説明

レゾルシノールの硫化誘導体、その製造及びその美容用途

本発明は、一般式(I)の化合物に関する:


(式中、X=S、SO又はSOであり、基R及びRの一方が水素原子であり、他方は、基:1個若しくは複数のハロゲン原子により所望により置換されているC〜C15直鎖若しくは分岐アルキル、1個若しくは複数のハロゲン原子により所望により置換されているC〜C18直鎖若しくは分岐アルケニル、1つ若しくは複数のC〜Cアルコキシ基により所望により置換されているアラルキル、又は同時にではなくCOR若しくはCONHRであり、ここでRは、基:1個若しくは複数のハロゲン原子により所望により置換されているC〜C15直鎖若しくは分岐アルキル、1個若しくは複数のハロゲン原子により所望により置換されているC〜C18直鎖若しくは分岐アルケニル、1つ若しくは複数のC〜Cアルコキシ基により所望により置換されているアラルキル、1つ若しくは複数のC〜Cアルコキシ基及び/若しくは1つ若しくは複数のOH基により所望により置換されているアラルケニル、又は1つ若しくは複数のC〜Cアルコキシ基により所望により置換されているアリール基である)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I)に対応する、レゾルシノールスルフィド、レゾルシンールスルホキシド及びレゾルシノールスルホンの新規類似体に関する:
【化1】

(式中、X=S、SO又はSOであり、及び
基R及びRの一方は水素原子及び他方は基:
1個若しくは複数のハロゲン原子により所望により置換されているC〜C18直鎖若しくは分岐アルキル、
1個若しくは複数のハロゲン原子により所望により置換されているC〜C18直鎖若しくは分岐アルケニル、特にアリル基、若しくは3,3ジメチルアリル基、若しくはゲラニル基若しくはファルネシル基、
1つ若しくは複数のC〜Cアルコキシ基により所望により置換されているアラルキル、特にベンジル、又は
COR若しくはCONHRを同時にではなく表し、ここで、Rは基:
1個若しくは複数のハロゲン原子により所望により置換されているC〜C18直鎖若しくは分岐アルキル、
1個若しくは複数のハロゲン原子により所望により置換されているC〜C18直鎖若しくは分岐アルケニル、
1つ若しくは複数のC〜Cアルコキシ基により所望により置換されているアラルキル、特にベンジル、
1つ若しくは複数のC〜Cアルコキシ基及び/若しくはOH基により所望により置換されているアラルケニル、又はその代わりに
1つ若しくは複数のC〜Cアルコキシ基により所望により置換されているアリール基、特にフェニル、
を表す)。
【発明の概要】
【0002】
用語「アルキル」は、特定の数の炭素原子を含む、直鎖若しくは分岐飽和脂肪族炭化水素鎖を表す。
【0003】
用語「アルケニル」は、特定の数の炭素原子を含む、直鎖若しくは分岐不飽和脂肪族炭化水素鎖、例えば、アリル基又は3,3ジメチルアリル基又はゲラニル基又はファルネシル基を表す。
【0004】
用語「アルコキシ」は、特定の数の炭素原子及び1個の酸素原子を含む、直鎖若しくは分岐炭化水素鎖、例えばメトキシ基、又はエトキシ基、又はプロポキシ基又はブトキシ基を表す。
【0005】
用語「アリール」は、任意の単環式又は二環式芳香族炭素環、例えばフェニル又はナフチルなどを表す。
【0006】
用語「アラルキル」は、アルキルが結合したアリール、例えばベンジル、エチルフェニル、プロピルフェニル示す。
【0007】
用語「アラルケニル」は、アルケニルが結合したアリール、例えば、フェニルアクリレート又は(4−メトキシフェニル)アクリレート又は(3,4−ジメトキシフェニル)アクリレート示す。
【0008】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表す。
【0009】
用語「オレオイル」は、オレイン酸からOH基の欠損により誘導される一価の基を表す。
【0010】
用語「リノレオイル」は、リノール酸からOH基の欠損により誘導される一価の基を表す。
【0011】
用語「α−リノレノイル」は、α−リノレン酸からOH基の欠損により誘導される一価の基を表す。
【0012】
用語「γ−リノレノイル」は、γ−リノレン酸からOH基の欠損により誘導される一価の基を表す。
【0013】
用語「クマロイル」は、4−ヒドロキシシンナモイルを表す。
【0014】
用語「カフェオイル」は、3,4−ジヒドロキシシンナモイルを表す。
【0015】
用語「フェルオイル」は、4−ヒドロキシ−3−メトキシシンナモイルを表す。
【0016】
用語「シナポイル」は、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシシンナモイルを表す。
【0017】
本発明に属する一般式(I)の化合物のなかで、特に好ましいクラスの化合物は、X=Sである一般式(I)の化合物に対応する。同様に、本発明は、X=S及びR=Hである一般式(I)の化合物に特に関する。
【0018】
好ましい態様において、本発明による化合物は、X=S、R=Hであり、且つRが、C〜C18直鎖若しくは分岐アルキル又はC〜C18直鎖若しくは分岐アルケニル又はCOR及びCONHRからなる群から選択される式(I)化合物に対応する。
【0019】
本発明の一つの態様によれば、一般式(I)の化合物は、Rが、
〜C特にC〜C直鎖若しくは分岐アルキル、又は
アリル基若しくは3,3ジメチルアリル基若しくはゲラニル基若しくはファルネシル基から選択されるC〜C18直鎖若しくは分岐アルケニル、又は
ベンジル
を表す化合物である。
【0020】
本発明によれば、特に好ましいクラスの一般式(I)の化合物は、R
〜C15特にC11〜C15直鎖若しくは分岐アルキル、又は
10〜C18直鎖若しくは分岐アルケニル、又は
ベンジル、又は
フェニルアクリレート若しくは(4−メトキシフェニル)アクリレート若しくは(3,4−ジメトキシフェニル)アクリレートから選択されるアラルケニル、又は
フェニル
を表す化合物に対応する。
【0021】
本発明の特定の態様によれば、一般式(I)の化合物は、CORが、オレオイル又はリノレオイル又はα−リノレノイル又はγ−リノレノイルを表す化合物である。
【0022】
本発明の他の特定の態様によれば、式(I)の化合物は、CORが、クマロイル又は4−メトキシシンナモイル又は3,4−ジ−メトキシシンナモイル又はカフェオイル又はフェルオイル又はシナポイルから選択される、1つ若しくは複数のC〜Cアルコキシ基及び/又はOH基により置換されているシンナモイルを表す化合物である。
【0023】
本発明の一つの態様によれば、一般式(I)の化合物は、以下の化合物:
4−(4−ヒドロキシ−2−((2E,6E)−3,6,11−トリメチルドデカ−2,6,10−5トリエニルオキシ)フェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(4−ヒドロキシ−2−(3−メチルブタ−2−エニルオキシ)フェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
(E)−4−(2−(3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエニルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(2−ブトキシ−4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(4−ヒドロキシ−2−(オクチルオキシ)フェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(2−ヒドロキシ−4−(オクチルオキシ)フェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(2−(ベンジルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(4−(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(4−ヒドロキシ−2−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(2−(デシルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(2−(ヘキサデシルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニルドデカノエート、
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニルパルミテート、
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニルオクタノエート、
4−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−3−ヒドロキシフェニルオクタノエート、
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニル 3−フェニルプロパノエート、
4−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−3−ヒドロキシフェニル 3−フェニルプロパノエート、
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニル 3−メチルブタノエート、
4−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−3−ヒドロキシフェニル 3−メチルブタノエート、
(9Z,12Z)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニル−オクタデカ−9,12−ジエノエート
(E)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニル3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、
(E)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニル3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリレート、
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニルオクチルカルバメート、
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルスルフィニル)−5−ヒドロキシフェニルドデカノエート、
(9Z,12Z)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニルスルフィニル)−5−ヒドロキシフェニルオクタデカ−9,12−ジエノエート
4−(2−(デシルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルスルフィニル)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(2−(デシルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)ベンゼン−1,3−ジオール
から選択することができる。
【0024】
本発明は、式(I)の新規類似体に加えて、レゾルシノールスルフィド、レゾルシノールスルホキシド及びレゾルシノールスルホンを含む式(I’)の化合物の美容のための使用、及び特に皮膚の脱色素のためのそれらの使用、皮膚老化の美容治療の方法の実施のためのそれらの使用にも関する。一般式(I’):
【化2】

において、基X、R及びRは式(I)に関するものと同一の意味を有するが、その場合R及びRが同時に水素原子を表すこともできる。
【0025】
本発明は、抗酸化活性成分又は脱色素活性成分としての一般式(I’)又は式(I)の化合物の美容使用に関する。
【0026】
本発明の主題は、医薬としての特に抗菌活性成分としての一般式(I)の化合物の使用でもある。
【0027】
本発明は、少なくとも1種の薬学的に又は美容的(cosmetically)に許容される賦形剤と共に、式(I)又は式(I’)の化合物の少なくとも1種を含む医薬又は美容用組成物にも関する。
【0028】
本発明において、「薬学的に又は美容的に許容される」は、一般的に安全な、無毒性の且つ生物学的にもそれ以外でも望ましくないことがなく且つ特に局所適用による治療用又は美容用の使用に対して許容される医薬又は美容用組成物の製造において有用なものを意味するものとする。
【0029】
本発明の主題は、式(I)又は式(I’)の化合物の量が、組成物の総重量に対して0.01重量%〜10重量%の間、好ましくは0.1重量%〜5重量%の間で変化することを特徴とする美容用組成物に関する。
【0030】
本発明は、式(I)又は式(I’)の化合物を少なくとも1種含有する美容用組成物の、皮膚及び/又は体毛及び/又は頭髪に対する適用を含む、ヒト皮膚及び/又は体毛及び/又は頭髪の漂白及び/又は淡色化方法に関する。
【0031】
本発明は、式(I)又は式(I’)の化合物を少なくとも1種含有する美容用組成物の皮膚に対する適用を含む、美容治療及び/又は皮膚の老化予防方法に関する。
【0032】
本発明の主題は、式(I)の新規化合物を合成する方法にも及ぶ。
【0033】
本発明の他の特徴によれば、本発明は、4,4’−チオジベンゼン−1,3−ジオール又は4,4’−スルフィニルビス−1,3−ベンゼンジオールと、式IIのハロゲン化物:
Hal−R (II)
(式中、Halはハロゲン原子を表し、Rは、水素原子を除外して、式(I)に関する上記と同一の意味を有する)
とを反応させる、一般式(I)の化合物の製造方法にも関する。
【0034】
本発明の他の特徴によれば、本発明は、Xがイオウ原子を表す式(I)の化合物が特に過酸化水素水溶液により酸化される、XがSO又はSOを表す式(I)のレゾルシノール誘導体の製造方法にも関する。
【実施例】
【0035】
本発明は、純粋に例示目的のために以下に示す実施例を考慮してよりよく理解されるであろう。
I.本発明の化合物の合成
1)レゾルシノールスルフィド類似体の合成
実施例1:(レゾルシノールスルフィド)
4,4’−チオジベンゼン−1,3−ジオール
【化3】

【0036】
H NMR(400MHz、DMSO−d6):6:6.19(dd、2H);6.34(d、2H);6.87(d、2H)9.41(広幅、2H);9.50(広幅、2H)。
【0037】
13C NMR(100MHz、DMSOd6):8:102.58;107.52;111.46;133.90;157.04;158.37。
MS(ESl−):249.1[M−H]
【0038】
A)エーテルの合成:レゾルシノールスルフィドとハロゲン化アルキルとのカップリングによるエーテルの合成
窒素下の無水DMF(=ジメチルホルムアミド)20ml中の4,4’−チオジベンゼン−1,3−ジオール(レゾルシノールスルフィド、3g、12mmol、4eq.)及び炭酸カリウム(497mg、3.6mmol、1.2eq.)の懸濁液に、856mgの臭化ファルネシル(3mmol、1eq.)を加えて、次に混合物を80℃で6時間攪拌する。反応はTLC(=薄層クロマトグラフィー)により追跡する。
【0039】
室温に戻した後、溶媒を蒸発して次に残渣を酢酸エチル/水混合物で抽出する。有機相を水で2回、次に飽和NaCl溶液で洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を蒸発した後、固体が得られる。固体をDCM(=ジクロロメタン)で洗浄してから収集すると未反応の出発原料のレゾルシノールスルフィド2gが得られる。
【0040】
次に濾液(DCM)を蒸発すると油状物となり、シリカでヘプタン/酢酸エチル混合物(95/5から50/50まで)により又は分取HPLCにより精製する。無色油状物の形態で得られた生成物を真空下に終夜乾燥する。その場合、730mgが55%の収率で得られる。
構造をプロトンNMR、炭素NMR、HMBC、HMQC及びNOESY分析により決定する。
【0041】
実施例2:
4−(4−ヒドロキシ−2−((2E,6E)−3,6,11−トリメチルドデカ−2,6,10トリエニルオキシ)フェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール
【化4】

【0042】
H NMR(500MHz、CDCl):8:58(s、3H);1.60(s、3H);1.66(s、3H);1.73(s、3H);1.96(m、2H);2.04(m、2H);2.09(m、2H);2.14(m、2H);4.56(d、j=6.4Hz、2H);5.01(s、1H、OH(Sに対してパラ));5.06(s、1H、OH(Sに対してパラ));5.07(m、1H);5.11(m、1H);5.51(t、1H);6.29(d、j=8.5−2.4Hz、1H);6.32(d、j=8.2−2.7Hz、1H);6.38(d、j=2.4Hz、1H)6.42(d、j=2.7Hz、1H);7.08(d、j=8.5Hz、1H);7.33(s、1H、OH(Sに対してオルト));7.38(d、j=8.5Hz、1H)。
【0043】
13C NMR(125MHz、CDCl):8:16.04;16.75;17.69;25.70;26.20;26.70;39.54;15 39.66;65.99;100.68;102.31;108.18;108.33;110.79;115.32;118.49;123.62;124.34;131.38;133.99;135.50;137.54;142.24;156.88;158.09;158.48;158.73。
MS(APCI):455.2[M+H]
Rf(1/1;ヘプタン/EtOAc):0.75。
【0044】
実施例3:
4−(4−ヒドロキシ−2−(3−メチルブタ−2−エニルオキシ)フェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール
1−ブロモ−3−メチルブタ−2−エン(=ハロゲン化アルキル)より
【化5】

【0045】
H NMR(400MHz、CDCl):5:1.76(s、3H);1.82(s、3H);4.56(d、2H);5.07(m、2H、2×OH(Sに対してパラ);5.53(t、1H);6.30−6.45(m、4H);7.09(d、1H);7.32(s、1H);7.40(d、1H)。
MS(APCI+)319.0[M+H]
【0046】
実施例4:
(E)−4−(2−(3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエニルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール
塩化ゲラニルより
【化6】

【0047】
H NMR(400MHz、CDCl):6:1.62(s、3H);1.68(s、3H);1.75(s、3H);2.13(m、2H);4.59(d、2H);4.80(s、1H);4.85(s、1H);5.11(s、1H);5.53(t、1H);6.30−6.45 15(m、4H);7.09(d、1H);7.32(s、1H);7.41(d、1H)
MS(APCI+):386.9[M+H]
実施例5:
4−(2−ブトキシ−4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール
1−ブロモ−ブタンから。主生成物(590mg)
【化7】

【0048】
H NMR(400MHz、CDCl):8:1.01(t、3H);1.53(m、2H);1.88(m、2H);4.02(t、2H);4.78(広幅、2H、2OH(Sに対してパラ));6.32(m、2H);6.36(s、1H);6.45(s、1H);7.08(d、1H);7.29(s、1H、OH(Sに対してオルト));7.40(d、1H)。
MS(APC1):307.0[M+H]
【0049】
実施例6:
4−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール
1−ブロモ−ブタンから。微量生成物(18mg)
【化8】

【0050】
H NMR(400MHz、CDCl):8:1.02(t、3H);1.44(m、2H);1.72(m、2H);3.90(t、2H);6.34(d、1H);6.41(d、1H);6.43(s、1H);6.49(s、1H);7.25(m、3H)
MS(APCI+):307.1[M+H]
【0051】
実施例7:
4−(4−ヒドロキシ−2−(オクチルオキシ)フェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール
1−ブロモ−オクタンから。主生成物(1.3g)
【化9】

【0052】
H NMR(400MHz、CDCl):8:0.91(t、3H);1.30(m、8H);1.47(m、2H);1.88(m、2H);3.99(t、2H);4.905(広幅、2H);6.30(d、1H);6.35(d、1H);6.36(s、1H);6.45(s、1H);7.07(d、1H);7.32(広幅、1H);7.41(d、1H)。
MS(APCI+):363.2[M+H]
【0053】
実施例8:
4−(2−ヒドロキシ−4−(オクチルオキシ)フェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール
1−ブロモ−オクタンから。微量生成物(100mg)
【化10】

【0054】
H NMR(400MHz、CDCl):8:0.87(t、3H);1.27(m、8H);1.41(m、2H);1.72(m、2H);3.90(t、2H);6.34(d、1H);6.41(d、1H);6.44(s、1H);6.48(s、1H);7.25(m、3H)
MS(APCI+):363.1[M+H]
【0055】
実施例9:
4−(2−(ベンジルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール
臭化ベンジルから。主生成物(600mg)
【化11】

【0056】
H NMR(400MHz、CDCl):8:4.80(m 広幅、2H);5.14(s、2H);6.34(m、2H);6.44(s、2H);7.02(d、1H);7.08(s、1H);7.34−7.41(m、6H)。
MS(APCI+):341.1[M+H]
【0057】
実施例10:
4−(4−(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール
臭化ベンジルから。微量生成物(28mg)
【化12】

【0058】
H NMR(400MHz、CDCl):8:5.00(s、2H);6.34−6.57(m、4H);7.28−7.39(m、7H)。
MS(APCI+):341.1[M+H]
【0059】
実施例11:
4−(4−ヒドロキシ−2−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール
4−メトキシベンジルブロミドから。主生成物(600mg)
【化13】

【0060】
H NMR(400MHz、CDCl):8:3.82(s、3H);5.04(s、2H);5.24(m広幅、2H);6.34(m、2H);6.44(m、2H);6.92(d、2H);7.03(d、1H);7.14(広幅、1H)7.37(m、3H)。
MS(APCI+):371.0[M+H]
【0061】
実施例12:
4−(2−(デシルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール
実施例2の手順であるが、2当量のレゾルシノールスルフィド、1当量の1−ヨードデカンを使用して16時間室温で。生成物は、精製後に83%の収率で白色固体の形態で得られる。
【化14】

【0062】
H NMR(400MHz、CDCl):8:0.91(t、3H);1.25(m、12H);1.47(m、2H);1.88(m、2H);3.99(t、2H);4.90(広幅、2H)。;6.30(d、1H);6.35(d、1H);6.36(s、1H);6.45(s、1H);7.07(d、1H);7.32(広幅、1H);7.41(d、1H)。
【0063】
13C NMR(100MHz、DMSO):8:13.89;22.04;25.39;28.56;28.65;28.70;28.89;28.94;31.24;67.76;100.18;102,66;107.47;107.62;107.98;113.65;130.42;135.21;156.83;157.34;158.20;158.81
MS(APCI+):391.1[M+H]
【0064】
実施例13:
4−(2−(ヘキサデシルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール
1−ヨード−ヘキサデカンからSP02−131と同様に合成
生成物は、精製後に84%の収率で白色固体の形態で得られる。
【化15】

【0065】
H NMR(400MHz、CDCl)8:0.88(t、3H);1.2(m、24H);1.47(m、2H);1.84(m、2H);3.92(t、2H);5.31(広幅、2H);6.27(dd、1H);6.33(s、1H)6.36(d、1H);6.45(s、1H)7.05(d、1H);7.38(広幅、1H);7.41(d、1H)
【0066】
13C NMR(100MHz、CDCl):6:14.11;22.68;25.95;28.89;29.35;29.56;29.61;29.66;29.70;31,91;69.22;100.39;102,29;108.19;108.54;110.89;115.01;133.93;137.49;156.88;158.19;158.40;158.44。
MS(ES1−):473.2[M−H]
【0067】
B)エステルの合成
a)経路1:レゾルシノールスルフィドからカップリング
窒素下の無水THF(テトラヒドロフラン)20ml中の4,4’−チオジベンゼン−1,3−ジオール(レゾルシノールスルフィド、1g、4mmol、4eq.)及びトリエチルアミン(177μl、1.2mmol、1.2eq.)の溶液に、219mgの塩化ラウロイル(1mmol、1eq.)を滴下して、次に混合物を室温で1時間攪拌する。反応はTLCにより追跡する。
【0068】
室温に戻した後、溶媒を蒸発して次に残渣を酢酸エチル/水混合物で抽出する。有機相を水で2回、次に飽和NaCl溶液で洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を蒸発した後、固体が得られる。固体をDCMで洗浄してから収集すると未反応の510mgの原料レゾルシノールスルフィドが得られる。
【0069】
次に濾液(DCM)を蒸発すると油状物となり、シリカでヘプタン/酢酸エチル混合物(9/1)により又は分取HPLC(高速液体クロマトグラフィー)により精製する。無色油状物の形態で得られた生成物を真空下に終夜乾燥する。生成物は冷えると固化する。そのとき、260mgが白色固体の形態で60%の収率で得られる。
【0070】
実施例14:
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニルドデカノエート
【化16】

【0071】
H NMR(500MHz、CDCl):6:0.86(t、J=7Hz、3H);1.32(m、17H);1.79(q、J=7.6Hz、2H);2.63(t、J=7.5Hz、2H);5.30(s、1H);5.35(s、1H);6.38(dd、J=8.4及び2.6Hz、1H);6.45(d、J=2.7Hz、1H);6.48(dd、J=8.5及び2.7Hz、1H);6.50(d、J=2.4Hz、1H);6.73(d、J=8.5Hz、1H);6.76(s、1H);7.35(d、j=8.5Hz、1H)。
【0072】
13C NMR(125MHz、CDCl):8:14.12;22.67;24.83;29.13;29.22;29.32;29.44;29.59;31.89;34.24;103.01;107.84;108.72;110.12;114.67;120.06;130.45;137.96;148.93;155.48;158.48;159.03;172.98。
MS(APCI):433.1[M+H]
Rf(7/3;ヘプタン/EtOAc)0.58
【0073】
実施例15:
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニルオクタノエート
塩化オクタノイルから。
【化17】

【0074】
H NMR(400MHz、CDCl):8:0.82(t、3H);1.29(m、8H);1.63(m、2H);2.35(t、2H);6.41(d、1H);6.49(s、1H);6.56(s、1H);6.57(d、1H);6.81(d、1H);7.39(d、201H)。
MS(APCI+):377.1[M+H]
【0075】
実施例16:
4−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−3−ヒドロキシフェニルオクタノエート
塩化オクタノイルから。
【化18】

H NMR(400MHz、CDCl):5:0.88(t、3H);1.33(m、8H);1.72(m、2H);2.3(t、2H);6.36(d、1H);6.41(s、1H);6.58(C、1H);6.71(s、1H);7.31(m、2H)。5
MS(APCI+):377.1[M+H]
【0076】
実施例17:
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニル3−フェニルプロパノエート
ヒドロ−シンナモイルクロリドから。
【化19】

【0077】
H NMR(400MHz、CDCl):6:2.98(t syst AB、2H);3.13(t syst AB、2H);5.40[広幅、2H);6.41(d、1H);6.46(s、1H);6.48(s、1H);6.54(d、1H);6.79(d、1H);7.22−15 7.38(m、6H)。
MS(APCI+):383.1[M+H]
【0078】
実施例18:
4−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−3−ヒドロキシフェニル3−フェニルプロパノエート
ヒドロ−シンナモイルクロリドから。
【化20】

【0079】
H NMR(400MHz、CDCl):8:2.86(t syst AB、2H);153.04(t syst AB、2H);6.36(d、1H);6.42(s、1H);6.50(d、1H);6.61(s、1H);7.22−7.38(m、7H)。
MS(APCI+):383.1[M+H]
【0080】
実施例19:
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニル3−メチルブタノエート。
イソバレロイルクロリドから。
【化21】

【0081】
H NMR(400MHz、CDCl):8:1.10(d、6H);2.31(m、1H);2.53(d、2H);4.79(広幅、1H);4.87(広幅、1H);6.42(d、1H);6.49(s、1H);6.56(s、1H);6.58(d、1H);6.76(s、1H);6.82(d、1H);7.40(d、1H)。
MS(APCI+):335.0[M+H]
【0082】
実施例20:
4−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−3−ヒドロキシフェニル3−メチルブタノエート
イソバレロイルクロリドから。
【化22】

【0083】
H NMR(400MHz、CDCl):5:1.03(d、6H);2.22(m、1H);2.40(d、2H);4.75(広幅、2H);6.38(d、1H);6.46(s、1H);6.57(d、1H);6.69(s、1H);7.30(m、3H)。
MS(APCI+):335.1[M+H]
【0084】
実施例21:
(9Z,12Z)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニルオクタデカ−9,12−ジエノエート
リノレオイルクロリドから。
【化23】

【0085】
H NMR(400MHz、CDCl):8:0.88(t、3H);1.32(m、14H);1.80(m、2H);2.04(m、4H);2.63(t、2H);2.79(t、2H);5.35(m、4H);6.38(d、1H);6.45(s、1H);6.51(m、2H);6.73(d、1H);7.35(d、1H)。
MS(ESI):513.2
[M+H]
Rf(1/1;ヘプタン/EtOAc)0.75
【0086】
b)経路2:カルボジイミドによるカップリング
下の無水DMF20ml中のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(960mg、5mmol)及び4−DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)(0.5mmol)の溶液に、620mgの4−メトキシケイ皮酸(3.5mmol)を加え、次に混合物を15分間攪拌する。3.5gの4,4’−チオジベンゼン−1,3−ジオール(レゾルシノールスルフィド、14mmol、4eq.)を加え、次に混合物を室温で4日間攪拌する。
【0087】
溶媒を蒸発してから残渣をシリカCHCl/MeOH(95/5)で精製し、蒸発及び真空オーブン中の乾燥後、320mgの純粋な生成物が白色固体の形態で得られる。収率:22%
【0088】
実施例22:
(E)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニル 3−(4−メトキシフェニル)アクリレート
【化24】

H NMR(400MHz、CDCl):8:3.86(s、3H);5.00(広幅、1H);5.07(広幅、1H);6.40(dd、1H);6.48(d、1H);6.60(m、2H);6.64(d、1H);6.85(d、1H);6.95(d、2H);7.40(d、1H);7.58(d、2H);7.91(d、1H)。
MS(APCI+):411.0[M+H]
Rf(1/1;ヘプタン/EtOAc)0.14
【0089】
実施例23:
(E)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニル 3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリレート
3,4−ジメトキシケイ皮酸から。
【化25】

【0090】
H NMR(400MHz、DMSO−d6):8:3.82(s、3H);3.84(s、3H);6.22(d、1H);6.37(d、1H);6.61(s、1H);6.64(d、1H);6.77(d、1H);6.92(m、2H)7.01(d、1H);7.31(d、1H);7.43(s、1H);7.72(d、1H);9.58(m、2H);9.78(m、1H)。
MS(ESI+):441.0[M+H]
Rf(95/5;DCM/MeOH):0.66
【0091】
C.カルバメートの合成
窒素下の無水THF40ml中の4,4’−チオジベンゼン−1,3−ジオール(レゾルシノールスルフィド、5g、20mmol、4eq.)の溶液に、0.88mlのオクチルイソシアネート(5mmol、1eq.)を滴下して、次に混合物を9時間還流下に攪拌する。反応はTLCにより追跡する。
【0092】
室温に戻した後、溶媒を蒸発して次に残渣を酢酸エチル/水混合物で抽出する。有機相を水で2回、次に飽和NaCl溶液で洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を蒸発した後、固体が得られる。固体をDCMで洗浄してから収集すると、未反応の出発原料レゾルシノールスルフィドが得られる。
【0093】
次に濾液(DCM)を蒸発して油状物を得、シリカでシクロヘキサン/酢酸エチル混合物により又は分取HPLCにより精製する。無色油状物の形態で得られた生成物を真空下で終夜乾燥する。その場合、540mgが無色油状物の形態で27%の収率で得られる。
【0094】
実施例24:
2−(2,4ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニルオクチルカルバメート
【化26】

【0095】
H NMR(400MHz、CDCl)5:0.86(t、3H);1.26(m、8H);1.35(m、2H);1.59(m、2H);3.32(m、2H);5.30(t、1H);5.93(広幅、1H);6.23(広幅、1H);6.35(m、2H);6.41(s、1H);6.52(s、1H)6.63(d、1H)7.32(広幅、1H);7.35(d、1H)
MS(ESI+):406.1[M+H]
【0096】
2)レゾルシノールスルホキシド類似体の合成
実施例25(レゾルシノールスルホキシド):
4,4’スルフィニルジベンゼン−1,3−ジオール
【化27】

【0097】
H NMR(400MHz、DMSO−d6):8:6.32(m、4H);7.10(d、2H);9.82(広幅、2H);10.13(広幅、2H)。
MS(APCI):267.0[M+H]
【0098】
A)エステルの合成
無水THF100ml中の4,4’−スルフィニルビス−1,3−ベンゼンジオール(レゾルシノールスルホキシド、2.66g、10mmol、4eq.)の懸濁液を窒素下で熱して可溶化し、次に室温で5分後に、420μlのトリエチルアミン(12mmol、1.2eq.)を加える。急速な沈殿が観察され、次に547mgの塩化ラウロイル(2.5mmol、1eq.)を滴下する。混合物を室温で2時間攪拌する。反応はTLCにより追跡する。室温に戻した後、固体を濾過し、次に濾液を蒸発して油状物とし、シリカでヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20から50/50まで)により又は分取HPLCにより精製する。白色固体の形態で得られた生成物を終夜真空下で乾燥する。その場合、511mgが46%の収率で得られる。
【0099】
実施例26:
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルスルフィニル)−5−ヒドロキシフェニルドデカノエート
【化28】

【0100】
H NMR(400MHz、DMSO−d6):8:0.86(t、3H);1.24(m、16H);1.53(m、2H);2.45(m、2H);6.28(d、1H);6.33(dd、1H);6.53(s、1H);6.83(dd、1H);7.12(d、1H);7.43(d、1H);9.88(s1、1H);10.19(s1、1H);10.27(s1、1H)。
MS(APCI+):449.2[M+H)
Rf(1/1;ヘプタン/EtOAc)0.42
【0101】
実施例27:
(9Z、12Z)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニルスルフィニル)−5ヒドロキシフェニル−5−オクタデカ9,12−ジエノエート
リノレオイルクロリドから。
【化29】

【0102】
H NMR(400MHz、DMSO−d6):8:0.84(t、3H);1.29(m、14H);1.55(m、2H);2.00(m、4H);2.42(t、2H);2.76(t、2H);5.33(m、4H);6.28(s、1H);6.35(ds、1H);6.53(s、15 1H);6.82(d、1H);7.12(d、1H);7.43(d、1H);9.88(s、1H);10.19(s、1H);10.27(s、1H)。
MS(ESI):529.2[M+H]
Rf(7/3;ヘプタン/EtOAc)0.45
【0103】
B)レゾルシノールスルフィド類似体の酸化によるエーテルの合成
酢酸10ml中の実施例12(=4−(2−(デシルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール)(320mg)の溶液に、260μlの30%過酸化水素水溶液(2.5mmol、3eq.)を加え、次に混合物を室温で3時間攪拌する。
【0104】
50mLの水を加えて生成物を沈殿させる。得られた固体を収集し、次に酢酸エチル中に取り、次にこの有機相を水で、次に飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。MgSOで乾燥した後、溶媒を蒸発するとベージュの固体となり、真空オーブン中(50mbar、50℃)で終夜乾燥する。310mgの生成物が90%の収率で得られる。
【0105】
実施例28:
4−(2−(デシルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルスルフィニル)ベンゼン−1,3−ジオール
【化30】

【0106】
H NMR(400MHz、DMSO d6)8:0.86(t、3H);1.23(m、14H);1.54(m、2H);3.77−3.92(m、2H);6.26(d、1H);6.29(s、1H);6.40(d、1H);6.49(dd、1H);6.98(d、1H);6.76(s、1H);7.28(d、1H);9.80(s、1H);9.98(s、1H);10.06(s、1H)。
13C NMR(100MHz、DMSO d6):8:13.89;22.03;25.14;25.38;28.29;28.64;28.66;28.90;28.93;31.25;67.86;99.86;102,38;107.12;107.49;120.17;121.72;127.19;127.68;156.82;157.07;160.95;161.18
MS(ESI+):407.2[M+H]
Rf(1/1;ヘプタン/EtOAc):0.12
【0107】
3)レゾルシノールスルホン類似体の合成
A)レゾルシノールスルホンの合成
アセトン/酢酸混合物(1/1、60mL)中の4,4’−チオジベンゼン−1,3−ジオール(レゾルシノールスルフィド、10mmol、2.5g)の溶液に、5.12mLの30%過酸化水素水溶液(30mmol)を加えて、次に混合物を室温で72時間攪拌する。溶媒を蒸発して次に得られた固体を酢酸エチル中に取り白色固体を得る。固体を濾過して次に濾液を蒸発し、それにより得られた残渣を次にシリカで精製すると320mgの白色固体となる。
【0108】
実施例29:
4,4’−スルホニルジベンゼン−1,3−ジオール(レゾルシノールスルホン)〜
【化31】

【0109】
H NMR(400MHz、DMSO−d6):6:6.24(d、2H);6.33(dd、2H);7.61(d、2H)10.065(s、1H);10.16(s、1H)。
【0110】
13C NMR(100MHz、DMSO d6):5:102.73;106.41;117.98;131.54;157.14;162.86。
Rf(9/1;DCM/MeOH):0.6
【0111】
B)レゾルシノールスルフィド類似体のレゾルシノールスルホンへの酸化によるレゾルシノールスルホン類似体の合成
酢酸10ml中の実施例12(=4−(2−(デシルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール)(195mg、0.5mmol)の溶液に、2.8mLの30%過酸化水素水溶液(25mmol、50eq.)を加えて、次に混合物を室温で48時間攪拌する。
【0112】
50mLの水を加えて生成物を沈殿させる。得られた固体を焼結板上に集め、それから水で2回次にn−ペンタンで洗浄する。次に固体を真空オーブン中で(50mbar、50℃)終夜乾燥して白色固体とする。135mgの生成物が64%の収率で得られる。
【0113】
実施例30:
4−(2−(デシルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)ベンゼン−1,3−ジオール
【化32】

【0114】
H NMR(400MHz、DMSO d6):5:0.87(tl、3H);1.26(m、14H);1.44(ml、2H);3.77(ml、2H);6.22(s、1H);6.30(d、1H);6.35(s、1H);6.44(d、1H);7.59(d、1H);7.74(d、1H);9.97(s、1H);10.10(s、1H);10.30(s、1H)。
【0115】
13C NMR(100MHz、DMSO d6):6:13.89;22.02;25.29;28.25;28.64;28.75;28.88;28.92;31.24;67.96;99.78;102.66;106.04;106.28;117.91;119.88;131.65;131.82;156.97;157.69;162.77;163.15。
【0116】
II 生物学的試験の結果
1)プロトコル
A)インビトロ非細胞試験における脱色素活性の決定:チロシナーゼ阻害試験
原理:この試験は試験される分子の脱色素活性を評価するために使用する。チロシナーゼはメラニン形成における律速酵素である。
【0117】
それはオキシドレダクターゼ族に属する。それは特に、モノフェノールモノオキシゲナーゼ(MPMO)及びポリフェノールオキシダーゼ(PPO)の機能を有する。それはメラニン形成細胞のレベルで合成される。それは、メラノソームケラチノサイトへ向かう移動中に活性化される。それはチロシンをDOPAに、次にドパキノンに転換し、ドパキノンは結局重合、即ち顔料の産生に至る(下の図解を参照されたい)。
【化33】

【0118】
基質:L−チロシンは、モノフェノールモノオキシゲナーゼ機能によりLDOPAに転換され、それはチロシナーゼのポリフェノールオキシダーゼ機能によりドパキノンに転換される。後者は自己酸化してドパクロムとなり、それは分光光度法により490nmで測定される。
【0119】
より正確には、アッセイされるのが結局ドパクロムであるから、測定されるのは総合チロシナーゼ活性(MPMOg)である。したがって、MPMOg(=PPO及びMPMOについての活性の測定)で試験される生成物は、
PPO試験の補完として狭義のMPMO機能(チロシンのDOPAへの転換)のみを阻害する、
PPOのみを阻害し得る
という2つの機能の阻害を積み重ねることができる。
一般的実験条件:
リーダー:相乗効果HTプログラム:チロシナーゼの280−490における動力学:45分を通しての動力学、t=10分で読み取り、96個の透明なウェルで試験、リン酸緩衝液pH6.8、酵素:マッシュルームチロシナーゼ Sigma=T−3824 基質:L−チロシン Sigma=T−3754、陽性対照:コウジ酸(KA) Fluka=60890(参照阻害剤)
試験のための参照分子:
コウジ酸:9μM<IC50<20μM(PPO)、3μM<IC50<7μM(MPMO)
ビタミンC:20μM<IC50<40μM(PPO)
還元グルタチオン:25μM(PPO)で55%阻害、IC50=1−2μM(MPMO)
ヒドロキノン:IC50=3−4μM(MPMO)
アルブチン:88μM(MPMO)で57%阻害
これらの外因性分子は、メラニン形成を負に調節することが知られている。ヒドロキノンは、それ自体をチロシナーゼ基質として提示して活性を他に転じることによりメラニン合成を阻害する。ヒドロキノンを含むアルブチンは同様に作用する。コウジ酸は、UVにより誘発される色素過剰形成を阻害することにより、チロシナーゼの活性を低下させる。ビタミンCは、チロシナーゼを阻害するが、酸化によるメラニンの着色を防止することにより、強力な還元剤としても振るまうであろう。ビタミンAはチロシナーゼの発現を減少させる。
【0120】
B)B16−F10細胞におけるメラニンアッセイ試験:
原理:これはマウスのメラノーマ細胞ライン即ちB16−F10ラインに対する比色アッセイによりメラニン合成を測定する試験を含む。この試験により活性成分の脱色素力を評価することが可能になる。
【0121】
B16−F10細胞を96穴プレート中でFCS(胎児仔牛血清)により補完したDMEM培地中で培養し、37℃、5%COで24時間インキュベートする。次に、細胞を0.1μMのα−MSH(メラニン合成を刺激するためで、観察される刺激は約150%である)で刺激して、試験されるべき活性成分で72時間処理する。活性成分の各濃度を少なくとも3連にして試験する。次に、細胞溶解緩衝液中に溶解した細胞内メラニンにより追跡される合計メラニンを、405nmにおける吸光度の読み取りによりアッセイする。合計タンパク質を溶解産物中でアッセイして、結果をメラニン(mg)/タンパク質(mg)で表す。活性のパーセンテージは以下のように計算される:
【数1】

【0122】
正の値がメラニン合成の誘発を示すのに対して負の値は阻害を示す。
一般的実験条件:
設備:CO細胞インキュベーター(Heraeus)、オーブン、遠心分離器(Heraeus)、層流の換気ドラフト、96穴透明平底プレート Falcon、滅菌コーン(sterile cone) Treff Lab、Polylabo、Mithras LB940(Berthold Technologies) 154/MIPA/003
生物学的必要品:
P10及びP20の間のB16−F10細胞ライン(マウスのメラニン形成細胞)(ATCC、CRL−6475)
試薬:
フェノールレッド無添加DMEM(Gibco BRL、31053−028)、200mM Glutamax−Iサプリメント(GibcoBRL、35050−038)、D−PBS(GibcoBRL、14190−094)、胎児仔牛血清(Invitrogen、10270−098)、トリプシン−EDTA(Gibco BRL、25300−054)、NaOH(Sigma、SS045−500G)、DMSO(Sigma、471267−1L)、Nle、Phe−メラニン形成細胞刺激ホルモン(Sigma、M−8764)、メラニン(Sigma、M−0418)、BCA−銅(Sigma、B9643及びC2284)、BSA(Sigma、P0914)
【0123】
C)化学発光による抗酸化能検討のための試験(Photochem Analytik Jena)
原理:
この試験は、分子の抗酸化能を決定するために使用する。それは、光化学シグナルによりフリーラジカルを発生させる方法である。酸化の強度は、正常条件下で得られるものより1000倍大きい。
【0124】
検出は化学発光により実施する。それにより水溶性及び油溶性の抗酸化剤分子又は抽出物の評価が可能になる。
【0125】
結果は、ビタミンC又はTrolox(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸)の当量量でそれぞれ表す。感度はナノモルの桁である。
【0126】
試験で検討される抗酸化剤活性は、化学発光によりスーパーオキシドアニオンを特定して捕捉する能力を表す。
【0127】
定量化された結果は、Trolox当量(標準)即ち「Trolox 1μgに対する生成物のμg」で表す。これは、1μgの標準について検出される活性と同等の活性を得るために、試料量xが必要であることを意味する。それは参照と比較した相対的な抗酸化力であり、それにより試験される濃度を無視することが可能になる。
酸素化されたフリーラジカルの発生:
スーパーオキシドラジカル:Oo−が光化学反応により発生する:
L+hv(UV)+O →L →Lo++Oo−
:励起状態にあるルミノール
o+:ルミノールラジカル
シグナルの検出:
スーパーオキシドアニオンの一部は抗酸化剤により消滅する。残存フリーラジカルは化学発光により定量される。
o++Oo− →N+AP*2− →AP2−+hv(発光)
AP*2−:励起状態にあるアミノフタレート
【表1】

【0128】
D)UVストレス後のリノール酸の保護の試験。
目標:フェントン条件でUV照射下のリノール酸の保護
【0129】
リノール酸は、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)(AGPI)のファミリーに属する。酸化に敏感で、リノール酸は生物学的培地中の酸素化されたフリーラジカル(OFR)にとって好都合な目標である。生物膜が酸化ストレスに曝されたとき、最も影響を受ける構成要素は、PUFA及びコレステロールで構成されるリン脂質である。それらの分解により、脂質過酸化が起こり、通常、構造破壊に至る。脂質過酸化は一般にOFRの関与する自己触媒過程である。脂質過酸化は、皮膚老化の原因の一部である。
【0130】
脂質過酸化を評価するために使用される方法は、分光蛍光分析により検出可能な着色した化合物を生じる、チオバルビツール酸(TBA)と二次分解生成物とのカップリングに基づく。最終的分解の最も重要な二次的化合物はマロンジアルデヒド、MDAである。MDAは発癌性且つ変異原性のアルデヒドであり、それはタンパク質及びDNAに作用する。
【0131】
試験の原理:試験すべき試料とリノール酸とを、ある重量/重量比で接触させておく。試料は、フェントン条件下で、即ちH及び鉄の存在下に人工太陽光源の下でMED(紅斑を生じさせる最小線量)照射を受ける。
【0132】
照射に続いて、反応混合物をメタノール中に入れて、90℃でTBAにより誘導体化する。MDAの代表的等モル産生物である発色物質のMDA−TBAコンプレックスを蛍光分析法(励起525nm、発光549nm)によりアッセイする。
【0133】
結果は、対照のMDA−TBAの範囲の関数として蛍光単位で表し、それからMDA−TBAコンプレックスの濃度として表す。次に、最初のMDA/リノール酸(LA)比のパーセンテージを決定する。次にリノール酸保護のパーセンテージを決定する。
【0134】
E)最小阻害濃度(MIC)の決定:
この試験は、化合物の抗菌活性を決定するために使用する。試験は、微量希釈の原理を使用して、4種の細菌ストレインを用いて実施する。MICは液体培地中で微量法により決定する。培養ブロス(Trypcase soy)中の試験される生成物に基づく逐次希釈は、96穴マイクロプレート上最終体積0.1mlで実施する。ウェルに、約10UFC/mlと力価を判定された細菌懸濁液0.01mlを接種する。マイクロプレートを最適増殖条件下でインキュベートしてMICを視覚的に読む。
【0135】
2)結果:
A)インビトロ非細胞試験における脱色素活性の決定:チロシナーゼ阻害試験。
全ての結果をまとめて後に挿入した総括表1にグループ分けした。
【表2】

【0136】
B)B16−F10細胞におけるメラニンアッセイ試験:
結果をまとめて、やはり下の総括表1にグループ分けした。
結果の解釈:
【0137】
正の値がメラニン合成の誘発を示すのに対して、負の値は阻害を示す。
【0138】
試験される化合物の大部分が優れたメラニン合成の阻害能を示すことは注目してよい。したがって、本発明は、一般式(I)又は(I’)の化合物の皮膚脱色素のための美容使用に関する。
【0139】
C)化学発光(Photochem Analytic Jena)による抗酸化能の検討のための試験
結果をまとめて、やはり下の総括表1にグループ分けした。
大部分の化合物は優れた抗酸化活性を有する。結果を解釈するための尺度は以下の通りである:
【表3】

【0140】
大部分の化合物は、ビタミンCに匹敵する結果を示す。全ての化合物は、Troloxの1000μg未満の結果を示す(301μgがレゾルシノールスルホンで得られた最低の結果である)。したがって、それらは全て興味ある抗酸化剤活性を有する。本発明は、皮膚老化の予防及び/又は治療のための一般式(I)又は(I’)の化合物の美容使用にも関する。
【0141】
D)UVストレス後のリノール酸の保護の試験
結果は、やはり下の総括表1にグループ分けした。陰性対照は、UV照射及び化学的ストレスをかけていない、したがって照射していない(NI)リノール酸である。それは、環境に関連ある基本的酸化の代表的なものである。それは、MDAの基礎的非特異的産生に対応し、非常に低い(7桁10E−7M)。陽性対照は、1%で殆ど完全な保護を有し、0.1%で部分的に(約50%)保護するケルセチンである。
【0142】
生成物アッセイは、重量/重量比として、換言すればリノール酸の合計量に対する重量パーセントとして表す。最高MDAレベルはUV+H+鉄II(F)という条件により決定する。
【0143】
リノール酸保護のパーセンテージは、処理しないで最高のストレスをかけたときのMDAの、生成物により処理してストレスをかけたときのMDA%を超える比(%)を表す。
【0144】
分子は、そのリノール酸保護のパーセンテージが20%を超えれば、有意に活性とみなされる。したがって、全ての試験される分子は有意に活性である。
【表4−1】

【表4−2】

【表4−3】

【0145】
E)最小阻害濃度(MIC)の決定:
結果をまとめて表2にグループ分けした。化合物は、それが1ppm未満のMICを有するときに、非常に優れた抗菌活性を有するとみなす。抗菌活性は、1ppmと100ppmとの間であるとき優れているとみなす。化合物の抗菌活性は、それが100ppmと1000ppmとの間であるときは普通とみなす。
【表5】

【0146】
試験された化合物は、有意の抗菌活性を示す。特に、実施例7及び12は、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)ストレインに対して強い抗菌活性を示す。
【0147】
Ill.本発明による組成物
【表6−1】

【表6−2】

【0148】
上記の組成物において、活性成分のパーセンテージは、組成物の合計重量に対して重量で0.01%と10%との間で、好ましくは重量で0.1%から5%まで変えることができる。
【0149】
本発明は、薬学的に又は美容的に許容される賦形剤の少なくとも1種と共に式(I)又は式(II)の化合物の少なくとも1種を含む医薬又は美容用組成物にも関する。
【0150】
本発明の特定の態様によれば、医薬又は美容用組成物は、薬学的に又は美容的に許容される賦形剤の少なくとも1種及び脂肪相と共に式(I)又は式(I’)の化合物の少なくとも1種を含む。
【0151】
本発明の特定の態様によれば、美容用組成物医薬又は美容用組成物は、薬学的に又は美容的に許容される賦形剤の少なくとも1種及び皮膚軟化薬と共に式(I)又は式(I’)の化合物の少なくとも1種を含む。
【0152】
本発明は、式(I)又は式(I’)の化合物の少なくとも1種を含む、皮膚及び/又は頭髪及び/又は体毛の脱色素のための美容用組成物に関する。
【0153】
本発明は、式(I)又は式(I’)の化合物の少なくとも1種を含む、皮膚の老化防止のための美容用組成物にも関する。
【0154】
本発明は、式(I)の化合物の少なくとも1種を含む、皮膚を消毒するための医薬組成物にも及ぶ。
【0155】
本発明による組成物は、脂肪相、有機溶媒、増粘剤、軟化剤、乳白剤、安定剤、皮膚軟化剤、消泡剤、水和剤、香料、パラベンなどの防腐剤、ポリマー、充填剤、金属イオン遮閉剤、殺菌剤、臭気吸収剤、アルカリ化若しくは酸性化剤、界面活性剤、抗フリーラジカル剤、抗酸化剤、ビタミンE及びC、α−ヒドロキシ酸、若しくはアベンヌ温泉水などの温泉水から、又は美容品において、特にこのタイプの組成物の製造のために通常使用される任意の他の成分から特に選択される従来の美容補助剤を、さらに含むことができる。
【0156】
本発明による組成物は、脂肪相をさらに含むことができる。脂肪相は、油状物又はワックス又はそれらの混合物で構成することができ、脂肪酸、脂肪アルコール、及び脂肪酸エステルを含むこともできる。油は、動物、植物、鉱物又は合成油から、特に、ワセリン油、パラフィン油、揮発性の又は非揮発性のシリコーンオイル、例えばジメチコンなど;イソパラフィン、ポリオレフィン、フッ素化及び過フッ化オイルから選択することができる。同様に、ワックスは、動物、化石、植物又は合成のワックス、例えば、蜜ロウ、カンデリラロウ、カルナウバロウ、カラテバター(karate butter)、石油ワックス(又は微結晶性ワックス)、パラフィン、及びそれらの混合物などから選択することができる。
【0157】
本発明による組成物は、特に2〜20個の炭素原子を有する、好ましくは2から10個の炭素原子を有する、優先的にはグリセリンなどの2〜6個の炭素原子を有するポリオール;プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール誘導体;C−Cモノ−、ジ−又はトリ−プロピレングリコールアルキルエーテル、C−Cモノ−、ジ−又はトリ−エチレングリコールアルキルエーテルなどのグリコールエーテル;及びそれらの混合物から特に選択される、室温(約25℃)で水に混和性のポリオールをさらに含むことができる。
【0158】
本発明による組成物は、増粘剤又は流動性改良剤、例えばエトキシル化されて疎水性に改質された非イオン性のウレタン、アクリレート/ステアレス−20メタクリレートのコポリマー、カルボマー、硬化アクリレートコポリマーなどのポリカルボン酸増粘剤及びそれらの混合物なども含むことができる。本発明による組成物は、前記組成物のpH範囲を調節することを可能にする酸及び塩基も含むことができる。塩基は、無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水溶液、その他)又は有機塩基、例えば、モノ−、ジ−又はトリ−エタノールアミン、アミノエチルプロパンジオール、N−メチルグルカミン、アルギニン及びリシンなどの塩基性アミノ酸など、及びそれらの混合物であってもよい。
【0159】
本発明による組成物は、皮膚調整剤も含むことができる。皮膚調整剤の例として、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムジオクチルスルホスクシネート、ステアリン酸ナトリウム、ソルビタンエステル、エトキシル化脂肪酸、トリデセス−9及びPEG−5エチルヘキサノエートなどのエトキシル化脂肪族アルコール、ステアリン酸などのアニオン性、カチオン性及び非イオン性乳化剤、当業者に知られた任意の他の乳化剤及び調整剤、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0160】
本発明による組成物は、相補性効果をもたらす他の活性成分をさらに含むことができる。
【0161】
本発明による組成物は、局所、特に皮膚及び/又は毛髪に対する適用に適した任意の形態で提供することができる。特に、それらは、水相中への油相の分散により得られるエマルション、例えば、水中油若しくは油中水若しくは多相エマルションの形態で、又はゲル又は液体、ペースト又は固体無水製品の形態で、又は小球の存在で分散する形態で得ることができる。本発明による組成物は、流動性がより小さくてもよく、白色若しくは着色したクリーム、軟膏、ミルク、ローション、漿液、ペースト、パック、粉末、固体スティック、又は、所望により、エアロゾル、泡沫若しくはスプレーの形態で得ることもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物
【化1】

(式中、X=S、SO又はSOであり、及び
基R及びRの一方は水素原子を表し、及び他方は基:
1個若しくは複数のハロゲン原子により所望により置換されているC〜C18直鎖若しくは分岐アルキル、
1個若しくは複数のハロゲン原子により所望により置換されているC〜C18直鎖若しくは分岐アルケニル、又は
1つ若しくは複数のC〜Cアルコキシ基により所望により置換されているアラルキル、又は
COR若しくはCONHRを同時にではなく表し、ここで、Rは、基:
1個若しくは複数のハロゲン原子により所望により置換されているC〜C18直鎖若しくは分岐アルキル、
1個若しくは複数のハロゲン原子により所望により置換されているC〜C18直鎖若しくは分岐アルケニル、
1つ若しくは複数のC〜Cアルコキシ基により所望により置換されているアラルキル、
1つ若しくは複数のC〜Cアルコキシ基及び/若しくは1つ若しくは複数のOH基により所望により置換されているアラルケニル、又はその代わりに
1つ若しくは複数のC〜Cアルコキシ基により所望により置換されているアリール基
を表す)。
【請求項2】
X=Sである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
X=S及びR=Hである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
X=S、R=Hであり、Rが、請求項1で定義された、C〜C18直鎖若しくは分岐アルキル、C〜C18直鎖若しくは分岐アルケニル及びCOR若しくはCONHRで構成される群から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が、
〜C特にC〜C直鎖若しくは分岐アルキル、又は
アリル基若しくは3,3ジメチルアリル基若しくはゲラニル基若しくはファルネシル基から選択されるC〜C18直鎖若しくは分岐アルケニル、又は
ベンジル
を表す、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
が、
〜C15特にC11〜C15直鎖若しくは分岐アルキル、又は
10〜C18直鎖若しくは分岐アルケニル、又は
ベンジル、又は
フェニルアクリレート若しくは(4−メトキシフェニル)アクリレート若しくは(3,4−ジメトキシフェニル)アクリレートから選択されるアラルケニル、又は
フェニル
を表す、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
以下の化合物の1つから選択される、請求項1に記載の化合物:
4−(4−ヒドロキシ−2−((2E,6E)−3,6,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエニルオキシ)フェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(4−ヒドロキシ−2−(3−メチルブタ−2−エニルオキシ)フェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
(E)−4−(2−(3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエニルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(2−ブトキシ−4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(4−ヒドロキシ−2−(オクチルオキシ)フェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(2−ヒドロキシ−4−(オクチルオキシ)フェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(2−(ベンジルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(4−(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(4−ヒドロキシ−2−(4メトキシベンジルオキシ)フェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(2−(デシルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(2−(ヘキサデシルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルチオ)ベンゼン−1,3−ジオール、
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニルドデカノエート、
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニルオクタノエート、
4−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−3−ヒドロキシフェニルオクタノエート、
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニル 3−フェニルプロパノエート、
4−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−3−ヒドロキシフェニル 3−フェニルプロパノエート、
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニル 3−メチルブタノエート、
4−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−3−ヒドロキシフェニル 3−メチルブタノエート、
(9Z,12Z)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニルオクタデカ−9,12−ジエノエート、
(E)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニル 3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、
(E)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニル 3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリレート、
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニルオクチルカルバメート、
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルスルフィニル)−5−ヒドロキシフェニルドデカノエート、
(9Z,12Z)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニルスルフィニル)−5−ヒドロキシフェニルオクタデカ−9,12−ジエノエート
4−(2−(デシルオキシ)−4−ヒドロキシフェニルスルフィニル)ベンゼン−1,3−ジオール、
4−(2−(デシルオキシ)−4 ヒドロキシフェニルスルホニル)ベンゼン−1,3−ジオール、
2−(2,4−ジヒドロキシフェニルチオ)−5−ヒドロキシフェニルパルミテート。
【請求項8】
美容活性成分として使用するための式(I’)の化合物
【化2】

(式中、基X、R及びRは、式(I)に関して請求項1で与えられたものと同一の意味を有するが、R及びRが同時に水素原子を表すこともできる)。
【請求項9】
脱色素活性成分として使用するための、請求項8に記載の式(I’)の化合物。
【請求項10】
抗酸化活性成分として使用するための、請求項8に記載の式(I’)の化合物。
【請求項11】
医薬として使用するための、請求項1〜7に記載の式(I)化合物。
【請求項12】
抗菌活性成分として使用するための、請求項1〜7に記載の式(I)化合物。
【請求項13】
請求項1〜8のいずれか一項により定義した式(I)又は式(I’)の化合物の少なくとも1種を活性成分として、薬学的に又は美容的に許容される賦形剤と共に含む、医薬又は美容用組成物。
【請求項14】
式(I)又は式(I’)の化合物の量が、組成物の総重量に対して0.01重量%〜10重量%の間で変化する、請求項13に記載の医薬又は美容用組成物。
【請求項15】
式(I)又は式(I’)の化合物の少なくとも1種を含む、請求項13及び14のいずれか一項に記載の皮膚及び/又は頭髪及び/又は体毛を脱色素するための美容用組成物。
【請求項16】
式(I)又は式(I’)の化合物の少なくとも1種を含む、請求項13及び14のいずれか一項に記載の皮膚の老化防止のため美容用組成物。
【請求項17】
式(I)化合物の少なくとも1種を含む、請求項13及び14のいずれか一項に記載の、皮膚を消毒するための医薬組成物。
【請求項18】
4,4’−チオジベンゼン−1,3−ジオール又は4,4’−スルフィニルビス−1,3−ベンゼンジオールを、式IIのハロゲン化物
Hal−R(II)
(式中、Halはハロゲン原子を表し、Rは、水素原子を除外して、請求項1に記載のものと同じ意味を有する)
と反応させることを特徴とする、請求項1〜7に記載の一般式(I)の化合物の製造方法。
【請求項19】
式(I)の化合物(式中、Xはイオウ原子を表す)を、特に過酸化水素水溶液により酸化することを特徴とする、請求項18に記載の、式(I)のレゾルシノール誘導体(式中、XはSO又はSOを表す)の製造方法。

【公表番号】特表2012−523391(P2012−523391A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504013(P2012−504013)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054619
【国際公開番号】WO2010/115945
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(500166231)ピエール、ファブレ、デルモ‐コスメティーク (30)
【氏名又は名称原語表記】PIERRE FABRE DERMO−COSMETIQUE
【Fターム(参考)】