説明

リモート制御による医療装置

患者(618)に医療処置を配信する医療処置管理システム(610)である。システム(610)は、第1の位置に配置される医療デバイス(612)と、医療デバイス(612)に接続される電子機器プロセッサ(628)と、プロセッサ(628)に接続されるセンサ(616)と、第1の位置から離れた第2の位置に配置されるリモートコントローラ(646)とを備える。リモートコントローラ(646)は、電子機器プロセッサ(628)の動作を制御する入力デバイスを有する。センサ(616)は、プロセッサ(628)に送信する1つ以上の信号を受信する。信号は、患者の生理学的条件および/または患者の環境から導出され得る。プロセッサ(628)は、信号を受信して、信号の計算(630」)を実行する。計算の結果に基づいて、プロセッサ(628)は、所定の期間に患者(618)への医療処置の配当を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連参照)
本願は、1999年3月19日に出願された米国特許第09/272,502号の一部継続出願であり、米国特許第09/272,502号は、米国特許第5,885,245号の継続出願であり、米国特許第5,885,245号は、(現在破棄された)1996年8月2日に出願された米国特許第08/691,687号の一部継続出願であり、これらの出願は、本明細書中で参照として援用され、本明細書の一部をなす。
【0002】
(技術分野)
本発明は、リモート位置から輸液ポンプ等の医療デバイスをモニタおよび/または制御する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
輸液ポンプは、患者に液体薬を自動的に管理するために利用される。液体薬は、薬のソースから供給され、カテーテルまたは他の注入デバイスを介して患者にポンピングされる。液体が注入される方法は、輸液ポンプによって制御される。輸液ポンプは、液体薬が連続的に一定の速度で注入される連続モード、または、注入速度が徐々に増加し、一定になり、その後徐々に減少する傾斜(ramp)モードのような、様々な輸液のモードを有し得る。
【0004】
通常、輸液ポンプのモニタは、輸液ポンプに組み込まれた視覚表示手段をよく見ることによって行われ、輸液ポンプの制御は、キーパッドのような輸液ポンプと統合された入力デバイスを起動することによって行われる。結果的に、輸液ポンプのモニタおよび/または制御は、輸液ポンプが配置されている同じ位置で行われる。
【0005】
さらに、多くのタイプの医療処置では、処置の影響および最終的な有用性は、治療に対する患者の耐容性および感受性に依存する。このような測定は、正確かつ効果的に患者を治療する際に、医者を支援する。しかしながら、現在のところ、特定の被験者の実際の計測または被験者の環境ではなく客観的な計測に基づいて、多くの医療処置が患者に提供されている。
【0006】
例えば、多くの薬物療法の典型的な医療処置パラメータは、一般的な24時間周期のシステムに基づいて提供される。24時間周期のシステムの下では、植物および動物の典型的な生理学的機能は、およそ24時間間隔で再発することが、医療産業界では知られている。人間の場合、身体の時計は、視交差上核(SCN)に配置され、別個の細胞群は、視床下部内に検出される。SCNは、人間の身体の24時間周期のリズムを制御または調整する。通常、人間の24時間周期のリズムは、松果体によるメラトニン分泌を介して、眼を通る光と暗闇との交代によってキャリブレーションされる。
【0007】
さらに、通常の人間の組織の細胞の代謝および増殖は、同様のリズムを表し、これにより、振幅ならびにピークおよびトラフの時間が予測可能となる。このようなリズムは、薬理学的特性、耐容性、および最終的な有用性に影響する。例えば、24時間周期のリズムは、癌治療における、耐容性および抗腫瘍性の効能を含む、抗癌性医薬品の利用および効果に影響する。したがって、時間薬理学の処置(intervention)では、抗癌剤薬物は、特に化学療法とともに、標準的な24時間周期のリズムにしたがって配信される。例えば、Floxuridine配信は、通常4回に分けて服用され、各服用量は、一日の時間に依存する。
【0008】
午前9時〜午後3時の間に服用量の14%
午後3時〜午後9時の間に服用量の68%
午後9時〜午前3時の間に服用量の14%
午前3時〜午前9時の間に服用量の4%
通常、薬剤が配信される時間は、医者によって選択され、患者の代謝の変化と客観的に一致する。しかし、24時間周期のリズムは、単に、患者の代謝の変化の推定値であり、実際の患者の代謝には基づいていない。したがって、薬剤配信が実際に患者の実際の代謝と一致するかどうかは、評価も判定もされない。
【0009】
さらに、異なる医療処置は、異なる最適服用時間プロファイルを有する。例えば、異なる抗腫瘍性の薬物は、通常、異なる時間に服用される。EpirubicinおよびDaunorubicinは、通常、ライトオンセットの後の2時間で服用される。Cycophasphamideは、通常、ライトオンセットの後の12時間で服用される。Cisplatinは、通常、ライトオンセットの後の15時間で服用される。Vinblastineは、通常、ライトオンセットの後の18時間で服用される。理解され得るように、異なる薬物は、異なる作用のメカニズムを有する。
【0010】
しかし、他のファクタがまた、適切な医療処置に影響を与える。例えば、通常の組織の最小の感受性は、薬物の代謝(例えば、グルタチオン)に影響を与える酵素レベルに関連すると考えられる。これらの可変量の全体のドライバは、患者の休息活動周期であると考えられる。この効果のために、研究室のラット研究が、12時間の光および12時間の暗闇のサイクルの支配下にある動物により導かれるべきであることが知られている。
【0011】
それにもかかわらず、異なる患者は(癌治療については、および異なる腫瘍でさえ)、全く同一の24時間周期ではないことが知られている。したがって、24時間周期の治療の間で最適化するべき少なくとも2つの局面が存在する。(1)腫瘍(単数または複数)のピーク感受性、(2)通常の組織の最小の感受性である。
【0012】
標準的な時間薬理学の処置は、時間および服用を制御することによって、薬物耐容性の24時間周期のリズムの利点を利用する。したがって、このことは、毒性の効果を低減し、患者の生活の質を改良することができる。さらに、化学療法の薬物を含む多くの薬物では、少なくとも毒性の24時間周期の時間でより大きい最大耐用性を示した服用を管理することによって、生存の改良が導かれ得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上述のように、標準的な24時間周期のシステムに従う医療処置を提供することには、多くの欠点が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のある局面によると、医療装置は、患者への医療処置を管理するプログラム可能医療デバイスであって、第1の位置に配置される、プログラム可能医療デバイスと、プログラム可能医療デバイスを制御するリモートコントローラであって、プログラム可能医療デバイスが配置される第1の位置から離れた第2の位置に配置される、リモートコントローラとを有する。プログラム可能医療デバイスは、患者への医療処置を管理する手段と、該管理手段を制御する制御コマンドをユーザが入力することを可能にする入力デバイスとを備える。リモートコントローラは、ディスプレイデバイスと、該プログラム医療デバイスの入力デバイスに実質的に対応する仮想入力デバイスの可視表示を生成するディスプレイデバイスに動作可能なように接続される手段と、第2の位置にいるユーザが可視入力デバイスを起動して、ユーザが第2の位置からプログラム可能医療デバイスの動作を制御することを可能にする手段とを備える。
【0015】
入力デバイスは、例えば、キーパッドであってもよく、仮想入力デバイスは、キーパッドと実質的に同じ構成を有する複数のキーの視覚表示であってもよい。
【0016】
プログラム可能医療デバイスは、患者への液体薬を管理する輸液ポンプであってもよく、これは、患者に接続されることに適合する液体注入デバイスと、液体注入デバイスに接続されるコンジットと、液体注入デバイスによりコンジットを介して患者に液体薬をポンピングするポンピングメカニズムとを備える。
【0017】
本発明の別の局面によると、医療処置デバイスは、制御アルゴリズムおよびセンシングデバイスを利用して、薬剤の供給および患者に薬剤を配信する手段を有する。制御アルゴリズムは、医療デバイスに接続される。センシングデバイスは、制御アルゴリズムに接続され、センシングデバイスは、制御アルゴリズムに信号を送信する。制御アルゴリズムは、センシングデバイスから取り出される信号を処理し、薬剤が医療処置デバイスから患者へ配信されるべきかどうかを判定するために、信号の処理の結果に基づいてフィードバック制御を展開する。フィードバック制御は、医療処置デバイスに提供されて、患者への医療処置あの配信を制御する。デバイスのリモートコントローラは、第1の位置から離れた第2の位置に配置される。リモートコントローラは、制御アルゴリズムの動作を制御する入力デバイスを有する。
【0018】
本発明のさらに別の実施形態によると、本発明の医療配信システムは、プログラム可能医療デバイスと、ローカルコントローラと、リモートコントローラとを備える。プログラム可能医療デバイスは、患者への医療処置を管理する第1の位置に配置され、プログラム可能医療デバイスは、患者への医療処置を管理する手段を有する。さらに、プログラム可能医療デバイスは、プログラム可能医療デバイスの制御コマンドを入力する第1の入力デバイスを有する。ローカルコントローラは、プログラム可能医療デバイスに動作可能に接続される。ローカルコントローラは、第1の位置に配置され、ローカルコントローラの制御コマンドを入力する第2の入力デバイスを有する。さらに、ローカルコントローラは、患者からの信号を受信するように、患者に動作可能に接続され、ローカルコントローラは、プログラム可能医療デバイスの動作を操作する。リモートコントローラは、プログラム可能医療デバイスが配置される第1の位置から離れた第2の位置に配置され、第2の位置のユーザがローカルコントローラを制御することを可能にする手段を有する。
【0019】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、好ましい実施形態の詳細な説明から当業者に理解可能であり、好ましい実施形態は、簡単な説明が以下に示される図面を参照して説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
図1は、患者への医療処置を管理する装置10の1つの実施形態を示す。図1を参照すると、装置10は、輸液ポンプ12の形式のプログラム可能医療処置手段を含み、輸液ポンプ12は、16で概略的に示される液体コンジットを介して、カテーテル14の形式の液体薬注入デバイスに接続される。
【0021】
装置10は、輸液ポンプ12が配置される部屋の位置から離れた部屋の位置に配置されるリモートモニタ/コントローラ20を備える。リモートモニタ/コントローラ20は、ポンプ12が配置される同じ建物の異なる部屋に配置されてもよいし、あるいは、ポンプ12が配置される建物と異なる建物に配置されてもよい。リモートモニタ/コントローラ20は、データリンク24を介して従来の音声/データモデム22に接続され、さらに、モデム22は、音声リンク28を介して電話26に接続される。輸液ポンプ12は、データリンク32を介して従来の音声/データモデム30に接続され、モデム30は、音声リンク36を介して電話34に接続される。2つのモデム22、30は、例えば電話線となり得る、通信リンク38を介して、双方向音声およびデータ通信に相互接続される。
【0022】
図2は、図1に概略的に示されるリモートモニタ/コントローラ20の電子機器のブロック図である。図2を参照すると、リモートモニタ/コントローラ20は、マイクロプロセッサ(MP)60、リードオンリーメモリ(ROM)62、ランダムアクセスメモリ(RAM)64、および入力/出力(I/O)回路66を備え、これらの全てが、アドレス/データバス68によって相互接続される。マイクロプロセッサ60は、データバイトを送信する送信バッファ(XMIT)70、および、データバイトを受信する受信バッファ(REC)72を有する。リモートモニタ/コントローラ20データリンク76を介してI/O回路66に接続されるキーボード74、ライン80を介してI/O回路66に接続されるCRT等のディスプレイデバイス78、および、ライン84を介してI/O回路66に接続される電子マウス82等の入力デバイスを有する。リモートモニタ/コントローラ20はまた、ハードディスクドライブまたはフロッピー(登録商標)ディスクドライブ等の1つ以上のディスクドライブを備え得る。
【0023】
図3は、図1に概略的に示される輸液ポンプ12の1つの実施形態の前面図である。図3を参照すると、ポンプ12は、ユーザがデータおよびコマンドを入力し得るキーパッド90の形式の入力デバイス、ならびに、ユーザにテキストメッセージを表示するディスプレイ92を有する。
【0024】
輸液ポンプ12の電子機器のブロック図が、図4に示される。図4を参照すると、ポンプ12は、コントローラ100、組み込みI/Oインターフェース102aを有する電気的にプログラム可能リードオンリーメモリ(EPROM)102、不揮発性RAM104、リアルタイムクロック106、ならびにディスプレイ92を備え、これら全てが、通信バス108によって相互接続される。ディスプレイ92は、バックライト11を備え、このバックライトは、コントローラ100およびバックライト110を相互接続するライン112で発生したイネーブル信号によって選択的に起動される。RAM104およびリアルタイムクロック106の両方が、バッテリー114に接続される。このバッテリー114は、システム電力が欠乏しているときのみに、RAM104およびリアルタイムクロック106に電力を供給する。コントローラ100は、通信バス108に接続される送信バッファ116および受信バッファ118を有する。
【0025】
コントローラ100は、ライン122を介して制御信号を増幅回路120に周期的に送信することによって薬輸液速度を制御して、液体コンジット16(図1)の一部分と接触するように適合されるロータリポンプホイール(図示されない)のような、ポンピングメカニズム126を駆動するポンプモニタ124を駆動する。
【0026】
コントローラ100は、シャフトエンコーダ(SE)センサ130からの周期的入力を受信し、このセンサ130は、モータ124のシャフトに配置される。SEセンサ130は、2つの信号出力をコントローラ100に提供する二相モーションセンシングエンコーダであり得る。モータ124の回転スピードおよびその回転の方向は、2つの信号出力の間の速度および位相の関係に基づいて、コントローラ10によって決定される。
【0027】
SEエンコーダ130は、周期的に信号をコントローラ100へライン132を介して送信する。信号が送信されるたびに、インタラプトが発生し、コントローラ100は、モーションシャフトの実際の位置とその所望の位置とを比較し、パルス幅の変調された信号等の新しい制御信号を増幅器120にライン122を介して送信して、モータ124の実際のスピードが、所望の薬輸液速度に必要となるモータスピードに対応することを保証する。SEセンサ130によって生じるインタラプトは、最高の優先度を割り当てられることにより、そのインタラプトは、直ちにコントローラ100によって他のアクションが取られる前に応答を受ける。
【0028】
ポンプ12は、本明細書中に記載されない他の多くの他の特徴を有し、これらは、以下の特許出願に記載される。それぞれの出願は、本明細書中で参照として援用される。「Infusion Pump Having Power Saving Modes」と称する1995年3月6日に出願された米国特許第08/399,184号、「Infusion Pump With Selective Backlight」と称する1995年3月6日に出願された米国特許第08/398,9777号、「Infusion Pump Having With Different Operating Modes」と称する1995年3月6日に出願された米国特許第08/398,980号、「Infusion Pump Having With Dual−Latching Mechanism」と称する1995年3月6日に出願された米国特許第08/399,183号、「Infusion Pump With Historical Data Recording」と称する1995年3月6日に出願された米国特許第08/398,887号である。
【0029】
輸液ポンプ12の動作は、EPROM104に格納されるコンピュータプログラムによって制御され、コントローラ100によって実行される。動作全体のフローチャート200は、図5に示される。図5を参照すると、ポンプ12がオンにされると、ステップ202において、ポンプが開始され、ポンプ動作のテストが実行される。ポンプ12は、輸液の間一時的にオフにされてもよく、この場合、以下に示されるように、ポンプ12は、オンに戻された場合に輸液を継続し得る。ステップ204において、ポンプによって注入される液体の容積がいくらか残っているか、輸液のためのさらなる時間がいくらか残っている場合(ポンプが輸液の間に一時的にオフにされる場合)、プログラムは分岐してステップ206に進み、ステップ206では、ユーザは、ディスプレイ92に表示されるメッセージを介して、以前の輸液が再開されるべきかどうかを尋ねられる。ユーザが(キーパッド90を介して)「はい」と答える場合、プログラムは分岐して、「ready−to−run(実行準備完了)」ステップ210に進む。前回の輸液が再開されない場合、プログラムは分岐して、ステップ212に進む。
【0030】
輸液ポンプ12は、ロックアウトモードを有する。ロックアウトモードでは、ユーザは、注入される容積または輸液の速度等の、輸液パラメータをプログラムすることを妨げられ得る。例えば、ポンプ12は、注入される特定のフロープロファイル、フロー速度、および容積を有する輸液を配信するように、医療助手によってプログラムされ得る。その輸液をプログラミングした後、医療助手は、ポンプをロックアウトモードにし得る。ロックアウトモードでは、患者は、輸液パラメータのいかなる変更をも防がれる。ステップ212では、ポンプ12が既にロックアウトモードに置かれていた場合、プログラムは分岐して、直接「ready−to−run」ステップ210へ進み、全てのプログラムステップを迂回する。
【0031】
ステップ212では、ポンプがロックアウトモードにない場合、プログラムは分岐して、ステップ214に進む。ステップ214では、プログラムは、ユーザに、ディスプレイ92を介して、続く輸液の間に患者がポンプをプログラムすることが許可されるべきであるかどうかを入力するように促す。ポンプがプログラム可能でない場合、プログラムは分岐して、ステップ216に進む。ステップ216では、ロックアウトシーケンスは、どの輸液モードがロックアウトされるべきであるかを入力することをユーザに要求することによって、実行される。ポンプが患者によってプログラム可能である場合、プログラムは、ステップ216を迂回する。
【0032】
輸液ポンプ12は、5つの輸液の基本モードを有する。1)ポンプが単一の速度で単一の容積を配信する連続モード、2)閾値の速度まで徐々に増加し、閾値速度で一定にとどまり、その後徐々に減少する速度で、ポンプが液体を配信する、自動傾斜モード、3)3時間おきに1つの液体容積等、比較的長い期間の間隔があけられた別個の液体容積をポンプが配信する、断続モード、4)ポンプが、25の異なる期間のそれぞれの間に固有の輸液速度を配信するようにプログラム可能である、カスタムモード、5)ポンプが、患者の周期的な要求に応答して、鎮痛のボーラスを周期的に注入する、痛みが制御された鎮痛(PCA)モードである。
【0033】
ステップ218では、ポンプ12は、ユーザにプロンプト「継続するか?」をディスプレイ92に生成する。ユーザがポンプを連続モードで利用することを望む場合、ユーザは、キーパッド90を介して「はい」と答え、プログラムは分岐して、ステップ220に進む。ステップ220では、所望の輸液速度、注入される容積等の多くの輸液パラメータを入力することによって、連続モードがユーザによってプログラムされる。ステップ218では、ユーザが連続モードを利用したくない場合、ユーザは「いいえ」と答え、プログラムは分岐してステップ222に進む。ステップ222〜236は、5つの可能な輸液モードのうちのどれが選択されるかに依存して、ユーザが異なる輸液パラメータに対して促されることを除き、ステップ218および220と概ね同じである。
【0034】
ステップ220、224、228、232、または236のうちの1つが完了した後、プログラムは分岐して「ready−to−run」ステップ210に進む。ユーザが「Run(実行)」キーを押すと、ポンプ12は、実行モード260を入力し、ステップ218、222、226、230、234のいずれかで選択された輸液モードならびにステップ220、224、228、232、236のいずれかで入力された輸液パラメータに応じて、患者に液体薬を注入する。ポンプ12は、「ホールド」キーが押されるまで実行モード260を続ける。警告条件の発生時に、ステップ264にて、警告が報告される。ステップ262において、ホールドキーが押されると、ステップ266にて、輸液が停止し、ポンプ12は、ステップ268にて実行キーが押されるのを待つか、ステップ270にてオン/オフスイッチがオフにされるのを待つ。
【0035】
上述の動作をまとめると、ポンプがロックアウトモードで利用される場合、医療助手は、ポンプをオンにし、所望の輸液モードをステップ220、224、228、232、236のいずれかでプログラムし、その後、ポンプをオフにする。プログラムされた輸液パラメータは、メモリ104に保持される。医療助手は、ポンプをオンに戻し、ステップ214にて「プログラム可能?」プロンプトに応じて「いいえ」キーを押し、ステップ216にてロックアウト情報を入力し、その後、ポンプを再度オフにする。患者が連続してポンプをオンにして輸液を行う場合、プログラムは、ステップ212から直接「ready−to−run」ステップ210に進み、ステップ210では、患者が輸液パラメータを変更することを防ぐ。
【0036】
ロックアウトモードが利用されない場合、医療助手または患者は、ポンプをオンにし、所望の輸液モードをプログラムし、その後、「実行」キーを押して輸液をスタートさせる。このとき、決して、ポンプをオフにしない。
【0037】
プログラミングおよび動作中に、輸液ポンプ12は、自動的に不揮発性メモリ104に全ての重要な輸液データを記録して、完全な履歴データレコードを生成する。この履歴データレコードは、メモリ104から後に取り出され、特定の輸液療法がどの程度効果的であったかを決定する際に役立つ診療目的、ならびに、処方された輸液が実際に配信されたことを確認する治療目的を含む様々な目的で利用され得る。
【0038】
図6は、図5におおよそが示されたポンプ動作全体の間に実行される、輸液データが記録される様々なステップを示す。データの格納をトリガーする多くのイベントが、表1の左側の列にリスト化され、各イベントの発生時に記録される輸液データが、表1の右側の列にリスト化される。リアルタイムクロック106によって判定される、輸液データが記録される時間がまた、輸液データとともに格納される。
【0039】
【表1】

表1および図6を参照すると、輸液ポンプへの電力がオンにされるとき、電力オンのデータおよび時間が記録される。ステップ302で判定される際に、ポンプが、ステップ220、224、228、232、236(図5)のいずれかに準拠して完全にプログラムされる場合、プログラムされた輸液パラメータは、その格納の時間とともに、ステップ304で格納される。格納される特定のパラメータは、どの輸液モードがプログラムされたかに依存する。複数の輸液モードのそれぞれについて格納される輸液パラメータのいくつかの例が、以下に設定される表2に示される。
【0040】
【表2】

ステップ306で判定される際にポンプが実行モード260(図5)を入力する場合、どの輸液が実行されるのかに準拠したパラメータとともに、実行モードが開始した時間は、ステップ308にて格納される。
【0041】
ステップ310では、ホールドキーが押されると、ホールドキーが押された時間に注入される全容積とともに、ホールドキーが押された時間が、ステップ312にて格納される。ポンプはまた、連続速度からkeep−vein−open(KVO;血管を開いたままにする)速度までスイッチングすることによってか、あるいは、断続モードでは、KVO速度からより高い輸液速度まで変化させることによって生じる変化のような任意の輸液速度変化を格納する。この変化の存在は、ステップ314にて検出される。新しい速度および新しい速度がスタートした時間が、ステップ316にて格納される。
【0042】
ステップ318では、警告が生成されると、警告のタイプ、警告が生じた時間、および、警告の時間に注入される全容積が、ステップ320にて記録される。
【0043】
ステップ330では、輸液が再開すると(輸液の間にオフにされた後、ポンプがオンに戻るとき)、輸液が再開された時間は、輸液パラメータとともに、ステップ331にて格納される。ステップ334において判定される際に、ロックアウトシーケンスのプログラミングが完了すると(すなわち、図5のステップ216の後)、ロックアウトのプログラミングが完了した時間が、ロックアウトされた輸液モードとともに格納される。ステップ338にて、ボーラス要求の検出時に、ボーラスが要求された時間が、ボーラスが実際に与えられたかどうかのインジケーションならびにボーラスの量とともに、ステップ340にて格納される。
【0044】
図7は、RAM104の一部分のデータ構造を示す。RAM104では、輸液データ(図6のステップ中に格納されたデータ)が格納される。図7を参照すると、輸液データは、複数のメモリ位置372に格納される。データは、ポインタ376を利用してメモリ位置372に書き込まれ、ポインタ376は、データが次に格納されるべきメモリ位置を特定する。
【0045】
図8は、メモリ位置372にデータを格納するルーティン380のフローチャートである。図8を参照すると、ステップ382では、ポインタ376は、データが格納される次のメモリ位置372のアドレスにセットされる。ステップ384にて、ポインタ376が、データが格納され得る最後のメモリ位置にある場合、ルーティンは分岐して、ステップ386に進む。ステップ386では、ポインタは、データが格納され得る第1のメモリ位置のアドレスにセットされる。ステップ384、386の結果として、メモリ位置372の中身は、周期的に新しいデータで上書きされる。しかしながら、メモリ位置372の数は、例えば、数ヶ月間のデータが上書きされる前に格納されるだけ十分に大きい。ステップ388および390では、データは、ポインタ376によって特定されるメモリ位置372に格納される(データは、リアルタイムクロック106から生成されたタイムスタンプ、ならびに、特定の輸液イベントを特定するイベントデータを含む)。
【0046】
図9、10、および12は、リモートモニタ/コントローラ20によって実行される様々なルーティンのフローチャートである。以下により詳細に説明されるように、リモートモニタ/コントローラ20は、輸液ポンプ12の動作をモニタするために利用され得、輸液ポンプ12の動作を制御し、および/または、輸液ポンプ12から輸液データおよび患者データを送信して、その結果、このようなデータは、患者から離れた位置にいるヘルスケアの専門家によって調べられ得る。
【0047】
リモートモニタ/コントローラ20は、異なるタイプの輸液ポンプとインターフェースをとるように設計される。どのタイプの輸液ポンプにリモートモニタ/コントローラ20が動作可能なように接続されるのかを決定するために、ポンプ識別ルーティン100は、リモートモニタ/コントローラ20と輸液ポンプ12との間の通信リンクが確立された後に実行される。図9を参照すると、捨てプP402にて、リモートモニタ/コントローラ20は、ポンプ識別(ID)要求を通信リンク38を介して輸液ポンプ12に送信する。ポンプID要求に応答して、ポンプ12は、マルチキャラクターIDコードをリモートモニタ/コントローラ20に送信して戻す。IDコードは、例えば、ポンプモデルを識別する1つ以上のキャラクタおよび/またはポンプのソフトウェア1つ以上のキャラクタを含み得る。ステップ404では、リモートモニタ/コントローラ20は、全てのキャラクタが、例えば、改行キャラクタ<LF>に続くキャリッジリターンキャラクタ<CL>のような、1つ以上のターミネーションキャラクタを識別することによって受信されたことを決定し得る。
【0048】
ステップ408は、正しいレスポンスがポンプ12から受信されたかどうかを判定し、これは、可能性のあるIDコードのリストについて、ポンプ12から受信されたキャラクタをチェックすることで判定され得る。正しいレスポンスが受信された場合、ルーティンは分岐して、ステップ410に進む。ステップ410では、例えば、受信されたポンプIDコードを少なくとも1つの可能性のあるIDコード(輸液ポンプの特定のタイプを識別する)と比較することによってか、あるいは、受信されたIDコードを可能性のある多くのIDコード(各コードは、輸液ポンプの特定のタイプを識別する)と比較することによって、ポンプのタイプが判定される。本明細書中で利用される場合、輸液ポンプの「タイプ」は、ポンプのモデルまたはポンプのソフトウェアバージョンに関連し得る。
【0049】
ステップ408によって判定された場合に正しいレスポンスが受信されなかった場合、ステップ412では、タイマーによって計測されたルーティンが所定の期間が、ターミネーションキャラクタを受信する前に満了したかどうかを判定する。もし満了していた場合、ルーティンは分岐して、ステップ414に進み、ステップ414では、エラーメッセージが、ポンプの障害により生成され、ポンプID要求に応答する。
【0050】
ステップ412では、いくつかのタイプのレスポンス(正しいレスポンスではない)が、タイマーが満了する前に受信された場合、ルーティンは分岐して、ステップ416に進む。ステップ416〜426は、リモートモニタ/コントローラ20に接続される輸液ポンプ12のタイプを判定する第2の方法を含み、これは、ポンプ12のディスプレイ92のキャラクタの数に基づく。例えば、輸液ポンプの第1のタイプは、12個のキャラクタを表示することができるディスプレイを有し得るのに対し、輸液ポンプの第2のタイプは、32個のキャラクタを表示することができるディスプレイを有し得る。ステップ416〜426は、ディスプレイのキャラクタの数に基づいて、輸液ポンプのタイプを判定する。
【0051】
ステップ416では、リモートモニタ/コントローラ20は、ポンプ表示要求を輸液ポンプ12に送信して、ポンプ12にそのディスプレイ92のコンテンツを送信するように要求する。ステップ418では、リモートモニタ/コントローラ20は、ポンプ12から送信されたディスプレイキャラクタを読む。ステップ420では、所定の期間が満了したか、あるいは、終了キャラクタが受信された場合、ルーティンは分岐して、ステップ422に進む。ステップ422では、タイマーによって計測された所定の期間が、終了キャラクタの受信の前に経過した場合、ルーティンは分岐して、ステップ424に進む。ステップ424では、適切なエラーメッセージが生成される。ステップ426では、ポンプのタイプが、受信されたディスプレイキャラクタの数に基づいて決定される。
【0052】
ルーティンはまた、所定の数のキャラクタが受信された場合、ステップ420を出ることができる。リモートモニタ/コントローラ20が2つの異なるタイプの輸液ポンプとインターフェースをとるように設計されており、1つのポンプは12個のキャラクタの表示性能を有し、もう一方のポンプは、32個のキャラクタを表示性能を有する場合、ステップ420にてリモートモニタ/コントローラ20が12個より多い表示キャラクタを受信していると、そのポンプタイプが32個の表示性能を有するポンプに対応していることを直ちに判定することができる。
【0053】
リモートモニタ/コントローラ20は、輸液ポンプ12を制御すること、ポンプ12の動作をモニタリングすること、ポンプ12からリモートモニタ/コントローラ20まで輸液データを送信すること、および、データを表示することを含む、4つの基本機能が実行されることを可能にする。ユーザは、リモートモニタ/コントローラ20のディスプレイデバイス78(図2)上に表示された動作モードを、マウス82を介して選択することによって、これらの機能の1つを実行し得る。これらのモードは、リモートモニタ/コントローラ20のヘルスケアの専門家がコマンド信号を輸液ポンプ12に送信して、その動作を制御し得るコマンドモード、輸液ポンプ12が継続的に可視ディスプレイ92のコンテンツをリモートモニタ/コントローラ20に送信するモニタリングモード、輸液データがポンプ12からリモートモニタ/コントローラ20まで送信されるダウンロードデータモード、および、輸液データがリモートモニタ/コントローラ20のディスプレイ78に表示され得る表示データモードを含む。
【0054】
図10は、リモートモニタ/コントローラ20の基本動作のフローチャート450を示す。図10を参照すると、ステップ452にて、ユーザが上述のコマンドモードを選択した場合、ルーティンは分岐して、ステップ454に進む。ステップ454では、輸液ポンプ12のキーパッド90のディスプレイが、ディスプレイデバイス78に示される。ステップ454で示されるディスプレイは、リモートモニタ/コントローラ20に接続された特定の輸液ポンプのタイプのキーパッド90の入力キーと実質的に同一の、空間的構成を有する複数の可視入力キーを含む。このような可視ディスプレイの例は、図11Aに示される。
【0055】
尚、図11Aに示される可視キーパッドは、図3に示される(ポンプ12のオン/オフキーが可視キーディスプレイのリセットキーに置き換えられることを除き)ポンプ12の実際のキーパッド90と同一である。異なるキーパッドを有する異なるタイプのポンプがリモートモニタ/コントローラ20に付加される場合、その特定のキーパッドは、ディスプレイデバイス78に表示される。異なる可視キーパッドの例が、図11Bに示される。様々な可視キーパッド構成が、リモートモニタ/コントローラ20のメモリに格納され得、各可視キーパッド構成は、その構成に関連するポンプタイプコードを有する。リモートモニタ/コントローラ20は、(図9のルーティンを介して)最初にリモートモニタ/コントローラ20が付加されるポンプのタイプを決定するので、メモリおよびディスプレイからポンプのタイプの対応する可視キーパッドを取り出し得る。
【0056】
可視キーパッドが表示された後、ヘルスケアの専門家は、いくつかの可視キーをマウス82により選択することによって、輸液ポンプ12の動作を制御し得る。タッチ感知スクリーンまたは放射線センサによって駆動される画面のような、キーを選択するほかの方法が利用され得る。輸液ポンプ12は、キーパッド90を介して入力されるコマンド、リモートモニタ/コントローラ20から生成されるコマンドに応答する。ステップ456および458では、ヘルスケアの専門家によって入力された任意のコマンドが、輸液ポンプ12に送信され、ステップ460および462において、ポンプ12のディスプレイは、リモートモニタ/コントローラ20に送信され、リモートモニタ/コントローラ20のディスプレイデバイス78上に表示される。ステップ464では、ユーザがコマンドモードを終了した場合、ルーティンは分岐して、ステップ452に戻る。
【0057】
ステップ465では、ヘルスケアの専門家がモニタモードを選択した場合、ルーティンは分岐して、ステップ466に進み、ステップ466では、ポンプ表示92の可視表示がディスプレイデバイス78に示される。ステップ467では、ポンプ表示92のコンテンツが、リモートモニタ/コントローラ20に送信され、ステップ468では、これらのコンテンツは、ステップ466で生成された可視表示で表示される。ステップ469では、ユーザがモニタモードを終了した場合、ルーティンは分岐して、ステップ452に進む。そうでなければ、ルーティンは分岐して、ステップ467に戻り、ポンプ表示92のコンテンツは、ステップ468にてディスプレイデバイス78に連続的に示される(輸液ポンプ12のディスプレイ92は、ポンプ動作がディスプレイ92を閲覧することによってモニタリングされ得るように、ポンプ動作にしたがって変化する)。ステップ467は、たとえば、ポンプ12にポンプ表示要求を送信することによって(上述のステップ416〜420と同様のステップを介して)達成され得る。
【0058】
ステップ470で判定される際に、ヘルスケアの専門家がポンプ12からリモートモニタ/コントローラ20までデータをダウンロードする要求を入力する場合、ルーティンは分岐して、ステップ472に進み、ステップ472では、図13〜14と関連させて以下に示されるように、データ送信が達成される。ユーザがステップ474にて判定される際に、閲覧データログ要求を入力する場合。ルーティンは分岐して、ステップ476に進み、ステップ476では、ステップ472で既にダウンロードされたデータが、リモートモニタ/コントローラ20のディスプレイデバイス78に表示され得る。ユーザは、ステップ478を介してモード選択ルーティン450を終了し得る。
【0059】
図12は、図10に概略的に示される送信コマンドステップ458を実装するために利用され得る1つのルーティンを示す。図12を参照すると、ポンプコマンドは、ステップ480にてリモートモニタ/コントローラ20から送信され、その後、輸液ポンプ12が、リモートモニタ/コントローラ20にコマンドのエコーを送信し、それにより、リモートモニタ/コントローラ20は、コマンドがポンプ21によって適切に受信されたことを知る。エコーを作るキャラクタは、ステップ482、484によって受信され、エコーが正しくない場合、エラーメッセージが、ヘルスケアの専門家に対して表示される。ステップ490にて、リモートモニタ/コントローラ20は、ポンプ12にエコーの確認を送信する。
【0060】
図10のステップ468にて概略的に示される輸液ポンプ12からリモートモニタ/コントローラ20までのデータの送信は、輸液ポンプ12によって実行される受信インタラプトサービスルーティン500および送信インタラプトサービスルーティン550を介して達成される。ルーティン500、550のフローチャートは、図13および図14に示される。
【0061】
図13に示される受信ルーティン500は、ポンプコントローラ100による受信インタラプトの発生時に呼び出される。受信インタラプトは、コントローラ100の受信バッファ118で、リモートモニタ/コントローラ20からのメッセージが受信されたことを示す。ダウンロードデータコマンドが輸液ポンプ12に送信された場合(図10のステップ466にて判定される場合に)、データダンプフラグが論理「1」に設定され、ポンプ12からリモートモニタ/コントローラ20へのデータ送信またはダンプが進行中であることを示す。データ送信は、セグメント化される様式で実行される。RAM104から格納される全ての輸液データおよび患者データを、1つの連続ストリームでリモートモニタ/コントローラ20に送信するのではなく、データは、セグメント化された複数の部分として送信され、各部分は、例えば100マイクロ秒の期間で、隣接する部分から時間で分離される。
【0062】
図13を参照すると、ルーティンがステップ502で開始するとき、キャラクタまたはメッセージは、受信バッファ118でちょうど受信されている。ステップ502では、データダンプフラグがアクティブであり、データ送信が既に進行中であることを意味する場合、ルーティンは分岐して、ステップ504に進み、ステップ504では、データダンプフラグは、ロジック「0」に設定され、データダンプ動作を効果的に送信し、ステップ506にて、リモートモニタ/コントローラ20にエラーメッセージが送信される。これは、データダンプ動作がリモートモニタ/コントローラ20から輸液ポンプ12まで送信される任意のコマンドと干渉することを防ぐためになされる。
【0063】
データダンプフラグがステップ502にて判定される場合にアクティブでない場合、ルーティンは分岐して、ステップ508に進む。ステップ508では、受信バッファ118でちょうど受信されたメッセージは、このメッセージがデータダンプコマンドであるかどうかを判定するためにチェックされる。もし、データダンプコマンドでなければ、ルーティンは分岐して、ステップ510に進み、ステップ510にて、ポンプ12は、コマンドに応答する。
【0064】
メッセージがデータコマンドであれば、ルーティンは分岐して、ステップ512に進み、ステップ512では、送信ポインタ513(図7を参照)は、リモートモニタ/コントローラ20にまだ送信されていないRAM104の最も古いデータに設定される。ステップ514にて、新しいデータ送信動作が開始した後、データダンプフラグが論理「1」に設定される。ステップ516にて、送信ポインタ513によって指定されるデータバイトが、RAM104から取り出され、ステップ518にて、送信ポインタ513の位置が送信された次のデータバイトのアドレスにポイントされるように更新される(例えば、インクリメントされる)。ステップ520にて、ステップ516で取り出されたデータバイトは、ASCIIでフォーマットされ、ステップ522にて、送信インタラプトがイネーブルされ、ステップ524にて、再フォーマットされたデータバイトが、輸液ポンプ送信バッファ116からリモートモニタ/コントローラ20までデータリンク38を介して送信される。
【0065】
第1のデータバイトが送信バッファ116から送信されつくした場合、送信インタラプトがコントローラ100によって生成され、送信バッファ116がエンプティであり、別のデータバイトが送信され得ることを示す。送信インタラプトが生成すると、送信ルーティン550が実行される。図14を参照すると、ステップ552にて、データダンプフラグのステータスがチェックされる。フラグがアクティブでなく、データダンプ動作が進行中でないことを意味する場合、ルーティンは分岐して、ステップ554に進み、ステップ554では、ルーティンは他のインタラプトに応答する。データダンプフラグがアクティブである場合、ルーティンは分岐して、ステップ556に進み、ステップ556にて、このルーティンは、全てのセグメント化された輸液データの部分が送信されたかどうかを判定する。これは、例えば、送信ポインタ513およびポインタ376(図7)が同一のメモリ位置をポイントしているかどうかを判定することによって達成され得る。全ての要求されたデータが送信された場合、ルーティンは分岐して、ステップ558に進み、送信インタラプトがディゼーブルされ、その後、ステップ560に進み、ステップ560にて、データダンプフラグが論理「0」にリセットされ、データ送信動作が効果的に終了する。
【0066】
ステップ556で判定される場合に、全てのデータが送信されていなかった場合、ルーティンは分岐してステップ562に進み、ステップ562にて、送信ポインタ513によって指定されるデータバイトが、RAM104から取り出される。ステップ564にて、送信ポインタの位置が、送信される次のデータバイトのアドレスをポイントするように更新される。ステップ566にて、ステップ562で取り出されたデータバイトは、ASCIIでフォーマットされ、ステップ568にて、再フォーマットされたデータバイトは、輸液ポンプ送信バッファ116からリモートモニタ/コントローラ20にデータリンク38を介して送信される。
【0067】
セグメント化されたデータ部分をリモートモニタ/コントローラ20に送信さするようにコントローラ100によって生成された送信インタラプトは、シャフトエンコーダセンサ130の入力に応答して生成されるインタラプトよりも低いプライオリティを割り当てられる。シャフトエンコーダセンサ130は、所望の輸液速度を提供するために必要となる。結果的に、輸液データおよび患者データの送信は、ポンプ12の所望の輸液速度を提供する能力とインターフェースを取らず、データ送信は、ポンプが患者に薬を注入している間に生じ得る。
【0068】
図15は、リモートモニタ/コントローラ20のディスプレイデバイス78に示され得るグラフィカルユーザメニューの図である。ヘルスケアの専門家は、開始日時、終了日時、データのタイプ等の多くの様々なパラメータを介して、送信または閲覧する特定のデータを選択し得る。送信または閲覧するために特定のデータが選択され得る特定の耐容は、本発明にとって重要であるとは考えられない。
【0069】
さらに、図16〜24は、特定の患者の状態および/または特定の患者の環境の変化に基づいて医療処置を配当するために医療処置配信制御を利用する医療処置管理システム610を示す。図16に示されるように、医療処置管理システム610の1つの実施形態は、輸液ポンプ12で有り得る医療デバイス612、医療デバイス612に接続された制御アルゴリズム626、および患者618に接続されたセンサ616を備える。医療デバイス612は、輸液ポンプ、人工呼吸器、インシュリン配信デバイス、および麻酔配信デバイスを備えるがこれらに制限されない様々なデバイスの1つであってもよいが、当業者であれば、他の医療デバイスが本発明の範囲から逸脱することなく利用され得ることを理解し得る。さらに、医療デバイス612は、上述のようにプログラム可能であり得、さらに当業者によって理解される。
【0070】
1つの実施形態では、図3に示される輸液ポンプ12は、患者618への液体薬(liquid medicant)を管理する医療デバイス612として利用される。通常、医療デバイス612は、薬剤の供給(示されない)および患者618への薬剤を配信する手段(示されない)を有する。輸液ポンプ12により、薬剤の供給は、通常、注射器またはIVタイプバックに含まれる液体薬である。さらに、輸液ポンプ12により、薬剤を配信する手段は、液体輸液デバイスを備え、多くの場合、患者に接続されることに適合する中空針またはカテーテル、液体輸液デバイスに接続されるコンジットまたはチューブ、液体輸液デバイスによりコンジットを介して患者に液体薬をポンピングするポンピングメカニズム、ならびに、ポンピングメカニズムを制御するコントローラを備える。しかし、他のタイプの医療デバイスが利用される場合、医療処置および処置を配信する手段は、特定の医療デバイスに一致するように変化する。例えば、それぞれ適切な配信手段により、人工呼吸器は、患者に酸素を供給し、インシュリン配信メカニズムは、患者にインシュリンを配信し、麻酔デバイスは、麻酔ガスまたは麻酔薬を患者に提供する。
【0071】
図16に示される実施形態では、センサ616は、患者618に接続され、患者618の生理学的状態に関する情報を患者618から受信する。当業者には理解されるように、このような生理学的状態は、患者の心拍、患者の体温、患者の血圧、患者の活動レベル、患者の細胞の代謝、患者の細胞の増殖、患者の代謝要求、患者の食物摂取量、および患者のSpOレベル等を含むが、これらに制限されない。これらのファクタおよび当業者に知られた他のファクタは、医療処置、および、特に薬物療法を病状の治療中の個人に配当するためのトリガーとなる出来事であると理解される。さらに、センシングデバイスは、手動の入力を受信する入力デバイスを備え得る。手動の入力は、ヘルスケア提供者または患者によって提供され得る。センシングデバイスに入力を提供する患者の例は、医療デバイス12がインシュリン配信メカニズムである場合である。このように、患者は、患者によって消費される食べ物のタイプを示す入力をセンサに提供し得る。
【0072】
1つの実施形態では、複数のセンサ616は、患者の特定の物理パラメータを継続的にモニタする携帯用多パラメータの生理学的モニタ(図示されず)に含まれる。モニタは、EKG電極、胸部拡張センサ、加速度計、胸部マイクロフォン、バイオメトリック圧力センサ、体温センサ、および周囲温度センサを含む、センサ616を有する。各センサは、アナログデジタル変換器(ADC)に出力信号を提供する。
【0073】
このような実施形態では、センサ616は、身体ストラップ(図示されない)に設けられ得、身体ストラップは、上部に様々なセンサおよびサポーティング電子機器が配当される胸部ストラップを含み得る。(さらに、多パラメータモニタリングデバイスが、胸部以外の身体の一部分のまわりにストラップによってマウントされ得ることが当業者に理解される。)胸部ストラップは、患者618の胴のまわりに適合するように適合される。
【0074】
様々なパラメータセンサ616は、センサが検出するパラメータ(単数または複数)に最も適したストラップに配置される。各センサ616は、信号処理の分野では公知であるように、センサ信号をフィルタリングおよび増幅するアナログ回路に電気的入力を提供し、コントローラハードウェアの一部分であり得るアナログデジタル変換器にそれらのセンサ信号を出力する。ストラップのセンサは、以下のようであり得る。患者の胸部の表面の温度を感知する胸の温度センサ、患者の環境の周囲のバイオメトリック圧を感知するバイオメトリック圧力センサ、患者の胸部の拡張および収縮を示す胸部ストラップの伸張を検出する胸部拡張(人工呼吸)センサ、患者の身体の運動および傾きを検出する加速度計、患者の環境の周囲温度を感知する周囲温度センサ、患者の胴内からの音を検出するマイクロフォン、腕の下の患者の胴の側面の温度を感知する脇の下温度センサ、ならびに心筋のアクションによって生じる電気信号を検出するEKG電極である。EKG電極は、グランドまたは基準電極と組み合わせて利用され、患者の胸部の肌に接触して配置され、患者の心筋のポンピングアクションによって発生する電気信号を検出する。EKG(電極心電図)が、医学分野で周知である、患者の心臓の動きを示す。
【0075】
さらに図16に示されるように、センサ617は、センサ616に加えて、または、センサ616の代わりに提供され得る。センサ617は、患者618の環境に関する情報を取得する。通常、センサ616、617は、患者618のからの介入なく、自動的に患者の生理学的状態および/または環境条件のそれぞれに関する信号を取得する。制御アルゴリズム626によって必要とされる情報に基づいて、複数のセンサ616、617は、直列または並列に利用され得る(図16、19、22、および23)。
【0076】
センサ616、617は、個人の心拍、体温、血圧、活動レベル、細胞の代謝、細胞の増殖、代謝要求、SpOレベル等に関するか、あるいは、周囲温度、周囲の光条件等の環境条件617に基づく信号のような信号を受信することができる任意のデバイスであり得る。図4および5に示されるように、このようなセンサ616、617は、バイタルサインモニタ、血圧モニタ、光センサ、環境センサ、および活動センサを含み得るがこれらに限定されない。さらに、図6に示されるように、別個のコンポーネントではなく、センサ16、17は、コントローラ28と統合されてもよい。
【0077】
センサ616、617から受信した信号は、制御アルゴリズム626に電気的に送信される624。図17、18、および21に示されるように、制御アルゴリズム626は、コントローラ628(プロセッサとも呼ばれる)の一部であってもよい。さらに、図18に示されるように、コントローラ628は、医療デバイス612のコンポーネントであってもよい。患者618に対して管理される特定の医療処置に応じて、制御アルゴリズム626は、1つ以上のセンサ616、617から信号を要求し得る。患者の休息活動または代謝サイクルが、コルチゾール、肝酵素、およびクレアチンの血液細胞数、血漿、または血清濃度を含む様々な要素を計測することによって、観血的に判定され得ることが理解される一方で、他の方法もまた利用可能である。例えば、患者の休息活動または代謝サイクルは、患者のバイタルサインまたは活動によって非観血的に計測され得る。さらに、患者の体温が夜間に低下し、患者の心拍は、患者が休息しているときに低下することが発見された。したがって、このような信号は、センサ616、617によって取得され、このような情報は、処理のための制御アルゴリズム626に送信される624。
【0078】
制御アルゴリズム626が異なる医療処置ごとにおそらく異なることが理解され、さらに、同一の医療処置に対しても、制御アルゴリズム626が異なる患者では異なり得ることも理解される。制御アルゴリズム626の1つの例が、図24に示される。図24に示されるように、制御アルゴリズム626は、患者618の心拍の関数として、患者への薬剤の配信を制御するために利用され得る。この実施形態では、制御アルゴリズム626は、患者の心拍の信号をセンサ616の1つから受信する。制御アルゴリズム626は、最大心拍と信号を比較することによって、信号630を処理する。心拍信号が最大心拍信号よりも小さい場合に、制御アルゴリズムは、フィードバック制御632を展開(develop)して、輸液ポンプ12の輸液の速度を2%まで低下させる。心拍信号が最大心拍信号よりも小さくない場合に、制御アルゴリズムは、さらに、輸液療法が完了したかどうかを判定する。輸液療法が完了していない場合、輸液を続けるための、フィードバック制御632が提供される。心拍信号のさらなる処理630がその後も継続される。輸液療法が完了していた場合、輸液ポンプ12を停止するための、フィードバック制御632が提供される。
【0079】
制御アルゴリズム626が送信された信号624を受信した後、この制御アルゴリズム26は、制御アルゴリズム626を介して信号を処理し630、結果として生じるフィードバック制御632が展開される。複数の信号が複数のセンサ616、617から要求され、かつ、受信された場合に、各必要とされる信号は、プログラムされる制御アルゴリズム626によって処理され、結果として生じるフィードバック制御632が展開される。フィードバック制御632は、医療デバイス610の制御信号として動作して、患者618への医療処置の配信を制御または調整する。
【0080】
これは、医療デバイス610に、制御アルゴリズム626によって展開されたフィードバック制御632を送信する634ことによって達成される。フィードバック制御632は、医療デバイス610の動作にコマンドを提供する。フィードバック制御632は、通常、医療デバイス610の信号またはコマンドの2つのうちの1つを提供する。すなわち、患者618に医療処置を配信する636か、または、患者に医療処置を配信しない638かのどちらかである。フィードバック制御632は、医療処置を配信する636ために信号を提供する場合、患者618に提供する処置の量および速度を指示する医療デバイス612に信号を提供し得る。このような信号は、薬剤配信の速度を増加または減少させることを含み得る。
【0081】
図22に示されるように、複数の医療デバイス612a、612bは、患者618に医療処置を配信する636ために利用され得る。特定の医療治療は同じであってもよく、異なるように単に服用されてもよく、あるいは、各医療デバイス612a、612bは、患者618に異なる医療処置を配信636してもよい。さらに、図22に示されるように、それぞれ医療デバイス612a、612bごとに、別個の制御アルゴリズム626a、626bが利用され得る。図7の実施形態は、2つの別個の制御アルゴリズム626a、626b、および多くのセンサ616a、616b、および617を利用する。センサ616a、617は、制御アルゴリズム626aに信号を送信624し、制御アルゴリズム626aは、患者618に配信される636処置に応じて、センサ616a、617の一方または両方からの信号を処理し630、結果として生じるフィードバック制御632aを展開し得る。センサ616bは、信号を制御アルゴリズム626bに送信し、制御アルゴリズム626bは、同様に信号を処理して630、結果として生じるフィードバック制御632bを展開する。フィードバック制御632aが第1の医療デバイス612aに送信され、患者618への医療処置の配信636aを制御しつつ、フィードバック制御632bが第2の医療デバイス612bに送信され、同じ患者618に医療処置の配信636bを制御する。
【0082】
逆に、図23に示されるように、1つの制御アルゴリズム626は、複数の医療デバイス612a、612bを制御し得る。この実施形態では、1つの制御アルゴリズム626は、複数のセンサ616a、616b、および617により利用され得る。センサ616a、616b、および617は、制御アルゴリズム626に信号を送信624し、制御アルゴリズム626は、患者618に配信される636処置に応じて、1つ以上のセンサ616a、616b、および617からの信号を処理し630、結果として生じる1つ以上のフィードバック制御632a、632bを展開し得る。フィードバック制御632aが第1の医療デバイス612aに送信され、患者618への医療処置の配信636aを制御しつつ、フィードバック制御32bが第2の医療デバイス12bに送信され、同じ患者618への医療処置の配信636bを制御する。したがって、この実施形態では、第1の医療デバイス612aの制御アルゴリズムは、第2の医療デバイス612bと同じ制御アルゴリズム626である。
【0083】
医療処置装置610は、異なる処置療法により利用され得るので、制御アルゴリズム626は、通常、異なる処置療法ごとに改変または変更される。したがって、図16および図17に示されるように、通常、入力デバイス642が提供され、制御アルゴリズム626の制御パラメータ644を調節および設定し得る。入力デバイス642は、コントローラ628に接続されてもよいし、直接的に制御アルゴリズム626に接続されてもよい。制御アルゴリズム626は、手動で入力されてもよく、一方で、さらに、データベースまたはネットワークから動的にダウンロードされてもよい。
【0084】
さらに、図16に示されるように、医療デバイス612はまた、医療デバイス612用の入力デバイス648を有し得る。医療デバイス12用の入力デバイス648は、ユーザ(通常は認可された臨床医)が制御コマンド650を入力して、医療デバイス612のパラメータを調節または制御することを可能にする。別の実施形態では、医療デバイス612用の入力デバイスは、コントローラ/制御アルゴリズム用の入力デバイスと同じである。
【0085】
図17に示されるように、制御アルゴリズム626および/またはコントローラ628の制御パラメータをリモートで調節または設定するために、リモートコントローラ646(すなわち、リモート入力デバイス)が提供され得る。本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,885,245号は、リモートコントローラを開示し、特に本明細書中で参照として援用され、本発明の一部をなす。リモートコントローラ646は、医療デバイス612が配置される(すなわち第1の位置)部屋の位置から離れた部屋の位置(すなわち、第2の位置)に配置される。リモートコントローラ646は、医療デバイス612が配置される建物と同じ建物の異なる部屋に配置されて得、または、医療デバイス612が配置される建物とは異なる建物に配置され得る。リモートコントローラ646は、データリンク654を介して従来の音声/データモデム652に接続され、モデム652はまた、音声リンク658を介して電話656に接続される。医療デバイス612は、データリンク662を介して従来の音声/データモデム660に接続され、モデム660は、音声リンク666を介して電話664に接続される。2つのモデム652、660は、通信リンク668を介して双方向性音声およびデータ通信に相互接続され、通信リンク668は、例えば、電話線であり得る。さらに、リモートコントローラ646は、インターネット、イントラネット、およびワイヤレスネットワークを介して、制御アルゴリズム626と通信し得る。さらに、リモートコントローラ626は、サーバであってもよい。
【0086】
特定の実施形態が説明され、かつ記載されたが、多くの改変が本発明の意図から著しく逸脱することなく想定され、保護の範囲は、添付の請求項の範囲によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】図1は、患者に対する医療処置を管理し、患者の状態をモニタする装置のブロック図である。
【図2】図2は、図1に概略的に示されるリモートモニタ/コントローラの電子機器コンポーネントのブロック図である。
【図3】図3は、図1に概略的に示される輸液ポンプの1つの実施形態の前面図である。
【図4】図4は、図3の輸液ポンプの電子機器コンポーネントのブロック図である。
【図5】図5は、輸液ポンプの動作全体のフローチャートである。
【図6】図6は、輸液ポンプの動作中に実行される多数のデータ記録ステップを示す。
【図7】図7は、輸液ポンプのメモリの一部を示す。
【図8】図8は、輸液ポンプの動作に関するデータおよび患者の状態に関するデータを格納するために利用され得る格納データルーティンのフローチャートである。
【図9】図9は、リモートモニタ/コントローラが接続される輸液ポンプの型を識別するために利用され得るルーティンのフローチャートである。
【図10】図10は、リモートモニタ/コントローラのモード選択ルーティンのフローチャートである。
【図11A】図11Aは、リモートモニタ/コントローラによって生成される可視表示の一部を示す。
【図11B】図11Bは、リモートモニタ/コントローラによって生成される可視表示の一部を示す。
【図12】図12は、リモートモニタ/コントローラによって実行されるコマンドポンプルーティンのフローチャートである。
【図13】図13は、輸液ポンプによって実行される受信ルーティンのフローチャートである。
【図14】図14は、輸液ポンプによって実行される送信ルーティンのフローチャートである。
【図15】図15は、リモートモニタ/コントローラによって表示され得るグラフィカルユーザメニューの図である。
【図16】図16は、本発明の医療処置管理システムのブロック図である。
【図17】図17は、リモート制御を含む、図16の医療処置管理システムの変形のブロック図である。
【図18】図18は、コントローラが医療デバイスのコンポーネントである、図16の医療処置管理システムの別の変形のブロック図である。
【図19】図19は、さまざまなセンシングデバイスを含む、図16の医療処置管理システムの別の変形のブロック図である。
【図20】図20は、さまざまなセンシングデバイスを含む、図16の医療処置管理システムの別の変形のブロック図である。
【図21】図21は、コントローラおよびセンシングデバイスが統合コンポーネントである、図16の医療処置管理システムの別の変形のブロック図である。
【図22】図22は、複数の医療処置デバイスを含む、図16の医療処置管理システムの別の変形のブロック図である。
【図23】図23は、複数の医療処置デバイス用のプロセッサを含む、図22の医療処置管理システムの別の変形のブロック図である。
【図24】図24は、1つのタイプの本発明の制御アルゴリズムのブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモート制御された医療配信システムであって、
医療の供給および患者に薬剤を配信する手段を有する医療処置デバイスであって、第1の位置に配置される、医療処置デバイスと、
該医療デバイスに接続される制御アルゴリズムと、
該制御アルゴリズムに接続されるセンシングデバイスであって、該センシングデバイスは、該制御アルゴリズムに信号を送信し、該制御アルゴリズムは、該センシングデバイスから取り出された信号を処理し、該信号の処理の結果に基づいてフィードバック制御を展開して、該薬剤が該医療処置デバイスから該患者に配信されるべきかどうかを判定し、該センシングデバイスは、該医療処置デバイスに該フィードバック制御を提供して、該患者への該医療処置の配信を制御する、センシングデバイスと
を備える、システム。
【請求項2】
リモートコントローラが、インターネットを介して前記制御アルゴリズムと通信する、請求項1に記載のリモート制御された医療配信システム。
【請求項3】
リモートコントローラが、イントラネットを介して前記制御アルゴリズムと通信する、請求項1に記載のリモート制御された医療配信システム。
【請求項4】
リモートコントローラが、ワイヤレスネットワークを介して前記制御アルゴリズムと通信する、請求項1に記載のリモート制御された医療配信システム。
【請求項5】
リモートコントローラが、サーバである、請求項1に記載のリモート制御された医療配信システム。
【請求項6】
前記医療処置デバイスは、前記患者への液体薬を管理する輸液ポンプであって、該患者に接続されることに適合した液体注入デバイスを有する輸液ポンプと、該液体注入デバイスに接続されたコンジットと、該コンジットを介して患者へと該液体注入デバイスにより該液体薬をポンピングするポンピングメカニズムと、該ポンピングメカニズムを制御するポンプコントローラであって、該患者への該医療処置の配信を制御するために、該医療処置デバイスへの前記フィードバック制御を受信する、ポンプコントローラとを備える、請求項1に記載のリモート制御された医療配信システム。
【請求項7】
前記センシングデバイスは、前記患者の生理学的状態に関する該患者からの情報を受信するように該患者に接続されるセンサを備え、該情報は、信号に変換される、請求項1に記載のリモート制御された医療配信システム。
【請求項8】
前記センサは、バイタルサインモニタである、請求項7に記載のリモート制御された医療配信システム。
【請求項9】
前記センシングデバイスは、前記患者の環境に関する情報を受信するセンサを備える、請求項1に記載のリモート制御された医療配信システム。
【請求項10】
前記センサは、光センサである、請求項9に記載のリモート制御された医療配信システム。
【請求項11】
前記制御アルゴリズムに接続されるローカル入力デバイスであって、前記第1の位置に配置される、ローカル入力デバイス
をさらに備える、請求項1に記載のリモート制御された医療配信システム。
【請求項12】
前記ローカル入力デバイスは、複数の空間的構成で配置されるエントリキーを有し、リモートコントローラは、ディスプレイを有し、前記医療配信システムは、前記ローカル入力デバイスのエントリキーと実質的に同一の空間的構成を有する複数の仮想エントリキーの可視表示を生成する、該ディスプレイに動作するように接続される手段をさらに備える、請求項11に記載のリモート制御された医療配信システム。
【請求項13】
医療処置を配信することができる医療デバイスから患者へと医療処置を配信するリモート制御された医療配信システムであって、
信号を受信するセンサと、該センサに動作可能なように接続される制御アルゴリズムと、該センサから離れた位置に配置されるリモート入力デバイスとを備え、該センサは、該信号を取得し、該制御アルゴリズムは、該センサによって取得される該信号を処理し、該医療デバイスから該患者への該医療処置の配信を制御することに適合するフィードバック制御を展開し、該リモート入力デバイスは、該制御アルゴリズムの動作を操作する手段を有する、システム。
【請求項14】
医療処置の供給および該医療処置を該患者に配信する手段を有する医療デバイスをさらに備え、該医療デバイスは、該制御アルゴリズムに動作可能なように接続され、該制御アルゴリズムは、該医療デバイスから該患者への該医療処置の配信を制御する、請求項13に記載の医療配信システム。
【請求項15】
前記制御アルゴリズムに動作可能なように接続されるローカル入力でバスをさらに備え、該ローカル入力デバイスは、該制御アルゴリズムのプロセスパラメータを制御する、請求項13に記載の医療配信システム。
【請求項16】
前記リモート入力デバイスに接続されるディスプレイをさらに備え、該ディスプレイは、該制御アルゴリズムの可視的読み出しを提供する、請求項13に記載の医療配信システム。
【請求項17】
前記センサは、前記患者に動作可能なように接続され、該患者の生理学的状態に関する情報を受信する、請求項13に記載の医療配信システム。
【請求項18】
医療配信システムであって、
患者への医療処置を管理する第1の位置に配置されるプログラム可能医療デバイスであって、該プログラム可能医療デバイスは、該患者への該医療処置を管理する手段を有し、該プログラム可能医療デバイスは、該プログラム可能医療デイバスの制御コマンドを入力する第1の入力デバイスを有する、プログラム可能医療デバイスと、
該プログラム可能医療デバイスに動作可能なように接続されるローカルコントローラであって、該ローカルコントローラは、該第1の位置に配置され、該ローカルコントローラの制御コマンドを入力する第2の入力デバイスを有し、該ローカルコントローラは、該患者から信号を受信するように該患者に動作可能なようにさらに接続され、該ローカルコントローラは、該プログラム可能医療デバイスの動作を操作する、ローカルコントローラと、
該ローカルコントローラを制御するリモートコントローラであって、該リモートコントローラは、該プログラム可能デバイスが配置される第1の位置から離れた第の位置に配置され、該リモートコントローラは、該第2の位置のユーザが該ローカルコントローラを制御することを可能にする手段を有する、リモートコントローラと
を備える、システム。
【請求項19】
前記第2の入力デバイスは、バーコードリーダである、請求項18に記載の医療配信システム。
【請求項20】
患者の情報および医療データは、前記第2の入力デイバスを介して入力される、請求項18に記載の医療配信システム。
【請求項21】
ディスプレイデバイスと、前記プログラム可能医療デバイスの前記入力デバイスに実質的に対応する仮想入力デバイスの可視表示を生成する表示手段であって、該ディスプレイデバイスに動作可能な用に接続される、表示手段と、前記第2の位置のユーザが該可視入力デバイスを起動して、該ユーザが該第2の位置から前記プログラム可能医療デバイスの動作を制御することを可能にする手段と
をさらに備える、請求項18に記載の医療装置。
【請求項22】
患者に薬剤を提供する方法であって、該薬剤配信は、該患者の1つ以上の生理学的状態によってトリガーされ、該方法は、
薬剤配信デバイスを提供するステップと、
制御アルゴリズムを有するローカルコントローラを提供するステップと、
センサを提供するステップと、
リモートコントローラを提供するステップであって、該リモートコントローラは、入力デバイスを有する、ステップと、
該患者の該生理学的状態に関する信号を取得するセンサを利用し、該信号を該コントローラに送信し、該信号に含まれる情報を該制御アルゴリズムに入力し、該制御アルゴリズムからの結果のデータに基づいて結果を展開し、該制御アルゴリズムからの結果に基づいてフィードバック制御を展開し、かつ、該患者に該薬剤を配信するために、該フィードバック制御に基づいて適切な薬剤配信デバイスを操作するステップと
を包含する、方法。
【請求項23】
患者に薬剤を提供する方法であって、該薬剤配信は、1つ以上の環境条件によってトリガーされ、該方法は、
薬剤配信デバイスを提供するステップと、
制御アルゴリズムを有するローカルコントローラを提供するステップと、
センサを提供するステップと、
リモートコントローラを提供するステップであって、該リモートコントローラは、入力デバイスを有する、ステップと、
該患者の環境の該環境条件に関する信号を取得するセンサを利用し、該信号を該コントローラに送信し、該信号に含まれる情報を該制御アルゴリズムに入力し、該制御アルゴリズムからの結果のデータに基づいて結果を展開し、該制御アルゴリズムからの結果に基づいてフィードバック制御を展開し、かつ、該患者に該薬剤を配信するために、該フィードバック制御に基づいて適切な薬剤配信デバイスを操作するステップと
を包含する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2006−503597(P2006−503597A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−559582(P2003−559582)
【出願日】平成14年12月5日(2002.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2002/038901
【国際公開番号】WO2003/059422
【国際公開日】平成15年7月24日(2003.7.24)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【Fターム(参考)】