説明

三元リビング配位連鎖移動重合によるトリアルキルアルミニウムからの高精度炭化水素の規模拡大可能な製造方法

メタロセンプレ触媒、共触媒、一次代替種、および二次代替種を接触させる段階;第一のオレフィンモノマーを添加する段階;ならびにポリオレフィンを形成するために十分な時間、第一のモノマーを重合させる段階を含む、ポリオレフィン組成物を製造する方法を開示する。メタロセンプレ触媒、共触媒、一次代替種、および二次代替種を接触させる段階;ポリオレフィンを形成するために十分な時間、第一のモノマーを重合させる段階;第二のモノマーを添加する段階;ならびにブロックポリオレフィン組成物を形成するために十分な時間、第二のオレフィンモノマーを重合させる段階を含む、ブロックポリオレフィン組成物を製造する方法も開示する。本方法は、低分子量および狭い分子量分布を有するポリオレフィンの製造を可能にする。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明を開発する際に行われた研究の一部は米国政府の基金を利用した。本研究は一部、米国科学財団(National Science Foundation)助成金番号CHE0848293号の支援を受けた。米国政府は本発明において一定の権利を有する。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、メタロセンプレ触媒、共触媒、一次代替種(primary surrogate)、および二次代替種を接触させる段階;第一のオレフィンモノマーを添加する段階;ならびにポリオレフィンを形成するために十分な時間、第一のモノマーを重合させる段階を含む、ポリオレフィン組成物を製造する方法を提供する。本発明はまた、メタロセンプレ触媒、共触媒、一次代替種、および二次代替種を接触させる段階;ポリオレフィンを形成するために十分な時間、第一のモノマーを重合させる段階;第二のモノマーを添加する段階;ならびにブロックポリオレフィン組成物を形成するために十分な時間、第二のオレフィンモノマーを重合させる段階を含む、ブロックポリオレフィン組成物を製造する方法も提供する。方法は、低い分子量および狭い分子量分布を有するポリオレフィンの製造を可能にする。
【背景技術】
【0003】
関連技術
エテン、プロペン、高級α-オレフィン、およびα,ω-非共役ジエンのリビング金属配位重合(均一系シングルサイトチーグラー・ナッタ重合としても知られる)を媒介することができるいくつかの遷移金属に基づく触媒が報告されており、いくつかの場合において、これらは高度の立体制御(立体規則性)で進行する(エテンおよびα-オレフィンのリビング配位重合の触媒の総論に関しては、Coates, G. W., et al., Angew. Chem. Int. Ed. 41:2236-2257 (2002)を参照されたい)(α-オレフィンおよびα,ω-非共役ジエンのリビングおよび立体選択性配位重合に関しては、Jayaratne, K. C, et al., J. Am. Chem. Soc. 122:958-959 (2000); Jayaratne, K. C. et al., J. Am. Chem. Soc. 122: 10490-10491 (2000); Keaton, R. J., et al., J. Am. Chem. Soc. 123:6197-6198 (2001); Zhang, Y., et al., Chem. Commun. 2358-2359 (2003); Zhang, Y., et al., Organometallics 23:3512-3520 (2004); Harney, M. B., et al., Angew. Chem. Int. Ed. 45:2400-2404 (2006); Harney, M. B., et al., Angew. Chem. Int. Ed. 45:6140-6144 (2006); Zhang, W.. et al., Adv. Synth. Catal. 350:439-447 (2008)を参照されたい)。しかし、リビング配位重合の独自の能力を利用する新規ポリオレフィン材料および産物の商品化は、可能性が低いように思われる(リビング配位重合を通して調製されたポリオレフィン材料の総論に関しては、Domski, G. J., et al., Prog. Polym. Sci. 32:30-92 (2007); Sakuma, A., et al., Polym. J. 39:193-207 (2007)); Szwarc, M., et al., Ionic Polymerization and Living Polymers; Chapman & Hall: New York (1993); Quirk, R. P., et al., Polym. Int. 27:359-367 (1992); Matyjaszewski, K., J. Phys. Org. Chem. 8: 197-207(1995)を参照されたい)。
【0004】
リビング重合の同じ根本的基準、すなわち非可逆的鎖停止が存在しない鎖成長の伸長が、重大な傾向として産物収量に対して「活性な金属中心あたり1つのポリマー鎖」という上限を確立する働きをする。この傾向の厳密度は、所望のポリオレフィン産物の標的となる数平均重合度Xnが減少すると急激に増加する。リビング配位重合は、理想的には、超低分子量から中等度の分子量(およそ500〜10,000 Da)の構築上良好な構造を有する「高精度(precision)ポリオレフィン」に関連するほとんど探求されていない材料科学技術にアクセスするために適しているが、これらの材料の有意な部分の実際の利用は、現在のところ、不都合な重量(ポリマー)対重量(触媒)比のために研究されていないままである(エテンおよびα-オレフィンのリビング配位重合の触媒に関する総論に関しては、Coates, G. W., et al., Angew. Chem. Int. Ed. 41:2236-2257 (2002)を参照されたい);(リビング配位重合を通して調製されたポリオレフィン材料の総論に関しては、Domski, G. J., et al., Prog. Polym. Sci. 32:30-92 (2007); Sakuma, A., et al., Polym. J. 39:193-207 (2007)); Szwarc, M., et al., Ionic Polymerization and Living Polymers; Chapman & Hall: New York (1993); Quirk, R. P., et al., Polym. Int. 27:359-367 (1992); Matyjaszewski, K., J. Phys. Org. Chem. 8:197-207 (1995); Kaneyoshi, H., et al., Macromolecules 38:5425-5435 (2005); Ring, J. O., et al., Macromol. Chem. Phys. 208:896-902 (2007); Ventola, L., et al., J. Phys. Chem. Solids 66:1668-1674 (2005)を参照されたい)。
【0005】
国際出願公開番号WO2009/061499は、代替連鎖成長部位としてジエチル亜鉛(ZnEt2)の化学量論的過剰当量と共に、連鎖成長伸長のための活性遷移金属開始剤として{η5-C5Me5)Hf(Me)[N(Et)C(Me)N(Et)]}[B(C6F5)4]を用いる、エテン、プロペン、長鎖α-オレフィン、およびα,ω-非共役ジエンのリビング配位連鎖移動重合および共重合を開示している。これらのモノマーのリビング配位連鎖移動重合が成功するためには、活性な遷移金属伸長中心と不活性な代替典型元素金属種とのあいだの可逆的な(ポリメリル基)連鎖移動の速度および速度定数、すなわちvctおよびkctがそれぞれ、全ての活性種および代替種が確実に同じ速度で伸長するように思われるように、遷移金属による伸長の対応する速度論パラメータvpおよびkpよりかなり大きくなければならない必要がある。
【0006】
リビング配位連鎖移動重合を通して得られたポリオレフィン産物の最終的な収量は、使用したZnEt2の初回量のみに依存する。このため、リビング配位連鎖移動重合は、高精度ポリオレフィンおよび高精度炭化水素の規模拡大製造にとって克服できない傾向であることが証明されている従来のリビング配位重合の「1金属中心あたり1ポリマー」という基準を回避する。しかし、コストおよび安全性の観点から、ZnEt2の工業量の輸送および取り扱いは問題が多く、したがってリビング配位連鎖移動重合法がZnEt2に依存することは、高精度炭化水素および高精度炭化水素に基づく産物の商品化を制限する可能性がある。逆に、AlEt3およびAl(イソ-ブチル)3は、アルミニウム粉末、二水素、およびエテンまたはイソブテンからそれぞれ通常の規模で製造することができ、ZnEt2より有意に安価であり、空気と接触してもZnEt2より自然発火性が実質的に低い。さらに、これらのトリアルキルアルミニウムの3つ全てのアルキル基が、可逆的連鎖移動に等しく関与すれば、トリアルキルアルミニウムはZnEt2に対して追加の長所を有する。
【0007】
1952年に、Karl Zieglerは、高圧(約100 psi)および低温(約130℃)で連鎖成長開始剤としてトリエチルアルミニウムAl(Et3)を用いて、エテンの制御されたオリゴマー化を達成することができるプロセスであるAufbaureaktionを紹介した(Ziegler, K., Angew. Chemie 64:323-329(1952))。このプロセスは、Al[(CH2)n+2CH3]3中間体の直接化学変換を通して、一般式H2C=C(CH2)nCH3(n = 1-15)および対応する飽和末端アルコール HOCH2(CH2)n+1CH3の長鎖直鎖α-オレフィンが偽ポアソン分布を提供できることにより、商業的に成功した。2006年に、長鎖直鎖α-オレフィンの世界全体での生産量は400万トンであったが、この量の55%は潤滑剤、可塑剤、洗浄剤、添加剤、およびファインケミカル用であった。しかし、連鎖成長開始剤としてAlEt3または他のトリアルキルアルミニウムを用いるプロペンまたは長鎖α-オレフィンの制御されたオリゴマー化のためのAufbaureaktionは開発されていない。したがって、日常量の規模でそのようなプロセスから入手可能でありうる新規クラスの炭化水素に基づく製品の潜在的技術的価値はなおも不明である。
【0008】
高精度炭化水素は、プログラム可能で構造的に離散的な炭素-炭素結合の骨格、非常に低い(たとえば、オリゴマー)分子量、および極めて狭い分子量分布を有することで区別される新しいクラスのポリオレフィンを表す。高精度炭化水素は、広範囲の技術応用のための環境に配慮した持続可能な合成のベースストック油およびロウとして、社会に恩恵を提供できるであろうと考えられている。
【0009】
ZnEt2を、三元リビング配位連鎖移動重合の目標を実現するために用いることができるか否かは明白ではなかったことに注意すべきである。溶液中では、AlEt3とZnEt2の1:1混合物は、自然分解を受けて、同定できない産物を生じることがこれまでに報告されている(Perin, S.G.M., et al., Macromol. Chem. Phys. 207:50-56 (2006))。加えて、二次代替種および連鎖移動メディエータの双方としてZnEt2を用いることは、非リビングプロセスによりブロック状ポリ(エテン-コ-オクテン)を製造するために当初用いられた、異なる2つの活性遷移金属伸長種のあいだでポリメリル基を移動させるための鎖シャトリング剤としてのその役割とは機序が全く異なる(Hustad, P.D., et al., Macromolecules 40:7061-7064 (2007))。エテン、プロペン、または長鎖α-オレフィンの配位連鎖移動重合において異なる相乗的役割を果たす異なる2つの典型元素金属アルキル種を用いることは、まだ報告されていないと考えられる。
【0010】
それゆえ、調整可能な分子量、狭い多分散度、離散的ブロック接合部を有するブロックコポリマーの調製能、ランダムコポリマー、および良好に定義された離散的末端官能基化を有するポリオレフィンを含む、リビングプロセスを通して得ることができるポリマーの望ましい有益な特色の全てを犠牲にすることなく、必要な遷移金属触媒量を劇的に低減させて、リビング重合を通して調製することができるポリオレフィン量の規模拡大性を可能にするオレフィンの新規配位重合法が必要である。
【発明の概要】
【0011】
発明の簡単な概要
本発明は、メタロセンプレ触媒、共触媒、一次代替種、および二次代替種を接触させる段階、第一のオレフィンモノマーを添加する段階、ならびにポリオレフィンを形成するために十分な時間、第一のモノマーを重合させる段階を含む、ポリオレフィン組成物を製造する方法を提供する。
【0012】
本発明の1つの態様において、一次代替種は、R8がC1-C10アルキルであるAl(R8)3である。もう1つの態様において、一次代替種は、AlEt3、AlMe3、Al(イソ-ブチル)3、Al(n-ヘキシル)3、Al(n-プロピル)3、およびAl(t-ブチル)3からなる群より選択される。もう1つの態様において、一次代替種は、Al(イソ-ブチル)3である。もう1つの態様において、一次代替種はAlEt3である。もう1つの態様において、一次代替種はAl(n-プロピル)3である。
【0013】
本発明の1つの態様において、二次代替種は、R9がC1-C10アルキルであるZn(R9)2である。もう1つの態様において、二次代替種は、ZnMe2、ZnEt2、Zn(n-ブチル)2、Zn(イソアミル)2、Zn(t-ブチル)2、Zn(ネオペンチル)2、Zn(n-プロピル)2、およびZn(イソ-プロピル)2からなる群より選択される。もう1つの態様において、二次代替種は、ZnEt2である。
【0014】
本発明の1つの態様において、一次代替種および二次代替種は、一次代替種対二次代替種の約1:1から約200:1の比率で添加される。もう1つの態様において、比率は約1.1:1から約100:1である。もう1つの態様において、比率は約9:1である。もう1つの態様において、比率は約19:1である。
【0015】
本発明の1つの態様において、メタロセンプレ触媒は、(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]である。
【0016】
本発明の1つの態様において、共触媒は、[PhNMe2H][B(C6F5)4]、[PhNMe2H][B(C6F5)3Me]、またはB(C6F5)3である。
【0017】
本発明の1つの態様において、一次代替種および二次代替種を、不活性溶媒中でメタロセンプレ触媒および共触媒と接触させる。1つの態様において、溶媒はトルエンである。
【0018】
本発明の1つの態様において、一次代替種、二次代替種、メタロセンプレ触媒、および共触媒を、約-20℃〜約25℃の温度で接触させる。
【0019】
本発明の1つの態様において、第一のオレフィンモノマーは、エテン、プロペン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、3-メチルブテン、3-メチル-1-ペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロオクタン、1-デセン、鏡像異性体として純粋なβ-シトロネレン、3,5,5-トリメチル-1-ヘキセン、シクロペンテン、ビニルシクロヘキセン、または4-メチル-1-ペンテンである。もう1つの態様において、第一のオレフィンモノマーは、エテン、プロペン、1-ヘキセン、1-オクテン、または1,5-ヘキサジエンである。
【0020】
本発明の1つの態様において、ポリオレフィンは、多分散度指数約1.01〜1.15を有するアタクチックポリオレフィンである。
【0021】
本発明の1つの態様において、メタロセンプレ触媒は、(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]であり、一次代替種はAlEt3であり、二次代替種は、ZnEt2であり、および第一のオレフィンモノマーはプロペンである。1つの態様において、AlEt3対ZnEt2の比率は約1:1である。
【0022】
本発明の1つの態様において、メタロセンプレ触媒は、(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]であり、一次代替種はAl(n-プロピル)3であり、二次代替種はZnEt2であり、および第一のオレフィンモノマーはプロペンである。1つの態様において、Al(n-プロピル)3対ZnEt2の比率は約1:1である。
【0023】
本発明の1つの態様において、メタロセンプレ触媒は、(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]であり、一次代替種はAl(イソ-ブチル)3であり、二次代替種はZnEt2であり、および第一のオレフィンモノマーはプロペンである。1つの態様において、一次代替種対二次代替種の比率は約1:1から約19:1である。もう1つの態様において、一次代替種対二次代替種の比率は約9:1から約19:1である。
【0024】
本発明はまた、メタロセンプレ触媒、共触媒、一次代替種、および二次代替種を接触させる段階、第一のオレフィンモノマーを添加する段階、ポリオレフィンを形成するために十分な時間、第一のモノマーを重合させる段階;ならびに第二のオレフィンモノマーをさらに添加する段階;およびポリオレフィンを形成するために十分な時間、第二のモノマーを重合させる段階を含む、ポリオレフィン組成物を製造する方法も提供する。
【0025】
本発明の1つの態様において、第二のオレフィンモノマーは、エテン、プロペン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、3-メチルブテン、3-メチル-1-ペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロオクタン、1-デセン、鏡像異性体として純粋なβ-シトロネレン、3,5,5-トリメチル-1-ヘキセン、または4-メチル-1-ペンテンである。
【0026】
本発明の1つの態様において、ポリオレフィンは、アタクチックリビングポリオレフィンである。もう1つの態様において、ポリオレフィンは、式:アタクチック-ポリ(第一のオレフィン)-コ-ポリ(第二のオレフィン)を有するジブロックコポリマーを含む。もう1つの態様において、ジブロックコポリマー組成物は、約1.02〜1.2の多分散度指数を有する。もう1つの態様において、ジブロックコポリマーは単峰性である。
【0027】
本発明の1つの態様において、メタロセンプレ触媒は、(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]であり、一次代替種はAl(イソ-ブチル)3であり、二次代替種はZnEt2であり、第一のオレフィンモノマーはプロペンであり、および第二のオレフィンモノマーは1-オクテンである。本発明のもう1つの態様において、メタロセンプレ触媒は、(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]であり、一次代替種はAlEt3であり、二次代替種はZnEt2であり、第一のオレフィンモノマーはエテンであり、および第二のオレフィンモノマーはプロペンである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】リビング配位連鎖移動重合の活性な遷移金属伸長中心(MA)と不活性な連鎖成長典型元素金属アルキル中心(MB)のあいだの可逆的連鎖(PAおよびPB)移動を示す。
【図2】三元リビング配位連鎖移動重合の活性ハフニウム種([Hf]+-Pn)と一次代替種アルミニウム中心(Al(Pn)3)とのあいだの全連鎖移動速度を増強するために、二次代替連鎖成長種および連鎖移動メディエータとしてZn(Pn)2を用いることを示す。Pnは、(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]を伴う多数のα-オレフィン挿入後に産生されるポリメリル基である。
【図3】(a)20当量のAl(イソ-ブチル)3を用いるプロペンのリビング配位連鎖移動重合から得られたアタクチックポリプロペン;(b)18当量のAl(イソ-ブチル)3および2当量のZnEt2を用いるプロペンの三元リビング配位連鎖移動重合から得られたアタクチックポリプロペン;ならびに(c)ポリスチレン標準物質(Mn=11,300 Da;D=1.02)の分子量分布を示す。
【図4】10当量のAl(n-プロピル)3および10当量のZnEt2を用いるプロペンの三元リビング配位連鎖移動重合から得られたアタクチックポリプロペンの末端基の図解である。ZnEt2からのアタクチックポリプロペンにおけるエチル末端基を(a)に示し、Al(n-プロピル)3からのn-プロピル末端基を(b)に示す。
【図5】10当量のAl(n-プロピル)3および10当量のZnEt2を用いるプロペンの三元リビング配位連鎖移動重合から得られたアタクチックポリプロペンの13C{1H}NMRスペクトルである。
【図6】10当量のAl(イソ-ブチル)3および10当量のZnEt2を用いるプロペンの三元リビング配位連鎖移動重合から得られたアタクチックポリプロペンの末端基の図解である。ZnEt2からのアタクチックポリプロペンにおけるエチル末端基を(a)に示し、Al(イソ-ブチル)3からのイソブチル末端基を(b)に示す。
【図7】10当量のAl(イソ-ブチル)3および10当量のZnEt2を用いるプロペンの三元リビング配位連鎖移動重合から得られたアタクチックポリプロペンの13C{1H}NMRスペクトルである。
【図8】(a)10当量のAl(イソ-ブチル)3および10当量のZnEt2を用いるプロペンの三元リビング配位連鎖移動重合から得られたアタクチックポリプロペン;(b)10当量のAl(n-プロピル)3および10当量のZnEt2を用いるプロペンの三元リビング配位連鎖移動重合から得られたアタクチックポリプロペン;(c)10当量のAl(Et)3および10当量のZnEt2を用いるプロペンの三元リビング配位連鎖移動重合から得られたアタクチックポリプロペン;ならびに(d)ポリスチレン標準物質(Mn=11,300 Da;D=1.02)の分子量分布を示す。
【図9】(a)190当量のAl(イソ-ブチル)3および10当量のZnEt2を用いるプロペンの三元リビング配位連鎖移動重合から得られたアタクチックポリプロペン;ならびに(b)ポリスチレン標準物質(Mn=1,700 Da;D=1.06)の分子量分布を示す。
【図10】(a)18当量のAl(イソ-ブチル)3および2当量のZnEt2を用いて500当量の1-オクテンの存在下で行われたプロペンの三元リビング配位連鎖移動重合から得られたアタクチックポリプロペン;ならびに(b)20当量のAl(イソ-ブチル)3を用いて500当量の1-オクテンの存在下で行われたプロペンの三元リビング配位連鎖移動重合から得られたアタクチックポリプロペンの分子量分布を示す。
【図11】190当量のAl(イソ-ブチル)3および10当量のZnEt2を用いるプロペンの規模拡大した三元リビング配位連鎖移動重合の写真を示す。重合反応の前(a)および後(b)の反応混合物を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
発明の詳細な説明
「メタロセン」は、本明細書において、元素の周期表のIIIB族からVIII族またはランタニド系列の金属原子と配位した少なくとも1つまたは複数のσ-結合またはηn-結合リガンドを含有する任意の有機金属配位錯体を意味するために用いられる。σ-結合またはηn-結合リガンドの例は、シクロペンタジエニル環である。金属原子の例は、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムなどのIVB族金属である。
【0030】
立体規則性の高分子は、立体反復単位の実質的に1つの種を含む高分子であると理解される。例には、アイソタクチック高分子、シンジオタクチック高分子、およびアタクチック高分子が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。ステレオブロック高分子は、少なくとも1つまたはそれより多くの立体規則性の、および非立体規則性の可能性もある、ブロックで構成されるブロック高分子であると理解される。例は、アイソタクチック-ポリ(プロピレン)-ブロック-アタクチック-ポリ(プロピレン)である。
【0031】
アタクチックポリマーは、規則性のポリマーであり、その分子は、ランダムな配列分布において可能性がある立体配置基本単位の等しい数を有する。アタクチックポリマーにおいて、ポリマーの微細構造は、ポリマー骨格に沿ってランダムな相対的立体配置を有する立体中心を含有するであろう。
【0032】
非晶質ポリマーは、材料に対して結晶性を付与するであろう異なるポリマー鎖間の長範囲規則度が存在しないポリマーである。
【0033】
本明細書において用いられる「ポリオレフィン」という用語は、オレフィンホモポリマー、コポリマー、およびブロックコポリマーを含む。
【0034】
「約」という用語は、本明細書において所定の数プラスマイナス1〜10%を意味するために用いられる。
【0035】
「リビング重合」は、本明細書において非可逆的連鎖移動および鎖停止などの実質的な鎖成長停止反応がない重合プロセスを意味するために用いられる。リビング重合は、分子量に対する制御を可能にして、狭い分子量分布を提供する。「ドーマント種」は、中性の金属中心に配位したポリマー鎖などの、可逆的化学プロセスを通して活性種に変換されるまでモノマーの鎖連結を通して伸長に積極的に関与することができない種を意味するために用いられる。「活性種」は、陽イオン金属中心に配位したポリマー鎖などの、モノマーの鎖連結を通して伸長に関与することができる種を意味するために用いられる。「代替種」は、モノマーの鎖連結を通しての直接的な伸長に関係することができないが、伸長速度と大きさが少なくとも等しい、好ましくは数倍速い連鎖移動速度を有する活性またはドーマント種による可逆的ポリマー連鎖移動に関与することができる典型元素金属アルキルを定義するために用いられる。
【0036】
「高精度炭化水素」は、本明細書において、プログラム可能で構築上離散性の炭素-炭素結合の枠組み、非常に低い分子量、および極めて狭い分子量分布を有することで区別されるポリオレフィンの1つのクラスを意味するために用いられる。
【0037】
分子量分布(MWD)の単峰性は、本明細書において1つの明確な分子量分布を含むポリマーの組成物を意味するために用いられる。典型的に、MWDは、数平均分子量(Mn)が約500 Daから約500,000 Daの範囲でありうる分子量の範囲である。ポリマーのMWDは、関連する当業者に公知の任意の方法、たとえばサイズ排除クロマトグラフィー、およびゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
【0038】
「多分散度指数」は、本明細書において所定のポリマー組成物に関するMWDの測定として用いられる。多分散度指数1は、単分散組成物を指す。多分散度指数は、重量平均分子量(Mw)対数平均分子量(Mn)の比である。1つの態様において、本発明に従って作製されたポリマー組成物は、低い多分散度指数、たとえば約1.02〜1.15を有する。しかし、本発明の他の態様は、1.01〜1.2の範囲内であると定義される低い多分散度指数を有してもよい。多分散度指数はまた、1.2〜1.8の範囲内であってもよく、活性種と代替種のあいだの可逆的連鎖移動速度が、活性種の伸長速度と大きさが近い場合には、なおも本発明によって製造されていると分類されうる。
【0039】
配位連鎖移動重合(CCTP)は、「代替」金属鎖成長部位の処理能力において役立ちうる金属アルキルの追加の当量を使用する。CCTPは、図1に従って進行する活性な遷移金属伸長中心(MA)と鎖成長に不活性な典型元素金属アルキル中心(MB)とのあいだの非常に効率的で可逆的な連鎖(ポリメリル基、PAおよびPB)移動を使用する。活性金属中心と不活性金属中心のあいだの連鎖移動交換に関する速度定数kctが、伸長に関する速度定数kpより数倍大きい場合、遷移元素および典型元素金属中心はいずれも、リビング重合の全ての望ましい特色を維持しながら、同じ速度で鎖成長伸長に有効に関与するように思われる(Hustad, P.D., et al., Macromolecules 41:4081-4089 (2008); Muller, A.H.E., et al., Macromolecules 25:4326-4333 (1995))。実際に、これらの条件下でXnは、消費されたモノマーの量、ならびに図1に従う活性な鎖成長に公式に関与する全てのポリメリル基PAおよびPBの総濃度の双方によって支配され、より正確には、以下の式によって支配されるであろう:Xn={[モノマー]t−[モノマー]0}/[(M−PA)++(n)(M'−PB)]0};式中nは、典型元素金属あたりの等価のポリメリル基の数である(たとえば、ZnR2に関してn=2)。分子量多分散度指数D(=Mw/Mn)は、さらにD〜1+(kp/kct)に従って、これらの2つのプロセスに関する速度定数の相対的大きさによっておおよそ決定されるであろう(Muller, A.H.E., et al., Macromolecules 28:4326-4333 (1995))。最後に、図1に描写される機序に従って、ポリマー産物の量は、明らかに遷移金属触媒の量によって上限を定められず、むしろ使用されるはるかにより安価で容易に入手可能な典型元素金属アルキル(MB)の総モル当量によって上限を定められる。
【0040】
リビングチーグラー・ナッタ重合の「金属あたり1つの鎖」の制限を克服することが非常に望ましいが、CCTPはこれまで、エテン重合に関して、およびブロック状ポリオレフィンコポリマーを製造するために異なる2つのシングルサイト触媒を使用するエテンと1-オクテンとの「鎖シャトリング」共重合に関して、非リビング様式で成功することが証明されているに過ぎない(典型元素金属アルキルを用いるエテンのCCTPに関する最近の総論および参考文献に関しては、Kempe, R., Chem. Eur. J. 13: 2764-2773 (2007); Pelletier, J. F., et al., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 35:1854-1856 (1996); Chenal, T., et al., Polymer 48:1844-1856 (2007); Britovsek, G. J. P., et al., Angew. Chem. Int. Ed. 41:489-491 (2002); Britovsek, G. J. P., et al., J. Am. Chem. Soc. 126:10701-10712 (2004); van Meurs, M.. et al., J. Am. Chem. Soc. 127:9913-9923 (2005); Rogers, J. S., et al., Chem. Commun. 1209-1210 (2000); Bazan, G. C, et al., Organometallics 20:2059-2064 (2001); Mani, G., et al., Organometallics 23:4608-4613 (2004); Mani, G., et al., Angew. Chem. Int. Ed. 43:2263-2266 (2004); Ganesan, M., et al., J. Organomet. Chem. 690:5145-5149(2005); Kretschmer, W. P., et al., Chem. Eur. J. 12:8969-8978 (2006)を参照されたい);(「ブロック状」ポリ(エテン-コ-1-オクテン)を製造するエテン/1-オクテンの共重合に関する異なる2つの触媒およびジエチル亜鉛(ZnEt2)によるCCTPの概念に基づく「鎖シャトリング」プロセスに関しては、Arriola, D. J., et al., Science 312:714-719 (2006); Hustad, P. D., et al., Macromolecules 40:7061-7064 (2007); Hustad, P. D., Macromolecules 41:4081-4089 (2008)を参照されたい)。
【0041】
リビングまたは非リビング条件下でCCTPの実現の成功にあたっては、プレ触媒、共触媒、典型元素金属アルキル連鎖移動剤、および迅速で可逆的で非常に効率的な連鎖移動(異なる2つの活性な伸長中心のあいだでの鎖シャトリングを含む)が図1に従って起こりうる重合条件、の正しい組み合わせを特定することが実質的に難しいことが確信を持って既に証明されている(van Meurs, M., et al., J. Am. Chem. Soc. 127:9913-9923 (2005); Alfano, F., et al., Macromolecules 40:7736-7738 (2007))。
【0042】
リビング配位連鎖移動重合は、リビング退化的移動配位重合プロセスとは機序が異なる退化的連鎖移動配位重合として見なすことができる(Zhang, Y., et al., J. Am. Chem. Soc. 125:9062-9069 (2003); Zhang, Y., et al., J. Am. Chem. Soc. 126:7776-7777 (2004); Harney, M. B., et al., Angew. Chem. Int. Ed. 45:2400-2404 (2006); Harney, M. B., et al., Angew. Chem. Int. Ed. 45:6140-6144 (2006))。
【0043】
AlEt3およびAl(イソ-ブチル)3によって媒介されるプロペンのリビング配位連鎖移動重合を改善するために、ZnEt2などの第三の成分を添加すると、二次代替鎖成長種として作用することができ、より重要なことに、図2に記述される機序により、活性ハフニウム種と一次代替アルミニウム中心とのあいだの全連鎖移動速度を大きく増強するための連鎖移動メディエータとして作用することができることが見いだされている。
【0044】
本発明は、メタロセンプレ触媒、共触媒、一次代替種、および二次代替種を接触させる段階、第一のオレフィンモノマーを添加する段階、ならびにポリオレフィンを形成するために十分な時間、第一のモノマーを重合させる段階を含む、ポリオレフィン組成物を製造する方法を提供する。
【0045】
または、第一のポリオレフィンブロックを形成するために十分な時間、第一のモノマーを重合させた後、第二のオレフィンモノマーを添加して、およびポリオレフィンブロックコポリマーを形成するために十分な時間、第二のモノマーを重合させる。
【0046】
または、異なる2つのモノマーを様々な比率で添加して、およびランダムコポリマーを形成するために十分な時間、モノマーの混合物を重合させる。
【0047】
本発明において用いるためのメタロセン触媒は、オレフィンモノマーの重合を開始させる任意のメタロセンプレ触媒を含む。特異的な例には、Hlatky, et al., J. Am. Chem. Soc. 111:2728-2729 (1989); K. C. Jayaratne, et al., J. Am. Chem. Soc. 122:958-959 (2000); K. C. Jayaratne, et al., J. Am. Chem. Soc. 122:10490- 10491 (2000); R. J. Keaton, et al., J. Am. Chem. Soc. 122: 12909-12910 (2000) and R. J. Keaton, et al., J. Am. Chem. Soc. 123:6197-6198 (2001)に開示される触媒などのシングルサイトメタロセンプレ触媒が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
【0048】
本発明において用いるためのメタロセンプレ触媒の説明的なしかし非制限的な例には、ビス(シクロペンタジエニル)チタンジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)チタンジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムメチルおよびジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)チタンジ-ネオペンチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ-ネオペンチル、ビス(シクロペンタジエニル)チタンジベンジル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、ビス(シクロペンタジエニル)バナジウムジメチルなどのジアルキルメタロセン;ビス(シクロペンタジエニル)チタンメチルクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)チタンエチルクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)チタンフェニルクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムエチルクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)チタンメチルブロミドなどのモノアルキルメタロセン;シクロペンタジエニルチタントリメチル、シクロペンタジエニルジルコニウムトリフェニル、およびシクロペンタジエニルジルコニウムトリネオペンチル、シクロペンタジエニルジルコニウムトリメチル、シクロペンタジエニルハフニウムトリフェニル、シクロペンタジエニルハフニウムトリネオペンチル、およびシクロペンタジエニルハフニウムトリメチルなどのトリアルキルメタロセン;ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロリド、ペンタエチルシクロペンタジエニルチタントリクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジフェニルなどのモノシクロペンタジエニルチタノセン;式:ビス(シクロペンタジエニル)チタン=CH2、およびこの試薬の誘導体によって表されるカルベン;ビス(インデニル)チタンジフェニルまたはジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタンジフェニルまたはジハライドなどの置換ビス(シクロペンタジエニル)チタン(IV)化合物;ビス(1,2-ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジフェニルまたはジクロリド、ビス(1,2-ジエチルシクロペンタジエニル)チタンジフェニルまたはジクロリドなどのジアルキル、トリアルキル、テトラアルキルおよびペンタアルキルシクロペンタジエニルチタン化合物;ジメチルシリルジシクロペンタジエニルチタンジフェニルまたはジクロリド、メチルホスフィンジシクロペンタジエニルチタンジフェニルまたはジクロリド、メチレンジシクロペンタジエニルチタンジフェニルまたはジクロリド、および他のジハライド錯体などのシリコン、ホスフィン、アミン、またはカーボン架橋シクロペンタジエン錯体等、ならびにイソプロピル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピル(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジtert-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルメチレン(2,5-ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジイソプロピルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジイソブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジtert-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジイソプロピルメチレン(2,5-ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、イソプロピル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロリド、ジイソプロピルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロリド、ジイソブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロリド、ジtert-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロリド、ジイソプロピルメチレン(2,5-ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロリド、ラセミ体-エチレンビス(1-インデニル)ジルコニウム(IV)ジクロリド、ラセミ体-エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)ジルコニウム(IV)ジクロリド、ラセミ体-ジメチルシリルビス(1-インデニル)ジルコニウム(IV)ジクロリド、ラセミ体-ジメチルシリルビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)ジルコニウム(IV)ジクロリド、ラセミ体-1,1,2,2-テトラメチルシラニレンビス( 1-インデニル)ジルコニウム(IV)ジクロリド、ラセミ体-1,1,2,2-テトラメチルシラニレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)ジルコニウム(IV)ジクロリド、エチリデン(1-インデニル-テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジクロリド、ラセミ体-ジメチルシリルビス(2-メチル-4-t-ブチル-1-シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジクロリド、ラセミ体-エチレンビス(1-インデニル)ハフニウム(IV)ジクロリド、ラセミ体-エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)ハフニウム(IV)ジクロリド、ラセミ体-ジメチルシリルビス(1-インデニル)ハフニウム(IV)ジクロリド、ラセミ体-ジメチルシリルビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)ハフニウム(IV) ジクロリド、ラセミ体-1,1,2,2-テトラメチルシラニレンビス(1-インデニル)ハフニウム(IV)ジクロリド、ラセミ体-1,1,2,2-テトラメチルシラニレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)ハフニウム(IV)ジクロリド、エチリデン(1-インデニル-2,3,4,5-テトラメチル-1-シクロペンタジエニル)ハフニウム(IV)ジクロリド、ラセミ体-エチレンビス(1-インデニル)チタン(IV)ジクロリド、ラセミ体-エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)チタン(IV)ジクロリド、ラセミ体-ジメチルシリルビス(1-インデニル)チタン(IV)ジクロリド、ラセミ体-ジメチルシリルビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)チタン(IV)ジクロリド、ラセミ体-1,1,2,2-テトラメチルシラニレンビス(1-インデニル)チタン(IV)ジクロリド、ラセミ体-1,1,2,2-テトラメチルシラニレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)チタン(IV)ジクロリド、およびエチリデン(1-インデニル-2,3,4,5-テトラメチル-1-シクロペンタジエニル)チタン(IV)ジクロリド、(N-tert-ブチルアミド)(ジメチル)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シランスカンジウムヒドリドトリフェニルホスフィンダイマー、(N-tert-ブチルアミド)(ジメチル)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シランスカンジウムヒドリド、(2,5-ジメチルテトラヒドロフラン)(N-tert-ブチルアミド)(ジメチル)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シランスカンジウムビス(トリメチルシリル)メチル、(N-フェニルアミド)(ジメチル)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シランスカンジウムビス(トリメチル)メチル、(N-sec-ブチルアミド)(ジメチル)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シランスカンジウムビス(トリメチルシリル)メチル、(N-tert-ブチルアミド)(ジメチル)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シランスカンジウムメチル-トリベンジルホスフィン、(N-tert-ブチルアミド)(ジメチル)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シランスカンジウムメチル、(2,5-ジメチルテトラヒドロフラン)(N-tert-ブチルアミド)(ジメチル)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シランスカンジウムベンジルトリフェニルホスフィン、(N-tert-ブチルアミド)(ジメチル)(フルオレニル)シランスカンジウムヒドリドトリフェニルフィスフィン(phisphine)、(N-sec-ドデシルアミド)(ジメチル) (フルオレニル)シランスカンジウムヒドリド、(2,5-ジメチルテトラヒドロフラン)(N-ブチルアミド) (ジメチル)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シランスカンジウムビス(トリメチルシリル)メチル、(N-tert-ブチルホスホ)(ジメチル)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シランスカンジウムビス(トリメチル-η5-シクロペンタジエニル)シランスカンジウムビス(トリメチルシリル)メチル、(N-tert-ブチルアミド)(ジメチル)(オクタヒドロフルオレニル)シランスカンジウムメチルトリフェニルホスフィン、(N-tert-ブチルアミド)(ジメチル)(インデニル)シランスカンジウム-メチル(2,5-ジメチルテトラヒドロフラン、および(N-tert-ブチルアミド)(ジメチル)(テトラヒドロインデニル)シランスカンジウム2-(N,N-ジメチルアミノ)ジベンジルトリフェニルホスフィンが挙げられる。
【0049】
1つの態様において、本発明において用いるためのメタロセンプレ触媒は、以下の式を有する:

式中、
破線は、非局在化結合を示し;
MはTi、Zr、Hf、V、Nb、またはTaであり;
各R1は、独立して水素もしくはアルキルであるか、または隣接する2つのR1が芳香環を形成し;
各R2、R3、およびR4は、独立してアルキル、シクロアルキル、Si(アルキル)3、Si(アリール)3、フェニル、置換されてもよいフェニル、アルキルフェニルであり;ならびに
各R5は、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アリール、またはアリールアルキルである。
【0050】
本明細書において用いられるように、「アルキル」は、例としてメチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、イソ-ブチル、およびt-ブチルが挙げられる、炭素原子1から10個、より好ましくは炭素原子1から8個を有する直鎖または分岐鎖炭化水素を指す。
【0051】
単独でまたは別の基の一部としての「アリール」は、環の位置に炭素原子6から14個を含有する単環、二環、または三環の芳香族基を指す。有用なアリール基には、C6-14アリール、好ましくはC6-10アリールが挙げられる。典型的なC6-14アリール基には、フェニル、ナフチル、インデニル、フェナントレニル、アントラセニル、フルオレニル、およびビフェニル基が挙げられる。
【0052】
「アリールアルキル」は、例としてベンジル、フェネチル、およびナフチルメチルが挙げられる1つのアリール基によって置換された上記のアルキル基を指す。
【0053】
「アルキルアリールアルキル」は、アリール基が1つまたは複数のアルキル基によってさらに置換される、1つのアリール基によって置換された上記のアルキル基を指す。例には、4-メチルベンジルおよび4-エチルフェネチルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0054】
「シクロアルキル」は、例としてシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル等が挙げられる、1つの環状環を有する炭素原子3から8個を含有する環状アルキル基を指す。
【0055】
「置換されてもよいフェニル」は、電子供与基または電子求引基1から5個を含有しうるフェニル環を指す。例として、電子供与基には、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミド、アリールおよびアルキルが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。電子求引基の例には、ハロ、ケトン、エステル、-SO3H、アルデヒド、カルボン酸、シアノ、ニトロ、およびアンモニウムが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
【0056】
「アルキルフェニル」は、例としてベンジル、1-フェネチル、1-フェニルプロピル、1-フェニルブチル、2-フェネチル、2-フェニルプロピル、2-フェニルブチル、3-フェニルプロピル、および3-フェニルブチルが挙げられるがこれらに限定されるわけではない1つのフェニル基によって置換された上記のアルキル基を指す。
【0057】
「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを指す。
【0058】
「芳香環」は、1つの環(たとえば、フェニル)または多縮合環(たとえば、ナフチルまたはアントリル)を有する炭素原子6から14個の不飽和炭素環基を指す。本発明のメタロセン触媒は、関連技術分野の当業者に公知の任意の適した方法を用いて調製することができる。メタロセン触媒の合成法は、本発明にとって重要ではない。
【0059】
1つの態様において、メタロセン触媒は、(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]である。
【0060】
共触媒は、メタロセンプレ触媒を活性化することができる。好ましくは、共触媒は以下のうちの1つである:(a)一般式[A+][BR64]のイオン塩であり、式中A+はSi(R7)3、陽イオンルイス酸、もしくは陽イオンブレンステッド酸であり、Bは元素ホウ素であり、R6は、フェニルもしくは置換されてもよいフェニルである、または(b)一般式BR63のホウ素アルキルであり、ならびに各R7はアルキルおよび置換されてもよいフェニルから独立して選択される。本発明の実践において用いられうるルイス酸またはブレンステッド酸の例には、テトラ-n-ブチルアンモニウム、トリフェニルカルボニウム、およびジメチルアニリニウム陽イオンが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
【0061】
本発明において用いるための共触媒の例には、[PhNHMe2][B(C6F5)4]、[Ph3C][B(C6F5)4]、およびB(C6F5)3が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
【0062】
一次代替種は、活性な遷移金属に基づく伸長中心を有する可逆的連鎖移動を活性化することができる。本発明の実践において用いられうる一次代替種の例は、R8がアルキルであるAl(R8)3を含む。本発明において用いられる一次代替種の例には、AlEt3、AlMe3、Al(イソ-ブチル)3、Al(n-ヘキシル)3、Al(n-プロピル)3、およびAl(t-ブチル)3が挙げられる。本発明の1つの態様において、一次代替種はAlEt3である。もう1つの態様において、一次代替種はAl(イソ-ブチル)3である。もう1つの態様において、一次代替種はAl(n-プロピル)3である。
【0063】
二次代替種は、連鎖成長種として作用するのみならず、図2において提唱される機序により活性なハフニウム種と一次代替種のアルミニウム中心とのあいだの全連鎖移動速度を大きく増強するための連鎖移動メディエータとしても作用する。異なる3つの金属種が三元的に相乗的に作用する三元リビング配位連鎖移動重合に関するこの提案の成功にとって極めて重要であるのは、全ての金属におけるポリメリル基交換のみならずハフニウムでの連鎖成長伸長に関する相対速度および速度定数が、以下の順序でなければならない点である:(vct, kct)[Zn-Hf]、(vct, kct)[Zn-Al]>>(vct, kct)[Al+Hf])>(vp, kp)[Hf]。この条件下では、XnおよびDに関する類似の近似一次関係を保持すべきであり、すなわち:Xn=([モノマー]0−[モノマー]t/[(Hf)+2x(Zn)+3y(Al)]0、D〜1+kp/kct(obs)、式中kct(obs)は、見かけの全連鎖移動速度定数である。
【0064】
本発明の実践において用いられうる二次代替種の例には、R9がアルキルであるZn(R9)2が挙げられる。二次代替種の例には、ZnMe2、ZnEt2、Zn(n-ブチル)2、Zn(イソアミル)2、Zn(t-ブチル)2、Zn(ネオペンチル)2、Zn(n-プロピル)2、およびZn(イソ-プロピル)2が挙げられる。本発明の1つの態様において、二次代替種はZnEt2である。
【0065】
本発明の方法は、メタロセンプレ触媒、共触媒、一次代替種、および二次代替種を接触させる段階を含む。1つの態様において、一次代替種の化学量論的過剰量を用いる。「化学量論的過剰量」とは、本明細書において、メタロセンプレ触媒および/または共触媒の当量より多くの量を意味するために用いられる。たとえば、一次代替種およびメタロセンプレ触媒を、一次代替種:メタロセンプレ触媒の約1:1から約1000:1または約1:1から約500:1の範囲の比率で共に添加することができる。もう1つの態様において、一次代替種:メタロセンプレ触媒の比率は、約1.1:1から約20:1の範囲である。もう1つの態様において、一次代替種:メタロセンプレ触媒の比率は、約1.1:1から約18:1である。代わりの例において、一次代替種:メタロセンプレ触媒の比率は、約1.1:1、1.2:1、1.5:1、1.8:1、2:1、2.2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、10:1、18:1、20:1、25:1、50:1、75:1、100:1、または200:1である。
【0066】
本発明の1つの態様において、二次代替種およびメタロセンプレ触媒を、二次代替種:メタロセンプレ触媒の約1:1から約20:1の範囲の比率で共に添加することができる。もう1つの態様において、二次代替種:メタロセンプレ触媒の比率は、約1:1から約10:1の範囲である。もう1つの態様において、二次代替種:メタロセンプレ触媒の比率は約1:1から約2:1の範囲である。代わりの例において、二次代替種:メタロセンプレ触媒の比率は、約1:1、1.5:1、1.8:1、2:1、2.2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、10:1、18:1、または20:1である。
【0067】
1つの態様において、メタロセンプレ触媒および共触媒を、メタロセンプレ触媒:共触媒の約1:1から約500:1の範囲の比率で共に添加することができる。代わりの態様において、比率は、約1.2:1、1.5:1、1.8:1、2:1、2.2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、10:1、25:1、50:1、75:1、または90:1である。1つの態様において、メタロセンプレ触媒:共触媒の比率は約1:1である。
【0068】
本発明の1つの態様において、一次代替種および二次代替種は、一次代替種対二次代替種の約1:1から約500:1または約1:1から約200:1の範囲の比率で共に添加される。もう1つの態様において、一次代替種:二次代替種の比率は、約2:1から約50:1の範囲である。代わりの例において、比率は約1.2:1、1.5:1、1.8:1、2:1、2.2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、9:1、10:1、19:1、25:1、50:1、75:1、または90:1である。
【0069】
プレ触媒、共触媒、一次代替種、および二次代替種を同時に接触させることができる。またはプレ触媒および共触媒を接触させて第一の触媒組成物を形成することができ、これを一次代替種および二次代替種に接触させる。
【0070】
プレ触媒、共触媒、一次代替種、および二次代替種は、希釈せずに、または何らかの適した溶媒中で接触させることができる。本発明において用いるために適した溶媒には、使用される重合条件下で非反応性である不活性液体炭化水素が挙げられる。そのような不活性液体炭化水素は、触媒組成物またはプロセスによって得られるポリマーのための溶媒として機能する必要はないが、溶媒は通常、重合において使用されるモノマーのための溶媒として役立つ。本発明の目的にとって適した不活性液体炭化水素には、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、トリフルオロトルエン、ペンタン、オクタン、イソオクタン、ジクロロメタンが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。1つの態様において、溶媒はトルエンである。
【0071】
プレ触媒、共触媒、一次代替種、および二次代替種は、任意の温度で、好ましくはオレフィン重合のための活性な触媒組成物が形成される温度で接触させることができる。たとえば、活性化反応の温度は、約-25℃から約40℃、または約-10℃から約80℃である。1つの態様において、温度は約20℃である。
【0072】
プレ触媒、共触媒、一次代替種、および二次代替種は、活性化反応によってオレフィン重合のための活性な触媒組成物が得られる限り、任意の長さの期間接触させることができる。たとえば、活性化反応は、約1分から約50時間、または約30分から約5時間行うことができる。または、メタロセンプレ触媒、共触媒、一次代替種、および二次代替種を接触させる段階の直後にモノマーを添加してもよい。1つの態様において、活性化反応は約2時間行われる。もう1つの態様において、活性化反応は約4時間行われる。
【0073】
プレ触媒、共触媒、一次代替種、および二次代替種を任意の圧力で接触させることができる。1つの態様において、圧力は約0 psiから約40 psiである。もう1つの態様において、圧力は約5 psiである。
【0074】
本発明において用いるためのオレフィンモノマーには、エテン、プロペン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、3-メチルブテン、3-メチル-1-ペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロオクタン、1-デセン、鏡像異性体として純粋なβ-シトロネレン、3,5,5-トリメチル-1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、またはシクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、およびアルキルもしくはアリール置換環状オレフィンなどの環状オレフィンが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。用いられるオレフィンモノマーにはまた、以下の式を有するジエンを含む、炭素原子約4個から約20個、好ましくは炭素原子4〜12個を有する、直鎖、分岐、または環状炭化水素ジエンなどの共役または非共役ジエンが挙げられる:

式中、
X=CH2、CO、N(R13)、OまたはSであり;
R11、R12、およびR13は、それぞれ独立してH、アルキル、またはフェニルであり;ならびに
nおよびmは各々独立して0〜5の整数である。
【0075】
ジエンには、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、5-ビニル-2-ノルボルネン、1,7-オクタジエン、ビニルシクロヘキセン、ジシクロペンタジエン、ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、およびエチリデンノルボルネンが挙げられる。
【0076】
本発明の1つの態様において、第一のオレフィンモノマーはプロペンである。
【0077】
ポリオレフィンを形成するために必要な時間は、オレフィンモノマー、反応温度、反応物の濃度、および他の条件に応じて変化して、ポリマーが形成される限り、任意の長さの期間でありうる。たとえば、第一のオレフィンの重合は、約1分から約50時間、または約30分から約5時間のあいだ行うことができる。
【0078】
第二のオレフィンモノマーは、任意の重合可能なオレフィンまたはジエンでありえて、第一のモノマーと同時に添加することができ、この場合ランダムポリオレフィンコポリマーが得られるであろう。または、第一のモノマーを重合させるために十分な期間の後に第二のオレフィンを添加することができ、この場合ブロックポリオレフィンコポリマーが得られるであろう。第一のモノマー対第二のモノマーの比率は、1:100から100:1の範囲でありうるが、これらに限定されるわけではない。1つの例において、第一のオレフィンはプロペンであり、第二のオレフィンは1-オクテンである。もう1つの例において、第一のオレフィンはエテンであり、第二のオレフィンはプロペンである。
【0079】
1つの態様において、本発明の重合法は適応性があり、様々な分子量を有するポリオレフィン組成物の製造が可能である。それゆえ、与えられる分子量は制限的であることを意味しない。たとえば、本発明のポリオレフィン組成物は、約500より大きい数平均分子量(Mn)を有する。より詳しくは、ポリオレフィン組成物は、約1,000から約500,000の数平均分子量を有する。ポリオレフィン組成物の数平均分子量を決定する方法は、当業者に周知である。たとえばゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いてもよい。
【0080】
本発明に従って作製されるポリマー組成物は、低い多分散度指数、たとえば約1.01〜1.15を有する。しかし、本発明の他の態様は、1.01〜1.2の範囲内であると定義される低い多分散度指数を有しうる。多分散度指数はまた、1.2〜1.8の範囲内であってもよく、活性種と代替種のあいだの可逆的連鎖移動速度が活性種の伸長速度と大きさが近い場合には、それでもなお本発明によって製造されていると分類されうる。
【0081】
本発明を一般的に記述してきたことから、本発明は、説明する目的に限って本明細書において提供され、それ以外であると明記されている場合を除き制限的であると意図されない以下の実施例を参照することによって理解されるであろう。
【実施例】
【0082】
操作は全て、標準的なシュレンク技術または真空グローブボックスのいずれかを用いて不活性な二窒素雰囲気下で行った。全体を通して、乾燥した酸素を含まない溶媒を使用した。トルエンをナトリウムから蒸留した。トルエン-d8を、NMR分光法に使用する前に、ナトリウムカリウムアマルガム(NaK)から真空で移動させた。ポリマー等級のプロペンをMatheson Trigasから購入して、活性化Q5および分子ふるい(4Å)の中に通過させた。既に報告された技法に従って、(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]を調製した。[PhNHMe2][B(C6F5)4] をBoulder Scientificから購入した。[Ph3C][B(C6F5)4]をStrem Incから購入して、さらに精製せずに用いた。
【0083】
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)分析は、いずれも45℃に維持したカラム乾燥器および示差屈折計、ならびに同様に45℃に維持した4つのカラムを備えたViscotek GPCシステムを用いて行った。テトラヒドロフランを、溶出剤として流速1.0 mL/分で用いた。Mn、Mw、およびMw/Mn値は、OmniSECソフトウェア(通常の校正)を備えたViscotek GPCおよびポリスチレン標準物質10個(Mn=580 Daから3,150 kDa)(Polymer Laboratories)を用いて得た。13C{1H} NMRスペクトルを、1,1,2,2-テトラクロロエタン-d2を溶媒として用いて90℃で150 MHzで記録した。
【0084】
(表1)プロペンのLCCTPおよびt-LCCTPの結果

a {(η5-C5Me5)Hf(Me)[N(Et)C(Me)N(Et)]}[B(C6F5)4]に対するモル当量
b GPC分析により決定
c NMR末端基分析により決定
d オクテン500当量の存在下で行われたt-LCCTP
【0085】
実施例1
三元LCCTPの典型的技法
250 mLシュレンクフラスコにおいて、20℃のトルエン20 mL中の共触媒[Ph3C][B(C6F5)4](18.5 mg、20μmol)の溶液に、(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)](9.1 mg、20μmol)を添加して、混合物を10分間撹拌して{(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]}[B(C6F5)4]を生成した。Al(イソ-ブチル)3(476 mg、18当量)をトルエン中の15重量%溶液としておよびZnEt2(33 mg、2当量)をトルエン中の15重量%(1.1 M)溶液として添加して、10分間撹拌した。次にフラスコを、プロペンによって5 psiまで加圧して、撹拌しながら圧力を4時間維持した後、メタノール1.0 mLによって反応を停止させた。トルエン溶液を酸性メタノール(10%濃塩酸)600 mL中で沈殿させて、ポリプロペン材料を単離した。最終産物を採取して、真空で終夜乾燥させた。収量:3.1 g。GPC分析:Mw=4,710 Da;Mn=4,530 Da;D=1.04。
【0086】
表1の上半分は、既に報告された技法(国際出願公開番号WO 2009/061499を参照されたい)を用いて行われた{(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]}[B(C6F5)4]、および過剰当量のZnEt2、AlEt3、およびAl(イソ-ブチル)3を用いたプロペンのLCCTPの結果を要約する。表1の項目1は、トルエン中の{(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]}[B(C6F5)4]1当量およびZnEt2 20当量が、0℃でプロペン5 psiによって2時間後にアタクチックポリプロペン材料を提供した場合の基準系として役立ち、その収量およびMn値は、ZnEt2の両方のエチル基がアクセス可能で、活性な遷移金属伸長種との急速で可逆的な連鎖移動に関与することと一貫し、1.04というDを与えた。ZnEt2をAlEt3と交換すると(項目2、表1)、同一の条件下でこの場合も収量およびMn値に基づいて、類似の結果が得られ、AlEt3の3つ全てのエチル基が、可逆的連鎖移動の関与に成功していると結論することができる。さらに、13C NMR分光法(150 MHz、1,1,2,2-テトラクロロエタン-d2、90℃)によるこのアタクチックポリプロペン材料の末端基分析から、非可逆的なβ-水素移動連鎖終止により末端のビニル共鳴が存在しないことが判明し、このようにこの重合のリビング特徴に関する重要な根拠を提供した。しかし、AlEt3について得られたこの材料に関する1.19というより大きいD値は、ハフニウム-亜鉛連鎖移動の定数と比較して、ハフニウム-アルミニウムポリメリル基交換の速度定数がより小さいことを示し、またはより具体的に、図2に従ってkct[Zn-Hf]>kct[Al-Hf]であることを示している。Al(イソ-ブチル)3(項目3、表1)を用いると、アタクチックポリプロペンの認識可能な量を得るために、温度の増加および時間の増加の双方を必要とした。Al(イソ-ブチル)3 100当量(項目4、表1)を用いてこの反応規模を拡大しようとする努力は、16時間という極めて長い重合時間を必要としたが、D値1.21を有する産物の少量を提供したに過ぎなかった。さらに、Al(イソ-ブチル)3を用いると、リビング配位連鎖移動の開始前に少なくとも1時間の長い誘導期間が観察されることが認められた。
【0087】
同様に表1に示されるように、AlEt3、Al(イソ-ブチル)3、およびAl(n-プロピル)3によるプロペンのLCCTPに、トルエン中で0℃で2時間および5 psiでZnEt3を導入すると、収量、Mn、およびDの全ての値に関して値に望ましい好都合の影響を及ぼした。より具体的に、AlEt3およびZnEt2各10当量を最初に用いた場合、単離されたアタクチックポリプロペンの収量およびMn値はいずれも、3つ全ての金属種のあいだで極めて急速で可逆的な連鎖移動が起こっていることと一貫することが見いだされ、特にこの材料の多分散度は、D値が1.02で極めて狭いことが示された(項目5、表1)。Al(n-プロピル)3(項目6、表1)およびAl(イソ-ブチル)3(項目7、表1)を一次代替種として使用した場合でも、類似の結果が得られた。図5および図7に示されるように、13C NMR分光法による末端基分析により、Al(n-プロピル)3およびAl(イソ-ブチル)3の3つ全てのアルキル基ならびにZnEt2の2つのエチル基が、各々の場合において理論的レベルおよび比率でそれぞれのアタクチックポリプロペン材料に組み入れられることが確立された。さらに、表1の項目5、6、および7に示されるように、AlR3におけるR基の立体的大きさがEt<n-プロピル<イソ-ブチルの順に増加すると、三元LCCTP(t-LCCTP)の見かけの全速度が比例して減少することが観察される。表1の項目5〜7において示されるように、この立体的大きさの増加はまた、D値の増加を示した。理論に拘束されたくはないが、この傾向は初回の連鎖移動速度の差から生じると考えられる。
【0088】
表1の項目8によって示されるように、アタクチックポリプロペンの製造は、最少量のZnEt2を用いて達成することができる。それゆえ、連鎖移動メディエータおよび二次代替種の処理能力において役立つ10モル%のZnEt2により、プロペンの三元LCCTPを、周囲条件に近い条件下でトルエン中で一次代替種としてAl(イソ-ブチル)3 18当量を用いて有効かつ効率よく達成することができ、非常に狭い多分散度(D=1.04)のアタクチックポリプロペン材料を製造する。
【0089】
実施例2
プロペンの三元LCCTPの規模拡大(項目9、表1)
500 mLシュレンクフラスコにおいて、25℃のトルエン300 mL中の共触媒[Ph3C][B(C6F5)4](221.4 mg、0.24 mmol)の溶液に、{(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]}(109.7 mg、0.24 mmol)を添加して、混合物を10分間撹拌した。Al(i-Bu)3(9.04 g、190当量)およびZnEt2(1.98 g、10当量)をトルエン中の15重量%(1.1 M)溶液として添加して、10分間撹拌した。フラスコをプロペンによって5 psiまで加圧して、撹拌しながら圧力を72時間維持した後、メタノール10.0 mLによって反応を停止させた。トルエン溶液を酸性メタノール1600 mLに沈殿させて、アタクチックポリプロペンを単離した。粗産物をトルエンに再溶解して、シリカゲルの中を通過させた後、酸性メタノール800 mL中で再沈殿させた。最終産物を採取して真空で終夜乾燥させた。収量:88.3 g。GPC分析:Mw=1,310 Da;Mn=1.190 Da;D=1.10。13C NMRスペクトル末端基分析:Mn=580 Da.
【0090】
それゆえ、プロペンのこの三元LCCTPは、周囲条件に近い条件下でトルエン中で5モル%(10当量)もの少ないZnEt2と共にAl(イソ-ブチル)3の190当量を単に使用することによって量を拡大することに成功し、標的とする低い分子量および非常に狭い多分散度を有するアタクチックポリプロペンによって代表される新しい高精度炭化水素に基づく「ホワイトオイル」88グラムを提供することができた。従来のリビング配位重合を通してこの高精度炭化水素材料の等しい量を得るためには、三元LCCTPの場合に使用した量が0.3 gであったのに対し、{(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]}[B(C6F5)4]179 gが必要であったであろう。さらに、プロペンのこの三元LCCTPは72時間のあいだ室温で行われたが、図11に示されるように産物の多分散度にいかなる明白な分解も認められなかった。
【0091】
実施例3
三元LCCTP共重合の典型的技法
250 mLシュレンクフラスコにおいて、20℃のトルエン20 mL中の共触媒[Ph3C][B(C6F5)4](18.5 mg、20μmol)の溶液に、{(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]}[B(C6F5)4](9.1 mg、20 μmol)を添加して、混合物を10分間撹拌した。Al(イソ-ブチル)3(476 mg、18当量)をトルエン中の15重量%溶液として、およびZnEt2(33 mg、2当量)をトルエン中の15重量%(1.1 M)溶液として添加して、10分間撹拌した。フラスコに1-オクテン(1.12 g、500当量)を添加して、プロペンによって5 psiまで加圧して、撹拌しながら圧力を4時間維持した後、メタノール1.0 mLによって反応を停止させた。トルエン溶液を酸性メタノール600 mL中で沈殿させて、アタクチックポリプロペンを単離した。最終産物を採取して、真空で終夜乾燥させた。収量:0.84 g、GPC分析:Mw=1,400 Da;Mn=1,270 Da;D=1.10。
【0092】
表1の項目10に示されるように、三元LCCTPは、共重合にも拡大できることに成功している。項目10では、10モル%ZnEt2とAl(イソ-ブチル)3 18当量との組み合わせにより、非常に狭い多分散度(Mn=820 Da;D=1.10)で標的とする低分子量の、プロペンと1-オクテンとのランダムコポリマーを含む高精度炭化水素材料が効率よく提供された。ZnEt2の非存在下(項目11、表1)では、標準的なLCCTPは、多分散度が劣った(D=1.46)の類似の材料を提供する。
【0093】
実施例4
13C NMR分光法を用いる末端基分析
13C NMR分光法を用いて、AlR3およびZnEt2のアルキル基からの異なるアタクチックポリプロペン鎖末端構造の比率を直接調べた。図5(項目6、表1)に示されるように、ポリマー鎖末端の3/10がn-プロピル型の末端であり、鎖末端の1/5がエチル型の末端であり、および鎖末端の1/2がイソ-ブチル型の末端であった。
【0094】
図7(項目7、表1)に示されるように、ポリマー鎖末端の4/5がイソブチル型の末端であり、および鎖末端の1/5がエチル型の末端であった。このことは、アルミニウム上の全てのアルキル基が三元LCCTPにおいて連鎖移動を受けることを証明している。
【0095】
本発明を十分に説明したことから、広く同等の範囲の条件、処方、および他のパラメータによって本発明を行うことができ、それでも本発明の範囲またはその任意の態様に影響を及ぼさないことは当業者によって理解されるであろう。本明細書において引用された全ての特許、特許出願、および刊行物は、その全内容が参照により本明細書に十分に組み入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)メタロセンプレ触媒、共触媒、R8がC1-C10アルキルであるAl(R8)3の化学量論的過剰量、およびR9がC1-C10アルキルであるZn(R9)2を接触させる段階;
(b)第一のオレフィンモノマーを添加する段階;ならびに
(c)ポリオレフィンを形成するために十分な時間、三元リビング配位連鎖移動によって第一のモノマーを重合させる段階、
を含む、ポリオレフィン組成物を製造する方法。
【請求項2】
R8が、エチル、メチル、イソ-ブチル、n-ヘキシル、n-プロピル、およびt-ブチルからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
R8がイソ-ブチルである、請求項2記載の方法。
【請求項4】
R8がエチルである、請求項2記載の方法。
【請求項5】
R8がプロピルである、請求項2記載の方法。
【請求項6】
R9が、メチル、エチル、n-ブチル、イソアミル、t-ブチル、ネオペンチル、n-プロピル、およびイソ-プロピルからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項7】
R9がエチルである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
Al(R8)3およびZn(R9)2が約1:1から約200:1の比率で添加される、請求項1記載の方法。
【請求項9】
比率が約1.1:1から約100:1である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
比率が約9:1である、請求項8記載の方法。
【請求項11】
比率が約19:1である、請求項8記載の方法。
【請求項12】
メタロセンプレ触媒が、(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]である、請求項1記載の方法。
【請求項13】
共触媒が、[PhNMe2H][B(C6F5)4]、[PhNMe2H][B(C6F5)3Me]、またはB(C6F5)3である、請求項1記載の方法。
【請求項14】
Al(R8)3およびZn(R9)2を不活性溶媒中でメタロセンプレ触媒および共触媒と接触させる、請求項1記載の方法。
【請求項15】
溶媒がトルエンである、請求項14記載の方法。
【請求項16】
Al(R8)3、Zn(R9)2、メタロセンプレ触媒、および共触媒を、約-20℃から約25℃の温度で接触させる、請求項1記載の方法。
【請求項17】
第一のオレフィンモノマーが、エテン、プロペン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、3-メチルブテン、3-メチル-1-ペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロオクタン、1-デセン、鏡像異性体として純粋なβ-シトロネレン、3,5,5-トリメチル-1-ヘキセン、シクロペンテン、ビニルシクロヘキセン、または4-メチル-1-ペンテンである、請求項1記載の方法。
【請求項18】
第一のオレフィンモノマーが、エテン、プロペン、1-ヘキセン、1-オクテン、または1,5-ヘキサジエンである、請求項1記載の方法。
【請求項19】
ポリオレフィンが、約1.01〜1.15の多分散度指数を有するアタクチックポリオレフィンである、請求項1記載の方法。
【請求項20】
メタロセンプレ触媒が(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]であり、R8がエチルであり、R9がエチルであり、かつ第一のオレフィンモノマーがプロペンである、請求項1記載の方法。
【請求項21】
Al(R8)3対Zn(R9)2の比率が約1:1である、請求項20記載の方法。
【請求項22】
メタロセンプレ触媒が(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]であり、R8がn-プロピルであり、R9がエチルであり、かつ第一のオレフィンモノマーがプロペンである、請求項1記載の方法。
【請求項23】
Al(R8)3対Zn(R9)2の比率が約1:1である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
メタロセンプレ触媒が(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]であり、R8がイソ-ブチルであり、R9がエチルであり、第一のオレフィンモノマーがプロペンであり、かつAl(R8)3対Zn(R9)2の比率が約1:1から約19:1である、請求項1記載の方法。
【請求項25】
Al(R8)3対Zn(R9)2の比率が約9:1から約19:1である、請求項24記載の方法。
【請求項26】
第二のオレフィンモノマーを添加する段階;およびポリオレフィンを形成するために十分な時間、第二のモノマーを重合させる段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項27】
第二のオレフィンモノマーが、エテン、プロペン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、3-メチルブテン、3-メチル-1-ペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロオクタン、1-デセン、鏡像異性体として純粋なβ-シトロネレン、3,5,5-トリメチル-1-ヘキセン、または4-メチル-1-ペンテンである、請求項26記載の方法。
【請求項28】
ポリオレフィンがアタクチックリビングポリオレフィンである、請求項26記載の方法。
【請求項29】
ポリオレフィンが、式:アタクチック-ポリ(第一のオレフィン)-コ-ポリ(第二のオレフィン)を有するジブロックコポリマーを含む、請求項26記載の方法。
【請求項30】
ジブロックコポリマー組成物が約1.02〜1.2の多分散度指数を有する、請求項26記載の方法。
【請求項31】
ジブロックコポリマーが単峰性である、請求項26記載の方法。
【請求項32】
メタロセンプレ触媒が(η5-C5Me5)Hf(Me)2[N(Et)C(Me)N(Et)]であり、R8がイソ-ブチルであり、R9がエチルであり、第一のオレフィンモノマーがプロペンであり、および第二のオレフィンモノマーが1-オクテンである、請求項26記載の方法。
【請求項33】
Al(R8)3対Zn(R9)2の比率が約9:1である、請求項32記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−516525(P2013−516525A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547334(P2012−547334)
【出願日】平成23年1月4日(2011.1.4)
【国際出願番号】PCT/US2011/020116
【国際公開番号】WO2011/082418
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(509267465)ユニバーシティー オブ メリーランド,カレッジ パーク (4)
【出願人】(512175041)
【出願人】(512175052)
【Fターム(参考)】