説明

レーザピーニング方法

【課題】従来に比べて短時間で効率的に残留応力の改善と疲労強度の向上を行うことのできるレーザピーニング方法を提供する。
【解決手段】被施工対象物の表面に液体を通してパルス状のレーザビームを、走査方向(x方向)に移動させながら一定の走査間隔毎に照射し、一定の走査長さを走査した後、走査方向(x方向)と直交するピッチ方向(y方向)に一定のピッチ移動させ、走査方向(x方向)に移動させながら一定の走査間隔毎に前記レーザビームを照射する工程を繰り返して、被施工対象物の表面に圧縮残留応力を付与するレーザピーニング方法であって、被施工対象物の部位にかかる負荷の方向及び大きさに応じて、走査方向(x方向)とピッチ方向(y方向)及びこれらの方向における夫々の単位面積当たりの照射密度を変更することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気タービン翼とディスクの取付部のピン孔内等のレーザピーニングに使用されるレーザピーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、フォーク型翼植込み部と呼ばれる低圧タービンの動翼51とディスク52の結合構造を模式的に示す図である。動翼51の下部に位置する翼植込み部は、軸方向に配分された複数の翼フォーク11を有し、これらの翼フォーク11は、ディスク52側に配分されたディスクフォーク12と交互に係合され、半径方向位置の異なる複数のピン35を軸方向に貫通させることにより結合されている。
【0003】
動翼51の組み立て時には、動翼51をディスク52の所定の位置に植え込んだ後に、予め所定の孔径より小さく開けておいた下孔に対して、リーマ工具を用いて正規の孔径となるように精密に加工を行う。その後、孔加工時に生じた切り屑を取り除いた後にピン35を挿入する。
【0004】
動翼51とディスク52の結合部には、動翼51の回転に伴って大きな遠心力が作用し、かつ蒸気が隙間より結合部に入り込むことにより蒸気中に含まれるNaやClなどの腐食生成物が蓄積されるため、結合部は強度的に非常に厳しい環境にある。
【0005】
ピン35については、図2(a)に示すように翼フォーク11から、動翼長手方向に翼フォーク11から図中矢印16で示す方向の力を受け、またディスクフォーク12では、矢印16とは反対方向にディスクフォーク12から図中矢印17で示す方向の力を受ける。その結果、翼フォーク11及びディスクフォーク12内の軸方向中央部に位置する付近で高い引張の曲げ応力が発生する。例えば、図3(b),(c)に示すように、翼フォーク11のピン孔13には、応力負荷領域14、ディスクフォーク12のピン孔13には応力負荷領域15がそれぞれ形成されることになる。
【0006】
このような曲げ応力に対して十分な強度を有するために、ピン材料としては1176N/mm以上の引張強さを有した高強度鋼が採用されている。また、動翼とディスクの材料についても同様で、運転時の遠心力に耐えられるように500N/mmを超えるような引張強さを有する材料が用いられている。
【0007】
しかし、引張強さの高い材料は応力腐食割れに対する感受性が高いため、運転から10年近く経過したプラントにおいてはピンの最大引張曲げ応力が作用する点を起点として応力腐食割れが発見されることがあった。一般に、応力腐食割れは、感受性が高い材料が腐食環境下で高い引張応力が作用する環境に長時間さらされることにより生じる。
【0008】
応力腐食割れの発生を抑制するために、ピンについては表面にショットピーニングを施して圧縮残留応力を付与する方法が用いられている。動翼とディスクのピン孔内面については、多くの場合、リーマ加工により引張応力が残ったままでピンをピン孔に挿入して運転に供されることに加えて、運転時の遠心力によって高い引張応力が負荷されるため、応力腐食割れが発生する可能性が高くなる。
【0009】
また、タービン内の蒸気流の乱れによって発生するランダム振動による応力や、タービンに給水加熱器内の蒸気が急速に逆流して起こるフラッシュバック現象による振動応力などによって、翼結合部、特に図3に示すような翼フォーク11のピン孔13近傍に形成された応力負荷領域14において高サイクル疲労による疲労破壊が発生する可能性もある。
【0010】
動翼の組立工程は、動翼をディスクに組み合わせた後、ピン孔の径をそろえるためにリーマ加工により0.5〜1.0mm程度削ってからピンを挿入して固定する方法が用いられている。そのため、ピン孔内面の応力改善処理については、動翼とディスクとを組み合わせてリーマ加工を施した後で施工する必要がある。
【0011】
近年蒸気タービンの効率を向上させるために、低圧最終段においては排気損失を低減させることを目的として翼長の長いタービン翼が採用される傾向にある。しかしながら、翼長の増大に伴って動翼に作用する遠心力が増大するため、応力集中が高い動翼とディスクの結合部においては、起動停止に伴う低サイクル疲労、高い平均応力と腐食環境下での高サイクル疲労に対して十分な強度を有した構造でなければならない。
【0012】
ピン孔内部の応力を改善する方法としては、ピン孔内部にレーザピーニングを行う方法がある。この方法によれば、ピン孔内面にパルスレーザを照射して施工範囲を圧縮残留応力にすることで、ピン孔部の残留応力の改善と疲労強度の向上を行うことができる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−43595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、従来のレーザピーニング方法では、ピン孔内部を応力改善するために多くの時間を要し、また、施工するごとに数ミクロンずつピン孔が大きくなっていくため、同一箇所を複数回施工することでピン孔が大きくなり、挿入するピンとの公差が大きくなり、そのままでは使えなくなる可能性がある。
【0015】
本発明は、上記従来の事情に対処してなされたものであり、従来に比べて短時間で効率的に残留応力の改善と疲労強度の向上を行うことのできるレーザピーニング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のレーザピーニング方法の一態様は、被施工対象物の表面に液体を通してパルス状のレーザビームを、走査方向(x方向)に移動させながら一定の走査間隔毎に照射し、一定の走査長さを走査した後、前記走査方向(x方向)と直交するピッチ方向(y方向)に一定のピッチ移動させ、前記走査方向(x方向)に移動させながら一定の走査間隔毎に前記レーザビームを照射する工程を繰り返して、前記被施工対象物の表面に圧縮残留応力を付与するレーザピーニング方法であって、前記被施工対象物の部位にかかる負荷の方向及び大きさに応じて、前記走査方向(x方向)と前記ピッチ方向(y方向)及びこれらの方向における夫々の単位面積当たりの照射密度を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、従来に比べて短時間で効率的に残留応力の改善と疲労強度の向上を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】タービン翼がディスクに対してピンで固定されていることを説明するための図。
【図2】タービン翼とディスクのピン孔にかかる力を説明するための図。
【図3】タービン翼とディスクのピン孔にかかる負荷領域の一例を説明するための図。
【図4】タービン翼とディスクのピン孔内を分割した領域の一例を説明するための図。
【図5】レーザピーニングの施工方法の一例を説明するための図。
【図6】レーザピーニングよる深さ方向の応力測定結果を示すグラフ。
【図7】施工方向による照射密度比率と表面残留応力との関係の測定結果を示すグラフ。
【図8】レーザピーニング装置の構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、フォーク型翼植込み部と呼ばれる低圧タービンの動翼51とディスク52の結合構造を模式的に示す図である。動翼51の下部に位置する翼植込み部は、軸方向に配分された複数の翼フォーク11を有し、これらの翼フォーク11は、ディスク52側に配分されたディスクフォーク12と交互に係合され、半径方向位置の異なる複数のピン35を軸方向に貫通させることにより結合されている。
【0021】
ディスク52に固定された動翼51の翼フォーク11の部分は、運転時の回転による遠心力で力を受ける。図2(a)に示すように、ピン35については、動翼長手方向に翼フォーク11から図中矢印16で示す方向の力を受け、またディスクフォーク12では、矢印16とは反対方向に、ディスクフォーク12から図中矢印17で示す方向の力を受ける。
【0022】
このため、図3(b)、(c)に示すように、翼フォーク11のピン孔13内には、応力負荷領域14、ディスクフォーク12のピン孔13内には応力負荷領域15がそれぞれ形成されることになる。これらの応力負荷領域14,15の部位において応力が高くなり、場合によっては、き裂が発生する可能性があるため、ピン孔13内にレーザピーニングを施す。
【0023】
ピン孔13内にレーザピーニングを施す装置としては、例えば図8に示すレーザピーニング装置100を使用することができる。レーザピーニング装置100は、レーザ発振器101と、レーザ光調整手段102と、レーザ光伝送手段103と、レーザ光集光手段104と、射出口106と、レーザ光出射手段107と、軸方向移動手段108と、回転手段109と、送液手段110と、筺体111とを具備している。
【0024】
レーザ発振器101から照射されたレーザ光105は、レーザ光調整手段102で調整された後、光ファイバ等からなるレーザ光伝送手段103により加工点近傍まで伝送される。レーザ光伝送手段103の先端のレーザ光出射手段107から照射されたレーザ光105は、レーザ光集光手段104により集光され、射出口106からピン孔13内に照射される。レーザ光集光手段104としては、非球面ミラーを用いれば反射させつつ集光することが可能となるが、集光レンズと平面ミラーの組み合わせ等を用いることも可能である。レーザ光集光手段104は、筐体111内に固定されており、この筺体111とともに、レーザ光集光手段104を、軸方向移動手段108と回転手段109を用いて移動させつつレーザ光105を照射し、同時に送液手段110から水などの液体を噴出させながら加工することでレーザピーニングを行う。
【0025】
レーザピーニングの施工は、図5に示すようにパルス状のレーザビーム61をレーザビーム駆動軌跡62に示すようなパターンで移動させ、施工範囲63に必要な照射密度が得られるようにレーザビーム61を照射することで達成される。すなわち、パルス状のレーザビーム61を、走査方向(x方向)に移動させながら一定の走査間隔毎に照射し、一定の走査長さを走査した後、走査方向(x方向)と直交するピッチ方向(y方向)に一定のピッチ移動させ、走査方向(x方向)に移動させながら一定の走査間隔毎にレーザビーム61を照射する工程を繰り返して、ピン孔13の内側面に圧縮残留応力を付与する。なお、図5に示すx方向は、ピン孔13の軸方向であり、y方向はピン孔13の周方向である。したがって、走査方向(x方向)の移動は直線状に行われ、ピッチ方向(y方向)の移動は回転によって行われる。
【0026】
上記のようにしてレーザピーニングを行った場合、表1に示すように、レーザビーム61のエネルギーが同じでも、単位面積当たりの照射密度を高くすることで、形成される圧縮残留応力の値は高くなる。なお、表1の値は、レーザピーニング施工した12Cr鋼について、x方向の表面残留応力σx及びy方向の表面残留応力σyを測定した結果を示している。
【0027】
【表1】

【0028】
また、走査方向(x方向)の圧縮残留応力に比べて、ピッチ方向(y方向)の圧縮残留応力が高くなる。したがって、単位面積当たりの照射密度が同じ条件でも、図5に示すレーザビーム駆動軌跡62の走査方向(x方向)とピッチ方向(y方向)の照射密度の比率を変えることで、レーザピーニングにより形成される表面の圧縮残留応力を変えることが可能である。
【0029】
図7は、縦軸を残留応力、横軸を照射密度比率(x/y)として、残留応力と照射密度比率との関係を調べた結果を示している。なお、パルスエネルギー70mJ、照射密度45パルス/mmの条件でレーザピーニング施工した12Cr鋼の表面応力を測定した結果を示している。
【0030】
図5に示す走査方向(x方向)とピッチ方向(y方向)の照射密度比率を変えてレーザピーニングを行った場合、走査方向(x方向)の照射密度を増やしてピッチ方向(y方向)の照射密度を減らすことで、y方向の表面残留応力σyは徐々に減少し、逆にx方向の表面残留応力σxは徐々に増加する。また、絶対値はy方向の表面残留応力σyの方がx方向の表面残留応力σxより大きい。したがって、負荷が大きく圧縮残留応力を大きくしたい方向をピッチ方向(y方向)とすることが好ましい。これによって、より少ない照射密度で必要な圧縮残留応力を得ることができ、効率良く施工することができる。
【0031】
ピン孔13内面にレーザピーニングを行うにあたり、さらに効率良く施工を行うためには、ピン孔13内面の部位にかかる負荷に応じて複数の処理領域に分割し、これらの処理領域毎に処理条件を変更することが好ましい。例えば、図4(a),(b),(c)に示すように、ピン孔内部を、3つの処理領域に分け、それぞれの処理領域について施工条件を変えてレーザピーニングを行う。本実施形態では、最も応力の高くなる翼フォーク11の第1処理領域21とディスクフォーク12の第1処理領域24については応力改善効果の高くなるような条件、例えば表1に示した条件1でレーザピーニング施工を行う。
【0032】
次に、負荷応力の高くなる翼フォーク11の第2処理領域22及びディスクフォーク12の第2処理領域25については、応力改善効果はあるものの第1処理領域よりも簡便な条件で施工する。例えば、表1に示した条件2で施工すれば、条件1で実施した場合に比べて約1/2の処理時間で施工できる。
【0033】
さらに、翼フォーク11の第3領域23とディスクフォーク12の第3領域26については、運転時も負荷応力があまりかからないため、例えば表1に示した工条件3を選定すれば、条件1で実施した場合に比べて約1/4の時間で施工できる。あるいは負荷応力によっては施工しないという選択も可能となる。
【0034】
また、より負荷応力の高い方向をピッチ方向(y方向)とすることにより、必要な圧縮残留応力を得るために必要とされる照射密度を低くすることができる。
【0035】
本実施形態のように、各部位の負荷に応じて、必要とされる条件で施工する手法を採用すれば、最も負荷応力が高くなる範囲については理想的な圧縮応力場が形成されるため、動翼51とディスク52の構造物としての強度は向上すると共に、実際にレーザピーニングを施工する際に必要とされる時間を短縮することができる。
【0036】
また、レーザピーニングを施工すると、表層の数ミクロンがアブレーションによりプラズマ化することでピン孔13の孔径が大きくなるため、全面施工すると徐々に孔径が大きくなり、繰り返し施工する回数が増えるとピン孔13とピン35のクリアランスが大きくなって、がたつきが発生する可能性がある。この場合、必要な部位だけに限定してレーザピーニング施工することにより、レーザピーニング施工しなかった部位については肉厚の変化がなく初期状態が保たれるようになるため、仮にピーニングの施工回数が増えたとしてもピン孔13とピン35のクリアランスの増大を抑制することができる。
【0037】
また、例えば、翼フォーク11の第1処理領域にレーザピーニングを行う際、その中でも最も応力の高くなる領域の単位あたりの照射密度が高くなるように施工し、その部位を中心に照射密度を傾斜させてレーザピーニングを行ってもよい。
【0038】
例えば、図3(b)に示す翼フォーク11の応力負荷領域14は、図3(d)に示すように、応力負荷が最も高い部位は中心付近で400MPa(図3(d)の領域27)であり、そこから周囲に向かうに従って徐々に応力は小さくなるような分布となっている(例えば図3(d)の領域28(応力負荷300MPa)、領域29(応力負荷200MPa)、領域30(応力負荷100MPa))。ここで、中心付近の応力負荷が400MPaの領域については表1の条件1で施工すれば、表面には−600MPaの圧縮応力が付与されるため、運転時に400MPaの応力負荷がかかったとしても圧縮応力が保たれた状態となり、疲労き裂が入ることはなくなる。
【0039】
中心から離れていくと負荷される応力の値は小さくなっていくことから、レーザピーニング条件についても照射密度が少ない条件で十分となり、このような条件で施工することにより、施工時間の短縮を図ることができる。また、翼フォーク11だけでなく、ディスクフォーク12についても同様の処理が可能である。
【0040】
なお、本実施例では表面応力に着目して説明を行ったが、深さ方向の圧縮残留応力についても同様の処理が可能となる。例えば、縦軸を残留応力、横軸を表面からの距離とした図6(a),(b)に示すように、同じ施工条件でも施工方向の違いにより形成される深さ方向の応力状態は変化する。例えば、例えば図6(a)は、x方向の残留応力σxの測定結果であり、実線41は照射密度が27パルス/mmの場合、点線42は照射密度が100パルス/mmの場合である。図6(b)は、y方向の残留応力σyの測定結果であり、実線43は照射密度が27パルス/mmの場合、点線44は照射密度が100パルス/mmの場合である。なお、パルスエネルギーは70mJ、試料は12Cr鋼である。このような深さ方向の圧縮残留応力の発生状態を加味して施工条件を選定すれば表面応力だけでなく深さ方向の応力状態も部位に応じてレーザピーニング条件を変えることでコントロールすることができる。
【0041】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
11……翼フォーク、12……ディスクフォーク、13……ピン孔、14……応力負荷領域、15……応力負荷領域、21……第1処理領域、22……第2処理領域、23……第3処理領域、24……第1処理領域、25……第2処理領域、26……第3処理領域、35……ピン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施工対象物の表面に液体を通してパルス状のレーザビームを、走査方向(x方向)に移動させながら一定の走査間隔毎に照射し、一定の走査長さを走査した後、前記走査方向(x方向)と直交するピッチ方向(y方向)に一定のピッチ移動させ、前記走査方向(x方向)に移動させながら一定の走査間隔毎に前記レーザビームを照射する工程を繰り返して、前記被施工対象物の表面に圧縮残留応力を付与するレーザピーニング方法であって、
前記被施工対象物の部位にかかる負荷の方向及び大きさに応じて、前記走査方向(x方向)と前記ピッチ方向(y方向)及びこれらの方向における夫々の単位面積当たりの照射密度を変更する
ことを特徴とするレーザピーニング方法。
【請求項2】
請求項1記載のレーザピーニング方法であって、
前記被施工対象物の表面の処理領域を、被施工対象物の部位にかかる負荷に応じて複数の処理領域に分割し、複数の前記処理領域毎に単位面積当たりの照射密度を変更する
ことを特徴とするレーザピーニング方法。
【請求項3】
請求項2記載のレーザピーニング方法であって、
複数の前記処理領域の中で、負荷応力が最も高くなる第1処理領域の中で最も負荷応力が高い領域を中心に単位面積当たりの照射密度を傾斜的に変化させる
ことを特徴とするレーザピーニング方法。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項記載のレーザピーニング方法であって、
前記被施工対象物は、
タービン動翼の植込み部に軸方向に複数並んだフォークと、
ディスク側の軸方向に複数並んだフォークとを互いに係合させ、
半径方向位置の異なる軸方向に沿って形成された複数のピン孔に、ピンを挿入して結合する前記タービン動翼であり、
前記ピン孔の軸方向を前記走査方向(x方向)とし、前記ピン孔の周方向を前記ピッチ方向(y方向)として前記レーザビームを前記ピン孔の内側面に照射する
ことを特徴とするレーザピーニング方法。
【請求項5】
請求項1〜3いずれか1項記載のレーザピーニング方法であって、
前記被施工対象物は、
タービン動翼の植込み部に軸方向に複数並んだフォークと、
ディスク側の軸方向に複数並んだフォークとを互いに係合させ、
半径方向位置の異なる軸方向に沿って形成された複数のピン孔に、ピンを挿入して結合する前記ディスクであり、
前記ピン孔の軸方向を前記走査方向(x方向)とし、前記ピン孔の周方向を前記ピッチ方向(y方向)として前記レーザビームを前記ピン孔の内側面に照射する
ことを特徴とするレーザピーニング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−250275(P2012−250275A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126551(P2011−126551)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(390014568)東芝プラントシステム株式会社 (273)
【Fターム(参考)】