説明

レーザによって作製されるインプラント

【課題】 平坦な基材を利用して三次元構造体を作製する方法を提供すること。
【解決手段】 整形外科インプラントの少なくとも一部を平坦に展開したモデルを作製するステップを含む整形外科インプラントを製造する方法である。平坦な展開モデルは、選択レーザ焼結プロセスを用いて作製されるとよい。平坦な展開モデルは、好ましくは、その第1面又は第2面のいずれかに沿って、少なくとも1つの溝を備える。次に、力が平坦な展開モデルの所定の箇所に加えられ、これによって、モデルを曲げ、所望の結果と同様の形状を取らせるとよい。この曲げられたモデルは、所望のインプラントの形状を取るか又は付加的な要素にスナップ嵌合され得るように、付加的な材料を施すことによって、新たな表面が付けられるとよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平坦な基材を利用して三次元構造体を作製する方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、複数の粉末層を順次再溶融し、一層づつ積み上げる方式で多孔層を作製するコンピュータ支援レーザ装置又は他の適切な高エネルギービームに関する。この多孔層は、同様の方法を用いて作製され得るインプラントに取り付けられてもよい。
【背景技術】
【0003】
現在、大腿骨インプラントのようなインプラントは、種々の金型と種々の鋳造プロセスを用いて作製されている。この手順は、極めて高価であると共に多大の時間を必要とすることがある。加えて、各インプラントは、別々に作製されねばならなく、専用の鋳造装置を必要とするが、この専用の鋳造装置は、完成されたインプラントを取り外すとき、通常、破棄されている。
【0004】
本出願は、外科手術中に人体に移植されるように簡単に設計される金属構造体のみならず、支持面を有する多孔性及び部分的な多孔性を有する金属構造体を形成する方法に、特に向けられている。
【0005】
自由造形製造の分野が、コンピュータ制御データベースに基づく物品の直接的な製造において、多くの重要な進展を新たに見せている。これらの進展は、その多くが試作部品や試作鋳型のような物品のラピッドプロトタイピングの分野に含まれるが、特に一塊の金属のような材料を工学的図面に基づいて加工する従来の機械加工プロセスと対照的に、物品を製造するのに必要な時間及び費用を著しく低減するようになった。最新のラピッドプロトタイピング技術の一例として、カリフォルニア州バレンシアの3Dシステム(3DSystem)社から市販されているシステムによって実施される選択レーザ焼結プロセスが挙げられる。この技術によれば、物品は、一度に一層分の割合で投与されるレーザ可融性粉末から一層ごとに積み上げる方式で作製されることになる。粉末は、ラスタースキャン方式で物品の断面に対応する粉末層の部分に導かれるレーザエネルギーの印加によって、融合され、再溶融され、又は焼結されている。該一つの層の上で粉末が融合した後、さらに他の粉末層が投与され、現在の層とその下にすでに位置している層との間に融合が生じ、このようにして、物品が完成するまで、プロセスが繰り返されている。
【0006】
部品のラピッドプロトタイプングの分野は、近年、金属部品を含む多くの有用な物品の設計及び実験的生産に用いられる高歪、高密度部品を拡充する点において著しい改善をもたらしてきた。これらの進展によって、現在、選択レーザ再溶融/焼結プロセスは、10,000鋳造サイクルを超えるツール寿命が見込まれる射出成形用の試作ツールの製造にも用いられることが可能になった。これらの技術は、粘結剤を用いずに金属粉末から作製される鋳型のような物品の直接的な製造にも適用されている。報告によれば、このような直接的な製造に用いられる金属粉末として、銅−錫系、銅−半田(70%鉛と30%錫)系、及び青銅−ニッケル系の2相金属粉末が挙げられる。このようにして形成される金属物品は、極めて密度が高く、例えば、(含浸前に)完全な密度の70%から80%に至る密度を有している。この技術の従来の用途は、溶融又は焼結プロセスによって形成される金属構造体の密度を増加させることに向けられていた。すなわち、部品のラピッドプロトタイピングの分野では、金属部品を含む多くの有用な物品の製造に用いられかつ設計されるための高強度、高密度部品をもたらすことに重点が置かれていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、ラピッドプロトタイピングの分野は、このような三次元構造体の密度を増加させることに力を注いできたが、三次元構造体の密度を低減させること又は多孔面を緻密な面と共に成長させることに、注意を払っていなかった。その結果、多孔性及び部分的多孔性を有する金属構造体、さらに具体的に、連通する孔を有する金属多孔性構造体が有利に用いられる用途は、著しく無視されてきた。
【0008】
加えて、特に医術における多くの構造体は、各々が独自の目的に適するようにされた2つの異なる表面を必要としている。すなわち、構造体は、組織の内部成長を促すために多孔性であることが必要とされる第1の表面と、支持面として適切であるべきである第2の面を有していることがある。さらに、第1の面又は第1の部分は、多孔率の異なる勾配を有する異なる層を備えていることがある。例えば、第1の面は、略80%の多孔率を有する外領域を備えていることがある。多孔率は、第1の面に対して直交する方向において、増加し、又は好ましい実施形態では、殆どゼロになるまで均一に減少するように、変更していることもある。勿論、本発明は、多孔率が、装置の要件に依存して、位置ごとに変更する状況を考慮している。
【0009】
種々の技術が、このような方法及び装置をもたらすことを試みているが、さらに改善される技術が、この領域に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、インプラント及びインプラントを作製する方法に向けられている。インプラントを作製する方法は、所望のインプラントの一部の平坦に展開されたモデルを設けることを含んでいる。平坦な展開モデルは、走査プロセス及びコンピュータソフトウエアを用いて、作製することが可能である。
【0011】
例えば、3−Dモデルは、コンピュータプログラムに入力され、平坦に展開されてもよい。次いで、平坦なモデルは、選択レーザ焼結又は溶融プロセスを用いて、再生されることが可能である。複製されたモデルは、種々の溝又は他の所望の特徴部を備えていてもよい。
【0012】
モデルが複製された時点で、多孔性パッドが、平坦な展開モデルに取り付けられてもよい。代替的な実施形態では、SLSプロセス中に、多孔性パッドが、平坦な展開モデルの上に作製されてもよい。
【0013】
次いで、力が平坦な展開モデルに加えられ、これによって、モデルは、所望の形状に曲げられてもよい。そして、曲げられたモデルは、最終的な製品を形成するために、種々の方法によって処理されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、外科手術中に生体内に配置されるインプラント、特に膝関節、股関節、又は肩関節のような関節と置換する整形外科用インプラントを形成する方法に関する。本発明を大腿骨コンポーネントに関して述べるが、例示される要素は、制限的特徴をなすと決して見なされるべきではない。
【0015】
本明細書では、以下の方向に関する定義が適用される。「前(anterior)」及び「後(posterior)」は、それぞれ、人体の正面により近い側又は人体の背中に近い側を意味する。従って、ここに述べる膝関節の場合、「前(anterior)」は、脚が伸張位置にあるとき、人体の正面により近い側の膝の部分を指している。「近位(proximal)」及び「遠位(distal)」は、それぞれ、構造体の根元により近い側又は構造体の根元からより遠い側を意味している。例えば、大腿遠位は、股関節からより遠い膝関節の部分であり、大腿近位は、股関節により近い膝関節の部分である。最後に、形容詞の「正中面に向かって内側の(medial)」及び「正中面から外側の(lateral)」は、ぞれぞれ、矢状面により近い側又は矢状面からより遠い側を意味している。
【0016】
図1に示されるように、大腿骨コンポーネント10は、一般的に、関節連結する外面12と、骨と接触する関節連結しない内面14とを備えている。外面12は、一般的に、前面20、遠位面22及び後面24を備えている。後面24は、内側顆状面25と外側顆状面26とに分割されている。内面14は、前壁28、前傾斜面30、遠位床32、後傾斜面34、及び後壁36を備えているとよく、後傾斜面及び後壁は、両方の顆状面によって共有されている。
【0017】
大腿骨コンポーネント10は、ヒトの膝の大腿骨プロテーゼとして機能するのに必要な機械的特性を有するどのような生体適合性材料から構成されていてもよい。好ましくは、大腿骨コンポーネント10は、チタン、チタン合金、コバルト−クロム合金、ステンレス鋼、又はセラミックから構成されている。ここでは、大腿骨コンポーネントを作製するのに用いられる方法及び装置の具体的な用件に応じて、具体的な組成を検討することになる。しかし、特に明示しない限り、このような組成は、単なる例示にすぎない。
【0018】
大腿骨コンポーネント10の関節連結しない内面14は、切除された大腿遠位(図示せず)を受入れるのに適するように構成されている。外科手術中、外科的な切断は、当業者に知られている任意の手段、任意の順序、及び任意の形態で、大腿遠位に対して行なわれることになる。好ましい実施形態では、切除された大腿遠位の切断部は、大腿骨コンポーネント10の内面14の形状に対応している。
【0019】
これに関して、内面14は、多孔面を備えていてもよいし、又は図1に示されるように、内面に沿った特定の箇所に配置される複数の多孔性パッド40を備えていてもよい。多孔性パッド40は、大腿骨コンポーネント10が大腿骨に取り付けられたとき、切除された大腿遠位の面と当接し、好ましくは、多孔性パッド40内で骨の成長を促進するのに役立つようになっている。以下に述べるように、多孔性パッド40は、大腿骨コンポーネント10と一体に形成されてもよいし、又は作製されてから大腿骨コンポーネントに取り付けられる別体の要素であってもよい。内面14は、そこから外方に延在するピン42を備えていてもよい。ピン42は、大腿骨コンポーネント10を大腿骨に係留するように設計されている。ピン42は、大腿骨コンポーネント10内に必ずしも必要ではない。
【0020】
大腿骨コンポーネント10を作製する方法において、大腿骨−膝インプラントのプロフィルが、種々の形式のコンピュータソフトウエア内に入力されるとよい。次いで、このプロフィルは、モデル化され、操作され、次いで、「展開(open)」され、これによって、図2A及び図2Bに示されるような大腿骨コンポーネントの平面的な形態をコンピュータに記憶させることが可能となる。この平面的な形態、すなわち、大腿骨コンポーネント10’は、本質的に、大腿骨コンポーネント10の平坦に展開されたモデルである。従って、大腿骨コンポーネント10’も、関節連結する外面12’及び関節連結しない内面14’を備えている。内面12’及び外面14’の各々は、前述したものと同一の表面、傾斜面、及び壁を備え、差異を強調するために、種々の特徴部は、「’」を付けて示されている。コンピュータソフトウエアを用いて、大腿骨コンポーネント10’は、その各層を模擬する種々の層に薄切りされるとよい。次いで、大腿骨コンポーネント10’の全体又は大腿骨コンポーネント10’の一部のみのいずれかが、本出願人に譲渡された米国特許出願第10/704,270号及び第11/027,421号に記載されているような方法を用いて、作製されるとよい。なお、これらの特許出願は、参照することによって、ここに含まれるものとする。加えて、「レーザによって作製される多孔面」の表題で2005年12月6日に出願された米国特許出願も、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0021】
1つのこのような操作方法では、レーザ技術又は任意の他の高エネルギービームを用いて、大腿骨コンポーネント10’の上側部が、種々の走査手順によって、作製されるとよい。上側部50は、関節連結しない内面14’とそこからのある深さとを含む大腿骨コンポーネント10’の部分を指している。従って、関節連結する外面12を含んでいない。例えば、大腿骨コンポーネント10’の上側部は、大腿骨コンポーネント10’の層に対応する各層を一層ごとに積層するプロセスを用いて、モデルを積層プラットフォームに積層することによって、作製されるとよい。構造体は、適切なソフトウエアを用いて、その容積を繰り返し単一ユニットセルによって埋めることによって、作製されてもよい。単一ユニットセルは、八面体、又は任意の他の対称又は非対称の幾何学的形状であってもよい。モザイク模様、大きさ、構造、及び種々の他の因子を変化させることによって、特定の多孔率を有する各層が作製されるとよい。
【0022】
レーザ溶融によって多孔性の三次元構造体を形成する1つの方法によれば、チタン、チタン合金、ステンレス合金、コバルト−クロム合金、タンタル又はニオブの粉末が基材の上に堆積される。レーザ溶融プロセスは、この粉末上に、レーザビームが重なるように走査ラインを平行にし、具体的には、走査間隔を保って、レーザビームを走査し、次いで、一例として、同様のさらに他の走査を行なうか、又は90°の継続的な走査を行なう段階を含んでいる。選択される走査の形式は、最初の層厚みと必要とされるウエブ高さに依存している。ウエブ高さは、大腿骨コンポーネント10’の単一段の高さを指している。ウエブ高さは、追加的な粉末層を構造体に堆積し、前回の走査と同一角度でレーザを走査することによって、増加させるとよい。さらに、追加的な走査ラインは、第1の走査に対して傾斜して行なってもよく、これによって、規則正しく又は無作為に配列された所定の多孔率を有する構造体を形成してもよい。走査される装置は、所定レベルの多孔率を有する不規則な多孔性構造体を作製するために、無作為に走査されるようにプログラム化されてもよい。
【0023】
大腿骨コンポーネント10’の作製において、粉末ビードのレーザ溶融の結果として得られる材料の特性は、含まれる熱プロフィル(加熱速度、均熱時間、冷却速度)、原料の条件(粉末粒子の粒径及び粒径分布)、雰囲気条件(還元、不活性、又は酸化性チャンバーガス)、及び堆積された層厚みの正確な制御に、主として依存している。
【0024】
このようなコンポーネントを作製する装置は、500mm/秒の最大走査速度をもたらすRSG1014アナログ式ガルバノ走査ヘッドに一体に固定されたNd−YAG工業用レーザを備えているとよい。レーザビームは、雰囲気が制御されたチャンバー内に導かれるようになっている。チャンバーは、粉末送給と部品積層用の2つのコンピュータ制御プラットフォームから構成されている。粉末は、可変容量室からこのチャンバーに送給され、可変容量積層室の上方の積層プラットフォームにローラによって移送されるようになっている。
【0025】
一実施形態では、積層システムパラメータ及び送給システムパラメータは、堆積される100μmの粉末の被膜であっても、層ごとに最適化される。インプラントを製造する場合、表面材料として選択される金属は、いずれも、酸素との親和性によって、処理するのが困難である。チタンや他の合金は、酸素含有雰囲気内でレーザによって処理されると、容易に酸化され、それらの酸化物は、高融点及び低流動性を有することになる。この理由から、また他の望ましくない相の形成を阻止するために、本方法は、アルゴン不活性雰囲気のチャンバー内で行なわれるとよい。圧力は、作業の全体にわたって、雰囲気圧又はそれ未満に維持されるとよい。
【0026】
三次元金属多孔性構造体を形成するための重要な変動パラメータは、(a)レーザが粉末床を横切る速度を制御するレーザ走査速度v(mm/s)と、(b)レーザのスポット径の制御と関連するレーザ出力P(W)である。
【0027】
粉末を基材上に無作為に堆積し、粉末を選択的にレーザ溶融させ、これを一層ごとに繰り返す手法に関して、構造体を検討したが、これと対照的に、各層又は層の一部は、複数の所定のユニットセルの一部を生成するように走査されてもよい。粉末層が前回の粉末層に連続的に堆積されるので、このような層の走査と堆積によって、所定のユニットセルの積層プロセスが、継続して行なわれる。所定のユニットセルを作製するとき、好ましい実施形態によれば、パルス状の高エネルギービームを用いて、堆積された粉末層に「スポット」を形成する。少なくとも「スポット」のいくつかが接合し、支柱又は支柱の一部を生成し、これらが所定のユニットセルの一部を構成する。スポットは、無作為に生成されても、連続的に生成されても、又はそれらの2つを組合せて生成されてもよい。この開示における「積層プロセスを継続する」という用語は、前回の層からのユニットセルの継続のみならず、新しいユニットセルの生成及びユニットセルの完了をも意味している。
【0028】
本発明は、構造体への後続の熱処理の必要性を排除し、これによって、コア材料又は母材の初期の機械的な特性を維持するレーザ溶融プロセスを含むことが可能となる。このような装置の製造に用いられる機器は、MCPリアライザー(MCP Realiszer)、EOSM270、トランフ・トルマフォーム(Trumf Trumaform)250、アルカム(Arcam)EBMS12などを含む多くの現在市販されているものの1つであればよい。また、レーザは、特別注文の実験室的な装置であってもよい。
【0029】
金属粉末の継続的な層が前回の層の上に堆積されると、レーザヘッドは、エネルギービームを粉末の位置に投射し、これによって、スポット又は所定のユニットセルの支柱の一部を形成することになる。レーザは、コンピュータプログラムに含まれるモデルの薄切りデータに基づいて、粉末床を走査し、エネルギービームを投射している。
【0030】
ある層が完了した後、粉末フィーダを用いることによって、金属粉末の継続的な層が前回の層の上に堆積されるとよい。粉末フィーダは、金属粉末の付加的な層を堆積させる前に下降するピストンと関連して、作動されるとよい。ピストンは、望ましくは、金属構造体が作製される基材の下方に配置される。各層が処理されると、ピストンは下降され、金属粉末の付加的な層が前回の層の上に堆積されることになる。このようにして、未処理の粉末の各層は、レーザヘッドから同一の距離に配置される。レーザビームは、金属粉末の層の所望の位置がエネルギービームと係合され得るように、X−Y座標系に沿って誘導されるようにすることが可能である。レーザビームの案内は、用いられる製造システムに依存する。例えば、もし電子ビームシステムが用いられる場合、電子ビームの移動は、磁場の展開によって制御される。もしレーザビーム装置が用いられる場合、レーザビームの移動又は案内は、ガルバノメータによって制御される。
【0031】
微細孔の密度、微細孔の寸法、及び微細孔の寸法分布は、構造体の位置ごとに制御されることが可能である。継続的な粉末層は、その粉末層上をレーザ走査するのに用いられる因子を変更することによって、その多孔率を異ならせることができることに留意することが重要である。加えて、継続的な粉末層の多孔率は、特定形式の所定ユニットセルを生成するか又は所定のユニットセルの種々の寸法を操作するかのいずれかによって、変更することが可能である。
【0032】
米国特許出願第11/027,421号に記載されているように、このようなユニットセルの設計は、4面体、12面体、8面体、菱形、及び多くの他の種々の形状であってもよい。加えて、さらに他の構造を生成するために、種々の支柱がユニットセルから取除かれてもよい。前述した規則正しい幾何学的形状以外に、本発明のユニットセルは、連続的に繰り返されている場合、種々の側面や寸法が殆ど欠落している不規則な形状を有するように構成されてもよい。ユニットセルは、例えば、骨梁の構造を厳密に模倣する構造体を積層するように構成されてもよい。また、ユニットセルは、空間を充填することが可能であるので、三次元対象物内の全ての空間は、セルによって充填されるか、又はセル間にいくつかの空間を残してセルがそれらの縁のみで互いに接続されるように相互に連結されることも可能である。ユニットセルは、格子の形態で作製することもできる。加えて、隣接する格子は、互いに隔離されてもよく、又は部分的にのみ取り付けられてもよい。
【0033】
セルは、多くの方法によって、構造体内に分布されることが可能である。第1に、セルは、コンピュータ支援設計(CAD)システム内において、寸法が中実の幾何学的形状の大きさに対応するブロックにされるとよい。次いで、このブロックはコンポーネントを表す幾何学的形状と交差させることによって、そのブロックの幾何学的形状に対応する多孔性セルを生成することが可能である。第2に、セルは、対象物の全体を覆って垂れ下がるように変形され、これによって、対象物の幾何学的形状の表面に倣うことが可能になる。第3に、セルは、任意の選択された面の輪郭に倣う幾何学的形状内に埋められるようにすることもできる。
【0034】
ユニットセルは、所望の効果を得るために、構造体の表面で開口されてもよいし又は閉鎖されてもよい。例えば、切頭状の格子支柱を有するオープンセルは、孔を有する表面をもたらすと共に、表面にある程度の棘効果を与えることになる。その一方、閉鎖セルは、「庇の付いた状態」にあり、表面粗さを増加させている。
【0035】
格子の支柱の寸法を修正することによって、ユニットセルの機械的強度を制御することが可能となる。この修正は、多くの重要な領域において、行なうことが可能である。格子の支柱は、積層パラメータを注意深く選択することによって、又は特に各支柱の断面の設計を変化させることによって、調整することが可能である。格子の密度は、同様に、ユニット密度を修正することによって、例えば、多孔率の程度及び形状又はそれらの組合せを修正することによって、調整することが可能である。明らかに、ユニットセルの全体的な設計も、格子の構造的な性能に著しい効果を及ぼすことになる。例えば、12面体のユニットセルは、4面体(菱形)構造と比較して、異なる機械的強度を有している。
【0036】
従って、これらの方法又はさらに他の方法のいずれかを用いることによって、多孔性パッド40’と、必要に応じてある深さを有する関節連結する内面14’を含む大腿骨コンポーネントの上側部が、作製されるとよい。
【0037】
さらに、米国特許出願第11/027,421において検討されているように、選択レーザ焼結プロセスを利用することによって、種々の応力レベル及び圧力箇所が所定位置に向けられるように、種々の積層構造体が、特定の配列を有するように形成されてもよい。これによって、大腿骨コンポーネント又は他の積層コンポーネントが、ヒトの骨又は関節の特性を模倣することが可能になる。
【0038】
図3A及び図3Bに示されるように、大腿骨コンポーネント10’の平坦上側部に複数の溝52が形成されているとよい。1つのこのような実施形態において、溝は、内面14の種々の壁、傾斜面、及び床の間に配置されている。例えば、第1溝52は、平坦上側部50の第1部分51と第2部分53との間に配置され、第2溝54は、平坦上側部の第2部分53と第3部分55との間に配置され、第3溝56は、第3部分55と第4部分57との間に配置され、第4溝58は第4部分57と第5部分59との間に配置されているとよい。
【0039】
平坦上側部50の種々の部分は、図面において大腿骨コンポーネント10及び平坦上側部50の両方を右から左に見たとき、前壁28、前傾斜面30、遠位床32、後傾斜面34及び後壁36に対応している。これらの対応する構造とそれらを互いに関連付ける方法について、以下に説明する。
【0040】
前述したように、多孔性パッド40’は、これらの多孔性パッド40’と平坦上側面とがプロセスの同一段階中に単一の要素として形成されるように、平坦上側面50の残りと一緒に作製されてもよい。
【0041】
平坦上側部50は、積層プラットフォームから取り外された後、曲げ室(図示せず)内に配置されるとよい。曲げ室では、圧力を平坦上側部50の特定の箇所に加え、平坦上側部を捻じ曲げることによって、大腿骨コンポーネント10の内部と類似するコンポーネントを得ることが可能となる。溝52,54,56,58の特定の配置、圧力が加えられる特定の個所、加えられる圧力の大きさ、及び圧力が加えられる時間によって、構造体の最終的な形状を決定することが可能である。1つの曲げ操作例では、平坦上側部50は、図4Aに示されるように、マンドレル70に対して配置されているとよい。マンドレル70は、大腿骨コンポーネント10の関節連結しない内面14に対応する外面を有し、好ましくは、切除された大腿遠位を模倣する形状を有している。平坦上側部50がマンドレル70に対して正確に配置されたあと、矢印A及びBの方向に沿った力が平坦上側部50に加えられるとよい。図4Aに示されるように、溝が配置され、力が加えられた結果、平坦上側部は捩られ、好ましくは、図4Bに示されるのと同様の形状を取ることになる。好ましい一実施形態において、矢印A及びBの方向に沿った力は、それぞれ、溝56,58及び52,54間に特に集中的に加えられる。従って、平坦上側部50を所望の個所、すなわち、溝54,56で曲げることが可能となる。勿論、もし平坦上側部50が望ましくない箇所で曲がり始めた場合、力が異なる位置に移されるようにしてもよい。平坦上側部50が図4Bに示されるように成形された後、図4Bにおいて矢印C及びDで示されるように、力が平坦上側部の2つの外端に加えられるとよい。好ましくは、C及びDの方向に沿った力は、それぞれ、溝58,52の外側に加えられる。これによって、好ましくは、図4Cに示されるように、平坦上側部が、溝58,52において、マンドレル70の回りに曲げられる。平坦上側部50は、正確に成形されたあと、マンドレルとの係合から離脱されるとよい。
【0042】
大腿骨コンポーネントの内面と同等の形状及び寸法を有する成形された平坦上側部50’(図5)は、マンドレル70との係合から離脱されている。大腿骨コンポーネントを完成させるために、関節連結する外面が付けられるとよい。関節連結する外面は、種々の方法によって、仕上げることが可能である。例えば、具体的な一実施形態では、コバルト−クロム合金の冷間溶射が、図5に示されるように、成形された平坦上側部50’の後面49に施されるとよい。平坦上側部50がチタンからなるときは、冷間溶射が好ましい。
【0043】
冷間溶射プロセス中、ガス状のコバルト−クロム合金が、成形された平坦上側部50’の後面49に堆積され、このガス状のコバルト−クロム合金は、凝固すると、完成したコンポーネントの関節連結する外面を形成することになる。外科手術中に移植されたとき、外面60が頚骨コンポーネント(図示せず)に対して相対的に関節運動することができるように、最終的な面は、堆積されたコバルトークロム合金を研削及び研磨することによって、機械加工されるとよい。冷間溶射プロセスをコバルト−クロム合金を用いる例として検討したが、種々の他の材料、例えば、制限はされないが、高カーバイトクロムコバルトサーメット(C4)又はチタン合金などが用いられてもよい。材料の選択は、成形された平坦上側部50’の組成及び種々の材料の具体的な特性を含む種々の因子に依存している。
【0044】
もしチタン合金が用いられる場合、セラミック材料の被膜を施す必要がある。このようなプロセスでは、セラミック被膜は、チタン合金に熱溶射されるとよい。次いで、セラミック被膜は、所望の厚みに研削されるとよい。必要に応じて、セラミック被膜には、最終的な研削及び研磨ステップの前に、真空焼結又はHIPのような熱処理プロセスが施されてもよい。
【0045】
関節連結する外面60を冷間溶射によって生成する以外に、この関節連結する外面60は、成形された平坦上側部50’を鍛造又は鋳造によって得られたコバルト−クロム大腿骨プリフォームに焼結することによって形成されてもよい。大腿骨プリフォームは、別のプロセスにおいて作製される。図6に示されるように、大腿骨プリフォーム100は、内面102及び外面104を備えている。内面102は、好ましくは、成形された平坦上側面50の後面49に対応する輪郭を有している。外面104は、組み立てられたときに、最終的な大腿骨コンポーネントの関節連結する外面を形成している。
【0046】
積層プロセスを完結するために、成形された平坦上側部50’は、その後面49が大腿骨プリフォーム100の内面102に当接するように、大体骨コンポーネント100の空洞106内に収容されることになる。適所に配置された後、2つのコンポーネントは、当業者に知られている方法を用いて、一緒に焼結接合され、冷間溶射プロセスを用いて形成されたものと同様の完成された大腿骨コンポーネントを形成することが可能である。前述したように、最終的な大腿骨コンポーネントは、必要に応じて、機械加工されてもよい。
【0047】
代替的な実施形態において、大腿骨プリフォームは、鋳造又は鍛造とは異なる選択レーザ焼結技術を用いて、作製されてもよい。このプロセスでは、プリフォームのモデルが、コンピュータ内に入力され、構造体を作製するのに用いられる装置に伝達されるようになっているとよい。入力したモデルに基づいて、各々が同一の寸法と形状とを有する多数の実際の三次元モデルが作製されるとよい。勿論、入力したモデルの寸法及び形状は、作製されるモデルの寸法及び形状を変更するために、改良及び変更することが可能である。冷間溶射プロセスと同様に、鍛造された大腿骨プリフォームは、制限はされないが、C4又はチタン合金のような他の材料から作製されてもよい。
【0048】
最終的な大腿部コンポーネントの関節連結する面を、冷間溶射技術を用いて形成するか又は成形された平坦上側部に鍛造要素を焼結することによって形成する以外に、関節連結する面は、コバルト−クロム合金、C4、チタン合金、又は同様の材料を成形された平坦上側部50’の後面に熱溶射することによって、又はここでも好ましくは、コバルト−クロム合金、C4、チタン合金、又は同様の材料を用いるレーザ高エネルギー出力粉末堆積プロセスを用いることによって、形成されてもよい。前述したように、もしチタン合金が用いられる場合、セラミック被膜が必要とされる。いずれの場合においても、大腿骨コンポーネントの関節連結する面が、成形された平坦上側部50’に直接形成され、完全な大腿骨コンポーネントが形成されることになる。
【0049】
代替的な実施形態では、平坦上側面は、薄平板に形成されると共に取り付けられるようにされてもよい。この薄平板は、好ましくは、チタン合金から構成されている。薄平板と共に上側平面を形成するには、前述の実施形態と同様に、図1に示されるような大腿骨コンポーネントの三次元モデルがコンピュータに入力される。次いで、このモデルが、コンピュータのソフトウエアを用いて、展開(opened-up)され、モデルの1つ又は複数の薄切りが、前述したようなレーザ焼結技術を用いて、再生される。前述した実施形態とは対照的に、デジタル化された大腿骨コンポーネントの平坦上側部を別体として積層するのと違って、この平坦上側部が、図7に示されるように、薄平板に積層されると共に取り付けられてもよい。図7に示されるような好ましい実施形態において、平坦上側部150は、薄板180に直接的に積層され、これによって、単一な要素が形成されることになる。平坦上側部150は、平坦上側部50よりも薄いとよく、これによって、平坦上側部150が薄板180上に堆積されたとき、これらの2つの要素の組合せは、平坦上側部50の厚みと等しい厚みを有している。検討した前述の実施形態と同様に、平坦上側部150及び薄板180は、マンドレル又は他の既知の技術を用いて、曲げられてもよい。これに関連して、図示されていないが、薄板180は、曲げプロセスにおいて役に立つ種々の溝及び長溝を有していてもよい。平坦上側部50と同様に、平坦上側部150と薄板180との組合せは、大腿骨コンポーネントの関節連結しない内面を簡単に形成することが可能となる。大腿骨コンポーネントを完成するために、種々の技術、例えば、コバルト−クロム合金、C4、チタン合金などの冷間溶射又は熱溶射、鍛造によって得られた大腿骨プリフォームとの焼結、及びレーザ又は電子ビームを用いるコバルト−クロム合金、C4、チタン、又は同様の材料の高エネルギー粉体堆積などが、薄板180の後面に対して利用されてもよい。これらの場合のいずれにおいても、完成された大腿骨コンポーネントの仕上げられた関節連結する外面を得るために、仕上げ面が機械加工されてもよい。
【0050】
代替的な実施形態では、すでに示唆したように、薄板180に対して平坦上側部50又は平坦上側部150のいずれを利用しても、図1に示されるのと同様の多孔性パッドが上平坦側50,150と共に「成長」するように構成されるとよい。多孔性パッドの「成長」は、ここで検討されたレーザ技術又は代替的なレーザ技術を利用して、多孔性パッド構造を積層することを意味している。好ましい実施形態は、前述の所定のユニットセルを利用することによって、多孔性パッドを「積層」又は「成長」することを含んでいる。多孔性パッドは、積層プロセス中に、多孔性パッドが平坦上側部50,150と一緒に作製されるように、大腿骨コンポーネントをデジタル化するのに用いられるコンピュータのソフトウエアに加えられるとよい。また、多孔性パッドは、元のプロセスの一部であってもよく、元の大腿骨コンポーネントと共にコンピュータに取り込まれてもよい。多孔性パッドが平坦上側部50又は150に導入されるので、平坦上側部50又は150は、曲げプロセスにおいて役に立つ付加的な溝、長穴及び楔を有しているとよい。また、多孔性パッドパッド自体が、曲げプロセスに役に立つ種々の長孔及び開口を有していてもよい。
【0051】
多孔性パッドが、大腿骨コンポーネントの関節連結しない面、すなわち、平坦上側部に直接的に成長又は積層されるように説明したが、多孔性パッドは、別体として積層され、次いで、平坦上側部50,150の曲げの前又は後のいずれかに、関節連結しない面に取り付けることも可能である。このような実施形態では、平坦上側部は、個々の多孔性パッドが大腿骨コンポーネントの関節連結しない内面に組み立てられると共に、係止されることを可能にする係止機構を備えていてもよい。すでに述べたように、多孔性パッドは、曲げプロセスの前又は後に、関節連結しない内面に取り付けられてもよい。このような一実施形態において、平坦上側部250の関節連結しない内面214又は前面248は、図8Aおよび図8Bに示されるような、多孔性パッド240を表面に係止する種々のクリップ290又は延長部を備えているとよい。好ましい一実施形態では、金属性多孔性パッドは、冷却され、これによって、収縮する。次いで、収縮したパッドは、図8Aに示されるように、平坦上側部250の前面248の適所に配置される。次いで、多孔性パッド248が加熱され、適所で膨張する。多孔性パッドは、適所で遊嵌することが可能になる寸法を有している。しかし、多孔性パッドが、熱によって膨張するか又は冷却によって単純に収縮するとき、パッドを境界に緊密に当接させる力を与える寸法を有するか、又はパッドを適所に保持するように設計された係止要素を有している。クリップに沿ってパッドを膨張させることによって、多孔性パッドは、適所に係止されることになる。図8Bに示されるように、平坦上側部250’は、曲げられ、平坦上側部50に関して検討したのと同様の成形された平坦上側部250’に形成されることが可能である。
【0052】
多孔性パッドは、個々に作製されてもよく、又は好ましい一方法では、複数の多孔性パッドからなる縦長断面の構造体が作製されてもよい。例えば、図9に示されるように、縦長の構造体300は、ここで検討されたような選択レーザ焼結技術を用いて積層され、好ましくは、複数の所定のユニットセルを用いて作製されている。連続的な多孔率の勾配を有する構造体300が示されているが、実際の多孔率の勾配は、構造体300に沿って位置ごとに変化してもよい。好ましい一実施形態では、構造体300は、多孔性パッドの幅及び高さと実質的に等しい幅W及び(図9を見たときに紙面の奥に延びる)長さLを有している。
【0053】
次いで、構造体300は、切断線302に沿って切断されるとよい。これらの切断線302のいくつが示されている。切断線302は、好ましくは、多孔性パッドの所望の高さと等しい距離に位置している。従って、各切断が切断線302に沿ってなされると、多孔性パッドが形成され、この多孔性パッドは、骨の内部成長が望まれる大腿骨コンポーネント又は他のインプラントに組み込まれることが可能となる。構造体300は、当業者に知られている鋸、レーザ、又は同様の技術を用いて、切断されるとよい。得られた多孔性パッドは、大腿骨コンポーネント又は他のインプラントにレーザ焼結されてもよいし、又はクリップ及び係止機構を用いて、簡単に組み込まれてもよい。
【0054】
代替的実施形態では、すでに示唆したように、変動多孔率を有する構造体400が、作成されてもよい。好ましい一実施形態では、図10Aに示されるように、構造体400は、大腿骨インプラントのようなさらに他のコンポーネントに取り付けられる多孔性パッドの部分の表面では、低い多孔率を有している。従って、図10Aに示されるように、構造体400は、好ましくは、切断線402に沿って切断され、これによって、図10Bに示されるように、多孔性パッド410が形成されることになる。
【0055】
多孔性パッド410は、第1面412及び第2面414を有している。第2面414は、インプラントの面に配置されるのに適するように構成され、第1面412は、骨と向き合って骨の内部成長を促すのに適するように構成されている。この理由から、第1面412は、骨の内部成長を促すのに特に適するようにされた多孔率を有している。第2面414は、第1面の多孔率より小さい多孔率を有し、これによって、多孔性パッド410とこの多孔性パッドが取り付けられる要素との間のより大きい接触領域をもたらすことになる。これは、多孔性パッド410がインプラントにレーザ焼結されるときに、特に有利である。
【0056】
比較的対称の形状を有する構造体について図面に基づいて述べたが、これらの構造体は、種々の形状と寸法を有して作製されることができ、付加的な外科用インプラントと嵌合するのに適するように構成されている。例えば、図11A〜図11Cに示されるように、構造体は、頚骨プラトー512に容易に取り付け可能なパッド510を有していてもよい。パッドは、骨の内部成長が望まれる脊椎インプラント、股インプラント、及び他のインプラントに取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、多孔性パッドは、インプラントに配置されてもよく、さらに、付加的な骨の内部成長の特徴物の手による組立体が、多孔性パッドに取り付けられてもよい。
【0057】
本発明を具体的な実施形態を参照して説明したが、これらの実施形態は、本発明の原理と応用の単なる例示にすぎないことが理解されるべきである。従って、多数の変更が例示的な実施形態に対してなされてもよいこと、及び他の構成が、添付された特許の請求項によって定義された本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、考案されてもよいことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態の斜視図である。
【図2A】組立プロセスの初期段階における図1の実施形態の平面図である。
【図2B】組立プロセスの後段階における図2Aの実施形態の側方斜視図である。
【図3A】組立プロセスの後段階における図2Bの実施形態の平面図である。
【図3B】図3Aの実施形態の側面図である。
【図4A】本発明による1つのプロセスの説明図である。
【図4B】本発明による1つのプロセスの説明図である。
【図4C】本発明による1つのプロセスの説明図である。
【図5】本発明による最終的な製品の側面図である。
【図6】図5の実施形態の分解図である。
【図7】プロセスの初期段階における一実施形態の側面図である。
【図8A】組立プロセスの種々の段階中の代替的な実施形態の側面図である。
【図8B】組立プロセスの種々の段階中の代替的な実施形態の側面図である。
【図9】本発明の実施形態と関連して用いられる構成材を作製する1つの方法の説明図である。
【図10A】図9に示された方法の代替的実施形態の側面図である。
【図10B】図9に示された方法の代替的実施形態の側面図である。
【図11A】本発明の代替的実施形態の上方斜視図である。
【図11B】本発明の代替的実施形態の上方斜視図である。
【図11C】本発明の代替的実施形態の上方斜視図である。
【符号の説明】
【0059】
10,10’ 大腿骨コンポーネント
12,12’ 関節連結する外面
14,14’ 関節連結しない内面
20 前面
22 遠位面
24 後面
25 内側顆状面
26 外側顆状面
28 前壁
30 前傾斜面
32 遠位床
34 後傾斜面
36 後壁
40,40’ 多孔性パッド
42 ピン
49 後面
50,50’ 平坦上側部
51 第1部分
52 第1溝
53 第2部分
54 第2溝
55 第3部分
56 第3溝
57 第4部分
58 第4溝
59 第5部分
60 外面
70 マンドレル
100 大腿骨プリフォーム
102 内面
104 外面
106 空洞
150 平坦上側部
180 薄板
214 内面
240 多孔性パッド
248 前面
250,250’ 平坦上側部
300 構造体
302 切断線
400 構造体
402 切断線
410 多孔性パッド
412 第1面
414 第2面
510 パッド
512 頚骨プラトー
A,B,C,D 矢印
W 幅
L 長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科インプラントを製造する方法において、
前記インプラントの少なくとも一部を平坦に展開したモデルを選択レーザ焼結プロセスを用いて作製するステップであって、前記平坦な展開モデルは、前記平坦な展開モデルの第1面又は第2面のいずれかに沿って、少なくとも1つの溝を有するようなステップと、
力を前記平坦な展開モデルの所定の個所に加え、これによって、前記平坦な展開モデルを曲げ、前記インプラントの前記一部と同様の形状を取らせるステップと、
前記曲げられた平坦な展開モデルが所望のインプラントの形状を取るように、付加的な材料を施すことによって、前記曲げられた平坦な展開モデルの前記表面の1つに新たな表面を付けるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記インプラントの前記一部は、大腿骨インプラントの一部であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの溝は、前記平坦な展開モデルの前記第1面に沿って形成され、前記第1面は、最終製品の内面であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの溝は、前記平坦な展開モデルの前記内面に沿って配置された少なくとも4つを含み、力を前記平坦な展開モデルに加える前記ステップ中に、前記力は、前記第2面から前記第1面の方向に加えられ、これによって、前記平坦な展開モデルが曲がるとき、前記平坦な展開モデルは、前記少なくとも4つの溝を中心として曲がり、U字状の構造体を形成することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
力を加える前記ステップ中に、マンドレルが前記平坦な展開モデルの前記第1面に対して配置されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
力を前記平坦な展開モデルに加える前に、少なくとも1つの多孔性パッドが、前記平坦な展開モデルの前記第1面の隣接溝間に配置されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの多孔性パッドは、前記平坦な展開モデルと一体に形成されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの多孔性パッドは、前記平坦な展開モデルに機械的に固定される別体の要素であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの多孔性パッドを前記平坦な展開モデルに固定する前に、前記パッドは冷却され、これによって、寸法が収縮し、次いで、前記平坦な展開モデルの前記第1面に配置された保持機構間に配置され、前記パッドの温度が上昇するにつれて、前記パッドは、その寸法が大きくなり、前記保持機構間に係止されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図11C】
image rotate


【公開番号】特開2007−236926(P2007−236926A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−354437(P2006−354437)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(500239373)ハウメディカ・オステオニクス・コーポレイション (13)
【Fターム(参考)】