説明

レーザ処理システム、対象物台、およびレーザ処理方法

【課題】レーザビームによる処置を高い精度で処理するために、検査位置と加工位置とを往復搬送可能な処理システム。
【解決手段】共通ベース53、検査または処理のための対象物を保持するように構成された対象物台101、対象物台に設けられ、少なくとも一つの開口を有する少なくとも一つの開口板、共通ベースに設けられ走査領域13上をレーザビーム17で走査するように構成されたレーザ機15、共通ベースに対して対象物台を第1の位置から第2の位置に移動させ対象物台が第1の位置にあるときに対象物台と少なくとも一つの開口をレーザ機の走査領域内に配置させる変位器103、対象物台に設けられ少なくとも一つの開口によって与えられる受入口と取出口とを有する少なくとも一つのライトガイド、および共通ベースに対して帝位位置に設けられライドガイドの取出口から出射する光を検出するように構成された少なくとも一つの光検出器を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年2月17日出願の独国特許出願第102010008296.1号からの優先権の利益を主張し、“レーザ処理システム、対象物台、およびレーザ処理方法”を優先権として主張し、この特許出願の内容全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、レーザ処理システム、レーザ処理方法、およびレーザ処理システムとレーザ処理方法において使用可能な対象物台に関する。
【背景技術】
【0003】
レーザビームは対象物の処理に広く用いられており、この処理には対象物の物理的特性改変および対象物からの材料の除去を含む。この目的のために、十分なビームエネルギーと光子エネルギーを有するレーザビームが、レーザスキャナを用いて対象物の所定の処理位置に向けられる。これは、レーザスキャナの座標系における処理位置の座標に基づいて、レーザスキャナの走査位置を調節することにより達成され得る。この目的のために、望ましい処理位置の座標が、レーザスキャナの走査位置に変換される。好ましくは、そのような変換のパラメータは校正される。レーザスキャナの校正のためのシステムおよび方法に関しては、例えば特許文献1および特許文献2に記載されており、これらの文献の全開示内容を参照により本明細書に援用する。
【0004】
通常のレーザ処理システムおよびレーザ処理方法は、0.01nm未満の精度を要求する用途および/またはレーザ処理の開始位置と付加的機器を用いた検査または処理の開始位置との間の移動を要求する用途において不十分な性能であることが認められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6501061号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0205778 A1号
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、対象物を相対的に高い精度で処理し、および/またはレーザビームを用いた処理を開始する位置と他のビームを用いた処理または検査を開始する位置との間で対象物を往復搬送可能とするレーザ処理システムおよびレーザ処理方法を提供することである。
【0007】
実施形態によれば、対象物の処理または検査のためにレーザ処理機および付加機の何れにおいても対象物を保持し、且つ対象物を2つの機器間で往復搬送するように、対象物台は設計される。
【0008】
実施形態によれば、対象物台は、対象物を保持するように構成された少なくとも一つの対象物キャリアと、少なくとも一つの開口を有する少なくとも一つの開口板と、少なくとも一つの開口により規定される少なくとも一つの受入口および取出口を有する少なくとも一つのライトガイドとを有する。
【0009】
かかる対象物台により、レーザ機のレーザビームを用いて対象物を選択された加圧位置において処理するために、対象物キャリアに載置される対象物をレーザ処理器内に配置することが可能である。さらに、少なくとも一つの開口板の一つ以上の開口上をレーザビームで走査することにより、レーザ機のレーザスキャナの校正を行うことが可能であり、ライトガイドの取出口から出射されるレーザ光はレーザスキャナによって与えられる電流走査偏向に依存して検出される。
【0010】
少なくとも一つの開口板の少なくとも一つの開口の直径は、2mm未満、1mm未満、500μm未満、200μm未満、100μm未満、50μm未満、20μm未満、10μm未満、5μm未満、または2μm未満であってもよい。その一方で、直径は0.1μm超、1μm超、2μm超、または5μm超であってもよい
【0011】
実施形態によれば、対象物台は検出器を動かすことなくレーザ処理機から離脱されてもよい。したがって、検出器を動かすことなく対象物を処理機または検査機に搬送することが可能である。
【0012】
実施形態によれば、開口板の開口を介してライトガイドに入射するレーザ光が検出器に直接入射しないように、ライトガイドは構成される。レーザ光が高い強度を有し、検出器を損傷させる可能性がある場合には、レーザ光のそのような直接の入射は望ましくない。これは、ライトガイドの取出口から出射するレーザ光の強度をライトガイド内でレーザ光の内部反射により低減化されるようにライトガイドを設計することにより回避可能である。
【0013】
実施形態によれば、取出口においてライトガイドからレーザ光が出射する前にライトガイド内で一回以上の内部反射を、開口を介してライトガイドに入射するレーザ光が受けるように開口とライトガイドの取出口の間に直線に沿ったビーム経路が存在しないようにライトガイドが構成される。
【0014】
実施形態によれば、ライトガイドは、相互に角度をなして延在する少なくとも2つの直線状のチャンネル部を有する。例えば、その角度は20°より大きくなる。
【0015】
実施形態によれば、処理システムは、ベースと、共通ベースに設けられるレーザスキャナを含むレーザ機とを有し、レーザスキャナは走査領域上をレーザビームで走査するように構成される。処理システムは、さらに処理のために対象物を保持するように構成された対象物台を備え、少なくとも一つの開口を有する少なくとも一つの開口板が対象物台に与えられる。対象物台は、少なくとも一つの開口によって与えられる受入口と少なくとも一つの取出口とを有するライトガイドを与える。光検出器は、開口を介してライトガイドに入射するレーザビームのレーザ光がライトガイドの取出口から出射し光検出器に入射するように、ベースに対して設けられる。ここで、レーザスキャナを用いた開口上のレーザビームでの走査と光検出器によってレーザスキャナに与えられた走査偏向に依存するように検出された光強度の記録とによってレーザスキャナに対する開口の位置を決めることが可能である。対象物台の開口の定められた位置は、例えば、対象物台の座標系の原点または他の参照点であってよい。処理位置の座標が対象物台の座標系に対して相対的に知られ、処理位置において対象物の処理が望まれる場合には、レーザビームが望まれる処理位置に高い精度で向けられてもよい。
【0016】
2つ以上の開口が対象物台に与えられてもよく、当該2つ以上の開口は一つ以上のライトガイドのための受入口を与える。一つ以上のライトガイドは一つ以上の光検出器に入射レーザ光を供給する一つ以上の取出口を有する。それゆえ、レーザスキャナの座標系内における対象物台の座標系の2以上の参照点を決定するために、2つ以上の開口の位置に対応する走査偏向を決定することが可能である。これは、対象物の望ましい処理位置にレーザビームを向ける精度をさらに向上させることが可能である。
【0017】
実施形態によれば、レーザ処理システムは、レーザスキャナに対して対象物台を移動させるように構成された変位器を備える。ここにおける実施形態によれば、対象物台は、レーザスキャナの走査領域内において対象物と少なくとも一つの開口とが配置される第1の位置から、レーザスキャナの走査領域外において対象物と少なくとも一つの開口とが配置される第2の位置まで移動可能であってもよい。ここにおける実施形態によれば、対象物台の移動は、レーザスキャナに対する少なくとも一つの光検出器の位置を変更しない。したがって、対象物と少なくとも一つの開口とは、光検出器に対して移動させてもよい。
【0018】
他の実施形態によれば、対象物台が第1の位置にあるときには対象物台は真空密閉用器外に配置され、対象物台が第2の位置にあるときには対象物台は真空密閉容器内に配置され、第1の位置から第2の位置への対象物台の移動経路は真空密閉用器のドアを通過する。ここにおける模範的な実施形態によれば、光検出器は真空密閉用器外に配置される。さらなる模範的な実施形態によれば、対象物台が第2の位置にあるときに真空密閉用器のドアが閉鎖され、真空密閉用器を真空にしてもよい。さらなる実施形態によれば、対象物台が第1の位置にあるときに別の密閉容器内に配置されることも可能であり、別の密閉用器が真空にされ、または別の密閉容器が不活性ガスのように所定の構成物を有するガスによって満たされてもよい。
【0019】
模範的な実施形態によれば、対象物台が第1の位置にあるときには対象物と少なくとも一つの開口とはレーザスキャナの走査領域内に配置され、対象物台が第2の位置にあるときには対象物および/または少なくとも一つの開口は別の検査機または処理機を用いて走査されてもよい。ここにおける実施形態によれば、別の検査機または処理機は、対象物の検査または改変のために対象物上を走査する粒子ビームを発生する、電子ビーム機またはイオンビーム機のような粒子ビーム機を備える。
【0020】
実施形態によれば、電子ビーム機は電子顕微鏡を含む。
【0021】
実施形態によれば、処理方法は、検査または処理すべき対象物上の粒子ビームでの走査と、および粒子ビームの走査によって対象物から発する粒子の第1の検出の遂行とを含む。走査は、例えば、電子ビームまたはイオンビームを用いた走査であってもよく、検出される粒子は、例えば、入射粒子によって生じる二次電子または後方散乱電子のような電子であってもよい。第1の走査により取得される検出信号が、例えば対象物の走査領域画像の作成のために分析されてもよい。信号は、次にレーザ処理を受ける対象物の位置を決定するために用いられてもよい。模範的な実施形態によれば、これらの位置は粒子ビーム機の座標系内で決定される。
【0022】
実施形態によれば、レーザ処理方法は、さらにレーザ機と粒子ビーム機との間で対象物の往復搬送を有する。特に、当該方法は、対象物を粒子ビーム機から離れて、レーザスキャナの走査領域内において最終的に対象物が配置されるレーザスキャナに向けての搬送を有する。そして、対象物は、レーザスキャナを用いて対象物の処理位置にレーザビームを向けることによりレーザビームを用いて処理される。レーザビームは、対象物から材料を除去するため、または対象物を改質するために処理位置に放射エネルギーを供給する。
【0023】
ここにおいて実施形態によれば、レーザビームは、第1の検出に基づいて定められた処理位置に対応する処理位置に向けられ、まず粒子ビームを用いた走査により効果的な処理位置が定められ、次にレーザスキャナによって処理位置に向けられたレーザビームを用いて処理が行われる。
【0024】
実施形態によれば、レーザ処理方法は、粒子ビームを用いた少なくとも一つの開口の走査と、走査により発生した粒子の第2の検出の遂行とを有する。ここにおける実施形態によれば、対象物に対する少なくとも一つの開口の位置は第2の検出に基づいて決定される。ここで、少なくとも一つの開口に対する対象物の処理位置の座標を決めることが特に可能である。
【0025】
実施形態によれば、レーザ処理方法は、少なくとも一つの開口上のレーザビームでの走査と、少なくとも一つの開口を通過するレーザ光の第3の検出とを有する。レーザスキャナに対する少なくとも一つの開口の位置は、第3の検出において記録された検出信号を分析することにより決定され得る。もし、処理位置の位置が事前に少なくとも一つの開口に対して決定されれば、高い精度でこれらの処理位置にレーザビームを向けることが可能である。
【0026】
上述した点、および、発明の更なる有利な特徴は添付の図を参照した、発明の例示的な実施形態の後述の記載から明らかである。本発明の可能性のある実施例の全てが、ここに示す利点の個々を奏するわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
代表的な実施形態は概要図に表示され、また以下の記述により説明される。
【図1】一実施形態のレーザ処理システムの概要図である。
【図2】図1に示したレーザ処理システムに用いられ得る一実施形態の対象物台立面図である。
【図3】図2におけるIII−III線に沿った対象物台の概要的な断面である。
【図4】別の実施形態の対象物台の断面図である
【図5】一実施形態のレーザ処理方法を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に記載された模範的な実施形態において、機能および構成が同様である構成部位は出来る限り類似の参照番号を用いて表す。それゆえ、特定の実施形態の個々の構成部位の特徴を理解するために、他の実施形態および発明の要約の記載が参照されるべきである。
【0029】
図1は、処理システム1の概要図である。
【0030】
処理システム1は、2つの粒子ビームカラムを有する粒子ビーム機を備え、2つの粒子ビームカラムは電子ビーム5を発する電子ビームカラム3とイオンビーム9を発するイオンビームカラム7とを含み、電子ビーム5およびイオンビーム9の両方が処理領域11内の場所に向けられ得る。
【0031】
電子ビームカラム3は処理領域11内に位置する対象物に電子ビーム5を向け、二次電子および後方散乱電子を検出するために用いられる。対象物の一部の電子顕微鏡画像は、電子ビームを対象物上の複数の異なる位置に向け、これらの位置に関連した二次電子または後方散乱電子の強度を検出することにより特定され得る。そのような電子顕微鏡画像に基づいてさらなる処理を要求する対象物の処理位置を特定することも可能である。更なる処理は、処理位置における対象物上への材料の付着または処理位置における対象物からの材料の除去を含む。
【0032】
イオンビームカラム7はそのような処理位置にイオンビーム9を向けるために用いられる。イオンビーム9は処理位置における対象物から材料を除去可能であり、またイオンビーム9は処理位置における対象物の表面への材料の付着を活性化可能である。ここで、処理位置にプロセスガスを供給可能であって、イオンビームによってプロセスガスは活性化され、エッチングのような処理により対象物から材料を除去し、または活性化されたプロセスガスは対象物上に材料を付着させる。さらには、イオンビームは、電子ビームと同様に、対象物の画像の作成に用いることが可能である。
【0033】
イオンビーム9は、限定された率のみにおいて対象物からの材料を除去させる。対象物からの材料の所望量の除去にイオンビームを用いた処理では好ましくない処理時間を要する場合には、材料除去はレーザビームを用いて活性化され得る。この目的のために、処理システム1は、走査領域13にレーザビーム17を向け、走査領域13上をレーザビームで走査するように構成されたレーザスキャナ15を有するレーザ機を備える。レーザビームを用いた対象物からの材料の除去率は、イオンビームを用いて達成し得る除去率より大きくなり得る。
【0034】
電子ビームカラム3は、電子ビーム5を発生させ且つ陰極23、陽極25、および集束レンズ系27を有する電子源21を備える。電子ビームカラム3は、さらに、電子ビーム5を処理領域11に集中させるための対物レンズ31を備え、また、カラム内に配置される電子検出器29を備えてもよい。電子ビームカラム3は、さらに、対象物上の電子ビーム5の入射位置を変え、処理領域内部で対象物の表面を横切るように入射位置を走査するビーム偏向器33を備える。二次電子や後方散乱電子のように、入射電子ビームによる対象物から放出される粒子は、検出器29または走査された処理領域内の対象物の電子顕微鏡画像を作成するための他の検出器を用いて検出される。
【0035】
イオンビームカラム7は、イオン源39とイオンビーム9を形成し加速させる電極41とを備える。イオンビームカラム7は、さらに、ビーム偏向器43と、処理領域11にイオンビーム9を集中させ対象物の領域上をイオンビームで走査する集束コイルまたは集束電極45を備える。
【0036】
処理システム1は、吸引ポートに接続される真空ポンプ(図1に図示せず)を用いて真空化され得る真空空間51を限定する真空密閉容器53を備える。空気、プロセスガス、または不活性ガスなどの適切なガスが、真空状態を解除するためにポート57を介して真空空間51に供給され得る。プロセスガスが真空空間51内に供給されたときであっても電子ビーム源21を継続的に動作させるために、電子ビームカラム3は、一以上のポンピング開口59と別の真空ポンプ(図1において図示せず)に接続される吸引口61とを備える。
【0037】
対象物の処理のための一以上の粒子ビームを有するシステムに関する背景情報は、米国特許出願公開第2005/0184251 A1号、米国特許第6855938号明細書、および米国特許出願公開第2009/0309025 A1号から得られ、これらの文献の全記載内容は参照により本願開示に援用される。
【0038】
レーザスキャナ15は、レーザビーム17を形成し集中させるように構成されたレーザ71とレンズ73とを備える。レーザビーム17は、一以上のミラー75またはライトガイドを介して、真空密閉容器53の近くの位置に供給される。レーザビームは、処理されるべき対象物にビームを向ける走査ミラー77に入射する。走査ミラー77は、処理領域13上をビーム17で走査するために、矢印79によって示されるように傾斜させることが可能である。
【0039】
レーザビーム17は、レーザスキャナ15の真空空間83も限定する真空密閉容器53に設けられる窓81を通過する。真空空間83はドア87により真空空間51から分け隔てることが可能である。ドアは、実線で示されるドアの開放位置と破線で示されるドアの閉鎖位置との間を作動ロッド89により動かされる平板を含む。真空空間51、83間に異なる圧力または異なる質の真空状態を維持可能なように、平板が真空容器53に対して密閉されるのでドア85は真空気密ロックを提供する。真空空間83はポンプ口91を介して真空状態が形成されることも、ポート93を介して空気または他のガスを供給することも可能である。
【0040】
処理されるべき対象物は対象物台101に載置され、対象物台とともに2つの位置間を往復搬送させられ得る。処理システム1は、対象物のそのような変位を実行する変位器103を備える。図示した例において、搬送器103は、対象物台101に離脱可能に取り付けられるように構成されたコネクタ108を一端において担持するロッド105を備える。ロッド105が対象物台101に取り付けられた状態において、ロッド105は対象物台101を、図1の右側において処理領域111内に位置した対象物とともに実線で示される位置から、レーザビーム17の処理領域13内に対象物が位置付けられる破線によって対象物台101が示される位置まで変位可能である。同様に、対象物台101は、搬送器103の動作により、図1の左位置から右位置まで変位可能である。
【0041】
搬送器103は真空密閉容器53に設けられた密封口107を備え、シーリング107は密閉容器53に対してロッド105を密封し、真空空間51、83における真空状態を解除することなく、2つの位置間で対象物台を動かすためのロッド105を搬送可能にする。対象物台101が2つの位置間を動かされる間、対象物台101を支持するために、レール109または同様の支持物が設けられ得る。ロッド105が真空空間51の内部から引き抜かれ得る一方で対象物台101が真空空間51内に残されるようにコネクタ108を動作させることにより、対象物台101はロッド105から開放され、ドア87は真空空間51内の真空状態を改善するために閉鎖され得る。
【0042】
対象物台101が真空空間51内に配置されるときに、ビーム5、9が異なる方向から対象物に向けられるように、対象物台101が粒子ビーム5、9に対して変位するように構成されたステージ101によって対象物台101が支持される。ステージ111は、ベース113と、対象物台101が取り付けられる構成部位117を担持する一以上の中間構成部位115を備える。構成部位113、115、117は、対象物台101を3つの線形方向に変位させ、対象物台101を粒子ビーム5、9に対応して2つの角度方向θ、ψに変位させるように互いに対して動かされ得る。
【0043】
対象物台101が真空空間83に配置されるときに、対象物がレーザスキャナ15の処理領域13内に配置されるように対象物台101を位置付けさせるステージ121により、対象物台101は支持される。
【0044】
レーザビームと一以上の粒子ビームを用いた対象物の合同処理を可能にする処理システムの他の形態が、米国特許出願公開第2010/0051828 A1号に示され、全記載内容は参照により本明細書に援用される。
【0045】
図2は対象物台101が図1の左側に配置されているときの対象物台101の立面図であり、図3は図2におけるIII−III線に沿った対象物台101の部分的な断面図である。
【0046】
対象物台101は、例えば円形上面135を有する皿によって与えられるベース本体121を備える。対象物台101は、本体121に設けられる穴として与えられ得る複数の取付具123を備える。図2、3を参照した例示において、対象物台101は、円形本体121の中心に位置する単一の取付具と中心の取付具の周囲に配分される6つの取付具との7つの取り付け具123を備える。対象物キャリア125が中央取付具123に支えられ、処理すべき対象物127を担持する。開口キャリア129は7つの取付具123の中の3つに支えられる。各開口キャリア129は、本体131と、対象物台101のベース本体121の上面135に本体131が接触するまで穴123に挿入されるピン133とを備える。ベース本体121上に設けられる取付具の他の形状および数も考えられる。特に、対象物キャリアのために設けられた取付具に開口キャリアが支えられないように、対象物キャリアおよび開口キャリアのための他の異なる種類の取付具が考えられる。開口キャリアおよび/または対象物キャリアが対象物台101に固定され、対象物台から取外しできないことも考えられる。
【0047】
開口キャリアの本体131は、図3において垂直方向に延びる第1のチャンネル部141と図3において水平方向に延びる第2のチャンネル部143とを有するL字型チャンネル139を備え、第1、第2のチャンネル部141、143とが互いに90°の角度、特に20°より大きな角度に広げられる。
【0048】
チャンネル139は、本体131に設けられる開口キャリアに設けられる開口板145に与えられる開口147によって与えられる受入口を有するライトガイドを与える。
【0049】
レーザビーム17が対象物台101の上面135上を走査し得、レーザビームが開口157を通過しレーザビーム17のある走査位置においてライトガイド139に入射する。そのような走査位置が図3に図示される。チャンネル139に入射するレーザ光はチャンネルの壁において一回または複数回反射および散乱され、この光の一部がライトガイド139の取出口149から、散乱光ビーム153として出射される。散乱光ビーム153は、入射レーザ光の強度に応じた信号を出力するように構成された光検出器151に入射する。図示した実施形態においては、光検出器151は真空空間83内に配置される。他の実施形態によれば、光検出器151は真空空間83の外側に配置されてもよく、光検出器に到達するようにライトガイドの取出口からレーザ光を出射可能にさせるために真空密閉容器53に適切な窓が与えられる。光検出器は真空密閉容器53に対して固定され、対象物台101とともには移動できない。この図示した例では、真空密閉容器153はレーザ機、粒子ビーム機、および光検出器が相対的に固定され、対象物台が相対的に移動可能な共通基台を与える
【0050】
上述のように、チャンネル139はレーザビーム17のレーザ光のためのライトガイドを与え、開口板145と開口147とがライトガイドの受入口を与えるように開口147を介してレーザ光はライトガイドに入射し、取出口149を介してライトガイドから出射する光は検出器151により受光される。開口147上のレーザビームでの走査および光検出器151の検出信号の分析により、レーザスキャナ15の座標系における開口147の位置を決定可能である。レーザスキャナに対する開口の位置の決定に関する背景情報は、米国特許第6501061 B1号明細書および米国特許出願公開第2005/0205778 A1号から得られ、これらの文献の全記載内容は参照により本明細書に援用される。図示した実施形態において、開口147を通過し、ライトガイドに入射するレーザビームの一部は光検出器151に直接入射しない。入射光線は検出器に入射する前に受ける一回以上の反射のため、ライトガイドに入射するレーザビームの一部のみが検出器に入射する。これにより、レーザライトの強度を十分に減少させ、検出器に直接レーザ光が入射した場合に発生し得る光検出器の損傷が防止される。しかしながら、他の実施形態において、開口147を通過するレーザ光が直接検出器に入射するようにライトガイドが構成されてもよい。そのような状況では、光検出器の損傷を防ぐために、フィルタのような光減衰器を設けることが好ましい。
【0051】
図示した実施形態において、ライトガイドは互いに90°の角度で延在する2つのチャンネル部141、143を有するL字型チャンネルによって形成される。他の実施形態では、3以上のチャンネル部を有するライトガイドまたは曲線状のチャンネル部を有するライトガイドを設けることも考えられる。図示した実施形態のライトガイドは開口キャリアの本体131に設けられた中空のチャンネルによって与えられる一方で、他の実施形態におけるガラスやプラスチックなどの透明な光伝導部材によってライトガイドを設けることも考えられる。さらには、透明な光伝導部材は入射レーザ光の周波数偏移を達成する非線形光学材料であってもよいし、または部材は発光光学特性を有してもよい。そのような光伝導部材の選択は、レーザ光が紫外光または赤外光の波長範囲である一方で光検出器が可視光のようにレーザ光と異なる波長範囲に感度を有する場合には、有益である。
【0052】
対象物台101上に設けられる開口キャリア129の各々は、それぞれの開口キャリアの取出口から出射されるレーザ光ビーム153が同じ共通の光検出器151に入射するように、向きを合わせられる(図2参照)。そのような構成において、各々の開口上のレーザビーム17での走査、および単一の光検出器151の検出信号の分析により、3つ全ての開口の位置を決定することが可能である。代替の実施形態によれば、複数の光検出器が与えられ、各光検出器は単一の開口キャリアに関連付けられ、一つの開口キャリアのみから光を受光するように構成される。
【0053】
開口キャリア131の取出口149から出射する光を検出するように構成される限り、光検出器はどのような種類であってもよい。例えば、光検出器はフォトダイオードまたはCCDセンサを含む。
【0054】
図4は、別の実施形態による対象物台101aの断面図である。対象物台101aは2つの開口板145aを備え、各開口板145aには開口147aが与えられる。対象物台101aは両開口147aのための共通ライトガイド139aを与え、ライトガイド139aの受入口を与える開口147aを介してライトガイドに入射するレーザ光が光検出器151aに入射するように単一の共通取出口149から出射する。
【0055】
図3に示すように、開口キャリア129は、開口147が配置される平面から高さhで突出する壁155を備える。高さhは、2mmの範囲から15mmまでであってよい。高さhの模範的な値は5mmおよび10mmである。壁155は、対象物127の処理により生成する粒子が開口147に堆積することを防ぐ機能を有する。開口147に堆積した粒子は開口の形状を変え、レーザビームにより走査されたときに開口の位置の測定の精度を悪化させる。壁155は開口の周囲に完全に、または図2の立面図から明らかなように、開口の近辺の一部に沿ってのみ延在する。
【0056】
図示した例において、別々の対象物キャリアと開口キャリアとが対象物台101上において対象物と開口とを設けるのに用いられている。他の模範的な実施形態によれば、対象物および開口は、中間キャリアを設けることなく、対象物台に直接適用され、ライトガイドは対象物台のベース本体によって与えられる。
【0057】
他の例によれば、開口または対象物は、対象物台に固定される別々のキャリアに固定される。模範的な変形例は、(a)対象物および開口は別々の対象物キャリアおよび開口キャリアに固定されること、(b)対象物は第1の対象物キャリアに固定され、開口は例えば環状板である第2の開口キャリアに与えられること、(c)対象物および開口は例えば対象物台のベース本体のような共通の支持体に固定されることを含む。
【0058】
別の例によれば、対象物台の取出口から出射する光は、ファイババンドルのような別のライトガイドによって集束され、光検出器に近い位置に供給される。別のライトガイドは対象物台に設けられ得る。さらに、ライトガイドの取出口は、発光する光が取出口から大きく離れた位置に位置付けられ得る光検出器に向けられるように、方向付けられる。
【0059】
別の例によれば、ライトガイドのチャンネル部が異なる直径を有してもよい。
【0060】
別の例によれば、ライトガイドのチャンネル部は、ガラス、波長変換部材、または他の部材のような透明光伝導部材によって完全にまたは部分的に満たされていてもよい。
【0061】
別の例によれば、ライトガイドの少なくとも一つのチャンネル部の内面が特別な物理特性を有するように、改変される。改変は、特別な絶縁性や耐腐食性などを有する所定の表面粗さまたはコーティングの提供を含む。
【0062】
別の例によれば、ライトガイドの受入口を与える開口の直径は可変である。そのような可変開口は、アイリスタイプ開口によって与えられる。
【0063】
別の例によれば、ライトガイドの受入口を与える開口は非環状系でなく、例えば楕円形状または多角形状である。
【0064】
別の例によれば、ライトガイドの受入口を与える開口の直径または形状を変更可能である。例えば、複数の開口がスライダまたは回転円板上に設けられ、スライダまたは回転円板の動かすことにより所望の選択された開口がライトガイドに位置付けられ得る。
【0065】
別の例によれば、一つの開口板が、同じ直径および形状を有する複数の開口または異なる直径および/または異なる形状を有する複数の開口を有する。そのような例において、より大きな直径の開口は走査され開口の位置の急速測定に用いられ、より小さな開口は走査され開口の位置のより正確な測定に用いられる。
【0066】
また別の例によれば、複数の開口の一つ以上は、使用されていない場合または汚染を防止する場合に、覆われる。適切な板またはカバーが、レーザビームを用いた対象物の処理中に起こり得る汚染から開口を守るために、与えられ得る。
【0067】
別の例によれば、ライトガイドの受入口を限定する開口は、開口板の陥凹部に与えられる。
【0068】
図5は、実施形態の処理方法を示すフローチャートである。模範的な実施形態によれば、図5に示す処理方法は、図1に示す処理システムを図2〜4に示す対象物台とともに用いて実行される。
【0069】
当該方法において、処理されるべき対象物は対象物台の対象物キャリアに据付けられる。一以上の開口も対象物台に与えられる。対象物台は、電子顕微鏡のような検査機内に動かされる。ステップ201では、検査システムが電子顕微鏡である場合には電子ビームプローブである検査システムのビームプローブを用いて対象物が走査可能なように、対象物台は検査システムに対して移動させられる。本実施形態は、以下に電子顕微鏡を参照して説明される。しかし、電子顕微鏡でなく、イオンビーム検査システムのように他の検査システムを用いることも可能である。
【0070】
ステップ203では、対象物は走査され、電子ビームにより走査される対象物の領域の電子顕微鏡画像を作成するために、二次電子が検出される。ステップ205では、対象物部材の除去が望まれる場所が定められる。そのような処理位置の座標は電子顕微鏡の座標系において決定される。
【0071】
ステップ207では、対象物台は開口板の開口が電子ビームを用いて走査可能なように電子顕微鏡に対して移動させられる。ステップ209において開口は電子ビームを用いて走査され、ステップ211において走査中に記録された検出二次電子強度の分析により走査された開口の座標が定められる。ステップ207、209、および211は、電子顕微鏡の座標系における2以上の開口の位置を取得するために繰返され得る。ステップ205において定められた処理位置の座標は、ステップ212において対象物台の座標系に変換され、対象物台の座標系は参照点として開口の位置を含む。それに応じて、ステップ212では開口の位置に対して処理位置が識別される。対象物と開口とを担持し、対象物台に固定的に取り付けられる対象物と開口とを有する対象物台が、ステップ215において、レーザ機に搬送される。対象物台は、対象物と開口とがレーザ機によって産出されるレーザビームの走査領域内に配置されるように、レーザ機のレーザスキャナに対して位置付けられる。ステップ217では、開口がレーザビームを用いて走査され、開口を通過するレーザ光の強度が一以上の光検出器によって記録される。ステップ219では、検出光の強度からレーザ機の座標系における開口の位置が測定される。ステップ221では、対象物台の座標のレーザ機の座標への変換が決定される。ステップ221は、決定された変換を用いたレーザ機の座標系における処理位置の座標の計算も含む。各処理位置のために、ステップ223では各処理位置にレーザビームが向けられ、ステップ225では材料が処理位置における対象物から除去される。ステップ223、225は、ステップ221で決定したレーザ機の座標を用いて、各処理位置に対して繰返して実行される。
【0072】
前述のすべてのステップ、個々のステップ、または前述のステップの選択された群は、所望の処理が遂行されるまで繰返し実行され得る。特にレーザ機と検査機における処理は、所望の処理が達成されるまで、繰返し遂行され得る。所望の処理の達成は、例えば、電子顕微鏡を用いて記録された電子顕微鏡画像のような検査結果を、望ましい模範画像または他の基準と比べることにより、判別され得る。
【0073】
例えば、対象物および開口を担持する対象物台は、ステップ227において、レーザビームを用いた処理が望まれるように完了することを確認するために、電子顕微鏡に戻され得る。その後、別の処理位置を決めるために、ステップ201、203、および205が再び遂行され得る。開口の位置が、ステップ207、209、および211において再び定められ得る。しかし、電子顕微鏡の座標系における開口の位置は事前に定められるので、そのような処理は任意である。しかし、電子顕微鏡における開口の位置の繰返される決定は、別の処理位置の座標の決定の正確性を増加させるのに寄与する。
【0074】
別の処理位置の決定に続いて、更なる材料の除去のために対象物はレーザ機に搬送され得る(ステップ215)。レーザ機を用いた更なる材料の除去が不要であれば、イオンビームを用いた処理のための処理位置の座標が、ステップ201、203、および205において、定められ得る。その後、イオンビームを用いた対象物からの材料の除去またはイオンビームを用いた対象物への材料の堆積のために、イオンビームが処理位置に向けられる。
【0075】
模範的実施形態に関して本発明を記載したが、多くの代替、改変、および変形は当業者にとって明らかである。したがって、ここで説明する本発明の模範的な実施形態は説明的であり、どのようにも限定されないことが意図される。添付の特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲から離れることなく、様々な変更がなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通ベースと、
検査または処理のために対象物を保持するように構成された対象物台と、
前記対象物台に設けられ、少なくとも一つの開口を有する少なくとも一つの開口板と、
前記共通ベースに載置され、走査領域上をレーザビームで走査するレーザ機と、
前記対象物台を前記共通ベースに対して第1の位置から第2の位置に移動させるように構成され、前記対象物台が前記第1の位置にあるときには前記対象物および少なくとも一つの前記開口を前記レーザ機の前記走査領域内に位置付ける搬送器と、
前記対象物台に与えられ、少なくとも一つの開口によって与えられる受入口と取出口とを有する少なくとも一つのライトガイドと、
前記共通ベースに対して固定された位置に設けられ、前記ライトガイドの前記取出口から出射する光を検出するように構成された少なくとも一つの光検出器とを備える
ことを特徴とする処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の処理システムにおいて、
前記対象物台が前記第1の位置にあるときには前記対象物台は真空密閉用器の外部に配置され、
前記対象物台が前記第2の位置にあるときには前記対象物台は前記真空密閉用器の内部に配置され、
前記第1の位置と第2の位置との間の前記対象物台の移動経路が前記真空密閉用器のドアを通過し、
前記対象物台が前記第2の位置にあるときに前記ドアが閉鎖され前記真空密閉用器が真空化されるように前記真空密閉用器と前記ドアが構成される
ことを特徴とする処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の処理システムにおいて、
前記共通ベースに載置され、前記走査領域上を粒子ビームで走査するように構成された粒子ビーム機を備え、
前記対象物台が前記第2の位置にあるときに、前記対象物および少なくとも一つの前記開口は前記粒子ビーム機の前記走査領域内に選択的に位置付けられる
ことを特徴とする処理システム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の処理システムおいて、
前記対象物台は複数の取付具を有し、
各取付具は、少なくとも一つの開口板が載置される開口キャリア、または検査または処理されるべき前記対象物を載置可能な対象物キャリアを支えるように構成される
ことを特徴とする処理システム。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の処理システムにおいて、前記対象物台は複数の開口と複数のライトガイドとを含み、各ライトガイドは単一の受入口と単一の取出口とを有することを特徴とする処理システム。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の処理システムにおいて、前記処理システムは複数の光検出器と少なくとも一つの前記ライドガイドの複数の取出口とを備え、各光検出器は一つの取出口から発光される光を検出するように構成されることを特徴とする処理システム。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の処理システムにおいて、少なくとも一つの前記光検出器は少なくとも一つの前記ライトガイドの複数の取出口から発光される光を検出するように構成されることを特徴とする処理システム。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の処理システムにおいて、前記対象物台は複数の開口を有し、各開口は一つの取出口を有する一つのライトガイドの複数の受入口を与えることを特徴とする処理システム。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の処理システムにおいて、少なくとも一つの前記開口板は、前記レーザビームの入射方向に0.5mmより高く前記開口板の平坦面部から突出する少なくとも一つの壁部を備えることを特徴とする処理システム。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の処理システムにおいて、少なくとも一つの前記開口板の少なくとも一つの前記開口の直径が2mm未満であることを特徴とする処理システム。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の処理システムにおいて、少なくとも一つの前記開口板の全開口の直径がそれぞれ2mm未満であることを特徴とする処理システム。
【請求項12】
請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のレーザ処理システムに特に用いられる対象物台において、
検査または処理が施されるべき対象物を載置するように構成された少なくとも一つの対象物キャリアと、
2mm未満の直径である少なくとも一つの開口を有する少なくとも一つの開口板と、
少なくとも一つの開口板の少なくとも一つの開口によって与えられる受入口を有する少なくとも一つのライトガイドとを備える
ことを特徴とする対象物台。
【請求項13】
検査または処理されるべき対象物上を粒子ビームで走査し、および前記粒子ビームの前記走査により前記対象物から発する粒子の第1の検出を遂行し、
前記対象物に対して固定された開口板の少なくとも一つの開口を前記粒子ビームで走査し、および前記粒子ビームによって前記開口板から発する粒子の第2の検出を遂行し、
前記対象物と少なくとも一つの前記開口とをレーザ機の走査領域に搬送すると同時に、前記対象物と少なくとも一つの前記開口との間の幾何学的関係は固定的に維持し、
少なくとも一つの前記開口を前記レーザ機のレーザビームで走査し、前記開口を通過するレーザ光の第3の検出を遂行し、
前記第1の検出、第2の検出、及び第3の検出に基づいて前記レーザビームを用いて前記対象物を処理する
ことを特徴とする処理方法。
【請求項14】
請求項13に記載の処理方法において、前記第1の検出に基づいて前記対象物の処理位置を決定することを特徴とする処理方法。
【請求項15】
請求項14に記載の処理方法において、前記第1の検出及び第2の検出に基づいて、少なくとも一つの前記開口に対して前記対象物の前記処理位置の座標を決定することを特徴とする処理方法。
【請求項16】
請求項15に記載の処理方法において、決定された前記座標と前記第3の検出に基づいて前記レーザ機のスキャナの少なくとも一つの走査位置を決定することを特徴とする処理方法。
【請求項17】
請求項16に記載の処理方法において、前記対象物の処理において、少なくとも一つの決定された前記走査位置に応じてレーザ機の走査位置を調整し、レーザエネルギーを前記対象物に向けることを特徴とする処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−167763(P2011−167763A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−31208(P2011−31208)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(504020452)カール・ツァイス・エヌティーエス・ゲーエムベーハー (36)
【氏名又は名称原語表記】Carl Zeiss NTS GmbH
【Fターム(参考)】