説明

レーザ照射装置

【課題】装置の大型化及び煩雑化をもたらすことなく、また照度の低下をもたらすことなく、レーザ光を光源に使用した場合の干渉縞の発生を防止することができるレーザ照明装置を提供する。
【解決手段】レーザ光の光路に、偏光解消板6、フライアイレンズ7及びコンデンサレンズ8、9が、この順に配置されている。偏光解消板6は、フライアイレンズ7の各レンズセルに対応する大きさを有し入射レーザ光に対して位相差を与えて出射する複数個の位相差板6a〜6dがレンズセルに1:1で対応して配置されたものであり、各位相差板は、隣り合うもの同士の出射光の偏光面が45°異なるように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光源を使用して露光、加工又はアニール等を行うレーザ照射装置に関し、特に、レーザ光に特有の干渉縞の発生を防止したレーザ照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
露光装置、レーザ加工装置又はレーザアニール装置等においては、レーザ光源を利用した照射装置が使用されている。このレーザ光源を使用した照射装置においては、レーザ光に特有の干渉縞が発生して、照射領域に照度のムラが生じ、照度の均一性が低下するという問題点がある。この照射ムラを防止するために、従来、照射光を照射領域にて移動させて、照度を平均化するという対策を講じていた。しかし、ワンショットで露光したり、加工する場合には、このような対策をとることができない。
【0003】
一方,従来のレーザビーム均一照射光学系として、レーザ光源からのレーザビームをビーム断面において二次元的に分割し、分割ビームにおける互いに隣り合う分割ビームの一方を他方に対して時間的可干渉距離よりも長く遅延させ、更に、分割ビームを被照射物の照射面上で重ね合わせて照射するものがある(特許文献1の請求項1及び請求項5)。また、隣り合う分割ビームの一方を他方に対して遅延させる代わりに、隣り合う分割ビームの一方を他方に対して偏光方向を実質的に直交させることも提案されている(特許文献1の請求項11)。
【0004】
更に、偏光解消板として、透明基板の両面に、サブ波長オーダーのディメンジョンの断面凹凸繰り返し構造が形成されたものが提案されている(特許文献2)。この凹凸繰り返し構造は、凹部と凸部の幅の比率が面内で変化したものであり、その溝方向は面垂直方向を回転軸としてずれているものである(特許文献2の請求項1)。凹部と凸部の幅の比率を面内で変化させる代わりに、溝深さを面内で変化させた偏光解消板(特許文献2の請求項2)又は凸部の側壁角度を面内で変化させた偏光解消板(特許文献2の請求項3)も開示されている。更に、溝方向を面垂直方向を回転軸としてずらす代わりに、繰り返し構造を溝垂直方向にずらすものも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−287706号公報
【特許文献2】特開2008−257133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術は、レーザ光の分割に、直交配置した2個のシリンドリカルレンズを使用するため、その両者の位置合わせのために、高精度の組み立て技術が必要であり、装置が複雑になり、装置コストが高いという問題点がある。
【0007】
また、特許文献2に開示された従来技術は、凹凸を有する偏光解消板を使用するため、制作が困難であるという問題点がある。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、レーザ光を光源に使用した場合の干渉縞の発生を防止することができ、製造が容易であるレーザ照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るレーザ照明装置は、レーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光の光路に配置されたフライアイレンズと、このフライアイレンズを通過したレーザ光を照射面に集光するコンデンサレンズと、前記レーザ光の光路であって前記フライアイレンズの入射側又は出射側に配置された偏光解消部材と、を有し、前記偏光解消部材は、入射レーザ光に対して位相差を与えて出射する複数個の位相差板が前記フライアイレンズの各レンズセルに1:1で対応して配置されたものであり、各位相差板は、隣り合うもの同士の出射光の偏光面が45°異なるように配置されていることを特徴とする。
【0010】
このレーザ照射装置において、例えば、前記位相差板は、透明な異方性結晶からなる1/2波長板であり、この異方性結晶がもつ光学結晶軸方向が隣あう位相差板同士で22.5°異なるように配置されているように構成することができる。また、前記位相差板は前記フライアイレンズの各レンズセルに対応する大きさを有するように構成することができる。更に、前記偏光解消部材と前記フライアイレンズとの間に、縮小投影レンズ又は拡大投影レンズを配置し、この縮小投影レンズ又は拡大投影レンズにより、前記偏光解消部材を透過したレーザ光のビームの断面形状を、前記フライアイレンズの大きさに合わせて、夫々縮小又は拡大するように構成することができる。更にまた、前記フライアイレンズと前記偏光解消部材との間に、縮小投影レンズ又は拡大投影レンズを配置し、この縮小投影レンズ又は拡大投影レンズにより、前記フライアイレンズを透過したレーザ光のビームの断面形状を、前記偏光解消部材の大きさに合わせて、夫々縮小又は拡大するように構成することもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、位相差板とフライアイレンズとの組み合わせにより、一方向の直線偏光のレーザ光をランダム偏光に変換することができ、照射面上において、干渉縞が発生することを防止でき、照度のムラがない均一なレーザ照射をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るレーザ照射装置を示す図である。
【図2】本実施形態で使用する偏光解消板を示す平面図である。
【図3】本実施形態の動作を示し、位相板とフライアイレンズとの関係を示す図である。
【図4】本実施形態の位相差板と出射光の偏光面の方向との関係を示す模式図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るレーザ照射装置を示す図、図2は偏光解消板6を示す平面図、図3は偏光解消板6とフライアイレンズ7の部分を拡大して示す図、図4は位相差板とその出射光の偏光面との関係を示す図である。図1に示すように、レーザ光源12から一方向に直線偏光したレーザ光が出射される。このレーザ光源12から出射したレーザ光は、ミラー1、2、3により光路を変更して、照射面11に照射される。この照射面11は、本実施形態を露光装置に適用した場合は、半導体層の上に形成したマスクである。
【0014】
このレーザ光の光路に、第1フライアイレンズ4、第1コンデンサレンズ5、偏光解消板6、第2フライアイレンズ7、第2コンデンサレンズ8、9及び保護石英板10が、レーザ光の進行方向に、この順に配置されている。フライアイレンズ4,7は、微少な凸レンズのセルがマトリクス状に多数配置されたものである。なお、図1及び図3では、偏光解消板6と第2フライアイレンズ7とが離隔しているように示されているが、実際上は、偏光解消板6と第2フライアイレンズ7とは相互に接着固定すること等により、一体化されている。但し、偏光解消板6と第2フライアイレンズ7とは、相互に離隔して配置することできる。
【0015】
そして、第2フライアイレンズ7の入射側には、偏光解消板6が設けられている。図2に示すように、この偏光解消板6は、4種類の位相差板6a、6b、6c、6dをマトリクス状に配置して構成されている。各位相差板6a〜6dは、第2フライアイレンズ7の各レンズセルに対応する大きさを有し、この各レンズセルに1:1で対応するピッチで配置されている。位相差板6a〜6dは、フライアイレンズ7の各レンズセルに対応して設けられており、その大きさは、レンズセルの大きさによるが、通常、数mm角の正方形をなす。但し、この位相差板6a〜6dの形状は、正方形に限らず、例えば、円形又は正五角形等、種々の形状が可能である。位相差板6a〜6dは、透明な異方性結晶からなる1/2波長板であり、その光学結晶軸方向が隣り合う位相差板同士で22.5°異なるように配置されている。1/2波長板は、位相板の厚さを調節することにより、結晶の光軸と入射光の偏光面とのなす角度が45°であると、入射光をその偏光面が90°回転した直線偏光として出射させる。従って、図4(a)に示すように、1/2波長板(位相差板6c)の光軸が水平(0°)であるとした場合、その上方及び右方の1/2波長板(位相差板6a,6d)は、夫々、右方向に22.5°、左方向に22.5°傾斜している。この4個の1/2波長板(位相差板6a〜6d)に、偏光面が水平であるレーザ光が入射した場合、出射光の偏光面は、図4(b)、(c)に示すように、入射光における位相差板6cを通過した部分は、偏光面が変化せず、水平のままである。これに対し、1/2波長板(位相差板6a)を通過した部分は、入射光の偏光面が1/2波長板(位相差板6a)の結晶光軸と22.5°異なっているので、45°回転して出射する。従って、図4(b)、(c)に示すように、位相差板6aを通過したレーザ光は、その偏光面が入射光の偏光面(水平)から時計方向に45°回転する。同様に、1/2波長板(位相差板6d)に入射したレーザ光は、位相差板6dから出射するときに、その偏光面が反時計方向に45°回転する。1/2波長板(位相差板6b)は、その光学結晶軸が、入射光の偏光面と45°異なるので、位相差板6bを出射したレーザ光は、その偏光面が90°回転し、垂直となる。このようにして、例えば、位相差板6aを出射したレーザ光はその偏光面が光軸上でレーザ光の通過方向に見て左側に45°に傾き、位相差板6bはその偏光面が垂直であり、位相差板6cはその偏光面が水平であり、位相差板6dはその偏光面が右側に45°傾いている。よって、隣り合う位相差板同士で見ると、その通過後のレーザ光の偏光面は、45°異なるものである。
【0016】
位相差板6a〜6dは、図2に示すように、縦横それぞれ8分割されているが、この分割数は、8分割に限らず、例えば、4分割から10分割等、種々設定することができる。なお、図3においては、図示の簡略化のために4分割で示してある。各位相差板6a〜6dは、前述のごとく、通常、数mm角の正方形であるが、1辺長が100μmのものもあり、最大でも、10mmである。なお、照射面11の大きさは、通常、数10mm〜数100mmであり、位相差板6a〜6bの総数又は分割数は、照射面11の大きさ等により決めることができる。
【0017】
このような位相差板6a〜6dは、前述のごとく、1/2波長板を使用することができる。この1/2波長板を使用すると、直線偏光のレーザ光の偏光面が1/2波長板の光学結晶軸方向に対して45°傾斜するようにレーザ光が1/2波長板に入射した場合に、入射光の偏光面を90°回転させた偏光面を有するレーザ光が出射する。従って、隣り合う位相差板の光学結晶軸が22.5°異なる場合は、出射光の偏光面は45°異なったものとなる。なお、1/4波長板を2枚重ねて、1/2波長板とすることもできることは勿論である。
【0018】
第1、第2コンデンサレンズ5,8,9は、フライアイレンズにより分割されたレーザ光を重ねて、同一光軸上に集光させるものである。また、本実施形態は、本発明を露光装置に適用したものであるから、第2コンデンサレンズ8,9の出射側に保護石英板10が設けられている。この保護石英板10は、レジストを露光したときに有機物がチャンバ内に蒸散してきて、紫外線があたるとコンデンサレンズがくもるという現象があり、そうすると、コンデンサレンズを交換する必要があり、この交換作業が繁雑であるため、コンデンサレンズと照射面のマスクとの間に設置されるものである。つまり、この保護石英板10により、露光時に、コンデンサレンズ9がくもることが防止される。
【0019】
次に、上述のごとく構成された本実施形態のレーザ照射装置の動作について説明する。レーザ光源12から直線偏光されたレーザ光が出射し、第1のフライアイレンズ4により分割された後、コンデンサレンズ5により、同一光軸上に集光されて、レーザ光の強度がレーザ光の断面内において均一化される。次に、このレーザ光は、偏光解消部板6を通過して、第2のフライアイレンズ7により分割された後、第2のコンデンサレンズ8,9により、同一光軸上の照射面11に集光される。
【0020】
このとき、偏光解消板6において、隣り合う位相差板6a〜6dの光学結晶軸方向が22.5°異なるように、各位相差板6a〜6dが配置されているので、レーザ光は例えば位相差板6aを通過したレーザ光の偏光面と、その隣の位相差板6bを通過したレーザ光の偏光面とが45°相違する。その他の位相差板6aと位相差板6cも同様に光学結晶軸方向が45°相違し、位相差板6bと位相差板6dも同様に光学結晶軸方向が45°相違する。そして、各位相差板6a〜6dを通過したレーザ光は、各位相差板6a〜6dに対応して設置されている第2フライアイレンズ7のレンズセルにより集光された後、更に、第2のコンデンサレンズ8,9により集光されて、図3に示すように、照射面11上において、フライアイレンズ7の全てのレンズセルを通過してきたレーザ光が重ねられる。これにより、各レンズセルを個別に通過して偏光状態が相互に異なるレーザ光が、照射面11上で重ねられて、照射面11上では、レーザ光は擬似的なランダム偏光となる。直交する偏光成分同士は、干渉しないので、擬似的にランダム偏光となった照射面では干渉縞は低減される。
【0021】
偏光解消板6に入射するレーザ光は一方向に直線偏光したものであり、このレーザ光の偏光面は、偏光解消板6の各位相差板6a〜6dに対して、4種類の関係を有する。直線偏光の入射光の偏光面が、図4(a)に示すように、水平である場合は、偏光解消板6の出射光の偏光面は、図4(b)に示すように、水平偏光、45°偏光、及び垂直偏光の偏光面が4種類のレーザ光が出射され、隣り合う位相差板を出たレーザ光は、偏光面が45°相違し、照射面11上で重ねられる。そして、偏光面が90°異なるレーザ光同士は干渉しないので、照射面11上では、干渉縞が発生することが防止される。偏光解消板6に入射するレーザ光の偏光面が、水平ではなく傾斜している場合も、隣り合う4個の位相差板から出射するレーザ光は、その偏光面が互いに45°異なるものとなる。即ち、偏光解消板6に入射するレーザ光の偏光面が水平に対してどのような角度で傾斜していたとしても、位相差板6a〜6dから出射するレーザ光の偏光面は、隣合う位相差板から出射したもの同士は、45°異なったものとなる。これにより、これらの偏光解消板6を通過したレーザ光がフライアイレンズ7で分割された後、更に、コンデンサレンズ8,9で照射面11上に集光され、この照射面11上で重ねられたときは、偏光面が90°をなす成分同士で干渉縞が生成せず、照射光には干渉縞が生じない。
【0022】
なお、本実施形態において、偏光解消板6と第2フライアイレンズ7とは相互に接着固定すること等により、一体化されており、この場合は、偏光解消板6の大きさ又は各位相差板6a〜6dの配列ピッチと、フライアイレンズ7の大きさ又はその各レンズセルの配列ピッチとは、一致している。しかし、偏光解消板6とフライアイレンズ7とが離隔している場合は、第1コンデンサレンズ5による照明系の中に偏光解消板6とフライアイレンズ7とが相互に離隔して配置されることになるので、その照明系の中で、位相差板6a〜6dの配列ピッチと、フライアイレンズ7の各レンズセルの配列ピッチとが一致し、位相差板とレンズセルとが1:1に対応するように、発散又は収束する照明系の中で偏光解消板6の大きさとフライアイレンズ7の大きさとを決める必要がある。
【0023】
図5は本発明の他の実施形態を示す図である。この実施形態においては、偏光解消板6と、フライアイレンズ21との間に、コンデンサレンズ20を配置し、偏光解消板6を通過したレーザ光が、このコンデンサレンズ20によりフライアイレンズ21に集光するようにしたものである。フライアイレンズ21を出射したレーザ光は、図3に示す実施形態と同様に、コンデンサレンズ22により、照射面23上に集光される。
【0024】
本実施形態においても、偏光解消板6の各位相差板6a〜6dと、フライアイレンズ21のレンズセルとは1:1に対応するように、偏光解消板6とフライアイレンズ21が設けられている。しかし、位相差板6a〜6dの大きさと、フライアイレンズ21のレンズセルの大きさとは一致していない。このように、フライアイレンズ21のレンズセルの大きさと位相差板6a〜6dの大きさとが一致していなくても、コンデンサレンズ20により、各位相差板6a〜6dを通過したレーザ光は、夫々、1個のレンズセルを通過する。よって、本実施形態も図1乃至図4に示す実施形態と同様の効果を奏する。そして、本実施形態においては、フライアイレンズ21の大きさ及び偏光解消板6の大きさは、相互の大きさに制約されることがなくなり、例えば、フライアイレンズとして、マイクロレンズアレイのような極めて小さなものを使用することができるようになる。
【0025】
上記実施形態では、偏光解消板6とフライアイレンズ21との間にコンデンサレンズ(縮小投影レンズ)20を設置して、偏光解消板6を透過したレーザ光のビームの断面形状を縮小させることにより、レーザ光のビーム断面形状をフライアイレンズ21の大きさに適合させたが、これに限らず、逆に、フライアイレンズ21の方が偏光解消板6よりも大きい場合は、偏光解消板6を透過したレーザ光のビームの断面形状を拡大投影レンズにより拡大させることにより、レーザ光のビームの断面形状をフライアイレンズ21の大きさに適合させてもよい。
【0026】
なお、上記実施形態においては、位相差板は、異方性結晶からなるものを使用したが、位相差板としては、これに限らず、隣り合う位相差板との間で異なる位相差を設けることができるものであればよい。例えば、光学ガラス板の表面の一部に屈折率と厚さとの積が1/2波長となる透明な等方性材料をコーティングしたガラス位相板等も使用することができる。更に、透明なガラス基板上に、位相差フィルムをマトリクス状に貼着したものでもよい。更にまた、位相差板は、フライアイレンズの各レンズセルに対応する領域ごとに、レーザ光の光軸方向の長さが異なるように透明基板を形成したものを使用することもできる。このように透明基板におけるマトリクス状の個別領域において、レーザ光が通過する長さを異ならせることにより、隣の個別領域を通過するレーザ光との間で位相差を設けることができる。
【0027】
また、偏光解消板は、上記実施形態のように、フライアイレンズの入射側に配置する場合に限らず、フライアイレンズの出射側に設けてもよい。更に、偏光解消板6は、1毎に限らず、複数枚重ねて配置してもよい。
【符号の説明】
【0028】
4,7:フライアイレンズ
5,8,9、20、22:コンデンサレンズ
6:偏光解消板
6a〜6d:位相差板
11:照射面
12:レーザ光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光の光路に配置されたフライアイレンズと、このフライアイレンズを通過したレーザ光を照射面に集光するコンデンサレンズと、前記レーザ光の光路であって前記フライアイレンズの入射側又は出射側に配置された偏光解消部材と、を有し、前記偏光解消部材は、入射レーザ光に対して位相差を与えて出射する複数個の位相差板が前記フライアイレンズの各レンズセルに1:1で対応して配置されたものであり、各位相差板は、隣り合うもの同士の出射光の偏光面が45°異なるように配置されていることを特徴とするレーザ照射装置。
【請求項2】
前記位相差板は、透明な異方性結晶からなる1/2波長板であり、この異方性結晶がもつ光学結晶軸方向が隣あう位相差板同士で22.5°異なるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ照射装置。
【請求項3】
前記位相差板は前記フライアイレンズの各レンズセルに対応する大きさを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ照射装置。
【請求項4】
前記偏光解消部材と前記フライアイレンズとの間に、縮小投影レンズ又は拡大投影レンズが配置されており、この縮小投影レンズ又は拡大投影レンズは、前記偏光解消部材若しくは前記フライアイレンズを透過したレーザ光のビームの断面形状を、夫々前記フライアイレンズ若しくは前記偏光解消部材の大きさに合わせて、夫々縮小又は拡大するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ照射装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−175213(P2011−175213A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41045(P2010−41045)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(500171707)株式会社ブイ・テクノロジー (283)
【Fターム(参考)】