説明

レーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置

レーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置の提供。簡単な構造であることから作動し易く、経済性に富んでおり、信頼性が高く、しかも、貼り合わせウェーハの界面不良が検出可能なレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置が開示されている。このために、レーザー手段と、レーザー拡散手段及び検出手段を備えるレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置を提供する。本発明に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置によれば、検査者が所望の倍率にてウェーハ界面の検査を行うことができるというメリットがある。なお、簡単な構造であることから、検査のための作動が容易であるというメリットがある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハの検査装置に係り、さらに詳しくは、レーザーを用いて貼り合わせウェーハの界面不良を検査できる簡単な構造であることから経済性に富んでおり、しかも、作動し易いレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェーハ貼り合わせ法(wafer bonding)は、2枚の半導体基板の表面にシリコン絶縁膜を成膜して貼り合わせる技術であり、かようなウェーハ貼り合わせ法を用いたウェーハとしては、SOI(Silicon On Insulator)ウェーハが挙げられる。SOIウェーハは、ウェーハの深さ方向に対して表層のデバイス製作領域となる活性層として用いられるシリコン単結晶の下に酸化膜などの埋め込み絶縁層を挟み込み、その下部に別のシリコン単結晶層を有するような構造となっている。
【0003】
かような構造のSOIウェーハは、寄生容量が少なく、しかも、耐放射能性が高いという特徴を有している。これにより、前記SOIウェーハは、高速化、低い消費電力化、ラッチアップ防止などの効果が期待されて、高性能半導体素子用の基板として脚光を浴びているのが現状である。
【0004】
この理由から、前記貼り合わせ法を用いたSOIウェーハの製造への取り組みが盛んになされており、このように鋭意努力したあげく、種々の製造方法が開発されている。
【0005】
例えば、1999年06月10日付け登録の下記の特許文献1には、「SOIウェーハの製造方法」が開示されている。
【0006】
これは、絶縁基板の上に酸化膜を成膜するステップと、シリコン単結晶ウェーハを酸化膜と貼り合わせるステップと、フォトレジストをシリコン単結晶ウェーハの上に円形に形成するステップと、シリコン単結晶ウェーハをエッチングするステップと、フォトレジストを除去するステップと、を含むSOIウェーハの製造方法に関する。
【0007】
また、2005年06月22日付け登録の下記の特許文献2には、「SOIウェーハ及びその製造方法」が開示されている。
【0008】
これは、SOIウェーハを用いて半導体装置を製造するに際して、製造工数を減らし、エピーシリコン成長などのさらなる工程が不要になる技術に関するものであり、このために、素子形成領域を限定するために成膜された素子分岐用絶縁膜を有する第1の半導体基板と、第1の半導体基板上の素子形成領域に区域別に形成されたウェル及び埋め込み層と、第1の半導体基板と貼り合わせられ、素子分岐用の絶縁膜の下部と接触して素子形成領域の下部を電気的に絶縁するように貼り合わせ用の絶縁膜が成膜された第2の半導体基板と、を備えるSOIウェーハ及びその製造方法に関する。
【0009】
さらに、 2006年06月21日公開の下記の特許文献3に「SOIウェーハの製造方法」が開示されている。
【0010】
これは、水素イオンの注入量を低濃度に抑え、且つ、500℃以下の2段階の低温熱処理工程を用いて、貼り合わせウェーハの水素イオン注入層を分岐し易く、表面のRms値が極めて低いSOIウェーハが得られるSOIウェーハの製造方法に関する。
【0011】
上述したように、ウェーハ貼り合わせ法を用いたSOIウェーハの場合に、多大な研究努力によって様々な製造方法が開発されている。しかしながら、貼り合わせ法を用いたウェーハの場合に、ウェーハ界面に発生する欠陥、すなわち、ウェーハ界面間に発生する異物や気泡などによるウェーハの欠陥が問題視され、これにより、ウェーハの性能が低下するという問題点があった。
【0012】
このようなウェーハの欠陥は、エッチング工程後に、光学顕微鏡、電子顕微鏡またはLPD(Light Point Defect)測定器を用いて測定可能であるが、この方法では、分布度、密度及び大きさが正確に測定しにくいという問題点がある。
【0013】
上記の問題点を解消するために、超音波顕微鏡を用いてウェーハの欠陥を測定する装置が開発されている。
【0014】
例えば、2006年04月10日付け登録の下記の特許文献4には、「超音波顕微鏡を用いたSOIウェーハの欠陥評価方法」が開示されている。
【0015】
これは、超音波顕微鏡を用いてSOIウェーハの上部シリコン層に存在する未貼り合わせ部、フッ酸欠陥及びSECCO欠陥の分布度、密度及び大きさを測定する技術であり、ウェーハの貼り合わせ欠陥だけではなく、フッ酸欠陥及びSECCO欠陥まで検出可能であるというメリットがある。しかしながら、超音波を用いたこの技術の場合に、構造が複雑であるために作動し難く、しかも、高価であるという問題点がある。
【0016】
前記超音波を用いたウェーハの欠陥の測定方法に加えて、X線を用いた技術も開発されているが、この技術もまた、構造が複雑であるために作動し難く、しかも、高価であるため経済的な負担があるという問題点がある。
【0017】
前記超音波またはX線を用いたウェーハ欠陥の測定方法に加えて、構造が簡単であり、作動し易く、しかも、経済性に富んでいる、赤外線(IR:Infrared Ray)を用いたウェーハ欠陥の測定方法が開発されている。しかしながら、この技術の場合に、ウェーハを透過できる波長帯域を有する複数のフィルターを用いるため、出力されるウェーハの欠陥イメージが鮮明ではなく、欠陥が正確に判断し難いという問題点がある。
【0018】
この理由から、簡単な構造であることから作動し易く、経済性に富んでおり、しかも、信頼性が高いウェーハ欠陥の測定装備の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】大韓民国特許公報第10−0218541号
【特許文献2】大韓民国特許公報第10−0498446号
【特許文献3】大韓民国公開特許公報第10−2006−0069022号
【特許文献4】大韓民国特許公報第1の0−0571571号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
そこで、本発明の目的は、簡単な構造であることから作動し易く、経済性に富んでおり、信頼性が高く、しかも、貼り合わせウェーハの界面不良が検出可能なレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明は、ウェーハ界面間の欠陥を検査するためのレーザービームを貼り合わせウェーハに向けて発するレーザー手段と、前記レーザー手段から発せられるレーザービームを貼り合わせウェーハに拡散させて照射するために、レーザー手段と貼り合わせウェーハとの間に配設されるレーザー拡散手段と、前記貼り合わせウェーハに照射されて貼り合わせウェーハを透過するレーザービームを用いて、貼り合わせウェーハの欠陥有無を検出する検出手段と、を備える、レーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置によれば、検査者が所望の倍率にてウェーハ界面の検査を行うことができるというメリットがある。なお、簡単な構造であることから、検査のための作動が容易であるというメリットがある。さらに、簡単な構造であることから、経済性に富んでいるというメリットがある。
【0023】
さらに、本発明に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置によれば、貼り合わせ法を用いて製造されるSOIウェーハに加えて、携帯電話に用いられる酸化単結晶ウェーハ(oxide single crystal)、LEDに用いられるガリウム砒素(GaAs:Gallium Arsenide)ウェーハなどの界面検査も行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施の形態に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置を説明するための貼り合わせウェーハの概略形成過程図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置を説明するための概略検査概念図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置を説明するための概略構成図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置の最適なレーザー均一度を測定するための実験図表である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置の最適なレーザー均一度を測定するための実験図表である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置の最適なレーザー均一度を測定するための実験図表である。
【図7】本発明の一実施の形態に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置を説明するための実施図である。
【図8】図7の斜視図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置を説明するための拡散手段移動部材の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に基づき、本発明の一実施の形態に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置について詳述する。
【0026】
本発明に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置は、貼り合わせウェーハの界面に発生する欠陥をレーザーを用いて検出する機器である。より具体的に、前記貼り合わせウェーハ(「接合ウェーハ」とも呼ばれる)は、2枚のウェーハの間に酸化層を挟んで貼り合わせられてなるウェーハであって、2枚のウェーハが接する界面に貼り合わせウェーハの製造工程時に発生する欠陥、すなわち、異物または気泡などによる界面の欠陥(異物または気泡などによって発生するエアーギャップを意味する)を検出する機器である。前記貼り合わせウェーハの形成過程は、図1に示してある。
【0027】
すなわち、本発明に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置は、図2に示すように、上記の製造工程によって貼り合わせられた貼り合わせウェーハの界面間に異物または気泡などによる欠陥があるか否かを検出するために、製造された貼り合わせウェーハ10にレーザーを照射し、透過されるイメージを用いて欠陥の有無を検出する装置である。
【0028】
前記図2に示すように、レーザーを用いて貼り合わせウェーハ10を透過したイメージを後述する検出手段を用いて感知すると貼り合わせウェーハの界面に発生する欠陥の有無を検出することができる。
【0029】
このように、本発明に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置は、レーザーを貼り合わせウェーハに照射して貼り合わせウェーハを透過したイメージを撮像し、撮像されたイメージを用いて貼り合わせウェーハの界面を検査する装置である。
【0030】
これにより、本発明に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置は、従来の超音波、X線を用いた検査装備に比べて、構造が簡単であり、作動し易い他、安価である。ひいては、赤外線を用いた検査装備に比べて、鮮明な欠陥イメージが出力される。
【0031】
以下、従来の貼り合わせウェーハ界面の欠陥検査装備に比べて、上記の特徴を有している本発明に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置について説明する。
【0032】
図3は、本発明の一実施の形態に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置を説明するための概略構成図である。
【0033】
図3を参照すると、本発明の一実施の形態に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置は、貼り合わせウェーハの界面間の欠陥を検査するためのレーザービームを貼り合わせウェーハ10に向けて発するレーザー手段100を備え、前記レーザー手段100から発せられるレーザービームを貼り合わせウェーハ10に拡散させて照射するために、レーザー手段100と貼り合わせウェーハ10との間に配設されるレーザー拡散手段200を備える。
【0034】
また、本発明に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置は、前記貼り合わせウェーハ10に照射されて、貼り合わせウェーハ10を透過するレーザービームを用いて貼り合わせウェーハ10の界面の欠陥有無を検出する検出手段300を備える。
【0035】
以下、添付図面に基づき、各構成要素別に詳述する。
【0036】
図3を参照すると、本発明の一実施の形態に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置は、レーザー手段100を備え、前記レーザー手段100は、貼り合わせウェーハの界面間の欠陥を検査するためのレーザービームを貼り合わせウェーハに向けて発する手段であり、このために、レーザー発生装置110と、レーザー分岐手段120と、レーザー光源130と、を備える。
【0037】
より具体的に、前記レーザー発生装置110は、貼り合わせウェーハ界面間の欠陥を検査するためのレーザービームを発する役割を果たし、前記レーザー発生装置110は、レーザービームを発するが、貼り合わせウェーハに照射されるレーザービームが貼り合わせウェーハを透過できるように、1000nm以上の波長を有するレーザービームを発し、好ましくは、1064nm以上の波長を有するレーザービームを発する。
【0038】
このように、レーザー発生装置110から発せられるレーザービームの波長の数値を限定した理由は、1000nm領域未満の波長帯ではレーザービームがウェーハを透過(通過)できず、それ以上の波長のみがウェーハを通過するためである。
【0039】
そして、前記レーザー分岐手段120は、前記レーザー発生装置110から発せられるレーザービームを分岐するものであり、前記レーザー分岐手段120は、いわゆる光分配器またはスプリッターと呼ばれるものであることが好ましい。
【0040】
例えば、集積光学光パワー分配器の場合、2本の光ファイバを貼り合わせるか、あるいは、側面を切り離して貼り付け、これを基板に並べるような方法により製作され、このようにして製作された光パワー分配器は、一つの信号を2分割するいわゆる1×2光パワー分配器となる。1×2光パワー分配器を縦続接続してN個の出力を生成する。
【0041】
このような光分配技術は既に周知であるため、光が分配できる限り、いかなる装置を用いても構わない。
【0042】
本発明に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置においては、分配される光を4、8、または16のチャンネルに分岐することが好ましい。なお、最初の目的に応じて分配されるチャンネル数が決まる。
【0043】
また、前記レーザー光源130は、前記レーザー分岐手段120において分岐された前記レーザー発生装置110から発せられるレーザービームを貼り合わせウェーハ10に照射する。
【0044】
このために、前記レーザー光源130は、前記レーザー分岐手段120において分岐されたレーザービームの数に見合う分だけ設けられることが好ましい。
【0045】
図3を参照すると、本発明の一実施の形態に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置は、レーザー拡散手段200を備える。前記レーザー拡散手段200は、前記レーザー手段100のレーザー光源130から発せられるレーザービームを貼り合わせウェーハ10に拡散させて照射する。
【0046】
このために、前記レーザー拡散手段200は、レーザー手段100と貼り合わせウェーハ10との間に配設されることが好ましく、レーザー拡散手段200は、レーザービームを拡散できる材質であれば、いかなるものであってもよく、例えば、拡散シートを用いることが好ましい。
【0047】
以上述べたように、本発明に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置は、レーザー手段100を用いてレーザービームを発し、発せられたレーザービームをレーザー拡散手段200を用いて拡散させて、貼り合わせウェーハ10に照射した後、貼り合わせウェーハ10を通過した照射されたレーザービームを前記検出手段300を用いて検出する技術であり、レーザー手段100と、レーザー拡散手段200と、貼り合わせウェーハ10との間の距離によって前記検出手段300において検出されるイメージの信頼性が異なってくる。
【0048】
換言すると、貼り合わせウェーハ10の界面不良の検出に際して、検出されるイメージの信頼性を向上させる要因としては、検査領域のレーザー均一度が挙げられ、前記レーザー均一度は、いかなる材質のレーザー拡散手段200を取り、且つ、前記レーザー手段100と、レーザー拡散手段200と、貼り合わせウェーハ10との間の距離はいなかる条件を有するかによって決められる。
【0049】
前記レーザー均一度を最良にするための条件は、後述する実験例から明らかになる。前記レーザー均一度は、貼り合わせられた光量分布の標準偏差によって定義され、実験により光量分布の標準偏差を調べてみると、下記の通りである。後述する実験は、モンテカルロシミュレーションを適用した光学設計ソフトウェアを用いて行われる。
【0050】
【表1】

【0051】
先ず、前記表1から明らかなように、前記レーザー拡散手段200を3種類に分類して実験を行う。また、レーザー光源から発せられるレーザービームは、1064nmの波長を有し、前記レーザービームは、レーザー拡散手段の3種類に同様に照射する。
【0052】
【表2】

【0053】
前記表2から明らかなように、前記レーザー拡散手段200のそれぞれの類型別に、レーザー光源130同士の距離(L)、レーザー拡散手段200と貼り合わせウェーハ10との間の距離(D)、及びレーザー光源130とレーザー拡散手段200との間の距離(D)を有するように位置させる。
【0054】
このように位置させた後、レーザー光源130を用いてレーザービームをウェーハに照射して最適化を始める前にシミュレーションを78回(レーザー拡散手段の類型別にそれぞれ26回ずつ)行う。その結果、D及びDは10mm置きに10〜100mmの範囲内で変化し、Lは、15〜90mmの範囲内で15mm置きに変化する。
【0055】
これによる実験結果を示す図4から図6から明らかなように、D、D、及びLの値が下がるにつれて、光量分布の標準偏差が下がる。光量分布の標準偏差は、D、Dの50〜70mm、そしてLの45〜75mmの範囲内で変化し、敏感であることが分かる。
【0056】
図3を参照すると、本発明の一実施の形態に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置は、検出手段300を備える。
【0057】
前記検出手段300は、前記貼り合わせウェーハ10を通過(透過)した前記レーザー手段100から発せられるレーザービームを用いて貼り合わせウェーハ10の欠陥有無を検出する。
【0058】
このために、前記検出手段300は、前記貼り合わせウェーハ10を透過したレーザービームを拡大させる顕微鏡(図示せず)及び前記顕微鏡を介してディスプレイされるイメージを撮像するカメラ(図示せず)を備えることが好ましい。
【0059】
前記顕微鏡を用いて前記貼り合わせウェーハ10を透過したレーザービームを拡大させるが、拡大倍率は、当初の検査目的に応じて異なり、拡大倍率によって検査速度が決められる。すなわち、貼り合わせウェーハ10の界面の欠陥を検出する速度は、前記顕微鏡の拡大倍率によって決められる。例えば、異物が大きな場合に、貼り合わせウェーハ10の全体を一つのセクターで観察することができ、異物が小さな場合には、貼り合わせウェーハ10を複数のセクターに区分し、顕微鏡を用いてセクター別に拡大して観察することができる。
【0060】
前記顕微鏡及びカメラは、図7に示してある。
【0061】
図7は、本発明の一実施の形態に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置を説明するための実施図であり、図8は、図7の斜視図である。
【0062】
図7及び図8を参照すると、本発明に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置は、レーザー手段100と、レーザー拡散手段200と、検出手段300を固定するフレーム400と、を備え、さらに前記レーザー手段100から発せられるレーザービームの照射対象となる貼り合わせウェーハが載置されるウェーハ載置部500を備える。
【0063】
本発明に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置について説明すると、先ず、最下側には、レーザー発生装置110と、レーザー分岐手段120と、レーザー光源130と、を備えるレーザー手段100が配設される。前記レーザー手段100は、前記フレーム400によって固定されていてもよく、後述するように移動可能になっていてもよい。
【0064】
すなわち、前記レーザー手段100は、一方の側に立設されるレーザー手段移動部材600をさらに備えて、前記レーザー手段100が上下動自在に設計されてもよい。
【0065】
このために、前記レーザー手段移動部材600は、前記レーザー手段100を載置するレーザー手段載置部材610と、前記レーザー手段載置部材610を上下動させるためにガイドするレーザー手段ガイド部材620と、を備えることが好ましい。
【0066】
また、本発明に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置は、前記レーザー手段100の上部から所定の距離だけ離れた個所にレーザー拡散手段200が配設される。前記レーザー拡散手段200は、前記フレーム400によって固定されていてもよく、図9に示すように、別途のレーザー拡散手段移動部材700をさらに備えて移動自在になっていてもよい。
【0067】
このために、前記レーザー拡散手段移動部材700は、前記レーザー拡散手段200を載置するレーザー拡散手段載置部材710と、前記レーザー拡散手段載置部材710を上下動させるようにガイドするレーザー拡散手段ガイド部材720と、を備えることが好ましい。
【0068】
さらに、本発明に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置は、前記レーザー拡散手段200の上部から所定の距離だけ離れた個所に貼り合わせウェーハを載置するウェーハ載置部500が配設される。
【0069】
前記ウェーハ載置部500は、貼り合わせウェーハを載置するように貼り合わせウェーハの周縁を支持する支持部510と、レーザービームが貼り合わせウェーハを透過できるように中央に穿孔された孔520と、を備えることが好ましい。
【0070】
また、前記ウェーハ載置部500は、ウェーハのサイズによらずに載置自在に、載置されるウェーハの直径に対応して中央に穿孔された孔の直径が調節可能に設計されることが好ましい。このために、前記ウェーハ載置部500は、図10に示すように、載置されるウェーハのサイズに見合う多数のウェーハ載置部500の組み合わせからなることが好ましい。
【0071】
さらに、本発明に係るレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置は、前記ウェーハ載置部500の上部から所定の距離だけ離れた個所に、顕微鏡310及びカメラ320を備える検出手段300が配設される。前記検出手段300は、前記フレーム400によって固定されていてもよく、別途の移動手段を用いて上下動させるようになっていてもよい。
【0072】
以上述べたように、それぞれの移動部材、すなわち、レーザー手段移動部材600と、レーザー拡散手段移動部材700の上下動は、別途のモーターを用いて制御することが好ましい。より具体的に、単一のモーターを用いてそれぞれの移動部材を制御してもよく、それぞれの移動部材ごとにモーターを取り付けてもよい。
【0073】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、当該技術分野における熟練された当業者であれば、特許請求の範囲に記載の本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内において本発明を種々に修正及び変更させることができるということが理解できるであろう。
【符号の説明】
【0074】
10 貼り合わせウェーハ
100 レーザー手段
110 レーザー発生装置
120 レーザー分岐手段
130 レーザー光源
200 レーザー拡散手段
300 検出手段
310 顕微鏡
320 カメラ
400 フレーム
500 ウェーハ載置部
510 支持部
520 孔
600 レーザー手段移動部材
610 レーザー手段載置部材
620 レーザー手段ガイド部材
700 レーザー拡散手段移動部材
710 レーザー拡散手段載置部材
720 レーザー拡散手段ガイド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハ界面間の欠陥を検査するためのレーザービームを貼り合わせウェーハに向けて発するレーザー手段と、
前記レーザー手段から発せられるレーザービームを貼り合わせウェーハに拡散させて照射するために、レーザー手段と貼り合わせウェーハとの間に配設されるレーザー拡散手段と、
前記貼り合わせウェーハに照射されて貼り合わせウェーハを透過するレーザービームを用いて、貼り合わせウェーハの欠陥有無を検出する検出手段と、
を備える、レーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置。
【請求項2】
前記貼り合わせウェーハに照射されるレーザービームが貼り合わせウェーハを透過できるように、前記レーザー手段が、1000nm以上の波長を有するレーザービームを発することを特徴とする請求項1に記載のレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置。
【請求項3】
前記レーザー手段が、
ウェーハ界面間の欠陥を検査するためのレーザービームを発するレーザー発生装置と、
前記レーザー発生装置から発せられるレーザービームを分岐するレーザー分岐手段と、
前記レーザー発生装置から発せられるレーザービームを前記貼り合わせウェーハに照射するために、前記レーザー分岐手段によって分岐されたレーザービームの数に見合う数だけ設けられるレーザー光源と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置。
【請求項4】
前記検出手段が、
前記貼り合わせウェーハを透過したレーザービームを拡大させる顕微鏡と、
前記顕微鏡を介してディスプレイされるイメージを撮像するカメラと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置。
【請求項5】
前記レーザー光源同士の距離が75mmであり、前記レーザー光源とレーザー拡散手段との間の距離が70mmであり、且つ、前記レーザー拡散手段と貼り合わせウェーハとの間の距離が70mmであることを特徴とする請求項3に記載のレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置。
【請求項6】
前記貼り合わせウェーハを載置するために貼り合わせウェーハの周縁を支持する支持部と、レーザービームが貼り合わせウェーハを透過できるように中央に穿孔された孔と、を有するウェーハ載置部と、
前記レーザー手段と、レーザー拡散手段と、ウェーハ載置部と、検出手段とがこの順に配設するできるように枠体の役割を果たすフレームと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置。
【請求項7】
前記ウェーハ載置部が、
ウェーハのサイズによらずに載置自在に、載置されるウェーハの直径に対応して中央に穿孔された孔の直径が調節可能であることを特徴とする請求項6に記載のレーザーを用いた貼り合わせウェーハの検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−511711(P2013−511711A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539820(P2012−539820)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【国際出願番号】PCT/KR2010/008244
【国際公開番号】WO2011/062453
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(512132675)
【氏名又は名称原語表記】FOUNDATION SEOUL TECHNOPARK
【住所又は居所原語表記】172,Gongneung−dong,Nowon−gu,SEOUL 139−240,Republic of Korea
【Fターム(参考)】