説明

ワイヤレスフラッシュシステム及びコマンダーフラッシュ装置

【課題】コマンダーフラッシュ装置が被写体を照明するための本発光をする場合の消費電流を小さくでき且つシャッターの同調秒時も速くすることが可能なワイヤレスフラッシュシステム及びコマンダーフラッシュ装置を提供すること。
【解決手段】カメラ100の内蔵フラッシュをスレーブフラッシュ装置の発光制御とともに被写体照明用の光源としても用いる場合には、内蔵フラッシュの本トリガー発光から各外部フラッシュ装置が発光するまでのディレイ時間を0とする。この場合、カメラ100からの本トリガー発光はカメラ100のシャッターが全開となった時点で実施する。一方、カメラ100の内蔵フラッシュをスレーブフラッシュ装置の発光制御にのみ用いる場合には、ディレイ時間を送信する。この場合、カメラ100からの本トリガー発光はシャッターが開口するまでに実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置等の補助照明装置として用いられ、撮像装置とのワイヤレス通信により作動するスレーブフラッシュ装置を含むワイヤレスフラッシュシステム及びこのようなワイヤレスフラッシュシステムにおいてスレーブフラッシュ装置の発光を制御するコマンダーフラッシュ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラ又はカメラに装着されたスレーブフラッシュ装置の動作を制御する制御装置(以下、コマンダーフラッシュ装置と記す)からの発光を受けてスレーブフラッシュ装置を作動させるワイヤレスフラッシュシステムが知られている。ワイヤレスフラッシュシステムは、複数のスレーブフラッシュ装置を適宜配置することで多灯フラッシュ撮影を自在に行うことができる。このため、ワイヤレスフラッシュシステムは利便性に優れており広く活用されている。
【0003】
通常、この種のワイヤレスフラッシュシステムでは、撮影の直前に、コマンダーフラッシュ装置とスレーブフラッシュ装置との間で必要なデータの通信が実行され、カメラ側の撮影の実行に同期して本発光のタイミングを決定するための信号(本トリガー発光)が送信される。この本トリガー発光に同期してスレーブフラッシュ装置は本発光を実行する。
【0004】
ここで、カメラのシャッターがフォーカルプレーンシャッターである場合にはシャッターが全開したタイミングに同期して本トリガー発光が送信される場合が多い。このタイミングであればフラッシュ光がシャッターにけられることなく撮影が可能である。しかしながら、本トリガー発光を撮影のタイミングとした場合、近距離撮影の場合等では意図せず本トリガー発光が被写体を照明してしまって、露出がオーバーの写真が撮影されてしまう場合がある。
【0005】
このような撮影中の本トリガー発光を実施することによる露出オーバーを防止するための手法として、例えば特許文献1の手法がある。この特許文献1の手法において、カメラ側ではシャッターの開放前に本トリガー発光とディレイデータの送信とを実施し、ディレイデータによって示される時間の経過後にシャッターを開放する。スレーブフラッシュ装置側では本トリガー発光を受けた後、ディレイデータによって示される時間分だけ待機した後で本発光することにより、カメラ側のシャッターの全開に同期した本発光を行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3193489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、通常は、コマンダーフラッシュ装置自体も被写体を照明するための補助照明装置として用いることが可能である。コマンダーフラッシュ装置自体も被写体を照明するための補助照明装置として用いる場合、スレーブフラッシュ装置への本トリガー発光の送信とコマンダーフラッシュ装置の本発光の両方を行うことになるため、電池の消耗が大きくなり易い。
【0008】
また、ディレイ時間はフォーカルプレーンシャッターの動作時間を予測して設定するものである。しかしながら、ディレイ時間と実際にシャッターが全開するまでの時間との間には誤差がある。この誤差を見込んで制御を行うためにはタイミングに余裕をもってスレーブフラッシュ装置を作動させる必要がある。この場合、スレーブフラッシュ装置に同調するシャッターの速度も低速側にシフトさせる必要が生じる。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、コマンダーフラッシュ装置が被写体を照明するための発光をする場合の消費電流を小さくでき且つシャッターの同調秒時も速くすることが可能なワイヤレスフラッシュシステム及びコマンダーフラッシュ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様によるワイヤレスフラッシュシステムは、カメラに内蔵又はカメラに一体的に装着されるコマンダーフラッシュ装置と、該コマンダーフラッシュ装置からのフラッシュ信号光に基づいて動作するスレーブフラッシュ装置とを有するワイヤレスフラッシュシステムにおいて、上記コマンダーフラッシュ装置は、上記フラッシュ信号光又は被写体を照明するための光を発光する発光手段と、上記スレーブフラッシュ装置に本発光の実施を指示するための本トリガー発光用のフラッシュ信号光の発光から上記スレーブフラッシュが本発光を実施するまでのディレイの有無又はディレイ時間を示すフラッシュ信号光を上記発光手段によって送信させるとともに、上記発光手段の発光モードが上記発光手段に上記本トリガー発光用のフラッシュ信号光の発光と上記被写体を照明するための本発光とを実施させる第1のトリガー発光モードに設定されている場合は、上記カメラのシャッターが全開となった時点で上記発光手段に上記本トリガー発光用のフラッシュ信号光の発光と上記本発光とを実施させ、上記発光手段の発光モードが上記発光手段に上記本トリガー発光用のフラッシュ信号光の発光のみを実施させる第2のトリガー発光モードに設定されている場合は、上記シャッターが開口する前に上記発光手段に上記本トリガー発光用のフラッシュ信号光の発光を実施させる制御手段とを具備し、上記スレーブフラッシュ装置は、上記コマンダーフラッシュ装置から送信された上記ディレイの有無又は上記ディレイ時間に対応した本発光を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コマンダーフラッシュ装置が被写体を照明するための発光をする場合の消費電流を小さくでき且つシャッターの同調秒時も速くすることが可能なワイヤレスフラッシュシステム及びコマンダーフラッシュ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るワイヤレスフラッシュシステムに用いられるカメラの外観図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るワイヤレスフラッシュシステムに用いられるスレーブフラッシュ装置の外観図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るワイヤレスフラッシュシステムの構成を示す図である。
【図4】ワイヤレスフラッシュシステムに用いられるカメラの内部の回路ブロック構成を示す図である。
【図5】シャッターの構成の一例を示す図である。
【図6】シャッターの動作の様子を示す図である。
【図7】シャッターの動作時におけるタイミングチャートである。
【図8】ワイヤレスフラッシュシステムに用いられる外部フラッシュ装置の内部の回路ブロック構成を示す図である。
【図9】コマンダーフラッシュ装置として働くカメラの背面LCDパネルの撮影待機時の画面遷移の様子を示す図である。
【図10】ワイヤレスフラッシュシステムにおいてコマンダーフラッシュ装置の役割を果たすカメラのRCモード時の撮影待機動作について示すフローチャートである。
【図11】ワイヤレスフラッシュシステムのフラッシュ光によるワイヤレス通信の形態を示す図である。
【図12】外部フラッシュ装置とともにコマンダーフラッシュ装置としてのカメラの内蔵フラッシュを本発光時の被写体照明用の光源として用いる場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図13】コマンダーフラッシュ装置としてのカメラの内蔵フラッシュをスレーブフラッシュ装置の発光制御にのみ用いる場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図14】電子先幕シャッターを有するシャッターを用いた場合のタイミングチャートである。
【図15】カメラの姿勢によりディレイ時間決定の際の時間余裕分を変化させる変形例を示すタイミングチャートである。
【図16】シャッターの累積動作回数によってディレイ時間決定の際の時間余裕分を変化させる変形例を示すタイミングチャートである。
【図17】カメラボディ内の温度条件によってディレイ時間決定の際の時間余裕分を変化させる変形例を示すタイミングチャートである。
【図18】姿勢、温度、動作回数のそれぞれの条件に対する時間余裕分の変化係数の例を示した図である。
【図19】コマンダーフラッシュ装置としてのカメラのRCモードにおける撮影制御の動作について示すフローチャートの第1図である。
【図20】コマンダーフラッシュ装置としてのカメラのRCモードにおける撮影制御の動作について示すフローチャートの第2図である。
【図21】コマンダーフラッシュ装置としてのカメラのRCモードにおける撮影制御の動作について示すフローチャートの第3図である。
【図22】コマンダーフラッシュ装置としてのカメラのRCモードにおける撮影制御の動作について示すフローチャートの第4図である。
【図23】スレーブフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートの第1図である。
【図24】スレーブフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートの第2図である。
【図25】スレーブフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートの第3図である。
【図26】スレーブフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートの第4図である。
【図27】スレーブフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートの第5図である。
【図28】本発明の第2の実施形態におけるカメラの内部の回路ブロック構成を示す図である。
【図29】赤外フィルターが装着されたときのDSP3の表示を示す図である。
【図30】本発明の第3の実施形態におけるディレイ時間の決定方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るワイヤレスフラッシュシステムに用いられるカメラの外観図である。ここで、図1(a)はカメラの前面斜視図を示し、図1(b)はカメラの背面斜視図を示している。
【0014】
図1(a)及び図1(b)に示すカメラは、例として一眼レフレックスタイプのカメラを示している。即ち、カメラ100は、カメラボディ1と該カメラボディ1に対して着脱自在に構成されたレンズユニット2とを有し、レンズユニット2がカメラボディ1に装着された場合に両者が連携して動作するようになっている。
【0015】
図1(a)及び図1(b)に示すように、カメラボディ1には、内蔵フラッシュ3と、操作部材4a〜4hと、ファインダーユニット5と、背面LCDパネル6が設けられている。
【0016】
発光手段としての機能を有する内蔵フラッシュ3は、例えばキセノン(Xe)管で構成される発光部と、該発光部を発光させるための発光回路等から構成されている。この内蔵フラッシュ3は、通常時はカメラボディ1内に収納され、フラッシュ光を発光させる際に、図1(a)のようにポップアップされる、ポップアップ式の内蔵フラッシュである。
【0017】
操作部材4a〜4hは、ユーザがカメラ100を操作するための各種の操作部材である。ここで、操作部材4aはレリーズボタンであり、半押し操作によってオンする1stレリーズスイッチと全押し操作によってオンする2ndレリーズスイッチの2段スイッチを操作するための操作部材である。1stレリーズスイッチがオンすることによって自動焦点制御(AF)や自動露出制御(AE)等の撮影準備動作が実行される。また、2ndレリーズスイッチがオンすることによって撮影動作が実行される。操作部材4bは電子ダイヤルであり、各種の数値を設定変更する場合等に使用される操作部材である。操作部材4cは十字ボタンであり、上下左右の4つのボタンと中央のOKボタンとで構成されている。十字ボタン4cは、カメラのメニューを開いた際の項目の選択や決定に使用される操作部材である。操作部材4dはISOボタンである。ISOボタン4dは、撮影時の撮像素子のISO感度を変更するための操作部材である。ISOボタン4dは、電子ダイヤル4bと組み合わせて使用されるボタンであり、ISOボタン4dを押しながら電子ダイヤル4bを回動させることにより、ISO感度の値を設定可能である。操作部材4eは露出補正ボタンである。露出補正ボタン4eは、電子ダイヤル4bと組み合わせて使用されるボタンであり、露出補正ボタン4eを押しながら電子ダイヤル4bを回動させることにより、露出補正値の設定が可能である。操作部材4fはINFOボタンである。INFOボタン4fの操作により、背面LCDパネル6の表示形態(詳細は後述する)を選択できる。操作部材4gはメニューボタンである。メニューボタン4gを押すと背面LCDパネル6上に各種設定のためのメニュー画面を表示させることができる。操作部材4hはパワーボタンである。パワーボタン4hの操作により、カメラ100の電源をオン又はオフさせることができる。
【0018】
ファインダーユニット5は、被写体を観察するための光学式のファインダーユニットである。このファインダーユニット5は、レンズユニット2内部の光学系を通過した光を、カメラボディ1内に設けられたミラーやペンタプリズム等の光学系を利用してアイピース5aを介して観察可能なように構成されている。
【0019】
背面LCDパネル6は、カメラボディ1の背面に設けられ、撮影画像やライブビュー画像の他、メニュー画面や各種情報及び設定値等を確認するための画面等の各種の画像表示を行う表示部である。
【0020】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るワイヤレスフラッシュシステムに用いられるスレーブフラッシュ装置の外観図である。図2に示す外部フラッシュ装置200は、フラッシュ本体11を有している。フラッシュ本体11の下部にはホットシュー17が設けられており、このホットシュー17をフラッシュスタンド12に設けられたホットシュー受け部18に係合させることにより、フラッシュ本体11をフラッシュスタンド12に固定させることが可能である。また、フラッシュ本体11をカメラ100のホットシュー受け部に装着することもでき、この場合には、外部フラッシュ装置200を、内蔵フラッシュ3の代わりのフラッシュ発光用の光源として用いることが可能である。
【0021】
また、図2に示すように、フラッシュ本体11には、スレーブセンサー13と、調光センサー14と、モードスイッチ15とが設けられている。さらに、フラッシュ本体11には、発光ユニット16が回動可能に取り付けられている。
【0022】
スレーブセンサー13は、外部フラッシュ装置200をスレーブフラッシュ装置として用いたときに、コマンダーフラッシュ装置であるカメラ100からのフラッシュ信号光を受光し、受光したフラッシュ信号光を光電変換することにより電気信号を発生させる。調光センサー14は、フラッシュ調光用の調光センサーである。後述するワイヤレスフラッシュシステムにおいては、カメラ側のTTLセンサーを用いてそれぞれの外部フラッシュ装置の調光制御を行うTTL調光と、外部フラッシュ装置側のセンサーを用いてそれぞれの外部フラッシュ装置の調光制御を行うフラッシュ側制御調光の2つの調光制御を行うことができる。調光センサー14は、フラッシュ側制御調光の際に利用されるセンサーであり、撮影前に被写体に向けてフラッシュ発光を行うプリ発光時の被写体からのフラッシュ光の反射光を受光し、受光した反射光を光電変換することにより電気信号を発生させる。
【0023】
モードスイッチ15は、外部フラッシュ装置200の動作モードを設定するためのスイッチである。この動作モードには、「TTL」、「M」、「RC」の3つのモードがある。「TTL」と「M」は外部フラッシュ装置200をカメラ100に装着した際に選択可能な動作モードである。また、「RC」は、外部フラッシュ装置200をスレーブフラッシュ装置として用いる際にのみ選択可能な動作モードである。
【0024】
発光ユニット16は、外部フラッシュ装置200におけるフラッシュ光の発光部である。この発光ユニット16にはロック解除ボタン16aが設けられている。ロック解除ボタン16aが押されている間、発光ユニット16をフラッシュ本体11に対して回動させることが可能である。ユーザは、ロック解除ボタン16aを押しながら、発光ユニット16を上下左右方向に回動させることで、発光ユニット16の向き、即ちフラッシュ光の発光方向を変えることが可能である。
【0025】
図3は、図1に示すカメラ及び図2に示す外部フラッシュ装置を用いた、本実施形態に係るワイヤレスフラッシュシステムの構成を示す図である。
【0026】
図3の例では、3つの外部フラッシュ装置200a、200b、200cを使用して撮影を行う。図3において、外部フラッシュ装置200a、200b、200cは、何れも動作モードが「RC」に設定されている。このとき、外部フラッシュ装置200a、200b、200cは何れもスレーブフラッシュ装置として機能し、コマンダーフラッシュ装置としてのカメラ100からの指示に従って発光する。
【0027】
ここで、外部フラッシュ装置200a、200b、200cはグループ分けがなされている。ここでは、3つの外部フラッシュ装置のうち、外部フラッシュ装置200aはグループAのフラッシュ装置、外部フラッシュ装置200bはグループBのフラッシュ装置、外部フラッシュ装置200cはグループCのフラッシュ装置である。
【0028】
このような構成において、各外部フラッシュ装置はカメラ100からのフラッシュ信号光に従って独立して発光制御がなされる。ここで、図1の例では、1つのグループに1つの外部フラッシュ装置が属しているが、1つのグループに複数の外部フラッシュ装置を割り当てても良い。この場合、同じグループに属する外部フラッシュ装置は同一の発光制御がなされる。また、各外部フラッシュ装置の発光に同期させてカメラ100の内蔵フラッシュ3も被写体照明用の光源として発光させることも可能である。
【0029】
以下、本実施形態のワイヤレスフラッシュシステムについてさらに説明する。図4は、カメラ100の内部の回路ブロック構成を示す図である。ここで、図1と同一の構成については図1と同一の参照符号を付すことで説明を省略する。
【0030】
図4に示すように、レンズユニット2は、レンズ駆動制御回路101を有している。このレンズ駆動制御回路101は、カメラボディ1のボディ駆動制御回路104からの指示に基づいてレンズユニット2内部に設けられる、不図示のレンズのフォーカスや絞り等の駆動制御を行う。
【0031】
また、図4に示すように、カメラボディ1は、クロック回路103と、ボディ駆動制御回路104と、TTL調光回路105と、撮像素子106と、画像処理回路107と、画像記録媒体108と、シャッター109と、メモリー110と、姿勢検知回路111と、温度検知回路112とを有している。さらに、ボディ駆動制御回路104には、カメラボディ1の外部に露出配置された操作部材4(図1に示す操作部材4a〜4h)及び背面LCDパネル6が接続されている。
【0032】
フラッシュ制御回路102は、ボディ駆動制御回路104からの指示を受けて内蔵フラッシュ3を発光させるためのエネルギーを蓄積するための充電制御等の内蔵フラッシュ3の発光に必要な各種の制御を行う。また、フラッシュ制御回路102は、発光開始指示信号(X信号)に同期して内蔵フラッシュ3を発光させる制御も行う。
【0033】
クロック回路103は、例えば水晶発振子を用いたクロック発振回路であり、ボディ駆動制御回路104を動作させるためのクロック信号を生成する。一般に、カメラボディ1内では、高精度の時間制御を求められる部分が多いので、クロック回路103を、高価ではあるが精度が高い水晶発振回路等で構成することが望ましい。
【0034】
ボディ駆動制御回路104は、クロック回路103で生成されたクロック信号に従って動作するデジタル回路である。このボディ駆動制御回路104は、操作部材4の操作に対応してカメラボディ1内の各ブロック及びレンズユニット2内のレンズ駆動制御回路101の動作を制御する。さらに、本実施形態におけるワイヤレスフラッシュ撮影を実行する際に、ボディ駆動制御回路104は、外部フラッシュ装置へのワイヤレスデータ通信のための発光指示をフラッシュ制御回路102に対して行う。
【0035】
TTL調光回路105は、内蔵フラッシュ3又は外部フラッシュ装置200の本発光量を決定するための調光回路である。このTTL調光回路105は、プリ発光(撮影用のフラッシュ発光量を決めるために撮影前に行う少光量の発光)時に、レンズユニット2内の不図示のレンズを通過してくる被写体からのフラッシュ光の反射光を測光する。TTL調光回路105における測光結果に基づいてボディ駆動制御回路104は、内蔵フラッシュ3又は外部フラッシュ装置200の本発光量(撮影用のフラッシュ発光量)を決定する。
【0036】
撮像素子106は、レンズユニット2内の不図示のレンズを通過してくる被写体からの光を受光し、受光した反射光を光電変換することにより電気信号(画像信号)を発生させ、さらに該画像信号をデジタル信号(画像データ)に変換して画像処理回路107に出力する。
【0037】
画像処理回路107は、画像の撮影時には、撮像素子106で得られる画像データをデジタル画像処理し、画像記録媒体108に記録させる。また、画像の再生時に、画像処理回路107は、画像記録媒体108に記録された画像データを読み出し、読み出した画像データから背面LCDパネル6に表示させるためのデータを生成する。
【0038】
シャッター109は、撮像素子106の前面に配置されるフォーカルプレーンシャッターである。図5は、シャッター109の構成の一例を示す図である。一般に、フォーカルプレーンシャッターは、先幕C1と後幕C2とを有している。先幕C1は複数枚のシャッター羽根を有して構成されている。初期状態において先幕C1のシャッター羽は図5に示すように展開状態になっている。この場合、レンズユニット2を介して入射する撮影光は撮像素子106に入射しないように遮光される。また、初期状態において、先幕C1はストッパー機構STOPPER1によって機械的に係止されつつ且つバネによってカメラボディ1の下方に向かう方向に付勢されている。一方、後幕C2も複数枚のシャッター羽根を有して構成されている。初期状態において後幕C2のシャッター羽は図5に示すように折りたたまれている。また、後幕C2はストッパー機構STOPPER2によって機械的に係止されつつ且つバネによって展開状態のときに撮影光を遮光する状態となるように付勢されている。
【0039】
電磁マグネットMG1は通電が開始された際にストッパー機構STOPPER1の係止を解除するとともに先幕C1の係止されていた部分を吸着する。同様に、電磁マグネットMG2は通電が開始された際にストッパー機構STOPPER2の係止を解除するとともに後幕C2の係止されていた部分を吸着する。なお、電磁マグネットMG1、MG2への通電はボディ駆動制御回路104によって行われる。
【0040】
シャッター109の動作についてさらに説明する。図6は、シャッター109の動作の様子を示す図である。また、図7は、シャッター109の動作時におけるタイミングチャートである。なお、図7にはシャッター109の先幕C1の上端位置と後幕C2の下端位置の時間変化のグラフも併せて示している。
【0041】
レリーズボタン4aが全押しされると電磁マグネットMG1、MG2への通電が開始される。これにより先幕C1、後幕C2の係止部が電磁マグネットMG1、MG2に吸着されて保持される。
【0042】
電磁マグネットMG1、MG2への通電が開始されてから所定時間が経過した時点P11で電磁マグネットMG1の通電が停止される。これにより、電磁マグネットMG1による先幕C1の吸着が解除され、図6(a)に示すようにして先幕C1が上方から下方へ向けて走行を開始する。
【0043】
電磁マグネットMG1への通電を停止してから所定時間T11が経過した時点P12で先幕C1の上端が撮像素子106の上端位置を超える。この瞬間から撮影光が撮像素子106に入射して露光が開始される。さらに、電磁マグネットMG1への通電を停止してから所定時間T12が経過した時点P13で図6(b)に示すようにしてシャッター109が全開状態となり、撮像素子106の全面に撮影光が照射される。この瞬間にフラッシュ光を発光するようにすれば、フラッシュ光が撮像素子106の全面に照射される。したがって、フラッシュ撮影を行う際には、シャッター109の全開に同期してX信号が出力されるようにすることが望ましい。
【0044】
電磁マグネットMG1への通電を停止してから所定時間T13が経過した時点P14で先幕C1が下端位置に達する。これにより、先幕C1の走行が完了する。その後、先幕C1の走行完了から所定時間が経過した時点P21の時点で電磁マグネットMG2の通電が停止される。これにより、電磁マグネットMG2による後幕C2の吸着が解除され、図6(c)に示すようにして後幕C2が上方から下方へ向けて走行を開始する。
【0045】
電磁マグネットMG2への通電を停止してから所定時間T21が経過した時点P22で後幕C2の下端が撮像素子106の上端位置に達する。この瞬間から撮像素子106が遮光され始める。電磁マグネットMG2への通電を停止してから所定時間T22が経過した時点P23で後幕C2が撮像素子106を完全に遮光する。さらに、電磁マグネットMG2への通電を停止してから所定時間T23が経過した時点P24で図6(d)に示すようにして後幕C2の走行が完了する。
【0046】
後幕C2の走行完了後、不図示のチャージモーターへの通電(図7のCHARGE)が開始されて先幕C1、後幕C2は共に初期状態に復帰する。
【0047】
ここで、図4に戻って説明を続ける。メモリー110はシャッター109の累積動作回数及び後述するワイヤレスフラッシュ撮影時におけるディレイ時間を決定するための余裕時間を決定するための変化係数を記憶しておくためのメモリーである。姿勢検知回路111は、例えば角速度センサー等を利用した姿勢センサーを含み、カメラ100の向き(姿勢)を検知する。温度検知回路112は、カメラ100内部の温度を検知する。
【0048】
図8は、図2に示す外部フラッシュ装置の内部の回路ブロック構成を示す図である。ここで、図2と同一の構成については図2と同一の参照符号を付すことで説明を省略する。
【0049】
図8に示すように、フラッシュ本体11は、フラッシュ制御回路202と、クロック回路203と、データ検出回路204とを有している。さらに、フラッシュ制御回路202には、フラッシュ本体11の外部に露出配置された調光センサー14及びモードスイッチ15が接続され、データ検出回路204には、スレーブセンサー13が接続されている。
【0050】
フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13や調光センサー14等のセンサーからの情報やモードスイッチ15からの操作に従ってフラッシュの発光等の各種制御を行う。
【0051】
クロック回路203は、フラッシュ制御回路202のデジタル部を動作させるためのクロック信号を生成する。このクロック信号は、スレーブセンサー13で受光したフラッシュ信号光の間隔をデータ検出回路204において測定するための基準クロック信号としても用いる。さらに、このクロック信号は、カメラ100からの本トリガー発光から、実際に本発光を実施するまでのディレイ時間をカウントするための基準クロック信号としても用いる。なお、外部フラッシュ装置200ではカメラ100に比べて高精度の時間制御が必要な機能が少ないため、クロック回路203は例えばセラミック振動子等を用いた安価なものを用いても良い。
【0052】
データ検出回路204は、スレーブセンサー13から出力されるフラッシュ信号光の間隔を、クロック回路203のクロック信号を用いてカウントし、該カウントデータをカメラ100からの制御データとしてフラッシュ制御回路202に出力する。
【0053】
また、図8に示すように、発光ユニット16は、発光回路205とフラッシュ発光部206とを有している。発光回路205は、コンデンサ等から構成されフラッシュ発光部206を発光させるためのエネルギーを蓄積するとともに、フラッシュ制御回路202からの指示に基づいてフラッシュ発光部206を発光させる。フラッシュ発光部206は、例えばキセノン(Xe)管で構成される発光部である。
【0054】
図9は、コマンダーフラッシュ装置として働くカメラ100の背面LCDパネル6の撮影待機時の画面遷移の様子を示す図である。図9に示す表示は、INFOボタン4fを押す毎に切り替えられる。
【0055】
DSP1は通常撮影時の表示である。このDSP1の表示では、通常の撮影で確認することが多い項目(図9の例では、撮影モード、日付、ISO感度、ホワイトバランス設定、フラッシュ設定、画像処理設定、測光モードの設定、測距モードの設定、AF/MF(マニュアルフォーカス)の設定、単写/連写の設定、現在の画像記録媒体108の種類、画質モードの設定、残り撮影枚数)についての表示を行う。またこの表示がなされている状態で十字ボタン4cにより設定項目を選択及び決定すると、各種項目を表示上で設定変更することが可能である。
【0056】
DSP2は、背面LCDパネル6の表示をオフした状態である。消費電力をセーブする場合やファインダを覗く際に背面LCDパネル6からの光が邪魔になる場合等には表示をオフさせる。
【0057】
DSP3は、ワイヤレスフラッシュ撮影を行う場合の専用の表示である。このDSP3の表示は、ワイヤレスフラッシュ制御モード(以下、このモードをRCモードとする)が不図示のメニュー画面から選択された場合のみ表示される。このDSP3の表示では、図3に示すグループ毎のスレーブフラッシュの設定(図9の例では、グループ毎の調光モード及びフラッシュ発光量の設定)や高速秒時同調発光(FP)のオン/オフ、ワイヤレスフラッシュ撮影時に用いる通信チャンネル等の各種の動作条件をマトリックス状に表示でき、またDSP1と同様に十字ボタン4cを用いて、DSP3の表示を見ながら各外部フラッシュ装置の動作条件の設定変更を行うことが可能である。また、DSP3の表示がなされている状態でレリーズボタン4aが全押しされると、ワイヤレスフラッシュ撮影が実行される。ワイヤレスフラッシュ撮影の実行後は、撮影により得られた画像が背面LCD6に所定時間表示された後、撮影前の表示状態に復帰する。
【0058】
上述したように、DSP3の表示は、RCモードが選択された場合のみ、遷移が可能な表示である。RCモードが選択されていない場合にはDSP3の表示はなされず、DSP1とDSP2のみの遷移となる。また、RCモードが選択されている状態では、DSP1、DSP2、DSP3の何れの状態でもワイヤレスフラッシュ撮影を行うことが可能である。
【0059】
図10は、図3に示すワイヤレスフラッシュシステムにおいてコマンダーフラッシュ装置の役割を果たすカメラ100のRCモード時の撮影待機動作について示すフローチャートである。撮影待機動作時にはメニューボタン4g等の操作に応じて図9で示したDSP1〜DSP3の何れかの表示がなされる。
【0060】
パワーボタン4hによってカメラ100の電源がオンされる等して図10の動作が開始される。まず、パワーボタン4hによってカメラ100の電源がオンされると撮影待機状態となる(ステップS801)。この撮影待機状態において、ボディ駆動制御回路104はユーザによりメニューボタン4gが操作されたかを判定している(ステップS802)。ステップS802の判定において、メニューボタン4gが操作されるまで撮影待機状態を継続する。
【0061】
一方、ステップS802の判定において、メニューボタン4gが操作されると、ボディ駆動制御回路104は背面LCDパネル6にメニュー画面を表示させる。以後、ボディ駆動制御回路104は、ユーザの十字ボタン4cの操作に従ってメニュー画面上での各種設定変更動作を実行する(ステップS803)。ユーザによるメニュー項目の選択及び設定の変更がなされた際に、ボディ駆動制御回路104は、ユーザによってRCモードが設定されたかを判定する(ステップS804)。ステップS804の判定において、RCモードが設定されていなければ、ボディ駆動制御回路104は、メニュー画面を開く前の画面を背面LCDパネル6に表示させた後(ステップS806)、撮影待機状態に戻る。一方、ステップS804の判定において、RCモードが設定された場合に、ボディ駆動制御回路104は、図9のDSP3で示した画面を背面LCDパネル6に表示させる(ステップS805)。即ち、ユーザによってRCモードが設定されると、RCモードでしか表示できない専用の表示画面が表示される。
【0062】
以下、本実施形態におけるワイヤレスフラッシュ撮影について説明する。
まず、ワイヤレスフラッシュ撮影の際に用いられるワイヤレス通信について説明する。図11は、図3に示すワイヤレスフラッシュシステムのフラッシュ光によるワイヤレス通信の形態を示す図である。
【0063】
本実施形態では、コマンダーフラッシュ装置であるカメラ100は1回の撮像について例えば10回発光する。この10回の発光のうち、1回目の発光をSFL1、2回目以後の発光をSFL2、…、SFL10とする。またSFL1とSFL2との発光間隔をT(DT1)とし、以後、順次T(DT2)、T(DT3)、TM1、TM2、T(DT4)、T(DT5)、T(DT6)、TM3、TM4とする。本例では、スレーブフラッシュ装置である外部フラッシュ装置はプリトリガー発光としてのSFL5に同期してプリ発光を行い、本トリガー発光としてのSFL10に同期して本発光を行う。
【0064】
データ検出回路204は、クロック回路203のクロック信号を用いて各発光間隔をカウントし、そのカウントデータをカメラ100からの制御データとしてフラッシュ制御回路202に出力する。
【0065】
T(DT1)の期間では通信のチャンネルや高速秒時同調発光のオン/オフ設定等の各グループに共通のデータを送る。続く、T(DT2)、T(DT3)の期間では各グループの発光モード(TTL/AUTO/M)のデータを送る。それぞれの期間でデータ検出回路204によって取り出されるデータDT1、DT2、DT3は、それぞれ3ビットデータで構成され、それぞれのデータは5msのオフセットに、1ビット当たり0.5msを加えた発光間隔で表現されている。
【0066】
また、T(DT4)、T(DT5)、T(DT6)の期間では各グループの発光量に対応するデータを送る。それぞれの期間でデータ検出回路204によって取り出されるデータDT4、DT5、DT6はそれぞれ5ビットデータで構成され、それぞれのデータは5msのオフセットに、1ビット当たり0.25msを加えた発光間隔で表現されている。
【0067】
何れのデータも、5msという所定のオフセット時間にそれぞれのデータに対応する時間を加算して構成している。この場合、T(DT1)、T(DT2)、T(DT3)は最短で5ms(データ0の場合)、最長で8.5ms(データ7の場合)となる。また、T(DT4)、T(DT5)、T(DT6)は最短で5ms(データ0の場合)、最長で12.75ms(データ31の場合)となる。
【0068】
また、TM1、TM2の期間はそれぞれプリ発光、本発光のための準備期間である。さらに、本実施形態においては、TM2の期間で詳細は後述するディレイ発光を行うか否かの判定及びディレイ発光を行う際のディレイ時間のデータも送信する。例えば、TM2が7ms以下の場合には本発光の際にディレイ発光を行わないものとし、7msを越えた場合にはTM2から5msを引いた値をディレイ時間として認識する。ディレイ発光を伴う本発光の際には、各外部フラッシュ装置は、本発光トリガーの受信からディレイ時間だけ遅れて本発光を実行する。
【0069】
次に、本実施形態におけるワイヤレスフラッシュ撮影時におけるシャッター109の走行動作とフラッシュの発光動作との関係について説明する。
図12は、各外部フラッシュ装置とともにコマンダーフラッシュ装置としてのカメラ100の内蔵フラッシュ3を本発光時の被写体照明用の光源として用いる場合の動作を示すタイミングチャートである。この場合は、内蔵フラッシュ3による本トリガー発光を内蔵フラッシュ3自体の本発光と兼用させる。したがって、シャッター109が全開状態になった際(時点P13)に出力されるX信号に同期して内蔵フラッシュ3が本発光し、また、この内蔵フラッシュ3の本発光に同期してスレーブフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置も本発光する。
【0070】
図13は、コマンダーフラッシュ装置としてのカメラ100の内蔵フラッシュ3をスレーブフラッシュ装置の発光制御にのみ用いる場合の動作を示すタイミングチャートである。この設定は、例えば図9のDSP3の表示上でBODYの項目の発光モードを「OFF」に設定した場合になされる。図13の場合は、カメラ100と外部フラッシュ装置とのワイヤレス通信の際のTM12の長さとして、内蔵フラッシュ3の本トリガー発光から各外部フラッシュ装置が発光するまでのディレイ時間を送信する。カメラ100からの本トリガー発光はシャッター109の先幕C1が走行を開始する時点P11から先幕C1の上端が撮像素子106の上端を超える時点P12までの間に実施される。なお、ディレイ時間は、本トリガー発光の時点からシャッター109が全開になる時点P13までの時間に、シャッター109の種々の条件によるばらつき(図示A部分)を加味した余裕分TMGN1を加えた時間TDLY1とする。
【0071】
スレーブフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置は、カメラ100からの本トリガー発光の時点からカウントを開始し、TDLY1までカウントした時点で所定の発光量で発光する。
【0072】
図13のような制御では、本トリガー発光が必ず撮像素子106が遮光されている期間内で行われるため、撮影結果にトリガー発光が影響することはない。
【0073】
図14は、フォーカルプレーンシャッターにおける先幕と同様の機能を電子シャッターで実行する、所謂電子先幕シャッターを有するシャッター109を用いた場合のタイミングチャートである。例えば、撮像素子106を介して得られる画像をリアルタイムで背面LCDパネル6に表示させるライブビュー撮影の場合では、先幕を開放して撮像素子106が露光状態としている。この場合、機械的な先幕を閉じて通常のシャッター動作をさせるとその作動時間やエネルギー消費が無駄となる。電子先幕シャッターは、先幕に対応する動作のみを撮像素子106の電子シャッター機能を用いて実現することとしたものである。
【0074】
電子先幕シャッターの動作は正確にボディ駆動制御回路104により制御することが可能である。したがって、コマンダーフラッシュ装置としてのカメラ100の内蔵フラッシュ3をスレーブフラッシュ装置の発光制御にのみ用いる場合であっても、シャッター109の先幕の動作ばらつきを考慮しなくて良い。したがって、ディレイ時間は、時間余裕分TMGN1を加えずに、電子先幕EC1の走行開始から電子先幕EC1が全開となる時間TDLY2に決定する。このようにディレイ時間を決定すれば、電子先幕EC1が走行を完了したところ(撮像素子106全体の撮像が許可された状態)でスレーブフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置が発光する。
【0075】
図15は、カメラ100の姿勢によりディレイ時間決定の際の時間余裕分を変化させる変形例を示すタイミングチャートである。シャッター109が機械式である場合、シャッター羽根の折りたたみの際の摩擦により先幕C1や後幕C2の走行速度が若干変化する。また、先幕C1及び後幕C2の走行は重力の影響も受ける。例えば、図5に示したようなカメラボディ1の下方に向かって走行するシャッターの場合には、カメラボディ1を正位置としたときが最も走行速度が速く、カメラボディ1を上又は下に向けた場合には走行速度がやや遅くなり、カメラボディ1を倒立位置としたときが最も走行速度が遅くなる。走行速度が変化すれば、シャッター109が全開になる時点P13も当然変化する。したがって、カメラ100の姿勢を姿勢検知回路111により検知しておき、この検知結果に従った余裕分TGMN2をメモリー110から選択してディレイ時間を最適な時間TDLY3に設定する。
【0076】
図16は、シャッター109の累積動作回数によってディレイ時間決定の際の時間余裕分を変化させる変形例を示すタイミングチャートである。シャッター109が機械式である場合、シャッター109の動作回数が多くなると、潤滑機構の劣化等の理由で走行速度が遅くなる。このため、シャッター109の動作回数をメモリー110に記憶させておき、ワイヤレスフラッシュ撮影時にはシャッター109の動作回数に応じた余裕分TGMN3をメモリー110から選択してディレイ時間を最適な時間TDLY4に設定する。
【0077】
図17は、カメラボディ1内の温度条件によってディレイ時間決定の際の時間余裕分を変化させる変形例を示すタイミングチャートである。シャッター109が機械式である場合、シャッター109の周辺温度に応じて走行速度が変化する。即ち、高温時では低温時に比べて走行速度が速くなる。したがって、カメラボディ1内部の温度を温度検知回路112により検知しておき、この検知結果に従った余裕分TGMN4をメモリー110から選択してディレイ時間を最適な時間TDLY5に設定する。
【0078】
図18は、メモリー110の記憶されるディレイ時間を変化させるための時間余裕分の一例を示す図である。図18は、姿勢、温度、累積動作回数のそれぞれの条件に対して時間余裕分の変化係数を3種類ずつ記憶させている。温度又は動作回数については3種類よりも多くの変化係数を記憶させておいても良い。また、補間演算によって最適な変化係数を求めるようにしても良い。また、図15〜図17の例では、姿勢、温度、動作回数のそれぞれの条件に対して個別にディレイ時間を設定しているが、実際には姿勢、温度、動作回数の条件の全てを考慮してディレイ時間を設定することが望ましい。
【0079】
以下、ワイヤレスフラッシュ撮影時の実際の処理の流れについて説明する。図19〜図22は、コマンダーフラッシュ装置としてのカメラ100のRCモードにおける撮影制御の動作について示すフローチャートである。この動作は、RCモードが設定されている際に、レリーズボタン4aが押されて1stレリーズスイッチがオンすることにより実行される。
【0080】
ユーザがレリーズボタン4aを半押しすると1stレリーズスイッチがオンする。これをボディ駆動制御回路104が検知すると、ボディ駆動制御回路104はAF及びAE動作を実行する(ステップS901)。AF及びAE動作の終了後、ボディ駆動制御回路104はユーザのレリーズボタン4aの全押しによって2ndレリーズスイッチがオンされたかを判定する(ステップS902)。ステップS902の判定において、2ndレリーズスイッチがオンされるまでは待機する。一方、ステップS902の判定において、2ndレリーズスイッチがオンされた場合に、ボディ駆動制御回路104は、撮影前に予め設定されている、各外部フラッシュ装置との通信に用いるチャンネル及び発光モードから、DT1、DT2、DT3の値とこれらの値に対応する時間とを確定する。さらに、ボディ駆動制御回路104は、ディレイ時間を考慮してTM2を決定する(ステップS903)。内蔵フラッシュ3を本発光時の被写体照明用の光源として用いる場合(DSP3の画面上でBODYの項目の発光モードが「OFF」以外に設定されていた場合)にはディレイ時間を0とする。この場合、TM2は5ms〜7msの間で決定される。一方、本発光時の被写体照明用の光源として用いない場合(DSP3の画面上でBODYの項目の発光モードが「OFF」に設定されていた場合)には、シャッター109が電子先幕シャッターを有しているか、またカメラ100の姿勢、カメラボディ1内の温度、シャッター109の動作回数に従ってディレイ時間を決定する。ディレイ時間が0でない場合のTM2は7ms〜9msの間で決定される。TM2から認識されるディレイ時間は、例えばTM2から5msを引いた時間を2倍した時間とする。
【0081】
次に、ボディ駆動制御回路104は、フラッシュ制御回路102を制御して内蔵フラッシュ3を用いた通信用の発光を開始する。このために、ボディ駆動制御回路104は、まず、SFL1の発光を行う(ステップS904)。SFL1の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT1に対応した時間であるT(DT1)が経過したか判定し(ステップS905)、T(DT1)が経過するまで待機する。ステップS905の判定において、T(DT1)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL2の発光を行う(ステップS906)。SFL2の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT2に対応した時間であるT(DT2)が経過したか判定し(ステップS907)、T(DT2)が経過するまで待機する。ステップS907の判定において、T(DT2)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL3の発光を行う(ステップS908)。SFL3の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT3に対応した時間であるT(DT3)が経過したか判定し(ステップS909)、T(DT3)が経過するまで待機する。ステップS909の判定において、T(DT3)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL4の発光を行う(ステップS910)。以上で、DT1、DT2、DT3の送信が完了する。
【0082】
次に、ボディ駆動制御回路104はプリ発光指示のためのプリトリガー発光を行う。即ち、SFL4の発光の後、ボディ駆動制御回路104は、各外部フラッシュ装置が受信データを判断してプリ発光準備をするのに必要な所定時間TM1が経過したかを判定し(ステップS911)、TM1が経過するまで待機する。ステップS911の判定において、TM1の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、プリ発光のためのプリトリガー発光であるSFL5の発光を行う(ステップS912)。SFL5の発光後、各外部フラッシュ装置によってプリ発光が行われる。これを受けて、ボディ駆動制御回路104は、TTL調光回路105により、プリ発光により照明された被写体を測光し(ステップS913)、該測光結果をもとに、本発光時に各外部フラッシュ装置が発光すべき発光量、又はそれに対応する数値(発光量を演算するための絞り値及び被写体距離)を確定する。さらに、その確定値に従って、各外部フラッシュ装置に送信すべきデータDT4、DT5、DT6の値とこの値に対応する時間とを算出する(ステップS914)。
【0083】
DT4、DT5、DT6の算出後、ボディ駆動制御回路104は、時間TM2が経過したかを判定し(ステップS915)、TM2が経過するまで待機する。ステップS915の判定において、TM2の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次のSFL6の発光を行う(ステップS916)。このSFL6の発光により、各外部フラッシュ装置の発光制御のためのデータの送信が開始される。
【0084】
SFL6の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT4に対応した時間であるT(DT4)が経過したか判定し(ステップS917)、T(DT4)が経過するまで待機する。ステップS917の判定において、T(DT4)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL7の発光を行う(ステップS918)。SFL7の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT5に対応した時間であるT(DT5)が経過したか判定し(ステップS919)、T(DT5)が経過するまで待機する。ステップS919の判定において、T(DT5)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、次の発光であるSFL8の発光を行う(ステップS920)。SFL8の発光を行った後、ボディ駆動制御回路104はDT6に対応した時間であるT(DT6)が経過したか判定し(ステップS921)、T(DT6)が経過するまで待機する。ステップS921の判定において、T(DT6)の経過を確認した後、ボディ駆動制御回路104は、データ送信の終了を示す発光であるSFL9の発光を行う(ステップS922)。
【0085】
以上で各外部フラッシュ装置へのデータ送信を終了したので、以後は撮影動作を実行する。SFL9の発光の後、ボディ駆動制御回路104は、不図示のクイックリターンミラーのミラーアップを開始し(ステップS923)、ミラーアップが完了するとシャッター109の先幕の走行を開始させる(ステップS924)。先幕の走行を開始させた後、ボディ駆動制御回路104は、内蔵フラッシュ3を本光時の被写体照明用の光源として用いるか否かを判定する(ステップS925)。
【0086】
ステップS925の判定において、内蔵フラッシュ3を本発光時の被写体照明用の光源として用いる場合(DSP3の画面上でBODYの項目の発光モードが「OFF」以外に設定されていた場合)に、ボディ駆動制御回路104は、先幕の走行が完了したかを判定し(ステップS926)、先幕の走行が完了するまで待機する。ステップS926の判定において、先幕の走行が完了すると、ボディ駆動制御回路104は、本発光のためのトリガー発光となる発光であるSFL10の発光を行う(ステップS927)。その後、処理がステップS930に移行する。ディレイ時間を考慮しない場合には、SFL10の発光に同期して、スレーブフラッシュ装置としての各外部フラッシュ装置は本発光を実施することになる。
【0087】
一方、ステップS925の判定において、内蔵フラッシュ3を本発光時の被写体照明用の光源として用いない場合(DSP3の画面上でBODYの項目の発光モードが「OFF」に設定されていた場合)に、ボディ駆動制御回路104は、本発光のための本トリガー発光であるSFL10の発光を行う(ステップS928)。次に、ボディ駆動制御回路104は、先に決定したディレイ時間が経過したか否かを判定し(ステップS929)、ディレイ時間が経過するまで待機する。ステップS929の判定において、ディレイ時間が経過した場合には処理がステップS930に移行する。
【0088】
ステップS927又はステップS929の後、ボディ駆動制御回路104は、シャッター109の後幕の走行を開始させる(ステップS930)。後幕の走行を開始させた後、ボディ駆動制御回路104は、後幕の走行が完了したかを判定し(ステップS931)、後幕の走行が完了するまで待機する。ステップS931の判定において、後幕の走行が完了すると、ボディ駆動制御回路104は、撮影が終了したと判断する。そして、ボディ駆動制御回路104は、画像処理回路107により撮像素子106から画像データを読み出し(ステップS932)、画像処理回路107においてデジタル画像処理を実行させる(ステップS933)。画像処理の終了後、ボディ駆動制御回路104は、画像処理後の画像データを画像記録媒体108に書き込む(ステップS934)。これにより、ワイヤレスフラッシュ撮影動作が終了する。
【0089】
図23〜図27は、スレーブフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置のRCモード時の動作について示すフローチャートである。なお、図23〜図27の動作は、各外部フラッシュ装置のモードスイッチ15が「RC」に設定された場合に実行される。
【0090】
モードスイッチ15が「RC」に設定されると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13をオンさせて(ステップS1001)、スレーブセンサー13からの信号待ち状態になる(ステップS1002)。ステップS1002の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合、言い換えればカメラ100からのフラッシュ信号光を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL1の受光を認識し、内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1003)。
【0091】
タイマのカウントスタート後、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL2)待ちの状態になる(ステップS1004)。ステップS1004の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出していない場合に、フラッシュ制御回路202はタイマがタイムアウトしたか否か、即ちタイマの値が規定の時間範囲の最大値を超えたか否かを判定する(ステップS1005)。ステップS1005の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、フラッシュ制御回路202はフラッシュ信号光の待ち状態を継続する。一方、ステップS1005の判定において、タイマがタイムアウトした場合には通信エラーが発生したとして、そこまで受信した内容をリセットした後、処理がステップS1002に戻る。その後に、フラッシュ制御回路202は再びフラッシュ信号光SFL1の待ち状態となる。
【0092】
また、ステップS1004の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL2の受光を認識し、内部のタイマの値を読み出す(ステップS1006)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1007)。その後、フラッシュ制御回路202は、読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT1の値を算出する(ステップS1008)。
【0093】
DT1の算出が終了すると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL3)待ちの状態になる(ステップS1009)。ステップS1009の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出していない場合に、フラッシュ制御回路202はタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1010)。ステップS1010の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、フラッシュ制御回路202はフラッシュ信号光の待ち状態を継続する。一方、ステップS1010の判定において、タイマがタイムアウトした場合に、処理がステップS1002に戻ってフラッシュ制御回路202はフラッシュ信号光SFL1の待ち状態となる。
【0094】
また、ステップS1009の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL3の受光を認識し、内部のタイマの値を読み出す(ステップS1011)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1012)。その後、フラッシュ制御回路202は、読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT2の値を算出する(ステップS1013)。DT2の算出が終了すると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL4)待ちの状態になる(ステップS1014)。ステップS1014の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出していない場合に、フラッシュ制御回路202はタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1015)。ステップS1015の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、フラッシュ制御回路202はフラッシュ信号光の待ち状態を継続する。一方、ステップS1015の判定において、タイマがタイムアウトした場合に、処理がステップS1002に戻ってフラッシュ制御回路202はフラッシュ信号光SFL1の待ち状態となる。
【0095】
また、ステップS1014の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL4の受光を認識し、内部のタイマの値を読み出す(ステップS1016)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1017)。その後、フラッシュ制御回路202は、読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT3の値を算出する(ステップS1018)。以上で、各外部フラッシュ装置は、カメラ100が送信したチャンネルとグループ毎の発光モードのデータの受信を完了する。
【0096】
DT3の算出が終了すると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL5)待ちの状態になる(ステップS1019)。ステップS1019の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出していない場合に、フラッシュ制御回路202はタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1020)。ステップS1020の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、フラッシュ制御回路202はフラッシュ信号光の待ち状態を継続する。一方、ステップS1020の判定において、タイマがタイムアウトした場合に、処理がステップS1002に戻ってフラッシュ制御回路202はフラッシュ信号光SFL1の待ち状態となる。
【0097】
また、ステップS1019の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL5の受光を認識する。この場合、フラッシュ制御回路202は、カメラ100からのプリ発光のためのプリトリガー発光と認識するので、直ちにタイマをリセット及びスタートさせ(ステップS1021)、その後にプリ発光を実行する(ステップS1022)。なお、プリ発光時の発光光量は、ある値に予め固定されているものとする。
【0098】
プリ発光の後、フラッシュ制御回路202は、次の信号(即ちSFL6)待ちの状態になる(ステップS1023)。このSFL6はDT4以降のデータの送信開始を示す発光となる。ステップS1023の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出していない場合に、フラッシュ制御回路202はタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1024)。ステップS1024の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、フラッシュ制御回路202はフラッシュ信号光の待ち状態を継続する。一方、ステップS1024の判定において、タイマがタイムアウトした場合に、処理がステップS1002に戻ってフラッシュ制御回路202はフラッシュ信号光SFL1の待ち状態となる。
【0099】
また、ステップS1023の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL6の受光を認識する。SFL5からSFL6までの期間はTM2の期間であるので、フラッシュ制御回路202は、内部のタイマの値を読み出す(ステップS1025)。読み出したカウント値が7ms以上であれば、本発光はディレイさせる必要があるので、フラッシュ制御回路202は、カウント値から5msを引いた結果を2倍してディレイ時間を認識する。
【0100】
次に、フラッシュ制御回路202は、内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1026)。その後、フラッシュ制御回路202は、次の信号(即ちSFL7)待ちの状態になる(ステップS1027)。ステップS1027の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出していない場合に、フラッシュ制御回路202はタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1028)。ステップS1028の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、フラッシュ制御回路202はフラッシュ信号光の待ち状態を継続する。一方、ステップS1028の判定において、タイマがタイムアウトした場合に、処理がステップS1002に戻ってフラッシュ制御回路202はフラッシュ信号光SFL1の待ち状態となる。
【0101】
また、ステップS1027の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL7の受光を認識し、内部のタイマの値を読み出す(ステップS1029)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1030)。その後、フラッシュ制御回路202は、読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT4の値を算出する(ステップS1031)。DT4の算出が終了すると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL8)待ちの状態になる(ステップS1032)。ステップS1032の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出していない場合に、フラッシュ制御回路202はタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1033)。ステップS1033の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、フラッシュ制御回路202はフラッシュ信号光の待ち状態を継続する。一方、ステップS1033の判定において、タイマがタイムアウトした場合に、処理がステップS1002に戻ってフラッシュ制御回路202はフラッシュ信号光SFL1の待ち状態となる。
【0102】
また、ステップS1032の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL8の受光を認識し、内部のタイマの値を読み出す(ステップS1034)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1035)。その後、フラッシュ制御回路202は、読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT5の値を算出する(ステップS1036)。DT5の算出が終了すると、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL9)待ちの状態になる(ステップS1037)。ステップS1037の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出していない場合に、フラッシュ制御回路202はタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1038)。ステップS1038の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、フラッシュ制御回路202はフラッシュ信号光の待ち状態を継続する。一方、ステップS1038の判定において、タイマがタイムアウトした場合に、処理がステップS1002に戻ってフラッシュ制御回路202はフラッシュ信号光SFL1の待ち状態となる。
【0103】
また、ステップS1037の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202はSFL9の受光を認識し、内部のタイマの値を読み出す(ステップS1039)。引き続いて、フラッシュ制御回路202は、内部のタイマをリセット及びスタートさせる(ステップS1040)。その後、フラッシュ制御回路202は、読み出したタイマの値から時間とデータの対応テーブル又は対応式により、DT6の値を算出する(ステップS1041)。以上で各外部フラッシュ装置は全てのデータを受信したので、フラッシュ制御回路202は、受信した各データのうち、自身に設定されているチャンネル及びグループに対応したデータを採用して本発光時の発光量又はそれに対応するデータを確定する(ステップS1042)。これら確定したデータは、フラッシュ制御回路202の内部の発光制御用のレジスタに格納する。
【0104】
本発光時の発光量を確定した後、フラッシュ制御回路202は、スレーブセンサー13からの次の信号(即ちSFL10)待ちの状態になる(ステップS1043)。ステップS1043の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出していない場合に、フラッシュ制御回路202はタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1044)。ステップS1044の判定において、タイマがタイムアウトしていない場合に、フラッシュ制御回路202はフラッシュ信号光の待ち状態を継続する。一方、ステップS1044の判定において、タイマがタイムアウトした場合に、処理がステップS1002に戻ってフラッシュ制御回路202はフラッシュ信号光SFL1の待ち状態となる。また、ステップS1043の判定において、スレーブセンサー13からの信号を検出した場合に、フラッシュ制御回路202は、本発光トリガーの受信を認識するので、本発光のディレイを行うか、即ちTM2が7秒以上であったか否かを判定する(ステップS1045)。ステップS1045の判定において、本発光のディレイを行う場合に、フラッシュ制御回路202は、先に決定したディレイ時間が経過したか否かを判定し(ステップS1046)、ディレイ時間が経過するまで待機する。ステップS1046の判定において、ディレイ時間が経過した場合には処理がステップS1047に移行する。
【0105】
ステップS1045の判定において本発光のディレイを行わない場合又はステップS1047の判定においてディレイ時間が経過した後、フラッシュ制御回路202は本発光を実行する(ステップS1047)。これにより、ワイヤレスフラッシュ撮影動作が終了する。
【0106】
以上説明したように、のように、第1の実施形態によれば、コマンダーフラッシュ装置としてのカメラ100の内蔵フラッシュ3を本発光時の被写体照明用の光源としても利用する場合には、シャッター109の全開時に出力されるX信号に同期して本発光トリガーを発するので発光タイミングを正確にシャッター全開に同期できる。さらに、本トリガー発光と被写体を照明するための本発光とを1回で兼用させることができ、本トリガー発光と被写体を照明するための本発光とを個別に行う場合に比べて消費電流を少なくすることができる。また、シャッター109が全開している時間を最大限有効に使えるので、同調できるシャッター速度をより高速側まで対応させることが可能である。
【0107】
また、コマンダーフラッシュ装置としてのカメラ100の内蔵フラッシュ3をコマンダーフラッシュ装置としてのみ利用する場合には、本トリガー発光をシャッター109の開口開始前に実施するので、カメラ100からのデータ通信用の発光が撮影写真に影響することがない。さらに、カメラ100の内蔵フラッシュ3をコマンダーフラッシュ装置としてのみ利用する場合には、本トリガー発光から本発光までのディレイ時間をカメラ100の姿勢、カメラボディ1内の温度、シャッター109の動作回数といった各条件に応じて最適化しているので、各種ばらつき要因を考慮しても最小限の時間余裕分を見込めば良い。したがって、カメラ100の内蔵フラッシュ3を本発光時の被写体照明用の光源としても利用する場合と同様に、シャッター109が全開している時間を有効に利用できる。さらに、ディレイ時間については、データ送信に使用していない通信発光の間隔、具体的にはプリトリガー発光と次のデータ送信開始の発光の間の時間を利用しているので、新たに情報伝達のための信号発光の追加等が必要ない。
【0108】
また、シャッター109が電子先幕シャッターを有しており、これを用いる場合は、機械的なばらつきを考慮する必要がないので、機械的なばらつきによる時間余裕分を加えないでディレイ時間を設定している。この場合には、ディレイ時間を少なくすることができ、よりシャッター109が全開している時間を有効に利用できる。
【0109】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、コマンダーフラッシュ装置としてのカメラ100に撮影光波長カット装置としての機能を有する赤外フィルターを装着可能なところが異なっている。
【0110】
図28は、第2の実施形態におけるカメラ100の内部の回路ブロック構成を示す図である。ここで、図4と同一の構成については図4と同一の参照符号を付すことで説明を省略する。即ち、図28は、内蔵フラッシュ3の発光部に赤外フィルター113が装着可能な点とカメラボディ1に赤外フィルター113の装着を検知するための検知スイッチ114が設けられている点が図4と異なっている。
【0111】
赤外フィルター113は、内蔵フラッシュ3から出射される光における撮影光波長成分以外の成分である赤外光成分を透過させ、撮影光波長成分である可視光成分をカットするように構成されたフィルターである。この赤外フィルター113を装着しておくことにより、内蔵フラッシュ3からのワイヤレス通信の発光が赤外光成分のみで行われるため、被写体が眩しさを感じることがない。したがって、赤外フィルター113は、人物を撮影する場合に特に有効である。
【0112】
検知スイッチ114は、赤外フィルター113の装着を検知するためのスイッチである。赤外フィルター113の装着がされると検知スイッチ114からボディ駆動制御回路104に装着が検知されたことを示す信号が出力される。この信号によりボディ駆動制御回路114は赤外フィルター113を有効となっているか否かを認識する。
【0113】
上述のように、赤外フィルター113が装着されている状態では撮影光波長カット機能が有効となって内蔵フラッシュ3から出射される光は赤外光成分のみとなる。このため、仮にシャッター109が開いている場合であっても内蔵フラッシュ3からの光が写真に写り込むことはない。これに対し、外部フラッシュ装置200のスレーブセンサー13を赤外光成分にも感度を有するように構成しておけば、内蔵フラッシュ3からの光を正しく受信することが可能である。このため、第2の実施形態においては、赤外フィルター113の装着時にはX信号に同期して本トリガー発光をさせても、内蔵フラッシュ3からの光が写真に写り込むことなく、適切なワイヤレスフラッシュ撮影を行うことが可能となる。
【0114】
また、赤外フィルター113が装着されている状態では内蔵フラッシュ3を被写体照明用の光源として用いることはできなくなる。このため、図29に示すように、DSP3の表示上でBODYの項目の発光モードを自動的にOFFとして内蔵フラッシュ3を被写体の照明には利用できなくなるようにすることが望ましい。また、ユーザが発光モードを変更できないように、例えば図29に示すようにBODYの項目の表示をグレーアウト状態とし、赤外フィルター113が装着されるまではBODYの項目の発光モードについては設定変更不能としておくことがより望ましい。
【0115】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、赤外フィルター113が内蔵フラッシュ3に装着された場合には、X信号に同期した本発光トリガーに従ってスレーブフラッシュ装置の本発光がなされる。このため、ディレイを前提にして本発光トリガーを実行する場合よりもシャッター109の全開時間に本発光を正確に合わせることが可能である。このため、同調のシャッター速度を速くすることができる。
【0116】
また、赤外フィルター113が装着された場合には自動的に内蔵フラッシュ3による本発光をオフするので、ユーザが誤って内蔵フラッシュ3による本発光ができると勘違いして失敗写真を生じる心配がない。
【0117】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は第1の実施形態とディレイ時間の決定方法が異なっている。即ち、第3の実施形態においては、シャッター109の先幕の走行速度のばらつきを正確に把握するために、前回の走行時のデータを用いて次回のディレイ時間を決定している。
【0118】
図30は、第3の実施形態におけるディレイ時間の決定方法を示すフローチャートである。なお、図30のサブルーチンの処理は、図19のステップS903の間に行われる。また、メモリー110には、例えば1週間以内のカメラ100の動作履歴(シャッター109の動作時のカメラボディ1内の温度、カメラ100の姿勢、電磁マグネットMG1の通電を停止してからX信号が出力されるまでの時間、シャッター109の動作日時を含む)も記憶させておくものとする。
【0119】
図30のサブルーチンがスタートすると、ボディ駆動制御回路104は、メモリー110の動作履歴を参照して、1週間以内にシャッター109が動作したことがあるか否かを判定する(ステップS1801)。ステップS1801の判定において、1週間以内にシャッター109が動作していない場合に、ボディ駆動制御回路104は、第1の実施形態と同様にカメラ100の姿勢等の条件と各条件に対応したテーブルとに応じてディレイ時間を決定する(ステップS1802)。
【0120】
一方、ステップS1801の判定において、1週間以内にシャッター109が動作している場合に、ボディ駆動制御回路104は、前回のシャッター動作時と現在とを比較して、姿勢、温度の条件が同一(多少の誤差を許容するようにしても良い)であるかを判定する(ステップS1803)。ステップS1803の判定において、条件が同一でない場合には、処理がステップS1802に移行して、ボディ駆動制御回路104は第1の実施形態と同様にカメラ100の姿勢等の条件と各条件に対応したテーブルとに応じてディレイ時間を決定する。一方、ステップS1803の判定において、条件が同一である場合に、ボディ駆動制御回路104は前回のシャッター109の動作時の、電磁マグネットMG1への通電を停止してからX信号の出力までの時間(即ち、シャッター109の開口が開始してから全開となるまでの時間)をメモリー110から読み出して、それによりディレイ時間を決定する(ステップ1804)。なお、この場合には、前回の条件と同じであるから、時間余裕分は0とする。
【0121】
以上説明したように、第3の実施形態によれば、前回のシャッター109の動作実績に従ってディレイ時間を決定しているので、第1の実施形態に比べてディレイ時間の精度が高くなり、またディレイを伴う本発光であってもX信号の出力に近い時点でのスレーブフラッシュ装置の発光が可能になる。このためシャッター109の全開時間を有効に利用でき、シャッター109の同調速度をより速くすることができる。
【0122】
なお、本実施形態では、1週間以内の動作の実績からディレイ時間を決定しているが、複数回の動作実績の平均値からディレイ時間を決定しても良い。またカメラ100の電源投入時や、ワイヤレスフラッシュ撮影のモード設定時にシャッター109の試験作動をさせ、その試験結果に従ってディレイ時間を決定するようにしても良い。
【0123】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。例えば、上述の各実施形態においては、内蔵フラッシュ3を用いてスレーブフラッシュ装置としての外部フラッシュ装置と本トリガー発光等の通信を行うようにしている。これに対し、カメラ100に装着された外部フラッシュ装置を用いて通信を行うようにしても良い。さらには、カメラ100とは全く別個のフラッシュ装置を用いて通信を行うようにしても良い。この場合には、カメラ100の情報に従ってカメラ100とは別個のフラッシュ装置内でディレイ時間を決定できるようにしても良い。
【0124】
また、図5に示したシャッター109は縦走りのフォーカルプレーンシャッターを例示しているが、横走りのフォーカルプレーンシャッターであっても上述した各実施形態の手法を適用できる。ただし、横走りのフォーカルプレーンシャッターの場合には縦走りのフォーカルプレーンシャッターとは姿勢による走行速度の変化の条件が異なるので、それに併せて時間余裕分の変化係数を設定しておく必要がある。
【0125】
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0126】
1…カメラボディ、2…レンズユニット、3…内蔵フラッシュ、4a〜4h…操作部材、5…ファインダーユニット、6…背面LCDパネル、11…フラッシュ本体、12…フラッシュスタンド、13…スレーブセンサー、14…調光センサー、15…モードスイッチ、16…発光ユニット、17…ホットシュー、100…カメラ、101…レンズ駆動制御回路、102…フラッシュ制御回路、103…クロック回路、104…ボディ駆動制御回路、105…TTL調光回路、106…撮像素子、107…画像処理回路、108…画像記録媒体、109…シャッター、110…メモリー、111…姿勢検知回路、112…温度検知回路、113…赤外フィルター、114…検知スイッチ、200…外部フラッシュ装置、202…フラッシュ制御回路、203…クロック回路、204…データ検出回路、205…発光回路、206…フラッシュ発光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラに内蔵又はカメラに一体的に装着されるコマンダーフラッシュ装置と、該コマンダーフラッシュ装置からのフラッシュ信号光に基づいて動作するスレーブフラッシュ装置とを有するワイヤレスフラッシュシステムにおいて、
上記コマンダーフラッシュ装置は、
上記フラッシュ信号光又は被写体を照明するための光を発光する発光手段と、
上記スレーブフラッシュ装置に本発光の実施を指示するための本トリガー発光用のフラッシュ信号光の発光から上記スレーブフラッシュが本発光を実施するまでのディレイの有無又はディレイ時間を示すフラッシュ信号光を上記発光手段によって送信させるとともに、上記発光手段の発光モードが上記発光手段に上記本トリガー発光用のフラッシュ信号光の発光と上記被写体を照明するための本発光とを実施させる第1のトリガー発光モードに設定されている場合は、上記カメラのシャッターが全開となった時点で上記発光手段に上記本トリガー発光用のフラッシュ信号光の発光と上記本発光とを実施させ、上記発光手段の発光モードが上記発光手段に上記本トリガー発光用のフラッシュ信号光の発光のみを実施させる第2のトリガー発光モードに設定されている場合は、上記シャッターが開口する前に上記発光手段に上記本トリガー発光用のフラッシュ信号光の発光を実施させる制御手段と、
を具備し、
上記スレーブフラッシュ装置は、上記コマンダーフラッシュ装置から送信された上記ディレイの有無又は上記ディレイ時間に対応した本発光を行うことを特徴とするワイヤレスフラッシュシステム。
【請求項2】
上記制御手段は、前回の撮影時におけるシャッター全開までの時間又は前回の撮影時から複数回前までのシャッター全開までの時間に基づいて上記ディレイ時間を決定することを特徴とする請求項1に記載のワイヤレスフラッシュシステム。
【請求項3】
上記制御手段は、撮影時の温度、上記シャッターの累積動作回数、及び上記カメラの姿勢の少なくとも1つの条件から上記ディレイ時間を決定することを特徴とする請求項1に記載のワイヤレスフラッシュシステム。
【請求項4】
上記シャッターは、機械式先幕と電子先幕とを切り替え可能なフォーカルプレーンシャッターであり、
上記制御手段は、上記機械式先幕を用いて撮影を行う場合と上記電子先幕を用いて撮影を行う場合とで、上記本トリガー発光用のフラッシュ信号光の発光タイミング及び上記ディレイ時間を切り替えることを特徴とする請求項1に記載のワイヤレスフラッシュシステム。
【請求項5】
上記制御手段は、さらに、上記第2のトリガー発光モードにおける上記シャッターの同調秒時よりも、上記第1のトリガー発光モードにおける上記シャッターの同調秒時を高速に設定することを特徴とする請求項1に記載のワイヤレスフラッシュシステム。
【請求項6】
上記コマンダーフラッシュ装置は、
上記発光手段からの光における撮影光波長成分を無効化する撮影光波長カット装置が有効であるか否かを検知する検知手段と、
上記撮影光波長カット装置が有効である場合は上記発光手段の発光モードを上記第1のトリガー発光モードに設定し、上記撮影光波長カット装置が無効である場合は上記発光手段の発光モードを上記第2のトリガー発光モードに設定するトリガー発光モード設定手段と、
をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のワイヤレスフラッシュシステム。
【請求項7】
上記制御手段は、上記撮影光波長カット装置が有効である場合は、さらに、上記発光手段による上記被写体の照明用の光の発光を禁止することを特徴とする請求項6に記載のワイヤレスフラッシュシステム。
【請求項8】
カメラに内蔵又はカメラに一体的に装着され、フラッシュ信号光に基づいてスレーブフラッシュ装置を動作させるコマンダーフラッシュ装置において、
上記フラッシュ信号光又は被写体を照明するための光を発光する発光手段と、
上記スレーブフラッシュ装置に本発光の実施を指示するための本トリガー発光用のフラッシュ信号光の発光から上記スレーブフラッシュが本発光を実施するまでのディレイの有無又はディレイ時間を示すフラッシュ信号光を上記発光手段によって送信させるとともに、上記発光手段の発光モードが上記発光手段に上記本トリガー発光用のフラッシュ信号光の発光と上記被写体を照明するための本発光とを実施させる第1のトリガー発光モードに設定されている場合は、上記カメラのシャッターが全開となった時点で上記発光手段に上記本トリガー発光用のフラッシュ信号光の発光と上記本発光とを実施させ、上記発光手段の発光モードが上記発光手段に上記本トリガー発光用のフラッシュ信号光の発光のみを実施させる第2のトリガー発光モードに設定されている場合は、上記シャッターが開口する前に上記発光手段に上記本トリガー発光用のフラッシュ信号光の発光を実施させる制御手段と、
を具備することを特徴とするコマンダーフラッシュ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2010−175636(P2010−175636A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−15582(P2009−15582)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】