説明

ローラコンベヤ

【課題】ローラ群を簡単に着脱できるようにして、清掃や部品交換等のメンテナンスを短時間で行ない得るようにする。
【解決手段】機台10の一側方に、複数の駆動軸14が幅方向に並列で回転自在に配設される。各駆動軸14に、駆動磁石24が同心状で一体回転可能に配設される。取着部材32に、駆動軸14と同数のローラ26が物品搬送方向に並列で回転自在に配設されてローラユニット28が構成される。各ローラ26の軸方向の一端部側に、従動磁石36が同心状で一体回転可能に配設される。取着部材32の係合孔30aに、機台10の突部40が嵌挿されるようにしてローラユニット28を機台10に取着する。このとき、駆動磁石24に対して対応する従動磁石36は、磁力が作用可能な所定の間隔で上方に離間する位置に保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数のローラで形成される搬送面に物品を載置して搬送するローラコンベヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多数のローラを並列に配設し、各ローラを回転駆動することで物品を搬送するローラコンベヤのローラ駆動機構として、磁力による動力伝達を利用してローラを非接触で回転駆動する種々の装置が知られている(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
前記各特許文献に開示のコンベヤでは、外周面にN極帯とS極帯とを例えば周方向に交互に螺旋状に着磁した磁石を、駆動軸および従動軸に夫々設け、両磁石を非接触で近接配置するよう構成される。そして、駆動軸を回転駆動することで、両磁石の磁気作用下に従動軸が回転するようになっている。すなわち、この構成によれば、駆動軸から従動軸へ磁石により非接触で動力伝達することができ、ベルトやチェンでの従来の動力伝達方式に比ベて伝達手段の損耗や接触騒音を生ずることはなく、また接触抵抗も発生しないことから、多数のローラへの回転駆動力の伝達を極めてスムーズに行なうことができる。
【特許文献1】特許第2949493号公報
【特許文献2】特許第2683317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
食品や医薬品等の分野では、衛生面や異物混入の防止等の観点から作業終了時、その他定期的にコンベヤ等の生産設備の清掃、洗浄等が行なわれる。この場合に、ローラコンベヤの各部の清掃、洗浄が簡単かつ確実に短時間で行なえることが好ましいが、前記各特許文献に開示の装置では、物品と直接接触するローラの取外しおよび取付け作業を簡単に行ない得るようには考慮されておらず、清掃、洗浄等に時間が掛かる問題があった。また、ローラが破損等した場合の部品交換に際しても、作業時間が長くなる難点が指摘される。
【0005】
すなわち本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、ユニット化されたローラ群を簡単に着脱できるようにして、清掃や部品交換等のメンテナンスを短時間で行ない得るようにしたローラコンベヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決し、所期の目的を達成するため、請求項1の発明に係るローラコンベヤは、
機台の一側方で回転自在に支持された駆動軸に同心状に配設されて一体回転可能な駆動磁石と、軸方向一端部に駆動磁石と非接触で近接する従動磁石が同心状で一体回転可能に配設された複数のローラとを備え、これらのローラを前記駆動軸と交差するよう並設して前記駆動軸の回転を前記駆動磁石および従動磁石の磁力によりローラに伝達し得るよう構成したローラコンベヤであって、
前記ローラを所定数づつ回転自在に支持し、前記機台に対して取着部材を介して着脱自在に配設されるローラユニットを複数基備え、各ローラユニットは、前記機台に取着した際に前記各従動磁石が前記駆動磁石の上方に離間した所定位置で保持されるよう構成したことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ローラを複数単位でユニット化して機台に対して着脱可能に構成したので、清掃時、または製品の性状に合わせたローラの形状、材質等への変更時の着脱作業が簡単かつ短時間で実施できる。また、個々のローラが異なる組付け位置に配置されるもの等の場合に、各ローラの組付け間違いが発生することがなく、作業者の技量や経験に左右されることなく誰でも簡単かつ正確に取着し得る。
【0007】
請求項2に係る発明は、前記取着部材を前記機台に載置することで取着し得る係合手段を備えるようにした。
請求項2の発明によれば、係合手段により取着部材を機台に正確に取着し得るから、駆動磁石に対して従動磁石を適正な位置に保持して、駆動磁石から従動磁石への動力伝達を確実になし得る。
【0008】
請求項3に係る発明は、前記係合手段を、前記機台から上方に突設された突部と、該突部に係合するよう前記取着部材に穿設された係合孔とで構成した。
請求項3の発明によれば、係合孔に突部を嵌挿するだけで簡単に駆動磁石に対して従動磁石を適正な位置に保持し得る。
【0009】
請求項4に係る発明は、各ローラユニットには夫々同数のローラが配設され、そのローラ配設数に応じた数の前記駆動軸が並設されると共に、各駆動軸を夫々独立駆動するモータを備え、各駆動軸にはローラユニットの数に応じた数の駆動磁石が軸方向に所定間隔毎に設けられ、物品搬送方向の上流側から下流側へ順に配置される各ローラの従動磁石が、各駆動軸の駆動磁石に対応して位置するよう構成され、前記各モータは、ローラ回転速度が周期的に変化するよう回転駆動すると共に、各ローラの回転速度の位相を搬送方向に向けて順にずらすように設定した。
請求項4の発明によれば、ローラ回転速度を周期的に変化すると共に、各ローラの回転速度の位相を搬送方向に向けて順にずらすことで、ローラ群で形成される搬送面にランダムな状態で載置された物品を、搬送中に幅方向に整列することができる。
【0010】
請求項5に係る発明は、複数の駆動軸に配設されて各ローラユニットに対応する駆動磁石群は、物品搬送方向と交差する幅方向一方から他方に向けて斜状となるよう配置され、各ローラユニットにおける複数のローラに配設される従動磁石群は、物品搬送方向の上流側から下流側に向けて対応する駆動磁石群に沿う斜状となるよう配設されている。
請求項5の発明によれば、複数の駆動軸およびローラに対して駆動磁石および従動磁石を斜状となるよう配置したから、駆動軸およびローラの配設間隔を狭くすることができ、装置のコンパクト化を図り得る。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るローラコンベヤによれば、ローラの清掃や部品交換等のメンテナンスを簡単かつ短時間で行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明に係るローラコンベヤにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【実施例】
【0013】
図1は、実施例に係るローラコンベヤの全体構成を示すものであって、機台10の上面には、物品搬送方向と交差する幅方向の一側方において、物品搬送方向の両端部に支持板12,12が対向するよう立設され、両支持板12,12間に、複数(後述するローラユニット毎に配設されるローラ26の数と同数であって、実施例では6本)の駆動軸14が幅方向に並列で回転自在に架設されている。これら駆動軸14の内、幅方向一方から数えて奇数本目となる駆動軸14は、物品搬送方向の上流側に位置する支持板12から外方に軸端が延出して、その軸端にプーリ16が夫々一体回転可能に配設されている。これに対し、偶数本目となる駆動軸14は、下流側に位置する支持板12から外方に軸端が延出して、その軸端にプーリ16が夫々一体回転可能に配設されている(図4参照)。
【0014】
前記機台10における駆動軸群の配設位置の下方内部には、図2または図3に示す如く、その上流側および下流側の夫々に、上下および幅方向に離間して3基のモータ18が配設され、各モータ18の機台外方に延出する出力軸にプーリ20が夫々一体回転可能に配設されている。そして、各駆動軸14のプーリ16と、対応するモータ18のプーリ20とに無端ベルト22が巻掛けられて、各駆動軸14は、対応するモータ18により独立して回転駆動されるよう構成される。
【0015】
前記各駆動軸14には、図4に示す如く、複数(後述するローラユニット28の配設数に対応する数であって、実施例では4個)の駆動磁石24が、軸方向に等間隔で離間して同心状で一体回転可能に配設されている。この駆動磁石24は、円筒状でその外周面に、螺旋状のN極帯とS極帯とが周方向に交互となるように着磁されており、該駆動磁石24の回転によって後述する従動磁石36と共にローラ26を回転するよう構成される。また、幅方向に並ぶ駆動軸14に配設された複数(後述するローラユニット毎に配設されるローラ26の数と同数であって、実施例では6個)の駆動磁石24が1つの組を構成するよう設定されて、後述するローラユニット28の配設数と同数(実施例では4組)の駆動磁石群が物品搬送方向に所定間隔毎に位置するようになっている。なお、各組において各駆動磁石24は、当該駆動磁石24が配設される駆動軸14と、該駆動軸14から回転が伝達される後述するローラ26との交差部分に配置されており、実施例では幅方向一方から他方に向けて物品搬送方向の下流側に順に偏倚する斜状となるように位置している。
【0016】
前記機台10の上面には、前記駆動軸14と同数のローラ26を回転自在に備えた複数基(前記駆動磁石群の組数と同数であって、実施例では4基)のローラユニット28が、物品搬送方向に並列で着脱自在に取着されている。各ローラユニット28は、図1に示す如く、幅方向に離間する一対のホルダ30,30からなる取着部材32と、両ホルダ30,30間に架設されて物品搬送方向に並列配置された複数本(実施例では6本)の支軸34と、各支軸34に回転自在に外嵌された前記ローラ26と、各ローラ26の軸方向の一端部側に同心状で一体回転可能に配設された従動磁石36とから基本的に構成される。そして、各ローラユニット28が、取着部材32を介して前記駆動磁石群と対応するようにして機台10に取着され、各ローラ26を回転駆動することで物品38を搬送するようになっている。
【0017】
前記ローラユニット28における各従動磁石36は、当該従動磁石36が配設されるローラ26と該ローラ26に回転を伝達する駆動軸14との交差部分に配置されて、駆動磁石24と対応するよう設定されている。実施例では、図5に示すように、ローラユニット28の従動磁石群は、物品搬送方向の上流側から下流側に向けて幅方向の他方に偏倚して、前記駆動磁石群と対応するよう斜状に位置している。
【0018】
前記機台10における幅方向の両端部上面には、図4に示す如く、前記各駆動磁石群と対応する位置において、物品搬送方向に離間して一対の突部40,40が上方に向けて突設されている。また前記各ホルダ30には、一対の突部40,40と同じ離間間隔で、上下方向に貫通する係合孔30a,30aが穿設されている。そして、各係合孔30aに対応する突部40を嵌挿するよう係合してローラユニット28を機台10に取着した際に、前記駆動軸14の上方にローラ26の従動磁石36が配設される一端部側が直交(交差)して位置するようになっている。前記突部40は、係合孔30aに嵌挿可能な径寸法に設定された頭部40aと、該頭部40aの下側に形成されて係合孔30aより大径に寸法設定された支持部40bとからなり、係合孔30aに頭部40aを嵌挿した際に、ホルダ30の下面が支持部40bに当接して位置規制され、前記各駆動磁石24に対して対応する従動磁石36は、磁力が作用可能な所定の間隔で上方に離間する位置に保持されるよう構成される。すなわちローラユニット28は、自重により両ホルダ30,30の下面が支持部40b,40bに当接載置され、その載置状態が突部40と係合孔30aとの係合により位置ずれすることなく保持されるようになっている。なお実施例では、前記係合孔30a,30aと突部40,40とで、取着部材32を機台10に位置決め取着する係合手段が構成される。
【0019】
前記従動磁石36は、円筒状でその外周面に、螺旋状のN極帯とS極帯とが周方向に交互となるように着磁されており、当該従動磁石36と軸心が直交する位置関係の駆動磁石24が回転した際には、両磁石24,36の磁力によって従動磁石36と共にローラ26が回転するよう構成されている。
【0020】
前記各モータ18は、駆動軸14の回転速度が周期的に変化するように、該駆動軸14を回転駆動するよう制御される。具体的には、駆動軸14の回転速度を、予め設定した低速度から高速度まで加速し、高速度を所定時間継続した後に低速度まで減速し、この低速度を所定時間継続する変速パターンを周期的に繰返すよう設定される。また各モータ18は、各駆動軸14の前記変速パターンの周期、すなわち回転速度の位相が、幅方向一方から他方へ順にずれるように設定される。そして、このように複数の駆動軸14を回転制御することで、駆動磁石24と従動磁石36との磁力によって回転する前記ローラユニット28の各ローラ26は、図6(a)に示す如く、そのローラ回転速度が周期的に変化すると共に、図6(b)に示す如く、各ローラ26の回転速度の位相が上流側から下流側に順にずれるように変化する(図では変速パターンを上流側のローラ26から順に(1)〜(6)の符号で示す)。但し、幅方向に隣り合う複数のローラ26において、高速度となっている状態が重なるように、前記駆動軸14が回転されるよう設定されている。
【0021】
すなわち、図6(b)に示す如く、各ローラ26における回転速度の位相が上流側から下流側に順にずれることで、その高速域と低速域とが物品搬送方向に移動し、これにより物品38が下流側に搬送されるようになる。そして、その搬送過程において、回転速度が低速度のローラ26に載って低速で搬送されている物品38に対し、高速度のローラ26に載って高速で搬送されている物品38が追いつくことで、物品38,38が1点に集まり、これにより複数の物品38が幅方向に整列されるようになる。これは、波の原理、すなわち波の流れにより物が移動されると共に、波の高い位置(高速度)にある物が低い位置(低速度)に集まる作用を応用したものである。
【0022】
なお、前述したようにローラ26の回転速度を変化することで物品38を整列するよう構成したコンベヤでは、物品38が少なくとも2つ以上のローラ26に接触する寸法に設定されるよう、前記ローラユニット28に配設される各ローラ26の配設間隔、並びにローラ径が選定されるようになっている。また、物品38の搬送速度や物品38の前後長等の各種条件が変更された場合には、物品38がコンベヤにおける搬送始端から搬送終端まで搬送される間に整列するように、ローラユニット28へのローラ26の配設数を変更すると共に、ローラ配設数に対応するよう駆動軸14およびモータ18の数を変更し、併せてローラユニット28の配設基数を変更することで対応し得る。
【0023】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係るローラコンベヤの作用につき説明する。
【0024】
前記機台10の上面に取着されている各ローラユニット28の各従動磁石36は、図5に示す如く、各駆動磁石群における対応する駆動磁石24の上方に所定の間隔で離間して保持されている。従って、前記モータ18により駆動軸14を回転駆動すると、これと一体的に回転する駆動磁石24の回転に伴って、該駆動磁石24および従動磁石36の磁力によってローラ26が従動磁石36と一体的に回転する。すなわち、駆動軸14からローラ26へは非接触で動力が伝達されるから、伝達手段の損耗や接触騒音を生ずることはなく、極めてスムーズにローラ26を回転することができる。
【0025】
実施例では、前記各ローラユニット28におけるローラ26の回転速度を周期的に変化させると共に、その回転速度の位相を上流側から下流側に順にずらすように前記各モータ18で駆動軸14が回転駆動される。従って、前述したようにローラ26の高速域および低速域の移動に伴って搬送される物品38は、低速度のローラ26に載って搬送されている物品38に対し、高速度のローラ26に載って搬送されている物品38が追いつくことで1点に集まるように移動する。すなわち、ランダムな状態で搬送面に載置された複数の物品38は、コンベヤの搬送始端から終端まで搬送される間に、幅方向に整列するように集められる(図5参照)。
【0026】
次に、ローラユニット28を清掃や洗浄する場合は、前記各係合孔30aから突部40を抜くようにローラユニット28を持上げることで、該ユニット28は機台10から取外すことができる。従って、ローラユニット28を別の場所で清掃や洗浄することができる。またローラ26の損傷等に伴う交換も、ローラユニット28を機台10から取外して外部で簡単に行なうことができる。
【0027】
清掃等が完了したローラユニット28は、前記各係合孔30aに突部40が嵌挿されるようにして機台10に載置する。このとき、突部40の支持部40bに、ホルダ30の下面が当接して位置規制され、前記各駆動磁石24に対して対応する従動磁石36は、磁力が作用可能な所定の間隔で上方に離間する位置に保持される。従って、駆動軸14からローラ26への動力伝達は確実に行なわれる。
【0028】
このように、複数単位のローラ26を備えたローラユニット28を機台10から分離可能に構成したから、ローラユニット28の清掃等のメンテナンスを簡単かつ短時間で行ない得る。また、ローラユニット28は自重により機台10に対して適正な位置に位置ずれなく支持されるから、工具等を用いることなく機台10に対するローラユニット28の取付けおよび取外し作業を行なうことができ、作業性が向上する。実施例では、駆動磁石群および従動磁石群を斜状に配置したから、隣り合う駆動磁石24,24および従動磁石36,36が相互に干渉することなく複数の駆動軸14およびローラ26の配設間隔を狭くして、装置自体のコンパクト化を図ることができる。更に、複数のモータ18を機台10の上流側と下流側に分散して配設したことによっても、装置のコンパクト化が図られる。
【0029】
実施例のようにローラユニット28の各ローラ26に対する従動磁石36の配設位置が異なり、駆動磁石24との関係で各ローラ26の配設位置が特定されているものでは、機台10に対してローラユニット28単位で着脱するから、機台10に対して個々のローラを着脱する構成に比べ、各ローラの組付け間違いが発生することはなく、作業者の技量や経験に左右されることなくローラ26を簡単かつ正確に取着することができる。なお、物品38の形状や性状等に応じて、一部のローラ26の形状等を変更して異なる形状等のローラ26を所定の順序で配設する場合においても、機台10に対してローラユニット28単位で着脱することで、組付け間違いが発生するのを防止し得る。
【0030】
〔変更例〕
本願は前述した実施例の構成に限定されるものでなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
1.実施例では、複数の駆動軸14を用いて各ローラ26の回転速度を周期的に変化させることで、複数の物品38を幅方向に整列するように集める波の原理を応用したコンベヤの場合で説明したが、この構成に限定されるものでなく、1本の駆動軸14に全てのローラ26を回転駆動するための駆動磁石24を配設し、全てのローラ26を同じ回転速度で回転駆動して物品38を搬送するものであってもよい。
2.実施例では、機台10に突部40を設け、取着部材32に係合孔30aを設けたが、逆の構成であってもよく、機台10に取着部材32を取着した際に、駆動磁石24と従動磁石36とを一定間隔で離間するよう保持し得るものであれば、係合手段は突部40と係合孔30aに限らず、その他の手段を適宜に採用することができる。
3.実施例では、機台10に載置したローラユニット28を、自重で載置状態が位置ずれなく支持されるよう構成したが、適宜のロック手段によりローラユニット28を機台10に固定する構成を採用し得る。
4.機台10に配設されるローラユニット28の数や、ローラユニット28に配設されるローラ26の数は、実施例の数に限定されるものではなく、コンベヤの仕様に応じて適宜に設定すればよい。この場合に、駆動軸14の配設数および各駆動軸14に配設される駆動磁石24の配設数は、ローラ26の配設数およびローラユニット28の配設数に合わせればよい。
5.実施例では、駆動磁石24および従動磁石36の外周面に、螺旋状のN極帯とS極帯とを周方向に交互となるように着磁するパターンで説明したが、この着磁パターンに限定されるものでなく、一方の磁石のN極帯とS極帯とを軸方向に平行で周方に交互に位置するようにしてもよく、駆動磁石24が回転した際に従動磁石36が磁力によって追従して回転するような着磁パターンであれば、その他のパターンを採用し得る。また、実施例では磁石素材の外周面にN極帯とS極帯とを着磁した場合で説明したが、永久磁石を取着してもよく、例えば断面扇形の永久磁石を、N極とS極とが周方向に交互となるよう相互に取着等して駆動磁石および従動磁石を構成するものであってもよい。
6.実施例では、駆動磁石群および従動磁石群を斜状に配置した場合で説明したが、この配置に限られるものでなく、各駆動軸14と対応するローラ26との交差部位に駆動磁石24および従動磁石36が夫々配置されていれば、順序よく並んでいなくてもよい。但し、実施例のように波の原理を応用したコンベヤの場合は、両磁石24,36がランダムに配置されていても、各ローラ26の回転速度の位相が搬送方向に向けて順にずれるように、各駆動軸14を回転するようにする必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施例に係るローラコンベヤを示す概略斜視図である。
【図2】実施例に係るローラコンベヤを、下流側の支持板を取外した状態で示す要部側面図である。
【図3】実施例に係るローラコンベヤを一部破断して示す正面図である。
【図4】実施例に係るローラコンベヤにおける駆動軸の配設部位を、ローラユニットを取外した状態で示す平面図である。
【図5】実施例に係るローラコンベヤを示す平面図である。
【図6】実施例に係るローラの変速パターンを示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0032】
10 機台,14 駆動軸,18 モータ,24 駆動磁石,26 ローラ
28 ローラユニット,30a 係合孔(係合手段),32 取着部材,36 従動磁石
40 突部(係合手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機台(10)の一側方で回転自在に支持された駆動軸(14)に同心状に配設されて一体回転可能な駆動磁石(24)と、軸方向一端部に駆動磁石(24)と非接触で近接する従動磁石(36)が同心状で一体回転可能に配設された複数のローラ(26)とを備え、これらのローラ(26)を前記駆動軸(14)と交差するよう並設して前記駆動軸(14)の回転を前記駆動磁石(24)および従動磁石(36)の磁力によりローラ(26)に伝達し得るよう構成したローラコンベヤであって、
前記ローラ(26)を所定数づつ回転自在に支持し、前記機台(10)に対して取着部材(32)を介して着脱自在に配設されるローラユニット(28)を複数基備え、各ローラユニット(28)は、前記機台(10)に取着した際に前記各従動磁石(36)が前記駆動磁石(24)の上方に離間した所定位置で保持されるよう構成した
ことを特徴とするローラコンベヤ。
【請求項2】
前記取着部材(32)を前記機台(10)に載置することで取着し得る係合手段(30a,40)を備えた請求項1記載のローラコンベヤ。
【請求項3】
前記係合手段は、前記機台(10)から上方に突設された突部(40)と、該突部(40)に係合するよう前記取着部材(32)に穿設された係合孔(30a)とで構成される請求項2記載のローラコンベヤ。
【請求項4】
各ローラユニット(28)には夫々同数のローラ(26)が配設され、そのローラ配設数に応じた数の前記駆動軸(14)が並設されると共に、各駆動軸(14)を夫々独立駆動するモータ(18)を備え、各駆動軸(14)にはローラユニット(28)の数に応じた数の駆動磁石(24)が軸方向に所定間隔毎に設けられ、物品搬送方向の上流側から下流側へ順に配置される各ローラ(26)の従動磁石(36)が、各駆動軸(14)の駆動磁石(24)に対応して位置するよう構成され、前記各モータ(18)は、ローラ回転速度が周期的に変化すると共に、各ローラ(26)の回転速度の位相を搬送方向に向けて順にずらすよう回転駆動される請求項1〜3の何れかに記載のローラコンベヤ。
【請求項5】
複数の駆動軸(14)に配設されて各ローラユニット(28)に対応する駆動磁石群は、物品搬送方向と交差する幅方向一方から他方に向けて斜状となるよう配置され、各ローラユニット(28)における複数のローラ(26)に配設される従動磁石群は、物品搬送方向の上流側から下流側に向けて対応する駆動磁石群に沿う斜状となるよう配設されている請求項4記載のローラコンベヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−8716(P2007−8716A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−195544(P2005−195544)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】