説明

レジスト塗布装置

【課題】被処理基板上にレジストを精度良く形成することができるレジスト塗布装置を得る。
【解決手段】チャック1は、ウェハ2を保持して回転する。ノズル3は、ウェハ2上にレジスト液を供給する。チャック1をコーターカップ4が覆っている。チャック1の上方においてコーターカップ4に吸気孔5が設けられている。コーターカップ4に排気孔6が設けられている。吸気孔5に筒状治具13が取り付けられている。筒状治具13の空洞内に風速計14が配置されている。筒状治具13の中心軸は、チャック1の回転中心と一致する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理基板上にレジストを精度良く形成することができるレジスト塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レジスト塗布装置は、塗布容器内において被処理基板上にレジストを形成する。この塗布容器内は常に有機排気が行われている。この排気を正常に保つために、塗布容器内の風速を測定する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−34908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、塗布容器内は気流が安定しないため、安定して風速を測定することができない。このため、従来のレジスト塗布装置では、被処理基板上にレジストを精度良く形成することができなかった。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は被処理基板上にレジストを精度良く形成することができるレジスト塗布装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るレジスト塗布装置は、被処理基板を保持して回転する保持部と、前記被処理基板上にレジスト液を供給するノズルと、前記保持部を覆う塗布容器と、前記保持部の上方において前記塗布容器に設けられた吸気孔と、前記塗布容器に設けられた排気孔と、前記吸気孔に取り付けられた筒状治具と、前記筒状治具の空洞内に配置された風速計とを備え、前記筒状治具の中心軸は、前記保持部の回転中心と一致することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、被処理基板上にレジストを精度良く形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係るレジスト塗布装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の実施の形態に係るレジスト塗布装置を示す断面図である。チャック1は、ウェハ2を保持して回転する。ノズル3は、ウェハ2上にレジスト液を供給する。チャック1をコーターカップ4が覆っている。チャック1の上方においてコーターカップ4に吸気孔5が設けられている。コーターカップ4の下方に排気孔6と廃液孔7が設けられている。
【0010】
コーターカップ4の下方に廃液ボックス8が設けられている。廃液ボックス8は排気ダクト9に接続されている。廃液ボックス8と排気孔6は排気用ホース10により接続されている。廃液ボックス8内に廃液タンク11が設けられている。この廃液タンク11とコーターカップ4の廃液孔7が廃液用ホース12により接続されている。
【0011】
吸気孔5に筒状治具13が取り付けられている。筒状治具13は、第1の筒13aと第2の筒13bを有する。第1の筒13aの一端は、排気のリークを防止するために吸気孔5に隙間無く取り付けられる。第1の筒13aの他端に、第1の筒13aよりも細い第2の筒13bが接合されている。筒状治具13の中心軸は、チャック1の回転中心と一致する。第1の筒13aと第2の筒13bは中心軸が一致している。筒状治具13の空洞(丸穴)内の第2の筒13bの中心軸に、風速計14が配置されている。
【0012】
続いて、本発明の実施の形態に係るレジスト塗布装置の動作を説明する。チャック1によりウェハ2を回転しながら、ノズル3によりウェハ2上にレジスト液を供給することで、ウェハ2上にレジストが形成される。この際に、排気ダクト9により廃液ボックス8と排気用ホース10を介してコーターカップ4内の大気が常に排気される。また、廃液用ホース12を介してコーターカップ4内の廃液が廃液タンク11に廃棄される。
【0013】
この動作中において、筒状治具13の空洞内に風速計14のセンサーを挿入する。約15秒間そのまま保持した後、風速計の数値を読み取り規格内であるか判定する。風速値の変動(ふらつき)を確認すると共に最終的に規格内であるかを判定する。この判定結果により排気異常を発見することができる。
【0014】
続いて、本実施の形態の効果を説明する。筒状治具13の中心軸をチャック1の回転中心と一致させることにより気流が安定するため、安定して風速を測定することができる。これにより、レジストの膜厚の変動や、異物(ミスト)発塵によるパターン不具合を防止することができる。この結果、ウェハ2上にレジストを精度良く形成することができる。
【0015】
また、細い第2の筒13bで局所的に気流を取り込むことにより気流が安定するため、更に安定して風速を測定することができる。そして、コーターカップ4に取り付けられる第1の筒13aをコーターカップ4の形状に応じて形成すれば、様々な種類のレジスト塗布装置に本発明を適用することができる。
【0016】
また、細い第2の筒13bの中心軸に風速計14を配置することで、作業者による風速計14の配置の誤差を低減でき、更に安定して風速を測定することができる。
【符号の説明】
【0017】
1 チャック(保持部)
2 ウェハ(被処理基板)
3 ノズル
4 コーターカップ(塗布容器)
5 吸気孔
6 排気孔
13 筒状治具
13a 第1の筒
13b 第2の筒
14 風速計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板を保持して回転する保持部と、
前記被処理基板上にレジスト液を供給するノズルと、
前記保持部を覆う塗布容器と、
前記保持部の上方において前記塗布容器に設けられた吸気孔と、
前記塗布容器に設けられた排気孔と、
前記吸気孔に取り付けられた筒状治具と、
前記筒状治具の空洞内に配置された風速計とを備え、
前記筒状治具の中心軸は、前記保持部の回転中心と一致することを特徴とするレジスト塗布装置。
【請求項2】
前記筒状治具は、
一端が前記吸気孔に取り付けられた第1の筒と、
前記第1の筒の他端に接合され、前記第1の筒と中心軸が一致し、前記第1の筒よりも細い第2の筒とを有することを特徴とする請求項1に記載のレジスト塗布装置。
【請求項3】
前記風速計は、前記第2の筒の中心軸に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のレジスト塗布装置。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2012−253156(P2012−253156A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123720(P2011−123720)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】