説明

ロッカーアーム用カムフォロアおよびカムフォロア装置

【課題】外輪を回転自在に支持する軸受の内部に潤滑油を容易に供給することができるロッカーアーム用カムフォロアを提供する。
【解決手段】ロッカーアーム用カムフォロアは、外周面がカムに当接する円筒形状の外輪11と、外輪11を支持する支持軸6と、これら支持軸6および外輪11間の環状領域に配置される複数のころ12と、支持軸6が貫通するリング形状の円盤であってころ12の端面15と向き合い、外径Dsが外輪11の内径Drよりも小さい側板16とを備え、側板16はころ12の両端にそれぞれ配置され、ころ12の軸長をLk、外輪11の軸長をLr、側板16の厚みをtとすると、Lr<Lk+2tを満たす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の可動弁機構に使用されるロッカーアーム用カムフォロアに関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンのロッカーアームは、カムの回転運動を受けて揺動し、吸気弁および排気弁を開閉する。かかる動作中のフリクションロスを低減するため、ロッカーアームの1対の脚部の間の外輪を、総ころ形式の転がり軸受で回転自在に支持し、ロッカーアームとカムとを転がり接触させる技術が従来、知られている。
【0003】
総ころ形式の転がり軸受は、高荷重用途で使用することができる一方で、外輪端面およびころ端面がロッカーアームの脚部に接触しカジリを生じることがある。特にロッカーアームが軽金属製の場合には、ロッカーアームの摩耗が大きくなってしまう。さらに摩耗により生じる金属粉によって転がり軸受が損傷してしまう。
【0004】
そこで、ロッカーアームの摩耗を解消することを目的として、実用新案登録第2508561号公報(特許文献1)、実用新案登録第2508562号公報(特許文献2)実公平6−25606号公報(特許文献3)に記載のごときものが知られている。
【0005】
これら特許文献1〜3に記載の転がり軸受は、ロッカーアームところ端面との間にプレートを配置し、ロッカーアームの摩耗を防止するというものである。
【特許文献1】実用新案登録第2508561号公報
【特許文献2】実用新案登録第2508562号公報
【特許文献3】実公平6−25606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来のような外輪にあっては、なおも以下に説明するような問題を生ずる。つまり、プレートが外輪の端面と接触すると、潤滑油の粘性によってプレートと外輪が隙間無く密着するため、転がり軸受の内部に潤滑油を滞り無く供給することができず、転がり軸受が短寿命になってしまう。
【0007】
本発明の目的は、上述の実情に鑑み、潤滑油を軸受内部に容易に供給することができるロッカーアーム用カムフォロアおよびカムフォロア装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のため本発明によるロッカーアーム用カムフォロアは、外周面がカムに当接する円筒形状の外輪と、外輪を支持する支持軸と、これら支持軸および外輪間の環状領域に配置される複数のころと、支持軸が貫通するリング形状の円盤であってころの端面と向き合い、外径が外輪の内径よりも小さい側板とを備える。そして、側板はころの両端にそれぞれ配置され、ころの軸長をLk、外輪の軸長をLr、側板の厚みをtとすると、Lr<Lk+2tを満たす。
【0009】
かかる本発明によれば、支持軸が貫通するリング形状の円盤であってころの端面と向き合い、外径が外輪の内径よりも小さい側板を備えることから、ころ端面のカジリによるロッカーアームの摩耗を防止することが可能になる。また、側板の外径と外輪の内径との間に径方向に開いた環状隙間を確保して、この環状隙間からころに潤滑油を流し込むことが可能になる。そして、側板が外輪とロッカーアームとの間で軸方向に開いた隙間を確保して、この隙間から効率よく潤滑油を流し込むことが可能になる。
【0010】
本発明は1実施形態に限定されるものではないが、好ましい実施形態として、ころのピッチ円径をPCDとし、側板の外径をDsとすると、PCD<Dsを満たす。これにより、ころ端面のカジリを確実に防止することできる。
【0011】
好ましくは、ころの軸長Lkおよび外輪の軸長Lrが、Lk<Lrを満たすことにより、外輪内周面ところとの接触長さを大きくして外輪の軸受荷重を十分に確保することが可能になる。
【0012】
好ましくは、側板は、表面硬度がビッカース硬度でHv550以上である。これにより、側板ところが接触するときの側板の摩耗を防止することが可能になる。
【0013】
好ましくは、側板は、表面粗さが算術平均粗さRa0.8μm以下である、これにより、側板と軽金属製のロッカーアームが接触したときにロッカーアームが摩耗することを防止することが可能になる。
【0014】
好ましくは、外輪、支持軸、およびころの全てが窒素富化層を有し、支持軸およびころの少なくとも一方の部材における窒素富化層のオーステナイト結晶粒が、粒度番号の10番を超えて微細化され、かつ、この部材における窒素富化層の残留オーステナイト量が11体積%以上25体積%以下であり、かつ、この部材における窒素富化層の窒素含有量が0.1質量%以上0.7質量%以下である。これにより、カムフォロアの長寿命化を図ることが可能になる。
【0015】
好ましくは、ころの転動面およびころが転走する外輪の内周面のうち、少なくとも一方がクラウニング部を有する。これにより、外輪が軸方向一方に片寄るとともにころの他方端が外輪の内周面から他方へ突出した場合に、エッジロードが作用して損傷することを防止することができる。
【0016】
また、本発明によるカムフォロア装置は、1対の脚部を有する揺動部材と、一対の脚部間に架設される支持軸と、支持軸に回転自在に支持され、外周面、内周面、および端面を有し、外周面はカムに当接する円筒形状の外輪と、これら支持軸および外輪間の環状領域に配置される複数のころと、支持軸が貫通するリング形状の円盤であって外径が前記外輪の内径よりも小さく、ころの端面と脚部との間に配置される側板とを備える。そして、側板はころの両端にそれぞれ配置され、ころの軸長をLk、外輪の軸長をLr、側板の厚みをtとすると、Lr<Lk+2tを満たす。
【0017】
かかる本発明によれば、支持軸が貫通するリング形状の円盤であってころの端面と向き合い、外径が外輪の内径よりも小さい側板を備えることから、ころ端面のカジリによるロッカーアームの摩耗を防止することが可能になる。また、側板の外径と外輪の内径との間に径方向に開いた隙間を確保して、この隙間からころに潤滑油を流し込むことが可能になる。そして、側板が外輪とロッカーアームとの間で軸方向に開いた隙間を確保して、この隙間から効率よく潤滑油を流し込むことが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、支持軸が貫通するリング形状の円盤であってころの端面と向き合い、外径が外輪の内径よりも小さい側板を備えることから、ころ端面のカジリによるロッカーアームの摩耗を防止するとともに、側板の外径と外輪の内径との間に径方向に開いた隙間を確保して、この隙間からころに潤滑油を流し込むことが可能になる。そして、ころの軸長Lk、外輪の軸長Lr、側板の厚みtが、Lr<Lk+2tを満たすことから、側板が外輪とロッカーアームとの間で軸方向に開いた隙間を確保して、この隙間から効率よく潤滑油を流し込むことが可能になる。したがって、カムフォロアの軸受寿命が向上する。また、カムフォロアの軸受トルクを低減して内燃機関の運転効率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1実施例になるカムフォロアを組み込んだ可動弁機構を示す正面図である。可動弁機構1は、自動車のエンジン部品であって、軸5に揺動可能に支持されたロッカーアーム2と、ロッカーアーム2の一端に配置され、ロッカーアーム2の揺動によってエンジン燃焼室の吸排気を行う弁3と、ロッカーアーム2の他端に配置される支持軸6と、支持軸6の外周に回転自在に軸支される外輪11と、カムシャフト(図示省略)に固定され偏心部4aを有するカム4とを備える。
【0021】
上記構成の可動弁機構1は、エンジンのクランクシャフト(図示省略)の回転がタイミングベルト(図示省略)を経由してカムシャフト(図示省略)に伝達され、カム4を回転させる。そして、カム4の偏心部4aが外輪11の外周面に当接したときに、ロッカーアーム2が軸5を中心として揺動して弁3を押し下げる。これにより、エンジンの吸排気を行う。このとき、外輪11はカム4の回転に伴って回転するので、外輪11とカム4との当接部分のフリクションロスを低減することが可能となる。ロッカーアーム2は、その端から突出する脚部7を含めて軽金属製であり、可動弁機構1の軽量化と、燃料消費率の向上が図られている。
【0022】
図2は、外輪11を軸支するカムフォロアを拡大して示す断面図である。支持軸6は、ロッカーアーム2の端から突出して互いに向かい合う1対の脚部7の間に架設されている。互いに平行な脚部7,7の平坦な壁面8,8同士の間の領域には、中空円筒形状の外輪11と、支持軸6を内輪とし外輪11を外輪とするころ12を配設する。ころ12は、中空円筒形状の外輪11の内周面13と、支持軸6の外周面との間の環状領域に複数配置され、これら内外周面を転走する。外輪11は、上述した外周面および内周面13の他、端面14を有する。
【0023】
両端面14,14間の距離になる外輪11の軸長は、ころ12の両端面15、15間の距離になるころ12の軸長と同じであってもよい他、後述する第2実施例のように異なってもよい。
【0024】
脚部7ところ12の端面15との間には側板16を配置する。側板16は、中心孔17を備えた平坦なリング形状の円盤であり、支持軸6が中心孔17を貫通する。側板16は、各脚部7の壁面8と向き合うとともに、ころ端面15と向き合って、ころが脚部7と接触することを回避する。これにより、軽金属製の脚部7が摩耗することを防止する。
【0025】
図2に示すように、側板16の外径Dsは外輪11の内径Drよりも小さい。したがって、側板16の外径と外輪11の内周面13との間には環状隙間が生じる。
【0026】
好ましくは、側板16の外径Dsは、ころ12のピッチ円の径PCDよりも大きい。これにより、側板16の内外径差が大きくなり容易に成形することができる。そして壁面8に対するころ端面15のカジリを確実に防止することできる。
【0027】
本実施例によれば、可動弁機構1のカムフォロアが、ころ12の端面15と向き合い外径Dsが外輪11の内径Drよりも小さい側板16を備えることから、側板16と外輪11との間に環状隙間を確保して、外方からこの環状隙間に潤滑油を流し込むことが可能となる。したがって、ころ12、内周面13、および支持軸6の外周面を滞りなく潤滑することが可能になり、カムフォロアの軸受寿命が向上する。
【0028】
好ましくは、側板16の表面硬度がビッカース硬度でHv550以上である。これにより、側板16ところ12が接触するときの側板16の摩耗を防止することが可能になる。
【0029】
また好ましくは、側板16の表面粗さが算術平均粗さRa0.8μm以下である。これにより、軽金属製のロッカーアーム2の脚部7と側板16とが接触したときに脚部7が摩耗することを防止することが可能になる。
【0030】
好ましくは、外輪11、支持軸6、およびころ12の全てが窒素富化層を有し、支持軸6およびころ12の少なくとも一方の部材における窒素富化層のオーステナイト結晶粒が、粒度番号の10番を超えて微細化され、かつ、この部材における窒素富化層の残留オーステナイト量が11体積%以上25体積%以下であり、かつ、この部材における窒素富化層の窒素含有量が0.1質量%以上0.7質量%以下である。
【0031】
本実施例のカムフォロアと従来からあるカムフォロアとにつき、外輪回転型寿命試験機を用いて比較試験を行った。試験条件は、外力を与えながら回転する駆動ロールに試験体になる外輪が接触するようにカムフォロアを設置し、外輪に3000[N]の外力を与えながら、外輪を毎分7000回転させ、100℃のエンジンオイルで毎分20[ml]で外輪を潤滑した。
【0032】
従来例になる比較品1の形状は、図5の断面図に示すように、外輪Gの内径側端面Gtが外径側端面Gsよりも窪んで形成され、ころKの端面Ktおよび内径側端面Gtが共に平坦であって、ころ両端面Kt、Kt間の軸長が外輪内径側における両端面Gt、Gt間の軸長と等しいものである。側板Sの外径は、外輪Gの内径よりも大きく、ころ12が軸方向に片寄らない場合に側板Sが外輪内径側端面Gtおよびころ端面Ktと接触する。また比較品2の形状は、図2に示す発明品とすべて同様である。
【0033】
比較品1および比較品2には、表1に示すように、外輪と、ころと、支持軸とに標準熱処理を施した。具体的には、RXガス雰囲気中で、加熱温度840℃、保持時間20分で加熱後、焼入れを行い、次に180℃で90分間焼戻しを行う標準熱処理を施した。
【0034】
発明品には、表1に示すように、外輪に浸炭窒化の熱処理を施し、ころおよび支持軸に、以下に述べる熱処理を施した。具体的には、RXガスとアンモニアガスとの混合ガス雰囲気中で、浸炭窒化処理温度850℃、保持時間150分で加熱後、850℃から一次焼入れを行い、次に浸炭窒化処理温度よりも低い800℃で20分間加熱して二次焼入れを行い、180℃で90分間焼戻しを行う浸炭窒化+低温二次の熱処理を施した。
【0035】
なお発明品の外輪には、RXガスとアンモニアガスとの混合ガス雰囲気中で、加熱温度850℃、保持時間150分で加熱後、850℃から焼入れを行い、次に180℃で90分間焼戻しを行う浸炭窒化の熱処理を施した。
【0036】
【表1】

【0037】
表2は、上述した標準熱処理と、浸炭窒化の熱処理と、浸炭窒化+低温二次の熱処理による組成を示す。浸炭窒化+低温二次の熱処理によれば、オーステナイト結晶粒度(JIS G0551)は12番であり、粒度番号の10番を超えている。また、残留オーステナイト量(%)は体積比で21%であり、11体積%以上25体積%以下である。また、窒素含有量(%)は質量比で0.30%であり、0.1質量%以上0.7質量%以下である。
【0038】
【表2】

【0039】
比較試験の結果は、表1に示すように、比較品1の寿命比を1とすると、比較品2の寿命比が1.3であり、発明品の寿命比が4.7であった。
【0040】
比較品1よりも比較品2の寿命が長いのは、比較品2にあっては支持軸6が中心孔17を貫通するリング形状の円盤であってころ12の端面15と向き合い、外径Dsが外輪11の内径Drよりも小さい側板16を備えることから、外方からころ12へ潤滑油が流れ込むことが可能になって、潤滑性能が向上したためと考えられる。
【0041】
この試験結果によれば、上述した窒素富化層の組成でカムフォロアを形成する本実施例で、発明品の寿命比が4.7であり、優れた耐久性能を有することがわかる。これは、発明品には、外方からころ12へ潤滑油が流し込まれるためと、浸炭窒化+低温二次の熱処理によるためと考えられる。
【0042】
次に本発明の第2実施例になるカムフォロアについて説明する。図3は、第2実施例になるカムフォロアを拡大して示す縦断面図である。この実施例の基本構成および作用は、上述した図1および図2に示す実施例と共通するため、同一部材については、共通する符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0043】
図3に示すように、側板16はころ12の両端と壁面8との間にそれぞれ配置され、ころ12端部と壁面8に接触することはない。さらに、ころ12の軸長をLk、外輪11の軸長をLr、側板16の厚みをtとすると、Lr<Lk+2tを満たす。これにより、向かい合う1対の壁面8,8間で、外輪軸長Lrがころ軸長Lkおよび2枚の側板厚み2tの和よりも短くなり、壁面8と外輪端面14との間で軸方向に開いた隙間を確保する。したがって、外方からこの軸方向隙間を経て潤滑油を外輪11の内径側へ効率よく流し込むことが可能になる。したがって、ころ12、内周面13、および支持軸6の外周面を一層滞りなく潤滑することが可能になり、カムフォロアの軸受寿命が一層向上する。
【0044】
好ましくは、Lk<Lrを満たす。これにより、外輪軸長Lrがころ軸長Lkよりも長くなり、外輪内周面13ところ12との接触長さを大きくして外輪11の軸受荷重を十分に確保することが可能になる。
【0045】
次に本発明の第3実施例になるカムフォロアについて説明する。図4は、第3実施例になるカムフォロアを拡大して示す縦断面図である。この実施例の基本構成および作用は、上述した図1および図3に示す実施例と共通するため、同一部材については、共通する符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0046】
本実施例では図4に示すように、ころ12が転走する外輪11の内周面13がクラウニング部を有する。つまり、内周面13が軸方向中央で内径側へ突出し、端部へ向かうにつれて徐々に内径が大きくなる。
【0047】
本実施例では、両端面14,14間の距離になる外輪11の軸長が、両端面15、15間の距離になるころ12の軸長よりも長いため、内周面13の軸方向端部に軸受荷重が作用しない。特に、ころ12の転動面が外輪11の内周面13よりも軸方向に突出する場合があり、突出したころ12の軸方向端部では曲げ応力など不所望なエッジロードが作用する場合がある。
【0048】
本実施例では、クラウニング部を有することから、外輪11が軸方向一方に片寄るとともにころ12の他方端が外輪の内周面から他方へ突出した場合に、外輪11およびころ12の軸方向端部に応力が集中することを回避することが可能になる。したがって両者11,12間でエッジロードが作用することがなく、外輪11またはころ12が損傷することを防止することができる。
【0049】
なお図には示さなかったが、外輪11の内周面13に代えてころ12の転動面がクラウニング部を有してもよく、あるいはころ12および内周面13の双方がクラウニング部を有してもよい。外輪11の軸長がころ12の軸長よりも長い本実施例の他、これら11,12の軸長が同じであってもよい。
【0050】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、エンジンの可動弁機構等に採用されるロッカーアーム用カムフォロアに有利に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施例になるカムフォロアを組み込んだ可動弁機構を示す正面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す断面図である。
【図5】従来からある比較品を示す断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 可動弁機構、2 ロッカーアーム、3 弁、4 カム、4a 偏心部、5 軸、6 支持軸、7 脚部、8 壁面、11 外輪、12 ころ、13 外輪内周面、14 外輪端面,15 ころ端面、16 側板、17 中心孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面がカムに当接する円筒形状の外輪と、前記外輪を支持する支持軸と、これら支持軸および外輪間の環状領域に配置される複数のころと、前記支持軸が貫通するリング形状の円盤であって前記ころの端面と向き合い、外径が前記外輪の内径よりも小さい側板とを備え、
前記側板は前記ころの両端にそれぞれ配置され、前記ころの軸長をLk、前記外輪の軸長をLr、前記側板の厚みをtとすると、Lr<Lk+2tを満たす、ロッカーアーム用カムフォロア。
【請求項2】
前記ころのピッチ円径をPCDとし、前記側板の外径をDsとすると、PCD<Dsを満たす、請求項1に記載のロッカーアーム用カムフォロア。
【請求項3】
前記ころの軸長Lkおよび前記外輪の軸長Lrは、Lk<Lrをさらに満たす、請求項1または2に記載のロッカーアーム用カムフォロア。
【請求項4】
前記側板は、表面硬度がHv550以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のロッカーアーム用カムフォロア。
【請求項5】
前記側板は、表面粗さが算術平均粗さRa0.8μm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のロッカーアーム用カムフォロア。
【請求項6】
前記外輪、前記支持軸、および前記ころの全てが窒素富化層を有し、
支持軸およびころの少なくとも一方の部材における前記窒素富化層のオーステナイト結晶粒が、粒度番号の10番を超えて微細化され、かつ、前記部材における前記窒素富化層の残留オーステナイト量が11体積%以上25体積%以下であり、かつ、前記部材における前記窒素富化層の窒素含有量が0.1質量%以上0.7質量%以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のロッカーアーム用カムフォロア。
【請求項7】
前記ころの転動面および前記ころが転走する前記外輪の内周面のうち、少なくとも一方がクラウニング部を有する、請求項1〜6のいずれかに記載のロッカーアーム用カムフォロア。
【請求項8】
1対の脚部を有する揺動部材と、
前記一対の脚部間に架設される支持軸と、
前記支持軸に回転自在に支持され、外周面、内周面、および端面を有し、前記外周面はカムに当接する円筒形状の外輪と、
これら支持軸および外輪間の環状領域に配置される複数のころと、
前記支持軸が貫通するリング形状の円盤であって外径が前記外輪の内径よりも小さく、前記ころの端面と前記脚部との間に配置される側板とを備え、
前記側板は前記ころの両端にそれぞれ配置され、前記ころの軸長をLk、前記外輪の軸長をLr、前記側板の厚みをtとすると、Lr<Lk+2tを満たす、カムフォロア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−48320(P2010−48320A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212466(P2008−212466)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】