ルート情報提供装置
【課題】利用者の利便性を高めつつ、店舗の集客効果も高めること。
【解決手段】ルート作成部が、ユーザからの入力操作に応じて始点、終点および中継点を決定し、所定の条件に従って中継点の中継順序を並び替え、並び替えた中継順序に基づいてルートを作成する。そして、店舗情報付与部が、ルート作成部によって作成されたルートを含んだルート情報に対してルートから所定範囲内に位置する店舗の店舗情報を付与するようにルート情報提供装置を構成する。
【解決手段】ルート作成部が、ユーザからの入力操作に応じて始点、終点および中継点を決定し、所定の条件に従って中継点の中継順序を並び替え、並び替えた中継順序に基づいてルートを作成する。そして、店舗情報付与部が、ルート作成部によって作成されたルートを含んだルート情報に対してルートから所定範囲内に位置する店舗の店舗情報を付与するようにルート情報提供装置を構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、始点から中継点を経て終点へ至るまでのルートに関するルート情報を提供するルート情報提供装置に関し、特に、利用者の利便性を高めつつ、店舗の集客効果も高めることができるルート情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、出発地点から終着地点までのルートを探索してPC(Personal Computer)や携帯端末といった利用者端末上へ表示させるルート情報提供サービスが提供されている。
【0003】
また、かかるルート情報提供サービスでは、出発地点および終着地点だけでなく、終着地点へ至る途中で立ち寄りたい中継地点を利用者に対して指定させることで、中継地点を経由しつつ終着地点へ向かうルートを探索するサービスも提供されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、近年では、店舗を経営する店主や店員、工場や農業の経営者や従業員、各種団体のメンバー等が、営業時間や所在地あるいはタイムセールといった自らの店舗等に関する情報を公開する情報発信サイトも開設されつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−206943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のルート情報提供サービスは、ルートの途中に所在する人気店などの情報を利用者に対して提供することが行われていなかった。
【0007】
このため、利用者は、作成されたルートに沿って旅行を行う場合に、その地域で人気のある店舗がルートの途中に存在していても、その存在を見過ごしてしまうおそれがあった。また、利用者は、ルートの途中で何れかの店舗へ立ち寄りたい場合には、店舗からの情報発信サイト等を別途参照する必要があり、利便性が悪かった。
【0008】
一方、店舗側にとっても、自らの店舗をより多くの人に知ってもらうことで、集客効果を高めたいという要望があった。
【0009】
これらのことから、利用者の利便性を高めつつ、店舗の集客効果も高めることができるルート情報提供装置をいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0010】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、利用者の利便性を高めつつ、店舗の集客効果も高めることができるルート情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、始点から中継点を経て終点へ至るまでのルートに関するルート情報を提供するルート情報提供装置であって、利用者からの入力操作に応じて前記始点、前記終点および前記中継点を決定する決定手段と、所定の条件に従って前記中継点の中継順序を並び替える並び替え手段と、前記並び替え手段によって並び替えられた中継順序に基づいて前記ルートを作成するルート作成手段と、前記ルート作成手段によって作成されたルートを含んだルート情報に対して前記ルートから所定範囲内に位置する店舗の店舗情報を付与する店舗情報付与手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、利用者の利便性を高めつつ、店舗の集客効果も高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明に係るルート情報提供手法の概念図である。
【図2】図2は、実施例1に係るルート情報提供サーバが接続されるネットワーク環境を示す図である。
【図3】図3は、実施例1に係るルート情報提供サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、事前登録情報の一例を示す図である。
【図5】図5は、利用者端末とルート情報提供サーバとの間で実行される処理手順を示すシーケンス図である。
【図6】図6は、観光施設一覧画面の表示例および始点・終点選択画面の表示例を示す図である。
【図7】図7は、ルート作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施例1に係るルート画面の表示例を示す図である。
【図9】図9は、観光情報提供サーバおよび店舗情報提供サーバの構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、観光情報テーブルおよび店舗情報テーブルの一例を示す図である。
【図11】図11は、業者端末と店舗情報提供サーバとの間で実行される処理手順を示すシーケンス図である。
【図12】図12は、事前登録処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【図13】図13は、実施例2に係るルート情報提供サーバの構成を示すブロック図である。
【図14】図14は、ルート補正処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】図15は、実施例2に係るルート画面の表示例を示す図である。
【図16】図16は、ルート作成処理の他の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】図17は、ルート情報提供サーバの他の動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るルート情報提供手法を適用したルート情報提供装置の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係るルート情報提供手法の概念について図1を用いて説明した後に、本発明に係るルート情報提供手法を適用した実施例を図2〜図17を用いて説明することとする。
【0015】
まず、実施例の詳細な説明に先立ち、本発明に係るルート情報提供手法の概念について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係るルート情報提供手法の概念を示す図である。
【0016】
同図に示すように、本発明に係るルート情報提供手法では、まず、利用者が、始点、終点および中継点の選択を行う(同図の(1)参照)。たとえば、利用者は、観光施設の一覧画面の中から始点、終点あるいは中継点の候補となる観光施設を順次追加していき、その後、始点となる観光施設と終点となる観光施設を指定する。
【0017】
ここで、本発明に係るルート情報提供手法では、特定地域に存在する観光施設の情報を提供する観光情報提供サイトと連携し、かかる観光情報提供サイトから観光施設の情報を取得して利用者に提供することとしている。
【0018】
なお、ここでは、始点および終点についても観光施設の一覧画面から選択することとしたが、これに限ったものではなく、始点および終点は、自宅や現在地あるいは主要な駅等であってもよい。
【0019】
つづいて、本発明に係るルート情報提供手法では、最適ルートの自動作成を行う(同図の(2))。具体的には、本発明に係るルート情報提供手法では、利用者によって選択された中継点の中継順序を所定の条件に従って並び替える。
【0020】
たとえば、本発明に係るルート情報提供手法では、始点から中継点を経て終点へ至るまでの道のりが最短となるように中継点を並び替える。ここでは、同図に示したように、観光施設A→観光施設C→観光施設Fの順で選択された中継点が、観光施設C→観光施設F→観光施設Aの順に並び替えられている。
【0021】
なお、本発明に係るルート情報提供手法では、観光施設の開館時刻や閉館時刻あるいは観光施設での平均滞在時間等を条件に加えて中継順序の並び替えを行うこともできる。かかる点については、実施例において後述することとする。
【0022】
つづいて、本発明に係るルート情報提供手法では、作成したルートに対してルート周辺の店舗情報を付加する(同図の(3)参照)。具体的には、本発明に係るルート情報提供手法では、作成したルートから所定範囲内に位置する店舗の店舗情報を抽出してルート画面上へ表示させる。この結果、同図に示したように、ルート周辺に位置する店舗である店舗1、店舗2をルート画面上に浮上させることができる。
【0023】
なお、本発明に係るルート情報提供手法では、特定地域の店舗に関する情報を提供する店舗情報提供サイトと連携し、かかる店舗情報提供サイトから店舗名や新着情報といった店舗情報を取得してルート画面上へ表示させることとしている。
【0024】
このように、本発明に係るルート情報提供手法では、利用者からの入力操作に応じて始点、終点および中継点を決定し、所定の条件に従って中継点の中継順序を並び替え、並び替え後の中継順序に従って作成されたルートに対してルート周辺の店舗情報を付与することとした。
【0025】
このため、利用者にとっては、観光施設を複数選択したのち、始点と終点を指定するだけの簡単な操作で最適ルートを得ることができるため、使い勝手がよい。しかも、観光施設の情報だけでなくルート周辺の店舗情報も同時に得ることができるため、利用者は、わざわざ店舗情報提供サイト等へアクセスしてルート周辺の店舗を調べるといった煩雑な作業を行う必要もない。
【0026】
一方、店舗情報提供サイトへ加盟している店舗にとっては、本発明に係るルート情報提供手法によって作成されたルート上に自身の店舗が表示されることで、自身の店舗の知名度を上げることができる。特に、本発明に係るルート情報提供手法によれば、他地域から訪れる観光客に対しての知名度を高めることができる。
【0027】
したがって、本発明によれば、利用者の利便性を高めつつ、店舗の集客効果も高めることができる。
【0028】
以下では、図1を用いて説明したルート情報提供手法を適用したルート情報提供装置についての実施例を詳細に説明する。なお、以下では、特定の地域内(たとえば、1都道府県内)の観光施設を巡るルート情報を利用者に対して提供するルート情報提供サーバに対して本発明に係るルート情報提供装置を適用した場合について説明する。
【実施例1】
【0029】
まず、実施例1に係るルート情報提供サーバが接続されるネットワーク環境について図2を用いて説明する。図2は、実施例1に係るルート情報提供サーバが接続されるネットワーク環境を示す図である。
【0030】
同図に示すように、実施例1に係るルート情報提供サーバ1は、観光情報提供サーバ2、店舗情報提供サーバ3、地図情報提供サーバ4、環境情報提供サーバ5、利用者端末6a〜6mおよび業者端末7a〜7nとインターネットなどのネットワークを介して接続される。
【0031】
観光情報提供サーバ2は、特定地域内の観光施設に関する観光情報を宣伝のために公開する機能を提供するサーバである。かかる観光情報提供サーバ2は、ルート情報提供サーバ1からの要求に応じ、ルート情報提供サーバ1に対して観光情報を配信する。なお、観光情報の内容については、図10を用いて後述する。
【0032】
店舗情報提供サーバ3は、店舗を経営する店主や店員、工場や農業の経営者や従業員、各種団体のメンバー等(以下、「業者」と記載する)が、自らの店舗等に関する情報を公開する機能を提供するサーバである。かかる店舗情報提供サーバ3は、ルート情報提供サーバ1からの要求に応じ、ルート情報提供サーバ1に対して店舗情報を配信する。なお、店舗情報の内容についても、図10を用いて後述する。
【0033】
地図情報提供サーバ4は、地図情報を公開する機能を提供するサーバである。かかる地図情報提供サーバ4は、ルート情報提供サーバ1からの要求に応じ、ルート情報提供サーバ1に対して地図情報および道のり情報を配信する。なお、道のり情報とは、任意の2地点間の道のりを示す情報である。
【0034】
環境情報提供サーバ5は、環境情報を公開する機能を提供するサーバである。ここで、環境情報は、天候や日出時刻、日没時刻を含んだ情報である。かかる環境情報提供サーバ5は、ルート情報提供サーバ1からの要求に応じ、ルート情報提供サーバ1に対して環境情報を配信する。
【0035】
利用者端末6a〜6mは、利用者が使用するPC等の端末装置である。また、業者端末7a〜7nは、業者が使用するPC等の端末装置である。なお、以下では、利用者端末6a〜6mのうちの任意の利用者端末6a〜6mを単に「利用者端末6」と記載し、業者端末7a〜7nのうちの任意の業者端末7a〜7nを単に「業者端末7」と記載する。
【0036】
次に、実施例1に係るルート情報提供サーバ1の構成について図3を用いて説明する。図3は、実施例1に係るルート情報提供サーバ1の構成を示すブロック図である。なお、ここでは、ルート情報提供サーバ1の特徴点を説明するために必要と考える構成要素のみを示している。
【0037】
同図に示すように、ルート情報提供サーバ1は、ネットワークIF部11と、記憶部12と、制御部13とを備えている。また、記憶部12は、事前登録情報12aと、作成済ルート情報12bとを記憶している。また、制御部13は、事前登録部13aと、ルート作成部13bと、店舗情報付与部13cと、ルート画面送信部13dとを備えている。ネットワークIF部11は、ネットワークを介して他の装置と通信を行うための各種制御を行う。
【0038】
記憶部12は、各種データを記憶する記憶部である。事前登録情報12aは、観光情報提供サーバ2から取得した観光情報、店舗情報提供サーバ3から取得した店舗情報および地図情報提供サーバ4から取得した道のり情報を保持する。
【0039】
ここで、事前登録情報12aの内容について図4を用いて説明する。図4は、事前登録情報12aの一例を示す図である。なお、同図の(A)には、事前登録情報12aに含まれる各項目の内容を、同図の(B)には、道のり情報の具体的内容を、それぞれ示している。
【0040】
同図の(A)に示したように、事前登録情報12aは、観光情報と店舗情報と道のり情報とを含んでいる。ここで、観光情報は、観光施設名や所在地、滞在時間あるいは開館時間といった項目を含んだ情報である。また、店舗情報は、店舗名や所在地、滞在時間、営業時間あるいは新着情報といった項目を含んだ情報である。なお、観光情報および店舗情報の詳細については、図10を用いて説明する。
【0041】
道のり情報は、各観光施設間の道のり、各店舗間の道のり、各観光施設および各店舗間の道のりを含んだ情報である。具体的には、同図の(B)に示したように、道のり情報は、観光施設ごとに、他の観光施設との間の道のりおよび各店舗との間の道のりを保持する。同様に、道のり情報は、店舗ごとに、他の店舗との間の道のりを保持する。
【0042】
たとえば、同図では、「観光施設A」と「観光施設B」との間の道のりが「1Km」であり、「観光施設A」と「店舗A」との間の道のりが「0.5Km」であることが示されている。
【0043】
図3に戻り、作成済ルート情報12bについて説明する。作成済ルート情報12bは、ルート作成部13bによって作成されたルートのルート情報を所定の識別情報と関連付けて保持する。
【0044】
制御部13は、ルート情報提供サーバ1全体を制御する制御部である。事前登録部13aは、観光情報、店舗情報および道のり情報をそれぞれ観光情報提供サーバ2、店舗情報提供サーバ3および地図情報提供サーバ4から所定のタイミングで取得し、事前登録情報12aとして記憶部12に記憶する処理部である。なお、かかる事前登録情報12aの具体的な処理手順については、図12を用いて後述する。
【0045】
ルート作成部13bは、利用者端末6から取得した入力操作に従って始点、終点および中継点を決定し、事前登録情報12aを参照しつつ中継点の並び替えを行ったうえで、始点から中継点を経て終点へ至るルートを作成する処理部である。また、ルート作成部13bは、作成したルートの表示データ(ルート画面)等を含んだルート情報を所定の識別情報と関連付けて作成済ルート情報12bとして記憶部12に記憶する処理も併せて行う。
【0046】
店舗情報付与部13cは、ルート作成部13bによって作成されたルートのルート情報に対してルート周辺の店舗情報を付与する処理部である。具体的には、店舗情報付与部13cは、ルート作成部13bからルート情報を受け取ると、ルートから所定範囲内に位置する店舗の店舗情報を事前登録情報12aの中から抽出するとともに、抽出した店舗情報をルートの表示データに対して付与する。
【0047】
ルート画面送信部13dは、店舗情報付与部13cによって店舗情報が付与されたルートの表示データ(ルート画面)をネットワークIF部11経由で利用者端末6へ送信する処理部である。この結果、利用者端末6上には、ルート周辺の店舗情報を含んだルート画面が表示されることとなる。なお、かかるルート画面の表示例については、図8を用いて説明することとする。
【0048】
次に、利用者端末6とルート情報提供サーバ1との間で実行される処理手順について説明する。図5は、利用者端末6とルート情報提供サーバ1との間で実行される処理手順を示すシーケンス図である。また、図6は、観光施設一覧画面の表示例および始点・終点選択画面の表示例を示す図である。
【0049】
同図に示すように、ルート情報提供サーバ1は、利用者端末6から観光施設一覧画面要求を受け取ると(ステップS101)、事前登録情報12aから観光情報を取り出し、取り出した観光情報を用いて観光施設一覧画面を生成して利用者端末6へ送信する(ステップS102)。
【0050】
ここで、観光施設一覧画面の表示例を図6の(A)に示す。同図の(A)に示したように、観光施設一覧画面には、事前登録情報12aから取り出した各観光情報に含まれる観光施設名や所在地、開館時間などが表示される。また、観光施設一覧画面には、各観光施設名と対応付けて選択ボタン60a〜60eが表示されている。また、観光施設一覧画面には、観光施設の選択操作を終えた利用者によって押下される「次へ」ボタン61が表示されている。
【0051】
つづいて、利用者端末6は、利用者による観光施設の選択操作を取得すると(ステップS103)、選択された観光施設に対応する観光IDをルート情報提供サーバ1に対して送信する(ステップS104)。また、ルート情報提供サーバ1では、かかる観光IDを登録し(ステップS105)、登録済み通知を利用者端末6へ送信する(ステップS106)。
【0052】
つづいて、利用者端末6は、選択操作が完了したか否かを判定する(ステップS107)。具体的には、利用者端末6は、「次へ」ボタン61が押下されたか否かを判定する。かかる処理において、選択操作が完了していない場合(すなわち、「次へ」ボタン61が押下されていない場合)には(ステップS107、No)、利用者端末6は、処理をステップS103へ移行し、ルート情報提供サーバ1との間でステップS103〜ステップS107までの処理を繰り返す。
【0053】
一方、利用者端末6は、選択操作が完了したと判定した場合(すなわち、「次へ」ボタン61が押下された場合)には(ステップS107、Yes)、ルート情報提供サーバ1に対して始点・終点選択画面要求を送信する(ステップS108)。
【0054】
ここで、ステップS103〜S107までの処理における利用者の操作について、図6の(A)を用いて説明しておく。同図の(A)に示したように、利用者は、観光施設一覧画面に含まれる各観光施設の説明を参照しつつ、立ち寄りたい観光施設があれば、かかる観光施設に対応する選択ボタン60a〜60eをマウス等の入力装置を用いて押下してリストへ追加していく。そして、利用者は、立ち寄りたい全ての観光施設を選択し終えると、「次へ」ボタン61を押下する。
【0055】
つづいて、ルート情報提供サーバ1は、利用者端末6から始点・終点選択画面要求を受信すると、ステップS105において登録した観光IDに基づいて始点・終点選択画面を生成して利用者端末6に対して送信する(ステップS109)。
【0056】
また、利用者端末6は、始点・終点選択画面上で始点および終点の選択操作を取得すると(ステップS110)、始点として選択された観光施設の観光IDおよび終点として選択された観光施設の観光IDを含んだルート作成要求をルート情報提供サーバ1に対して送信する(ステップS111)。
【0057】
ここで、始点・終点選択画面の表示例を図6(B)に示す。同図の(B)に示したように、始点・終点選択画面には、観光施設一覧画面において利用者が選択した観光施設の観光施設名および説明が表示される。また、始点・終点選択画面には、各観光施設と対応付けて、それぞれ始点および終点のチェックボックスが表示されている。また、始点・終点選択画面には、始点および終点の選択操作を終えた利用者によって押下される「最適ルートで並び替え」ボタン63が表示されている。
【0058】
利用者は、かかる始点・終点選択画面において、ルートの始点となる観光施設および終点となる観光施設のチェックボックスをそれぞれ選択する。ここでは、「○○記念館」が始点として選択され、「道の駅「○○○」」が終点として選択されている。そして、利用者は、始点および終点の選択を終えると、「最適ルートで並び替え」ボタン63を押下する。これによって、利用者端末6からルート情報提供サーバ1に対してルート作成要求が送信される。
【0059】
つづいて、ルート情報提供サーバ1は、利用者端末6からルート作成要求を受信すると、ルート作成処理を実行する(ステップS112)。かかるルート作成処理の具体的内容については、図7を用いて後述する。
【0060】
そして、ルート情報提供サーバ1では、ルート作成処理を終えると、ルート画面送信部13dが、ルート画面を利用者端末6へ送信し(ステップS113)、利用者端末6では、受信したルート画面をディスプレイへ表示させて(ステップS114)、処理を終える。
【0061】
次に、ステップS112におけるルート作成処理の具体的内容について図7を用いて説明する。図7は、ルート作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0062】
同図に示すように、ルート情報提供サーバ1では、ルート作成部13bが、始点あるいは終点として選択されなかった観光施設を中継点として決定したうえで、中継点の全並べ替えパターンを生成する(ステップS201)。たとえば、観光施設A、観光施設Bおよび観光施設Cが中継点である場合には、「A→B→C」、「A→C→B」、「B→A→C」、「B→C→A」、「C→A→B」、「C→B→A」を並べ替えパターンとして生成する。
【0063】
つづいて、ルート作成部13bは、各並び替えパターンに対応する始点から終点までの総合距離を事前登録情報12aに含まれる道のり情報を用いて算出し(ステップS202)、総合距離が最短となる並び替えパターンを用いて観光順序情報を生成する(ステップS203)。たとえば、観光施設A、観光施設Bおよび観光施設Cが中継点である場合に、A→C→Bの順で経由するパターンが最短である場合には、「始点→A→C→B→終点」の観光順序に対応する観光順序情報を生成する。
【0064】
つづいて、ルート作成部13bは、生成した観光順序情報を地図情報提供サーバ4へ送信し(ステップS204)、観光順序情報に基づくルート画面を地図情報提供サーバ4から受信する(ステップS205)。なお、ルート情報提供サーバ1では、ルート画面のほかに、ルート上の各地点の位置情報等も地図情報提供サーバ4から受信する。
【0065】
つづいて、ルート情報提供サーバ1では、店舗情報付与部13cが、ルート上の各地点の位置情報を用いて、ルート上から所定範囲内に位置する店舗の店舗情報を事前登録情報12aから抽出し(ステップS206)、抽出した店舗情報をルート画面へ追加して(ステップS207)、処理を終える。なお、ルート画面に対して追加される店舗情報には、店舗の位置情報や店舗名のほかに、かかる店舗の新着情報も含まれる。
【0066】
ここで、ルート画面の表示例を図8に示す。図8は、実施例1に係るルート画面の表示例を示す図である。同図に示すように、ルート画面には、始点から中継点を経て終点へ至る最短ルートが、ルート周辺の店舗とともに表示される。
【0067】
ここで、図6の(B)に示したように、観光施設一覧から観光施設を選択した段階では、「○○○公園」→「○○○寺」→「観光物産館『○○○』」の順で並んでいた中継点が、図8に示したルート画面では、「観光物産館『○○○』」→「○○○寺」→「○○○公園」の順に並べ替えられていることがわかる。すなわち、ユーザは、観光順序を意識せずに観光施設を選択しても、最短ルートのルート画面を得ることができる。
【0068】
また、ルート画面には、周辺店舗として抽出された店舗の店舗情報も併せて表示される。ルート画面には、各周辺店舗の位置を示すピン、各周辺店舗の店舗名および新着情報が表示される。このように、ルート画面には、周辺店舗の店舗名のような静的な情報だけでなく、新着情報といった動的な情報まで表示されるため、利用者にとってより有益な情報を提供することができる。
【0069】
なお、図7では、中継点の全並び替えパターンを生成したうえで、総合距離が最短となる並び替えパターンを選択して最短ルートとする場合について説明したが、これに限ったものではない。たとえば、ルート作成部13bは、始点または中継点からの道のりが最短となる中継点を都度探索することによって最短ルートを決定してもよい。
【0070】
具体的には、ルート作成部13bは、まず、始点との間の道のりが最短である中継点を最初の中継点として選択する。つづいて、ルート作成部13bは、他の中継点がある場合には、最初の中継点として選択した観光施設との間の道のりが最短である中継点を次の中継点として選択する。そして、ルート作成部13bは、全ての中継点を選択し終えると、選択した順序に中継点を経由する観光順序情報を生成する。
【0071】
次に、観光情報提供サーバ2および店舗情報提供サーバ3の構成について図9を用いて説明する。図9は、観光情報提供サーバ2および店舗情報提供サーバ3の構成を示すブロック図である。なお、同図の(A)には、観光情報提供サーバ2の構成を示すブロック図を、同図の(B)には、店舗情報提供サーバ3の構成を示すブロック図をそれぞれ示している。
【0072】
まず、観光情報提供サーバ2の構成について同図の(A)を用いて説明する。同図の(A)に示したように、観光情報提供サーバ2は、ネットワークIF部21と、記憶部22と、制御部23とを備えている。また、記憶部22は、観光情報テーブル22aを記憶し、制御部23は、観光情報送信部23aを備えている。ネットワークIF部21は、ネットワークを介して他の装置と通信を行うための各種制御を行う。
【0073】
観光情報テーブル22aは、観光情報が格納されるテーブルである。なお、観光情報の内容については、図10を用いて説明する。観光情報送信部23aは、ルート情報提供サーバ1からの要求に応じて、観光情報テーブル22aに格納された観光情報をルート情報提供サーバ1に対して送信する処理部である。
【0074】
つづいて、店舗情報提供サーバ3の構成について同図の(B)を用いて説明する。同図の(B)に示したように、店舗情報提供サーバ3は、ネットワークIF部31と、記憶部32と、制御部33とを備えている。また、記憶部32は、業者認証テーブル32aと、店舗情報テーブル32bを記憶し、制御部33は、認証部33aと、店舗情報登録部33bと、店舗情報送信部33cとを備えている。ネットワークIF部31は、ネットワークを介して他の装置と通信を行うための各種制御を行う。
【0075】
業者認証テーブル32aは、ユーザIDやパスワードといった業者の認証に必要な情報を格納するテーブルである。店舗情報テーブル32bは、観光情報が格納されるテーブルである。なお、店舗情報の内容については、図10を用いて説明する。
【0076】
認証部33aは、業者認証テーブル32aを用いて業者を認証する処理部である。店舗情報登録部33bは、認証部33aによって認証された業者から店舗情報を受信した場合に、かかる業者の店舗情報を更新する処理部である。店舗情報送信部33cは、ルート情報提供サーバ1からの要求に応じて、店舗情報テーブル32bに格納された店舗情報をルート情報提供サーバ1に対して送信する処理部である。
【0077】
ここで、観光情報テーブル22aおよび店舗情報テーブル32bの内容について図10を用いて説明する。なお、同図の(A)には、観光情報テーブル22aの一例を、同図の(B)には、店舗情報32bの一例をそれぞれ示している。
【0078】
同図の(A)に示したように、観光情報テーブル22aは、「観光ID」項目、「観光施設名」項目、「説明」項目、「所在地」項目、「平均滞在時間」項目、「開館時間」項目、「ジャンル」項目、「キーワード」項目および「更新日時」項目を含んでおり、観光施設ごとにレコードが登録される。
【0079】
「観光ID」項目は、観光施設を識別するための識別情報である観光IDが格納される項目である。「観光施設名」項目は、観光施設の名称が格納される項目である。「説明」項目は、観光施設の説明文が格納される項目である。「所在地」項目は、観光施設の所在地が格納される項目であり、具体的には、緯度および経度が格納される。
【0080】
「平均滞在時間」項目は、観光施設内を観光するのに要する平均的な滞在時間が格納される項目である。「開館時間」項目は、観光施設の開館時刻および閉館時刻が格納される項目である。「ジャンル」項目は、観光施設のジャンルが格納される項目である。「キーワード」項目は、観光施設に関するキーワードが格納される項目である。「更新日時」項目は、該当するレコードの更新日時が格納される項目である。
【0081】
なお、観光情報には、同図の(A)に示した項目のほかに、観光施設の住所や電話番号、写真あるいはブログRSSのURL等を格納する項目を含んでいてもよい。
【0082】
一方、同図の(B)に示したように、店舗情報テーブル32bは、「店舗ID」項目、「業者ID」項目、「店舗名」項目、「説明」項目、「所在地」項目、「平均滞在時間」項目、「営業時間」項目、「優先度」項目、「新着情報」項目、「ジャンル」項目、「キーワード」項目および「更新日時」項目を含んでおり、店舗ごとにレコードが登録される。
【0083】
「店舗ID」項目は、店舗を識別するための識別情報である店舗IDが格納される項目である。「業者ID」項目は、業者を識別するための識別情報である業者IDが格納される項目である。「店舗名」項目は、店舗の名称が格納される項目である。「説明」項目は、店舗の説明文が格納される項目である。「所在地」項目は、店舗の所在地が格納される項目であり、具体的には、緯度および経度が格納される。
【0084】
「平均滞在時間」項目は、店舗での平均的な滞在時間が格納される項目である。「営業時間」項目は、店舗の開館時刻および閉館時刻が格納される項目である。「優先度」項目は、店舗に対する口コミ数や評価、あるいは、店舗情報提供サービスへの課金の度合等に応じて決定される数値であり、この数値が高いほど優先度が高まる。
【0085】
「新着情報」項目は、タイムセール情報や期間限定の割引情報といった新着情報が格納される項目である。「ジャンル」項目は、店舗のジャンルが格納される項目である。「キーワード」項目は、店舗に関するキーワードが格納される項目である。「更新日時」項目は、該当するレコードの更新日時が格納される項目である。
【0086】
次に、業者端末7と店舗情報提供サーバ3との間で実行される店舗情報の更新処理の処理手順について図11を用いて説明する。図11は、業者端末7と店舗情報提供サーバ3との間で実行される処理手順を示すシーケンス図である。
【0087】
同図に示すように、業者端末7は、業者から店舗情報提供サーバ3へのログイン操作を取得すると(ステップS301)、店舗情報提供サーバ3に対してユーザIDおよびパスワードを含んだ認証要求を送信する(ステップS302)。つづいて、店舗情報提供サーバ3では、認証部33aが、認証処理を行う(ステップS303)。
【0088】
具体的には、認証部33aは、業者端末7から受信したユーザIDとパスワードとの組合せが、業者認証テーブル32aに格納された業者IDおよびパスワードの組合せと一致するか否かを判定し、一致する場合には、業者を認証する。
【0089】
つづいて、店舗情報提供サーバ3では、認証部33aが、業者を認証すると、業者端末7に対して初期画面を送信する(ステップS304)。また、業者端末7は、初期画面を表示した状態で、店舗情報登録画面への移行操作を取得すると(ステップS305)、業者IDおよびユーザIDを含んだ店舗情報登録画面要求を店舗情報提供サーバ3へ送信する(ステップS306)。また、店舗情報提供サーバ3は、業者端末7からの要求に応じて店舗情報登録画面を送信する(ステップS307)。
【0090】
つづいて、業者端末7では、店舗情報の入力操作を取得すると(ステップS308)、かかる店舗情報を店舗情報提供サーバ3へ送信し(ステップS309)、店舗情報提供サーバ3では、店舗情報登録部33bが、受信した店舗情報を用いて店舗情報テーブル32bを更新する(ステップS310)。そして、店舗情報提供サーバ3では、更新後の店舗情報を含んだ店舗情報画面を業者端末7へ送信し(ステップS311)、業者端末7では、受信した店舗情報画面を表示して(ステップS312)、処理を終える。
【0091】
次に、事前登録処理の処理手順について図12を用いて説明する。図12は、事前登録処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【0092】
同図に示すように、ルート情報提供サーバ1では、事前登録部13aが、更新タイミングが到来したか否かを判定し(ステップS401)、到来した場合には(ステップS401、Yes)、まず、観光情報提供サーバ2に対して観光情報要求を送信する(ステップS402)。そして、観光情報提供サーバ2では、観光情報送信部23aが、観光情報をルート情報提供サーバ1へ送信し(ステップS403)、ルート情報提供サーバ1では、事前登録部13aが、受信した観光情報を用いて事前登録情報12aの「観光情報」項目を更新する(ステップS404)。
【0093】
つづいて、ルート情報提供サーバ1では、店舗情報提供サーバ3に対して店舗情報要求を送信する(ステップS405)。そして、店舗情報提供サーバ3では、店舗情報送信部33cが、店舗情報をルート情報提供サーバ1へ送信し(ステップS406)、ルート情報提供サーバ1では、事前登録部13aが、受信した店舗情報を用いて事前登録情報12aの「店舗情報」項目を更新する(ステップS407)。
【0094】
つづいて、ルート情報提供サーバ1では、地図情報提供サーバ4に対し、各観光施設および各店舗の所在地を含んだ道のり情報要求を送信する(ステップS408)。そして、地図情報提供サーバ4では、各観光施設および各店舗の所在地に基づいて道のり情報を生成して(ステップS409)、ルート情報提供サーバ1へ送信し(ステップS410)、ルート情報提供サーバ1では、事前登録部13aが、受信した道のり情報を用いて事前登録情報12aの「道のり情報」項目を更新する(ステップS411)。
【0095】
ステップS411の処理を終えたとき、あるいは、ステップS401において更新タイミングが到来していない場合(ステップS401、No)、事前登録部13aは、ステップS401の処理を繰り返す。
【0096】
なお、ここでは、観光情報提供サーバ2および店舗情報提供サーバ3が、それぞれルート情報提供サーバ1からの要求に応じて情報を配信する場合について説明したが、これに限ったものではない。たとえば、観光情報提供サーバ2および店舗情報提供サーバ3は、それぞれ観光情報および店舗情報が更新されるごとに、更新後の観光情報および店舗情報をルート情報提供サーバ1へ送信してもよい。
【0097】
上述してきたように、実施例1では、ルート作成部13bが、ユーザからの入力操作に応じて始点、終点および中継点を決定し、所定の条件に従って中継点の中継順序を並び替え、並び替えた中継順序に基づいてルートを作成する。そして、実施例1では、店舗情報付与部13cが、ルート作成部13bによって作成されたルートを含んだルート情報に対してルートから所定範囲内に位置する店舗の店舗情報を付与することとした。したがって、利用者の利便性を高めつつ、店舗の集客効果も高めることができる。
【0098】
また、実施例1では、店舗情報付与部13cが、各店舗から提供される新着情報を提供する店舗情報提供サーバ3から、ルートから所定範囲内に位置する店舗の新着情報を取得するとともに、取得した新着情報をさらに含んだ店舗情報をルート情報に対して付与することとした。したがって、利用者にとって有用性の高い情報を提供することができる。
【実施例2】
【0099】
ところで、上述してきた実施例1では、店舗情報がルート作成自体に寄与しない場合について説明してきたが、これに限ったものではなく、店舗情報も考慮に入れてルート作成を行うこととしてもよい。以下では、かかる場合の実施例2について説明する。
【0100】
図13は、実施例2に係るルート情報提供サーバ1の構成を示すブロック図である。同図に示すように、実施例2に係るルート情報提供サーバ1は、周辺店舗抽出部13eとルート補正部13fとをさらに備えている。
【0101】
周辺店舗抽出部13eは、ルート作成部13bによって作成されたルートから第1の距離範囲内に位置する店舗を抽出する処理部である。
【0102】
ルート補正部13fは、周辺店舗抽出部13eによって抽出された店舗の店舗情報に基づき、ルート作成部13bによって作成されたルートを補正する処理部である。具体的には、ルート補正部13fは、周辺店舗抽出部13eによって抽出されなかった店舗のうち所定の条件を満たす店舗を経由するようにルートを補正する。
【0103】
すなわち、ルート補正部13fは、まず、ルートからの距離が第1の距離範囲外である店舗のうち、第1の距離範囲よりも広域な第2の距離範囲内に所在する店舗を抽出する。そして、ルート補正部13fは、抽出した店舗を観光順序に加えた新たな観光順序情報を生成し、地図情報提供サーバ4から補正後のルート画面を取得する。
【0104】
なお、第1の距離範囲に位置する店舗は、たとえば、ルート沿いに位置し、ルートを補正しなくとも容易に立ち寄ることのできる店舗である。また、第2の距離範囲に位置する店舗は、ルート沿いには位置しておらず、他のルートを経由しなければ立ち寄ることのできない店舗である。
【0105】
店舗情報付与部13cは、ルート補正部13fから取得した補正後のルート画面を含んだルート情報に対して周辺店舗抽出部13eによって抽出された店舗の店舗情報を付与する。
【0106】
次に、ルート補正処理の処理手順について図14を用いて説明する。図14は、ルート補正処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、同図に示したルート補正処理は、図7に示したステップS201〜S205の処理に引き続き行われる。
【0107】
図14に示すように、実施例2に係るルート情報提供サーバ1では、地図情報提供サーバ4からルート画面を受信すると、周辺店舗抽出部13eが、ルート上の各地点の位置情報を用い、ルート上から第1の距離範囲内に位置する店舗の店舗情報を事前登録情報12aから抽出する(ステップS501)。
【0108】
つづいて、ルート補正部13fは、周辺店舗抽出部13eによって抽出されなかった店舗であって、ルート作成部13bによって作成されたルートから第2の距離範囲内に位置する店舗を抽出する(ステップS502)。
【0109】
つづいて、ルート補正部13fは、ステップS501およびステップS502において抽出された店舗の中に、同じジャンルの店舗が複数存在するか否かを判定する(ステップS503)。
【0110】
そして、ルート補正部13fは、同じジャンルの店舗が複数存在する場合には(ステップS503、Yes)、各店舗情報に含まれる優先度に応じた優先表示処理を行う(ステップS504)。たとえば、ルート補正部13fは、同じジャンルの店舗のルート画面上での表示順序を優先度が高い順に並び替えたり、優先度が高い店舗がより目立つようにルート画面上での配置や表示方法を変更したりする。なお、ルート補正部13fは、同じジャンルの店舗をルート画面上に一度に表示できない場合には、優先度が低い店舗を表示対象店舗から除外することとしてもよい。
【0111】
このように、同じジャンルの店舗が複数存在する場合に、優先度が高い店舗から優先的に抽出することによって、利用者は、人気度の高い店舗の情報を優先的に得ることができる。
【0112】
つづいて、ルート補正部13fは、ステップS502において抽出された店舗を中継点として加えた観光順序情報をあらたに生成する(ステップS505)。また、ルート補正部13fは、あらたに生成した観光順序情報を地図情報提供サーバ4へ送信し(ステップS506)、送信した観光順序情報に対応するルート画面を地図情報提供サーバ4から受信する(ステップS507)。
【0113】
つづいて、店舗情報付与部13cは、ステップS506において抽出された店舗の店舗情報およびステップS507において抽出された店舗の店舗情報をルート画面へ付与して(ステップS508)、処理を終える。
【0114】
ここで、ルート画面の表示例を図15に示す。図15は、実施例2に係るルート画面の表示例を示す図である。同図に示すように、実施例2に係るルート情報提供サーバ1によって作成されるルート画面には、実施例1に係るルート画面(図8参照)では選択されなかった店舗(周辺店舗3および周辺店舗4)があらたに選択されており、これら周辺店舗3および周辺店舗4を経由するようにルートが補正されている。
【0115】
このように、ルート沿いに所在する店舗だけでなく、ルートから離れた位置に所在する店舗も抽出して浮上させることで、ルートとして選択され易い道路(国道など)沿いの店舗の集客効果だけでなく、ルートとして選択されにくい道路(路地など)沿いに位置する店舗の集客効果も高めることができる。
【0116】
しかも、周辺店舗3や周辺店舗4の店舗情報を単に表示するだけでなく、周辺店舗3や周辺店舗4を経由するようにルートが補正されて表示されるため、利用者がこれらの店舗へ立ち寄る可能性をより一層高めることができる。
【0117】
上述してきたように、実施例2では、周辺店舗抽出部13eが、ルート作成部13bによって作成されたルートから所定範囲内に位置する店舗を抽出し、ルート補正部13fが、周辺店舗抽出部13eによって抽出された店舗の店舗情報に基づいてルート作成部13bによって作成されたルートを補正することとした。したがって、利用者の利便性を高めつつ、店舗の集客効果も高めることができる。
【0118】
また、実施例2では、周辺店舗抽出部13eが、ルート作成部13bによって作成されたルートから第1の距離範囲内に位置する店舗を抽出し、ルート補正部13fが、周辺店舗抽出部13eによって抽出された店舗以外の店舗であって、ルート作成部13bによって作成されたルートから第2の距離範囲内に位置する店舗を抽出するとともに、抽出した店舗を経由するようにルートを補正することとした。したがって、利用者の利便性をさらに高めることができ、かつ、店舗の集客効果もさらに高めることができる。
【0119】
ところで、上述してきた各実施例では、始点から中継点を経て終点へ至るまでの総合距離が最短となるように中継点を並び替える場合について説明してきたが、中継点の並び替えは、これに限ったものではない。たとえば、中継点となる観光施設の開館時間を考慮して並び替えを行うこととしてもよい。
【0120】
以下では、かかる場合におけるルート作成処理の処理手順について図16を用いて説明する。図16は、ルート作成処理の他の処理手順を示すフローチャートである。なお、同図に示す処理は、ステップS201およびステップS202の処理に引き続き行われるものとする。
【0121】
同図に示すように、ルート作成部13bは、ステップS202において各並び替えパターンに対応する総合距離を算出して総合距離が最短となる中継順序を特定すると、各中継点について、到着予想時刻が開館時刻よりも早いか否かを判定する(ステップS601)。
【0122】
なお、ここでは、ルート作成時に利用者が出発予定時刻を入力することで、ルート情報提供サーバ1が、利用者の出発予定時刻を特定しているものとする。また、事前登録情報12aとして記憶される道のり情報には、各観光施設間の道のりだけでなく、各観光施設間の移動に要する時間も含まれているものとする。ルート作成部13bは、利用者の出発予想時刻と各観光施設間の移動に要する時間とを用いて各中継点への到着予想時刻を割り出す。
【0123】
かかる処理において到着予想時刻が開館時刻よりも早い中継点が存在する場合(ステップS601、Yes)、ルート作成部13bは、該当する中継点への到着予想時刻が開館時刻より遅くなるようにかかる中継点の中継順序を繰り下げる(ステップS602)。これによって、利用者が観光施設の開館前に到着してしまい、開館時刻まで無駄な時間を過ごさなければならないといった事態を回避することができる。
【0124】
一方、到着予想時刻が開館時刻よりも早い中継点が存在しない場合(ステップS601、No)、ルート作成部13bは、到着予想時刻が閉館時刻より遅い中継点が存在するか否かを判定する(ステップS603)。そして、到着予想時刻が閉館時刻より遅い中継点が存在する場合には(ステップS603、Yes)、ルート作成部13bは、該当する中継点への到着予想時刻が閉館時刻より早くなるようにかかる中継順序を繰り上げる(ステップS604)。これによって、利用者が観光施設の閉館後に到着してしまい、無駄足となる事態を回避することができる。
【0125】
一方、到着予想時刻が閉館時刻よりも遅い中継点が存在しない場合(ステップS603、No)、ルート作成部13bは、閉館時刻と到着予想時刻との差(すなわち、滞在可能時間)が平均滞在時間よりも短くなる中継点が存在するか否かを判定する(ステップS605)。そして、滞在可能時間が平均滞在時間よりも短くなる中継点が存在する場合には(ステップS605、Yes)、ルート作成部13bは、滞在可能時間が平均滞在時間よりも長くなるように該当する中継点の中継順序を繰り上げる(ステップS604)。これによって、利用者が観光施設の閉館前に到着できた場合であっても、十分な滞在時間が取れずに悔しい思いをするといった事態を回避することができる。
【0126】
ステップS602,S604の処理を終えた場合、あるいは、ステップS605において滞在可能時間が平均滞在時間よりも短くなる中継点が存在しない場合(ステップS605、No)、ルート作成部13bは、ステップS602やステップS604等の処理において並び替えた中継順序に応じた観光順序情報を生成する(ステップS606)。そして、ルート生成部13bは、生成した観光順序情報を地図情報提供サーバ4へ送信し(ステップS607)、対応するルート画面を地図情報提供サーバ4から受信して(ステップS608)、処理を終える。
【0127】
このように、事前登録部13aが、中継点として選択可能な施設に関する情報を提供する観光情報提供サーバ2から各観光施設の開館時刻および閉館時刻を取得し、ルート作成部13bが、中継点への到着予想時刻が当該中継点の開館時刻より早い場合には、当該中継点の中継順序を繰り下げ、中継点への到着予想時刻が当該中継点の閉館時刻より遅い場合には、当該中継点の中継順序を繰り上げることとした。したがって、利用者がより円滑に観光を行うことができるルートを提供することができる。
【0128】
また、事前登録部13aが、観光情報提供サーバ2から各観光施設での平均滞在時間をさらに取得し、ルート作成手段13bが、中継点への到着予想時刻が当該中継点の閉館時刻より早い場合であり、かつ、中継点の閉館時刻と到着予想時刻との差が中継点での平均滞在時間よりも短い場合には、当該中継点の中継順序を繰り上げることとした。したがって、観光施設での滞在時間をより確実に確保できるルートを提供することができる。
【0129】
なお、図16に示した処理手順は、実施例1に係るルート情報提供サーバ1および実施例2に係るルート情報提供サーバ1の何れにおいても実行可能である。また、実施例2に係るルート情報提供サーバ1のように、店舗情報も考慮に入れてルート作成を行う場合には、店舗の営業時間に基づいて店舗の中継順序を変更することとしてもよい。
【0130】
また、実施例2に係るルート情報提供サーバ1では、営業時間およびジャンルの組合せを用いて店舗の中継順序を並び替えてもよい。すなわち、ルート作成部13bは、ジャンルが「食べる」である店舗(すなわち、飲食店)を中継する場合には、昼食や夕食を取る時間帯に当該店舗へ到着するように中継順序を並び替えることとしてもよい。
【0131】
具体的には、ルート補正部13fが、周辺店舗抽出部13eによって抽出された店舗またはルート補正部13fが抽出した店舗が所定のジャンル(たとえば、「食べる」)に属する店舗である場合に、当該店舗への到着予想時刻が、該当するジャンルに応じた時間帯(たとえば、昼食や夕食の時間帯)に含まれるようにルートを補正する。これによって、利用者にとってより有用性の高いルート情報を提供することができる。
【0132】
なお、ルート作成部13bは、環境情報提供サーバ5(図2参照)から提供される環境情報を用いて中継順序の並び替えを行ってもよい。たとえば、ルート作成部13bは、綺麗な夕日を眺められる展望台のような観光施設が中継点として選択されている場合に、環境情報を利用し、かかる観光施設を夕日が眺められる時間帯に経由するように中継順序を並び替えてもよい。
【0133】
また、ルート作成部13bは、旅行当日の天候に応じて中継点を変更することとしてもよい。具体的には、ルート作成部13bは、利用者から旅行予定日の情報を取得するとともに、環境情報提供サーバ5から旅行予定日の天候を含んだ環境情報を取得する。また、ルート作成部13bは、旅行予定日の天候が雨である場合であって、中継点として選択されている観光施設の中に屋外の観光施設が含まれている場合には、屋内で楽しめる観光施設を観光施設一覧の中から抽出して屋外の観光施設と入れ替える。これにより、旅行当日の天候に合った観光施設を経由するルートを利用者に対して提案することができる。
【0134】
ところで、実施例1および実施例2に係るルート情報提供サーバ1は、ルート作成を行った利用者に対し、同一のルートを通った利用者が実際に立ち寄った店舗をおススメ店舗として紹介することとしてもよい。
【0135】
以下、かかる場合について図17を用いて説明する。図17は、ルート情報提供サーバ1の他の動作例を示す図である。
【0136】
利用者は、ルート画面上において周辺店舗の何れかを選択すると、図17の(A)に示したようなクーポン券100が表示された画面を取得できる。かかるクーポン券100は、ルート情報提供サーバ1でルートを作成した利用者に対してのみ提供される専用のクーポン券である。
【0137】
ここで、同図の(A)に示したように、クーポン券100には、QRコード110が表示されている。かかるQRコード110には、ルート作成部13bによって作成された観光順序情報が含まれている。
【0138】
同図の(B)に示すように、利用者は、ルート画面に表示された店舗(たとえば、「喫茶○○」)を実際に訪れた際に、クーポン券100を業者へ提示すると、業者は、業者端末7(ここでは、バーコードリーダ付きの携帯電話機)を用い、QRコード110から観光順序情報を読み取る(同図の(B−1)参照)。
【0139】
また、QRコード110の読み取りを行うと、業者端末7は、読み取った観光順序情報を業者IDとともにルート情報提供サーバ1へ送信する(同図の(B−2)参照)。また、ルート情報提供サーバ1は、作成済ルート情報12bとして記憶されている観光順序情報のうち、業者端末7から受信した観光順序情報と同一の観光順序情報を特定し、特定した観光順序情報に対して業者端末7から受信した業者IDを関連付けて更新する(同図の(B−3)参照)。
【0140】
そして、ルート情報提供サーバ1では、ルート作成部13bが、作成済ルート情報12bに含まれる観光順序情報と同一の観光順序情報を作成した場合に、かかる観光順序情報と関連付けられた業者IDを取り出す。また、店舗情報付与部13cが、かかる業者IDに対応する店舗情報を事前登録情報12aから取り出し、取り出した店舗情報をおススメ店舗情報としてルート画面へ付与する。
【0141】
この結果、同図の(C)に示すように、ルート画面には、過去に同一のルートを通った利用者が実際に立ち寄った店舗がおススメ店舗として表示されることとなる。なお、ここでは、「喫茶○○」がおススメ店舗として表示されている。このように、他の利用者の実績を利用することで、利用者に対して店舗への興味をより強く持たせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0142】
以上のように、本発明に係るルート情報提供装置は、利用者の利便性を高めつつ、店舗の集客効果も高めたい場合に有用であり、特に、複数の観光施設を巡るルートのルート情報を提供する場合に適している。
【符号の説明】
【0143】
1 ルート情報提供サーバ
11 ネットワークIF部
12 記憶部
12a 事前登録情報
12b 作成済ルート情報
13 制御部
13a 事前登録部
13b ルート作成部
13c 店舗情報付与部
13d ルート画面送信部
13e 周辺店舗抽出部
13f ルート補正部
2 観光情報提供サーバ
21 ネットワークIF部
22 記憶部
22a 観光情報テーブル
23 制御部
23a 観光情報送信部
3 店舗情報提供サーバ
31 ネットワークIF部
32 記憶部
32a 業者認証テーブル
32b 店舗情報テーブル
33 制御部
33a 認証部
33b 店舗情報登録部
33c 店舗情報送信部
4 地図情報提供サーバ
5 環境情報提供サーバ
6a〜6m 利用者端末
7a〜7n 業者端末
【技術分野】
【0001】
この発明は、始点から中継点を経て終点へ至るまでのルートに関するルート情報を提供するルート情報提供装置に関し、特に、利用者の利便性を高めつつ、店舗の集客効果も高めることができるルート情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、出発地点から終着地点までのルートを探索してPC(Personal Computer)や携帯端末といった利用者端末上へ表示させるルート情報提供サービスが提供されている。
【0003】
また、かかるルート情報提供サービスでは、出発地点および終着地点だけでなく、終着地点へ至る途中で立ち寄りたい中継地点を利用者に対して指定させることで、中継地点を経由しつつ終着地点へ向かうルートを探索するサービスも提供されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、近年では、店舗を経営する店主や店員、工場や農業の経営者や従業員、各種団体のメンバー等が、営業時間や所在地あるいはタイムセールといった自らの店舗等に関する情報を公開する情報発信サイトも開設されつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−206943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のルート情報提供サービスは、ルートの途中に所在する人気店などの情報を利用者に対して提供することが行われていなかった。
【0007】
このため、利用者は、作成されたルートに沿って旅行を行う場合に、その地域で人気のある店舗がルートの途中に存在していても、その存在を見過ごしてしまうおそれがあった。また、利用者は、ルートの途中で何れかの店舗へ立ち寄りたい場合には、店舗からの情報発信サイト等を別途参照する必要があり、利便性が悪かった。
【0008】
一方、店舗側にとっても、自らの店舗をより多くの人に知ってもらうことで、集客効果を高めたいという要望があった。
【0009】
これらのことから、利用者の利便性を高めつつ、店舗の集客効果も高めることができるルート情報提供装置をいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0010】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、利用者の利便性を高めつつ、店舗の集客効果も高めることができるルート情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、始点から中継点を経て終点へ至るまでのルートに関するルート情報を提供するルート情報提供装置であって、利用者からの入力操作に応じて前記始点、前記終点および前記中継点を決定する決定手段と、所定の条件に従って前記中継点の中継順序を並び替える並び替え手段と、前記並び替え手段によって並び替えられた中継順序に基づいて前記ルートを作成するルート作成手段と、前記ルート作成手段によって作成されたルートを含んだルート情報に対して前記ルートから所定範囲内に位置する店舗の店舗情報を付与する店舗情報付与手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、利用者の利便性を高めつつ、店舗の集客効果も高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明に係るルート情報提供手法の概念図である。
【図2】図2は、実施例1に係るルート情報提供サーバが接続されるネットワーク環境を示す図である。
【図3】図3は、実施例1に係るルート情報提供サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、事前登録情報の一例を示す図である。
【図5】図5は、利用者端末とルート情報提供サーバとの間で実行される処理手順を示すシーケンス図である。
【図6】図6は、観光施設一覧画面の表示例および始点・終点選択画面の表示例を示す図である。
【図7】図7は、ルート作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施例1に係るルート画面の表示例を示す図である。
【図9】図9は、観光情報提供サーバおよび店舗情報提供サーバの構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、観光情報テーブルおよび店舗情報テーブルの一例を示す図である。
【図11】図11は、業者端末と店舗情報提供サーバとの間で実行される処理手順を示すシーケンス図である。
【図12】図12は、事前登録処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【図13】図13は、実施例2に係るルート情報提供サーバの構成を示すブロック図である。
【図14】図14は、ルート補正処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】図15は、実施例2に係るルート画面の表示例を示す図である。
【図16】図16は、ルート作成処理の他の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】図17は、ルート情報提供サーバの他の動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るルート情報提供手法を適用したルート情報提供装置の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係るルート情報提供手法の概念について図1を用いて説明した後に、本発明に係るルート情報提供手法を適用した実施例を図2〜図17を用いて説明することとする。
【0015】
まず、実施例の詳細な説明に先立ち、本発明に係るルート情報提供手法の概念について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係るルート情報提供手法の概念を示す図である。
【0016】
同図に示すように、本発明に係るルート情報提供手法では、まず、利用者が、始点、終点および中継点の選択を行う(同図の(1)参照)。たとえば、利用者は、観光施設の一覧画面の中から始点、終点あるいは中継点の候補となる観光施設を順次追加していき、その後、始点となる観光施設と終点となる観光施設を指定する。
【0017】
ここで、本発明に係るルート情報提供手法では、特定地域に存在する観光施設の情報を提供する観光情報提供サイトと連携し、かかる観光情報提供サイトから観光施設の情報を取得して利用者に提供することとしている。
【0018】
なお、ここでは、始点および終点についても観光施設の一覧画面から選択することとしたが、これに限ったものではなく、始点および終点は、自宅や現在地あるいは主要な駅等であってもよい。
【0019】
つづいて、本発明に係るルート情報提供手法では、最適ルートの自動作成を行う(同図の(2))。具体的には、本発明に係るルート情報提供手法では、利用者によって選択された中継点の中継順序を所定の条件に従って並び替える。
【0020】
たとえば、本発明に係るルート情報提供手法では、始点から中継点を経て終点へ至るまでの道のりが最短となるように中継点を並び替える。ここでは、同図に示したように、観光施設A→観光施設C→観光施設Fの順で選択された中継点が、観光施設C→観光施設F→観光施設Aの順に並び替えられている。
【0021】
なお、本発明に係るルート情報提供手法では、観光施設の開館時刻や閉館時刻あるいは観光施設での平均滞在時間等を条件に加えて中継順序の並び替えを行うこともできる。かかる点については、実施例において後述することとする。
【0022】
つづいて、本発明に係るルート情報提供手法では、作成したルートに対してルート周辺の店舗情報を付加する(同図の(3)参照)。具体的には、本発明に係るルート情報提供手法では、作成したルートから所定範囲内に位置する店舗の店舗情報を抽出してルート画面上へ表示させる。この結果、同図に示したように、ルート周辺に位置する店舗である店舗1、店舗2をルート画面上に浮上させることができる。
【0023】
なお、本発明に係るルート情報提供手法では、特定地域の店舗に関する情報を提供する店舗情報提供サイトと連携し、かかる店舗情報提供サイトから店舗名や新着情報といった店舗情報を取得してルート画面上へ表示させることとしている。
【0024】
このように、本発明に係るルート情報提供手法では、利用者からの入力操作に応じて始点、終点および中継点を決定し、所定の条件に従って中継点の中継順序を並び替え、並び替え後の中継順序に従って作成されたルートに対してルート周辺の店舗情報を付与することとした。
【0025】
このため、利用者にとっては、観光施設を複数選択したのち、始点と終点を指定するだけの簡単な操作で最適ルートを得ることができるため、使い勝手がよい。しかも、観光施設の情報だけでなくルート周辺の店舗情報も同時に得ることができるため、利用者は、わざわざ店舗情報提供サイト等へアクセスしてルート周辺の店舗を調べるといった煩雑な作業を行う必要もない。
【0026】
一方、店舗情報提供サイトへ加盟している店舗にとっては、本発明に係るルート情報提供手法によって作成されたルート上に自身の店舗が表示されることで、自身の店舗の知名度を上げることができる。特に、本発明に係るルート情報提供手法によれば、他地域から訪れる観光客に対しての知名度を高めることができる。
【0027】
したがって、本発明によれば、利用者の利便性を高めつつ、店舗の集客効果も高めることができる。
【0028】
以下では、図1を用いて説明したルート情報提供手法を適用したルート情報提供装置についての実施例を詳細に説明する。なお、以下では、特定の地域内(たとえば、1都道府県内)の観光施設を巡るルート情報を利用者に対して提供するルート情報提供サーバに対して本発明に係るルート情報提供装置を適用した場合について説明する。
【実施例1】
【0029】
まず、実施例1に係るルート情報提供サーバが接続されるネットワーク環境について図2を用いて説明する。図2は、実施例1に係るルート情報提供サーバが接続されるネットワーク環境を示す図である。
【0030】
同図に示すように、実施例1に係るルート情報提供サーバ1は、観光情報提供サーバ2、店舗情報提供サーバ3、地図情報提供サーバ4、環境情報提供サーバ5、利用者端末6a〜6mおよび業者端末7a〜7nとインターネットなどのネットワークを介して接続される。
【0031】
観光情報提供サーバ2は、特定地域内の観光施設に関する観光情報を宣伝のために公開する機能を提供するサーバである。かかる観光情報提供サーバ2は、ルート情報提供サーバ1からの要求に応じ、ルート情報提供サーバ1に対して観光情報を配信する。なお、観光情報の内容については、図10を用いて後述する。
【0032】
店舗情報提供サーバ3は、店舗を経営する店主や店員、工場や農業の経営者や従業員、各種団体のメンバー等(以下、「業者」と記載する)が、自らの店舗等に関する情報を公開する機能を提供するサーバである。かかる店舗情報提供サーバ3は、ルート情報提供サーバ1からの要求に応じ、ルート情報提供サーバ1に対して店舗情報を配信する。なお、店舗情報の内容についても、図10を用いて後述する。
【0033】
地図情報提供サーバ4は、地図情報を公開する機能を提供するサーバである。かかる地図情報提供サーバ4は、ルート情報提供サーバ1からの要求に応じ、ルート情報提供サーバ1に対して地図情報および道のり情報を配信する。なお、道のり情報とは、任意の2地点間の道のりを示す情報である。
【0034】
環境情報提供サーバ5は、環境情報を公開する機能を提供するサーバである。ここで、環境情報は、天候や日出時刻、日没時刻を含んだ情報である。かかる環境情報提供サーバ5は、ルート情報提供サーバ1からの要求に応じ、ルート情報提供サーバ1に対して環境情報を配信する。
【0035】
利用者端末6a〜6mは、利用者が使用するPC等の端末装置である。また、業者端末7a〜7nは、業者が使用するPC等の端末装置である。なお、以下では、利用者端末6a〜6mのうちの任意の利用者端末6a〜6mを単に「利用者端末6」と記載し、業者端末7a〜7nのうちの任意の業者端末7a〜7nを単に「業者端末7」と記載する。
【0036】
次に、実施例1に係るルート情報提供サーバ1の構成について図3を用いて説明する。図3は、実施例1に係るルート情報提供サーバ1の構成を示すブロック図である。なお、ここでは、ルート情報提供サーバ1の特徴点を説明するために必要と考える構成要素のみを示している。
【0037】
同図に示すように、ルート情報提供サーバ1は、ネットワークIF部11と、記憶部12と、制御部13とを備えている。また、記憶部12は、事前登録情報12aと、作成済ルート情報12bとを記憶している。また、制御部13は、事前登録部13aと、ルート作成部13bと、店舗情報付与部13cと、ルート画面送信部13dとを備えている。ネットワークIF部11は、ネットワークを介して他の装置と通信を行うための各種制御を行う。
【0038】
記憶部12は、各種データを記憶する記憶部である。事前登録情報12aは、観光情報提供サーバ2から取得した観光情報、店舗情報提供サーバ3から取得した店舗情報および地図情報提供サーバ4から取得した道のり情報を保持する。
【0039】
ここで、事前登録情報12aの内容について図4を用いて説明する。図4は、事前登録情報12aの一例を示す図である。なお、同図の(A)には、事前登録情報12aに含まれる各項目の内容を、同図の(B)には、道のり情報の具体的内容を、それぞれ示している。
【0040】
同図の(A)に示したように、事前登録情報12aは、観光情報と店舗情報と道のり情報とを含んでいる。ここで、観光情報は、観光施設名や所在地、滞在時間あるいは開館時間といった項目を含んだ情報である。また、店舗情報は、店舗名や所在地、滞在時間、営業時間あるいは新着情報といった項目を含んだ情報である。なお、観光情報および店舗情報の詳細については、図10を用いて説明する。
【0041】
道のり情報は、各観光施設間の道のり、各店舗間の道のり、各観光施設および各店舗間の道のりを含んだ情報である。具体的には、同図の(B)に示したように、道のり情報は、観光施設ごとに、他の観光施設との間の道のりおよび各店舗との間の道のりを保持する。同様に、道のり情報は、店舗ごとに、他の店舗との間の道のりを保持する。
【0042】
たとえば、同図では、「観光施設A」と「観光施設B」との間の道のりが「1Km」であり、「観光施設A」と「店舗A」との間の道のりが「0.5Km」であることが示されている。
【0043】
図3に戻り、作成済ルート情報12bについて説明する。作成済ルート情報12bは、ルート作成部13bによって作成されたルートのルート情報を所定の識別情報と関連付けて保持する。
【0044】
制御部13は、ルート情報提供サーバ1全体を制御する制御部である。事前登録部13aは、観光情報、店舗情報および道のり情報をそれぞれ観光情報提供サーバ2、店舗情報提供サーバ3および地図情報提供サーバ4から所定のタイミングで取得し、事前登録情報12aとして記憶部12に記憶する処理部である。なお、かかる事前登録情報12aの具体的な処理手順については、図12を用いて後述する。
【0045】
ルート作成部13bは、利用者端末6から取得した入力操作に従って始点、終点および中継点を決定し、事前登録情報12aを参照しつつ中継点の並び替えを行ったうえで、始点から中継点を経て終点へ至るルートを作成する処理部である。また、ルート作成部13bは、作成したルートの表示データ(ルート画面)等を含んだルート情報を所定の識別情報と関連付けて作成済ルート情報12bとして記憶部12に記憶する処理も併せて行う。
【0046】
店舗情報付与部13cは、ルート作成部13bによって作成されたルートのルート情報に対してルート周辺の店舗情報を付与する処理部である。具体的には、店舗情報付与部13cは、ルート作成部13bからルート情報を受け取ると、ルートから所定範囲内に位置する店舗の店舗情報を事前登録情報12aの中から抽出するとともに、抽出した店舗情報をルートの表示データに対して付与する。
【0047】
ルート画面送信部13dは、店舗情報付与部13cによって店舗情報が付与されたルートの表示データ(ルート画面)をネットワークIF部11経由で利用者端末6へ送信する処理部である。この結果、利用者端末6上には、ルート周辺の店舗情報を含んだルート画面が表示されることとなる。なお、かかるルート画面の表示例については、図8を用いて説明することとする。
【0048】
次に、利用者端末6とルート情報提供サーバ1との間で実行される処理手順について説明する。図5は、利用者端末6とルート情報提供サーバ1との間で実行される処理手順を示すシーケンス図である。また、図6は、観光施設一覧画面の表示例および始点・終点選択画面の表示例を示す図である。
【0049】
同図に示すように、ルート情報提供サーバ1は、利用者端末6から観光施設一覧画面要求を受け取ると(ステップS101)、事前登録情報12aから観光情報を取り出し、取り出した観光情報を用いて観光施設一覧画面を生成して利用者端末6へ送信する(ステップS102)。
【0050】
ここで、観光施設一覧画面の表示例を図6の(A)に示す。同図の(A)に示したように、観光施設一覧画面には、事前登録情報12aから取り出した各観光情報に含まれる観光施設名や所在地、開館時間などが表示される。また、観光施設一覧画面には、各観光施設名と対応付けて選択ボタン60a〜60eが表示されている。また、観光施設一覧画面には、観光施設の選択操作を終えた利用者によって押下される「次へ」ボタン61が表示されている。
【0051】
つづいて、利用者端末6は、利用者による観光施設の選択操作を取得すると(ステップS103)、選択された観光施設に対応する観光IDをルート情報提供サーバ1に対して送信する(ステップS104)。また、ルート情報提供サーバ1では、かかる観光IDを登録し(ステップS105)、登録済み通知を利用者端末6へ送信する(ステップS106)。
【0052】
つづいて、利用者端末6は、選択操作が完了したか否かを判定する(ステップS107)。具体的には、利用者端末6は、「次へ」ボタン61が押下されたか否かを判定する。かかる処理において、選択操作が完了していない場合(すなわち、「次へ」ボタン61が押下されていない場合)には(ステップS107、No)、利用者端末6は、処理をステップS103へ移行し、ルート情報提供サーバ1との間でステップS103〜ステップS107までの処理を繰り返す。
【0053】
一方、利用者端末6は、選択操作が完了したと判定した場合(すなわち、「次へ」ボタン61が押下された場合)には(ステップS107、Yes)、ルート情報提供サーバ1に対して始点・終点選択画面要求を送信する(ステップS108)。
【0054】
ここで、ステップS103〜S107までの処理における利用者の操作について、図6の(A)を用いて説明しておく。同図の(A)に示したように、利用者は、観光施設一覧画面に含まれる各観光施設の説明を参照しつつ、立ち寄りたい観光施設があれば、かかる観光施設に対応する選択ボタン60a〜60eをマウス等の入力装置を用いて押下してリストへ追加していく。そして、利用者は、立ち寄りたい全ての観光施設を選択し終えると、「次へ」ボタン61を押下する。
【0055】
つづいて、ルート情報提供サーバ1は、利用者端末6から始点・終点選択画面要求を受信すると、ステップS105において登録した観光IDに基づいて始点・終点選択画面を生成して利用者端末6に対して送信する(ステップS109)。
【0056】
また、利用者端末6は、始点・終点選択画面上で始点および終点の選択操作を取得すると(ステップS110)、始点として選択された観光施設の観光IDおよび終点として選択された観光施設の観光IDを含んだルート作成要求をルート情報提供サーバ1に対して送信する(ステップS111)。
【0057】
ここで、始点・終点選択画面の表示例を図6(B)に示す。同図の(B)に示したように、始点・終点選択画面には、観光施設一覧画面において利用者が選択した観光施設の観光施設名および説明が表示される。また、始点・終点選択画面には、各観光施設と対応付けて、それぞれ始点および終点のチェックボックスが表示されている。また、始点・終点選択画面には、始点および終点の選択操作を終えた利用者によって押下される「最適ルートで並び替え」ボタン63が表示されている。
【0058】
利用者は、かかる始点・終点選択画面において、ルートの始点となる観光施設および終点となる観光施設のチェックボックスをそれぞれ選択する。ここでは、「○○記念館」が始点として選択され、「道の駅「○○○」」が終点として選択されている。そして、利用者は、始点および終点の選択を終えると、「最適ルートで並び替え」ボタン63を押下する。これによって、利用者端末6からルート情報提供サーバ1に対してルート作成要求が送信される。
【0059】
つづいて、ルート情報提供サーバ1は、利用者端末6からルート作成要求を受信すると、ルート作成処理を実行する(ステップS112)。かかるルート作成処理の具体的内容については、図7を用いて後述する。
【0060】
そして、ルート情報提供サーバ1では、ルート作成処理を終えると、ルート画面送信部13dが、ルート画面を利用者端末6へ送信し(ステップS113)、利用者端末6では、受信したルート画面をディスプレイへ表示させて(ステップS114)、処理を終える。
【0061】
次に、ステップS112におけるルート作成処理の具体的内容について図7を用いて説明する。図7は、ルート作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0062】
同図に示すように、ルート情報提供サーバ1では、ルート作成部13bが、始点あるいは終点として選択されなかった観光施設を中継点として決定したうえで、中継点の全並べ替えパターンを生成する(ステップS201)。たとえば、観光施設A、観光施設Bおよび観光施設Cが中継点である場合には、「A→B→C」、「A→C→B」、「B→A→C」、「B→C→A」、「C→A→B」、「C→B→A」を並べ替えパターンとして生成する。
【0063】
つづいて、ルート作成部13bは、各並び替えパターンに対応する始点から終点までの総合距離を事前登録情報12aに含まれる道のり情報を用いて算出し(ステップS202)、総合距離が最短となる並び替えパターンを用いて観光順序情報を生成する(ステップS203)。たとえば、観光施設A、観光施設Bおよび観光施設Cが中継点である場合に、A→C→Bの順で経由するパターンが最短である場合には、「始点→A→C→B→終点」の観光順序に対応する観光順序情報を生成する。
【0064】
つづいて、ルート作成部13bは、生成した観光順序情報を地図情報提供サーバ4へ送信し(ステップS204)、観光順序情報に基づくルート画面を地図情報提供サーバ4から受信する(ステップS205)。なお、ルート情報提供サーバ1では、ルート画面のほかに、ルート上の各地点の位置情報等も地図情報提供サーバ4から受信する。
【0065】
つづいて、ルート情報提供サーバ1では、店舗情報付与部13cが、ルート上の各地点の位置情報を用いて、ルート上から所定範囲内に位置する店舗の店舗情報を事前登録情報12aから抽出し(ステップS206)、抽出した店舗情報をルート画面へ追加して(ステップS207)、処理を終える。なお、ルート画面に対して追加される店舗情報には、店舗の位置情報や店舗名のほかに、かかる店舗の新着情報も含まれる。
【0066】
ここで、ルート画面の表示例を図8に示す。図8は、実施例1に係るルート画面の表示例を示す図である。同図に示すように、ルート画面には、始点から中継点を経て終点へ至る最短ルートが、ルート周辺の店舗とともに表示される。
【0067】
ここで、図6の(B)に示したように、観光施設一覧から観光施設を選択した段階では、「○○○公園」→「○○○寺」→「観光物産館『○○○』」の順で並んでいた中継点が、図8に示したルート画面では、「観光物産館『○○○』」→「○○○寺」→「○○○公園」の順に並べ替えられていることがわかる。すなわち、ユーザは、観光順序を意識せずに観光施設を選択しても、最短ルートのルート画面を得ることができる。
【0068】
また、ルート画面には、周辺店舗として抽出された店舗の店舗情報も併せて表示される。ルート画面には、各周辺店舗の位置を示すピン、各周辺店舗の店舗名および新着情報が表示される。このように、ルート画面には、周辺店舗の店舗名のような静的な情報だけでなく、新着情報といった動的な情報まで表示されるため、利用者にとってより有益な情報を提供することができる。
【0069】
なお、図7では、中継点の全並び替えパターンを生成したうえで、総合距離が最短となる並び替えパターンを選択して最短ルートとする場合について説明したが、これに限ったものではない。たとえば、ルート作成部13bは、始点または中継点からの道のりが最短となる中継点を都度探索することによって最短ルートを決定してもよい。
【0070】
具体的には、ルート作成部13bは、まず、始点との間の道のりが最短である中継点を最初の中継点として選択する。つづいて、ルート作成部13bは、他の中継点がある場合には、最初の中継点として選択した観光施設との間の道のりが最短である中継点を次の中継点として選択する。そして、ルート作成部13bは、全ての中継点を選択し終えると、選択した順序に中継点を経由する観光順序情報を生成する。
【0071】
次に、観光情報提供サーバ2および店舗情報提供サーバ3の構成について図9を用いて説明する。図9は、観光情報提供サーバ2および店舗情報提供サーバ3の構成を示すブロック図である。なお、同図の(A)には、観光情報提供サーバ2の構成を示すブロック図を、同図の(B)には、店舗情報提供サーバ3の構成を示すブロック図をそれぞれ示している。
【0072】
まず、観光情報提供サーバ2の構成について同図の(A)を用いて説明する。同図の(A)に示したように、観光情報提供サーバ2は、ネットワークIF部21と、記憶部22と、制御部23とを備えている。また、記憶部22は、観光情報テーブル22aを記憶し、制御部23は、観光情報送信部23aを備えている。ネットワークIF部21は、ネットワークを介して他の装置と通信を行うための各種制御を行う。
【0073】
観光情報テーブル22aは、観光情報が格納されるテーブルである。なお、観光情報の内容については、図10を用いて説明する。観光情報送信部23aは、ルート情報提供サーバ1からの要求に応じて、観光情報テーブル22aに格納された観光情報をルート情報提供サーバ1に対して送信する処理部である。
【0074】
つづいて、店舗情報提供サーバ3の構成について同図の(B)を用いて説明する。同図の(B)に示したように、店舗情報提供サーバ3は、ネットワークIF部31と、記憶部32と、制御部33とを備えている。また、記憶部32は、業者認証テーブル32aと、店舗情報テーブル32bを記憶し、制御部33は、認証部33aと、店舗情報登録部33bと、店舗情報送信部33cとを備えている。ネットワークIF部31は、ネットワークを介して他の装置と通信を行うための各種制御を行う。
【0075】
業者認証テーブル32aは、ユーザIDやパスワードといった業者の認証に必要な情報を格納するテーブルである。店舗情報テーブル32bは、観光情報が格納されるテーブルである。なお、店舗情報の内容については、図10を用いて説明する。
【0076】
認証部33aは、業者認証テーブル32aを用いて業者を認証する処理部である。店舗情報登録部33bは、認証部33aによって認証された業者から店舗情報を受信した場合に、かかる業者の店舗情報を更新する処理部である。店舗情報送信部33cは、ルート情報提供サーバ1からの要求に応じて、店舗情報テーブル32bに格納された店舗情報をルート情報提供サーバ1に対して送信する処理部である。
【0077】
ここで、観光情報テーブル22aおよび店舗情報テーブル32bの内容について図10を用いて説明する。なお、同図の(A)には、観光情報テーブル22aの一例を、同図の(B)には、店舗情報32bの一例をそれぞれ示している。
【0078】
同図の(A)に示したように、観光情報テーブル22aは、「観光ID」項目、「観光施設名」項目、「説明」項目、「所在地」項目、「平均滞在時間」項目、「開館時間」項目、「ジャンル」項目、「キーワード」項目および「更新日時」項目を含んでおり、観光施設ごとにレコードが登録される。
【0079】
「観光ID」項目は、観光施設を識別するための識別情報である観光IDが格納される項目である。「観光施設名」項目は、観光施設の名称が格納される項目である。「説明」項目は、観光施設の説明文が格納される項目である。「所在地」項目は、観光施設の所在地が格納される項目であり、具体的には、緯度および経度が格納される。
【0080】
「平均滞在時間」項目は、観光施設内を観光するのに要する平均的な滞在時間が格納される項目である。「開館時間」項目は、観光施設の開館時刻および閉館時刻が格納される項目である。「ジャンル」項目は、観光施設のジャンルが格納される項目である。「キーワード」項目は、観光施設に関するキーワードが格納される項目である。「更新日時」項目は、該当するレコードの更新日時が格納される項目である。
【0081】
なお、観光情報には、同図の(A)に示した項目のほかに、観光施設の住所や電話番号、写真あるいはブログRSSのURL等を格納する項目を含んでいてもよい。
【0082】
一方、同図の(B)に示したように、店舗情報テーブル32bは、「店舗ID」項目、「業者ID」項目、「店舗名」項目、「説明」項目、「所在地」項目、「平均滞在時間」項目、「営業時間」項目、「優先度」項目、「新着情報」項目、「ジャンル」項目、「キーワード」項目および「更新日時」項目を含んでおり、店舗ごとにレコードが登録される。
【0083】
「店舗ID」項目は、店舗を識別するための識別情報である店舗IDが格納される項目である。「業者ID」項目は、業者を識別するための識別情報である業者IDが格納される項目である。「店舗名」項目は、店舗の名称が格納される項目である。「説明」項目は、店舗の説明文が格納される項目である。「所在地」項目は、店舗の所在地が格納される項目であり、具体的には、緯度および経度が格納される。
【0084】
「平均滞在時間」項目は、店舗での平均的な滞在時間が格納される項目である。「営業時間」項目は、店舗の開館時刻および閉館時刻が格納される項目である。「優先度」項目は、店舗に対する口コミ数や評価、あるいは、店舗情報提供サービスへの課金の度合等に応じて決定される数値であり、この数値が高いほど優先度が高まる。
【0085】
「新着情報」項目は、タイムセール情報や期間限定の割引情報といった新着情報が格納される項目である。「ジャンル」項目は、店舗のジャンルが格納される項目である。「キーワード」項目は、店舗に関するキーワードが格納される項目である。「更新日時」項目は、該当するレコードの更新日時が格納される項目である。
【0086】
次に、業者端末7と店舗情報提供サーバ3との間で実行される店舗情報の更新処理の処理手順について図11を用いて説明する。図11は、業者端末7と店舗情報提供サーバ3との間で実行される処理手順を示すシーケンス図である。
【0087】
同図に示すように、業者端末7は、業者から店舗情報提供サーバ3へのログイン操作を取得すると(ステップS301)、店舗情報提供サーバ3に対してユーザIDおよびパスワードを含んだ認証要求を送信する(ステップS302)。つづいて、店舗情報提供サーバ3では、認証部33aが、認証処理を行う(ステップS303)。
【0088】
具体的には、認証部33aは、業者端末7から受信したユーザIDとパスワードとの組合せが、業者認証テーブル32aに格納された業者IDおよびパスワードの組合せと一致するか否かを判定し、一致する場合には、業者を認証する。
【0089】
つづいて、店舗情報提供サーバ3では、認証部33aが、業者を認証すると、業者端末7に対して初期画面を送信する(ステップS304)。また、業者端末7は、初期画面を表示した状態で、店舗情報登録画面への移行操作を取得すると(ステップS305)、業者IDおよびユーザIDを含んだ店舗情報登録画面要求を店舗情報提供サーバ3へ送信する(ステップS306)。また、店舗情報提供サーバ3は、業者端末7からの要求に応じて店舗情報登録画面を送信する(ステップS307)。
【0090】
つづいて、業者端末7では、店舗情報の入力操作を取得すると(ステップS308)、かかる店舗情報を店舗情報提供サーバ3へ送信し(ステップS309)、店舗情報提供サーバ3では、店舗情報登録部33bが、受信した店舗情報を用いて店舗情報テーブル32bを更新する(ステップS310)。そして、店舗情報提供サーバ3では、更新後の店舗情報を含んだ店舗情報画面を業者端末7へ送信し(ステップS311)、業者端末7では、受信した店舗情報画面を表示して(ステップS312)、処理を終える。
【0091】
次に、事前登録処理の処理手順について図12を用いて説明する。図12は、事前登録処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【0092】
同図に示すように、ルート情報提供サーバ1では、事前登録部13aが、更新タイミングが到来したか否かを判定し(ステップS401)、到来した場合には(ステップS401、Yes)、まず、観光情報提供サーバ2に対して観光情報要求を送信する(ステップS402)。そして、観光情報提供サーバ2では、観光情報送信部23aが、観光情報をルート情報提供サーバ1へ送信し(ステップS403)、ルート情報提供サーバ1では、事前登録部13aが、受信した観光情報を用いて事前登録情報12aの「観光情報」項目を更新する(ステップS404)。
【0093】
つづいて、ルート情報提供サーバ1では、店舗情報提供サーバ3に対して店舗情報要求を送信する(ステップS405)。そして、店舗情報提供サーバ3では、店舗情報送信部33cが、店舗情報をルート情報提供サーバ1へ送信し(ステップS406)、ルート情報提供サーバ1では、事前登録部13aが、受信した店舗情報を用いて事前登録情報12aの「店舗情報」項目を更新する(ステップS407)。
【0094】
つづいて、ルート情報提供サーバ1では、地図情報提供サーバ4に対し、各観光施設および各店舗の所在地を含んだ道のり情報要求を送信する(ステップS408)。そして、地図情報提供サーバ4では、各観光施設および各店舗の所在地に基づいて道のり情報を生成して(ステップS409)、ルート情報提供サーバ1へ送信し(ステップS410)、ルート情報提供サーバ1では、事前登録部13aが、受信した道のり情報を用いて事前登録情報12aの「道のり情報」項目を更新する(ステップS411)。
【0095】
ステップS411の処理を終えたとき、あるいは、ステップS401において更新タイミングが到来していない場合(ステップS401、No)、事前登録部13aは、ステップS401の処理を繰り返す。
【0096】
なお、ここでは、観光情報提供サーバ2および店舗情報提供サーバ3が、それぞれルート情報提供サーバ1からの要求に応じて情報を配信する場合について説明したが、これに限ったものではない。たとえば、観光情報提供サーバ2および店舗情報提供サーバ3は、それぞれ観光情報および店舗情報が更新されるごとに、更新後の観光情報および店舗情報をルート情報提供サーバ1へ送信してもよい。
【0097】
上述してきたように、実施例1では、ルート作成部13bが、ユーザからの入力操作に応じて始点、終点および中継点を決定し、所定の条件に従って中継点の中継順序を並び替え、並び替えた中継順序に基づいてルートを作成する。そして、実施例1では、店舗情報付与部13cが、ルート作成部13bによって作成されたルートを含んだルート情報に対してルートから所定範囲内に位置する店舗の店舗情報を付与することとした。したがって、利用者の利便性を高めつつ、店舗の集客効果も高めることができる。
【0098】
また、実施例1では、店舗情報付与部13cが、各店舗から提供される新着情報を提供する店舗情報提供サーバ3から、ルートから所定範囲内に位置する店舗の新着情報を取得するとともに、取得した新着情報をさらに含んだ店舗情報をルート情報に対して付与することとした。したがって、利用者にとって有用性の高い情報を提供することができる。
【実施例2】
【0099】
ところで、上述してきた実施例1では、店舗情報がルート作成自体に寄与しない場合について説明してきたが、これに限ったものではなく、店舗情報も考慮に入れてルート作成を行うこととしてもよい。以下では、かかる場合の実施例2について説明する。
【0100】
図13は、実施例2に係るルート情報提供サーバ1の構成を示すブロック図である。同図に示すように、実施例2に係るルート情報提供サーバ1は、周辺店舗抽出部13eとルート補正部13fとをさらに備えている。
【0101】
周辺店舗抽出部13eは、ルート作成部13bによって作成されたルートから第1の距離範囲内に位置する店舗を抽出する処理部である。
【0102】
ルート補正部13fは、周辺店舗抽出部13eによって抽出された店舗の店舗情報に基づき、ルート作成部13bによって作成されたルートを補正する処理部である。具体的には、ルート補正部13fは、周辺店舗抽出部13eによって抽出されなかった店舗のうち所定の条件を満たす店舗を経由するようにルートを補正する。
【0103】
すなわち、ルート補正部13fは、まず、ルートからの距離が第1の距離範囲外である店舗のうち、第1の距離範囲よりも広域な第2の距離範囲内に所在する店舗を抽出する。そして、ルート補正部13fは、抽出した店舗を観光順序に加えた新たな観光順序情報を生成し、地図情報提供サーバ4から補正後のルート画面を取得する。
【0104】
なお、第1の距離範囲に位置する店舗は、たとえば、ルート沿いに位置し、ルートを補正しなくとも容易に立ち寄ることのできる店舗である。また、第2の距離範囲に位置する店舗は、ルート沿いには位置しておらず、他のルートを経由しなければ立ち寄ることのできない店舗である。
【0105】
店舗情報付与部13cは、ルート補正部13fから取得した補正後のルート画面を含んだルート情報に対して周辺店舗抽出部13eによって抽出された店舗の店舗情報を付与する。
【0106】
次に、ルート補正処理の処理手順について図14を用いて説明する。図14は、ルート補正処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、同図に示したルート補正処理は、図7に示したステップS201〜S205の処理に引き続き行われる。
【0107】
図14に示すように、実施例2に係るルート情報提供サーバ1では、地図情報提供サーバ4からルート画面を受信すると、周辺店舗抽出部13eが、ルート上の各地点の位置情報を用い、ルート上から第1の距離範囲内に位置する店舗の店舗情報を事前登録情報12aから抽出する(ステップS501)。
【0108】
つづいて、ルート補正部13fは、周辺店舗抽出部13eによって抽出されなかった店舗であって、ルート作成部13bによって作成されたルートから第2の距離範囲内に位置する店舗を抽出する(ステップS502)。
【0109】
つづいて、ルート補正部13fは、ステップS501およびステップS502において抽出された店舗の中に、同じジャンルの店舗が複数存在するか否かを判定する(ステップS503)。
【0110】
そして、ルート補正部13fは、同じジャンルの店舗が複数存在する場合には(ステップS503、Yes)、各店舗情報に含まれる優先度に応じた優先表示処理を行う(ステップS504)。たとえば、ルート補正部13fは、同じジャンルの店舗のルート画面上での表示順序を優先度が高い順に並び替えたり、優先度が高い店舗がより目立つようにルート画面上での配置や表示方法を変更したりする。なお、ルート補正部13fは、同じジャンルの店舗をルート画面上に一度に表示できない場合には、優先度が低い店舗を表示対象店舗から除外することとしてもよい。
【0111】
このように、同じジャンルの店舗が複数存在する場合に、優先度が高い店舗から優先的に抽出することによって、利用者は、人気度の高い店舗の情報を優先的に得ることができる。
【0112】
つづいて、ルート補正部13fは、ステップS502において抽出された店舗を中継点として加えた観光順序情報をあらたに生成する(ステップS505)。また、ルート補正部13fは、あらたに生成した観光順序情報を地図情報提供サーバ4へ送信し(ステップS506)、送信した観光順序情報に対応するルート画面を地図情報提供サーバ4から受信する(ステップS507)。
【0113】
つづいて、店舗情報付与部13cは、ステップS506において抽出された店舗の店舗情報およびステップS507において抽出された店舗の店舗情報をルート画面へ付与して(ステップS508)、処理を終える。
【0114】
ここで、ルート画面の表示例を図15に示す。図15は、実施例2に係るルート画面の表示例を示す図である。同図に示すように、実施例2に係るルート情報提供サーバ1によって作成されるルート画面には、実施例1に係るルート画面(図8参照)では選択されなかった店舗(周辺店舗3および周辺店舗4)があらたに選択されており、これら周辺店舗3および周辺店舗4を経由するようにルートが補正されている。
【0115】
このように、ルート沿いに所在する店舗だけでなく、ルートから離れた位置に所在する店舗も抽出して浮上させることで、ルートとして選択され易い道路(国道など)沿いの店舗の集客効果だけでなく、ルートとして選択されにくい道路(路地など)沿いに位置する店舗の集客効果も高めることができる。
【0116】
しかも、周辺店舗3や周辺店舗4の店舗情報を単に表示するだけでなく、周辺店舗3や周辺店舗4を経由するようにルートが補正されて表示されるため、利用者がこれらの店舗へ立ち寄る可能性をより一層高めることができる。
【0117】
上述してきたように、実施例2では、周辺店舗抽出部13eが、ルート作成部13bによって作成されたルートから所定範囲内に位置する店舗を抽出し、ルート補正部13fが、周辺店舗抽出部13eによって抽出された店舗の店舗情報に基づいてルート作成部13bによって作成されたルートを補正することとした。したがって、利用者の利便性を高めつつ、店舗の集客効果も高めることができる。
【0118】
また、実施例2では、周辺店舗抽出部13eが、ルート作成部13bによって作成されたルートから第1の距離範囲内に位置する店舗を抽出し、ルート補正部13fが、周辺店舗抽出部13eによって抽出された店舗以外の店舗であって、ルート作成部13bによって作成されたルートから第2の距離範囲内に位置する店舗を抽出するとともに、抽出した店舗を経由するようにルートを補正することとした。したがって、利用者の利便性をさらに高めることができ、かつ、店舗の集客効果もさらに高めることができる。
【0119】
ところで、上述してきた各実施例では、始点から中継点を経て終点へ至るまでの総合距離が最短となるように中継点を並び替える場合について説明してきたが、中継点の並び替えは、これに限ったものではない。たとえば、中継点となる観光施設の開館時間を考慮して並び替えを行うこととしてもよい。
【0120】
以下では、かかる場合におけるルート作成処理の処理手順について図16を用いて説明する。図16は、ルート作成処理の他の処理手順を示すフローチャートである。なお、同図に示す処理は、ステップS201およびステップS202の処理に引き続き行われるものとする。
【0121】
同図に示すように、ルート作成部13bは、ステップS202において各並び替えパターンに対応する総合距離を算出して総合距離が最短となる中継順序を特定すると、各中継点について、到着予想時刻が開館時刻よりも早いか否かを判定する(ステップS601)。
【0122】
なお、ここでは、ルート作成時に利用者が出発予定時刻を入力することで、ルート情報提供サーバ1が、利用者の出発予定時刻を特定しているものとする。また、事前登録情報12aとして記憶される道のり情報には、各観光施設間の道のりだけでなく、各観光施設間の移動に要する時間も含まれているものとする。ルート作成部13bは、利用者の出発予想時刻と各観光施設間の移動に要する時間とを用いて各中継点への到着予想時刻を割り出す。
【0123】
かかる処理において到着予想時刻が開館時刻よりも早い中継点が存在する場合(ステップS601、Yes)、ルート作成部13bは、該当する中継点への到着予想時刻が開館時刻より遅くなるようにかかる中継点の中継順序を繰り下げる(ステップS602)。これによって、利用者が観光施設の開館前に到着してしまい、開館時刻まで無駄な時間を過ごさなければならないといった事態を回避することができる。
【0124】
一方、到着予想時刻が開館時刻よりも早い中継点が存在しない場合(ステップS601、No)、ルート作成部13bは、到着予想時刻が閉館時刻より遅い中継点が存在するか否かを判定する(ステップS603)。そして、到着予想時刻が閉館時刻より遅い中継点が存在する場合には(ステップS603、Yes)、ルート作成部13bは、該当する中継点への到着予想時刻が閉館時刻より早くなるようにかかる中継順序を繰り上げる(ステップS604)。これによって、利用者が観光施設の閉館後に到着してしまい、無駄足となる事態を回避することができる。
【0125】
一方、到着予想時刻が閉館時刻よりも遅い中継点が存在しない場合(ステップS603、No)、ルート作成部13bは、閉館時刻と到着予想時刻との差(すなわち、滞在可能時間)が平均滞在時間よりも短くなる中継点が存在するか否かを判定する(ステップS605)。そして、滞在可能時間が平均滞在時間よりも短くなる中継点が存在する場合には(ステップS605、Yes)、ルート作成部13bは、滞在可能時間が平均滞在時間よりも長くなるように該当する中継点の中継順序を繰り上げる(ステップS604)。これによって、利用者が観光施設の閉館前に到着できた場合であっても、十分な滞在時間が取れずに悔しい思いをするといった事態を回避することができる。
【0126】
ステップS602,S604の処理を終えた場合、あるいは、ステップS605において滞在可能時間が平均滞在時間よりも短くなる中継点が存在しない場合(ステップS605、No)、ルート作成部13bは、ステップS602やステップS604等の処理において並び替えた中継順序に応じた観光順序情報を生成する(ステップS606)。そして、ルート生成部13bは、生成した観光順序情報を地図情報提供サーバ4へ送信し(ステップS607)、対応するルート画面を地図情報提供サーバ4から受信して(ステップS608)、処理を終える。
【0127】
このように、事前登録部13aが、中継点として選択可能な施設に関する情報を提供する観光情報提供サーバ2から各観光施設の開館時刻および閉館時刻を取得し、ルート作成部13bが、中継点への到着予想時刻が当該中継点の開館時刻より早い場合には、当該中継点の中継順序を繰り下げ、中継点への到着予想時刻が当該中継点の閉館時刻より遅い場合には、当該中継点の中継順序を繰り上げることとした。したがって、利用者がより円滑に観光を行うことができるルートを提供することができる。
【0128】
また、事前登録部13aが、観光情報提供サーバ2から各観光施設での平均滞在時間をさらに取得し、ルート作成手段13bが、中継点への到着予想時刻が当該中継点の閉館時刻より早い場合であり、かつ、中継点の閉館時刻と到着予想時刻との差が中継点での平均滞在時間よりも短い場合には、当該中継点の中継順序を繰り上げることとした。したがって、観光施設での滞在時間をより確実に確保できるルートを提供することができる。
【0129】
なお、図16に示した処理手順は、実施例1に係るルート情報提供サーバ1および実施例2に係るルート情報提供サーバ1の何れにおいても実行可能である。また、実施例2に係るルート情報提供サーバ1のように、店舗情報も考慮に入れてルート作成を行う場合には、店舗の営業時間に基づいて店舗の中継順序を変更することとしてもよい。
【0130】
また、実施例2に係るルート情報提供サーバ1では、営業時間およびジャンルの組合せを用いて店舗の中継順序を並び替えてもよい。すなわち、ルート作成部13bは、ジャンルが「食べる」である店舗(すなわち、飲食店)を中継する場合には、昼食や夕食を取る時間帯に当該店舗へ到着するように中継順序を並び替えることとしてもよい。
【0131】
具体的には、ルート補正部13fが、周辺店舗抽出部13eによって抽出された店舗またはルート補正部13fが抽出した店舗が所定のジャンル(たとえば、「食べる」)に属する店舗である場合に、当該店舗への到着予想時刻が、該当するジャンルに応じた時間帯(たとえば、昼食や夕食の時間帯)に含まれるようにルートを補正する。これによって、利用者にとってより有用性の高いルート情報を提供することができる。
【0132】
なお、ルート作成部13bは、環境情報提供サーバ5(図2参照)から提供される環境情報を用いて中継順序の並び替えを行ってもよい。たとえば、ルート作成部13bは、綺麗な夕日を眺められる展望台のような観光施設が中継点として選択されている場合に、環境情報を利用し、かかる観光施設を夕日が眺められる時間帯に経由するように中継順序を並び替えてもよい。
【0133】
また、ルート作成部13bは、旅行当日の天候に応じて中継点を変更することとしてもよい。具体的には、ルート作成部13bは、利用者から旅行予定日の情報を取得するとともに、環境情報提供サーバ5から旅行予定日の天候を含んだ環境情報を取得する。また、ルート作成部13bは、旅行予定日の天候が雨である場合であって、中継点として選択されている観光施設の中に屋外の観光施設が含まれている場合には、屋内で楽しめる観光施設を観光施設一覧の中から抽出して屋外の観光施設と入れ替える。これにより、旅行当日の天候に合った観光施設を経由するルートを利用者に対して提案することができる。
【0134】
ところで、実施例1および実施例2に係るルート情報提供サーバ1は、ルート作成を行った利用者に対し、同一のルートを通った利用者が実際に立ち寄った店舗をおススメ店舗として紹介することとしてもよい。
【0135】
以下、かかる場合について図17を用いて説明する。図17は、ルート情報提供サーバ1の他の動作例を示す図である。
【0136】
利用者は、ルート画面上において周辺店舗の何れかを選択すると、図17の(A)に示したようなクーポン券100が表示された画面を取得できる。かかるクーポン券100は、ルート情報提供サーバ1でルートを作成した利用者に対してのみ提供される専用のクーポン券である。
【0137】
ここで、同図の(A)に示したように、クーポン券100には、QRコード110が表示されている。かかるQRコード110には、ルート作成部13bによって作成された観光順序情報が含まれている。
【0138】
同図の(B)に示すように、利用者は、ルート画面に表示された店舗(たとえば、「喫茶○○」)を実際に訪れた際に、クーポン券100を業者へ提示すると、業者は、業者端末7(ここでは、バーコードリーダ付きの携帯電話機)を用い、QRコード110から観光順序情報を読み取る(同図の(B−1)参照)。
【0139】
また、QRコード110の読み取りを行うと、業者端末7は、読み取った観光順序情報を業者IDとともにルート情報提供サーバ1へ送信する(同図の(B−2)参照)。また、ルート情報提供サーバ1は、作成済ルート情報12bとして記憶されている観光順序情報のうち、業者端末7から受信した観光順序情報と同一の観光順序情報を特定し、特定した観光順序情報に対して業者端末7から受信した業者IDを関連付けて更新する(同図の(B−3)参照)。
【0140】
そして、ルート情報提供サーバ1では、ルート作成部13bが、作成済ルート情報12bに含まれる観光順序情報と同一の観光順序情報を作成した場合に、かかる観光順序情報と関連付けられた業者IDを取り出す。また、店舗情報付与部13cが、かかる業者IDに対応する店舗情報を事前登録情報12aから取り出し、取り出した店舗情報をおススメ店舗情報としてルート画面へ付与する。
【0141】
この結果、同図の(C)に示すように、ルート画面には、過去に同一のルートを通った利用者が実際に立ち寄った店舗がおススメ店舗として表示されることとなる。なお、ここでは、「喫茶○○」がおススメ店舗として表示されている。このように、他の利用者の実績を利用することで、利用者に対して店舗への興味をより強く持たせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0142】
以上のように、本発明に係るルート情報提供装置は、利用者の利便性を高めつつ、店舗の集客効果も高めたい場合に有用であり、特に、複数の観光施設を巡るルートのルート情報を提供する場合に適している。
【符号の説明】
【0143】
1 ルート情報提供サーバ
11 ネットワークIF部
12 記憶部
12a 事前登録情報
12b 作成済ルート情報
13 制御部
13a 事前登録部
13b ルート作成部
13c 店舗情報付与部
13d ルート画面送信部
13e 周辺店舗抽出部
13f ルート補正部
2 観光情報提供サーバ
21 ネットワークIF部
22 記憶部
22a 観光情報テーブル
23 制御部
23a 観光情報送信部
3 店舗情報提供サーバ
31 ネットワークIF部
32 記憶部
32a 業者認証テーブル
32b 店舗情報テーブル
33 制御部
33a 認証部
33b 店舗情報登録部
33c 店舗情報送信部
4 地図情報提供サーバ
5 環境情報提供サーバ
6a〜6m 利用者端末
7a〜7n 業者端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始点から中継点を経て終点へ至るまでのルートに関するルート情報を提供するルート情報提供装置であって、
ユーザからの入力操作に応じて前記始点、前記終点および前記中継点を決定する決定手段と、
所定の条件に従って前記中継点の中継順序を並び替える並び替え手段と、
前記並び替え手段によって並び替えられた中継順序に基づいて前記ルートを作成するルート作成手段と、
前記ルート作成手段によって作成されたルートを含んだルート情報に対して前記ルートから所定範囲内に位置する店舗の店舗情報を付与する店舗情報付与手段と
を備えたことを特徴とするルート情報提供装置。
【請求項2】
前記店舗情報付与手段は、
各店舗から提供される新着情報を発信する情報発信装置から、前記ルートから所定範囲内に位置する店舗の新着情報を取得するとともに、取得した新着情報をさらに含んだ店舗情報を前記ルート情報に対して付与することを特徴とする請求項1に記載のルート情報提供装置。
【請求項3】
前記中継点として選択可能な施設に関する情報を提供する施設情報提供装置から前記施設の開館時刻および閉館時刻を取得する情報取得手段
をさらに備え、
前記並び替え手段は、
前記中継点への到着予想時刻が当該中継点の開館時刻より早い場合には、当該中継点の中継順序を繰り下げ、前記中継点への到着予想時刻が当該中継点の閉館時刻より遅い場合には、当該中継点の中継順序を繰り上げることを特徴とする請求項1または2に記載のルート情報提供装置。
【請求項4】
前記情報取得手段は、
前記施設情報提供装置から前記施設での平均滞在時間をさらに取得し、
前記並び替え手段は、
前記中継点への到着予想時刻が当該中継点の閉館時刻より早い場合であり、かつ、前記中継点の閉館時刻と前記到着予想時刻との差が前記中継点での平均滞在時間よりも短い場合には、当該中継点の中継順序を繰り上げることを特徴とする請求項3に記載のルート情報提供装置。
【請求項5】
始点から中継点を経て終点へ至るまでのルートに関するルート情報を提供するルート情報提供装置であって、
ユーザからの入力操作に応じて前記始点、前記終点および前記中継点を決定する決定手段と、
所定の条件に従って前記中継点の中継順序を並び替える並び替え手段と、
前記並び替え手段によって並び替えられた中継順序に基づいて前記ルートを作成するルート作成手段と、
前記ルート作成手段によって作成されたルートから所定範囲内に位置する店舗を抽出する店舗抽出手段と、
前記店舗抽出手段によって抽出された店舗の店舗情報に基づいて前記ルート作成手段によって作成されたルートを補正するルート補正手段と
を備えたことを特徴とするルート情報提供装置。
【請求項6】
前記店舗抽出手段は、
前記ルート作成手段によって作成されたルートから第1の距離範囲内に位置する店舗を抽出し、
前記ルート補正手段は、
前記店舗抽出手段によって抽出された店舗以外の店舗であって、前記ルート作成手段によって作成されたルートから第2の距離範囲内に位置する店舗を抽出するとともに、抽出した店舗を経由するように前記ルートを補正することを特徴とする請求項5に記載のルート情報提供装置。
【請求項7】
前記店舗に関する各種の情報を提供する店舗情報提供装置から前記店舗のジャンルをさらに含んだ店舗情報を取得する情報取得手段
をさらに備え、
前記ルート補正手段は、
前記店舗抽出手段によって抽出された店舗が所定のジャンルに属する店舗である場合に、当該店舗への到着予想時刻が前記ジャンルに応じた時間帯に含まれるように前記ルートを補正することを特徴とする請求項6に記載のルート情報提供装置。
【請求項8】
前記店舗に関する各種の情報を提供する店舗情報提供装置から前記店舗のジャンルおよび所定の優先度をさらに含んだ店舗情報を取得する情報取得手段
をさらに備え、
前記店舗抽出手段は、
前記ルートから所定範囲内に位置する店舗の中に、同一のジャンルの店舗が複数存在する場合には、前記優先度が高い店舗から優先的に抽出することを特徴とする請求項5、6または7に記載のルート情報提供装置。
【請求項1】
始点から中継点を経て終点へ至るまでのルートに関するルート情報を提供するルート情報提供装置であって、
ユーザからの入力操作に応じて前記始点、前記終点および前記中継点を決定する決定手段と、
所定の条件に従って前記中継点の中継順序を並び替える並び替え手段と、
前記並び替え手段によって並び替えられた中継順序に基づいて前記ルートを作成するルート作成手段と、
前記ルート作成手段によって作成されたルートを含んだルート情報に対して前記ルートから所定範囲内に位置する店舗の店舗情報を付与する店舗情報付与手段と
を備えたことを特徴とするルート情報提供装置。
【請求項2】
前記店舗情報付与手段は、
各店舗から提供される新着情報を発信する情報発信装置から、前記ルートから所定範囲内に位置する店舗の新着情報を取得するとともに、取得した新着情報をさらに含んだ店舗情報を前記ルート情報に対して付与することを特徴とする請求項1に記載のルート情報提供装置。
【請求項3】
前記中継点として選択可能な施設に関する情報を提供する施設情報提供装置から前記施設の開館時刻および閉館時刻を取得する情報取得手段
をさらに備え、
前記並び替え手段は、
前記中継点への到着予想時刻が当該中継点の開館時刻より早い場合には、当該中継点の中継順序を繰り下げ、前記中継点への到着予想時刻が当該中継点の閉館時刻より遅い場合には、当該中継点の中継順序を繰り上げることを特徴とする請求項1または2に記載のルート情報提供装置。
【請求項4】
前記情報取得手段は、
前記施設情報提供装置から前記施設での平均滞在時間をさらに取得し、
前記並び替え手段は、
前記中継点への到着予想時刻が当該中継点の閉館時刻より早い場合であり、かつ、前記中継点の閉館時刻と前記到着予想時刻との差が前記中継点での平均滞在時間よりも短い場合には、当該中継点の中継順序を繰り上げることを特徴とする請求項3に記載のルート情報提供装置。
【請求項5】
始点から中継点を経て終点へ至るまでのルートに関するルート情報を提供するルート情報提供装置であって、
ユーザからの入力操作に応じて前記始点、前記終点および前記中継点を決定する決定手段と、
所定の条件に従って前記中継点の中継順序を並び替える並び替え手段と、
前記並び替え手段によって並び替えられた中継順序に基づいて前記ルートを作成するルート作成手段と、
前記ルート作成手段によって作成されたルートから所定範囲内に位置する店舗を抽出する店舗抽出手段と、
前記店舗抽出手段によって抽出された店舗の店舗情報に基づいて前記ルート作成手段によって作成されたルートを補正するルート補正手段と
を備えたことを特徴とするルート情報提供装置。
【請求項6】
前記店舗抽出手段は、
前記ルート作成手段によって作成されたルートから第1の距離範囲内に位置する店舗を抽出し、
前記ルート補正手段は、
前記店舗抽出手段によって抽出された店舗以外の店舗であって、前記ルート作成手段によって作成されたルートから第2の距離範囲内に位置する店舗を抽出するとともに、抽出した店舗を経由するように前記ルートを補正することを特徴とする請求項5に記載のルート情報提供装置。
【請求項7】
前記店舗に関する各種の情報を提供する店舗情報提供装置から前記店舗のジャンルをさらに含んだ店舗情報を取得する情報取得手段
をさらに備え、
前記ルート補正手段は、
前記店舗抽出手段によって抽出された店舗が所定のジャンルに属する店舗である場合に、当該店舗への到着予想時刻が前記ジャンルに応じた時間帯に含まれるように前記ルートを補正することを特徴とする請求項6に記載のルート情報提供装置。
【請求項8】
前記店舗に関する各種の情報を提供する店舗情報提供装置から前記店舗のジャンルおよび所定の優先度をさらに含んだ店舗情報を取得する情報取得手段
をさらに備え、
前記店舗抽出手段は、
前記ルートから所定範囲内に位置する店舗の中に、同一のジャンルの店舗が複数存在する場合には、前記優先度が高い店舗から優先的に抽出することを特徴とする請求項5、6または7に記載のルート情報提供装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−232307(P2011−232307A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105685(P2010−105685)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(506371925)株式会社富士通東北システムズ (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(506371925)株式会社富士通東北システムズ (3)
【Fターム(参考)】
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