説明

レーザ加工装置およびレーザ加工方法

【課題】 より高い面精度を得ることができるレーザ加工装置およびレーザ加工方法を提供すること。
【解決手段】 レーザ光を発振して被加工対象物に一定の繰り返し周波数で照射すると共に走査可能なレーザ照射機構と、被加工対象物を保持して移動可能な移動機構と、レーザ照射機構を制御してレーザ光を一定速度の円運動で走査すると共に移動機構を制御して被加工対象物を一定の移動速度で特定の方向に移動させる加工を行い、その際のレーザ光の軌跡群の位置を設定する制御部と、を備え、該制御部が、レーザ光の軌跡群をずらして前記加工を複数回行うと共に、互いに一部が重なるレーザ光の軌跡群のうち一方の軌跡群におけるレーザ光の照射が疎な部分と他方の軌跡群におけるレーザ光の照射が密な部分とを重ねる設定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結ダイヤモンドやcBNを用いた工具等の加工に好適なレーザ加工装置およびレーザ加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、焼結ダイヤモンド、cBN(立方晶窒化ホウ素)を用いた部材・工具、または気相合成などで作製されるダイヤモンド、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの炭素膜で表面を被覆された部材・工具などは、表面の凹凸を研削などの力学的な加工方法によって整形していた。
しかしながら、焼結ダイヤモンドまたはcBNなどの工具やダイヤモンドなどの炭素膜などは、力学的に強固であり、加工ごとに変形する砥石などではミクロンオーダーの精密な加工、特に面加工を施すことが困難であった。
【0003】
このため、上記のような工具や炭素膜などにレーザ光を照射して加工する方法が検討されている。例えば、特許文献1には、ダイヤモンドの表面にレーザ光を照射し走査して凸部を除去するダイヤモンドのレーザ研磨方法が提案されている。また、特許文献2には、CVD法で基板表面に合成したダイヤモンド膜にレーザ光を特定の角度で照射して平滑化する方法が提案されている。さらに、特許文献3には、ダイヤモンドまたはcBNからなる硬質焼結体を有する切削工具にチップブレーカを形成する方法であって、硬質焼結体表面にフェムト秒パルスレーザを照射し、そのビームスポットを高速で公転させながら移動させて表面に三次元形状のチップブレーカパターンを形成する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3096943号公報
【特許文献2】特開2008−207223号公報
【特許文献3】特開2007−216327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、上記従来のレーザ加工技術では、工具や炭素膜に対してレーザ光を照射しながら走査しているが、単に一定方向に走査しつつ軌跡の一部を重ねて加工するか、公転させながら走査して渦巻き状の軌跡を描いて加工を行っているため、必然的にレーザ光照射に粗密が生じて加工痕にムラが生じ、高い面精度を得ることが困難であった。また、特許文献1では、レーザビームの線長さ当たりの照射量を均一化するように移動速度を均一にしたりパルス幅を調整したりしているが、隙間無く加工を行うために軌跡同士をある程度重ねて加工を行う必要があり、この場合もやはりレーザ光照射に粗密が生じて高い面精度を得ることが難しい。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、より高い面精度を得ることができるレーザ加工装置およびレーザ加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のレーザ加工装置は、被加工対象物にレーザ光を照射して加工する装置であって、レーザ光を発振して前記被加工対象物に一定の繰り返し周波数で照射すると共に走査可能なレーザ照射機構と、前記被加工対象物を保持して移動可能な移動機構と、前記レーザ照射機構を制御してレーザ光を一定速度の円運動で走査すると共に前記移動機構を制御して前記被加工対象物を一定の移動速度で特定の方向に移動させる加工を行い、その際のレーザ光の軌跡群の位置を設定する制御部と、を備え、該制御部が、レーザ光の軌跡群をずらして前記加工を複数回行うと共に、互いに一部が重なるレーザ光の軌跡群のうち一方の軌跡群におけるレーザ光の照射が疎な部分と他方の軌跡群におけるレーザ光の照射が密な部分とを重ねる設定を行うことを特徴とする。
【0008】
本発明のレーザ加工方法は、被加工対象物にレーザ光を照射して加工する方法であって、レーザ照射機構により、レーザ光を発振して前記被加工対象物に一定の繰り返し周波数で照射する工程と、移動機構により、前記被加工対象物を保持して移動させる工程と、制御部により、前記レーザ照射機構を制御してレーザ光を一定速度の円運動で走査すると共に前記移動機構を制御して前記被加工対象物を一定の移動速度で特定の方向に移動させる加工を行い、その際のレーザ光の軌跡群の位置を設定する工程と、を有し、該制御部が、レーザ光の軌跡群をずらして前記加工を複数回行うと共に、互いに一部が重なるレーザ光の軌跡群のうち一方の軌跡群におけるレーザ光の照射が疎な部分と他方の軌跡群におけるレーザ光の照射が密な部分とを重ねる設定を行うことを特徴とする。
【0009】
これらレーザ加工装置およびレーザ加工方法では、制御部が、レーザ光の軌跡群をずらして前記加工を複数回行うと共に、互いに一部が重なるレーザ光の軌跡群のうち一方の軌跡群におけるレーザ光の照射が疎な部分と他方の軌跡群におけるレーザ光の照射が密な部分とを重ねるように設定するので、軌跡群同士が照射の密な部分と疎な部分とで互いに補償し合い、全体が均一な照射粗密状態で面を加工することができ、高い面精度を得ることができる。
なお、本発明では、レーザ光を一定速度の円運動で走査すると共に被加工対象物を一定の移動速度で特定の方向に移動させる1回の加工におけるレーザ光の軌跡を、1回(1本分)の軌跡群としている。
【0010】
また、本発明のレーザ加工装置は、前記制御部が、互いに一部が重なるレーザ光の軌跡群を該軌跡群の幅の0.1〜0.8倍分だけ重ねる設定を行うことが好ましい。
すなわち、このレーザ加工装置では、制御部が、互いに一部が重なるレーザ光の軌跡群を該軌跡群の幅の0.1〜0.8倍分だけ重ねるように設定するので、レーザ光のスポット密度を考慮した良好な加工が可能になる。
軌跡群の重ねる幅を上記範囲に設定した理由は、軌跡群を重ねる幅が0.1倍未満の場合または0.8倍を超えた場合、被加工対象物に照射される面積当たりのレーザ光のスポット密度が軌跡群の幅方向の両端領域で高いため、スポット密度の高い上記両端領域が重なることで加工面の凹凸がより強調されてしまい、高い面精度が得にくくなるためである。なお、軌跡群を重ねる幅が0.8倍を超えると、加工される面積が小さくなるため、加工スループットを高めるメリットが得られないというデメリットもある。
【0011】
また、本発明のレーザ加工装置は、前記レーザ照射機構が、波長190〜550nmのレーザ光を照射可能であることを特徴とする。
すなわち、このレーザ加工装置では、レーザ照射機構が、波長190〜550nmのレーザ光を照射可能であるので、短波長でエネルギーの高いレーザ光により焼結ダイヤモンド、cBNまたはダイヤモンド膜等に対して炭化や加熱による影響を抑制して高精度な加工が可能になる。
なお、レーザ光の波長を上記範囲に設定した理由は、波長190nm未満であると、真空紫外領域で空気中を伝播し難いことで加工効率が悪く、波長550nmを超えると、ダイヤモンド、cBN、アルミナなどで吸収率が低下し、熱影響があるため、加工精度が出ないためである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るレーザ加工装置およびレーザ加工方法によれば、制御部が、レーザ光の軌跡群をずらして加工を複数回行うと共に、互いに一部が重なるレーザ光の軌跡群のうち一方の軌跡群におけるレーザ光の照射が疎な部分と他方の軌跡群におけるレーザ光の照射が密な部分とを重ねるように設定するので、軌跡群同士が照射の密な部分と疎な部分とで互いに補償し合い、全体が均一な照射粗密状態で面を加工することができ、高い面精度を得ることができる。
したがって、本発明のレーザ加工装置およびレーザ加工方法を用いれば、切削工具や金型などの加工において、面粗さRaが0.2μm以下の高い面精度で表面性状の仕上げが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るレーザ加工装置およびレーザ加工方法の一実施形態において、レーザ加工装置を示す全体の構成図である。
【図2】本実施形態において、1つの軌跡群の場合と3つの軌跡群を重ねた場合とでレーザ光のスポット位置を示す模式図である。
【図3】本実施形態において、1つの軌跡群の場合と3つの軌跡群を重ねた場合とでレーザ光の照射密度を濃淡で示す模式図である。
【図4】本実施形態において、重ねた3つの軌跡群を示す図である。
【図5】本実施形態において、重ねた3つの軌跡群におけるレーザ光のスポット位置を示す図である。
【図6】本実施形態において、重ねた3つの軌跡群と各軌跡群におけるレーザ光のスポット位置とを合成して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るレーザ加工装置およびレーザ加工方法の一実施形態を、図1から図6を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0015】
本実施形態のレーザ加工装置1は、図1に示すように、被加工対象物Iにレーザ光Lを照射して加工する装置であって、レーザ光Lを発振して被加工対象物Iに一定の繰り返し周波数で照射すると共に走査可能なレーザ照射機構2と、被加工対象物Iを保持して移動可能な移動機構3と、レーザ照射機構2を制御してレーザ光Lを一定速度の円運動で走査すると共に移動機構3を制御して被加工対象物Iを一定の移動速度で特定の方向に移動させる加工を行い、その際のレーザ光Lの軌跡群の位置を設定する制御部4と、を備えている。
【0016】
上記被加工対象物Iとしては、例えば、切削工具や金型であり、加工される表面が焼結ダイヤモンド、cBN、気相合成によって成膜されたダイヤモンド膜などで構成されているものである。
【0017】
上記移動機構3は、水平面に平行なX方向に移動可能なX軸ステージ部3xと、該X軸ステージ部3x上に設けられX方向に対して垂直なかつ水平面に平行なY方向に移動方向なY軸ステージ部3yと、該Y軸ステージ部3y上に設けられ被加工対象物Iを保持可能であると共に水平面に対して垂直方向に移動可能なZ軸ステージ部3zと、で構成されている。
【0018】
上記レーザ照射機構2は、Qスイッチのトリガー信号によりレーザ光Lを発振すると共にスポット状に集光させる光学系も有するレーザ光源5と、照射するレーザ光Lを走査させるガルバノスキャナ6と、保持された被加工対象物Iを加工位置を確認するために撮像するCCDカメラ7と、を備えている。
上記レーザ光源5は、波長190〜550nmのレーザ光が照射可能であり、例えば本実施形態では、波長262nmのレーザ光Lを発振して出射可能である。
上記ガルバノスキャナ6は、移動機構3の直上に配置されている。また、上記CCDカメラ7は、ガルバノスキャナ6に隣接して設置されている。
【0019】
上記制御部4は、レーザ光Lの軌跡群をずらして前記加工を複数回行うと共に、互いに一部が重なるレーザ光Lの軌跡群のうち一方の軌跡群におけるレーザ光Lの照射が疎な部分と他方の軌跡群におけるレーザ光Lの照射が密な部分とを重ねる設定を行う。
また、この制御部4は、互いに一部が重なるレーザ光Lの軌跡群を該軌跡群の幅の0.1〜0.8倍分だけ重ねる設定を行うことが好ましい。
【0020】
上記制御部4は、以下の定義式:
レーザ光Lの単位照射時間(t)=1/レーザ光Lの繰り返し周波数(Hz)、
被加工対象物Iの水平方向移動距離(Xh)=単位照射時間(t)×移動速度(Vx)、
に基づいて、
以下の計算式:
レーザ光Lの軌跡のX座標(X)=回転半径(R)×cos(単位照射時間当たりの移動角度(ω)×単位照射時間(t))+水平方向移動距離(Xh)、
レーザ光Lの軌跡のY座標(Y)=回転半径(R)×sin(単位照射時間当たりの移動角度(ω)×単位照射時間(t))
で計算される軌跡のX座標およびY座標に基づいてレーザ照射機構2および移動機構3を制御する。
【0021】
次に、本実施形態のレーザ加工装置1を用いたレーザ加工方法について、図2から図7を参照して説明する。
【0022】
本実施形態のレーザ加工方法では、例えば被加工対象物Iの表面加工したい面に対して、制御部4が、レーザ照射機構2により、波長190〜550nmのレーザ光Lを直径0.08mm以下のスポット径に集光し、周速10〜5000mm/sの円運動で走査させながら、さらに移動機構3により、被加工対象物Iを一定速度で移動させる。このとき、制御部4は、上記計算式で得られる軌跡のX座標およびY座標に基づいたレーザビームの軌跡群で加工を行う。また、走査するレーザビームのピークパワー密度は、0.8MW/cm〜1.5MW/cmとする。なお、レーザ光Lの繰り返し周波数は、例えば1〜200kHzで使用される。
【0023】
その際、レーザビームの円運動の周速と被加工対象物Iの移動速度とには、
移動速度=周速/(8〜15)
という関係がある。
さらに、上述したように、この軌跡群で加工対象範囲を塗り潰す操作を行う。すなわち、レーザ光Lの軌跡群をずらして上記加工を複数回行うと共に、互いに一部が重なるレーザ光Lの軌跡群のうち一方の軌跡群におけるレーザ光Lの照射が疎な部分と他方の軌跡群におけるレーザ光Lの照射が密な部分とを重ねる。その際、隣合う軌跡群との重なりを軌跡群の幅の0.1〜0.8倍分だけ重ねる。
【0024】
例えば、図2の(a)および図3の(a)に示すように、1つの軌跡群におけるレーザ光Lのスポット位置は、軌跡群の幅内でレーザ光Lの照射密度が高い部分L1(照射が密な部分)と低い部分L2(照射が疎な部分)とが生じる。すなわち、軌跡群の幅方向における縁側領域に照射密度が高い部分L1が生じ、その間の内側領域に照射密度が低い部分L2が生じる。このため、1本目の軌跡群に対して2本目および3本目の軌跡群を、図2の(b)および図3の(b)に示すように、隣接する軌跡群におけるレーザ光Lの照射が疎な部分に密な部分を重ね合わせることにより、幅方向における照射密度の粗密が低減されて均一化され、平坦加工が可能になる。なお、図2において、黒丸部分がレーザ光のスポットであり、曲線がレーザ光の軌跡である。
【0025】
このとき、上記円運動と上記移動速度とレーザ光Lのパルス条件とを変量することで、軌跡群に生じる粗密状態が変わるため、その際の粗密状態に対応させて制御部4が上記方法で軌跡群同士を重ね合わせる。
なお、図4から図6に、より詳細に図示した、重ねた3つの軌跡群、重ねた3つの軌跡群におけるレーザ光のスポット位置、および重ねた3つの軌跡群と各軌跡群におけるレーザ光のスポット位置とを合成した図を示す。
【0026】
このように本実施形態のレーザ加工装置1では、制御部4が、互いに一部が重なるレーザ光Lの軌跡群のうち一方の軌跡群におけるレーザ光Lの照射が疎な部分L2と他方の軌跡群におけるレーザ光Lの照射が密な部分L1とを重ねるように設定するので、軌跡群同士が照射の密な部分と疎な部分とで互いに補償し合い、全体が均一な照射粗密状態で面を加工することができ、高い面精度を得ることができる。
【0027】
また、制御部4が、互いに一部が重なるレーザ光Lの軌跡群を該軌跡群の幅の0.1〜0.8倍分だけ重ねるように設定するので、レーザ光Lのスポット密度を考慮した良好な加工が可能になる。
さらに、レーザ照射機構2が、波長190〜550nmのレーザ光Lを照射可能であるので、短波長でエネルギーの高いレーザ光Lにより焼結ダイヤモンド、cBNまたはダイヤモンド膜等に対して炭化や加熱による影響を抑制して高精度な加工が可能になる。
【実施例1】
【0028】
次に、上記実施形態のレーザ加工装置を用いて実際に加工した実施例について説明する。
なお、被加工対象物として、CVD法によって成膜された表面粗さRa:8μmのダイヤモンド膜を採用した。
【0029】
このダイヤモンド膜に対して、スポット内のパワー密度がガウシアン分布の波長262nmのレーザ光を、ピークパワー密度0.8MW/cmに設定し、レーザー光を直径80μmの円運動(すなわち、軌跡群の幅)で走査させながら、被加工対象物を420mm/sの速度で加工面に対して平行に移動させて加工を行った。その際、レーザビームの円運動の周速は4200mm/sとした。この条件で、制御部により上述した方法でレーザ光の軌跡群が互いに部分的に重なるようにし、複数の軌跡群で加工対象範囲を塗り潰す操作を行った。なお、その際、隣合う軌跡群との重なりを40μmとした。このレーザ加工によって、ダイヤモンド膜の表面粗さが、Ra0.2μmとなる高い面精度の加工が得られた。
【0030】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明のレーザ加工装置およびレーザ加工方法は、特に切削工具や金型などの加工において表面性状の仕上げ等に好適なものである。
【符号の説明】
【0032】
1…レーザ加工装置、2…レーザ照射機構、3…移動機構、4…制御部、6…ガルバノスキャナ、I…被加工対象物、L…レーザ光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工対象物にレーザ光を照射して加工する装置であって、
レーザ光を発振して前記被加工対象物に一定の繰り返し周波数で照射すると共に走査可能なレーザ照射機構と、
前記被加工対象物を保持して移動可能な移動機構と、
前記レーザ照射機構を制御してレーザ光を一定速度の円運動で走査すると共に前記移動機構を制御して前記被加工対象物を一定の移動速度で特定の方向に移動させる加工を行い、その際のレーザ光の軌跡群の位置を設定する制御部と、を備え、
該制御部が、レーザ光の軌跡群をずらして前記加工を複数回行うと共に、互いに一部が重なるレーザ光の軌跡群のうち一方の軌跡群におけるレーザ光の照射が疎な部分と他方の軌跡群におけるレーザ光の照射が密な部分とを重ねる設定を行うことを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザ加工装置において、
前記制御部が、互いに一部が重なるレーザ光の軌跡群を該軌跡群の幅の0.1〜0.8倍分だけ重ねる設定を行うことを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のレーザ加工装置において、
前記レーザ照射機構が、波長190〜550nmのレーザ光を照射可能であることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項4】
被加工対象物にレーザ光を照射して加工する方法であって、
レーザ照射機構により、レーザ光を発振して前記被加工対象物に一定の繰り返し周波数で照射する工程と、
移動機構により、前記被加工対象物を保持して移動させる工程と、
制御部により、前記レーザ照射機構を制御してレーザ光を一定速度の円運動で走査すると共に前記移動機構を制御して前記被加工対象物を一定の移動速度で特定の方向に移動させる加工を行い、その際のレーザ光の軌跡群の位置を設定する工程と、を有し、
該制御部が、レーザ光の軌跡群をずらして前記加工を複数回行うと共に、互いに一部が重なるレーザ光の軌跡群のうち一方の軌跡群におけるレーザ光の照射が疎な部分と他方の軌跡群におけるレーザ光の照射が密な部分とを重ねる設定を行うことを特徴とするレーザ加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−121094(P2011−121094A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281061(P2009−281061)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Fターム(参考)】