説明

レシプロエンジン

【課題】構造が簡素かつコンパクトで信頼性が高く、エンジンバルブの開弁応答速度を高めることができ、併せてエンジンの出力損失を抑制することのできるレシプロエンジンを提供する。
【解決手段】所定の流体圧を維持して作動流体を循環させる閉ループ流体回路11と、この閉ループ流体回路11に分岐接続されて閉ループ流体回路11の流体圧を受けて吸排気バルブ8,9を開弁させるバルブ駆動手段(バルブアクチュエーター18,19)と、閉ループ流体回路11のバルブ駆動手段(18,19)接続部の下流側に接続され、エンジン回転により機械的に駆動されて吸排気バルブ8,9の開弁タイミングに応じて閉ループ流体回路11の流体圧を遮断する流体圧遮断手段(遮断通路36,37、ON/OFFバルブ38,39、ON/OFFカム46,47)と、流体圧遮断手段にエンジン回転を伝達するエンジン回転伝達手段(ドライブスプロケット48、ドリブンスプロケット49、タイミングチェーン50)とを具備してなる動弁装置2を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的なカム機構によらず、流体圧により吸排気バルブを開閉するようにした、カムレス方式と呼ばれる動弁装置を備えたレシプロエンジンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
主に4サイクル形式のレシプロエンジン(往復ピストン式内燃機関)において、吸排気バルブの開弁を行う動弁装置として、これまでのようにカムシャフトを用いた機械的なものに代わり、油圧等の流体圧や電磁駆動等を用いたカムレス方式と呼ばれる動弁装置を採用したものが特許文献1〜7等に開示されている。
【0003】
このようなカムレス方式の動弁装置を採用することにより、吸排気バルブの開閉タイミングやリフト量を自在に設定できるため、エンジン制御の自由度を飛躍的に高められるとともに、省燃費化に多大な貢献を果たすことができる。
【特許文献1】特公平7−62442号公報
【特許文献2】特公平10−266813号公報
【特許文献3】特開2000−514895号公報
【特許文献4】特開2001−521598号公報
【特許文献5】特開2005−207262号公報
【特許文献6】特許第3019275号公報
【特許文献7】WO2002/079614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来のカムレス方式の動弁装置は、いずれも吸排気バルブを駆動する機構部が複雑であり、その製造コストが高くなるとともに大型化および重量増を招いてしまい、しかも構造および制御方式が複雑なため信頼性に欠けるという問題があった。
【0005】
また、特に流体圧により吸排気バルブを開弁させる流体圧駆動型のカムレス動弁装置では、吸排気バルブの開弁応答速度に限界があるため、吸排気バルブの動きをエンジンの高速回転域まで追従させにくく、これが流体圧駆動のカムレス動弁装置を実用化するために解決しなければならな大きな課題となっていた。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、構造が簡素かつコンパクトで信頼性が高く、エンジンバルブの開弁応答速度を高めることができ、併せてエンジンの出力損失を抑制することのできるレシプロエンジンを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明のもう一つの目的は、吸排気バルブの開弁量を可変化してスロットルバルブを廃止するとともに、エンジン制御の自由度を高めることにある。
【0008】
そして、本発明のさらなる目的は、エンジン始動時および停止時の揺れを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るレシプロエンジンは、請求項1に記載したように、所定の流体圧を維持して作動流体を循環させる閉ループ流体回路と、上記閉ループ流体回路に分岐接続されて上記閉ループ流体回路の流体圧を受けてエンジンバルブを開弁させるバルブ駆動手段と、上記閉ループ流体回路の上記バルブ駆動手段接続部の下流側に接続され、エンジン回転により機械的に駆動されてエンジンバルブの開弁タイミングに応じて上記閉ループ流体回路の流体圧を遮断する流体圧遮断手段と、上記流体圧遮断手段にエンジン回転を伝達するエンジン回転伝達手段とを具備してなる動弁装置を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るレシプロエンジンは、請求項2に記載したように、前記バルブ駆動手段を、前記閉ループ流体回路の流体圧を供給されてエンジンバルブを開弁方向に押圧する伸縮シリンダー構造のバルブアクチュエーターとしたことを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明に係るレシプロエンジンは、請求項3に記載したように、前記流体圧遮断手段を、前記閉ループ流体回路の前記バルブ駆動手段接続部の下流側をなす遮断通路と、上記遮断通路に接続されたON/OFFバルブと、上記ON/OFFバルブを閉弁操作するON/OFFカムとを具備して構成したことを特徴とする。
【0012】
そして、本発明に係るレシプロエンジンは、請求項4に記載したように、前記バルブ駆動手段および前記流体圧遮断手段を1気筒当たり数量n設け、これらの各バルブ駆動手段および各流体圧遮断手段を順次交代で作動させ、各々のバルブ駆動手段および各流体圧遮断手段の作動速度が(クランクシャフト回転数/2n)となるように前記エンジン回転伝達手段を構成したことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るレシプロエンジンは、請求項5に記載したように、1気筒当たり数量n設けた前記流体圧遮断手段を複数のグループにし、これら複数のグループをエンジンの異なる場所に配置したことを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明に係るレシプロエンジンは、請求項6に記載したように、前記バルブ駆動手段に、エンジンバルブのリフト量をゼロ〜最大の範囲で調整可能にするバルブストローク調整手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
そして、本発明に係るレシプロエンジンは、請求項7に記載したように、前記バルブストローク調整手段を、前記エンジンバルブを開弁させるバルブアクチュエーターを軸方向に変位させるバルブストローク調整カムとしたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係るレシプロエンジンは、請求項8に記載したように、前記バルブアクチュエーターのプランジャーに、バルブアクチュエーター内部に供給された作動流体をバルブアクチュエーター外部に放流可能にする流体放流通路を形成し、この流体放流通路の下流部に、バルブアクチュエーター内部が高圧の時に閉弁し、バルブアクチュエーター内部が低圧の時に開弁するチェックバルブを設けたことを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明に係るレシプロエンジンは、請求項9に記載したように、前記ON/OFFカムのカムプロフィールを、前記ON/OFFバルブを瞬時に完全に閉じて前記エンジンバルブを急速開弁させる急速リフト部と、この急速リフト部に続き、急速リフト部よりも小さいリフト量を所定時間保持して必要最小限の流体圧でエンジンバルブを開弁させる一定リフト部と、上記一定リフト部から上記急速リフト部よりもなだらかな傾斜度で下降してエンジンバルブを低衝撃で着弁させる下降部とを備えて構成したことを特徴とする。
【0018】
そして、本発明に係るレシプロエンジンは、請求項10に記載したように、エンジン始動時および停止時に前記閉ループ流体回路の流体圧を少なくとも一部の前記バルブ駆動手段に供給し、これらのバルブ駆動手段に対応するエンジンバルブを開弁させるデコンプ手段を設けたことを特徴とする。
【0019】
さらに、本発明に係るレシプロエンジンは、請求項11に記載したように、前記作動流体をレシプロエンジンの内部潤滑を行うエンジンオイルとし、作動流体を貯留するための流体貯留槽を上記エンジンオイルのオイルパンとし、作動流体を加圧する流体加圧ポンプをエンジンオイル吐出用のオイルポンプとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に係るレシプロエンジンによれば、閉ループ流体回路の流体圧が流体圧遮断手段により遮断される度に、行き場を失った作動流体がバルブ駆動手段に流れようとして流体圧がバルブ駆動手段に加わり、バルブ駆動手段がエンジンバルブを開弁させる。このため、複雑な電子装置や流体制御装置等を設けることなく、非常に簡素かつコンパクトな構造により、信頼性の高いカムレス方式の動弁装置を提供することができる。
【0021】
請求項2に係るレシプロエンジンによれば、バルブ駆動手段を簡素で信頼性の高い構造にすることができる。バルブ駆動手段であるバルブアクチュエーターはエンジンのシリンダーヘッド内部に設けられるため、バルブアクチュエーターからのオイル漏れを防止する必要がなく、この点でも構造を簡素化することができる。
【0022】
請求項3に係るレシプロエンジンによれば、遮断通路に接続されたON/OFFバルブをON/OFFカムで遮断するだけで閉ループ流体回路の流体圧を遮断することができるため、簡素で信頼性の高い構造にすることができる。
【0023】
請求項4に係るレシプロエンジンによれば、バルブ駆動手段および流体圧遮断手段を1気筒当たり1つだけ設けた場合に比べ、その作動頻度を1/nに遅めることができるため、吸排気バルブの開弁応答速度をn倍に高めることができ、これにより信頼性の高い流体圧駆動方式のカムレス動弁装置を容易に実用化することができる。
【0024】
請求項5に係るレシプロエンジンによれば、グループ化した流体圧遮断手段をエンジンの複数の部位に振り分けて設けることができ、デッドスペース等を有効に利用してレシプロエンジン全体をコンパクトに構成することができる。
【0025】
請求項6に係るレシプロエンジンによれば、吸排気バルブの開弁量を可変でき、エンジンバルブのリフト量がゼロの時は燃料混合気の供給が停止され、エンジンバルブのリフト量が最大の時は最大量の燃料混合気が供給されるため、従来用いられていたスロットルバルブを廃止することができ、これによりポンピングロスと吸気抵抗を減少させてエンジンの出力損失を抑制することができる。
【0026】
請求項7に係るレシプロエンジンによれば、バルブストローク調整手段を簡素に構成して信頼性を高めることができる。
【0027】
請求項8に係るレシプロエンジンによれば、バルブアクチュエーター内部に入り込んだ気泡を脱気するとともに、エンジンバルブとバルブアクチュエーター間の隙間(バルブクリアランス)を無くすことができるため、常にエンジンバルブのリフト量を適正に確保して出力損失を抑制するとともに、メカノイズの発生を抑制することができる。
【0028】
請求項9に係るレシプロエンジンによれば、エンジンバルブを素早く開弁させた後、必要最小限の流体圧によりエンジンバルブを開弁状態に保つことができるため、吸排気バルブの開弁応答速度を高めるとともに、エンジンバルブを開弁させるに要する流体圧を省力化してエンジンの出力損失を抑制することができる。しかも、エンジンバルブが低衝撃で着座するのでバルブジャンプやメカノイズの発生を抑制できる。
【0029】
請求項10に係るレシプロエンジンによれば、エンジン始動時および停止時にデコンプ手段により全てのエンジンバルブを開弁させ、無駄な圧縮動作を阻止できるため、エンジン始動時および停止時の揺れを防止することができる。
【0030】
請求項11に係るレシプロエンジンによれば、既存の構成物を利用して動弁装置を構成できるため、レシプロエンジン全体の構成を簡略化かつコンパクト化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
図1は、本発明の第1実施形態を示すレシプロエンジン1およびその動弁装置2の概略構成図であり、図2は同じく斜視図である。
【0033】
このレシプロエンジン1は、図示しないシリンダーボアの内部を往復するピストン3と、このピストン3にピストンピン4を介して連結されたコンロッド5と、このコンロッド5にクランクピン6を介して連結され、レシプロエンジンのクランクケース内部に回転自在に軸支されたクランクシャフト7を備えており、ピストン3の往復運動がコンロッド5によりクランクシャフト7の回転運動に変換されてレシプロエンジン1の出力となる。また、1気筒あたり2本の吸気バルブ8と排気バルブ9が備えられており、これらの吸排気バルブ8,9が動弁装置2により開弁されてシリンダーボア内のガス交換が行われる。吸排気バルブ8,9はバルブスプリング10により閉弁方向に付勢されている。
【0034】
動弁装置2は、所定の流体圧を維持して作動流体を循環させる閉ループ流体回路11と、この閉ループ流体回路11に分岐接続されるバルブ駆動手段と、流体圧遮断手段と、エンジン回転伝達手段とを具備して構成されている。
【0035】
上記閉ループ流体回路11は、作動流体を貯留する流体貯留槽12と、この流体貯留槽12に貯留された作動流体を加圧して吐出する流体加圧ポンプ13と、流体加圧ポンプ13の吐出側から延出する吐出パイプ14と、この吐出パイプ14の末端に接続されて吸排気バルブ8,9の上方に位置するサージタンク15とを備えている。流体加圧ポンプ13には流体貯留槽12の底部に延びるストレーナー16が設けられている。
【0036】
なお、本実施形態では作動流体としてレシプロエンジン1の内部潤滑を行うエンジンオイルを適用し、流体貯留槽12はエンジンオイルが貯留されるオイルパンとし、流体加圧ポンプ13はエンジンオイル吐出用のオイルポンプとしている。これにより、既存の構成物であるエンジンオイル、オイルパン、オイルポンプを利用して動弁装置を構成できるため、レシプロエンジン1全体の構成を簡略化かつコンパクト化することができる。
【0037】
一方、前記バルブ駆動手段として、図3に拡大して示すように吸気バルブ8と排気バルブ9とがなすVバンクの間に複数のバルブアクチュエーター18,19が設置されている。バルブアクチュエーター18は吸気バルブを開弁し、バルブアクチュエーター19は排気バルブを開弁する。バルブアクチュエーター18とバルブアクチュエーター19の設置基数は、例えばそれぞれ3基ずつとされている。
【0038】
また、吸気バルブ8と排気バルブ9の上方に、それぞれロッカーアーム21,22がロッカーシャフト23により揺動自在に軸支されている。各ロッカーアーム21,22には、それぞれ2本のバルブレバー24と3本のシリンダーレバー25が一体に形成され、各バルブレバー24が吸排気バルブ8,9のバルブステム上端に置かれ、各シリンダーレバー25がバルブアクチュエーター18,19の上端に置かれる。
【0039】
図4に示すように、バルブアクチュエーター18,19は、スリーブ27の内部にプランジャー28が挿入された伸縮シリンダー構造であり、プランジャー28のピストン部分29の上下にスプリング30,31が弾装されている。プランジャー28のステム部軸芯には中空通路状の流体放流通路32が形成され、その下流部(ここではステム部上端)にチェックバルブ33が設けられている。流体放流通路32はバルブアクチュエーター18,19の内部に供給された作動流体を外部に放流可能にする通路であり、チェックバルブ33はバルブアクチュエーター18,19の内部が高圧の時に閉弁し、低圧の時に開弁する。なお、流体放流通路32は下方広がりのファンネル状に形成されている。
【0040】
各バルブアクチュエーター18,19のスリーブ27下端付近にはサージタンク15から延びる6本の流体圧供給管35が接続され、各バルブアクチュエーター18,19に流体圧供給管35から閉ループ流体回路11の流体圧が所定のタイミングで供給される。これにより、各バルブアクチュエーター18,19のプランジャー28がスリーブ27より伸長し、ロッカーアーム21,22が回動して吸排気バルブ8,9をバルブスプリング10の付勢力に抗して押し下げ開弁させる。
【0041】
閉ループ流体回路11におけるバルブアクチュエーター18,19の接続部の下流側、即ちここでは6本の流体圧供給管35の中間部から、それぞれ遮断通路36,37が分岐しており、これらの遮断通路36,37が、図5に拡大して示すように複数のON/OFFバルブ38,39に接続されている。各ON/OFFバルブ38,39の設置数量はバルブアクチュエーター18,19の設置基数と同じく3基ずつであり、合計6基のON/OFFバルブ38,39が1列に配列されている。遮断通路36,37の数も吸気バルブ8側と排気バルブ9側とで3本ずつ、合計6本である。ON/OFFバルブ38,39には後述するON/OFFカム46,47に押圧される押圧子40が設けられている。
【0042】
このように3基ずつ設けられたON/OFFバルブ38,39は、それぞれ3基のバルブアクチュエーター18,19に対応する。図5に示すように、各ON/OFFバルブ38,39からはリターン通路41が延び、各リターン通路41は一方向弁42を経て集合通路43に繋がり、集合通路43から延びる放流管44が流体貯留槽12に臨む。
【0043】
一方、クランクシャフト7に平行するカムシャフト45がON/OFFバルブ38,39の近傍に軸支され、このカムシャフト45に複数のON/OFFカム46,47が形成されている。これらのON/OFFカム46,47の数はON/OFFバルブ38,39の数(ここでは3)と同一であり、ON/OFFカム46がON/OFFバルブ38の閉弁操作し、ON/OFFカム47がON/OFFバルブ39を閉弁操作する。
【0044】
そして、遮断通路36,37と、ON/OFFバルブ38,39と、ON/OFFカム46,47とを含んで前記流体圧遮断手段が構成されている。流体圧遮断手段は次に述べるエンジン回転伝達手段により機械的に駆動されて吸排気バルブ8,9の開弁タイミングに応じて閉ループ流体回路11の流体圧を遮断する。
【0045】
流体圧遮断手段にエンジン回転を伝達するエンジン回転伝達手段は、クランクシャフト7に回転一体に設けられたドライブスプロケット48と、カムシャフト45に設けられたドリブンスプロケット49と、これらのスプロケット48,49に巻装されたタイミングチェーン50とを備えて構成されている。なお、このエンジン回転伝達手段をスプロケット48,49とタイミングチェーン50によるチェーン駆動とせずにギヤ駆動やベルト駆動等にしてもよい。
【0046】
本実施形態において、バルブ駆動手段であるバルブアクチュエーター18,19と、流体圧遮断手段である遮断通路36,37およびON/OFFバルブ38,39ならびにON/OFFカム46,47の数量は、それぞれ3基ずつとされているが、これら3基ずつ設けられた各バルブ駆動手段と各流体圧遮断手段が順次交代で作動するようにドライブスプロケット48とドリブンスプロケット49の歯数が設定されている。
【0047】
つまり、1気筒当たりの吸気バルブ8と排気バルブ9はそれぞれクランクシャフト7が2回転する毎に1度開閉するが、3基のバルブアクチュエーター18が交代で吸気バルブ8を開弁させ、同じく3基のバルブアクチュエーター19が交代で排気バルブ9を開弁させる。ここで、バルブアクチュエーター18,19と、遮断通路36,37と、ON/OFFバルブ38,39と、ON/OFFカム46,47の各々の数量をnとすると、上記各部材の作動速度は(クランクシャフト回転数/2n)となる。本実施形態においてはn=3であるから、上記作動速度は(クランクシャフト回転数/2×3)、即ちクランクシャフト回転数の1/6となる。したがって、ドリブンスプロケット49の歯数をドライブスプロケット48の歯数の6倍に設定し、カムシャフト45の回転速度をクランクシャフト7の1/6に減速する。なお、例えばn=2とするならば、ドリブンスプロケット49の歯数をドライブスプロケット48の歯数の4倍に設定し、上記気減速比を1/4に減速すればよい。
【0048】
レシプロエンジン1が始動すると、クランクシャフト7が回転して流体加圧ポンプ(オイルポンプ)13が駆動され、流体貯留槽(オイルパン)12に貯留された作動流体(エンジンオイル)がストレーナー16を経て流体加圧ポンプ13に吸入→吐出され、閉ループ流体回路11に作動流体が循環する。
【0049】
カムシャフト45はクランクシャフト7の1/6の速度で回転し、カムシャフト45に設けられた合計6個のON/OFFカム46,47が、それぞれクランクシャフト7が6回転する度に1回ずつ、それぞれに対応するON/OFFバルブ38,39を閉弁操作する。
【0050】
例えば、図5に示す一番手前のON/OFFカム46が、これに対応するON/OFFバルブ38を閉弁させると、それまで流体加圧ポンプ13→吐出パイプ14→サージタンク15→遮断通路36→ON/OFFバルブ38→放流管44→流体貯留槽12…と循環していた作動流体が、遮断通路36において流れが遮断されることにより行き場を失い、サージタンク15から流体圧供給管35を経て図3に示す一番手前のバルブアクチュエーター18に流れようとし、バルブアクチュエーター18の内部に流体圧を加える。これにより、バルブアクチュエーター18のプランジャー28がスリーブ27から伸びてロッカーアーム21を介して吸気バルブ8を開弁させる。
【0051】
ON/OFFカム46がさらに回転するとON/OFFバルブ38が開弁し、作動流体が遮断通路36を通過可能になるため、バルブアクチュエーター18に加わっていた流体圧が抜けて吸気バルブ8がバルブスプリング10の付勢力により閉弁する。次回吸気バルブ8が開弁する時には図3に示す手前から2番目のバルブアクチュエーター18が吸気バルブ8を開弁させ、その次は一番奥のバルブアクチュエーター18が吸気バルブ8を開弁させる。排気バルブ9側についても同様に3基のバルブアクチュエーター19が交代で吸気バルブ9を所定のタイミングで開弁させる。なお、バルブアクチュエーター18,19に内蔵されたスプリング30,31は流体圧が加わっていない時にプランジャー28を定位置に保つ働きをする。
【0052】
このように、動弁装置2は、所定の流体圧を維持しながら閉ループ流体回路11を流れる作動流体の流れを流体圧遮断手段により遮断し、閉ループ流体回路11の流体圧を一時的にバルブ駆動手段(バルブアクチュエーター18,19)に付加することによって吸排気バルブ8,9を開弁させるように構成されているため、複雑な電子装置や流体制御装置等を設けることなく、非常に簡素かつコンパクトな構造により、信頼性の高いカムレス方式の動弁装置を提供することができる。
【0053】
バルブ駆動手段であるバルブアクチュエーター18,19は簡素な伸縮シリンダー構造であり、流体圧遮断手段である遮断通路とON/OFFバルブ38,39とON/OFFカム46,47も簡素な部材であるため、この点でも動弁装置2を簡素に構成することができる。
【0054】
また、バルブアクチュエーター18,19および流体圧遮断手段(36,37,38,39,46,47)を1気筒当たり3基ずつ設け、これらのバルブアクチュエーター18,19および各流体圧遮断手段を順次交代で作動させ、各々のバルブアクチュエーター18,19および流体圧遮断手段の作動速度をクランクシャフト回転数の6分の1としたため、例えばバルブアクチュエーター18,19および流体圧遮断手段を1気筒当たり1基だけ設けた場合に比べ、その作動頻度を1/3に遅めることができる。このため、吸排気バルブ8,9の開弁応答速度を3倍に高めることができ、これにより高速回転まで追従できる信頼性の高い流体圧駆動方式のカムレス動弁装置を容易に実用化することができる。
【0055】
ところで、バルブアクチュエーター18,19のプランジャー28に設けられたチェックバルブ33は、バルブアクチュエーター18,19の内部が高圧の時に閉弁し、低圧の時に開弁するため、低圧時には常に少量の作動流体が流体圧供給管35を経てバルブアクチュエーター18,19の内部に流入し、流体放流通路32から外部に放流される。このため、作動流体中に混入している気泡がバルブアクチュエーター18,19の内部に入っても、この気泡を脱気することができる。なお、流体放流通路32を下方広がりのファンネル状に形成としたことにより、気泡の脱気性が向上する。
【0056】
また、このように少量の作動流体がバルブアクチュエーター18,19の内部に流入し続けるため、気泡が脱気されることと相まって、バルブアクチュエーター18,19とロッカーアーム21,22と吸排気バルブ8,9との間の隙間、即ちバルブクリアランスを常時ゼロにすることができる。よって、一般のレシプロエンジンに装備されているハイドロリックアジャスター等と同様の効果が発揮され、常に吸排気バルブ8,9のリフト量を適正に確保して出力損失を抑制するとともに、メカニカルノイズの発生を抑制することができる。
【0057】
バルブアクチュエーター18,19のチェックバルブ33から放流された作動流体としてのエンジンオイルは、そのままシリンダーヘッドの内部に放流しても構わないため、専用のシール構造やオイル戻り通路等を形成する必要がなく、この点でバルブアクチュエーター18,19の構造を非常に簡素化することができる。
【0058】
図6(a),(b)は、ON/OFFカム46,47のカムプロフィールの例を示している。(a),(b)とも、カムプロフィールに急速リフト部51と一定リフト部52と下降部53とが設けられている。急速リフト部51はベース面54から急角度で一気に上昇する区間であり、一定リフト部52は急速リフト部51に続いて急速リフト部51よりも小さいリフト量を所定時間保持する区間であり、下降部53は一定リフト部52から急速リフト部51よりもなだらかな傾斜度でベース面54まで下降する区間である。
【0059】
急速リフト部51にはON/OFFバルブ38,39を瞬時に完全に閉じて吸排気バルブ8,9を急速に開弁させられる傾斜角とリフト量が付与されている。また、一定リフト部52には急速リフト部51よりも低いながらも吸排気バルブ8,9を完全に開弁させられるだけの流体圧をバルブアクチュエーター18,19に供給できるリフト量が付与されている。
【0060】
このような急速リフト部51と一定リフト部52とを設けたことにより、吸排気バルブ8,9を素早く開弁させた後、必要最小限の流体圧により吸排気バルブ8,9を開弁状態に保つことができ、吸排気バルブ8,9の開弁応答速度を高めるとともに、吸排気バルブ8,9を開弁させるに要する流体圧を省力化してレシプロエンジン1の出力損失を抑制することができる。また、下降部53により、吸排気バルブ8,9が低衝撃でバルブシートに着弁するのでバルブジャンプおよびメカニカルノイズの発生を抑制できる。
【0061】
なお、図6(a)のカムは(b)のカムよりも一定リフト部52の長さが長く設定されており、吸排気バルブ8,9を開弁させるための最低限の流体圧を保持しつつ、カムとしての作用角を広げて吸排気バルブ8,9の開弁時間を長くしている。
【0062】
また、図6(a),(b)とも、ON/OFFバルブ38,39の押圧子40がローラー方式にされており、これによれば押圧子40をON/OFFカム46,47のカムプロフィールに正確に追従させて吸排気バルブ8,9の動きを適正に保つことができる。
【0063】
ところで、図1に示すように、遮断通路36,37の最上流部付近にデコンプバルブ56が介装されている。このデコンプバルブ56はレシプロエンジン1の始動時および停止時に遮断通路36,37の流れを遮断して閉ループ流体回路11の流体圧を少なくとも一部のバルブアクチュエーター18,19に供給し、これらのバルブアクチュエーター18,19に対応する吸排気バルブ8,9を開弁させるデコンプ手段として機能する。好ましくはデコンプバルブ56を全ての遮断通路36,37に設けて全ての吸排気バルブ8,9を同時に開弁させるのが良い。デコンプバルブ56の閉弁操作は図示しない制御手段により実行される。
【0064】
このようなデコンプバルブ56を設けてエンジン始動時および停止時にデコンプバルブ56により全ての吸排気バルブ8,9を開弁させることにより、無駄な圧縮動作を阻止してエンジン始動時および停止時におけるレシプロエンジン1全体の揺動(振動)を防止することができる。これにより、例えばハイブリッド車のように頻繁にエンジン始動、停止を繰り返す車両においては乗り心地を格段に向上させることができる。なお、デコンプバルブ56による吸排気バルブ8,9の開弁量は必ずしも全開に設定する必要はなく、微小〜若干の開弁程度に留めるようにデコンプバルブ8,9が遮断通路36,37を遮断する割合を設定してもよい。
【0065】
一方、図1、図3、図4に示すように、バルブアクチュエーター18,19にはバルブストローク調整カム58が設けられている。このバルブストローク調整カム58は、図示しないアクチュエーターの動力でカム軸59を中心に回動し、バルブアクチュエーター18,19の底部を押圧することによりバルブアクチュエーター18,19を軸方向に変位させ、吸排気バルブ8,9のリフト量をゼロ〜最大の範囲で調整可能にするバルブストローク調整手段として機能するものである。
【0066】
バルブストローク調整カム58がバルブアクチュエーター18,19の底部を最大に押圧している時は(図4中の位置58a)、バルブアクチュエーター18,19のプランジャー28が伸長した分だけロッカーアーム21,22が押圧されて吸排気バルブ8,9の開弁量が最大となり、最大量の燃料混合気が供給される。また、バルブストローク調整カム58がバルブアクチュエーター18,19の底部を押圧していない時は(図4中の位置58b)、バルブアクチュエーター18,19が軸方向に下降し、プランジャー28が最大に伸長してもロッカーアーム21,22が押圧されず、吸排気バルブ8,9の開弁量がゼロとなって燃料混合気の供給が停止される。
【0067】
吸排気バルブ8,9の開弁量はバルブストローク調整カム58を位置58aから位置58bの範囲で回動させることにより任意に設定することができ、この設定はアクセル開度、エンジン回転数、シフトポジション等の諸条件に基づいて図示しない制御手段により実行される。
【0068】
このバルブストローク調整カム58を設ければ、上述のように吸排気バルブ8,9の開弁量を可変できるため、従来備えられていたスロットルバルブを廃止することができ、これによりポンピングロスと吸気抵抗を減少させてレシプロエンジン1の出力損失を抑制することができる。バルブストローク調整カム58は簡素な構成であるため、信頼性を高めることができる。
【0069】
図7は本発明の第2実施形態を示す動弁装置61の斜視図である。
【0070】
ここでは、1気筒当たり複数(例えば数量n=3)設けられた流体圧遮断手段が、吸気バルブ8側と排気バルブ9側とに分けられて2つのグループA,Bにされ、これら2つのグループA,Bがレシプロエンジン1の異なる場所、例えばクランクシャフト7の左右両側に配置されている。
【0071】
このため、流体圧遮断手段を構成するON/OFFバルブ62,63とON/OFFカム64,65がレシプロエンジン1の左右両側に配置され、それぞれのON/OFFカム64,65に専用のドリブンスプロケット66,67が設けられ、クランクシャフト7のドライブスプロケット68との周囲にタイミングチェーン69が巻装されている。
【0072】
ON/OFFバルブ62,63は左右のON/OFFカム64,65の周囲に120°間隔で3基ずつ配置され、サージタンク15から延びる3本の遮断通路71と遮断通路72が吸気バルブ8側と排気バルブ9側とで左右に振り分けられて各ON/OFFバルブ62,63に接続されている。また、各ON/OFFバルブ62,63から延びる合計6本のリターン通路73が1本の集合通路74に繋がる。その他の構成は図2に示す第1実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。作用についても第1実施形態と同様である。
【0073】
このように構成した動弁装置61によれば、2つのグループ化した流体圧遮断手段A,Bをレシプロエンジン1の複数の部位に振り分けて設けることができるため、エンジン周囲のデッドスペース等を有効に利用できるとともに、ドリブンスプロケット66,67の径を第1実施形態のドリブンスプロケット49よりも大幅に小さくできる。このため、レシプロエンジン1全体をコンパクト化することができる。
【0074】
また、この実施形態のように流体圧遮断手段となるON/OFFバルブ62,63およびON/OFFカム64,65を吸気バルブ8側と排気バルブ9側とに分けてグループ化することにより、例えば吸気側と排気側のON/OFFカム64,65の少なくとも一方に進角装置を設けて吸気側と排気側とで個別にバルブタイミングを設定すること等ができる。
【0075】
なお、流体圧遮断手段のグループは2つに限らず3つ以上にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1実施形態を示すレシプロエンジンおよび動弁装置の概略構成図。
【図2】レシプロエンジンおよび動弁装置の斜視図。
【図3】吸排気バルブとバルブアクチュエーター付近を示す斜視図。
【図4】バルブアクチュエーターとバルブストローク調整カムを示す縦断面図。
【図5】ON/OFFバルブおよびON/OFFカム付近を示す斜視図。
【図6】(a),(b)ともON/OFFカムのカムプロフィールの例を示す図。
【図7】本発明の第2実施形態を示す動弁装置の斜視図。
【符号の説明】
【0077】
1 レシプロエンジン
2 動弁装置
7 クランクシャフト
8 吸気バルブ(エンジンバルブ)
9 排気バルブ(エンジンバルブ)
11 閉ループ流体回路
12 オイルパン(流体貯留槽)
13 オイルポンプ(流体加圧ポンプ)
18,19 バルブアクチュエーター(バルブ駆動手段)
27 スリーブ
28 プランジャー
32 流体放流通路
33 チェックバルブ
36,37 遮断通路(流体圧遮断手段)
38,39 ON/OFFバルブ(流体圧遮断手段)
46,47 ON/OFFカム(流体圧遮断手段)
48 ドライブスプロケット(エンジン回転伝達手段)
49 ドリブンスプロケット(エンジン回転伝達手段)
50 タイミングチェーン(エンジン回転伝達手段)
51 急速リフト部
52 一定リフト部
53 下降部
56 デコンプバルブ(デコンプ手段)
58 バルブストローク調整カム(バルブストローク調整手段)
A,B 流体圧遮断手段のグループ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の流体圧を維持して作動流体を循環させる閉ループ流体回路と、上記閉ループ流体回路に分岐接続されて上記閉ループ流体回路の流体圧を受けてエンジンバルブを開弁させるバルブ駆動手段と、上記閉ループ流体回路の上記バルブ駆動手段接続部の下流側に接続され、エンジン回転により機械的に駆動されてエンジンバルブの開弁タイミングに応じて上記閉ループ流体回路の流体圧を遮断する流体圧遮断手段と、上記流体圧遮断手段にエンジン回転を伝達するエンジン回転伝達手段とを具備してなる動弁装置を備えたことを特徴とするレシプロエンジン。
【請求項2】
前記バルブ駆動手段は、前記閉ループ流体回路の流体圧を供給されてエンジンバルブを開弁方向に押圧する伸縮シリンダー構造のバルブアクチュエーターであることを特徴とする請求項1に記載のレシプロエンジン。
【請求項3】
前記流体圧遮断手段は、前記閉ループ流体回路の前記バルブ駆動手段接続部の下流側をなす遮断通路と、上記遮断通路に接続されたON/OFFバルブと、上記ON/OFFバルブを閉弁操作するON/OFFカムとを具備してなることを特徴とする請求項1に記載のレシプロエンジン。
【請求項4】
前記バルブ駆動手段および前記流体圧遮断手段を1気筒当たり数量n設け、これらの各バルブ駆動手段および各流体圧遮断手段を順次交代で作動させ、各々のバルブ駆動手段および各流体圧遮断手段の作動速度が(クランクシャフト回転数/2n)となるように前記エンジン回転伝達手段を構成したことを特徴とする請求項1に記載のレシプロエンジン。
【請求項5】
1気筒当たり数量n設けた前記流体圧遮断手段を複数のグループにし、これら複数のグループをエンジンの異なる場所に配置したことを特徴とする請求項4に記載のレシプロエンジン。
【請求項6】
前記バルブ駆動手段に、エンジンバルブのリフト量をゼロ〜最大の範囲で調整可能にするバルブストローク調整手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のレシプロエンジン。
【請求項7】
前記バルブストローク調整手段は、前記エンジンバルブを開弁させるバルブアクチュエーターを軸方向に変位させるバルブストローク調整カムであることを特徴とする請求項6に記載のレシプロエンジン。
【請求項8】
前記バルブアクチュエーターのプランジャーに、バルブアクチュエーター内部に供給された作動流体をバルブアクチュエーター外部に放流可能にする流体放流通路を形成し、この流体放流通路の下流部に、バルブアクチュエーター内部が高圧の時に閉弁し、バルブアクチュエーター内部が低圧の時に開弁するチェックバルブを設けたことを特徴とする請求項2に記載のレシプロエンジン。
【請求項9】
前記ON/OFFカムのカムプロフィールを、前記ON/OFFバルブを瞬時に完全に閉じて前記エンジンバルブを急速開弁させる急速リフト部と、この急速リフト部に続き、急速リフト部よりも小さいリフト量を所定時間保持して必要最小限の流体圧でエンジンバルブを開弁させる一定リフト部と、上記一定リフト部から上記急速リフト部よりもなだらかな傾斜度で下降してエンジンバルブを低衝撃で着弁させる下降部とを備えて構成したことを特徴とする請求項3に記載のレシプロエンジン。
【請求項10】
エンジン始動時および停止時に前記閉ループ流体回路の流体圧を少なくとも一部の前記バルブ駆動手段に供給し、これらのバルブ駆動手段に対応するエンジンバルブを開弁させるデコンプ手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のレシプロエンジン。
【請求項11】
前記作動流体をレシプロエンジンの内部潤滑を行うエンジンオイルとし、作動流体を貯留するための流体貯留槽を上記エンジンオイルのオイルパンとし、作動流体を加圧する流体加圧ポンプをエンジンオイル吐出用のオイルポンプとしたことを特徴とする請求項1に記載のレシプロエンジン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−71025(P2007−71025A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−255360(P2005−255360)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(505332831)株式会社 小山ガレージ (6)
【Fターム(参考)】