわち必須脂肪酸を提供するだけでなく、n−3脂肪酸も提供する。リノレン酸、すなわち、これらの油によって供給される優勢なn−3脂肪酸は、抗炎症活性を有する他のn−3脂肪酸の前駆体として働くことができる。カロリーで少なくとも4%〜10%の必須脂肪酸が、本発明の組成物によって提供されることが好ましい。
【0042】
一実施形態では、n−6:n−3脂肪酸の比は、約4であることが好ましい。しかし、他の比も使用することができ、n−6:n−3の比は、好ましくは2〜10である。このより低い比は、免疫反応を向上させることができる。
【0043】
さらに、脂肪原料は、モノ不飽和脂肪酸(MUFA)として、総カロリーの約40%〜約70%を構成することができる。好ましい実施態様では、脂肪のMUFA含有量は、カロリー量で約58%である。高脂肪/中程度の炭水化物食の一部としての高レベルのMUFAは、有意な量のMUFAを含有しない、より低脂肪食よりも低い血清脂質を提供する。
【0044】
本発明の好ましい実施形態は、油−水界面に少なくとも部分的に位置する少なくとも1つの界面活性剤である。さらにより好ましいものは、少なくとも1つの界面活性剤が、主として油−水界面に位置するものである。さらにより好ましいものは、少なくとも1つの界面活性剤が、ほとんど独占的に、例えば>95%、油−水界面に位置するものである。
【0045】
界面活性剤はまた、親水相と親油相との間の界面に対して、少なくとも1つの脂質よりも高い親和性を有することができ、さらに、体内のリパーゼによって切断不可能であり得る。
【0046】
「切断不可能」は、本発明の目的では、化合物が、生理的条件で、1時間の反応時間内にリパーゼの作用によって10%未満しか加水分解されないことを意味する。
【0047】
「リパーゼ」は、例えば、生理的条件で、水不溶性及び両親媒性分子のアシル−エステル結合の加水分解を仲介することが可能な分子である。
【0048】
好ましくは、リパーゼは、消化管リパーゼ、特に舌リパーゼ、胃リパーゼ、及び膵リパーゼ、又はそれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0049】
一般に、親油相と親水相との間の界面へのリパーゼ基質の接近を制御するのに十分に高い界面圧力を有する、いずれの界面活性剤も、本発明の目的で適用可能である。該調合物は、摂取が意図されるので、界面活性剤は、食品グレード又は医薬品グレードの界面活性剤であることが好ましい。界面活性剤は、モノ又はジアシルグリセリドであり得、そのSn−2位置はアシル化され得る。界面活性剤の脂肪酸残基は、特に限定されない。しかし、例えば食品用途については、これは、8〜22個の炭素原子の鎖長を有することが好ましい。脂肪酸残基は、飽和及び多価不飽和脂肪酸残基からなる群から選択することができる。
【0050】
界面活性剤は、低分子量の界面活性剤又は高分子量の界面活性剤からなる群から選択することができる。低分子量の界面活性剤は、分子量が2000ダルトン未満であり得るのに対し、高分子界面活性剤は、分子量が2000ダルトン超であり得る。
【0051】
界面活性剤は、低分子量の界面活性剤、例えば、ミリスチン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸PEG 1−4、オレイン酸PEG 2−4、ジラウリン酸PEG−4、ジオレイン酸PEG−4、ジステアリン酸PEG−4、ジオレイン酸PEG−6、ジステアリン酸PEG−6、ジオレイン酸PEG−8、PEG−3−16ヒマシ油、PEG 5−10水添ヒマシ油、PEG 6−20トウモロコシ油、PEG 6−20アーモンド油、PEG−6オリーブ油、PEG−6ラッカセイ油、PEG−6パーム核油、PEG−6水添パーム核油、PEG−4カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、植物油及びソルビトールのモノ、ジ、トリ、テトラエステル、ジ、テトラステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、カプリル酸、又はカプリン酸ペンタエリスリチル、ジオレイン酸、ステアリン酸、又はイソステアリン酸ポリグリセリル−3、ペンタオレイン酸プリグリセリル4−10、オレイン酸、ステアリン酸、又はイソステアリン酸ポリグリセリル2−4、ペンタオレイン酸ポリグリセリル4−10、ジオレイン酸ポリグリセリル−3、ジオレイン酸ポリグリセリル−6、トリオレイン酸ポリグリセリル−10、ジステアリン酸ポリグリセリル−3、C6〜C20脂肪酸のプロピレングリコールモノ又はジエステル、C6〜C20脂肪酸のモノグリセリド、モノグリセリドの乳酸誘導体、ジグリセリドの乳酸誘導体、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、モノステアリン酸トリグリセロール、コレステロール、フィトステロール、PEG5−20ダイズステロール、テトラ、ヘキサステアリン酸PEG−6ソルビタン、テトラオレイン酸PEG−6ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノトリオレイン酸ソルビタン、モノ及びトリステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、PEG−2−5オレイルエーテル、POE 2−4ラウリルエーテル、PEG−2セチルエーテル、PEG−2ステアリルエーテル、ショ糖エステル、ジステアリン酸スクロース、ジパルミチン酸スクロース、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、ポロキサマー、リン脂質、リゾリン脂質、レシチン、セファリン、オートムギ脂質、糖脂質、及び植物由来の両親媒性脂質;又は高分子量の界面活性剤、例えば、植物若しくは動物起源のタンパク質、或いはそれらの混合物、からなる群から優先的に選択することができる。
【0052】
本発明の調合物中に使用される界面活性剤の量は、特に限定されない。いずれの有効量も使用することができる。しかし、界面活性剤は、調合物の0.1〜99重量%、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは10〜70重量%、さらにより好ましくは15〜60重量%、最も好ましくは20〜50重量%の量で存在することがより好ましい。
【0053】
本発明は、組成物の調製のための、上に述べた通りの調合物の使用を含む。本発明の使用は、医学的使用及び非医学的使用をさらに含む。したがって、組成物は、医薬組成物又は食品であり得る。
【0054】
組成物が食品である場合、これは、脂質含有製品であることが好ましい。特定の好ましい製品は、例えば、マヨネーズ、サラダドレッシング、牛乳ベースの製品、コーヒークリーマー、調理済みの食事、食品粉末、食品添加物などの食品である。特定の好ましい医薬品は、局所適用のためのクリーム、シャンプー、腸内用途のための送達システム、組成物であり得る。
【0055】
界面活性剤は、こうした組成物中に、組成物の0.1〜50重量%、好ましくは2〜45の重量%、より好ましくは4〜40重量%、さらに好ましくは8〜35重量%、最も好ましくは10〜30重量%の量で存在することができる。
【0056】
界面活性剤の界面圧力は、約5〜50mN/m、好ましくは30〜50mN/mであり得る。
【0057】
本発明の使用は、動物の体内、好ましくは哺乳類の体内、特に、ヒト又はペットの体内で実施することができる。この場合、本発明は、脂肪分解を調節するための組成物を調製するための、親油相と親水相との間の界面へのリパーゼ基質の接近を制御するのに十分に高い界面圧力を有する少なくとも1つの界面活性剤を含む調合物の使用に関する。
【0058】
本発明の調合物及び/又は組成物は、特に、胃、十二指腸、回腸、及び/又は空腸内の油−水界面からリパーゼ基質を排除するために使用することができる。
【0059】
したがって、本発明の主題は、脂質消化を低下させるために、脂肪消化を遅延させるために、摂取された食品からのエネルギー放出を低下させるために、満腹の感覚を延長するために、及び/又は飽食感を増進させるために使用することができる。
【0060】
その結果、本発明は、脂質消化を低下させるための、脂肪消化を遅延させるための、摂取された食品からのエネルギー放出を低下させるための、満腹の感覚を延長するための、及び/又は満腹を増進するための組成物を調製するための、親油相と親水相との間の界面へのリパーゼ基質の接近を制御するのに十分に高い界面圧力を有する少なくとも1つの界面活性剤を含む調合物の使用に関する。
【0061】
満腹感は、十分に食べたという感覚と定義される。
【0062】
飽食感は、空腹でないという状態と定義される。
【0063】
したがって、本発明の調合物は、肥満、糖尿病、高血圧、及び/又は心臓血管疾患などの代謝性障害を治療又は予防するために使用することができ、例えば、体重減少を促進すること、また体重管理をサポートすることによって、いくつかの国々、特に、十分に発展した国々における今日の人々の福祉に有意に貢献することができる。
【0064】
当業者は、本発明の使用に関する又は使用される調合物に関する上に述べた通りの本発明のすべての特徴が、別段の指示がない限り、本発明の組成物に、逆もまた同様に当てはまることを理解するであろう。同様に、組成物に関して言及されるすべての特徴は、調合物及びその使用に当てはまる。
【0065】
したがって、本発明は、親油相と親水相との間の界面からリパーゼ基質を少なくとも部分的に置換するのに十分に高い界面圧力を有する少なくとも1つの界面活性剤を含む組成物に関する。
【0066】
好ましい実施形態の枠組みでは、本発明は、少なくとも1つの油を含み、少なくとも1つの界面活性剤で富化された組成物に関する。ここでは、界面活性剤は、少なくとも1つのリパーゼによって切断不可能であり、親水相と親油相との間の界面に対して少なくとも1つの脂質よりも高い親和性を有し、少なくとも1つの脂質に対して約1:1000〜100:1の重量比で存在する。
【0067】
「富化された」は、本発明の目的では、天然に存在するよりも高い濃度の分子の組み込みを意味する。
【0068】
少なくとも1つの脂質よりも、親水相と親油相との間の「界面へのより高い親和性を有する」は、本発明の目的では、界面活性剤が、リパーゼ基質よりも、より両親媒性であることを意味する。
【0069】
本発明の組成物は、別段の指示がない限り、調合物及びその使用について上で述べたすべての特徴をさらに有することができる。
【0070】
当業者は、本明細書に記載される本発明のすべての特徴を、本明細書によって開示する通りのその範囲から逸脱することなく、自由に組み合わせることができることを理解するであろう。
【0071】
本発明のさらなる利点及び実施形態は、以下の図及び実施例から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】トリカプリリン(TC8)の加水分解に対する、表面活性のある分子の効果を分析するために採用された、TNOの消化管モデルの一例の実験装置を示す図である。
【図2】Sn−2モノパルミチン(Sn2−M16)を含む/含まない、トリカプリリンの回腸及び空腸における吸着の後に得られるカプリル酸(C8)プロファイルを示す図である。
【図3】Sn−2モノパルミチン(Sn2−M16)、βラクトグロブリン(BLG)、及びリゾホスフォチジルコリン(LysPC)を含む/含まない、トリカプリリンを用いる摂食TIMの後の、胃の内腔中で得られるカプリル酸(C8)プロファイルを示す図である。
【図4】Sn−2モノパルミチン(Sn2−M16)を含む/含まない、トリカプリリンを用いる摂食TIMの後の、十二指腸の内腔、空腸、及び排出中で得られるカプリル酸(C8)プロファイルを示す図である。
【図5】2時間の消化の後、回腸において分析される2つのTIMサンプルのカプリル酸プロファイルを比較した、GC−FIDから得られるクロマトグラムを示す図である。サンプルa)消化中のsn−2モノパルミチンの存在;サンプルb)対照−sn−2モノパルミチンを加えない。
【図6】パルミチン酸p−ニトロフェニルの脂肪加水分解に対する、異なるモノグリセリド(1,3E−3M)の効果を示す図である。
【図7】トリカプリリンの脂肪加水分解に対する、異なるモノグリセリド(1,3E−3M)の効果を示す図である。
【図8】ペンダントドロップ法の例を示す図である。デカン−緩衝液溶液における界面張力は、滴定された(添加された)Sn−2モノアラキジン(非加水分解性界面活性剤)の関数として表される。
【図9】緩衝液/デカン界面上の、カプリル酸(C8)、モノカプリリン(MC8)、及びジカプリリン(DC8)の界面張力特性の比較を示す図である。
【図10】切断可能な界面活性剤(Sn1/3モノラウリン)又は非加水分解性界面活性剤(Sn2モノラウリン)の存在下での、パルミチン酸p−ニトロフェニルの脂肪分解を示す図である。
【実施例】
【0073】
実施例1は、摂食システムにおける、表面活性のある分子の存在下でのトリグリセリド油の脂肪分解性分解の低下を示す。
【0074】
2.0g Sn2−モノパルミチン(切断不可能な界面活性剤)を含有する8mlトリカプリリン(Tricaprylin)を、ウルトラタラックス(Ultra Turrax)を2分間、その後、超音波処理を10分間使用して、200mlリン酸緩衝液(pH5.5)及び20mg/mlのデンプン(乳化剤)と混合した。基準のエマルジョン系は、同じ量のトリカプリリン及びデンプンを含有するが、Sn2−モノパルミチンは含有しない。TNOによって提供される消化管モデルシステムを使用して、2サンプルのモデル消化運転を実施した。生理的条件(例えば、温度、酵素タイプ及び負荷、胆汁酸塩濃度、pH)は、TIMプログラミングシステムを介してあらかじめ定義されていた。トリカプリリンの加水分解を行い、続いて、異なる消化管区画を通過した後のカプリル酸放出をモニタリングした。図1は、TNOの、使用されるTIM装置、並びに胃、十二指腸、空腸及び回腸に相当する異なる区画を示す。100μlの反応混合物を取り出し、900μlクロロホルムを100μlクロリドリック酸1Mと共に加えることによって、異なる区画を通過した後の、産生された脂肪酸の抽出を実施した。サンプルをボルテックスにかけ、5000rpmで10分間遠心分離した。500μlの上清を取り出し、GC−FIDに直接的に注入した。各消化管区画での各反応時間について、3つのサンプルを分析した。図2は、界面活性剤Sn−2モノパルミチン(Sn2−M16)の存在及び非存在下での、回腸及び空腸を通過した後の、カプリル酸(C8)プロファイルの様相を示す。Sn2−M16の非存在下では、有意な量のカプリル酸(トリカプリリンの脂肪分解性分解の結果である)が検出され得るのに対して、Sn−2−M16(非加水分解性界面活性剤)の存在下では、カプリル酸はほとんど検出されない。胃、十二指腸、空腸の内腔において、また、消化経路の最後の排出においてカプリル酸含有量を測定する場合にも、同様の結果が得られる(図3、4、及び5を参照のこと)。これは、トリグリセリド油への切断不可能な界面活性剤(Sn2−M16)の添加が、脂肪分解性の脂肪の加水分解及び吸収を低下させることを示す。
【0075】
sn−2モノパルミチンを、リゾホスフォチディルコリン(LysoPC)と置き換えて、さらなる実験を実施した。脂肪の胃内消化に対するLysoPCの効果を研究した。図3上でわかる通り、LysoPCも、トリグリセリドの胃による脂肪分解を低下させるのにかなりの効果を有した。
【0076】
実施例2は、異なる鎖長を有する非加水分解性及び加水分解性界面活性剤の添加の関数としての、パルミチン酸p−ニトロフェニ又はトリカプリリンの脂肪加水分解の制御を示す。
【0077】
以下の組成物を用いて、ガラス試験管中に二相系を調製した:
・ 上部の油相は、(1,3E−3M)モノグリセリド及び20μlトリカプリリン又はパルミチン酸p−ニトロフェニ(2E−4M)の非存在下(対照)又は存在下の、7mlのデカンからなる。
・ 水相は、3,3E−6Mリゾムコールミエヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼを含有する、2mlのリン酸緩衝液(pH5.5)からなる。カプリル酸産生を、モノグリセリド(界面活性剤)の存在下及び非存在下で、GC−FIDによってモニタリングする。上部の油相の100μlを取り出し、900μlクロロホルムに加え、その後、GCに直接注入する。ニトロフェノール産生の後、水相の410nmでの分光分析を行う。図7及び8は、Sn1(加水分解性界面活性剤)又はSn2(非加水分解性)モノグリセリドの存在下で、パルミチン酸p−ニトロフェイル及びトリカプリリンの脂肪加水分解の後に形成されるカプリル酸の量を示す。加水分解性界面活性剤Sn1 M8又はSn1 M12の存在下での脂肪分解性カプリル酸形成の動態は、界面活性剤の非存在下での動態と同様であるが、非加水分解性界面活性剤Sn2−M8、Sn2−M12、又はSn2−M16が存在する場合には、カプリル酸形成の動態は低下する。図5は、リパーゼのための別の油基質を使用する同様の効果を示す。ここでも、加水分解性界面活性剤Sn1−M8、Sn1−M12、又はSn1−M16の存在下では、ニトロフェノール形成の動態は、基準系(界面活性剤を加えない)での観察結果とかなり類似している。しかし、非加水分解性界面活性剤Sn2−M8、Sn2−M12、又はSn2−M16の存在下では、ニトロフェノール形成動態の有意な低下が観察される。なお、非加水分解性界面活性剤Sn2M20:4を使用する場合、ニトロフェノール形成の観察される動態は、モノグリセリドを加えない系において観察される動態とやはり同様であることに注意されたい。これは、使用されるモノグリセリド濃度(使用されるモノグリセリドの濃度は、1.3E−3Mで一定であった)では、Sn2M20:4が過度に親油性であり、界面に対してよりもバルク油中に多く分配されるので、十分な界面活性剤が、水−油界面に吸着されないことを示すものである。
【0078】
実施例3は、添加された非加水分解性界面活性剤の界面活性を定義するために、ペンダントドロップ法がどのように使用されるのかということを実証するための、界面張力測定の使用を示す。
【0079】
Sn−2モノグリセリドモノアラキジン、すなわち非加水分解性界面活性剤の添加の効果を、図8に示す。これは、緩衝液とデカン溶液との間に測定される界面張力の減少を誘発し、このことは、界面活性剤が、水−デカン界面に吸着されることを示す。
【0080】
図9は、異なる界面活性剤の界面張力特性を示す。観察できる通り、モノカプリリンは、対応する遊離脂肪酸及びジグリセリドよりもかなり界面活性が高い。純粋なトリカプリリン(極性脂質のいずれの残基も含まない)の界面張力は、30mN/m超のままであるはずである。したがって、より界面活性の高い分子(モノカプリリンのような)は、界面からトリグリセリドを排除する能力を有する。
【0081】
実施例4は、非加水分解性及び加水分解性モノグリセリドの存在下での、2相系におけるリパーゼ反応を示す。光学的に観察できる通り、切断不可能な界面活性剤の存在は、切断可能な界面活性剤よりも、パルミチン酸p−ニトロフェニルの加水分解を低下させる(パルミチン酸p−ニトロフェニルの加水分解は、色素性分子であるニトロフェノールを産生する)(図10)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪分解を調節するための組成物を調製するための、親油相と親水相との間の界面へのリパーゼ基質の接近を制御するのに十分に高い界面圧力を有する少なくとも1つの界面活性剤を含む調合物の使用。
【請求項2】
前記少なくとも1つの界面活性剤が、親油相と親水相との間の界面から、リパーゼ基質を少なくとも部分的に置換するのに十分に高い界面圧力を有する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
脂肪分解が、舌、膵、及び胃リパーゼ、又はそれらの組合せからなる群から選択されるリパーゼによって仲介され、前記リパーゼが、消化管リパーゼ、特に舌リパーゼ、胃リパーゼ、及び膵リパーゼ、又はそれらの混合物からなる群から選択することができる、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記調合物が、親油相及び親水相をさらに含み、前記調合物が、好ましくはエマルジョンの形で存在し、前記エマルジョンが、好ましくは5nm〜100μmの平均粒径を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記親油相が、少なくとも1つの脂質を含み、前記脂質が、好ましくは栄養的に価値がある油であり、トリグリセリド、脂肪酸誘導体(脂肪酸アミドなど)、及びそれらの混合物からなる群から選択することができる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記少なくとも1つの界面活性剤が、油−水界面に少なくとも部分的に位置する、及び/又は、前記親水相と前記親油相との間の前記界面に対して前記少なくとも1つの脂質よりも高い親和性を有する、及び/又は、体内のリパーゼによって切断不可能である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記界面活性剤が、食品又は医薬品グレードの界面活性剤である、及び/又は
前記界面活性剤が、Sn−2位置がアシル化されたモノ又はジアシルグリセリドである、及び/又は
前記界面活性剤の脂肪酸残基が、8〜22個の炭素原子の鎖長を有する、及び/又は
前記脂肪酸残基が、飽和及び多価不飽和脂肪酸残基からなる群から選択される、及び/又は
前記界面活性剤が、低分子量の界面活性剤、例えば、ミリスチン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸PEG 1−4、オレイン酸PEG 2−4、ジラウリン酸PEG−4、ジオレイン酸PEG−4、ジステアリン酸PEG−4、ジオレイン酸PEG−6、ジステアリン酸PEG−6、ジオレイン酸PEG−8、PEG−3−16ヒマシ油、PEG 5−10水添ヒマシ油、PEG 6−20トウモロコシ油、PEG 6−20アーモンド油、PEG−6オリーブ油、PEG−6ラッカセイ油、PEG−6パーム核油、PEG−6水添パーム核油、PEG−4カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、植物油及びソルビトールのモノ、ジ、トリ、テトラエステル、ジ、テトラステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、カプリル酸、又はカプリン酸ペンタエリスリチル、ジオレイン酸、ステアリン酸、又はイソステアリン酸ポリグリセリル−3、ペンタオレイン酸プリグリセリル4−10、オレイン酸、ステアリン酸、又はイソステアリン酸ポリグリセリル2−4、ペンタオレイン酸ポリグリセリル4−10、ジオレイン酸ポリグリセリル−3、ジオレイン酸ポリグリセリル−6、トリオレイン酸ポリグリセリル−10、ジステアリン酸ポリグリセリル−3、C〜C20脂肪酸のプロピレングリコールモノ又はジエステル、C〜C20脂肪酸のモノグリセリド、モノグリセリドの乳酸誘導体、ジグリセリドの乳酸誘導体、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、モノステアリン酸トリグリセロール、コレステロール、フィトステロール、PEG5−20ダイズステロール、テトラ、ヘキサステアリン酸PEG−6ソルビタン、テトラオレイン酸PEG−6ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノトリオレイン酸ソルビタン、モノ及びトリステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、PEG−2−5オレイルエーテル、POE 2−4ラウリルエーテル、PEG−2セチルエーテル、PEG−2ステアリルエーテル、ショ糖エステル、ジステアリン酸スクロース、ジパルミチン酸スクロース、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、ポロキサマー、リン脂質、リゾリン脂質、レシチン、セファリン、オートムギ脂質、糖脂質、及び植物由来の両親媒性脂質、又は高分子量の界面活性剤、例えば、植物若しくは動物起源のタンパク質、及びそれらの混合物からなる群から選択される、及び/又は
前記界面活性剤が、調合物の0.1〜99重量%の量で存在する、
前記界面活性剤が、組成物の0.1〜50重量%の量で存在する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記組成物が、哺乳類のために、特にヒト又はペットのために意図される、医薬組成物、機能性食品、食品添加物、飲料、又は食品である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記調合物が、約5〜50mN/mの界面圧力を示す、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
胃、十二指腸、回腸、及び/又は空腸内の油−水界面からリパーゼ基質を排除するための、脂質消化を低下させるための、脂肪消化を遅延させるための、摂取された食品からのエネルギー放出を低下させるための、満腹の感覚を延長させるための、及び/又は飽食感を増進するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
少なくとも1つの油を含み、少なくとも1つの界面活性剤で富化される組成物であって、前記界面活性剤が、少なくとも1つのリパーゼによって切断不可能であり、且つ親水相と親油相との間の界面に対して前記少なくとも1つの脂質よりも高い親和性を有し、且つ前記少なくとも1つの脂質に対して約1:1000〜100:1の重量比で存在する、組成物。
【請求項12】
前記組成物が親水相をさらに含む、及び/又は前記組成物がエマルジョンの形で存在し、前記エマルジョンが、好ましくは、5nm〜100μmの平均粒径を有する、及び/又は前記組成物が、約5〜50mN/mの界面圧力を示す、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記油が、栄養的に価値がある油である、好ましくは、トリグリセリド、脂肪酸誘導体(脂肪酸アミドなど)、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項30〜33のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1つの界面活性剤が、油−水界面に少なくとも部分的に位置する、及び/又は
前記界面活性剤が、食品グレードの界面活性剤である、及び/又は
前記界面活性剤が、Sn−2位置がアシル化された、モノ又はジアシルグリセリドである、及び/又は
前記界面活性剤の脂肪酸残基が、8〜22個の炭素原子の鎖長を有する、及び/又は
前記界面活性剤が、低分子量の界面活性剤、例えば、ミリスチン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸PEG 1−4、オレイン酸PEG 2−4、ジラウリン酸PEG−4、ジオレイン酸PEG−4、ジステアリン酸PEG−4、ジオレイン酸PEG−6、ジステアリン酸PEG−6、ジオレイン酸PEG−8、PEG−3−16ヒマシ油、PEG 5−10水添ヒマシ油、PEG 6−20トウモロコシ油、PEG 6−20アーモンド油、PEG−6オリーブ油、PEG−6ラッカセイ油、PEG−6パーム核油、PEG−6水添パーム核油、PEG−4カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、植物油及びソルビトールのモノ、ジ、トリ、テトラエステル、ジ、テトラステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、カプリル酸、又はカプリン酸ペンタエリスリチル、ジオレイン酸、ステアリン酸、又はイソステアリン酸ポリグリセリル−3、ペンタオレイン酸プリグリセリル4−10、オレイン酸、ステアリン酸、又はイソステアリン酸ポリグリセリル2−4、ペンタオレイン酸ポリグリセリル4−10、ジオレイン酸ポリグリセリル−3、ジオレイン酸ポリグリセリル−6、トリオレイン酸ポリグリセリル−10、ジステアリン酸ポリグリセリル−3、C〜C20脂肪酸のプロピレングリコールモノ又はジエステル、C〜C20脂肪酸のモノグリセリド、モノグリセリドの乳酸誘導体、ジグリセリドの乳酸誘導体、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、モノステアリン酸トリグリセロール、コレステロール、フィトステロール、PEG5−20ダイズステロール、テトラ、ヘキサステアリン酸PEG−6ソルビタン、テトラオレイン酸PEG−6ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノトリオレイン酸ソルビタン、モノ及びトリステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、PEG−2−5オレイルエーテル、POE 2−4ラウリルエーテル、PEG−2セチルエーテル、PEG−2ステアリルエーテル、ショ糖エステル、ジステアリン酸スクロース、ジパルミチン酸スクロース、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、ポロキサマー、リン脂質、リゾリン脂質、レシチン、セファリン、オートムギ脂質、糖脂質、及び植物由来の両親媒性脂質、又は高分子量の界面活性剤、例えば、植物若しくは動物起源のタンパク質;及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項30〜34のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記リパーゼが、消化管リパーゼ、特に、舌リパーゼ、胃リパーゼ、及び膵リパーゼ、又はそれらの混合物からなる群から選択される、請求項11〜14のいずれか一項に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−540502(P2010−540502A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526327(P2010−526327)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【国際出願番号】PCT/EP2008/063161
【国際公開番号】WO2009/043879
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】