説明

ロータリー式自動包装機における連包タイプのカッター装置

【課題】でき上がった連続した包装袋に対して直線カットとミシン目カットを自由に選択して任意の袋数の連包タイプの包装体を作ることができるロータリー式自動包装機のカッター装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るロータリー式自動包装機のカッター装置21,22は、ミシン目カットを形成する手段と直線カットを形成する手段とを隣接して並列設置し、本体のロータリー式自動包装機によって作られる連続した包装袋に対して、この包装袋を切り離さない場合には、直線カットを形成する手段を停止すると共にミシン目カットを形成する手段を選択して駆動し、この包装袋を切り離す場合には、ミシン目カットを形成する手段を停止すると共に直線カットを形成する手段を選択して駆動する。この結果、任意の連包タイプの包装体を作ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装フィルムの包装袋に粉末等の内容物を充填して個別包装体を製造するロータリー式自動包装機のカッター装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、長尺の包装フィルム(樹脂フィルム)を使用して、粉末等の内容物を多数の包装袋に区分して包装する自動包装機の一つにロータリー式自動包装機がある。このロータリー式自動包装機では、原反ロールから巻き戻した長尺の包装フィルムを水平方向に移動させながらフィルムガイドで折りたたみ、ターンテーブルへと導入する。このターンテーブル上の周囲に配置した多数のシーリングバー(サイドシール装置)は、この導入された包装フィルムに対して、一定間隔の幅シール(サイドシール)を形成しながら保持することにより、折りたたんだ包装フィルム間に包装袋を形成する。
【0003】
この包装袋内に旋回する多数の充填シュートを挿入して所定量の内容物を充填し、充填後にはこのシュートを抜き、シーリングバーを外す。内容物が充填された包装袋は、ガイドを通って、予熱シールバーとトップシールロールとからなるトップシール装置に移送される。トップシール装置に移送された包装袋の上縁部は、予熱シールバーによって暖められ、直ちにトップシールロールによって熱シール(トップシール)されて密封される。
【0004】
その後、カッター装置によって連続した包装袋の幅シール(サイドシール)中央付近が切断されて所要の三方シールされた個別包装体形態となる。このような従来のロータリー式自動包装機は、例えば、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2000−355303号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来のロータリー式自動包装機のカッター装置は、連続した包装袋間のサイドシール中央付近に対して一対の回転形状の複数カッター受刃と複数カッター上刃を互いに回転駆動させながら当接するように制御しているが、連包タイプの包装体を作る場合は、この回転形状の複数カッター受刃と複数カッター上刃が当接する順に直線カッター刃若しくはミシン目カッター刃を所望の切れ込み順になるように取り付けていた。即ち、回転形状の4枚カッター刃の場合、直線カッター刃とミシン目カッター刃を交互に取り付けて回転駆動させることにより、2連包の包装体を作ることができた。
【0006】
図7は、従来のカッター装置の中央付近を水平に切断して上方より見た断面図である。図7に示すように、符号100は4つのカッター上刃が装着された回転カッター上刃であり、符号102と符号104はミシン目上刃、符号106と符号108は直線上刃である。符号101は4つのカッター受刃が装着された回転カッター受刃であり、符号103と符号105はミシン目受刃、符号107と符号109は直線受刃である。
【0007】
このような回転カッター上刃100と回転カッター受刃101は、連続した包装袋間のサイドシール中央付近において、それぞれ対応している上刃と受刃が互いに当接するように回転制御され、連続包装袋における所望の切れ込みが施される。
【0008】
即ち、図7に示す図面においては、ミシン目上刃102とミシン目受刃103が当接しており、この時の連続した包装袋間のサイドシール中央付近に対して、ミシン目切れ込みが施される。その後連続包装袋の搬送と、回転カッター上刃100と回転カッター受刃101の回転駆動が進み、次の包装袋間のサイドシール中央付近に対しては直線上刃106と直線受刃107が当接して直線(切断)切れ込みが施される。続いて、次の包装袋間のサイドシール中央付近に対してはミシン目上刃104とミシン目受刃105が当接してミシン目切れ込みが施され、次の包装袋間のサイドシール中央付近に対しては直線上刃108と直線受刃109が当接して直線(切断)切れ込みが施される。このようなカッター装置の動きの結果、2連包の包装体が連続してでき上がることになる。
【0009】
そして、連包数が変更された場合は、この一対の回転形状の複数カッター受刃と複数カッター上刃の取り付け構成を、連包形態に合わせて取り替えて対応していた。
【0010】
しかし、従来のカッター装置では、カッター刃の刃数又は刃数の約数による連包数の制限がある上にカット形態ごとにカッター刃の構成を取り替える必要があるため、連続した包装袋間のサイドシール中央付近に対して異なったカット形態の切れ込みを自由に入れることができないという問題点があった。
【0011】
これは従来のカッター装置のカッター刃における構造上の問題であり、結果的に、任意の袋数の連包タイプの包装体を作ることができなかった。
【0012】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、でき上がった連続した包装袋に対して直線カットとミシン目カットを自由に選択して任意の袋数の連包タイプの包装体を作ることができるカッター装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るロータリー式自動包装機のカッター装置は、水平方向に移送しながら中央部分を折り曲げた包装フィルムに対して幅方向に熱シールするサイドシール装置と、このサイドシール装置により区分けされた包装フィルム袋部に内容物を投入する充填シュートと、複数配置されたサイドシール装置及び充填シュートを回転作動するターンテーブルと、内容物が充填された包装フィルム袋部の上縁に対して熱シールするトップシール装置と、でき上がった連続包装袋のサイドシールの中央部分を切断して個別包装体にするカッター装置とを備えたロータリー式自動包装機であって、前記カッター装置は、ミシン目カットを形成する手段と直線カットを形成する手段とを隣接して並列設置し、連続包装袋を切り離さない場合には、ミシン目カットを形成する手段を選択して駆動し、連続包装袋を切り離す場合には、直線カットを形成する手段を選択して駆動することを特徴としている。
【0014】
また、本発明の請求項2に係るカッター装置は、ミシン目カットを形成する手段と直線カットを形成する手段とを隣接して並列設置し、前記ミシン目カットを形成する手段は、ミシン目カットを形成する受刃及び上刃と、この受刃及び上刃を互いに回転させる回転駆動機構と、この受刃及び上刃を互いに当接若しくは離間させる位置調節機構とを備え、前記直線カットを形成する手段は、直線カットを形成する受刃及び上刃と、この受刃及び上刃を互いに回転させる回転駆動機構と、この受刃及び上刃を互いに当接若しくは離間させる位置調節機構とを備え、連続包装袋を切り離さない場合には、ミシン目カットを形成する受刃及び上刃を互いに当接させると共に直線カットを形成する受刃及び上刃を互いに離間させるように位置調節して回転駆動し、連続包装袋を切り離す場合には、ミシン目カットを形成する受刃及び上刃を互いに離間させると共に直線カットを形成する受刃及び上刃を互いに当接させるように位置調節して回転駆動することを特徴としている。
【0015】
また、本発明の請求項3に係るカッター装置のミシン目カット並びに直線カットの位置調節機構は、エアーシリンダの駆動力により受刃及び上刃を互いに当接若しくは離間させることを特徴としている。
【0016】
また、本発明の請求項4に係るミシン目カット並びに直線カットの位置調節機構のエアーシリンダは、複数のエアーシリンダを直列に組み合わせると共にこの複数のエアーシリンダを同時駆動させて当接若しくは離間させる時間を短縮することを特徴としている。
【0017】
本発明の請求項1乃至請求項4に係るカッター装置によれば、でき上がった連続した包装袋に対して直線カットとミシン目カットを自由に選択して実施することにより、任意の袋数の連包タイプ包装体を作ることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明のロータリー式自動包装機のカッター装置によれば、でき上がった連続した包装袋に対して直線カットとミシン目カットを自由に選択して実施することにより、任意の袋数の連包タイプ包装体を作り出すカッター装置が提供できるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。最初に図1を用いて、本発明にかかるロータリー式自動包装機の全体構成について説明する。
【0020】
図1は、本発明に係るロータリー式自動包装機全体を示す正面図である。なお、以下ではこのロータリー式自動包装機1を自動包装機1と略す。
【0021】
図1に示すように、この自動包装機1は、主たる構成要素として、原反ロール2及び3と、自動フィルムつなぎ装置4と、製袋シュート5と、ターンテーブル6と、サイドシールバー7と、充填シュート8と、計量マス9と、計量回転盤10と、ホッパー11と、トップシールロール12と、操作盤13及び14とを備えている。
【0022】
また、包装フィルムFは、透明又は半透明な材料から構成され、例えば、PET等のベースフィルムと、このベースフィルムよりも融点の低いポリエチレン等のヒートシールフィルムから構成される。また、包装フィルムFは、ベースフィルム、中間フィルム、ヒートシールフィルムの3層構造を有してもよい。
【0023】
原反ロール2及び3は、包装フィルムFを巻き取ったロール状の包材である。このうち、原反ロール2が使用中のものであり、原反ロール3が予備のものである。自動つなぎ装置4は、使用中の原反ロール2の包装フィルムFが無くなりかけたときに、その終端片に予備の原反ロール3の始端片をつなぎ合わせるものである。
【0024】
このようにして自動つなぎ装置4を通過した包装フィルムFは、上方に引き上げられて、水平方向に配置されている製袋シュート5に導かれる。この製袋シュート5は、水平に送られている包装フィルムFを、長手方向に沿って折り目を下にして二つ折りして略水平方向に向けて送り出している。
【0025】
ホッパー11は、自動包装機1の上部に設置されて、原料を貯留する収納容器である。このホッパー11の下には計量回転盤10が水平回転可能に軸支されている。この計量回転盤10は、ホッパー11から供給される原料を受け取る平面視略円盤状のものである。この計量回転盤10には同心円上に複数の透穴が設けられ、その透穴の各々には計量マス9が嵌合されている。原料を受け取った計量回転盤10は、自身が回転すると共にホッパー11に取り付けられて固定されたマス切りスクレイパーによって計量マス9の内部に原料をすき込むようにしてマス切り計量を行う。計量マス9の下にはシャッターが配置され、このシャッターが開くことにより計量マス9内の原料を充填シュート8に落下させている。
【0026】
充填シュート8の両側には、ターンテーブル6の円周に沿ってサイドシールバー7が設けられている。このサイドシールバー7は、製袋シュート5によって包装フィルムFの下方に形成された折り目と略直交するように一定間隔をあけてサイドシールを包装フィルムFに形成するものである。
【0027】
充填シュート8は、計量マス9から落下してきた原料を受けて、サイドシールバー7によって形成される連続した各包装袋内に原料を投入するものである。ここで、充填される原料としては、粉剤(粉末)や顆粒などが想定できる。なお、この充填シュート8は、サイドシールバー7と共に、ターンテーブル6の円周に沿って設けられている。
【0028】
トップシールロール12は、連続した包装袋の上部開口を接合し、密封するものである。このトップシールロール12は、2つのシールローラを水平回転させる駆動部と内部にヒーターと温度検知素子を備えている。そして、包装袋の上部開口をこの2つのシールローラによって挟み込んで熱シールを行い、原料が入った連続包装袋を密封している。
【0029】
なお、操作盤13及び14は、この自動包装機1の動作状態を把握するための情報表示と、動かすための指示を与えるものである。
【0030】
また、この自動包装機1の連続包装袋の搬出口には、搬送装置20が設置されている。この搬送装置20は、カッター装置21及び22と、搬送機構23とを備えている。カッター装置21及び22は、連続した包装袋のサイドシール中央付近に対して任意の切れ込みを施すものである。これにより、連続した包装袋は切り離された任意の袋数の連包タイプの包装体となる。搬送機構23は、包装袋を搬送するためのものである。この搬送機構23は、チェーンコンベアならびにハンガークリップなどから成る。カッター装置21及び22によって切り離された連包タイプの包装体は、このハンガークリップに把持されて水平方向に移送されて集積される。
【0031】
図2は、上記搬送装置20の拡大正面図である。図2に示すように、この搬送装置20は、ミシン目切れ込みを行うミシン目カッター装置21と、切り離し(切断)を行う直線カッター装置22と、チェーンコンベアならびにハンガークリップなどから成る搬送機構23と、搬送装置20の動作状態を把握するための情報表示と、動かすための指示を与えるための操作盤29及び30とで構成されている。
【0032】
そして、ミシン目カッター装置21の正面側には、カッター刃を当接若しくは離間させるためのエアーシリンダ24及び25と、駆動部カバー31が取り付けられており、直線カッター装置22の正面側には、カッター刃を当接若しくは離間させるためのエアーシリンダ26及び27と、駆動部カバー32が取り付けられている。また、この直線カッター装置22の排出側には、切り離された連包タイプの包装体を受け取るすべり台28が取り付けられている。
【0033】
このように、本発明の連包タイプのカッター装置は、ミシン目カッター装置21と直線カッター装置22が並列設置されている。
【0034】
図3は、ミシン目カッター装置21の拡大側面図である。図3に示すように、ミシン目カッター装置21は、上側固定支持板49と下側固定支持板50に回転可能に保持された回転カッター受刃41と、上側可動支持板44と下側可動支持板45に回転可能に保持された回転カッター上刃40が当接若しくは離間するように構成されている。
【0035】
また、この回転カッター受刃41の回転軸上には、回転駆動力を伝えるための平歯車52とすぐばかさ歯車53が装着されており、回転カッター上刃40の回転軸上には、回転駆動力を伝えるための平歯車51が装着されている。そして、すぐばかさ歯車53には駆動軸55に取り付けられたすぐばかさ歯車54が噛み合っている。この結果、駆動軸55を回転させている駆動力は、すぐばかさ歯車54からすぐばかさ歯車53に伝わって回転カッター受刃41と平歯車52を回転させ、平歯車52から平歯車51と回転カッター上刃40を回転させている。
【0036】
上記のような回転カッター上刃40と回転カッター受刃41の回転駆動は、互いに逆回転しながら同じ回転速度で駆動されており、連続した包装袋の製造速度と同じ速さの搬送速度に比例して速度制御されている。この結果、この回転カッターの上刃と受刃は、連続した包装袋間のサイドシール中央付近の所定位置において正しく向き合うように回転制御されている。
【0037】
次に、回転カッター受刃41と回転カッター上刃40が当接若しくは離間する機構の動作について説明する。回転カッター受刃41は上側固定支持板49と下側固定支持板50によって位置固定且つ回転可能に保持され、これに対して回転カッター上刃40が図3に示す左右方向に位置可動且つ回転可能に保持されている。そして、回転カッター上刃40を軸支している上側可動支持板44と下側可動支持板45が可動連結板48によって連結され、この可動連結板48にはエアーシリンダ42とエアーシリンダ43のシリンダ軸が固定されており、エアーシリンダ42の本体とエアーシリンダ43の本体は、可動連結板47に取り付けられている。さらに、可動連結板47にはエアーシリンダ24とエアーシリンダ25のシリンダ軸が固定されており、エアーシリンダ24の本体とエアーシリンダ25の本体は、固定連結板46に取り付けられている。
【0038】
このように構成された機構において、エアーシリンダ24とエアーシリンダ25とエアーシリンダ42とエアーシリンダ43に対して、シリンダ軸を伸ばす方向に圧縮エアーを同時に供給すると、回転カッター上刃40は回転カッター受刃41と当接するように位置移動して、連続した包装袋間のサイドシール中央付近に対して、所定の切れ込み(図3の場合はミシン目切れ込み)を入れるように動作する。
【0039】
そして、エアーシリンダ24とエアーシリンダ25とエアーシリンダ42とエアーシリンダ43に対して、シリンダ軸を縮める方向に圧縮エアーを同時に供給すると、回転カッター上刃40は回転カッター受刃41と離間するように位置移動して、連続した包装袋間のサイドシール中央付近に対して、所定の切れ込み(図3の場合はミシン目切れ込み)を入れないように動作する。
【0040】
図4乃至図6は、ミシン目カッター装置21を上から見て動作を説明した上面図である。図4は、回転カッター受刃41と回転カッター上刃40が当接している状態を上から見た上面図である。図4に示すように、エアーシリンダ24とエアーシリンダ25にはシリンダ軸を伸ばす方向に圧縮エアーが供給され、エアーシリンダ42とエアーシリンダ43にもシリンダ軸を伸ばす方向に圧縮エアーが供給されている。この結果、可動連結板47と可動連結板48並びに上側可動支持板44と下側可動支持板45が図4の左方向に押し出されている状態になり、回転カッター受刃41と回転カッター上刃40は当接して、連続した包装袋間のサイドシール中央付近に対してミシン目切れ込みを入れることになる。なお、符号60は回転カッター上刃40の刃先の軌跡を表したもので、符号61は回転カッター受刃41の刃先の軌跡を表したものである。
【0041】
図5は、回転カッター受刃41と回転カッター上刃40を離間させて刃先の隙間S1が発生している状態を上から見た上面図である。図5に示すように、エアーシリンダ24とエアーシリンダ25にはシリンダ軸を伸ばす方向に圧縮エアーが供給され、エアーシリンダ42とエアーシリンダ43にはシリンダ軸を縮める方向に圧縮エアーが供給されている。この結果、可動連結板47は図5の左方向に押し出され、可動連結板48並びに上側可動支持板44と下側可動支持板45は図5の右方向に引き込まれた状態になり、回転カッター受刃41と回転カッター上刃40は隙間S1だけ離間し、連続した包装袋間のサイドシール中央付近に対してミシン目切れ込みを入れないことになる。
【0042】
なお、図5で説明した直列に設置されている二組のエアーシリンダの内、どちらか一方の一組のエアーシリンダを引き込むように制御する場合は、当接から離間するまでの距離(隙間S1)が短い動作条件の時であり、切れ込み実施対象の連続した包装袋における袋部分の膨らみが少なく、搬送速度が比較的速い場合に採用される制御形態である。
【0043】
図6は、回転カッター受刃41と回転カッター上刃40を離間させて刃先の隙間S2が発生している状態を上から見た上面図である。図6に示すように、エアーシリンダ24とエアーシリンダ25にはシリンダ軸を縮める方向に圧縮エアーが供給され、エアーシリンダ42とエアーシリンダ43にはシリンダ軸を縮める方向に圧縮エアーが供給されている。この結果、可動連結板47と可動連結板48並びに上側可動支持板44と下側可動支持板45は図6の右方向に引き込まれた状態になり、回転カッター受刃41と回転カッター上刃40は隙間S2だけ離間し、連続した包装袋間のサイドシール中央付近に対してミシン目切れ込みを入れないことになる。
【0044】
なお、図6で説明した直列に設置されている二組のエアーシリンダの内、両方の二組のエアーシリンダを引き込むように制御する場合は、当接から離間するまでの距離(隙間S2)が長く、この長い隙間S2の移動時間を短縮したい動作条件の時であり、切れ込み実施対象の連続した包装袋における袋部分の膨らみが大きく、搬送速度が比較的遅い場合に採用される制御形態である。また、包装袋製造前のフィルムセッティング時にも、大きく離間するように制御される。
【0045】
上記図3乃至図6において説明した構成並びに動作は、ミシン目カッター装置21の例で説明したが、直線カッター装置22の場合も上記と同じ構成を備えており、また同じように動作するため、連続した包装袋に対して所定の直線切れ込みを入れる若しくは入れないように動くことができる。
【0046】
このため、本発明のロータリー式自動包装機のカッター装置は、でき上がった連続した包装袋の所定位置に対して、ミシン目カッター装置21と直線カッター装置22を自由に選択して実施することにより、ミシン目切れ込みと直線切れ込みを入れる若しくは入れないように制御することが可能となり、結果的に、任意の袋数の連包タイプの包装体を作ることができる。
【0047】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【0048】
例えば、図2の説明において、自動包装機1に近い順にミシン目カッター装置21と直線カッター装置22が並列設置されている旨の説明を行ったが、この設置順に限定するものではなく、自動包装機1に近い方から直線カッター装置22とミシン目カッター装置21を並列設置しても良い。
【0049】
また例えば、図5の説明において、エアーシリンダ24とエアーシリンダ25に対してシリンダ軸を伸ばす方向に圧縮エアーが供給され、エアーシリンダ42とエアーシリンダ43に対してはシリンダ軸を縮める方向に圧縮エアーが供給されている旨の説明を行ったが、これに限定するものではなく、エアーシリンダ24とエアーシリンダ25に対してシリンダ軸を縮める方向に圧縮エアーが供給され、エアーシリンダ42とエアーシリンダ43に対してはシリンダ軸を伸ばす方向に圧縮エアーが供給されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係るロータリー式自動包装機全体を示す正面図である。
【図2】本発明に係るロータリー式自動包装機の搬送装置20の拡大正面図である。
【図3】ミシン目カッター装置21の拡大側面図である。
【図4】ミシン目カッター装置21を上から見て動作を説明した上面図であり、回転カッター受刃41と回転カッター上刃40が当接している状態を表している。
【図5】ミシン目カッター装置21を上から見て動作を説明した上面図であり、回転カッター受刃41と回転カッター上刃40を離間させて刃先の隙間S1が発生している状態を表している。
【図6】ミシン目カッター装置21を上から見て動作を説明した上面図であり、回転カッター受刃41と回転カッター上刃40を離間させて刃先の隙間S2が発生している状態を表している。
【図7】従来のカッター装置の中央付近を水平に切断して上方より見た断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 自動包装機
2、3 原反ロール
4 自動フィルムつなぎ装置
5 製袋シュート
6 ターンテーブル
7 サイドシールバー
8 充填シュート
9 計量マス
10 計量回転盤
11 ホッパー
12 トップシールロール
13、14 自動包装機の操作盤
20 搬送装置
21、22 カッター装置
23 搬送機構
24、25、26、27、42、43 エアーシリンダ
28 すべり台
29、30 搬送装置の操作盤
31、32 駆動部カバー
40 回転カッター上刃
41 回転カッター受刃
44 上側可動支持板
45 下側可動支持板
46 固定連結板
47、48 可動連結板
49 上側固定支持板
50 下側固定支持板
51、52 平歯車
53、54 すぐばかさ歯車
55 駆動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に移送しながら中央部分を折り曲げた包装フィルムに対して幅方向に熱シールするサイドシール装置と、このサイドシール装置により区分けされた包装フィルム袋部に内容物を投入する充填シュートと、複数配置されたサイドシール装置及び充填シュートを回転作動するターンテーブルと、内容物が充填された包装フィルム袋部の上縁に対して熱シールするトップシール装置と、でき上がった連続包装袋のサイドシールの中央部分を切断して個別包装体にするカッター装置とを備えたロータリー式自動包装機であって、
前記カッター装置は、ミシン目カットを形成する手段と直線カットを形成する手段とを隣接して並列設置し、連続包装袋を切り離さない場合には、ミシン目カットを形成する手段を選択して駆動し、連続包装袋を切り離す場合には、直線カットを形成する手段を選択して駆動することを特徴とするロータリー式自動包装機のカッター装置。
【請求項2】
前記カッター装置は、ミシン目カットを形成する手段と直線カットを形成する手段とを隣接して並列設置し、前記ミシン目カットを形成する手段は、ミシン目カットを形成する受刃及び上刃と、この受刃及び上刃を互いに回転させる回転駆動機構と、この受刃及び上刃を互いに当接若しくは離間させる位置調節機構とを備え、前記直線カットを形成する手段は、直線カットを形成する受刃及び上刃と、この受刃及び上刃を互いに回転させる回転駆動機構と、この受刃及び上刃を互いに当接若しくは離間させる位置調節機構とを備え、
連続包装袋を切り離さない場合には、ミシン目カットを形成する受刃及び上刃を互いに当接させると共に直線カットを形成する受刃及び上刃を互いに離間させるように位置調節して回転駆動し、連続包装袋を切り離す場合には、ミシン目カットを形成する受刃及び上刃を互いに離間させると共に直線カットを形成する受刃及び上刃を互いに当接させるように位置調節して回転駆動することを特徴とする請求項1記載のロータリー式自動包装機のカッター装置。
【請求項3】
前記ミシン目カット並びに直線カットの位置調節機構は、エアーシリンダの駆動力により受刃及び上刃を互いに当接若しくは離間させることを特徴とする請求項2記載のロータリー式自動包装機のカッター装置。
【請求項4】
前記位相調整機構のエアーシリンダは、複数のエアーシリンダを直列に組み合わせると共にこの複数のエアーシリンダを同時駆動させて当接若しくは離間させる時間を短縮することを特徴とする請求項3記載のロータリー式自動包装機のカッター装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−18956(P2008−18956A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−191124(P2006−191124)
【出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【出願人】(596092595)三光機械株式会社 (102)
【Fターム(参考)】